(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】カバー部材、カバー部材の製造方法、及びカバー部材の設置方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20241127BHJP
B65D 81/113 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B65D85/68 F
B65D81/113 100A
(21)【出願番号】P 2022102175
(22)【出願日】2022-06-24
【審査請求日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2021105202
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰野 晋
【審査官】武井 健浩
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02794430(FR,A1)
【文献】特開2015-063325(JP,A)
【文献】米国特許第06375066(US,B1)
【文献】米国特許第07998049(US,B1)
【文献】特開2013-154928(JP,A)
【文献】特開2015-127241(JP,A)
【文献】特開平10-001129(JP,A)
【文献】特開2021-155057(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224241(JP,U)
【文献】国際公開第2001/087720(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 81/113
B65D 5/00 - 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(W)をカバーするカバー部材であって、
互いに背向する第1表面(11)と第1裏面(12)とを含む第1壁部(10)と、
前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第2壁部(20)と、
前記第1壁部(10)と前記第2壁部(20)との連設個所に設けられ、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能に構成する折り曲げ部(30)と
を含み、
前記第1壁部(10)は、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)と谷部(B)とを含み、
前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、
前記山部(A)は、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)と
を含み、
前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、
前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲がり、
前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大き
く、
前記第1壁部(10)が前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げられることは、前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の両端部又は前記第1壁部(10)の当該両端部のうちの一方の端部が前記谷部(B)を中心にして前記第1表面(11)側へ回転することを示す、カバー部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1壁部(10)の前記第1方向(X)の寸法(Xa)は、
前記第1山部(A1)から前記谷部(B)側に向かうに従って徐々に大きくなり、
前記谷部(B)から前記第2山部(A2)側に向かうに従って徐々に小さくなる、カバー部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記第2壁部(20)は、
前記第1壁部(10)の前記谷部(B)に連設され、前記第1方向(X)に沿って伸びる連設山部(C)を含み、前記連設山部(C)で前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能である、カバー部材。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
前記第1壁部(10)の前記第1裏面(12)と前記第2壁部(20)の前記第2裏面(22)とが前記対象物(W)の外面に対向した状態で、前記第1壁部(10)の前記第1山部(A1)が上方に位置し、前記第1壁部(10)の前記第2山部(A2)が下方に位置するように設置される、カバー部材。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)が、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)以上の大きさである、カバー部材。
【請求項6】
請求項1又は請求項2において、
前記折り曲げ部(30)には前記折り曲げ部(30)を切り込んだ第1切り込み部(R)が設けられ、
前記谷部(B)にはミシン目構造(P)が設けられる、カバー部材。
【請求項7】
請求項6において、
前記ミシン目構造(P)は、前記第1壁部(10)を貫通する複数の貫通孔(P1)が前記第1方向(X)に沿って間隔を空けて並んだ構造を含む、カバー部材。
【請求項8】
請求項1又は請求項2において、
前記折り曲げ部(30)は、複数の個所(Q1,Q2,Q3)で屈曲し、
前記複数の個所(Q1,Q2,Q3)の各々には、前記第1山部(A1)、前記第2山部(A2)、及び前記谷部(B)のうちのいずれかが連なる、カバー部材。
【請求項9】
請求項1又は請求項2において、
前記カバー部材は、前記折り曲げ部(30)及び前記谷部(B)で折り曲げられていない状態において、フラットな形状を有する、カバー部材。
【請求項10】
請求項1又は請求項2において、
前記対象物(W)は、空気調和機の室外機を含む、カバー部材。
【請求項11】
請求項1又は請求項2において、
前記谷部(B)は、
前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第1部分(Bm)と、
前記第1方向(X)の他方向側(X2)に位置する第2部分(Bn)と
を含み、
前記第2部分(Bn)の方が前記第1部分(Bm)よりも折り曲がりにくい、カバー部材。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1壁部(10)は、複数の前記谷部(B)を含む、カバー部材。
【請求項13】
請求項1又は請求項2において、
前記谷部(B)には前記谷部(B)を前記第1表面(11)側から切り込んだ第2切り込み部(D)が設けられる 、カバー部材。
【請求項14】
請求項1又は請求項2において、
前記折り曲げ部(30)には前記折り曲げ部(30)を前記第2裏面(22)側から切り込んだ第1切り込み部(R)が設けられる 、カバー部材。
【請求項15】
請求項1又は請求項2において、
前記谷部(B)のうち前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する部分(Bn)には、前記谷部(B)を貫通しつつ前記第1方向(X)に沿って延びる抜き孔部(J)が設けられる、カバー部材。
【請求項16】
請求項1又は請求項2において、
前記谷部(B)のうち前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する部分(Bn)にはミシン目構造(P)が設けられる、カバー部材。
【請求項17】
請求項1又は請求項2において、
前記第1壁部(10)は、
前記谷部(B)と前記第1山部(A1)との間に位置する第1壁部分(10a)と、
前記谷部(B)と前記第2山部(A2)との間に位置する第2壁部分(10b)と
を含み、
前記第1壁部分(10a)には、前記第1壁部分(10a)を貫通しつつ、前記第1方向(X)の一方向側(X1)に対して鋭角に傾斜した方向(N1)に延びる第1壁孔部(81)が設けられる、カバー部材。
【請求項18】
請求項1又は請求項2において、
前記第1壁部(10)は、
前記谷部(B)と前記第1山部(A1)との間に位置する第1壁部分(10a)と、
前記谷部(B)と前記第2山部(A2)との間に位置する第2壁部分(10b)と
を含み、
前記第2壁部分(10b)には、前記第2壁部分(10b)を貫通しつつ、前記第1方向(X)の他方向側(X2)に対して鋭角に傾斜した方向(N2)に延びる第2壁孔部(82)が設けられる、カバー部材。
【請求項19】
請求項1又は請求項2において、
前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部から、前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に膨出する係止部(60)を含み、
前記係止部(60)は、前記第1壁部(10)の前記縁部における前記第1方向(X)の中央部に位置する、カバー部材。
【請求項20】
請求項19において、
前記係止部(60)には、前記係止部(60)を前記第1表面(11)側から切り込んだ形状を有すると共に前記第1方向(X)に沿って延びる第3切り込み部(E)が設けられる、カバー部材。
