(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ブランケット及びテーブルセット
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20241127BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20241127BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A47G9/02 U
A47B97/00 N
A47B13/00 Z
(21)【出願番号】P 2023131940
(22)【出願日】2023-08-14
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】河島 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 正次
(72)【発明者】
【氏名】姚 月萍
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-041719(JP,U)
【文献】特開平01-260222(JP,A)
【文献】実開昭56-161240(JP,U)
【文献】実開昭58-173375(JP,U)
【文献】特開2006-150022(JP,A)
【文献】実開昭54-067003(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0051285(US,A1)
【文献】実開昭54-073006(JP,U)
【文献】米国特許第10321777(US,B2)
【文献】特開2019-136180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/02
A47B 97/00
A47B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルに取り付け可能なブランケットであって、
開口を区画する開口周端部を有する本体と、
前記開口周端部に設けられ、前記開口の周方向に延在する帯状又は紐状の第1延長部材であって、前記開口周端部の周方向サイズを、前記周方向と直交する幅方向に関して局所的に変えることができる第1延長部材と、
前記開口周端部に設けられ、前記第1延長部材よりも前記開口から離れた位置で前記周方向に延在する帯状又は紐状の第2延長部材であって、前記開口周端部の周方向サイズを前記幅方向に関して局所的に変えることができる第2延長部材と、
を備えるブランケット。
【請求項2】
前記第1延長部材及び前記第2延長部材のうち少なくともいずれか一方は、弾性的に伸縮可能な弾性部材である、請求項1にブランケット。
【請求項3】
前記開口周端部に設けられ、前記第2延長部材よりも前記開口から離れた位置で前記周方向に延在する帯状又は紐状のストッパー延長部材であって、前記第1延長部材及び前記第2延長部材よりも小さい伸縮率を有するストッパー延長部材を備える、請求項1に記載のブランケット。
【請求項4】
前記開口周端部に設けられ、前記第2延長部材よりも前記開口から離れた位置で前記周方向に延在する帯状又は紐状の1つ以上の追加延長部材であって、前記開口周端部の周方向サイズを前記幅方向に関して局所的に変えることができる1つ以上の追加延長部材を備える、請求項1に記載のブランケット。
【請求項5】
前記第1延長部材と前記第2延長部材との間の間隔は、前記第2延長部材と、前記第2延長部材に隣り合う追加延長部材との間の間隔と異なる、
請求項4に記載のブランケット。
【請求項6】
前記本体はギャザーを有する、請求項1に記載のブランケット。
【請求項7】
前記テーブルに係止可能な係止部を備える、請求項1に記載のブランケット。
【請求項8】
テーブルと、
請求項1~7のいずれか一項に記載のブランケットと、を備え、
前記ブランケットは、前記開口周端部が前記テーブルを包囲することで、前記テーブルに取り付けられる、
テーブルセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブランケット及びテーブルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
こたつ用の掛け具として、様々な形態の掛け具が提案されており(特許文献1参照)、例えば中央に開口が形成された掛け具が提案されている(特許文献2~4参照)。
【0003】
