(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】光通信経路開通方法及び管理制御装置
(51)【国際特許分類】
H04L 49/112 20220101AFI20241127BHJP
【FI】
H04L49/112
(21)【出願番号】P 2023559370
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 JP2021041838
(87)【国際公開番号】W WO2023084763
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 慎
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】金井 拓也
(72)【発明者】
【氏名】可児 淳一
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-288993(JP,A)
【文献】特表2017-521981(JP,A)
【文献】特開2010-16632(JP,A)
【文献】特開2013-32988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新たに接続される少なくとも1台の加入者装置と、1台以上の光スイッチとの間を複数の光伝送路で接続し、上りの光信号と下りの光信号とをそれぞれ異なる光伝送路で伝送する2芯伝送を行う光通信システムにおける光通信経路開通方法であって、
前記1台以上の光スイッチは、複数の第1ポート及び複数の第2ポートを有し、
管理制御装置は、前記1台の加入者装置の送信ポートと接続される前記1台以上の光スイッチの送信ポート接続第1ポートとグルーピングされている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替え、
前記管理制御装置は、接続の切り替えを行う度に前記1つの第2ポートに対して応答要求信号を送信し、
前記管理制御装置は、前記応答要求信号に対する応答信号の受信に応じて、前記1台の加入者装置の受信ポートと接続している受信ポート接続第1ポートを特定し、
前記管理制御装置は、前記送信ポート接続第1ポートに入力される光信号が通信相手となる他の加入者装置の受信ポートが接続されている光伝送路に到達し、かつ、前記他の加入者装置の送信ポートから送信された光信号が前記受信ポート接続第1ポートに到達するように前記1台以上の光スイッチのポート間の接続関係を設定する、
光通信経路開通方法。
【請求項2】
前記送信ポート接続第1ポートを有する光スイッチには、第1ポートに対応付けて、光スイッチに入力された光信号を検出する光検出部が設けられ、
前記管理制御装置は、前記光検出部の検出結果に基づいて前記送信ポート接続第1ポートを特定する、
請求項1に記載の光通信経路開通方法。
【請求項3】
前記管理制御装置は、前記管理制御装置の受信ポートが接続している前記1台以上の光スイッチの第2ポートと、特定した前記送信ポート接続第1ポートとを接続するように前記1台以上の光スイッチのポート間の接続関係を切り替えることによって、前記応答信号を受信する、
請求項1又は2に記載の光通信経路開通方法。
【請求項4】
前記管理制御装置は、前記管理制御装置の受信ポートが接続している前記1台以上の光スイッチの第2ポート以外の第2ポートと、前記他の第1ポートとを順次接続するように接続を切り替える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の光通信経路開通方法。
【請求項5】
前記1台以上の光スイッチが、1台の光スイッチである場合、
前記1台の光スイッチが有する複数の第1ポートそれぞれに接続される光伝送路は、1つの光ケーブルに収容され、
前記管理制御装置は、1つの光ケーブルに収容されている光伝送路のうち、前記送信ポート接続第1ポートに接続されている光伝送路を除く光伝送路が接続されている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の光通信経路開通方法。
【請求項6】
前記1台以上の光スイッチが、第1の光スイッチと第2の光スイッチである場合、
前記第1の光スイッチが有する複数の第1ポートそれぞれに接続される光伝送路の少なくとも一部と、前記第2の光スイッチが有する複数の第1ポートそれぞれに接続される光伝送路の少なくとも一部とは、1つの光ケーブルに収容され、
前記管理制御装置は、1つの光ケーブルに収容されている光伝送路のうち、前記送信ポート接続第1ポートに接続されている光伝送路を除く光伝送路が接続されている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の光通信経路開通方法。
【請求項7】
前記1台以上の光スイッチが、第1の光スイッチと第2の光スイッチである場合、
前記第1の光スイッチが有する複数の第1ポートそれぞれに接続される光伝送路の少なくとも一部は第1の光ケーブルに収容され、前記第2の光スイッチが有する複数の第1ポートそれぞれに接続される光伝送路の少なくとも一部は第2の光ケーブルに収容され、
前記管理制御装置は、前記第2の光ケーブルに収容されている光伝送路のうち、前記送信ポート接続第1ポートに接続されている光伝送路を除く光伝送路が接続されている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の光通信経路開通方法。
【請求項8】
新たに接続される少なくとも1台の加入者装置と、1台以上の光スイッチとの間を複数の光伝送路で接続し、上りの光信号と下りの光信号とをそれぞれ異なる光伝送路で伝送する2芯伝送を行う光通信システムに備えられる管理制御装置であって、
前記1台以上の光スイッチは、複数の第1ポート及び複数の第2ポートを有し、
前記1台の加入者装置の送信ポートと接続される前記1台以上の光スイッチの送信ポート接続第1ポートとグルーピングされている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替える光スイッチ制御部と、
接続の切り替えを行う度に前記1つの第2ポートに対して応答要求信号を送信する加入者装置管理制御部と、
を備え、
前記加入者装置管理制御部は、前記応答要求信号に対する応答信号の受信に応じて、前記1台の加入者装置の受信ポートと接続している受信ポート接続第1ポートを特定し、
前記光スイッチ制御部は、前記送信ポート接続第1ポートに入力される光信号が通信相手となる他の加入者装置の受信ポートが接続されている光伝送路に到達し、かつ、前記他の加入者装置の送信ポートから送信された光信号が前記受信ポート接続第1ポートに到達するように前記1台以上の光スイッチのポート間の接続関係を設定する、
管理制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信経路開通方法及び管理制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光通信システムでは、加入者装置は、通信を行うために通信相手となる加入者装置と接続するための光パスを開通する必要がある。
図12及び
図13は、従来の光通信システム100における光パスの開通方法を説明するための図である。
図12に示すように、従来の光通信システム100は、複数の加入者装置200-1~200-3と、複数の加入者装置300-1~300-3と、複数の制御部400-1~400-2と、複数の光SW500-1~500-2とを備える。
【0003】
なお、加入者装置200-1は、光SW500-1に接続されておらず、加入者装置200-2~200-3は、光伝送路を介して光SW500-1に接続され、加入者装置300-1~300-3は、光伝送路を介して光SW500-2に接続されているものとする。光SW500-1と光SW500-2とは、光伝送路で構成される光通信NW600を介して接続される。制御部400-1は、加入者装置200の管理を行うとともに、光SW500-1の動作を制御する。制御部400-2は、加入者装置300の管理を行うとともに、光SW500-2の動作を制御する。
【0004】