【請求項21】
請求項1又は請求項2において、
前記山部(A)には、前記山部(A)を
前記第1裏面(12)側から切り込んだ第4切り込み部が設けられる 、カバー部材。
【請求項22】
請求項1又は請求項2において、
前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部から、前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に膨出する係止部(60)を含み、
前記谷部(B)には、前記谷部(B)を前記第1表面(11)側から切り込んだ第2切り込み部(D)が設けられ、
前記係止部(60)は、前記第1壁部(10)の前記縁部における前記第1方向(X)の中央部に位置し、
前記係止部(60)には、前記係止部(60)を前記第1表面(11)側から切り込んだ形状を有すると共に前記第1方向(X)に沿って延びる第3切り込み部(E)が設けられる、カバー部材。
【請求項23】
対象物(W)をカバーするカバー部材の製造方法であって、
フラットな形状を有する素材に対して折り曲げ部(30)を形成することで、前記折り曲げ部(30)で前記素材を第1壁部(10)と第2壁部(20)とに区画する工程と、
前記第1壁部(10)に対して、第1方向(X)に沿って延びる谷部(B)を形成する工程と
を含み、
前記第1壁部(10)は、互いに背向する第1表面(11)及び第1裏面(12)と、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)とを含み、
前記第2壁部(20)は、前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置し、
前記折り曲げ部(30)は、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側に折り曲げ可能であり、
前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、
前記山部(A)は、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)と
を含み、
前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、
前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲がり、
前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大き
く、
前記第1壁部(10)が前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げられることは、前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の両端部又は前記第1壁部(10)の当該両端部のうちの一方の端部が前記谷部(B)を中心にして前記第1表面(11)側へ回転することを示す、カバー部材の製造方法。
【請求項24】
互いに背向する第1表面(11)と第1裏面(12)とを含む第1壁部(10)と、
前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第2壁部(20)と、
前記第1壁部(10)と前記第2壁部(20)との連設個所に位置し、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能に構成する折り曲げ部(30)と
を含み、
前記第1壁部(10)は、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)と谷部(B)とを含み、
前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、
前記山部(A)は、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、
前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)と
を含み、
前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、
前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲がり、
前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大き
く、
前記第1壁部(10)が前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げられることは、前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の両端部又は前記第1壁部(10)の当該両端部のうちの一方の端部が前記谷部(B)を中心にして前記第1表面(11)側へ回転することを示す、カバー部材の設置方法であって、
前記折り曲げ部(30)において前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ、前記谷部(B)において前記第1表面(11)側へ前記第1壁部(10)を折り曲げた状態で、前記第1裏面(12)及び前記第2裏面(22)を対象物(W)の外面と対向配置する、カバー部材の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバー部材、カバー部材の製造方法、及びカバー部材の設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、梱包部材が開示されている。梱包部材は、箱状物品の上面の天トレイアセンブリと、当該箱状物品の下面を被覆し支持する底トレイアセンブリと、当該箱状物品の側面を被覆する胴枠とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、胴枠(カバー部材)に対して自重が作用することで、胴枠が外側(箱状物品に対して離間する側)に屈曲して出っ張る可能性がある。これにより、複数の梱包部材でそれぞれ複数の箱状物品が梱包されている状態において、隣り合う梱包部材の胴枠が外側に出っ張ることで互いに接触すると、隣り合う梱包部材が破損する可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、カバー部材の第1壁部が外側に屈曲して出っ張ることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、対象物(W)をカバーするカバー部材であって、互いに背向する第1表面(11)と第1裏面(12)とを含む第1壁部(10)と、前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第2壁部(20)と、前記第1壁部(10)と前記第2壁部(20)との連設個所に設けられ、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能に構成する折り曲げ部(30)とを含み、前記第1壁部(10)は、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)と谷部(B)とを含み、前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、前記山部(A)は、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)とを含み、前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大きい。
【0007】
第1の態様では、カバー部材の第1壁部(10)が自重により外側に屈曲して出っ張ることを抑制できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1壁部(10)の前記第1方向(X)の寸法(Xa)は、前記第1山部(A1)から前記谷部(B)側に向かうに従って徐々に大きくなり、前記谷部(B)から前記第2山部(A2)側に向かうに従って徐々に小さくなる。
【0009】
第2の態様では、谷部(B)において第1壁部(10)が第1表面(11)側へ折り曲がるように、カバー部材の自重を第1壁部(10)に作用させることができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第1又は2の態様において、前記第2壁部(20)は、第1壁部(10)の前記谷部(B)に連設され、前記第1方向(X)に沿って伸びる連設山部(C)を含み、前記連設山部(C)で前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能である。
【0011】
第3の態様では、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を折り曲げる動作に連動させて、第2壁部(20)を連設山部(C)で折り曲げることができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第1~3の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1壁部(10)の前記第1裏面(12)と前記第2壁部(20)の前記第2裏面(22)とが前記対象物(W)の外面に対向した状態で、前記第1壁部(10)の前記第1山部(A1)が上方に位置し、前記第1壁部(10)の前記第2山部(A2)が下方に位置するように設置される。
【0013】
