(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】圧力容器のための閉鎖装置、圧力容器、および閉鎖装置の使用
(51)【国際特許分類】
F16J 12/00 20060101AFI20241127BHJP
A47J 27/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
F16J12/00 G
A47J27/08 G
(21)【出願番号】P 2022537415
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2020073537
(87)【国際公開番号】W WO2021121684
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】102019220212.8
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502241800
【氏名又は名称】ヴェーエムエフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー コルネリウス
(72)【発明者】
【氏名】モルモネ マリーア
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト ディーター
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-307375(JP,A)
【文献】特開昭56-106615(JP,A)
【文献】登録実用新案第3165329(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01985212(EP,A1)
【文献】国際公開第2021/023439(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101455519(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 12/00
A47J 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒軸に沿って所定の高さを有し、外向き表面にそれぞれがロックフックを備える少なくとも2つのロックアームを有する略円筒形の中央体と、
前記中央体に接続され、前記中央体内に少なくとも部分的に配置され、圧力容器の開口部に適用されるのに適した略円筒形の内部体と、
を備える、圧力容器のための閉鎖装置であって、
前記閉鎖装置は、実質的に円筒形の外部体を備え、
i)前記外部体は、少なくとも部分的に、前記中央体の外側に配置され、
ii)前記中央体が前記外部体の円筒軸の方向に前記外部体内で移動可能となるように、前記外部体は前記中央体に移動可能に接続され、
iii)前記外部体は、前記ロックアームが前記外部体を通って前記中央体から外側に突出する凹部を有し、
iv)前記外部体は、前記外部体の円筒軸の方向に前記中央体からの所定の距離(x)を有し、前記ロックアームは、前記外部体の前記円筒軸の前記方向に前記凹部の端部からの少なくとも前記所定の距離(x)を有し、
v)前記外部体は、前記外部体の前記円筒軸の周りに配置された少なくとも信号ゾーンにおいて、
貫通孔を有し、前記中央体は、前記外部体の前記信号
ゾーンに対向して配置された領域にディスプレイエレメントを有し、
前記ディスプレイエレメントは、
a)前記
貫通孔の方向に延在し、前記
貫通孔を少なくとも部分的に貫通するのに適した、前記中央体の上昇部として設計され、前記外部体は、前記
貫通孔の上方にあるカバーを有し、前記カバーは、前記中央体の前記上昇部に対向して配置された領域において可視光に対して透明な材料からなり、または、
b)バネエレメントとして設計され、前記バネエレメントは、前記中央体に固定され、前記内部体に部分的に配置され、前記
貫通孔の方向に延在し、前記
貫通孔を少なくとも部分的に貫通するのに適しており、前記バネエレメントは、前記バネエレメントの外面に0kPより大きく4kPaより小さい範囲の圧力が印加されると、前記内部体の方向に移動するように構成される、ことを特徴とする閉鎖装置。
【請求項2】
前記外部体の前記円筒軸の方向において、前記中央体からの前記外部体の前記所定の距離(x)は、
i)0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の前記圧力容器の内部圧力での圧力容器のバネの伸張距離に対応し、および/または、
ii)1mmから6mmの範囲の値に対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置。
