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  • 特許-牽引方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】牽引方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/08 20060101AFI20241127BHJP
   F16L 1/028 20060101ALI20241127BHJP
   F16L 55/30 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H02G1/08
F16L1/028 Z
F16L55/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024097404
(22)【出願日】2024-06-17
【審査請求日】2024-06-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524229369
【氏名又は名称】株式会社SuNDeN
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】三戸 和弘
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-132387(JP,A)
【文献】実開昭59-082878(JP,U)
【文献】特開2003-111227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/30
H02G 1/08
F16L 1/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中埋設管路の管路導通試験に用いられ、前記地中埋設管路内を通すボビンを牽引する牽引装置であり、
前記ボビンに取り付けるロープを巻き付けるプーリーと、
前記プーリーを回転させる電動機と、
前記プーリーに動作トルクを越える負荷トルクが加わると前記プーリーの回転を停止する回転停止手段と、
前記動作トルクを変更できるトルク設定手段と、
前記電動機の回転速度を設定する速度設定手段と
を備え、
前記回転停止手段として、パウダクラッチを用いる牽引装置を用いた牽引方法であって、
前記プーリーに前記ロープを巻き付け、
前記トルク設定手段によって、前記動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、
前記ロープを前記プーリーに巻き付けた後に前記初期トルクで前記電動機の動作スイッチを入れ、
前記動作スイッチを入れた後に、前記トルク設定手段によって前記トルクを前記初期トルクから前記プーリーが動き出すまで徐々に上げ、
前記プーリーが動き出した時の前記トルクを基準トルクとして、前記基準トルクに所定比率を加えた前記トルクを前記動作トルクに設定して前記牽引装置を動作させる
ことを特徴とする牽引方法。
【請求項2】
地中埋設管路の管路導通試験に用いられ、前記地中埋設管路内を通すボビンを牽引する牽引装置であり、
前記ボビンに取り付けるロープを巻き付けるプーリーと、
前記プーリーを回転させる電動機と、
前記プーリーに動作トルクを越える負荷トルクが加わると前記プーリーの回転を停止する回転停止手段と、
前記動作トルクを変更できるトルク設定手段と、
前記電動機の回転速度を設定する速度設定手段と
を備え、
前記回転停止手段として、パウダクラッチを用いる牽引装置を用いた牽引方法であって、
前記プーリーに前記ロープを巻き付け、
前記トルク設定手段によって、前記動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、
前記ロープを前記プーリーに巻き付けた後に前記初期トルクで前記電動機の動作スイッチを入れ、
前記動作スイッチを入れた後に、前記トルク設定手段によって前記トルクを前記初期トルクから前記プーリーが動き出すまで徐々に上げ、
前記プーリーが動き出した時の前記トルクを基準トルクとして、前記基準トルクに所定比率を減じた前記トルクを前記動作トルクに設定して前記牽引装置を動作させる
ことを特徴とする牽引方法。
【請求項3】
前記電動機の回転速度を設定し、
設定した前記回転速度で前記牽引装置を動作させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の牽引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中埋設管路内を通すボビンを牽引する牽引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管路導通試験は、地中埋設管路内にボビン(試験片)を通すことで行う(特許文献1から特許文献4)。
特許文献5及び特許文献6には、ケーブルに負荷をかけることなく地中埋設管路内にケーブルを配設する方法が開示されている。
特許文献1から特許文献6に記載されているように、ボビンやケーブルは、動力ウインチによって牽引するか、手作業によって牽引する。
ボビンを動力ウインチで牽引する場合には、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まってしまう場合があり、地上からボビンを掘り起こさなければならなくなる。しかし、現場によっては掘り起こしができない場所もあることから、ボビンが詰まってしまうことは大きな問題である。
また、ケーブルを動力ウインチで牽引する場合には、ケーブルに過度な負荷が加わってしまうことがあり、ケーブルを損傷してしまう。