ユーザが、加入者装置200-1を介して通信を開始しようとした際に、新たに加入者装置200-1が光SW500-1に接続されたとする。加入者装置200-1の初期接続時は、加入者装置200-1が加入者装置管理制御部420と通信するように、光SW制御部410が光SW500-1のポート間の接続を設定する。これにより、加入者装置200-1と加入者装置管理制御部420との間で加入者装置200-1の登録及び認証に必要な情報のやりとりを行ったり、加入者装置管理制御部420から加入者装置200-1に対して、送受信に用いる発光波長を指示することができる。加入者装置の管理及び制御のための信号として、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)と呼ばれる制御信号を用いることができる。AMCC信号には、例えば、光送受信器の送受信波長、送信光強度、温度などを示す状態情報が含まれる。
【0005】
加入者装置200-1の登録及び認証や波長設定等が完了すると、光SW制御部410は、加入者装置200-1から送信される光信号が通信相手となる加入者装置300(例えば、加入者装置300-1)へ転送されるように、光SW500-1のポート間接続の設定を変更する。同様に、制御部400-2は、加入者装置200-1から送信される光信号が通信相手となる加入者装置300(例えば、加入者装置300-1)へ転送されるように、光SW500-2のポート間接続の設定を変更する。これにより、
図13に示すように加入者装置200-1と加入者装置300-1とを接続する光パスを開通することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】金井拓也 本田一暁 田中康就 金子慎 原一貴 可児淳一 吉田智暁, “All-Photonics Networkを支えるPhotonic Gateway,” 信学会総合大会, B-8-20, 2021年3月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12及び
図13に示す構成は、各加入者装置200と光SW500-1との間が1本の光伝送路で接続され、各加入者装置200から光SW500-1へ向かう上りの光信号と、光SW500-1から加入者装置200へ向かう下りの光信号が1本の光伝送路内で波長多重される1芯双方向伝送の構成である。これに対して、
図14に示すように、加入者装置と光SWとの間を2本の光伝送路で接続し、上りの光信号と下りの光信号をそれぞれ異なる光伝送路で伝送する2芯伝送のネットワーク構成をとる場合がある。
【0008】
例えば加入者装置用の光トランシーバとして、コヒーレントトランシーバを用いる場合がこれにあたる。コヒーレントトランシーバは、光強度が強い局発光を、入力される光信号と干渉させてビート成分を信号成分として取り出すことにより高い受信感度を得る。送出する光信号用の光源からの出力光の一部を局発光として用いることにより局発光源が不要化となり光トランシーバの経済化を図れるため、多くの市販品でこの光トランシーバ構成がとられている。
【0009】
コヒーレントトランシーバを用いて1芯双方向伝送を行うと、光伝送路中の反射などにより光トランシーバに戻ってくる上りの光信号と局発光とのビート成分が大きな雑音成分となり下り信号受信特性が大幅に劣化する。そのため、コヒーレントトランシーバを用いる場合、2芯伝送のネットワーク構成をとる必要がある。
【0010】
図14は、2芯伝送を行う光通信システム100aの構成を示す図である。
図14に示すように、光通信システム100aは、加入者装置200aと、加入者装置300と、複数の制御部400-1~400-2と、複数の光SW500-1~500-2とを備える。なお、加入者装置200aは、光SW500-1に接続されておらず、加入者装置300は、光伝送路を介して光SW500-2に接続されているものとする。
【0011】
ユーザが、加入者装置200aを介して通信を開始しようとした際に、新たに加入者装置200aが光SW500-1に接続されたとする。この場合、制御部400-1は、光SW500-1が加入者装置200aから送信された光信号を通信相手となる加入者装置300aへ転送し、かつ、通信相手となる加入者装置300aから送信された光信号を加入者装置200aへ転送するように、加入者装置(例えば、加入者装置200a)と光伝送路を介して接続される光SW(例えば、光SW500-1)の2個のポートをペアとして認識する必要がある。
【0012】
制御部400-2は、光SW500-2が加入者装置200aから送信された光信号を通信相手となる加入者装置300aへ転送し、かつ、通信相手となる加入者装置300aから送信された光信号を加入者装置200aへ転送するように、加入者装置(例えば、加入者装置300a)と光伝送路を介して接続される光SW(例えば、光SW500-2)の2個のポートをペアとして認識する必要がある。
【0013】
図14に示す構成では、光SW500-1の第1ポート510-1と第1ポート510-2とが、加入者装置200aと光伝送路を介して接続される2個のポートであり、光SW500-2の第2ポート520-1と第2ポート520-3とが、加入者装置300aと光伝送路を介して接続される2個のポートであることを示している。一般的に、光通信ネットワークでは、ある程度の面積のエリア内に点在する複数の加入者装置を効率的に収容するために、通信事業者ビルからそのエリアまで複数の光伝送路を束ねた光ケーブルを敷設し、加入者宅近くの例えば電柱上からその加入者宅内の加入者装置を収容するために用いる光伝送路を引き込んでくるネットワーク構成となっている。
【0014】
2芯伝送のネットワーク構成をとる場合、2本の光伝送路を加入者宅に引き込んでくる必要がある。この時、光ケーブルに束ねられた複数の光伝送路の中から加入者宅に引き込んだ2本の光伝送路がそれぞれ光SW500又は光SW600のどのポートに接続されているか分からない。この場合、新たに接続された加入者装置(例えば、加入者装置200a)と2本の光伝送路で接続される光SW(例えば、光SW500-1)の2個のポートを制御部(例えば、制御部400-1)がペアとして認識することができない。その結果、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することができないという問題があった。
【0015】
上記事情に鑑み、本発明は、2芯伝送を行う光通信システムにおいて、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、新たに接続される少なくとも1台の加入者装置と、1台以上の光スイッチとの間を複数の光伝送路で接続し、上りの光信号と下りの光信号とをそれぞれ異なる光伝送路で伝送する2芯伝送を行う光通信システムにおける光通信経路開通方法であって、前記1台以上の光スイッチは、複数の第1ポート及び複数の第2ポートを有し、管理制御装置は、前記1台の加入者装置の送信ポートと接続される前記1台以上の光スイッチの送信ポート接続第1ポートとグルーピングされている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替え、前記管理制御装置は、接続の切り替えを行う度に前記1つの第2ポートを介して応答要求信号を送信し、前記管理制御装置は、前記応答要求信号に対する応答信号の受信に応じて、前記1台の加入者装置の受信ポートと接続している受信ポート接続第1ポートを特定し、前記管理制御装置は、前記送信ポート接続第1ポートに入力される光信号が通信相手となる他の加入者装置の受信ポートが接続されている光伝送路に到達し、かつ、前記他の加入者装置の送信ポートから送信された光信号が前記受信ポート接続第1ポートに到達するように前記1台以上の光スイッチのポート間の接続関係を設定する、光通信経路開通方法である。
【0017】
本発明の一態様は、新たに接続される少なくとも1台の加入者装置と、1台以上の光スイッチとの間を複数の光伝送路で接続し、上りの光信号と下りの光信号とをそれぞれ異なる光伝送路で伝送する2芯伝送を行う光通信システムに備えられる管理制御装置であって、前記1台以上の光スイッチは、複数の第1ポート及び複数の第2ポートを有し、前記1台の加入者装置の送信ポートと接続される前記1台以上の光スイッチの送信ポート接続第1ポートとグルーピングされている他の第1ポートを、応答要求信号が入力される1つの第2ポートと順次接続するように接続を切り替える光スイッチ制御部と、接続の切り替えを行う度に前記1つの第2ポートを介して応答要求信号を送信する加入者装置管理制御部と、を備え、前記加入者装置管理制御部は、前記応答要求信号に対する応答信号の受信に応じて、前記1台の加入者装置の受信ポートと接続している受信ポート接続第1ポートを特定し、前記光スイッチ制御部は、前記送信ポート接続第1ポートに入力される光信号が通信相手となる他の加入者装置の受信ポートが接続されている光伝送路に到達し、かつ、前記他の加入者装置の送信ポートから送信された光信号が前記受信ポート接続第1ポートに到達するように前記1台以上の光スイッチのポート間の接続関係を設定する、管理制御装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、2芯伝送を行う光通信システムにおいて、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態における光通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における光SWのポートのペアリングの処理を説明するための図である。
