(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20241127BHJP
H04W 4/33 20180101ALI20241127BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20241127BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20241127BHJP
B66B 7/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W4/33
H04W84/18
B66B3/00 U
B66B7/00 F
(21)【出願番号】P 2020211980
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】八代 成美
(72)【発明者】
【氏名】安武 祐太
(72)【発明者】
【氏名】笠原 大聖
(72)【発明者】
【氏名】石野 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳弘
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-529126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0385234(US,A1)
【文献】特開2010-269868(JP,A)
【文献】特開2006-173670(JP,A)
【文献】特開平11-313022(JP,A)
【文献】戸田建設,超高層ビル建設現場に安定した通信ネットワークを構築,[online],2020年07月31日,[2024年5月15日検索],インターネット <URL:https://www.toda.co.jp/news/2020/20200731_002763.html>
【文献】戸田建設,工事進捗に合わせて堅牢な無線通信環境を簡単に構築,[online],2019年10月04日,[2024年5月15日検索],インターネット <URL:https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20191004.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B3/00-3/02
7/00-7/12
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波通信が遮蔽された移動体であるエレベータかごの外部に設けられたエレベータアクセスポイントと、
前記エレベータかごが昇降するエレベータシャフトの内部に設けられたウエーブガイドLANシステムと、
を備える無線通信システムであって、
前記エレベータアクセスポイントは、
前記エレベータかごの内部に設けられた移動体内のアンテナと、
前記エレベータかごの外部に設けられ、前記移動体内のアンテナと通信可能に接続された移動体外のアンテナと、を備え、
前記ウエーブガイドLANシステムは、
前記移動体外のアンテナと無線通信可能な複数のアンテナ部と、
前記複数のアンテナ部のそれぞれに接続され、電波を伝達するウエーブガイド
であって、電波を伝達する内部の周囲を被覆する金属パイプを備えるウエーブガイドと、を備え、
前記複数のアンテナ部のそれぞれは、前記エレベータシャフトの側壁において高さ方向に間隔を空けて配置された複数のエレベータドアの間に配置されている、
無線通信システム。
【請求項2】
前記複数のアンテナ部のそれぞれは、前記エレベータかごが前記複数のエレベータドアのいずれか1つの前に停止した際、前記エレベータかごを介さずに前記移動体外のアンテナと対向するように配置されている、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記複数のアンテナ部のそれぞれは、前記複数のエレベータドアの直上の壁に対向するように配置されている、請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記ウエーブガイドLANシステムの一端部は、前記エレベータシャフトの外部に設けられ且つ外部無線通信機と通信可能な固定アクセスポイントに接続されている、請求項1~3のいずれか1つに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記金属パイプは、単管パイプである、請求項
