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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】電気自動車用バッテリーケース製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/00 20060101AFI20241127BHJP
   B23K 9/23 20060101ALI20241127BHJP
   B23K 20/12 20060101ALI20241127BHJP
   B23K 26/142 20140101ALI20241127BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20241127BHJP
   B23K 26/32 20140101ALI20241127BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B23K9/00 501C
B23K9/00 501N
B23K9/23 F
B23K20/12 310
B23K26/142
B23K26/21 P
B23K26/32
B23K31/00 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023213180
(22)【出願日】2023-12-18
【審査請求日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】10-2023-0130154
(32)【優先日】2023-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523475974
【氏名又は名称】ケイ.エス.エム.カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョン チャン
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-252350(JP,A)
【文献】特開2014-102895(JP,A)
【文献】中国実用新案第217444536(CN,U)
【文献】特開2010-153128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00
B23K 9/23
B23K 20/12
B23K 26/142
B23K 26/21
B23K 26/32
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用バッテリーケース製造方法として、
単位組立体準備ステップS1、第1溶接ステップS2、第1加工ステップS3および第1検査ステップS4を順次実行する第1サイクル実行ステップを含み、
前記単位組立体準備ステップS1は、アルミニウム押出および機械加工によって単位部品を準備した後、それぞれのサブ組立体を溶接する過程を行い、
前記第1溶接ステップS2は、単位組立体準備ステップS1を通じて製作されたサブ組立体の組み立て後にMIG溶接またはFSW溶接を実施する過程を行い、
前記第1加工ステップS3は、第1溶接ステップS2を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面加工、及びホール加工する過程を行い、
前記第1検査ステップS4は、前記第1加工ステップS3を通じて補正された製品に対するリークテスト(Leak Test)を実施する過程を行うことを特徴とする電気自動車用バッテリーケース製造方法。
【請求項2】
前記電気自動車用バッテリーケース製造方法は、
前記第1サイクル実行ステップ以後に行う第2溶接ステップS5、第2加工ステップS10、第3溶接ステップS11および第2検査ステップS12を順次実行する第2サイクル実行ステップを含み、
前記第2溶接ステップS5は、第1検査ステップS4を通過した製品に対するFSW溶接とレーザー溶接を実施する過程を行い、
前記第2加工ステップS10は、第2溶接ステップS5を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面の最終面加工を行った後、設計された位置に最終ホール加工を実施する過程を行い、
前記第3溶接ステップS11は、第2加工ステップS10を通じて製作された製品に対するMIG溶接を実施する過程を行い、
前記第2検査ステップS12は、第3溶接ステップS11を通じて完成した製品に対するリークテスト(Leak Test)を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用バッテリーケース製造方法。
【請求項3】
前記電気自動車用バッテリーケース製造方法は、
前記第2検査ステップS12を通過した製品をリベット締結およびスクリュー締結して組み立てる製品締結ステップS13と、
前記製品締結ステップS13を通じて完成した製品を検査する最終検査ステップS14と、
前記最終検査ステップS14を通過した製品を包装して出荷する完成品出荷ステップS15を含むことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車用バッテリーケース製造方法。
【請求項4】
前記第1溶接ステップS2は、
左右メンバーボディサイドサブ組立体、後方メンバーボディサブ組立体およびブラケットモジュールマウンティングサブ組立体をMIG溶接方法またはFSW溶接方法を用いて1つの枠フレーム構造物10を製作し、
前記第1加工ステップS3は、
前記第1溶接ステップS2を通じて製作された枠フレーム構造物10の上部溶接ビードを加工する上部溶接ビード加工ステップと、
前記上部溶接ビード加工ステップを行った後に枠フレーム構造物10の下部溶接ビードを加工する下部溶接ビード加工ステップと、
