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7594214混雑情報処理装置、混雑情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】混雑情報処理装置、混雑情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023522057
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2021018856
(87)【国際公開番号】W WO2022244117
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達明
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 聡
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕介
(72)【発明者】
【氏名】小長井 俊介
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕文
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091008(JP,A)
【文献】特開2019-083866(JP,A)
【文献】特開2021-060681(JP,A)
【文献】特開2005-196522(JP,A)
【文献】国際公開第2017/149703(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得する利用者数取得部と、
前記施設ごとに、前記利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて記憶している混雑状況記憶部と、
提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信する通信部と、
前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出する基準値算出部と、
前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出する利用者数抽出部と、
前記混雑状況記憶部から、前記施設における、傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定する混雑傾向判定部と、
前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成し、前記混雑情報に前記混雑傾向を含め、横軸を経過時間とし、縦軸を混雑度としたグラフを表示する混雑度表示エリアR1と、混雑傾向を表示する混雑傾向表示エリアR2を含む混雑情報を生成する混雑情報生成部と、
を備え、
前記混雑傾向は、前記混雑傾向が増加傾向であり、前記混雑傾向を示す数値が高いほど、第1の方向とのなす角度が小さい方向の矢印によって示される
混雑情報処理装置。
【請求項2】
前記基準値、及び前記対象期間内の時刻に対応する前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の程度を示す混雑度を算出する混雑度算出部をさらに備え、
前記混雑情報は、前記混雑度を含む、請求項1に記載の混雑情報処理装置。
【請求項3】
前記混雑情報は、前記混雑度とともに前記基準値に基づく値を含むグラフで示される、請求項2に記載の混雑情報処理装置。
【請求項4】
前記利用者数は、入場者数及び退場者数を含み、
前記混雑情報生成部は、前記入場者数及び前記退場者数に基づいて、前記混雑情報を生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置。
【請求項5】
前記提示要求は、前記対象期間をさらに含み、
前記利用者数抽出部は、前記提示端末から受信された前記提示要求に含まれる前記対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置。
【請求項6】
少なくとも利用者数取得部、混雑状況記憶部、通信部、基準値算出部、利用者数抽出部、混雑傾向判定部、及び混雑情報生成部を備える情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記利用者数取得部により、施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得するステップと、
前記施設ごとに、前記利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて前記混雑状況記憶部に記憶させるステップと、
前記通信部により、提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信するステップと、
前記基準値算出部により、前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出するステップと、
前記利用者数抽出部により、前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出するステップと、
前記混雑傾向判定部により、前記混雑状況記憶部から、前記施設における、傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定するステップと、
前記混雑情報生成部により、前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成し、前記混雑情報に前記混雑傾向を含め、横軸を経過時間とし、縦軸を混雑度としたグラフを表示する混雑度表示エリアR1と、混雑傾向を表示する混雑傾向表示エリアR2を含む混雑情報を生成するステップと、
を含み、
