(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/77 20180101AFI20241127BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20241127BHJP
F24F 11/83 20180101ALI20241127BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20241127BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20241127BHJP
F24F 7/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
F24F11/77
F24F11/86
F24F11/83
F24F7/007 B
F24F7/06 L
F24F7/08 A
F24F7/08 101J
(21)【出願番号】P 2023100634
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2024-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】登立 航
(72)【発明者】
【氏名】中野 晃宏
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002072(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/77
F24F 11/86
F24F 11/83
F24F 7/007
F24F 7/06
F24F 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外空気を室内空気と熱交換させる第1熱交換器(21)と、該第1熱交換器(21)を通過した室外空気を熱媒体と熱交換させる第2熱交換器(25)とを有し、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出する換気装置(10a,10b)と、
室内空気を熱媒体と熱交換させる第3熱交換器(225)を有し、複数の運転モードを実行可能な空気調和装置(200a,200c)と、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて上記換気装置(10a,10b)の動作を変更する制御器(100)とを備え、
上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の熱交換量を、上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて変更し、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を加熱する内気加熱モードを含み、
上記換気装置(10a,10b)は、上記第2熱交換器(25)において室外空気を加熱する外気加熱モードを実行可能であり、
上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)が上記外気加熱モードを実行中に上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気加熱モードを開始すると、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の加熱量を減少させ、又は上記第2熱交換器(25)における室外空気の加熱を停止させる
空気調和システム。
【請求項2】
室外空気を室内空気と熱交換させる第1熱交換器(21)と、該第1熱交換器(21)を通過した室外空気を熱媒体と熱交換させる第2熱交換器(25)とを有し、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出する換気装置(10a,10b)と、
室内空気を熱媒体と熱交換させる第3熱交換器(225)を有し、複数の運転モードを実行可能な空気調和装置(200a,200c)と、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて上記換気装置(10a,10b)の動作を変更する制御器(100)とを備え、
上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の熱交換量を、上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて変更し、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を冷却する内気冷却モードを含み、
上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止している状態で上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気冷却モードを開始すると、上記第2熱交換器(25)における室外空気の冷却を開始させる
空気調和システム。
【請求項3】
室外空気を室内空気と熱交換させる第1熱交換器(21)と、該第1熱交換器(21)を通過した室外空気を熱媒体と熱交換させる第2熱交換器(25)とを有し、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出する換気装置(10a,10b)と、
室内空気を熱媒体と熱交換させる第3熱交換器(225)を有し、複数の運転モードを実行可能な空気調和装置(200a,200c)と、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて上記換気装置(10a,10b)の動作を変更する制御器(100)とを備え、
上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を冷却する内気冷却モードを含み、
上記換気装置(10a,10b)は、上記第2熱交換器(25)において室外空気を冷却する外気冷却モードを実行可能であり、
上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気冷却モードを実行し、上記換気装置(10a,10b)が上記外気冷却モードを実行する状態において、上記第3熱交換器(225)の温度が上記第2熱交換器(25)の温度よりも高い
空気調和システム。
【請求項4】
上記空気調和装置(200a,200c)の上記第3熱交換器(225)の容積が、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の容積よりも大きい
請求項
1~3のいずれか一つに記載の空気調和システム。
【請求項5】
上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の作動中に上記空気調和装置(200a,200c)が停止しても、上記換気装置(10a,10b)を作動させ続ける
請求項
1~3のいずれか一つに記載の空気調和システム。
【請求項6】
上記制御器(100)は、上記空気調和装置(200a,200c)が停止した後に、上記空気調和装置(200a,200c)が起動する前に上記換気装置(10a,10b)が実行していた動作と同じ動作を、上記換気装置(10a,10b)に実行させる
請求項
5に記載の空気調和システム。
【請求項7】
上記換気装置(10a,10b)は、上記第1熱交換器(21)を通過して上記第2熱交換器(25)へ向かう室外空気の温度および湿度を計測するセンサ(105)を備え、
上記制御器(100)は、上記センサ(105)の計測値に基づいて、上記第2熱交換器(25)の熱交換量を変更する
請求項
1~3のいずれか一つに記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気調和装置と換気装置を備えた空気調和システムが知られている。この空気調和システムは、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1において、換気装置は、室内へ供給される室外空気と室外へ排出される室内空気とを熱交換させる熱交換器を備える。特許文献1には、空気調和装置が運転中か停止中かに応じて、換気装置の給気量を調節することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の空気調和システムにおいて、換気装置の制御において考慮されるのは、空気調和装置が運転中か停止中かである。そのため、従来の空気調和システムでは、空気調和システムの全体の運転を適切に制御できないおそれがあった。
【0005】
本開示の目的は、空気調和装置と換気装置を備えた空気調和システムを適切に制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、室外空気を室内空気と熱交換させる第1熱交換器(21)と、該第1熱交換器(21)を通過した室外空気を熱媒体と熱交換させる第2熱交換器(25)とを有し、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出する換気装置(10a,10b)と、室内空気を熱媒体と熱交換させる第3熱交換器(225)を有し、複数の運転モードを実行可能な空気調和装置(200a,200c)と、上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて上記換気装置(10a,10b)の動作を変更する制御器(100)とを備える空気調和システム(50)である。
【0007】
第1の態様において、換気装置(10a,10b)は、第1熱交換器(21)と第2熱交換器(25)を順に通過した室外空気を室内へ供給する。制御器(100)は、空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて、換気装置(10a,10b)の動作を変更する。そのため、換気装置(10a,10b)を、空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じた適切な状態で動作させることが可能となり、空気調和システム(50)を適切に制御することが可能となる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の熱交換量を、上記空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて変更するものである。
【0009】
第2の態様では、制御器(100)の動作によって、換気装置(10a,10b)が室内へ供給する室外空気の状態が、空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて変化する。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を加熱する内気加熱モードを含み、上記換気装置(10a,10b)は、上記第2熱交換器(25)において室外空気を加熱する外気加熱モードを実行可能であり、上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)が上記外気加熱モードを実行中に上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気加熱モードを開始すると、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の加熱量を減少させ、又は上記第2熱交換器(25)における室外空気の加熱を停止させるものである。
