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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241127BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241127BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241127BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241127BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B41J29/38 302
B41J29/393 103
B41J29/38 206
G03G21/14
G03G15/01 N
H04N1/00 002A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020182556
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072873
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今野 裕信
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013593(JP,A)
【文献】特開2020-019150(JP,A)
【文献】特開2014-133396(JP,A)
【文献】特開2005-132049(JP,A)
【文献】特開2014-019504(JP,A)
【文献】特開2015-178970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 21/14
G03G 15/01
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置測色装置、および後処理装置を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
カラーマネジメントのためのプロファイルを記憶する記憶手段と、
入力された画像データを前記記憶手段に記憶されたプロファイルに従って変換する変換手段と、
シートを搬送する第一搬送手段と、
前記変換手段により変換された画像データに基づき、前記第一搬送手段により搬送されるシートに対し画像形成を行う画像形成手段と、を有し、
前記測色装置は、
前記画像形成装置により画像を形成されたシートを供給され、当該シートを搬送する第二搬送手段と、
シートを前記後処理装置へ搬送する第一搬送路と、
シートを前記測色装置の排出部に搬送する第二搬送路と、
シートの行き先を前記第一搬送路と前記第二搬送路との間で切り替える切替手段と、
前記画像形成装置からカラーマネジメントのためのテスト画像が形成されたシートが前記第二搬送路に搬送されてきた場合にそのシート上のテスト画像を測色する測色手段と、
前記シートの搬送方向において前記第一搬送路と前記第二搬送路よりも上流側に設けられた第三搬送路と、
前記第三搬送路を搬送されるシートに形成された画像であって、前記カラーマネジメントのためのテスト画像とは異なる他の画像を読み取る画像読取手段と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記測色手段による前記テスト画像の測色結果を取得して前記プロファイルを補正する補正手段と、
前記第一搬送手段によるシートの搬送中にジャムが発生した場合に前記画像形成手段の動作を停止させる第一制御手段と、をさらに有し、
前記測色装置は、
前記画像形成装置において前記画像形成手段の動作が停止しても、前記テスト画像の測色を継続するよう、前記測色手段を制御する第二制御手段をさらに有し、
前記第二制御手段は、
前記画像読取手段の読取結果を前記画像形成装置に送信するか、または、前記画像読取手段の読取結果に基づき、当該テスト画像とは異なる前記他の画像を形成されたシートを、前記第二搬送路を介して前記排出部に排出するよう前記切替手段を制御する、ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成手段の動作が停止している間に前記テスト画像の測色を継続されるシートは、前記画像形成手段の動作の停止の影響を受けることなく測色可能な第一シートであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第二制御手段は、前記第一シートの後に前記テスト画像を形成された第二シートであって、前記画像形成手段の動作の停止の影響を受けた前記第二シートに形成された前記テスト画像の測色を、前記画像形成手段が動作を再開した後に、再開するよう前記測色手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成手段の停止の影響を受けた前記第二シートは、前記画像形成手段が停止した時点で前記画像形成装置の内部にある搬送路に存在しているシートであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成手段の停止の影響を受けない前記第一シートは、前記画像形成装置が停止した時点で前記測色装置に取り込まれているシートであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成手段の停止の影響を受けなかった前記第一シートは、前記画像形成手段が停止した時点で前記画像形成装置からの排出が完了したシートであることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記測色装置は、
前記テスト画像の測色結果を保持する保持手段と
前記測色結果を送信する送信手段と、をさらに有し、
前記第二制御手段は、
前記画像形成手段が停止した後も、前記第一シートに形成された前記テスト画像の測色を前記測色手段に継続させ、前記第一シートに形成された前記テスト画像の測色結果を前記保持手段に保持させ、
