(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】施設利用管理装置、施設利用管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2021009521
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】出口 佳明
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-079557(JP,A)
【文献】特開2015-035107(JP,A)
【文献】特開2020-027474(JP,A)
【文献】特開2017-194896(JP,A)
【文献】特開2004-355478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の駐車場に来場する来場車両に搭載された通信装置と通信し、前記来場車両を特定する特定情報を含む来場車情報を取得する取得部と、
前記施設の利用を予約している予約者の車両を特定する車両情報を含む予約情報を記憶する記憶部と、
前記取得部で取得した来場車情報と、前記予約情報の前記車両情報とに基づき、前記来場車両の前記駐車場への入場の許否を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を出力する出力部とを備え、
前記施設は、宿泊施設を含み、
前記宿泊施設のルームキーを発券する発券部をさらに備え、
前記判定部において前記来場車両の入場を許可する判定がなされた場合、前記発券部は、前記予約者に対する前記ルームキーを発券する、施設利用管理装置。
【請求項2】
前記来場車情報は、前記通信装置を識別する装置IDを含み、前記車両情報は、前記予約者の車両に搭載された通信装置の装置IDを含む、請求項1に記載の施設利用管理装置。
【請求項3】
前記施設の駐車場に設けられたゲートの開閉を制御する開閉制御部をさらに備え、
前記開閉制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて前記ゲートを開閉する、請求項1又は2に記載の施設利用管理装置。
【請求項4】
前記ルームキーの返却を受け付ける返却受付部をさらに備え、
前記返却受付部において前記ルームキーの返却が受け付けられた場合、前記ルームキーに対応する前記予約者の支払額を取得し、取得した前記支払額を出力する精算部をさらに備える、請求項1に記載の施設利用管理装置。
【請求項5】
前記施設の駐車場に設けられたゲートの開閉を制御する開閉制御部をさらに備え、
前記精算部は、出力した前記支払額に対する決済完了通知を取得し、
前記開閉制御部は、前記精算部において前記決済完了通知が取得された場合、前記ゲートを開錠する、請求項4に記載の施設利用管理装置。
【請求項6】
宿泊施設を含む施設の駐車場に来場する来場車両に搭載された通信装置と、
前記通信装置と無線通信を行う施設利用管理装置と、
前記施設利用管理装置と通信網を介して接続された管理サーバと
を備え、
前記通信装置は、自機及び前記来場車両の少なくとも一方を特定する特定情報を含む来場車情報を前記施設利用管理装置に送信し、
前記施設利用管理装置は、
前記施設の駐車場において、前記通信装置から前記来場車情報を取得する第1取得部と、
取得した前記来場車情報を前記管理サーバへ送信する送信部と、
前記管理サーバへ前記来場車情報を送信後、前記管理サーバから前記来場車両の入場許否を示す入場許否情報を取得する第2取得部と、
取得した前記入場許否情報を出力する出力部を含み
前記管理サーバは、
前記施設の利用を予約している予約者の車両を特定する車両情報を含む予約情報を記憶する記憶部と、
前記施設利用管理装置から前記来場車情報を取得する取得部と、
取得した前記来場車情報と、前記記憶部に記憶された前記予約情報の前記車両情報とに基づき、前記来場車両の入場許否を判定し、判定結果に基づく前記入場許否情報を前記施設利用管理装置へ送信する判定部とを含み、
前記施設
利用管理装置は、前記宿泊施設のルームキーを発券する発券部をさらに備え、
前記判定部において前記来場車両の入場を許可する判定がなされた場合、前記発券部は
、前記予約者に対する前記ルームキーを発券する、施設利用管理システム。
【請求項7】
宿泊施設を含む施設の駐車場に設置され、コンピュータを備える装置に、
前記施設の駐車場に来場する来場車両に搭載された通信装置から前記来場車両を特定する特定情報を含む来場車情報を取得する処理と、
取得した前記来場車情報を外部サーバへ送信する処理と、
前記来場車情報を前記外部サーバへ送信後、前記外部サーバから前記来場車両の入場許否を示す入場許否情報を取得する処理と、
取得した前記入場許否情報を出力する出力する処理と
前記来場車両の入場を許可する判定がなされた場合、前記宿泊施設のルームキーを発券する発券部に