ボビンが地中埋設管路内に固く詰まってしまうことを防止するために、特許文献7及び特許文献8では、牽引力が一定荷重を超過すると分離することができるコネクタを用いることでボビンを回収することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-336987号公報
【文献】特開平3-38975号公報
【文献】特開平6-292313号公報
【文献】実用新案登録第3158695号公報
【文献】特開2021-72656号公報
【文献】特開2017-147773号公報
【文献】特開2020-106108号公報
【文献】特開2020-108296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献7や特許文献8で提案されている方法では、コネクタの分離条件となる一定荷重を低く設定してしまうと、頻繁にコネクタが分離してしまう。コネクタが分離することでケーブル敷設不可と判断してしまうと、ケーブル敷設のための多大な作業が発生してしまう。また再度の試験を行うためには、地中埋設管路内にロープを改めて配設して再度の作業が必要になってしまう。
一方、コネクタの分離条件となる一定荷重を高く設定してしまうと、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まってしまう。
【0005】
そこで本発明は、動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリーの回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる牽引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の牽引方法は、地中埋設管路2の管路導通試験に用いられ、前記地中埋設管路2内を通すボビン3を牽引する牽引装置1であり、前記ボビン3に取り付けるロープ4を巻き付けるプーリー11と、前記プーリー11を回転させる電動機12と、前記プーリー11に動作トルクを越える負荷トルクが加わると前記プーリー11の回転を停止する回転停止手段13と、前記動作トルクを変更できるトルク設定手段14と、前記電動機12の回転速度を設定する速度設定手段15とを備え、前記回転停止手段13として、パウダクラッチを用いる牽引装置1を用いた牽引方法であって、前記プーリー11に前記ロープ4を巻き付け、前記トルク設定手段14によって、前記動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、前記ロープ4を前記プーリー11に巻き付けた後に前記初期トルクで前記電動機12の動作スイッチ17を入れ、前記動作スイッチ17を入れた後に、前記トルク設定手段14によって前記トルクを前記初期トルクから前記プーリー11が動き出すまで徐々に上げ、前記プーリー11が動き出した時の前記トルクを基準トルクとして、前記基準トルクに所定比率を加えた前記トルクを前記動作トルクに設定して前記牽引装置1を動作させることを特徴とする。
請求項2記載の本発明の牽引方法は、地中埋設管路2の管路導通試験に用いられ、前記地中埋設管路2内を通すボビン3を牽引する牽引装置1であり、前記ボビン3に取り付けるロープ4を巻き付けるプーリー11と、前記プーリー11を回転させる電動機12と、前記プーリー11に動作トルクを越える負荷トルクが加わると前記プーリー11の回転を停止する回転停止手段13と、前記動作トルクを変更できるトルク設定手段14と、前記電動機12の回転速度を設定する速度設定手段15とを備え、前記回転停止手段13として、パウダクラッチを用いる牽引装置1を用いた牽引方法であって、前記プーリー11に前記ロープ4を巻き付け、前記トルク設定手段14によって、前記動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、前記ロープ4を前記プーリー11に巻き付けた後に前記初期トルクで前記電動機12の動作スイッチ17を入れ、前記動作スイッチ17を入れた後に、前記トルク設定手段14によって前記トルクを前記初期トルクから前記プーリー11が動き出すまで徐々に上げ、前記プーリー11が動き出した時の前記トルクを基準トルクとして、前記基準トルクに所定比率を減じた前記トルクを前記動作トルクに設定して前記牽引装置1を動作させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の牽引方法であって、前記電動機12の回転速度を設定し、設定した前記回転速度で前記牽引装置1を動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の牽引方法によれば、プーリーに動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリーの回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】地中埋設管路の管路導通試験における作業工程を示す図
図2】本実施例による牽引装置の構成図
図3】本実施例による牽引装置を用いた牽引方法を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による牽引方法は、プーリーにロープを巻き付け、トルク設定手段によって、動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、ロープをプーリーに巻き付けた後に初期トルクで電動機の動作スイッチを入れ、動作スイッチを入れた後に、トルク設定手段によってトルクを初期トルクからプーリーが動き出すまで徐々に上げ、プーリーが動き出した時のトルクを基準トルクとして、基準トルクに所定比率を加えたトルクを動作トルクに設定して牽引装置を動作させるものである。