1~4のいずれか1つに記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体内外の無線通信を可能にする無線通信システムに係り、特に、電波遮蔽されたエレベータかご等の移動体において、移動体内部と外部との無線通信を接続可能にする無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体であるエレベータに乗車している乗客は、地震・火事・雷の発生、エレベータの機械故障の発生、急患の発生等のトラブルが発生した場合には、エレベータかご内部の操作盤にあるインターホンのボタンや非常ボタンを押し、エレベータ外部のオペレータや緊急事態の確認者と連絡して適切な対処をする。しかし、突然発生した緊急事態に冷静にインターホンのボタンや非常ボタンを探して押すのは難しい場合や緊急事態の確認者がいない場合がある。また、エレベータ外部のオペレータを介して連絡するため、迅速に操作できない場合がある。一方、エレベータに乗車している乗客は、普段から使い慣れている、自ら所有するスマートフォン等の携帯無線端末機によりエレベータ外部の人と連絡できればより迅速に直接的な対応が可能となる。また、エレベータの故障時に限らず、エレベータかごに乗車中の乗客は、外部の連絡先に至急連絡したい場合がある。また、エレベータかごに乗車中の乗客は、緊急時にインターネットにアクセスして欲しい情報を検索する場合があり、スマートフォン等の携帯無線端末機が常時使用可能な状態であることが望ましい。
【0003】
しかし、後述するように「エレベータかご内部の乗客が所持する携帯無線端末機で外部のオペレータや人に通話しようとしても、エレベータかごの上下四方は金属板で囲まれているため無線電波が遮断され、かご内の乗客は携帯無線端末機で外部のオペレータや関係者と直接通信することができない。今やスマートフォン等の携帯無線端末機は、現代人にとって必需品であり、いつでもどこでも使用が可能であることが求められている。しかしながら、エレベータかご等の移動体内部にいる際には使用不可となるため、多方面から改良、改善の要望が関連会社に寄せられている。
【0004】
本発明は、以下に示す、漏洩導波管によるウエーブガイドLANシステム等の縦方向への無線通信技術、及び、無線バックホールネットワークの技術を応用してエレベータかご等の移動体内外の無線通信を可能にしたものである。
【0005】
(漏洩同軸ケーブルLCX)
伝送ケーブルにより建物内に効率的に無線電波を供給する「漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky Coaxial Cable)による無線通信システム」が実用化されている。この漏洩同軸ケーブルによる無線通信システムは、少なくとも一箇所のアクセスポイントと、終端部と、このアクセスポイントと終端部との間に配線され、電波信号を伝送してアンテナとして装置と通信する伝送ケーブルとを備え、伝送ケーブルは、電波を漏洩させる漏洩同軸ケーブルと、電波を漏洩させない非漏洩同軸部とが異種ケーブル連結部を介して連結されて構成される。なお、漏洩同軸ケーブルは、本通信システムの構成に必要な漏れ波アンテナの一つの実用例である。
【0006】
(無線バックホールネットワーク)
また、アクセスポイント同士を、有線に代替して無線通信で連携できる無線バックホールが実用化されている。この技術により、これまで設置が難しかった場所にも無線通信が可能となった。また、この無線通信は、電源さえ確保できれば、増設のためのLAN工事が不要になることから、自由にアクセスポイントを増設して幅広いエリアで安定した無線ネットワークが可能となる。
【0007】
特許文献1には、エレベータの閉じ込め故障発生時には、かご内から携帯電話により自由な相手先に通話することのできるエレベータ内携帯電話中継システムが開示されている。ここでは、異常通知信号を送信するインターホン制御装置と、閉じ込め故障信号を送信する故障検出器と、携帯電話から発信された通話先番号情報を、制御ケーブルを介して送信するブルートゥース親局と、公衆回線網に切換接続し、公衆回線網を介してコールセンタまたは相手先に電話をかけ、音声情報を送受するエレベータ監視装置とを備え、上記エレベータ監視装置は閉じ込め故障信号の受信時で、かつエレベータかご内のインターホンとコールセンタ間での音声情報の送受が終了した場合に、ブルートゥース親局を公衆回線網に接続し、受信した通話先番号情報に基づいて相手先へ電話をかけて該相手先と携帯電話間での音声情報を送受することが記載されている。なお、特許文献2の段落0009には、発明が解決しようとする課題として「・・・かご内の乗客が携帯電話で外部と連絡を取ろうとした場合にも、一般にエレベータかごの周囲は金属板で囲まれた構成をしており、この金属板により高周波は遮断されるため、かご内の乗客は携帯電話で自由に外部と通信することができなかった・・・」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下、従来の移動体における無線通信の問題点につき、具体例として「エレベータかご」の場合について説明する。エレベータかごの無線通信システムは、ビル等の建物において階を跨いだ無線通信は可能であった。しかし、ビル等の建物の各階では壁材等により電波が大きく減衰するという問題があり、四方が壁に覆われた空間内では無線通信が困難になるという課題があった。特に、エレベータシャフトは、頑丈なコンクリートブロックで覆われているため電波の減衰が著しく大きい。さらに、エレベータかご内は、四方上下の鉄板で無線通信が遮断され、外部からの電波を反射するため無線通信は著しく困難であった。