前記混雑傾向は、前記混雑傾向が増加傾向であり、前記混雑傾向を示す数値が高いほど、第1の方向とのなす角度が小さい方向の矢印によって示される
混雑情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報を処理するための混雑情報処理装置、混雑情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道駅等の施設の混雑状況は、施設を利用するにあたっての快適さを左右する大きな要素である。そのため、施設の混雑状況は、施設の利用者が大きな関心を有することの一つであり、このような関心に応えるべく、施設の混雑状況を明らかにしようとするための様々な技術が開発されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、携帯端末から位置情報を取得し、該位置情報に基づいて利用者数を推定することが記載されている。また、非特許文献1には、利用者によって保持されている携帯端末がビーコンから電波を受信し、サーバが携帯端末によるビーコンからの電波の受信情報を収集することによって、ビーコン周辺の利用者数を把握することが記載されている。これらの方法によれば、施設の内部及び周辺にいる利用者の数である利用者数を推定することができる。
【0004】
ここで、利用者が体感する混雑の程度は、利用者数が同じであっても、施設の形状、施設内における構造物の配置等に応じて定まる、施設の空間的な広さによって異なることがある。そのため、利用者が体感する混雑の程度を混雑度として適切に提示するにあたって、利用者数を提示するだけでは不十分である。そこで、混雑度を適切に提示するにあたって、施設の空間的な広さの指標となる値が用いられており、例えば、特許文献1には、利用者数と、施設のキャパシティに応じた満席の状態での利用者数に相当する所定人数とに基づいて、混雑度を推定することがさらに記載されている。また、非特許文献1には、ビーコンに近接した利用者数と、各ビーコンがカバーする領域の面積とに基づいて混雑度を算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-004168号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】佐藤大祐、外5名、“BLEビーコンを利用した混雑度可視化サービス”、情処学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム、Vol.8、No.1、pp.1-10、2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、空間的な広さを示す指標を事前に容易に求めることができるとは限らず、手間を要することがある。
【0008】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、簡便に混雑の程度に関する情報を提示することができる混雑情報処理装置、混雑情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本開示に係る混雑情報処理装置は、施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得する利用者数取得部と、前記施設ごとに、前記利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて記憶している混雑状況記憶部と、提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信する通信部と、前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出する基準値算出部と、前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出する利用者数抽出部と、前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成する混雑情報生成部と、を備える。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本開示に係る混雑情報処理方法は、施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得するステップと、前記施設ごとに、利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて混雑状況記憶部に記憶させるステップと、提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信するステップと、前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出するステップと、前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出するステップと、前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成するステップと、を含む。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本開示に係るプログラムは、コンピュータを上述した混雑情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る混雑情報処理装置、混雑情報処理方法、及びプログラムによれば、簡便に混雑の程度に関する情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1の実施形態に係る混雑情報処理システムの概略図である。
図2図1に示す混雑情報処理装置が生成する混雑情報の一例を示す図である。
図3図1に示す混雑情報処理装置が生成する混雑情報の他の例を示す図である。
図4図1に示す混雑情報処理装置における動作の一例を示すフローチャートである。
