(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20241127BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241127BHJP
H05H 1/26 20060101ALI20241127BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20241127BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20241127BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20241127BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H01L21/30 572B
H01L21/304 645C
H01L21/304 643A
H01L21/304 651B
H05H1/26
B05C11/08
B05C11/10
B05B1/14 Z
B05C5/00 101
(21)【出願番号】P 2020145507
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】堀越 章
(72)【発明者】
【氏名】上野 美佳
(72)【発明者】
【氏名】竹市 弥生
(72)【発明者】
【氏名】柳田 隆明
(72)【発明者】
【氏名】中西 健二
(72)【発明者】
【氏名】高辻 茂
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴弘
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-177543(JP,A)
【文献】特開2005-144233(JP,A)
【文献】特開2012-049476(JP,A)
【文献】特開2020-004561(JP,A)
【文献】特開2008-053728(JP,A)
【文献】特開2010-212639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00、11/08、11/10
H05H 1/26
H01L 21/027、21/30、21/304
B05B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、
前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、
ヘッド移動機構と
を備え、
前記プラズマ発生ユニットは、
ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、
前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群と
を含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、
前記複数の電極は、水平方向に長い長尺形状を有し、その長手方向に直交する水平な配列方向において間隔を空けて並んで配置され、
前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させる、基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記複数の電極は平面視において互いに間隔を空けて並んで設けられている、基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられている、基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルの両側に設けられている、基板処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記複数の電極の相互間に設けられた誘電仕切部材をさらに備える、基板処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記移動方向に直交する方向における前記ガス流路の流出口の幅は、前記基板の直径以上である、基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記ユニット本体は、水平な仕切方向において、前記ガス流路を複数のガス分割流路に仕切る流路仕切部を含む、基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置であって、
前記ガス流路に前記ガスを供給するガス供給部を備え、
前記複数のガス分割流路は、第1ガス分割流路と、第2ガス分割流路とを含み、
前記第1ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、
前記ガス供給部は、前記第1ガス分割流路における前記ガスの第1流速が前記第2ガス分割流路における前記ガスの第2流速よりも高くなるように、前記第1ガス分割流路および前記第2ガス分割流路に前記ガスを供給する、基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記ユニット本体は、前記ガス流路において前記電極群よりも上流側に設けられ、前記電極群と向かい合う複数の開口を有する第1板状体をさらに含む、基板処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置であって、
前記複数の開口は、第1開口と、第2開口とを含み、
前記第1開口と前記処理液ノズルとの距離は、前記第2開口と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、
前記第1開口の面積は前記第2開口の面積よりも小さい、基板処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記ユニット本体は、前記電極群よりも下流側に設けられた前記ガス流路の流出口を開閉するシャッタをさらに含む、基板処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の基板処理装置であって、
前記ユニット本体は、前記ガス流路の流出口として複数の流出口を有する第2板状体をさらに含む、基板処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理装置であって、
前記複数の流出口は、第1流出口と、第2流出口とを含み、
前記第1流出口と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2流出口と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、
前記第1流出口の面積は前記第2流出口の面積よりも小さい、基板処理装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記複数の電極の相互間の前記電界空間のうち第1電界空間と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記電界空間のうち第2電界空間と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、
前記第1電界空間には、前記第2電界空間に印加される電界の電界強度よりも高い電界強度で電界が印加される、基板処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理装置であって、
前記複数の電極のうち前記第1電界空間を形成する2つの電極間に印加される電圧の大きさは、前記複数の電極のうち前記第2電界空間を形成する2つの電極間に印加される電圧の大きさよりも大きい、基板処理装置。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の基板処理装置であって、
前記複数の電極のうち前記第1電界空間を形成する2つの電極の間隔は、前記複数の電極のうち前記第2電界空間を形成する2つの電極の間隔よりも狭い、基板処理装置。
【請求項17】
基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、
前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、
ヘッド移動機構と
を備え、
前記プラズマ発生ユニットは、
ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、
前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群と
を含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、
前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、
前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルの両側に設けられている、基板処理装置。
【請求項18】
基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、
前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、
ヘッド移動機構と
を備え、
前記プラズマ発生ユニットは、
ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、
前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群と
を含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、
前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、
前記移動方向に直交する方向における前記ガス流路の流出口の幅は、前記基板の直径以上である、基板処理装置。
【請求項19】
基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、
前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、
ヘッド移動機構と、
ガス供給部と
を備え、
前記プラズマ発生ユニットは、
ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、
前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群と
を含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、
前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、
前記ガス供給部は、前記ガス流路に前記ガスを供給し、
前記ユニット本体は、水平な仕切方向において、前記ガス流路を複数のガス分割流路に仕切る流路仕切部を含み、
前記複数のガス分割流路は、第1ガス分割流路と、第2ガス分割流路とを含み、
前記第1ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、
前記ガス供給部は、前記第1ガス分割流路における前記ガスの第1流速が前記第2ガス分割流路における前記ガスの第2流速よりも高くなるように、前記第1ガス分割流路および前記第2ガス分割流路に前記ガスを供給する、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板の主面に形成されたレジストを除去する基板処理装置が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、基板の主面に硫酸および過酸化水素水の混合液を供給する。硫酸および過酸化水素水が混合されることで、これらが反応してカロ酸が生成される。このカロ酸は効率的に基板のレジストを除去することができる。
【0003】