前記下部溶接ビード加工ステップを行った後、加工面を圧縮空気を用いてクリーニング作業を行うエアブローステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車用バッテリーケース製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車用バッテリーケース製造方法に関するものであって、より詳細には、ホールと加工されたプロファイル溶接時に発生する溶接変形を防止できる電気自動車用バッテリーケース製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術による電気自動車用バッテリーケースの場合、押出されたプロファイルの各パートを面加工とホール加工を行い、その後MIG溶接とFSW溶接などを通じて各パートを総合して1つの電気自動車用バッテリーケースを完成する。
【0003】
具体的には、サブパートの面加工とホール加工を先行して実施しており、以後実施される最終溶接で発生する溶接変形によって設計された寸法公差を満足できない場合が多い。このような溶接変形による不良を解消するために、溶接後の工程として変形を正しく正した工程が追加されている。
【0004】
その結果、従来技術による電気自動車用バッテリーケース製造方法は、溶接変形による校正工程による作業工数の増加問題、製造時間の増加問題、製造コストの上昇の問題を有している。
【0005】
具体的な例として、アルミニウム材料を用いた電気自動車用バッテリーケースの場合、ホール(Hole)と加工されたプロファイル溶接時の熱によってねじれ現象が発生する。ねじれは、加工ホールの許容公差外れと平坦度の問題を引き起こし、バッテリーシステムアセンブリ(最終製品)の組み立て、下部、上部パネル組み立て時に全体製品の品質に影響を与える。それだけでなく、バッテリーケースの生産中に300個余りのホールにリベット(Rivet)作業の自動化に影響を与え、生産効率にも問題を引き起こす。
【0006】
したがって、従来技術による問題点を解決することができる技術が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国登録特許公報第10-243269号(登録日付:2022年08月10日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、電気自動車用バッテリーケース製造工程上の部品の平坦度を安定化することができ、ホール加工公差を安定化することができ、電気自動車用バッテリーケース製造工程中に発生する不良や生産ロスを防止することができ、後工程であるリベット工程を自動化することができ、不良製品の廃棄コスト削減だけでなく生産コストまで削減でき、最終製品の高品質を保証できる電気自動車用バッテリーケース製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明の一態様に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法は、単位組立体準備ステップS1、第1溶接ステップS2、第1加工ステップS3および第1検査ステップS4を順次実行する第1サイクル実行ステップを含み、前記単位組立体準備ステップS1は、アルミニウム押出および機械加工によって単位部品を準備した後、それぞれのサブ組立体を溶接する過程を行い、前記第1溶接ステップS2は、単位組立体準備ステップS1を通じて製作されたサブ組立体の組み立て後にMIG溶接またはFSW溶接を実施する過程を行い、前記第1加工ステップS3は、第1溶接ステップS2を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面を加工するか、またはホール加工する過程を行い、前記第1検査ステップS4は、第1加工ステップS3を通じて補正された製品に対するリークテスト(Leak Test)を実施する過程を行い得る。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記電気自動車用バッテリーケース製造方法は、前記第1サイクル実行ステップ後に行う第2溶接ステップS5、第2加工ステップS10、第3溶接ステップS11および第2検査ステップS12を順次実行する第2サイクル実行ステップを含み、前記第2溶接ステップS5は、第1検査ステップS4を通過した製品に対するFSW溶接とレーザー溶接を実施する過程を行い、前記第2加工ステップS10は、第2溶接ステップS5を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面の最終面加工を行った後、設計された位置に最終ホール加工を実施する過程を行い、前記第3溶接ステップS11は、第2加工ステップS10を通じて製作された製品に対するパイプMIG溶接を実施する過程を行い、前記第2検査ステップS12は、第3溶接ステップS11を通じて完成した製品に対するリークテスト(Leak Test)を行い得る。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記電気自動車用バッテリーケース製造方法は、前記第2検査ステップを通過した製品をリベット締結およびスクリュー締結して組み立てる製品締結ステップと、前記製品締結ステップを通じて完成した製品を検査する最終検査ステップと、前記最終検査ステップを通過した製品を包装して出荷する完成品出荷ステップと、をさらに含む構成であり得る。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記第1溶接ステップは、左右メンバーボディサイドサブ組立体、後方メンバーボディサブ組立体およびブラケットモジュールマウンティングサブ組立体をMIG溶接方法またはFSW溶接方法を用いて1つの枠フレーム構造物を製作できる。
【0013】