、予約者に対する前記ルームキーを発券させる処理とを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設利用管理装置、施設利用管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル等の宿泊施設におけるフロント業務を自動化する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ホテルのチェックイン時にルームキーを発行する処理を自動で行うルームキー発行システムが開示されている。このルームキー発行システムは、顧客自身によってイメージスキャナに挿入されたパスポートの該当ページを読み取り、読み取ったパスポートのイメージ情報と予約情報とを照合する。ルームキー発行システムは、イメージ情報に対応する予約情報が存在すれば、予約情報に基づいてルームキーを発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のルームキー発行システムにおいて、イメージスキャナはホテルのチェックインカウンタ等、ホテル内の特定の場所に設置されている。ホテルに到着した顧客は、チェックインカウンタ等に並び、ルームキーが発行されるまで待たなければならず、ホテルの部屋に入るまで時間を要する。
【0005】
本発明は、ホテル等の施設の利用を予約した予約者が入館する手続きをスムーズに行い得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る管理装置は、取得部、記憶部、判定部、及び出力部を備える。取得部は、施設の駐車場に来場する来場車両に搭載された通信装置と通信し、来場車両を特定する特定情報を含む来場車情報を取得する。記憶部は、施設の利用を予約している予約者の車両を特定する車両情報を含む予約情報を記憶する。判定部は、取得部で取得した来場車情報と、予約情報の車両情報とに基づき、来場車両の駐車場への入場の許否を判定する。出力部は、判定部の判定結果を出力する。
【0007】
本発明に係る施設利用管理システムは、通信装置、施設利用管理装置、及び管理サーバを備える。通信装置は、施設の駐車場に来場する来場車両施設の利用を予約している予約者の車両に搭載される。施設利用管理装置は、通信装置と無線通信を行う。管理サーバは、施設利用管理装置と通信網を介して接続される。通信装置は、自機及び来場車両の少なくとも一方を特定する特定情報を含む来場車両情報を施設利用管理装置に送信する。施設利用管理装置は、第1取得部、送信部、第2取得部、出力部を含む。第1取得部は、施設の駐車場において、通信装置から来場車両情報を取得する。送信部は、取得した来場車両情報を管理サーバへ送信する。第2取得部は、管理サーバへ来場車両情報を送信後、管理サーバから前記来場車両の入場許否を示す入場許否情報を取得する。出力部は、取得した入場許否情報を出力する。管理サーバは、記憶部、取得部、判定部を含む。記憶部は、施設の利用を予約している予約者の車両を特定するに関する車両情報を含む予約情報を記憶する。取得部は、施設利用管理装置から来場車両情報を取得する。判定部は、取得した来場車両情報と、記憶部に記憶された予約情報の車両情報とに基づき、来場車両の入場許否を判定し、判定結果に基づく入場許否情報を管理装置へ送信する。
【0008】
本発明に係るプログラムは、施設の駐車場に設置され、コンピュータを備える装置に、施設の利用を駐車場に来場する来場車両予約している予約者の車両に搭載された通信装置から来場車両を特定する特定情報を含む来場車両情報を取得する処理と、取得した来場車両情報を外部サーバへ送信する処理と、来場車両情報を外部サーバへ送信後、外部サーバから来場車両の入場許否を示す入場許否情報を取得する処理と、取得した入場許否情報を出力する出力する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ホテル等の施設の利用を予約した予約者が入館する手続きをスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る施設利用管理システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、管理サーバにおける予約DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、施設利用管理システムのチェックイン時の動作フロー図である。
【
図6】
図6は、施設利用管理システムのチェックアウト時の動作フロー図である。
【
図7】
図7は、変形例(2)における管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に係る施設利用管理システムについて説明する。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
