IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マネーフォワードの特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q30/015
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020184788
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074612
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】葉栗 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】阿部 慎平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 洸平
(72)【発明者】
【氏名】原田 聖子
(72)【発明者】
【氏名】北岸 郁雄
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-329112(JP,A)
【文献】特開2005-117466(JP,A)
【文献】特開2007-004470(JP,A)
【文献】特開2002-279158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示会における通信を制御する情報処理装置であって、
取得部と、制限部と、指示部とを備え、
前記取得部は、通信装置を介した出展者と参加者との間の通信回数を取得可能に構成され、
前記制限部は、制限条件と前記通信回数とに基づいて、前記出展者と前記参加者との間の通信を制限可能に構成され、ここで、前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への発信回数に関する条件、又は、前記出展者から発信可能な前記参加者の数に関する条件であり、
前記指示部は、前記制限部による制限に応じて、前記通信装置に対して通信の制限を指示可能に構成される
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への前記発信回数の上限値である
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記制限条件は、前記出展者から発信可能な前記参加者の数の上限値である
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
識別情報発行部を備え、
前記識別情報発行部は、前記参加者に対して、該参加者に固有の識別情報を発行可能に構成され、ここで、前記識別情報は、前記通信装置を介した通信に際して、前記参加者の宛先情報として利用される
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記通信装置は、メールサーバを含み、
前記メールサーバは、前記識別情報を宛先とした電子メールを受信し、該受信した電子メールを前記参加者宛に転送する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置において、
前記通信装置は、電話の転送装置を含み、
前記転送装置は、前記識別情報を宛先とした着呼を前記参加者宛に転送する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への前記発信回数に関する条件であり、
マッチング部を備え、
前記マッチング部は、前記出展者と前記参加者とのマッチングを行い、
前記制限部は、前記出展者と前記参加者とのマッチング度が予め定めた値以上である場合に、前記発信回数の上限値を増加させる
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への前記発信回数に関する条件であり、
受付部を備え、
前記受付部は、前記参加者から、前記出展者が提供する資料の請求を受け付け、
前記制限部は、前記参加者が前記請求を行った場合に、前記発信回数の上限値を増加させる
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への前記発信回数に関する条件であり、
前記制限部は、前記出展者の前記参加者からの着信回数に応じて、前記発信回数の上限値を増加させる
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記制限部は、前記出展者に対して課金された課金額に応じて、前記制限条件の上限値を増加させる
情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、
コンピュータを請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを利用して、様々な催事が開催されている。そして、オンラインによる展示会も開催されており、そのための技術も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-207922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オンライン展示会において、参加者は、参加登録時に会社名、個人名、住所、業種、メールアドレス、電話番号等を登録することが通例である。これら登録された情報は、少なくとも一部の出展者に共有され、出展者は、営業やマーケティングにこれらの情報を活用する。なお、以下では、参加者の会社名、個人名、住所、業種、メールアドレス、電話番号等を名刺情報と称する。