図5図1に示す混雑情報処理装置の第1の変形例が生成する混雑情報の例を示す図である。
図6】本開示の第2の実施形態に係る混雑情報処理システムの概略図である。
図7図6に示す混雑情報処理装置が生成する混雑情報の一例を示す図である。
図8図6に示す混雑情報処理装置における動作の一例を示すフローチャートである。
図9】混雑情報処理装置のハードウェアブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して本実施形態の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る混雑情報処理システム100の概略図である。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態に係る混雑情報処理システム100は、提示端末1と、混雑情報処理装置2とを備える。提示端末1と、混雑情報処理装置2とは、通信ネットワークを介して互いに通信する。
【0016】
<提示端末の構成>
提示端末1は、入力部11と、通信部12と、表示部13とを備える。入力部11は、情報の入力を受け付ける入力インターフェースによって構成される。入力インターフェースは、キーボード、タッチパネル、マウス、マイクロフォン等とすることができるし、他の装置から通信ネットワークを介して受信した情報を受け付けるためのインターフェースとすることもできる。通信部12は、外部の装置などの他の機器と通信するための通信インターフェースによって構成される。通信インターフェースには、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられてもよい。表示部13は、情報を表示する表示インターフェースによって構成される。表示インターフェースは、スマートフォン及びタブレットの画面、並びにパーソナルコンピュータのモニタを構成する有機EL(Electro Luminescence)、液晶パネル等とすることができる。
【0017】
入力部11は、提示端末利用者によって入力された、混雑情報処理装置2に混雑情報を要求するための情報である提示要求を受け付ける。混雑情報は、施設の混雑の程度を示す情報である。提示要求は、施設を示す施設情報を含む。施設情報は、例えば、施設を識別するための識別子、施設名等とすることができる。
【0018】
提示要求は、対象期間をさらに含んでもよい。対象期間は、混雑情報において混雑度が示される対象となる期間である。また、提示要求は、基準値種別を含んでもよい。基準値種別は、追って詳細に説明する基準値の種別であって、例えば、混雑情報処理装置2に、時間ごとに記憶されている利用者数の統計値の種別とすることができる。利用者数の統計値の種別には、平均利用者数、最大利用者数等が含まれる。なお、提示要求に基準値種別が含まれる構成において、入力部11は、提示端末利用者が複数の基準値種別から選択した基準値種別を含む提示要求の入力を受け付けてもよい。
【0019】
通信部12は、入力部11によって入力が受け付けられた提示要求を混雑情報処理装置2に送信する。また、通信部12は、混雑情報処理装置2から送信された混雑情報を受信する。
【0020】
表示部13は、通信部12によって受信された混雑情報を表示する。
【0021】
<混雑情報処理装置の構成>
混雑情報処理装置2は、利用者数取得部21と、混雑状況記憶部22と、制御部23と、通信部24とを備える。混雑状況記憶部22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリによって構成される。制御部23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。通信部24は、通信インターフェースによって構成される。利用者数取得部21は、情報の入力を受け付ける入力インターフェースによって構成されもよいし、通信インターフェースによって構成されもよいし、センサ及びプロセッサによって構成されてもよい。
【0022】
利用者数取得部21は、施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得する。施設に位置すると推定される利用者は、該施設の内部又は周辺(例えば、施設の境界から所定距離以内の範囲)にいる利用者である。
【0023】
具体的には、利用者数取得部21は、任意の手法により検出された利用者数を計数してもよいし、外部の装置が任意の手法により計数した利用者数を、通信ネットワークを経由して受信してもよい。例えば、利用者数取得部21は、上述した特許文献1、非特許文献1に記載された技術等の任意の技術を用いて利用者数を取得してもよい。また、利用者数取得部21が利用者数を取得するタイミングは、任意のタイミングであってよい。例えば、利用者数取得部21は、定期的に利用者数を取得してもよいし、不定期である所定のタイミングで利用者数を取得してもよい。
【0024】
また、利用者数取得部21は、利用者数と、該利用者数を取得した時刻とを対応付けて混雑状況記憶部22に記憶させる。
【0025】
混雑状況記憶部22は、施設ごとに、利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて記憶している。
【0026】
制御部23は、通信部24によって提示要求が受信されると、該提示要求に基づいて混雑情報を生成するための処理を実行する。制御部23は、基準値算出部231と、利用者数抽出部232と、混雑度算出部233と、混雑情報生成部234とを備える。
【0027】
基準値算出部231は、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する利用者数を抽出し、該利用者数に基づいて、施設における混雑の基準となる基準値を算出する。基準値算出期間は、基準値を算出するために用いられる利用者数が取得される期間である。基準値算出期間は、任意の所定の期間である。基準値算出期間は、混雑度の基準値を算出する根拠として十分な長さの期間とすることが望ましく、例えば、混雑状況記憶部22において、利用者数に対応する時刻の全てを含む期間であってもよい。