本実施形態における施設利用管理システムは、例えば、宿泊施設の利用を事前に予約した予約者が車で宿泊施設に訪れる場合に、チェックイン及びチェックアウトのフロント業務を自動で行うものである。
【0013】
図1は、実施形態に係る施設利用管理システム1の構成を示す図である。施設利用管理システム1は、通信装置20、PC(Personal Computer)30、管理装置100(施設利用管理装置の一例)、及び管理サーバ200を含む。通信装置20は、予約者の車両2に搭載されている。PC30は宿泊施設3のフロント等に設置されている。管理装置100は、駐車場10に設置され、駐車場10のゲート120と電気的に接続されている。管理装置100、PC30、及び管理サーバ200は、インターネット等の通信網Nを介して接続されている。以下、各構成について具体的に説明する。
【0014】
(通信装置20)
通信装置20は、例えばETC(Electronic Toll Collection)2.0に対応した車載器を含む。車載器には、自装置を識別する車載器管理番号(以下、車載器ID)、及び車両2の車両番号を含む車両情報が予め記憶されている。車載器ID及び車両番号は、特定情報の一例である。車載器は、アンテナを含み、道路等に設置されたITSスポット(通信アンテナ)と無線通信を行い、交通料金収受、道路情報や観光情報等の各種情報の受信を行う。また、車載器は、アンテナを介して管理装置100から宿泊に関する各種情報(ルームNo.や支払額等)を受信したり、車両情報を管理装置100に送信したりする。通信装置20は、車載器で取得した各種情報を、車両2に搭載されたディスプレイやスピーカ(図示略)に出力する。通信装置20は、車両2に搭載され、車載器と連動可能なカーナビゲーションシステムを含んでもよい。
【0015】
(管理サーバ200)
図2は、
図1に示す管理サーバ200の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ200は、制御部210、通信部220(出力部の一例)、及び記憶部230を含む。
【0016】
記憶部230は、例えばハードディスクのような不揮発性記憶媒体である。記憶部230は、宿泊施設3の予約に関する予約DB(Database)230a(予約情報の一例)を記憶する。
【0017】
図3は、管理サーバ200における予約DB230aのデータ構造の一例を示す図である。
図3に示すように、予約DB230aは、データ項目として、「予約No.」、「予約日」、「車載器ID」、「予約名」、「連絡先」、「予約人数」、「宿泊日」、「ルームNo.」、「チェックイン日時」、「チェックアウト日時」、「請求額」、「クレジット情報」、及び「精算済」を含む。予約No.及び予約名は、予約者を識別する情報の一例であり、車載器IDは、予約者の車両を特定する車両情報の一例である。
【0018】
本実施形態において、車で宿泊施設3を訪れる予約者は、管理サーバ200と連動している宿泊施設3の予約サイトにおいて「予約名」、「車載器ID」、「連絡先」、「予約人数」、「宿泊日」、及び「クレジット情報」を事前に登録する。予約DB230aは予約サイトと連動し、予約サイトで登録された情報が予約DB230aに自動的に登録される。
【0019】
予約DB230aにおいて、「予約No.」は、予約サイトで入力されたデータが予約DB230aに登録される際に自動採番される。「予約日」には予約サイトに入力された入力日が登録される。「ルームNo.」は、例えば、予約人数に応じて、予約時点で空いている部屋のNo.が自動的に割り当てられてもよいし、宿泊施設3のスタッフによってPC30(
図1)を介して入力されてもよい。「チェックイン日時」は、ルームキーが発券された日時であり、「チェックアウト日時」は、宿泊代金等の代金が決済された日時である。「精算額」は、宿泊代金等、宿泊施設3の利用料である。「クレジット情報」は、精算額をクレジットカードで支払う場合のクレジットカード番号等である。「精算済」は、精算額の決済が完了しているか否かを示す。
図4において、決済が完了している場合「1」が入力され、決済が完了していない場合は空欄である。
【0020】
図2に戻り、通信部220は、制御部210の制御の下、通信網Nを介してPC30、及び管理装置100との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0021】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))を含む。制御部210は、CPUが、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、取得部211、判定部212、入退館記録部213、及び精算部214として機能する。
【0022】
