(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】パス制御装置、パス制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 47/70 20220101AFI20241127BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20241127BHJP
【FI】
H04L47/70
H04L45/42
(21)【出願番号】P 2023563463
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 JP2021043484
(87)【国際公開番号】W WO2023095313
(87)【国際公開日】2023-06-01
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東森 一晃
(72)【発明者】
【氏名】大原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 史一
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-004639(JP,A)
【文献】廣田 悠介, et al.,動的なエラスティック光パスネットワークにおける周波数資源割当手法,電子情報通信学会論文誌,Vol.J96-B,2013年03月01日,p.249-262,https://search.ieice.org/bin/pdf_link.php?category=B&lang=J&year=2013&fname=j96-b_3_249&abst=
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの物理トポロジ情報と前記ネットワークの始点ノード及び終点ノードとに基づいて、前記始点ノードから前記終点ノードまでを結ぶ複数のエッジの組み合わせを表す複数の経路ベクトルを導出する経路導出部と、
必要とされる帯域に応じて複製された前記経路ベクトルを含む経路帯域行列を前記経路ベクトルごとに導出し、前記ネットワークにおける前記複数のエッジへの周波数の割り当て状況を表す経路周波数行列と前記経路帯域行列とに基づいて、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルとを導出する特徴導出部と、
前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルと前記経路周波数行列とに基づいて、前記経路ベクトルの前記複数のエッジの組み合わせに周波数を割り当てる割当制御部と
を備えるパス制御装置。
【請求項2】
前記特徴導出部は、前記経路周波数行列と前記経路帯域行列との畳み込み積分の結果に基づいて、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルとを導出する、
請求項1に記載のパス制御装置。
【請求項3】
前記複数の周波数に関する特徴ベクトルは、周波数の割り当てが可能であるか否かを表すベクトルであり、
前記複数のエッジに関する特徴ベクトルは、前記ネットワークにおける経路の利用効率を表すベクトルである、
請求項2に記載のパス制御装置。
【請求項4】
前記ネットワークにおける経路の利用効率は、ハミング距離として表される、
請求項3に記載のパス制御装置。
【請求項5】
前記割当制御部は、前記利用効率が高くなる経路を優先して、前記周波数を割り当てる、
請求項3又は請求項4に記載のパス制御装置。
【請求項6】
前記特徴導出部は、前記経路周波数行列において、経路に割り当てることが可能な周波数スロット以外の周波数スロットの値を、周波数が割り当て済であることを表す値に固定する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパス制御装置。
【請求項7】
パス制御装置が実行するパス制御方法であって、
ネットワークの物理トポロジ情報と前記ネットワークの始点ノード及び終点ノードとに基づいて、前記始点ノードから前記終点ノードまでを結ぶ複数のエッジの組み合わせを表す複数の経路ベクトルを導出するステップと、
必要とされる帯域に応じて複製された前記経路ベクトルを含む経路帯域行列を前記経路ベクトルごとに導出し、前記ネットワークにおける前記複数のエッジへの周波数の割り当て状況を表す経路周波数行列と前記経路帯域行列とに基づいて、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルとを導出するステップと、
前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルと前記経路周波数行列とに基づいて、前記経路ベクトルの前記複数のエッジの組み合わせに周波数を割り当てるステップと
