(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】区分所有建物推定システム、区分所有建物推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2023178388
(22)【出願日】2023-10-16
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】598040488
【氏名又は名称】株式会社JON
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 元
【審査官】和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】黒沢 泰,不動産鑑定の物件調査Q&A ,第2版,日本,(株)中央経済社,2013年03月30日,p.95-p.105
【文献】家屋番号とは?住所とは違うの?家屋番号の賢い調べ方,日本,Internet Archive,2020年06月30日,https://web.archive.org/web/20200630231145/https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/kaoku_bangou/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/00
G06F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の不動産登記申請に対応付けられるデータである、前記不動産登記申請の対象となる不動産の所在及び家屋番号を示す物件特定データと、前記不動産登記申請の目的を示す登記目的データと、前記不動産登記申請が単独申請によってされたか連件申請によってされたかを示す申請単位データと、前記不動産登記申請に係る不動産の種別を示す不動産種別データと、前記不動産とともに1の登記申請により登記申請がされた不動産の数を示す外筆データと、を含み、連件申請された登記申請に係るもの同士が互いに関連付けられている登記申請情報データを複数記憶する登記申請情報記憶手段と、
複数の前記登記申請情報データのうちから、1の前記登記申請情報データである着目登記申請情報データを特定する登記申請情報データ特定手段と、
(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記外筆データが示す数が所定数以上であるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数が所定数以上であるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数と、特定される前記登記申請情報データに関連付けられていて、連件申請によってされた登記申請の最初の登記申請であることを示す前記申請単位データを含んでいる前記登記申請情報データに含まれる前記外筆データの値の数と、の合計が所定数以上であるとの条件、のいずれかを満たすという第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが区分建物の表題登記を示すものであるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが敷地権の表示登記を示すものであるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが分割・区分登記を示すものであるとの条件、のいずれかを満たすという第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1条件及び前記第2条件を満たす場合に、前記着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請の対象である不動産を多世帯住宅ではない区分所有建物として推定する推定手段と、
を含む区分所有建物推定システム。
【請求項2】
登記申請情報データ特定手段が、1の不動産登記申請に対応付けられるデータである、前記不動産登記申請の対象となる不動産の所在及び家屋番号を示す物件特定データと、前記不動産登記申請の目的を示す登記目的データと、前記不動産登記申請が単独申請によってされたか連件申請によってされたかを示す申請単位データと、前記不動産登記申請に係る不動産の種別を示す不動産種別データと、前記不動産とともに1の登記申請により登記申請がされた不動産の数を示す外筆データと、を含み、連件申請された登記申請に係るもの同士が互いに関連付けられている登記申請情報データを複数記憶する登記申請情報記憶手段に記憶されている複数の前記登記申請情報データのうちから、1の前記登記申請情報データである着目登記申請情報データを特定するステップと、
第1判定手段が、(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記外筆データが示す数が所定数以上であるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数が所定数以上であるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数と、特定される前記登記申請情報データに関連付けられていて、連件申請によってされた登記申請の最初の登記申請であることを示す前記申請単位データを含んでいる前記登記申請情報データに含まれる前記外筆データの値の数と、の合計が所定数以上であるとの条件、のいずれかを満たすという第1条件を満たすか否かを判定するステップと、
第2判定手段が、(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが区分建物の表題登記を示すものであるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが敷地権の表示登記を示すものであるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが分割・区分登記を示すものであるとの条件、のいずれかを満たすという第2条件を満たすか否かを判定するステップと、
推定手段が、前記第1条件及び前記第2条件を満たす場合に、前記着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請の対象である不動産を多世帯住宅ではない区分所有建物として推定するステップと、
を含む区分所有建物推定方法。
【請求項3】
1の不動産登記申請に対応付けられるデータである、前記不動産登記申請の対象となる不動産の所在及び家屋番号を示す物件特定データと、前記不動産登記申請の目的を示す登記目的データと、前記不動産登記申請が単独申請によってされたか連件申請によってされたかを示す申請単位データと、前記不動産登記申請に係る不動産の種別を示す不動産種別データと、前記不動産とともに1の登記申請により登記申請がされた不動産の数を示す外筆データと、を含み、連件申請された登記申請に係るもの同士が互いに関連付けられている登記申請情報データを複数記憶する登記申請情報記憶手段に記憶されている複数の前記登記申請情報データのうちから、1の前記登記申請情報データである着目登記申請情報データを特定するステップと、