【請求項3】
前記信号ゾーンは、前記外部体
の中心軸に対して略垂直に配置された前記外部体の領域の0より大きく90%に対応する領域にわたって延在する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の閉鎖装置。
【請求項4】
変形例a)において、
i)可視光に対して透明な前記材料は、ガラス、PMMA、PC、PVC、PS、PPO、PE、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、および/または、
ii)前記中央体の前記上昇部は、略円筒形であり、および/または、
iii)前記中央体の前記上昇部は、前記上昇部を有さない前記中央体の高さよりも、前記外部体の円筒軸の方向において、前記中央体から前記外部体の所定の距離(x)だけ高い高さを有し、および/または、
iv)前記カバー全体は、可視光に対して透明な材料からなる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項5】
変形例b)において、前記バネエレメントは、幅広部および幅狭部を備えるか、または幅広部および幅狭部からなり、
i)前記バネエレメントのバネは、前記幅狭部の周囲に配置され、および/または、
ii)前記幅狭部は、0kPaより大きく4kPaよりも小さい範囲の圧力を前記幅広部に印加することにより、前記内部体内に完全に移動可能であり、および/または、
iii)前記幅広部は、マッシュルームのキャップ形状を有し、および/または、
iv)前記
貫通孔は、0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の圧力を前記幅広部に印加
した際の前記内部体の方向
への前記幅広部の移動を制限する接触部を有する、ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項6】
前記中央体は、
i)前記内部体と一体に構成され、および/または、
ii)プラグ接続を介して前記外部体に挿入される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項7】
前記外部体は、前記外部体の円筒軸の方向において、この方向における前記中央体の高さよりも少なくとも2mm大きい高さを有する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項8】
前記凹部は、前記外部体の円筒軸の方向において、前記ロックアームの高さよりも少なくとも2mm大きい高さを有する、こと特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項9】
前記中央体の前記2つのロックアームは、
i)前記中央体と一体であり、および/または、
ii)それぞれ前記ロックフックと一体である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項10】
i)実質的に円筒形の中央体は、20~35cmの範囲の直径を有し、および/または、
ii)実質的に円筒形の内部体は、5~11cmの範囲の直径を有し、および/または、
iii)実質的に円筒形の外部体は、30~45cmの範囲の直径を有する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の閉鎖装置を備える圧力容器。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の閉鎖装置は、前記閉鎖装置の前記内部体によって、前記圧力容器に適用される、請求項11に記載の圧力容器。
【請求項13】
前記圧力容器は、前記閉鎖装置の前記内部体に接続され、前記中央体から前記外部体までの距離および/または前記ロックアームから前記凹部の端部までの距離に実質的に対応する距離にわたって、前記圧力容器の内部において4kPaの圧力で伸張するバネを有する、ことを特徴とする請求項11または12に記載の圧力容器。
【請求項14】
圧力容器を閉鎖するための請求項1~10のいずれか1項に記載の閉鎖装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、圧力容器のための閉鎖装置、圧力容器、および閉鎖装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力容器(例えば、圧力調理器)のための閉鎖装置が提供される。このような閉鎖装置は、より大きな安全性を使用者に提供し、特に、ガイドライン2014/68/EUの添付書Iの実質的な安全要件を満たす。閉鎖装置はロックを有し、このロックは、圧力容器の方向において、抵抗圧が閉鎖装置に印加された場合であっても、4kPaより大きい内部圧力で圧力容器の開放を防止する。閉鎖装置はこの目的のための外部体を有し、この外部体は閉鎖装置の中央体を取り囲み、そこに移動可能に接続される。外部体の円筒軸に沿って、外部体は中央体に対して所定の間隔(x)を有し、中央体のロックアームは、外部体における凹部によって、少なくとも所定の間隔(x)だけ外部体の円筒軸に沿って移動可能である。