前記画像形成手段が動作を再開すると、前記第二シートに形成された前記テスト画像の測色を前記測色手段に実行させ、前記第二シートに形成された前記テスト画像の測色結果を前記保持手段に保持させ、
前記送信手段は、前記第二シートに形成された前記テスト画像の測色が完了した後に、前記第一シートに形成された前記テスト画像の測色結果と前記第二シートに形成された前記テスト画像の測色結果とを前記保持手段から読み出して、前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記画像読取手段から受信された前記読取結果に基づき画像形成条件を調整する調整手段をさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記テスト画像とは異なる画像を形成され、前記排出部に排出されるシートは、当該前記テスト画像とは異なる前記他の画像の品質が所定の基準を満たしていないシートであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記他の画像は、前記画像形成システムのユーザーにより提供されたユーザー画像であることを特徴とする請求項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラーマネジメントとは、カメラ、イメージスキャナ、モニタおよびプリンタなどの異なる複数のデバイス間で画像の色を統一的に管理する手法である。カラーマネジメントでは、一般に、ICCプロファイルが使用される。ICCはインターナショナルカラーコンソーシアムの略称である。プリンタなどの出力デバイスの色空間を標準色空間に変換するプロファイルは出力プロファイルと呼ばれる。プリンタの色特性は、プリンタの設置された環境およびプリンタの消耗度合いに応じて変化する。そのため、出力プロファイルは適宜に更新される必要がある。この更新では、プリンタがテスト画像をシート上に形成し、測色装置がテスト画像を測色し、測色結果に応じて出力プロファイルが補正される。
【0003】
ところで、測色中に、プリンタにおいて何らかのエラーが発生することがある。この場合、測色装置は測色結果を破棄し、プリンタは別のシートに再びテスト画像を形成し、そして、測色装置は測色をやり直さなければならない。これは、シートの無駄な消費と、出力プロファイルの更新時間の増加を招く。特許文献1は、測色カメラを搭載したインクジェット方式の大判プリンタを記載している。測色カメラが測色中にシートに対してダメージを与えるエラーが発生した場合、測色カメラは測色を終了する。他のエラーが発生した場合、当該他のエラーが解消した後に、測色カメラが測色を再開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-133396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、商業印刷用のプリントオンデマンド(POD)システムが普及しつつある。PODシステムでは、画像形成装置と、様々な後処理を実行する一つ以上の後処理装置とが連結されており、当該システムの全長は10mを超えることもある。特許文献1では画像形成装置に測色カメラが内蔵されることが前提とされている。つまり、特許文献1は、測色カメラを搭載した後処理装置が画像形成装置の外側に連結されることは想定されていない。さらに、特許文献1では、一枚のシートの下流側にテスト画像を形成しながら、それと並行して下流側に形成されているテスト画像を読み取ることが前提とされている。なお、上流側と下流側とはシートの搬送方向を基準とした位置を示している。したがって、特許文献1では、シートのジャムが発生すると、もはやそのシートについて画像形成と測色を再開することは不可能である。一方、画像形成システムでは、後処理装置が先行するシートのテスト画像を測色している間も、画像形成装置は後続の別のシートにテスト画像を形成できる。しかし、一般に、画像形成システムでは、画像形成装置においてシートのジャムが発生すると、画像形成装置だけでなく、後処理装置も停止してしまう。仮に、画像形成装置内で後続のシートがジャムとなったときであっても、後処理装置が、先行するシートのテスト画像の測色を継続できれば、測色処理の効率が向上するであろう。そこで、本発明は、画像形成システムにおける測色処理の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、たとえば、
画像形成装置測色装置、および後処理装置を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
カラーマネジメントのためのプロファイルを記憶する記憶手段と、
入力された画像データを前記記憶手段に記憶されたプロファイルに従って変換する変換手段と、
シートを搬送する第一搬送手段と、
前記変換手段により変換された画像データに基づき、前記第一搬送手段により搬送されるシートに対し画像形成を行う画像形成手段と、を有し、
前記測色装置は、
前記画像形成装置により画像を形成されたシートを供給され、当該シートを搬送する第二搬送手段と、
シートを前記後処理装置へ搬送する第一搬送路と、
シートを前記測色装置の排出部に搬送する第二搬送路と、
シートの行き先を前記第一搬送路と前記第二搬送路との間で切り替える切替手段と、
前記画像形成装置からカラーマネジメントのためのテスト画像が形成されたシートが前記第二搬送路に搬送されてきた場合にそのシート上のテスト画像を測色する測色手段と、
前記シートの搬送方向において前記第一搬送路と前記第二搬送路よりも上流側に設けられた第三搬送路と、
前記第三搬送路を搬送されるシートに形成された画像であって、前記カラーマネジメントのためのテスト画像とは異なる他の画像を読み取る画像読取手段と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記測色手段による前記テスト画像の測色結果を取得して前記プロファイルを補正する補正手段と、
前記第一搬送手段によるシートの搬送中にジャムが発生した場合に前記画像形成手段の動作を停止させる第一制御手段と、をさらに有し、
前記測色装置は、