【0028】
一例として、基準値算出部231は、混雑状況記憶部22に記憶されている時刻のうち基準値算出期間に含まれる時刻に対応する利用者数を抽出し、該利用者数の平均値である平均利用者数を基準値として算出する。他の例として、基準値算出部231は、混雑状況記憶部22に記憶されている時刻のうち基準値算出期間内の時刻に対応する利用者数を抽出し、該利用者数の最大値である最大利用者数を基準値として算出する。
【0029】
また、基準値算出部231は、平均値及び最大値に限らず任意の統計値を基準値として算出してもよい。また、基準値算出部231は、予め定められた基準値種別の基準値を算出することができる。また、上述したように提示要求に基準値種別が含まれる構成においては、基準値算出部231は、提示要求に含まれる基準値種別の基準値を算出してもよい。さらに、基準値算出部231は、複数の基準値種別それぞれの複数の基準値を算出してもよい。
【0030】
利用者数抽出部232は、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設情報が示す施設における、対象期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。具体的には、利用者数抽出部232は、混雑状況記憶部22に記憶されている時刻のうち、対象期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。対象期間は、あらかじめ定められた期間であってもよい。また、上述したように、提示要求が対象期間を含んでいてもよく、このような構成において、利用者数抽出部232は、提示端末1から受信された提示要求が含む対象期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。
【0031】
混雑度算出部233は、基準値、及び対象期間内の時刻に対応する利用者数に基づいて、施設における混雑の程度を示す混雑度を算出する。具体的には、混雑度算出部233は、各時刻における利用者数それぞれの、基準値に対する相対値を混雑度として算出する。このとき、混雑度算出部233は、各時刻における利用者数を基準値で除することによって混雑度を算出することができる。
【0032】
混雑情報生成部234は、利用者数と基準値とに基づいて、施設の混雑の程度を示す混雑情報を生成する。具体的には、混雑情報生成部234は、各時刻における混雑度と、基準値に基づく値とを含む混雑情報を生成する。一例として、混雑情報は、図2及び図3に示すように、混雑度とともに基準値に基づく値を含むグラフで示されてもよい。図2及び図3に示す例では、横軸は対象期間における最新の時刻までに経過する経過時間(本例では、単位は「分」である)であり、縦軸は混雑度である。本例では、基準値に基づく値は、正規化された基準値「1」であり、混雑情報において、混雑度に対応する時刻の範囲にわたって、正規化された基準値「1」がさらに示されている。
【0033】
図2は、基準値が平均利用者数である構成において、混雑情報生成部234によって生成される混雑情報を示すグラフの例を示している。図2に示す例では、利用者数「0」を混雑度の最小値「0」とし、平均利用者数を基準値「1」として、施設の対象期間における混雑度が時系列順に棒グラフで表示されている。なお、図2に示す例では、対象期間のうち最も新しい時刻の混雑度がグラフの最も右に表示され、最も新しい時刻までの経過時間とともに、該経過時間が長くなるにつれて混雑度が左に位置するように表示されている。
【0034】
図3は、基準値が最大利用者数である構成において、混雑情報生成部234によって生成される混雑情報を示すグラフの例を示している。図3に示す例では、利用者数「0」を混雑度の最小値「0」とし、最大利用者数を基準値「1」として、施設の対象期間における混雑度が時系列順に棒グラフで表示されている。なお、図3に示す例でも、対象期間のうち最も新しい時刻の混雑度がグラフの最も右に表示され、最も新しい時刻までの経過時間とともに、該経過時間が長くなるにつれて混雑度が左に位置するように表示されている。
【0035】
なお、図2及び図3に示す例において、提示端末利用者が混雑している状況をより明確に認識することができるように、グラフにおける少なくとも一部の表示形式が変更されてもよい。例えば、グラフの任意の箇所に色、模様等が付されていてもよい。例えば、図2に示す例において、経過時間が0分前及び10分前に対応する利用者数を示す棒部分において、基準値より高い部分、すなわち混雑度が1以上である部分の色、模様等を変更して表示してもよい。これによって、提示端末利用者が注視している、経過時間が短い時刻において、施設が普段より混雑していることが強調され、提示端末利用者は自身にとって必要とする混雑度をより効率的に認識することができる。
【0036】
混雑情報生成部234によって生成される混雑情報は、時刻と該時刻に対応する混雑度とに基づいて生成される任意の情報であってよく、上述した例に限られることはない。例えば、混雑情報生成部234は、単に時刻と該時刻に対応する混雑度を示す数値とを混雑情報として生成してもよいし、時刻と該時刻に対応する混雑度を数値で示す表を混雑情報として生成してもよい。
【0037】
また、上述したように、基準値算出部231が複数の基準値を算出する構成において、混雑情報生成部234は、施設が対象期間において常時混雑している場合、具体的には、複数の基準値のうちの一の基準値より大きい利用者数に対応する時刻の数が所定値以上である場合に、複数の基準値のうちの他の基準値に基づいて混雑情報を生成してもよい。
【0038】
通信部24は、提示端末1から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信する。また、通信部24は、混雑情報生成部234によって生成された混雑情報を提示端末1に送信する。