【0010】
従来は、エレベータかご内における非常用の電話回線等は、エレベータかご内外を有線ケーブルで接続させて外部の公衆電話回線網に接続していた。そのため、この有線ケーブルがエレベータかごの昇降時に伸縮する構造となり、その伸縮を繰り返すことで断線する虞や、コネクタから外れる等の故障リスクがあった。
【0011】
一方、エレベータシャフト内に指向性アンテナを採用した通信方法も提案されている。エレベータシャフト内の上下の対向した位置にアンテナを設置し、上下間で階を跨いだ無線通信を行うものである。しかし、この指向性アンテナは、「見通し環境」では有用ではあるが、エレベータシャフト内は閉鎖空間であり、指向性の高いビームを形成する前にエレベータシャフト内で電波が乱反射し、上下方向に電波が伝搬せずに上方の階まで到達しない虞があった。また、昇降するエレベータかごが、上下のアンテナ間に移動した際には、電波はエレベータかごの鉄板により反射するため、それより上方の階には到達しないという問題があった。
【0012】
また、エレベータかご内部への無線通信が遮断されてしまうことで、建設資材等を運搬する無人搬搬送(AGV)等のロボットへの無線通信がエレベータかご内部で途絶えてしまうという状態が発生した。エレベータかごの内部と外部とが通信ネットワークにより接続していれば、移動体内部のカメラ、センサ等による情報をクラウド化でき、ロボットの遠隔制御が可能になるが、肝心の無線通信が移動体内部で途絶えてしまうため、クラウド化やロボット化が進まないという問題があった。
【0013】
また、建設現場では、仮設エレベータにより建設資材や建設作業者を安全にかつ効率的に輸送するため、エレベータかご内に常駐する作業員が各階の作業員と有線電話により通話して、エレベータの停止階や輸送内容を調整しているが、作業員の高齢化や人手不足による外国人作業者の増加等により作業員の確保が問題となっていた。
【0014】
また、病院施設では、入院患者のバイタルモニタを常時計測する必要があるが、入院患者がエレベータかごに乗車している間は、無線通信が移動体で遮断され、入院患者のバイタルモニタが計測不能となるという問題が発生した。また、ホテル等では、エレベータかご内への無線通信により顧客への迅速で高度なサービスが可能になるが、無線通信がエレベータかごで遮断されてしまうため、サービスの品質が確保できないという問題があった。
【0015】
このように、エレベータかごの上下四方が金属で覆われているために内部と外部との無線通信が遮断されてしまうという問題は、エレベータかごに限らず、自動車、バス、トラック、地下鉄等の移動体においても同様な問題が発生する。また、この問題は、オフィス、工場、病院、商業施設等の建設工事が完了した建築物に限らず、建設や土木の建設現場に設けられる仮設エレベータについても同様な問題が発生する。
【0016】
本願の目的は、かかる課題を解決し、電波が遮蔽された移動体内部からスマートフォンやタブレット等の携帯無線端末機により容易に移動体外部と無線通信できる無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信システムは、電波通信が遮蔽された移動体に、相互に接続された移動体外のアンテナと、移動体内のアンテナとを備えた移動アクセスポイントが設けられ、移動体の走行路には、縦系統の無線通信システムが設けられ、移動体内のアンテナは、移動体内部の携帯無線端末機と無線通信し、移動体外のアンテナは、無線通信システムのアンテナ部と接続することで無線通信ネットワークを構成し、携帯無線端末機は、無線通信システム及び無線通信ネットワークを介し、固定アクセスポイントに接続されて移動体外部の無線通信機と通信することを特徴とする。
【0018】
上記構成により、本無線通信システムは、電波通信が遮蔽された移動体の内外の通信が可能となる。電波通信が遮蔽された移動体内外の無線通信が自在になれば、移動体に乗車する乗客は、所有するスマートフォンやタブレット等の携帯無線端末機により移動体内部から移動体外部と通話することができる。これにより、移動体の内部において急患が発生した場合、移動体に火災などの災害が発生した場合、地震の発生を移動体内の利用者に警報する場合等、即座に移動体内外の連絡が可能となる。また、例えば、本無線通信システムを建設現場において用いた場合には、特に作業員や建設物資の携帯無線端末機よる輸送管理がより簡便になる。また、例えば、病院で本無線通信システムを用いた場合には、患者は移動体内にいる場合にも患者のバイタルを常時計測することが可能になる。
【0019】
また、移動アクセスポイントは、移動体の外部に設けられ、移動アクセスポイントから携帯無線端末機に向かって移動体内のアンテナが設置され、移動体内部の乗客が所持する携帯無線端末機と無線通信することを特徴とすることが好ましい。これにより、移動体内部の携帯無線端末機から発信された電波を容易に移動アクセスポイントに設けられた移動体内のアンテナにより送受信することができる。
【0020】
