(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/02 20060101AFI20241127BHJP
G05B 19/427 20060101ALI20241127BHJP
B25J 9/22 20060101ALN20241127BHJP
【FI】
B25J13/02
G05B19/427
B25J9/22 A
(21)【出願番号】P 2023147752
(22)【出願日】2023-09-12
(62)【分割の表示】P 2021190666の分割
【原出願日】2019-05-28
【審査請求日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2019055256
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 省吾
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕和
(72)【発明者】
【氏名】岡元 知文
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/033356(WO,A1)
【文献】特開平09-216183(JP,A)
【文献】特開平01-153288(JP,A)
【文献】特開2018-192601(JP,A)
【文献】国際公開第2017/033351(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/096408(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
G05B 19/42 - 19/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業エリア内に設置され、ワークに液体又は気体を噴射する噴射作業、前記ワークを切削する切削作業、及び前記ワークを研磨する研磨作業の内、いずれかの作業を実行させるように構成され、前記ワークに前記作業をするエンドエフェクタを備えるロボットと、
操作者が把持して、前記ロボットを操作するように構成されている操作器と、
前記作業エリアから隔てられた操作エリアに取付配置され、前記操作器の先端部の位置及び姿勢を
無線で検出して前記操作器の前記先端部の位置情報及び姿勢情報を
得るセンサと、
前記センサが
出力した前記操作器の前記先端部の位置情報及び姿勢情報を基に、前記操作器の軌跡を算出し、算出した前記軌跡に基づいて、前記操作器の動きに前記ロボットの動作をリアルタイムで追従させて、前記ロボットを動作させ、前記ロボットに前記作業を実行させる制御装置と
を備え、
前記操作器が前記操作者が把持する把持部と前記先端部を含み前記ロボットのエンドエフェクタと同じ形状の本体部とを有し、
前記センサが
前記操作エリアで前記操作者が手に持って操作する前記操作器の前記先端部の位置及び姿勢を無線で検出し前記先端部の位置情報及び姿勢情報を
得、
前記制御装置が
、前記操作器の操作に応じて前記操作器の前記先端部の動きに
リアルタイムで追従させて前記ロボットのエンドエフェクタのワークに対向する先端部を動作させ
るとともに、前記操作器への操作に応じてリアルタイムに前記エンドエフェクタを作動させることで、前記ロボットに前記作業を実行させる、ロボットシステム。
【請求項2】
前記エンドエフェクタに設けられた力覚センサを更に備え、
前記操作器に前記力覚センサで検知した力覚情報を操作者に伝達する機器が配置されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
教示用手吹きガンの動作を検出して、塗装ロボットに対して、動作を教示するロボットの動作制御データ生成方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているロボットの動作制御データ生成方法では、噴射区間においてロボットの噴射ガンの移動経路を直線又は曲線に沿って移動するように、動作制御データを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているロボットの動作制御データ生成方法では、ロボットの動作を教示するプログラムを作成した後に、当該プログラムに沿ってロボットを動作させている。このため、ロボットが正確に塗装できなかった場合には、再度プログラムを作成する、又は作成されたプログラムを修正する必要があり、ティーチング作業に時間がかかる。
【0005】
したがって、上記特許文献1に開示されているロボットの動作制御データ生成方法には、作業効率の向上の観点から未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、操作者の負担を軽減して、作業効率を向上させることができる、ロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係るロボットシステムは、作業エリア内に設置され、ワークに液体を噴霧又は噴射するように、及び/又は前記ワークを切削又は研磨するように、構成されているロボットと、操作者が把持して、前記ロボットを操作するように構成されている操作器と、操作エリアに配置され、前記操作器の位置情報及び姿勢情報を無線で検出するセンサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記センサが検出した前記操作器の位置情報及び姿勢情報を基に、当該操作器の軌跡を算出し、リアルタイムで前記ロボットを動作させるように構成されている。
