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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】シート貼り方法及びシート貼り装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/048 20060101AFI20241127BHJP
   H01R 4/18 20060101ALN20241127BHJP
【FI】
H01R43/048 Z
H01R4/18 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021043836
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143367
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】521113771
【氏名又は名称】山梨金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 英彦
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡司
(72)【発明者】
【氏名】宮田 猛
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-197266(JP,A)
【文献】特開2016-081611(JP,A)
【文献】実開平03-103515(JP,U)
【文献】特開2019-009026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 3/00-4/22
H01R 43/027-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の被覆部に粘着シートを巻き付けるように貼るシート貼り方法であって、
前記電線、前記粘着シート、ダイスの順に並べて配置する第1配置工程と、
前記粘着シートを所定の長さに切断する切断工程と、
前記電線を切断された前記粘着シートに近づけて、前記粘着シートの長さ方向の中央部を前記電線の前記被覆部に貼り付ける第1貼り付け工程と、
前記粘着シートの中央部が貼り付けられた前記電線を前記ダイスに近づけて前記ダイス上に搭載することにより、一対の巻付部材間に前記電線を配置する第2配置工程と、
前記一対の巻付部材を近づけて前記粘着シートの長さ方向の両端部を前記電線の前記被覆部に貼り付ける第2貼り付け工程と、を備え、
前記電線を前記ダイス上に搭載する前記第2配置工程において、前記粘着シートは、両端部が前記ダイスから離れる方向に向かうように曲げられている、
シート貼り方法。
【請求項2】
電線の被覆部に粘着シートを巻き付けるように貼るシート貼り装置であって、
前記粘着シートを支持するシート支持部と、
前記シート支持部により支持された前記粘着シートを所定の長さに切断する切断部と、
ダイスと、
前記電線と、前記ダイスと、の間に前記切断された前記粘着シートを位置づけるように、前記電線を支持する電線支持部と、
前記ダイス上に搭載された前記電線を互いの間に位置付け、互いに接離自在に設けられた一対の巻付部材と、を備え、
前記切断部と前記シート支持部とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部と前記シート支持部とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部と前記ダイスとが接離自在に設けられ
前記電線支持部によって支持された前記電線を前記切断部によって切断された前記粘着シートに近づけて、前記粘着シートの長さ方向の中央部を前記電線の前記被覆部に貼り付け、
前記電線支持部によって支持され且つ前記粘着シートの中央部が貼り付けられた前記電線を前記ダイスに近づけて前記ダイス上に搭載することにより、前記一対の巻付部材間に前記電線を配置し、
前記一対の巻付部材を近づけて前記粘着シートの長さ方向の両端部を前記電線の前記被覆部に貼り付け、
前記電線を前記ダイス上に搭載する際、前記粘着シートは、両端部が前記ダイスから離れる方向に向かうように曲げられている、
シート貼り装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート貼り装置において、
前記シート支持部は、切断された前記粘着シートの長さ方向両端部を支持する一対の支持台から構成されている、
シート貼り装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のシート貼り装置において、