また、移動アクセスポイントから無線通信システムのアンテナ部に向かって移動体外のアンテナが設置され、それらが対向する位置関係にあることで、移動体の外部無線通信機と無線通信することが好ましい。これにより、移動アクセスポイントから移動体外部の無線通信機に送受信することができる。
【0021】
また、携帯無線端末機と交信する移動体内のアンテナと、無線通信システムのアンテナ部と交信する移動体外のアンテナとは、移動アクセスポイント内部において同軸ケーブルにより接続され、同軸ケーブルは移動体への電波を遮蔽する遮蔽物を貫通して通信することが好ましい。これにより、上述した、移動体の上下四方が金属で覆われているために内部と外部との無線通信が遮断されてしまうという問題は、アクセスポイント内で移動体内のアンテナと移動体外のアンテナとを同軸ケーブルにより接続するという方法により、簡易にかつ通信性能を損なうことなく達成できる。
【0022】
また、移動体は、建物に設置されたエレベータかごであり、移動体が移動する走行路は、エレベータかごが昇降するエレベータシャフトであり、移動アクセスポイントは、エレベータアクセスポイントであることが好ましい。
【0023】
また、エレベータアクセスポイントのアンテナと、無線通信システムのアンテナ部とは、無線バックホールにより交信されることが好ましい。この無線バックホールのネットワークにより、安定した通信環境が構築できる。
【0024】
また、エレベータアクセスポイントは、エレベータシャフト内部に複数個設置され、相互に無線通信ネットワークを形成することが好ましい。この形成された通信ネットワークにより、安定した通信環境が構築できる。
【0025】
また、無線通信システムのアンテナ部には、バックホール用電波と無線LAN用電波が共に出力されることが好ましい。このように、ウエーブガイドLANシステムのウエーブガイドは、導波管により電波を漏洩することができ、その漏洩電波はバックホール用電波と無線LAN用電波が共に出力されることで、安定した無線バックホール通信が可能となる。
【0026】
また、エレベータアクセスポイントは、見通し環境の無線通信システムのうち、見通し環境にあるアンテナ部と無線通信ネットワークを構成することが好ましい。これにより、エレベータアクセスポイントは、無線通信システムのアンテナ部を介してエレベータシャフトの外部無線通信機と確実に通信することができる。
【0027】
また、エレベータシャフト内に設置されるエレベータアクセスポイントは、設置される階のエレベータホールの乗客の携帯無線端末機と交信可能であることが好ましい。これにより、緊急時、エレベータかご内との連絡が必要なエレベータアクセスポイントが設置される階のエレベータホールの乗客との通話を優先することができる。
【0028】
また、ウエーブガイドLANシステムは、現場で用いられる金属製パイプを導波管とし、金属製パイプの端部にフランジを取り付けてボルトにより相互に接合することが好ましい。このように、無線通信システムの一つの実施例であるウエーブガイドLANシステムにおいて、建設現場で足場等に使われる単管パイプを導波管として利用する。これにより、導波管を建設現場で容易に調達でき、この単管パイプの組立てや解体が容易となり、他の工事現場に自在に転用可能であること等のメリットがある。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る無線通信システムによれば、電波が遮蔽された移動体内部からスマートフォンやタブレット等の携帯無線端末機により容易に移動体外部との無線通信する無線通信システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る無線通信システムの一つの実施形態の概略構成を示す断面図である。
【
図2】
図1の無線通信システムの実施例であるウエーブガイドLANシステムの概略構成を示す詳細断面図である。
【
図3】無線通信システムの実施例であるウエーブガイドLANシステムの概要を部分詳細図で示し、及び、電波漏洩ケーブルの概要を分解詳細図で示す。
【
図4】
図1の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】エレベータがN階に停止している際に、移動体外のアンテナと、エレベータシャフト内に設けられたアンテナ部と、が構成する無線バックホール通信ネットワークを示す説明図である。
【
図6】無線バックホール通信ネットワークのアクセスポイント用アンテナの一つの実施例を示す。
【
図7】
図6のアクセスポイントを用いた無線バックホール通信ネットワークの構成に関する説明図である。
【
図8】従来の有線通信ネットワークの構成に関する説明図である。
【
図9】本発明に係る無線通信システムについて現場で行われた実証実験の概要を示す説明図である。
【
図10】無線通信システムについて現場で行われた実証実験の結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(無線通信システム)
以下に、図面を用いて本発明に係る無線通信システム1の構成について詳細に説明する。
図1に、本発明に係る無線通信システム1の一つの実施形態の概略構成を断面図で示す。
