(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】駐車支援装置、駐車支援システム、及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241127BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20241127BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20241127BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B60W30/06
H02J50/10
H02J50/90
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
(21)【出願番号】P 2021007321
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】織田 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宗
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-258881(JP,A)
【文献】特開2012-217224(JP,A)
【文献】特開2015-195675(JP,A)
【文献】特開2020-078123(JP,A)
【文献】特開2020-203610(JP,A)
【文献】特開2021-000973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B60K 35/00
H02J 7/00
50/10
50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駐車領域に設けられている非接触充電器と前記車両との間で実施される非接触充電に関する情報を、前記車両の搭乗者へ提供する情報提供部と、
前記非接触充電器に関する情報に対する前記搭乗者からの設定を受け付ける設定受付部と、
前記設定受付部に受け付けられた設定に基づき非接触充電を行う位置まで自動運転を行わせる自動運転制御部と、
を備え
、
前記情報提供部は、前記車両に搭載される受電器と前記非接触充電器との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記異物が存在することを知らせる情報を前記車両に搭載されている表示部に表示させ、前記異物の除去が完了したか否かを確認する除去確認情報を前記表示部に表示させる駐車支援装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、
前記非接触充電器の充電規格情報と、前記車両に搭載される走行用蓄電池の充電規格情報とを、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、
前記非接触充電器の充電規格情報と前記走行用蓄電池の充電規格情報とに基づき、非接触充電による前記走行用蓄電池への充電の可否を判定し、判定の結果、前記走行用蓄電池への充電が可能である場合、充電可能な非接触充電器が存在することを示す充電可能情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記設定受付部は、前記表示部に表示される前記充電可能情報に対する前記搭乗者の設定を受け付け、
前記自動運転制御部は、前記設定受付部に受け付けられた設定に基づき、前記充電可能情報に対応する非接触充電器の位置まで自動運転を行わせる、請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記情報提供部は、前記充電可能情報に対応する非接触充電器により充電される前記走行用蓄電池が、満充電状態になるまでに要する時間を算出し、該時間を前記表示部に表示させる、請求項2又は3に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記情報提供部は、前記充電可能情報に対応する非接触充電器により充電される前記走行用蓄電池が、満充電状態になる時刻を算出し、該時刻を前記表示部に表示させる、請求項2から4の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記情報提供部は、前記判定の結果、前記走行用蓄電池への充電ができない場合、充電可能な非接触充電器が存在しないことを示す充電不可情報を、前記表示部に表示させる、請求項2から5の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記情報提供部は、前記非接触充電器の位置までの自動運転の開始を示す情報を、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、非接触充電によるノイズの影響があり得ることを示す情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1から6の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
前記情報提供部は、
第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報を、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記第1充電速度によって非接触充電を開始することを前記搭乗者に対して確認する充電速度確認情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させ、
第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報を、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記第2充電速度によって非接触充電を開始することを前記搭乗者に対して確認する充電速度確認情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、
請求項1から7の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記情報提供部は、
第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報と、当該第1充電速度よりも高い第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報とを、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、
前記第1充電速度又は前記第2充電速度によって非接触充電を開始することを前記搭乗者に対して確認する充電速度確認情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、
請求項1から7の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項10】
前記情報提供部は、
第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報、又は、当該第1充電速度よりも高い第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報を、前記非接触充電に関する情報として受信し、
前記第2充電速度で充電した場合にはAMラジオにノイズが入る可能性があることを示す警告情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、
請求項1から7の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項11】
前記情報提供部は、前記警告情報を非表示にする設定がされている場合、前記警告情報を非表示状態にする、請求項10に記載の駐車支援装置。
【請求項12】
前記情報提供部は、ペースメーカに影響を与える可能性があることを示す情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1から11の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項13】
前記情報提供部は、非接触充電が開始されるまでの充電開始猶予時間を示す情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1から12の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項14】
前記情報提供部は、前記充電開始猶予時間が経過したときに、非接触充電を開始させる充電開始信号を出力する、請求項13に記載の駐車支援装置。
【請求項15】
前記情報提供部は、非接触充電の開始時刻及び終了時刻を設定する時刻設定情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させ、
前記設定受付部は、前記時刻設定情報に対する前記搭乗者の設定を受け付けた場合、設定された非接触充電の開始時刻及び終了時刻に従って、非接触充電を実行させる充電実行信号を出力する、請求項1から14の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項16】
