IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】換気装置及び換気方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/08 20060101AFI20241127BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20241127BHJP
   F24F 11/87 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
F24F7/08 101K
F24F11/46
F24F7/08 A
F24F11/87
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023056628
(22)【出願日】2023-03-30
(65)【公開番号】P2023153055
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2022060522
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鶴薗 祥太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 隆
(72)【発明者】
【氏名】大堂 維大
(72)【発明者】
【氏名】松井 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 尚利
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105202654(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102721129(CN,A)
【文献】中国実用新案第202149545(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0017311(KR,A)
【文献】特開平10-246519(JP,A)
【文献】特開昭61-036641(JP,A)
【文献】独国実用新案第202012101297(DE,U1)
【文献】特開2002-022291(JP,A)
【文献】国際公開第2020/218563(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/198174(WO,A1)
【文献】特開2010-065938(JP,A)
【文献】特開2002-054834(JP,A)
【文献】特開2019-113254(JP,A)
【文献】特開2012-037216(JP,A)
【文献】特開2023-104209(JP,A)
【文献】特開2004-144401(JP,A)
【文献】実開平01-144714(JP,U)
【文献】特開2023-090576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
記第2熱交換器に冷却液を噴霧するノズルと、外部から供給される液を前記ノズルに供給する液供給部と、を備える噴霧部と、
を備える、
換気装置。
【請求項2】
前記第2熱交換器における凝縮温度に相関する物理量に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する制御部を更に備える、
請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記物理量は、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1温度、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2温度、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1圧力、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2圧力、前記第2熱交換器に流入する前記第2空気の第3温度、前記第2熱交換器から流出する前記第2空気の第4温度、前記第2熱交換器を通過する風量、前記第2熱交換器を通過する空気を流す送風機の第1回転数、前記圧縮機の第2回転数、前記圧縮機から排出される前記冷媒の第5温度及び前記圧縮機から排出される前記冷媒の第3圧力の少なくともいずれかである、
請求項2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記物理量から前記第2熱交換器における凝縮温度を算出し、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する、
請求項3に記載の換気装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記凝縮温度と前記目標温度との差に基づいて、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の量を制御する、
請求項4に記載の換気装置。
【請求項6】
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、液体を内部に吸収して保持し、保持した前記液体を前記内部から外部に排出する吸収材により形成され、前記液体が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部に冷却液を噴霧する噴霧部と、
を備える、
換気装置。
【請求項7】
前記第2熱交換器における凝縮温度に相関する物理量に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する制御部を更に備える、
請求項6に記載の換気装置。
【請求項8】
前記物理量は、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1温度、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2温度、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1圧力、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2圧力、前記第2熱交換器に流入する前記第2空気の第3温度、前記第2熱交換器から流出する前記第2空気の第4温度、前記第2熱交換器を通過する風量、前記第2熱交換器を通過する空気を流す送風機の第1回転数、前記圧縮機の第2回転数、前記圧縮機から排出される前記冷媒の第5温度及び前記圧縮機から排出される前記冷媒の第3圧力の少なくともいずれかである、
請求項7に記載の換気装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記物理量から前記第2熱交換器における凝縮温度を算出し、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記冷却部に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する、
請求項8に記載の換気装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記凝縮温度と前記目標温度との差に基づいて、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の量を制御する、
請求項9に記載の換気装置。
【請求項11】
前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第6温度及び前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第7温度のいずれかを測定する第1温度検出器を更に備え、
前記制御部は、前記第1温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出する、
請求項2から請求項5、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項12】
前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第8温度を測定する第2温度検出器を更に備え、
前記制御部は、前記第2温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出する、
請求項2から請求項5、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第6温度、前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第7温度及び前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第8温度のいずれかについて第1学習データを取得し、
前記噴霧部が噴霧する前記冷却液の流量の第2学習データを取得し、
前記第1学習データ及び前記第2学習データに基づいて、前記第6温度、前記第7温度及び前記第8温度のいずれか及び前記流量から、前記凝縮温度がどれだけ下がるかを予測する第1予測モデルを学習し、
前記第1予測モデルに基づいて、学習に用いた前記第6温度、前記第7温度及び前記第8温度のいずれか及び前記凝縮温度から、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の流量を算出する、
請求項2から請求項5、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項14】
前記第2熱交換器は、
前記冷媒が流れる内部配管と、
前記内部配管に接続するフィンと、
前記フィンの表面に形成され、前記噴霧部から噴霧される前記冷却液を内部に吸収して保持し、保持した前記冷却液を前記内部から外部に排出可能な吸水材により形成される液保持部と、を備え、
前記第2熱交換器は、前記吸水材から前記冷却液が蒸発することにより、前記冷媒を冷却する、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項15】
前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第3熱交換器を更に備える、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項16】
前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、
前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第4熱交換器に第2冷却液を噴霧する第2噴霧部と、を更に備える、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項17】
前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、
前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する第2冷却部と、
前記第2冷却部に第2冷却液を噴霧する第2噴霧部と、を更に備える、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の換気装置。
【請求項18】
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、前記第2熱交換器に冷却液を噴霧するノズルと、外部から供給される液を前記ノズルに供給する液供給部と、を備える噴霧部と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記噴霧部から前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧する工程を含む、
換気方法。
【請求項19】
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記冷却部に冷却液を噴霧する工程を含む、
換気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、換気装置及び換気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部から導かれた空気を調整して室内空間の空調を行う空気調和設備が開示されている。特許文献1には、当該空気調和設備が備える冷凍回路が、圧縮手段、第1熱交換器、受液器、膨張弁及び第2熱交換器が配管接続されており、内部を冷媒が循環して冷凍サイクルを行うように構成されていることが開示されている。特許文献1には、当該空気調和設備が、除湿運転時に、第2熱交換器の外表面において生成される凝縮水(ドレン水)を第1熱交換器の外表面に散布する散布手段を備えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-168434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、蒸気圧縮式の冷媒回路を用いる換気装置において、排気される空気と給気される空気の量は等しいことから、冷媒回路により温度の調整を行う必要がある。
【0005】
本開示は、熱交換器における排熱を効率よく行う換気装置及び換気方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
外部から液が供給されるとともに、前記第2熱交換器に冷却液を噴霧する噴霧部と、
を備える、
換気装置である。
【0007】
本開示の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0008】
本開示の換気装置において、前記第2熱交換器における凝縮温度に相関する物理量に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する制御部を更に備えてもよい。
【0009】
本開示の換気装置において、前記物理量は、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1温度、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2温度、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1圧力、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2圧力、前記第2熱交換器に流入する前記第2空気の第3温度、前記第2熱交換器から流出する前記第2空気の第4温度、前記第2熱交換器を通過する風量、前記第2熱交換器を通過する空気を流す送風機の第1回転数、前記圧縮機の第2回転数、前記圧縮機から排出される前記冷媒の第5温度及び前記圧縮機から排出される前記冷媒の第3圧力の少なくともいずれかであってもよい。
【0010】
本開示の換気装置において、前記制御部は、前記物理量から前記第2熱交換器における凝縮温度を算出し、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御してもよい。
【0011】
本開示の換気装置において、前記制御部は、前記凝縮温度と前記目標温度との差に基づいて、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の量を制御してもよい。
【0012】
本開示は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、液体を内部に吸収して保持し、保持した前記液体を前記内部から外部に排出する吸収材により形成され、前記液体が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部に冷却液を噴霧する噴霧部と、
を備える、
換気装置。
【0013】
本開示の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0014】
