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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20241127BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B65D47/34 100
B65D83/00 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021043552
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143171
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-063781(JP,A)
【文献】特開平06-239359(JP,A)
【文献】実開平04-122662(JP,U)
【文献】特表2020-506116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0048678(US,A1)
【文献】米国特許第07988020(US,B2)
【文献】実開平06-014082(JP,U)
【文献】特開2002-306213(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物を収容する収容袋と、
前記収容袋から流入した液状物を貯留する液ポンプ室を形成する弾性変形可能な蓋部と、
一側に前記蓋部が取り付けられ、他側に前記収容袋が取り付けられる本体部と、
前記蓋部の弾性変形に応じて前記液ポンプ室から流出した液状物を吐出する吐出口と、
前記一側に突出しており、前記収容袋に液状物を供給するための注入口として機能する開口を有する筒部と、
を有し、
前記本体部は、前記収容袋から前記液ポンプ室に液状物が流入する流路を形成する流入口を有し、
前記流入口は、前記筒部よりも、前記蓋部から見て前記収容袋が位置する側に形成されている、ポンプ装置。
【請求項2】
前記注入口を開閉するキャップを有する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
記キャップは螺合により前記筒部に着脱可能に取り付けられる、請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記流入口から前記液ポンプ室に液状物が流入すると、前記収容袋の容積が縮小する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記本体部と共に前記収容袋を囲うカバー部材をさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記ポンプ装置の平面視において、前記蓋部の中心位置は、前記本体部の中心位置と異なる、請求項1~のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載のポンプ装置と、
前記ポンプ装置を支持し、対象物に装着される装着部と、
を備える、装着型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハンドソープ、ボディーソープおよびトリートメントなどの液状物を収容し、当該液状物を吐出する容器が広く普及している。ある種の容器は、例えば、液状物を収容する容器本体、容器本体に対して昇降する液ピストン部、液ピストン部の上昇に伴って容器本体に収容されている液状物が流入する液室、および液ピストン部の下降に伴って液室の液状物を吐出する吐出口を有する。他の種の容器としては、例えば特許文献1に記載されているように、液ピストン部に代えて弾性変形可能なドームを有する容器が知られている。このような容器では、ドームの押圧により、吐出口から液状物が吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-63781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の容器は、据え置いて使用されることに適した設計となっていた。
【0005】
本発明は、携帯性に優れるポンプ装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点は、液状物を収容する収容袋と、前記収容袋から流入した液状物を貯留する液ポンプ室を形成する弾性変形可能な蓋部と、一側に前記蓋部が取り付けられ、他側に前記収容袋が取り付けられる本体部と、前記蓋部の弾性変形に応じて前記液ポンプ室から流出した液状物を吐出する吐出口と、を有する、ポンプ装置に関する。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明のポンプ装置は、携帯性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態によるバンド型装置10の外観構成を示す説明図である。