【0005】
一方、参加者は、出展者から資料の提供を受けたり、詳細な説明を聞いたりする際に、都度、名刺情報を登録する手間が省けることになる。
【0006】
しかしながら、出展者は、多くの名刺情報を収集することができた場合、全ての参加者に対応しようとするあまり、各参加者への対応が杜撰になる傾向があり、一方の参加者にとっては、名刺情報の登録により送られてくる営業メール等に辟易してしまうことがある。
【0007】
本発明では上記事情を鑑み、出展者と参加者との連絡を適切に制御することのできる情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、展示会における通信を制御する情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、取得部と、制限部と、指示部とを備える。取得部は、通信装置を介した出展者と参加者との間の通信状況を取得可能に構成される。制限部は、制限条件と通信状況とに基づいて、出展者と参加者との間の通信を制限可能に構成される。制限条件は、出展者から参加者への発信の条件である。指示部は、制限部による制限に応じて、通信装置に対して通信の制限を指示可能に構成される。
【0009】
本発明の一態様によれば、過剰な営業を抑止し、出展者と参加者との間で円滑な連絡が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】識別情報を説明するための図である。
図5】出展者端末5に提供する情報の例を示した図である。
図6】メールサーバ2を用いた通信の流れを示すシーケンス図である。
図7】転送されたメールの例を示した図である。
図8】CTIサーバ3を用いた通信の流れを示すシーケンス図である。
図9】展示会参加時の参加者端末6と情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図10】情報処理装置1による通信制限の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0012】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0013】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。同図に示すように、システム100は、情報処理装置1と、メールサーバ2と、CTIサーバ3と、チャットサーバ4と、出展者端末5と、参加者端末6とがネットワーク7を介して通信可能に接続されている。
【0016】
情報処理装置1は、オンライン展示会に関する様々な処理を行うもので、特に、出展者と参加者の間の通信の制御を行うものである。なお、情報処理装置1の詳細については後述する。
【0017】
メールサーバ2は、電子メールの送受信や転送等を行うものである。このメールサーバ2は、汎用のものであってもよく、また、オンライン展示会の運営者が、新規メールアドレスの登録と、登録したメールアドレスに対する転送設定等を行う権限を有していれば、非専用のものであってもよい。
【0018】
CTIサーバ3は、電話の呼制御等を行う電話とコンピュータの統合システム(Computer Telephony Integration System)であり、オンライン展示会の運営者が所有している電話番号宛の呼を参加者に転送する。なお、CTIサーバ3に代えて、PBX(Private Branch eXchange)等の転送電話機能を有するものを利用することができる。このCTIサーバ3も、オンライン展示会の運営者が転送設定を行うことができれば、非専用のものであってもよい。
【0019】
チャットサーバ4は、出展者端末5と参加者端末6との間にチャットサービスを提供するものである。このチャットサーバ4も、オンライン展示会の運営者が設定を行うことができれば、非専用のものであってもよい。
【0020】
出展者端末5は、オンライン展示会の出展者が用いる端末であり、パーソナルコンピュータや、タブレット端末等である。
【0021】
参加者端末6は、オンライン展示会の参加者が用いる端末であり、パーソナルコンピュータや、タブレット端末等である。
【0022】
ネットワーク7は、情報処理装置1と、メールサーバ2と、CTIサーバ3と、チャットサーバ4と、出展者端末5と、参加者端末6とを通信可能にするネットワークであり、例えば、インターネットを含むものである。
【0023】
2.情報処理装置の構成
次に、情報処理装置1の構成について説明する。図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0024】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0025】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0026】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0027】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0028】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク7との間の通信を実現する。
【0029】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0030】
3.情報処理装置1の機能