【0008】
これにより、操作者がリアルタイムでロボットを動作(操作)させることができるので、操作者は、ロボットによるワークへの作業動作が正確に実行されているか否かを瞬時に判断することができる。このため、上記特許文献1に開示されているロボットの動作制御データ生成方法に比して、ティーチング作業にかかる時間を短縮することができる。したがって、操作者の負担を軽減して、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のロボットシステムによれば、操作者の負担を軽減して、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態1における変形例2のロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態2に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態3に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態4に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0012】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係るロボットシステムは、作業エリア内に設置され、ワークに液体を噴霧又は噴射するように構成されているロボットと、操作者が把持して、ロボットを操作するように構成されている操作器と、操作エリアに配置され、操作器の位置情報及び姿勢情報を無線で検出するセンサと、制御装置と、を備え、制御装置は、センサが検出した操作器の位置情報及び姿勢情報を基に、当該操作器の軌跡を算出し、リアルタイムでロボットを動作させるように構成されている。
【0013】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置が、センサが検出した操作器の位置情報及び姿勢情報を基に、操作器の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて、リアルタイムでワークに液体又は気体を噴射する噴射作業、ワークを切削する切削作業、及びワークを研磨する研磨作業の内、いずれかの作業をロボットに実行させるように構成されていてもよい。
【0014】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、操作器の把持部には、操作者に触覚を与えるように構成されている、第1機器が設けられていて、制御装置は、記憶器を有し、記憶器には、ワークに液体又は気体を噴射する噴射作業、ワークを切削する切削作業、及びワークを研磨する研磨作業の内、いずれかの作業の熟練者の操作による操作器の軌跡情報である第1情報が記憶されていて、制御装置は、記憶器に記憶されている第1情報に基づいて、操作者を誘導するように、第1機器を動作させてもよい。
【0015】
さらに、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置は、ロボットが、予め設定されている動作範囲外に移動するおそれがある場合、ロボットが、動作範囲外に接近した場合、又はロボットが、動作範囲内であっても、移動が禁止されている領域に移動するおそれがある場合には、第1機器を制御して、警告となるような触覚を操作者に与えるように構成されていてもよい。
【0016】
以下、本実施の形態1に係るロボットシステムの一例について、
図1を参照しながら説明する。
【0017】
[ロボットシステムの構成]
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100は、作業エリア201内に設置されているロボット101、操作エリア202に配置されている操作器102、センサ103、及び制御装置110を備え、制御装置110は、センサ103が検出した操作器102の3次元空間上の位置情報及び姿勢情報を基に、リアルタイムでロボット101を動作させるように構成されている。なお、ロボット101は、ワーク104に液体を噴霧又は噴射、又はワーク104を切削又は研磨するように、構成されている。
【0019】
作業エリア201と操作エリア202との間には、壁部材203が配置されている。壁部材203には、作業エリア201内に配置されているロボット101を視認することができるように、窓204が設けられている。なお、本実施の形態1においては、作業エリア201と操作エリア202との間に、壁部材203が配置されている形態を採用したが、これに限定されず、壁部材203が配置されていない形態を採用してもよい。
【0020】
センサ103は、例えば、操作器102の先端部の位置情報及び姿勢情報を無線で検出し、制御装置110に出力するように構成されている。なお、センサ103は、制御装置110への出力は無線で行ってもよく、有線で行ってもよい。
【0021】