第4の態様では、カバー部材により対象物(W)の外面をカバーする際、第1山部(A1)が上方に位置し、第2山部(A2)が下方に位置するようにして、カバー部材を設置できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1~4の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)が、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)以上の大きさである。
【0015】
第5の態様では、カバー部材を容易に設置できる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第1~5の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記折り曲げ部(30)には前記折り曲げ部(30)を切り込んだ第1切り込み部(R)が設けられ、前記谷部(B)にはミシン目構造(P)が設けられる。
【0017】
第6の態様では、第1切り込み部(R)及びミシン目構造(P)によりカバー部材を折り曲げることができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第6の態様において、前記ミシン目構造(P)は、前記第1壁部(10)を貫通する複数の貫通孔(P1)が前記第1方向(X)に沿って間隔を空けて並んだ構造を含む。
【0019】
第7の態様では、複数の孔で構成されるミシン目構造(P)により谷部(B)で第1壁部(10)を第1表面(11)側へ容易に折り曲げることができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第1~7の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記折り曲げ部(30)は、複数の個所(Q1,Q2,Q3)で屈曲し、前記複数の個所(Q1,Q2,Q3)の各々には、前記第1山部(A1)、前記第2山部(A2)、及び前記谷部(B)のうちのいずれかが連なる。
【0021】
第8の態様では、カバー部材を蛇腹状に形成できる。
【0022】
本開示の第9の態様は、上記第1~8の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記カバー部材は、前記折り曲げ部(30)及び前記谷部(B)で折り曲げられていない状態において、フラットな形状を有する。
【0023】
第9の態様では、フラットなタンボール材のような低コストの素材を用いてカバー部材を形成できる。
【0024】
本開示の第10の態様は、上記第1~9の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記対象物は、空気調和機の室外機を含む。
【0025】
第10の態様では、室外機の外面をカバー部材によりカバーできる。
【0026】
本開示の第11の態様は、上記第1~10の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記谷部(B)は、前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第1部分(Bm)と、前記第1方向(X)の他方向側(X2)に位置する第2部分(Bn)とを含み、前記第2部分(Bn)の方が前記第1部分(Bm)よりも折り曲がりにくい。
【0027】
第11の態様では、第1壁部(10)が谷部(B)の第2部分(Bn)で第1裏面(12)側へ折り曲がることを効果的に抑制できる。
【0028】
本開示の第12の態様は、上記第11の態様において、前記第1壁部(10)は、複数の前記谷部(B)を含む。
【0029】
第12の態様では、第1壁部(10)に複数の谷部(B)を設けた場合でも、第1壁部(10)が各谷部(B)の第2部分(Bn)で第1裏面(12)側へ折り曲がることを効果的に抑制できる。
【0030】
本開示の第13の態様は、上記第1~12の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記谷部(B)には前記谷部(B)を前記第1表面(11)側から切り込んだ第2切り込み部(D)が設けられる。
【0031】
第13の態様では、谷部(B)の第1表面(11)側に第2切り込み部(D)が形成されることにより第1壁部(10)が谷部(B)において第1表面(11)側へ折れ曲がりやすくなるので、カバー部材の設置時において、カバー部材の自重により第1壁部(10)が第1表面(11)側へ出っ張るようにして曲がることを抑制できる。
【0032】
本開示の第14の態様は、上記第1~13の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記折り曲げ部(30)には前記折り曲げ部(30)を前記第2裏面(22)側から切り込んだ第1切り込み部(R)が設けられる。
【0033】
第14の態様では、第1切り込み部(R)により第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を第2裏面(22)側へ容易に折り曲げることができる。
【0034】
本開示の第15の態様は、上記第1~14の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記谷部(B)のうち前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する部分(Bn)には、前記谷部(B)を貫通しつつ前記第1方向(X)に沿って延びる抜き孔部(J)が設けられる。
【0035】
第15の態様では、カバー部材の第1壁部(10)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0036】
本開示の第16の態様は、上記第1~14の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記谷部(B)のうち前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する部分(Bn)にはミシン目構造(P)が設けられる。
【0037】
第16の態様では、カバー部材の第1壁部(10)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0038】
本開示の第17の態様は、上記第1~16の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)と前記第1山部(A1)との間に位置する第1壁部分(10a)と、前記谷部(B)と前記第2山部(A2)との間に位置する第2壁部分(10b)とを含み、前記第1壁部分(10a)には、前記第1壁部分(10a)を貫通しつつ、前記第1方向(X)の一方向側(X1)に対して鋭角に傾斜した方向(N1)に延びる第1壁孔部(81)が設けられる。
【0039】
第17の態様では、第1壁部分(10a)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0040】
本開示の第18の態様は、上記第1~17の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)と前記第1山部(A1)との間に位置する第1壁部分(10a)と、前記谷部(B)と前記第2山部(A2)との間に位置する第2壁部分(10b)とを含み、前記第2壁部分(10b)には、前記第2壁部分(10b)を貫通しつつ、前記第1方向(X)の他方向側(X2)に対して鋭角に傾斜した方向(N2)に延びる第2壁孔部(82)が設けられる。
【0041】
第18の態様では、第1壁部分(10a)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0042】
本開示の第19の態様は、上記第1~18の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部から、前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に膨出する係止部(60)を含み、前記係止部(60)は、前記第1壁部(10)の前記縁部における前記第1方向(X)の中央部に位置する。
【0043】
第19の態様では、第3係止部(60)により第1壁部(10)における第1方向(X)の中央部を支持できるので、カバー部材(ZE)を安定的に支持することができる。
【0044】
本開示の第20の態様は、上記第19の態様において、前記係止部(60)には、前記係止部(60)を前記第1表面(11)側から切り込んだ形状を有すると共に前記第1方向(X)に沿って延びる第3切り込み部(E)が設けられる。
【0045】
第20の態様では、カバー部材を容易に設置できる。
【0046】
本開示の第21の態様は、上記第1~20の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記山部(A)には、前記山部(A)を第1裏面(12)側から切り込んだ第4切り込み部が設けられる。
【0047】
第21の態様では、カバー部材を蛇腹状に形成できる。
【0048】
本開示の第22の態様は、上記第1~12の態様のうちのいずれか1つにおいて、前記第1壁部(10)における前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部から、前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に膨出する係止部(60)を含み、前記谷部(B)には、前記谷部(B)を前記第1表面(11)側から切り込んだ第2切り込み部(D)が設けられ、前記係止部(60)は、前記第1壁部(10)の前記縁部における前記第1方向(X)の中央部に位置し、前記係止部(60)には、前記係止部(60)を前記第1表面(11)側から切り込んだ形状を有すると共に前記第1方向(X)に沿って延びる第3切り込み部(E)が設けられる。