またこたつ以外の用途で使われるテーブルに対しても同様の掛け具を組み合わせて使用することが可能であり、例えばアウトドア用途で使われるテーブルに掛け具を組み合わせて使用することも可能である(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭58-187367号公報
【文献】登録実用新案第3041304号公報
【文献】特開平1-260222号公報
【文献】特開2006-150022号公報
【文献】特開2019-136180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来の掛け具はテーブルの天板上に載置されて使用されるため、テーブルに対する掛け具の位置がずれやすい。例えば、使用者が、テーブルに載置された掛け具の内側スペースに入ったり出たりする際、意図せずに掛け具を引っ張ってしまうことで、掛け具の位置がずれてしまい、掛け具の内側スペースに冷たい外気が流入してしまうことがある。
【0006】
また生活スタイルの多様化が進む中、こたつを持たない家庭も珍しくなくなってきており、様々な形態のテーブルが各家庭で使用されるようになってきている。そのような様々な形態のテーブルにブランケットを組み合わせてこたつのように使用したいという要望がある。このように、こたつに対してだけではなく、他の様々な形態のテーブルに対しても汎用的に使用可能であり且つ利便性に優れたブランケットの提供が期待されている。
【0007】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、テーブルと組み合わせて使用した際にテーブルに対する位置ずれを抑えるのに有利なブランケット及びそのようなブランケットを利用したテーブルセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、テーブルに取り付け可能なブランケットであって、開口を区画する開口周端部を有する本体と、開口周端部に設けられ、開口の周方向に延在する帯状又は紐状の第1延長部材であって、開口周端部の周方向サイズを前記周方向と直交する幅方向に関して局所的に変えることができる第1延長部材と、開口周端部に設けられ、第1延長部材よりも開口から離れた位置で周方向に延在する帯状又は紐状の第2延長部材であって、開口周端部の周方向サイズを幅方向に関して局所的に変えることができる第2延長部材と、を備えるブランケットに関する。
【0009】
第1延長部材及び第2延長部材のうち少なくともいずれか一方は、弾性的に伸縮可能な弾性部材であってもよい。
【0010】
ブランケットは、開口周端部に設けられ、第2延長部材よりも開口から離れた位置で周方向に延在する帯状又は紐状のストッパー延長部材であって、第1延長部材及び第2延長部材よりも小さい伸縮率を有するストッパー延長部材を備えてもよい。
【0011】
ブランケットは、開口周端部に設けられ、第2延長部材よりも開口から離れた位置で周方向に延在する帯状又は紐状の1つ以上の追加延長部材であって、開口周端部の周方向サイズを幅方向に関して局所的に変えることができる1つ以上の追加延長部材を備えてもよい。
【0012】
第1延長部材と第2延長部材との間の間隔は、第2延長部材と、第2延長部材に隣り合う追加延長部材との間の間隔と異なっていてもよい。
【0013】
本体はギャザーを有してもよい。
【0014】
ブランケットは、テーブルに係止可能な係止部を備えてもよい。
【0015】
本開示の他の態様は、テーブルと、上記のブランケットと、を備え、ブランケットは、開口周端部がテーブルを包囲することで、テーブルに取り付けられる、テーブルセットに関する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、テーブルに対する位置ずれを抑えるのに有利なブランケット及びそのようなブランケットを利用したテーブルセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、ブランケットの一例を示す外観図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すブランケットがテーブルに取り付けられたテーブルセットの一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、ブランケットの開口周端部の一例を示す部分拡大図である。
【
図4】
図4は、延長部材のたわみ量を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。
【0019】