前記情報提供部は、前記車両に搭載される受電器と前記非接触充電器との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を、前記非接触充電に関する情報として受信した場合、非接触充電を開始するか、非接触充電の開始を中断するかを確認する充電確認情報を、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1から15の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項17】
前記情報提供部は、
前記充電確認情報に対して、非接触充電を開始する設定がされた場合には、非接触充電を開始させる充電開始信号を出力し、
前記充電確認情報に対して、非接触充電の開始を中断する設定がされた場合には、非接触充電を中断させる充電中断信号を出力する、請求項16に記載の駐車支援装置。
【請求項18】
前記設定受付部は、前記除去確認情報に対して搭乗者から受け付けた設定が、前記異物の除去が完了したことを示す設定である場合には、非接触充電を開始させる充電開始信号を出力する、請求項
1に記載の駐車支援装置。
【請求項19】
前記情報提供部は、前記車両に搭載される走行用蓄電池の充電量を満充電未満の値に設定する充電量設定情報と、前記走行用蓄電池の充電時間を任意の時間に設定する充電時間設定情報とを、前記車両に搭載されている表示部に表示させる、請求項1から
18の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項20】
請求項1から
19の何れか一項に記載の駐車支援装置と、前記非接触充電器とを備えた駐車支援システム。
【請求項21】
車両の駐車領域に設けられている非接触充電器と前記車両との間で実施される非接触充電に関する情報を受信する情報受信ステップと、
前記情報受信ステップで受信された非接触充電器に関する情報を、前記車両の搭乗者へ提供する情報提供ステップと、
前記情報提供ステップで提供された非接触充電器に関する情報に対する前記搭乗者からの設定を受け付ける設定受付ステップと、
前記設定受付ステップで受け付けられた設定に基づき、非接触充電を行う位置まで自動運転を行わせる自動運転ステップと、
を含
み、前記情報提供ステップでは、前記情報受信ステップにおいて前記車両に搭載される受電器と前記非接触充電器との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記異物が存在することを知らせる情報を前記車両に搭載されている表示部に表示させ、前記異物の除去が完了したか否かを確認する除去確認情報を前記表示部に表示させる駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援装置、駐車支援システム、及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、非接触充電器が設けられた駐車領域に車両を自動運転で駐車させた場合に、非接触充電の効率を高くする技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている装置は、車両に搭載されている撮像手段を用いて撮像した非接触充電器のマークに基づき、非接触充電器に対する車両の位置を特定し、特定した車両の位置から、非接触充電器の位置までの目標走行軌跡を設定することによって、目標走行軌跡に沿った車両の自動運転を開始する。
【0004】
非接触充電器を示すマークは、外部から非接触充電器が視認可能なように、非接触充電器の表面に付されているマークである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に開示されている従来技術では、人が乗車中の車両が駐車のため非接触充電器に向かって自動運転を行う際、車両の搭乗者の意思とは関わりなく設定された目標走行軌跡に従って自動運転が行われる場合がある。
【0007】
例えば、車両の運転者が、高速充電が可能な規格の非接触充電器への自動駐車に代えて、充電時間が長くなるとしても満充電が可能な規格の非接触充電器への自動駐車を希望する場合でも、運転者の意思に関わらず前者への自動駐車が行われる。
【0008】
このように従来技術では、人が乗車中の車両を非接触充電のために自動駐車させる上で、改善の余地がある。
【0009】
本開示の非限定的な実施例は、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を実現できる駐車支援装置、駐車支援システム、駐車支援方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施例に係る駐車支援装置は、車両の駐車領域に設けられている非接触充電器と前記車両との間で実施される非接触充電に関する情報を、前記車両の搭乗者へ提供する情報提供部と、前記非接触充電器に関する情報に対する前記搭乗者からの設定を受け付ける設定受付部と、前記設定受付部に受け付けられた設定に基づき非接触充電を行う位置まで自動運転を行わせる自動運転制御部と、を備え、前記情報提供部は、前記車両に搭載される受電器と前記非接触充電器との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記異物が存在することを知らせる情報を前記車両に搭載されている表示部に表示させ、前記異物の除去が完了したか否かを確認する除去確認情報を前記表示部に表示させる。
【0011】
本開示の一実施例に係る駐車支援システムは、上記の駐車支援装置と非接触充電器とを備える。
【0012】
本開示の一実施例に係る駐車支援方法は、車両の駐車領域に設けられている非接触充電器と前記車両との間で実施される非接触充電に関する情報を受信する情報受信ステップと、前記情報受信ステップで受信された非接触充電器に関する情報を、前記車両の搭乗者へ提供する情報提供ステップと、前記情報提供ステップで提供された非接触充電器に関する情報に対する前記搭乗者からの設定を受け付ける設定受付ステップと、前記設定受付ステップで受け付けられた設定に基づき、非接触充電を行う位置まで自動運転を行わせる自動運転ステップと、を含み、前記情報提供ステップでは、前記情報受信ステップにおいて前記車両に搭載される受電器と前記非接触充電器との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を前記非接触充電に関する情報として受信した場合、前記異物が存在することを知らせる情報を前記車両に搭載されている表示部に表示させ、前記異物の除去が完了したか否かを確認する除去確認情報を前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一実施例によれば、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を実現できる駐車支援装置、駐車支援システム、駐車支援方法を提供できる。
【0014】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。係る利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の実施の形態に係る駐車支援システム100の構成例を示す図
【
図2】本開示の実施の形態に係る駐車支援装置10に接続される機器を説明するための図
【
図3】本開示の実施の形態に係る駐車支援装置10の構成例を示す図
【
図5A】駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャート
【
図5B】駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャート
【
図5C】駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャート
【
図5D】搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を行う場合の駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
(実施の形態)
まず、本開示に係る実施形態を創作するに至った背景について説明する。
【0018】
例えば特許文献1に記載の公知技術などでは、車両に搭載されている撮像手段を用いて撮像した非接触充電器のマークに基づき、非接触充電器に対する車両の位置を特定し、特定した車両の位置から、非接触充電器の位置までの目標走行軌跡を設定することによって、目標走行軌跡に沿った車両の自動運転を開始する。
【0019】
ところが、人が乗車中の車両が駐車のため非接触充電器に向かって自動運転を行う際、車両の搭乗者の意思とは関わりなく設定された目標走行軌跡に従って自動運転が行われる場合がある。
【0020】
このようなことから、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を実現させることが望まれる。以下、本開示に係る実施形態について説明する。
【0021】
図1は本開示の実施の形態に係る駐車支援システムの構成例を示す図である。
【0022】
(駐車支援システム100)
駐車支援システム100は、駐車支援装置10、受電器20、及び非接触充電器50を備えている。
【0023】