【0049】
第22の態様では、カバー部材の自重により第1壁部(10)が第1表面(11)側へ出っ張るようにして曲がることを抑制できる。
【0050】
本開示の第23の態様は、対象物をカバーするカバー部材の製造方法であって、フラットな形状を有する素材に対して折り曲げ部(30)を形成することで、前記折り曲げ部(30)で前記素材を第1壁部(10)と第2壁部(20)とに区画する工程と、前記第1壁部(10)に対して、第1方向(X)に沿って延びる谷部(B)を形成する工程とを含み、前記第1壁部(10)は、互いに背向する第1表面(11)及び第1裏面(12)と、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)とを含み、前記第2壁部(20)は、前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して前記第1方向(X)の一方向側(X1)に位置し、前記折り曲げ部(30)は、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側に折り曲げ可能であり、前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、前記山部(A)は、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)とを含み、前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大きい。
【0051】
第23の態様では、フラットなタンボール材のようなシンプルな形状の素材からカバー部材を形成できる。
【0052】
本開示の第24の態様は、互いに背向する第1表面(11)と第1裏面(12)とを含む第1壁部(10)と、前記第1表面(11)に連設される第2表面(21)と、前記第1裏面(12)に連設される第2裏面(22)とを含み、前記第1壁部(10)に対して第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第2壁部(20)と、前記第1壁部(10)と前記第2壁部(20)との連設個所に位置し、前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ可能に構成する折り曲げ部(30)とを含み、前記第1壁部(10)は、前記第1方向(X)に沿って延びる山部(A)と谷部(B)とを含み、前記山部(A)と前記谷部(B)とは、前記第1方向(X)に対して垂直な第2方向(Y)に沿って互いに間隔を空けて配置され、前記山部(A)は、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する第1山部(A1)と、前記谷部(B)に対して前記第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する第2山部(A2)とを含み、前記第1壁部(10)は、前記谷部(B)で前記第1表面(11)側へ折り曲げ可能であり、前記谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)が、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、前記第2山部(A2)の前記第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大きい、カバー部材の設置方法であって、前記折り曲げ部(30)において前記第1壁部(10)に対して前記第2壁部(20)を前記第2裏面(22)側へ折り曲げ、前記谷部(B)において前記第1表面(11)側へ前記第1壁部(10)を折り曲げた状態で、前記第1裏面(12)及び前記第2裏面(22)を対象物(W)の外面と対向配置する。
【0053】
第24の態様では、カバー部材の第1壁部(10)が自重により外側に屈曲して出っ張ることを抑制するようにしてカバー部材を設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、実施形態1のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられた状態を第1表面側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられた状態を第1裏面側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、谷部のミシン目構造を示す拡大図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す谷部のミシン目構造の断面図である。
【
図6】
図6は、ミシン目構造が形成される手順を示す断面図である。
【
図7】
図7は、折り曲げ部の切り込み部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、切り込み部が形成される手順を示す断面図である。
【
図9】
図9は、カバー部材が設置される手順を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、カバー部材が設置された状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、カバー部材が設置された状態の梱包部材の切断端面図である。
【
図12】
図12は、カバー部材の設置時において、カバー部材が押し下げられる前のカバー部材と取付板との位置関係を示す図である。
【
図13】
図13は、カバー部材の設置時において、カバー部材が押し下げられた後のカバー部材と取付板との位置関係を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態2のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、連設山部の切り込み部を示す断面図である。
【
図16】
図16は、実施形態3のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態3のカバー部材が設置された状態の第1壁部の切断端面図である。
【
図18】
図18は、実施形態4のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、実施形態4のカバー部材が設置された状態の第1壁部の切断端面図である。
【
図20】
図20は、実施形態5のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、実施形態6のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられる前のフラットな状態を示す斜視図である。
【
図30】
図30は、実施形態6のカバー部材において折り曲げ部及び谷部で折り曲げられた状態を第1表面側から見た斜視図である。
【
図31】
図31は、カバー部材が設置されている状態を示す斜視図である。
【
図32】
図32は、カバー部材の設置時において、第3係止部を天トレイ前に配置した状態を示す斜視図である。
【
図34】
図34は、第3係止部が第2切り込み部で折り曲げられている状態を示す斜視図である。
【
図35】
図35は、第3係止部が天トレイの裏側へ挿入された状態を示す斜視図である。
【
図36】
図36は、カバー部材の第1壁部が膨らむように変形している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0056】
-第1実施形態-
本発明の第1実施形態に係る梱包部材(Z)について説明する。梱包部材(Z)は、対象物を梱包するための部材である。第1実施形態では、対象物は、空気調和機の室外機(W)である。
【0057】
梱包部材(Z)は、カバー部材(Z1)と、天トレイ(Z2)と、底トレイ(Z3)とを備える(
図10参照)。
【0058】
-カバー部材-
カバー部材(Z1)は、折り曲げ可能な板状の部材である。カバー部材(Z1)は、例えば、段ボールにより形成される。なお、カバー部材(Z1)の素材は、特に限定されない。
【0059】
図1に示す第1方向(X)と第2方向(Y)とは、互いに垂直な方向を示す。
【0060】
図1~
図3に示すように、カバー部材(Z1)は、第1壁部(10)と、第2壁部(20)と、折り曲げ部(30)と、第1係止部(40)と、第2係止部(50)とを含む。
【0061】
カバー部材(Z1)は、フラットな形状を有する素材に対して折り曲げ部(30)を形成することで、折り曲げ部(30)で当該素材を第1壁部(10)と第2壁部(20)とに区画した構造を有する。
【0062】
第1壁部(10)は板状の部材である。第1壁部(10)は、略矩形状に形成される。第1壁部(10)は、互いに背向する第1表面(11)と第1裏面(12)とを含む。
【0063】
第1壁部(10)は、山部(A)と、谷部(B)とを含む。第1壁部(10)は、谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲げ可能である。第1壁部(10)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲げられることは、第1壁部(10)における第2方向(Y)の両端部又は第1壁部(10)の当該両端部のうちの一方の端部が谷部(B)を中心にして第1表面(11)側へ回転することを示す。