取得部211は、通信部220を介して、管理装置100から車載器IDを含む来館車情報(来場車情報の一例)を取得する。具体的には、来館車情報は、駐車場10のゲート120の前に到着した車両2における通信装置20の車載器IDを含む。つまり、来館者情報は、チェックイン前の予約者の車両2を特定する情報である。
【0023】
判定部212は、取得部211で取得された来館者情報と、記憶部230に記憶された予約DB230aとに基づいて、車両2の入場許否を判定する。判定部212は、判定結果を示す入場許否情報(入場許可情報又は入場不許可情報)と、取得した来館車情報とを、通信部220を介して、管理装置100へ送信する。具体的には、判定部212は、予約DB230aにおいて「チェックイン日時」が空欄のレコード(以下、未入館レコード)の中に、来館車情報の車載器IDが含まれているか否かを判定する。判定部212は、未入館レコードの中に来館車情報の車載器IDが含まれている場合、車載器IDに対応する予約No.を、入館対象予約No.として特定する。判定部212は、入館対象予約No.と、入場許可を示す入場許可情報とを通信部220を介して管理装置100へ送信する。判定部212は、未入館レコードの中に来館車情報の車載器IDが含まれていない場合、入場不許可を示す入場不許可情報を通信部220を介して管理装置100へ送信する。
【0024】
入退館記録部213は、予約DB230aに登録された各予約No.に対する「チェックイン日時」及び「チェックアウト日時」を記録する。
【0025】
チェックイン日時の記録は、管理装置100から開錠通知を通信部220を介して受信し、ルームキーの発券通知を通信部220を介して受信した場合に行われる。開錠通知には、入館対象予約No.が含まれる。入退館記録部213は、開錠通知を受信した際、予約DB230aにおいて、入館対象予約No.に対応するルームNo.を含むチェックイン情報を管理装置100へ送信する。入退館記録部213は、ルームキー発券通知を受信した日時を、入館対象予約No.に対する「チェックイン日時」に記録する。
【0026】
チェックアウト日時の記録は、チェックアウトする予約者の予約No.(以下、退館対象予約No.)に対する代金決済処理が精算部214でなされた場合に行われる。入退館記録部213は、予約DB230aにおいて、代金決済処理された退館対象予約No.に対する「チェックアウト日時」に、代金決済処理が完了した日時を記録する。
【0027】
精算部214は、退館対象予約No.を含むルームキーの返却通知を管理装置100から受信した場合、退館対象予約No.に対する代金決済処理を行う。代金決済処理は、退館対象予約No.に対する宿泊代金の支払額を算出する処理と、予約DB230aにおいて退館対象予約No.に対応する「クレジット情報」に基づき通信部220を介してクレジットカード会社へ支払額の決済を依頼し、決済完了を示す決済完了通知を受信する処理とを含む。
【0028】
精算部214は、代金決済処理に基づいて駐車場10の退場許可又は退場不許可を示す退場許否情報を通信部220を介して管理装置100へ送信する。
【0029】
精算部214は、クレジットカード会社から決済完了通知を受信した場合、退場許否情報として、退館対象予約No.を含む退場許可情報を通信部220を介して管理装置100へ送信する。また、精算部214は、決済完了通知を受信できなかった場合、退場許否情報として、退場不許可情報を通信部220を介して管理装置100へ送信する。精算部214は、退場許否情報の送信とともに、算出した支払額を通信部220を介して管理装置100へ送信してもよい。
【0030】
(管理装置100)
図4は、
図1に示す管理装置100の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、管理装置100は、制御装置11、発券・返却機13、及びアンテナ130を含む。制御装置11は、制御部110、通信部140、記憶部150、及び報知部160を含む。
【0031】
アンテナ130は、例えばETC2.0に対応した通信アンテナである。アンテナ130は、例えば駐車場10のゲート12の近傍に設置され、駐車場10に来場した車両2(来場車両の一例)の通信装置20の車載器用のアンテナ(図示略)との間で通信を行う。アンテナ130は、制御部110の制御の下、各種情報を含む電波ビーコンを発信する。
【0032】
通信部140は、制御部110の制御の下、通信網Nを介してPC30及び管理サーバ200との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0033】
記憶部150は、ハードディスクなどの不揮発性記憶媒体である。記憶部150は、報知用の画像データ及び音声データ等を記憶する。報知用の画像データ及び音声データは、例えば、チェックイン時の接客用の挨拶(「いらっしゃいませ」、「ようこそ***へ」等)や、チェックアウト時の接客用の挨拶(「ありがとうございました」、「またのお越しをお待ちしています」等)を示す画像データ及び音声データを含む。