図2】バンド30の外観構成を示す説明図である。
図3】本発明の一実施形態によるポンプ装置20の外観構成を示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態によるポンプ装置20の外観構成を示す説明図である。
図5】ポンプ装置20の図1に示したI-I線断面を示す説明図である。
図6】ポンプ装置20が液状物を吐出する動作を示す説明図である。
図7】収容袋222の変形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<バンド型装置の概略構成>
本発明の一実施形態は、使用者に装着されるバンド型装置に関し、特に、液状物を吐出するポンプ装置を有するバンド型装置に関する。以下、図1を参照し、本発明の一実施形態によるバンド型装置10の概略構成を説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるバンド型装置10の外観構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の一実施形態によるバンド型装置10は、ポンプ装置20およびバンド30を備える。
【0012】
(ポンプ装置20)
ポンプ装置20は、液状物を収容する。また、ポンプ装置20は、図1に示したように、弾性変形可能な液ドーム230および吐出口250を有する。使用者が液ドーム230を押圧すると、液ドーム230が変形し、吐出口250から液状物が吐出される。
【0013】
なお、ポンプ装置20に収容される液状物は、液体、ゲルまたはペーストであってもよい。液体、ゲルおよびペーストは、いずれも流動性を有する点で共通するが、液体は一定の形を有さず、ゲルおよびペーストは半固形であり一時的には一定の形を有し得る。具体的には、容器本体20に収容される液状物は、消毒液であってもよい。その他、容器本体20に収容される液状物は、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディーソープ、化粧液、薬剤、液体調味料等であってよい。
【0014】
(バンド30)
バンド30は、ポンプ装置20を支持しつつ、巻き付きにより対象物に装着される。バンド30は、例えば、使用者の腕に巻き付き、使用者の腕に装着される。このため、使用者は、バンド型装置10を容易に携帯することが可能である。また、上述したようにポンプ装置20に消毒液が収容される場合、使用者は外出先にて液ドーム230を押圧することで容易に一定量の消毒液を使用することが可能である。
【0015】
ここで、図2を参照して、バンド30の構成をより具体的に説明する。
【0016】
図2は、バンド30の外観構成を示す説明図である。図2に示したように、バンド30は、支持部310と、第1バンド部320と、第2バンド部330と、を有する。
【0017】
支持部310は、開口312を形成する。当該開口312にポンプ装置20が挿入される。図2においては、平面視における開口312の形状が円形である例を示しているが、開口312の形状は円形に限定されず、ポンプ装置20の形状に対応するように他の形状で開口312が形成されてもよい。
【0018】
また、開口312の周縁を形成する支持部310の内壁は、開口312の深さ方向において互いに離隔する複数の溝が形成されている。具体的には、支持部310の内壁には、第1溝部314、第2溝部315および第3溝部316が形成されている。第1溝部314は、対向する一対の溝であり、第2溝部315および第3溝部316は、支持部310の内壁の一周に亘って形成されている溝である。
【0019】
第1バンド部320は、支持部310の一側から延設されている。第1バンド部320の先端部には、後述する孔332に挿入されるピン322が設けられている。
【0020】
第2バンド部330は、支持部310の他側から延設されている。第1バンド部320の先端部には、第1バンド部320が差し込まれる差し込み穴331が形成されている。また、差し込み穴331と支持部310の間には複数の孔332が形成されている。
【0021】
使用者は、第1バンド部320および第2バンド部330を腕に巻き付けながら第1バンド部320を差し込み穴331に差し込み、ピン322をいずれかの孔332に差し込むことにより、バンド30を腕に装着することが可能である。
【0022】
<ポンプ装置20の構成>
以上、本発明の一実施形態によるバンド型装置10の概略構成を説明した。続いて、ポンプ装置20の構成をより具体的に説明する。
【0023】
(外観構成)