図2に、
図1の無線通信システム1におけるウエーブガイドLANシステム10の概略構成を詳細断面図で示す。本明細書では、この無線通信システム1の実施例として、移動体2が建物を昇降するエレベータかご2である場合について説明する。
【0032】
本無線通信システム1は、具体的に、移動体2が建物に設置されたエレベータかご2であり、移動体2が移動する走行路5が、エレベータかご2が昇降するエレベータシャフト5であり、移動アクセスポイント8aがエレベータアクセスポイント8aである。
【0033】
本無線通信システム1は、上下四方がコンクリート等、鉄板等により覆われているため電波通信が遮蔽される移動体2に関し、相互に接続された移動体外のアンテナ6aと移動体内のアンテナ6bとを備えた移動アクセスポイント8aが設けられ、移動体2の走行路5には、導波管12と移動体2のアンテナ部11とが接続されたウエーブガイドLANシステム10が設けられ、移動体内のアンテナ6bは、移動体2内部の携帯無線端末機3と無線通信し、移動体外のアンテナ6aは、複数の移動体2のアンテナ部11と無線ネットワークを構成し、携帯無線端末機3は無線通信ネットワークを経由して固定アクセスポイント8bに接続されて移動体2の外部無線通信機14と通信する、という発明である。
【0034】
本無線通信システム1は、
図1を用いて具体的なステップで表わすと、建物のエレベータシャフト5内をエレベータ昇降方向にUP又はDOWNするエレベータかご2に関し、乗車している乗客等が所持するスマートフォン3がエレベータかご2外部に設けられたエレベータアクセスポイント8aに設けられた移動体内のアンテナ6bと交信する(ステップ1)。この移動体内のアンテナ6bは、アクセスポイント同軸ケーブル9a(
図2参照)を介して、同じくエレベータアクセスポイント8aに設けられた移動体外のアンテナ6aと接続する(ステップ2)。そのエレベータアクセスポイント8aの移動体外のアンテナ6aと、エレベータシャフト5内に設置されたウエーブガイドLANシステム10の複数のアンテナ部11とが無線バックホール通信ネットワーク7により接続される(ステップ3)。そして、
図1ではウエーブガイド12の下端部に接続されたウエーブガイドアクセスポイント8bから外部無線通信機14と交信する(ステップ4)、という無線通信システム1である。なお、移動するエレベータかご2に設けられるアクセスポイントを「移動アクセスポイント8a」と称し、エレベータシャフト5内に固定された複数のアンテナ部11と接続するアクセスポイントを「固定アクセスポイント8b」と称しても良い。なお、移動アクセスポイント8aは、具体的には「エレベータアクセスポイント8a」と称しても良く、固定アクセスポイント8bは、具体的には「ウエーブガイドアクセスポイント8b」と称しても良い。これにより、移動する移動アクセスポイント8aと、固定された固定アクセスポイント8bと、がアンテナ部11を介して交信することが明確に理解できる。また、
図2に示す、固定アクセスポイント8bの位置は、ウエーブガイド12下端部のウエーブガイド同軸ケーブル9bの先端部に限らず、ウエーブガイド12の任意の位置で良い。以下、本発明の特徴であるウエーブガイドLANシステム10について詳しく説明する。
【0035】
(ウエーブガイドLANシステム)
図1に、建物のエレベータかご2周りの最上階、N+1階、N階、N-1階、地下階を断面図で示す。エレベータシャフト5内には、エレベータかご2の巻上げ機41、制御盤(モータ)42、エレベータ用の巻上げ機受け架台43等が設置される。なお、最近の傾向として大型のエレベータ以外では機械室を設けないことが多くなっている。また、建物の改修でも機械室を必要としないことが多くなっている。エレベータかご2は、カウンタウエイト48の上下によりエレベータシャフト5内を昇降し、最上階、N+1階、N階、N-1階、地下階の各階で停止するものとする。N+1階、N階、N-1階には乗場45とエレベータドア47が設けられ、乗客や建設資材等がエレベータかご2内に乗り降りする。ウエーブガイドLANシステム10は、ビル等の建物の縦系統の無線LANシステムであり、本実施形態では、ウエーブガイドLANシステム10は、最上階から最下階である地下階からエレベータシャフト5の外部に設けられた固定アクセスポイント8bまで垂直方向に設置され、縦方向に設けられた通路であるエレベータシャフト5に設置された無線通信システム1を利用して無線通信を行うものである。
【0036】
(エレベータアクセスポイント)
エレベータかご2の外部には、エレベータアクセスポイント8aが設けられる。このエレベータアクセスポイント8aからエレベータかご2内の携帯無線端末機3に向かって内向きに移動体内のアンテナ6bが設置され、エレベータかご2内の携帯無線端末機3と無線通信する。これにより、エレベータかご2内の携帯無線端末機3から発信された無線電波を簡易にエレベータアクセスポイント8aに設けられた移動体内のアンテナ6bに送受信することができる。
【0037】