しかしながら、この処理では硫酸および過酸化水素水を供給し続ける必要があり、硫酸および過酸化水素水の消費量が大きい。環境負荷の低減のためには、硫酸の使用量の削減が求められており、薬液消費量の削減が要求されている。この薬液消費量を低減するために、従来から硫酸を回収して再利用している。しかしながら、硫酸および過酸化水素水を混合することにより、硫酸の濃度が低下するので、高い濃度で硫酸を回収することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、大気圧プラズマにより酸素ラジカル等の活性種を発生させ、当該活性種を硫酸に作用させることにより、カロ酸を生成することが考えられる。これにより、過酸化水素水を用いずにレジストを除去することができる。
【0006】
より具体的な基板処理装置の構成として、基板の主面に処理液を供給するノズルと、基板の主面に活性種を供給するユニットとを設けることが考えられる。これにより、基板の主面に着液した処理液に対して、活性種を供給することができる。よって、活性種が基板の主面上で処理液に作用して、処理液の処理能力を向上させることができる。これによって、高い処理能力で効率的に基板の主面を処理することができる。
【0007】
このような処理液および活性種を用いた処理においても、より簡易な構成でより均一に基板に対して処理を行うことが望まれている。
【0008】
そこで、本願は、より簡易な構成でより均一に基板に対して処理を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
基板処理装置の第1の態様は、基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、ヘッド移動機構とを備え、前記プラズマ発生ユニットは、ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群とを含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、前記複数の電極は、水平方向に長い長尺形状を有し、その長手方向に直交する水平な配列方向において間隔を空けて並んで配置され、前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させる。
【0010】
基板処理装置の第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の電極は平面視において互いに間隔を空けて並んで設けられている。
【0011】
基板処理装置の第3の態様は、第1または第2の態様にかかる基板処理装置であって、前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられている。
【0012】
基板処理装置の第4の態様は、第3の態様にかかる基板処理装置であって、前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルの両側に設けられている。
【0013】
基板処理装置の第5の態様は、第1から第4のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の電極の相互間に設けられた誘電仕切部材をさらに備える。
【0014】
基板処理装置の第6の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記移動方向に直交する方向における前記ガス流路の流出口の幅は、前記基板の直径以上である。
【0015】
基板処理装置の第7の態様は、第1から第6のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記ユニット本体は、水平な仕切方向において、前記ガス流路を複数のガス分割流路に仕切る流路仕切部を含む。
【0016】
基板処理装置の第8の態様は、第7の態様にかかる基板処理装置であって、前記ガス流路に前記ガスを供給するガス供給部を備え、前記複数のガス分割流路は、第1ガス分割流路と、第2ガス分割流路とを含み、前記第1ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、前記ガス供給部は、前記第1ガス分割流路における前記ガスの第1流速が前記第2ガス分割流路における前記ガスの第2流速よりも高くなるように、前記第1ガス分割流路および前記第2ガス分割流路に前記ガスを供給する。
【0017】
基板処理装置の第9の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記ユニット本体は、前記ガス流路において前記電極群よりも上流側に設けられ、前記電極群と向かい合う複数の開口を有する第1板状体をさらに含む。
【0018】
基板処理装置の第10の態様は、第9の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の開口は、第1開口と、第2開口とを含み、前記第1開口と前記処理液ノズルとの距離は、前記第2開口と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、前記第1開口の面積は前記第2開口の面積よりも小さい。
【0019】
基板処理装置の第11の態様は、第1から第10のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記ユニット本体は、前記電極群よりも下流側に設けられた前記ガス流路の流出口を開閉するシャッタをさらに含む。
【0020】
基板処理装置の第12の態様は、第11の態様にかかる基板処理装置であって、前記ユニット本体は、前記ガス流路の流出口として複数の流出口を有する第2板状体をさらに含む。
【0021】
基板処理装置の第13の態様は、第12の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の流出口は、第1流出口と、第2流出口とを含み、前記第1流出口と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2流出口と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、前記第1流出口の面積は前記第2流出口の面積よりも小さい。
【0022】
基板処理装置の第14の態様は、第1から第13のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の電極の相互間の前記電界空間のうち第1電界空間と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記電界空間のうち第2電界空間と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、前記第1電界空間には、前記第2電界空間に印加される電界の電界強度よりも高い電界強度で電界が印加される。
【0023】
基板処理装置の第15の態様は、第14の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の電極のうち前記第1電界空間を形成する2つの電極間に印加される電圧の大きさは、前記複数の電極のうち前記第2電界空間を形成する2つの電極間に印加される電圧の大きさよりも大きい。
【0024】
基板処理装置の第16の態様は、第14または第15の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の電極のうち前記第1電界空間を形成する2つの電極の間隔は、前記複数の電極のうち前記第2電界空間を形成する2つの電極の間隔よりも狭い。
基板処理装置の第17の態様は、基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、ヘッド移動機構とを備え、前記プラズマ発生ユニットは、ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群とを含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、前記電極群は、前記移動方向において、前記処理液ノズルの両側に設けられている。
基板処理装置の第18の態様は、基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、ヘッド移動機構とを備え、前記プラズマ発生ユニットは、
ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群とを含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、前記移動方向に直交する方向における前記ガス流路の流出口の幅は、前記基板の直径以上である。
基板処理装置の第19の態様は、基板を保持しつつ、前記基板の中心部を通る回転軸線のまわりで前記基板を回転させる基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出する処理液ノズルと、前記回転軸線に沿う平面視において前記処理液ノズルと隣り合う位置に設けられ、前記処理液ノズルと一体に連結されたプラズマ発生ユニットと、ヘッド移動機構と、ガス供給部とを備え、前記プラズマ発生ユニットは、ガスが流れるガス流路を形成するユニット本体と、前記ガス流路の下流側に設けられた複数の電極を有する電極群とを含み、前記電極群によって形成されたプラズマ用の電界空間を経由した前記ガスを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に供給し、前記ヘッド移動機構は、前記処理液ノズルおよび前記プラズマ発生ユニットを、前記基板保持部によって保持された前記基板の前記主面に沿う移動方向に一体的に往復移動させ、前記ガス供給部は、前記ガス流路に前記ガスを供給し、前記ユニット本体は、水平な仕切方向において、前記ガス流路を複数のガス分割流路に仕切る流路仕切部を含み、前記複数のガス分割流路は、第1ガス分割流路と、第2ガス分割流路とを含み、前記第1ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離は、前記第2ガス分割流路と前記処理液ノズルとの間の距離よりも短く、前記ガス供給部は、前記第1ガス分割流路における前記ガスの第1流速が前記第2ガス分割流路における前記ガスの第2流速よりも高くなるように、前記第1ガス分割流路および前記第2ガス分割流路に前記ガスを供給する。
【発明の効果】
【0025】
基板処理装置の第1の態様によれば、ヘッド移動機構は処理液ノズルとプラズマ発生ユニットを一体に移動させる。よって、処理液およびガスの供給位置を基板の主面上で一体に移動させることができる。これによれば、簡易な構成でスキャン処理を行うことができる。このスキャン処理により、基板の全面に処理液およびガスを供給できるので、基板をより均一に処理することができる。
【0026】
基板処理装置の第2の態様によれば、電界空間の平面視における面積を大きくすることができ、ひいては、より広い範囲でプラズマを発生させることができる。したがって、プラズマによる活性種をより広い範囲で発生させることができる。
【0027】
基板処理装置の第3の態様によれば、処理液ノズルおよびプラズマ発生ユニットの往復移動中に、処理液が基板の主面に着液した直後に、その着液位置の上方に電極群が移動し得る。これにより、処理液に対して速やかに活性種を作用させることができる。
【0028】
基板処理装置の第4の態様によれば、処理液が基板の主面に着液した直後に、その着液位置の上方に電極群が移動するので、処理液に対して速やかに活性種を作用させることができる。
【0029】
基板処理装置の第5の態様によれば、電極の間で生じるアーク放電を抑制することができる。
【0030】
基板処理装置の第6の態様によれば、基板に対してより広い範囲でガスおよび活性種を供給することができる。
【0031】
基板処理装置の第7の態様によれば、ガス分割流路ごとに流量を調整することができる。
【0032】
基板処理装置の第8の態様によれば、基板の主面に着液して未だ活性種が作用していない処理液に対して、より速やかにより高い第1流速でより多くの活性種を作用させ、一旦、活性種が作用した処理液には、より低い第2流速でより少ない活性種を作用させる。これによれば、処理液の処理能力をより速やかに向上させつつも、全てのガス分割流路において高い流速でガスを供給する場合に比して、ガスの消費量を低減させることができる。また基板の主面における処理を均一化することができる。