本開示の換気装置において、前記第2熱交換器における凝縮温度に相関する物理量に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御する制御部を更に備えてもよい。
【0015】
本開示の換気装置において、前記物理量は、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1温度、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2温度、前記第2熱交換器に流入する前記冷媒の第1圧力、前記第2熱交換器から流出する前記冷媒の第2圧力、前記第2熱交換器に流入する前記第2空気の第3温度、前記第2熱交換器から流出する前記第2空気の第4温度、前記第2熱交換器を通過する風量、前記第2熱交換器を通過する空気を流す送風機の第1回転数、前記圧縮機の第2回転数、前記圧縮機から排出される前記冷媒の第5温度及び前記圧縮機から排出される前記冷媒の第3圧力の少なくともいずれかであってもよい。
【0016】
本開示の換気装置において、前記制御部は、前記物理量から前記第2熱交換器における凝縮温度を算出し、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記冷却部に前記冷却液を噴霧するように前記噴霧部を制御してもよい。
【0017】
本開示の換気装置において、前記制御部は、前記凝縮温度と前記目標温度との差に基づいて、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の量を制御してもよい。
【0018】
本開示の換気装置において、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第6温度及び前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第7温度のいずれかを測定する第1温度検出器を更に備え、前記制御部は、前記第1温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出してもよい。
【0019】
本開示の換気装置において、前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第8温度を測定する第2温度検出器を更に備え、前記制御部は、前記第2温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出してもよい。
【0020】
本開示の換気装置において、前記制御部は、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第6温度、前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第7温度及び前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第8温度のいずれかについて第1学習データを取得し、前記噴霧部が噴霧する前記冷却液の流量の第2学習データを取得し、前記第1学習データ及び前記第2学習データに基づいて、前記第6温度、前記第7温度及び前記第8温度のいずれか及び前記流量から、前記凝縮温度がどれだけ下がるかを予測する第1予測モデルを学習し、前記第1予測モデルに基づいて、学習に用いた前記第6温度、前記第7温度及び前記第8温度のいずれか及び前記凝縮温度から、前記噴霧部から噴霧する前記冷却液の流量を算出してもよい。
【0021】
本開示の換気装置において、前記第2熱交換器は、前記冷媒が流れる内部配管と、前記内部配管に接続するフィンと、前記フィンの表面に形成され、前記噴霧部から噴霧される前記冷却液を内部に吸収して保持し、保持した前記冷却液を前記内部から外部に排出可能な吸水材により形成される液保持部と、を備え、前記第2熱交換器は、前記吸水材から前記冷却液が蒸発することにより、前記冷媒を冷却してもよい。
【0022】
本開示の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第3熱交換器を更に備えてもよい。
【0023】
本開示の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第4熱交換器に第2冷却液を噴霧する第2噴霧部と、を更に備えてもよい。
【0024】
本開示の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する第2冷却部と、前記第2冷却部に第2冷却液を噴霧する第2噴霧部と、を更に備えてもよい。
【0025】
本開示は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記第2熱交換器に外部から供給される水を含む冷却液を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0026】
本開示の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0027】
本開示は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記冷却部に冷却液を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0028】
本開示の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、第1実施形態に係る換気装置の使用状態を平面視で説明する図である。
図2図2は、第1実施形態に係る換気装置の使用状態を側面視で説明する図である。
図3図3は、第1実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る換気装置の機能ブロック図である。
図5図5は、第1実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図6図6は、第1実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図7図7は、第2実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図10図10は、本実施形態に係る換気装置の熱交換器の概略を示す図である。
図11図11は、第3実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図12図12は、第4実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図13図13は、第5実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図14図14は、第6実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図15図15は、第7実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図16図16は、第7実施形態に係る換気装置の処理を示すフローチャートである。
図17図17は、第8実施形態に係る換気装置の概略構成を示す図である。
図18図18は、第8実施形態に係る換気装置の排気ユニットの概略を示す図である。
図19図19は、第8実施形態に係る換気装置の動作について説明する図である。
図20図20は、第8実施形態に係る換気装置の排気ユニットの変形例の概略を示す図である。
図21図21は、本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の概略を示す図である。
図22図22は、本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の変形例の概略を示す図である。
図23図23は、本実施形態に係る換気装置が備える排気ユニットの変形例の概略を示す図である。
図24図24は、本実施形態に係る換気装置における機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0031】
≪第1実施形態≫
換気装置1は、建物BLDの屋外の空気を建物BLDの屋内、例えば部屋RM、に給気する。また、換気装置1は、建物BLDの屋内の空気を建物BLDの屋外に排気する。図1は、本実施形態に係る換気装置1の使用状態を平面視で説明する図である。図2は、本実施形態に係る換気装置1の使用状態を側面視で説明する図である。図3は、本実施形態に係る換気装置1の概略構成を示す図である。
【0032】
本実施形態に係る換気装置1は、圧縮機10と、給気ユニット20と、排気ユニット30と、を備える。また、換気装置1は、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44と、膨張弁51と、を備える。さらに、換気装置1は、換気装置1の全体を制御する制御部60を備える。なお、圧縮機10と、後述する給気ユニット20の給気用熱交換器21と、後述する排気ユニット30の排気用熱交換器31と、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44と、膨張弁51と、をまとめて冷媒回路50という場合がある。
【0033】
給気ユニット20が建物BLDの屋外から取り込む空気を外気OA(OA:Outdoor Air)という。給気ユニット20が建物BLDの屋内に送り込む空気を給気SA(SA:Supply Air)という。排気ユニット30が建物BLDの屋内から取り込む空気を還気RA(RA:Return Air)という。排気ユニット30が建物BLDの屋外に排気する空気を排気EA(EA:Exhaust Air)という。
【0034】
なお、図3において、冷媒回路50を流れる冷媒を、冷媒R1及び冷媒R2として示す。冷媒R1と冷媒R2は同じ冷媒である。図3では、膨張弁51の前後における圧力の違いによって、同じ冷媒を冷媒R1と冷媒R2とに区別して表している。
【0035】
図3は、夏における換気装置1の使用状態を示している。すなわち、排気用熱交換器31を凝縮器として作用させて、還気RAにより冷媒R1を冷却する。そして、冷却した冷媒R1を減圧した冷媒R2により、給気用熱交換器21を蒸発器として作用させて、外気OAを冷却する。図3における、冷媒R1及び冷媒R2のそれぞれの矢印付き線の矢印の向きにより、圧縮機10が圧縮した冷媒を排気ユニット30に供給する場合の冷媒R1及び冷媒R2のそれぞれの流れる向きを示す。
【0036】
換気装置1の給気ユニット20は、部屋RMの天井に設けられる。給気ユニット20は、建物BLDの屋外から外気OAを取り込んで、部屋RMに給気SAを給気する。
【0037】
また、換気装置1の排気ユニット30は、部屋RMの天井に設けられる。排気ユニット30は、建物BLDの屋内、具体的には、部屋RM、から還気RAを取り込んで、建物BLDの屋外に排気EAを排気する。排気ユニット30は、建物BLDの屋内の空気を建物BLDの屋外に排気することから、特に、屋内の空気が汚染されやすい場所、例えば、トイレや台所等、に設けられることが望ましい。例えば、トイレ等の匂いが発生しやすい場所において、周囲の部屋より負圧にすることにより、匂いが漏れないようにしてもよい。
【0038】
なお、図1及び図2に示す換気装置1において、給気ユニット20及び排気ユニット30は、空気が流通可能な壁WLにより仕切られた部屋RMに設けられているが、給気ユニット20及び排気ユニット30が同じ部屋RMに設けられていてもよい。
【0039】
圧縮機10と、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44と、膨張弁51とは、建物BLDの天井裏ATに設けられる。
【0040】
なお、上記の説明において、給気ユニット20及び排気ユニット30の設置場所は一例であって、例えば、給気ユニット20及び排気ユニット30のそれぞれを、台所、寝室、納戸、更衣室、ロッカールーム等に設置してもよい。また、例えば、給気ユニット20及び排気ユニット30のそれぞれを、住居用の建物に限らず、業務用の建物や倉庫等に設置してもよい。
【0041】
換気装置1を構成する各構成要素について説明する。
【0042】
[圧縮機10]
圧縮機10は、冷媒回路50を流れる冷媒を圧縮する。例えば、夏において、建物BLDの屋内の温度が、冷房装置等により屋外の温度より低い場合は、圧縮機10は、圧縮した冷媒を排気ユニット30に供給する。また、例えば、冬において、建物BLDの屋内の温度が、暖房器具等により屋外の温度より高い場合は、圧縮機10は、圧縮した冷媒を給気ユニット20に供給する。
【0043】
圧縮機10は、制御部60に接続される。制御部60は、圧縮機10を制御する。
【0044】
換気装置1は、圧縮機10の近傍に、冷媒の圧力を測定する圧力計10p1及び圧力計10p2を備える。圧力計10p1は、圧縮機10と給気ユニット20とをつなぐ冷媒配管41を流れる冷媒の圧力を測定する。圧力計10p2は、圧縮機10と排気ユニット30とをつなぐ冷媒配管42を流れる冷媒の圧力を測定する。
【0045】
圧力計10p1及び圧力計10p2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、圧力計10p1及び圧力計10p2のそれぞれから冷媒の圧力を測定した結果を取得する。
【0046】
また、換気装置1は、圧縮機10の近傍に、冷媒の温度を測定する温度計10r1及び温度計10r2を備える。温度計10r1は、圧縮機10と給気ユニット20とをつなぐ冷媒配管41を流れる冷媒の温度を測定する。温度計10r2は、圧縮機10と排気ユニット30とをつなぐ冷媒配管42を流れる冷媒の温度を測定する。
【0047】
温度計10r1及び温度計10r2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、温度計10r1及び温度計10r2のそれぞれから冷媒の温度を測定した結果を取得する。
【0048】
[給気ユニット20]
給気ユニット20は、建物BLDの屋外から外気OAを取り込んで、取り込んだ外気OAと冷媒との間で熱交換を行い、熱交換後の外気OAを給気SAとして建物BLDの屋内に給気する。給気ユニット20は、給気用熱交換器21と、送風機22と、を備える。なお、建物BLDの屋外の空気である外気OAが、給気ユニット20を経由して、建物BLDの屋内に給気SAとして給気される経路を給気経路P1という。図3において、建物BLDの屋外を領域Rout、建物BLDの屋内を領域Rinとして示す。
【0049】
給気用熱交換器21は、外気OAと冷媒R2との熱交換を行う。給気用熱交換器21は、複数のプレート型のフィンと、フィンを貫通し冷媒R2が流れる配管と、を備える。
【0050】
給気用熱交換器21は、冷媒配管41を介して圧縮機10に接続するとともに、冷媒配管43、膨張弁51及び冷媒配管44を介して排気ユニット30が備える排気用熱交換器31と接続することにより、給気用熱交換器21の配管に冷媒R2が流れる。給気用熱交換器21のフィンの間を外気OAが流れることにより、外気OAと給気用熱交換器21の配管に流れる冷媒R2との間で熱交換が行われる。
【0051】
送風機22は、外気OAを給気用熱交換器21に送風する。給気用熱交換器21により給気用熱交換器21に送風された外気OAは、給気用熱交換器21を流れる冷媒R2と熱交換する。熱交換した外気OAは、建物BLDの屋内に給気SAとして送風される。送風機22は、例えば、遠心送風機又は軸流送風機等である。送風機22は、制御部60に接続される。制御部60は、送風機22を制御する。
【0052】
給気用熱交換器21により、冷媒R2と熱交換した外気OAは、送風機22により給気SAとして、建物BLDの屋内に送風される。なお、給気ユニット20の内部において、給気用熱交換器21を通過する空気を空気A1(第1空気)という。
【0053】
なお、給気用熱交換器21と送風機22との配置について、配置を逆にして、給気用熱交換器21で熱交換した外気OAを、送風機22により屋内に送風してもよい。
【0054】
換気装置1は、給気ユニット20の近傍に、冷媒R2の温度を測定する温度計21r1及び温度計21r2を備える。温度計21r1は、給気ユニット20と排気ユニット30とをつなぐ冷媒配管43を流れる冷媒R2の温度を測定する。すなわち、温度計21r1は、給気用熱交換器21の一方の冷媒口における冷媒R2の温度を測定する。温度計21r2は、圧縮機10と給気ユニット20とをつなぐ冷媒配管41を流れる冷媒R2の温度を測定する。温度計21r2は、給気用熱交換器21の他方の冷媒口における冷媒R2の温度を測定する。