前記画像形成装置において前記画像形成手段の動作が停止しても、前記テスト画像の測色を継続するよう、前記測色手段を制御する第二制御手段をさらに有し、
前記第二制御手段は、
前記画像読取手段の読取結果を前記画像形成装置に送信するか、または、前記画像読取手段の読取結果に基づき、当該テスト画像とは異なる前記他の画像を形成されたシートを、前記第二搬送路を介して前記排出部に排出するよう前記切替手段を制御する、ことを特徴とする画像形成システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明よれば、画像処理装置と後処理装置とを有する画像形成システムにおける測色処理の効率を向上させることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成システムを示す図
図2】コントローラのブロック図
図3】画像読取装置のブロック図
図4】CPUの機能を示す図
図5】デバイスプロファイルの補正処理を示すフローチャート
図6】測色処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<システム>
図1が示すように、画像形成システム1は、画像形成装置100と一つ以上の後処理装置とを有している。図1では、画像形成装置100の後段に冷却装置110が連結されている。冷却装置110の後段には画像読取装置120が連結されている。画像読取装置120の後段にはフィニッシャ130が連結されている。冷却装置110は、画像形成装置100により画像を形成されたシートを冷却する後処理装置である。画像読取装置120は、シートに形成された画像を測色する機能と、画像を読み取る機能とを有する後処理装置である。フィニッシャ130は、たとえば、複数のシートをソートしたり、ステイプルしたりする後処理装置である。
【0011】
●画像形成装置
図1に示された画像形成装置100は、シートを給紙する給紙装置101と、シートを搬送する搬送装置102と、シートに画像を形成するプリンタ103とを有している。搬送装置102は、搬送路においてシートを搬送する複数の搬送ローラ対105と、搬送路におけるシートの位置および通過タイミングを検知する複数のシートセンサ106とを有している。複数の搬送ローラ対105のうち、画像形成装置100の排出口に配置されている搬送ローラ対は排出ローラ107と呼ばれてもよい。画像形成装置100は、シートセンサ106により取得されたシートの通過タイミングに基づきシートのジャムを検知できる。たとえば、シートの先端がシートセンサ106に到着すべき時刻が到来してもシートセンサ106がシートの先端を検知できない場合がある。この場合、画像形成装置100は、そのシートをジャムと判定する。同様に、シートの後端がシートセンサ106を抜けるべき時刻が到来してもシートセンサ106がシートの後端を検知できない場合がある。この場合、画像形成装置100は、そのシートをジャムと判定する。プリンタ103は、テスト画像またはユーザー画像をシートに形成する。ユーザー画像とは、ユーザーによって用意された画像であり、イメージスキャナによって読み取られた原稿の画像またはホストコンピュータから送信された画像などである。テスト画像とは、カラーマネジメントのための複数のテストパッチを含む。なお、テスト画像は、プリンタ103の画像形成条件(転写電圧、帯電電圧、現像電圧、その他)を調整するために利用されるテストパッチを含んでもよい。なお、テスト画像を形成されたシートはテストチャートと呼ばれてもよい。テストチャートの枚数は1枚であってもよいし、2枚以上であってもよい。また、図1では電子写真方式のプリンタ103が示されているが、画像形成方式としてはインクジェット方式などの他の画像形成方式が採用されてもよい。プリンタ103は、感光ドラムを帯電させる帯電器、感光ドラムに対してレーザ光を照射して静電潜像を形成する露光器、静電潜像をトナーで現像する現像器、トナー画像をシートに転写する転写装置、トナー画像をシートに定着させる定着装置を含む。転写装置は中間転写ベルトを含んでもよい。シートの第一面と第二面とに画像を形成するために、搬送装置102は、シートの表裏を反転させる反転機構(反転搬送路)を有してもよい。また、搬送装置102は、シートの画像形成面が鉛直方向(下方向)を向くように反転させてから、シートを排出してもよい(フェースダウン排出)。冷却ファン104は、画像を形成されたシートを冷却する冷却機構である。測色結果は温度依存性(サーモクロミズム)を有する。冷却ファン104がシートを冷却することで、精度の高い測色結果が得られる。
【0012】
●冷却装置
冷却装置110は、画像形成装置100から排出されてきたシートを冷却する冷却ファン114を有している。冷却装置110は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対115およびシートのジャムを検知するための一つ以上のシートセンサ116を有している。冷却装置110は、冷却処理の完了したシートを画像読取装置120へ排出する。
【0013】
●画像読取装置
画像読取装置120は、画像形成装置100によりシート上に形成された画像の測色を実行する測色センサ123と、シートに形成された画像を読み取る読取ユニット121とを有している。測色センサ123の測色結果はカラーマネジメント用のデバイスプロファイルを作成、補正または更新するために利用される。読取ユニット121は、シートの第一面に形成された画像を読み取る画像センサ122aと、シートの第二面に形成された画像を読み取る画像センサ122bとを含む。画像センサ122a、122bの読取結果は、画像形成条件の補正に利用されてもよいし、シートに形成された画像が所定の合格基準を満たしているかどうかを判定(検品)するために利用されてもよい。ここで、所定の合格基準は、シートに形成されたユーザー画像の元になった画像データであってもよい。
【0014】