【0039】
<混雑情報処理装置の動作>
ここで、第1の実施形態に係る混雑情報処理装置2の動作について、図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る混雑情報処理装置2における動作の一例を示すフローチャートである。図4を参照して説明する混雑情報処理装置2における動作は第1の実施形態に係る混雑情報処理装置2の混雑情報処理方法に相当する。
【0040】
ステップS11において、利用者数取得部21が、施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得する。
【0041】
ステップS12において、利用者数取得部21が、施設ごとに、利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて混雑状況記憶部22に記憶させる。
【0042】
ステップS13において、通信部24が、提示端末1から提示要求を受信する。
【0043】
ステップS14において、基準値算出部231が、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。そして、基準値算出部231が、基準値算出期間内の時刻に対応する利用者数に基づいて、施設における混雑の基準となる基準値を算出する。
【0044】
ステップS15において、利用者数抽出部232が、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設情報が示す施設における、対象期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。
【0045】
ステップS16において、混雑度算出部233が、基準値、及び対象期間内の時刻に対応する利用者数に基づいて、施設における混雑の程度を示す混雑度を算出する。
【0046】
ステップS17において、混雑情報生成部234は、利用者数及び基準値に基づいて、施設の混雑の程度を示す混雑情報を生成する。具体的には、混雑情報生成部234が、混雑度算出部233によって算出された混雑度を含む混雑情報を生成する。
【0047】
ステップS18において、通信部24が、混雑情報を提示端末1に送信する。
【0048】
上述したように、第1の実施形態によれば、混雑情報処理装置2は、基準値算出期間内の時刻に対応する利用者数に基づいて、施設における混雑の基準となる基準値を算出する。そして、混雑情報処理装置2は、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設における、対象期間内の時刻に対応する利用者数を抽出し、利用者数と基準値とに基づいて、施設の混雑の程度を示す混雑情報を生成する。これにより、混雑情報処理装置2は、空間的な広さの指標となる値を算出することなく簡便に混雑情報を提示することができるとともに、提示端末利用者は、利用者数と基準値とに基づく混雑情報を参照することによって、利用者数のみを参照する場合に比べて、施設の混雑の程度を適切に認識することができる。
【0049】
また、第1の実施形態によれば、混雑情報処理装置2は、利用者数の基準値に対する相対値である混雑度を算出する。これにより、提示端末利用者は、施設の混雑の程度を相対的に認識することができ、これに伴い、施設の混雑の程度をより適切に認識することができる。
【0050】
また、第1の実施形態によれば、混雑情報は、混雑度とともに基準値に基づく値を示すグラフで示される。これにより、提示端末利用者は、視覚により効率的に施設の混雑の程度を認識することができる。
【0051】
(第1の変形例)
なお、上述した第1の実施形態において、利用者数は、入場者数及び退場者数を含んでいてもよい。このような構成において、利用者数取得部21は、入場者数及び退場者数を含む利用者数を取得する。また、混雑状況記憶部22は、施設ごとに利用者数取得部21によって生成された、入場者数及び退場者数を含む利用者数と、該利用者数を取得した時刻とを対応付けて記憶する。
【0052】
また、第1の変形例において、基準値は、全体基準値、入場基準値、及び退場基準値を含む。基準値算出部231は、上述と同様に、利用者数の平均値である平均利用者数を全体基準値として算出する。また、基準値算出部231は、入場者数の平均値である平均入場者数を入場基準値としてさらに算出し、退場者数の平均値である平均退場者数を退場基準値としてさらに算出する。また、混雑度算出部233は、平均利用者数を「1」として平均入場者数及び平均退場者数を正規化した値をそれぞれ入場基準値及び退場基準値として算出してもよい。
【0053】
さらに、第1の変形例において、混雑度算出部233は、入場者数及び退場者数に基づいて、混雑情報を生成する。具体的には、混雑度算出部233は、各時刻における入場者数及び退場者数それぞれの全体基準値に対する相対値を入場混雑度及び退場混雑度として算出してもよい。また、混雑度算出部233は、各時刻における入場者数の入場基準値に対する相対値を入場混雑度として算出し、退場者数の退場基準値に対する相対値を退場混雑度として算出してもよい。
【0054】
そして、第1の変形例において、混雑情報生成部234は、入場者数及び退場者数に基づいて、施設の混雑の程度を示す混雑情報を生成する。例えば、混雑情報生成部234は、図5に示すように、横軸を時刻とし、縦軸を入場混雑度d及び退場混雑度dを含む混雑度としたグラフを混雑情報として生成する。図5に示す例では、混雑情報は、入場混雑度及び退場混雑度が縦軸方向に積み上げられた棒で示されるグラフを含んでおり、入場混雑度d及び退場混雑度dは、それぞれ入場者数及び退場者数の全体利用者数の基準値に対する相対値である。なお、図5に示す例では省略されているが、混雑情報生成部234は、入場基準値及び退場基準値の少なくとも一方をさらに示すグラフを混雑情報として生成してもよい。
【0055】