【0055】
温度計21r1及び温度計21r2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、温度計21r1及び温度計21r2のそれぞれから冷媒R2の温度を測定した結果を取得する。
【0056】
また、換気装置1は、給気ユニット20の近傍に、給気用熱交換器21に流入する空気A1の温度を測定する温度計21a1と、給気用熱交換器21から流出する空気A1の温度を測定する温度計21a2と、を備える。温度計21a1は、給気用熱交換器21の流入側の近傍に設けられる。温度計21a2は、給気用熱交換器21の流出側の近傍に設けられる。
【0057】
温度計21a1及び温度計21a2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、温度計21a1及び温度計21a2のそれぞれから空気A1の温度を測定した結果を取得する。
【0058】
さらに、換気装置1は、給気ユニット20の近傍に、給気用熱交換器21に流入する空気A1の湿度を測定する湿度計21hを備える。湿度計21hは、給気用熱交換器21の流入側の近傍に設けられる。なお、湿度計21hは、給気用熱交換器21から流出する空気A1の湿度を測定してもよい。
【0059】
湿度計21hは、制御部60に接続される。制御部60は、湿度計21hから空気A1の湿度を測定した結果を取得する。
【0060】
[排気ユニット30]
排気ユニット30は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット30は、排気用熱交換器31と、送風機32と、ノズル33と、を備える。なお、建物BLDの屋内の空気である還気RAが、排気ユニット30を経由して、建物BLDの屋外に排気EAとして排気される経路を排気経路P2という。
【0061】
排気用熱交換器31は、還気RAと冷媒R1との熱交換を行う。排気用熱交換器31は、複数のプレート型のフィンと、フィンを貫通し冷媒が流れる配管と、を備える。
【0062】
排気用熱交換器31は、冷媒配管42を介して圧縮機10に接続するとともに、冷媒配管44、膨張弁51及び冷媒配管43を介して給気ユニット20が備える給気用熱交換器21と接続することにより、排気用熱交換器31の配管に冷媒R1が流れる。排気用熱交換器31のフィンの間を還気RAが流れることにより、還気RAと排気用熱交換器31の配管に流れる冷媒R1との間で熱交換が行われる。
【0063】
送風機32は、還気RAを排気用熱交換器31に送風する。送風機32は、例えば、遠心送風機又は軸流送風機等である。排気用熱交換器31で熱交換された還気RAは、排気EAとして屋外に排出される。送風機32は、制御部60に接続される。制御部60は、送風機32を制御する。
【0064】
ノズル33は、排気用熱交換器31に向けて、給水部34から供給された冷却水を噴霧する。ノズル33から噴霧された冷却水は、排気用熱交換器31にかけられることにより、排気用熱交換器31を冷却する。
【0065】
給水部34は、ノズル33に冷却水を供給する。冷却水は、例えば、水道水である。なお、例えば、給気用熱交換器21で結露した結露水を、冷却水として利用してもよい。冷却水には、例えば、防錆剤、防かび剤、洗浄剤等が含まれていてもよい。また、冷却水として、不凍液を利用してもよい。また、ノズルの冷却水を噴霧する方向は、空気の流れに対し対向流方向に噴霧してもよい。
【0066】
給水部34は、例えば、冷却水を貯蔵するタンクと、タンクからノズル33に冷却水を加圧しながら送るポンプと、を備える。給水部34は、制御部60に接続される。制御部60は、給水部34を制御する。冷却水を貯蔵するタンクには、換気装置1の外部から、例えば、水道から、水が供給される。
【0067】
なお、ノズル33と、給水部34と、をまとめて水噴霧部39という。
【0068】
上記の例では、水噴霧部39から冷却水を噴霧しているが、噴霧するの液体は水に限らない。水噴霧部39から水以外の液体を噴霧してもよい。換気装置1は、すなわち、水噴霧部39に換えて、排気用熱交換器31を冷却する液体である冷却液を噴霧する噴霧部を備えてもよい。
【0069】
排気用熱交換器31により、冷媒R2と熱交換した還気RAは、送風機32により排気EAとして、建物BLDの屋外に送風される。なお、排気ユニット30の内部において、排気用熱交換器31を通過する空気を空気A2(第2空気)という。
【0070】
なお、排気用熱交換器31と送風機32との配置について、配置を逆にして、排気用熱交換器31で熱交換した還気RAを、送風機32により排気EAとして建物BLDの屋外に送風してもよい。
【0071】
換気装置1は、排気ユニット30の近傍に、冷媒R1の温度を測定する温度計31r1及び温度計31r2を備える。温度計31r1は、排気ユニット30と圧縮機10とをつなぐ冷媒配管42を流れる冷媒R1の温度を測定する。温度計31r2は、給気ユニット20と排気ユニット30とをつなぐ冷媒配管44を流れる冷媒R1の温度を測定する。すなわち、温度計31r1は、排気用熱交換器31の一方の冷媒口における冷媒R1の温度を測定する。温度計31r2は、排気用熱交換器31の他方の冷媒口における冷媒R1の温度を測定する。
【0072】
温度計31r1及び温度計31r2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、温度計31r1及び温度計31r2のそれぞれから冷媒の温度を測定した結果を取得する。
【0073】
また、換気装置1は、排気ユニット30の近傍に、冷媒R1の圧力を測定する圧力計31p1及び圧力計31p2を備える。圧力計31p1は、排気ユニット30と圧縮機10とをつなぐ冷媒配管42を流れる冷媒R1の圧力を測定する。圧力計31p2は、給気ユニット20と排気ユニット30とをつなぐ冷媒配管44を流れる冷媒R1の圧力を測定する。すなわち、圧力計31p1は、排気用熱交換器31の一方の冷媒口における冷媒R1の圧力を測定する。圧力計31p2は、排気用熱交換器31の他方の冷媒口における冷媒R1の圧力を測定する。
【0074】
圧力計31p1及び圧力計31p2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、圧力計31p1及び圧力計31p2のそれぞれから冷媒の圧力を測定した結果を取得する。
【0075】
また、換気装置1は、排気ユニット30の近傍に、排気用熱交換器31に流入する空気A2の温度を測定する温度計31a1と、排気用熱交換器31から流出する空気A2の温度を測定する温度計31a2と、を備える。温度計31a1は、排気用熱交換器31の流入側の近傍に設けられる。温度計31a2は、排気用熱交換器31の流出側の近傍に設けられる。
【0076】
温度計31a1及び温度計31a2のそれぞれは、制御部60に接続される。制御部60は、温度計31a1及び温度計31a2のそれぞれから空気A2の温度を測定した結果を取得する。
【0077】
さらに、換気装置1は、排気ユニット30の近傍に、排気用熱交換器31に流入する空気A2の湿度を測定する湿度計31hを備える。湿度計31hは、排気用熱交換器31の流入側の近傍に設けられる。なお、湿度計31hは、排気用熱交換器31から流出する空気A2の湿度を測定してもよい。
【0078】
湿度計31hは、制御部60に接続される。制御部60は、湿度計31hから空気A1の湿度を測定した結果を取得する。
【0079】
さらにまた、換気装置1は、給水部34とノズル33との間に、流量計33fを備える。流量計33fは、給水部34からノズル33に供給される冷却水の流量を測定する。流量計33fは、例えば、電磁流量計、渦流量計、超音波流量計、コリオリ式流量計、差圧式流量計等である。流量計33fは、制御部60に接続される。制御部60は、流量計33fから、ノズル33から排気用熱交換器31に噴霧される冷却水の量を測定した結果を取得する。
【0080】
[冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44]
冷媒配管41は、圧縮機10と給気ユニット20との間、より具体的には、圧縮機10と給気ユニット20が備える給気用熱交換器21との間、を接続する。冷媒配管42は、圧縮機10と排気ユニット30との間、より具体的には、圧縮機10と排気ユニット30が備える排気用熱交換器31との間、を接続する。冷媒配管43は、給気ユニット20と膨張弁51との間、より具体的には、給気ユニット20が備える給気用熱交換器21と膨張弁51との間、を接続する。冷媒配管44は、排気ユニット30と膨張弁51との間、より具体的には、排気ユニット30が備える排気用熱交換器31と膨張弁51との間、を接続する。
【0081】
[膨張弁51]
膨張弁51は、高圧側から流入する冷媒を減圧して排出する。図3では、膨張弁51は、流入した高圧側の冷媒R1を減圧して、冷媒R2として排出する。なお、膨張弁51に換えて、例えば、キャピラリーチューブを用いてもよい。
【0082】
[冷媒回路50]
冷媒回路50は、いわゆる、蒸気圧縮式の冷媒回路である。冷媒回路50は、圧縮機10と、給気用熱交換器21と、排気用熱交換器31と、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44と、膨張弁51と、を備える。冷媒回路50は、圧縮機10、給気用熱交換器21、排気用熱交換器31及び膨張弁51が冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43及び冷媒配管44によって接続され、内部に冷媒が流れる。
【0083】
冷媒回路50の動作について説明する。例えば、夏において、建物BLDの屋内の温度が、冷房装置等により屋外の温度より低い場合は、圧縮機10は、圧縮した冷媒を排気ユニット30に供給する。排気ユニット30が備える排気用熱交換器31は、圧縮した冷媒が供給されることにより、凝縮器として作用する。一方、給気ユニット20が備える給気用熱交換器21は、蒸発器として作用する。
【0084】
排気用熱交換器31が凝縮器、給気用熱交換器21が蒸発器、として作用することにより、還気RAの熱を回収して、外気OAを冷却できる。
【0085】
また、例えば、冬において、建物BLDの屋内の温度が、暖房器具等により屋外の温度より高い場合は、圧縮機10は、圧縮した冷媒を給気ユニット20に供給する。給気ユニット20が備える給気用熱交換器21は、圧縮した冷媒が供給されることにより、凝縮器として作用する。一方、排気ユニット30が備える排気用熱交換器31は、蒸発器として作用する。
【0086】
給気用熱交換器21が凝縮器、排気用熱交換器31が蒸発器、として作用することにより、還気RAの熱を回収して、外気OAを加熱できる。
【0087】
[制御部60]
制御部60は、換気装置1の全体を制御する。図4は、第1実施形態に係る換気装置1が備える制御部60の機能ブロック図である。なお、図4には、制御部60に関連する構成要素についても記載している。
【0088】
制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びメモリを備えた制御回路である。制御部60の機能は、メモリに読み出し可能に記憶されたプログラムによって、プロセッサが動作することにより実現される。制御部60の具体例として、マイコン(マイクロコンピュータ)が挙げられる。制御部60は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)でもよい。
【0089】
制御部60は、演算部61と、機器駆動部62と、接続部63と、を備える。
【0090】
演算部61は、制御部60の全体を制御する。また、演算部61は、圧縮機10、送風機22、送風機32及び給水部34の制御を実行する。
【0091】
機器駆動部62は、圧縮機10、送風機22、送風機32及び給水部34を制御するための信号を出力する。
【0092】
接続部63は、制御部60に接続される機器等との通信を行う。接続部63には、温度計10r1、10r2、21a1、21a2、21r1、21r2、31a1、31a2、31r1及び31r2と、圧力計10p1、10p2、31p1及び32p2と、湿度計21h及び31hと、が接続される。
【0093】
なお、制御部60に接続される機器は、上記に限らない。制御部60で行う処理に応じて適宜必要な機器を接続してもよい。
【0094】
<制御部60における処理>
第1実施形態に係る換気装置1は、蒸気圧縮式の冷媒回路50を備える。換気装置1は、還気RAから熱を回収して、外気OAに回収した熱を付加して給気SAとする。ここでは、夏における処理について説明する。
【0095】
夏においては、外気OAの温度が還気RAの温度より高い。換気装置1は、夏において、蒸気圧縮式の冷媒回路50により、還気RAから熱回収して、外気OAを冷却し給気SAとして給気する。換気装置1が備える制御部60は、給気SAの温度が、予め定められた設定温度になるように、冷媒回路50の制御を行う。具体的には、制御部60は、温度計21a2で測定する空気A1の温度が、設定温度になるように制御を行う。
【0096】
換気装置1は、外気OAを取り込んで給気SAとして室内に給気するとともに、室内の空気である還気RAを排気EAとして排気する。したがって、換気装置1が処理する給気SAの風量(給気量)と還気RAの風量(排気量)は等しくなる。換気装置1は、給気SAに加える熱量に回路の発熱を加えたものを排気EAに捨てる必要がある。しかしながら、換気装置1において、給気量と排気量は等しくなるように制御されている。したがって、外気OAが高温の時には外気OAの温度を下げて室内温度にするまでの温度差が大きく、外気OAに加える熱量を排気EAに加えると排気EAの温度が高くなりすぎる場合がある。
【0097】
そこで、第1実施形態に係る換気装置1は、排気EAの温度が高くなる場合に、排気用熱交換器31に冷却水を噴霧することにより、潜熱を用いて換気装置1からの排気される排気EAの温度を下げるように制御を行う。
【0098】
第1実施形態に係る換気装置1は、排気用熱交換器31の凝縮温度又は圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力の少なくともいずれかに基づいて、排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するように、水噴霧部39を制御する。
【0099】
以下に、制御部60での処理を説明することにより、第1実施形態に係る換気装置1による換気方法について説明する。
【0100】
[排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく制御]
最初に、換気装置1が備える制御部60が実行する排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく制御について説明する。図5は、第1実施形態に係る換気装置1における排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく処理を示すフローチャートである。
【0101】
(ステップS10)
制御部60が処理を開始すると、制御部60は、圧縮機10における冷媒R1の出口温度を測定する(圧縮機10における冷媒の出口温度を測定する工程)。制御部60は、温度計10r2により、冷媒R1の温度を測定する。温度計10r2により測定する温度は、圧縮機10における冷媒の出口温度である。
【0102】
(ステップS20)
次に、制御部60は、排気用熱交換器31における冷媒R1の入口温度及び出口温度を測定する(排気用熱交換器31における冷媒の入口温度及び出口温度を測定する工程)。制御部60は、温度計31r1及び温度計31r2により、冷媒R1の温度を測定する。温度計31r1により測定する温度は、排気用熱交換器31における冷媒の入口温度である。温度計31r2により測定する温度は、排気用熱交換器31における冷媒の出口温度である。
【0103】
(ステップS30)