【0011】
第3の態様では、換気装置(10a,10b)が外気加熱モードを実行中に空気調和装置(200a,200c)が内気加熱モードを開始すると、制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)の室外空気に対する加熱量を変更する。そのため、制御器(100)が換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)の室外空気に対する加熱量を変更しない場合に比べて、室内空間の暖房負荷のうち、空気調和装置(200a,200c)の第3熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が高くなり、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が低くなる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第2の態様において、上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を冷却する内気冷却モードを含み、上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止している状態で上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気冷却モードを開始すると、上記第2熱交換器(25)における室外空気の冷却を開始させるものである。
【0013】
第4の態様では、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止している状態で空気調和装置(200a,200c)が内気冷却モードを開始すると、制御器(100)が、第2熱交換器(25)における室外空気の冷却を開始させる。そのため、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止したままの場合に比べて、室内空間(5)の冷房負荷のうち、空気調和装置(200a,200c)の第3熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が低くなり、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が高くなる。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1の態様において、上記空気調和装置(200a,200c)が実行可能な運転モードは、上記第3熱交換器(225)において室内空気を冷却する内気冷却モードを含み、上記換気装置(10a,10b)は、上記第2熱交換器(25)において室外空気を冷却する外気冷却モードを実行可能であり、上記空気調和装置(200a,200c)が上記内気冷却モードを実行し、上記換気装置(10a,10b)が上記外気冷却モードを実行する状態において、上記第3熱交換器(225)の温度が上記第2熱交換器(25)の温度よりも高いものである。
【0015】
第5の態様では、空気調和装置(200a,200c)が内気冷却モードを実行し、換気装置(10a,10b)が外気冷却モードを実行する状態において、室内空間の冷房負荷のうち、空気調和装置(200a,200c)の第3熱交換器(225)によって処理される負荷が比較的少なくなり、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)によって処理される負荷が比較的多くなる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第1~第5のいずれか一つの態様において、上記空気調和装置(200a,200c)の上記第3熱交換器(225)の容積が、上記換気装置(10a,10b)の上記第2熱交換器(25)の容積よりも大きいものである。
【0017】
一般的に、容積の大きな熱交換器ほど、熱交換能力が高い。そのため、第6の態様では、空気調和装置(200a,200c)の第3熱交換器(225)の熱交換能力が、換気装置(10a,10b)の第2熱交換器(25)の熱交換能力よりも大きい。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第1~第6のいずれか一つの態様において、上記制御器(100)は、上記換気装置(10a,10b)の作動中に上記空気調和装置(200a,200c)が停止しても、上記換気装置(10a,10b)を作動させ続けるものである。
【0019】
第7の態様において、制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の作動中に空気調和装置(200a,200c)が停止した後も、換気装置(10a,10b)を作動させ続ける。そのため、空気調和装置(200a,200c)の状態にかかわらず、室内空間の換気が継続的に行われる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第7の態様において、上記制御器(100)は、上記空気調和装置(200a,200c)が停止した後に、上記空気調和装置(200a,200c)が起動する前に上記換気装置(10a,10b)が実行していた動作と同じ動作を、上記換気装置(10a,10b)に実行させるものである。
【0021】
第8の態様において、制御器(100)は、空気調和装置(200a,200c)が停止すると、換気装置(10a,10b)が実行する動作を、空気調和装置(200a,200c)が起動する前に換気装置(10a,10b)が実行していた動作に戻す。
【0022】
本開示の第9の態様は、上記第1~第8のいずれか一つの態様において、上記換気装置(10a,10b)は、上記第1熱交換器(21)を通過して上記第2熱交換器(25)へ向かう室外空気の温度および湿度を計測するセンサ(105)を備え、上記制御器(100)は、上記センサ(105)の計測値に基づいて、上記第2熱交換器(25)の熱交換量を変更するものである。
【0023】
第9の態様では、第2熱交換器(25)の熱交換量が、第1熱交換器(21)を通過して第2熱交換器(25)へ向かう室外空気の温度および湿度に基づいて変更される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、空気調和システムが設置された住宅の概略の構成図である。
【
図2】
図2は、空気調和装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。
【
図3】
図3は、換気装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。
【
図4】
図4は、換気装置の換気ユニットの概略構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、換気装置の換気制御器と、空気調和装置の空調制御器との構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、換気装置の換気制御部が行う動作を示す図であり、(A)は第1自動選択動作を示し、(B)は第2自動選択動作を示す。
【
図7】
図7は、空気調和装置の暖房モードの開始と終了に伴う換気装置の動作の変化を示すタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、空気調和装置の冷房モード又は除湿モードの開始と終了に伴う換気装置の動作の変化を示すタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、典型的なフィンアンドチューブ式の空気熱交換器の概略斜視図である。
【
図10】
図10は、典型的なフィンアンドチューブ式の空気熱交換器の概略側面図である。
【
図11】
図11は、実施形態の変形例(1)における、空気調和装置の暖房モードの開始と終了に伴う換気装置の動作の変化を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態の空気調和システム(50)について説明する。
【0026】
-空気調和システムと住宅-
図1に示すように、本実施形態の空気調和システム(50)は、住宅(1)に設置される。空気調和システム(50)は、四台の空気調和装置(200a~200d)と、二台の換気装置(10a,10b)とを備える。なお、空気調和装置(200a~200d)の台数と、換気装置(10a,10b)の台数とは、単なる一例である。
【0027】
空気調和システム(50)が設置される住宅(1)では、一階と二階のそれぞれに、居間や個室などの居室(2a~2d)と、廊下やトイレなどの非居室(3a,3b)とが形成される。これらの居室(2a~2d)と非居室(3a,3b)が、室内空間(5)を構成する。また、住宅では、一階と二階のそれぞれにおいて、天井パネル(7)の上方に天井裏空間(8)が形成される。
【0028】
-空気調和装置の構成-
図2に示すように、各空気調和装置(200a~200d)は、室外機(211a~211d)と室内機(212a~212d)とを一台ずつ備える。第1空気調和装置(200a)は、第1室外機(211a)と第1室内機(212a)とを備える。第2空気調和装置(200b)は、第2室外機(211b)と第2室内機(212b)とを備える。第3空気調和装置(200c)は、第3室外機(211c)と第3室内機(212c)とを備える。第4空気調和装置(200d)は、第4室外機(211d)と第4室内機(212d)とを備える。
【0029】
図1に示すように、各空気調和装置(200a~200d)の室内機(212a~212d)は、それぞれが互いに異なる居室(2a~2d)に設置される。具体的に、第1室内機(212a)は第1居室(2a)に、第2室内機(212b)は第2居室(2b)に、第3室内機(212c)は第3居室(2c)に、第4室内機(212d)は第4居室(2d)に、それぞれ設置される。本実施形態の各室内機(212a~212d)は、壁掛け型の室内機である。
【0030】
各空気調和装置(200a~200d)の室外機(211a~211d)は、室外空間(6)に設置される。
図1では、室外機(211a~211d)の図示を省略する。
【0031】
〈室外機〉
図2に示すように、各室外機(211a~211d)は、圧縮機(221)と、切換機構(222)と、室外熱交換器(223)と、膨張弁(224)とを備える。また、各室外機(211a~211d)は、室外ファン(215)と、空調制御器(250)とを備える。
【0032】
室外熱交換器(223)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。室外熱交換器(223)は、熱媒体である冷媒を室外空気と熱交換させる。切換機構(222)は、四つのポートを備えた四方切換弁である。切換機構(222)は、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する第1状態(
図2に実線で示す状態)と、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポートが第3ポートと連通する第2状態(
図2に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0033】
〈室内機〉