【0034】
報知部160は、表示部161及び音声出力部162を含む。表示部161は、ディスプレイを含み、制御部110の制御の下、画像を表示する。音声出力部162は、スピーカを含み、制御部110の制御の下、音声を出力する。
【0035】
発券・返却機13は、ルームキーの払い出し、及びルームキーの返却の受付を行う。本実施形態において、ルームキーは、例えば磁気カードやICカードのようなカードキーである。発券・返却機13は、発券部13a及び返却受付部13bを含む。発券部13aは、制御部110の制御の下、予め収納されたルームキーの中から、指示されたルームNo.に対応するルームキーを払い出す。返却受付部13bは、ルームキーの挿入口を備え、ルームキーが挿入口に挿入された場合、ルームキーに設定されたルームNo.を読み取り、読み取ったルームNo.を含む返却情報を制御部110へ出力する。
【0036】
制御部110は、CPU及びメモリ(ROM及びRAM)を含む。制御部110は、CPUが、メモリに記憶された入退場制御プログラムを実行することにより、車両情報送受信部111(第1取得部、及び送信部の一例)、入退場許否情報取得部112(第2取得部の一例)、開閉制御部113、発券制御部114、返却通知部115として機能する。
【0037】
車両情報送受信部111は、アンテナ130からビーコンを発信させ、チェックイン前の予約者の車両2の通信装置20と通信する。車両情報送受信部111は、アンテナ130を介して通信装置20から車両情報(来場車情報の一例)を受信し、取得した車両情報に含まれる車載器IDを抽出する。車両情報送受信部111は、抽出した車載器IDを含む来館車情報を通信部140を介して管理サーバ200へ送信する。
【0038】
入退場許否情報取得部112は、通信部140を介して、入館対象予約No.に対する入場許否情報、又は退館対象予約No.に対する退場許否情報を管理サーバ200から取得する。また、入退場許否情報取得部112は、管理サーバ200から退場許否情報とともに支払額を取得し、取得した支払額と、退場許否情報に基づくメッセージとを含むビーコンを、アンテナ130から通信装置20へ発信する。退場許否情報が退場許可情報である場合、メッセージには、記憶部150に記憶されたチェックアウト時の報知用の画像及び音声データが含まれる。退場許否情報が退場不許可情報である場合、メッセージには、例えば「代金決済が適切に行われなかったため、しばらくお待ちください。」等、待機指示を示す画像及び音声データが含まれるようにしてもよい。
【0039】
また、入退場許否情報取得部112は、入場許可情報又は退場許可情報を取得した場合、記憶部150に記憶されたチェックイン時又はチェックアウト時の報知用の画像データ及び音声データを報知部160から報知させる。
【0040】
開閉制御部113は、入退場許否情報取得部112で取得された入場許否情報又は退場許否情報に基づいて、管理装置100と電気的に接続されたゲート120の開閉を制御する。具体的には、開閉制御部113は、入場許可情報又は退場許可情報を取得した場合、ゲート120を開錠する。開閉制御部113は、入館対象予約No.に対する入場許可情報に基づいてゲート120を開錠した場合、通信部140を介して、管理サーバ200へ、入館対象予約No.を含む開錠通知を送信する。開閉制御部113は、入場不許可情報又は退場不許可情報を取得した場合、ゲート120を開錠しない。
【0041】
発券制御部114は、通信部140を介して、管理サーバ200から入館対象予約No.及びルームNo.を含むチェックイン情報を取得し、チェックイン情報に対応するルームキーを発券部13aに発券させる。発券制御部114は、ルームキーを発券後、通信部140を介して、入館対象予約No.及びルームキーNo.とともに、ルームキーが発券されたことを示す発券通知を管理サーバ200及びPC30に送信する。また、発券制御部114は、ルームNo.を含むビーコンをアンテナ130から通信装置20へ発信する。
【0042】
返却通知部115は、通信部140を介して、返却受付部13bからの返却情報を取得した場合、返却情報に含まれたルームNo.を含む返却通知を管理サーバ200へ送信する。また、返却通知部115は、通信部140を介して、PC30へ返却通知を送信する。
【0043】
(PC30)
PC30は、ディスプレイを備える。PC30は、通信網Nを介して管理サーバ200及び管理装置100と通信し、ディスプレイに顧客情報を表示する。より具体的には、PC30は、管理装置100から発券通知及び返却通知を受信する。PC30は、発券通知又は返却通知を受信した際、発券通知又は返却通知に対応する顧客情報を表示する。顧客情報は、予約DB230aにおける予約No.、予約名、宿泊日、予約人数等を含む。
【0044】
(動作)