【0064】
山部(A)及び谷部(B)は、第1壁部(10)の一部分であり、第1方向(X)に沿って第1壁部(10)を横切るように延びる。
【0065】
谷部(B)は、第1壁部(10)のうち第2方向(Y)の中央部に位置する。
【0066】
山部(A)は、第1山部(A1)と、第2山部(A2)とを含む。第1山部(A1)は、谷部(B)に対して第2方向(Y)の一方向側(Y1)に離間した場所に位置する。第1実施形態では、第2山部(A2)は、谷部(B)に対して第2方向(Y)の他方向側(Y2)に離間した場所に位置する。
【0067】
図1~
図5に示すように、谷部(B)は、第1壁部(10)を折り曲げるための折り目である。谷部(B)は、ミシン目構造(P)を含む。ミシン目構造(P)は、複数の貫通孔(P1)を含む。複数の貫通孔(P1)は、第1壁部(10)を貫通する。複数の貫通孔(P1)は、第1方向(X)に沿って間隔を空けて並ぶ。
図6に示すように、ミシン目構造(P)は、例えば、第1裏面(12)側から第1壁部(10)に対して、複数の歯(T1)を第1方向(X)に沿って並べた状態で貫通させることによって形成される。
【0068】
図1~
図3に示すように、第1壁部(10)には、第1係止部(40)及び第2係止部(50)が設けられる。
【0069】
第1係止部(40)は、天トレイ(Z2)にカバー部材(Z1)を取り付けるために用いられる。第1係止部(40)は、第1壁部(10)における第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部に設けられ、第1壁部(10)から一方向側(Y1)へ膨出する。
【0070】
第2係止部(50)は、底トレイ(Z3)にカバー部材(Z1)を取り付けるために用いられる。第2係止部(50)は、第1壁部(10)における第2方向(Y)の他方向側(Y2)の縁部に設けられ、第1壁部(10)から他方向側(Y2)へ膨出する。
【0071】
第1壁部(10)には、切欠部(13)が設けられる。切欠部(13)は、第1壁部(10)における第1方向(X)の他方向側(X2)の縁部の一部を切り欠いた構造を有する。切欠部(13)は、カバー部材(Z1)が設置される際に、取付板(W32)(
図9参照)が第1壁部(10)に干渉することを回避するために設けられる。
【0072】
第2壁部(20)は板状の部材である。第2壁部(20)は、第1壁部(10)に連設され、第1壁部(10)に対して第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する。第2壁部(20)は、互いに背向する第2表面(21)と第2裏面(22)とを含む。第2表面(21)は、第1壁部(10)の第1表面(11)に連設される。第2裏面(22)は、第1壁部(10)の第1裏面(12)に連設される。
【0073】
折り曲げ部(30)は、第1壁部(10)と第2壁部(20)との連設個所に設けられる。折り曲げ部(30)は、中途部において第1方向(X)の一方向側(X1)へ凸となるように屈曲しつつ、第2方向(Y)の一方向側(Y1)から他方向側(Y2)へカバー部材(Z1)を横切るように延びる。折り曲げ部(30)は、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を折り曲げるための折り目である。折り曲げ部(30)は、第1壁部(10)と第2壁部(20)とがフラットな状態から、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を第2裏面(22)側へ折り曲げ可能に構成する。第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が第2裏面(22)側へ折り曲げられることは、第2壁部(20)における第1方向(X)の他方向側(X2)の端部が折り曲げ部(30)を中心にして第2裏面(22)側へ回転することを示す。
【0074】
図1~
図3、及び、
図7に示すように、カバー部材(Z1)は、第1切り込み部(R)を含む。第1切り込み部(R)は、第1表面(11)と第2表面(21)との間に形成された切れ目である。第1切り込み部(R)は、第1裏面(12)側からカバー部材(Z1)を切り込むことで形成され、第1壁部(10)と第2壁部(20)とを構成するカバー部材(Z1)が第1表面(11)側で切断されない程度の深さを有する。
図8に示すように、第1切り込み部(R)は、例えば、第1裏面(12)側からカバー部材(Z1)に対して歯(T2)を当ててて、歯(T2)でカバー部材(Z1)を切り込むことによって形成される。
【0075】
第1切り込み部(R)である切れ目は、第1裏面(12)と第2裏面(22)との間に形成される。第1切り込み部(R)は、第1裏面(12)側からカバー部材(Z1)を切り込むことで形成さる。第1切り込み部(R)は、カバー部材(Z1)の第1裏面(12)と第2裏面(22)との間は切断されるが、第1表面(11)と第2表面(21)との間は切断されない程度の深さを有する切れ目である。第1切り込み部(R)は、折り曲げ部(30)に沿うように形成される。第1切り込み部(R)は、折り曲げ部(30)の前記第2裏面(22)側に形成される。第1切り込み部(R)により、第2壁部(20)は、第1壁部(10)に対してフラットな状態から、第2表面(21)側よりも第2裏面(22)側へ折り曲がりやすくなる。第1切り込み部(R)は、折り曲げ部(30)の両端に亘って形成される切れ目であってもよい。第1切り込み部(R)は、複数の切れ目が折り曲げ部(30)に沿って並ぶ構造を有していてもよい。また、第1切り込み部(R)に代えて、
図4および
図5に示すミシン目構造(P)のような複数の貫通孔が採用され、当該複数の貫通孔が折り曲げ部(30)に沿って並んでいてもよい。
【0076】
第1切り込み部(R)及びミシン目構造(P)は、第1裏面(12)側からカバー部材(Z1)に歯(T1,T2)を当てることで形成される。これにより、歯(T1,T2)を第1裏面(12)側に配置してカバー部材(Z1)に同時に当てることで、第1切り込み部(R)及びミシン目構造(P)を同時に形成できる。これにより、第1切り込み部(R)及びミシン目構造(P)を形成するための工数を低減でき、第1切り込み部(R)及びミシン目構造(P)を容易に形成できる。
【0077】
-カバー部材の寸法-
図1において、仮想線(G)は、第1壁部(10)における第1方向(X)の他方向側(X2)の端部を通りつつ、第2方向(Y)に沿って延びる仮想線を示す。
【0078】
寸法(Ba)は、谷部(B)の第1方向(X)の寸法である。実体的には、寸法(Ba)は、谷部(B)における第1方向(X)の一方向側(X1)の端部(B1)から仮想線(G)までの寸法を示す。
【0079】
寸法(Aa)は、第1山部(A1)の第1方向(X)の寸法である。実体的には、寸法(Aa)は、折り曲げ部(30)における第2方向(Y)の一方向側(Y1)の端部(30a)から仮想線(G)までの寸法を示す。
【0080】
寸法(Ab)は、第2山部(A2)の第1方向(X)の寸法である。実体的には、寸法(Ab)は、折り曲げ部(30)における第2方向(Y)の他方向側(Y2)の端部(30b)から仮想線(G)までの寸法を示す。
【0081】
図1に示すように、寸法(Ba)は、寸法(Aa)よりも大きい(寸法(Ba)>寸法(Aa))。寸法(Ba)は、寸法(Ab)よりも大きい(寸法(Ba)>寸法(Ab))。
【0082】
図1に示すように、寸法(Xa)は、第1壁部(10)の第1方向(X)の寸法を示す。実体的には、寸法(Xa)は、折り曲げ部(30)から仮想線(G)までの第1方向(X)の寸法を示す。寸法(Xa)は、第1山部(A1)から谷部(B)側に向かうに従って徐々に大きくなり、谷部(B)から第2山部(A2)側に向かうに従って徐々に小さくなる。
【0083】
なお、第1山部(A1)の第1方向(X)の寸法(Aa)が、第2山部(A2)の第1方向(X)の寸法(Ab)以上の大きさであってもよい。
【0084】
-天トレイ-
図9~
図11に示すように、天トレイ(Z2)は、室外機(W)の上部(W1)に装着され、室外機(W)の上部(W1)をカバーする。天トレイ(Z2)は、第1緩衝部(Z21)と、第1外枠部(Z22)とを含む。
【0085】
第1緩衝部(Z21)は、例えば、発泡スチロールを含む。第1緩衝部(Z21)は、室外機(W)の上面(A1)に沿うような形状を有する。
【0086】
第1外枠部(Z22)は、例えば、段ボールを含む。第1外枠部(Z22)は、第1緩衝部(Z21)の外面に沿うような形状を有する。
【0087】
室外機(W)の上部(W1)に第1緩衝部(Z21)が被せられ、第1緩衝部(Z21)に第1外枠部(Z22)が被せられる。これにより、室外機(W)の上部(W1)に天トレイ(Z2)が装着される。
【0088】
天トレイ(Z2)の後部と、室外機(W)との間には、カバー部材(Z1)の第1係止部(40)が挿入される隙間(M1)が形成される。
【0089】
-底トレイ-
底トレイ(Z3)は、室外機(W)の下部(W2)に装着され、室外機(W)の下部(W2)をカバーする。底トレイ(Z3)は、第2緩衝部(Z31)と、第2外枠部(Z32)とを含む。
【0090】
第2緩衝部(Z31)は、例えば、発泡スチロールを含む。第2緩衝部(Z31)は、室外機(W)の下部(W2)に沿うような形状を有する。
【0091】
第2外枠部(Z32)は、例えば、段ボールを含む。第2外枠部(Z32)は、第2緩衝部(Z31)の外面に沿うような形状を有する。
【0092】