以下の説明において「上方」及び「下方」などの向きを表す用語は、特に断りがない限り、標準的な使い方に基づいてブランケットがテーブルに取り付けられている状態を基準とした便宜的な表現に過ぎない。したがって、そのような向きを表す用語は、本開示における各要素の向きを限定するものではなく、実際のブランケット及びテーブルは使用状態に応じて任意の向きに方向づけられうる。
【0020】
図1は、ブランケット10の一例を示す外観図である。
図2は、
図1に示すブランケット10がテーブル11に取り付けられたテーブルセット15の一例を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すブランケット10は、テーブル11に取り付け可能なブランケットであり(
図2参照)、典型的には布によって構成される柔軟素材の本体20を備える。本体20を構成可能な布は限定されない。本体20は、天然繊維及び合成繊維のうちの少なくともいずれか一方によって構成可能であり、織物であってもよいし、織物以外の布(例えば不織布)であってもよい。
【0022】
本体20は、一体的に構成される開口周端部21及び裾部22を有する。開口周端部21及び裾部22は、
図1に示す例では同一素材によって構成されるが、互いに異なる素材によって構成されてもよい。
【0023】
開口周端部21は、本体20の中央に位置する開口(貫通孔)30を区画する部位であり、本体20の上方縁部(エッジ)を形成する。裾部22は、開口周端部21から下方に延在する部位であり、本体20の下方縁部を形成する。
【0024】
ブランケット10がテーブル11に取り付けられる際、ブランケット10の開口30に対応する位置にテーブル11が配置され、ブランケット10の開口周端部21がテーブル11を水平方向に包囲しつつテーブル11によって支持される。このようにブランケット10は開口周端部21を介してテーブル11に取り付けられ、テーブル11の天板部よりも下方のスペースが、ブランケット10の裾部22によって包囲される。
【0025】
ブランケット10の本体20は、開口周端部21及び裾部22の各々において、シワやヒダとも呼ばれるギャザー25を有し、開口30の周方向Dcに沿って波打つような凹凸形状を有する。
【0026】
図2に示す例では、テーブル11のうち複数(例えば4つ)の脚部から水平方向に突出するように設けられる天板部(特に外周端部)が、天板部を包囲する開口周端部21を支持することで、テーブル11にブランケット10が取り付けられる。なお柔軟に変形可能な開口周端部21は、開口30を任意の平面形状に区画可能であるため、
図2に示す例以外の天板部にも、適切に取り付け可能である。すなわち
図2に示す天板部は概ね矩形の平面形状を有するが、矩形以外の平面形状(例えば四角形以外の多角形の平面形状、円形(楕円形を含む)の平面形状、或いは不規則的な平面形状など)を有する天板部に対しても、ブランケット10の開口周端部21を取り付けることが可能である。
【0027】
図3は、ブランケット10の開口周端部21の一例を示す部分拡大図である。
【0028】
図3に示す例では、ブランケット10の開口周端部21に、第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34が設けられる。
【0029】
第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34の各々は、開口30の周方向Dcに延在する帯状又は紐状の部材であり、開口周端部21の周方向サイズを、周方向Dcと直交する幅方向Dwに関して局所的に変えることができる。第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34の各々は、開口周端部21のうちの特定の端部領域(第1端部領域21A、第3~第5端部領域21C~21E)が割り当てられ、割り当てられた端部領域において延在する。第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34の各々は、開口周端部21のうちの割り当てられた端部領域の周方向サイズを局所的に変えることができる。例えば、開口周端部21のうちの第1端部領域21Aの周方向サイズは第1延長部材31によって変えられ、第3端部領域21Cの周方向サイズは第2延長部材32によって変えられ、第4端部領域21Dの周方向サイズは第3延長部材33によって変えられ、第5端部領域21Eの周方向サイズは第4延長部材34によって変えられる。このように開口周端部21の周方向サイズは、開口周端部21の幅方向Dwに関して部分的(局所的)に、変更調整可能である。
【0030】