本実施の形態によれば、プーリーに動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリーの回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる。また、本実施の形態によれば、電動機の回転速度を設定する速度設定手段を備えることで、手作業による牽引速度が速すぎる場合には、牽引作業に負荷が加わることで、適切な牽引速度を維持することができる。また、本実施の形態によれば、パウダクラッチを用いることでトルク変更を容易に行うことができる。また、本実施の形態によれば、動作トルクを低く設定できるために、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態による牽引方法は、プーリーにロープを巻き付け、トルク設定手段によって、動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定し、ロープをプーリーに巻き付けた後に初期トルクで電動機の動作スイッチを入れ、動作スイッチを入れた後に、トルク設定手段によってトルクを初期トルクからプーリーが動き出すまで徐々に上げ、プーリーが動き出した時のトルクを基準トルクとして、基準トルクに所定比率を減じたトルクを動作トルクに設定して牽引装置を動作させるものである。
本実施の形態によれば、プーリーに動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリーの回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる。また、本実施の形態によれば、電動機の回転速度を設定する速度設定手段を備えることで、手作業による牽引速度が速すぎる場合には、牽引作業に負荷が加わることで、適切な牽引速度を維持することができる。また、本実施の形態によれば、パウダクラッチを用いることでトルク変更を容易に行うことができる。また、本実施の形態によれば、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による牽引方法において、電動機の回転速度を設定し、設定した回転速度で牽引装置を動作させるものである。
本実施の形態によれば、手作業による牽引速度が速すぎる場合には、牽引作業に負荷が加わることで、適切な牽引速度を維持することができる。
【実施例
【0012】
以下本発明による牽引装置の実施例について説明する。
図1は、地中埋設管路の管路導通試験における作業工程を示す図である。
本実施例による牽引装置1は、地中埋設管路2の管路導通試験に用いられ、地中埋設管路2内を通すボビン3を牽引する。
【0013】
図1(a)に示すように、マンホールAからロープ4を地中埋設管路2に挿入し、ロープ4の先端をマンホールBに至らせる。
図1(b)に示すように、マンホールBにおいて、ロープ4の先端をボビン3の一端に取り付ける。なお、ボビン3とともにブラシ5をロープ4に取り付けることもある。ボビン3とともにブラシ5を取り付ける場合には、ブラシ5をボビン3よりも進行方向前方に取り付ける。また、ボビン3の進行方向後方の他端には、他のロープ6を取り付ける。ボビン3にロープ4及びロープ6を取り付けた後に、ボビン3を地中埋設管路2に挿入してボビン3の牽引を開始する。
ボビン3の牽引に牽引装置1を用いる。牽引装置1は、マンホールAの近傍に設置して用いる。
牽引装置1を用いてボビン3を牽引することで、ボビン3は図1(c)、図1(d)、及び図1(e)に示すように、地中埋設管路2内を移動する。
図1(e)に示すように、ボビン3がマンホールA側まで移動できれば、試験結果は合格となり、その後にケーブル敷設が行われる。
【0014】
仮に、ボビン3が図1(c)や図1(d)に示すような地中埋設管路2途中で動かなくなった場合には、マンホールB側からロープ6を引っ張ってボビン3を牽引する。
このような場合に対応するためには、別の牽引装置1をマンホールBの近傍に設置してボビン3を牽引することが好ましい。
このように、マンホールB側からボビン3を引き戻した場合には、マンホールBからマンホールAの方向へのケーブル敷設は不可と判断され、マンホールAからマンホールBの方向への管路導通試験を行うことになる。
【0015】
なお、一般的には、マンホールAからマンホールBまでは500m程度の距離があり、手作業による牽引では、1回に50cm程度であるため、手作業では100回程度の牽引動作が必要となる。使用されるボビン3は、長さが40cmから60cm程度である。ボビン3は、地中埋設管路2の直径から1cmから2cm減じた直径である。地中埋設管路2の直径は、15cmから25cm程度である。このような管路導通試験が必要な地中埋設管路2は、埋設後相当年月が経過していることから、地中埋設管路2内に詰りや歪が生じているため、ボビン3が詰まってしまうことも少なくない。
【0016】
図2は本実施例による牽引装置の構成図であり、図2(a)は同牽引装置を機能実現手段で表したブロック図、図2(b)は同牽引装置の要部側面構成図、図2(c)は同牽引装置の要部上面構成図である。
【0017】