を含むパス制御方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のパス制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パス制御装置、パス制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークへの通信接続をユーザ端末が要求管理装置に対して要求する場合がある。要求管理装置は、光通信ネットワークへの通信接続をユーザ端末が要求した場合、動的経路周波数割り当て(RSA : Dynamic Routing and Spectrum Allocation)の実行を、パス制御装置に指示する。
【0003】
光通信ネットワークの物理トポロジのエッジは、光ファイバを用いて実現される。ここで、光ファイバが収容可能である光信号の周波数には制限がある。すなわち、同一の光ファイバに同一の周波数(波長)を割り当てることはできない。そこで、パス制御装置は、光信号の周波数帯の割り当てが光信号の経路(パス)において衝突しないように、各ユーザ端末の光信号の経路と周波数帯の割り当て(設定及び削除)とを、接続要求に応じて実行する。以下、同一の周波数(波長)が同一の光ファイバに割り当てられないようにすることを「周波数ブロッキング」という。
【0004】
動的経路周波数割り当てのアルゴリズムに関する問題として、経路割り当て問題と、周波数割り当て問題とがある。経路割り当て問題には、k本最短経路(k-shortest-paths)法が適用されることがある。このため、動的経路周波数割り当てのアルゴリズムのうちでは、主に周波数割り当て問題のアルゴリズムが工夫される。
【0005】
周波数割り当て問題には、中心周波数が一定間隔に制限された周波数を割り当てる信号(固定グリッド方式)と、帯域幅を一定に制限せず且つ中心周波数間隔を一定に制限せずに周波数を割り当てる方式(フレキシブルグリッド方式)とがある。固定グリッド方式は、RWA(Routing and Wavelength Assignment)と呼ばれる。また、フレキシブルグリッド方式は、RSA(Routing and Spectrum Allocation)と呼ばれる。
【0006】
固定グリッド方式の周波数割り当てのアルゴリズムとして、「First-Fit(FF)法」と、「Least Used(LU)法」と、Random法と、「Most Used(MU)法」とが知られている(非特許文献1参照)。これらのうちで、「First-Fit(FF)法」は、簡易で優れたアルゴリズムとして知られている。また、固定グリッド方式の周波数割り当てのアルゴリズムとして、経路割り当て法「k-shortest-paths(ksp)法」と周波数割り当て法との組み合わせである「ksp-FF」法が、優れたアルゴリズムとして知られている。
【0007】
また、フレキシブルグリッド方式の周波数割り当てのアルゴリズムとして、「First-Fit(FF)法」と、「Exact-Fit(EF)法」と、「First-Last-Fit(FLF)法」とが知られている(非特許文献2及び3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Hui Zang, et al., “A Review of Routing and Wavelength Assignment Approaches for Wavelength-Routed Optical WDM Networks“, 2000, Optical Networks Magazine.
【文献】Chatterjee, et al., “Routing and Spectrum Allocation in Elastic Optical Networks: A Tutorial”, IEEE Communication surveys & tutorials, vol., 17, no. 3 (2015)
【文献】Yuan, et al., “A Spectrum Assignment Algorithm in Elastic Optical Network With Minimum Sum of Weighted Resource Reductions in all Associated Paths“, Journal of Lightwave Technology, vol. 37, no. 21 (2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
フレキシブルグリッド方式の周波数割り当て(RSA)では、周波数ブロッキングが生じる確率を低く維持した上で多くの通信容量を収容することが、アルゴリズムの指標(目的関数)として求められている。したがって、フレキシブルグリッド方式の周波数割り当てにおける課題は、より効率的に上記指標の目標が達成されることである。
【0010】
現実的な時間内では、周波数割り当ての厳密な最適解(厳密解)を導出することは困難である。このことから、周波数割り当ての近似解が導出される。このため、より厳密解に近い近似解を高速に導出することが可能なアルゴリズムが求められている。このように、接続要求された通信の収容効率を向上させることができないという問題がある。
【0011】