図3に示す第1延長部材31、第2延長部材32及び第3延長部材33の各々は、弾性的に伸縮可能な弾性部材であり、丸ゴムなどのゴム紐(例えばバンジーコード(Bungee Cord))によって構成される。一方、
図3に示す第4延長部材34は、第1延長部材31~第3延長部材33よりも小さい伸縮率を有するストッパー延長部材として設けられ、例えば繊維紐によって構成される。
図3に示す例において、いずれの延長部材31~34も湾曲可能な柔軟性を有するが、第1延長部材31、第2延長部材32及び第3延長部材33は、第4延長部材34よりも大きな剛性及び伸縮率を有し、外力が加えられない状態で第4延長部材34に比べてより直線的な形状を保持しようとする弾性力が働く。
【0031】
第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34の各々が開口周端部21の周方向サイズを幅方向Dwに関して局所的に変える手法は、限定されない。一例として、開口周端部21によって被覆される延長部材の部分の長さを変えられるストッパー器具が、第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34の各々に取り付けられてもよい。一例として、開口周端部21の内側スペースに進入しない又は進入しにくい大きさ及び形状を有するストッパー器具(
図1及び
図2の符号「26」参照)が開口周端部21の外側で延長部材31~34に取り付けられてもよい。この場合、ストッパー器具26によって、延長部材31~34のうち開口周端部21の外側に位置する部分(ひいては開口周端部21の内側スペースに位置する部分)を可変的に定めることができる。そのようなストッパー器具は、広く利用されている既知の器具であるため、ここでの詳細な構造例の説明は省略する。
【0032】
図3に示す開口周端部21は、開口30(上方縁部)から順次遠ざかるように配置される第1端部領域21A、第2端部領域21B、第3端部領域21C、第4端部領域21D及び第5端部領域21Eを有する。これらの端部領域21A~21Eは、互いに分離された内側スペースを有する。
【0033】
第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34は、開口周端部21の第1端部領域21A及び第3端部領域21C~第5端部領域21Eの内側スペースにそれぞれ配置され、対応の端部領域以外の端部領域には移動しない。したがって第2延長部材32は、第1延長部材31よりも開口30から離れた位置で(すなわち裾部22(
図1及び
図2参照)により近い位置で)、周方向Dcに延在する。同様に第3延長部材33は、第2延長部材32よりも開口30から離れた位置で周方向Dcに延在し、第4延長部材34は、第3延長部材33よりも開口30から離れた位置で周方向Dcに延在する。
【0034】
このように第3延長部材33及び第4延長部材34は、第2延長部材32よりも開口30から離れた位置で周方向Dcに延在する帯状又は紐状の「1つ以上の追加延長部材」に該当し、第1延長部材31及び第2延長部材32よりも小さい伸縮率を有するストッパー延長部材(本例では第4延長部材34)を含む。
【0035】
周方向Dcと直交する幅方向Dw(すなわち本体20の上方縁部及び下方縁部の一方から他方に向かう方向)に関する開口周端部21のサイズは限定されず、開口周端部21に含まれる端部領域21A~21Eの幅方向Dwのサイズも限定されない。
図3に示す例では、第2端部領域21Bの幅方向サイズtbが、他の端部領域21A、21C、21Dの幅方向サイズよりも大きい。これにより、第1延長部材31と第2延長部材32との間の幅方向Dwの間隔は、第2延長部材32と、第2延長部材32に隣り合う第3延長部材33との間の間隔、及び、第3延長部材33と第4延長部材34との間の間隔と比べて大きい。
【0036】
図3に示す開口周端部21を備えるブランケット10を、テーブル11の天板部に取り付ける場合、第1延長部材31を天板部の上方に位置付けつつ、第2延長部材32、第3延長部材33及び/又は第4延長部材34を天板部の下方に位置付けることができる。この場合、天板部の上方において第1延長部材31が天板部よりも小さな直径を持つように調整されつつ、天板部の下方に位置する第2延長部材32、第3延長部材33及び/又は第4延長部材34が天板部よりも小さな直径を持つように調整されることが好ましい。これにより、テーブル11の外周端部の側面だけではなく上面及び下面も開口周端部21によって包まれ、テーブル11に対するブランケット10の位置ずれ(特に幅方向Dwの位置ずれ)を有効に防げる。