【0033】
基板処理装置の第9の態様によれば、電極群に対してより均一にガスを供給ことができるので、基板の主面に対してより均一に活性種を供給することができる。
【0034】
基板処理装置の第10の態様によれば、処理液ノズルに近い第1開口を通過するガスの流速を高くし、処理液ノズルから遠い第2開口を通過するガスの流速を低くすることができる。よって、基板の主面に着液して未だ活性種が作用していない処理液に対して、より速やかにより多くの活性種を作用させ、一旦、活性種が作用した処理液には、より少ない活性種を作用させることができる。
【0035】
基板処理装置の第11の態様によれば、シャッタが流出口を閉じた状態では、ガスがガス流路内に滞留し、より多くの活性種を発生させることができる。この状態でシャッタが流出口を開くことにより、より多くの活性種を基板の主面に供給することができる。
【0036】
基板処理装置の第12の態様によれば、基板の主面に、より均一にガスおよび活性種を供給することができる。
【0037】
基板処理装置の第13の態様によれば、処理液ノズルに近い第1流出口を通過するガスの流速を高くし、処理液ノズルから遠い第2流出口を通過するガスの流速を低くすることができる。よって、基板の主面に着液して未だ活性種が作用していない処理液に対して、より速やかにより多くの活性種を作用させ、一旦、活性種が作用した処理液には、より少ない活性種を作用させることができる。
【0038】
基板処理装置の第14の態様によれば、処理液ノズルに近い位置での電界強度が高いので、処理液ノズルに近い位置でより多くのプラズマを発生させることができ、ひいては、より多くの活性種を発生させることができる。よって、基板の主面に着液して未だ活性種が作用していない処理液に対して、より速やかにより多くの活性種を作用させ、一旦、活性種が作用した処理液には、より少ない活性種を作用させることができる。
【0039】
基板処理装置の第15の態様によれば、処理液ノズルに近い位置で高い電界強度の電界を印加することができる。
【0040】
基板処理装置の第16の態様によれば、処理液ノズルに近い位置で高い電界強度の電界を印加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】基板処理システムの構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図2】制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図3】基板処理装置の構成の一例を概略的に示す側面図である。
【
図4】ノズルヘッドの構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図5】電極群の構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図6】電極群の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図7】基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】電極群の構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図9】ノズルヘッドの構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図10】基板処理装置1の構成の一例を概略的に示す側面図である。
【
図11】ガス流路の流出口近傍の構成の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図12】ノズルヘッドの構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図13】電極群の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図14】電極群の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図15】電極群の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図16】ノズルヘッドの構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図17】電極群の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略および構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
【0043】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0044】
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0045】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0046】
<第1の実施の形態>
<基板処理システムの全体構成>
図1は、基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理システム100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。
【0047】
基板処理システム100は、円板状の半導体基板である基板Wに対して処理を行った後、乾燥処理を行う。ここでは、基板Wの主面にはレジストが形成されており、基板処理システム100は基板Wに対する処理としてレジストを除去する。
【0048】
なお、基板Wは必ずしも半導体基板に限らない。例えば、基板Wには、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。また基板の形状も円板形状に限らず、例えば矩形の板状形状など種々の形状を採用できる。
【0049】
基板処理システム100は、ロードポート101と、インデクサロボット110と、主搬送ロボット120と、複数の処理ユニット130と、制御部90とを含む。
【0050】
図1に例示されるように、複数のロードポート101が並んで配置される。各ロードポート101には、キャリアCが搬入される。キャリアCとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。インデクサロボット110は、キャリアCと主搬送ロボット120との間で基板Wを搬送する。主搬送ロボット120は処理ユニット130に基板Wを搬送する。
【0051】
処理ユニット130は基板Wに対して処理を行う。本実施の形態に関する基板処理システム100には、12個の処理ユニット130が配置されている。
【0052】
具体的には、それぞれが鉛直方向に積層された3個の処理ユニット130を含む4つのタワーが、主搬送ロボット120の周囲を取り囲むようにして配置されている。
【0053】
図1では、3段に重ねられた処理ユニット130の1つが概略的に示されている。なお、基板処理システム100における処理ユニット130の数は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0054】
主搬送ロボット120は、処理ユニット130が積層された4個のタワーの中央に設置されている。主搬送ロボット120は、インデクサロボット110から受け取る処理対象の基板Wをそれぞれの処理ユニット130内に搬入する。また、主搬送ロボット120は、それぞれの処理ユニット130から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット110に渡す。制御部90は、基板処理システム100のそれぞれの構成要素の動作を制御する。
【0055】
図2は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶媒体92を有している。
図2の具体例では、データ処理部91と記憶媒体92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶媒体92は非一時的な記憶媒体(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)921および一時的な記憶媒体(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶媒体921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。
図2の具体例では、インデクサロボット110、主搬送ロボット120および処理ユニット130がバス93に接続された態様が一例として概略的に示されている。
【0056】
<基板処理装置>
図3は、基板処理装置1の構成の一例を概略的に示す側面図である。基板処理装置1は複数の処理ユニット130の1つに相当する。複数の処理ユニット130は互いに同一の構成を有していてもよく、互いに異なる構成を有していてもよい。
【0057】
図3に例示するように、基板処理装置1は、基板保持部2と、ノズルヘッド3と、ヘッド移動機構30とを含んでいる。以下では、まず各構成について概説した後に詳述する。
【0058】
基板保持部2は基板Wを水平姿勢で保持しつつ、基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させる。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。回転軸線Q1は、基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。このような基板保持部2はスピンチャックとも呼ばれる。
【0059】
以下では、回転軸線Q1についての径方向および周方向を、単に径方向および周方向と呼ぶ場合がある。
【0060】
ノズルヘッド3は、基板保持部2によって保持された基板Wの主面に処理液を供給するとともに、後述のプラズマ用の電界空間を経由したガスも基板Wの主面に供給する。
図3では、ノズルヘッド3から基板Wに向かって流れる処理液を模式的に破線の矢印で示し、ノズルヘッド3から基板Wへ向かって流れるガスを模式的に実線の矢印で示している。電界空間とは、後に詳述するように、プラズマを発生させるための電界が印加された空間をいう。ガスが電界空間を通過する際に、ガスの一部がプラズマ化し、種々の活性種(例えば酸素ラジカルなど)が生じる。当該活性種はガスの流れに沿って移動して、基板Wの主面に供給される。
【0061】
図3の例では、ノズルヘッド3は、基板保持部2によって保持された基板Wよりも鉛直上方に設けられており、基板Wの上面に処理液およびガスを供給する。
【0062】
図3に示すように、ノズルヘッド3は、処理液ノズル4と、プラズマ発生ユニット5とを含む。処理液ノズル4はその下端面に吐出口4aを有しており、その吐出口4aから基板Wの主面に向かって処理液を吐出する。ここで、処理液としては硫酸が想定されるが、例えば、硫酸塩、ペルオキソ硫酸およびペルオキソ硫酸塩の少なくともいずれかを含む液、または、過酸化水素を含む液などの薬液であってもよい。処理液は、典型的には水溶液である。
【0063】
プラズマ発生ユニット5は、回転軸線Q1に沿って見て(つまり平面視において)、処理液ノズル4と隣り合う位置に設けられ、処理液ノズル4と一体に連結されている。プラズマ発生ユニット5にはガス供給部50からガスが供給され、当該ガスがプラズマ発生ユニット5内のガス流路60を基板Wの主面に向かって流れる。当該ガスには、例えば、酸素を含む酸素含有ガスを適用することができる。酸素含有ガスは、例えば、酸素ガス、オゾンガス、二酸化炭素ガス、空気、または、これらの少なくとも二つの混合ガスを含む。当該ガスには、不活性ガスがさらに含まれてもよい。不活性ガスは、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガス、または、これらの少なくとも二つの混合ガスを含む。