上記事情に鑑み、本発明は、接続要求された通信の収容効率を向上させることが可能であるパス制御装置、パス制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、ネットワークの物理トポロジ情報と前記ネットワークの始点ノード及び終点ノードとに基づいて、前記始点ノードから前記終点ノードまでを結ぶ複数のエッジの組み合わせを表す複数の経路ベクトルを導出する経路導出部と、必要とされる帯域に応じて複製された前記経路ベクトルを含む経路帯域行列を前記経路ベクトルごとに導出し、前記ネットワークにおける前記複数のエッジへの周波数の割り当て状況を表す経路周波数行列と前記経路帯域行列とに基づいて、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルとを導出する特徴導出部と、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルと前記経路周波数行列とに基づいて、前記経路ベクトルの前記複数のエッジの組み合わせに周波数を割り当てる割当制御部とを備えるパス制御装置である。
【0013】
本発明の一態様は、パス制御装置が実行するパス制御方法であって、ネットワークの物理トポロジ情報と前記ネットワークの始点ノード及び終点ノードとに基づいて、前記始点ノードから前記終点ノードまでを結ぶ複数のエッジの組み合わせを表す複数の経路ベクトルを導出するステップと、必要とされる帯域に応じて複製された前記経路ベクトルを含む経路帯域行列を前記経路ベクトルごとに導出し、前記ネットワークにおける前記複数のエッジへの周波数の割り当て状況を表す経路周波数行列と前記経路帯域行列とに基づいて、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルとを導出するステップと、前記複数の周波数に関する特徴ベクトルと前記複数のエッジに関する特徴ベクトルと前記経路周波数行列とに基づいて、前記経路ベクトルの前記複数のエッジの組み合わせに周波数を割り当てるステップとを含むパス制御方法である。
【0014】
本発明の一態様は、上記のパス制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、接続要求された通信の収容効率を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態における、パス制御システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、物理トポロジ情報と経路ベクトルと経路帯域行列との例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における、経路帯域行列と経路周波数行列と可否判定ベクトルと情報距離ベクトルとの例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における、固定グリッド方式の周波数の割当例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における、パス制御システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図6】第1実施形態における、パス制御装置の動作例を示すシーケンス図である。
【
図7】第1実施形態における、割当部の動作例を示すシーケンス図である。
【
図8】第1実施形態における、パス制御システムの効果例を示す図である。
【
図9】第2実施形態における、フレキシブルグリッド方式の周波数の割当例を示す図である。
【
図10】第2実施形態における、パス制御システムの効果例を示す図である。
【
図11】各実施形態における、パス制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における、パス制御システム1の構成例を示す図である。パス制御システム1は、通信回線の経路及び周波数を制御するシステムである。パス制御システム1は、ユーザ端末の通信の接続要求に応じて、通信回線の経路を選択する。また、パス制御システム1は、ユーザ端末の通信の接続要求に応じて、選択された経路に周波数を動的に割り当てる。
【0018】
パス制御システム1は、通信回線2と、要求管理装置4と、記憶装置3と、パス制御装置5とを備える。パス制御装置5は、条件制御部51と、割当部52とを備える。割当部52は、割当制御部53と、経路導出部54と、特徴導出部55とを備える。特徴導出部55は、行列導出部551と、判定部552と、距離導出部553とを備える。
【0019】
図2は、第1実施形態における、物理トポロジ情報6と経路ベクトル7と経路帯域行列8「a
i,j」との例を示す図である。物理トポロジ情報6は、第1ユーザ端末(不図示)と第2ユーザ端末(不図示)とが接続される通信回線の物理トポロジを表す。物理トポロジ情報6は、複数のノードと、「m」本のエッジとを備える。「m」本のエッジは、所定のノード同士をつなぐ。物理トポロジ情報6は、一例として、ノード60からノード65までと、エッジ70からエッジ85までとを備える。