【
図3】第1の実施形態における光通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図4】第1の実施形態における光通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】第1の実施形態において加入者装置間が通信可能に接続された状態を示す図である。
【
図6】第2の実施形態における光通信システムの構成例を示す図である。
【
図7】第2の実施形態における各光SWの各ポートのペアリングの処理を説明するための図である。
【
図8】第2の実施形態における光通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】第2の実施形態における光通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図10】第3の実施形態における光通信システムの構成例を示す図である。
【
図11】第3の実施形態における各光SWの各ポートのペアリングの処理を説明するための図である。
【
図12】従来の光通信システムにおける光パスの開通方法を説明するための図である。
【
図13】従来の光通信システムにおける光パスの開通方法を説明するための図である。
【
図14】2芯伝送を行う光通信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における光通信システム1の構成例を示す図である。光通信システム1は、1以上の加入者装置10と、1以上の加入者装置15と、管理制御装置20と、1以上の光SW30とを備える。光通信システム1では、加入者装置10と加入者装置15との間の通信において、送信と受信で異なる光伝送路を用いる2芯伝送を行うものとする。光伝送路は、例えば光ファイバである。
【0021】
図1では、光通信システム1が、加入者装置10、加入者装置15及び光SW30をそれぞれ1台備える構成を示しているが、加入者装置10、加入者装置15及び光SW30は、複数台備えられてもよい。例えば、
図12と同様に、加入者装置15と光SW30と間に、新たな光SWが備えられてもよい。
【0022】
加入者装置10と光SW30との間には光ケーブル40が設けられ、加入者装置15と光SW30との間には光ケーブル45が設けられる。光ケーブル40は、複数の光伝送路41を収容しており、光ケーブル45は、複数の光伝送路46を収容している。
図1では、一例として、加入者装置10が、光伝送路41-1及び41-2の2つの光伝送路を用いて通信を行う構成を示し、加入者装置15が、光伝送路46-3及び46-4の2つの光伝送路を用いて通信を行う構成を示している。さらに、
図1では、一例として、管理制御装置20が、光伝送路46-1及び46-2の2つの光伝送路を介して光SW30に接続されている構成を示している。
【0023】
加入者装置10は、光トランシーバを備える。光トランシーバは、例えばコヒーレントトランシーバである。加入者装置10は、光トランシーバにより送信ポート11及び光伝送路41-1を介して光信号を送信し、光伝送路41-2及び受信ポート12を介して光信号を受信する。以下の説明では、加入者装置10が、光SW30に新たに接続される加入者装置であるとする。
【0024】
加入者装置15は、加入者装置10と通信を行う装置である。加入者装置15は、光トランシーバを備える。加入者装置15は、光トランシーバにより受信ポート16を介して光信号を受信し、送信ポート17を介して光信号を送信する。
【0025】
光SW30は、M(Mは2以上の整数)個のポート31と、N(Nは2以上の整数)個のポート32と、M個の光検出部33とを有する。第1の実施形態では、M及びNの数は4として説明する。光SW30のあるポートに入力された光信号は、他のポートから出力される。例えば、光SW30のポート31に入力された光信号は、ポート32から出力される。ポート31は、第1ポートの一態様であり、ポート32は、第2ポートの一態様である。
【0026】
光SW30の各ポート31には、光伝送路41が接続される。例えば、光SW30のポート31-1には、光伝送路41-1が接続され、光SW30のポート31-2には、光伝送路41-2が接続される。
【0027】
光SW30の各ポート32には、光伝送路46が接続される。例えば、光SW30のポート32-1には、光伝送路46-1が接続され、光SW30のポート32-2には、光伝送路42-2が接続される。
【0028】
光検出部33-m(1≦m≦M)は、ポート31-mに対応付けて設けられる。光検出部33-mは、ポート31-mに入力された光信号を検出する。光検出部33-mは、光信号を検出した場合、光信号を検出したことを管理制御装置20に通知する。光検出部33-mから管理制御装置20への通知は、管理制御装置20と光SW30とを接続する電気線を介して行われてもよい。
【0029】
なお、
図1では、加入者装置10が新たに接続される加入者装置であるため、加入者装置10の送信ポート11が接続されるポートであるポート31-mに対してのみ光検出部33-mが設けられるように説明しているが、他の加入者装置(例えば、加入者装置15)がポート32-n(1≦n≦N)に対して接続される場合には他の加入者装置の送信ポートが接続されるポートであるポート32-nにも光検出部33-nが設けられてもよい。
【0030】
管理制御装置20は、少なくとも加入者装置10及び15の制御と、光SW30の制御とを行う。ここで加入者装置10及び15の制御とは、例えば加入者装置10及び15に対する発光波長の割り当て、光停止指示及び波長変更の指示等である。光SW30の制御とは、例えば光SW30のポート間の接続切替等である。管理制御装置20は、光SW制御部21と、加入者装置管理制御部22と、記憶部23とを備える。
【0031】
光SW制御部21は、光SW30のポート間の接続の設定及び切り替えを行う。
【0032】
加入者装置管理制御部22は、光SW30に新たに加入者装置が接続された場合に、新たに光SW30に接続された加入者装置が、光SW30のどのポートに接続されているのかを特定し、波長割り当て等の光パスの開通の処理を行う。管理制御装置20は、光SW30を介して光信号をやり取りするための送信ポートと受信ポートとを備える。例えば、管理制御装置20の受信ポートは、光伝送路46-1を介して光SW30に接続され、管理制御装置20の送信ポートは、光伝送路46-2を介して光SW30に接続される。光SW制御部21及び加入者装置管理制御部22の機能は、1以上のプロセッサがプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0033】
記憶部23には、加入者情報と、グルーピング情報と、光検出部設置情報とが記憶されている。加入者情報は、加入者装置10及び15に関する情報である。加入者情報は、例えば加入者装置10及び15の送信ポート及び受信ポートのそれぞれが光SW30のどのポートに接続されているのかを示す情報や、加入者装置10及び15に割り当てた波長の情報を含む。グルーピング情報は、同じグループに属するポートを識別するための情報である。グルーピング情報には、例えば、同じグループに属するポートの識別情報がグループ毎にまとめて含まれている。
【0034】
第1の実施形態では、グルーピング情報には、光ケーブル40に収容されている光伝送路41が接続されている光SW30のポート31(例えば、ポート31-1~31-4)を1つのグループとし、光ケーブル45に収容されている光伝送路46が接続されている光SW30のポート32(例えば、ポート32-1~32-4)を1つのグループとすることが定められているものとする。光検出部設置情報は、光検出部33-mが設置されているポート31の情報を表す。
