(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】読取装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241127BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241127BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/01 311
G06F3/16 690
(21)【出願番号】P 2021040234
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 修
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-156933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像により撮像画像を得る撮像部と、前
記撮像画像から商品を認識する第1認識部と、前記第1認識部が商品を認識すると音声を発する音声出力部と、を備える第1装置と、前記第1装置と別体であって、前記第1認識部とは異なる手法で前記撮像画像から商品を認識する第2認識部を備える第2装置と、を含む読取装置において、
前記撮像部は、撮像により撮像画像を得ると、当該撮像画像を前記第1認識部および前記第2認識部に順次出力し、
前記第1認識部は、前記撮像部から撮像画像の出力を受けると、当該撮像画像に含まれるコードシンボルをデコードした情報に基づいて商品を認識し、
前記第2認識部は、前記撮像部から撮像画像の出力を受けると、当該撮像画像に写っている物体の特徴量に基づいて商品を認識し、
前記第2装置は、前記第2認識部が商品を認識すると前記音声出力部を鳴らすための音声データを出力する第2音声発生部を備え、
前記第1装置は、
前記第1認識部が商品を認識すると前記音声出力部を鳴らすための音声データを出力する第1音声発生部と、
前記第2音声発生部が出力する音声データを前記第1装置に取り込む入力部と、
前記入力部が取り込んだ音声データと前記第1音声発生部が出力した音声データとを前記音声出力部に入力する音声ミキサと、
を備える読取装置。
【請求項2】
前記第2音声発生部は、アナログデータである音声データを出力し、
前記入力部は、アナログ音声データ入力用のコネクタである
請求項
1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記第2音声発生部は、デジタルデータである音声データを出力し、
前記入力部は、USB端子である
請求項
1に記載の読取装置。
【請求項4】
前記第1装置および前記第2装置を内蔵し、前記第1認識部または前記第2認識部が認識した商品の情報を販売データとして登録する登録処理と、前記販売データの決済処理と、を行うセルフチェックアウト装置である
請求項1~
3のいずれか1つに記載の読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、販売する商品の情報を登録する販売データ登録処理において、商品を識別する手法として複数の手法が併用されることがある(例えば特許文献1)。併用される商品識別の手法は、例えば、バーコード等のコードシンボル認識による商品識別と、オブジェクト認識による商品識別である。コードシンボル認識による商品識別は、撮像部が出力する画像(撮像画像)に含まれるコードシンボルをデコードすることにより行われる。また、オブジェクト認識による商品識別は、商品の外観の特徴量を撮像画像に基づいて算出し、この算出した特徴量をデータベースに問合せることにより行われる。
【0003】
上述のように複数の手法を併用するにあたり、従来、処理の負荷を分散する等の都合から、例えば縦型スキャナとPOS端末などのような別体の装置で、各手法を分担することがある。この場合、商品を認識したことを操作者に報知するための音声(認識音)を発するためのスピーカーは、各々の装置が備える。スピーカーは、発する音を操作者が聞き取れるような位置に設けなければならないため、筐体を設計する際の制限が多く、設計負担が大きい部品である。このような部品が複数あると設計負担が増大することとなり、好ましくない。
【0004】
また、コードシンボルがデコードできた場合と、オブジェクト認識により特徴量が得られた場合とで、別々の装置が認識音を発するので、操作者にとっては、どの商品も同様に撮像部にかざしているにもかかわらず報知音は時により別の場所から聞こえるといった事態となり、違和感や戸惑いの原因となっている。
【0005】
なお、POS端末と縦型スキャナとを例に説明したが、そのような構成の場合に限らず、商品を識別する複数の手法を別体(一体でないもの)で担当するよう構成されている場合に、共通の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、商品を識別する複数の手法を別体で行う構成において商品識別の手法によらず同じ場所で認識音を発することができる読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の読取装置は、第1装置と、第2装置とを含む。第1装置は、撮像により撮像画像を得る撮像部と、前記撮像画像から商品を認識する第1認識部と、前記第1認識部が商品を認識すると音声を発する音声出力部と、を備える。第2装置は、前記第1装置と別体であって、前記第1認識部とは異なる手法で前記撮像画像から商品を認識する第2認識部を備える。