これにより、提示端末利用者は、施設の混雑の程度を適切に認識しつつ、施設への入場及び退場それぞれにおける混雑の程度を適切に認識することができる。したがって、提示端末利用者は、自身が施設に入場するか、施設から退場するかに応じて、それぞれの混雑の程度に基づく適切な判断を行うことができる。
【0056】
(第2の変形例)
また、第2の変形例では、制御部23は、混雑度算出部233を含まなくてもよい。このような構成において、混雑情報生成部234は、各時刻における利用者数と、基準値とを含む混雑情報を生成する。一例として、混雑情報生成部234は、各横軸を経過時間とし、縦軸を利用者数としたグラフを混雑情報として生成してもよい。このとき、混雑情報生成部234は、混雑度に対応する時刻の範囲にわたって、基準値に基づく値として基準値そのものをさらに示すグラフを混雑情報として生成する。なお、本変形例においては、混雑情報処理装置2は、図4に示すステップS14を実行せず、ステップS17においては、利用者数及び基準値に基づいて混雑情報を生成する。
【0057】
これにより、混雑情報処理装置2は、混雑度を算出する処理を実行しないため、処理負荷を軽減することができつつ、提示端末利用者は、利用者数と基準値とに基づく混雑情報を参照することによって、利用者数のみを参照する場合に比べて、施設の混雑の程度を適切に認識することができる。
【0058】
<<第2の実施形態>>
図6を参照して第2の実施形態の全体構成について説明する。図6は、第2の実施形態に係る混雑情報処理システム101の概略図である。第2の実施形態における、第1の実施形態と同一の機能部については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、第2の実施形態に係る混雑情報処理システム101は、提示端末1と、混雑情報処理装置2-1とを備える。提示端末1と、混雑情報処理装置2-1とは、通信ネットワークを介して互いに通信する。
【0060】
<混雑情報処理装置の構成>
混雑情報処理装置2-1は、利用者数取得部21と、混雑状況記憶部22と、制御部23-1と、通信部24とを備える。制御部23-1は、第1の実施形態の制御部23と同様に、ASIC、FPGA等の専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。
【0061】
制御部23-1は、通信部24によって提示要求が受信されると、該提示要求に基づいて混雑に関する情報を処理する。制御部23-1は、基準値算出部231と、利用者数抽出部232と、混雑度算出部233と、混雑情報生成部234-1と、混雑傾向判定部235とを備える。
【0062】
混雑傾向判定部235は、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設情報が示す施設における、傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。混雑傾向判定部235は、傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定する。混雑傾向は、混雑度が増加しているか減少しているかを示してもよいし、混雑度が増加又は減少している度合いを示してもよい。傾向判定期間は、上述した対象期間内に含まれる期間である。傾向判定期間は、予め定められた期間であってよい。例えば、傾向判定期間は、予め定められた対象期間内における最新の時刻から所定時間(例えば、30分)前までの期間であってもよく、混雑傾向判定部235が混雑傾向を判定する方法に応じて定められていてもよい。また、傾向判定期間は、例えば、提示要求に含まれる対象期間内における最新の時刻から所定時間前までの期間であってもよい。また、提示要求は、傾向判定期間を含んでいてもよい。
【0063】
具体的には、混雑傾向判定部235は、混雑状況記憶部22から傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数を抽出し、傾向判定期間において抽出された利用者数の混雑傾向を判定する。混雑傾向判定部235は、任意のアルゴリズムに基づいて利用者数の混雑傾向を判定する。
【0064】
例えば、混雑傾向判定部235は、最小二乗法を用いて混雑傾向を判定してもよい。このような構成において、混雑傾向判定部235は、最小二乗法により、時刻x及び利用者数yの分布における回帰直線y=ax+bを算出する。ここで、aは回帰直線の傾きであり、bは回帰直線の切片である。そして、混雑傾向判定部235は、傾きaに基づいて、利用者数の混雑傾向を判定する。一例では、混雑傾向判定部235は、傾きaが正の値である場合、混雑傾向が増加傾向であると判定し、傾きaが負の値である場合、混雑傾向が減少傾向であると判定し、傾きaが0である場合、混雑傾向が一定又は不明であると判定する。他の例では、混雑傾向判定部235は、傾きaが正の所定値以上である場合、混雑傾向が増加傾向であると判定し、傾きaが負の所定値未満である場合、混雑傾向が減少傾向であると判定し、傾きが負の所定値以上であり、正の所定値未満である場合、混雑傾向が一定又は不明であると判定する。さらに他の例では、混雑傾向判定部235は、混雑傾向が傾きaで示される数値であると判定してもよい。このような構成において、該数値が高いほど、混雑傾向が高いと認識される。
【0065】
混雑情報生成部234-1は、第1の実施形態の混雑情報生成部234と同様に、各時刻における混雑の程度を示す混雑情報を生成する。第2の実施形態において、混雑情報は、混雑傾向をさらに含む。具体的には、混雑情報生成部234-1は、各時刻における混雑度と、基準値に基づく値とを含み、混雑傾向をさらに含む混雑情報を生成する。
【0066】
ここで、混雑情報生成部234-1によって生成される混雑情報に含まれる混雑傾向は、矢印によって示されてもよい。
【0067】