駐車支援装置10及び受電器20は、車両200に設けられている。車両200は、走行用蓄電池を備えている電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などである。
【0024】
(駐車支援装置10)
駐車支援装置10は、駐車領域202に対して、車両200を自動運転で駐車させることで駐車を支援するための装置である。駐車支援装置10の構成例に関しては後述する。
【0025】
駐車領域202は、駐車枠201に囲まれている領域である。駐車枠201は、例えば駐車エリア内の路面に表示されている区画線により特定される枠である。
【0026】
(受電器20)
受電器20は、非接触充電器50から供給される電力を受電して、車両200に搭載されている走行用蓄電池に対して出力する。
【0027】
受電器20は、非接触充電器50から供給される電力を受電する受電コイルと、電力変換回路とを備えている。
【0028】
受電コイルは、車両200の底部に設けられている。受電コイルが受電した電力は、電力変換回路によって直流電圧に変換された後、車両200に搭載されている走行用蓄電池に充電される。
【0029】
(非接触充電器50)
非接触充電器50は、受電器20に対して電力を供給する非接触型の充電器である。
【0030】
非接触充電器50は、非接触充電器50に対して電力を供給するための送電コイルを備えている。送電コイルは、車両200に設けられた受電器20が非接触充電器50の上部に移動した場合に、受電器20の受電コイルと対向するように、駐車領域202に設けられている。
【0031】
なお、非接触充電器50は、送電コイル以外にも、例えば、駐車支援装置10との間で無線通信を行うための通信装置を備えている。
【0032】
非接触充電器50の上面には、マークDが表示されている。マークDは、非接触充電器50の位置を、車両200の運転者などに知らせるためのマークである。
【0033】
次に
図2を参照して駐車支援装置10の周辺機器について説明する。
【0034】
図2は本開示の実施の形態に係る駐車支援装置10に接続される機器を説明するための図である。
【0035】
図2に示すように、駐車支援システム100は、前述した駐車支援装置10、受電器20、及び非接触充電器50に加えて、位置検出装置2、前方カメラ6、後方カメラ7、通信装置8、操作入力部9、表示装置11、音声出力装置12、車両制御ECU(Electronic Control Unit)13、及びバッテリECU14を備えている。
【0036】
駐車支援装置10には、位置検出装置2、前方カメラ6、後方カメラ7、通信装置8、操作入力部9、表示装置11、音声出力装置12、車両制御ECU13、バッテリECU14、及び受電器20が接続されている。
【0037】
(位置検出装置2)
位置検出装置2は、車両200の現在位置を検出する装置である。位置検出装置2は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機3、ジャイロセンサ4、及び車輪速センサ5を備えている。
【0038】
GNSS受信機3は、測位衛星からGNSSアンテナで受信した信号に基づき、車両200の現在位置を測位する。
【0039】
ジャイロセンサ4は、例えば、ヨー角、ロール角、ピッチ角の変化速度を検出するセンサである。
【0040】
車輪速センサ5は、車両200の転動輪の回転速度に応じたパルス信号を逐次出力するセンサである。
【0041】
(前方カメラ6、後方カメラ7)
前方カメラ6は、車両前方の所定範囲の領域を撮像する撮像装置である。後方カメラ7は、車両後方の所定範囲の領域を撮像する撮像装置である。
【0042】
(通信装置8)
通信装置8は、非接触充電器50が備えている通信装置との間で無線通信を行う装置である。
【0043】
通信装置8は、非接触充電器50から送信される駐車支援情報を受信して、駐車支援装置10に転送する。
【0044】
駐車支援情報は、非接触充電の効率が高くなる位置への駐車を支援するための情報である。駐車支援情報は、例えば、非接触充電器50の位置、推奨駐車方向、駐車枠201の位置、マークDの情報などを含む。
【0045】
推奨駐車方向は、車両200を駐車させるときに推奨される駐車方向であり、例えば、前向き駐車方向、後向き駐車方向などである。
【0046】
マークDの情報は、マークDの形状、大きさ、色などを示す情報である。
【0047】
(操作入力部9)
操作入力部9は、車両200の運転者による操作を受け付けるスイッチ、ボタン、レバー、タッチパネル、音声認識装置などのマンマシンインターフェースである。
【0048】
(表示装置11、音声出力装置12)
表示装置11は、車室内に設けられているセンターディスプレイ、メータパネル、ヘッドアップディスプレイなどである。音声出力装置12は、車室内に設けられているスピーカである。表示装置11は、車両200に搭載されている表示部の一例である。
【0049】
(車両制御ECU13)
車両制御ECU13は、車両情報を収集して、車両200における所定の機能に関する各種制御処理を行う電子制御ユニットであり、例えばモータECU、ハイブリッドECU、エンジンECUなどである。車両情報は、アクセルペダルの開度、ブレーキペダルの踏み込み量、ハンドルの操舵量などである。
【0050】
次に
図3を参照して、駐車支援装置10の詳細について説明する。
【0051】
図3は本開示の実施の形態に係る駐車支援装置10の構成例を示す図である。駐車支援装置10は、車両位置取得部101、非接触充電器位置取得部102、相対位置特定部103、記憶部104、駐車位置特定部105、推奨駐車方向取得部106、駐車枠位置取得部107、及びマーク情報取得部108を備えている。
【0052】
また駐車支援装置10は、画像認識処理部109、目標軌跡設定部110、自動運転制御部111、要否切替部112、充電情報取得部113、開始判定部114、効率特定部115、報知処理部116、周囲情報取得部117、情報受信部118、情報提供部119、設定受付部120及び異物検出部121を備えている。
【0053】
(車両位置取得部101)
車両位置取得部101は、位置検出装置2で検出された車両200の現在位置を取得する。以下では、車両200の現在位置を単に「車両位置」と称する場合がある。
【0054】
(非接触充電器位置取得部102)
非接触充電器位置取得部102は、通信装置8で受信された非接触充電器50の位置の情報を取得する。
【0055】
(相対位置特定部103)
相対位置特定部103は、車両位置取得部101で取得された車両位置の情報と、非接触充電器位置取得部102で取得された非接触充電器50の位置の情報とを受信し、車両位置の情報及び非接触充電器50の位置の情報に基づき、非接触充電器50の位置に対する車両位置を特定する。
【0056】
(記憶部104)
記憶部104は、非接触充電の効率と、非接触充電器50の位置から車両200の受電器20の位置までの距離とを対応付けた対応関係の情報を記憶する。
【0057】
(駐車位置特定部105)
駐車位置特定部105は、記憶部104に記憶されている対応関係の情報を参照し、非接触充電の効率が最大となる駐車位置を特定する。
【0058】
駐車位置は、非接触充電の効率が最大となるように、車両が非接触充電器50に向かって自動運転で移動し、駐車するときの目標となる駐車位置である。以下では、駐車位置特定部105で特定される駐車位置を「目標駐車位置」と称する場合がある。
【0059】
(推奨駐車方向取得部106)
推奨駐車方向取得部106は、前述した推奨駐車方向の情報を取得する。
【0060】
(駐車枠位置取得部107)
駐車枠位置取得部107は、前述した駐車枠201の位置の情報を取得する。
【0061】
(マーク情報取得部108)
マーク情報取得部108は、前述したマークDの情報を取得する。
【0062】
(画像認識処理部109)
画像認識処理部109は、前方カメラ6及び後方カメラ7で撮像された撮像画像に含まれている認識対象を、非接触充電器50の周囲の情報として抽出する処理を行う。
【0063】
以下では、説明を簡単化するため、非接触充電器50の周囲の情報を単に「周囲の情報」と称する場合がある。
【0064】
周囲の情報には、例えば、駐車枠201、駐車枠201に隣接する駐車スペースに停車中の車両、駐車枠201に隣接して建設されている建物の壁、電柱、街灯、立体駐車場の鉄骨柱脚、コインパーキングに設置されるロック板などの対象物が含まれる。
【0065】
例えば、駐車枠201内に表示されているマークDの上に、落ち葉が積もっている場合、夜間、雨天などの悪天候により、マークDの表示が車両搭載のカメラで撮像できない場合がある。この場合でも、画像認識処理部109が、駐車枠201、停車中の隣接する車両などを、非接触充電器50の周囲の情報として抽出する。
【0066】
ここで、マークDは、非接触充電器50の位置を示すものであり、車両200の駐車位置を決定するためには、非接触充電器50の位置を示すマークDを撮像画像から抽出することが望ましい。
【0067】
ただし、画像認識処理部109は、マークDを撮像画像から抽出できない場合でも、例えば、駐車枠201に隣接する駐車スペースに停車中の車両の位置と大きさ、建物の壁の位置、電柱の位置、街灯の位置、ロック板の位置などに基づき、非接触充電器50の位置を推定してもよい。
【0068】