【0064】
プラズマ発生ユニット5は後述のようにガス流路60の下流側において電極群7を有しており、この電極群7によりその周囲の電界空間に電界が印加される。ガスが当該電界空間を通過する際に、電界がガスに作用する。これにより、ガスの一部が電離してプラズマが発生する(プラズマ発生処理)。例えばアルゴンガスなどの不活性ガスが電離してプラズマが発生する。なおここでは一例として、大気圧下でプラズマを生じさせる。ここでいう大気圧とは、例えば、標準気圧の80%以上、かつ、標準気圧の120%以下である。
【0065】
このプラズマの発生に際して、電子衝突反応による分子および原子の解離および励起などの諸反応が生じ、反応性の高い中性ラジカル等の種々の活性種も発生する。例えばプラズマのイオンまたは電子が酸素含有ガスに作用して酸素ラジカルを発生させる。このような活性種はガスの流れに沿って移動して、プラズマ発生ユニット5の下端部から、基板保持部2によって保持された基板Wの主面に向かって流出する。
【0066】
ノズルヘッド3はヘッド移動機構30によって移動可能に設けられている。ヘッド移動機構30はノズルヘッド3を少なくとも、基板保持部2によって保持された基板Wの主面に沿う移動方向D1に沿って移動させる。例えば平面視において、ヘッド移動機構30は基板Wの直径に沿ってノズルヘッド3を往復移動させる。ヘッド移動機構30は例えばリニアモータまたはボールねじ機構などの直動機構を含んでいてもよい。
【0067】
あるいは、ヘッド移動機構30は直動機構に替えて、アーム式の移動機構を含んでもよい。この場合、ノズルヘッド3は、水平方向に延在するアームの先端に連結される。アームの基端は、鉛直方向に沿って延在する支持柱に連結される。この支持柱はモータに連結されており、鉛直方向に沿う支持柱の中心軸のまわりで回転する。支持柱がその中心軸のまわりで回転することにより、アームが中心軸のまわりで水平面内を旋回し、アームの先端に設けられたノズルヘッド3が中心軸のまわりで水平面内を円弧状に移動する。この円弧状の移動経路が平面視において基板Wの直径に沿うように、ヘッド移動機構30が構成される。このようにして、ヘッド移動機構30はノズルヘッド3を基板Wの主面に対して平行に移動させることができる。
【0068】
ヘッド移動機構30はノズルヘッド3を、その移動経路上の待機位置と処理位置との間で移動させることもできる。待機位置とは、基板Wの搬出入の際にノズルヘッド3が基板Wの搬送経路に干渉しない位置であり、例えば平面視において基板保持部2よりも径方向外側の位置である。処理位置とは、ノズルヘッド3が処理液およびガスを基板Wに供給する位置であり、ノズルヘッド3が基板Wの主面と鉛直方向において対向する位置である。
【0069】
ヘッド移動機構30は、処理液ノズル4が基板Wの主面と対向する移動範囲内において、ノズルヘッド3を往復移動させることもできる。例えばヘッド移動機構30は、処理液ノズル4が基板Wの直径方向の一方側の周縁部と対向する第1周縁位置と、処理液ノズル4が基板Wの他方側の周縁部と対向する第2周縁位置との間で、ノズルヘッド3を往復移動させることができる。
図3の例では、ノズルヘッド3が第1周縁位置に位置する状態での処理液ノズル4が模式的に二点鎖線で示されている。
【0070】
このような基板処理装置1によれば、ノズルヘッド3を往復移動させながら、処理液およびガスを回転中の基板Wの主面に供給することができる(いわゆるスキャン処理)。このようなスキャン処理により、基板Wの主面の全面に処理液およびガスを供給することができ、より均一に基板Wを処理することができる。
【0071】
なお、このスキャン処理において、ノズルヘッド3は必ずしも第1周縁位置と第2周縁位置との間を往復移動する必要はない。例えばヘッド移動機構30は、処理液ノズル4が基板Wの中央部と対向する中央位置と第1周縁位置との間で、ノズルヘッド3を往復移動させてもよい。これによっても、基板Wの主面の全面に処理液およびガスを供給することができる。
【0072】
処理液は基板Wの主面を径方向外側に流れて、基板Wの周縁から外側に飛散する。そこで、
図3の例では、基板処理装置1にカップ8が設けられている。カップ8は、基板保持部2を取り囲む筒状の形状を有している。カップ8の筒状形状の中心軸は回転軸線Q1と一致する。基板Wの周縁から外側に飛散した処理液はカップ8の内周面に衝突し、下方に流れて不図示の回収機構によって回収されたり、あるいは、不図示の排液機構によって外部に排液されたりする。
【0073】
また、基板処理装置1には、基板保持部2よりも径方向外側において、不図示の排気口が設けられる。例えばカップ8に排気口が設けられてもよい。基板Wの主面に供給された活性種およびガスは基板Wの主面に沿って径方向外側に流れ、排気口から排気される。
【0074】
<基板保持部>
図3の例では、基板保持部2は、ベース21と、複数のチャック22と、回転機構23とを含んでいる。ベース21は、回転軸線Q1を中心とした円板形状を有し、その上面には複数のチャック22が立設されている。複数のチャック22は基板Wの周縁に沿って等間隔で設けられる。チャック22は、基板Wの周縁に当接するチャック位置と、基板Wの周縁から離れた解除位置の間で駆動可能である。複数のチャック22がそれぞれのチャック位置で停止した状態で、複数のチャック22が基板Wの周縁を保持する。複数のチャック22がそれぞれの解除位置で停止した状態では、基板Wの保持が解除される。複数のチャック22を駆動する不図示のチャック駆動部は例えばリンク機構および磁石等により構成され、制御部90によって制御される。
【0075】
回転機構23はモータ231を含んでいる。モータ231はシャフト232を介してベース21の下面に連結されており、制御部90によって制御される。モータ231がシャフト232およびベース21を回転軸線Q1のまわりで回転させることにより、複数のチャック22によって保持された基板Wも回転軸線Q1のまわりで回転する。
【0076】
なお、基板保持部2は必ずしもチャック22を含む必要はない。基板保持部2は例えば吸引力または静電力により基板Wを保持してもよい。
【0077】
<ノズルヘッド3>
図4は、ノズルヘッド3の構成の一例を概略的に示す断面図である。
図4は
図3のA-A断面を示している。以下では、
図3および
図4も参照してノズルヘッド3について説明する。
【0078】
<処理液ノズル4>
ノズルヘッド3の処理液ノズル4は、例えば、樹脂(例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン))または石英等の絶縁体(誘電体)によって形成されており、図示の例では円筒形状を有している。プラズマに晒されたことによる溶出を防ぐ観点からは、処理液ノズル4を樹脂ではなく、石英またはセラミックスにより形成することが好ましい。処理液ノズル4はその下端面に吐出口4aを有している。図示の例では、処理液ノズル4の内部の処理液流路4bは鉛直方向に沿って延在しており、処理液流路4bの下端開口が吐出口4aに相当する。
【0079】
この処理液ノズル4には処理液供給管45の一端が接続される。
図3の例では、処理液ノズル4の上端が処理液供給管45の一端に接続されている。つまり、処理液流路4bの上端開口4cが処理液供給管45の一端開口に繋がっている。処理液供給管45の他端は処理液供給源47に接続される。処理液供給源47は、例えば処理液を貯留するタンクを含む。
【0080】
処理液供給管45にはバルブ46が介装されている。バルブ46は制御部90によって制御され、バルブ46が開くことで、処理液が処理液供給源47から処理液供給管45の内部を流れて処理液ノズル4に供給される。この処理液は処理液流路4bを上方から下方に向かって流れ、吐出口4aから基板Wの主面に向かって吐出される。バルブ46が閉じることにより、処理液ノズル4の吐出口4aからの処理液の吐出が停止する。
【0081】
なお、基板処理装置1は、複数種類の処理液を基板Wの主面に供給する構成を有していてもよい。例えば、処理液ノズル4は複数の処理液流路を有していてもよい。この場合、各処理液流路が各種類の処理液供給源に個別に接続される。あるいは、基板処理装置1はノズルヘッド3とは別にノズルを含んでいてもよい。複数種類の処理液としては、例えば硫酸等の薬液の他、純水、オゾン水、炭酸水、および、イソプロピルアルコール等のリンス液を採用できる。ここでは、処理液ノズル4は複数の処理液流路を有しているものとする。
【0082】
<プラズマ発生ユニット5>
プラズマ発生ユニット5は、ユニット本体6と、電極群7とを含んでいる。ユニット本体6は、ガス供給部50からのガスを基板Wの主面に向けて流すためのガス流路60を形成する。電極群7はガス流路60の下流側に設けられており、後述のようにガスが通過可能に構成される。電極群7は周囲の空間(電界空間)に電圧を印加する。ガスが電界空間を通過する際に当該ガスに電界が印加され、当該電界の印加により、ガスの一部が電離してプラズマが発生する。このプラズマの発生に際して種々の活性種が生成され、これらの活性種がガスの流れに沿って基板Wの主面に供給される。
【0083】
<ユニット本体>
ユニット本体6は、例えば、石英、セラミックス等の絶縁体(誘電体)によって形成される。図示の例では、ユニット本体6は、上面部61と、側壁部62とを含んでいる。上面部61は例えば板状形状を有し、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で配置される。上面部61は平面視において例えば矩形形状を有する。上面部61は、その一辺が例えばノズルヘッド3の移動方向D1に沿う姿勢で配置される。
図3の例では、上面部61にはその中央部において貫通孔61aが形成される。貫通孔61aは上面部61を鉛直方向に沿って貫通しており、この貫通孔61aには処理液ノズル4が貫通配置される。これにより、処理液ノズル4が上面部61に対して固定される。
【0084】
側壁部62は上面部61の周縁の全周に立設され、上面部61の周縁から鉛直下方に沿って延在している。この側壁部62は、処理液ノズル4を囲む角筒形状を有している。上面部61および側壁部62によって囲まれる空間がガス流路60に相当する。
【0085】
ユニット本体6には、ガス流路60に連通する流入口611が形成される。
図3の例では、流入口611は上面部61に形成されている。流入口611はガス供給部50に接続され、ガス供給部50は流入口611を経由してガス流路60にガスを供給する。
【0086】
図示の例では、ユニット本体6は、ノズルヘッド3の移動方向D1において、ガス流路60を複数のガス分割流路60a~60dに仕切る1以上の流路仕切部63をさらに含んでいる。ここでは、流路仕切部63として3つの流路仕切部63a~63c(
図4参照)が設けられており、ガス流路60を4つのガス分割流路60a~60dに仕切っている。各流路仕切部63は例えば板状形状を有しており、その厚み方向が移動方向D1に沿う姿勢で配置される。流路仕切部63a~63cは移動方向D1の一方側から他方側においてこの順に配置される。各流路仕切部63の上端面は上面部61の下面に連結され、流路仕切部63の両端面は側壁部62の内面に連結される。
【0087】
図示の例では、3つの流路仕切部63a~63cによって、ガス分割流路60a~60dが移動方向D1においてこの順で形成される。
図4の例では、流路仕切部63bには、処理液ノズル4が貫通配置される貫通孔631が形成されている。よって、ガス分割流路60a,60bは処理液ノズル4に対して移動方向D1の一方側に位置し、ガス分割流路60c,60dは処理液ノズル4に対して移動方向D1の他方側に位置する。つまり、移動方向D1における処理液ノズル4の両側にガス流路60が形成される。
【0088】
各ガス分割流路60b,60cは移動方向D1において処理液ノズル4により近い位置に形成され、各ガス分割流路60a,60dは移動方向D1において処理液ノズル4からより遠い位置に形成される。言い換えれば、各ガス分割流路60b,60cと処理液ノズル4との間の距離は、各ガス分割流路60a,60dと処理液ノズル4との間の距離よりも短い。
【0089】