エレベータかご2の外部にはエレベータアクセスポイント8aからウエーブガイドLANシステム10のアンテナ部11に向かって外向きに移動体外のアンテナ6aが設置され、エレベータかご2の外部無線通信機14と無線通信することができる。これにより、エレベータアクセスポイント8aからエレベータかご2の外部の固定アクセスポイント8bに送受信することができる。
【0038】
図2に示すように、エレベータかご2内のスマートフォン3と交信する内向きの移動体内のアンテナ6bと、ウエーブガイド12のアンテナ部11と交信する外向きの移動体外のアンテナ6aとは、エレベータアクセスポイント8a内においてアクセスポイント同軸ケーブル9aにより接続される。このアクセスポイント同軸ケーブル9aは、遮蔽されたエレベータかご2の外壁又は天井を貫通して通信する。すなわち、エレベータかご2の上下四方が金属で覆われているために内部と外部との無線通信が遮断されてしまうという問題は、エレベータアクセスポイント8aにて移動体外のアンテナ6aと移動体内のアンテナ6bとを共に設け、ウエーブガイド同軸ケーブル9bを無線ケーブルの一部に部分的に採用することで通信性能を損なうことなく達成できる。また、この、ウエーブガイド同軸ケーブル9bは有線ケーブル40ではあるが、極めて短い距離に用いられるためエレベータがご2の昇降の影響を受けず、弛みも発生しないため断線等の虞はない。なお、エレベータかご2のエレベータドア47は、各停止階で開くが、移動体内のアンテナ6bとスマートフォン3との無線通信、又は、移動体外のアンテナ6aとアンテナ部11との無線通信は、直接エレベータドア47を経由しない。
【0039】
図1及び
図2に示すように、エレベータアクセスポイント8aは、エレベータシャフト5内に複数個設置され、相互に通信ネットワークを形成して無線通信する。これは、エレベータシャフト5内部が、複雑な空間である上に、エレベータかご2、設備機器、昇降機器等により無線通信がいわゆる「見通し環境」にないからである。そこで、エレベータシャフト5内を移動するエレベータアクセスポイント8aに対し、アンテナ部11が確実に無線電波を受信できるように、無線バックホール通信ネットワーク7によりカバーする。この形成された無線バックホール通信ネットワーク7により、安定した通信環境が構築することができる。
【0040】
また、
図2に示すように、エレベータアクセスポイント8aは、エレベータかご2の外部に設置されているため、そのエレベータアクセスポイント8aより見通し環境のウエーブガイド12のアンテナ部11と無線通信可能である。一方、エレベータアクセスポイント8aがエレベータかご2より下方のウエーブガイド12のアンテナ部11とは、特にエレベータかご2により無線通信が遮断されてしまう虞がある。このように、エレベータアクセスポイント8aをエレベータかご2の外部に設置することで、エレベータアクセスポイン8aからエレベータシャフト5内のアンテナ部11と確実に通信することができる。
【0041】
(ウエーブガイドLANシステム及び電波漏洩ケーブル)
図3にウエーブガイドLANシステム10の実施形態の概要を部分詳細図で示し、漏洩同軸ケーブル(LCX)20の概要を分解詳細図で示す。
図3(a)は、ウエーブガイドLANシステム10を部分詳細図で示す。ウエーブガイドLANシステム10は、ウエーブガイド12とアンテナ部11とが連結される。アンテナ部11には、電波漏洩部23が設けられて電波が放出される。ウエーブガイド12は、内部で電波を伝達し、外部に電波を漏洩させない金属パイプ17により周囲を被覆される。このウエーブガイド12の同軸内導体16は、固定アクセスポイント8bに接続する。
図3(b)は、漏洩同軸ケーブル20を分解詳細図で示す。
図3(b)に示す、アンテナ部11の漏洩同軸ケーブル20は、同軸内導体16が誘電体18により周囲を被覆され、さらに外部導体19により被覆される。そして、外部導体19には、切れ込みであるスリット部15が設けられ、内部を伝播する電波は、このスリット部15から漏洩する。従って、スリット部15は、ウエーブガイド12の電波漏洩部23となる。このスリット部15の切れ込みは、電波が漏洩し易いように、漏洩同軸ケーブル20の軸方向に対して斜めに切り込みが入れられる。
【0042】
一方、ウエーブガイド12は、導波管12と称される。本実施形態では、このウエーブガイド12は、金属パイプ17を利用し、現場仮設工事において足場などに多用される単管パイプ等が転用される。すなわち、金属製パイプ17を所定の長さに切断し、その端部にフランジジョイントを取り付ける。そして、金属製パイプ17同士はフランジジョイントによりボルト接合される。ウエーブガイド12の下端部は、同軸内導体16により、ウエーブガイドアクセスポイント8bに接続される。このように、ウエーブガイド12は、金属製パイプ17として、単管パイプを利用する場合、建設現場で容易に調達できる。また、この単管パイプの組立てや解体が容易であり、他の工事現場に自在に転用可能であること等のメリットがある。
【0043】
(無線バックホール)