(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記外筆データが示す数が所定数以上であるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数が所定数以上であるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに関連付けられている他の前記登記申請情報データの数と、特定される前記登記申請情報データに関連付けられていて、連件申請によってされた登記申請の最初の登記申請であることを示す前記申請単位データを含んでいる前記登記申請情報データに含まれる前記外筆データの値の数と、の合計が所定数以上であるとの条件、のいずれかを満たすという第1条件を満たすか否かを判定するステップと、
(1)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが区分建物の表題登記を示すものであるとの条件、(2)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が区分建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが敷地権の表示登記を示すものであるとの条件、又は、(3)前記着目登記申請情報データに含まれる前記不動産種別データが当該着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請に係る不動産が建物であることを示すものであり、前記着目登記申請情報データに含まれる前記登記目的データが分割・区分登記を示すものであるとの条件、のいずれかを満たすという第2条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記第1条件及び前記第2条件を満たす場合に、前記着目登記申請情報データに対応付けられる不動産登記申請の対象である不動産を多世帯住宅ではない区分所有建物として推定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は区分所有建物推定システム、区分所有建物推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般財団法人民事法務協会が提供する登記情報提供サービス、不動産登記受付帳を電子化したデータである登記申請情報データ、家屋課税台帳を電子化した家屋課税台帳データ、などを用いることで、所与のエリア内の建物の家屋番号(所在及び家屋番号)のリストを生成することが可能である。
【0003】
このことに関連し、特許文献1には、法務局のサーバから、所定の地域内に存在する地番の一覧表と家屋番号の一覧表を取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不動産業者等の事業者が営業するときに、分譲マンション等の区分所有建物のリストがあれば便利である。
【0006】
しかし、上述の家屋番号のリストのうちから分譲マンション等の区分所有建物の家屋番号を的確に抽出することは困難であった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、分譲マンション等の区分所有建物であると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できる区分所有建物推定システム、区分所有建物推定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る区分所有建物推定システムは、家屋番号を示す家屋番号データを複数含む家屋番号リストデータを記憶する家屋番号リストデータ記憶手段と、枝番が3桁以上である家屋番号を示す前記家屋番号データ、及び、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが4以上の所定数以上存在する前記家屋番号データを、区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定する推定手段と、を含む。
【0009】
(2)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、前記推定手段は、枝番が3桁以上である家屋番号を示す前記家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定してもよい。
【0010】
(3)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、前記推定手段は、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが4以上の所定数以上存在する前記家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定してもよい。
【0011】
(4)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、複数の部屋のそれぞれについての家屋番号と部屋番号とが対応付けられたマンション簿を電子化したデータであるマンション簿データを記憶するマンション簿データ記憶手段、をさらに含み、前記推定手段は、前記マンション簿データに示されている家屋番号を示す前記家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定してもよい。
【0012】
(5)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、前記家屋番号データに示されている家屋番号により識別される建物に係る登記申請情報を取得する登記申請情報取得手段、をさらに含み、前記推定手段は、前記登記申請情報に基づいて、一括申請又は連件申請による4以上の所定数以上の登記申請がされた建物であって、かつ、用途が区建であり登記目的が区分建物の表題である、用途が区建であり登記目的が敷地権の表示である、用途が建物であり登記目的が分割・区分である、のいずれかの条件を満たす建物の家屋番号を示す前記家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定してもよい。
【0013】
(6)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、前記家屋番号データに示されている家屋番号により識別される建物に係る登記情報を取得する登記情報取得手段、をさらに含み、前記推定手段は、前記登記情報に基づいて、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されている登記情報に係る建物の家屋番号を示す前記家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定してもよい。
【0014】