【0035】
上述したように、光通信ネットワークでは、ある程度の面積のエリア内に点在する複数の加入者装置を効率的に収容するために、通信事業者ビルからそのエリアまで複数の光伝送路を収容した光ケーブルを敷設している。第1の実施形態では、1つの光ケーブルに収容された複数の光伝送路が、グルーピングされた光伝送路に相当する。そして、1つの光ケーブルに収容された複数の光伝送路それぞれは、光SW30のポート31又はポート32に接続されている。そのため、光通信システムの管理者が、1つの光ケーブルに収容された複数の光伝送路のうち、グルーピングされた光伝送路が接続された光SW30のポート31又はポート32を1つのグループとし、その情報をグルーピング情報として記憶部23に記憶させておけばよい。
【0036】
次に、第1の実施形態における管理制御装置20が、新たに接続された加入者装置(例えば、加入者装置10)と2本の光伝送路で接続される光SW30の2個のポートをペアリングする手法について
図1及び
図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態における光SW30のポートのペアリングの処理を説明するための図である。ここで、加入者装置10の送信ポート11が光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に接続され、加入者装置10の受信ポート12が光伝送路41-2を介して光SW30のポート31-2に接続されたとする。
【0037】
加入者装置10は、光信号を光SW30に送信する。光SW30の光検出部33-1は、加入者装置10から送信された光信号が光SW30に入力されることで、光SW30への新たな光信号の入力を検出することができる。この段階では光信号にはデータが含まれなくてもよい。そして、光検出部33-1から管理制御装置20へ検出結果が通知されることで、管理制御装置20は、光信号の入力を検出した光検出部33-1に対応付けられているポート31-1が、新たに接続された加入者装置10の送信ポート11と接続していることを認識することができる。
【0038】
管理制御装置20は、光信号の入力を検出した光検出部33-1に対応付けられているポート31-1が、加入者装置管理制御部22の受信ポートと接続するように、光SW30のポート31とポート32との接続関係を設定する。例えば、
図1に示すように、管理制御装置20は、光SW30のポート31-1とポート32-1とを接続するように設定することで、加入者装置10から送信された光信号を管理制御装置20に伝送させることができる。ここまでが、加入者装置10の送信ポート11に関する処理である。
【0039】
次に、管理制御装置20は、記憶部23に記憶されているグルーピング情報を参照し、光信号の入力を検出した光検出部33-1に対応付けられているポート31-1とグルーピングされている他のポート31を特定する。管理制御装置20の光SW制御部21は、特定した他のポートが、管理制御装置20の送信ポートと順次接続するように、光SW30のポート31とポート32との接続関係を切り替える。
図2に示す例では、ポート31-1とグルーピングされている他のポート31は、ポート31-2~31-4である。
【0040】
管理制御装置20の送信ポートと、他のポート31とがポート32を介して接続される度、加入者装置管理制御部22は送信ポート及び光伝送路46-2を介して応答要求信号を送出する。応答要求信号は、信号を受信した加入者装置10に対して、応答の送信を要求するための信号である。加入者装置10は、管理制御装置20から送信された応答要求信号を受信した場合、応答信号を送信ポート11から送信する。
【0041】
管理制御装置20は、他のポート31-mを介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12が他のポート31-mと接続していることを認識することができる。例えば、管理制御装置20が、ポート31-2を介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12がポート31-2と接続していることを認識することができる。
【0042】
以上の手順により、管理制御装置20は、新たに接続された加入者装置10の送信ポート11及び受信ポート12それぞれが接続する光SW30のポート31を認識することができる。管理制御装置20は、認識した2個の光SW30のポート31の組み合わせに関する情報を保持する。以上で、管理制御装置20が、新たに接続された加入者装置(例えば、加入者装置10)と2本の光伝送路で接続される光SW30の2個のポートをペアリングする手法についての説明を終了する。
【0043】
図3及び
図4は、第1の実施形態における光通信システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
図3及び
図4の処理開始時には、加入者装置10が、光SW30に接続されていないものとする。
ユーザが、加入者装置10の送信ポート11と光伝送路41-1とを接続し、加入者装置10の受信ポート12と光伝送路41-2とを接続したとする。これにより、加入者装置10は、光伝送路41を介して光SW30に接続される(ステップS101)。加入者装置10は、送信ポート11から光信号を光伝送路41-1に送信する(ステップS102)。加入者装置10から送信された光信号は、光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に入力される。
【0044】
光SW30の光検出部33-1は、ポート31-1に入力された光信号を検出する(ステップS103)。光検出部33-1は、光信号を検出したことを示す検出結果を管理制御装置20に送信する(ステップS104)。管理制御装置20の光SW制御部21は、光検出部33-1から送信された検出結果を取得する。光SW制御部21は、記憶部23に記憶されている光検出部設置情報を参照し、検出結果を通知した光検出部33-1が設置されているポート31(例えば、ポート31-1)を特定する。これにより、光SW制御部21は、加入者装置10の送信ポート11が、光SW30のポート31-1に接続されていることを認識する。
【0045】
光SW制御部21は、光SW30のポート間の接続関係を設定する(ステップS105)。具体的には、光SW制御部21は、加入者装置10の送信ポート11が接続しているポート31-1と、管理制御装置20の受信ポートが接続しているポート32-1とを接続するように、光SW30の接続関係を設定する。光SW制御部21は、ポート31-1と、ポート32-1とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21は、生成した制御信号を光SW30に送信する(ステップS106)。
【0046】
光SW30は、管理制御装置20から送信された制御信号に基づいて、ポート間の接続関係を設定する(ステップS107)。これにより、光SW30のポート31-1と、ポート32-1とが接続される。その結果、加入者装置10から送信された光信号が、管理制御装置20の受信ポートに伝送されることになる。
【0047】
次に、光SW制御部21は、記憶部23に記憶されているグルーピング情報を参照し、光信号が入力されたポート31-1とグルーピングされている他のポート31を特定する。例えば、光SW制御部21は、他のポート31として、ポート31-2~31-4を特定する。光SW制御部21は、特定したポート31-2~31-4のうち、1つのポート31を選択する。例えば、光SW制御部21は、ポート31-3を選択する。なお、光SW制御部21が、ポート31を選択する順番はどのような順番であってもよい。
【0048】
光SW制御部21は、選択したポート31-3に基づいて、光SW30のポート間の接続関係を設定する(ステップS108)。具体的には、光SW制御部21は、選択したポート31-3と、管理制御装置20の送信ポートが接続しているポート32-2とを接続するように、光SW30の接続関係を設定する。光SW制御部21は、ポート31-3と、ポート32-2とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21は、生成した制御信号を光SW30に送信する(ステップS109)。
【0049】