画像読取装置120は、前段の後処理装置から搬送されてきたシートを受け入れて搬送する搬送路P1と、搬送路P1に接続された搬送路P2、P3を有している。搬送路P1、P2、P3は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対125およびシートのジャムを検知するための一つ以上のシートセンサ126を有している。搬送路P1には読取ユニット121が設けられている。搬送路P1を通過してきたシートは、フラッパF1によって、搬送路P2、P3のどちらかに誘導される。たとえば、フラッパF1は、合格基準を満たさないユーザー画像を形成されたシート、および、テスト画像を形成されたシートを搬送路P3に誘導する。フラッパF1は、合格基準を満たしたユーザー画像を形成されたシートを搬送路P2に誘導する。
【0015】
搬送路P3には測色センサ123が設けられている。搬送路P3の終端にはエスケープトレイと呼ばれることがある排出部129が設けられている。合格基準を満たさないユーザー画像を形成されたシート、および、テスト画像を形成されたシートは排出部129に排出される。
【0016】
●フィニッシャ
フィニッシャ130は、画像読取装置120から排出されてきシートに対して所定の後処理(例:ソート、ステイプル、製本、穿孔、その他)を適用して、排紙トレイ139へ排出する一つ以上の後処理機構138を有している。フィニッシャ130は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対135およびシートのジャムを検知するための一つ以上のシートセンサ136を有している。
【0017】
<コントローラ>
図2は画像形成システム1のコントローラを示している。プリンタコントローラ200はCPU201、ROM202、RAM203、およびASIC204を有している。CPU201はROM202に格納された制御プログラムを実行することで、ASIC204を介して、給紙装置101、搬送装置102、プリンタ103、および冷却ファン104を制御するプロセッサ回路である。ASICは特定用途集積回路の略称である。ASIC204は、CPU201からの指示に従って給紙装置101、搬送装置102、プリンタ103、および冷却ファン104を駆動する。CPU201はメインコントローラ250のCPU251と通信する。CPU251は、操作部252に入力された指示をCPU201に送信したり、ホストコンピュータまたはイメージスキャナから入力された印刷ジョブをCPU201に送信したりする。RAM203には、画像データおよび変数などが記憶される。通信インタフェース206は、後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インタフェース206は、シリアル信号、および、電源リモート信号を搬送するためのパラレル信号ラインに接続されていてもよい。シリアル信号は、命令を含む送信信号と、命令に対応する応答を含む受信信号とに分かれていてもよい。電源リモート信号は、後処理装置を起動するための信号である。CPU201は、複数のシートセンサ106の検知結果に基づき、シートのジャムが発生したことと、搬送路のどこでジャムが発生したかを検知する。CPU201は、ジャムが発生すると、基本的には、プリンタ103と搬送装置102を停止させる。CPU201は、ジャムなどのエラーを検知すると、エラーが発生したこと、および、エラーの種類を示す情報などを、通信インタフェース206を介して後処理装置に送信してもよい。
【0018】
冷却コントローラ210は、冷却装置110に搭載された制御基板であってもよい。冷却コントローラ210は、CPU211、ROM212、RAM213、およびASIC214を有している。CPU211はROM212に格納された制御プログラムを実行することで、ASIC214を介して、搬送ローラ対115および冷却ファン114などの負荷を制御する。ASIC214は、CPU221からの命令にしたがって、搬送ローラ対115および冷却ファン114などを駆動する。通信インタフェース216は、プリンタコントローラ200および他の後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インタフェース216もパラレル信号ラインに接続されている。通信インタフェース216はシートセンサ116の検知結果をプリンタコントローラ200に送信する。これにより、プリンタコントローラ200のCPU201は、冷却装置110においてシートのジャムが発生しているかどうかを判定できる。
【0019】
読取コントローラ220は、画像読取装置120に搭載された制御基板であってもよい。読取コントローラ220は、CPU221、ROM222、RAM223、およびASIC224を含む。CPU221はROM222に格納された制御プログラムを実行することで、ASIC224に命令を送信する。ASIC224はCPU221からの命令に従って負荷(搬送ローラ対125、読取ユニット121、測色センサ123)を駆動する。通信インタフェース226もパラレル信号ラインに接続された通信回路である。通信インタフェース226はシートセンサ126の検知結果をプリンタコントローラ200に送信する。これにより、プリンタコントローラ200のCPU201は、画像読取装置120においてシートのジャムが発生しているかどうかを判定できる。通信インタフェース226は読取ユニット121の読取結果と測色センサ123の測色結果を、通信インタフェース226を介してプリンタコントローラ200へ送信する。
【0020】
フィニッシャコントローラ230は、フィニッシャ130に搭載された制御基板である。フィニッシャコントローラ230は、CPU231、ROM232、RAM233、およびASIC234を有している。CPU231はROM232に格納された制御プログラムを実行し、ASIC234に命令を送信する。ASIC234は、この命令に従って、搬送ローラ対135および後処理機構(ソータ機構、パンチ機構、ステイプル機構、製本機構、その他)を駆動する。通信インタフェース236もパラレル信号ラインに接続された通信回路である。CPU231は、通信インタフェース236によりCPU201からの命令を受信したり、CPU201に対して応答を送信したりする。命令には、たとえば、後処理の実行命令などが含まれる。応答には、シートセンサ136の検知結果および後処理機構の実行結果などが含まれる。