前記ダイスの前記電線の搭載面には、前記電線の外形に沿った電線収容溝が設けられている、
シート貼り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼り方法及びシート貼り装置、に関する。
【背景技術】
【0002】
端子付き電線の防食技術として、例えば、特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1に記載の端子付き電線は、電線の芯線と、端子に設けられた電線の被覆部をかしめる被覆かしめ部と、電線の芯線をかしめる芯線かしめ部と、が一体に紫外線硬化型樹脂により覆われている。この紫外線硬化型樹脂により、芯線に対する水の侵入を防止して防食を図ることができる。
【0003】
上記電線は、熱劣化などにより被覆部が収縮することがある。被覆部が収縮すると、電線の被覆部と、端子の被覆かしめ部と、の間に隙間が生じ、この隙間から水が浸入する恐れがあった。そこで、両面テープ(粘着シート)を被覆部の全周に巻き付けて、電線の被覆部と、端子の被覆かしめ部と、の間に両面テープを設けることが考えられる。この両面テープにより電線の被覆部に収縮が生じたとしても、電線の被覆部と、前記端子の被覆かしめ部と、の間に生じた隙間を両面テープにより埋めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-9026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電線の被覆部に両面テープを巻き付けて貼る作業は非常に煩雑である、という問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に電線の被覆部に粘着シートを巻き付けて貼りつけることができるシート貼り方法及びシート貼り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るシート貼り方法、シート貼り装置及び端子付き電線は、下記[1]~[4]を特徴としている。
[1]
電線の被覆部に粘着シートを巻き付けるように貼るシート貼り方法であって、
前記電線、前記粘着シート、ダイスの順に並べて配置する第1配置工程と、
前記粘着シートを所定の長さに切断する切断工程と、
前記電線を切断された前記粘着シートに近づけて、前記粘着シートの長さ方向の中央部を前記電線の前記被覆部に貼り付ける第1貼り付け工程と、
前記粘着シートの中央部が貼り付けられた前記電線を前記ダイスに近づけて前記ダイス上に搭載することにより、一対の巻付部材間に前記電線を配置する第2配置工程と、
前記一対の巻付部材を近づけて前記粘着シートの長さ方向の両端部を前記電線の前記被覆部に貼り付ける第2貼り付け工程と、を備え、
前記電線を前記ダイス上に搭載する前記第2配置工程において、前記粘着シートは、両端部が前記ダイスから離れる方向に向かうように曲げられている、
シート貼り方法であること。
[2]
電線の被覆部に粘着シートを巻き付けるように貼るシート貼り装置であって、
前記粘着シートを支持するシート支持部と、
前記シート支持部により支持された前記粘着シートを所定の長さに切断する切断部と、
ダイスと、
前記電線と、前記ダイスと、の間に前記切断された前記粘着シートを位置づけるように、前記電線を支持する電線支持部と、
前記ダイス上に搭載された前記電線を互いの間に位置付け、互いに接離自在に設けられた一対の巻付部材と、を備え、
前記切断部と前記シート支持部とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部と前記シート支持部とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部と前記ダイスとが接離自在に設けられ
前記電線支持部によって支持された前記電線を前記切断部によって切断された前記粘着シートに近づけて、前記粘着シートの長さ方向の中央部を前記電線の前記被覆部に貼り付け、
前記電線支持部によって支持され且つ前記粘着シートの中央部が貼り付けられた前記電線を前記ダイスに近づけて前記ダイス上に搭載することにより、前記一対の巻付部材間に前記電線を配置し、
前記一対の巻付部材を近づけて前記粘着シートの長さ方向の両端部を前記電線の前記被覆部に貼り付け、
前記電線を前記ダイス上に搭載する際、前記粘着シートは、両端部が前記ダイスから離れる方向に向かうように曲げられている、
シート貼り装置であること。
[3]
[2]に記載のシート貼り装置において、
前記シート支持部は、切断された前記粘着シートの長さ方向両端部を支持する一対の支持台から構成されている、
シート貼り装置であること。
[4]
[2]又は[3]に記載のシート貼り装置において、
前記ダイスの前記電線の搭載面には、前記電線の外形に沿った電線収容溝が設けられている、