【0003】
ガイドライン2014/68/EUでは、セクション2.3「取扱いおよび動作中の安全上の注意」に基づく圧力容器の付加I「必須安全要件」において、特に動作装置の性質について言及する。特に、「装置における過剰な圧力または真空の場合に物理的アクセスを防止するための装置」が参照される。さらに、取り外し可能な閉鎖装置を有する圧力容器の要件に関して、「さらに、開口部を迅速に操作することができる場合、圧力装置は、流体の圧力または温度が危険をもたらすときは、それが開放されることを防止するための装置を常に備えていなければならない」ことに留意されたい。この危険は、DIN EN12778において4kPa以上の圧力値でより詳細に規定される。
【0004】
従来技術において、これらの安全要件を満たさない取り外し可能な閉鎖装置を有する圧力容器が知られている。従来技術のこのような圧力容器に設置された残圧解放装置は、ロックフックを有するロックアームとして設計され、調理ディスプレイに直接連結される。4kPa以上の残圧が圧力容器に存在する限り、これは、調理ディスプレイで可視化され、同時メカニカルロックが実行される。しかしながら、残圧解放装置の操作は、4kPA以上の圧力の場合、メカニカルロックの解除を目的とした調理ディスプレイの押下により行われ、圧力容器において4kPA以上の残圧の場合、圧力容器の開放を可能にすることは、このような圧力容器でできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これから始まり、本発明の目的は、従来技術でもはや認められていない、すなわち、4kPa以上の残留圧力で圧力容器が閉鎖されたままであること、すなわち、残留圧力解放装置の操作によってもはや開放されることができないことも保証する、圧力容器のための閉鎖装置を提供することであった。さらに、圧力容器における4kPaの残留圧力での残留圧力解放装置の操作によってもはや開放されることができない圧力容器が提供されるべきである。閉鎖装置の使用は、追加的に提示されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する閉鎖装置、請求項12の特徴を有する圧力容器、および請求項15の特徴を有する閉鎖装置の使用によって達成される。従属請求項は、有利な更なる発展形態を示す。
【0007】
本発明によると、圧力容器の閉鎖装置が提供される。閉鎖装置は、
a)円筒軸に沿って所定の高さを有し、外向き表面にそれぞれロックフックを備える少なくとも2つのロックアームを有する略円筒形の中央本体と、
b)中央体に接続され、中央体内で少なくとも部分的に配置され、圧力容器の開口部に適用するのに適した略円筒形の内部体と、を備える。
【0008】
本発明に係る閉鎖装置は、略円筒状の外部体を備え、外部体は、少なくとも部分的に中央体の外側に配置され、外部体は、中央体が外部体内で外部体の円筒軸の方向に移動可能になるように、中央体と接続され、外部体は、中央体のロックアームが外部体を通って突出する凹部を有し、外部体は、外部体の円筒軸の方向に中央体から所定の距離(x)を有し、ロックアームは、外部体の円筒軸の方向に凹部の端部から少なくともこの所定の距離(x)を有することを特徴とする。
【0009】
外部体が中央体のロックアームが外部体を貫通して外側に突出する凹部を有するという特徴によって、外部体がロックアームが外部体の少なくとも一部を貫通して一方向に外側に突出する凹部を有することを特に意味する。すなわち、これによって、ロックアームは、その凹部によって形成された外部体の一部を通る方向に外側に突出する(またはその中を貫通する)ことが理解される。このようにして、ロックアームは、外部体を完全に貫通することなく、一方向に外側に突出することができる。この場合、ロックアームの外部体の完全な貫通が不可能であるため、例えば、このような設計は、外部体が端部間凹部(エンドツーエンド凹部)を有していないときに存在することができる。
【0010】
本発明に係る閉鎖装置は、さらに、外部体が少なくとも外部体の円筒軸の周囲に配置された信号ゾーンに端部間凹部を有し、中央体は、外部体の信号ゾーンに対向して配置された領域にディスプレイエレメントを有し、ディスプレイエレメントは、