各室内機(212a~212d)は、室内熱交換器(225)と、室内ファン(216)とを備える。また、各室内機(212a~212d)は、室内温度センサ(255)と、熱交換器温度センサ(256)とを備える。
【0034】
室内熱交換器(225)は、熱媒体である冷媒を室内空気と熱交換させる第3熱交換器である。室内熱交換器(225)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。室内温度センサ(255)は、室内熱交換器(225)を通過する前の室内空気の温度を計測する。熱交換器温度センサ(256)は、室内熱交換器(225)を構成する伝熱管に取り付けられ、室内熱交換器(225)における冷媒の蒸発温度および凝縮温度を計測する。
【0035】
〈冷媒回路〉
各空気調和装置(200a~200d)では、室外機(211a~211d)と室内機(212a~212d)が液側連絡管(226)及びガス側連絡管(227)によって接続される。各空気調和装置(200a~200d)では、室外機(211a~211d)と、室内機(212a~212d)と、液側連絡管(226)と、ガス側連絡管(227)とによって冷媒回路(220)が形成される。
【0036】
冷媒回路(220)では、圧縮機(221)の吐出管が切換機構(222)の第1ポートに接続され、圧縮機(221)の吸入管が切換機構(222)の第2ポートに接続される。切換機構(222)の第3ポートは、室外熱交換器(223)のガス側端に接続される。切換機構(222)の第4ポートは、ガス側連絡管(227)を介して室内熱交換器(225)のガス側端に接続される。室外熱交換器(223)の液側端は、膨張弁(224)の一端に接続される。膨張弁(224)の他端は、液側連絡管(226)を介して室内熱交換器(225)の液側端に接続される。
【0037】
〈空調制御器〉
各空気調和装置(200a~200d)は、空調制御器(250)を備える。各空気調和装置(200a~200d)において、空調制御器(250)は、室外機(211a~211d)に収容される。
【0038】
図5に示すように、空調制御器(250)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータ(250a)と、マイクロコンピュータ(250a)を動作させるためのソフトウエアを格納するメモリーデバイス(250b)とを備える。メモリーデバイス(250b)は、半導体メモリである。空調制御器(250)には、室内温度センサ(255)の計測値と、熱交換器温度センサ(256)の計測値とが入力される。
【0039】
空調制御器(250)は、空気調和装置(200a~200d)の構成機器を制御する。例えば、空調制御器(250)は、室内温度センサ(255)の計測値が設定温度に保たれるように、圧縮機(221)の運転周波数を制御する。また、空調制御器(250)は、ユーザーが指定した運転モードに応じて、切換機構(222)を操作する。
【0040】
-空気調和装置の運転動作-
各空気調和装置(200a~200d)は、複数の運転モードを実行可能である。具体的に、各空気調和装置(200a~200d)は、冷房モードと、除湿モードと、暖房モードと、送風モードとを実行可能である。
【0041】
〈冷房モード、除湿モード〉
冷房モードと除湿モードは、室内熱交換器(225)において室内空気を冷却する内気冷却モードである。
【0042】
冷房モードと除湿モードのそれぞれでは、切換機構(222)が第1状態になり、圧縮機(221)が作動し、冷媒回路(220)を冷媒が循環する。また、室外ファン(215)及び室内ファン(216)が作動する。冷媒回路(220)では、冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(223)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(225)が蒸発器として機能する。
【0043】
蒸発器として機能する室内熱交換器(225)では、室内空気が冷却され、室内空気の温度が低下する。また、室内熱交換器(225)では、室内空気に含まれる水分が凝縮し、室内空気の絶対湿度が低下する。各室内機(212a~212d)は、室内熱交換器(225)において冷却された室内空気を、対応する居室(2a~2d)に吹き出す。
【0044】
〈暖房モード〉
暖房モードは、室内熱交換器(225)において室内空気を加熱する内気加熱モードである。
【0045】
暖房モードでは、切換機構(222)が第2状態になり、圧縮機(221)が作動し、冷媒回路(220)を冷媒が循環する。また、室外ファン(215)及び室内ファン(216)が作動する。冷媒回路(220)では、冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器(225)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(223)が蒸発器として機能する。
【0046】
凝縮器として機能する室内熱交換器(225)では、室内空気が加熱され、室内空気の温度が上昇する。各室内機(212a~212d)は、室内熱交換器(225)において加熱された室内空気を、対応する居室(2a~2d)に吹き出す。
【0047】
〈送風モード〉
送風モードは、室内機(212a~212d)が居室(2a~2d)への送風だけを行う運転モードである。
【0048】
送風モードでは、圧縮機(221)及び室外ファン(215)が停止し、室内ファン(216)が作動する。送風モードでは、室内熱交換器(225)における室内空気の冷却および加熱が停止する。室内機(212a~212d)は、吸い込んだ室内空気を、そのまま居室(2a~2d)へ送り返す。
【0049】
-換気装置の構成-
図3に示すように、各換気装置(10a,10b)は、換気ユニット(11a,11b)と熱源ユニット(80a,80b)とを一台ずつ備える。第1換気装置(10a)は、第1換気ユニット(11a)と第1熱源ユニット(80a)とを備える。第2換気装置(10b)は、第2換気ユニット(11b)と第2熱源ユニット(80b)とを備える。
【0050】
図1に示すように、第1換気ユニット(11a)は、住宅(1)の一階の天井裏空間(8)に設置され、第2換気ユニット(11b)は、住宅(1)の二階の天井裏空間(8)に設置される。
図1では、熱源ユニット(80a,80b)の図示を省略する。
【0051】
各換気ユニット(11a,11b)には、外気ダクト(D1)と、排気ダクト(D2)と、給気ダクト(D3)とが接続される。外気ダクト(D1)は、流入端が室外空間(6)に開口し、流出端が対応する換気ユニット(11a,11b)に接続する。排気ダクト(D2)は、流入端が対応する換気ユニット(11a,11b)に接続し、流出端が室外空間(6)に開口する。給気ダクト(D3)は、流入端が対応する換気ユニット(11a,11b)に接続する。
【0052】
住宅(1)の天井パネル(7)には、四台の給気ユニット(30a~30d)が設けられる。なお、ここに示す給気ユニット(30a~30d)の台数は、単なる一例である。
【0053】
第1給気ユニット(30a)及び第2給気ユニット(30b)は、給気ダクト(D3)を介して第1換気ユニット(11a)に接続される。第1給気ユニット(30a)は、第1換気ユニット(11a)から供給された空気を第1居室(2a)へ吹き出す。第2給気ユニット(30b)は、第1換気ユニット(11a)から供給された空気を第2居室(2b)へ吹き出す。
【0054】
第3給気ユニット(30c)及び第4給気ユニット(30d)は、給気ダクト(D3)を介して第2換気ユニット(11b)に接続される。第3給気ユニット(30c)は、第2換気ユニット(11b)から供給された空気を第3居室(2c)へ吹き出す。第4給気ユニット(30d)は、第2換気ユニット(11b)から供給された空気を第4居室(2d)へ吹き出す。
【0055】
〈熱源ユニット〉
図3に示すように、各熱源ユニット(80a,80b)は、圧縮機(82)と、切換機構(84)と、熱源側熱交換器(83)と、膨張弁(85)とを備える。また、各熱源ユニット(80a,80b)は、熱源側ファン(81)と、換気制御器(100)とを備える。
【0056】
熱源側熱交換器(83)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。熱源側熱交換器(83)は、熱媒体である冷媒を室外空気と熱交換させる。切換機構(84)は、四つのポートを備えた四方切換弁である。切換機構(84)は、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する第1状態(
図3に実線で示す状態)と、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポートが第3ポートと連通する第2状態(
図3に破線で示す状態)とに切り換わる。
【0057】
〈換気ユニット〉
各換気ユニット(11a,11b)は、全熱交換器(21)と利用側熱交換器(25)とを備え、室内空間(5)の換気を行う。また、各換気ユニット(11a,11b)は、温湿度センサ(105)と、熱交換器温度センサ(106)とを備える。各換気ユニット(11a,11b)の詳細な構造は、後述する。
【0058】
〈冷媒回路〉
各換気装置(10a,10b)では、熱源ユニット(80a,80b)と換気ユニット(11a,11b)が液側連絡管(87)及びガス側連絡管(86)によって接続される。各換気装置(10a,10b)では、熱源ユニット(80a,80b)と、換気ユニット(11a,11b)と、液側連絡管(87)と、ガス側連絡管(86)とによって冷媒回路(R)が形成される。
【0059】
冷媒回路(R)では、圧縮機(82)の吐出管が切換機構(84)の第1ポートに接続され、圧縮機(82)の吸入管が切換機構(84)の第2ポートに接続される。切換機構(84)の第3ポートは、熱源側熱交換器(83)のガス側端に接続される。切換機構(84)の第4ポートは、ガス側連絡管(86)を介して利用側熱交換器(25)のガス側端に接続される。熱源側熱交換器(83)の液側端は、膨張弁(85)の一端に接続される。膨張弁(85)の他端は、液側連絡管(87)を介して利用側熱交換器(25)の液側端に接続される。
【0060】
〈換気制御器〉
各換気装置(10a,10b)は、換気制御器(100)を備える。各換気装置(10a,10b)において、換気制御器(100)は、熱源ユニット(80a,80b)に収容される。なお、換気制御器(100)は、換気ユニット(11a,11b)に収容されていてもよい。
【0061】
図5に示すように、換気制御器(100)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータ(100a)と、マイクロコンピュータ(100a)を動作させるためのソフトウエアを格納するメモリーデバイス(100b)とを備える。メモリーデバイス(100b)は、半導体メモリである。換気制御器(100)には、温湿度センサ(105)の計測値と、熱交換器温度センサ(106)の計測値とが入力される。
【0062】
換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の構成機器を制御する。例えば、換気制御器(100)は、温湿度センサ(105)の計測値に基づいて、圧縮機(82)の運転を制御する。また、換気制御器(100)は、第1自動制御動作と、第2自動制御動作とを実行可能である。換気制御器(100)の詳細な動作は、後述する。
【0063】