図3の例では、上面部61には、ガス流路60に繋がる流入口611として、流入口611a~611dが形成されている。流入口611aはガス分割流路60aに繋がり、流入口611bはガス分割流路60bに繋がり、流入口611cはガス分割流路60cに繋がり、流入口611dはガス分割流路60dに繋がる。
【0090】
ガス供給部50は流入口611a~611dを経由してガス分割流路60a~60dにガスを供給する。
図3の例では、ガス供給部50は、ガス供給管51a,51bと、バルブ52a,52bとを含む。ガス供給管51aは2つの分岐管と共通管とを含んでおり、分岐管の一端がそれぞれ流入口611a,611dに接続され、分岐管の他端が共通管の一端に共通して接続され、共通管の他端がガス供給源53に接続されている。このようにガス供給管51aは各流入口611a,611dとガス供給源53とを接続する。ガス供給管51bも2つの分岐管と共通管とを含んでおり、ガス供給管51aと同様に、各流入口611b,611cとガス供給源53とを接続する。
【0091】
バルブ52aはガス供給管51aの共通管に介装されており、制御部90によって制御される。バルブ52aが開くことにより、ガス供給源53からのガスがガス供給管51aの内部を流れ、流入口611a,611dを経由してそれぞれガス分割流路60a,60dに流入する。バルブ52aが閉じることにより、ガス分割流路60a,60dへのガスの供給が停止される。バルブ52aは、ガス供給管51aの内部を流れるガスの流量を調整可能な流量調整バルブであってもよい。あるいは、バルブ52aとは別に流量調整バルブが設けられてもよい。
【0092】
バルブ52bはガス供給管51bの共通管に介装されており、制御部90によって制御される。バルブ52bが開くことにより、ガス供給源53からのガスがガス供給管51bの内部を流れ、流入口611b,611cを経由してそれぞれガス分割流路60b,60cに流入する。バルブ52bが閉じることにより、ガス分割流路60b,60cへのガスの供給が停止される。バルブ52bは、ガス供給管51bの内部を流れるガスの流量を調整可能な流量調整バルブであってもよい。あるいは、バルブ52bとは別に流量調整バルブが設けられてもよい。
【0093】
このようなガス供給部50によれば、ガス分割流路60a,60dに流れるガスの流量と、ガス分割流路60c,60bに流れるガスの流量とを個別に調整することができる。つまり、処理液ノズル4に近いガス分割流路60b,60cにおけるガスの流量を、処理液ノズル4から遠いガス分割流路60a,60dにおけるガスの流量とは独立して調整することができる。例えば、ガス分割流路60b,60cにおけるガスの流速がガス分割流路60a,60dにおけるガスの流速よりも高くなるように、各流量を調整することができる。この作用効果については後に詳述する。
【0094】
なお、
図3の例では、ガス供給部50はガス分割流路60b,60cにおける流量を一括的に調整するものの、ガス分割流路60b,60cにおける流量を互いに独立に調整可能な構成を有していてもよい。ガス分割流路60a,60dも同様である。
【0095】
図4の例では、ガス流路60(ガス分割流路60a~60d)の移動方向D1に直交する方向における幅は、処理液ノズル4の吐出口4aの幅よりも広く、例えば基板Wの半径以上、より望ましくは基板Wの直径以上である。なお、製造ばらつき等により、ガス流路60の幅が移動方向D1の位置に応じて相違する場合もある。その場合、ガス流路60の幅の最大値が処理液ノズル4の吐出口4aの幅よりも広く、例えば基板Wの半径以上、より望ましくは基板Wの直径以上であればよい。これによれば、プラズマ発生ユニット5は平面視において、ガスをより広い範囲で基板Wの主面に供給することができる。つまり、より均一にガスを基板Wの主面に供給することができる。
【0096】
図示の例では、ユニット本体6は第1板状体64をさらに含んでいる。第1板状体64はガス流路60内に設けられる。具体的には、第1板状体64は電極群7に対してガスの流れの上流側に設けられており、鉛直方向において電極群7と向かい合う位置に設けられている。第1板状体64は板状形状を有し、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で配置される。第1板状体64には複数の開口641が形成されており、ガスは複数の開口641を通過して電極群7に向かって流れる。
【0097】
ここでは、第1板状体64として2つの第1板状体64a,64bが設けられている。第1板状体64aはガス分割流路60a,60bに対応して設けられる。
図3の例では、流路仕切部63aの下端は第1板状体64aの上面に連結されている。また第1板状体64aの周縁は側壁部62および流路仕切部63bに連結される。
【0098】
第1板状体64bはガス分割流路60c,60dに対応して設けられている。
図3の例では、流路仕切部63cの下端は第1板状体64bの上面に連結されている。また第1板状体64bの周縁は側壁部62および流路仕切部63bに連結される。
【0099】
複数の開口641は第1板状体64を鉛直方向に貫通しており、例えば平面視において円形形状を有する。複数の開口641は平面視において2次元的に配列されており、例えばマトリクス状に配列される。
【0100】
ガス分割流路60a,60bをそれぞれ流れるガスは、第1板状体64aの複数の開口641を通過して電極群7aに向かって流れる。ガス分割流路60c,60dをそれぞれ流れるガスは、第1板状体64bの複数の開口641を通過して電極群7bに向かって流れる。このようにガスが複数の開口641を通過することにより、より均一にガスを電極群7に向かって流すことができる。第1板状体64と電極群7との間の距離が長くなると、ガスの均一性が低下し得るので、当該距離はガスの均一性を考慮して設定されるとよい。
【0101】
<電極群7>
電極群7は上述のようにガス流路60の下流側に設けられており、平面視においてガス流路60と重なる領域に設けられる。ガスが電極群7を通過する際には電極群7が当該ガスに電界を印加する。これにより、当該ガスの一部が電離してプラズマが発生する。
【0102】
図3の例では、電極群7として2つの電極群7a,7bが設けられている。
図3の例では、電極群7aはガス分割流路60a,60bよりも下流側に設けられ、電極群7bはガス分割流路60c,60dよりも下流側に設けられている。電極群7aはガス分割流路60a,60bと鉛直方向において対向し、電極群7bはガス分割流路60c,60dと鉛直方向において対向する。つまり、
図3の例では、電極群7a,7bは、ノズルヘッド3の移動方向D1において、処理液ノズル4を隔てて互いに反対側に設けられている。要するに、電極群7は移動方向D1において処理液ノズル4と隣り合う位置に設けられ、図示の例では、移動方向D1において処理液ノズル4の両側に設けられている。
【0103】
図5および
図6は、電極群7の構成の一例を概略的に示す図である。
図5は、電極群7の構成の一例を示す平面図であり、
図6は
図5のC-C断面を示している。以下では、
図5および
図6を参照して電極群7を説明する。
【0104】
電極群7は複数の電極71を含む。複数の電極71は金属などの導電体によって形成され、平面視において間隔を空けて並んで設けられている。
図5の例では、各電極71は、水平方向に長い長尺形状を有する。ここでいう長尺形状とは、電極71の長手方向のサイズがその長手方向に直交する水平方向のサイズよりも長い形状をいう。図示の例では、複数の電極71は、その長手方向が移動方向D1に直交する姿勢で配置されている。
【0105】
複数の電極71はその長手方向に直交する水平な配列方向(ここでは移動方向D1)において間隔を空けて並んで配置されている。図示の例では、複数の電極71として4つの電極71a~71dが示されている。電極71a~71dはその配列方向の一方側から他方側にこの順で配置されている。電極71a~71dは例えば同一平面内に配置される。
【0106】
複数の電極71のうち隣り合う二者には、互いに異なる極性の電位が印加される。
図5の例では、配列方向の一方側から奇数番目に配置された電極71a,71cは電源80の第1出力端81に接続され、偶数番目に配置された電極71b,71dは電源80の第2出力端82に接続される。
【0107】
図5の例では、電極71a,71cは長手方向の一方側の端部において連結部711aを介して互いに連結される。連結部711aは例えば板状形状を有し、例えば電極71a,71cと同一材料で一体に構成される。電極71b,71dは長手方向の他方側の端部において連結部711bを介して互いに連結される。連結部711bは例えば板状形状を有し、例えば電極71b,71dと同一材料で一体に構成される。これによれば、複数の電極71は櫛歯状に配列される。連結部711aは引き出し線を介して電源80の第1出力端81に接続され、連結部711bは引き出し線を介して電源80の第2出力端82に接続される。
【0108】
電源80は例えばスイッチング電源回路(例えばインバータ回路)を含み、制御部90によって制御される。電源80は第1出力端81と第2出力端82との間に電圧(例えば高周波電圧)を印加する。これにより、複数の電極71の相互間の空間(電界空間)に電界が生じる。
【0109】
電極群7はガス流路60の下流側に位置しているので、ガス流路60に沿って流れるガスは複数の電極71の相互間の電界空間を通過する。ガスが電界空間を通過する際に当該電界がガスに作用して、ガスの一部が電離してプラズマが発生する(プラズマ発生処理)。このプラズマの発生に際して種々の活性種が生じ、これらの活性種がガスの流れに沿って基板Wの主面に向かって移動する。
【0110】
電極群7と基板Wとの間の距離は、電極群7と基板Wとの間でアーク放電が生じない程度の距離に設定される。電極群7と基板Wとの間の距離は例えば2mm程度以上かつ5mm程度以下に設定される。
【0111】
電極群7の移動方向D1に直交する方向における幅(ここでは電極71の長手方向の長さ)は、処理液ノズル4の吐出口4aの幅よりも広く(
図5参照)、例えば基板Wの半径以上であり、より望ましくは基板Wの直径以上である。これによれば、平面視において、基板Wに対してより広い範囲でプラズマを生成することができ、基板Wの主面に対して活性種をより広い範囲で供給することができる。
【0112】
<誘電保護部材>
図示の例では、各電極71は誘電保護部材72によって覆われている。誘電保護部材72は例えば石英、セラミックス等の絶縁体(誘電体)によって形成されており、電極71の表面を覆っている。例えば誘電保護部材72は電極71の表面に密着している。誘電保護部材72は、電極71の表面に形成された誘電膜であってもよい。この誘電保護部材72は電極71をプラズマから保護することができる。
図6の例では、各電極71は断面円形状を有しており、各誘電保護部材72は断面円環形状を有している。
【0113】
<誘電仕切部材>
図示の例では、隣り合う電極71の二者の間において、誘電仕切部材73が設けられている。具体的には、誘電仕切部材73は複数の電極71の全ての二者間に設けられている。誘電仕切部材73は、例えば、石英、セラミックス等の絶縁体(誘電体)によって形成され、各電極71と間隔を空けて設けられている。誘電仕切部材73は例えば板状形状を有し、その厚み方向が電極71の配列方向(ここでは移動方向D1)に沿う姿勢で設けられている。誘電仕切部材73の主面は、例えば電極71の長手方向に長い矩形形状を有する。
【0114】
図6の例では、誘電仕切部材73の上端は電極71の上端よりも上方に位置しており、誘電仕切部材73の下端は電極71の下端よりも下方に位置している。製造ばらつき等も考慮すると、例えば、複数の誘電仕切部材73のうち最も低い上端位置が、複数の電極71のうち最も高い上端位置よりも高く、複数の誘電仕切部材73のうち最も高い下端位置が、複数の電極71のうち最も低い下端位置よりも低い。
【0115】
このような誘電仕切部材73が設けられていれば、複数の電極71の相互間における絶縁距離を長くすることができる。これによれば、複数の電極71の電圧を大きくしてプラズマをより効率的に発生させつつも、複数の電極71の相互間におけるアーク放電の発生を抑制することができる。
【0116】
<枠体>