次に、情報処理装置1の機能について説明する。情報処理装置1は、展示会における通信を制御するもので、プログラムにしたがって動作することで、後述する各機能部を実現する。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置として動作又は機能させるプログラムである。
【0031】
図3は、情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置1は、取得部101と、制限部102と、指示部103と、識別情報発行部104と、情報記憶部105と、マッチング部106と、受付・提供部107とを備える。
【0032】
取得部101は、通信装置を介した出展者と参加者との間の通信状況を取得可能に構成される。通信装置は、メールサーバ2、CTIサーバ3、チャットサーバ4の総称であり、CTIサーバ3は、電話の転送装置であってもよい。メールサーバ2は、後述する識別情報を宛先とした電子メールを受信し、該受信した電子メールを参加者宛に転送する。転送装置は、後述する識別情報を宛先とした着呼を参加者宛に転送する。取得部101が取得する通信状況は、例えば、通信回数であり、出展者端末5が発信(発呼を含む)した回数と、出展者端末5が受信又は着信(着呼を含む)した回数を含む。
【0033】
制限部102は、制限条件と、取得部101が取得した通信状況とに基づいて、出展者と参加者との間の通信を制限可能に構成される。制限条件は、例えば、出展者から参加者への発信の条件である。具体的には、制限条件は、出展者から参加者への発信回数の上限値である。また、制限条件は、出展者から発信可能な参加者の数の上限値であってもよい。制限条件を出展者端末5から参加者端末6への発信回数ではなく、出展者から参加者への発信回数としているのは、電話機を用いた通話を行った回数も制限条件に加えるためである。
【0034】
制限部102は、出展者から参加者への発信回数の上限値を制限条件とする場合、所定の条件に応じて、制限条件の上限値を増加させる。例えば、制限部102は、出展者と参加者とのマッチング度が予め定めた値以上である場合に、制限条件の上限値を増加させる。マッチング度は、マッチング部106によるマッチングの結果であり、出展者が参加者の希望する条件に適していた場合に、マッチング度は、比較的高い値となる。この場合、両者間の通信回数が多く必要となる可能性があるからである。また、制限部102は、参加者が請求を行った場合、例えば、参加者が、出展者に対して資料請求を行った場合に、制限条件の上限値を増加させる。この場合、参加者が出展者に興味を持っているため、両者間の通信回数が多く必要となる可能性があるからである。さらに、制限部102は、出展者の参加者からの着信回数に応じて、制限条件の上限値を増加させる。この場合、出展者と参加者の通信は、双方向に行われているため、今後も両者間の通信回数が多く必要となる可能性があるからである。他にも、制限部102は、出展者に対して課金された課金額に応じて、制限条件の上限値を増加させる。出展者に対する課金額が高額となる場合、出展者は、いいかげんな営業活動を行うことがないと判断できる可能性があるためである。制限条件の上限値を増加させる場合、上限値を自動的に引き上げたり、プランをサジェストして選択させるようにすることもできる。
【0035】
制限部102は、出展者から発信可能な参加者の数の上限値出を制限条件とする場合、参加者のアクションによって確度が高い参加者をサジェストし、アプローチできる数の範囲で参加者を選択させるようにしてもよい。確度が高い参加者は、例えば、マッチング度により判定する。
【0036】
指示部103は、制限部102による制限に応じて、通信装置に対して通信の制限を指示可能に構成される。指示部103は、通信装置のうち、メールサーバ2に対しては、制限部102により通信が制限されていない場合には、メールの転送を実行させ、制限部102により通信が制限されている場合には、メールの転送を停止させる。なお、メールサーバ2がwebメールとして、参加者端末6にメールを提供することができる場合には、指示部103は、制限部102により通信が制限されていなくとも、メールの転送を実行させないようにしてもよい。また、指示部103は、通信装置のうち、CTIサーバ3に対しては、制限部102により通信が制限されていない場合には、着呼の転送を実行させ、制限部102により通信が制限されている場合には、着呼の転送を停止させる。さらに、指示部103は、チャットサーバ4を停止させることも可能である。
【0037】
また、指示部103は、メールサーバ2とCTIサーバ3に対して、転送先の設定も行う。
【0038】
識別情報発行部104は、参加者に対して、該参加者に固有の識別情報を発行可能に構成される。この識別情報は、通信装置を介した通信に際して、参加者の宛先情報として利用される。ここで、識別情報の例について説明する。図4は、識別情報を説明するための図である。例えば、参加者が、展示会への参加に際して、図4のFIg.4Aに示すような、参加者自身の情報を登録したとすると、識別情報発行部104は、参加者に対して、図4のFIg.4Bに示すような識別情報が発行される。この識別情報は、当該参加者に固有のものであり、展示会において、名刺等の代わりに利用され、出展者に通知される。出展者は、通知された識別情報に基づいて、参加者の情報を得ることができるが、出展者が得ることができる情報は、図4のFIg.4Cに示すようなものとなる。このFIg.4Cに示す情報は、メールアドレスと電話番号が、展示会の運営者側で用意したものであり、これらと、参加者自身の情報とは、紐付けがなされているが、参加者自身の情報については、出展者には通知されない。なお、参加者は、自身の情報を登録する際に、情報の入力に代えてオンライン名刺を提示するようにしてもよい。オンライン名刺は、例えば、QRコードやURL等で示されるもので、これらを利用して、氏名等の名刺に記載される情報を提示することができるものである。もちろん、オンライン名刺が提示された場合にも、電話番号やメールアドレスは、展示会の運営者側で用意したものを用いた識別情報が発行される。