(7)(1)に記載の区分所有建物推定システムにおいて、前記家屋番号データに示されている家屋番号により識別される建物に係る登記情報を取得する登記情報取得手段、をさらに含み、前記推定手段は、前記登記情報に基づいて、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されており、専有部分の建物の表示と示されている表題部の種類欄に居宅と示されている登記情報に係る建物の家屋番号を示す前記家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定してもよい。
【0015】
(8)本発明に係る区分所有建物推定方法は、家屋番号を示す家屋番号データを複数含む家屋番号リストデータを記憶する家屋番号リストデータ記憶手段を含む区分所有建物推定システムが、枝番が3桁以上である家屋番号を示す前記家屋番号データ、及び、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが4以上の所定数以上存在する前記家屋番号データを、区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定するステップ、を含む。
【0016】
(9)本発明に係るプログラムは、家屋番号を示す家屋番号データを複数含む家屋番号リストデータを記憶する家屋番号リストデータ記憶手段を含むコンピュータに、枝番が3桁以上である家屋番号を示す前記家屋番号データ、及び、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが4以上の所定数以上存在する前記家屋番号データを、区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定するステップ、を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システムで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】家屋番号リストデータの一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図7】区分所有建物家屋番号リストデータの一例を示す図である。
【
図8】分譲マンション家屋番号リストデータの一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る区分所有建物推定システム10の構成の一例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、区分所有建物推定システム10は、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、出力部10d、入力部10eを含むサーバ等のコンピュータシステムである。
【0021】
プロセッサ10aは、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部10bに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部10bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やソリッドステートドライブなどである。記憶部10bには、プロセッサ10aによって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部10cは、データを授受するための通信インタフェースである。出力部10dは、例えばプロセッサ10aから入力される指示に従って情報を表示出力するディスプレイ等の表示部などである。入力部10eは、例えばユーザが行った操作の内容をプロセッサ10aに出力するマウス、キーボード等である。
【0022】
図2は、本実施形態に係る区分所有建物推定システム10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る区分所有建物推定システム10で、
図2に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、
図2に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0023】
図2に示すように、本実施形態に係る区分所有建物推定システム10は、機能的には例えば、家屋番号リストデータ記憶部20、マンション簿データ記憶部22、登記申請情報記憶部24、登記情報記憶部26、推定部28、リスト生成部30、リスト記憶部32、を含んでいる。家屋番号リストデータ記憶部20、マンション簿データ記憶部22、登記申請情報記憶部24、登記情報記憶部26、リスト記憶部32は、記憶部10bを主として実装される。推定部28、リスト生成部30は、プロセッサ10aを主として実装される。
【0024】
以上の機能は、コンピュータである区分所有建物推定システム10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ10aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して区分所有建物推定システム10に供給されてもよい。
【0025】
家屋番号リストデータ記憶部20は、本実施形態では例えば、家屋番号を示す家屋番号データを複数含む家屋番号リストデータを記憶する。
図3は、家屋番号リストデータの一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る家屋番号リストデータには、互いに異なる建物の家屋番号をそれぞれが示す家屋番号データが複数含まれている。ここで、
図3に示すように、家屋番号データに、建物の所在を示す文字列、及び、当該建物の家屋番号を示す文字列が含まれていてもよい。例えば、区分所有建物推定システム10のユーザによって、不動産登記全部事項等の登記情報、不動産登記受付帳の記載内容に相当する登記申請情報、家屋課税台帳を電子化した家屋課税台帳データ、などに基づいて生成された家屋番号リストデータが、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されてもよい。
【0026】
マンション簿データ記憶部22は、本実施形態では例えば、複数の部屋のそれぞれについての家屋番号と部屋番号とが対応付けられたマンション簿を電子化したデータであるマンション簿データを記憶する。
【0027】
図4は、本実施形態に係るマンション簿データの一例を示す図である。
図4に示すように、マンション簿データは、所与の所在のマンションについて、部屋番号を示す部屋番号データと、家屋番号を示す家屋番号データと、が対応付けられている。このように、マンション簿データによって、部屋番号と家屋番号とが対応付けられており、マンション簿データに基づいて、特定の所在の建物における、特定の部屋番号に対応する家屋番号や、特定の家屋番号に対応する部屋番号を特定することができるようになっている。
【0028】
登記申請情報記憶部24は、本実施形態では例えば、
図5に例示されている登記申請情報データなどといった登記申請情報を記憶する。登記申請情報記憶部24に記憶される登記申請情報には、家屋番号リストデータに含まれる家屋番号データに示されている家屋番号により識別される建物に係る登記申請情報が含まれていてもよい。
【0029】