センサ103としては、例えば、赤外線センサで構成されていてもよく、カメラで構成されていてもよい。なお、センサ103が、カメラで構成されている場合には、当該カメラは、操作エリア202内に配設されていなくてもよい。例えば、カメラは、操作者が携帯している携帯端末又はヘッドマウントディスプレイ等に設置されているカメラであってもよい。
【0022】
操作器102は、操作者が把持部102Aを把持して、ロボット101を操作するように構成されている。具体的には、把持している操作器102における本体部102Eの先端部の軌跡を追従するように、ロボット101が動作することで、操作者は、操作エリア202内で操作器102により、ロボット101を直感的に操作することができる。
【0023】
把持部102Aには、後述するロボット101のエンドエフェクタ20に設けられた力覚センサが検知した力覚情報、又は音声情報を操作者に伝達するように構成されている機器を配置してもよい。当該機器としては、例えば、振動モータ、スピーカー、把持部102Aを構成する筐体を伸縮させる機構等が挙げられる。
【0024】
また、操作器102には、ワーク104に液体を噴霧又は気体を噴射、又はワーク104を切削又は研磨の開始/停止するスイッチ102Bが設けられていてもよい。なお、操作器102は、操作者が携帯して、持ち運び可能に構成されていてもよい。また、操作器102の本体部102Eは、ロボット101のエンドエフェクタ20と同様の形状に形成されていてもよい。
【0025】
ロボット101は、複数のリンク(ここでは、第1リンク11a~第6リンク11f)の連接体と、複数の関節(ここでは、第1関節JT1~第6関節JT6)と、これらを支持する基台15と、を備える、垂直多関節ロボットアームである。なお、本実施の形態1においては、ロボット101として、垂直多関節型ロボットを採用したが、これに限定されず、水平多関節型ロボットを採用してもよい。
【0026】
第1関節JT1では、基台15と、第1リンク11aの基端部とが、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第2関節JT2では、第1リンク11aの先端部と、第2リンク11bの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第3関節JT3では、第2リンク11bの先端部と、第3リンク11cの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
【0027】
また、第4関節JT4では、第3リンク11cの先端部と、第4リンク11dの基端部とが、第4リンク11dの長手方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第5関節JT5では、第4リンク11dの先端部と、第5リンク11eの基端部とが、第4リンク11dの長手方向と直交する軸回りに回転可能に連結されている。第6関節JT6では、第5リンク11eの先端部と第6リンク11fの基端部とが、捻れ回転可能に連結されている。
【0028】
そして、第6リンク11fの先端部には、メカニカルインターフェースが設けられている。このメカニカルインターフェースには、作業内容に対応したエンドエフェクタ20が着脱可能に装着される。
【0029】
エンドエフェクタ20は、ここでは、ワーク104に液体(例えば、塗料等)を噴霧又は噴射するように構成されている。また、エンドエフェクタ20には、液体を当該エンドエフェクタ20に供給するための配管21が接続されている。
【0030】
また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としての駆動モータが設けられている(図示せず)。駆動モータは、例えば、制御装置110によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサと、駆動モータの回転を制御する電流を検出する電流センサと、が設けられている(それぞれ、図示せず)。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0031】
制御装置110は、マイクロプロセッサ、CPU等の演算器110aと、ROM、RAM等の記憶器110bと、を備えている。記憶器110bには、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算器110aは、記憶器110bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボット101の各種動作を制御する。
【0032】
また、制御装置110は、センサ103から入力された操作器102の位置情報及び姿勢情報を基に、操作器102の先端部の動きに追従するように、ロボット101(エンドエフェクタ20)を動作させるように構成されている。
【0033】
すなわち、制御装置110は、センサ103が検出した操作器102の位置情報及び姿勢情報を基に、操作器102の軌跡を算出し、リアルタイムでロボット101を動作させるように構成されている。
【0034】
具体的には、制御装置110は、センサ103が検出した操作器102の位置情報及び姿勢情報を基に、操作器102の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて、リアルタイムでワーク104に液体又は気体を噴射する噴射作業、ワーク104を切削する切削作業、及びワーク104を研磨する研磨作業の内、いずれかの作業をロボット101に実行させるように構成されている。