各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、対応する空気調和装置(200a~200d)の空調制御器(250)と通信可能である。各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、対応する空気調和装置(200a~200d)の空調制御器(250)から、対応する空気調和装置(200a~200d)の運転状態に関する運転情報を受信する。換気制御器(100)は、受信した運転情報に基づいて換気装置(10a,10b)の動作を変更する制御器である。
【0064】
-換気ユニットの構成-
図4に示すように、各換気ユニット(11a,11b)は、ケーシング(12)を有する。各換気ユニット(11a,11b)のケーシング(12)には、給気路(13)と排気路(14)が形成される。また、各換気ユニット(11a,11b)のケーシング(12)には、給気ファン(22)、排気ファン(23)、全熱交換器(21)、および利用側熱交換器(25)が収容される。
【0065】
〈ケーシング〉
図3に示すように、ケーシング(12)は、直方体状に形成される。ケーシング(12)は、上板(12a)と下板(12b)と4つの側板とを有する。4つの側板は、互いに対向する第1側板(12c)と第2側板(12d)を含む。
【0066】
上板(12a)は、ケーシング(12)の上面を構成する。下板(12b)は、ケーシング(12)の下面を構成する。第1側板(12c)は、ケーシング(12)の長手方向の一端側の側面を構成する。第2側板(12d)は、ケーシング(12)の長手方向の他端側の側面を構成する。
【0067】
第1側板(12c)には、第1ダクト接続部(C1)と第2ダクト接続部(C2)が設けられる。第1ダクト接続部(C1)および第2ダクト接続部(C2)は筒状に形成される。第1ダクト接続部(C1)および第2ダクト接続部(C2)は、第1側板(12c)の外面から側方に突出する。第1ダクト接続部(C1)には、外気ダクト(D1)の流出端が接続される。第2ダクト接続部(C2)には、排気ダクト(D2)の流入端が接続される。
【0068】
第2側板(12d)には、第3ダクト接続部(C3)が設けられる。第3ダクト接続部(C3)は筒状に形成される。第3ダクト接続部(C3)は、第2側板(12d)の外面から側方に突出する。第3ダクト接続部(C3)には,給気ダクト(D3)の流入端が接続される。
【0069】
ケーシング(12)の下板(12b)には、室内パネル(15)が設けられる。
図1に示すように、室内パネル(15)は、天井パネル(7)を貫通する換気用開口(7a)の内部に設けられる。室内パネル(15)は室内空間(5)に面する。室内パネル(15)には、吸込口(15a)が形成される。第1換気ユニット(11a)のケーシング(12)に形成された吸込口(15a)は、排気路(14)の流入端を一階の非居室(3a)に連通させる。第2換気ユニット(11b)のケーシング(12)に形成された吸込口(15a)は、排気路(14)の流入端を二階の非居室(3b)に連通させる。
【0070】
〈仕切板〉
図4に示すように、ケーシング(12)の内部には、第1仕切板(16)と第2仕切板(17)とが設けられる。第1仕切板(16)は、第1側板(12c)、上板(12a)、下板(12b)、および全熱交換器(21)の間の空間を、第1流路(P1)と第2流路(P2)とに仕切る。第1流路(P1)は、第1ダクト接続部(C1)と連通する。第1流路(P1)は、給気路(13)のうち全熱交換器(21)の上流側の流路を構成する。第2流路(P2)は、第2ダクト接続部(C2)と連通する。第2流路(P2)は、排気路(14)のうち全熱交換器(21)の下流側の流路を構成する。
【0071】
第2仕切板(17)は、第2側板(12d)、上板(12a)、下板(12b)、および全熱交換器(21)の間の空間を、第3流路(P3)と第4流路(P4)とに仕切る。第3流路(P3)は、第3ダクト接続部(C3)と連通する。第3流路(P3)は、給気路(13)のうち全熱交換器(21)の下流側の流路を構成する。第4流路(P4)は、室内パネル(15)の吸込口(15a)と繋がる。第4流路(P4)は、排気路(14)のうち全熱交換器(21)の上流側の流路を構成する。
【0072】
〈全熱交換器〉
全熱交換器(21)は、室内へ供給される室外空気を、室外へ排出される室内空気と熱交換させる第1熱交換器である。
【0073】
全熱交換器(21)は、直交流型の熱交換器である。全熱交換器(21)は、給気路(13)を流れる空気と排気路(14)を流れる空気とを熱交換させる。全熱交換器(21)の内部には、給気側内部流路(21a)と、排気側内部流路(21b)とが形成される。給気側内部流路(21a)と排気側内部流路(21b)とは、互いに直交する方向に延びる。
【0074】
給気側内部流路(21a)の流入部は、第1流路(P1)に繋がる。給気側内部流路(21a)の流出部は、第3流路(P3)に繋がる。排気側内部流路(21b)の流入部は、第4流路(P4)に繋がる。排気側内部流路(21b)の流出部は、第2流路(P2)に繋がる。
【0075】
全熱交換器(21)は、給気側内部流路(21a)の空気と、排気側内部流路(21b)の空気との間で熱を移動させる。全熱交換器(21)は、給気側内部流路(21a)の空気と、排気側内部流路(21b)の空気との間で水分を移動させる。このように、全熱交換器(21)は、給気側内部流路(21a)の空気と、排気側内部流路(21b)の空気との間で、顕熱と潜熱の両方を交換させる。
【0076】
〈給気ファンおよび排気ファン〉
給気ファン(22)は、第2流路(P2)に配置される。排気ファン(23)は、第3流路(P3)に配置される。給気ファン(22)は、給気路(13)の空気を搬送する。排気ファン(23)は、排気路(14)の空気を搬送する。給気ファン(22)および排気ファン(23)は、シロッコ型である。給気ファン(22)および排気ファン(23)は、ターボ型やプロペラ型であってもよい。
【0077】
〈フィルタ〉
換気ユニット(11a,11b)は、フィルタ(24)を有する。フィルタ(24)は、第1流路(P1)に配置される。言い換えると、フィルタ(24)は、給気路(13)における全熱交換器(21)の上流側に配置される。フィルタ(24)は、室外空気(OA)中の塵埃を捕集する。
【0078】
〈利用熱交換器〉
利用側熱交換器(25)は、全熱交換器(21)を通過した室外空気を、熱媒体である冷媒と熱交換させる第2熱交換器である。利用側熱交換器(25)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。
【0079】
利用側熱交換器(25)は、第3流路(P3)に配置される。利用側熱交換器(25)は、給気路(13)における全熱交換器(21)の下流側に配置される。利用側熱交換器(25)は、第3流路(P3)において、給気側内部流路(21a)と給気ファン(22)との間に配置される。
【0080】
〈センサ〉
上述したように、各換気ユニット(11a,11b)には、温湿度センサ(105)と、熱交換器温度センサ(106)とが設けられる。
【0081】
図4に示すように、温湿度センサ(105)は、第3流路(P3)における全熱交換器(21)と利用側熱交換器(25)の間に設けられる。温湿度センサ(105)は、全熱交換器(21)を通過して利用側熱交換器(25)へ向かう空気(室外空気)の温度と相対湿度とを計測する。なお、各換気ユニット(11a,11b)には、温湿度センサ(105)に代えて、空気の温度だけを計測する温度センサと、空気の相対湿度だけを計測する湿度センサとが設けられていてもよい。
【0082】
熱交換器温度センサ(106)は、利用側熱交換器(25)を構成する伝熱管に取り付けられ、利用側熱交換器(25)における冷媒の蒸発温度および凝縮温度を計測する。
【0083】
-換気装置の運転動作-
各換気装置(10a,10b)は、複数の運転モードを実行可能である。具体的に、各換気装置(10a,10b)は、冷却換気モードと、加熱換気モードと、単純換気モードとを実行可能である。
【0084】
〈冷却換気モード〉
冷却換気モードは、利用側熱交換器(25)において室外空気を冷却する外気冷却モードである。
【0085】
冷却換気モードでは、切換機構(84)が第1状態になり、圧縮機(82)が作動し、冷媒回路(R)を冷媒が循環する。冷却換気モードにおいて、圧縮機(82)は、一定の回転速度で作動する。冷媒回路(R)では、冷凍サイクルが行われ、熱源側熱交換器(83)が凝縮器として機能し、利用側熱交換器(25)が蒸発器として機能する。また、冷却換気モードでは、給気ファン(22)及び排気ファン(23)が作動する。
【0086】
換気ユニット(11a,11b)では、室外空気が外気ダクト(D1)を通って第1流路(P1)へ流入し、室内空気が吸込口(15a)を通って第4流路(P4)へ流入する。
【0087】
全熱交換器(21)では、第1流路(P1)から流入した室外空気が、第4流路(P4)から流入した室内空気と熱交換する。夏期に室内空間(5)の空気調和が行われている場合、通常、室内空気の温度と湿度は、それぞれ室外空気の温度と湿度よりも低い。そのため、全熱交換器(21)では、室外空気から室内空気へ熱と水分(顕熱と潜熱)の両方が移動する。
【0088】
全熱交換器(21)を通過した室外空気は、利用側熱交換器(25)へ送られる。一方、全熱交換器(21)を通過した室内空気は、第2流路(P2)を通って排気ダクト(D2)へ排出される。
【0089】
蒸発器として機能する利用側熱交換器(25)では、全熱交換器(21)を通過した室外空気が冷却され、室外空気の温度が低下する。また、利用側熱交換器(25)では、室外空気に含まれる水分が凝縮し、室外空気の絶対湿度が低下する。換気ユニット(11a,11b)は、利用側熱交換器(25)において冷却された室外空気を、給気ダクト(D3)を介して居室(2a~2d)へ供給する。
【0090】
〈加熱換気モード〉
加熱換気モードは、利用側熱交換器(25)において室外空気を加熱する外気加熱モードである。
【0091】
加熱換気モードでは、切換機構(84)が第2状態になり、圧縮機(82)が作動し、冷媒回路(R)を冷媒が循環する。加熱換気モードにおいて、圧縮機(82)は、一定の回転速度で作動する。冷媒回路(R)では、冷凍サイクルが行われ、利用側熱交換器(25)が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器(83)が蒸発器として機能する。また、加熱換気モードでは、給気ファン(22)及び排気ファン(23)が作動する。
【0092】
換気ユニット(11a,11b)では、室外空気が外気ダクト(D1)を通って第1流路(P1)へ流入し、室内空気が吸込口(15a)を通って第4流路(P4)へ流入する。
【0093】
全熱交換器(21)では、第1流路(P1)から流入した室外空気が、第4流路(P4)から流入した室内空気と熱交換する。冬期に室内空間(5)の空気調和が行われている場合、通常、室内空気の温度と湿度は、それぞれ室外空気の温度と湿度よりも高い。そのため、全熱交換器(21)では、室内空気から室外空気へ熱と水分(顕熱と潜熱)の両方が移動する。
【0094】
全熱交換器(21)を通過した室外空気は、利用側熱交換器(25)へ送られる。一方、全熱交換器(21)を通過した室内空気は、第2流路(P2)を通って排気ダクト(D2)へ排出される。
【0095】
凝縮器として機能する利用側熱交換器(25)では、全熱交換器(21)を通過した室外空気が加熱され、室外空気の温度が上昇する。換気ユニット(11a,11b)は、利用側熱交換器(25)において加熱された室外空気を、給気ダクト(D3)を介して居室(2a~2d)へ供給する。
【0096】