【0021】
<読取コントローラの詳細>
図3が示すように、画像読取装置120には、FPGA225が設けられていてもよい。FPGAはフィールドプログラマブルゲートアレイの略称である。FPGA225は、CPU221からの命令に従って画像センサ122a、122bを制御し、画像センサ122a、122bから出力される画像信号をCPU221に転送する。ASIC224にはモータM1、M2、M3、M4と、ソレノイドSL1とが接続されている。モータM1は、複数の搬送ローラ対を駆動する駆動源である。モータM2は、画像センサ122a、122bをシートに対して相対的に副走査または主走査させるモータである。モータM3は、測色センサ123をシートに対して相対的に副走査または主走査させるモータである。モータM4は、搬送路P3に設けられた搬送ローラ対を駆動するモータである。ソレノイドSL1は、フラッパFL1を駆動する。
【0022】
図3においては、測色センサ123がCPU221に直接的に接続されている。搬送路P1、P2、P3に設けられた複数のシートセンサ126もCPU221に直接的に接続されていてもよい。CPU221は、測色結果を一時的にRAM223に保持した後で、CPU201に転送してもよい。たとえば、テストチャートの枚数がN枚である場合に(Nは2以上の整数)、CPU221は、N枚のテストチャートの測色結果がRAM223に保持された後で、N枚のテストチャートの測色結果をまとめてCPU201に転送してもよい。プリンタコントローラ200のCPU201は、N枚のテストチャートの測色結果に基づきカラーマネジメント用のデバイスプロファイルを修正する。
【0023】
CPU221は、画像センサ122aによる第一面の読取結果と、画像センサ122bによる第二面の読取結果とをCPU201に転送する。CPU201は、第一面の読取結果に基づき第一面の画像形成位置と、第二面の読取結果に基づき第二面の画像形成位置とを求め、第一面の画像形成位置と第二面の画像形成位置とがそれぞれ規定位置であるかどうかを判定してもよい(表裏レジストレーション)。なお、画像形成位置の判定は、CPU221で実行されてもよい。この場合、CPU221は判定結果をCPU201へ送信する。
【0024】
CPU221は、CPU201から様々なエラーに関する情報を通知されることがある。エラーとしては、たとえば、画像形成装置100の内部で発生したエラー(例:ジャム)が含まれる。また、エラーとしては、画像読取装置120と画像形成装置100との間に接続されている一つ以上の他の後処理装置(例:冷却装置110)で発生したエラー(例:ジャム)が含まれうる。CPU221は、CPU201から通知されたエラーの種類に応じて、測色センサ123の動作を選択してもよい。たとえば、N枚のテストチャートのうち、i番目とi+1番目のテストチャートが画像読取装置120に存在し、i+2番目のテストチャートが画像形成装置100の内部に存在している場合がある。この場合、画像形成装置100が何らかのエラーにより停止すると、i+2番目のテストチャートは画像読取装置120の内部に滞留する。一方で、i番目とi+1番目のテストチャートはすでに画像形成装置100から排出されており、画像形成装置100の停止の影響を受けない。そこで、CPU221は、i番目とi+1番目のテストチャートの測色を継続する。このように、画像形成装置100が停止すると、CPU221は、画像形成装置100の停止の影響を受けないテストチャートの測色を継続する。画像形成装置100が動作を再開すると、CPU221は、i+2番目のテストチャートからN番目のテストチャートの測色を順番に実行することになる。
【0025】
<CPUの機能>
図4(A)はプリンタコントローラ200のCPU201の機能を示している。CPU201は制御プログラムを実行することで以下の機能を実現する。測色管理部401は、ROM202またはRAM203に記憶されているカラーマネジメント用のデバイスプロファイルの補正開始条件が満たされているかどうかを判定する。補正開始条件は、たとえば、操作部252からデバイスプロファイルの補正指示が入力されたことであってもよい。補正開始条件が満たされると、測色管理部401は、画像生成部402を制御してシートにテスト画像を形成させる。画像生成部402は、テスト画像の画像データを生成するか、または、ROM202から読み出して画像信号を生成し、プリンタ103に出力する。また、搬送制御部404は、給紙装置101にシートの給紙を命令し、搬送装置102にシートの搬送を命令する。測色管理部401は、テスト画像の形成されたシートについて測色を実行させるために、画像読取装置120へ測色開始指示を送信する。また、測色管理部401は、測色結果の送信命令を画像読取装置120に送信することで測色結果を受信する。補正部403は、受信された測色結果に基づきデバイスプロファイルを補正する。これにより、CM部405は、補正された最終のデバイスプロファイルを用いてユーザー画像の画像データを変換する。CMはカラーマネジメントの略称である。
【0026】
シート管理部410は、シートセンサ106、116、126、136の検知結果に基づき、シートの位置と通過タイミングを管理する。たとえば、ジャム検知部411は、あるシートセンサにおいて、規定時刻になってもシートが検知されない場合、シートのジャムが発生したと判定する。ジャム検知部411は、シートセンサの検知結果に基づき、画像形成システム1における各シートの位置を管理している。そのため、ジャム検知部411は、どのシートについてジャムが発生したかを特定できる。ジャム検知部411はジャムを検知すると、搬送制御部404を制御して少なくとも画像形成装置100内におけるシートの搬送を停止する。残留判定部412は、ジャムが発生した時点において、画像形成システム1内の搬送路にシートが残留しているかどうかを判定する。たとえば、ジャムが発生した位置よりもシートの搬送方向において下流側に存在するシートは、残留シートとなる。このような残留シートは画像形成システム1の外部に排出されるべきである。そこで、搬送制御部404は、排出可能な残留シートが外部に排出されるよう、搬送ローラ対115、125、135などを制御する。検品部413は、画像読取装置120によるユーザー画像の読み取り結果に基づき、ユーザー画像が所定の合格基準を満たしているかどうかを判定する。ユーザー画像が所定の合格基準を満たしていれば、当該ユーザー画像を形成されたシートが搬送路P2へ搬送されるよう、検品部413が搬送制御部404に指示する。ユーザー画像が所定の合格基準を満たしていなければ、当該ユーザー画像を形成されたシートが搬送路P3へ搬送されるよう、検品部413が搬送制御部404に指示する。搬送制御部404は、フラッパFL1の切り替え命令を画像読取装置120へ送信する。調整部406は、画像形成条件を補正するためのテスト画像の読取結果に基づき、画像形成条件を補正する。