ここで、法務局で管理されている不動産登記受付帳の記載内容に相当する登記申請情報がデータとして登録された登記申請情報データ提供システムから通信部10cを介して予め登記申請情報のデータが取得されてもよい。そして、取得された登記申請情報のデータである登記申請情報データが登記申請情報記憶部24に記憶されてもよい。
【0030】
図5は、登記申請情報データの一例を示す図である。
図5に例示する登記申請情報データは、それぞれ、1の不動産登記申請に対応付けられる。本実施形態に係る登記申請情報データには、受付年月日データ、受付番号、物件特定データ、申請単位データ、登記目的データ、不動産種別データ、外筆データが含まれる。
【0031】
受付年月日データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の受付年月日を示すデータである。
【0032】
受付番号は、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請がされた年における、当該登記申請の受付順序に従って設定される番号である。
【0033】
物件特定データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の対象となる不動産を特定するためのデータである。
図5に示すように物件特定データには、都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データ、が含まれる。
【0034】
都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データは、それぞれ、登記申請の対象となる不動産の都道府県名、市区町村名、大字名又は町名、字名又は丁目、地番又は家屋番号を示すデータである。
【0035】
地番家屋番号データは、登記申請の対象となる不動産が土地である場合は、当該不動産の地番を示すデータである。また、地番家屋番号データは、登記申請の対象となる不動産が建物である場合は、当該不動産の家屋番号を示すデータである。
【0036】
本実施形態では、物件特定データに基づいて、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の対象となる不動産の所在が特定できるようになっている。例えば、都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データの値を結合した文字列が当該不動産の所在を表す文字列に相当する。
【0037】
申請単位データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請が単独申請によってされたか連件申請によってされたかを示すデータである。不動産登記受付帳における「単独」、「連先」、「連続」との記載内容に相当する。連件申請によってされた登記申請の最初の登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「連先」との値が設定される。当該申請単位データとともにされた登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「連続」との値が設定される。また、単独申請によってされた登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「単独」との値が設定される。
【0038】
登記目的データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の目的を示すデータである。なお、登記申請情報データに含まれる登記目的データの値の文字列と、当該登記申請情報データに対応付けられる不動産登記受付帳における登記目的を表す文字列とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0039】
不動産種別データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請に係る不動産の種別を示すデータである。当該登記申請に係る不動産が土地である場合は、不動産種別データには「土地」との値が設定される。また、当該登記申請に係る不動産が建物である場合は、不動産種別データには「建物」との値が設定される。また、当該登記申請に係る不動産が区分建物である場合は、不動産種別データには「区建」との値が設定される。
【0040】
外筆データは、物件特定データにより特定される不動産とともに1の登記申請により登記申請がされた不動産の存在の有無や数を示すデータである。以下、2以上の不動産についての1の登記申請による登記申請を、一括申請と呼ぶこととする。
【0041】
一括申請がされた他の不動産が存在する場合は、登記申請情報に「外1」、「外2」などいった外筆情報が記録される。ここで「外1」は、物件特定データにより特定される不動産とともに一括申請がされた不動産が1つ存在することを意味する。また「外2」は、物件特定データにより特定される不動産とともに一括申請された不動産が2つ存在することを意味する。
【0042】
本実施形態では外筆情報が記録されている登記申請情報については、外筆データに1以上の値が設定される。本実施形態では例えば「外1」との外筆情報が記録されている登記申請情報に相当する登記申請情報データの外筆データには値として1が設定されることとする。また、「外2」との外筆情報が記録されている登記申請情報に相当する登記申請情報データの外筆データには値として2が設定されることとする。また本実施形態では、外筆情報が記録されていない登記申請情報に相当する登記申請情報データの外筆データには値として0が設定されることとする。
【0043】
また、本実施形態では、登記申請情報記憶部24に記憶されている登記申請情報データにおいて、連件申請された登記申請に係る登記申請情報データ同士が関連付けられていることとする。例えば、連件申請された登記申請に係る登記申請情報データには、同じグループIDが付与されていることとする。
【0044】
例えば、申請単位データの値が「連先」である登記申請情報データと、受付番号が当該登記申請情報データに後続する、1又は複数の、申請単位データの値が「連続」である登記申請情報データと、に同じグループIDが付与されていてもよい。
【0045】
登記情報記憶部26は、本実施形態では例えば、登記情報のデータを記憶する。例えば、一般財団法人民事法務協会が提供する登記情報提供サービスなどといった、不動産登記全部事項の情報をPDF形式のファイルで提供する登記情報提供サービスから、通信部10cを介して予め不動産登記全部事項等の登記情報が取得されてもよい。そして当該ファイルに対してテキスト化処理を実行することで生成される登記情報データが登記情報記憶部26に記憶されてもよい。
【0046】
推定部28は、本実施形態では例えば、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データを推定する。ここで例えば、多世帯住宅ではない(二世帯住宅や三世帯住宅などではない)区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データが推定されてもよい。なお、本実施形態に係る多世帯住宅には、二世帯住宅が含まれることとする。あるいは、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データが推定されてもよい。推定部28によって実行される推定処理については後述する。