一例では、混雑傾向が増加傾向である場合、混雑情報に含まれる混雑傾向は第1の方向の矢印によって示され、混雑傾向が減少傾向である場合、混雑情報に含まれる混雑傾向は第1の方向と反対方向の矢印によって示され、混雑傾向が一定又は不明である場合、混雑情報に含まれる混雑傾向は第1の方向に直交する第2の方向の矢印によって示されてもよい。ここで、第1の方向、第1の方向と反対方向、及び第2の方向は、例えば、表示部13に表示される画面を見る提示端末利用者にとっての上向き、下向き、及び横向きにそれぞれ相当する方向である。他の例では、混雑傾向は、該混雑傾向を示す数値が高いほど、第1の方向とのなす角度が小さい方向の矢印によって示されてもよい。
【0068】
なお、混雑傾向は、矢印で示されることに限られない。例えば、混雑傾向は、文字、図形、文字及び図形の色、並びに色の変化等の任意の形式を用いて示されてもよい。
【0069】
また、混雑情報生成部234-1は、図7に示すように、横軸を経過時間とし、縦軸を混雑度としたグラフを表示する混雑度表示エリアR1と、混雑傾向を表示する混雑傾向表示エリアR2を含む混雑情報を生成してもよい。図7に示す例では、混雑度表示エリアR1には、図2に例を示したグラフが表示されている。なお、混雑情報生成部234-1は、混雑度表示エリアR1と、混雑傾向表示エリアR2の一方のみを含む混雑情報を生成してもよい。
【0070】
<混雑情報処理装置の動作>
ここで、第2の実施形態に係る混雑情報処理装置2-1の動作について、図8を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る混雑情報処理装置2-1における動作の一例を示すフローチャートである。図8を参照して説明する混雑情報処理装置2-1における動作は第2の実施形態に係る混雑情報処理装置2-1の混雑情報処理方法に相当する。
【0071】
まず、混雑情報処理装置2-1は、ステップS21からステップS26までの処理を実行する。ステップS21からステップS26までの処理は、第1の実施形態のステップS11からステップS16までの処理と同じである。
【0072】
ステップS27において、混雑傾向判定部235が、混雑状況記憶部22から、提示要求に含まれる施設における、傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数を抽出する。
【0073】
ステップS28において、混雑傾向判定部235が、傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定する。
【0074】
ステップS29において、混雑情報生成部234-1が、利用者数、基準値、及び混雑傾向に基づいて、施設の混雑の程度を示す混雑情報を生成する。一例では、混雑情報生成部234-1は、混雑度算出部233によって算出された混雑度、及び混雑傾向判定部235によって判定された混雑傾向を含む混雑情報を生成する。
【0075】
ステップS30において、通信部24が、混雑情報を提示端末1に送信する。
【0076】
上述したように、第2の実施形態によれば、混雑情報処理装置2-1は、傾向判定期間内の時刻に対応する利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定する。これにより、提示端末利用者は、施設の混雑の程度の傾向を認識することができ、より確かな算術的根拠を伴って今後の混雑の状況の推移を予測することができる。
【0077】
なお、上述した第1の実施形態における第1の変形例及び第2の変形例を第2の実施形態に適用することも可能である。
【0078】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、混雑情報は棒グラフによって示されるが、これに限られない。例えば、混雑情報は、折れ線グラフ等の時系列の変化を表現可能な他のグラフ形式を用いて表示することができる。
【0079】
<プログラム>
上述した提示端末1及び混雑情報処理装置2として機能させるために、それぞれプログラム命令を実行可能なコンピュータ102を用いることも可能である。図9は、提示端末1及び混雑情報処理装置2としてそれぞれ機能するコンピュータ102の概略構成を示すブロック図である。ここで、コンピュータ102は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0080】
図9に示すように、コンピュータ102は、プロセッサ110と、ROM(Read Only Memory)120と、RAM(Random Access Memory)130と、ストレージ140と、入力部150と、出力部160と、通信インターフェース(I/F)170と、を備える。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ110は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。
【0081】
プロセッサ110は、各構成の制御、及び各種の演算処理を実行する。すなわち、プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140からプログラムを読み出し、RAM130を作業領域としてプログラムを実行する。プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM120又はストレージ140に、本開示に係るプログラムが格納されている。
【0082】
プログラムは、コンピュータ102が読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このような記憶媒体を用いれば、プログラムをコンピュータ102にインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記憶された記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体であってもよい。非一時的記憶媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0083】