【0035】
ここで、噴射作業、切削作業及び研磨作業の「作業」とは、ロボット101が、ワーク104に対して実行する一連の動作を言い、複数の動作を含む概念である。作業は、例えば、ロボット101が、ワーク104に近接する動作、ワーク104に対して、液体の噴射等を開始する動作、液体の噴射等を停止する動作、及びワーク104から離間する動作を含む。
【0036】
なお、制御装置110は、集中制御する単独の制御装置110によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置110によって構成されていてもよい。また、制御装置110は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0037】
このように構成された、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置110が、センサ103が検出した操作器102の位置情報及び姿勢情報を基に、操作器102の軌跡を算出し、リアルタイムでロボット101を動作させるように構成されている。
【0038】
これにより、操作者は、リアルタイムでロボット101を操作させることができるので、直感的にロボット101を操作することができる。また、ロボット101によるワーク104への作業動作が正確に実行されているか否かを瞬時に判断することができる。このため、上記特許文献1に開示されているロボットの動作制御データ生成方法に比して、ティーチング作業にかかる時間を短縮することができる。したがって、操作者の負担を軽減して、作業効率を向上させることができる。
【0039】
なお、制御装置110は、把持部102Aに設けられている振動モータ等の触覚を与える機器(アクチュエータ)であり、ハプティクス技術を実行するための第1機器を制御して、操作者に振動等の触覚を与えてもよい。
【0040】
この場合、制御装置110は、例えば、噴射作業、切削作業及び研磨作業等の作業の熟練者が、操作器102を移動させる(操作する)ことにより生じる、操作器102の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて、ロボット101に実行させた作業(操作器102の軌跡情報である、第1情報)を記憶器110bに記憶させてもよい。
【0041】
また、制御装置110は、記憶器110bに記憶した、熟練者の操作による操作器102の軌跡情報に従って、ロボット101を動作させてもよい。
【0042】
さらに、制御装置110は、把持部102Aに設けられている振動モータ等の第1機器を制御して、記憶器110bに記憶されている熟練者の操作による操作器102の軌跡を追随できるように、第1情報を基に、操作者に振動等の触覚を与えてもよい。これにより、当該作業が未熟な操作者に、熟練者の作業を教示することができる。
【0043】
また、制御装置110は、ロボット101が、予め設定されている動作範囲外に移動するおそれがある場合、ロボット101が、動作範囲外に接近した場合、又はロボット101が、動作範囲内であっても、移動が禁止されている領域に移動するおそれがある場合には、把持部102Aに設けられている振動モータ等の第1機器を制御して、警告となるような振動等の触覚を操作者に与えてもよい。
【0044】
ここで、「警告となるような触覚」とは、振動の加速度等が予め設定されている所定値よりも大きい触覚をいい、例えば、操作者に55dB以上の振動を与えることであってもよく、操作者に65dB以上の振動を与えることであってもよい。また、「警告となるような触覚」は、記憶器110bに記憶されている第1情報を基に、操作者に与える振動等の触覚よりも大きな触覚(振動)を与えることであってもよい。
【0045】
[変形例1]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステムの変形例について、説明する。
【0046】
本実施の形態1における変形例1のロボットシステムは、ロボットが、ワークを切削又は研磨するように、構成されている。
【0047】
以下、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの一例について、
図2を参照しながら説明する。
【0048】
図2は、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0049】
図2に示すように、本変形例1のロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、ロボット101のエンドエフェクタ20が、ワーク104に対して、切削又は研磨するように構成されている点が異なる。具体的には、エンドエフェクタ20は、例えば、ドリル、エンドミル、又はリーマ―等の切削工具を有していて、ワーク104を切削するように構成されていてもよい。また、エンドエフェクタ20は、例えば、砥石等の研磨材を有していて、ワーク104を研磨するように構成されていてもよい。
【0050】
このように構成された、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0051】