【0047】
リスト生成部30は、本実施形態では例えば、推定部28による推定結果を示すリストを生成する。ここで例えば、区分所有建物の家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データのリストが生成されてもよい。また、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データのリストが生成されてもよい。また、分譲マンションの家屋番号を示すものとして推定される家屋番号リストのデータが生成されてもよい。そして、リスト生成部30は、生成されるリストをリスト記憶部32に記憶させる。
【0048】
例えば、所与のエリア内の建物の家屋番号をそれぞれが示す複数の家屋番号データを含む家屋番号リストデータが家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されていることとする。この場合に、本実施形態では例えば、
図6に示すように、推定部28が、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに対する推定処理を実行する(S101)。そして、リスト生成部30が、S101に示す処理での推定処理の実行結果に基づいて、リストを生成する(S102)。そして、リスト生成部30が、S102に示す処理で生成されるリストをリスト記憶部32に出力する(S103)。
【0049】
以下、S101に示す処理で実行される推定処理、及び、S102に示す処理で実行されるリストの生成処理に係るいくつかの処理例について説明する。
【0050】
第1の処理例では、S101に示す処理で、推定部28が、例えば、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、枝番が3桁以上である家屋番号を示す家屋番号データ、及び、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが所定数以上存在する家屋番号データを、区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定する。ここで当該所定数は、4以上の数であってもよい。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、区分所有建物の家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータを生成する。
【0051】
例えば、家屋番号データが示す文字列にハイフンが1つ含まれる場合は、当該ハイフンよりも右の部分が枝番に相当する。また、家屋番号データが示す文字列にハイフンが2つ以上含まれる場合は、最も右のハイフンよりも右の部分が枝番に相当する。
【0052】
例えば、
図3に示す家屋番号リストデータが家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている場合には、上述の処理により、
図7に示す区分所有建物家屋番号リストデータが生成される。
【0053】
分譲マンションでは、家屋番号である部屋番号を3桁以上とすることが通常であり、それ以外の理由で家屋番号の枝番に相当する部分が3桁以上となる例は極めてまれである。また、建物の家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものがある程度の数以上ある場合は、多世帯住宅ではない区分所有建物である可能性が高い。
【0054】
第1の処理例では、家屋番号の枝番が3桁以上である家屋番号データ、及び、家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが所定数以上(例えば、4件以上)存在する家屋番号データが、区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定される。そのため、第1の処理例によれば、分譲マンション等の区分所有建物であると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。
【0055】
また、不動産業者などといった区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される区分所有建物家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち区分所有建物である可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0056】
第1の処理例において、S101に示す処理で、推定部28が、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、枝番が3桁以上である家屋番号を示す家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定してもよい。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、分譲マンションの家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データを含む分譲マンション家屋番号リストデータを生成してもよい。
【0057】
例えば、
図3に示す家屋番号リストデータが家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている場合に、上述の処理により、
図8に示す分譲マンション家屋番号リストデータが生成されてもよい。このようにすれば、分譲マンションであると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される分譲マンション家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち分譲マンションである可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0058】
また、第1の処理例において、S101に示す処理で、推定部28が、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが所定数以上存在する家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定してもよい。ここで当該所定数は、4以上の数であってもよい。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータを生成してもよい。
【0059】
このようにすれば、区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)と推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される区分所有建物家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0060】