図3および図4は、本発明の一実施形態によるポンプ装置20の外観構成を示す説明図である。より具体的には、図3はキャップ260が取り付けられている状態におけるポンプ装置20の外観構成を示し、図4はキャップ260が取り外されている状態におけるポンプ装置20の外観構成を示している。
【0024】
図3および図4に示したように、本発明の一実施形態によるポンプ装置20は、本体部210、カバー部材220、液ドーム230、リング240、吐出口250およびキャップ260を有する。本体部210、カバー部材220、リング240、吐出口250およびキャップ260は、例えばPP(polypropylene)のような樹脂で形成され、液ドーム230はエラストマーまたはシリコンのような弾性変形可能な素材で形成され得る。
【0025】
本体部210は、ポンプ室外筒部212、注入口筒部216および注入口217を有する。ポンプ室外筒部212および注入口筒部216は本体部210の上側に突出している筒部である。注入口217は、注入口筒部216の開口である。本体部210の他側には、液状物を収容する収容袋(図5における収容袋222)および当該収容袋を囲うカバー部材220が取り付けられている。
【0026】
なお、本明細書においては、本体部210から見てカバー部材220が位置する側または方向を上下方向(図3に示したZ軸方向)における下側または下方向と称し、それらの反対側を上側または上方向と称する場合がある。また、吐出口250から液状物が吐出される方向を前後方向(図3におけるX軸方向)における前方向と称し、前方向の反対側を後ろ側と称する場合がある。また、上下方向および前後方向に直交する方向を幅方向(図3におけるY軸方向)と称する場合がある。
【0027】
カバー部材220は、液状物を収容する収容袋を本体部210と共に囲う。カバー部材220の外壁には、第1凸部224、第2凸部225および第3凸部226が上下方向に離隔して形成されている。図3および図4においては1つの第1凸部224が示されているが、カバー部材220の幅方向における両側に第1凸部224が形成されている。第2凸部225および第3凸部226は、カバー部材220の外周の一周に亘って形成されている凸部である。ポンプ装置20がバンド30に挿入される際に、第1凸部224、第2凸部225および第3凸部226が、それぞれ、図2を参照して説明した第1溝部314、第2溝部315および第3溝部316に嵌合することにより、バンド30がポンプ装置20に支持される。
【0028】
液ドーム230は、蓋部の一例であり、収容袋から流入した液状物を一時的に貯蔵する液ポンプ室を形成する。液ドーム230は、ポンプ室外筒部212の内側に配置され、リング240と本体部210に挟持される。液ドーム230は、使用者の押圧により液ポンプ室の体積を減らすように変形し、押圧の開放により元の形状に復帰する。図3に示したように、平面視において、液ドーム230(液ポンプ室)の中心位置は、本体部210の中心位置と異なり、液ドーム230は本体部210において偏った位置に形成されている。
【0029】
リング240は、環状の部材である。環状は、ある領域を取り囲う形状であり、当該形状は円形であってもよいし、角形であってもよく、また、全体に亘って連続していてもよいし、断続的であってもよい。リング240が液ドーム230の縁部の上からポンプ室外筒部212の内側に押し込まれることにより、液ドーム230の縁部が固定される。
【0030】
吐出口250は、液状物を吐出する開口である。吐出口250は、液ドーム230の弾性変形に応じて液ポンプ室から流出した液状物を吐出する。
【0031】
キャップ260は、注入口217を開閉するために注入口筒部216に着脱可能に取り付けられる部材である。具体的には、キャップ260は内周に螺合部を有し、当該螺合部が注入口筒部216の外周に形成されている螺合部に螺合することにより、キャップ260が注入口筒部216に取り付けられる。なお、注入口217は収容袋に繋がっている。このため、使用者は、キャップ260を注入口筒部216から取り外した状態において、例えばスポイトなどを用いて注入口217に液状物を注入することにより、収容袋に液状物を補充することが可能である。
【0032】
(内部構成)
続いて、図5を参照して、本発明の一実施形態によるポンプ装置20の内部構成を説明する。
【0033】
図5は、ポンプ装置20の図1に示したI-I線断面を示す説明図である。図5に示したように、ポンプ装置20の本体部210は、液ポンプ室内筒部211、液ポンプ室外筒部212、下側内筒部214、下側外筒部215、注入口筒部216、流入口218および流出口219を有する。
【0034】
液ポンプ室内筒部211は、ポンプ装置20の上側に突出している筒部である。液ポンプ室外筒部212は、液ポンプ室内筒部211を囲うように液ポンプ室内筒部211の外側に形成されている。これら液ポンプ室内筒部211と液ポンプ室外筒部212の間には溝が形成される。当該溝に液ドーム230の縁部が嵌合し、さらに当該溝にリング240が液ドーム230の縁部の上から押し込まれることにより、液ドーム230の縁部が固定される。また、ポンプ室内筒部211と液ドーム230の間に液ポンプ室Pが形成される。