前記撮像部は、撮像により撮像画像を得ると、当該撮像画像を前記第1認識部および前記第2認識部に順次出力する。前記第1認識部は、前記撮像部から撮像画像の出力を受けると、当該撮像画像に含まれるコードシンボルをデコードした情報に基づいて商品を認識する。前記第2認識部は、前記撮像部から撮像画像の出力を受けると、当該撮像画像に写っている物体の特徴量に基づいて商品を認識する。前記第2装置は、前記第2認識部が商品を認識すると前記音声出力部を鳴らすための音声データを出力する第2音声発生部を備える。前記第1装置は、前記第1認識部が商品を認識すると前記音声出力部を鳴らすための音声データを出力する第1音声発生部と、前記第2音声発生部が出力する音声データを前記第1装置に取り込む入力部と、前記入力部が取り込んだ音声データと前記第1音声発生部が出力した音声データとを前記音声出力部に入力する音声ミキサと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るチェックアウト装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、チェックアウト装置の基本的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、縦型スキャナおよびPOS端末の特徴的な構成およびデータの流れを示す図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る縦型スキャナおよびPOS端末の特徴的な構成およびデータの流れを示す図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態に係るセルフチェックアウト装置の構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下に添付図面を参照して、読取装置の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るチェックアウト装置1の一例を示す斜視図である。チェックアウト装置1は、読取装置の一例であって、POS(Point Of Sales)端末10と、POS端末10に接続された縦型スキャナ101とを備えている。POS端末10は、第2装置の一例であって、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等で、販売データの登録処理に用いられる。縦型スキャナ101は、第1装置の一例であって、POS端末10に接続して用いられる。
【0010】
縦型スキャナ101は、商品に関する情報(商品情報)の入力を受け付ける装置であって、撮像により得られる画像(撮像画像)から情報を読み取ることで商品を認識したり、操作者の手入力で商品情報を受け付けたりする。POS端末10は、一取引に係る商品の登録や精算を行う。また、POS端末10は、縦型スキャナ101から入力される撮像画像に基づいて一般物体認識(オブジェクト認識)を行うことで、商品の認識を行う。なお、本実施形態では、一例として、一般物体認識の対象の物品(対象物品)が商品である場合について説明するが、対象物品は商品以外の物品であってもよい。
【0011】
POS端末10は、チェックアウト台41上のドロワ21上面に載置される。ドロワ21は、POS端末10により開放動作が制御される。POS端末10は、キーボード22、第1表示器23、第2表示器24、タッチパネル26を備えている。キーボード22は、POS端末10の上面に設けられ、操作者(店員)によって操作される。第1表示器23は、例えば液晶ディスプレイであって、キーボード22を操作する操作者から見てキーボード22よりも奥側に設けられ、主に操作者に向けた各種情報を表示する。タッチパネル26は、第1表示器23の表示面に重ねて設けられ、第1表示器23の表示内容に応じた各種操作を受け付ける。第2表示器24は、第1表示器23よりも更に奥側に、回転可能に立てて設けられている。第2表示器24は、
図1中手前側に向けられているが、回転により
図1中奥側に向けられ、主に顧客に向けた各種情報を表示する用途に用いられる。
【0012】
カウンタ台151は、横長テーブル状であって、POS端末10が載置されているチェックアウト台41とL字を形成するよう配置される。カウンタ台151には、商品を収納する買物カゴ153が載置される。なお、買物カゴ153は、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレー等であってもよい。または、買物カゴ153は、箱状や袋状等であってもよい。買物カゴ153には、顧客が持ち込む第1の買物カゴ154と、第1の買物カゴ154から縦型スキャナ101を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ155とがある。
【0013】
縦型スキャナ101は、カウンタ台151の中央部且つ操作者の立ち位置から見て奥側に、設置される。縦型スキャナ101は、POS端末10とデータ送受信可能に接続される。縦型スキャナ101は、薄型矩形形状のハウジング102と、ハウジング102の正面に設けられた読取窓103とを備え、ハウジング102の内部且つ読取窓103の奥側に、撮像部113(
図2参照)を内蔵している。また、ハウジング102の上部には、操作表示部104が取り付けられている。
【0014】