【0037】
このようにしてテーブル11の天板部にブランケット10(特に開口周端部21)を取り付ける場合、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34のうち天板部の下方に位置付ける延長部材を、天板部の厚みに応じて変えることが、テーブル11に対するブランケット10の位置ずれを防ぐのに有効である。例えば、天板部の厚みが、開口周端部21の第2端部領域21Bの幅方向サイズtb(厚みT1)よりも小さい場合、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34のすべてを天板部の下方に位置付けることができる。
【0038】
また天板部の厚みが、第2端部領域21Bの幅方向サイズtbよりも大きいが、第2端部領域21B及び第3端部領域21C全体の幅方向サイズ(厚みT2=tb+tc)よりも小さい場合、第3延長部材33及び第4延長部材34を天板部の下方に位置付けることができる。この場合、第2延長部材32は、天板部の外周端部の側面を締めつけるように配置されることで、テーブル11に対するブランケット10の位置ずれを防ぐのに有効に寄与する。
【0039】
また天板部の厚みが、第2端部領域21B及び第3端部領域21C全体の幅方向サイズ(厚みT2)よりも大きいが、第2端部領域21B、第3端部領域21C及び第4端部領域21D全体の幅方向サイズ(厚みT3=tb+tc+td)よりも小さい場合、第4延長部材34を天板部の下方に位置付けることができる。この場合、第2延長部材32及び第3延長部材33は、天板部の外周端部の側面を締めつけるように配置されることで、テーブル11に対するブランケット10の位置ずれを防ぐのに有効に寄与する。
【0040】
一般に流通しているテーブルの天板部の厚みはばらついているが、1cm程度~5cm程度の厚みの天板部を備えるテーブルが多い。したがってブランケット10は、1cm程度~5cm程度の厚みを有する天板部に最適化された開口周端部21を備えることで、優れた汎用性を示すことができる。一例として、開口周端部21の第2端部領域21Bの幅方向サイズtbを2cm程度としつつ、第3端部領域21C及び第4端部領域21Dの各々の幅方向サイズtc、tdを1cm程度としてもよい。この場合、開口周端部21が本来的に有する幅方向Dwの弾性及び端部領域21A、21C~21Eの内側スペースの延長部材31~34に対する遊びのおかげで、第2端部領域21B、第3端部領域21C及び第4端部領域21D全体の幅方向サイズ(厚みT3)よりも多少大きな厚みを有する天板部に対しても、開口周端部21を適切に取り付けられる。
【0041】
また天板部の厚みが第2端部領域21B、第3端部領域21C及び第4端部領域21D全体の幅方向サイズ(厚みT3)よりも大きい場合にも、ブランケット10を、テーブル11の天板部の外周端部に取り付けることが可能である。この場合、第2延長部材32及び第3延長部材33に加え、第1延長部材31及び/又は第4延長部材34を、天板部の外周端部の側面を締めつけるように配置することで、テーブル11にブランケット10を適切に取り付けられる。
【0042】
なおテーブル11のうち、ブランケット10(特に開口周端部21)を取り付け可能な部位は天板部には限定されない。例えば、テーブル11の複数の脚部が、開口周端部21によって包囲されつつ締めつけられることで、ブランケット10がテーブル11に取り付けられてもよい。特に、テーブル11の各脚部が下方に向かって徐々に水平方向外側に広がるように延在する場合、そのような複数の脚部に開口周端部21を取り付けることによって、開口周端部21(ひいてはブランケット10全体)の下方への位置ずれを効果的に防げる。
【0043】
このようにテーブル11のうち天板部以外の部分(例えば脚部)にブランケット10の開口周端部21を取り付ける場合にも、第1延長部材31、第2延長部材32、第3延長部材33及び第4延長部材34のうちの少なくとも1つ以上を、天板部以外の部分を締めつけるように配置することで、テーブル11にブランケット10を適切に取り付けることが可能である。
【0044】
なお
図1に示すブランケット10の本体20には、裏面側において、テーブル11に係止可能な係止部40を備える。
図1に示す係止部40は、伸縮性を有する環状の引っ掛け部(例えば平ゴム)として設けられ、テーブル11(例えば天板部の裏面)に設けられる突起などの保持部(図示省略)に引っ掛けられる。これにより、ブランケット10のテーブル11に対する位置ずれを有効に防ぐことができる。なお係止部40は、