図5は、施設利用管理システム1のチェックイン時の動作フロー図である。以下、
図1~
図5を参照しつつチェックイン時の動作について説明する。
【0045】
車両2が駐車場10のゲート120の前に到着した際、通信装置20は、アンテナ130から発信されるビーコンを受信し、車両2の車両情報をアンテナ130に送信する(ステップS11)。
【0046】
管理装置100は、車両情報送受信部111により、アンテナ130を介して車両情報の送信指示を含むビーコンを発信し、アンテナ130を介して車両2から車両情報を受信する(ステップS21)。車両情報送受信部111は、受信した車両情報に含まれる車載器IDを抽出し、車載器IDを含む来館車情報を通信部140を介して管理サーバ200へ送信する(ステップS22)。
【0047】
管理サーバ200は、取得部211により、通信部220を介して管理装置100から来館車情報を受信する(ステップS41)。
【0048】
そして、管理サーバ200は、受信した来館車情報に含まれる車載器IDと、記憶部230内の予約DB230aとを照合する(ステップS42)。具体的には、管理サーバ200は、判定部212により、予約DB230における未入館レコードから、来館者情報に含まれた車載器IDが登録されているか否か判定し、判定結果に応じた入場許否情報を通信部220を介して管理装置100に送信する。例えば、予約DB230aにおける未入館レコードにおいて、来館車情報の車載器ID“123789”が登録されている場合、判定部212により、予約No.“002”が入館対象予約No.として特定される。そして、入館対象予約No.“002”を含む入場許可情報が管理装置100へ送信される。
【0049】
来館車情報の車載器IDが未入館レコードに含まれていない場合には、判定部212により、入場不許可情報が管理装置100へ送信される。
【0050】
管理装置100は、通信部140を介して入場許否情報を受信し(ステップS23)、入場許否情報に応じてゲート120を開錠する(ステップS24)。具体的には、管理装置100は、受信した入場許否情報が入場許可情報である場合、開閉制御部113により、ゲート120を開錠する。また、管理装置100は、入場許否情報が入場不許可情報である場合、ゲート120を開錠しない。
【0051】
管理装置100は、開閉制御部113により、ゲート120を開錠した場合、通信部140を介して、管理サーバ200へ入館対象予約No.を含む開錠通知を送信する(ステップS25)。
【0052】
管理サーバ200は、通信部220を介して管理装置100から開錠通知を受信し、通信部220を介して管理装置100へチェックイン情報を送信する(ステップS44)。チェックイン情報は、例えば、入館対象予約No.“002”と、予約DB230aにおいて入館対象予約No.“002”に対応するルームNo.“203”とを含む。
【0053】
管理装置100は、発券制御部114により、通信部140を介して管理サーバ200からチェックイン情報を受信する(ステップS26)。そして、管理装置100は、発券制御部114により、チェックイン情報に基づいてルームキーを発券し、通信部140を介して、入館対象予約No.とルームNo.とを含む発券通知を管理サーバ200及びPC30へ送信するとともに、ルームNo.を含む発券通知を含んだビーコンをアンテナ130から発信する(ステップS27)。
【0054】
管理サーバ200は、入退館記録部213により、通信部220を介して管理装置100から発券通知を受信する。そして、入退館記録部213により、予約DB230において、発券通知で示された入館対象予約No.に対する「チェックイン日時」に発券通知を受信した日時を記録する(ステップS45)。
【0055】
PC30は、通信網Nを介して管理装置100から発券通知を受信し、顧客情報をディスプレイに表示する(ステップS31)。具体的には、PC30は、通信網Nを介して、発券通知で示される入館対象予約No.に対応する予約名、宿泊日、予約人数、ルームNo.とを含む顧客情報を予約DB230aから読み出し、ディスプレイに表示する。
【0056】
通信装置20は、管理装置100のアンテナ130から発信された発券通知を含むビーコンを受信し、発券通知に基づく発券情報を報知する(ステップS12)。具体的には、通信装置20は、発券情報として、発券通知に含まれるルームNo.と、ルームキーの発券を示す情報とを車両2に搭載されたディスプレイ等に出力する。これにより、予約No.“002”で登録された顧客は、車両2に乗ったまま、宿泊するルームNo.を確認し、発券・返却機13から発券されたルームキーを受け取ることができる。
【0057】
(チェックアウト動作)
次に、施設利用管理システム1におけるチェックアウト時の動作について説明する。
図6は、施設利用管理システム1のチェックアウト時の動作フロー図である。以下では、入館対象予約No.“002”に対応する顧客がチェックアウトする場合を例に説明する。