操作表示部104は、タッチパネル105が表面に積層された第1表示器106を備える。縦型スキャナ101は、第1表示器106の右隣にキーボード107を備える。縦型スキャナ101は、キーボード107の右隣には、カードリーダ111(
図2参照)のカード読取溝108を備える。縦型スキャナ101は、操作者の立ち位置から見て操作表示部104の裏面左奥側には、顧客に向けて情報を提供する第2表示器109を備える。
【0015】
第1表示器106は、例えば液晶ディスプレイであって、主に操作者に向けた各種情報を表示する。タッチパネル105は、第1表示器106の表示内容に応じた各種操作を受け付ける。第2表示器109は、例えば液晶ディスプレイであって、主に顧客に向けた各種情報を表示する用途に用いられる。
【0016】
第1の買物カゴ154には、一取引に係る商品が収納されている。縦型スキャナ101を操作する操作者は、第1の買物カゴ154内の商品を第2の買物カゴ155に移動する。操作者は、この移動過程において、商品を縦型スキャナ101の読取窓103にかざす。この際、読取窓103内に配置された撮像部113(
図2参照)は、商品を撮像する。
【0017】
図2は、本実施形態にかかるチェックアウト装置1の基本的な構成を示すブロック図である。チェックアウト装置1は、POS端末10と、POS端末10に接続された縦型スキャナ101とを備えている。
【0018】
POS端末10は、情報処理を実行するマイクロコンピュータ(制御部60)を備える。制御部60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0019】
また、POS端末10のCPU61には、ドロワ21、キーボード22、第1表示器23、タッチパネル26、第2表示器24が、各種の入出力回路を介して接続されている。
【0020】
POS端末10のCPU61には、HDD(Hard Disk Drive)64が接続されている。HDD64は、プログラム641や各種ファイルを記憶する。HDD64に記憶されているプログラム641は、POS端末10の起動時に、その全部または一部がCPU61により実行される。HDD64に記憶されているプログラム641の一例は、商品販売データ処理用のプログラム641である。HDD64に記憶されているファイルの一例は、商品マスタファイル642や辞書ファイル643である。商品マスタファイル642や辞書ファイル643は、開店前等の所定のタイミングでストアコンピュータSCから配信されて、HDD64に格納される。また、HDD64には、売上マスタファイル等も記憶されている。なお、HDD64は、記憶装置であればよく、SSD(Solid State Drive)などの他の記憶媒体で構成された記憶装置であってもよい。
【0021】
商品マスタファイル642は、店舗に陳列して販売する各商品についての売上登録に用いる情報を格納するファイルであって、例えば、商品を識別可能にする商品コードに関連付けて商品名や価格等の商品情報を記憶している。辞書ファイル643は、複数の商品の特徴量の基準値を、商品コードに関連付けて記憶するものである。
【0022】
POS端末10のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信I/F(Interface)25が入出力回路を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。なお、ストアコンピュータSCのHDDには、POS端末10に配信される商品マスタファイル642が格納されている。
【0023】
さらに、POS端末10のCPU61には、縦型スキャナ101との間でデータ送受信を可能にする接続I/F65が接続されている。接続I/F65には、縦型スキャナ101が接続されている。また、POS端末10のCPU61には、レシートなどに印字するプリンタ66が接続されている。プリンタ66は、CPU61の制御の下、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0024】
縦型スキャナ101は、CPU161とROM162とRAM163とがバス接続されているマイクロコンピュータ(制御部160)を備えている。ROM162は、本実施形態にかかるプログラム164を格納している。CPU161には、各種バスやI/Fを介して、照明部112、撮像部113、音声出力部114等が接続されており、これら各部の動作を制御する。制御部160は、接続I/F175を介してPOS端末10と接続されている。
【0025】
音声出力部114は、予め設定された警告音などの音声を発生するための音声回路とスピーカーなどである。照明部112は例えば複数のLED(Light Emitting Diode)をライン状に並べて構成されている。照明部112は、制御部160から入力される発光制御信号に応じてパルス発光し、撮像部113の撮像領域を照らす。なお、照明部112はその他の発光素子で構成されてもよい。
【0026】
撮像部113は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(撮像素子ともいう)と、レンズ等の光学素子と、を備えた撮像装置である。撮像部113は、撮像制御信号に基づくフレームレート(1秒間に読み込まれるフレーム数)でフレーム画像をRAM163に順次読み込む。
【0027】
また、撮像部113は、撮像により得た画像データ(即ち撮像画像)を、縦型スキャナ101の制御部160とPOS端末10の制御部60とに、順次出力する。
【0028】