[変形例2]
本実施の形態1における変形例1のロボットシステムは、操作器に当該操作器の位置情報及び姿勢情報を無線で検出する検出器が設けられていて、操作エリア内に検出器が検出した操作器の位置情報及び姿勢情報を制御装置に送信する送信器が配置されている。
【0052】
以下、本実施の形態1における変形例2のロボットシステムの一例について、
図3を参照しながら説明する。
【0053】
図3は、本実施の形態1における変形例2のロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0054】
図3に示すように、本変形例2のロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、操作器102に当該操作器102の位置情報及び/又は姿勢情報を無線で検出する検出器12が設けられている点と、検出器12が検出した操作器102の位置情報及び/又は姿勢情報を制御装置110の送信する送信器13が設けられている点と、が異なる。検出器12としては、例えば、ジャイロセンサであってもよく、カメラであってもよい。
【0055】
なお、本変形例2においては、検出器12と送信器13がセンサ103を構成する。
【0056】
このように構成された、本変形例2のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るロボットシステムは、実施の形態1(変形例を含む)に係るロボットシステムにおいて、作業エリアは、複数の作業区画に区分されていて、操作エリアは、複数の操作区画に区分されていて、ロボットは、作業区画毎に配置されていて、センサは、操作区画毎に配置されていて、制御装置は、第N操作区画に配置されているセンサが検出した操作器の位置情報及び姿勢情報を基に、第N作業区画に配置されているロボットを動作させるように構成されている。なお、Nは自然数である。
【0058】
また、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、操作器は、センサが検出した当該操作器の位置情報及び姿勢情報の出力のON/OFFを切換る切換器をさらに有していてもよい。
【0059】
以下、本実施の形態2に係るロボットシステムの一例について、
図4を参照しながら説明する。
【0060】
[ロボットシステムの構成]
図4は、本実施の形態2に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0061】
図4に示すように、本実施の形態2に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、作業エリア201が、複数(ここでは、2つ)の壁部材205A、205Bにより、複数(ここでは、3つ)の作業区画201A~201Cに区分されている点と、操作エリア202が、複数(ここでは、2つ)の壁部材206A、206Bにより、複数(ここでは、3つ)の操作区画202A~202Cに区分されている点と、ロボット101が、作業区画毎に配置されていて、センサ103が、操作区画毎に配置されている点と、が異なる。
【0062】
なお、各作業区画に配置されているロボット101を区別する必要がある場合には、作業区画201Aに配置されているロボットをロボット101Aと称し、作業区画201Bに配置されているロボットをロボット101Bと称し、作業区画201Cに配置されているロボットをロボット101Cと称する。同様に、各操作区画に配置されているセンサ103を区別する必要がある場合には、操作区画202Aに配置されているセンサをセンサ103Aと称し、操作区画202Bに配置されているセンサをセンサ103Bと称し、操作区画202Cに配置されているセンサをセンサ103Cと称する。
【0063】
また、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、操作器102は、センサ103が検出した当該操作器102の位置情報及び姿勢情報の出力のON/OFFを切換える切換器102Cをさらに有している。
【0064】
操作者は、例えば、操作区画202Aから操作区画202Cに移動する場合に、操作区画202A内で、切換器102Cを操作して、位置情報及び姿勢情報の出力をOFFにし、操作区画202Cに移動した後に、切換器102Cを操作して、センサ103Cの出力をONにしてもよい。
【0065】
さらに、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、制御装置110が、作業区画毎に配置されている。なお、各作業区画に配置されている制御装置110を区別する必要がある場合には、作業区画201Aに配置されている制御装置を制御装置110Aと称し、作業区画201Bに配置されている制御装置を制御装置110Bと称し、作業区画201Cに配置されている制御装置を制御装置110Cと称する。
【0066】
そして、本実施の形態2においては、各作業区画201A~201Cに配置されている制御装置110A~110Cが、当該作業区画201A~201Cに配置されているロボット101A~101Cを制御するように構成されているが、これに限定されない。各作業区画201A~201Cに配置されているロボット101A~101Cを1つの制御装置110が制御するように構成されていてもよい。