光SW30は、管理制御装置20から送信された制御信号に基づいて、ポート間の接続関係を設定する(ステップS110)。これにより、光SW30のポート31-3と、ポート32-2とが接続される。加入者装置管理制御部22は、管理制御装置20が接続しているポート32-2と、いずれかのポート31との接続が完了したことを契機に応答要求信号を生成する。加入者装置管理制御部22は、生成した応答要求信号を送信ポート及び光伝送路46-2を介して送信する(ステップS111)。
【0050】
管理制御装置20から送信された応答要求信号は、光SW30のポート32-2に入力される。光SW30により、ポート32-2に入力された応答要求信号は、ポート32-2に接続されているポート31-3から出力される。しかしながら、ポート31-3には、加入者装置10が接続されていないため、ポート31-3から出力された応答要求信号は加入者装置10に転送されない。
【0051】
加入者装置管理制御部22は、応答要求信号を送信した時点から、所定の期間の間、応答を待つために待機する(ステップS112)。加入者装置管理制御部22は、所定の期間の間に応答要求信号に対する応答が得られた場合には、ステップS121の処理を実行し、所定の期間の間に応答要求信号に対する応答が得られなかった場合には、ステップS113の処理を実行する。ここでは、応答が得られていないものとする。加入者装置管理制御部22は、応答要求信号に対する応答なしと判定する(ステップS113)。
【0052】
応答要求信号に対する応答が得られなかった場合、加入者装置管理制御部22は応答が得られなかった旨を光SW制御部21に通知する。光SW制御部21は、応答が得られなかった旨の通知が加入者装置管理制御部22から得られた場合、再度光SW30のポート間の接続関係を設定する(ステップS114)。この場合、光SW制御部21は、ステップS108の処理で特定したポート31-2~31-4のうち、既に選択したポート31を除いて1つのポート31を選択する。例えば、光SW制御部21は、ポート31-2を選択する。
【0053】
光SW制御部21は、選択したポート31-2と、管理制御装置20の送信ポートが接続しているポート32-2とを接続するように、光SW30の接続関係を設定する。光SW制御部21は、ポート31-2と、ポート32-2とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21は、生成した制御信号を光SW30に送信する(ステップS115)。
【0054】
光SW30は、管理制御装置20から送信された制御信号に基づいて、ポート間の接続関係を設定する(ステップS116)。これにより、光SW30のポート31-2と、ポート32-2とが接続される。加入者装置管理制御部22は、管理制御装置20の送信ポートが接続しているポート32-2と、いずれかのポート31との接続が完了したことを契機に応答要求信号を生成する。加入者装置管理制御部22は、生成した応答要求信号を送信ポート及び光伝送路46-2を介して送信する(ステップS117)。加入者装置管理制御部22は、ステップS112の処理と同様に、応答要求信号を送信した時点から、所定の期間の間、応答を待つために待機する。
【0055】
管理制御装置20から送信された応答要求信号は、光SW30のポート32-2に入力される。光SW30により、ポート32-2に入力された応答要求信号は、ポート32-2に接続されているポート31-2から出力される。ポート31-2には、加入者装置10が光伝送路41-2を介して接続されているため、ポート31-2から出力された応答要求信号は、光伝送路41-2を介して加入者装置10に転送される(ステップS118)。
【0056】
加入者装置10は、管理制御装置20から送信された応答要求信号を、受信ポート12で受信する。加入者装置10は、応答要求信号の受信に応じて、応答信号を生成する。加入者装置10は、生成した応答信号を送信ポート11から光伝送路41-1に送信する(ステップS119)。加入者装置10から送信された応答信号は、光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に入力される。
【0057】
光SW30のポート31-1は、ポート32-1に接続されているため、ポート31-1に入力された応答信号はポート32-1から出力される(ステップS120)。ポート32-1から出力された応答信号は、光伝送路46-1を介して管理制御装置20の受信ポートで受信される(ステップS121)。
【0058】
応答信号が、所定の期間の間に受信されたことにより、加入者装置管理制御部22は、加入者装置10の受信ポート12が、光SW30のポート31-2に接続されていることを認識する。加入者装置管理制御部22は、加入者装置10の送信ポート11が接続されている光SW30のポート31-1の情報と、加入者装置10の受信ポート12が接続されている光SW30のポート31-2の情報とを対応付けて記憶部23に保存する。この情報は、加入者情報として保存される。その後、加入者装置管理制御部22は、加入者装置10に対して送受信に用いる波長の割り当てを行う。
【0059】
光SW制御部21は、加入者情報を参照し、光SW30のポート間の接続関係を設定する(ステップS122)。具体的には、光SW制御部21は、加入者装置10の送信ポート11と接続するポート31-1に入力される光信号が通信相手となる加入者装置15の受信ポート16が接続する光SW30のポート32-3に到達し、かつ、加入者装置15の送信ポート17が接続する光SW30のポート32-4に入力される光信号が加入者装置10の受信ポート12と接続する光SW30のポート31-2に到達するように光SW30のポート間の接続関係を設定する。
【0060】
光SW制御部21は、ポート31-1とポート32-3とを接続させ、かつ、ポート31-2とポート32-4とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21は、生成した制御信号を光SW30に送信する(ステップS123)。光SW30は、管理制御装置20から送信された制御信号に基づいて、
図5に示すようにポート間の接続関係を設定する(ステップS124)。
【0061】
図5は、加入者装置10と加入者装置15とが通信可能に接続された状態を示す図である。ステップS124の処理により、
図5に示すように、光SW30のポート31-1とポート32-3とが接続され、かつ、ポート31-2とポート32-4とが接続される。その結果、加入者装置10と、加入者装置15との通信が可能になる。
【0062】
以上のように構成された光通信システム1によれば、2芯伝送を行う光通信システムにおいて、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することが可能になる。具体的には、光通信システム1では、管理制御装置20が、新たに接続される加入者装置10の送信ポート11と接続される光SW30のポート31-1とグルーピングされている他のポート31を、応答要求信号が入力されるポート32と順次接続するように接続を切り替える。さらに、管理制御装置20が、接続の切り替えを行う度に第2ポートに対して応答要求信号を送信し、応答要求信号に対する応答信号の受信に応じて、加入者装置10の受信ポート12と接続しているポート31-2を特定する。そして、管理制御装置20は、ポート31-1に入力される光信号が通信相手となる加入者装置15の受信ポート16が接続されている光伝送路(例えば、光伝送路46-3)に到達し、かつ、加入者装置15の送信ポート17から送信された光信号が、加入者装置10の受信ポート12に接続されているポート31-2に到達するように光SW30のポート間の接続関係を設定する。これにより、2芯伝送を行う光通信システムにおいて、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することが可能になる。
【0063】
さらに、光通信システム1では、新たに接続される加入者装置10の送信ポート11と接続される光SW30のポート31-1を有する光スイッチ30には、光SW30のポート31に対応付けて光検出部33が設けられる。管理制御装置20は、光検出部33の検出結果に基づいて、光SW30のどのポート31に、加入者装置10の送信ポート11が接続されたのかを特定することができる。
【0064】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、光SWが複数備えられ、新たに接続される加入者装置の送信ポートと受信ポートとが異なる光SWに接続され、複数の光SWに同一の光ケーブルに収容されている光伝送路が接続されている構成について説明する。