【0058】
顧客は、チェックアウトする際、駐車場10に設けられた発券・返却機13の返却用挿入口にルームキーを挿入し、発券・返却機13は、挿入されたルームキーの返却を受け付ける(ステップS211)。より具体的には、返却受付部13bにより、挿入されたルームキーのルームNo.“203”を読み取り、ルームNo.“203”を含む返却情報を管理装置100の制御部110へ出力する。
【0059】
制御部110は、返却通知部115により、返却情報を取得し、返却情報に含まれたルームNo.“203”を含む返却通知を通信部140を介して管理サーバ200とPC30とに送信する(ステップS212)。
【0060】
PC30は、通信網Nを介して返却通知を受信し、ルームキーの返却を示す返却情報と、顧客情報とをディスプレイに表示する(ステップS311)。具体的には、PC30は、通信網Nを介して予約DB230aにおける「チェックイン日時」が記録され、「精算済」に「1」が登録されていないレコード(以下、未精算レコード)から、ルームNo.“203”に対応する予約No.、予約名、宿泊日、及び予約人数の各データを読み出してディスプレイに表示する。これにより、宿泊施設3のスタッフは、チェックアウトしようとしている顧客を確認することができる。
【0061】
管理サーバ200は、通信部220を介して返却通知を受信し、精算部214により代金決済処理を行う(ステップS411)。具体的には、精算部214は、未精算レコードにおいて、返却通知で示されたルームNo.“203”に対応する予約No.“002”を退館対象予約No.として特定する。そして、精算部214は、予約DB230aにおける「宿泊日」及び「ルームNo.」等に基づき、退館対象予約No.“002”に対する支払額を算出する。そして、精算部214は、予約DB230aにおける退館対象予約No.“002”に対応する「クレジット情報」に基づいて、通信部220を介して、クレジットカード会社のサーバ(図示略)に、算出した支払額の決済問合せを行い、クレジットカード会社のサーバから決済結果を取得する。
【0062】
管理サーバ200は、精算部214により、通信部220を介して、クレジットカード会社のサーバから取得した決済結果に基づいて、退館対象予約No.“002”に対する退場許否情報と支払額とを管理装置100及びPC30へ送信する(ステップS412)。具体的には、精算部214は、決済完了通知を取得した場合、退退場許否情報として、館対象予約No.“002”を含む退場許可情報及び支払額を管理装置100及びPC30へ送信する。また、精算部214は、決済完了通知を取得できなかった場合、退場許否情報として、退館対象予約No.“002”を含む退場不許可情報と支払額とを管理装置100及びPC30へ送信する。
【0063】
管理サーバ200は、退場許可情報と支払額とを管理装置100へ送信した場合、入退館記録部213により、予約DB230aにおける退館対象予約No.“002”に対する「チェックアウト日時」を記録する(ステップS413)。
【0064】
管理装置100は、入退場許否情報取得部112により、通信部140を介して退場許否情報及び支払額を受信すると(ステップS213)、開閉制御部113により、退場許否情報に基づいてゲート120を開錠する(ステップS214)。そして、入退場許否情報取得部112は、支払額と退場許否情報に基づくメッセージとを含むビーコンをアンテナ130から発信する(ステップS215)。つまり、入退場許否情報取得部112が退場許可情報を取得した場合、開閉制御部113によりゲート120を開錠し、入退場許否情報取得部112は、支払額と、チェックアウト時の報知用の画像及び音声データを含むメッセージとを含むビーコンをアンテナ130から発信する。また、入退場許否情報取得部112が退場不許可情報を取得した場合、開閉制御部113によりゲート120を開錠せず、入退場許否情報取得部112は、支払額と、待機指示を示す画像及び音声データを含むビーコンとをアンテナ130から発信させる。
【0065】
PC30は、退館対象予約No.“002”を含む退場許否情報及び支払額を受信し、顧客情報と併せて表示する(ステップS312)。退場許否情報及び支払額は、ステップS311で表示された顧客情報に対する退場許否情報及び支払額である。PC30は、顧客情報に対し、受信した退場許否情報と支払額とを対応づけてディスプレイに表示する。これにより、宿泊施設3のスタッフは、チェックアウトしようとしている顧客の支払額の決済が適切に完了したか否かを確認することができる。
【0066】
通信装置20は、管理装置100から発信されたビーコンに含まれる支払額とメッセージとを車両2におけるディスプレイ等により報知する(ステップS111)。これにより、顧客は、車両2に乗ったまま、支払額を確認し、チェックアウト手続きが適切に完了したか否かを確認することができる。
