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  • 特許-つぼ型おりん 図1
  • 特許-つぼ型おりん 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】つぼ型おりん
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20241127BHJP
   A61G 17/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A47G33/00 L
A61G17/08 Z
A61G17/08 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021047753
(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公開番号】P2022070795
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2020179896
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】松原 信行
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特許第6638126(JP,B1)
【文献】特開2020-171667(JP,A)
【文献】特開2017-124091(JP,A)
【文献】登録実用新案第3203314(JP,U)
【文献】登録実用新案第3092511(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
A61G 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
つぼと当該つぼの上部に支持されたおりんとしても機能を有する蓋体とを備え、
前記つぼは容器部と当該容器部の開口部を塞ぐ蓋部とを有し、前記蓋体は前記つぼの蓋部に揺動可能に支持されていることを特徴とするつぼ型おりん。
【請求項2】
前記つぼを載置する台座を有し、
前記つぼを前記台座に載置した状態で前記つぼの蓋部に、下部側が開口した前記蓋体の内側を1点支持させたものであることを特徴とする請求項記載のつぼ型おりん。
【請求項3】
前記蓋体は逆さにした略お椀形状であり、
前記蓋体で前記つぼを覆ってあり、
前記蓋体の開口端部と前記台座の周縁縁部との間の隙間が10mm以下に設定してあることを特徴とする請求項記載のつぼ型おりん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おりんとつぼとを一体化したつぼ型おりんに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで遺骨や遺灰等は、骨壺と称されるつぼに入れてお墓に納めるのが一般的であったが、近年は仏壇や身近なところに置いて供養することを希望される人々もいる。
そこで本出願人は、先におりんとしての機能も有する遺骨・遺灰入れを提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6638126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、おりんとしての機能をさらに発展させ、りん棒等にて叩くと鳴る打りん音に優れたつぼ型おりんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るつぼ型おりんは、つぼと当該つぼの上部に支持されたおりんとしての機能を有する蓋体とを備えたことを特徴とする。
ここで、つぼとは、遺骨又は遺灰を収容するための容器をいい、故人のみならずペットも対象になる。
【0006】
本明細書では、おりんとしての機能を有する蓋体を必要に応じておりん本体と表現する。
このようにつぼの上部におりん本体を支持し、りん棒等で打りんすると、従来のおりんと同様に澄んだ音が鳴り、その余韻が長く続くようにした点に特徴がある。
従って、つぼの上部におりん本体を支持する態様としては、打りんした際に音が鳴りやすいように揺動可能に蓋体を支持してある。
なお、つぼの上部に立設した支持部による1点支持にすると、より好ましい。
実質的に1点支持であれば、やじろべえのような載置支持,弾性材を介した弾性連結,嵌合連結等、その支持構造に制限はない。
また、このようにすると、おりん本体を回転支持することもできる。
また蓋体は、つぼから取り外すと、それ自体でおりんとしての使用もできる。
【0007】
本発明において、つぼは容器部と当該容器部の開口部を塞ぐ蓋部とを有し、前記おりん本体は前記蓋部に支持されているのが好ましい。
このようにすると、遺骨や遺灰の収容が容易になる。
【0008】
本発明は、載置型のつぼにおりん本体を支持させてもよいが、おりん本体の内側につぼを載置できるように、つぼを載置する台座を有し、前記つぼを前記台座に載置した状態で前記つぼに、下部側が開口したおりん本体の内側を1点支持させたものであってもよい。
この場合に、おりん本体は逆さにした略お椀形状であり、前記おりん本体で前記つぼを覆ってあり、前記おりん本体の開口端部と前記台座の周縁縁部との間の隙間が10mm以下に設定してあるのが好ましい。
ここで、おりん本体の開口端部と台座周縁端部との間の隙間を10mm以下に設定した趣旨は、外部からは内側につぼを有することが分かりにくいようにするのが目的であり、つぼの大きさによっては隙間の大きさを10mm以上に設定してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るつぼ型おりんは、骨壺の上部におりんを支持させたので、遺骨や遺灰を手元に置いて供養できるとともに、お参りの際におりんとして使用できる。
また、つぼをおりんの内側に配置すると、おりんとつぼとを融合した新しいデザインの仏具となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るつぼ型おりんの構造例を示し、(a)は部分断面図、(b)は外観を示す。
図2】つぼの形状を略球形状にしたつぼ型おりんの例を示し、(a)は部分断面図、(b)は外観を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るつぼ型おりんの例を以下図に基づいて説明するが、本発明はつぼの上部におりんとしての機能を有する蓋体を支持した点に特徴があり、その範囲にて自由に応用できる。
【0012】
図1は、台座11の上につぼ13を載置し、このつぼ13の上部で蓋体(おりん本体)12を支持させた例になっている。
ここで、台座11は必ずしも必要ではなく、載置型のつぼにおりん本体を支持させる構造でもよいが、本実施例は図1(b)に外観を示すように全体として略球形状にデザインした例になっている。
したがって蓋体12は、下側が開口した球面形状の回転体であり、台座11も側面は球面形状の一部である。
【0013】
つぼ13は、内部に遺骨等を収容する容器部13aと、この容器部13aに設けた上部開口部を塞ぐ蓋部13cからなる実施例となっている。
この蓋部13cの上部側にピン状の支持部13dを立設した例になっている。
図1に示した実施例は、支持部13dの上端を凸形状にし、逆さにした略お椀形状のおりん本体の内側の中央部に凹部を設けてある。
このようにすると、おりん本体12に設けた凹部12aが支持部の上端の凸部13eにて、左右,前後に揺動可能に支持されるので、りん棒等にて打りんすると、振動しやすくなる。
なお、この場合に、つぼの蓋部13cの支持部13d側を凹部形状にし、おりん本体12の内側中央部側を凸部にしても同様の効果が得られる。
また、支持部13dとおりん本体とをバネ部材やゴム等の弾性部材で連結してもよい。
【0014】
つぼ13は、台座11の上に載置するだけでもよいが、本実施例はつぼ13の容器部13aの底部に設けたおねじ部13bと、台座11側に設けためねじ部11bにて螺合固定した例になっている。
固定方法は、嵌合固定でもよい。
このようにすると、台座11とつぼ13の容器部13aとを一体化でき、取扱いが容易になる。
【0015】
台座11はプレート状でもよいが、本実施例は底部に平坦部11aを有し、外形が部分球面形状になり、おりん本体12と合せて略球形にしてある。
この際に、おりん本体12を外形が球面状の下側が開口した逆さのお椀形状にし、開口端部12bと台座11の周縁端部11cとの間に形成される隙間dが10mm以下、好ましくは1~5mmに設定してある。
【0016】
りん本体12は、真鍮等の銅合金,スズ,アルミ,鉄系金属等の金属製が好ましく、つぼ13は必ずしも金属製である必要はなく、陶磁器,樹脂製等でもよい。
【0017】
図2は、つぼの形状を略球形のつぼ23にした例を示す。
本実施例は、容器部23aと蓋部23cにて球形状にし、蓋部の上部に設けた支持部23dでおりん本体12を支持してある。
また、容器部23aの底部のおねじ部23bにて台座11に固定してある。
このようにすると、おりん本体12を取り外してもデザイン性に優れたつぼになる。
また蓋体であるおりん本体は、つぼから取り外して、そのものをおりんとして使用もできる。
【符号の説明】
【0018】
11 台座
12 蓋体(おりん本体)
13 つぼ
図1
図2