なお、画像認識処理部109は、前方カメラ6及び後方カメラ7で撮像された撮像画像に代えて、例えば、スマートフォンなどの携帯情報端末で撮像された撮像画像、駐車場に設置されている監視カメラで撮像された撮像画像、車両200の周囲に存在する別の車両に搭載された車載装置で撮像された撮像画像を、無線通信で受信し、受信した撮像画像に基づき、車両200の周囲の情報を抽出してもよい。
【0069】
なお、周囲の情報は、例えば、図示しないトップビュー生成部で生成された画像から抽出された上記の対象物でもよい。トップビュー生成部は、例えば車両200に搭載されている撮像部で撮像された画像に基づき、車両200の上方向にある仮想的な視点から、見下ろすように視点変換したトップビューを生成する画像生成機能を有する。
【0070】
画像認識処理部109は、抽出した車両200の周囲の情報を、周囲情報取得部117、開始判定部114などに対して出力する。
【0071】
(周囲情報取得部117)
周囲情報取得部117は、画像認識処理部109で抽出された、周囲の情報を取得する。周囲情報取得部117は、取得した周囲の情報から認識対象の位置を算出する既知の方法を用いて認識対象を検出し、その認識対象の位置を特定する。
【0072】
周囲情報取得部117は、特定した認識対象の位置を示す情報を、目標軌跡設定部110に対して出力する。
【0073】
(目標軌跡設定部110)
目標軌跡設定部110は、非接触充電器位置取得部102で取得された非接触充電器50の位置と、相対位置特定部103で特定された車両位置と、駐車位置特定部105で特定された目標駐車位置と、推奨駐車方向取得部106で取得された推奨駐車方向と、駐車枠位置取得部107で取得された駐車枠201の位置と、周囲情報取得部117で特定された認識対象の位置とに基づき、車両200を自動運転で駐車させる際の走行軌跡である目標走行軌跡を設定する。
【0074】
目標走行軌跡は、車両200を駐車領域202に進入させるとともに、車両200を前述した目標駐車位置で駐車させる走行軌跡である。目標軌跡設定部110の構成の具体例は後述する。
【0075】
(自動運転制御部111)
自動運転制御部111は、開始判定部114が自動運転制御を開始すると判定した場合に、目標軌跡設定部110で設定された目標走行軌跡に沿って、操舵量、ブレーキ量、アクセル開度などを調整することで、車両200を目標駐車位置に駐車させる自動運転制御を行う。開始判定部114の構成に関しては後述する。
【0076】
(要否切替部112)
要否切替部112は、操作入力部9において、非接触充電駐車支援を要求する設定操作が行われた場合、非接触充電駐車支援を開始することを示す信号を出力する。
【0077】
(充電情報取得部113)
充電情報取得部113は、バッテリECU14から走行用蓄電池のSOC(State of Charge)を取得する。
【0078】
(開始判定部114)
開始判定部114は、操作入力部9において非接触充電駐車支援を要求する設定操作が行われた場合、要否切替部112から出力される非接触充電駐車支援を開始することを示す信号を受信する。
【0079】
当該信号を受信した開始判定部114は、充電情報取得部113で取得したSOCの値が満充電を示す値ではない場合、通信装置8に対して、無線通信を開始する信号を出力する。
【0080】
また、開始判定部114は、無線通信によって他の装置から受信した撮像画像から、画像認識処理部109が非接触充電器50のマークDを抽出できた場合、自動運転による駐車を開始できると判定して、運転開始信号を、自動運転制御部111に対して出力する。
【0081】
また、開始判定部114は、画像認識処理部109が非接触充電器50のマークDを抽出できない場合、周囲情報取得部117で特定された認識対象の位置を考慮して、自動運転による駐車を開始させる運転開始信号を、自動運転制御部111に対して出力する。
【0082】
また、開始判定部114は、目標駐車位置への駐車が完了した場合、非接触充電を開始させる充電開始信号を、通信装置8に対して出力する。これにより、通信装置8から非接触充電器50に対して、充電開始信号が送信されて、非接触充電器50と受電器20との間で非接触充電が開始される。
【0083】
(効率特定部115)
効率特定部115は、相対位置特定部103で特定された車両位置を受信したとき、記憶部104に記憶している前述の対応関係の情報を参照して、車両位置に対応する非接触充電の効率を特定する。効率特定部115は、特定した非接触充電の効率の情報を、報知処理部116に転送する。効率特定部115は、本開示の実施の形態に係る効率算出部の一例である。
【0084】
なお、効率特定部115は、非接触充電器50から送信される情報に基づき、充電効率を算出して、算出した充電効率の情報を報知処理部116へ出力してもよい。
【0085】
例えば、効率特定部115は、非接触充電器50の充電方式に関する情報を受信して、充電方式に関する情報、走行用蓄電池のSOC、走行用蓄電池の蓄電可能容量などを参照して、走行用蓄電池への充電効率を算出する。非接触充電器50の充電方式に関する情報は、例えば、電磁誘導方式、共鳴磁気誘導方式、マイクロ波放電方式などである。
【0086】
なお、効率特定部115は、車両200が非接触充電器50に向かって進行したときの、車両に搭載される受電器に対する非接触充電器50の重なり度合い算出し、算出した重なり度合いに基づき、充電効率を算出してもよい。
【0087】
電磁結合方式の場合、非接触充電器50の送電コイルに発生した磁束の変化により、受電器20の受電コイルに電圧が誘起される。そして、非接触充電器50を平面視したとき、当該送電コイルと当該受電コイルとの重なり度合いが大きくなるほど、また、送電コイルと受電コイルと間の距離が狭くなるほど、充電効率が向上する。
【0088】
そこで、駐車支援装置10は、例えば、車両200に搭載されるカメラで、非接触充電器50を撮像し、当該カメラで撮像された画像に基づき、非接触充電器50の送電コイルの中心位置を推定するそして、駐車支援装置10は、推定して得られた非接触充電器50の送電コイルの中心位置に対して、受電器20の受電コイルの中心位置が誘導されるような目標走行軌跡を設定する。
【0089】
当該目標走行軌跡に従って車両200が走行する際、車両200に搭載される受電器20に対する非接触充電器50の重なり度合いが変化するため、効率特定部115は、重なり度合いに対応する変化する充電効率を算出する。
【0090】
(報知処理部116)
報知処理部116は、相対位置特定部103で特定された車両位置を受信したとき、車両位置における非接触充電の効率を車両200の運転者などに報知するため、効率特定部115で特定された非接触充電の効率を、表示装置11及び音声出力装置12に転送する。
【0091】
(異物検出部121)
異物検出部121は、例えば、非接触充電器50の送電コイルの磁束の変化により受信器20の受電コイルに誘起される電圧が、異物が存在しない場合に誘起される所定の値以下となることを検知することにより、受信器20と非接触充電器50との間に存在する空き缶、小動物などの異物を検出する。
【0092】
異物検出部121は、異物を検出した場合、情報受信部118に対して、異物が存在することを示す情報を出力する。
【0093】
(情報受信部118)
情報受信部118は、車両200の駐車領域に設けられている非接触充電器50と車両200との間で実施される非接触充電に関する情報を受信する。
【0094】
非接触充電に関する情報は、例えば、以下のような情報を含む。
(1)非接触充電器50の充電規格情報。
(2)走行用蓄電池の充電規格情報。
(3)非接触充電器50への自動運転の開始を示す情報。
(4)第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報。
(5)第1充電速度よりも速い第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報。
(6)受電器20と非接触充電器50との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報。
【0095】
充電規格情報は、CHAdeMO(登録商標)、コンボ(Combined Charging System)などである。充電規格情報には、WPT(Wireless Power Transmission)クラスに関する情報、受電器20に設けられている受電コイルの種類に関する情報、非接触充電器50に設けられている送電コイルの種類に関する情報などを含めてもよい。
【0096】
WPTクラスは、系統電源から非接触充電器50へ入力可能な電力の最大値、最低限必要な電力伝送効率などを規定する分類である。WPTクラスには、WPT1~WPT4が規定されている。「WPT1」には非接触充電器50への最大入力電力が3.7kVAと規定され、「WPT2」には最大入力電力が7.7kVAと規定され、「WPT3」には最大入力電力が11.1kVAと規定され、「WPT4」には最大入力電力が22kVAと規定されている。
【0097】
自動運転の開始を示す情報は、表示装置11に表示されている「自動駐車開始」ボタンが操作されたときに、表示装置11から送信される情報などである。
【0098】
第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報は、例えば、出力が1kW(100V電源使用時)の普通充電器、出力が3kW(200V電源使用時)の普通充電器などの、充電速度が遅い普通充電器を非接触充電器50として利用して非接触充電を実施する場合に、これらの非接触充電器50から無線通信で送信される充電速度の識別情報である。