室外機(W)の下部(W2)が第2緩衝部(Z31)に挿入され、第2緩衝部(Z31)が第2外枠部(Z32)に挿入される。これにより、室外機(W)の下部(W2)に底トレイ(Z3)が装着される。
【0093】
底トレイ(Z3)の後部(Z31)と、室外機(W)との間には、カバー部材(Z1)の第2係止部(50)が挿入される隙間(M2)が形成される。
【0094】
室外機(W)は、略四角柱状に形成される。室外機(W)の背面(W3)には、熱交換フィン(W31)と、取付板(W32)とが設けられる(
図9参照)。取付板(W32)には、熱交換フィン(W31)に吸い込まれる空気の温度を検知するサーミスターが設けられる。
【0095】
-カバー部材が設置される手順-
図9に示すように、室外機(W)の上部(W1)に天トレイ(Z2)が装着され、かつ、室外機(W)の下部(W2)に底トレイ(Z3)が装着された状態で、天トレイ(Z2)と底トレイ(Z3)との間にカバー部材(Z1)が設置される。
【0096】
カバー部材(Z1)は、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が第2裏面(22)側へ折り曲げられ、かつ、第1壁部(10)が前記谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲げられた状態で、第2係止部(50)が隙間(M2)に挿入された後、第1係止部(40)が隙間(M1)に挿入されることによって設置される。
【0097】
図9及び
図12に示すように、カバー部材(Z1)の設置時において、第1壁部(10)を熱交換フィン(W31)に対向させると、切欠部(13)が取付板(W32)と対向する。これにより、カバー部材(Z1)の設置作業が行われる際に、取付板(W32)が第1壁部(10)に干渉することを回避できる。
【0098】
図9に示すように、カバー部材(Z1)の設置時において、作業者は、第1壁部(10)を熱交換フィン(W31)に対向させた状態から(
図12参照)、足で第1壁部(10)を押し下げることによって、第1係止部(40)を隙間(M2)に挿入する。このとき、第1壁部(10)が押し下げられるのに伴って、熱交換フィン(W31)と取付板(W32)との間に第1壁部(10)における切欠部(13)の縁部(13a)が挿入されるように構成してもよい(
図13参照)。これにより、第1壁部(10)が取付板(W32)により熱交換フィン(W31)から離間することが抑えられる。
【0099】
図10及び
図11に示すように、カバー部材(Z1)が設置された状態で、第1壁部(10)の第1山部(A1)が上方に位置し、第1壁部(10)の第2山部(A2)が下方に位置する。
図11において、第2壁部(20)の図示は省略する。なお、
図11において、第2壁部(20)は
図10に示すように室外機(W)の右側面に対向するように設置されている。
【0100】
カバー部材(Z1)が設置された状態で、第1壁部(10)の第1裏面(12)が室外機(W)の背面(W3)に対向し、第2壁部(20)の第2裏面(22)が室外機(W)の右側面に対向する。
【0101】
-第1実施形態の効果-
以上のように、カバー部材(Z1)において、第1壁部(10)は、谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲げ可能である。谷部(B)の前記第1方向(X)の寸法(Ba)は、前記第1山部(A1)の前記第1方向(X)の寸法(Aa)よりも大きく、かつ、第2山部(A2)の第1方向(X)の寸法(Ab)よりも大きい(
図1参照)。これにより、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が第2裏面(22)側へ折り曲げられると、カバー部材(Z1)の第1壁部(10)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がる。これによると、
図11に示すように、カバー部材(Z1)が設置されたときに、カバー部材(Z1)の第1壁部(10)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がった状態(谷部(B)が第1裏面(12)側へ凸となるように第1壁部(10)が折り曲がった状態)となる。この状態から、カバー部材(Z1)に自重が作用しても、谷部(B)が第1裏面(12)側へ凸となる方向に当該自重が作用することで、カバー部材(Z1)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がりやすくなる状態を容易に確保できるので、第1壁部(10)の谷部(B)が外側(室外機(W)から離間する側)に凸となるように第1壁部(10)が屈曲して外側に出っ張ることを抑制できる。その結果、複数の梱包部材(Z)でそれぞれ複数の室外機(W)が梱包されている状態において、隣り合うカバー部材(Z1)の第1壁部(10)が外側に出っ張ることで互いに接触して、隣り合うカバー部材(Z1)が破損することを抑制できる。
【0102】
また、カバー部材(Z1)は、折り曲げ部(30)及び谷部(B)で折り曲げられていない状態において、フラットな形状を有する。これにより、フラットなタンボール材のような低コストの素材を用いてカバー部材(Z1)を形成できる。
【0103】
-第2実施形態-
カバー部材(Z1)の第1変形例であるカバー部材(ZA)について説明する。
【0104】
図14及び
図15に示すように、カバー部材(ZA)において、第2壁部(20)は連設山部(C)を含む。
【0105】
連設山部(C)は、第2壁部(20)を折り曲げるための折り目である。連設山部(C)は、第1壁部(10)の谷部(B)に連設され、第1方向(X)に沿って伸びる。
【0106】
カバー部材(Z1)は、切り込み部(U)を含む。切り込み部(U)は、第2壁部(20)に形成された切れ目である。切り込み部(U)は、第2裏面(22)側から第2壁部(20)を切り込むことで形成され、第2壁部(20)が第2表面(21)側で切断されない程度の深さを有し、かつ、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が折り曲げ部(30)で折り曲げられていない状態(第1壁部(10)と第2壁部(20)とがフラットな状態)で第1方向(X)に沿って第2壁部(20)を横切るように延びる。切り込み部(U)は、例えば、第2裏面(22)側から第2壁部(20)に対して歯を当ててて、当該歯で第2壁部(20)を切り込むことによって形成される。切り込み部(U)は、連設山部(C)に沿うように形成される。切り込み部(U)は、連設山部(C)の第2裏面(22)側に形成される切れ目である。切り込み部(U)が連設山部(C)の第2裏面(22)側に形成されることで、第2壁部(20)が連設山部(C)で第2裏面(22)側へ折り曲がりやすくなる。第2壁部(20)が連設山部(C)で第2裏面(22)側へ折り曲げられることは、第2壁部(20)における第2方向(Y)の両端部又は第2壁部(20)の当該両端部のうちの一方の端部が連設山部(C)を中心にして第2裏面(22)側へ回転することを示す。切り込み部(U)は、連設山部(C)の両端に亘って形成される切れ目であってもよい。切り込み部(U)は、複数の切れ目が連設山部(C)に沿って並ぶ構造を有していてもよい。また、切り込み部(U)に代えて、
図4および
図5に示すミシン目構造(P)のような複数の貫通孔が採用され、当該複数の貫通孔が連設山部(C)に沿って並んでいてもよい。
【0107】
-第2実施形態の効果-
第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が第2裏面(22)側へ折り曲げられると、カバー部材(Z1)の第1壁部(10)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がると共に、第2壁部(20)が連設山部(C)で第2裏面(22)側へ折り曲がる。これにより、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を折り曲げる動作に連動させて、第2壁部(20)を連設山部(C)で折り曲げることができる。
【0108】
-第3実施形態-
カバー部材(Z1)の第2変形例であるカバー部材(ZB)について説明する。なお、
図19において、室外機(W)の上部(W1)に装着される天トレイ(Z2)、室外機(W)の下部(W2)に装着される底トレイ(Z3)、隙間(M1)に挿入される第1係止部(40)、隙間(M2)に挿入される第2係止部(50)、及び、第1壁部(10)に対して折り曲げられた状態で室外機(W)の右側面に対向するように設置される第2壁部(20)の図示は省略する(
図10及び
図11参照)。
【0109】
図16及び
図17に示すように、カバー部材(ZB)において、谷部(B)は、第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第1部分(Bm)と、第1方向(X)の他方向側(X2)に位置する第2部分(Bn)とを含む。
【0110】
谷部(B)において、第2部分(Bn)の方が第1部分(Bm)よりも折り曲がりにくい。例えば、谷部(B)のミシン目構造(P)を構成する複数の貫通孔(P1)の形状等を工夫することによって、第2部分(Bn)が折り曲がりにくくなるようにする。例えば、第2部分(Bn)に形成される貫通孔(P1)の寸法(幅、及び/又は、長さ)を、第1部分(Bm)に形成される貫通孔(P1)の寸法よりも小さくすることで、第2部分(Bn)が折り曲がりにくくなるようにする。なお、第2部分(Bn)に形成される複数の貫通孔(P1)の間隔を、第1部分(Bm)に形成される複数の貫通孔(P1)の間隔よりも広くすることで、第2部分(Bn)が折り曲がりにくくなるように構成してもよい。また、第1部分(Bm)には貫通孔(P1)を形成するが、第2部分(Bn)には貫通孔(P1)を形成しないことで、第2部分(Bn)が折り曲がりにくくなるように構成してもよい。