シート貼り装置であること。
【0008】
上記[1]及び[2]の構成のシート貼り方法及びシート貼り装置によれば、電線とダイスとの間に、粘着シートを配置し、電線とダイスとを近づけて、電線をダイス上に搭載した後、一対の巻付部材を互いに近づけるだけで、電線に粘着シートを巻き付けて貼ることができる。
【0009】
上記[3]の構成のシート貼り装置によれば、シート支持部は、切断された粘着シートの長さ方向両端部を支持する一対の支持台から構成されている。これにより、粘着シートの中央部が貼り付けられた電線が、一対の支持台間を通ってダイスに近づけられる。このとき、一対の支持台によって粘着シートの両端部がダイスから離れる方向に向かうように曲げることができ、粘着シートの両端部を電線に巻き付けやすくなる。
【0010】
上記[4]の構成のシート貼り装置によれば、電線収容溝に沿って粘着シートの両端部がダイスから離れる方向に向かうように粘着シートが曲げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容易に電線の被覆部に粘着シートを巻き付けて貼りつけることができるシート貼り方法及びシート貼り装置を提供することができる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の端子付き電線の斜視図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、本実施形態のシート貼り装置の正面図である。
図4図4は、図3のシート貼り装置を構成する電線支持部、シート支持部、ダイスの側面図である。
図5図5は、図3に示すシート貼り装置の動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0015】
本実施形態のシート貼り装置1は、電線300の被覆部302に両面テープ(粘着シート)100を巻き付けて貼る装置である。両面テープ100は、帯状の基台と、基台の両面に設けられた電線側粘着層、端子側粘着層と、電線側粘着層、端子側粘着層を覆う剥離紙(何れも図示せず)と、を有している。電線側粘着層が、電線300に貼り付けられ、端子側粘着層が端子400に貼り付けられる。まず、両面テープ100が貼り付けられた端子付き電線200について図1を参照して説明する。端子付き電線200は、電線300と、電線300の端末に取り付けられた端子400と、を備えている。上記電線300は、複数の素線を撚り合わせた芯線301と、芯線301を被覆する被覆部302と、を有している。電線300の端末には、端子400が取り付けられる。電線300の端末においては、被覆部302が剥き取られ、芯線301が露出している。
【0016】
端子400には、相手側端子と電気的に接続される端子接続部401と、電線300に接続される電線接続部402と、を有している。電線接続部402は、芯線301をかしめる(圧着する)一対の芯線かしめ片(芯線圧着部)402A,402Aと、被覆部302をかしめる一対の被覆かしめ片(被覆圧着部)402B,402Bと、を有している。上記両面テープ100は、図2に示すように、電線300の被覆部302と端子400の被覆かしめ片402Bとの間に配置されるように被覆部302の全周に巻き付けられている。即ち、両面テープ100は、被覆部302の端末に巻き付けられる。
【0017】
また、本実施形態の端子付き電線200は、図1に示すように、電線300の芯線301と、端子400に設けられた芯線かしめ片402A,402Aと、被覆かしめ片402B,402Bと、が一体に紫外線硬化型樹脂500により覆われている。
【0018】
シート貼り装置1は、図3に示すように、テープ支持部(シート支持部)2と、パンチ(切断部)3と、ダイス4と、電線支持部5と、一対のカム6,6と、を備えている。上述したパンチ3は、図示しない切断用操作レバーの操作によって、上下方向Zに移動自在に構成されている。上述した電線支持部5は、図示しない貼付用操作レバーの操作によって、上下方向Zに移動自在に構成されている。なお、本実施形態では、これら操作レバーを操作する作業者から見て、上下、左右、前後を上下方向Z、左右方向X、前後方向Yとして説明する。
【0019】
テープ支持部2は、切断前の両面テープ100Aを支持する。テープ支持部2は、両面テープ100Aの長さ方向である左右方向Xに離間する一対の支持台21,22を有している。一対の支持台21,22間には、前後方向Yに延在するスリット23が設けられている。本実施形態では、スリット23の幅(即ち、一対の支持台21,22の離間距離)は、電線300の直径とほぼ等しく設けられている。また、左右方向X右側の支持台21には、支持台22側の端部から所定長さ離れた位置に段差面21Aが設けられている。この段差面21Aに、両面テープ100Aの端部が当接して、両面テープ100Aの左右方向Xが位置決めされる。また、支持台22の上面と、支持台32の段差面21Aよりも支持台22側の上面と、は同一平面上に設けられている。