【0020】
経路導出部54は、物理トポロジ情報6に基づいて、始点ノード(送信側ノード)と終点ノード(受信側ノード)を繋ぐ経路の複数の候補を導出する。始点ノードは、例えば第1ユーザ端末(不図示)が接続するノードであり、一例としてノード60である。終点ノードは、例えば第2ユーザ端末(不図示)が接続するノードであり、一例としてノード65である。第1ユーザ端末(不図示)は、パス制御装置5によって周波数が割り当てられた経路を伝送される光信号を用いて、第2ユーザ端末(不図示)と通信する。
図2では、エッジ70とエッジ72とエッジ78とエッジ81とエッジ83とを含む経路が、選択される経路の候補の一例である。経路導出部54は、経路の候補を表す情報である経路候補情報を含む物理トポロジ情報6を、割当制御部53に出力する。物理トポロジ情報6は、例えば、有向グラフの形式で表現される。
【0021】
行列導出部551は、物理トポロジ情報6における経路候補情報に基づいて、経路ベクトル7を導出する。経路ベクトル7は、物理トポロジ情報6(物理トポロジグラフ)のエッジの総数「m」のベクトルである。
図2において白色で表されるベクトルの成分(要素)は、経路を構成していない成分であることを表す。経路を構成していない成分の値は、0である。
図2において黒色で表されるベクトルの成分は、経路を構成している成分であることを表す。経路を構成している成分の値は、1である。
【0022】
帯域「Δ」は、周波数スロットの幅を表す自然数である。行列導出部551は、帯域「Δ」の個数だけ経路ベクトル7を行方向に複製することによって、経路候補情報を含む物理トポロジ情報6を経路帯域行列8に変換(形式変換)する。経路帯域行列8は、Δ行m列の行列である。すなわち、行列導出部551は、i行j列の経路帯域行列8「ai,j」を、経路ベクトル7(経路候補)ごとに定義する。
【0023】
したがって、帯域「Δ」は、経路帯域行列8の行サイズである。帯域「Δ」は、変調方式情報に基づいて定まる。変調方式情報とは、信号帯域をカバーするために必要な周波数グリッドのサイズ(必要帯域)である。例えば、周波数グリッドの幅が12.5GHzであり、且つ、信号帯域が37.5GHz(=3×12.5GHz)である場合、少なくとも3周波数グリッドが必要である。したがって、変調方式情報として、自然数「Δ≧3」が与えられる。
【0024】
固定グリッド方式では、変調方式(周波数グリッドの幅)は、経路の長さに応じて変化する。そこで、判定部552は、各経路候補の周波数グリッドの幅を有する窓関数を用いて、周波数とエッジとの組み合わせの利用状況を表す行列と経路帯域行列8(経路候補)との畳み込み処理を実行する。これによって各経路の特徴量(特徴ベクトル)を得ることが、経路帯域行列8が導入された理由である。
【0025】
図3は、第1実施形態における、経路帯域行列8と経路周波数行列9と可否判定ベクトル10と情報距離ベクトル11との例を示す図である。
図3に例示された処理は、第2実施形態においても実行可能である。経路周波数行列9は、ネットワークにおける周波数とエッジとの組み合わせの利用状況(割り当て状況)を表す。
【0026】
帯域「Δ」(周波数スロットの幅)は、一例として、2である。経路周波数行列9(ビットマップ)のサイズは、j行k列である。行サイズ「j」は、物理トポロジ情報6(物理トポロジグラフ)のエッジの総数「m」と等しい。列サイズ「k」は、周波数スロットの総数を表す。周波数スロットの総数「k」は、経路に割り当てることが可能な周波数スロット(割り当てスロット)の個数「l」と、境界の個数「2」との合計である。経路に割り当てることが可能な周波数スロットは、割り当て済でない周波数を含む。
【0027】
第2実施形態において後述されるフレキシブルグリッド方式への拡張(RSA拡張)のために、経路周波数行列9において、経路に割り当てることが可能な周波数スロットよりも外側の各周波数スロット(外部境界)の値は、便宜上、周波数が割り当て済であることを表す値「1」に固定される。すなわち、判定部552は、経路周波数行列9において、経路に割り当てることが可能な周波数スロット以外の周波数スロットの成分の値を、周波数が割り当て済であることを表す値「1」に固定する。
【0028】
境界90と境界91は、経路に割り当てることが可能な周波数スロット(割り当てスロット)よりも外側に位置する。境界90の周波数スロット番号は、0である。境界91の周波数スロット番号は、17である。
図3では、経路周波数行列9における周波数スロット番号「0」及び「17」の全ての成分値は、境界条件の設定として、周波数が割り当て済であることを表す値「1」に固定される。
【0029】
判定部552は、経路帯域行列8と経路周波数行列9との畳み込み積分(アダマール積分)を実行することによって、可否判定ベクトル10(周波数ブロッキング判定ベクトル)を導出する。可否判定ベクトル10は、周波数の割り当てが可能であるか否か(周波数方向の適合の度合い)を表すベクトル(整数列)である。周波数ブロッキングが生じる場合、周波数の割り当てはできない。可否判定ベクトル10「ξn」は、式(1)のように表される。