【0111】
谷部(B)は、複数(第3実施形態では、2つ)設けられる。2つの谷部(B)は、第2方向(Y)に沿って間隔を空けて配置される。
【0112】
折り曲げ部(30)は、第1屈曲線部(31)と、第2屈曲線部(32)と、直線部(33)とを含む。第1屈曲線部(31)及び第2屈曲線部(32)の各々は、中途部において第1方向(X)の一方向側(X1)へ凸となるように屈曲しつつ、第2方向(Y)の一方向側(Y1)から他方向側(Y2)へ延びる。直線部(33)は、第2方向(Y)に沿って延びる。第1屈曲線部(31)と第2屈曲線部(32)との間に直線部(33)が存在する。第1屈曲線部(31)のうちの屈曲する個所(311)と、第2屈曲線部(32)のうちの屈曲する個所(321)とには、それぞれ、谷部(B)が連なる。直線部(33)と第1屈曲線部(31)との連結個所(312)には第2山部(A2)が連なり、直線部(33)と第2屈曲線部(32)との連結個所(322)には第1山部(A1)が連なる。
【0113】
-第3実施形態の効果-
第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が第2裏面(22)側へ折り曲げられると、第1壁部(10)に対しては、谷部(B)で第1壁部(10)を第1表面(11)側(
図17の前方)へ折り曲げる折曲力が作用する。この場合、谷部(B)において、折り曲げ部(30)に対して遠い場所に位置する第2部分(Bn)は、近い場所に位置する第1部分(Bm)よりも、作用する前記折曲力が小さくなる。これにより、第2部分(Bn)において、前記折曲力が効果的に作用せずに第1表面(11)側(
図17の後方)へ折り曲がる可能性がある。
【0114】
第3実施形態では、谷部(B)において、第2部分(Bn)の方が第1部分(Bm)よりも折り曲がりにくくすることで、第2部分(Bn)に前記折曲力が効果的に作用しないことにより第1壁部(10)が第2部分(Bn)で第1裏面(12)側へ折り曲がることを効果的に抑制できる。
【0115】
なお、第3実施形態のように、谷部(B)に第1部分(Bm)と第2部分(Bn)とを設ける構成については、第1実施形態のカバー部材(Z1)の谷部(B)に採用されてもよく、第2実施形態のカバー部材(ZA)の谷部(B)に採用されてもよく、又は、後述の第4実施形態のカバー部材(ZC)の谷部(B)に採用されてもよい。
【0116】
-第4実施形態-
カバー部材(Z1)の第3変形例であるカバー部材(ZC)について説明する。なお、
図19において、室外機(W)の上部(W1)に装着される天トレイ(Z2)、室外機(W)の下部(W2)に装着される底トレイ(Z3)、隙間(M1)に挿入される第1係止部(40)、隙間(M2)に挿入される第2係止部(50)、及び、第1壁部(10)に対して折り曲げられた状態で室外機(W)の右側面に対向するように設置される第2壁部(20)の図示は省略する(
図10及び
図11参照)。
【0117】
図18及び
図19に示すように、カバー部材(ZC)において、折り曲げ部(30)は、複数の個所(Q1,Q2,Q3)で屈曲する。複数の個所(Q1,Q2,Q3)の各々には、第1山部(A1)、第2山部(A2)、及び谷部(B)のうちのいずれかが連なる。第4実施形態では、個所(Q1)には第1山部(A1)が連なり、個所(Q2)には谷部(B)が連なり、個所(Q3)には第2山部(A2)が連なる。
【0118】
-第4実施形態の効果-
折り曲げ部(30)を複数の個所(Q1,Q2,Q3)で屈曲させることで、カバー部材(ZC)を蛇腹状に形成できる。
【0119】
-第5実施形態-
カバー部材(ZA)(
図14参照)の変形例であるカバー部材(ZD)について説明する。以下では、カバー部材(ZD)について、主に、
図14に示すカバー部材(ZA)と異なる点を説明する。
【0120】
図20に示すように、カバー部材(ZD)は、第1壁部(10)と、第2壁部(20)と、折り曲げ部(30)と、第2係止部(50)と、第3係止部(60)とを含む。第1壁部(10)は、山部(A)(第1山部(A1)および第2山部(A2))と、谷部(B)とを含む。
【0121】
折り曲げ部(30)の第2裏面(22)側には、第1切り込み部(R)(
図7参照)が形成される。第2壁部(20)は連設山部(C)を含む。連設山部(C)の第2裏面(22)側には、切り込み部(U)(
図15参照)が形成される。
【0122】
図20~
図22に示すように、カバー部材(ZD)は、第2切り込み部(D)を含む。第2切り込み部(D)は、第1壁部(10)を第1表面(11)側から切り込むようにして形成される切れ目であり、第1壁部(10)が第1裏面(12)側で切断されない程度の深さを有する。第2切り込み部(D)は、谷部(B)に沿うように形成される。第2切り込み部(D)は、谷部(B)の第1表面(11)側に形成される。第2切り込み部(D)により、第1壁部(10)は、谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がりやすくなる。第2切り込み部(D)は、谷部(B)の両端に亘って形成される切れ目であってもよい。第2切り込み部(D)は、複数の切れ目が谷部(B)に沿って並ぶ構造を有していてもよい。
【0123】
図20、
図23、及び
図24に示すように、第3係止部(60)は、第1壁部(10)における第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部に設けられ、第1壁部(10)から一方向側(Y1)へ膨出する。第3係止部(60)は、第1壁部(10)の縁部における第1方向(X)の中央部に位置する。カバー部材(ZD)は、第3切り込み部(E)を含む。第3切り込み部(E)は、第3係止部(60)の第1表面(11)側に形成される切れ目であり、第1方向(X)に沿って第3係止部(60)を横切るように延びる。第3切り込み部(E)は、第1表面(11)側から第3係止部(60)を切り込むことで形成され、第3係止部(60)が第1裏面(12)側で切断されない程度の深さを有する。第3切り込み部(E)は、例えば、第2方向(Y)において第3係止部(60)の中途部に位置する。なお、第3切り込み部(E)は、第1壁部(10)と第3係止部(60)との境界部寄りの場所に位置していてもよく、又は、当該境界部上に位置していてもよい。第3切り込み部(E)により、第3係止部(60)は、第3切り込み部(E)で第1表面(11)側へ折り曲がりやすくなる。第3切り込み部(E)は、第3係止部(60)のX軸方向の両端に亘って形成される切れ目であってもよい。第3切り込み部(E)は、複数の切れ目が第3係止部(60)上においてX軸方向に沿って並ぶ構造を有していてもよい。また、第3切り込み部(E)に代えて、
図4および
図5に示すミシン目構造(P)のような複数の貫通孔が採用され、当該複数の貫通孔が第3係止部(60)上においてX軸方向に沿って並んでいてもよい。
【0124】
-第5実施形態の効果-
図20~
図22に示すように、カバー部材(ZD)は、前記谷部(B)を前記第1表面(11)側から切り込んだ第2切り込み部(D)を含む。これにより、第1壁部(10)が谷部(B)で第1表面(11)側へ折り曲がりやすくなるので、カバー部材(ZD)の設置時において、カバー部材(ZD)の自重により第1壁部(10)が第1表面(11)側へ出っ張るようにして曲がることを抑制できる。
【0125】
図20、
図23及び
図24に示すように、カバー部材(ZE)は、第1壁部(10)における第2方向(Y)の一方向側(Y1)の縁部から第2方向(Y)の一方向側(Y1)に膨出する第3係止部(60)を含み、第3係止部(60)は第1壁部(10)の前記縁部における第1方向(X)の中央部に位置する。これにより、第3係止部(60)により第1壁部(10)における第1方向(X)の中央部を支持できるので、カバー部材(ZE)を安定的に支持することができる。
【0126】
-第6実施形態-
カバー部材(ZD)(
図20参照)の変形例であるカバー部材(ZE)について説明する。以下では、カバー部材(ZE)について、主に、
図20に示すカバー部材(ZD)と異なる点を説明する。
【0127】
図25に示すように、カバー部材(ZE)は、
図20に示すカバー部材(ZD)に対して、第1壁孔部(81)と、第2壁孔部(82)と、抜き孔部(J)とを追加した構造を有する。
【0128】
図25~
図27に示すように、抜き孔部(J)は、谷部(B)の第2部分(Bn)に形成される。抜き孔部(J)は、谷部(B)の第1部分(Bm)及び第2部分(Bn)のうち第2部分(Bn)にのみ形成される。なお、第2切り込み部(D)(
図21及び
図22参照)は、第1部分(Bm)及び第2部分(Bn)に亘って形成される。
【0129】
図25~
図27に示すように、抜き孔部(J)は、第2部分(Bn)内において、谷部(B)を貫通しつつ第1方向(X)に沿って延びる。抜き孔部(J)は、谷部(B)のうち第2部分(Bn)内に位置する部分を、第1表面(11)側から第1裏面(12)側に亘って第1壁部(10)を貫通するように切り込むことで形成される。抜き孔部(J)の幅寸法(第2方向(Y)の寸法)の大きさは特に限定されず、例えば、刃物などのカッターで切った場合のような数ミリ程度の寸法でもよい。第6実施形態では、抜き孔部(J)は、第1方向(X)に沿って延びる1つの線状の孔部であるが、本発明はこれに限定されない。抜き孔部(J)は、複数の線状の孔部で構成され、当該複数の線状の孔部が第1方向(X)に沿って並ぶように構成されていてもよい。