a)凹部の方向に延び、凹部を少なくとも部分的に貫通するのに適した中央体の上昇部として設計され、外部体は、端部間凹部の上方にカバーを有し、カバーは、少なくとも中央体の上昇部に対向して配置された領域において可視光を透過する材料からなり、または、
b)中央体に固定され、内部体に部分的に配置され、凹部の方向に延び、凹部を少なくとも部分的に貫通するのに適したバネエレメントとして設計され、バネエレメントは、0kPaより大きく4kPaより小さい範囲でバネエレメントの外面に圧力を印加すると、内部体の方向に移動するように構成されている。
【0011】
本発明に係る閉鎖装置の決定的な利点は、閉鎖装置によって閉鎖された圧力容器が4kPa以上の内部圧力で閉鎖されたままであること、すなわち、4kPa以上の内部圧力に対して残留圧力解放装置を操作することによって(例えば、圧力容器の方向に閉鎖装置を機械的に押圧することによって)もはや開放されることができないことである。したがって、閉鎖装置を介して圧力容器の使用者に(目視で)出力される調理信号は、閉鎖装置を介して提供される残留圧力解放装置から切り離される。このようにして、閉鎖装置の(目視)調理信号の同時押し下げと、圧力容器(例えば、圧力釜)の内部における4kPa以上の圧力の存在とにより、圧力容器のロック解除や開放ができなくなる。
【0012】
変形例a)およびb)の特定の利点は、調理の開始時に、0より大きく4kPaまでの範囲の第1の圧力が合図され、冷却時に、0より大きく4kPaまでの範囲の残留圧力が合図されることである。これは、変形例a)において、カバーの透明領域の方向または反対方向における中央体の上昇領域の移動の認識を介して可能である。この変形例では、残留圧力解放装置の操作を介して閉鎖装置によって閉鎖された圧力容器の開放は、透明領域での被覆によって不可能になる。これは、変形例b)において、外部体の凹部からまたは凹部内へのディスプレイエレメントの動きの認識を介して可能である。したがって、この圧力範囲における圧力上昇および圧力低下の視覚的知覚は、両方の場合において使用者によって与えられる。この変形例では、残留圧力解放装置の操作を介して閉鎖装置によって閉鎖される圧力容器の開放は、ディスプレイユニットが使用者によって0より大きく4Paまでの範囲の圧力印加を介して内部体内に移動可能であるという点で不可能である。
【0013】
したがって、使用者によるディスプレイエレメントの完全な押圧は、中央体のロックアームが圧力容器の方向に距離(x)だけ移動し、閉鎖装置のロック解除をもたらすという結果を有することができない。これは、内部体内へのディスプレイエレメントの(操作的)押圧の場合に、使用者の安全性を高める。
【0014】
有利な実施形態では、距離x(=外部体の円筒軸の方向における外部体から内部体までの距離)が圧力容器の所定の内部圧力での圧力容器のバネの伸張距離に対応し、好ましくは0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の圧力容器の内部圧力での圧力容器のバネの伸張距離に対応する。
【0015】
距離xは、1mm~6mm、好ましくは1.5mm~5mm、特に好ましくは2mm~4mm、特に3mmの範囲の値に対応することができる。
【0016】
信号ゾーンは、外部体の中心軸に略垂直に配置された外部体の領域の0より大きく90%まで、好ましくは5~80%、特に好ましくは10~70%、非常に好ましくは20~70%、特に30~60%、任意選択で40~50%に対応する領域にわたって延在することができる。
【0017】
変形例a)では、可視光に対して透明な材料は、ガラス、PMMA、PC、PVC、PS、PPO、PE、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0018】
中央体の上昇部は、さらに、変形例a)では、略円筒形として設計されることができる。
【0019】
さらに、変形例a)では、上昇部は、上昇部のない中央体よりも、外部体の円筒軸の方向において、中央体からの外部体の所定の距離(x)だけ高い高さを有することができる。
【0020】
変形例a)の好ましい実施形態では、カバー全体は、可視光に対して透明な材料からなる。これは、閉鎖装置の製造が簡略化され、より安価であるという利点を伴う。
【0021】
変形例b)では、ディスプレイエレメントは、幅広部と幅狭部とを備える、またはそれらからなることができる。
【0022】