【0020】
パンチ3は、テープ支持部2に支持された両面テープ100Aを所定の長さに切断する。パンチ3は、左右方向X左側の支持台22の上下方向Z上側に配置されている。切断用操作レバーの上下方向Zに動かすと、パンチ3も上下方向Zに連動する。パンチ3は、略角筒状に設けられ、前後方向Zに沿った切断刃31が設けられている。この切断刃31によって、両面テープ100Aを前後方向Zに沿って切断することにより、両面テープ100Aを所定の長さに切断する。切断された両面テープ100は、その長さが電線300の被覆部302の半分以上に巻き付けられるように切断される。本実施形態では、電線300の被覆部302全周に巻き付けられるように、両面テープ100は、電線外径×πの長さに切断される。
【0021】
ダイス4は、テープ支持部2よりも上下方向Z下側に配置される。また、ダイス4は、テープ支持部2のスリット23と上下方向Zに対向するように配置されている。ダイス4は、略四角柱状に設けられている。ダイス4は、上から見て左右方向Xに長尺な四角形状に設けられ、その左右方向X中央に前後方向Yに沿って延びる電線収容溝41が設けられている。電線収容溝41は、電線300の外形に沿って設けられている。詳しく説明すると、電線収容溝41は、電線300の被覆部302の径とほぼ同じ径の円弧状に設けられ、電線300の下部が嵌めこまれる。
【0022】
電線支持部5は、図4に示すように、電線300の長手方向である前後方向Zに離間して並べられた一対の支持台51,52を有している。一対の支持台51,52は、互いの間にテープ支持部2やダイス4を位置づけることができるように離間されている。また、前後方向Y前側の支持台51には、支持台52側の端部から所定長さ離れた位置に段差面51Aが設けられている。この段差面51Aには、芯線301の径より大きく、被覆部302の径より小さい電線挿入孔51Bが設けられている。電線挿入孔51Bに芯線301を挿入すると、段差面51Aに、電線300の被覆部302の端部が当接して、電線300の前後方向Yが位置決めされる。また、支持台52の上面と、支持台51の段差面51Aよりも支持台52側の上面と、は同一平面上に設けられている。そして、同一平面上に設けられた支持台51、52の上面には、左右方向X中央に前後方向Yに沿って延びる電線収容溝53(図3)が設けられている。
【0023】
上述した電線支持部5は、貼付用操作レバーの上下操作に連動して、上下方向Zに移動自在に構成されている。詳しくは、電線支持部5は、テープ支持部2よりも上下方向Z上側の位置からテープ支持部2よりも上下方向Z下側の位置まで上下方向Zに移動自在に構成されている。これにより、電線300は、テープ支持部2よりも上下方向Z上側の位置からテープ支持部2に設けられたスリット23を通ってテープ支持部2よりも上下方向Z下側の位置に移動可能となる。
【0024】
一対のカム6,6は、図3に示すように、左右方向Xに離間して並べられ、互いの間にダイス4を位置付けている。一対のカム6,6は各々、上下方向Zに沿って延びるアーム部61と、アーム部61の上端から互いに近づく方向に突出する巻付部62と、を有している。一対のカム6,6が有するアーム部61間に、ダイス4が位置付けられている。アーム部61は、ダイス4よりも上下方向Z上側に突出していて、ダイス4よりも上側から巻付部62が突出している。これにより、一対の巻付部62,62間に、ダイス4上に搭載された電線300を配置することができる。一対のカム6,6の巻付部62には、互いに対向する面の上下方向Z下端に電線300の外形に沿った、電線300の径とほぼ同じの円弧状の電線収容溝62Aが設けられている。
【0025】
また、一対のカム6,6は、アーム部61の下端部に設けられた回転軸64を中心に回転自在に設けられている。これにより、一対のカム6,6は、回転軸64を中心に回転することより、一対のカム6,6の巻付部62が左右方向Xに互いに接離自在になる。本実施形態では、一対のカム6,6は、センサによりダイス4上に電線300が搭載されたことが検知されると、モータなどにより一対の巻付部62,62が互いに近づくように設けられている。
【0026】
次に、上述した構成のシート貼り装置1を用いたシート貼り方法について、図5を参照して説明する。まず、作業員は、貼付用操作レバーを操作して、電線支持部5をテープ支持部2よりも上下方向Z上側に位置付けておく。また、電線300の先端の被覆部302を剥ぎ取る。その後、電線300の下部を一対の支持台51,52(図4)に設けた電線収容溝53に嵌め込む。このとき、電線300の芯線301を電線挿入孔51Bに挿入して、被覆部302の先端を支持台51の段差面51Aに突き当てる。