図5の例では、誘電仕切部材73は枠体74に連結されている。枠体74も、例えば、石英、セラミックス等の絶縁体(誘電体)によって形成され、例えば平面視において角型の環状形状を有している。枠体74は平面視において複数の誘電仕切部材73の周りを囲っており、各誘電仕切部材73の長手方向の両端が枠体74の内面に連結される。
【0117】
枠体74は複数の電極71もほぼ囲っている。
図5の例では、連結部711a,711bは枠体74よりも外側に位置しており、各電極71a,71cはその長手方向の一方側で枠体74を貫通して連結部711aに連結され、各電極71b,71cはその長手方向の他方側で枠体74を貫通して連結部711bに連結されている。
図5の例では、電極71の大部分が枠体74の内部に位置しており、平面視において電界空間は枠体74の内側に形成される。この枠体74は例えばユニット本体6の側壁部62の下端に連結される。
【0118】
ガスは枠体74内において電極群7を通過する。具体的には、ガスは複数の電極71および複数の誘電仕切部材73の相互間の空間を下方に通過する。複数の電極71の相互間の電界空間に生じる電界がガスに作用すると、ガスの一部が電離してプラズマが発生する。このプラズマの発生に際して種々の活性種が発生する。これらの活性種はガスの流れに沿って下方に移動し、基板Wの主面に向かって流出する。
【0119】
以上のように、ノズルヘッド3は処理液ノズル4およびプラズマ発生ユニット5によって、処理液およびガスを基板Wの主面に供給することができる。
【0120】
<基板処理装置の動作>
次に基板処理装置1の動作の一例について説明する。
図7は、基板処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、未処理の基板Wが主搬送ロボット120によって基板処理装置1に搬入される(ステップS1)。ここでは、基板Wの上面にはレジストが形成されている。基板処理装置1の基板保持部2は、搬入された基板Wを保持する。次に基板保持部2は基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させ始める(ステップS2)。
【0121】
次に薬液処理が行われる(ステップS3)。具体的には、まずヘッド移動機構30がノズルヘッド3を待機位置から処理位置へと移動させる。次にバルブ46,52a,52bが開き、電源80が電極71に電圧を印加し、ヘッド移動機構30がノズルヘッド3を移動方向D1に沿って往復移動させる(いわゆるスキャン処理)。例えば、ヘッド移動機構30は第1周縁位置と第2周縁位置との間でノズルヘッド3を往復移動させる。
【0122】
バルブ46が開くことにより、処理液ノズル4の吐出口4aから処理液(ここでは硫酸等の薬液)が基板Wの上面に向かって吐出される。回転中の基板Wの上面に着液した薬液は、基板Wの上面に沿って径方向外側に流れ、基板Wの周縁から外側に飛散する。
【0123】
バルブ52a,52bが開くことにより、ガス供給部50から流入口611を経由してガス流路60にガス(ここでは酸素含有ガスおよび希ガスの混合ガス)が供給される。より具体的には、流入口611a~611dを経由してガス分割流路60a~60dにガスが流入する。
【0124】
ここでは、処理液ノズル4から遠いガス分割流路60a,60dには第1流量でガスが供給され、処理液ノズル4に近いガス分割流路60b,60cには、第1流量よりも大きい第2流量でガスが供給される。
【0125】
ガス分割流路60a,60bを下方に向かって流れるガスは第1板状体64aの複数の開口641を通過する。これにより、ガスが整流され、より均一に電極群7aに向かって流れる。同様に、ガス分割流路60c,60dを下方に向かって流れるガスは第1板状体64bの複数の開口641を通過する。これにより、ガスが整流され、より均一に電極群7bに向かって流れる。
【0126】
電源80は電極71に電圧を印加するので、各電極群7a,7bにおいて電極71の相互間の電界空間には電界が生じている。ガスが電界空間を通過する際に、ガスに電界が作用し、ガスの一部が電離してプラズマが発生する。このプラズマの発生に際して、電子衝突反応による分子および原子の解離および励起などの諸反応が生じ、反応性の高い中性ラジカル等の種々の活性種(例えば酸素ラジカル)が発生する。例えば、アルゴンガスが電界によってプラズマ化し、当該プラズマが酸素含有ガスに作用して酸素ラジカルを生成する。これらの活性種(例えば酸素ラジカル)はガスの流れに沿って移動し、基板Wの上面に向かって流出する。
【0127】
活性種は、基板Wの上面の薬液に作用する。例えば、酸素ラジカルが基板Wの上面の硫酸に作用すると、酸素ラジカルの酸化力により、ペルオキソ一硫酸(カロ酸)が生成される。ここで、硫酸を含有する処理液を用いる場合、硫酸の濃度は、硫酸の濃度が高いほど高い剥離力が期待され、94~98%の範囲が好ましく、98%に近いほどより好ましい。カロ酸は基板Wの上面のレジストを効果的に除去することができる。換言すると、活性種が薬液に作用することにより、薬液の処理能力が向上する。
【0128】
活性種は基板Wの主面上の薬液のみならず、基板Wにも直接に作用し得る。例えば酸素ラジカルが基板Wのレジストに直接に作用することによっても、酸素ラジカルの酸化力により、レジストを除去することができる。
【0129】
基板Wのレジストが十分に除去されると、バルブ46,52a,52bが閉じ、電源80が電圧の出力を停止する。これにより、処理液ノズル4からの薬液の吐出が停止し、プラズマ発生ユニット5からのガスの流出も停止する。またヘッド移動機構30はノズルヘッド3の往復移動を停止させる。これにより、実質的な薬液処理(ここではレジスト除去処理)が終了する。
【0130】
次にリンス処理が行われる(ステップS4)。具体的には、例えばヘッド移動機構30は処理液ノズル4が基板Wの中央部と対向するようにノズルヘッド3を移動させ、基板処理装置1は例えば処理液ノズル4から基板Wの上面に向かってリンス液を吐出させる。これにより、基板Wの上面の薬液がリンス液に置換される。なお、ヘッド移動機構30はこのリンス処理においても、ノズルヘッド3を往復移動させてもよい(いわゆるスキャン処理)。
【0131】
基板Wの上面の薬液が十分にリンス液に置換されると、処理液ノズル4からのリンス液の吐出を停止し、ヘッド移動機構30はノズルヘッド3を待機位置へ移動させる。
【0132】
次に乾燥処理が行われる(ステップS5)。例えば基板保持部2は基板Wの回転速度を増加させる。これにより、基板Wの上面のリンス液が基板Wの周縁から振り切られて、基板Wが乾燥する(いわゆるスピン乾燥)。
【0133】
基板Wが乾燥すると、基板保持部2は基板Wの回転を終了させる(ステップS6)。次に処理済みの基板Wが主搬送ロボット120によって基板処理装置1から搬出される(ステップS7)。
【0134】
<実施の形態の効果>
この基板処理装置1においては、処理液ノズル4およびプラズマ発生ユニット5が平面視において互いに隣り合って配置されている。よって、処理液ノズル4から吐出されて基板Wの主面で着液した処理液に、プラズマ発生ユニット5からのガスが供給される。これにより、活性種を基板Wの主面上の当該処理液に作用させることができる。よって、基板Wの主面において処理液の処理能力を向上させることができる。したがって、処理能力が向上した状態で処理液が基板Wの主面に作用し、より短時間で基板Wを処理することができる。また活性種が基板Wの主面に直接に作用し得るので、さらに短時間で基板Wを処理することができる。
【0135】
しかも、基板処理装置1では、処理液ノズル4およびプラズマ発生ユニット5が互いに一体に連結されている。よって、ヘッド移動機構30は処理液ノズル4およびプラズマ発生ユニット5を一体に移動させることができる。よって、処理液およびガスの供給位置を基板Wの主面上で一体に移動させることができる。これによれば、簡易な構成でスキャン処理を行うことができる。すなわち、本実施の形態とは異なって、処理液ノズル4およびプラズマ発生ユニット5が互いに連結されていない場合、これらを個別に移動させる移動機構が必要となる。これに対して本実施の形態では、単一のヘッド移動機構30で足りる。よって、簡易な構成でスキャン処理を行うことができ、装置サイズおよび製造コストを低減できる。
【0136】
そして、スキャン処理により、処理液およびガスを基板Wの主面の全面により均一に供給することができる。したがって、基板Wに対してより均一に処理を行うことができる。
【0137】
また上述の例では、電極群7の複数の電極71は、平面視において並んで配列されている。例えば、水平方向に長い長尺形状を有する複数の電極71がその短手方向(配列方向)において互いに間隔を空けて並んで配列されている。これによれば、電極群7の平面視における面積を容易に大きくすることができる。したがって、平面視において広い範囲でプラズマを発生させることができ、ひいては、活性種を基板Wの主面に対して広い範囲で供給することができる。よって、より均一に基板Wを処理することができる。
【0138】
また上述の例では、ガス流路60および電極群7はノズルヘッド3の移動方向D1において、処理液ノズル4の隣り合う位置に設けられており、より具体的な一例として両側に設けられる。これにより、移動方向D1の処理液ノズル4の両側で活性種が基板Wの主面に供給される。ここで、平面視において活性種が供給される領域を流出領域と呼ぶと、処理液ノズル4の両側に流出領域が存在する。これによれば、ノズルヘッド3の往復移動中において、処理液ノズル4が処理液を吐出した直後に、いずれか一方の流出領域がその吐出位置に速やかに到達する。よって、基板Wの主面に着液して未だ活性種が作用してない処理液に対して、より速やかに活性種を作用させることができる。これにより、基板Wの処理時間を短縮することができる。
【0139】
また上述の例では、複数の開口641を有する第1板状体64が電極群7に対して上流側に設けられている。これによれば、複数の開口641を通過したガスがより均一に電極群7を通過する。よって、より均一にガスが電界空間を通過し、より均一にプラズマが発生する。ひいては、より均一に活性種を生じさせて当該活性種をより均一に基板Wの主面に供給できる。よって、より均一に基板Wを処理することができる。
【0140】
また上述の例では、ガス流路60を移動方向D1において複数のガス分割流路60a~60dに分割する流路仕切部63が設けられている。これによれば、ガス分割流路60a~60dにおけるガスの流量を調整することが可能である。例えば、処理液ノズル4に近いガス分割流路60b,60cにおけるガスの流速が、処理液ノズル4から遠いガス分割流路60a,60dにおけるガスの流速よりも高くなるように、各ガス分割流路60a~60dにおける流量を調整することができる。
【0141】
ところで、酸素ラジカル等の活性種は短時間で失活することが知られている。よって、ガスの流速が低いほど、活性種は基板Wの主面に到達する前に失活する可能性が高い。上述のようにガス分割流路60b,60cのガスの流速が高ければ、処理液ノズル4に近い位置でより多くの活性種を基板Wの上面に到達させることができる。一方、ガス分割流路60a,60dのガスの流速は比較的に低いので、処理液ノズル4から遠い位置では、より少ない活性種が基板Wの上面に到達する。
【0142】
これによれば、処理液ノズル4から吐出されて基板Wの主面に着液した処理液に対して、まず、より多くの活性種を作用させることができる。つまり、処理液ノズル4から吐出されて未だ活性種が作用していない処理液に対してより多くの活性種を作用させ、一旦、活性種が作用した処理液には、より少ない活性種を作用させる。これによれば、処理液の処理能力をより速やかに向上させつつも、全てのガス分割流路60a~60dにおいて高い流速でガスを供給する場合に比して、ガスの消費量を低減させることができる。また一旦、活性種が作用した処理液に対して少ない活性種を作用させることにより、さらに均一に基板Wを処理することもできる。
【0143】
また上述の例では、電極71の相互間に誘電仕切部材73が設けられている。これによれば、電極71に印加する電圧を大きくしてプラズマの発生を促進させつつも、電極71の相互間におけるアーク放電を抑制することができる。
【0144】
<電極群>
図8は、電極群7の構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
図8の例では、電極71は断面矩形形状を有している。