次に、制御部60は、排気用熱交換器31における冷媒R1の凝縮温度を算出する(排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する工程)。制御部60は、ステップS10及びステップS20において測定した排気用熱交換器31における冷媒の入口温度(第1温度)、排気用熱交換器31における冷媒の出口温度(第2温度)及び圧縮機10における冷媒の出口温度(第3温度)を取得する。そして、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度に基づいて、排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する。いいかえると、制御部60は、ステップS10及びステップS20において測定した温度計31r1、温度計31r2及び温度計10r2のそれぞれの測定結果に基づいて、排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する。
【0104】
例えば、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度を用いて排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する。例えば、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度と、凝縮温度との関係を示すテーブルを備え、測定した第1温度、第2温度及び第3温度から当該テーブルを用いて、凝縮温度を算出してもよい。
【0105】
なお、排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する場合には、第1温度、第2温度及び第3温度のすべてを用いる場合に限らない。例えば、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度のいずれか一つの温度により凝縮温度を算出してもよいし、第1温度、第2温度及び第3温度からいずれか二つの温度を選択して、選択した温度により、凝縮温度を算出してもよい。すなわち、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度の少なくともいずれか一つを用いて排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出する。
【0106】
また、制御部60は、ステップS30において、排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度を算出するのに用いられる温度のみを、ステップS10及びステップS20において測定するようにしてもよい。
【0107】
(ステップS40)
次に、制御部60は、ステップS30で算出した排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度が目標温度以上かどうかについて判定する(凝縮温度が目標温度以上であるかどうか判定する工程)。
【0108】
目標温度は、予め定められた温度又は予め設定された温度である。目標温度は、例えば、冷媒回路50における許容温度、排気EAの許容温度等から定められる。
【0109】
ステップS30で算出した凝縮温度が目標温度以上である場合(ステップS40のYES)は、制御部60は、ステップS50に処理を進める。ステップS30で算出した凝縮温度が目標温度未満である場合(ステップS40のNO)は、制御部60は、ステップS60に処理を進める。
【0110】
なお、上記の説明では、ステップS40において凝縮温度が目標温度と等しい場合は、ステップS50に処理を進めているが、ステップS60に処理を進めてもよい。いいかえると、ステップS40において、ステップS30で算出した排気用熱交換器31における冷媒の凝縮温度が目標温度以上かどうかについて判定しているが、凝縮温度が目標温度より高いかどうかについて判定するようにしてもよい。
【0111】
制御部60がステップS40を実行することにより、制御部60は、凝縮温度に基づいて、排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するように、水噴霧部39を制御する。
【0112】
(ステップS50)
ステップS30で算出した凝縮温度が目標温度以上である場合(ステップS40のYES)は、制御部60は、ノズル33から排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するように水噴霧部39を制御する(ノズル33から排気用熱交換器31に冷却水を噴霧する工程)。
【0113】
制御部60は、例えば、ステップS30で算出した凝縮温度と目標温度との差に基づいて、凝縮温度と目標温度との差が大きい場合には、ノズル33から多くの量の冷却水を噴霧するように水噴霧部39を制御する。
【0114】
ステップS50の終了後に、制御部60は、ステップS70に処理を進める。
【0115】
(ステップS60)
ステップS30で算出した凝縮温度が目標温度未満である場合(ステップS40のNO)は、制御部60は、ノズル33からの冷却水の噴霧を停止する(ノズル33からの冷却水の噴霧を停止する工程)。なお、ノズル33から冷却水を噴霧していない場合は、冷却水の噴霧の停止を継続する。
【0116】
ステップS60の終了後に、制御部60は、ステップS70に処理を進める。
【0117】
(ステップS70)
次に、制御部60は、処理を終了するかどうか判定する(処理を終了するかどうか判定する工程)。
【0118】
処理を終了する場合(ステップS70のYES)は、制御部60は、ステップS80に処理を進める。処理を終了しない場合(ステップS70のNO)は、制御部60は、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0119】
(ステップS80)
制御部60は、処理を停止する(処理を停止する工程)。制御部60は、処理を停止する場合に、例えば、ノズル33から冷却水を噴霧している場合には水の噴霧を停止する等の後処理を行う。
【0120】
[圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく制御]
次に、換気装置1が備える制御部60が実行する圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく制御について説明する。図6は、第1実施形態に係る換気装置1における圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく処理を示すフローチャートである。
【0121】
(ステップS15)
制御部60が処理を開始すると、制御部60は、圧縮機10における冷媒R1の出口圧力を測定する(圧縮機10における冷媒の出口圧力を測定する工程)。制御部60は、圧力計10p2により、冷媒R1の圧力を測定する。圧力計10p2により測定する圧力は、圧縮機10における冷媒の出口圧力である。
【0122】
(ステップS25)
次に、制御部60は、排気用熱交換器31における冷媒R1の入口圧力及び出口圧力を測定する(排気用熱交換器31における冷媒の入口圧力及び出口圧力を測定する工程)。制御部60は、圧力計31p1及び圧力計31p2により、冷媒R1の圧力を測定する。圧力計31p1により測定する圧力は、排気用熱交換器31における冷媒の入口圧力である。圧力計31p2により測定する圧力は、排気用熱交換器31における冷媒の出口圧力である。
【0123】
(ステップS35)
次に、制御部60は、圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する(圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒の吐出圧力を算出する工程)。制御部60は、ステップS15及びステップS25において測定した排気用熱交換器31における冷媒の入口圧力(第1圧力)、排気用熱交換器31における冷媒の出口圧力(第2圧力)及び圧縮機10における冷媒の出口圧力(第3圧力)を取得する。そして、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力に基づいて、圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する。いいかえると、制御部60は、ステップS15及びステップS25において測定した圧力計31p1、圧力計31p2及び圧力計10p2のそれぞれの測定結果に基づいて、圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する。
【0124】
例えば、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力を用いて圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する。例えば、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力と、吐出圧力との関係を示すテーブルを備え、測定した第1圧力、第2圧力及び第3圧力から当該テーブルを用いて、吐出圧力を算出してもよい。
【0125】
なお、圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する場合には、第1圧力、第2圧力及び第3圧力のすべてを用いる場合に限らない。例えば、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力のいずれか一つの圧力により吐出圧力を算出してもよいし、第1圧力、第2圧力及び第3圧力からいずれか二つの圧力を選択して、選択した圧力により、吐出圧力を算出してもよい。すなわち、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力の少なくともいずれか一つを用いて圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出する。
【0126】
また、制御部60は、ステップS35において、圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力を算出するのに用いられる圧力のみを、ステップS15及びステップS25において測定するようにしてもよい。
【0127】
(ステップS45)
次に、制御部60は、ステップS35で算出した圧縮機10から排気用熱交換器31に吐出する冷媒R1の吐出圧力が目標圧力以上かどうかについて判定する(吐出圧力が目標圧力以上であるかどうか判定する工程)。
【0128】
目標圧力は、予め定められた圧力又は予め設定された圧力である。目標圧力は、例えば、冷媒回路50における許容圧力、排気EAの許容温度等から定められる。
【0129】
ステップS35で算出した吐出圧力が目標圧力以上である場合(ステップS45のYES)は、制御部60は、ステップS50に処理を進める。ステップS30で算出した吐出圧力が目標圧力未満である場合(ステップS45のNO)は、制御部60は、ステップS60に処理を進める。
【0130】
なお、上記の説明では、吐出圧力が目標圧力と等しい場合は、ステップS50に処理を進めているが、ステップS60に処理を進めてもよい。いいかえると、ステップS45において、ステップS35で算出した排気用熱交換器31における冷媒の吐出圧力が目標圧力以上かどうかについて判定しているが、吐出圧力が目標圧力より高いかどうかについて判定するようにしてもよい。
【0131】
制御部60がステップS45を実行することにより、制御部60は、吐出圧力に基づいて、排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するように、水噴霧部39を制御する。
【0132】
ステップS50、ステップS60、ステップS70及びステップS80については、処理の内容は前述した処理と同様であることから説明を省略する。なお、ステップS50において、制御部60は、例えば、ステップS35で算出した吐出圧力と目標圧力との差に基づいて、吐出圧力と目標圧力との差が大きい場合には、ノズル33から多くの量の冷却水を噴霧するように水噴霧部39を制御する。
【0133】
<まとめ>
第1実施形態に係る換気装置1は、凝縮器となる排気用熱交換器31に水噴霧を行うことにより、冷却水による潜熱を利用することによって凝縮温度を下げて、冷媒が高温又は高圧になることを抑制できる。冷媒は高温又は高圧になることを抑制することにより、換気装置1は、高い冷房能力を出すことができる。換気装置1は、凝縮器となる排気用熱交換器31に水噴霧を行うことにより、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31における排熱を効率よくできる。
【0134】
排気用熱交換器31における凝縮温度が高くなったり、圧縮機10から排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力が高くなったりすると、圧縮機10など構成部品、例えば、冷凍機油等の故障につながる可能性がある。第1実施形態に係る換気装置1は、凝縮温度及び吐出圧力のそれぞれが、高くならないように制御を行うことにより、長期間の運転ができる。
【0135】
なお、給気経路P1が第1経路の一例、排気経路P2が第2経路の一例、給気用熱交換器21が第1熱交換器の一例、排気用熱交換器31が第2熱交換器の一例である。温度計31r1及び温度計31r2のいずれかが第1温度検出器の一例、温度計10r2が第2温度検出器の一例、圧力計31p1及び圧力計31p2のいずれかが第1圧力検出器の一例、圧力計10p2が第2圧力検出器の一例、である。
【0136】
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る換気装置2について説明する。換気装置1は、排気用熱交換器31にノズル33から冷却水を噴霧していたが、換気装置2は、排気経路P2における排気用熱交換器31の上流側に設けられる冷却部35にノズル33から冷却水を噴霧する。
【0137】
図7は、第2実施形態に係る換気装置2の概略構成を示す図である。第2実施形態に係る換気装置2は、第1実施形態に係る換気装置1の排気ユニット30に換えて、排気ユニット130を備える。
【0138】
換気装置2の構成について、換気装置1と共通の構成については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。換気装置2が備える排気ユニット130について、特に、排気ユニット30と異なる点について説明する。
【0139】
[排気ユニット130]
排気ユニット130は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット130は、排気ユニット30の構成に、更に冷却部35を備える。
【0140】
冷却部35は、冷却水を保持するとともに、通過する空気A2を冷却水の気化熱より冷却する。冷却部35は、内部を空気A2が通過可能な構成を有する。また、冷却部35は、水を内部に吸収して保持し、保持した水を内部から外部に排出する吸水材により形成される。冷却部35は、吸水材から水が外部に排出される際の気化熱により、通過する空気A2を冷却する。
【0141】
吸水材は、例えば、シリカ、高分子吸着材等である。吸水材は、水を吸収すると膨らみ、水を排出するとしぼむような材料であることが望ましい。
【0142】
なお、上記の例では、水を吸収する吸水材について説明したが、冷却部35は、吸水材に換えて、液体を内部に吸収して保持し、保持した液体を内部から外部に排出する吸収材により形成されてもよい。
【0143】
ノズル33は、冷却部35に向けて、給水部34から供給された冷却水を噴霧する。ノズル33から噴霧された冷却水は、冷却部35にかけられることにより、冷却部35を通過する空気A2を冷却する。
【0144】
<制御部60における処理>
第2実施形態に係る換気装置2は、第1実施形態に係る換気装置1と同様に、排気用熱交換器31の凝縮温度又は圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力の少なくともいずれかに基づいて、ノズル33が冷却水を噴霧する。ただし、ノズル33が冷却水を噴霧する対象が異なる。すなわち、換気装置2のノズル33は、換気装置1のように排気用熱交換器31ではなく、冷却部35に冷却水を噴霧する。