【0027】
次に、両面テープ100の上下方向Z上側の剥離紙を剥がした状態で、両面テープ100Aを一対の支持台21,22上に搭載する。このとき、両面テープ100Aの端部を支持台22の段差面21Aに突き当てる。これにより、図5(A)に示すように、上下方向Z下側からダイス4、両面テープ100A、電線300の順に並べることができる(第1配置工程)。また、本実施形態では、電線300を先に搭載した後、両面テープ100Aを搭載していたが、これに限ったものではなく、先に両面テープ100Aを搭載した後、電線300を搭載してもよい。
【0028】
その後、切断用操作レバーを操作して、パンチ3を上下方向Z下側に押し下げて、両面テープ100Aを所定の長さに切断する(切断工程)。その後、貼付用操作レバーを操作して、電線支持部5を上下方向Z下側に押し下げて、電線300を切断された両面テープ100に近づけて、両面テープ100の左右方向Xの中央部を電線300の被覆部302に貼り付ける(第1貼り付け工程)。
【0029】
貼付用操作レバーをさらに操作して、電線支持部5をさらに押し下げると、両面テープ100の中央部が貼り付けられた電線300が一対の支持台21,22間に設けられたスリット23を通る。スリット23の幅は、電線300の径とほぼ同じに設けられている。これにより、スリット23を電線300が通ると、両面テープ100の両端が、上下方向Z上側(ダイス4から離れる方向)に向かうように曲げられる。
【0030】
貼付用操作レバーをさらに操作して、電線支持部5をさらに押し下げると、図5(B)に示すように、両面テープ100の中央部が貼り付けられた電線300がダイス4上に搭載され、一対の巻付部62,62間に電線300が配置される(第2配置工程)。その後、図5(C)に示すように、一対の巻付部62,62が互いに近づく。これにより、一対の巻付部62,62に設けられた電線収容溝62Aに沿って両面テープ100の左右方向Xの両端部が曲げられ、両面テープ100の両端部を電線300の被覆部302に貼り付ける(第2貼り付け工程)。
【0031】
その後、作業員は、電線300に貼り付けられた両面テープ100の剥離紙を取り除く。次に、作業員は、周知の圧着装置を用いて、電線300に端子400を圧着する。次に、作業員は、圧着した端子400の上部に吐出口を配置し、紫外線硬化型樹脂500を滴下する。滴下された紫外線硬化型樹脂500は濡れ広がり、芯線301、芯線かしめ片402A、被覆かしめ片402Bを覆う。次に、紫外線の照射により、紫外線硬化型樹脂500が硬化して端子付き電線200が完成する。
【0032】
上述した実施形態によれば、電線300とダイス4との間に、両面テープ100を配置し、電線300をダイス4に近づけて、電線300をダイス4上に搭載した後、一対のカム6,6の巻付部62を互いに近づけるだけで、電線300に両面テープ100を巻き付けて貼ることができる。
【0033】
上述した実施形態によれば、テープ支持部2は、切断された両面テープ100の長さ方向両端部を支持する一対の支持台21,22から構成されている。これにより、両面テープ100の中央部が貼り付けられた電線300が、一対の支持台21,22間(=スリット23)を通ってダイス4に近づけられる。このとき、一対の支持台21,22によって両面テープ100の両端部がダイス4から離れる方向に向かうように曲げることができ、両面テープ100の両端部を電線300に巻き付けやすくなる。
【0034】
上述した実施形態によれば、ダイス4の電線300の搭載面である上面には、電線300の外形に沿った電線収容溝41が設けられている。これにより、電線収容溝41に沿って両面テープ100の両端部がダイス4から離れる方向に向かうように両面テープ100が曲げることができ、両面テープ100の両端部を電線300に巻き付けやすくなる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0036】
例えば、上述した実施形態によれば、スリット23の幅を電線300の径とほぼ同じに設けていたが、これに限ったものではない。スリット23の幅を電線300の径より広く設けてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態によれば、両面テープ100の上側の剥離紙を剥がしてテープ支持部2に搭載していたが、これに限ったものではない。例えば、ダイス4を非粘着性のあるコーティング堀を施していれば、両面テープ100の両面の剥離紙を剥がしてテープ支持部2に搭載してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態によれば、操作レバーの操作によってパンチ3や電線支持部5を移動させていたが、これに限ったものではない。モータやセンサなどを用いて自動でパンチ3や電線支持部5を移動させてもよい。