【0027】
図4(4)は読取コントローラ220のCPU221の機能を示している。CPU221は制御プログラムを実行することで以下の機能を実現する。測色制御部421は、CPU201から送信される測色開始命令を受信すると、フラッパFL1を切り替えて、テスト画像を形成されたシートを搬送路P3へ誘導する。測色制御部421は、測色センサ123を制御してテスト画像の測色結果を取得してRAM223に格納する。搬送制御部422は、CPU201から受信される搬送命令に応じて搬送ローラ対125を駆動する。読取制御部423は、CPU201からの読取命令に従って画像センサ122a、122bを制御してユーザー画像の読取結果を取得し、CPU201に送信する。
【0028】
<フローチャート>
●画像形成装置
図5は画像形成装置100のCPU201により実行されるデバイスプロファイルの補正処理を示している。補正開始条件が満たされると、CPU201は以下の処理を実行する。
【0029】
S501でCPU201はプリンタ103を制御してシートにテスト画像を形成する。上述したように、測色管理部401は、プリンタ103および後処理装置を起動するとともに、画像読取装置120へ測色開始命令を送信する。搬送制御部404は、給紙装置101および搬送装置102を制御してシートをプリンタ103に供給する。測色管理部401は画像生成部402にテスト画像用の画像信号を生成させて、プリンタ103に供給する。これにより、シートにはテスト画像が形成される。
【0030】
S502でCPU201はジャムを検知したかどうかを判定する。ジャム検知部411は、シートセンサ106、116、126、136の検知結果に基づき、シートのジャムを検知する。ジャムが検知されていなければ、CPU201は処理をS504に進める。一方、ジャムが検知されていれば、CPU201は処理をS503に進める。
【0031】
S503でCPU201はジャムが測色に影響するかどうかを判定する。ジャム検知部411は、まず、ジャムの発生位置を特定する。ジャムの発生位置が測色センサ123の近くであれば、測色センサ123は、測色を継続できない。よって、この場合、ジャム検知部411は、ジャムが測色に影響すると判定する。また、ジャムの発生位置が画像形成装置100の内部であり、すでにテストチャートが画像形成装置100から排出されている場合がある。これは、先行するシート(テストチャート)よりも上流側に位置している後続シートが画像形成装置100の内部でジャムを引き起こした場合である。後続シートはユーザー画像が形成されたシートであってもよいし、別のテストチャートであってもよい。ジャム検知部411は、このような場合には、ジャムが測色に影響しないと判定する。測色に影響するジャムが発生している場合、CPU201は処理をS510に進める。S510でCPU201は、画像形成システム1におけるシートの搬送および画像形成処理を停止させ、測色を中断する。CPU201は、測色の中断命令をCPU221へ送信してもよい。S511でCPU201はジャム処理が完了したかどうかを判定する。CPU201は、ジャムの発生位置を操作部252の表示装置に表示し、メンテナンスドアを開けてジャムとなったシートを取り除くようユーザーに指示してもよい。ジャム処理は、ユーザーによるシートの除去と、画像形成システム1による残留シートの排出処理とを含む。ジャム処理が完了したことは、たとえば、すべてのシートセンサがシートを検知したくなったことに基づき、判定されてもよい。ジャム処理が完了すると、CPU201は、処理をS505に進める。
【0032】
一方で、ジャムが測色に影響しない場合、CPU201は処理をS504に進める。S504でCPU201は測色を継続する。つまり、測色管理部401は、画像読取装置120に測色を継続させる。その後、CPU201は、処理をS505に進める。
【0033】
S505でCPU201は測色が終了したかどうかを判定する。測色管理部401は、測色の対象となるテストチャートのトータル枚数Nと、画像形成装置100により生成されたテストチャートの枚数iとを比較することで測色が完了したかどうかを判定する。たとえば、N枚目のテストチャートが搬送路P3へ搬送されたことを、画像読取装置120のシートセンサ126の検知結果により判定してもよい。あるいは、N枚目のテストチャートが測色センサ123を通過して、排出部129に正常に排出されたことを画像読取装置120のシートセンサ126の検知結果により判定してもよい。一方、画像形成装置100により生成されたテストチャートの枚数iがNに達していなければ、i+1番目のテストチャートを作成するために、CPU201は処理をS501に戻す。これにより、i+1番目のテストチャートに関して、S501以降の処理が実行される。測色が完了していれば、CPU201は処理をS506に進める。
【0034】
S506でCPU201は画像読取装置120から測色結果を受信する。たとえば、測色管理部401は、CPU221に対して送信命令を送信し、その応答として測色結果を受信する。ここでは、N枚のテストチャートのすべてについての測色結果がまとめて受信される。なお、一枚のテストチャートについて測色結果が完成するたびに、測色結果が受信されてもよい。
【0035】
S507でCPU201(補正部403)は測色結果に基づきデバイスプロファイルを補正する。補正部403は更新されたデバイスプロファイルをCM部405に設定する。