【0145】
換気装置2の制御部60における処理について、換気装置1と一致する処理については説明を省略して、異なる点について説明する。
【0146】
[排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく制御]
図8は、第2実施形態に係る換気装置2における排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく処理を示すフローチャートである。
【0147】
第2実施形態に係る換気装置2の制御部60は、換気装置1の制御部60が実行するステップS50(図5参照)に換えて、ステップS150を実行する。
【0148】
(ステップS150)
ステップS30で算出した凝縮温度が目標温度以上である場合(ステップS40のYES)は、制御部60は、ノズル33から冷却部35に冷却水を噴霧するように水噴霧部39を制御する(ノズル33から冷却部35に冷却水を噴霧する工程)。
【0149】
制御部60は、例えば、ステップS30で算出した凝縮温度と目標温度との差に基づいて、凝縮温度と目標温度との差が大きい場合には、ノズル33から多くの量の冷却水を散布するように水噴霧部39を制御する。
【0150】
[圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく制御]
図9は、第2実施形態に係る換気装置2における圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく処理を示すフローチャートである。
【0151】
第2実施形態に係る換気装置2の制御部60は、換気装置1の制御部60が実行するステップS50(図6参照)に換えて、ステップS150を実行する。
【0152】
(ステップS150)
ステップS35で算出した吐出圧力が目標圧力以上である場合(ステップS45のYES)は、制御部60は、ノズル33から冷却部35に冷却水を噴霧するように水噴霧部39を制御する(ノズル33から冷却部35に冷却水を噴霧する工程)。
【0153】
制御部60は、例えば、ステップS35で算出した吐出圧力と目標圧力との差に基づいて、吐出圧力と目標圧力との差が大きい場合には、ノズル33から多くの量の冷却水を散布するように水噴霧部39を制御する。換気装置2は、冷却部35に水噴霧を行うことにより、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31における排熱を効率よくできる。
【0154】
なお、上記の第1実施形態に係る換気装置1と第2実施形態に係る換気装置2を組み合わせて、排気用熱交換器31と冷却部35の両方に冷却水を噴霧してもよい。また、第2実施形態に係る換気装置2において、ノズル33からより多くの冷却水を噴霧することによって、冷却部35を介して、冷却部35に噴霧された冷却水の一部が、排気用熱交換器31にかかるようにしてもよい。
【0155】
また、冷却部35の用途は、換気装置に用いるのに限らず、例えば、空調装置における屋外熱交換器等に供給される空気を冷却するのに用いてもよい。
【0156】
≪排気用熱交換器の例≫
ここで、本実施形態に係る換気装置に用いられる排気用熱交換器の例として排気用熱交換器131について説明する。図10は、本実施形態に係る熱交換器に用いられる排気用熱交換器131の概要を示す図である。図10は、排気用熱交換器131の一部を切断して示す斜視図である。
【0157】
排気用熱交換器131は、複数のプレート型のフィン131fと、フィン131fを貫通し冷媒が流れる複数の配管131pと、を備える。複数のフィン131fは、間隔を空けて設けられる。複数のフィン131fは、配管131pに接続される。複数のフィン131fの間には、空気が流通する。複数の配管131pには、冷媒が流れる。
【0158】
フィン131fと配管131pの表面には、水を内部に吸収して保持し、保持した水を内部から外部に排出可能な吸水材により形成される液保持部131wが形成される。吸水材は、冷却部35の吸水材と同様の材料が用いられる。冷却部35と同様に、液保持部131wは、液体を内部に保持する吸収材により形成されてもよい。
【0159】
ノズル33から冷却水が噴霧されると、噴霧された冷却水が液保持部131wの吸水材により保持される。保持された冷却水が排出される際に気化熱により液保持部131wが形成されたフィン131f及び配管131pが冷却される。フィン131f及び配管131pが冷却されることにより、配管131pを流れる冷媒を、空気による冷却に加えて、気化熱(潜熱)による冷却により、より冷却できる。また、ノズル33から噴霧された冷却水を、フィン131f及び配管131pに保持できることから、より安定して冷媒を冷却できる。
【0160】
なお、排気用熱交換器131の用途は、換気装置の排気用熱交換器に限らず、例えば、給気用熱交換器、空調装置における屋外熱交換器等に用いてもよい。
【0161】
なお、配管131pは内部配管の一例である。排気用熱交換器131は、本開示の実施形態のそれぞれにおいて、排気用熱交換器として使用できる。
【0162】
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る換気装置3について説明する。換気装置3は、換気装置1における排気用熱交換器31の上流側に更に第2排気用熱交換器36を備える。
【0163】
図11は、第3実施形態に係る換気装置3の概略構成を示す図である。第3実施形態に係る換気装置3は、第1実施形態に係る換気装置1の排気ユニット30に換えて、排気ユニット230を備える。また、第3実施形態に係る換気装置3は、第1実施形態に係る換気装置1の冷媒回路50に換えて、冷媒回路55を備える。
【0164】
換気装置3の構成について、換気装置1と共通の構成については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。換気装置3が備える排気ユニット230及び冷媒回路55について、特に、それぞれ排気ユニット30及び冷媒回路50と異なる点について説明する。
【0165】
[排気ユニット230]
排気ユニット230は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット230は、排気経路P2における排気用熱交換器31の上流に第2排気用熱交換器36を備える。第2排気用熱交換器36は、排気経路P2におけるノズル33より上流に設けられる。
【0166】
第2排気用熱交換器36は、送風機32から送風される空気A2と冷媒R1との間で熱交換する。そして、第2排気用熱交換器36を通過した空気A2は、更に、下流の排気用熱交換器31において、冷媒R1と熱交換する。
【0167】
第2排気用熱交換器36は、冷媒配管44を介して膨張弁51と接続する。また、第2排気用熱交換器36は、冷媒配管45を介して排気用熱交換器31と接続する。
【0168】
[冷媒回路55]
冷媒回路55は、いわゆる、蒸気圧縮式の冷媒回路である。冷媒回路55は、圧縮機10と、給気用熱交換器21と、排気用熱交換器31及び第2排気用熱交換器36と、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43、冷媒配管44及び冷媒配管45と、膨張弁51と、を備える。冷媒回路55は、圧縮機10、給気用熱交換器21、排気用熱交換器31、第2排気用熱交換器36及び膨張弁51が冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43、冷媒配管44及び冷媒配管45によって接続され、内部に冷媒が流れる。
【0169】
換気装置3は、第2排気用熱交換器36を備えることにより、空気A2と冷媒R1との間でより効率よく熱交換できる。換気装置3は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31及び第2排気用熱交換器36における排熱を効率よくできる。
【0170】
なお、換気装置3は、1つの第2排気用熱交換器36を備えるが、第2排気用熱交換器36を2つ以上備えるようにしてもよい。
【0171】
なお、第2排気用熱交換器36が第3熱交換器の一例である。
【0172】
≪第4実施形態≫
第4実施形態に係る換気装置4について説明する。換気装置4は、換気装置2における排気用熱交換器31の上流側に更に第2排気用熱交換器36を備える。別の観点で説明すると、換気装置4は、換気装置3において、ノズル33が排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するのに換えて、ノズル33が冷却部35に冷却水を噴霧する。
【0173】
図12は、第4実施形態に係る換気装置4の概略構成を示す図である。第4実施形態に係る換気装置4は、第3実施形態に係る換気装置3の排気ユニット230に換えて、排気ユニット330を備える。
【0174】
換気装置4の構成について、換気装置3と共通の構成については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。換気装置3が備える排気ユニット330について、特に、排気ユニット230と異なる点について説明する。
【0175】
[排気ユニット330]
排気ユニット330は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット330は、排気経路P2における排気用熱交換器31と第2排気用熱交換器36との間、より詳しくは、ノズル33と排気用熱交換器31との間、に冷却部35を備える。
【0176】
換気装置4のノズル33は、排気用熱交換器31ではなく、冷却部35に冷却水を噴霧する。
【0177】
換気装置4は、第2排気用熱交換器36を備えることにより、空気A2と冷媒R1との間でより効率よく熱交換できる。換気装置4は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31及び第2排気用熱交換器36における排熱を効率よくできる。
【0178】
なお、換気装置4は、1つの第2排気用熱交換器36を備えるが、第2排気用熱交換器36を2つ以上備えるようにしてもよい。
【0179】
≪第5実施形態≫
第5実施形態に係る換気装置5について説明する。換気装置5は、換気装置1における排気用熱交換器31の下流側に更に第2ノズル33a及び第3排気用熱交換器37を備える。
【0180】
図13は、第5実施形態に係る換気装置5の概略構成を示す図である。第5実施形態に係る換気装置5は、第1実施形態に係る換気装置1の排気ユニット30に換えて、排気ユニット430を備える。また、第3実施形態に係る換気装置3は、第1実施形態に係る換気装置1の冷媒回路50に換えて、冷媒回路56を備える。
【0181】
換気装置5の構成について、換気装置1と共通の構成については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。換気装置5が備える排気ユニット430及び冷媒回路56について、特に、それぞれ排気ユニット30及び冷媒回路50と異なる点について説明する。
【0182】
[排気ユニット430]
排気ユニット430は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット230は、排気経路P2における排気用熱交換器31の下流に第3排気用熱交換器37を備える。また、排気用熱交換器31と第3排気用熱交換器37との間に第2ノズル33aを備える。
【0183】
第3排気用熱交換器37は、排気用熱交換器31を通過した空気A2と冷媒R1との間で熱交換を行う。また、第3排気用熱交換器37は、第2ノズル33aから冷却水が噴霧される。
【0184】
第3排気用熱交換器37は、冷媒配管46を介して排気用熱交換器31と接続する。また、第3排気用熱交換器37は、冷媒配管42を介して圧縮機10と接続する。
【0185】
第2ノズル33aは、第3排気用熱交換器37に向けて、給水部34aから供給された冷却水を噴霧する。第2ノズル33aから噴霧された冷却水は、第3排気用熱交換器37にかけられることにより、第3排気用熱交換器37を冷却する。
【0186】
給水部34aは、第2ノズル33aに冷却水を供給する。給水部34aは、例えば、冷却水を貯蔵するタンクと、タンクから第2ノズル33aに冷却水を加圧しながら送るポンプと、を備える。給水部34aは、制御部60に接続される。制御部60は、給水部34aを制御する。また、換気装置5は、給水部34aと第2ノズル33aとの間に、流量計33afを備える。流量計33afは、給水部34aから第2ノズル33aに供給される冷却水の流量を測定する。流量計33afは、例えば、電磁流量計、渦流量計、超音波流量計、コリオリ式流量計、差圧式流量計等である。流量計33afは、制御部60に接続される。制御部60は、流量計33afから、第2ノズル33aから第3排気用熱交換器37に噴霧される冷却水の量を測定した結果を取得する。
【0187】
なお、第2ノズル33aと、給水部34aと、をまとめて水噴霧部39aという。制御部60は、水噴霧部39と同様の制御を水噴霧部39aに行う。
【0188】
[冷媒回路56]
冷媒回路56は、いわゆる、蒸気圧縮式の冷媒回路である。冷媒回路56は、圧縮機10と、給気用熱交換器21と、排気用熱交換器31及び第3排気用熱交換器37と、冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43、冷媒配管44及び冷媒配管46と、膨張弁51と、を備える。冷媒回路56は、圧縮機10、給気用熱交換器21、排気用熱交換器31、第3排気用熱交換器37及び膨張弁51が冷媒配管41、冷媒配管42、冷媒配管43、冷媒配管44及び冷媒配管46によって接続され、内部に冷媒が流れる。
【0189】
換気装置5は、水噴霧部39a及び第3排気用熱交換器37を備えることにより、冷媒R1との間でより効率よく熱交換できる。また、換気装置5は、冷媒R1をより効率よく冷却できる。換気装置5は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31及び第3排気用熱交換器37における排熱を効率よくできる。
【0190】
なお、換気装置5は、1組の水噴霧部39a及び第3排気用熱交換器37を備えるが、2組以上の水噴霧部39a及び第3排気用熱交換器37を備えるようにしてもよい。
【0191】
≪第6実施形態≫
第6実施形態に係る換気装置6について説明する。換気装置4は、換気装置2における排気用熱交換器31の下流側に更に第3排気用熱交換器37を備える。別の観点で説明すると、換気装置6は、換気装置5において、ノズル33が排気用熱交換器31に冷却水を噴霧するのに換えて、ノズル33が冷却部38に冷却水を噴霧する。また、換気装置6は、換気装置5において、第2ノズル33aが第3排気用熱交換器37に冷却水を噴霧するのに換えて、第2ノズル33aが冷却部38に冷却水を噴霧する。
【0192】
図14は、第6実施形態に係る換気装置6の概略構成を示す図である。第6実施形態に係る換気装置6は、第5実施形態に係る換気装置5の排気ユニット430に換えて、排気ユニット530を備える。
【0193】
換気装置6の構成について、換気装置5と共通の構成については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。換気装置5が備える排気ユニット530について、特に、排気ユニット430と異なる点について説明する。
【0194】
[排気ユニット530]
排気ユニット530は、建物BLDの屋内から還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒R1との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。排気ユニット530は、排気ユニット430に対して、排気経路P2における排気用熱交換器31の上流に冷却部35、第3排気用熱交換器37の上流に冷却部38と、を備える。冷却部38は、冷却部35と同様の構成を有する。
【0195】
換気装置6のノズル33は、排気用熱交換器31ではなく、冷却部35に冷却水を噴霧する。また、換気装置6の第2ノズル33aは、第3排気用熱交換器37ではなく、冷却部38に冷却水を噴霧する。