【0067】
施設利用管理システム1では、宿泊施設3を事前に予約した顧客のチェックインからチェックアウトまでの全ての手続を、顧客が車両2に乗ったまま自動で行う。そのため、顧客は、宿泊施設3のフロントでチェックインやチェックアウトの手続のために並ぶ必要がない。また、宿泊施設3のスタッフは、駐車場10でルームキーを発券し、チェックインした顧客の顧客情報をPC30で確認することができる。そのため、宿泊施設3のスタッフは、駐車場10でチェックインを終えて宿泊施設3に到着した顧客の出迎えや宿泊する部屋への誘導などをスムーズに行うことができる。また、宿泊施設3のスタッフは、駐車場10でルームキーを返却した顧客の顧客情報と、ルームキーを返却した顧客の支払額の決済が適切に完了したか否かをPC30で確認することができる。そのため、宿泊施設3のスタッフは、支払額の決済が適切に完了していない顧客への対応をスムーズに行うことができる。
【0068】
以上、図面(
図1~
図6)を参照して本発明に係る施設利用管理システムの実施形態について説明した。但し、施設利用管理システムは、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を説明する。
【0069】
[変形例]
(1)実施形態において、予約DB230aにルームNo.が予め設定されているが、例えば、宿泊施設3のPC30から管理装置100へルームNo.を送信してもよい。この場合、管理サーバ200の判定部212は、管理装置100とPC30とに入場許可情報を送信する。PC30は、ディスプレイに入場許可情報を表示し、宿泊施設3のスタッフが、入場許可情報で示された入館対象予約No.に対してルームNo.を割り当てる。そして、宿泊施設3のスタッフにより、入館対象予約No.に対して割り当てたルームNo.をPC30に入力し、PC30から管理装置100へ送信してもよい。管理装置100は、PC30から送信されたルームNo.のカードキーを発券・返却機13にて発券する。
【0070】
(2)施設利用管理システム1において、管理装置100の制御部110は、管理サーバ200の判定部212、入退館記録部213、及び精算部214と同等の機能を有してもよい。
図7は、本変形例における管理装置100Aの概略構成を示すブロック図である。
図7において、実施形態の管理装置100と同じ構成には実施形態と同じ符号が付されている。
図7に示すように、管理装置100Aは、
図4に示す管理装置100の構成に加え、制御部110Aにおいて、判定部1212、入退館記録部1213、及び精算部1214を含む。管理装置100Aにおいて、報知部160は、判定部1212における判定結果を出力する出力部の一例である。なお、
図7に示すように、管理装置100Aにおいて、記憶部150に予約DB230aが記憶されてもよいし、管理装置100Aと通信接続された外部装置(図示略)に予約DB230aが記憶されてもよい。
【0071】
(3)実施形態において、予約DB230aに車載器IDが登録されているが、車両2を特定する情報であればこれに限定されない。例えば、車両2のナンバープレートに記載された車両番号であってもよいし、車両2の車検番号であってもよい。又は、車両情報は、車載器ID、車両番号、及び車検番号のうち少なくとも2つを含んでもよい。また、通信装置20から管理装置100へ送信される車両情報として、車両番号又は車検番号が含まれていてもよい。また、管理装置100は、車両番号を車両情報として取得する場合、例えば、ゲート120に設置したカメラで車両2のナンバープレートを撮影し、撮影データから車両2の車両番号を取得してもよい。
【0072】
(4)実施形態では、宿泊施設3を例に説明したが、事前に予約可能な施設であって、予約者の車両で来場可能な施設であればこれに限定されない。
【0073】
(5)実施形態では、アンテナ130から電波ビーコンを発信するが、光ビーコンを発信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、宿泊施設やスポーツ施設等の入館等の手続きに利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 :施設利用管理システム
11、11A :制御装置
13 :発券・返却機
13a :発券部
13b :返却受付部
20 :通信装置
100、100A :管理装置
110、210、110A :制御部
111 :車両情報送受信部
112 :入退場許否情報取得部
113 :開閉制御部
114 :発券制御部
115 :返却通知部
130 :アンテナ
140、220 :通信部
150 :記憶部
160 :報知部
200 :管理サーバ
211 :取得部
212、1212 :判定部
213、1213 :入退館記録部
214、1214 :精算部
230 :記憶部
230a :予約DB