【0030】
【0031】
ここで、可否判定ベクトル10「ξn」の成分(判定値)が0である周波数スロットの周波数は、経路への割り当てが可能である。
【0032】
距離導出部553は、経路帯域行列8と経路周波数行列9との畳み込み積分(置換回数の積分)を実行することによって、情報距離ベクトル11(整数列)を導出する。情報距離ベクトル11は、経路の利用効率の指標(情報距離)を表すベクトルである。経路の利用効率は、例えば、ハミング距離として表される。情報距離ベクトル11「ζn」は、式(2)のように表される。
【0033】
【0034】
ここで、情報距離ベクトル11「ζn」の成分値が最大である周波数スロットを経路に割り当てることが最適である。すなわち、経路の利用効率が最高となる周波数スロットを経路に割り当てることが最適である。
【0035】
割当制御部53は、経路周波数割り当て判定ベクトルを導出する。経路周波数割り当て判定ベクトルは、可否判定ベクトル10「ξn」を分母に含み、情報距離ベクトル11「ζn」を分子に含むベクトルである。経路周波数割り当て判定ベクトルは、式(3)のように表される。
【0036】
【0037】
割当制御部53は、経路の利用効率が高くなる経路を優先し、その経路に周波数を割り当てる。例えば、割当制御部53は、経路周波数割り当て判定ベクトルの成分のうちで最大となるスロット番号(インデックス)を特定することによって、ハミング距離が最長「max」となる開始スロット番号を決定する。すなわち、割当制御部53は、経路周波数割り当て判定ベクトルに基づいて、周波数の割り当てを開始するスロット番号である開始スロット番号「na」を、式(4)のように導出する。
【0038】
【0039】
割当制御部53は、可否判定ベクトル10の成分の値(判定値)が0である割り当てスロットのうちから、情報距離が最長「max」となる周波数スロット番号「na」を選択する。割当制御部53は、割り当てスロットにおける周波数スロット番号「na」に基づいて、開始スロット番号の列{na+1,…,na+Δ}を導出する。割当制御部53は、式(5)のように、経路への周波数の割り当て及び削除を実行する。
【0040】
【0041】
図4は、第1実施形態における、固定グリッド方式(RWA)の周波数の割当例を示す図である。
図4に例示された可否判定ベクトル10において、空白の成分の値は1以上である。判定値「ξ
n=0」の箇所は、周波数の割り当て候補である。
図4では、周波数スロット番号「5」、「10」及び「15」の各周波数が、割り当て可能な周波数の候補である。
図4に例示された情報距離ベクトル11において、「ζ
n=0」の箇所は、空白で表現されている。
図4では、割当制御部53は、経路周波数行列9において、情報距離ベクトル11の最大値「ζ
n=16」の成分に対応する周波数グリッド番号「n
a=5」を選択する。割当制御部53は、選択された周波数グリッド番号(周波数グリッドのインデックス)の周波数帯を、エッジ番号「0」、「2」、「8」、「11」及び「13」の各エッジに割り当てる。
【0042】
次に、パス制御システム1の動作例を説明する。
図5は、第1実施形態における、パス制御システム1の動作例を示すシーケンス図である。記憶装置3は、条件制御部51による要求に応じて、物理トポロジ情報6及び経路周波数行列を、条件制御部51に送信する。条件制御部51は、物理トポロジ情報6及び経路周波数行列を、記憶装置3から取得する(ステップS101)。
【0043】
要求管理装置4は、割当要求情報を条件制御部51に送信する。条件制御部51は、割当要求情報を要求管理装置4から取得する(ステップS102)。条件制御部51は、割当要求情報、物理トポロジ情報及び経路周波数行列を、割当部52に送信する。割当部52は、割当要求情報、物理トポロジ情報及び経路周波数行列を、条件制御部51から取得する(ステップS103)。
【0044】
割当部52は、割当要求情報及び物理トポロジ情報に基づいて、経路ベクトルを導出する。割当部52は、経路ベクトルに基づいて、経路帯域行列を導出する。割当部52は、経路帯域行列及び経路周波数行列に基づいて、可否判定ベクトル及び情報距離ベクトルを導出する。割当部52は、可否判定ベクトル及び情報距離ベクトルに基づいて経路に周波数帯を割り当てることによって、経路周波数行列を更新する。割当部52は、更新された経路周波数行列を、条件制御部51に送信する。条件制御部51は、更新された経路周波数行列を、割当部52から取得する(ステップS104)。
【0045】
条件制御部51は、更新された経路周波数行列から、経路及び周波数帯を表す割当結果を抽出する。条件制御部51は、割当結果を要求管理装置4に送信する。要求管理装置4は、割当結果を条件制御部51から取得する(ステップS105)。条件制御部51は、更新された経路周波数行列を、記憶装置3に送信する。記憶装置3は、更新された経路周波数行列を記憶する(ステップS106)。なお、条件制御部51は、ステップS106の実行を省略し、更新された経路周波数行列を記憶してもよい。
【0046】