ROM120は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM130は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ140は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0084】
入力部150は、ユーザの入力操作を受け付けて、ユーザの操作に基づく情報を取得する1つ以上の入力インターフェースを含む。例えば、入力部150は、ポインティングデバイス、キーボード、マウスなどであるが、これらに限定されない。
【0085】
出力部160は、情報を出力する1つ以上の出力インターフェースを含む。例えば、出力部160は、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカであるが、これらに限定されない。なお、出力部160は、タッチパネル方式のディスプレイである場合には、入力部150としても機能する。
【0086】
通信インターフェース170は、外部の装置と通信するためのインターフェースである。
【0087】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0088】
(付記項1)
施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得する利用者数取得部と、制御部と、混雑状況記憶部と、提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信する通信部と、を備え、
前記混雑状況記憶部は、前記施設ごとに、前記利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、
前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出し、
前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、
前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成する、混雑情報処理装置。
(付記項2)
前記制御部は、前記基準値、及び前記対象期間内の時刻に対応する前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の程度を示す混雑度を算出し、
前記混雑情報は、前記混雑度を含む、付記項1に記載の情報処理装置。
(付記項3)
前記混雑情報は、前記混雑度とともに前記基準値に基づく値を示すグラフで示される、付記項2に記載の情報処理装置。
(付記項4)
前記制御部は、前記混雑状況記憶部から、前記施設における、傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記傾向判定期間内の時刻に対応する前記利用者数の時間変化を示す混雑傾向を判定し、
前記混雑情報は、前記混雑傾向をさらに含む、付記項1から3のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置。
(付記項5)
前記利用者数は、入場者数及び退場者数を含み、
前記制御部は、前記入場者数及び前記退場者数に基づいて、前記混雑情報を生成する、付記項1から4のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置。
(付記項6)
前記提示要求は、前記対象期間をさらに含み、
前記制御部は、前記提示端末から受信された前記提示要求に含まれる前記対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出する、付記項1から5のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置。
(付記項7)
施設に位置すると推定される利用者の人数である利用者数を取得するステップと、
前記施設ごとに、利用者数と、該利用者数が取得された時刻とを対応付けて混雑状況記憶部に記憶させるステップと、
提示端末から施設を示す施設情報を含む提示要求を受信するステップと、
前記混雑状況記憶部から、前記施設情報が示す施設における、基準値算出期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出し、前記利用者数に基づいて、前記施設における混雑の基準となる基準値を算出するステップと、
前記混雑状況記憶部から、前記施設における、対象期間内の時刻に対応する前記利用者数を抽出するステップと、
前記利用者数と前記基準値とに基づいて、前記施設の混雑の程度に関する混雑情報を生成するステップと、
を含む混雑情報処理方法。
(付記項8)
コンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、前記コンピュータを付記項1から6のいずれか一項に記載の混雑情報処理装置として機能させる、プログラムを記憶した非一時的記憶媒体。
【0089】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0090】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 提示端末
2、2-1 混雑情報処理装置
11 入力部
12 通信部
13 表示部
21 利用者数取得部
22 混雑状況記憶部
23、23-1 制御部
231 基準値算出部
232 利用者数抽出部
233 混雑度算出部
234、234-1 混雑情報生成部
235 混雑傾向判定部
100、101 混雑情報処理システム
102 コンピュータ
110 プロセッサ
120 ROM
130 RAM
140 ストレージ
150 入力部
160 出力部
170 通信インターフェース
180 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9