【0067】
また、本実施の形態2においては、制御装置110Aは、作業区画201A(第1作業区画)に配置されているセンサ103Aから出力された位置情報及び姿勢情報を基に、操作区画202A(第1操作区画)に配置されているロボット101Aを動作させるように構成されている。同様に、制御装置110Bは、作業区画201B(第2作業区画)に配置されているセンサ103Bから出力された位置情報及び姿勢情報を基に、操作区画202B(第2操作区画)に配置されているロボット101Bを動作させるように構成されている。また、制御装置110Cは、作業区画201C(第3作業区画)に配置されているセンサ103Cから出力された位置情報及び姿勢情報を基に、操作区画202C(第3操作区画)に配置されているロボット101Cを動作させるように構成されている。
【0068】
すなわち、本実施の形態2では、制御装置110は、第N作業区画に配置されているセンサ103から出力された位置情報及び姿勢情報を基に、第N操作区画に配置されているロボット101を動作させるように構成されている。
【0069】
このように構成された、本実施の形態2に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0070】
また、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、制御装置110が、第N作業区画に配置されているセンサ103から出力された位置情報及び姿勢情報を基に、第N操作区画に配置されているロボット101を動作させるように構成されている。
【0071】
これにより、各操作区画に操作者を配置して、各操作者が、各作業区画に配置されているロボット101を同時に動作させることができる。また、操作者が操作区画を移動することにより、1つの操作器102により、各作業区画に配置されているロボット101を動作させることができる。
【0072】
さらに、本実施の形態2に係るロボットシステム100では、操作器102は、センサ103が検出した当該操作器102の位置情報及び姿勢情報の出力のON/OFFを切換る切換器102Cをさらに有している。
【0073】
これにより、操作者が操作区画を移動することにより、1つの操作器102により、各作業区画に配置されているロボット101を動作させることができる。
【0074】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係るロボットシステムは、実施の形態1(変形例を含む)に係るロボットシステムにおいて、作業エリアは、複数の作業区画に区分されていて、ロボットは、作業区画毎に配置されていて、操作器は、複数のロボットの内、動作させるロボットを指定する指定器をさらに有していて、制御装置は、指定器により指定された、ロボットをセンサが検出した操作器の位置情報及び姿勢情報を基に、リアルタイムで動作させるように構成されている。
【0075】
以下、本実施の形態3に係るロボットシステムの一例について、
図5を参照しながら説明する。
【0076】
[ロボットシステムの構成]
図5は、本実施の形態3に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0077】
図5に示すように、本実施の形態3に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、作業エリア201が、複数(ここでは、2つ)の壁部材205A、205Bにより、複数(ここでは、3つ)の作業区画201A~201Cに区分されている点と、ロボット101が、作業区画毎に配置されている点と、が異なる。
【0078】
なお、各作業区画に配置されているロボット101を区別する必要がある場合には、作業区画201Aに配置されているロボットをロボット101Aと称し、作業区画201Bに配置されているロボットをロボット101Bと称し、作業区画201Cに配置されているロボットをロボット101Cと称する。
【0079】
また、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、操作器102は、複数のロボット101の内、動作させるロボット101を指定する指定器102Dをさらに有している。指定器102Dは、テンキーで構成されていてもよく、ジョグダイヤル(回転型セレクタ)で構成されていてもよく、十字キーで構成されていてもよい。
【0080】
なお、ロボット101及び/又は各作業区画に報知器を設け、指定器102Dを操作することにより、動作するロボット101を操作者に報知するようにしてもよい。報知器としては、表示装置(画面)に、文字データ又は画像データ等を表示させる態様であってもよく、スピーカー等により音声で知らせる態様であってもよく、光又は色で知らせるような態様であってもよい。また、通信ネットワークを介してスマートフォン、携帯電話、又はタブレット型コンピュータ等にメール又はアプリで知らせる態様であってもよい。
【0081】
さらに、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、各作業区画201A~201Cに配置されている制御装置110A~110Cが、当該作業区画201A~201Cに配置されているロボット101A~101Cを制御するように構成されているが、これに限定されない。各作業区画201A~201Cに配置されているロボット101A~101Cを1つの制御装置110が制御するように構成されていてもよい。