図1に示す形態には限定されず、例えばテーブル11の天板部(保持部)以外の箇所に取り付け可能な部材(例えばテーブル11の脚部に縛り付け可能な紐状部材)によって構成されてもよい。
【0045】
図4は、延長部材35のたわみ量を説明するための図である。
図4の延長部材35は、上述の第1延長部材31~第4延長部材34の各々を代表するものであり、下記の延長部材35の説明は、第1延長部材31~第4延長部材34の各々にも適用される。
【0046】
図4において、「L」は延長部材35に外力(重力を含む)が一切かかっていないと仮定した場合における、直線形状の延長部材35の全長(水平方向長さ)を表す。「m」及び「n」は、延長部材35のそれぞれの端部から任意のポイントXまでの水平方向距離を表し、「f」は延長部材35のポイントXのたわみ量を表す。「X0」は延長部材35の中心ポイントを表し、「f0」は延長部材35の中心ポイントX0のたわみ量を表す。
【0047】
延長部材35の単位長さ当たりの質量を「W」で表し、延長部材35の水平方向張力を「H」で表す場合、延長部材35のポイントX及び中心ポイントX0における自重(重力)によるたわみ量f、f0を下記式で表すことができる。
【0048】
f=W×m×n/(2×H)
f0=W×(L/2)×(L/2)/(2×H)=W×L2/(8×H)
【0049】
また延長部材35のあるポイントにかかる集中荷重の大きさを「P」で表す場合、延長部材35のポイントXに重力影響下で集中荷重Pが作用した場合のポイントXにおける延長部材35のたわみ量f、及び、中心ポイントX0に重力影響下で集中荷重Pが作用した場合の中心ポイントX0における延長部材35のたわみ量f0を下記式で表すことができる。
【0050】
f=(1/2×W×L+P)×m×n/(L×H)
f0=(1/2×W×L+P)×L/(4×H)
【0051】
上記式に基づいて、ブランケット10の各種条件が定められることが好ましい。例えば、予め設定される許容たわみ量(上限たわみ量)を上記式の「f」(「f0」)として採用し、ブランケット10の組み合わせ対象として想定されるテーブル11の最大の辺長さを上記式の「L」として採用し、延長部材35に作用する予想の集中荷重(特に予想最大荷重)を上記式の「P」として採用することで、延長部材35(第1延長部材31~第4延長部材34の各々)の「単位長さ当たりの質量W」や「延長部材35の水平方向張力H」が適宜決定されてもよい。
【0052】
例えば
図1及び
図2に示す例において、第1延長部材31、第2延長部材32及び第3延長部材33の各々の「開口周端部21の内側スペースに位置する部分」をストッパー器具26により調整することで、これらの延長部材の31、32、33の水平方向張力Hを変えることが可能である。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、ブランケット10の開口周端部21の周方向サイズを幅方向Dwに関して局所的に変えることができる第1延長部材31及び第2延長部材32が設けられる。これにより、テーブル11に対するブランケット10の位置ずれを効果的に抑えるように、ブランケット10(特に開口周端部21)をテーブル11に適切に取り付けることができる。
【0054】
また本実施形態のブランケット10は、様々なタイプ及び形状のテーブル11に対して広く適用可能であり、全高が低いテーブル(例えばセンターテーブル)、全高が高いテーブル(例えばダイニングテーブル)、及び全高が可変なテーブル(昇降式テーブル)に対して兼用することも可能である。
【0055】
また本実施形態のブランケット10は、こたつではないテーブル11と組み合わせて使用することも可能であり、ホットカーペットを併用することで、こたつではないテーブル11を、こたつのように使うことも可能である。
【0056】
また本実施形態のブランケット10を、やぐら及び天板を具備するこたつ用テーブルに取り付ける場合、やぐらと天板との間にブランケット10を介在させる必要がない。そのため、やぐら及び天板をねじ等の固定具によって固定した状態のまま、ブランケット10をこたつ用テーブルに取り付けることが可能である。
【0057】
また本実施形態のブランケット10は、開口30を有するため、嵩張りを抑えてコンパクトに収納可能である。例えば、クッション形状の収納袋(図示省略)にブランケット10を収納することで、ブランケット10をクッションとして利用することも可能である。ブランケット10を収納可能なそのような収納袋は、ブランケット10と別個に分離して提供されてもよいし、ブランケット10に取り付けられて(例えばブランケット10に縫い付けられて)いてもよい。