【0036】
なお、搬送路P3においてジャムが発生した場合、残留シートを排出部129へ排出することができない。この場合、搬送制御部404は、フラッパFL1の切替命令をCPU221に送信してもよい。CPU221は命令に従ってフラッパFL1を切り替えて残留シートを搬送路P2へ誘導してもよい。これにより、残留シートはフィニッシャ130へ排出される。なお、搬送路P3においてジャムが発生していない場合も、同様に、残留シートは搬送路P2へ誘導される。これは、測色センサ123におけるテストチャートの測色を邪魔しないためである。
【0037】
●画像形成装置
図6は画像読取装置120のCPU221により実行されるテストチャートの測色処理を示している。S601でCPU221(測色制御部421)は、画像形成装置100から測色開始命令を受信したかどうかを判定する。測色開始命令が受信されると、CPU221は処理をS602に進める。ここでは、一例として、測色開始命令が、一枚のテストチャートごとに発行されるものとする。
【0038】
S602でCPU221(搬送制御部422)はフラッパFL1を切り替える。これにより、画像形成装置100により作成されたテストチャートは搬送路P1から搬送路P3へ誘導される。
【0039】
S603でCPU221(測色制御部421)は測色センサ123を用いてテストチャートの測色を実行する。測色制御部421は測色結果をRAM223に書き込む。すべてのテストチャートについて測色が完了するまで、つまり、画像形成装置100から送信命令が届くまで、CPU221は測色結果をRAM223に保持する。
【0040】
S604でCPU221はフラッパFL1を切り替える。つまり、フラッパFL1は、後続のシートを搬送路P1から搬送路P2へ誘導するようになる。この場合の、フラッパFL1の位置はホームポジションと呼ばれてもよい。
【0041】
S605でCPU221(測色制御部421)は画像形成装置100から測色結果の送信命令を受信したかどうかを判定する。上述されたように、送信命令は、すべてのテストチャートの測色が完了した後に送信される。送信命令が受信されていなければ、CPU221は処理をS601に戻し、次のテストチャートの測色に備える。一方で、送信命令が受信された場合、CPU221は処理をS606に進める。
【0042】
S606で(測色制御部421)はRAM223から読み出した測色結果を画像形成装置100へ送信する。なお、送信命令が到着するまで測色結果は送信されない。たとえば、i番目のテストチャートを測色中に、画像形成装置100においてジャムが発生すると、CPU221はi番目のテストチャートの測色を継続する。これにより、RAM223には、1番目からi番目までのテストチャートの測色結果が保存される。i+1番目らN番目のテストチャートまでの画像形成が再開されると、CPU221は、i+1番目からN番目までのテストチャートの測色を実行する。そして、CPU221は、1番目からN番目までのテストチャートの測色結果をまとめて画像形成装置100へ送信する。
【0043】
このように、i番目のテストチャートの測色中に、i番目のテストチャートの測色に影響を受けないジャムが発生することがある。この場合、本実施形態によれば、i番目のテストチャートの測色を継続することで、測色処理の効率が向上する。つまり、ジャムの発生により、i番目のテストチャートの測色結果が破棄されていたケースと比較して、本実施形態の効率は高い。さらに、i番目のテストチャートの測色結果が破棄されたことで、i番目のテストチャートが再度作成されるケースと比較して、シートとトナーとが節約される。また、N枚のテストチャートが使用されるケースでは、1番目からi番目までのテストチャートの測色結果は破棄されずにRAM223に保持される。そのため、1番目からi番目までのテストチャートの作成と測色とをやり直す必要は無い。
【0044】
<実施例から導き出される技術思想>
[観点1]
図1が示すように、画像形成システムは、画像形成装置100と、測色装置(例:画像読取装置120)とを有している。ROM202およびRAM203などのメモリはカラーマネジメントのためのプロファイルを記憶する記憶手段の一例である。CPU201やCM部405は、入力された画像データを、記憶手段に記憶されたプロファイルに従って変換する変換手段の一例である。図1が示すように、搬送ローラ対105はシートを搬送する第一搬送手段の一例である。プリンタ103は、変換手段により変換された画像データに基づき、第一搬送手段により搬送されるシートに対し画像形成を行う画像形成手段の一例である。搬送ローラ対125は、画像形成装置100により画像を形成されたシートを供給され、当該シートを搬送する第二搬送手段の一例である。測色センサ123は、
画像形成装置からカラーマネジメントのためのテスト画像が形成されたシートが供給された場合にそのシート上のテスト画像を測色する測色手段の一例である。通信インタフェース226は、測色手段によるテスト画像の測色結果を画像形成装置100に送信する送信手段の一例である。CPU201、221は、搬送手段および測色手段を制御する制御手段の一例である。CPU201および補正部403は測色手段によるテスト画像の測色結果を取得してプロファイルを補正する補正手段の一例である。CPU201および搬送制御部404は第一搬送手段によるシートの搬送中にジャムが発生した場合に画像形成手段の動作を停止させる第一制御手段の一例である。
【0045】
CPU221は、画像形成装置において画像形成手段の動作が停止しても、テスト画像の測色を継続するよう、測色手段を制御する第二制御手段の一例である。ジャムやユーザーによる停止指示などに起因して画像形成装置100が停止する場合がある。たとえば、測色センサ123が先行するシートに形成されたテスト画像を測色しているまたは測色しようとしているときに、画像形成装置100が停止してしまう場合がある。すでに、画像形成装置100から排出されたシートは画像形成装置の停止影響を受けないが、画像形成装置100内に存在するシートは画像形成装置の停止影響を受ける。この場合、CPU201、221は、画像形成装置100の停止の影響を受けない第一シートに形成されたテスト画像の測色を継続するよう測色手段を制御する。つまり、画像形成装置100が停止している期間中も、測色が継続される。これにより、画像処理装置と後処理装置とを有する画像形成システム1における測色処理の効率が向上する。第一シートとしては、たとえば、冷却装置110に位置しているシート、および、画像読取装置120の搬送路P1に位置しているシート、および、搬送路P3に位置しているシートなどがある。つまり、画像形成装置100の排出口から測色センサ123までの間に位置しているシートは、基本的に、画像形成装置100の停止の影響を受けない。