【0082】
このように構成された、本実施の形態3に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0083】
また、本実施の形態3に係るロボットシステム100では、複数のロボット101の内、動作させるロボット101を指定する指定器102Dをさらに有している。これにより、操作者は、1つの操作器102により、各作業区画に配置されているロボット101を動作させることができる。
【0084】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係るロボットシステムは、実施の形態1~3(変形例を含む)のうち、いずれかの実施の形態に係るロボットシステムにおいて、作業エリアには、当該作業エリア内に配置されている機器を撮影するカメラが配置され、操作エリアには、カメラが撮影した映像情報を表示する表示装置が配置されている。
【0085】
以下、本実施の形態4に係るロボットシステムの一例について、
図6を参照しながら説明する。
【0086】
[ロボットシステムの構成]
図6は、本実施の形態4に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【0087】
図6に示すように、本実施の形態4に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、作業エリア201に、当該作業エリア内に配置されている機器(例えば、ロボット101、ワーク104等)を撮影するカメラ105が配置され、操作エリア202には、カメラ105が撮影した映像情報を表示する表示装置106が配置されている点が異なる。
【0088】
カメラ105は、例えば、天井、側壁面(壁部材203)、ロボット101の先端部等に設置されていてもよい。表示装置106は、机、床等に据え置いて使用する、据え置き型のディスプレイで構成されていてもよい。また、表示装置106は、操作者が身に着けて使用するヘッドマウントディスプレイ又はメガネで構成されていてもよい。
【0089】
なお、制御装置110は、表示装置106に、画像情報を表示させてもよい。画像情報としては、例えば、仮想ワークであってもよく、仮想ロボットであってもよく、作業工程であってもよく、ワーク104の材質又は大きさ等の情報であってもよく、
このように構成された、本実施の形態4に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0090】
また、本実施の形態4に係るロボットシステム100は、作業エリア201に、当該作業エリア内に配置されている機器を撮影するカメラ105が配置され、操作エリア202には、カメラ105が撮影した映像情報を表示する表示装置106が配置されている。
【0091】
これにより、操作者は、作業エリア201と操作エリア202が離間されているような場合であっても、ロボット101を遠隔操作することができる。
【0092】
なお、本実施の形態4においては、制御装置110は、操作者が、操作器102を移動させる(操作する)ことにより生じる、操作器102の軌跡を算出し、算出した算出した軌跡に基づいて、ロボット101に実行させた作業(操作器102の軌跡情報)を記憶器110bに記憶させてもよい。また、制御装置110は、記憶器110bに記憶した操作器102の軌跡情報に従って、ロボット101を動作させてもよい。
【0093】
さらに、制御装置110は、表示装置106に表示させた仮想ロボットを記憶器110bに記憶した操作器102の軌跡情報に従って、動作させてもよい。この場合、制御装置110は、操作者が操作器102により、ロボット101の動作(作業)の開始と同時に、表示装置106に表示させた仮想ロボットを記憶器110bに記憶した操作器102の軌跡情報に従って、動作させてもよい。
【0094】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のロボットシステムによれば、操作者の負担を軽減して、作業効率を向上させることができるため、ロボットの分野において有用である。
【符号の説明】
【0096】
11a 第1リンク
11b 第2リンク
11c 第3リンク
11d 第4リンク
11e 第5リンク
11f 第6リンク
12 検出器
13 送信器
15 基台
20 エンドエフェクタ
21 配管
100 ロボットシステム
101 ロボット
101A ロボット
101B ロボット
101C ロボット
102 操作器
102A 把持部
102B スイッチ
102C 切換器
102D 指定器
103 センサ
103A センサ
103B センサ
103C センサ
104 ワーク
105 カメラ
106 表示装置
110 制御装置
201 作業エリア
201A 作業区画
201B 作業区画
201C 作業区画
202 操作エリア
202A 操作区画
202B 操作区画
202C 操作区画
203 壁部材
204 窓
205A 壁部材
205B 壁部材
206A 壁部材
206B 壁部材
JT1 第1関節
JT2 第2関節
JT3 第3関節
JT4 第4関節
JT5 第5関節
JT6 第6関節