【0099】
第1充電速度よりも速い第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報は、出力が50kW以上の、充電速度が速い高速充電器を非接触充電器50として利用して非接触充電を実施する場合に、当該非接触充電器50から無線通信で送信される充電速度の識別情報である。
【0100】
受電器20と非接触充電器50との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報は、例えば異物検出部121から出力される情報である。
【0101】
(情報提供部119)
情報提供部119は、非接触充電に関する情報を車両200の搭乗者へ提供する。情報提供部119により搭乗者に提供される情報の詳細に関しては後述する。
【0102】
(設定受付部120)
設定受付部120は、非接触充電に関する情報に対する、搭乗者からの設定を受け付ける。設定受付部120に受け付けられる設定の詳細に関しては後述する。
【0103】
次に
図4を参照して、目標軌跡設定部110の構成例を説明する。
【0104】
図4は目標軌跡設定部110の構成例を示す図である。目標軌跡設定部110は、第1走行軌跡設定部110a、及び第2走行軌跡設定部110bを備えている。
【0105】
(第1走行軌跡設定部110a)
第1走行軌跡設定部110aは、非接触充電器位置取得部102から非接触充電器50の位置が送信された場合、非接触充電器50の位置を取得できたと判断する。
【0106】
非接触充電器50の位置を取得できたと判断した第1走行軌跡設定部110aは、相対位置特定部103で特定された車両位置から、推奨駐車方向に従った駐車方向で、車両200が、駐車枠201の位置に基づいて決定された駐車領域202まで進入し、目標駐車位置で駐車できるような目標走行軌跡を設定する。当該目標走行軌跡は、本開示の第1走行軌跡の一例である。
【0107】
当該目標走行軌跡を設定した第1走行軌跡設定部110aは、設定した当該目標走行軌跡に従って、自動運転を行わせるための信号を自動運転制御部111に対して出力する。
【0108】
(第2走行軌跡設定部110b)
第2走行軌跡設定部110bは、非接触充電器位置取得部102から非接触充電器50の位置が送信されない場合、非接触充電器50の位置を取得できないと判断する。
【0109】
非接触充電器50の位置を取得できないと判断した第2走行軌跡設定部110bは、周囲情報取得部117で特定された認識対象の位置に基づいて、駐車領域202への車両200の目標走行軌跡を設定する。当該目標走行軌跡は、本開示の第2走行軌跡の一例である。
【0110】
当該目標走行軌跡を設定した第2走行軌跡設定部110bは、設定した当該目標走行軌跡に従って、車両200に自動運転を行わせるための信号を自動運転制御部111に対して出力する。
【0111】
次に
図5A~
図5Dを参照して、駐車支援システム100の動作を説明する。
【0112】
以下では、まず
図5A~
図5Cを参照して、目標走行軌跡を設定することで非接触充電を開始するときの駐車支援方法について説明する。
図5A~
図5Cは駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0113】
ステップS1では、非接触充電駐車支援を開始することを示す信号を受信したとき、走行用蓄電池のSOCの値に基づき、走行用蓄電池が満充電状態であるか否を判定する処理が実行される。
【0114】
走行用蓄電池が満充電ではない場合(ステップS1,NO)、ステップS2の処理を実行する。
【0115】
ステップS2では、無線通信を開始する信号に従って、通信装置8と非接触充電器50との通信が開始される。通信装置8と非接触充電器50との通信が開始されると、ステップS3の処理が実行される。
【0116】
ステップS3では、通信装置8が非接触充電器50から送信される駐車支援情報を受信した否かを判定する処理が実行される。
【0117】
駐車支援情報を受信していない場合(ステップS3,NO)、ステップS2以降の処理が繰り返される。
【0118】
駐車支援情報を受信した場合(ステップS3,YES)、ステップS4の処理が実行される。
【0119】
ステップS4では、駐車支援情報に含まれている推奨駐車方向が、前向き駐車であるか、後向き駐車であるかを判定する処理が実行される。
【0120】
前向き駐車の場合(ステップS4,YES)、ステップS5の処理が実行される。
【0121】
ステップS5では、前方カメラ6で撮像した画像から前向き駐車の状態で非接触充電器50のマークDを抽出したか否を判定する処理が実行される。
【0122】
マークDが抽出された場合、すなわち前方カメラ6でマークDを確認できた場合(ステップS5,YES)、ステップS9の処理が実行される。
【0123】
ステップS9では、車両位置取得部101によって、車両位置を取得する処理が実行される。
【0124】
車両位置が取得されると(ステップS9)、ステップS10の処理が実行される。
【0125】
ステップS10では、相対位置特定部103によって、非接触充電器50に対する車両位置を特定する処理が実行される。
【0126】
非接触充電器50に対する車両位置が特定されると(ステップS10)、ステップS11の処理が実行される。
【0127】
ステップS11では、駐車位置特定部105によって、非接触充電の効率が最大となる目標駐車位置を特定する処理が実行される。
【0128】
非接触充電の効率が最大となる目標駐車位置が特定されると(ステップS11)、ステップS12の処理が実行される。
【0129】
ステップS12では、第1走行軌跡設定部110aによって、目標走行軌跡を設定する処理が実行される。目標走行軌跡が設定されると、ステップS13の処理が実行される。
【0130】
ステップS13では、第1走行軌跡設定部110aで設定された目標走行軌跡に従って、開始判定部114が自動運転制御部111に対して、自動運転制御を開始させる。
【0131】
自動運転制御部111で自動運転制御が開始されると、ステップS14の処理が実行される。
【0132】
ステップS14では、目標駐車位置への駐車が可能であるか否かが判断される。
【0133】
目標駐車位置への駐車が可能である場合(ステップS14,YES)、ステップS16の処理が実行される。
【0134】
ステップS16では、自動運転制御部111によって、目標駐車位置への車両200の駐車が完了したか否かが判断される。
【0135】
駐車が完了していない場合(ステップS16,NO)、ステップS16の処理が繰り返される。
【0136】
駐車が完了した場合(ステップS16,YES)、ステップS17の処理が実行される。
【0137】
ステップS17では、非接触充電が開始される。非接触充電が開始されることにより、非接触充電駐車支援の処理が終了する。
【0138】
ステップS14に戻り、目標駐車位置への駐車が可能ではない場合(ステップS14,NO)、ステップS15の処理が実行される。
【0139】
ステップS15では、目標駐車位置に駐車できない旨を報知する処理が実行される。当該処理では、例えば表示装置11に対して「障害物があるため自動運転駐車することができません」などのメッセージを表示させる。ステップS15の後、非接触充電駐車支援の処理が終了する。
【0140】
ステップS1に戻り、走行用蓄電池が満充電の場合(ステップS1,YES)、非接触充電駐車支援の処理が終了する。
【0141】
ステップS4に戻り、推奨駐車方向が後向き駐車の場合(ステップS4,NO)、ステップS7の処理が実行される。
【0142】
ステップS7では、後向き駐車の状態で後方カメラ7で撮像した画像から非接触充電器50のマークDを抽出したか否を判定する処理が実行される。
【0143】
マークDが抽出された場合、すなわち後方カメラ7でマークDを確認できた場合(ステップS7,YES)、前述したステップS9の処理が実行される。
【0144】
後方カメラ7でマークDを確認できない場合(ステップS7,NO)、ステップS8の処理が実行される。
【0145】
ステップS8では、報知処理部116によって、非接触充電器50のマークDを確認できない旨を報知する処理が実行される。
【0146】
当該処理では、例えば表示装置11に対して「非接触充電器を確認できません」などのメッセージを表示させる。
【0147】
なお、当該処理では、音声出力装置12から、非接触充電器50を確認できない旨の音声ガイダンスを再生してもよい。
【0148】
ステップS8の処理の後、ステップS7以降の処理が繰り返される。
【0149】
ステップS5に戻り、前方カメラ6でマークDを確認できない場合(ステップS5,NO)、ステップS6の処理が実行される。
【0150】
ステップS6では、ステップS8での処理と同様に、報知処理部116によって、非接触充電器50のマークDを確認できない旨を報知する処理が実行される。
【0151】
ステップS6の後、ステップS61の処理が実行される。ステップS61では、周囲情報取得部117によって、認識対象の位置を特定できたか否かを判定する処理が実行される。
【0152】
ステップS61において、認識対象の位置を特定できない場合(ステップS61,NO)、ステップS62の処理が実行される。
【0153】
ステップS62では、非接触充電器50の認識対象の位置を特定できない旨を報知する処理が実行される。
【0154】