また、CPU161には、接続I/F175、176を介して、店員用の操作表示部104と、客用の第2表示器109とが接続されている。なお、操作表示部104および第2表示器109は、接続I/F176およびPOS端末10の接続I/F65を介して、POS端末10のCPU61に接続されている。
【0029】
図3は、縦型スキャナ101およびPOS端末10の特徴的な構成およびデータの流れを示す図である。縦型スキャナ101は、USB端子171とアナログ音声用コネクタ172(入力部の一例)とをさらに備える。縦型スキャナ101の制御部160は、撮像制御部611、商品コード認識部612(第1認識部の一例)、スキャン音発生部613(第1音声発生部の一例)、音声ミキサ614として機能する。
【0030】
撮像制御部611は、撮像部113を制御し、撮像部113が撮像した画像(撮像画像)を商品コード認識部612に出力する。商品コード認識部612は、撮像画像に含まれる例えばバーコードや二次元コード等のコードシンボルをデコードして、商品コードを得る。
【0031】
スキャン音発生部613は、商品コード認識部612がコードシンボルをデコードすると、商品が認識された旨を操作者に報知するために、音声ミキサ614に、音声出力部114が認識音を発するための音声データを出力する。ここで、認識音は、商品を認識したことを操作者に報知するための音声である。音声ミキサ614は、入力された音声データを音声出力部114に出力する。音声出力部114は、音声データが入力されることにより音声を発する。
【0032】
なお、商品コード認識部612は、商品マスタファイル642を参照して、コードシンボルから得た商品コードに該当する商品の情報(商品情報)を、取得する。
【0033】
POS端末10の制御部60は、物体認識部601(第2認識部の一例)として機能し、POS音源602(第2音声発生部の一例)を備える。
【0034】
物体認識部601は、一般物体認識処理(いわゆるオブジェクト認識処理)を行う。一般物体認識処理の一例において、物体認識部601は、まず、撮像部113で撮像された商品300の撮像画像から、当該商品300の外観の特徴を示す特徴量を抽出する。特徴量の抽出において、物体認識部601は、まず、USB端子171経由で撮像部113の撮像画像を取得し、当該撮像画像に含まれた商品300を表す画像領域を検出する。
【0035】
画像領域の検出において、物体認識部601は、撮像画像を2値化した画像から輪郭線等を抽出する。或いは、物体認識部601は、予め用意された背景画像から抽出した輪郭線と、撮像画像から抽出した輪郭線との差分に基づいて商品300を検出する。ここで、背景画像は、商品300が含まれていない背景を撮像部113が撮像した画像である。これにより、物体認識部601は、背景画像の輪郭線にはない輪郭線を撮像画像から抽出することで、商品300が表された画像領域を検出する。
【0036】
画像領域が検出されると、物体認識部601は、撮像画像から検出した商品300の画像領域から、当該商品300の特徴量を抽出する。特徴量は、例えば、商品300の形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等の外観上の特徴をパラメータ化した情報である。
【0037】
撮像された商品から特徴量が抽出されると、物体認識部601は、抽出した特徴量を、辞書ファイル643が記憶する特徴量の基準値と照合し、各基準値と商品300の特徴量との類似度を算出する。そして物体認識部601は、例えば、商品300の特徴量との類似度が最も高い基準値に関連付けられた商品コードを、商品300の商品コードであるとして、一般物体認識処理を終える。
【0038】
POS音源602は、物体認識部601が一般物体認識処理により商品を認識した旨を示す信号を出力すると、認識音用のアナログ音声データを出力する。このPOS音源602が出力したアナログ音声データは、アナログ音声用コネクタ172を介して音声ミキサ614に入力される。音声ミキサ614は、入力された音声データを音声出力部114に出力する。音声出力部114は、音声データが入力されることにより音声を発する。
【0039】
なお、物体認識部601は、商品マスタファイル642を参照して、一般物体認識処理により得た商品コードに該当する商品の情報(商品情報)を、取得する。
【0040】
このように、本実施形態によれば、商品を識別する複数の手法を別体で行う構成において、商品識別の手法によらず同じ場所で認識音を発することができる読取装置を提供することができる。つまり、コードシンボルの認識によって商品が認識された場合と、一般物体認識処理によって商品が認識された場合とのどちらの場合にも、縦型スキャナ101が備える音声出力部114によって、認識音を発することができる。
【0041】
これにより、一つの音声出力部114によって、従来は2つであったスピーカーの機能が兼ねられるので、本実施形態によれば、筐体の設計負担を軽減することができる。
【0042】
また、これにより、操作者は、どちらの商品識別の手法が用いられたのかによらず、商品を読取窓103にかざすという同じ動作に対して、同じ場所(音声出力部114)から認識音が聞こえるという同じ結果を得ることができる。よって、本実施形態によれば、従来のような違和感や戸惑いの原因をなくすことができる。
【0043】
なお、本実施形態では、POS端末10と縦型スキャナ101とにより読取装置が構成された例について説明したが、実施にあたってはこのような構成の読取装置に限らない。例えば、読取装置が、セルフチェックアウト装置であってもよい。