【0039】
また、上述した実施形態によれば、パンチ3を上下方向Zに移動自在に設けることにより、パンチ3とテープ支持部2とを接離自在に設けていたが、これに限ったものではない。テープ支持部2を上下方向Zに移動自在に設けることにより、パンチ3とテープ支持部2とを接離自在に設けてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態によれば、電線支持部5を上下方向Zに移動自在に設けることにより、電線支持部5とテープ支持部2、ダイス4とを接離自在に設けていたが、これに限ったものではない。テープ支持部2を移動自在に設けることにより、電線支持部5とテープ支持部2とを接離自在に設けてもよい。また、ダイス4を移動自在に設けることにより、電線支持部5とダイス4とを接離自在に設けてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態によれば、粘着シートとして両面に粘着層が設けられた両面テープ100を用いていたが、これに限ったものではない。粘着シートとしては、少なくとも片面に粘着層が設けられていればよい。
【0042】
また、上述した実施形態によれば、電線300の被覆部302の先端を段差面51Aに当接していたが、これに限ったものではない。電線挿入孔51Bを設けずに、芯線301の先端を段差面51Aに当接してもよい。
【0043】
ここで、上述した本発明に係るシート貼り方法及びシート貼り装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電線(300)の被覆部(302)に粘着シート(100)を巻き付けるように貼るシート貼り方法であって、
前記電線(300)、前記粘着シート(100A)、ダイス(4)の順に並べて配置する第1配置工程と、
前記粘着シート(100A)を所定の長さに切断する切断工程と、
前記電線(300)を切断された前記粘着シート(100)に近づけて、前記粘着シート(100)の長さ方向(X)の中央部を前記電線(300)の前記被覆部(302)に貼り付ける第1貼り付け工程と、
前記粘着シート(100A)の中央部が貼り付けられた前記電線(300)を前記ダイス(4)に近づけて前記ダイス(4)上に搭載することにより、一対の巻付部材(6,6)間に前記電線(300)を配置する第2配置工程と、
前記一対の巻付部材(6,6)を近づけて前記粘着シート(100)の長さ方向(X)の両端部を前記電線(300)の前記被覆部(302)に貼り付ける第2貼り付け工程と、を備え、
前記電線(300)を前記ダイス(4)上に搭載する前記第2配置工程において、前記粘着シート(100)は、両端部が前記ダイス(4)から離れる方向に向かうように曲げられている、
シート貼り方法。
[2]
電線(300)の被覆部(302)に粘着シート(100)を巻き付けるように貼るシート貼り装置(1)であって、
前記粘着シート(100A)を支持するシート支持部(2)と、
前記シート支持部(2)により支持された前記粘着シート(100A)を所定の長さに切断する切断部(3)と、
ダイス(4)と、
前記電線(300)と、前記ダイス(4)と、の間に前記切断された前記粘着シート(100)を位置づけるように、前記電線(300)を支持する電線支持部(5)と、
前記ダイス(4)上に搭載された前記電線(300)を互いの間に位置付け、互いに接離自在に設けられた一対の巻付部材(6,6)と、を備え、
前記切断部(3)と前記シート支持部(2)とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部(5)と前記シート支持部(2)とが接離自在に設けられ、
前記電線支持部(5)と前記ダイス(4)とが接離自在に設けられた、
シート貼り装置(1)。
[3]
[2]に記載のシート貼り装置(1)において、
前記シート支持部(2)は、切断された前記粘着シート(100)の長さ方向(X)両端部を支持する一対の支持台(21,22)から構成されている、
シート貼り装置(1)。
[4]
[2]又は[3]に記載のシート貼り装置(1)において、
前記ダイス(4)の前記電線(300)の搭載面には、前記電線(300)の外形に沿った電線収容溝(41)が設けられている、
シート貼り装置(1)。
【符号の説明】
【0044】
1 シート貼り装置
2 テープ支持部(シート支持部)
3 パンチ(切断部)
4 ダイス
5 電線支持部
6 カム(巻付部材)
21 支持台
22 支持台
41 電線収容溝
100 粘着シート
300 電線
302 被覆部
X 左右方向(長さ方向)
図1
図2
図3
図4
図5