第2の処理例では、S101に示す処理で、推定部28が、例えば、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、マンション簿データ記憶部22に記憶されているマンション簿データに示されている家屋番号を示す家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定する。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、分譲マンションの家屋番号を示すものとして推定される家屋番号データを含む分譲マンション家屋番号リストデータを生成する。
【0061】
この場合、推定部28は、例えば、家屋番号リストデータ記憶部20に記憶されている家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのそれぞれについて、当該家屋番号データが示す家屋番号がマンション簿データに示されているか否かを確認する。そして、マンション簿データに家屋番号が示されていることが確認された家屋番号データが、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定される。
【0062】
例えば、家屋番号リストデータに含まれる家屋番号データが示す文字列が、マンション簿データに示されている所在の文字列(マンション名を除く)、ハイフン、当該マンション簿データに含まれるいずれかの家屋番号データが示す文字列、を結合した文字列、に一致するか否かが確認されてもよい。そして一致する場合に、当該家屋番号リストデータに含まれる家屋番号データが分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定されてもよい。
【0063】
例えば、マンション簿データ記憶部22に
図4に示すマンション簿データが記憶されている場合には、家屋番号リストデータに含まれる家屋番号データが示す家屋番号が「D県E市F町18-1-1」「D県E市F町18-1-2」「D県E市F町18-1-3」、・・・、「D県E市F町18-1-9」、・・・のいずれかである場合に、当該家屋番号データは、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定される。
【0064】
第2の処理例によれば、分譲マンションであると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される分譲マンション家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち分譲マンションである可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0065】
第3の処理例では、S101に示す処理で、推定部28が、登記申請情報に基づいて、一括申請又は連件申請による所定数以上の登記申請がされた建物であって、かつ、(1)用途が区建であり登記目的が区分建物の表題である、(2)用途が区建であり登記目的が敷地権の表示である、(3)用途が建物であり登記目的が分割・区分である、のいずれかの条件を満たす建物の家屋番号を示す家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定する。ここで当該所定数は、4以上の数であってもよい。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、推定される家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータを生成する。
【0066】
第3の処理例では、例えば、S101に示す処理で、
図9に示すように、推定部28が、家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、S202からS209に示す処理が実行されていないものを1つ選択する(S201)。
【0067】
そして、推定部28が、登記申請情報記憶部24に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、S201に示す処理で選択された家屋番号データが示す家屋番号により識別される建物の登記申請情報データを特定する(S202)。
【0068】
そして、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データが、所定数(例えば、4件)以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データであるか否かを判定する(S203)。
【0069】
S203に示す処理では例えば、S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる外筆データの値が3以上である場合は、S202に示す処理で特定された登記申請情報データは、4件以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データであると判定される。
【0070】
また例えば、S202に示す処理で特定された登記申請情報データと同じグループIDが付与されている他の登記申請情報データの数が3以上である場合は、S202に示す処理で特定された登記申請情報データは、4件以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データであると判定される。
【0071】
また例えば、S202に示す処理で特定された登記申請情報データと同じグループIDが付与されている他の登記申請情報データの数と、当該グループIDが付与されており、申請単位データの値が「連先」である登記申請情報データに含まれる外筆データの値の数と、の合計が3以上である場合に、S202に示す処理で特定された登記申請情報データは、4件以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データであると判定される。
【0072】
S202に示す処理で特定された登記申請情報データが、所定数以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データでないと判定された場合は(S203:N)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものでないと推定する(S204)。
【0073】
S202に示す処理で特定された登記申請情報データが、所定数以上がまとめて登記された登記申請に係る登記申請情報データであると判定された場合は(S203:Y)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる不動産種別データの値が「区建」であるか否かを確認する(S205)。
【0074】
不動産種別データの値が「区建」であることが確認された場合は(S205:Y)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる登記目的データの値が「区分建物の表題」又は「敷地権の表示」のいずれかであるか否かを確認する(S206)。