【0044】
また、本実施形態では、物体認識部601とPOS音源602とをPOS端末10が備える例について説明したが、実施にあたってはこれに限らず、例えば、パーソナルコンピュータのような一般的なコンピュータ構成の情報処理装置が、物体認識部601とPOS音源602とを備えていてもよい。
【0045】
さらに、本実施形態では、縦型スキャナ101が撮像およびコードシンボル認識処理を行う例について説明したが、実施にあたってはこれに限らず、例えば、ハンディタイプのスキャナや、据え置き型のスキャナ、カメラを備える携帯端末(スマートフォンやタブレット型端末)が撮像およびコードシンボル認識処理を行うのであってもよい。
【0046】
(第2実施形態)
次に、読取装置の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態に示される同様の構成については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る縦型スキャナ101およびPOS端末10の特徴的な構成およびデータの流れを示す図である。
【0047】
本実施形態では、POS音源602は、認識音用の音声データとして、デジタルデータである音声データを出力する。POS音源602が出力した音声データは、USB端子171を経由して、音声ミキサ614に入力される。
【0048】
このような実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、読取装置の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態に示される同様の構成については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置200の構成の一例を示す斜視図である。
【0050】
セルフチェックアウト装置200の本体202は、タッチパネル105が表面に配設された第1表示器106や、商品の種別等を認識(識別)するために商品画像を読み取る商品読取部210を備える。商品読取部210は、顧客が商品に付されたコードシンボルを商品読取部210の読取窓103にかざすことで商品画像を撮像部113により読み取る。また、セルフチェックアウト装置200の本体202は、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための釣り銭器201を備える。
【0051】
さらに、セルフチェックアウト装置200は、本体202の右側に、かごに入った未精算の商品を置くための商品載置台203を備え、本体202の左側に、精算済みの商品を置くための商品載置台204を備える。商品載置台204は、精算済みの商品を入れるための袋を掛ける袋掛けフック205や、精算済みの商品を袋に入れる前に一時的に置いておくための一時置き台206を備える。商品載置台203、204は、計量器207、208がそれぞれ備えられており、精算の前後で商品の重量が同じであることを確認する機能を有する。
【0052】
ここで、セルフチェックアウト装置200は、第1装置および第2装置を内蔵し、第1認識部(商品コード認識部612)または第2認識部(物体認識部601)が認識した商品の情報を販売データとして登録する登録処理と、販売データの決済処理と、を行う読取装置の一例である。なお、上記第1装置は、前実施形態における縦型スキャナ101に相当する機能を有する構成であって、上記第2装置は、前実施形態におけるPOS端末10に相当する機能を有する構成である。
【0053】
このようなセルフチェックアウト装置200によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0054】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 …チェックアウト装置(読取装置)
10 …POS端末(第2装置)
21 …ドロワ、22…キーボード
23 …第1表示器、24…第2表示器、26…タッチパネル
41 …チェックアウト台
60 …制御部、61 …CPU、62…ROM、63…RAM
64 …HDD
65 …接続I/F
66 …プリンタ
101…縦型スキャナ(第1装置)
102…ハウジング、103…読取窓
104…操作表示部、105…タッチパネル、106…第1表示器、107…キーボード
108…カード読取溝、109…第2表示器、111…カードリーダ
112…照明部、113…撮像部、114…音声出力部
151…カウンタ台、153~155…買物カゴ
160…制御部、161…CPU、162…ROM、163…RAM
171…USB端子(変形例における入力部)
172…アナログ音声用コネクタ(入力部)
175,176…接続I/F
200…セルフチェックアウト装置(読取装置)
201…釣り銭器、202…本体、203,204…商品載置台、
205…袋掛けフック、206…一時置き台、207…計量器、210…商品読取部
300…商品(物品)
601…物体認識部(第2認識部)、602…POS音源(第2音声発生部)
611…撮像制御部、612…商品コード認識部(第1認識部)、
613…スキャン音発生部(第1音声発生部)、614…音声ミキサ
641…プログラム、642…商品マスタファイル、643…辞書ファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】