〈単純換気モード〉
単純換気モードは、利用側熱交換器(25)における室外空気の冷却および加熱を停止した状態で換気を行うモードである。
【0097】
単純換気モードでは、圧縮機(82)が停止し、給気ファン(22)及び排気ファン(23)が作動する。冷媒回路(R)において、冷凍サイクルは行われない。
【0098】
換気ユニット(11a,11b)では、室外空気が外気ダクト(D1)を通って第1流路(P1)へ流入し、室内空気が吸込口(15a)を通って第4流路(P4)へ流入する。全熱交換器(21)では、第1流路(P1)から流入した室外空気が、第4流路(P4)から流入した室内空気と熱交換する。全熱交換器(21)を通過した室外空気は、利用側熱交換器(25)を通過後に、給気ダクト(D3)を通って居室(2a~2d)へ供給される。一方、全熱交換器(21)を通過した室内空気は、第2流路(P2)を通って排気ダクト(D2)へ排出される。
【0099】
-換気制御器の動作-
上述したように、換気制御器(100)は、第1自動選択動作と、第2自動選択動作とを実行可能である。第1自動選択動作と第2自動選択動作のそれぞれは、換気装置(10a,10b)が実行する運転モードを、温湿度センサ(105)の計測値に基づいて自動的に選択する制御動作である。
【0100】
換気制御器(100)は、第1自動選択動作と第2自動選択動作のうちユーザーによって指定された方を実行する。また、後述するように、換気制御器(100)は、対応する空気調和装置(200a,200c)の空調制御器(250)から受信した運転情報に基づいて、第1自動選択動作と第2自動選択動作を切り換える。
【0101】
〈第1自動選択動作〉
換気制御器(100)の第1自動選択動作について、
図6(A)を参照しながら説明する。
【0102】
換気制御器(100)は、温湿度センサ(105)の計測値である温度Tと相対湿度Hとを取得する。温度Tと相対湿度Hは、それぞれ全熱交換器(21)を通過して利用側熱交換器(25)に向かう室外空気の温度と相対湿度である。換気制御器(100)は、取得した温度Tと相対湿度Hとに基づいて絶対湿度Xを算出する。
【0103】
第1自動選択動作において、換気制御器(100)は、温度Tを第1上側基準温度T_U1及び第1下側基準温度T_L1と比較し、絶対湿度Xを第1基準絶対湿度X1と比較する。
【0104】
本実施形態において、第1上側基準温度T_U1は26℃であり、第1下側基準温度T_L1は18℃である。また、第1基準絶対湿度X1は、温度が第1上側基準温度T_U1であり、相対湿度が第1基準相対湿度H1である湿り空気の絶対湿度である。第1基準相対湿度H1は55%である。なお、これらの具体的な数値は、いずれも単なる一例である。
【0105】
温度Tが第1上側基準温度T_U1よりも高い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に冷却換気モードを実行させる。温度Tが第1下側基準温度T_L1以上で第1上側基準温度T_U1以下であり且つ絶対湿度Xが第1基準絶対湿度X1よりも高い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に冷却換気モードを実行させる。温度Tが第1下側基準温度T_L1以上で第1上側基準温度T_U1以下であり且つ絶対湿度Xが第1基準絶対湿度X1以下である場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に単純換気モードを実行させる。温度Tが第1下側基準温度T_L1よりも低い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に加熱換気モードを実行させる。
【0106】
〈第2自動選択動作〉
換気制御器(100)の第2自動選択動作について、
図6(B)を参照しながら説明する。
【0107】
第2自動選択動作において、換気制御器(100)は、第1自動選択動作と同様に、温湿度センサ(105)の計測値である温度Tと相対湿度Hとを取得し、取得した温度Tと相対湿度Hとに基づいて絶対湿度Xを算出する。
【0108】
第2自動選択動作において、換気制御器(100)は、温度Tを第2上側基準温度T_U2及び第2下側基準温度T_L2と比較し、絶対湿度Xを第2基準絶対湿度X2と比較する。
【0109】
本実施形態において、第2上側基準温度T_U2は30℃であり、第2下側基準温度T_L2は10℃である。また、第2基準絶対湿度X2は、温度が第2上側基準温度T_U2であり、相対湿度が第2基準相対湿度H2である湿り空気の絶対湿度である。第2基準相対湿度H2は65%である。なお、これらの具体的な数値は、いずれも単なる一例である。ただし、第2上側基準温度T_U2は第1上側基準温度T_U1よりも高く、第2下側基準温度T_L2は第1下側基準温度T_L1よりも低く、第2基準相対湿度H2は第1基準相対湿度H1よりも高い。
【0110】
温度Tが第2上側基準温度T_U2よりも高い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に冷却換気モードを実行させる。温度Tが第2下側基準温度T_L2以上で第2上側基準温度T_U2以下であり且つ絶対湿度Xが第2基準絶対湿度X2よりも高い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に冷却換気モードを実行させる。温度Tが第2下側基準温度T_L2以上で第2上側基準温度T_U2以下であり且つ絶対湿度Xが第2基準絶対湿度X2以下である場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に単純換気モードを実行させる。温度Tが第2下側基準温度T_L2よりも低い場合、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)に加熱換気モードを実行させる。
【0111】
上述したように、第2上側基準温度T_U2は第1上側基準温度T_U1よりも高く、第2下側基準温度T_L2は第1下側基準温度T_L1よりも低く、第2基準相対湿度H2は第1基準相対湿度H1よりも高い。言い換えると、第2自動選択動作は、第1自動選択動作と比べて、換気制御器(100)が換気装置(10a,10b)に単純換気モードを実行させる温度および湿度の範囲が広い。そのため、室外空間(6)の気温の経時的な変化が同じである場合で比較すると、第2自動選択動作の実行中は、第1自動選択動作の実行中に比べて、換気装置(10a,10b)が単純換気モードを実行する時間(つまり、圧縮機(82)が停止している時間)が長くなる。従って、第2自動選択動作は、第1自動選択動作に比べて、換気装置(10a,10b)の消費エネルギを削減できる制御動作である。
【0112】
-換気装置と空気調和装置の連携-
本実施形態の空気調和システム(50)において、各換気装置(10a,10b)は、一台の空気調和装置(200a~200d)と対応づけられる。各換気装置(10a,10b)は、対応する一台の空気調和装置(200a~200d)と連携する。
【0113】
〈第1換気装置と空気調和装置の連携〉
住宅(1)の一階に設置された第1換気装置(10a)は、一階の居室(2a,2b)を空気調和する第1空気調和装置(200a)と第2空気調和装置(200b)の一方と対応づけられる。本実施形態の空気調和システム(50)において、第1換気装置(10a)は、第1空気調和装置(200a)と対応づけられ、第1空気調和装置(200a)と連携する。
【0114】
本実施形態の空気調和システム(50)において、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)と通信可能である(
図5を参照)。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)が出力した運転情報を受信する
第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)が出力する運転情報は、第1空気調和装置(200a)が冷房モードと除湿モードと暖房モードのそれぞれを開始したことを示す情報と、第1空気調和装置(200a)が冷房モードと除湿モードと暖房モードのそれぞれを終了したことを示す情報とを含む。
【0115】
第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、 第2自動選択動作を実行する。また、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が冷房モードを開始したことを示す情報”又は“第1空気調和装置(200a)が除湿モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、 第1自動選択動作を実行する。
【0116】
〈第2換気装置と空気調和装置の連携〉
住宅(1)の二階に設置された第2換気装置(10b)は、二階の居室(2c,2d)を空気調和する第3空気調和装置(200c)と第4空気調和装置(200d)の一方と対応づけられる。本実施形態の空気調和システム(50)において、第2換気装置(10b)は、第3空気調和装置(200c)と対応づけられ、第3空気調和装置(200c)と連携する。
【0117】
本実施形態の空気調和システム(50)において、第2換気装置(10b)の換気制御器(100)は、第3空気調和装置(200c)の空調制御器(250)と通信可能である(
図5を参照)。第2換気装置(10b)の換気制御器(100)は、第3空気調和装置(200c)の空調制御器(250)が出力した運転情報を受信する。
【0118】
第3空気調和装置(200c)の空調制御器(250)が出力する運転情報は、第3空気調和装置(200c)が冷房モードと除湿モードと暖房モードのそれぞれを開始したことを示す情報と、第3空気調和装置(200c)が冷房モードと除湿モードと暖房モードのそれぞれを終了したことを示す情報とを含む。
【0119】
第2換気装置(10b)の換気制御器(100)は、“第3空気調和装置(200c)が暖房モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、 第2自動選択動作を実行する。また、第2換気装置(10b)の換気制御器(100)は、“第3空気調和装置(200c)が冷房モードを開始したことを示す情報”又は“第3空気調和装置(200c)が除湿モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、 第1自動選択動作を実行する。
【0120】
〈空気調和装置の暖房モードに関する連携〉
空気調和装置(200a,200c)の暖房モードに関する換気装置(10a,10b)と空気調和装置(200a,200c)の連携について、詳細に説明する。ここでは、第1換気装置(10a)と第1空気調和装置(200a)の連携について説明するが、第2換気装置(10b)と第3空気調和装置(200c)の連携も同様である。
【0121】
第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が起動して暖房モードを開始した場合と、第1空気調和装置(200a)の実行する運転モードが暖房モード以外(例えば、送風モード)から暖房モードに切り換わった場合に、“第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始したことを示す情報”を運転情報として出力する。
【0122】