図8の例では、電極71の鉛直方向の幅(つまり高さ)は、電極71の配列方向(ここでは移動方向D1)の幅よりも広い。ガスは電極71の相互間の電界空間を鉛直方向に沿って流れるので、電極71の鉛直方向の幅が広ければ、より長い期間にわたってガスに電界を作用させることができる。これにより、鉛直方向においてより広い範囲でプラズマを発生させることができ、より多くの活性種を発生させることができる。
【0145】
図8の例では、誘電保護部材72も断面矩形形状を有している。
図8の例では、誘電保護部材72の鉛直方向における幅(つまり高さ)も配列方向における幅よりも広い。これによれば、誘電保護部材72の相互間を鉛直方向に沿って流れるガスの流れを整えることができる。
【0146】
図8の例では、誘電仕切部材73が設けられていない。この場合には、誘電保護部材72の配列方向における幅を比較的に広く設定することにより、電極71の相互間のアーク放電を抑制することができる。
【0147】
<開口の面積>
上述の例では、第1板状体64の複数の開口641の平面視における面積は互いにほぼ同一である(
図4参照)ものの、必ずしもこれに限らない。例えば、処理液ノズル4に近い開口641の面積を、処理液ノズル4から遠い開口641の面積よりも小さくしてもよい。
【0148】
図9は、ノズルヘッド3の構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
図9は、
図3のA-A断面の他の一例を示している。
図9の例では、移動方向D1において処理液ノズル4に近いガス分割流路60b内の開口641の面積は、移動方向D1において処理液ノズル4から遠いガス分割流路60a内の開口641の面積よりも小さい。ここで、ガス分割流路60b内の一つの開口641(以下、第1開口641と呼ぶ)と、ガス分割流路60a内の一つの開口641(以下、第2開口641と呼ぶ)とに着目すると、次のように説明することができる。第1開口641と処理液ノズル4との移動方向D1における距離は、第2開口641と処理液ノズル4との移動方向D1のおける距離よりも短く、第1開口641の面積は第2開口641の面積よりも小さい。
【0149】
同様に、移動方向D1において処理液ノズル4に近いガス分割流路60c内の開口641の面積は、移動方向D1において処理液ノズル4から遠いガス分割流路60d内の開口641の面積よりも小さい。
【0150】
これによれば、移動方向D1において処理液ノズル4に近い位置で、ガスの流速を高めることができる。よって、基板Wの主面に着液した処理液に対してより速やかにより多くの活性種を作用させることができる。これにより、処理液の処理能力を速やかに向上させつつ、さらに均一に基板Wを処理することができる。
【0151】
<第2の実施の形態>
図10は、第2の実施の形態にかかる基板処理装置1の構成の一例を概略的に示す図である。第2の実施の形態にかかる基板処理装置1は、ユニット本体6の構成を除いて、第1の実施の形態にかかる基板処理装置1と同様の構成を有している。
【0152】
第2の実施の形態では、ユニット本体6は電極群7を収容している。つまり、電極群7はユニット本体6の内部に設けられている。
図10の例でも、電極群7として2つの電極群7a,7bが設けられている。電極群7aはガス分割流路60a,60bよりも下流側において、ユニット本体6の内部に設けられる。電極群7bはガス分割流路60c,60dよりも下流側において、ユニット本体6の内部に設けられる。
【0153】
ユニット本体6はシャッタ65をさらに含んでいる。シャッタ65は電極群7よりも下流側において側壁部62の下端部に設けられている。シャッタ65は制御部90によって制御され、側壁部62の下端部に形成されるガス流路60の流出口を開閉する。
図10の例では、シャッタ65として2つのシャッタ65a,65bが設けられている。シャッタ65aは電極群7aよりも下流側に設けられ、シャッタ65bは電極群7bよりも下流側に設けられる。シャッタ65の構成は特に制限されないものの、以下にその一例について簡単に説明する。
【0154】
図11は、ガス流路60の流出口近傍の構成の一例を概略的に示す側断面図である。
図11の例では、ユニット本体6には、第2板状体66が設けられている。第2板状体66は電極群7よりもガス流路60の下流側に設けられており、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられる。ここでは、2つの電極群7a,7bが設けられるので、2つの第2板状体66が設けられる。
【0155】
第2板状体66の周縁はユニット本体6の側壁部62と流路仕切部63bに連結される。第2板状体66には、ガス流路60の流出口となる複数の開口661が形成されている。以下では、開口661を流出口661とも呼ぶ。複数の流出口661は第2板状体66をその厚み方向に貫通する。複数の流出口661は平面視において、例えば2次元的に配列され、より具体的な一例としてマトリクス状に配列される。各流出口661は平面視において例えば円形形状を有する。
【0156】
シャッタ65は流出口661の開閉を切り替える。シャッタ65は例えば板状形状を有しており、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で配置される。シャッタ65は例えば第2板状体66と重なり合うように設けられる。シャッタ65にも複数の開口651が設けられている。複数の開口651はシャッタ65を鉛直方向に貫通する。複数の開口651は平面視において流出口661と同様の配列で形成される。複数の開口651は例えば円形形状を有し、開口651の径は例えば流出口661の径以上である。
【0157】
シャッタ65は第2板状体66に対して水平に移動可能に設けられている。シャッタ65は、複数の開口651が複数の流出口661と水平方向においてずれた第1位置と、複数の開口651が複数の流出口661とそれぞれ向かい合う第2位置との間で往復移動することができる。第1位置では、シャッタ65の開口651以外の部分が複数の流出口661と対向し、流出口661を閉じる。
図11では、シャッタ65が第1位置で停止した状態を示している。第2位置では、シャッタ65の開口651が対応する流出口661と向かい合い、流出口661が対応する開口651を通じて外部空間に繋がる。つまり、流出口661が開く。
【0158】
駆動部67は制御部90によって制御され、シャッタ65を駆動することができる。例えば駆動部67はシャッタ65を第1位置と第2位置との間で往復移動させる。駆動部67は例えばボールねじ機構またはエアシリンダなどの駆動機構を有する。
【0159】
なお、シャッタ65は開口651を有さない板状形状を有していてもよい。この場合、例えば駆動部67は、シャッタ65が第2板状体66と鉛直方向で対向しない位置と、第2板状体66と対向する位置との間で、シャッタ65を往復移動させてもよい。
【0160】
シャッタ65が流出口661を閉じているときには、ガス供給部50から供給されたガスがユニット本体6のガス流路60内に滞留する。これにより、ガス流路60内で活性種の量(活性種の濃度)を増やすことができる。そして、この状態でシャッタ65が流出口661を開くことにより、より多くの活性種をプラズマ発生ユニット5の流出口661から流出させることができる。
【0161】
第2の実施の形態にかかる基板処理装置1の動作の一例は
図7と同様である。ただし、薬液処理(ステップS3)の開始時において、シャッタ65が流出口661を閉じ、かつ、バルブ46が閉じた状態で、まずバルブ52a,52bが開く。これにより、処理液の供給に先立って、ガス供給部50からプラズマ発生ユニット5にガスが供給される。このガスはガス流路60内で滞留する。また、電源80が電極71に電圧を印加する。これにより、電極群7の周囲の電界空間においてガスの一部が電離してプラズマが発生する。このプラズマの発生に際して活性種も生じる。シャッタ65が閉じているので、電界空間に滞留するガスは比較的に長期間にわたって電界の作用を受けるので、より多くのプラズマが発生するとともに、当該プラズマの発生に際して、より多くの活性種が生成される。
【0162】
続いて、バルブ46を開いて処理液ノズル4から処理液を基板Wの主面に供給させるとともに、シャッタ65を開いてガスを基板Wの主面に供給させ、ヘッド移動機構30がノズルヘッド3を移動方向D1に沿って往復移動させる。シャッタ65が開くことにより、ガス流路60内に滞留したより多くの活性種が基板Wの主面に向かって流出する。よって、より多くの活性種が基板Wの主面上の処理液および基板Wの主面に作用する。これによって、処理液の処理能力をさらに向上させることができる。また、基板Wの主面に直接に作用する活性種も多くなる。これらにより、基板Wの処理時間をさらに短縮することができる。
【0163】
また上述の例では、複数の流出口661が設けられているので、活性種をより均一に基板Wの主面に供給することもできる。
【0164】
薬液処理(ステップS3)において、シャッタ65を間欠的に開いてもよい。つまり、シャッタ65の開閉を所定時間ごとに交互に切り替えてもよい。シャッタ65が流出口661を閉じることにより、ガスはガス流路60内で滞留するので、より多くの活性種が発生し、シャッタ65が流出口661を開くことにより、その多くの活性種をガスの流れに沿って流出口661から基板Wの主面に供給することができる。
【0165】
また上述の例では、電極群7と基板Wとの間にシャッタ65が設けられるので、電極群7が基板Wからより遠い位置に設けられる。よって、電極群7の周囲の電界空間で発生したプラズマは基板Wに到達しにくい。よって、プラズマによる基板Wのダメージを抑制することができる。
【0166】
<流出口の面積>
第2板状体66の複数の流出口661の平面視における面積は互いにほぼ同一であってもよく、あるいは、例えば、処理液ノズル4に近い流出口661の面積を、処理液ノズル4から遠い流出口661の面積よりも小さくしてもよい。
【0167】
図12は、ノズルヘッド3の構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
図12は
図10のB-B断面を示している。
図12の例では、各第2板状体66の複数の流出口661は移動方向D1において複数列(図の例では5列)に配列されている。そして、移動方向D1において処理液ノズル4に近い3列の流出口661の面積は、当該3列よりも処理液ノズル4から遠い2列の流出口661の面積よりも小さい。ここで、当該3列に属する一つの流出口661(以下、第1流出口661と呼ぶ)と、当該2列に属する一つの流出口661(以下、第2流出口661と呼ぶ)とに着目すると、次のように説明することができる。第1流出口661と処理液ノズル4との移動方向D1における距離は、第2流出口661と処理液ノズル4との移動方向D1のおける距離よりも短く、第1流出口661の面積は第2流出口661の面積よりも小さい。
【0168】
これによれば、移動方向D1において処理液ノズル4により近い位置で、ガスの流速をより高めることができる。よって、基板Wの主面に着液した直後の処理液に対してより速やかにより多くの活性種を作用させることができる。
【0169】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態にかかる基板処理装置1の構成の一例は、電極群7を除いて、第1または第2の実施の形態にかかる基板処理装置1と同様の構成を有している。第3の実施の形態では、電界空間の電界強度分布を調整する。具体的には、電極群7は、処理液ノズル4に近い空間においてより高い電界強度で電界を印加し、処理液ノズル4から遠い空間においてより低い電界強度で電界を印加する。
【0170】
図13は、電極群7の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
図13の例でも、複数の電極71として4つの電極71a~71dが設けられている。電極71a~71dは移動方向D1において処理液ノズル4に近い側からこの順で並んで配置される。つまり、電極71aが最も処理液ノズル4に近く、電極71dが処理液ノズル4から最も遠い。したがって、電極71a,71bによって形成される電界空間と処理液ノズル4との距離は、電極71b,71cによって形成される電界空間との間の距離よりも短く、電極71b,71cによって形成される電界空間と処理液ノズル4との距離は、電極71c,71dによって形成される電界空間との間の距離よりも短い。また、ここでは、電極71a~71dの相互間の間隔は互いにほぼ同じである。