【0065】
図6は、第2の実施形態における光通信システム1aの構成例を示す図である。光通信システム1aは、1以上の加入者装置10と、1以上の加入者装置15と、管理制御装置20aと、光SW30及び光SW60とを備える。光通信システム1aでは、加入者装置10の送信ポート11と受信ポート12とが異なる光SWに接続されている点、加入者装置15の受信ポート16と送信ポート17とが異なる光SWに接続されている点及び管理制御装置20aの送信ポートと受信ポートとが異なる光SWに接続されている点が、
図1に示す構成と異なる点であり、ペアリングの手法は基本的には上述した手法と同様である。
【0066】
加入者装置10と光SW30との間、及び、加入者装置10と光SW60との間には光ケーブル40が設けられ、加入者装置15と光SW30との間、及び、加入者装置15と光SW60との間には光ケーブル45が設けられる。光ケーブル40は、複数の光伝送路41を収容しており、光ケーブル45は、複数の光伝送路46を収容している。このように、第2の実施形態では、光SW30及び光SW60には、同一の光ケーブル40又は同一の光ケーブル45に収容された光伝送路が接続される。
【0067】
光SW60は、P(Pは2以上の整数)個のポート61と、Q(Qは2以上の整数)個のポート62とを有する。
図6に示す例では、P及びQの数は4として説明する。光SW60のあるポートに入力された光信号は、他のポートから出力される。例えば、光SW60のポート61に入力された光信号は、ポート62から出力される。ポート61は、第1ポートの一態様であり、ポート62は、第2ポートの一態様である。
【0068】
図6では、一例として、以下の接続関係が示されている。加入者装置10の送信ポート11は、光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に接続され、加入者装置10の受信ポート12は、光伝送路41-6を介して光SW60のポート61-2に接続される。例えば、加入者装置15の受信ポート16は、光伝送路46-3を介して光SW30のポート32-3に接続され、加入者装置15の送信ポート17は、光伝送路46-6を介して光SW60のポート62-2に接続される。例えば、管理制御装置20の送信ポートは、光伝送路46-1を介して光SW30のポート32-1に接続され、管理制御装置20の受信ポートは、光伝送路46-5を介して光SW60のポート62-1に接続される。
【0069】
なお、
図6では、加入者装置10が新たに接続される加入者装置であるため、加入者装置10の送信ポート11が接続されるポートである光SW30のポート31-mに対してのみ光検出部33-mが設けられる構成を示しているが、加入者装置10の送信ポート11が接続されるポートが光SW60のポート61-p(1≦p≦P)に対して接続される場合には加入者装置10の送信ポート11が接続されるポートである光SW60のポート61-pにも光検出部33-pが設けられてもよい。
【0070】
管理制御装置20aは、光SW制御部21aと、加入者装置管理制御部22と、記憶部23aとを備える。光SW制御部21aは、光SW30及び60のポート間の接続の設定及び切り替えを行う。
【0071】
記憶部23aには、加入者情報と、グルーピング情報と、光検出部設置情報とが記憶されている。第2の実施形態では、グルーピング情報には、光ケーブル40に収容されている光伝送路41が接続されている光SW30のポート31(例えば、ポート31-1~31-4)及び光SW60のポート61(例えば、ポート61-1~61-2)を1つのグループとし、光ケーブル45に収容されている光伝送路46が接続されている光SW30のポート32(例えば、ポート32-1~32-4)及び光SW60のポート62(例えば、ポート62-1~62-2)を1つのグループとすることが定められているものとする。
【0072】
このように、第2の実施形態では、同一の光ケーブルに収容されている光伝送路の一部が異なる光SWのポートに接続されている場合であってもグルーピング情報の設定に応じて同じグループに分類することができる。なお、光SW60のポート61に、光ケーブル40に収容されていない光伝送路が接続されている場合には、光ケーブル40に収容されていない光伝送路が接続されているポート61は異なるグループとなる。
【0073】
次に、第2の実施形態における管理制御装置20aが、新たに接続された加入者装置(例えば、加入者装置10)と光伝送路で接続される光SW30及び光SW60それぞれのポートをペアリングする手法について
図6及び
図7を用いて説明する。なお、
図6及び
図7では、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図7は、第2の実施形態における光SW30及び光SW60の各ポートのペアリングの処理を説明するための図である。ここで、加入者装置10の送信ポート11が光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に接続され、加入者装置10の受信ポート12が光伝送路41-6を介して光SW60のポート61-2に接続されたとする。
【0074】
加入者装置10の送信ポート11に関する処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。管理制御装置20aは、記憶部23aに記憶されているグルーピング情報を参照し、光信号の入力を検出した光検出部33-1に対応付けられているポート31-1とグルーピングされている他のポートを特定する。管理制御装置20aの光SW制御部21aは、特定した他のポートが、管理制御装置20aの送信ポートと順次接続するように、光SW60のポート61と光SW60のポート62との接続関係を切り替える。
【0075】
図7に示す例では、ポート31-1とグルーピングされている他のポートは、光SW30のポート31-2~31-4と、光SW60のポート61-1~61-2である。ただし、管理制御装置20aの送信ポートは、光SW60のポート62-1に接続されているため、光SW30の接続関係を切り替える必要はない。そこで、管理制御装置20aは、管理制御装置20aの送信ポートと順次接続するように、光SW60のポート61と光SW60のポート62との接続関係を切り替える。
【0076】
管理制御装置20aの送信ポートと、他のポート61とがポート62を介して接続される度、加入者装置管理制御部22は送信ポート及び光伝送路46-5を介して応答要求信号を送出する。管理制御装置20aは、光SW60のポート61-pを介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12が光SW60のポート61-pと接続していることを認識することができる。例えば、管理制御装置20aが、光SW60のポート61-2を介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12が光SW60のポート61-2と接続していることを認識することができる。
【0077】
以上の手順により、管理制御装置20aは、新たに接続された加入者装置10の送信ポート11が接続する光SW30のポート31と、加入者装置10の受信ポート12が接続する光SW60のポート61とを認識することができる。管理制御装置20aは、認識した光SW30のポート31と光SW60のポート61との組み合わせに関する情報を保持する。
【0078】
図8及び
図9は、第2の実施形態における光通信システム1aの処理の流れを示すシーケンス図である。
図8及び
図9の処理開始時には、加入者装置10が、光SW30及び光SW60に接続されていないものとする。なお、
図8及び
図9において、
図3及び
図4に示す処理と同様の処理においては
図3及び
図4と同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
ステップS101からステップS107までの処理が実行されることにより、光SW30のポート31-1と、ポート32-1とが接続される。その結果、加入者装置10から送信された光信号が、管理制御装置20の受信ポートに伝送されることになる。
【0080】
次に、光SW制御部21aは、記憶部23aに記憶されているグルーピング情報を参照し、光信号が入力されたポート31-1とグルーピングされている他のポート31を特定する。例えば、光SW制御部21は、他のポート31として、ポート31-2~31-4と、光SW60のポート61-1~61-2とを特定する。光SW制御部21aは、特定したポート31-2~31-4と、光SW60のポート61-1~61-2のうち、1つのポート31又は61を選択する。