第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、第2自動選択動作を行う。この運転情報を受信した時点で換気制御器(100)が第2自動選択動作以外の動作を実行している場合、換気制御器(100)は、実行する動作を第2自動選択動作に切り換える。一方、この運転情報を受信した時点で換気制御器(100)が第2自動選択動作を実行している場合、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を継続して実行する。
【0123】
第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が暖房モードを終了したことを示す情報”を運転情報として受信すると、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始する直前に行っていた動作と同じ動作を行う。第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始する直前に行っていた動作が第2自動選択動作と異なる場合、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を終了し、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始する直前に行っていた動作を開始する。一方、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始する直前も第2自動選択動作を行っていた場合、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を継続して実行する。
【0124】
空気調和装置(200a,200c)の暖房モードに関する換気装置(10a,10b)と空気調和装置(200a,200c)の連携の具体例について、
図7を参照しながら説明する。
【0125】
図7に示す例において、時刻t1以前は、第1空気調和装置(200a)が停止し、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)が第1自動選択動作を実行している。この例において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第1下側基準温度T_L1よりも低い。そのため、第1自動選択動作を実行する換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)に加熱換気モードを実行させている。
【0126】
時刻t1において、住宅(1)の居住者が第1空気調和装置(200a)を起動させて暖房モードの開始を指示すると、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始する。第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを開始したことを示す運転情報を出力する。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、この運転情報を受信すると、第1自動選択動作を終了し、第2自動選択動作を開始する。
【0127】
図7に示す例の時刻t1において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第2下側基準温度T_L2よりも高い。そのため、第2自動選択動作を開始した換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、加熱換気モードから単純換気モードに変更する。このように、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を開始したことに伴って、第1換気装置(10a)の動作を変更する。
【0128】
時刻t2において、住宅(1)の居住者が第1空気調和装置(200a)を停止させると、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを終了する。第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを終了したことを示す運転情報を出力する。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、この運転情報を受信すると、第2自動選択動作を終了し、第1自動選択動作を開始する。
【0129】
図7に示す例の時刻t2において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第1下側基準温度T_L1よりも低い。そのため、第1自動選択動作を開始した換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、単純換気モードから加熱換気モードに変更する。このように、換気制御器(100)は、第1空気調和装置(200a)が暖房モードを終了したことを示す運転情報を受信すると、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、時刻t1以前に第1換気装置(10a)が実行していた加熱換気モードに戻す。
【0130】
〈空気調和装置の冷房モード及び除湿モードに関する連携〉
空気調和装置(200a,200c)の冷房モード及び除湿モードに関する換気装置(10a,10b)と空気調和装置(200a,200c)の連携について、詳細に説明する。ここでは、第1換気装置(10a)と第1空気調和装置(200a)の連携について説明するが、第2換気装置(10b)と第3空気調和装置(200c)の連携も同様である。
【0131】
第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が起動して冷房モード又は除湿モードを開始した場合と、第1空気調和装置(200a)の実行する運転モードが冷房モード及び除湿モード以外(例えば、送風モード)から冷房モード又は除湿モードに切り換わった場合に、“第1空気調和装置(200a)が冷房モードを開始したことを示す情報”又は“第1空気調和装置(200a)が除湿モードを開始したことを示す情報”を運転情報として出力する。
【0132】
第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が冷房モードを開始したことを示す情報”又は“第1空気調和装置(200a)が除湿モードを開始したことを示す情報”を運転情報として受信すると、第2自動選択動作を行う。これらの運転情報を受信した時点で換気制御器(100)が第1自動選択動作以外の動作を実行している場合、換気制御器(100)は、実行する動作を第1自動選択動作に切り換える。一方、これらの運転情報を受信した時点で換気制御器(100)が第1自動選択動作を実行している場合、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を継続して実行する。
【0133】
第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、“第1空気調和装置(200a)が冷房モードを終了したことを示す情報”又は“第1空気調和装置(200a)が除湿モードを終了したことを示す情報”を運転情報として受信すると、第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを開始する直前に行っていた動作と同じ動作を行う。第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを開始する直前に行っていた動作が第1自動選択動作と異なる場合、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を終了し、第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを開始する直前に行っていた動作を開始する。一方、第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを開始する直前も第1自動選択動作を行っていた場合、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を継続して実行する。
【0134】
空気調和装置(200a,200c)の冷房モード及び除湿モードに関する換気装置(10a,10b)と空気調和装置(200a,200c)の連携の具体例について、
図8を参照しながら説明する。
【0135】
図8に示す例において、時刻t1以前は、第1空気調和装置(200a)が停止し、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)が第2自動選択動作を実行している。この例において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第2上側基準温度T_U2よりも低く、温湿度センサ(105)の計測値に基づいて算出した絶対湿度Xは、第2基準絶対湿度X2以下である。そのため、第2自動選択動作を実行する換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)に単純換気モードを実行させている。
【0136】
時刻t1において、住宅(1)の居住者が第1空気調和装置(200a)を起動させて冷房モード又は除湿モードの開始を指示すると、第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを開始する。第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が冷房モードを開始したことを示す運転情報、又は第1空気調和装置(200a)が除湿モードを開始したことを示す運転情報を出力する。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、これらの運転情報を受信すると、第2自動選択動作を終了し、第1自動選択動作を開始する。
【0137】
図8に示す例の時刻t1において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第1上側基準温度T_U1よりも高い。そのため、第1自動選択動作を開始した換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、単純換気モードから冷却換気モードに変更する。このように、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を開始したことに伴って、第1換気装置(10a)の動作を変更する。
【0138】
時刻t2において、住宅(1)の居住者が第1空気調和装置(200a)を停止させると、第1空気調和装置(200a)が冷房モード又は除湿モードを終了する。第1空気調和装置(200a)の空調制御器(250)は、第1空気調和装置(200a)が冷房モードを終了したことを示す運転情報、又は第1空気調和装置(200a)が除湿モードを終了したことを示す運転情報を出力する。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、これらの運転情報を受信すると、第1自動選択動作を終了し、第2自動選択動作を開始する。
【0139】