この場合、前記第1加工ステップは、前記第1溶接ステップを通じて製作された枠フレーム構造物の上部溶接ビードを加工する上部溶接ビード加工ステップと、前記上部溶接ビード加工ステップを行った後に枠フレーム構造物の下部溶接ビードを加工する下部溶接ビード加工ステップと、前記下部溶接ビード加工ステップを行った後に加工面を圧縮空気を用いてクリーニング作業を行うエアブローステップと、を含む構成であり得る。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記第2溶接ステップは、枠フレーム構造物に複数のブラケットモジュールマウンティングサブ組立体と複数のブラケットスウェリング遮断サブ組立体とをMIG溶接方法を用いて組み立てるブラケット溶接ステップと、ブラケット溶接ステップを通じて製作された枠フレーム構造物の下部面に下部密閉板をレーザー溶接方法を用いて組み立てる下部密閉板溶接ステップと、前記下部密閉板溶接ステップを通じて製作された枠フレーム構造物の組み立て状態を検査する下部密閉板組み立て状態検査ステップと、前記検査ステップを通過した枠フレーム構造物にFSW溶接方法を用いてMIG溶接部位とレーザー溶接部位を最終溶接処理するFSW溶接ステップと、前記FSW溶接ステップを行った後にFSW溶接部を仕上げ加工した後、仕上げ加工面についての検査を行うFSW溶接部仕上げおよび検査ステップと、を含む構成であり得る。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記完成品出荷ステップは、前記枠フレーム構造物の上部面を密閉できる構造の下部面カバー部材を製作する下部面カバー部材準備ステップと、前記下部面カバー部材を枠フレーム構造物の上部面に取り付けた後、FDSスクリューを用いて締結する下部面カバー部材固定ステップと、カバー部材固定ステップを通過した製品を圧縮空気を用いてクリーニング作業を行った後、上部面と下部面を検査するエアブローおよびZ面検査ステップと、エアブローおよびZ面検査ステップを通過した製品をビジョン検査によって最終検査を行った後、レーザーを用いて打刻を行うビジョン検査およびレーザー打刻ステップと、を含む構成であり得る。
【発明の効果】
【0016】
前述の説明のように、本発明の電気自動車用バッテリーケース製造方法によると、特定過程を行う単位組立体準備ステップ、第1溶接ステップ、第1加工ステップ、第1検査ステップを順次実行することによって、溶接変形が発生する溶接を先に行った後に面加工とホール加工を行い、従来技術による溶接変形面加工寸法不良とホール加工寸法不良を源泉的に遮断でき、面加工寸法不良とホール加工寸法不良を正すために投入した工数を省略でき、結果的に製作工程の効率性を確保するとともに製造単価を削減できるだけでなく、最終製品の高品質を保証できる電気自動車用バッテリーケース製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を通じて製作された製品を示す斜視図である。
図2a】本発明の実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を示すフローチャートである。
図2b】本発明の他の実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を示すフローチャートである。
図3図2bに示す電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップをより詳細に示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の製品締結ステップ、最終検査ステップおよび完成品出荷ステップを示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を示す工程模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の単位組立体準備ステップS1を示す工程模式図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第1溶接ステップS2を示す工程模式図である。
図8】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第1加工ステップS3を示す工程模式図である。
図9】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第1検査ステップS4を示す工程模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップS5を構成するブラケット溶接ステップS5-1を示す工程模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップS5を構成する下部密閉板溶接ステップS6を示す工程模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップS5を構成する下部密閉板組み立て状態検査ステップS7を示す工程模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップS5を構成するFSW溶接ステップS8を示す工程模式図である。
図14】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップS5を構成するFSW溶接部仕上げおよび検査ステップS9を示す工程模式図である。
図15】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2加工ステップS10を示す工程模式図である。
図16】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第3溶接ステップS11を示す工程模式図である。
図17】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2検査ステップS12を示す工程模式図である。
図18】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の製品締結ステップS13を示す工程模式図である。
図19】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の最終検査ステップS14を示す工程模式図である。
図20】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の完成品出荷ステップS15を構成する下部面カバー部材準備ステップS15-1を示す工程模式図である。
図21】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の完成品出荷ステップS15を構成するカバー部材固定ステップS16を示す工程模式図である。
図22】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の完成品出荷ステップS15を構成するエアブローおよびZ面検査ステップS17を示す工程模式図である。