【0196】
換気装置6は、水噴霧部39a、冷却部38及び第3排気用熱交換器37を備えることにより、冷媒R1との間でより効率よく熱交換できる。また、換気装置6は、冷媒R1をより効率よく冷却できる。換気装置6は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器31及び第3排気用熱交換器37における排熱を効率よくできる。
【0197】
なお、換気装置5は、1組の水噴霧部39a、冷却部38及び第3排気用熱交換器37を備えるが、2組以上の水噴霧部39a、冷却部38及び第3排気用熱交換器37を備えるようにしてもよい。
【0198】
なお、冷却部38は第2冷却部の一例、第3排気用熱交換器37が第4熱交換器の一例、水噴霧部39aが第2水噴霧部の一例、第2ノズル33aから噴霧される冷却水が第2冷却水の一例、である。
【0199】
≪第7実施形態≫
第7実施形態に係る換気装置について説明する。第7実施形態に係る換気装置は、上述のステップS50又はステップS150において、噴霧する冷却水の量を算出する処理を実行する。
【0200】
第7実施形態に係る換気装置は、冷媒回路を流れる冷媒の温度と、冷却水の流量と、凝縮温度との関係を学習して、予測モデルを作成し、当該予測モデルに基づいて、冷却水の流量を算出する。また、第7実施形態に係る換気装置は、冷媒回路を流れる冷媒の圧力と、冷却水の流量と、吐出圧力との関係を学習して、予測モデルを作成し、当該予測モデルに基づいて、冷却水の流量を算出する。
【0201】
図15は、第7実施形態に係る換気装置における排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく処理を示すフローチャートである。
【0202】
(ステップS210)
処理を開始すると、制御部60は、複数の動作条件において、排気用熱交換器31に供給される冷媒R1の第1温度、排気用熱交換器31から排出される冷媒R1の第2温度及び圧縮機10から第2熱交換器に吐出される冷媒R1の第3温度の少なくともいずれか一つを取得する。制御部60は、取得した第1温度、第2温度及び第3温度の少なくともいずれかを第1学習データとする(冷媒温度について学習データを取得する工程)。
【0203】
(ステップS220)
次に、制御部60は、複数の動作条件において、水噴霧部39が噴霧する冷却水の流量を取得する。制御部60は、取得した冷却水の流量を第2学習データとする(冷却水の流量について学習データを取得する工程)。
【0204】
(ステップS230)
次に、制御部60は、第1学習データ及び前記第2学習データに基づいて排気用熱交換器31における凝縮温度がどれだけ下がるかを予測する予測モデル(第1予測モデル)を学習する。具体的には、制御部60は、第1温度、第2温度及び第3温度の少なくともいずれか一つ及び冷却水の流量から、排気用熱交換器31における凝縮温度がどれだけ下がるかを予測する予測モデルを作成する(凝縮温度について予測モデルを学習する工程)。
【0205】
(ステップS240)
次に、制御部60は、ステップS240で学習した予測モデルに基づいて、水噴霧部から噴霧する前記冷却水の流量を算出する。具体的には、制御部60は、学習に用いた第1温度、第2温度及び第3温度の少なくともいずれか一つ及び凝縮温度から、水噴霧部から噴霧する前記冷却水の流量を算出する(予測モデルを用いて冷却水の流量を算出する工程)。
【0206】
図16は、第7実施形態に係る換気装置における圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく処理を示すフローチャートである。
【0207】
(ステップS310)
処理を開始すると、制御部60は、複数の動作条件において、排気用熱交換器31に供給される冷媒R1の第1圧力、排気用熱交換器31から排出される冷媒R1の第2圧力及び圧縮機10から第2熱交換器に吐出される冷媒R1の第3圧力の少なくともいずれか一つを取得する。制御部60は、取得した第1圧力、第2圧力及び第3圧力の少なくともいずれかを第3学習データとする(冷媒圧力について学習データを取得する工程)。
【0208】
(ステップS320)
次に、制御部60は、複数の動作条件において、水噴霧部39が噴霧する冷却水の流量を取得する。制御部60は、取得した冷却水の流量を第4学習データとする(冷却水の流量について学習データを取得する工程)。
【0209】
(ステップS330)
次に、制御部60は、第3学習データ及び前記第4学習データに基づいて圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力がどれだけ下がるかを予測する予測モデル(第2予測モデル)を学習する(吐出圧力について予測モデルを学習する工程)。具体的には、制御部60は、第1圧力、第2圧力及び第3圧力の少なくともいずれか一つ及び冷却水の流量から、圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力がどれだけ下がるかを予測する予測モデルを作成する。
【0210】
(ステップS340)
次に、制御部60は、ステップS340で学習した予測モデルに基づいて、水噴霧部から噴霧する前記冷却水の流量を算出する。具体的には、制御部60は、学習に用いた第1圧力、第2圧力及び第3圧力の少なくともいずれか一つ及び吐出圧力から、水噴霧部から噴霧する冷却水の流量を算出する(予測モデルを用いて冷却水の流量を算出する工程)。
【0211】
第7実施形態に係る換気装置において、予測モデルを用いて噴霧する冷却水の量を算出することによって、噴霧する水の量を最適化できる。
【0212】
≪第8実施形態≫
第8実施形態に係る換気装置8について説明する。図17は、本実施形態に係る換気装置1の使用状態を側面視で説明する図である。換気装置8は、建物BLDの屋外の空気である外気OAを建物BLDの屋内に給気する。また、換気装置8は、建物BLDの屋内の空気を排気EAとして、建物BLDの屋外に排気する。換気装置8は、給気と排気とを行うことにより、建物BLDの屋内の空気を換気する。
【0213】
第8実施形態に係る換気装置8は、圧縮機510と、給気ユニット520と、排気ユニット530と、を備える。また、換気装置8は、圧縮機510と、後述する給気ユニット520の給気用熱交換器521と、後述する排気ユニット530の排気用熱交換器531と、図示しない膨張弁と、冷媒配管540と、を備える冷媒回路550を備える。
【0214】
なお、換気装置8は、換気装置1等と同様に冷媒の温度を測定する温度計、冷媒の圧力を測定する圧力計等の計測器や制御を行う制御部を備えるが、ここでは換気装置1等を参照することとして説明は省略する。
【0215】
[圧縮機510]
圧縮機510は、冷媒回路550を流れる冷媒を圧縮する。例えば、夏において、建物BLDの屋内の温度が、冷房装置等により屋外の温度より低い場合は、圧縮機510は、圧縮した冷媒を排気ユニット530に供給する。また、例えば、冬において、建物BLDの屋内の温度が、暖房器具等により屋外の温度より高い場合は、圧縮機510は、圧縮した冷媒を給気ユニット520に供給する。
【0216】
[給気ユニット520]
給気ユニット520は、建物BLDの屋外から外気OAを取り込んで、取り込んだ外気OAと冷媒との間で熱交換を行い、熱交換後の外気OAを給気SAとして建物BLDの屋内に給気する。給気ユニット520は、給気用熱交換器521を備える。
【0217】
給気用熱交換器521は、外気OAと冷媒との熱交換を行う。給気用熱交換器521は、複数のプレート型のフィンと、フィンを貫通し冷媒が流れる配管と、を備える。
【0218】
給気用熱交換器521は、冷媒配管540を介して圧縮機510に接続するとともに、冷媒配管540を介して排気ユニット530が備える排気用熱交換器531と接続することにより、給気用熱交換器521の配管に冷媒が流れる。給気用熱交換器521のフィンの間を外気OAが流れることにより、外気OAと給気用熱交換器521の配管に流れる冷媒との間で熱交換が行われる。
【0219】
給気用熱交換器521により、冷媒と熱交換した外気OAは、送風機BLWにより給気SAとして、建物BLDの床下UFから部屋RM1に送風される。
【0220】
[排気ユニット530]
排気ユニット530は、建物BLDの部屋RM1から天井裏ATを介して還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。図18は、第8実施形態に係る換気装置8の排気ユニット530の概略を示す図である。排気ユニット530は、建物BLDの屋上RFに設けられる。排気ユニット530は、排気用熱交換器531と、送風機532と、ノズル533と、を備える。
【0221】
排気用熱交換器531は、還気RAと冷媒との熱交換を行う。排気用熱交換器531は、配管531pと、充填剤531aと、を備える。
【0222】
排気用熱交換器531は、冷媒配管540を介して圧縮機10に接続するとともに、冷媒配管540を介して給気ユニット520が備える給気用熱交換器521と接続することにより、排気用熱交換器531の配管に冷媒が流れる。排気用熱交換器531の配管531p及び充填剤531aの間を還気RAが流れることにより、還気RAと排気用熱交換器531の配管531pに流れる冷媒との間で熱交換が行われる。
【0223】
送風機532は、還気RAを排気用熱交換器531に送風する。送風機532は、例えば、遠心送風機又は軸流送風機等である。排気用熱交換器531で熱交換された還気RAは、排気EAとして屋外に排出される。
【0224】
ノズル533は、排気用熱交換器531に向けて、給水部534から供給された冷却水を噴霧する。ノズル533から噴霧された冷却水は、排気用熱交換器531にかけられることにより、排気用熱交換器531を冷却する。
【0225】
給水部534は、ノズル533に冷却水を供給する。給水部534は、例えば、冷却水を貯蔵するタンク534aと、タンクからノズル33に冷却水を加圧しながら送るポンプと、ポンプからの冷却水をノズル533に送る配管534bと、を備える。
【0226】
送風機532により排気用熱交換器531に送られた還気RAは、排気用熱交換器531により冷媒と熱交換する。排気用熱交換器531と熱交換した還気RAは、排気EAとして、建物BLDの屋外に送風される。
【0227】
なお、排気ユニット530において、空気AIRの流れに対して、冷却水WTRは対向するように流す。すなわち、排気ユニット530は、排気用熱交換器531の空気AIRの流れの下流側に、ノズル533を備える。
【0228】
[冷媒配管540]
冷媒配管540は、圧縮機510と、給気用熱交換器521と、排気用熱交換器531と図示しない膨張弁と、を接続する。冷媒配管540には冷媒が流れる。
【0229】
[冷媒回路550]
冷媒回路550は、いわゆる、蒸気圧縮式の冷媒回路である。冷媒回路550は、圧縮機510と、給気用熱交換器521と、排気用熱交換器531と、冷媒配管540と、図示しない膨張弁と、を備える。冷媒回路550は、圧縮機510、給気用熱交換器521、排気用熱交換器531及び膨張弁が冷媒配管540によって接続され、内部に冷媒が流れる。
【0230】
冷媒回路550の動作について説明する。例えば、夏において、建物BLDの屋内の温度が、冷房装置等により屋外の温度より低い場合は、圧縮機510は、圧縮した冷媒を排気ユニット530に供給する。排気ユニット530が備える排気用熱交換器531は、圧縮した冷媒が供給されることにより、凝縮器として作用する。一方、給気ユニット520が備える給気用熱交換器521は、蒸発器として作用する。
【0231】
排気用熱交換器531が凝縮器、給気用熱交換器521が蒸発器、として作用することにより、還気RAの熱を回収して、外気OAを冷却できる。
【0232】
また、例えば、冬において、建物BLDの屋内の温度が、暖房器具等により屋外の温度より高い場合は、圧縮機510は、圧縮した冷媒を給気ユニット520に供給する。給気ユニット520が備える給気用熱交換器521は、圧縮した冷媒が供給されることにより、凝縮器として作用する。一方、排気ユニット530が備える排気用熱交換器531は、蒸発器として作用する。
【0233】
給気用熱交換器521が凝縮器、排気用熱交換器531が蒸発器、として作用することにより、還気RAの熱を回収して、外気OAを加熱できる。
【0234】
なお、換気装置8は、還気RAを、部屋RM2から吸気してもよい。部屋RM2は、例えば、トイレ、浴室、台所等である。部屋RM2は、例えば、臭気や有害ガス等が発生する部屋である。部屋RM2は、部屋RM1から天井裏ATに設けられる配管によりRM1の還気RAの一部が部屋RM2に供給される。RM1の還気RAの一部が部屋RM2に供給されることによって、部屋RM2における臭気や有害ガス等が部屋RM1に漏れることを防止できる。なお、部屋RM2は、部屋RM1より負圧にしてもよい。
【0235】
排気ユニット530は、建物BLDの屋上RFに設置されることにより、例えば、臭気や有害ガス等を排出する場合においても、安全に排気することができる。
【0236】
また、換気装置8は、部屋RM1及び部屋RM2とは別に設けられた部屋RM3に、部屋RM1の還気RAの一部を給気SAとして戻すためのダクトを備える。換気装置8は、当該ダクトを流れる空気を濾過するフィルタFLT1及びフィルタFLT2を備える。フィルタFLT1は、例えば、大きなゴミ等を濾過するためのプレフィルタである。フィルタFLT2は、例えば、アメリカ暖房冷凍空調学会が定めるMERV(Minimum Efficiency Reporting Value)14以上の高性能フィルタである。
【0237】
さらに、換気装置8は、フィルタFLT1及びフィルタFLT2を通過した空気を冷却する空調用熱交換器EVPを備える。空調用熱交換器EVPで温度調整した空気は、送風機BLWにより給気SAとして部屋RM1に給気される。
【0238】
図19は、第8実施形態に係る換気装置8の動作について説明する図である。図19は、空気線図である。図19には、図17における位置POS1、POS2、POS3、POS4、POS5、POS6及びPOS7における空気の状態が示されている。図19の横軸は乾球温度、縦軸は絶対湿度である。図19は、給気用熱交換器521における蒸発温度が13.2℃、排気用熱交換器531における凝縮温度が35.9℃の時を示す。
【0239】
位置POS1は、外気OAが供給される位置を示す。位置POS2は、給気用熱交換器521を空気が通過した位置を示す。位置POS3は、給気SAが供給される部屋RM1の位置を示す。位置POS4は、天井裏ATの還気RAの位置を示す。位置POS5は、排気ユニット530における排気用熱交換器531の手前の位置を示す。位置POS6は、排気ユニット530から排出された排気EAの位置を示す。位置POS7は、空調用熱交換器EVPを通過した空気の位置を示す。
【0240】
図19において、位置POS1の状態を示す点から位置POS2の状態を示す点への矢印で示すように、給気用熱交換器521により外気OAが冷却される。また、図19において、位置POS4の状態を示す点から位置POS7の状態を示す点への矢印で示すように、空調用熱交換器EVPにより還気RAが冷却される。さらに、図19において、位置POS4の状態を示す点から位置POS5の状態を示す点への矢印及び位置POS5の状態を示す点から位置POS6の状態を示す点への矢印で示すように、排気用熱交換器531により還気RAが加熱される。なお、例えば、排気ユニット530において、排気用熱交換器531に水を噴霧しなかった場合は、図19の点POS6zに示すように、凝縮排熱を捨てるために62.5℃の温度にする必要がある。
【0241】
換気装置8によれば、排気EAの温度を低下させて、排気用熱交換器において、熱を回収できる。換気装置8は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器531における排熱を効率よくできる。
【0242】
排気ユニット530の変形例である排気ユニット630について説明する。排気ユニット530は、排気用熱交換器531にノズル533から冷却水を噴霧していたが、排気ユニット630は、排気用熱交換器631に供給される空気を冷却する冷却部635に冷却水を噴霧する。
【0243】
[排気ユニット630]