さらに、ばねを変形例b)の幅狭部の周りに配置することができる。この実施形態は、0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の圧力の印加によるディスプレイエレメントの内部体内への移動が閉鎖装置が適用される圧力容器によって収容されるバネによって不要になるという利点を有する。
【0023】
これとは別に、幅狭部は、0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の圧力を幅広部に印加することによって、変形例b)の内部体内に完全に移動可能にすることができる。
【0024】
さらに、幅広部は、変形例b)のマッシュルームのキャップの形状を有することができる。
【0025】
変形例b)の好ましい実施形態では、端部間凹部は、0kPaより大きく4kPaより小さい範囲の圧力を幅広部に印加する際に、内部体の方向における幅広部の移動を制限する当接部を有する。これは、バネエレメントが使用者によって印加される圧力によって規定された最大距離(すなわち、所定の長さより短い)だけ内部体内に移動可能であるという利点を有する。端部間凹部の当接部およびディスプレイエレメントの幅広部は、バネエレメントの幅広部に最大圧力を印加する際に、バネエレメントの幅広部の外面が外部体の外面と同一平面になるように構成されることができる。
【0026】
閉鎖装置の中央体は、内部体と一体に形成されることができる。
【0027】
さらに、閉鎖装置の中央体は、プラグ接続を介して外部体に挿入されることができる。
【0028】
好ましい実施形態では、外部体は、外部体の円筒軸の方向において、この方向における中央体の高さよりも少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm大きい高さを有する。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、外部体の凹部は、外部体の円筒軸の方向において、この方向におけるロックアームの高さよりも少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm大きい高さを有する。
【0030】
中央体の2つのロックアームは、中央体と一体に形成されることができる。
【0031】
さらに、中央体の2つのロックアームは、それぞれロックフックと一体に形成されることができる。
【0032】
好ましい実施形態では、外部体は調理ディスプレイを有する。
【0033】
実質的に円筒形の中央体は、20~35cm、好ましくは26~28cmの範囲の直径を有することができる。
【0034】
実質的に円筒形の内部体は、5~11cm、好ましくは7~9cmの範囲の直径を有することができる。
【0035】
実質的に円筒形の外部体は、30~45cm、好ましくは32~36cmの範囲の直径を有することができる。
【0036】
さらに、本発明に係る閉鎖装置を備える圧力容器、好ましくは圧力調理器は、本発明によって提供される。
【0037】
本発明に係る閉鎖装置は、圧力容器に適用することができる。好ましくは、本発明に係る閉鎖装置は、閉鎖装置の内部体を介して圧力容器に適用される。
【0038】
圧力容器は、それぞれが少なくとも1つの当接縁部を有する1つ以上のタペットを有することを特徴とすることができる。当接縁部は、圧力容器の内部において4kPa以上の圧力、閉鎖装置の外部体への4kPa以上の同時に対応する抵抗圧力で閉鎖装置のロックアームのロックフックに係合するように、構成されることができる。さらに、当接縁部は、圧力容器の内部において4kPa未満の圧力で、および任意選択で閉鎖装置の外部体への4kPa以上の同時に対応する抵抗圧力で閉鎖装置のロックアームのロックフックに係合しないように、構成されることができる。
【0039】
好ましい実施形態では、圧力容器は、中央体が外部体の円筒軸の方向に圧力容器の内部において0kPaの圧力で外部体からの距離を有することを特徴とする。この距離は、1mm~6mm、好ましくは1.5mm~5mm、特に好ましくは2mm~4mm、特に3mmの範囲である。
【0040】
圧力容器は、さらに、ロックアームが外部体の円筒軸の方向における圧力容器の内部において0kPaの圧力で凹部の端部までの距離を有することを特徴とすることができる。この距離は、1mm~6mm、好ましくは1.5mm~5mm、特に好ましくは2mm~4mm、特に3mmの範囲である。
【0041】
好ましい実施形態では、圧力容器はバネを有する。バネは、閉鎖装置の内部体に接続され、中央体から外部体までの距離および/またはロックアームから凹部の端部までの距離に実質的に対応する距離(中央体の円筒軸の方向)にわたって圧力容器の内部において4kPaの圧力で伸張する。伸張距離は、好ましくは1mm~6mm、好ましくは1.5mm~5mm、特に好ましくは2mm~4mm、特に3mmの範囲である。