また、ステップS101がサービス開始時にのみ実行され、ステップS102からステップS105までの処理が繰り返し実行されてもよい。
【0047】
図6は、第1実施形態における、パス制御装置5の動作例を示すシーケンス図である。条件制御部51は、割当要求情報、物理トポロジ情報及び経路周波数行列を、割当制御部53に送信する。割当制御部53は、割当要求情報、物理トポロジ情報及び経路周波数行列を、条件制御部51から取得する(
図5に例示されたステップS103)。
【0048】
割当制御部53は、割当要求情報及び物理トポロジ情報を、経路導出部54に送信する。経路導出部54は、割当要求情報及び物理トポロジ情報に基づいて、経路候補情報を導出する(ステップS201)。経路導出部54は、経路候補情報を割当制御部53に送信する。割当制御部53は、経路候補情報に基づいて、各経路候補の変調方式情報を生成する。すなわち、割当制御部53は、割当要求された通信に必要とされる帯域「Δ」(必要帯域情報)を定める(ステップS202)。
【0049】
割当制御部53は、経路周波数行列、経路候補情報及び変調方式情報を、特徴導出部55に送信する。特徴導出部55は、経路候補情報と変調方式情報(必要帯域情報)とに基づいて、経路帯域行列を導出する。特徴導出部55は、経路帯域行列及び経路周波数行列を用いる畳み込み積分(周波数方向の圧縮)の結果に基づいて、各経路候補への周波数の割当可否(第1特徴)を表すベクトル(可否判定ベクトル)を導出する。特徴導出部55は、経路帯域行列及び経路周波数行列を用いる畳み込み積分(経路方向の圧縮)の結果に基づいて、各経路候補の情報距離(第2特徴)を表すベクトル(情報距離ベクトル)を導出する(ステップS203)。
【0050】
特徴導出部55は、各経路候補への周波数の割当可否(周波数ブロッキングが無しであるか否か)を表す可否判定ベクトルと、各経路候補の情報距離を表す情報距離ベクトルとを、割当制御部53に送信する(ステップS204)。割当制御部53は、各経路候補への周波数の割当可否(第1特徴)と、各経路候補の情報距離(第2特徴)とに基づいて、経路周波数行列を更新する。1以上の経路候補がある場合、割当制御部53は、各経路候補への周波数の割当可否(第1特徴)と、各経路候補の情報距離(第2特徴)とに基づいて、1以上の経路候補のうちから経路を選択する。割当制御部53は、選択された経路に周波数帯(帯域)を割り当てる。経路候補がない場合には、割当制御部53は、割り当て不可を表す情報を生成する(ステップS205)。
【0051】
割当制御部53は、更新された経路周波数行列を、条件制御部51に送信する。条件制御部51は、更新された経路周波数行列を、割当制御部53から取得する。割り当て不可を表す情報が生成された場合には、割当制御部53は、割り当て不可を表す情報を、条件制御部51に送信する。条件制御部51は、割り当て不可を表す情報を、割当制御部53から取得する(
図5に例示されたステップS104)。
【0052】
図7は、第1実施形態における、割当部52の動作例を示すシーケンス図である。割当制御部53は、経路周波数行列、経路候補情報及び変調方式情報を、特徴導出部55に送信する。行列導出部551は、経路候補情報と変調方式情報(必要帯域情報)とに基づいて、経路帯域行列を導出する(
図6に例示されたステップS203)。
【0053】
行列導出部551は、経路帯域行列及び経路周波数行列を、判定部552に送信する(ステップS301)。判定部552は、経路帯域行列及び経路周波数行列を用いる畳み込み積分の結果に基づいて、各経路候補の割当可否(第1特徴)を表すベクトル(可否判定ベクトル)を導出する(ステップS302)。判定部552は、各経路候補の割当可否を表すベクトル(可否判定ベクトル)を、割当制御部53に送信する。割当制御部53は、可否判定ベクトルを判定部552から取得する(
図6に例示されたステップS204-1)。
【0054】
行列導出部551は、経路帯域行列及び経路周波数行列を、距離導出部553に送信する(ステップS303)。距離導出部553は、経路帯域行列及び経路周波数行列を用いる畳み込み積分の結果に基づいて、各経路候補の情報距離(第2特徴)を表すベクトル(情報距離ベクトル)を導出する(ステップS304)。距離導出部553は、各経路候補の情報距離を表すベクトル(情報距離ベクトル)を、割当制御部53に送信する。割当制御部53は、情報距離ベクトルを距離導出部553から取得する(
図6に例示されたステップS204-2)。
【0055】
割当制御部53は、可否判定ベクトルの成分の値(判定値)が可であり、且つ、情報距離ベクトルの成分の値(情報距離)が最長である経路に、周波数帯を割り当てる(
図6に例示されたステップS205)。
【0056】
以上のように、経路導出部54は、ネットワークの物理トポロジ情報6とネットワークの始点ノード及び終点ノードとに基づいて、始点ノードから終点ノードまでを結ぶ複数のエッジの組み合わせを表す複数の経路ベクトル7を導出する。特徴導出部55は、必要とされる帯域に応じて複製された経路ベクトルを含む経路帯域行列8を、経路ベクトル7ごとに導出する。特徴導出部55は、ネットワークにおける複数のエッジへの周波数の割り当て状況を表す経路周波数行列9と経路帯域行列8とに基づいて、可否判定ベクトル10(複数の周波数に関する特徴ベクトル)と、情報距離ベクトル11(複数のエッジに関する特徴ベクトル)とを導出する。割当制御部53は、可否判定ベクトル10と情報距離ベクトル11と経路周波数行列9とに基づいて、経路ベクトル7の複数のエッジの組み合わせに周波数を割り当てる。