【0039】
情報記憶部105は、様々な情報を記憶する。記憶する情報は、例えば、識別情報と、これに対応する出展者に通知する情報と、参加者の登録情報、制限情報、マッチング部106によるマッチング結果、参加者による資料請求の有無等である。また、情報記憶部105には、出展者が提供する展示情報又は展示情報へのリンク先等が記憶されるようにしてもよい。
【0040】
マッチング部106は、出展者と参加者とのマッチングを行う。マッチングは、参加者が所望する出展者を特定することができるようにするもので、例えば、複数の条件を、AND(論理積)、OR(論理和)、NOT(論理否定)等を用いて組み合わせ、組み合わせた条件に基づいて、出展者とのマッチング結果を得ることができる。また、マッチングに際して、資料請求の有無や動画等の視聴の有無を加点要素に加えるようにしてもよい。マッチングの結果は、参加者に示されるのはもちろんのこと、出展者側にも示されるようにしてもよい。出展者側は、連絡可能な参加者の上限数が設定されている場合には、マッチング結果を、連絡する参加者を決定する際の指標として用いることができる。また、参加者にマッチング結果を示す際に、「この出展者に資料請求をしたらどうですか?」、「この出展者のサービスについて質問しなくても大丈夫ですか?」といった提案を行うようにしてもよい。
【0041】
受付・提供部107は、出展者端末5や参加者端末6から、指示等を受け付けるとともに、受け付けた指示に応じた情報を提供する。また、受付・提供部107は、参加者、つまり、参加者端末6から、出展者が提供する資料の請求を受け付ける。また、受付・提供部107は、出展者端末5に対して、例えば、図5に示すような、参加者の連絡先と、当該連絡先に連絡(通信)を行った回数と、通信の上限値(制限条件)等を示す情報を提供することもできる。図5は、出展者端末5に提供する情報の例を示した図である。
【0042】
4.通信装置の動作
次に、通信装置の動作について説明する。図6は、メールサーバ2を用いた通信の流れを示すシーケンス図である。
【0043】
まず、出展者が、識別情報から取得できるメールアドレス「abcd1011@tenjikai」宛に、出展者端末5からメールを送信すると(S101)、当該メールは、出展者端末5に設定されているメールサーバ(便宜上、出展者メールサーバとする)を介して、メールサーバ2に配信される(S102)。メールサーバ2は、転送の停止が指示されていなければ、配信された「abcd1011@tenjikai」宛のメールを「taro@jituan」宛に転送する(S103)。このメールは、参加者が用いているメールサーバ(便宜上、参加者メールサーバとする)に蓄積される。その後、参加者端末6が、参加者メールサーバにアクセスしてメールの確認を行うと(S104)、参加者端末6は、参加者メールサーバから転送されたメールを受信する(S105)。なお、参加者は、メールサーバ2にメールの転送を行わせずに、webブラウザ等を用いてメールサーバ2と通信を行い、webメールとして、メールを確認することもできる。
【0044】
参加者が、メールを受信した場合(webメールを利用した場合を除く)、受信したメールに返信を行うと、「abcd1011@tenjikai」からの送信となり、参加者のメールアドレスを出展者に通知してしまうことになる。このため、メールサーバ2は、メールを転送する際に、図7に示すように、webメールへのリンクを含めて、webメールによる返信を、参加者に促すようにしている。図7は、転送されたメールの例を示した図である。
【0045】
このため、参加者が出展者に返信を行う場合には、参加者端末6からメールサーバ2へアクセスして返信を行い(S106)、このメールが、メールサーバ2から出展者メールサーバに配信される(S107)。その後、出展者端末5が、出展者メールサーバにアクセスしてメールの確認を行うと(S108)、出展者端末5は、メールサーバ2から配信されたメールを受信する(S109)。
【0046】
次に、電話による通信の場合について説明する。図8は、CTIサーバ3を用いた通信の流れを示すシーケンス図である。
【0047】
まず、出展者が、識別情報から取得できる電話番号「050-yyyy-yyyy」宛に発呼を行うと(S201)、この呼は、CTIサーバ3で着呼され、参加者の電話番号「03-xxxx-xxxx」宛に転送される(S202)。
【0048】
一方、参加者が架電する場合には、参加者が予め指定された電話番号宛に発呼を行うと(S203)、CTIサーバ3が、音声案内等により、参加者に所望の出展者を選択させる。参加者が、出展者を選択すると、CTIサーバ3は、該当する出展者に、参加者が発呼した呼を、出展者宛に転送する(S204)。
【0049】
5.情報処理装置1の動作
次に、情報処理装置1の動作について説明する。図9は、展示会参加時の参加者端末6と情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。また、図10は、情報処理装置1による通信制限の流れを示すアクティビティ図である。
【0050】
まず、参加者が展示会に参加する際の流れについて説明する。参加者が、参加者端末6から情報処理装置1にアクセスして参加登録を行うと(A101)、情報処理装置1は、識別情報を発行する(A102)。