【0075】
S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる登記目的データの値が「区分建物の表題」又は「敷地権の表示」のいずれかである場合は(S206:Y)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定する(S207)。
【0076】
S205に示す処理で不動産種別データの値が「区建」でないことが確認された場合は(S205:N)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる不動産種別データの値が「建物」であるか否かを確認する(S208)。
【0077】
不動産種別データの値が「建物」でないことが確認された場合は(S208:N)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものでないと推定する(S204)。
【0078】
不動産種別データの値が「建物」であることが確認された場合は(S208:Y)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる登記目的データの値が「分割・区分」であるか否かを確認する(S209)。
【0079】
S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる登記目的データの値が「分割・区分」である場合は(S209:Y)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定する(S207)
【0080】
S202に示す処理で特定された登記申請情報データに含まれる登記目的データの値が「分割・区分」でない場合は(S209:N)、推定部28が、S202に示す処理で特定された登記申請情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものでないと推定する(S204)。
【0081】
S204又はS207に示す処理が実行されたら、推定部28は、家屋番号リストデータに含まれるすべての家屋番号データについて、S202からS209に示す処理が実行されたか否かを確認する(S210)。
【0082】
すべての家屋番号データについて処理が実行されていないことが確認された場合は(S210:N)、S201に示す処理に戻る。
【0083】
すべての家屋番号データについて処理が実行されたことが確認された場合は(S210:Y)、S101に示す処理は終了される。
【0084】
そして、この場合、S102に示す処理で、リスト生成部30が、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定された登記申請情報データの家屋番号を示す家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータを生成する。
【0085】
なお、第3の処理例において、S202に示す処理で、推定部28が、S201に示す処理で選択された家屋番号データが示す家屋番号により識別される建物の登記申請情報データを登記申請情報データ提供システムから通信部10cを介して取得してもよい。そして、取得された登記申請情報データに対して、S203に示す処理以降の処理が実行されてもよい。
【0086】
また、第3の処理例において、家屋番号リストデータを用いる必要はない。例えば、登記申請情報記憶部24に、所定のエリア内の建物についての登記申請情報データが記憶されていてもよい。そして、これらの登記申請情報データに対してS203に示す処理以降の処理が実行されてもよい。
【0087】
すなわち、推定部28が、建物に係る登記申請情報を取得してもよい。そして、推定部28が、当該登記申請情報が、一括申請又は連件申請による所定数以上の登記申請がされた建物であって、かつ、用途が区建であり登記目的が区分建物の表題である、用途が区建であり登記目的が敷地権の表示である、用途が建物であり登記目的が分割・区分である、のいずれかの条件を満たすものである場合に、当該登記申請情報を多世帯住宅ではない区分所有建物に係る登記申請情報として推定してもよい。ここで当該所定数は、4以上の数であってもよい。
【0088】
二世帯住宅や三世帯住宅等の多世帯住宅のほとんどは2戸、多くても3戸である。また、分譲マンションには規約共用部分が1件以上存在することが多い。第3の処理例では、用途や登記目的が上述の条件を満たす、所定数以上(例えば、4以上)の登記申請がされた建物が、多世帯住宅ではない区分所有建物として推定されるため、区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)と推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される区分所有建物家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0089】
第3の処理例において、推定の目的に応じた数が上述の所定数として設定されてもよい。また、多世帯住宅ではない区分所有建物であると推定される建物の推定対象となるエリアの種類や規模に応じた数が上述の所定数として設定されてもよい。例えば、都市部のエリアにおいては大きな数(例えば、10)が、上述の所定数として設定されてもよい。
【0090】
第4の処理例では、S101に示す処理で、推定部28が、例えば、登記情報に基づいて、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されている登記情報に係る建物の家屋番号を示す家屋番号データを、多世帯住宅ではない区分所有建物の家屋番号を示す家屋番号データとして推定する。そして、S102に示す処理で、推定される家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータが生成される。
【0091】
第4の処理例では、例えば、S101に示す処理で、
図10に示すように、推定部28が、家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データのうちから、S302からS306に示す処理が実行されていないものを1つ選択する(S301)。
【0092】
そして、推定部28が、登記情報記憶部26に記憶されている複数の登記情報データのうちから、S301に示す処理で選択された家屋番号データが示す家屋番号により識別される建物の登記情報データを特定する(S302)。
【0093】
そして、推定部28が、S302に示す処理で特定された登記情報データに「表題部(一棟の建物の表示)」との文字列が含まれるか否かを確認する(S303)。
【0094】
S302に示す処理で特定された登記情報データに「表題部(一棟の建物の表示)」との文字列が含まれない場合は(S303:N)、推定部28が、S302に示す処理で特定された登記情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものでないと推定する(S304)。
【0095】