【0171】
図13の例では、電極71cと電源80の第1出力端81との間に抵抗83が設けられている。この抵抗83に電流が流れると電圧降下が生じる。一方、電極71aと電源80の第1出力端81との間には抵抗83は設けられていない。つまり、処理液ノズル4に近い電極71aと第1出力端81との間の抵抗値は、処理液ノズル4から遠い電極71cと第1出力端81との間の抵抗値よりも小さい。このような接続関係によれば、電極71a,71bの間の電圧の大きさは、電極71b,71cの間の電圧の大きさよりも大きい。したがって、電極71a,71bの間の電界空間には、電極71b,71cの間の電界空間の電界強度よりも高い電界強度で電界が印加される。
【0172】
また
図13の例では、各電極71b,71dと電源80の第2出力端82との間には抵抗83が設けられておらず、電極71bと第2出力端82との間の抵抗値は電極71dと第2出力端82との間の抵抗値とほぼ同じである。よって、電極71b,71cの間の電圧の大きさも電極71c,71dの間の電圧の大きさとほぼ同じである。したがって、電極71c,71dの間の電界空間の電界強度は、電極71b,71cの間の電界空間の電界強度とほぼ同じである。
【0173】
この電極群7によれば、処理液ノズル4に近い電極71a,71bの間の電界空間を通過するガスには、高い電界強度の電界が作用する。よって、処理液ノズルに近い位置でより多くのプラズマが発生し、より多くの活性種が生じる。処理液ノズル4から遠い電極71b~71cの相互間の電界空間を通過するガスには、より低い電界強度の電界が作用する。よって、処理液ノズル4から遠い位置ではより少ない活性種が生じる。
【0174】
以上のように第3の実施の形態によれば、処理液ノズル4に近い位置で多くの活性種を発生させることができる。よって、処理液ノズル4から吐出されて基板Wの主面に着液した処理液に対して、より速やかに多くの活性種を作用させることができる。したがって、処理液の処理能力を速やかに向上させることができる。
【0175】
なお、
図13において、電極71dも抵抗83を介して電源80の第2出力端82に接続されていてもよい。これによれば、電極71b,71cの間の電界空間の電界強度を、電極71b,71cの間の電界空間の電界強度よりも高くすることができる。
【0176】
図14は、電極群7の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
図14の例では、電源80として電源80a,80bが設けられている。電極71aは電源80aの第1出力端81に接続され、電極71bは電源80aの第2出力端82に接続されており、電極71cは電源80bの第1出力端81に接続され、電極71dは電源80bの第2出力端82に接続されている。つまり、処理液ノズル4に近い電極71a,71bは電源80aに接続され、処理液ノズル4から遠い電極71c,71dは電源80aとは異なる電源80bに接続される。
【0177】
これによれば、電極71a,71bの間の電圧と、電極71c,71dの間の電圧とを互いに独立に制御することができる。具体的には、電源80aは電源80bよりも大きな電圧を出力する。これにより、処理液ノズル4に近い電極71a,71bの間の電界空間における電界強度を、処理液ノズル4から遠い電極71c,71dの間の電界空間における電界強度よりも高くすることができる。
【0178】
図15は、電極群7の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
図15の例では、電極71a,71cは電源80の第1出力端81に接続されており、電極71b,71dは電源80の第2出力端82に接続されている。ここでは、電極71の相互間に印加される電圧の大きさは互いにほぼ同じである。
【0179】
図15の例では、電極71の相互間の間隔は、処理液ノズル4に近づくにつれて狭くなっている。言い換えれば、電極71の空間密度は、処理液ノズル4に近づくにつれて高くなっている。具体的には、電極71a,71bの間の間隔は電極71b,71cの間の間隔よりも狭く、電極71b,71cの間の間隔は電極71c,71dの間の間隔よりも狭い。
【0180】
これによれば、処理液ノズル4に近い電極71a,71bの間の電圧空間には、より高い電界強度で電界を印加することができる。一方で、電極71b,71cの間の電圧空間には、電極71a,71bの間の電圧空間における電界強度よりも低い電界強度で電界が印加される。同様に、電極71c,71dの間の電界空間には、電極71b,71cの間の電界空間の電界強度よりも低い電界強度で電界を印加される。
【0181】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態にかかる基板処理装置1は、プラズマ発生ユニット5を除いて、第1または第2の実施の形態にかかる基板処理装置1と同様の構成を有している。
図16は、ノズルヘッド3の構成の一例を概略的に示す図であり、
図3のA-A断面を示す。
【0182】
第4の実施の形態では、ユニット本体6の側壁部62は、処理液ノズル4を囲む円筒形状を有している。側壁部62の上端はユニット本体6の上面部61に連結され、上面部61は平面視において例えば円形形状を有する。
【0183】
第4の実施の形態でも、ユニット本体6の上面部61および側壁部62の内部空間がガス流路60に相当する。
図16の例では、流路仕切部63はガス流路60を径方向において複数のガス分割流路60a,60bに仕切っている。具体的には、流路仕切部63も、処理液ノズル4を囲む円筒形状を有しており、処理液ノズル4と側壁部62と間に設けられる。つまり、流路仕切部63の内径は処理液ノズル4の外径よりも大きく、流路仕切部63の外径は側壁部62の内径よりも小さい。流路仕切部63の上端は上面部61の下面に連結される。
【0184】
ガス分割流路60a,60bは平面視において円環形状を有しており、ガス分割流路60aはガス分割流路60bよりも径方向内側に位置している。ガス分割流路60a,60bはそれぞれ上面部61に形成された流入口611からガスが供給される。ガス供給部50は、処理液ノズル4に近いガス分割流路60aを流れるガスの流速が、処理液ノズル4から遠いガス分割流路60bを流れるガスの流速よりも高くなるように、ガス分割流路60a,60bにおけるガスの流量を調整するとよい。
【0185】
第1板状体64は円環状の板状形状を有し、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で配置される。第1板状体64は側壁部62と処理液ノズル4との間に設けられる。第1板状体64には複数の開口641が設けられている。複数の開口641は2次元的に配列されており、ガス分割流路60a,60bを流れるガスが複数の開口641を通過することにより、より均一にガスが電極群7に供給される。
【0186】
図17は、電極群7の構成の一例を概略的に示す平面図である。この電極群7も複数の電極71を有しており、各電極71はその長手方向に長い長尺形状を有している。複数の電極71はその長手方向に直交する水平な方向(ここでは移動方向D1)に沿って配列される。
【0187】
図17の例では、複数の電極71として6つの電極71a~71fが設けられている。電極71a~71fは配列方向(ここでは移動方向D1)の一方側から他方側にこの順で設けられている。電極71a~71cは処理液ノズル4に対して一方側に位置し、電極71d~71fは処理液ノズル4に対して他方側に位置する。
【0188】
配列方向の一方側から奇数番目に配置された電極71a,71c,71eは電源80の第1出力端81に接続され、偶数番目に配置された電極71b,71d,71fは電源80の第2出力端82に接続される。
図17の例では、電極71a,71c,71eの長手方向の一方側の端部は連結部711aを介して互いに連結される。連結部711aは円弧状の板状形状を有し、例えば電極71a,71c,71eと同一材料で一体に構成される。電極71b,71d,71fの長手方向の他方側の端部は連結部711bを介して互いに連結される。連結部711bは円弧状の板状形状を有し、例えば電極71b,71d,71fと同一材料で一体に構成される。連結部711a,711bはそれぞれ引き出し線を介して第1出力端81および第2出力端82に接続される。
【0189】
図17では、電極71の長手方向の長さは互いに相違している。これは、ガス流路60から流入するガスに対して電極群7が電界を印加すればよいので、ガスが通過する通過領域のみに電極71があればよいからである。つまり、
図16の例では、ガス分割流路60a,60bは平面視において全体として円領域に含まれおり、この円領域がおおよその通過領域に相当する。よって、電極群7も平面視において当該円領域に電界を印加できればよく、この円領域よりも外側に電界を印加する必要性は高くない。そこで、電極71の先端が当該円領域よりも外側まで突出しないように電極71の長さを適宜に調整し、不要な電界の発生を抑制しているのである。
図17の例では、電極71は処理液ノズル4に近いほど長くなっている。
【0190】
図17の例でも、電極71の相互間には誘電仕切部材73が設けられており、枠体74に連結される。
図17の例では、枠体74は円環状の形状を有し、ユニット本体6の側壁部62に連結される。
【0191】
以上のように、第4の実施の形態では、ガス流路60が処理液ノズル4を囲む筒状形状を有しており(
図16参照)、電極群7も処理液ノズル4の周囲のほぼ全周に設けられる(
図17参照)。よって、プラズマ発生ユニット5は処理液ノズル4のまわりの全周において、ガスを基板Wの主面に向かって供給できる。これによれば、より等方的に基板Wに対して活性種を供給することができる。
【0192】
また第4の実施の形態でも、ガス流路60および電極群7の一部は移動方向D1において処理液ノズル4と隣り合って設けられ、具体的には、移動方向D1において処理液ノズル4の両側に設けられる。よって、ノズルヘッド3の往復移動中において、処理液が基板Wの主面に着液した直後に、その処理液に対して活性種を作用させることができる。
【0193】
以上のように、基板処理装置1は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、この基板処理装置1がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施の形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0194】
例えば流路仕切部63、第1板状体64、第2板状体66および誘電仕切部材73の少なくともいずれか一つは設けられていなくてもよい。流路仕切部63が設けられた場合、その個数は1以上であればよい。また流路仕切部63は、ガス流路を、処理液ノズル4に近いガス分割流路と、処理液ノズル4から遠いガス分割流路とに分割するとよく、その仕切方向は、移動方向D1以外の水平方向であってもよい。電極71の配列方向も移動方向D1に限らず、平面視において任意の方向に配列されればよい。電極71は必ずしも同一平面に設けられる必要はなく、電極71の鉛直方向の位置が互いに相違していてもよい。
【0195】
また基板Wに対する処理は必ずしもレジスト除去処理に限らない。例えば、活性種により処理液の処理能力を向上させることができる全ての処理に適用可能である。
【符号の説明】
【0196】
1 基板処理装置
2 基板保持部
30 ヘッド移動機構
4 処理液ノズル
5 プラズマ発生ユニット
50 ガス供給部
6 ユニット本体
60 ガス流路
60a~60d ガス分割流路
62,62a~62c 流路仕切部
63 誘電仕切部材
64,64a,64b 第1板状体
641 開口(第1開口、第2開口)
65 シャッタ
66,66a,66b 第2板状体
661 流出口(第1流出口、第2流出口)
7 電極群
71 電極
D1 移動方向
Q1 回転軸線
W 基板