【0057】
これによって、接続要求された通信の収容効率を向上させることが可能である。
【0058】
周波数割り当て演算に畳み込み処理が導入されたので、「for文」及び「if文」の形式のアルゴリズムでなく、代数的な形式のアルゴリズムが用いられるので、複雑な処理(例えば、情報距離の導出処理)が導入されやすい。これによって、決まったサイズ(例えば、行列)の演算をパス制御装置5が実行すればよいので、パス制御装置5におけるGPU(Graphics Processing Unit)等を用いる高速演算への適用領域が増える。より厳密解に近い近似解を高速に導出することが可能なアルゴリズムで、パス制御装置5が近似解を導出することが可能である。
【0059】
可否判定ベクトル(周波数ブロッキング判定ベクトル)は、周波数方向について、適合の度合いを表す。情報距離ベクトルは、経路方向について、適合の度合いを表す。可否判定ベクトルのサイズと情報距離ベクトルのサイズとが同じになるので、周波数方向と経路方向とが組み合わされた最適な指標(例えば、式(3)のベクトル)が作成される。これによって、より厳密解に近い近似解を高速に導出することが可能である。
【0060】
なお、従来手法では、周波数又は経路情報の一方の情報に基づく指標が導出され、そのような指標に基づいて最適性が判定される。例えば、「First-Fit(FF)法」では、周波数方向の情報のみに基づいて、最適性が判定される。
【0061】
従来の「Least Used(LU)法」と、Random法と、Most Used(MU)法とでは、経路方向の情報のみに基づいて、最適性が判定される。従来の手法では、仮に経路周波数行列(ビットマップ)が導出されたとしても、経路周波数行列における経路方向のみについて空き領域がいくつ存在するかという情報しか扱えない。これに対して、パス制御装置5では、割り当ての候補とされた経路(パス)と経路周波数行列との間の関係が、情報距離として一般化された形で定義されている。これによって、割り当ての候補とされた経路ごとに、且つ、より詳細に、経路方向についての適合性の度合いを表現することが可能である。
【0062】
次に、日本のネットワークの物理トポロジ(ノード数は25個)を表す「JPN25」を例として、第1実施形態におけるパス制御システム1の効果例を説明する。
【0063】
図8は、第1実施形態における、パス制御システム1の効果例を示す図である。周波数ブロッキングが一定である場合、横軸(ネットワーク全体の通信負荷)の値が大きいほど、効率がより高いアルゴリズムである。すなわち、
図8においてグラフが右側にあるほど、ネットワークに収容可能な通信総容量は大きい。第1実施形態におけるパス制御システム1の手法は、例えばFF法と比較して効果的な手法である。第1実施形態におけるパス制御システム1はネットワーク資源を効率的に利用することが可能である。
【0064】
図8に例示されたグラフを導出するシミュレーションでは、物理トポロジ「JPN25」の各ノードには、ユーザ端末(不図示)が配置されている。条件制御部51は、物理トポロジ「JPN25」を記憶装置3から取得する。
【0065】
固定グリッド方式では、変調方式によらずに、必要帯域が定まる。条件制御部51は、割当要求情報を要求管理装置4から取得する。割当要求情報は、ネットワーク全体の通信負荷のパラメータとして、予め定められる。ネットワーク全体の通信負荷とパラメータ(割当要求情報)とが等しくなるように、各ユーザ端末は、サービス利用時間が指数分布になるように、均等な確率で接続要求を発生させる。
【0066】
パラメータ(割当要求情報)ごとに、複数のユーザ端末に対して、周波数ブロッキング率の導出が複数回実行される。周波数ブロッキング率は、接続要求の成功回数に対する、接続要求の失敗回数の割合である。すなわち、周波数ブロッキング率は、接続要求の失敗回数が接続要求の成功回数で除算された結果の値である。
【0067】
パス制御装置5は、周波数方向と経路方向とが組み合わされた最適な指標を作成する。また、パス制御装置5は、経路方向の詳細な特徴を、情報距離として導出する。これによって、通信ネットワークは通信負荷の耐性に強くなる。
【0068】
(第2実施形態)
第2実施形態では、フレキシブルグリッド方式の周波数の割当が実行される点が、第1実施形態との差分である。第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0069】
図9は、第2実施形態における、フレキシブルグリッド方式の周波数の割当例を示す図である。「Exact-Fit(EF)法」では、経路(edge slot)方向だけでなく、周波数(frequency slot)方向へのマッチングが考慮される。第2実施形態では、「Exact-Fit(EF)法」とフレキシブルグリッド方式とが組み合わされる。この組み合わせ(拡張)を、「EFHDM」(Exact-Fit Hamming Distance Maximization)という。