排気ユニット630は、建物BLDの部屋RM1から天井裏ATを介して還気RAを取り込んで、取り込んだ還気RAと冷媒との間で熱交換を行い、熱交換後の還気RAを排気EAとして建物BLDの屋外に排気する。図20は、第8実施形態に係る換気装置8の排気ユニット530の変形例である排気ユニット630の概略を示す図である。排気ユニット630は、排気ユニット530と同様に建物BLDの屋上RFに設けられる。排気ユニット630は、排気用熱交換器631と、送風機632と、ノズル633と、冷却部635と、を備える。
【0244】
排気用熱交換器631は、冷却部635を通過した還気RAと冷媒との熱交換を行う。排気用熱交換器631は、配管631pを備える。排気用熱交換器631は、例えば、配管631pが貫通する複数のフィンを備えていてもよい。
【0245】
排気用熱交換器631の配管631pには冷媒が流れる。排気用熱交換器631の配管631pの間を還気RAが流れることにより、還気RAと排気用熱交換器631の配管631pに流れる冷媒との間で熱交換が行われる。
【0246】
送風機632は、還気RAを冷却部635に送風する。送風機632は、例えば、遠心送風機又は軸流送風機等である。冷却部635で冷却された還気RAは、排気用熱交換器631で熱交換されて、排気EAとして屋外に排出される。
【0247】
冷却部635は、冷却水を保持するとともに、通過する還気RAを冷却水の気化熱より冷却する。冷却部635は、内部を還気RAが通過可能な構成を有する。また、冷却部635は、水を内部に吸収して保持し、保持した水を内部から外部に排出する吸水材により形成される。冷却部635は、吸水材から水が外部に排出される際の気化熱により、通過する還気RAを冷却する。
【0248】
吸水材は、例えば、シリカ、高分子吸着材等である。吸水材は、水を吸収すると膨らみ、水を排出するとしぼむような材料であることが望ましい。
【0249】
なお、上記の例では、水を吸収する吸水材について説明したが、冷却部635は、吸水材に換えて、液体を内部に吸収して保持し、保持した液体を内部から外部に排出する吸収材により形成されてもよい。
【0250】
ノズル633は、冷却部635に向けて、給水部634から供給された冷却水を噴霧する。ノズル633から噴霧された冷却水は、冷却部635にかけられることにより、冷却部635を通過する還気RAを冷却する。
【0251】
給水部634は、ノズル633に冷却水を供給する。給水部634は、例えば、冷却水を貯蔵するタンク634aと、タンクからノズル633に冷却水を加圧しながら送るポンプと、ポンプからの冷却水をノズル633に送る配管634bと、を備える。
【0252】
送風機632により冷却部635に送られた還気RAは、冷却部635で冷却された後に、排気用熱交換器631により冷媒と熱交換する。排気用熱交換器631と熱交換した還気RAは、排気EAとして、建物BLDの屋外に送風される。排気ユニット630を用いる換気装置8は、排気用の熱交換器である排気用熱交換器631における排熱を効率よくできる。
【0253】
なお、排気ユニット630において、空気AIRの流れに対して、冷却水WTRは対向するように流す。すなわち、排気ユニット630は、冷却部635の空気AIRの流れの下流側に、ノズル633を備える。
【0254】
≪本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部≫
本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の詳細について説明する。図21は、本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の一例である水噴霧部39の概略を示す図である。水噴霧部39aは、水噴霧部39と同じ構成を備える。
【0255】
水噴霧部39は、ノズル33と、給水部34と、を備える。給水部34は、タンク34tと、ポンプ34pと、を備える。タンク34tは、冷却水を貯蔵する。ポンプ34pは、タンク34tに貯蔵されている冷却水を加圧しながらノズル33に送る。
【0256】
本実施形態に係る換気装置において、水噴霧部は、熱交換器及び冷却部のそれぞれを冷却するために、ある程度まとまった量の冷却水が必要となる。したがって、本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の一例である水噴霧部39は、冷却水を貯蔵するタンク34tを備える。
【0257】
給水部34は、タンク34tに所定の量の冷却水(冷却液)を貯蔵するために、外部から冷却水が供給される。例えば、給水部34が備えるタンク34tに、外部から水道水WSが供給される。
【0258】
ポンプ34pは、タンク34tに貯蔵されている冷却水をノズル33に加圧しながら送る。ノズル33は、ポンプ34pにより加圧された冷却水を熱交換器又は冷却部に向けて噴霧する。
【0259】
なお、上記の例では、水噴霧部39から冷却水を噴霧しているが、噴霧する液体は水に限らない。水噴霧部39から水以外の液体を噴霧してもよい。換気装置1は、すなわち、水噴霧部39に換えて、排気用熱交換器31を冷却する液体である冷却液を噴霧する噴霧部を備えてもよい。
【0260】
冷却水(冷却液)は、できるだけ低い温度の水(液体)であるとよい。温度が低い冷却水(冷却液)を用いることで、熱交換器又は冷却部をより冷却できる。また、冷却水(冷却液)は、加熱又は冷却を行っていない常温の水(液体)でもよい。常温の水(液体)を熱交換器又冷却部に噴霧する場合においても、常温の水(液体)が蒸発する気化熱により、熱交換器又は冷却部を冷却できる。さらに、冷却水(冷却液)を熱交換器に噴霧する場合、冷却水(冷却液)は、熱交換器の温度より低い温度であればよい。冷却水(冷却液)が熱交換器の温度より低い温度であれば、冷却水(冷却液)が噴霧される熱交換器を冷却できる。
【0261】
≪本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の変形例≫
本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の変形例について説明する。図22は、本実施形態に係る換気装置が備える水噴霧部の変形例である水噴霧部839の概略を示す図である。水噴霧部839は、水噴霧部39a又は水噴霧部39に適用できる。
【0262】
水噴霧部839は、ノズル833と、給水部834と、を備える。給水部834は、タンク834tと、ポンプ834pと、コンプレッサ834cと、を備える。タンク834tは、冷却水を貯蔵する。ポンプ834pは、タンク834tに貯蔵されている冷却水を加圧しながらノズル833に送る。コンプレッサ834cは、ノズル833に圧縮した空気(気体)を供給する。ノズル833は、水(液体)と空気(気体)とを同時に噴霧する二流体ノズルである。
【0263】
ノズル833は、ポンプ834pから供給される冷却水(冷却液)と、コンプレッサ834cから供給される空気(気体)とを、同時に噴霧することにより、微細ミストを噴霧する。ノズル833が微細ミストを噴霧することにより、熱交換器又は冷却部を通過する空気を冷却できる。また、ノズル833が噴霧した微細ミストが熱交換器又は冷却部に付着することにより、熱交換器又は冷却部を冷却できる。
【0264】
なお、水噴霧部39と同様に、水噴霧部839は、外部から水(液体)が供給される。
【0265】
≪本実施形態に係る換気装置が備える排気ユニットの変形例≫
次に、本実施形態に係る換気装置が備える排気ユニットの変形例について説明する。図23は、本実施形態に係る換気装置が備える排気ユニットの変形例である排気ユニット930の概略を示す図である。
【0266】
排気ユニット930は、排気用熱交換器31と、水噴霧部939と、送風機32と、を備える。水噴霧部939は、ノズル33と、給水部934と、トレイ935と、浄化部936と、を備える。
【0267】
トレイ935は、ノズル33から排気用熱交換器31に噴霧した冷却水(冷却液)を回収する。例えば、トレイ935は、ノズル33から排気用熱交換器31に噴霧されて排気用熱交換器31を伝って落下した冷却水(冷却液)を回収する。また、トレイ935は、ノズル33から排気用熱交換器31に届かずに落下した冷却水(冷却液)を回収する。
【0268】
トレイ935により回収された冷却水(冷却液)は、浄化部936を通って浄化された後に、給水部934に戻って再利用される。
【0269】
浄化部936は、例えば、フィルタを含む。浄化部936は、例えば、冷却水(冷却液)を洗浄する洗浄剤が添加されるようになっていてもよいし、冷却水(冷却液)を浄化する浄化装置であってもよい。
【0270】
給水部934は、回収した冷却水(冷却液)をノズル33に供給する。浄化部936が回収した冷却水(冷却液)をノズル33に供給することにより、水噴霧部939は、冷却水(冷却液)を循環させて再利用できる。なお、給水部934は、給水部34及び給水部834と同様に外部から水(液)が供給される。
【0271】
≪本実施形態に係る換気装置の処理≫
第1実施形態に係る換気装置において、排気用熱交換器31の凝縮温度に基づく制御と圧縮機10が排気用熱交換器31に向けて吐出する吐出圧力に基づく制御とについて説明したが、本実施形態に係る換気装置は上記の処理に限らない。
【0272】
本実施形態に係る換気装置の処理の例について機能構成を説明する。図24は、本実施形態に係る換気装置の一例である換気装置9における機能構成を示す図である。なお、図24において、換気装置9における機能に関連するブロックを示し、構造等については、第1実施形態に係る換気装置等を参照することとする。
【0273】
換気装置9は、制御部760を備える。制御部760は、水噴霧制御部751と、凝縮温度算出部761と、吐出圧力算出部762と、を備える。制御部760は、例えば、換気装置1における制御部60に相当する。また、換気装置9は、排気用熱交換器における凝縮温度に相関する物理量を測定する測定部710を備える。測定部710は、温度測定部711、温度測定部712、圧力測定部713、圧力測定部714、回転数測定部721、温度測定部731、温度測定部732、温度測定部741、圧力測定部742及び回転数測定部743を含む。
【0274】
[測定部710]
換気装置9は、排気用熱交換器における入口冷媒温度(排気用熱交換器入口冷媒温度)を測定する温度測定部711と、排気用熱交換器における出口冷媒温度(排気用熱交換器出口冷媒温度)を測定する温度測定部712と、を備える。温度測定部711は、排気用熱交換器に流入する冷媒の温度を測定する。温度測定部711は、換気装置1を例に説明すると温度計31r1を含む。温度測定部712は、排気用熱交換器から流出する冷媒の温度を測定する。温度測定部712は、換気装置1を例に説明すると温度計31r2を含む。
【0275】
換気装置9は、排気用熱交換器における入口冷媒圧力(排気用熱交換器入口冷媒圧力)を測定する圧力測定部713と、排気用熱交換器における出口冷媒圧力(排気用熱交換器出口冷媒圧力)を測定する圧力測定部714と、を備える。圧力測定部713は、排気用熱交換器に流入する冷媒の圧力を測定する。圧力測定部713は、換気装置1を例に説明すると圧力計31p1を含む。圧力測定部714は、排気用熱交換器から流出する冷媒の圧力を測定する。圧力測定部714は、換気装置1を例に説明すると圧力計31p2を含む。
【0276】
換気装置9は、排気ユニットが備える送風機における回転数(送風機回転数)を測定する回転数測定部721を備える。回転数測定部721は、排気用熱交換器を通過する空気を流す送風機における回転数を測定する。回転数測定部721は、換気装置1を例に説明すると、送風機32の回転数を測定する。
【0277】
換気装置9は、排気用熱交換器における入口空気温度(排気用熱交換器入口空気温度)を測定する温度測定部731と、排気用熱交換器における出口空気温度(排気用熱交換器出口空気温度)を測定する温度測定部732と、を備える。温度測定部731は、排気用熱交換器に流入する空気の温度を測定する。温度測定部731は、換気装置1を例に説明すると温度計31a1を含む。温度測定部732は、排気用熱交換器から流出する空気の温度を測定する。温度測定部732は、換気装置1を例に説明すると温度計31a2を含む。
【0278】
換気装置9は、圧縮機における出口冷媒温度(圧縮機出口冷媒温度)を測定する温度測定部741と、圧縮機における出口冷媒圧力(圧縮機出口冷媒圧力)を測定する圧力測定部742を備える。また、換気装置9は、圧縮機における回転数(圧縮機回転数)を測定する回転数測定部743を備える。温度測定部741は、圧縮機から排出される冷媒の温度を測定する。温度測定部741は、換気装置1を例に説明すると温度計10r2を含む。圧力測定部742は、圧縮機から排出される冷媒の圧力を測定する。圧力測定部742は、換気装置1を例に説明すると圧力計10p2を含む。回転数測定部743は、圧縮機における回転数を測定する。回転数測定部743は、換気装置1を例に説明すると、圧縮機10の回転数を測定する。
【0279】
[凝縮温度算出部761]
凝縮温度算出部761は、測定部710において測定した結果に基づいて、排気用熱交換器における凝縮温度を算出する。
【0280】
凝縮温度算出部761は、例えば、圧縮機出口冷媒温度、排気用熱交換器入口冷媒温度及び排気用熱交換器出口冷媒温度に基づいて、排気用熱交換器における凝縮温度を算出する。例えば、凝縮温度算出部761は、圧縮機出口冷媒温度、排気用熱交換器入口冷媒温度及び排気用熱交換器出口冷媒温度と、凝縮温度との関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。そして、凝縮温度算出部761は、測定した圧縮機出口冷媒温度、排気用熱交換器入口冷媒温度及び排気用熱交換器出口冷媒温度から当該テーブルを用いて、凝縮温度を算出してもよい。
【0281】
また、凝縮温度算出部761は、例えば、圧縮機回転数に基づいて、排気用熱交換器における凝縮温度を算出してもよい。例えば、凝縮温度算出部761は、圧縮機回転数と、凝縮温度との関係を示すテーブルを備え、測定した圧縮機回転数から当該テーブルを用いて、凝縮温度を算出してもよい。
【0282】
さらに、凝縮温度算出部761は、例えば、送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度に基づいて、排気用熱交換器における凝縮温度を算出してもよい。例えば、凝縮温度算出部761は、送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度と、凝縮温度との関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。そして、凝縮温度算出部761は、測定した送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度から当該テーブルを用いて、凝縮温度を算出してもよい。なお、送風機回転数に換えて、排気用熱交換器に流入する風量又は排気用熱交換器から流出する風量を用いてもよい。
【0283】
なお、凝縮温度算出部761において凝縮温度を算出する方法は、上記に限らない。例えば、凝縮温度算出部761は、凝縮温度に相関する物理量を用いて算出してもよい。例えば、凝縮温度算出部761は、圧縮機出口冷媒圧力を用いて算出してもよい。
【0284】
[吐出圧力算出部762]
吐出圧力算出部762は、測定部710において測定した結果に基づいて、圧縮機から排気用熱交換器に吐出する冷媒の吐出圧力を算出する。
【0285】
吐出圧力算出部762は、例えば、圧縮機出口冷媒圧力、排気用熱交換器入口冷媒圧力及び排気用熱交換器出口冷媒圧力に基づいて、圧縮機から排気用熱交換器に吐出する冷媒の吐出圧力を算出する。例えば、吐出圧力算出部762は、圧縮機出口冷媒圧力、排気用熱交換器入口冷媒圧力及び排気用熱交換器出口冷媒圧力と、吐出圧力との関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。そして、吐出圧力算出部762は、測定した圧縮機出口冷媒圧力、排気用熱交換器入口冷媒圧力及び排気用熱交換器出口冷媒圧力から当該テーブルを用いて、吐出圧力を算出してもよい。
【0286】