エレベータアクセスポイント8aの移動体外のアンテナ6aと、ウエーブガイドLANシステム10のアンテナ部11a~11yとは、上述したように、無線バックホール通信ネットワーク7により無線通信する。これにより、アクセスポイント用アンテナ31とダウンストリーム側アンテナ32とアップストリーム側アンテナ33とのより安定した通信環境を構築することができる。ウエーブガイドLANシステム10のアンテナ部11a~11yがウエーブガイド12を介して接続され、ウエーブガイド12内には、バックホール用電波と無線LAN用電波が共に出力される。これにより、ウエーブガイド12は、スリット部15から電波を漏洩することができ、その電波は、バックホール用電波と無線LAN用電波が共に出力されることで、安定した無線バックホール通信が可能となる。
【0044】
(無線通信システムのブロック構成)
図4に、
図1の無線通信システム1の構成をブロック図で示す。エレベータかご2に乗車している乗客は、地震が発生した場合、火災が発生した場合、急患が発生した場合、エレベータが故障等により停止した場合等に、所有するスマートフォン3a~3xにより無線でエレベータかご2の外部無線通信機14と通話することができる。或いは、緊急時に病院、消防署、警察署、エレベータ管理会社、自宅、自分の会社等に直接連絡することができる。
【0045】
これらのエレベータかご2内のスマートフォン3a~3xから発信された情報は、エレベータかご2外部に設けられたエレベータアクセスポイント8aに設けられた移動体内のアンテナ6bに接続される。エレベータアクセスポイント8aに接続された情報は、アクセスポイント同軸ケーブル9aを介してエレベータアクセスポイント8a内のアンテナ部11に接続される。そして、エレベータアクセスポイント8aに設けられた移動体外のアンテナ6aからエレベータシャフト5内に設けられたウエーブガイドLANシステム10のアンテナ部11a~11yへと送信される。このアンテナ部11a~11yに送信された情報は、導波管12a~12yを経由して固定アクセスポイント8bに到達し、外部無線通信機14に到達する。このウエーブガイドLANシステム10において、移動体外のアンテナ6aと各階のアンテナ部11a~11yとは、無線バックホール通信ネットワーク7を形成する。
【0046】
(無線バックホールネットワーク)
図5に、エレベータがN階に停止している際に移動体外のアンテナ6aと、エレベータシャフト5内に設けられたアンテナ部11a~11yと、が構成する無線バックホール通信ネットワーク7を説明図で示す。エレベータシャフト5内は、元来、複雑な空間である上に、エレベータかご2、設備機器、昇降機器等により無線通信がいわゆる「見通し環境」にない場合が想定される。そこで、エレベータシャフト5内を移動するエレベータアクセスポイント8aに対し、アンテナ部11a~11yが確実に無線電波を受信するように、無線通信バックホールネットワーク7を構成する。また、エレベータシャフト5内を昇降するエレベータかご2は、四方を鉄板やコンクリート等に覆われているため電波を遮蔽してしまう。そこで、
図5に示すように、移動体外のアンテナ6aをエレベータかごの外部に設置し、エレベータかご2の下方の固定アクセスポイント8bと通信する。
【0047】
例えば、
図5に示すエレベータかご2が、エレベータシャフト5内のN階(
図5中、実線で示すエレベータかご2)に停止している場合、N階の近隣のアンテナ部11b,11a,11c等に対して無線通信を行う。このとき、エレベータかご2に遮蔽される等によりアンテナ部11cには無線電波が途絶えてしまうが、アンテナ部11b,11aには無線電波が到達するため無線バックホール通信ネットワーク7が可能になる。このように、エレベータかご2がエレベータシャフト5内を昇降しても、この無線バックホール通信ネットワーク7は、エレベータかご2の位置により無線通信がカバーされる。これにより、エレベータかご2内の携帯無線端末機3から発信された電波をウエーブガイドアクセスポイント8bにまで中継することができる。
【0048】
図6に、無線バックホール通信ネットワーク7の無線バックホールアクセスポイント8cを構成するアクセスポイント用アンテナ31の一つの実施例を示す。従来の無線通信技術では、エレベータアクセスポイント8aを無線で繋ぐと、徐々にスループットが減衰し、複数個所を経由した場合には無線通信の速度が出ないという問題があった。本発明に用いるエレベータアクセスポイント8a用の無線バックホールアンテナ6cは、最大で数100m離れた場所での無線通信が可能となる。
【0049】
図7に、
図6の無線バックホールアクセスポイント8cを用いた無線バックホール通信ネットワーク7の構成に関する一つの実施例を説明図で示す。上述したように、無線バックホール通信ネットワーク7は、エレベータシャフト5内部が複雑な空間であり、エレベータかご2、設備機器、昇降機器等により無線通信がいわゆる「見通し環境」にない場合に対処する無線通信方法である。