【0046】
[観点2-4]
プリンタ103の動作が停止している間にテスト画像の測色を継続されるシートは、プリンタ103の動作の停止の影響を受けることなく測色可能な第一シートである。第一シートの後にテスト画像が第二シートに形成される。
【0047】
画像形成装置100の停止の影響を受けた第二シートにもテスト画像が形成されていることがある。この場合、第二シートに形成されているテスト画像の測色は、画像形成装置100が動作を再開した後に、実行または再開されてもよい。上述されたように、i+1番目のテストチャートが画像形成装置100の内部でジャムになると、i+1番目のテストチャートは再度作成されて、測色センサ123により測色されてもよい。このように、画像形成装置100の停止の影響を受けた第二シートは、画像形成装置100が停止した時点で画像形成装置100の内部にある搬送路に存在しているシートであってもよい。
【0048】
[観点5、6]
画像形成装置100の停止の影響を受けない第一シートは、画像形成装置100が停止した時点で後処理装置(測色装置)に取り込まれているシートであってもよい。また、第一シートは、画像形成装置100が停止した時点で画像形成装置100からの排出が完了したシートであってもよい。つまり、上述されたi番目のテストチャートは第一シートの一例である。
【0049】
[観点7]
RAM223は、後処理装置に設けられる、テスト画像の測色結果を記憶(保持)する記憶手段(保持手段)の一例である。制御手段(例:CPU221)は、画像形成装置100が停止した後も、第一シートに形成されたテスト画像の測色を測色手段に継続させる。制御手段(例:CPU221)は、第一シートに形成されたテスト画像の測色結果を記憶手段に記憶させる。画像形成装置100が動作を再開すると、制御手段(例:CPU221)は、第二シートに形成されたテスト画像の測色を測色手段に実行させ、第二シートに形成されたテスト画像の測色結果を記憶手段に記憶させる。上述されたように、i+1番目からN番目までのテストチャートは第二シートの一例である。CPU221および通信インタフェース226は送信手段の一例である。送信手段は、第二シートに形成されたテスト画像の測色が完了した後に、第一シートに形成されたテスト画像の測色結果と第二シートに形成されたテスト画像の測色結果とを記憶手段から読み出して、画像形成装置100に送信してもよい。これにより、画像形成装置100が停止されたときにすでに取得済みであった第一シートについての測色結果が有効利用される。
【0050】
[観点7]
ROM202、RAM203およびCM部405は、カラーマネジメントのためのプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段の一例である。補正部403は、後処理装置から受信された測色結果に基づきプロファイルを補正する補正手段の一例である。プロファイルは、ICCプロファイル、出力プロファイルまたはデバイスプロファイルと呼ばれてもよい。
【0051】
[観点8]
画像読取装置120は第一後処理装置の一例である。フィニッシャ130は、第一後処理装置に連結された第二後処理装置の一例である。搬送路P2はシートを第二後処理装置へ搬送する第一搬送路の一例である。搬送路P3はシートを第一後処理装置の排出部129に搬送する第二搬送路の一例である。測色手段(例:測色センサ123)は、第二搬送路に搬送されてきたシートに形成されているテスト画像を測色するように配置されている。
【0052】
[観点9]
フラッパFL1は、シートの行き先を第一搬送路と第二搬送路との間で切り替える切替手段の一例である。制御手段(例:CPU221)は、画像形成装置100から受信される切替信号にしたがって切替手段を制御してもよい。
【0053】
[観点10-13]
搬送路P1は、シートの搬送方向において第一搬送路と第二搬送路とよりも上流側に設けられた第三搬送路の一例である。読取ユニット121は、第三搬送路を搬送されるシートに形成された画像であって、カラーマネジメントのためのテスト画像とは異なる他の画像を読み取る画像読取手段の一例である。制御手段(例:CPU221)は、画像読取手段の読取結果を送信手段により画像形成装置に送信してもよい。制御手段(例:CPU221)は、画像読取手段の読取結果に基づき、当該テスト画像とは異なる他の画像(例:ユーザー画像)を形成されたシートを、第二搬送路を介して排出部129に排出するよう切替手段を制御してもよい。調整部406は、画像読取手段から受信された読取結果に基づき画像形成条件を調整する調整手段の一例である。テスト画像とは異なる画像を形成され、排出部に排出されるシートは、当該テスト画像とは異なる他の画像の品質が所定の基準を満たしていないシートであってもよい。当該他の画像は、画像形成システム1のユーザーにより提供されたユーザー画像であってもよい。このように画像読取装置120はシートの検品装置(品質検査装置)であってもよい。検品装置に測色装置を組み込むことで、画像形成システム1の全長を短くすることが可能となろう。あるいは、画像形成システム1に連結される後処理装置の数を削減することが可能となろう。
【0054】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0055】
1:画像形成システム、100:画像形成装置、120:画像読取装置(検品装置)、125:搬送ローラ対、123:測色センサ、226:通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6