【0035】
下側内筒部214および下側外筒部215はポンプ装置20の下側に突出している筒部である。下側外筒部215は下側内筒部214を囲うように下側内筒部214の外側に形成されている。これら下側内筒部214と下側外筒部215の間には溝が形成される。当該溝に収容袋222の縁部が嵌合し、さらに当該溝にカバー部材220が収容袋222の縁部の下から押し込まれる。さらに、カバー部材220の先端に形成されている爪部228が下側外筒部215の下端に形成されている係止部215aに係止されることにより、収容袋222の縁部が本体部210とカバー部材220の間で固定される。
【0036】
カバー部材220は、液状物を収容する。カバー部材220はエラストマーまたはシリコンなどの変形可能な素材で構成されている。ここで、キャップ260と注入口筒部216の間には、パッキン266が設けられている。当該パッキン266、上述した収容袋222の縁部の固定、および後述する流入弁272により、カバー部材220の気密性が実現される。なお、カバー部材220の下面には孔228が形成されている。このため、カバー部材220と収容袋222の間には気密性がない。
【0037】
上述した液ポンプ室Pに関してより詳細に説明すると、液ポンプ室Pの内部には、スプリング274が設けられる。スプリング274は、一端が液ドーム230に当接し、他端が本体部210の上面に当接する。液ドーム230が押圧されて液ドーム230の上面が下降した後に押圧が解除されると、スプリング274の弾性力により液ドーム230が元の形状に復帰する。
【0038】
流入口218は、収容袋222と液ポンプ室Pを繋ぐ開口である。収容袋222に収容されている液状物は、流入口218を介して液ポンプ室Pに流入する。当該流入口218には、流入弁272が設けられている。液ポンプ室Pの内部圧力が収容袋222の内部圧力より低くなり、それらの圧力差による推力が流入弁272の弾性力を上回ると、流入弁272が開き、流入弁272を介して液ポンプ室Pに液状物が流入する。液ポンプ室Pの内部圧力が高まり、液ポンプ室Pの内部圧力と収容袋222の内部圧力との圧力差による推力が流入弁272の弾性力を下回ると、流入弁272が閉じ、収容袋222と液ポンプ室Pが流入弁272より仕切られる。このため、液状物は液ポンプ室Pから収容袋222に逆流しない。
【0039】
流出口219は、液ポンプ室Pと吐出口250を繋ぐ開口である。液ポンプ室Pに一時的に貯留された液状物は吐出口250に向けて流出口219を介して流出する。当該流出口219には、ボール276が設けられている。ボール276は、スプリング278により、流出口219を閉じる方向に付勢されている。液ポンプ室Pの内部圧力が大気圧よりも高くなり、それらの圧力差による推力がスプリング278の弾性力を上回ると、ボール276が流出口219から離れる方向に移動することで流出口219が開き、流出口219を介してポンプ室Pの液状物が吐出口250に向けて流出する。液ポンプ室Pの内部圧力が減少して、上記圧力差による推力がスプリング278の弾性力を下回ると、ボール276が流出口219を閉じられる。
【0040】
<ポンプ装置20の動作>
以上、本発明の一実施形態によるポンプ装置20の構成を説明した。続いて、図6を参照し、本発明の一実施形態によるポンプ装置20の動作を整理する。
【0041】
図6は、ポンプ装置20が液状物を吐出する動作を示す説明図である。図6に示したように、使用者が液ドーム230を下方に押し込むと、液ドーム230の弾性変形により液ポンプ室Pの体積が減少し、液ポンプ室Pの内部圧力が高くなる。液ポンプ室Pの内部圧力が大気圧よりも高くなり、それらの圧力差による推力がスプリング278の弾性力を上回ると、ボール276が流出口219から離れる方向に移動することで流出口219が開く。これにより、図6において矢印で示したように、流出口219を介してポンプ室Pの液状物が吐出口250に向けて流出し、吐出口250が液状物と吐出する。
【0042】
その後、使用者が液ドーム230の押圧を解放すると、液ドーム230の弾性力およびスプリング274の弾性力により、液ドーム230がドーム形状に復帰する。液ドーム230がドーム形状に復帰する過程で、液ポンプ室Pの体積が増加し、液ポンプ室Pの内部圧力が減少する。液ポンプ室Pの内部圧力が減少し、液ポンプ室Pの内部圧力と収容袋222の内部圧力との圧力差による推力が流入弁272の弾性力を上回ると、流入弁272が開く。これにより、流入口218を介して液ポンプ室Pに収容袋222から液状物が流入する。
【0043】