【0130】
第2部分(Bn)には、抜き孔部(J)に代えて、
図4及び
図5に示すミシン目構造(P)が設けられてもよい。この場合、ミシン目構造(P)は、谷部(B)の第1部分(Bm)及び第2部分(Bn)のうち第2部分(Bn)にのみ形成される。
【0131】
第1壁部(10)は、第1壁部分(10a)と、第2壁部分(10b)とを含む。第1壁部分(10a)は、第1壁部(10)のうち谷部(B)と第1山部(A1)との間に位置する部分である。第2壁部分(10b)は、第1壁部(10)のうち谷部(B)と第2山部(A2)との間に位置する部分である。
【0132】
第1壁部分(10a)には、第1壁部分(10a)を貫通する第1壁孔部(81)が形成される。第1壁孔部(81)は、例えば、第1表面(11)側から第1裏面(12)側に亘って第1壁部(10)を貫通するように刃物などのカッターで第1壁部分(10a)を切り込むことで形成される。第1壁孔部(81)は、第1方向(X)の一方向側(X1)に対する傾斜角度θ1が鋭角となる方向に延びる。第1壁孔部(81)は、例えば、傾斜角度θ1が45°となる方向へ延びる。
【0133】
第2壁部分(10b)には、第2壁部分(10b)を貫通する第2壁孔部(82)が形成される。第2壁孔部(82)は、例えば、第1表面(11)側から第1裏面(12)側に亘って第2壁部分(10b)を貫通するように刃物などのカッターで第2壁部分(10b)を切り込むことで形成される。第2壁孔部(82)は、第1方向(X)の他方向側(X2)に対する傾斜角度θ2が鋭角となる方向に延びる。第2壁孔部(82)は、例えば、傾斜角度θ2が45°となる方向へ延びる。
【0134】
カバー部材(ZE)が設置される手順について説明する。
【0135】
図30に示すように、第1壁部(10)に対して第2壁部(20)が略直角となるように、第2壁部(20)が折り曲げ部(30)で第2裏面(22)側へ折り曲げられる。
【0136】
図31に示すように、室外機(W)が天トレイ(Z2)と底トレイ(Z3)との間に設置された状態で、室外機(W)を覆うようにして、カバー部材(ZE)が天トレイ(Z2)と底トレイ(Z3)との間にはめ込まれる。
【0137】
図32に示すように、第2係止部(50)が、底トレイ(Z3)と室外機(W)との間の隙間(M2)(
図11参照)に挿入される。
【0138】
図33に示すように、第3係止部(60)が天トレイ(Z2)に対して後方から対向配置される。
【0139】
図34に示すように、第3係止部(60)が第3切り込み部(E)で第1表面(11)側へ折り曲げられる。第3係止部(60)が第3切り込み部(E)で第1表面(11)側へ折り曲げられることで第3係止部(60)の上端が天トレイ(Z2)よりも低くなる。第3係止部(60)が折り曲げられた状態で天トレイ(Z2)の下部へ移動される。
【0140】
図35に示すように、第3係止部(60)が、天トレイ(Z2)の下部で、折り曲げ状態から解放されて上方へ延びることで、天トレイ(Z2)と室外機(W)との間の隙間(M1)(
図11参照)に挿入される。その結果、カバー部材(ZE)が設置される。
【0141】
-第6実施形態の効果-
谷部(B)で第1壁部(10)を第1表面(11)側へ折り曲げる力を折曲力と記載する。
図30に示すように、折り曲げ部(30)において第1壁部(10)に対して第2壁部(20)を第2裏面(22)側へ折り曲げることで、谷部(B)に上記折曲力が作用する。しかし、
図25に示すように、谷部(B)の第2部分(Bn)については、第1部分(BM)よりも折り曲げ部(30)から離間していることで、第1部分(BM)よりも上記折曲力が作用しにくいので、上記折曲力が不足する可能性がある。その結果、カバー部材(ZE)の設置時において、第2部分(Bn)については、上記折曲力が不足することで、第1表面(11)側へ膨らむように変形する可能性がある。
【0142】
第6実施形態では、
図25に示すように、カバー部材(ZE)は、谷部(B)のうち第1方向(X)の一方向側(X1)に位置する第2部分(Bn)に設けられ、谷部(B)を貫通しつつ第1方向(X)に沿って延びる抜き孔部(J)を含む。これにより、谷部(B)の第2部分(Bn)については、抜き孔部(J)を形成することで折れ曲がりやすくすることができるので、第2部分(Bn)に作用する上記折曲力の不足分をカバーでき、第1壁部(10)を谷部(B)で第1表面(11)側へ効果的に折り曲げることができる。その結果、カバー部材(ZE)の設置時において、カバー部材(ZE)の第1壁部(10)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0143】
第2部分(Bn)において、抜き孔部(J)に代えてミシン目構造(P)が設けられた場合についても、抜き孔部(J)が設けられた場合と同様に、谷部(B)の第2部分(Bn)について折れ曲がりやすくすることができる。その結果、カバー部材(ZE)の設置時において、カバー部材(ZE)の第1壁部(10)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0144】
第1壁部分(10a)には、第1壁部分(10a)を貫通しつつ、第1方向(X)の一方向側(X1)に対して鋭角に傾斜した方向(N1)に延びる第1壁孔部(81)が設けられる。これにより、第1壁孔部(81)で第1壁部(10)の第1壁部分(10a)の連続性を遮断することができる。その結果、カバー部材(ZE)の設置後において、第1壁部分(10a)の角部(第1方向(X)の他方向側(X2)かつ第2方向(Y)の一方向側(Y1)の端部)に対して第1表面(11)側へ反るように作用する力が発生しても、当該力が第1壁孔部(81)で遮断されて第1壁部分(10a)の中央側へおよぶことを抑制できるので、第1壁部分(10a)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0145】
第2壁部分(10b)には、第2壁部分(10b)を貫通しつつ、第1方向(X)の他方向側(X2)に対して鋭角に傾斜した方向(N2)に延びる第2壁孔部(82)が設けられる。これにより、第2壁孔部(82)で第1壁部(10)の第2壁部分(10b)の連続性を遮断することができる。その結果、カバー部材(ZE)の設置後において、第2壁部分(10b)の角部(第1方向(X)の他方向側(X2)かつ第2方向(Y)の他方向側(Y2)の端部)に対して第1表面(11)側へ反るように作用する力が発生しても、当該力が第2壁孔部(82)で遮断されて第1壁部分(10a)の中央側へおよぶことを抑制できるので、第1壁部分(10a)が第1表面(11)側へ膨らむように変形することを効果的に抑制できる。
【0146】
第3係止部(60)には、第3係止部(60)を第1表面(11)側から切り込んだ形状を有すると共に第1方向(X)に沿って延びる第3切り込み部(E)が設けられる。これにより、
図34に示すように、第1壁部(10)を設置する際に、第1壁部(10)を設置スペースにはめ込むために第3係止部(60)を第1表面(11)側へ折り曲げることができる。その結果、
図36に示すように、第1壁部(10)を設置する際に、第1壁部(10)の第2方向(Y)の中央部を第1表面(11)側へ膨らませるように変形させて第1壁部(10)を設置スペースにはめ込む作業を行う必要がない。その結果、カバー部材(ZE)を容易に設置できる。
【0147】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう(例えば、下記(1)~(3))。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0148】
(1)本実施形態では、カバー部材(Z1)によってカバーされる対象物は室外機(W)である。しかし、本発明はこれに限定されない。対象物は、側面にカバー部材(Z1)を対向配置できるような平面を有するものであればよい。対象物は、例えば、テレビ、又は、冷蔵庫でもよい。
【0149】
(2)第5実施形態及び第6実施形態において、カバー部材(ZD,ZE)が、
図16及び
図18に示すカバー部材(ZB,ZC)のように、谷部(B)のみならず山部(A)においても折り曲げられる構造を有していてもよい。この場合、山部(A)には、山部(A)を第1裏面(12)側から切り込んだ第4切り込み部が設けられる。第4切り込み部は、第1壁部(10)が第1裏面(12)側で切断されるが、第1表面側(11)で切断されない程度の深さを有する切れ目である。第4切り込み部は、山部(A)の両端に亘って形成される切れ目であってもよい。第4切り込み部は、複数の切れ目が山部(A)に沿って並ぶ構造を有していてもよい。また、第4切り込み部に代えて、
図4および
図5に示すミシン目構造(P)のような複数の貫通孔が採用され、当該複数の貫通孔が山部(A)に沿って並んでいてもよい。
【0150】
(3)第6実施形態において、カバー部材(ZE)には、第1壁孔部(81)と第2壁孔部(82)との両方が設けられる。しかし、カバー部材(ZE)の構成はこれに限定されない。カバー部材(ZE)には、第1壁孔部(81)と第2壁孔部(82)とのうちの少なくとも1つの壁孔部が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
以上説明したように、本開示は、カバー部材、カバー部材の製造方法、及びカバー部材の設置方法について有用である。
【符号の説明】
【0152】
10 第1壁部
11 第1表面
12 第1裏面
20 第2壁部
21 第2表面
22 第2裏面
30 折り曲げ部
A 山部
A1 第1山部
A2 第2山部
B 谷部
W 室外機
X 第1方向
Y 第2方向