当該処理では、例えば表示装置11に対して、「車枠を認識できません」などのメッセージを表示させる。
【0155】
ステップS62の処理の後、ステップS61の処理が繰り返される。
【0156】
ステップS61において、認識対象の位置を特定できた場合(ステップS61,YES)、ステップS63の処理が実行される。
【0157】
ステップS63では、第2走行軌跡設定部110bによって、目標走行軌跡を設定する処理が実行される。
【0158】
第2走行軌跡設定部110bによって目標走行軌跡が設定されると、ステップS64の処理が実行される。ステップS64では、第2走行軌跡設定部110bで設定された目標走行軌跡に従って、開始判定部114が自動運転制御部111に対して、自動運転制御を開始させる。
【0159】
自動運転制御部111で自動運転制御が開始されると、ステップS65の処理が実行される。ステップS65では、目標駐車位置への駐車が開始されると、自動運転制御部111によって、目標駐車位置への車両200の駐車が完了したか否かが判断される。
【0160】
駐車が完了していない場合(ステップS65,NO)、ステップS65の処理が繰り返される。
【0161】
駐車が完了した場合(ステップS65,YES)、ステップS66の処理が実行される。
【0162】
ステップS66では、非接触充電が開始される。非接触充電が開始されることにより、非接触充電駐車支援の処理が終了する。
【0163】
次に、
図5Dを参照して、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電を行う位置までの自動駐車を行う場合の駐車支援方法について説明する。例えば、
図5Dに示す処理は、
図5Aに示したステップS1の処理の後に実行される。
【0164】
図5Dは、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を行う場合の駐車支援システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0165】
情報受信部118は、車両200の駐車領域に設けられている非接触充電器50と車両200との間で実施される非接触充電に関する情報を受信する(ステップS71)。その後、ステップS72の処理が実行される。
【0166】
情報提供部119は、非接触充電に関する情報を車両200の搭乗者へ提供する(ステップS72)。その後、ステップS73の処理が実行される。
【0167】
設定受付部120は、非接触充電器に関する情報に対する搭乗者からの設定を受け付ける(ステップS73)。その後、ステップS74の処理が実行される。
【0168】
設定受付部120は、搭乗者からの設定情報に基づき、非接触充電のための自動運転を行わせる(ステップS74)。
【0169】
以下に、搭乗者の意思を反映させながら非接触充電のための自動駐車を行う駐車支援方法における具体例を説明する。
【0170】
(充電可能情報の提供)
例えば、上記のステップS2において駐車支援情報が受信された後、情報受信部118は、非接触充電器50の充電規格情報と、走行用蓄電池の充電規格情報とを、非接触充電に関する情報として受信した場合、これらの充電規格情報を、情報提供部119に転送する。
【0171】
情報提供部119は、これらの充電規格情報に基づき、非接触充電器50による走行用蓄電池への充電の可否を判定する。
【0172】
情報提供部119は、非接触充電器50の充電規格が走行用蓄電池の充電規格に対応する場合、走行用蓄電池への充電が可能と判定し、充電可能な非接触充電器50が存在することを示す充電可能情報を、表示装置11に対して送信する。
【0173】
充電可能情報を受信した表示装置11は、例えば「非接触充電が可能な駐車スペースです」などのガイダンスを表示する。
【0174】
車両200の搭乗者は、このようなガイダンスを参照することで、車両200の周囲に、当該車両200に対する非接触充電が可能な非接触充電器50が設置されていると判断し、自動駐車の開始操作を行うことができる。
【0175】
設定受付部120は、充電可能情報に対する搭乗者の設定を受け付けると、自動運転制御部111は、設定受付部120で受け付けた設定に基づき、充電可能情報に対応する非接触充電器50への自動運転を行わせる。充電可能情報に対する搭乗者の設定は、充電可能情報に対応する非接触充電器50への自動運転を開始する操作である。
【0176】
(充電不可情報の提供)
情報提供部119は、上記の充電規格情報に基づき、非接触充電器50による走行用蓄電池への充電の可否を判定する。
【0177】
情報提供部119は、非接触充電器50の充電規格が走行用蓄電池の充電規格に対応していない場合、走行用蓄電池への充電ができないと判定する。
【0178】
この場合、情報提供部119は、非接触充電が可能な非接触充電器50が存在しないことを示す充電不可情報を、表示装置11に対して送信する。
【0179】
充電不可情報を受信した表示装置11は、例えば「非接触充電ができない駐車スペースです」などのガイダンスを表示する。
【0180】
車両200の搭乗者は、このようなガイダンスを参照することで、自動駐車の開始操作を中断して、非接触充電が可能な別の駐車場、駐車枠201などに向けて直ちに車両200を移動させることができる。
【0181】
これにより、入庫中又は出庫中の別の車両の進行を妨げることを回避できる。
【0182】
なお、情報提供部119の構成は、これに限定されず、以下のように構成してもよい。
【0183】
(満充電状態になるまでに要する時間の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS5の処理の後、又は、ステップS7の処理の後に、走行用蓄電池が満充電状態になるまでに要する時間を算出して、当該時間を表示装置11に表示させてもよい。
【0184】
例えば、前述した充電可能時に提供されるガイダンスに対して、運転者が、表示装置11に表示されている、非接触充電を開始するための設定ボタンを操作した場合、又は、操作入力部9において自動駐車を実行する操作を行った場合、設定受付部120は、これらの設定を受け付け、情報提供部119に対して、これらの設定がなされたことを示す情報を送信する。
【0185】
当該情報を受信した情報提供部119は、充電可能と判定された非接触充電器50の充電規格、走行用蓄電池の充電規格、走行用蓄電池のSOCなどに基づき、公知の充電時間算出方法により、走行用蓄電池が満充電状態になるまでに要する時間を算出して、当該時間を表示装置11に表示させる。
【0186】
(満充電状態になる時刻の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS5の処理の後、又は、ステップS7の処理の後に、走行用蓄電池が満充電状態になるまでに要する時間に代えて、走行用蓄電池が満充電状態になる時刻を、表示装置11に表示させてもよい。
【0187】
例えば、前述した充電可能時に提供されるガイダンスに対して、自動駐車を実行する設定がなされた場合、情報提供部119は、設定受付部120を開始して、当該設定を受信する。そして、情報提供部119は、公知の充電満了時刻の算出方法により、走行用蓄電池が、満充電状態になる時刻を算出し、当該時刻を表示装置11に表示させる。
【0188】
(AMラジオへの影響に関する情報の提供)
情報提供部119は、上記のステップS2において駐車支援情報が受信された後、AM(Amplitude Modulation)ラジオにノイズが入る可能性があることを、表示装置11に表示させてもよい。
【0189】
例えば、設定受付部120が、非接触充電器50への自動運転の開始を示す情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、設定受付部120は、当該情報を情報提供部119に送信する。
【0190】
また、情報受信部118が、前述した第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報、又は、前述した第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、情報受信部118は、これらの情報を情報提供部119に送信する。
【0191】
情報提供部119は、設定受付部120と情報受信部118から送信されたこれらの情報を受信し、受信した情報に基づき、第1充電速度又は第2充電速度によって非接触充電を開始することを、搭乗者に対して確認する充電速度確認情報とともに、警告情報を表示装置11に表示させる。
【0192】
警告情報は、AMラジオで再生される音に、非接触充電に起因するノイズが入る可能性があることを示すガイダンス情報である。特に、第2充電速度で非接触充電が実施された場合、AMラジオで再生される音にノイズが入る可能性が高くなる。
【0193】
この場合のガイダンス情報は、例えば「非接触充電によってラジオが聞き難くなる可能性があります」、「ラジオのノイズが大きくなる可能性があります」などである。
【0194】
なお、ノイズが入ることを搭乗者が許容しているため、予め警告情報を非表示にする設定をしている場合、情報提供部119は、警告情報を非表示状態にする。
【0195】
また、情報提供部119は、AMラジオへの影響がある場合、充電を開始するか、充電を中断するかを確認するメッセージを、表示装置11に表示させてもよい。
【0196】