その後、使用者により液ドーム230が再度押し込まれると、図6を参照して説明した動作が繰り返される。液状物の吐出により、収容袋222内の液状物が減少していく。収容袋222は気密性を有するので、収容袋222内の液状物の減少に伴い、図7に示すように、収容袋222の容積が減少するように収容袋222が変形する。収容袋222の容積が減少する分、収容袋222とカバー部材220の間に孔228を介して空気が流入する。
【0044】
<作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によるバンド型装置10は多様な作用効果を奏する。以下、本発明の一実施形態によるバンド型装置10が奏する作用効果を例示する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、液ポンプ室Pおよび収容袋222がポンプ装置20において一体的に設けられる。このため、ポンプ装置20の単体での携帯性に優れる。さらに、ポンプ装置20がバンド30に取り付けられているバンド型装置10の形態では、バンド30を例えば使用者の腕に装着可能であるので、携帯性が一層向上する。従って、ポンプ装置20に例えば消毒液が収容される場合、使用者は外出先にて液ドーム230を押圧することで容易に消毒液を使用することが可能である。また、本発明の一実施形態ではドーム型のポンプが用いられるので、消毒液のような液状物を定量吐出することが可能である。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、収容袋222に液状物を供給するための注入口217が形成される。従って、収容袋222に収容されている液状物が減少した場合に、注入口217を介して液状物を補充することにより、バンド型装置10の使用を継続することが可能である。また、注入口217を開口として有する注入口筒部216が設けられ、当該注入口筒部216にキャップ260が螺合により着脱可能に取り付けられる。従って、使用者は、キャップ260を回転させる操作により、簡易かつ確実に注入口217を開閉することが可能である。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、収容袋222が気密性を有するので、流入口218を介して液状物が液ポンプ室Pに流入すると、収容袋222の容積が縮小する。従って、ポンプ装置20がディップチューブを有さなくても、収容袋222から液ポンプ室Pへの液状物の流入をスムーズに実現できる。また、流入口218は、注入口筒部216よりも下側に位置している。注入口筒部216の下端が流入口218よりも下側に位置する場合、液状物が注入口筒部216内に溜まり、流入口218に液状物が到達しなくなる事象が発生することも考えられるが、流入口218が注入口筒部216よりも下側に位置することで当該事象の発生を抑制することが可能である。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、平面視において、液ドーム230(液ポンプ室)の中心位置は本体部210の中心位置と異なり、液ドーム230は本体部210において偏った位置に形成されている。このため、注入口217の径をより大きく形成することができる。結果、使用者が注入口217を介して液状物を収容袋222に供給し易くなる。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、本体部210との間で収容袋222を覆うカバー部材220が設けられる。かかる構成により、外力により収容袋222が押し潰されて収容袋222から液ポンプ室Pに液状物が流入することを防止できる。
【0050】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0051】
例えば、上記では装着型装置の一例としてバンド型装置10を説明したが、装着型装置はバンド型装置10に限定されない。例えば、装着型装置は、ポンプ装置20およびポンプ装置20に繋がれたベルトからなるベルト型装置であってもよいし、ネックレス型装置であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 バンド型装置
20 ポンプ装置
210 本体部
216 注入口筒部
217 注入口
218 流入口
219 流出口
272 流入弁
274 スプリング
276 ボール
278 スプリング
220 カバー部材
222 収容袋
224 第1凸部
225 第2凸部
226 第3凸部
230 液ドーム
240 リング
250 吐出口
260 キャップ
30 バンド
310 支持部
312 開口
314 第1溝部
315 第2溝部
316 第3溝部
320 第1バンド部
322 ピン
330 第2バンド部
331 差し込み穴
332 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7