【0042】
圧力容器の閉鎖、好ましくは圧力調理器の閉鎖のための本発明に係る閉鎖装置の使用は、付加的に提案される。
【0043】
本発明に係る主題は、本明細書に示される特定の実施形態に限定することを意図することなく、以下の図を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、圧力容器に適用される本発明に係る閉鎖装置を示す。
【
図2】
図2は、圧力容器に適用される本発明に係るさらなる閉鎖装置を示す。
【
図3】
図3は、中央体のディスプレイエレメントがバネエレメントとして構成されている場合の動作モードを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、圧力容器11に適用される本発明に係る閉鎖装置を示す。
図1Aは、圧力容器11の内部において4kPaより小さい内部圧力D
Iでの閉鎖装置の状態を示す。
図1Bは、圧力容器11の内部において4kPAより大きい内部圧力D
Iでの閉鎖装置の状態を示す。閉鎖装置の中央体1は、ロックフックを有する少なくとも1つのロックアーム2を有する。ここで、閉鎖装置の内部体3は、中央体1と一体に形成される。ロック装置の外部体4は、中央体1のロックアーム2が突出する凹部5を有する。外部体4の信号ゾーン6は、外部体4の端部間凹部(エンドツーエンド凹部)7のポイントに位置する。中央体1のディスプレイエレメント8(ここでは、上昇部)は、外部体4の端部間凹部7を通って部分的に突出する。この実施形態では、外部体4はカバー9を有する。圧力容器11は、内部体に接続されたバネ10を備える。外部体4は、外部体4の円筒軸Zの方向において中央体1から所定の距離xを有する。
【0046】
図2は、圧力容器11に適用される本発明に係るさらなる閉鎖装置を示す。
図2Aは、圧力容器11の内部における4kPaより小さい内部圧力D
Iでの閉鎖装置の状態を示す。
図2Bおよび
図2Cは、圧力容器11の内部における4kPAより大きい内部圧力D
Iでの閉鎖装置の状態を示す。
図2Bは、使用者によって中央体1のディスプレイエレメント8に圧力が印加されない閉鎖装置の状態を示す(ここでは、バネエレメント)。
図2Cは、使用者によって0より大きく4kPaより小さい範囲の圧力が中央体1のディスプレイエレメント8に印加される閉鎖装置の状態を示す。閉鎖装置の中央体1は、ロックフックを有する少なくとも1つのロックアーム2を有する。ここでは、閉鎖装置の内部体3は、中央体1と一体に形成される。ロック装置の外部体4は、中央体1のロックアーム2が突出する凹部5を有する。外部体4の信号ゾーン6は、外部体4の端部間凹部7のポイントに位置する。中央体1のディスプレイエレメント8(ここでは、バネエレメント)は、外部体4の端部間凹部7を通って突出する。圧力容器11は、内部体に接続されたバネ10を備える。外部体4は、外部体4の円筒軸Zの方向において中央体1から所定の距離xを有する。
【0047】
図3は、中央体1のディスプレイエレメント8がバネエレメントとして構成されている場合の動作モードを概略的に示す。左図は、圧力容器に4kPaより小さい内部圧力D
Iが存在する場合を示す。中央図は、圧力容器に4kPaより大きい内部圧力D
Iが存在する場合を示す。バネエレメント8は、外部体4の凹部を通って外方に移動し、使用者に容易に見える。バネエレメント8は、圧力容器に所定の圧力が存在することを使用者に示す。右図は、閉鎖装置の使用が0より大きく4kPaより小さい範囲の外部圧力D
Aを中央体の円筒軸に沿ってバネエレメント上に印加する状況を示す。バネエレメント8は、バネエレメント8が外部体4から突出する長さに対応する長さだけこの圧力範囲内で圧縮されることができるように、設計されている。すなわち、バネエレメント8は、閉鎖装置の当接部までこの圧力範囲で圧縮されることができる。内部圧力D
Iが4kPaより大きい値に対応する場合、閉鎖装置によって閉鎖された圧力容器は、閉鎖されたままであり、すなわち、蒸気は、使用者の圧力印加によって圧力容器から逃げることができない。
【符号の説明】
【0048】
1:中央体
2:ロックフックを有するロックアーム
3:内部体
4:外部体
5:外部体の凹部
6:外部体の信号ゾーン
7:外部体の端部間凹部
8:中心体の表示エレメント(上昇部またはバネエレメント)
9:外部体のカバー
10:圧力容器のバネ
11:圧力容器
x:外部体から中央体までの距離
Z:中心体の円筒軸
DA:0Paより大きく4kPaより小さい範囲の外部(例えば、使用者による)からの圧力
DI:4kPaより大きい範囲の内部からの圧力(例えば、閉鎖装置が適用された圧力容器内)