【0081】
ただし、管理制御装置20aの送信ポートは、光SW60のポート62に接続されているため、光SW制御部21aは光SW60のポート61-1~61-2のうち、1つのポート61を選択することになる。例えば、光SW制御部21aは、ポート61-1を選択する。
【0082】
光SW制御部21aは、選択したポート61-1に基づいて、光SW60のポート間の接続関係を設定する(ステップS201)。具体的には、光SW制御部21aは、選択したポート61-1と、管理制御装置20aの送信ポートが接続しているポート62-1とを接続するように、光SW60の接続関係を設定する。光SW制御部21aは、ポート61-1と、ポート62-1とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21aは、生成した制御信号を光SW60に送信する(ステップS202)。
【0083】
光SW60は、管理制御装置20aから送信された制御信号に基づいて、ポート間の接続関係を設定する(ステップS203)。これにより、光SW60のポート61-1と、ポート62-1とが接続される。加入者装置管理制御部22は、管理制御装置20の送信ポートが接続しているポート62-1と、いずれかのポート61との接続が完了したことを契機に応答要求信号を生成する。加入者装置管理制御部22は、生成した応答要求信号を送信ポート及び光伝送路46-5を介して送信する(ステップS204)。
【0084】
管理制御装置20aから送信された応答要求信号は、光SW60のポート62-1に入力される。光SW60により、ポート62-1に入力された応答要求信号は、ポート62-1に接続されているポート61-1から出力される。しかしながら、ポート61-1には、加入者装置10が接続されていないため、ポート61-1から出力された応答要求信号は加入者装置10に転送されない。
【0085】
加入者装置管理制御部22は、応答要求信号を送信した時点から、所定の期間の間、応答を待つために待機する(ステップS205)。加入者装置管理制御部22は、所定の期間の間に応答要求信号に対する応答が得られた場合には、ステップS214の処理を実行し、所定の期間の間に応答要求信号に対する応答が得られなかった場合には、ステップS206の処理を実行する。ここでは、応答が得られていないものとする。加入者装置管理制御部22は、応答要求信号に対する応答なしと判定する(ステップS206)。
【0086】
応答要求信号に対する応答が得られなかった場合、加入者装置管理制御部22は応答が得られなかった旨を光SW制御部21aに通知する。光SW制御部21aは、応答が得られなかった旨の通知が加入者装置管理制御部22から得られた場合、再度光SW60のポート間の接続関係を設定する(ステップS207)。この場合、光SW制御部21aは、ステップS201の処理で特定した光SW60のポート61-1~61-2のうち、既に選択したポート61を除いて1つのポート61を選択する。例えば、光SW制御部21aは、ポート61-2を選択する。
【0087】
光SW制御部21aは、選択したポート61-2と、管理制御装置20aの送信ポートが接続しているポート62-1とを接続するように、光SW60の接続関係を設定する。光SW制御部21aは、ポート61-2と、ポート62-1とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21aは、生成した制御信号を光SW60に送信する(ステップS208)。
【0088】
光SW60は、管理制御装置20aから送信された制御信号に基づいて、ポート間の接続関係を設定する(ステップS209)。これにより、光SW60のポート61-2と、ポート62-1とが接続される。加入者装置管理制御部22は、管理制御装置20aが接続しているポート62-1と、いずれかのポート61との接続が完了したことを契機に応答要求信号を生成する。加入者装置管理制御部22は、生成した応答要求信号を送信ポート及び光伝送路46-5を介して送信する(ステップS210)。加入者装置管理制御部22は、ステップS205の処理と同様に、応答要求信号を送信した時点から、所定の期間の間、応答を待つために待機する。
【0089】
管理制御装置20aから送信された応答要求信号は、光SW60のポート62-1に入力される。光SW60によりポート62-1に入力された応答要求信号は、ポート62-1に接続されているポート61-2から出力される。ポート61-2には、加入者装置10が光伝送路41-6を介して接続されているため、ポート61-2から出力された応答要求信号は、光伝送路41-6を介して加入者装置10に転送される(ステップS211)。
【0090】
加入者装置10は、管理制御装置20aから送信された応答要求信号を、受信ポート12で受信する。加入者装置10は、応答要求信号の受信に応じて、応答信号を生成する。加入者装置10は、生成した応答信号を送信ポート11から光伝送路41-1に送信する(ステップS212)。加入者装置10から送信された応答信号は、光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に入力される。
【0091】
光SW30のポート31-1は、ポート32-1に接続されているため、ポート31-1に入力された応答信号はポート32-1から出力される(ステップS213)。ポート32-1から出力された応答信号は、光伝送路46-1を介して管理制御装置20aの受信ポートで受信される(ステップS214)。
【0092】
応答信号が、所定の期間の間に受信されたことにより、加入者装置管理制御部22は、加入者装置10の受信ポート12が、光SW60のポート61-2に接続されていることを認識する。加入者装置管理制御部22は、加入者装置10の送信ポート11が接続されている光SW30のポート31-1の情報と、加入者装置10の受信ポート12が接続されている光SW60のポート61-2の情報とを対応付けて記憶部23aに保存する。この情報は、加入者情報として保存される。その後、加入者装置管理制御部22は、加入者装置10に対して送受信に用いる波長の割り当てを行う。
【0093】
光SW制御部21aは、加入者情報を参照し、光SW30及び光SW60のポート間の接続関係を設定する(ステップS215)。具体的には、光SW制御部21aは、加入者装置10の送信ポート11と接続するポート31-1に入力される光信号が通信相手となる加入者装置15の受信ポート16が接続する光SW30のポート32-3に到達し、かつ、加入者装置15の送信ポート17が接続する光SW60のポート62-2に入力される光信号が加入者装置10の受信ポート12と接続する光SW60のポート61-2に到達するように光SW30及び光SW60のポート間の接続関係を設定する。
【0094】
光SW制御部21aは、光SW30のポート31-1と光SW30のポート32-3とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21aは、生成した制御信号を光SW30に送信する(ステップS216)。光SW30は、管理制御装置20aから送信された制御信号に基づいて、ポート31-1とポート32-3とを接続するようにポート間の接続関係を設定する(ステップS217)。
【0095】
さらに、光SW制御部21aは、光SW60のポート61-2と光SW60のポート62-2とを接続させるための制御信号を生成する。光SW制御部21aは、生成した制御信号を光SW60に送信する(ステップS218)。光SW60は、管理制御装置20aから送信された制御信号に基づいて、ポート61-2とポート62-2とを接続するようにポート間の接続関係を設定する(ステップS219)。
【0096】
以上のように構成された光通信システム1aによれば、新たに接続される加入者装置(例えば、加入者装置10)の送信ポート11と受信ポート12とが異なる光SWに接続され、複数の光SWに同一の光ケーブルに収容されている光伝送路が接続されているような2芯伝送を行う光通信システムにおいても、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することが可能になる。