【0058】
また少なくとも第1延長部材31及び第2延長部材32のうちの一方又は両方(上述の例では両方)を弾性部材によって構成することで、テーブル11に対するブランケット10の取り付け及び取り外しを簡単に行うことができるとともに、ブランケット10をテーブル11に対してしっかりと取り付けることができる。また1種類のブランケット10を、様々な大きさ(例えば水平方向サイズ)のテーブル11に対し、柔軟に対応させることが可能である。
【0059】
また第1延長部材31及び第2延長部材32に加え、1つ以上の追加延長部材(上述の例では第3延長部材33及び第4延長部材34)を設けることによって、1種類のブランケット10を、様々な大きさのテーブル11(例えば様々な厚みを有する天板部)に対して柔軟に対応させることが可能であり、テーブル11に対するブランケット10の取り付け強度も向上させうる。
【0060】
また第1延長部材31及び第2延長部材32よりも小さい伸縮率を示す第4延長部材34(ストッパー延長部材)を設けることによって、第4延長部材34を、テーブル11からブランケット10が離脱するのを防ぐストッパーとして活用できる。
【0061】
また第1延長部材31と第2延長部材32との間の間隔を、第2延長部材32と第3延長部材33との間の間隔と異ならせることによって、延長部材の数の増大を抑えつつ、ブランケット10の開口周端部21のうちテーブル11に取り付けられる範囲の細かい調整が可能である。
【0062】
またブランケット10の本体20がギャザー25を有することで、テーブル11にブランケット10が取り付けられた状態でブランケット10の内側スペースに外気を流入させる隙間が発生するのを抑えることができ、当該内側スペースの保温性が向上する。またブランケット10の本体20がギャザーシルエットを有することで、ブランケット10がテーブル11に取り付けられた状態で、テーブル11の周りをすっきり且つスマートに見せることが可能である。
【0063】
[変形例]
上述の実施形態では、
図4に示すように、第1延長部材31~第4延長部材34が開口周端部21に設けられるが、開口周端部21に設けられる延長部材の数は限定されない。例えば、第1延長部材31及び第2延長部材32のみが開口周端部21に設けられてもよい。また第1延長部材31及び第2延長部材32以外に1つ以上の追加延長部材が設けられてもよく、3つの延長部材が開口周端部21に設けられてもよいし、5つ以上の延長部材が開口周端部21に設けられてもよい。
【0064】
また上述の実施形態では、ゴム紐などの弾性部材によって第1延長部材31~第3延長部材33が構成されるが、第1延長部材31~第3延長部材33のうちの少なくとも1つ以上が繊維紐などの非弾性部材によって構成されてもよい。
【0065】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が全体的に又は部分的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果がもたらされてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 ブランケット
11 テーブル
15 テーブルセット
20 本体
21 開口周端部
21A 第1端部領域
21B 第2端部領域
21C 第3端部領域
21D 第4端部領域
21E 第5端部領域
22 裾部
25 ギャザー
26 ストッパー器具
30 開口
31 第1延長部材
32 第2延長部材
33 第3延長部材
34 第4延長部材
35 延長部材
40 係止部
Dc 周方向
Dw 幅方向
tb、tc、td 幅方向サイズ
T1、T2、T2 厚み
【要約】
【課題】テーブルと組み合わせて使用した際にテーブルに対する位置ずれを抑えるのに有利なブランケット及びそのようなブランケットを利用したテーブルセットを提供する。
【解決手段】テーブル11に取り付け可能なブランケット10は、開口30を区画する開口周端部21を有する本体20と、開口周端部21に設けられ、開口30の周方向Dcに延在する帯状又は紐状の第1延長部材31であって、開口周端部21の周方向Dcサイズを、周方向Dcと直交する幅方向に関して局所的に変えることができる第1延長部材31と、開口周端部21に設けられ、第1延長部材31よりも開口30から離れた位置で周方向Dcに延在する帯状又は紐状の第2延長部材32であって、開口周端部21の周方向Dcサイズを幅方向に関して局所的に変えることができる第2延長部材32と、を備える。
【選択図】
図2