S302に示す処理で特定された登記情報データに「表題部(一棟の建物の表示)」との文字列が含まれる場合は(S303:Y)、推定部28が、S302に示す処理で特定された登記情報データの表題部(一棟の建物の表示)との文字列が含まれるブロックの建物の名称欄に文字列が示されているか否かを確認する(S305)。S305に示す処理では例えば、S302に示す処理で特定された登記情報データの表題部(一棟の建物の表示)との文字列が含まれるブロックにおける、建物の名称との文字列が記載されているセルの右隣のセルに文字列が含まれているか否かが確認される。
【0096】
含まれていない場合は(S305:Y)、推定部28が、S302に示す処理で特定された登記情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものでないと推定する(S304)。
【0097】
含まれている場合は(S305:Y)、推定部28が、S302に示す処理で特定された登記情報データを、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定する(S306)。
【0098】
S304又はS306に示す処理が実行されたら、推定部28は、家屋番号リストデータに含まれるすべての家屋番号データについて、S302からS306に示す処理が実行されたか否かを確認する(S307)。
【0099】
すべての家屋番号データについて処理が実行されていないことが確認された場合は(S307:N)、S201に示す処理に戻る。
【0100】
すべての家屋番号データについて処理が実行されたことが確認された場合は(S307:Y)、S101に示す処理は終了される。
【0101】
そして、この場合、S102に示す処理で、リスト生成部30が、多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定された登記情報データの家屋番号を示す家屋番号データを含む区分所有建物家屋番号リストデータを生成する。
【0102】
第4の処理例によれば、区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)と推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される区分所有建物家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち区分所有建物である(ただし多世帯住宅ではない)可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0103】
第4の処理例において、推定部28が、登記情報に基づいて、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されており、専有部分の建物の表示と示されている表題部の種類欄に居宅と示されている登記情報に係る建物の家屋番号を示す家屋番号データを、分譲マンションの家屋番号を示す家屋番号データとして推定してもよい。
【0104】
例えば、
図10に示す処理において多世帯住宅ではない区分所有建物に係るものであると推定された登記情報データについて、推定部28が、表題部(専有部分の建物の表示)との文字列が含まれるブロックにおける、種類との文字列が記載されているセルの下隣のセルに「居宅」との文字列が記載されているか否かを確認してもよい。
【0105】
「居宅」との文字列が記載されている場合は、推定部28が、当該登記情報データを、分譲マンションに係るものであると推定してもよい。そして、S102に示す処理で、リスト生成部30が、分譲マンションに係るものであると推定された登記情報データの家屋番号を示す家屋番号データを含む分譲マンション家屋番号リストデータを生成してもよい。
【0106】
このようにすれば、分譲マンションであると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できることとなる。また、区分所有建物推定システム10のユーザが、リスト記憶部32に記憶される分譲マンション家屋番号リストデータを参照することで、所与のエリア内の建物のうち分譲マンションである可能性の高い建物の家屋番号を把握することが可能となる。
【0107】
また、第4の処理例において、家屋番号リストデータを用いる必要はない。例えば、登記情報記憶部26に、所定のエリア内の建物の登記情報データが記憶されていてもよい。そして、これらの登記申請情報データに対してS303に示す処理以降の処理が実行されてもよい。
【0108】
すなわち、推定部28が、建物に係る登記情報を取得してもよい。そして、推定部28が、当該登記情報が、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されているものである場合に、当該登記情報を多世帯住宅ではない区分所有建物に係る登記情報として推定してもよい。
【0109】
また、推定部28が、当該登記情報が、一棟の建物の表示と示されている表題部が含まれており、建物の名称欄に文字列が示されており、専有部分の建物の表示と示されている表題部の種類欄に居宅と示されている登記情報に係る建物の家屋番号を示すものである場合に、当該登記情報を分譲マンションに係る登記情報として推定してもよい。
【0110】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0111】
本実施形態において、上述の第1の処理例から第4の処理例で説明した処理のうちのいずれか1つが実行されるようにしてもよいし、複数が実行されるようにしてもよい。
【0112】
また、上述の複数の処理例に係る処理を段階的に適用するようにしてもよい。例えば、家屋番号リストデータに含まれる複数の家屋番号データに対して第2の処理例で説明した処理が実行され、その後、分譲マンションであると推定されなかった建物の家屋番号を示す残りの家屋番号データに対して、第1の処理例で説明した処理が実行されるようにしてもよい。
【0113】
また、上述の具体的な文字列や数値、並びに、図面中の具体的な文字列は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。
【符号の説明】
【0114】
10 区分所有建物推定システム、10a プロセッサ、10b 記憶部、10c 通信部、10d 出力部、10e 入力部、20 家屋番号リストデータ記憶部、22 マンション簿データ記憶部、24 登記申請情報記憶部、26 登記情報記憶部、28 推定部、30 リスト生成部、32 リスト記憶部。
【要約】
【課題】分譲マンション等の区分所有建物であると推定される建物の家屋番号を的確に抽出できる区分所有建物推定システム、区分所有建物推定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】家屋番号リストデータ記憶部20は、家屋番号を示す家屋番号データを複数含む家屋番号リストデータを記憶する。推定部28は、枝番が3桁以上である家屋番号を示す前記家屋番号データ、及び、示されている家屋番号から枝番を除いた部分が共通するものが4以上の所定数以上存在する前記家屋番号データを、区分所有建物の家屋番号を示す前記家屋番号データとして推定する。
【選択図】
図2