図23】本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の完成品出荷ステップS15を構成するビジョン検査およびレーザー打刻ステップS18を示す工程模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。これに先立って、本明細書および特許請求の範囲で使用される用語または単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されるべきではなく、本発明の技術的思想に符合する意味および概念として解釈されるべきである。
【0019】
本明細書の全体において、ある部材が他の部材「上」に位置していると言うとき、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材の間に別の部材が存在する場合も含む。本明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言う場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を通じて製作された製品を示す斜視図であり、図2aおよび図2bは、本発明の実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を示すフローチャートである。
【0021】
これらの図を参照すると、本実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法S100は、特定過程を行う単位組立体準備ステップS1、第1溶接ステップS2、第1加工ステップS3、第1検査ステップS4、第2溶接ステップS5、第2加工ステップS10、第3溶接ステップS11および第2検査ステップS12を順次実行することによって、溶接変形が発生する溶接を先に行った後に面加工とホール加工を行い、従来技術による溶接変形面加工寸法不良とホール加工寸法不良を源泉的に遮断でき、面加工寸法不良とホール加工寸法不良を正すために投入した工数を省略でき、結果的に製作工程の効率性を確保するとともに製造単価を削減できるだけでなく、最終製品の高品質を保証できる電気自動車用バッテリーケース製造方法を提供し得る。
【0022】
以下、図面を参照して本実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法S100を構成している各ステップについて詳細に説明する。
【0023】
図3は、図2bに示す電気自動車用バッテリーケース製造方法の第2溶接ステップをより詳細に示すフローチャートであり、図4は、本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法の製品締結ステップ、最終検査ステップおよび完成品出荷ステップを示すフローチャートであり、図5は、本発明の一実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法を示す工程模式図である。
【0024】
これらの図を参照すると、本実施形態に係る単位組立体準備ステップS1は、アルミニウム押出および機械加工によって単位部品を準備した後、それぞれのサブ組立体を溶接する過程を行う。
【0025】
本実施形態に係る第1溶接ステップS2は、単位組立体準備ステップS1を通じて製作されたサブ組立体の組み立て後にMIG溶接またはFSW溶接を行う。
【0026】
本実施形態に係る第1加工ステップS3は、第1溶接ステップS2を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面を加工して正しく補正する過程を行う。
【0027】
本実施形態に係る第1検査ステップS4は、第1加工ステップS3を通じて補正された製品に対するリークテスト(Leak Test)を行う。
【0028】
本実施形態に係る第2溶接ステップS5は、第1検査ステップS4を通過した製品に対するFSW溶接とレーザー溶接を行う。
【0029】
本実施形態に係る第2加工ステップS10は、第2溶接ステップS5を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面の最終面加工を行った後、設計された位置に最終ホール加工を行う。
【0030】
本実施形態に係る第3溶接ステップS11は、第2加工ステップS10を通じて製作された製品に対するパイプMIG溶接を行う。
【0031】
本実施形態に係る第2検査ステップS12は、第3溶接ステップS11を通じて完成した製品に対するリークテスト(Leak Test)を行う。
【0032】
図4および図5に示すように、本実施形態に係る電気自動車用バッテリーケース製造方法S100は、特定過程を行う製品締結ステップS13、最終検査ステップS14および完成品出荷ステップS15をさらに含む構成であり得る。
【0033】
具体的に、本実施形態に係る製品締結ステップS13は、第2検査ステップS12を通過した製品をリベット締結およびスクリュー締結して組み立てる過程を行う。
【0034】
本実施形態に係る最終検査ステップS14は、製品締結ステップS13を通じて完成した製品を検査する過程を行う。
【0035】
また、完成品出荷ステップS15は、最終検査ステップS14を通過した製品を包装して出荷する過程を行う。
【0036】
図6図23には、電気自動車用バッテリーケース製造方法S100の各ステップを示す工程模式図がそれぞれ示されている。
【0037】
以下、それぞれの工程模式図を参照してそれぞれの工程について詳細に説明する。
【0038】
本実施形態に係る第1溶接ステップS2は、図2b、図5および図7に示すように、左右メンバーボディサイドサブ組立体、後方メンバーボディサブ組立体およびブラケットモジュールマウンティングサブ組立体をMIG溶接方法を用いて1つの枠フレーム構造物10を製作する過程を行う。
【0039】