【0097】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、光SWが複数備えられ、新たに接続される加入者装置の送信ポートと受信ポートとが異なる光SWに接続され、複数の光SWに異なる光ケーブルに収容されている光伝送路が接続されている構成について説明する。
【0098】
図10は、第3の実施形態における光通信システム1bの構成例を示す図である。光通信システム1bは、1以上の加入者装置10と、1以上の加入者装置15と、管理制御装置20bと、光SW30及び光SW60とを備える。光通信システム1bでは、加入者装置10と各光SW30,60との間に、複数の光ケーブル40-1,40-2が設けられている点が、第2の実施形態と異なる点であり、ペアリングの手法は基本的には上述した手法と同様である。
【0099】
第3の実施形態では、加入者装置10と光SW30との間には光ケーブル40-1が設けられ、加入者装置10と光SW60との間には光ケーブル40-2が設けられ、加入者装置15と光SW30との間には光ケーブル45-1が設けられ、加入者装置15と光SW60との間には光ケーブル45-2が設けられる。光ケーブル40-1は、複数の光伝送路41を収容しており、光ケーブル40-2は、複数の光伝送路42を収容しており、光ケーブル45-1は、複数の光伝送路46を収容しており、光ケーブル45-2は、複数の光伝送路47を収容している。このように、第3の実施形態では、加入者装置の送信ポートと受信ポートとが、異なる光ケーブルに収容されている光伝送路と接続される。
【0100】
図10では、一例として、以下の接続関係が示されている。加入者装置10の送信ポート11は、光ケーブル40-1に収容される光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に接続され、加入者装置10の受信ポート12は、光ケーブル40-2に収容される光伝送路42-2を介して光SW60のポート61-2に接続される。加入者装置15の受信ポート16は、光ケーブル45-1に収容される光伝送路46-3を介して光SW30のポート32-3に接続され、加入者装置15の送信ポート17は、光ケーブル40-2に収容される光伝送路47-2を介して光SW60のポート62-2に接続される。管理制御装置20の受信ポートは、光ケーブル45-1に収容される光伝送路46-1を介して光SW30のポート32-1に接続され、管理制御装置20の送信ポートは、光ケーブル45-2に収容される光伝送路47-1を介して光SW60のポート62-1に接続される。
【0101】
管理制御装置20bは、光SW制御部21aと、加入者装置管理制御部22と、記憶部23bとを備える。
【0102】
記憶部23bには、加入者情報と、グルーピング情報と、光検出部設置情報とが記憶されている。第3の実施形態では、グルーピング情報には、光ケーブル40-1に収容されている光伝送路41が接続されている光SW30のポート31(例えば、ポート31-1~31-4)及び光ケーブル40-2に収容されている光伝送路42が接続されている光SW60のポート61(例えば、ポート61-1とポート61-2)を1つのグループとし、光ケーブル45-1に収容されている光伝送路46が接続されている光SW30のポート32(例えば、ポート32-1~32-4)及び光ケーブル45-2に収容されている光SW60のポート62(例えば、ポート62-1~62-2)を1つのグループとすることが定められているものとする。
【0103】
このように、第3の実施形態では、異なる光ケーブルに収容されている光伝送路が異なる光SWのポートに接続されている場合であってもグルーピング情報の設定に応じて同じグループに分類することができる。
【0104】
次に、第3の実施形態における管理制御装置20bが、新たに接続された加入者装置(例えば、加入者装置10)と光伝送路で接続される光SW30及び光SW60それぞれのポートをペアリングする手法について
図10及び
図11を用いて説明する。なお、
図10及び
図11では、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図11は、第3の実施形態における光SW30及び光SW60の各ポートのペアリングの処理を説明するための図である。ここで、加入者装置10の送信ポート11が光伝送路41-1を介して光SW30のポート31-1に接続され、加入者装置10の受信ポート12が光伝送路42-2を介して光SW60のポート61-2に接続されたとする。
【0105】
加入者装置10の送信ポート11に関する処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。管理制御装置20bは、記憶部23bに記憶されているグルーピング情報を参照し、光信号の入力を検出した光検出部33-1に対応付けられているポート31-1とグルーピングされている他のポートを特定する。管理制御装置20bの光SW制御部21bは、特定した他のポートが、管理制御装置20bの送信ポートと順次接続するように、光SW30のポート31と光SW30のポート32、又は、光SW60のポート61と光SW60のポート62との接続関係を切り替える。
【0106】
図11に示す例では、ポート31-1とグルーピングされている他のポートは、光SW30のポート31-2~31-4と、光SW60のポート61-1~61-2である。ただし、管理制御装置20bの送信ポートは、光SW60のポート62に接続されているため、光SW30の接続関係を切り替える必要はない。そこで、管理制御装置20bは、管理制御装置20bの送信ポートと順次接続するように、光SW60のポート61と光SW60のポート62との接続関係を切り替える。
【0107】
管理制御装置20bの送信ポートと、他のポート61とがポート62を介して接続される度、加入者装置管理制御部22は送信ポート及び光伝送路47-1を介して応答要求信号を送出する。管理制御装置20bは、光SW60のポート61-pを介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12が光SW60のポート61-pと接続していることを認識することができる。例えば、管理制御装置20bが、光SW60のポート61-2を介して加入者装置10に送信された応答要求信号に対する応答信号の受信可能期間内に、応答信号を受信した場合、応答信号を送信した加入者装置10の受信ポート12が光SW60のポート61-2と接続していることを認識することができる。
【0108】
以上の手順により、管理制御装置20bは、新たに接続された加入者装置10の送信ポート11が接続する光SW30のポート31と、加入者装置10の受信ポート12が接続する光SW60のポート61とを認識することができる。管理制御装置20bは、認識した光SW30のポート31と光SW60のポート61との組み合わせに関する情報を保持する。
【0109】
第3の実施形態における処理は、記憶部23bに記憶されているグルーピング情報が異なる点以外は、第2の実施形態における処理と同様であるため、説明を省略する。
【0110】
以上のように構成された光通信システム1bによれば、新たに接続される加入者装置(例えば、加入者装置10)の送信ポート11と受信ポート12とが異なる光SWに接続され、各光SWで異なる光ケーブルに収容されている光伝送路が接続されているような2芯伝送を行う光通信システムにおいても、新たに接続された加入者装置と、通信相手となる加入者装置とを通信可能に接続する光経路を開通することが可能になる。
【0111】
上述した実施形態における管理制御装置20,20a,20bの一部の機能部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0112】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0113】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、光スイッチを備える光通信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0115】
10、15…加入者装置, 20、20a、20b…管理制御装置, 21、21a…光SW制御部, 22…加入者装置管理制御部, 23、23a、23b…記憶部, 30、60…光SW, 40、45…光ケーブル, 31、31-1~31-4、31-m、61、61-1~61-4、61-p…第1ポート, 32、32-1~32-4、32-n、62、62-1~62-4、62-q…第2ポート, 33、33-1~33-4、33-m…光検出部