この場合のガイダンス情報は、例えば「ラジオが聞き難くなる可能性があります。非接触充電を開始しますか?」、「ラジオのノイズが大きくなる可能性があります。充電を中断しますか?」などである。
【0197】
また、情報提供部119は、AMラジオへの影響がある場合、第1充電速度による低速充電を開始するか、第2充電速度による高速充電を開始するかを確認するメッセージを、表示装置11に表示させてもよい。
【0198】
この場合のガイダンス情報は、例えば「ラジオが聞き難くなる可能性はありますが、急速充電を開始しますか?」、「ラジオが聞き取りにくくなることを防ぐため、急速充電の代わりに通常充電を開始しますか」などである。また「高速充電開始」、「通常充電開始」などの設定ボタンを併せて表示させてもよい。
【0199】
(ノイズによるペースメーカなどへの影響に関する情報の提供)
情報提供部119は、上記のステップS2において駐車支援情報が受信された後、非接触充電がペースメーカ、通信機器などに影響を与える可能性のあることを示す警告情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0200】
例えば、情報受信部118が、前述した第1充電速度で非接触充電を実施することを示す情報と、前述した第2充電速度で非接触充電を実施することを示す情報とを、非接触充電に関する情報として受信した場合、情報受信部118は、これらの情報を情報提供部119に送信する。
【0201】
情報提供部119は、受信したこれらの情報に基づき、第1充電速度又は第2充電速度によって非接触充電を開始することを、搭乗者に対して確認する充電速度確認情報とともに、警告情報を、表示装置11に表示させる。
【0202】
当該警告情報は、例えば「非接触充電がペースメーカに影響を与える可能性があります」などのガイダンスである。表示装置11には、「高速充電開始」、「通常充電開始」などの設定ボタンを併せて表示させてもよい。
【0203】
なお、情報提供部119は、非接触充電によるノイズの影響がありうる機器は、ペースメーカ、AMラジオなどに限定されず、例えば、車両200内に持ち込まれた、搭乗者が所有するスマートフォンなどの携帯情報端末なども含みうる。
【0204】
このため、情報提供部119は、これらの機器に、非接触充電によるノイズの影響がありうることを示す情報を、例えば「携帯情報端末などが正常に動作しない場合があります」などのメッセージとして、表示装置11に表示させてもよい。
【0205】
(充電開始猶予時間に関する情報の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS16の処理の後、又は、ステップS65の処理の後に、非接触充電が開始されるまでの充電開始猶予時間を示す情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0206】
例えば、情報受信部118が、車両制御ECU13から送信された、非接触充電を開始する時刻情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、情報受信部118は、当該情報を情報提供部119に送信する。
【0207】
情報提供部119は、受信した情報に基づき、当該情報を受信した時刻から、非接触充電が開始される時刻までの時間、例えば3分間などを、充電開始猶予時間として算出し、充電開始猶予時間を示す情報を、表示装置11に表示させる。
【0208】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「3分後に非接触充電が開始されます」、「降車してから3分後に非接触充が開始されます」などである。
【0209】
なお、情報提供部119は、非接触充電が開始される時刻に代えて、例えば、車両200のドアが開閉操作された時刻、車両200のアクセサリ電源がオフにされた時刻などの情報を利用して、充電開始猶予時間を算出してもよい。
【0210】
なお、情報提供部119は、非接触充電を開始するか、非接触充電の開始を中断するかを確認する充電確認情報に対して、非接触充電を開始する設定がされた場合には、非接触充電を開始させる充電開始信号を、充電開始猶予時間が経過したときに、通信装置8に対して出力するように構成してもよい。
【0211】
この場合、非接触充電を開始する設定を、設定受付部120が受け付けると、設定受付部120は、設定された非接触充電の開始を示す信号を情報提供部119に送信する。非接触充電の開始を示す信号を受信した情報提供部119は、充電開始信号を、通信装置8に対して出力する。
【0212】
これにより、ペースメーカなどが体に埋め込まれている搭乗者は、時間的余裕をもって車両200から離れることができる。
【0213】
(非接触充電の開始時刻及び終了時刻の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS16の処理の後、又は、ステップS65の処理の後に、非接触充電の開始時刻及び終了時刻を設定する時刻設定情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0214】
例えば、情報受信部118が、車両制御ECU13から送信された、非接触充電を開始する時刻情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、情報受信部118は、当該情報を情報提供部119に送信する。
【0215】
情報提供部119は、受信した情報に基づき、非接触充電が開始される時刻を示す情報と、公知の充電満了時刻の算出方法により算出された充電終了時刻を示す情報と、充電の開始を確認する情報とを、表示装置11に表示させる。
【0216】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「非接触充電が10時10分に開始されます」、「12時30分に充電が完了します」、「非接触充電を開始しますか?」などである。
【0217】
設定受付部120は、表示装置11に表示された時刻設定情報に対する搭乗者の設定を受け付けた場合、設定された非接触充電の開始時刻及び終了時刻に従って、非接触充電を実行させる充電実行信号を出力する。
【0218】
(異物検出時の確認に関する情報の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS17又はステップS66の非接触充電の開始時に、異物が検出された場合に、非接触充電を開始するか、非接触充電の開始を中断するかを確認する充電確認情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0219】
例えば、情報受信部118は、受電器20と非接触充電器50との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、当該情報を情報提供部119に送信する。
【0220】
情報提供部119は、当該情報を受信したとき、受電器20と非接触充電器50との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を、表示装置11に表示させる。
【0221】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「充電を妨げる物が非接触充電器の周囲に存在します」、「非接触充電器の周囲を確認してください」などである。
【0222】
また、情報提供部119は、当該情報を受信したとき、充電を開始するか、充電を中断するかを確認するメッセージを、表示装置11に表示させてもよい。
【0223】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「充電を妨げうる物を検出しました。このまま充電を開始しますか?」、「充電を妨げうる物を検出しました。充電を中断しますか?」などである。
【0224】
情報提供部119は、車両200に搭載される受電器20と非接触充電器50との間に非接触充電を妨げうる異物が存在することを示す情報を、非接触充電に関する情報として受信した場合、異物の除去が完了したか否かを確認する除去確認情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0225】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「充電を妨げうる物を除去しましたか?」などである。
【0226】
なお、設定受付部120は、上記の除去確認情報に対して搭乗者から受け付けた設定が、異物の除去が完了したことを示す設定である場合、通信装置8に対して、非接触充電を開始させる充電開始信号を出力するように構成してもよい。
【0227】
(異物検出時の充電開始又は充電中断)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS17又はステップS66の非接触充電の開始時に、上記の充電確認情報に対して、非接触充電を開始する設定がされた場合には、非接触充電を開始させる充電開始信号を出力し、充電確認情報に対して、非接触充電を中断する設定がされた場合には、非接触充電を中断させる充電中断信号を出力するように構成してもよい。
【0228】
例えば、非接触充電を開始するための設定ボタンを操作した場合、又は、操作入力部9において自動駐車を実行する操作を行った場合、設定受付部120は、これらの設定を受け付け、情報提供部119に対して、これらの設定を示す情報を送信する。