図8に示す例の時刻t2において、温湿度センサ(105)が計測した温度Tは、第2上側基準温度T_U2よりも低く、温湿度センサ(105)の計測値に基づいて算出した絶対湿度Xは、第2基準絶対湿度X2以下である。そのため、第2自動選択動作を開始した換気制御器(100)は、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、冷却換気モードから単純換気モードに変更する。このように、換気制御器(100)は、第1空気調和装置(200a)が冷房モードを終了したことを示す運転情報、又は第1空気調和装置(200a)が除湿モードを終了したことを示す運転情報を受信すると、第1換気装置(10a)が実行する運転モードを、時刻t1以前に第1換気装置(10a)が実行していた単純換気モードに戻す。
【0140】
-室内熱交換器と利用側熱交換器の容積-
上述したように、各空気調和装置(200a~200d)の室内熱交換器(225)と、各換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)とは、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。本実施形態の空気調和システム(50)において、室内熱交換器(225)の容積は、利用側熱交換器(25)の容積よりも大きい。
【0141】
ここでは、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器(300)の容積について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図9及び
図10は、典型的なフィンアンドチューブ式の空気熱交換器(300)を示す。
【0142】
この空気熱交換器(300)は、複数のフィン(302)と複数の伝熱管(303)とを備える。各フィン(302)は、板状に形成される。複数のフィン(302)は、互いに一定の間隔をおいて一列に配置される。複数のフィン(302)は、フィン群(301)を形成する。伝熱管(303)は、フィン群(301)を構成する各フィン(302)を貫通する。伝熱管(303)は、フィン群(301)を貫通する直管部(304)と、隣り合う直管部(304)を接続する曲管部(305)とを、複数ずつ備える。
【0143】
複数の直管部(304)は、フィン(302)の長手方向(段方向)と、フィン(302)の幅方向(列方向)とに配列される。
図10に示す空気熱交換器(300)では、段方向に八つの直管部(304)が配列され、列方向に二つの直管部(304)が配列される。従って、
図10に示す空気熱交換器(300)には、十六本の直管部(304)が設けられる。
【0144】
空気熱交換器(300)の容積は、各直管部(304)の内容積の合計である。従って、空気熱交換器(300)の容積Vは、下記の数式によって算出される。
【0145】
V=A×L×N
上記の数式において、「A」は直管部(304)の内部空間の横断面積であり、「L」は空気熱交換器(300)の有効長であり、「N」は直管部(304)の本数である。空気熱交換器(300)の有効長Lは、
図9に示すように、フィン群(301)の一端から他端までの長さである。
【0146】
本実施形態の室内熱交換器(225)は、A=18.3mm2であり、L=610mmであり、N=36本である。従って、室内熱交換器(225)の容積は、V=402cm3である。
【0147】
本実施形態の利用側熱交換器(25)は、A=37.1mm2であり、L=330mmであり、N=24本である。従って、利用側熱交換器(25)の容積は、V=294cm3である。
【0148】
-室内熱交換器と利用側熱交換器の温度-
室内熱交換器(225)の温度は、熱交換器温度センサ(256)の計測値である。空気調和装置(200a,200c)が冷房モードを実行する状態において、熱交換器温度センサ(256)の計測値は、室内熱交換器(225)における冷媒の蒸発温度と実質的に等しい。
【0149】
利用側熱交換器(25)の温度は、熱交換器温度センサ(106)の計測値である。換気装置(10a,10b)が冷却換気モードを実行する状態において、熱交換器温度センサ(106)の計測値は、利用側熱交換器(25)における冷媒の蒸発温度と実質的に等しい。
【0150】
上述したように、本実施形態の空気調和システム(50)では、第1換気装置(10a)が第1空気調和装置(200a)と対応づけられ、第2換気装置(10b)が第3空気調和装置(200c)と対応づけられる。本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)が冷却換気モードを実行すると同時に、その換気装置(10a,10b)に対応する空気調和装置(200a,200c)が冷房モードを実行する場合がある。
【0151】
例えば、冷却換気モードを実行する第1換気装置(10a)は、利用側熱交換器(25)において冷却された室外空気を、第1居室(2a)へ供給する。第1換気装置(10a)が冷却された室外空気を供給することによって、第1居室(2a)の冷房負荷の一部が処理される。その結果、第1居室(2a)の冷房負荷のうち第1空気調和装置(200a)が処理する負荷が少なくなる。そのため、通常は、冷房モードを実行する第1空気調和装置(200a)の室内熱交換器(225)の温度が、冷却換気モードを実行する第1換気装置(10a)の利用側熱交換器(25)の温度よりも高くなる。
【0152】
具体例を示す。室外空間の室外空気の温度が28℃で相対湿度が80%であり、第1居室(2a)の室内空気の温度が28℃で相対湿度が60%であるとする。この状態において、冷房モードを実行する第1空気調和装置(200a)の室内熱交換器(225)の温度は概ね15℃程度であり、冷却換気モードを実行する第1換気装置(10a)の利用側熱交換器(25)の温度は概ね12℃程度である。
【0153】
-実施形態の特徴(1)-
本実施形態の空気調和システム(50)において、各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、対応する空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて、換気装置(10a,10b)の動作を変更する。そのため、換気装置(10a,10b)を、空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じた適切な状態で動作させることが可能となり、空気調和システム(50)を適切に制御することが可能となる。
【0154】
特に、本実施形態の空気調和システム(50)では、各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が、対応する空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて、利用側熱交換器(25)の熱交換量を変更する(
図7,
図8を参照)。そのため、換気装置(10a,10b)が室内へ供給する室外空気の状態を、空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて、適切に調節することが可能となる。
【0155】
-実施形態の特徴(2)-
図7に示す具体例において、本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)が加熱換気モードを実行中に空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)における室外空気の加熱を停止させる。言い換えると、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)の加熱量をゼロにまで低下させる。
【0156】
そのため、換気制御器(100)が換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)の加熱量を変更しない場合に比べて、室内空間(5)の暖房負荷のうち、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が増加し、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が減少する。
【0157】
ここで、本実施形態の空気調和システム(50)では、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)の容積が、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)の容積よりも大きい。一般的に、容積の大きな熱交換器ほど、熱交換能力が高い。そのため、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)の熱交換能力は、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)の熱交換能力よりも大きい。
【0158】
通常、冷媒回路に設けられた熱交換器の熱交換能力が大きいほど、その冷媒回路において行われる冷凍サイクルのCOP(成績係数)は高くなる。そのため、本実施形態の空気調和システム(50)では、空気調和装置(200a,200c)の冷媒回路(220)において行われる冷凍サイクルのCOPは、換気装置(10a,10b)の冷媒回路(R)において行われる冷凍サイクルのCOPよりも高い。
【0159】
上述したように、
図7に示す具体例において、本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)が加熱換気モードを実行中に空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)における室外空気の加熱を停止させる。その結果、室内空間(5)の暖房負荷のうち、COPが比較的高い空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が増加し、COPが比較的低い換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が減少する。
【0160】
従って、本実施形態の空気調和システム(50)では、COPが比較的高い空気調和装置(200a,200c)に多くの暖房負荷を処理させることによって、空気調和システム(50)全体の消費電力を削減することができる。
【0161】
-実施形態の特徴(3)-
図8に示す具体例において、本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止している状態で空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを開始すると、換気制御器(100)が、利用側熱交換器(25)における室外空気の冷却を開始させる。
【0162】
そのため、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)における室外空気の冷却が停止したままの場合に比べて、室内空間(5)の冷房負荷(顕熱負荷および潜熱負荷)のうち、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が減少し、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が増加する。
【0163】
ここで、夏期に室内空間(5)の空気調和を行っている状態において、室外空間(6)の室外空気は、室内空間(5)の室内空気に比べて、温度と湿度のそれぞれが高い。従って、室外空間(6)の室外空気は、室内空間(5)の室内空気に比べて、露点が高い。そのため、室外空気を冷媒と熱交換させる換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)では、室内空気を冷媒と熱交換させる空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)に比べて、空気の露点と熱交換器の温度との差が大きくなり、凝縮水の生成量が多くなる。