本実施形態に係る第1加工ステップS3は、図2b、図5および図8に示すように、第1溶接ステップS2を通じて製作された枠フレーム構造物10の上部溶接ビードを加工する上部溶接ビード加工ステップを行う。その後、上部溶接ビード加工ステップを行った後に枠フレーム構造物10の下部溶接ビードを加工する下部溶接ビード加工ステップを行い、下部溶接ビード加工ステップを行った後、加工面を圧縮空気を用いてクリーニング作業を行うエアブローステップを行う。
【0040】
本実施形態に係る第2溶接ステップS5は、図2b、図3図5図9図14に示すように、特定過程を行うブラケット溶接ステップS5-1、下部密閉板溶接ステップS6、下部密閉板組み立て状態検査ステップS7、FSW溶接ステップS8、FSW溶接部仕上げおよび検査ステップS9を含む構成であり得る。
【0041】
具体的に、第2溶接ステップS5のブラケット溶接ステップS5-1は、枠フレーム構造物10に複数のブラケットモジュールマウンティングサブ組立体と複数のブラケットスウェリング遮断サブ組立体をMIG溶接方法を用いて組み立てる過程を行う。第2溶接ステップS5の下部密閉板溶接ステップS6は、ブラケット溶接ステップS5-1を通じて製作された枠フレーム構造物10の下部面に下部密閉板20をレーザー溶接方法を用いて組み立てる過程を行う。第2溶接ステップS5の下部密閉板組み立て状態検査ステップS7は、下部密閉板溶接ステップS6を通じて製作された枠フレーム構造物10の組み立て状態を検査する過程を行う。第2溶接ステップS5のFSW溶接ステップS8は、検査ステップを通過した枠フレーム構造物10にFSW溶接方法を用いてMIG溶接部位とレーザー溶接部位を最終溶接処理する過程を行う。また、第2溶接ステップS5のFSW溶接部仕上げおよび検査ステップS9は、FSW溶接ステップS8を行った後にFSW溶接部を仕上げ加工した後、仕上げ加工面についての検査を行う。
【0042】
本実施形態に係る完成品出荷ステップS15は、図4図5図20図23に示すように、特定過程を行う下部面カバー部材準備ステップS15-1、カバー部材固定ステップS16、エアブローおよびZ面検査ステップS17、ビジョン検査およびレーザー打刻ステップS18を含む構成であり得る。
【0043】
具体的に、完成品出荷ステップS15のカバー部材準備ステップS15-1は、枠フレーム構造物10の上部面を密閉できる構造の下部面カバー部材30を製作する過程を行う。完成品出荷ステップS15のカバー部材固定ステップS16は、下部面カバー部材30を枠フレーム構造物10の上部面に取り付けた後、FDSスクリューを用いて締結する過程を行う。完成品出荷ステップS15のエアブローおよびZ面検査ステップS17は、カバー部材固定ステップS16を通過した製品を圧縮空気を用いてクリーニング作業を行った後、上部面と下部面を検査する過程を行う。また、完成品出荷ステップS15のビジョン検査およびレーザー打刻ステップS18は、エアブローおよびZ面検査ステップS17を通過した製品をビジョン検査によって最終検査を行った後、レーザーを用いて打刻を実施する過程を行う。
【0044】
前述の説明のように、本発明の電気自動車用バッテリーケース製造方法によると、特定過程を行う単位組立体準備ステップS1、第1溶接ステップS2、第1加工ステップS3、第1検査ステップS4、第2溶接ステップS5、第2加工ステップS10、第3溶接ステップS11および第2検査ステップS12を順次実行することによって、溶接変形が発生する溶接を先に行った後に面加工とホール加工を行い、従来技術による溶接変形面加工寸法不良とホール加工寸法不良を源泉的に遮断でき、面加工寸法不良とホール加工寸法不良を正すために投入した工数を省略でき、結果的に製作工程の効率性を確保するとともに、製造単価を削減できるだけでなく、最終製品の高品質を保証できる電気自動車用バッテリーケース製造方法を提供し得る。
【0045】
以上、本発明の詳細な説明においては、それによる特別な実施形態についてのみ記述した。しかし、本発明は、詳細な説明で言及される特別な形態に限定されるものではないと理解されるべきであり、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものと理解されるべきである。
【0046】
すなわち、本発明は、前述した特定の実施形態および説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能であり、そのような変形は、本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0047】
100:電気自動車用バッテリーケース
10:枠フレーム構造物
20:下部密閉板
30:下部面カバー部材
S100:電気自動車用バッテリーケース製造方法
S1:単位組立体準備ステップ
S2:第1溶接ステップ
S3:第1加工ステップ
S4:第1検査ステップ
S5:第2溶接ステップ
S5-1:ブラケット溶接ステップ
S6:下部密閉板溶接ステップ
S7:下部密閉板組み立て状態検査ステップ
S8:FSW溶接ステップ
S9:FSW溶接部仕上げおよび検査ステップ
S10:第2加工ステップ
S11:第3溶接ステップ
S12:第2検査ステップ
S13:製品締結ステップ
S14:最終検査ステップ
S15:完成品出荷ステップ
S15-1:下部面カバー部材準備ステップ
S16:カバー部材固定ステップ
S17:エアブローおよびZ面検査ステップ
S18:ビジョン検査およびレーザー打刻ステップ
【要約】      (修正有)
【課題】最終製品の高品質を保証できる電気自動車用バッテリーケース製造方法を提供する。
【解決手段】単位組立体準備ステップS1、第1溶接ステップS2、第1加工ステップS3および第1検査ステップS4を順次実行する第1サイクル実行ステップを含み、単位組立体準備ステップS1は、アルミニウム押出および機械加工によって単位部品を準備した後、それぞれのサブ組立体を溶接する過程を行い、第1溶接ステップS2は、単位組立体準備ステップS1を通じて製作されたサブ組立体の組み立て後にMIG溶接またはFSW溶接を実施する過程を行い、第1加工ステップS3は、第1溶接ステップS2を通じて組み立てられた製品の溶接ビード部とねじれ面を加工するか、またはホール加工する過程を行い、第1検査ステップS4は、第1加工ステップS3を通じて補正された製品に対するリークテストを実施する。
【選択図】図2
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23