【0229】
また、非接触充電を中断する設定ボタンを操作した場合、又は、操作入力部9において自動駐車を中断する操作を行った場合、設定受付部120は、これらの設定を受け付け、情報提供部119に対して、これらの設定を示す情報を送信する。
【0230】
情報提供部119は、受信したこれらの情報に基づき、充電開始信号又は充電中断信号を、通信装置8に対して出力する。
【0231】
これにより、通信装置8から非接触充電器50に対して充電開始信号が送信されて、非接触充電が再開され、又は、通信装置8から非接触充電器50に対して充電中断信号が送信されて、非接触充電が中断される。
【0232】
(受電器20が故障時の情報の提供)
情報提供部119は、例えば、上記のステップS17又はステップS66の非接触充電の開始時に、受電器20が故障している場合に、受電器20が故障していることを通知するための故障情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0233】
例えば、情報受信部118が、車両制御ECU13から送信される、受電器20が故障していることを示す情報を受信した場合、情報受信部118は、当該情報を情報提供部119に送信する。
【0234】
情報提供部119は、当該情報を受信したとき、故障情報を、表示装置11に表示させる。
【0235】
この場合に表示装置11に表示される情報は、例えば「非接触充電を開始することができません。受電器20の点検を実施してください」などである。
【0236】
(充電量、充電時間などを設定する情報の提供)
情報提供部119は、走行用蓄電池の充電量を満充電未満の値に設定する充電量設定情報と、走行用蓄電池の充電時間を任意の時間に設定する充電時間設定情報とを、表示装置11に表示させてもよい。
【0237】
なお、情報提供部119は、上記の充電量設定情報と、上記の充電時間設定情報とを、自動運転による駐車が完了したときに、表示装置11に表示させてもよい。
【0238】
これにより、自動運転が完了する前にこれらの情報が表示される場合に比べて、自動運転中の搭乗者に提供される情報量を軽減でき、搭乗者は車両200の周囲状況に集中できるようになり、安全に車両200の駐車させることができる。
【0239】
(非接触充電ができない駐車領域であること示す情報の提供)
情報提供部119は、自動駐車しようとした駐車領域が、非接触充電器50が故障しているため、非接触充電を行うことができない領域である場合、非接触充電ができない駐車領域であることを示す情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0240】
この場合、情報提供部119は、前方カメラ6及び後方カメラ7で撮像された撮像画像、駐車場に設置されている監視カメラで撮像された撮像画像、車両200の周囲に存在する別の車両に搭載されている車載装置で撮像された撮像画像を、無線通信で受信する。
【0241】
そして、情報提供部119は、受信した撮像画像に基づき、駐車されていない他の駐車領域を選択する。
【0242】
また、情報提供部119は、選択した駐車領域の位置を示す情報を、推奨駐車スペースとして、表示装置11に表示させる。
【0243】
このとき、情報提供部119は、選択した駐車領域の位置に車両200を誘導するルートを計算して、表示装置11に当該ルートを表示させてもよい。
【0244】
(駐車が困難なサイズの駐車領域であることの情報の提供)
また、情報提供部119は、車両200のサイズが、自動駐車しようとした駐車領域よりも大きいため、駐車することが困難である場合、当該駐車領域に駐車できないことを示す情報を、表示装置11に表示させてもよい。
【0245】
この場合、情報提供部119は、前方カメラ6及び後方カメラ7で撮像された撮像画像、駐車場に設置されている監視カメラで撮像された撮像画像、車両200の周囲に存在する別の車両に搭載された車載装置で撮像された撮像画像を、無線通信で受信し、受信した撮像画像に基づき、駐車されていない他の駐車領域を選択する。
【0246】
そして、情報提供部119は、選択した駐車領域の位置を示す情報を、推奨駐車スペースとして、表示装置11に表示させる。
【0247】
このとき、情報提供部119は、選択した駐車領域の位置に車両200を誘導するルートを計算して、表示装置11に当該ルートを表示させてもよい。
【0248】
また、情報提供部119は、車車間通信で送信される情報を利用して、推奨駐車スペースを選択してもよい。車車間通信で送信される情報は、出庫する予定の他の車両から送信される、アクセサリ電源がオンになったことを示す情報、ブレーキが解錠されたことを示す情報、アクセルペダルが踏まれたことを示す情報などである。
【0249】
例えば、情報提供部119は、車車間通信で送信される情報を利用して、他の駐車領域に駐車中の車両から、満充電までに要する時間に関する情報を受信することで、当該車両が、もうすぐ出庫する可能性があることを、運転者に知らせることができる。この場合、情報提供部119は、表示装置11に「出庫する車両が近くにあります。この場所を案内しますか?」などのガイダンスを表示する。
【0250】
また、情報提供部119は、上記のステップS1の処理が開始される前、すなわち非接触充電のため自動駐車を開始するとき、例えば表示装置11に「今すぐ充電」などの設定ボタンを表示させる。また、情報提供部119は、表示装置11に予め設定した時刻に充電開始を予約をするための「充電予約」などの設定ボタンを表示させる。
【0251】
そして、これらの設定ボタンが押された場合、情報提供部119は、車両200の周囲に存在する非接触充電器50が設置されている設置位置を、表示装置11に一覧表示する。
【0252】
このとき、情報提供部119は、一覧表示されるそれぞれの非接触充電器50の設置場所までの移動時間、移動距離などを、非接触充電器50の設置位置に対応付けて表示させる。
【0253】
このように一覧表示された非接触充電器50の中から、特定の非接触充電器50が選択された場合、設定受付部120は、選択された非接触充電器50を示す情報を、表示装置11から受信して、情報提供部119に転送する。
【0254】
当該情報を受信した情報提供部119は、選択された非接触充電器50へ車両200を誘導するルートを計算して、表示装置11に当該ルートを表示させる。
【0255】
情報提供部119は、一覧表示された非接触充電器50の設置場所、非接触充電器50の設置場所までの移動時間、移動距離、設置場所を識別する番号などを、音声出力装置12を通じて、音声で再生させてもよい。
【0256】
情報提供部119は、非接触充電が完了したとき、正常に充電が完了したことを示す情報、非接触充電器50の故障などによって正常に充電が完了しなかったことを示す情報などを、表示装置11に表示させてもよい。情報提供部119は、正常に充電が完了しなかった場合、非接触充電器50が設置されている別の駐車領域を一覧表示させて、選択させてもよいし、再駐車を促すための「再駐車」ボタンを表示装置11に表示させてもよい。
【0257】
以上に説明したように、本開示の実施の形態に係る駐車支援装置10は、車両の駐車領域に設けられている非接触充電器と前記車両との間で実施される非接触充電に関する情報を、前記車両の搭乗者へ提供する情報提供部と、前記非接触充電器に関する情報に対する前記搭乗者からの設定を受け付ける設定受付部と、前記設定受付部に設定された設定情報に基づき非接触充電のための自動運転を行わせる自動運転制御部と、を備えるように構成されている。
【0258】
この構成により、非接触充電に関する情報に対して、搭乗者が所定の設定を行うことで、その設定を自動駐車に反映して、非接触充電を実行することができる。
【0259】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、本開示に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0260】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術は、本開示において例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれうる。
【産業上の利用可能性】
【0261】
本開示の一実施例は、駐車支援装置、駐車支援システム、及び、駐車支援方法に好適である。
【符号の説明】
【0262】
2 位置検出装置
3 GNSS受信機
4 ジャイロセンサ
5 車輪速センサ
6 前方カメラ
7 後方カメラ
8 通信装置
9 操作入力部
10 駐車支援装置
11 表示装置
12 音声出力装置
13 車両制御ECU
14 バッテリECU
20 受電器
50 非接触充電器
100 駐車支援システム
101 車両位置取得部
102 接触充電器位置取得部
103 相対位置特定部
104 記憶部
105 駐車位置特定部
106 推奨駐車方向取得部
107 駐車枠位置取得部
108 マーク情報取得部
109 画像認識処理部
110 目標軌跡設定部
110a 第1走行軌跡設定部
110b 第2走行軌跡設定部
111 自動運転制御部
112 要否切替部
113 充電情報取得部
114 開始判定部
115 効率特定部
116 報知処理部
117 周囲情報取得部
118 情報受信部
119 情報提供部
120 設定受付部
121 異物検出部
200 車両
201 駐車枠
202 駐車領域