本実施例による牽引装置1は、ボビン3に取り付けるロープ4を巻き付けるプーリー11と、プーリー11を回転させる電動機12と、プーリー11に動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリー11の回転を停止する回転停止手段13と、動作トルクを変更できるトルク設定手段14と、電動機12の回転速度を設定する速度設定手段15と、トルクや回転速度を表示する表示手段16と、電動機12の動作をON、OFFする動作スイッチ17と、回転停止手段13の出力軸とプーリー11との間に配置される回転伝達手段18とを備えている。
回転停止手段13にはパウダクラッチを用いている。トルク設定手段14は、トルクボリュームである。回転伝達手段18にはウォーム減速機を用いている。
【0018】
図2(b)及び図2(c)に示すように、電動機12及び回転停止手段13の回転軸と、回転伝達手段18の入力軸とが直線上となるように、電動機12、回転停止手段13、及び回転伝達手段18を配置し、回転伝達手段18の出力軸を、電動機12などの回転軸及び回転伝達手段18の入力軸に直交する方向とし、プーリー11を回転伝達手段18の出力軸に配置する。そうすることで、牽引装置1の小型化を図れるとともに、ボビン3の牽引時にプーリー11に加わる引張力に対しての安定性に優れる。
【0019】
本実施例による牽引装置1によれば、プーリー11に動作トルクが加わるとプーリー11の回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビン3が地中埋設管路2内に固く詰まることを防止できる。
また、本実施例による牽引装置1によれば、電動機12の回転速度を設定する速度設定手段15を備えることで、手作業による牽引速度が速すぎる場合には、牽引作業に負荷が加わることで、適切な牽引速度を維持することができる。
また、本実施例による牽引装置1によれば、パウダクラッチを用いることでトルク変更を容易に行うことができる。
【0020】
図3は本実施例による牽引装置を用いた牽引方法を示すフローチャートである。
まず、プーリー11にロープ4を巻き付け(S21)、電動機12の回転速度を設定し(S22)、トルク設定手段14によって、動作トルクより低いトルクである初期トルクに設定する(S23)。S22における回転速度は、牽引速度が1m/minから27m/minの範囲、より好ましくは牽引速度が1m/minから10m/minの範囲となるように設定する。また、S23における初期トルクでは、トルクボリュームを0%とすることが好ましい。
S23における初期トルクに設定した後に、初期トルクで電動機12の動作スイッチ17をONとし(S24)、動作スイッチ17をONとした後に、トルク設定手段14によってトルクを初期トルクからプーリー11が動き出すまで徐々に上げる(S25)。
【0021】
プーリー11が動き出すまで(S26でNo)、S25によってトルクを上昇させ、プーリー11が動き出すと(S26でYes)、S25によるトルク上昇を止めて動作スイッチ17をOFFとする(S27)。
プーリー11が動き出した時のトルクを基準トルクとして設定し(S28)、基準トルクをもとに動作トルクを設定する(S29)。
【0022】
S29による動作トルクの設定には、2つの方法がある。
一つは、基準トルクに所定比率を加えたトルクを動作トルクに設定する。基準トルクに所定比率を加えたトルクを動作トルクに設定することで、動作トルクを低く設定できるために、ボビン3が地中埋設管路2内に固く詰まることを防止できる。
もう一つは、基準トルクに所定比率を減じたトルクを動作トルクに設定する。基準トルクに所定比率を減じたトルクを動作トルクに設定することで、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビン3が地中埋設管路2内に固く詰まることを防止できる。
S29による動作トルクの設定の後に、動作スイッチ17をONとして(S30)、ボビン3の牽引を開始する。
【0023】
本実施例による牽引装置1を用いた牽引方法によれば、設定した回転速度で牽引装置1を動作させるため、手作業による牽引速度が速すぎる場合には、牽引作業に負荷が加わることで、適切な牽引速度を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、地中埋設管路内に配設するケーブルを牽引する牽引装置としても利用でき、牽引による過度な負荷がケーブルにかかることがなくケーブル破損を防止できる。
【符号の説明】
【0025】
1 牽引装置
2 地中埋設管路
3 ボビン
4、6 ロープ
5 ブラシ
11 プーリー
12 電動機
13 回転停止手段
14 トルク設定手段
15 速度設定手段
16 表示手段
17 動作スイッチ
18 回転伝達手段
A、B マンホール
【要約】
【課題】動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリーの回転を停止でき、動作トルクを変更できるために、手作業による牽引の補助として用いることもでき、ボビンが地中埋設管路内に固く詰まることを防止できる牽引装置及び牽引方法を提供すること。
【解決手段】本発明の牽引装置1は、地中埋設管路2の管路導通試験に用いられ、地中埋設管路2内を通すボビン3を牽引し、ボビン3に取り付けるロープ4を巻き付けるプーリー11と、プーリー11を回転させる電動機12と、プーリー11に動作トルクを越える負荷トルクが加わるとプーリー11の回転を停止する回転停止手段13と、動作トルクを変更できるトルク設定手段14と、電動機12の回転速度を設定する速度設定手段15とを備え、回転停止手段13として、パウダクラッチを用いることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3