【0164】
特に、本実施形態の空気調和システム(50)では、空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを実行し、換気装置(10a,10b)が冷却換気モードを実行する状態において、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)の温度が、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)の温度よりも高い。従って、室内空間(5)の冷房負荷(顕熱負荷および潜熱負荷)のうち、空気調和装置(200a,200c)の室内熱交換器(225)によって処理される負荷の割合が比較的低くなり、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)によって処理される負荷の割合が比較的高くなる。
【0165】
従って、本実施形態の空気調和システム(50)では、凝縮水の生成量が多い換気装置(10a,10b)に多くの潜熱負荷(除湿負荷)を処理させることによって、空気調和システム(50)全体の消費電力を削減することができる。
【0166】
-実施形態の特徴(4)-
図7に示すように、本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が第1自動選択動作を実行中に空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始した場合、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を一旦終了して第2自動選択動作を開始する。そして、その後に空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを終了すると、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を終了して第1自動選択動作を再開する。
【0167】
この動作を換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が行った結果、
図7に示す具体例において、換気装置(10a,10b)は、空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、加熱換気モードを終了して単純換気モードを開始する。また、換気装置(10a,10b)は、空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを終了すると、空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始する前に行っていた加熱換気モードを再開する。
【0168】
図8に示すように、本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が第2自動選択動作を実行中に空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを開始した場合、換気制御器(100)は、第2自動選択動作を一旦終了して第1自動選択動作を開始する。そして、その後に空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを終了すると、換気制御器(100)は、第1自動選択動作を終了して第2自動選択動作を再開する。
【0169】
この動作を換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が行った結果、
図8に示す具体例において、換気装置(10a,10b)は、空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを開始すると、単純換気モードを終了して冷却換気モードを開始する。また、換気装置(10a,10b)は、空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを終了すると、空気調和装置(200a,200c)が冷房モード又は除湿モードを開始する前に行っていた単純換気モードを再開する。
【0170】
-実施形態の特徴(5)-
本実施形態の空気調和システム(50)において、換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、温湿度センサ(105)の計測値に基づいて、換気装置(10a,10b)が実行する運転モードを切り換える。その結果、換気装置(10a,10b)では、利用側熱交換器(25)の熱交換量が、全熱交換器(21)を通過して利用側熱交換器(25)へ向かう室外空気の温度および湿度に基づいて変更される。
【0171】
-実施形態の変形例(1)-
図7に示す具体例において、各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)が加熱換気モードを実行中に対応する空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、換気装置(10a,10b)が実行する運転モードを加熱換気モードから単純換気モードに切り換える。
【0172】
各換気装置(10a,10b)が圧縮機(82)の回転速度を変更可能に構成されている場合、各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、上記の制御動作に代えて、
図11に示すような制御動作を行ってもよい。
【0173】
なお、
図11に記載した数字の「100」と「0」は、換気装置(10a,10b)の圧縮機(82)の運転状態を示す。「100」は、圧縮機(82)の回転速度が最高値であることを示す。「0」は、圧縮機(82)が停止していることを示す。
【0174】
図11に示すように、各換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)は、換気装置(10a,10b)が加熱換気モードを実行中に対応する空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、換気装置(10a,10b)の圧縮機(82)の回転速度を引き下げる制御動作を行ってもよい。換気制御器(100)がこの制御動作を行う場合、換気装置(10a,10b)が加熱換気モードを実行中に対応する空気調和装置(200a,200c)が暖房モードを開始すると、換気装置(10a,10b)の利用側熱交換器(25)における加熱量が削減される。
【0175】
-実施形態の変形例(2)-
本実施形態の空気調和システム(50)は、各換気装置(10a,10b)が連携する空気調和装置(200a~200d)を切り換え可能に構成されていてもよい。具体的には、第1換気装置(10a)を第1空気調和装置(200a)と連携させる状態と、第1換気装置(10a)を第2空気調和装置(200b)と連携させる状態とが切り換え可能であってもよい。また、第2換気装置(10b)を第3空気調和装置(200c)と連携させる状態と、第2換気装置(10b)を第4空気調和装置(200d)と連携させる状態とが切り換え可能であってもよい。
【0176】
-実施形態の変形例(3)-
本実施形態の空気調和システム(50)は、各換気装置(10a,10b)が複数の空気調和装置(200a~200d)と連携するように構成されていてもよい。具体的には、第1換気装置(10a)が第1空気調和装置(200a)と第2空気調和装置(200b)の両方と連携してもよい。また、第2換気装置(10b)が第3空気調和装置(200c)と第4空気調和装置(200d)の両方と連携してもよい。
【0177】
第1換気装置(10a)が第1空気調和装置(200a)と第2空気調和装置(200b)の両方と連携する場合を例に説明する。第1換気装置(10a)の換気制御器(100)が第1自動選択動作を実行中に第1空気調和装置(200a)と第2空気調和装置(200b)のどちらかが暖房モードを開始すると、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、第1自動選択動作を終了して第2自動選択動作を開始する。また、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)が第2自動選択動作を実行中に第1空気調和装置(200a)と第2空気調和装置(200b)のどちらかが冷房モード又は除湿モードを開始すると、第1換気装置(10a)の換気制御器(100)は、第2自動選択動作を終了して第1自動選択動作を開始する。
【0178】
-実施形態の変形例(4)-
本実施形態の空気調和システム(50)では、住宅(1)の一階に設置された第1室内機(212a)と第2室内機(212b)とが、一台の室外機に接続されていてもよい。また、これと同様に、住宅(1)の二階に設置された第3室内機(212c)と第4室内機(212d)とが、一台の室外機に接続されていてもよい。
【0179】
-実施形態の変形例(5)-
本実施形態の空気調和システム(50)では、換気装置(10a,10b)の換気制御器(100)が、対応する空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて換気装置(10a,10b)の動作を変更する。
【0180】
本実施形態の空気調和システム(50)は、この“空気調和装置(200a,200c)が実行する運転モードに応じて換気装置(10a,10b)の動作を変更する”という動作を行う制御機器を、換気制御器(100)及び空調制御器(250)とは別に備えていてもよい。この制御機器は、空気調和システム(50)が設置された住宅(1)に設けられていてもよい。また、この制御機器は、住宅(1)から離れた場所に設置され、インターネット等の通信回線を介して、換気制御器(100)及び空調制御器(250)と通信するように構成されていてもよい。
【0181】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0182】
以上に説明したように、本開示は、空気調和システムについて有用である。
【符号の説明】
【0183】
10a 第1換気装置
10b 第2換気装置
21 全熱交換器(第1熱交換器)
25 利用側熱交換器(第2熱交換器)
50 空気調和システム
100 換気制御器(制御器)
105 温湿度センサ(センサ)
200a 第1空気調和装置
200b 第2空気調和装置
200c 第3空気調和装置
200d 第4空気調和装置
225 室内熱交換器(第3熱交換器)
【要約】
【課題】空気調和装置と換気装置を備えた空気調和システムを適切に制御する。
【解決手段】空気調和システム(50)は、換気装置(10a,10b)と、空気調和装置(200a,200c)と、制御器(100)とを備える。換気装置は、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出する。換気装置は、室外空気を室内空気と熱交換させる第1熱交換器(21)と、室外空気を熱媒体と熱交換させる第2熱交換器(25)とを有する。空気調和装置は、複数の運転モードを実行可能である。制御器は、空気調和装置が実行する運転モードに応じて換気装置の動作を変更する。
【選択図】
図7