図7に示すように、アクセスポイント用アンテナ31a~31zは、それぞれ無線バックホールアンテナ6cにより無線バックホール通信ネットワーク7を構成して相互に無線通信を行っている。この無線バックホール通信ネットワーク7のうちアクセスポイント用アンテナ31bとアクセスポイント用アンテナ31cとの無線通信が遮蔽物34により遮断されている。このとき、アクセスポイント用アンテナ31bからアクセスポイント用アンテナ31dを経由してアクセスポイント用アンテナ31cにまで迂回して無線通信をすることができる。このように、無線バックホール通信ネットワーク7により、エレベータシャフト5内を移動するエレベータアクセスポイント8aに対し、各アンテナ部11の無線バックホールアンテナ6cが確実に無線電波を受信することができる。この形成された無線バックホール通信ネットワーク7により、安定した通信環境を構築することができる。
【0050】
図8に、従来の有線通信ネットワーク7bの構成を説明図で示す。各有線アクセスポイント8dは、ネットワークスイッチ30に有線ケーブル40で接続されている。
【0051】
(無線通信システムの実証実験概要)
図9に、本発明に係る無線通信システム1について建設現場で行われた実証実験の概要を説明図で示す。エレベータシャフト5内に設置されたエレベータかご2に、無線通信システム1の評価パターンA及び評価パターンBを取付けて無線LAN電波の受信電力強度(RSSI)を測定した。
図9(a)は従来の無線通信システムの評価パターンAの場合であり、
図9(b)は、本無線通信システム1の評価パターンBの場合である。評価パターンAとは、エレベータかご2内部の乗客がスマートフォン3によりエレベータかご2の外部と直接交信した場合の実証実験である。すなわち、移動体外のアンテナ6a、移動体内のアンテナ6bを設置しない状態でエレベータアクセスポイント8aにおける無線LAN電波の受信電力強度(RSSI)を測定した。ここで、ウエーブガイドLANシステム10は、各階のウエーブガイドアクセスポイント8bがウエーブガイド12a~12dにより接続され、下端部でウエーブガイド同軸ケーブル9bを経由して固定アクセスポイント8bと接続している。
【0052】
一方、評価パターンBは、本発明に係る無線通信システム1の評価パターンである。すなわち、ウエーブガイドLANシステム10から無線バックホール通信ネットワーク7の電波を放射し、エレベータかご2外部に設置した移動アクセスポイント8aの移動体外のアンテナ6aと接続する。また、エレベータかご2内に設置した移動体内のアンテナ6bから無線LAN電波を放射してエレベータかご2内のスマートフォン3と通信する。ここで、評価パターンBのウエーブガイドLANシステム10は、評価パターンAの場合と同様に、各階のウエーブガイドアクセスポイント8bがウエーブガイド12a~12dにより接続され、下端部でウエーブガイド同軸ケーブル9bを経由して固定アクセスポイント8bと接続している。
【0053】
(無線通信システムの実証実験結果)
図10に、本発明に係る無線通信システム1について建設現場で行われた実証実験の評価結果を説明図で示す。評価結果の単位は、dBmである。
図10に、1階から7階までのエレベータ停止階において、評価端末(PC)が受信した無線LAN電波の受信電力強度(RSSI)を評価パターンA及び評価パターンBについてそれぞれ表にして示す。この受信電力強度(RSSI)は、-75dBmを下回った場合に動画などの大容量通信が途絶えてしまうが、パターンAでは1階を除くすべての階で、-75dBmを下回っていた。一方、評価パターンBでは、各階とも安定した評価結果が得られ、本発明による無線通信システム1が実施可能であり、本無線通信システム1の有用性が実証された。
【0054】
以上の無線通信システム1の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 無線通信システム、2 移動体又はエレベータかご、3,3a~3x 携帯無線端末機,又はスマートフォン、5 走行路又はエレベータシャフト、6a 移動体外のアンテナ,6b 移動体内のアンテナ、6c 無線バックホールアンテナ、7 無線バックホール通信ネットワーク,7b 有線通信ネットワーク、8a 移動アクセスポイント又はエレベータアクセスポイント、8b 固定アクセスポイント又はウエーブガイド(導波管)アクセスポイント、8c 無線バックホールアクセスポイント、8d 有線アクセスポイント、9a アクセスポイント同軸ケーブル,9b ウエーブガイド同軸ケーブル、10 ウエーブガイドLANシステム、11,11a~11y アンテナ部、12,12a~12y 導波管又はウエーブガイド、14 外部無線通信機、15 スリット部、16 同軸内導体、17 金属パイプ、18 誘電体、19 外部導体、20 漏洩同軸ケーブル、21 被覆材、22 ソケット、23 (導波管アンテナの)電波漏洩部、30 ネットワークスイッチ、31,31a~31z アクセスポイント用アンテナ、32,32a~32z Down Stream側アンテナ、33,33a~33z Up Stream側アンテナ、34 遮蔽物、40 有線ケーブル、41 巻上げ機、42 制御盤(モータ)、43 巻上げ機受け架台、44 空調機、45 乗場、47 エレベータドア、48 カウンタウエイト。