【0070】
対応矢印92は、可否判定ベクトル10「ξn」の導出における畳み込みの行列積の対応付けと、情報距離ベクトル11「ζn」の導出における畳み込みの行列積の対応付けとを表す。また、周波数方向(横軸)の適合の度合(適応度)を導出するために、周波数適合ベクトル「θS,n」及び「θL,n」が定義される。
【0071】
周波数適合ベクトル「θS,n」は、周波数スロット番号が小さい側の境界93と、経路帯域行列8「ai,j」との周波数方向(横軸)の適合の度合を表す。周波数適合ベクトル「θS,n」は、式(6)のように表される。
【0072】
【0073】
周波数適合ベクトル「θL,n」は、周波数スロット番号が大きい側の境界93と、経路帯域行列8「ai,j」との周波数方向(横軸)の適合の度合を表す。周波数適合ベクトル「θL,n」は、式(7)のように表される。
【0074】
【0075】
周波数方向の適合の度合が最も高く、且つ、周波数の割り当てが可能である場合(周波数ブロッキングが生じない場合)に最大となるベクトル(周波数適合判定ベクトル)は、周波数適合ベクトル「θS,n」と、周波数適合ベクトル「θL,n」と、可否判定ベクトル10「ξn」とを用いて、式(8)のように表される。
【0076】
【0077】
式(8)が式(9)と等しい場合、周波数方向の適合の度合は最も高い。
【0078】
【0079】
式(8)が式(9)と等しい場合、すなわち、周波数方向の適合の度合が最も高い場合、判定部552は、判定処理において「真」と判定する。判定処理において「真」と判定された場合、判定部552は、式(5)を用いて、経路に周波数を割り当てる。判定処理において「偽」と判定された場合、判定部552は、例えばFF法を用いて、経路に周波数を割り当てる。
【0080】
以上のように、特徴導出部55は、経路周波数行列において、経路に割り当てることが可能な周波数スロット以外の周波数スロットの値を、周波数が割り当て済であることを表す値「1」に固定する。特徴導出部55は、周波数方向の適合の度合が最も高く、且つ、周波数の割り当てが可能である場合に最大となるベクトル(周波数適合判定ベクトル)を用いて、経路周波数割り当て判定ベクトルの成分のうちで最大となるスロット番号(インデックス)を特定する。これによって、特徴導出部55は、ハミング距離が最長「max」となる開始スロット番号を決定する。特徴導出部55は、開始スロット番号の周波数スロットを優先して、経路に周波数を割り当てる。
【0081】
これによって、フレキシブルグリッド方式の周波数の割当において、接続要求された通信の収容効率を向上させることが可能である。
【0082】
次に、第2実施形態におけるパス制御システム1の効果例を説明する。
図10は、第2実施形態における、パス制御システム1の効果例を示す図である。フレキシブルグリッド方式では、変調方式に応じて必要帯域が変わる。周波数ブロッキングが一定である場合、横軸(ネットワーク全体の通信負荷)の値が大きいほど、効率がより高いアルゴリズムである。すなわち、
図10においてグラフが右側にあるほど、ネットワークに収容可能な通信総容量は大きい。第2実施形態におけるパス制御システム1の手法は、例えばFF法と比較して効果的な手法である。第2実施形態におけるパス制御システム1はネットワーク資源を効率的に利用することが可能である。
【0083】
(ハードウェア構成例)
図11は、各実施形態における、パス制御装置5のハードウェア構成例を示す図である。パス制御装置5の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ101が、不揮発性の記録媒体(非一時的記録媒体)を有する記憶装置102とメモリ103とに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的記録媒体である。通信部104は、所定の通信処理を実行する。通信部104は、データとプログラムとを取得してもよい。
【0084】
パス制御装置5の各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。要求管理装置4についても同様である。
【0085】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…パス制御システム、2…通信回線、3…記憶装置、4…要求管理装置、5…パス制御装置、6…物理トポロジ情報、7…経路ベクトル、8…経路帯域行列、9…経路周波数行列、10…可否判定ベクトル、11…情報距離ベクトル、51…条件制御部、52…割当部、53…割当制御部、54…経路導出部、55…特徴導出部、60~65…ノード、70~85…エッジ、90…境界、91…境界、92…対応矢印、93…境界、94…境界、101…プロセッサ、102…記憶装置、103…メモリ、104…通信部、551…行列導出部、552…判定部、553…距離導出部