また、吐出圧力算出部762は、例えば、圧縮機回転数に基づいて、圧縮機から排気用熱交換器に吐出する冷媒の吐出圧力を算出してもよい。例えば、吐出圧力算出部762は、圧縮機回転数と、吐出圧力との関係を示すテーブルを備え、測定した圧縮機回転数から当該テーブルを用いて、吐出圧力を算出してもよい。
【0287】
さらに、吐出圧力算出部762は、例えば、送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度に基づいて、圧縮機から排気用熱交換器に吐出する冷媒の吐出圧力を算出してもよい。例えば、吐出圧力算出部762は、送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度と、吐出圧力との関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。そして、吐出圧力算出部762は、測定した送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度及び排気用熱交換器出口空気温度から当該テーブルを用いて、吐出圧力を算出してもよい。なお、送風機回転数に換えて、排気用熱交換器に流入する風量又は排気用熱交換器から流出する風量を用いてもよい。
【0288】
なお、吐出圧力算出部762において吐出圧力を算出する方法は、上記に限らない。例えば、凝縮温度算出部761は、吐出圧力に相関する物理量を用いて算出してもよい。例えば、凝縮温度算出部761は、圧縮機出口冷媒温度、排気用熱交換器入口冷媒温度、排気用熱交換器出口冷媒温度等を用いて算出してもよい。
【0289】
なお、凝縮温度と吐出圧力とは相関関係にある。したがって、上記において、吐出圧力を求めるために使う物理量は、凝縮温度に相関する物理量でもある。
【0290】
凝縮温度に相関する物理量は、例えば、測定部710が測定する排気用熱交換器入口冷媒温度、排気用熱交換器出口冷媒温度、排気用熱交換器入口冷媒圧力、排気用熱交換器出口冷媒圧力が挙げられる。また、凝縮温度に相関する物理量は、例えば、測定部710が測定する送風機回転数、排気用熱交換器入口空気温度、排気用熱交換器出口空気温度、圧縮機出口冷媒温度、圧縮機出口冷媒圧力、圧縮機回転数が挙げられる。さらに、凝縮温度に相関する物理量は、例えば、排気用熱交換器に流入する風量、排気用熱交換器から流出する風量が挙げられる。なお、凝縮温度に相関する物理量は、上記に列挙した物理量に限らず、凝縮温度に相関する物理量、言い換えると、凝縮温度に影響のある物理量、であればよい。
【0291】
[水噴霧制御部751]
水噴霧制御部751は、凝縮温度算出部761及び吐出圧力算出部762の少なくともいずれかに基づいて、水噴霧部における水(冷却液)の噴霧を制御する。
【0292】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が可能である。
【0293】
また、本開示には下記の観点の開示が含まれる。
【0294】
第1観点の換気装置は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2熱交換器に冷却水を噴霧する水噴霧部と、
前記第2熱交換器の凝縮温度に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御する制御部と、を備える、
換気装置である。
【0295】
第1観点の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0296】
第2観点の換気装置は、第1観点の換気装置において、前記制御部は、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記第2熱交換器に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御してもよい。
【0297】
第3観点の換気装置は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部に冷却水を噴霧する水噴霧部と、
前記第2熱交換器の凝縮温度に基づいて、前記冷却部に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御する制御部と、を備える、
換気装置である。
【0298】
第3観点の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0299】
第4観点の換気装置は、第3観点の換気装置において、前記制御部は、前記凝縮温度が、予め設定された目標温度以上の場合に、前記冷却部に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御してもよい。
【0300】
第5観点の換気装置は、第2観点又は第4観点の換気装置において、前記制御部は、前記凝縮温度と前記目標温度との差に基づいて、前記水噴霧部から噴霧する前記冷却水の量を制御してもよい。
【0301】
第6観点の換気装置は、第1観点から第5観点の換気装置において、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第1温度及び前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第2温度のいずれかを測定する第1温度検出器を更に備え、前記制御部は、前記第1温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出してもよい。
【0302】
第7観点の換気装置は、第1観点から第5観点の換気装置において、前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第3温度を測定する第2温度検出器を更に備え、前記制御部は、前記第2温度検出器の測定結果に基づいて、前記凝縮温度を算出してもよい。
【0303】
第8観点の換気装置は、第1観点から第5観点の換気装置において、前記制御部は、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第1温度、前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第2温度及び前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第3温度のいずれかについて第1学習データを取得し、前記水噴霧部が噴霧する前記冷却水の流量の第2学習データを取得し、前記第1学習データ及び前記第2学習データに基づいて、前記第1温度、前記第2温度及び前記第3温度のいずれか及び前記流量から、前記凝縮温度がどれだけ下がるかを予測する第1予測モデルを学習し、前記第1予測モデルに基づいて、学習に用いた前記第1温度、前記第2温度及び前記第3温度のいずれか及び前記凝縮温度から、前記水噴霧部から噴霧する前記冷却水の流量を算出してもよい。
【0304】
第9観点の換気装置は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2熱交換器に冷却水を噴霧する水噴霧部と、
前記圧縮機が前記第2熱交換器に向けて吐出する吐出圧力に基づいて、前記第2熱交換器に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御する制御部と、を備える、
換気装置である。
【0305】
第9観点の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0306】
第10観点の換気装置は、第9観点換気装置において、本開示の換気装置において、前記制御部は、前記吐出圧力が、予め設定された目標圧力以上の場合に、前記第2熱交換器に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御してもよい。
【0307】
第11観点の換気装置は、
圧縮機と、
屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、
前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、
前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、
前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出可能な吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部に冷却水を噴霧する水噴霧部と、
前記圧縮機が前記第2熱交換器に向けて吐出する吐出圧力に基づいて、前記冷却部に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御する制御部と、を備える、
換気装置である。
【0308】
第11観点の換気装置によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0309】
第12観点の換気装置は、第11観点の換気装置において、前記制御部は、前記吐出圧力が、予め設定された目標圧力以上の場合に、前記冷却部に前記冷却水を噴霧するように前記水噴霧部を制御してもよい。
【0310】
第13観点の換気装置は、第10観点又は第11観点の換気装置において、前記制御部は、前記吐出圧力と前記目標圧力との差に基づいて、前記水噴霧部から噴霧する前記冷却水の量を制御してもよい。
【0311】
第14観点の換気装置は、第9観点から第13観点の換気装置において、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第1圧力及び前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第2圧力のいずれかを測定する第1圧力検出器を更に備え、前記制御部は、前記第1圧力検出器の測定結果に基づいて、前記吐出圧力を算出してもよい。
【0312】
第15観点の換気装置は、第9観点から第13観点の換気装置において、前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第3圧力を測定する第2圧力検出器を更に備え、前記制御部は、前記第2圧力検出器の測定結果に基づいて、前記吐出圧力を算出してもよい。
【0313】
第16観点の換気装置は、第9観点から第13観点の換気装置において、前記制御部は、前記第2熱交換器に供給される前記冷媒の第1圧力、前記第2熱交換器から排出される前記冷媒の第2圧力及び前記圧縮機から前記第2熱交換器に吐出される前記冷媒の第3圧力のいずれかについて第3学習データを取得し、前記水噴霧部が噴霧する前記冷却水の流量の第4学習データを取得し、前記第3学習データ及び前記第4学習データに基づいて、前記第1圧力、前記第2圧力及び前記第3圧力のいずれか及び前記流量から、前記吐出圧力がどれだけ下がるかを予測する第2予測モデルを学習し、前記第2予測モデルに基づいて、学習に用いた前記第1圧力、前記第2圧力及び前記第3圧力のいずれか及び前記吐出圧力から、前記水噴霧部から噴霧する前記冷却水の流量を算出してもよい。
【0314】
第17観点の換気装置は、第1観点から第16観点の換気装置において、前記第2熱交換器は、前記冷媒が流れる内部配管と、前記内部配管に接続するフィンと、前記フィンの表面に形成され、前記水噴霧部から噴霧される前記冷却水を内部に吸収して保持し、保持した前記冷却水を前記内部から外部に排出可能な吸水材により形成される液保持部と、を備え、前記第2熱交換器は、前記吸水材から前記冷却水が蒸発することにより、前記冷媒を冷却してもよい。
【0315】
第18観点の換気装置は、第1観点から第17観点の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第3熱交換器を更に備えてもよい。
【0316】
第19観点の換気装置は、第1観点から第18観点の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第4熱交換器に第2冷却水を噴霧する第2水噴霧部と、を更に備えてもよい。
【0317】
第20観点の換気装置は、第1観点から第19観点の換気装置において、前記第2経路における前記第2熱交換器の下流側に設けられ、前記冷媒回路に接続される第4熱交換器と、前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられ、前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する第2冷却部と、前記第2冷却部に第2冷却水を噴霧する第2水噴霧部と、を更に備えてもよい。
【0318】
第1観点の換気方法は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記第2熱交換器の凝縮温度に基づいて、前記第2熱交換器に冷却水を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0319】
第1観点の換気方法によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0320】
第2観点の換気方法は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記第2熱交換器の凝縮温度に基づいて、前記冷却部に冷却水を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0321】
第2観点の換気方法によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0322】
第3観点の換気方法は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記圧縮機が前記第2熱交換器に向けて吐出する吐出圧力に基づいて、前記第2熱交換器に冷却水を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0323】
第3観点の換気方法によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【0324】
第4観点の換気方法は、
圧縮機と、屋外の空気が屋内に給気される第1経路に設けられ第1空気が通過する第1熱交換器と、前記屋内の空気が前記屋外に排気される第2経路に設けられ第2空気が通過する第2熱交換器と、前記圧縮機、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器が冷媒配管によって接続され、内部を冷媒が流れる冷媒回路と、前記第2経路における前記第2熱交換器の上流側に設けられ前記第2空気が通過し、水を内部に吸収して保持し、保持した前記水を前記内部から外部に排出する吸水材により形成され、前記水が外部に排出される際の気化熱により前記第2空気を冷却する冷却部と、を備える換気装置を用いる換気方法であって、
前記圧縮機が前記第2熱交換器に向けて吐出する吐出圧力に基づいて、前記冷却部に冷却水を噴霧する工程を含む、
換気方法である。
【0325】
第4観点の換気方法によれば、排気用の熱交換器における排熱を効率よくできる。
【符号の説明】
【0326】
1、2、3、4、5、6、8、9 換気装置
10、510 圧縮機
10p2 圧力計
10r2 温度計
20、520 給気ユニット
21、521 給気用熱交換器
30、130、230、330、430、530、630 排気ユニット
31、131、531、631 排気用熱交換器
31p1 圧力計
31p2 圧力計
31r1 温度計
31r2 温度計
33、533、633 ノズル
33a 第2ノズル
34、34a、534、634、834 給水部
35、38、635 冷却部
36 第2排気用熱交換器
37 第3排気用熱交換器
39、39a、839、939 水噴霧部
41、42、43、44、45、46 冷媒配管
50、55、56、550 冷媒回路
51 膨張弁
60、760 制御部
710 測定部
131f フィン
131p 配管
131w 液保持部
A1 空気
A2 空気
BLD 建物
OA 外気
P1 給気経路
P2 排気経路
R1 冷媒
R2 冷媒
RA 還気
SA 給気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24