【0051】
その後、参加者が、マッチングの利用を所望する場合には、参加者端末6から条件を入力し(A103)、情報処理装置1がマッチング処理を行い(A104)、参加者端末6がマッチング結果を取得する(A105)。なお、マッチングは、必ずしも参加者の要望に基づいて行う必要はなく、例えば、展示会の参加時にアンケートの形式で参加者の目的等を受け付けてマッチングを行い、その結果をサジェストする形で提示するようにしてもよい。
【0052】
また、参加者が展示情報を閲覧し(A106)、資料の請求を所望すると、情報処理装置1は、資料請求を受け付ける(A107)。これらの処理は、参加者が退出するまで繰り返される。なお、他にも、出展者端末5と参加者端末6の間でチャット等を用いた通信を行ってもよい。チャットを用いる場合、出展者端末5からの連絡と参加者端末6からの連絡を、色分け又は異なるフォントを用いて区別できるようにしてもよく、資料請求の有無を、チャットから確認できるようにしてもよい。
【0053】
続いて、情報処理装置1による通信制限について説明する。情報処理装置1は、まず、制限条件である通信回数の上限値を初期制限数に設定する(A201)。
【0054】
その後、情報処理装置1は、参加者によるマッチングが行われ、その結果がマッチした、つまり、マッチング適である場合には、通信回数の上限値を所定するだけ加算する(A202)。
【0055】
また、情報処理装置1は、参加者による資料請求を受け付けると、通信回数の上限値を所定するだけ加算する(A203)。さらに、出展者による追加課金の申し込みがあった場合には、通信回数の上限値を所定するだけ加算する(A204)。
【0056】
そして、情報処理装置1は、通信装置から通信状態を取得し(A205)、参加者からの着信又は着呼があった場合には、その着信数又は着呼数に応じて通信回数の上限値を加算する(A206)。
【0057】
また、情報処理装置1は、通信装置から取得した通信状態から、通信の制限が必要であると判断した場合には、通信装置に停止指示を出す(A207)。一方、情報処理装置1は、通信装置から取得した通信状態から、通信の制限の解除が必要であると判断した場合には、通信装置に解除指示を出す(A208)。
【0058】
なお、ここでの説明は省略するが、通信装置には、チャットサーバ4も含まれ、チャットサーバ4を介した通信にも制限をかけるようにしてもよい。チャットサーバ4に制限をかける場合、実際の通信数に基づいて制限をかけるか否かを判断してもよく、チャットのスレッド数を通信数として、同一スレッド内での通信をカウントしないようにすることもできる。
【0059】
6.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記制限条件は、前記出展者から前記参加者への発信回数の上限値である情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記制限条件は、前記出展者から発信可能な前記参加者の数の上限値である情報処理装置。
前記情報処理装置において、識別情報発行部を備え、前記識別情報発行部は、前記参加者に対して、該参加者に固有の識別情報を発行可能に構成され、ここで、前記識別情報は、前記通信装置を介した通信に際して、前記参加者の宛先情報として利用される情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通信装置は、メールサーバを含み、前記メールサーバは、前記識別情報を宛先とした電子メールを受信し、該受信した電子メールを前記参加者宛に転送する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通信装置は、電話の転送装置を含み、前記転送装置は、前記識別情報を宛先とした着呼を前記参加者宛に転送する情報処理装置。
前記情報処理装置において、マッチング部を備え、前記マッチング部は、前記出展者と前記参加者とのマッチングを行い、前記制限部は、前記出展者と前記参加者とのマッチング度が予め定めた値以上である場合に、前記制限条件の上限値を増加させる情報処理装置。
前記情報処理装置において、受付部を備え、前記受付部は、前記参加者から、前記出展者が提供する資料の請求を受け付け、前記制限部は、前記参加者が前記請求を行った場合に、前記制限条件の上限値を増加させる情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記制限部は、前記出展者の前記参加者からの着信回数に応じて、前記制限条件の上限値を増加させる情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記制限部は、前記出展者に対して課金された課金額に応じて、前記制限条件の上限値を増加させる情報処理装置。
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0060】
1 :情報処理装置
2 :メールサーバ
3 :CTIサーバ
4 :チャットサーバ
5 :出展者端末
6 :参加者端末
7 :ネットワーク
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
100 :システム
101 :取得部
102 :制限部
103 :指示部
104 :識別情報発行部
105 :情報記憶部
106 :マッチング部
107 :受付・提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10