(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20241127BHJP
G01S 19/46 20100101ALI20241127BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20241127BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G01S19/46
H04W64/00 110
(21)【出願番号】P 2023512150
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(86)【国際出願番号】 US2020046760
(87)【国際公開番号】W WO2022039721
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キデル,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ,ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ウェイ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-132627(JP,A)
【文献】特開2018-141721(JP,A)
【文献】特開2012-103223(JP,A)
【文献】特開2003-087361(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106980131(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0097731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 - 19/55
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法であって、
前記電子機器の
検出可能範囲において検出され
、要求において特定されているアクセスポイントに対応する位置情報を求める要求を電子機器から受け付けるステップを含み、前記要求は、前記電子機器の位置において前記電子機器が検出したセンサーデータを含み、前記方法は、さらに、
前記要求を受け付けたことに応答して、アクセスポイントの検出と、複数のアクセスポイントを観測した複数の電子機器から以前受信した対応するセンサーデータとを含む、格納されているクラウドソーシングされた信号にアクセスするステップを含み、前記アクセスするステップは、前記要求において特定されている前記アクセスポイントに対応する、格納されている前記クラウドソーシングされた信号のサブセットを探し出すためのステップであり、前記方法は、さらに、
格納されている前記クラウドソーシングされた信号に基づいて、前記要求において特定されたアクセスポイントごとに、
前記格納されている前記クラウドソーシングされた信号にある前記アクセスポイントの総検出数に対する、前記アクセスポイントを観測するときにその他のデバイスがGPS(Global Positioning System)信号を検出した回数を示す割合を求めるステップと、
格納されている前記クラウドソーシングされた信号に基づいて、前記要求において特定されたアクセスポイントごとに、受信信号強度であり、RSSである、下回ると前記アクセスポイント
に関してGPS信号が受信されなくなる値を求めるステップと、
前記要求において特定されているアクセスポイントごとに、前記割合および前記RSS値を前記電子機器に送信し、前記電子機器が前記電子機器の位置が屋外の位置にあるか、屋内の位置にあるかを判定することを可能にし、対応する機能をトリガするステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記送信するステップは、前記クラウドソーシングされた信号のサブセットをRAW形式で前記電子機器に送信して、前記電子機器の位置が前記屋外の位置にあるか前記屋内の位置にあるかを区別するためのアプリケーション固有のパラメータまたはシステム固有のパラメータを前記電子機器が利用することを可能にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサーデータは、前記電子機器の位置に対応するGPS位置、気圧、前記電子機器に対応する慣性信号、周辺光、周囲温度、またはWi-Fi信号のうち、少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサーデータと格納されている前記クラウドソーシングされた信号と
を集約するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
割合が高い場合は、前記アクセスポイントが屋外にある可能性があることを示し、
割合が低い場合は、前記アクセスポイントが屋内の奥側にある可能性があることを示し、
割合が中程度である場合は、前記アクセスポイントが屋内の手前側にある可能性があることを示す、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記RSS値は、前記アクセスポイント
に関してGPS信号が受信されなくなる最小RSS値を表し、前記最小RSS値は、格納されている前記クラウドソーシングされた信号にある、対応するRSS値を有する前記アクセスポイントの総検出数に対する最小RSS値である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記要求において特定されているアクセスポイントごとに、前記アクセスポイントが屋内の奥側にある可能性を示す確率を算出するステップと、
前記アクセスポイントの前記確率を前記電子機器に送信するステップとをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記屋内の位置は、屋内の手前側の位置と、屋内の奥側の位置とを含み、
特定された前記アクセスポイントに関して演算された確率の組合せに基づいて、前記電子機器の位置が前記屋内の奥側の位置である可能性を示すさらなる確率を判定するステップと、
前記さらなる確率が第1のしきい値未満である場合、前記電子機器の位置が前記屋外の位置であると判断し、
前記さらなる確率が前記第1のしきい値と前記第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値との間である場合、前記電子機器の位置が前記屋内の手前側の位置であると判断し、
前記さらなる確率が前記第2のしきい値よりも大きい場合、前記電子機器の位置が前記屋内の奥側の位置であると判断するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記要求において特定されているアクセスポイントごとに、前記アクセスポイントが屋外である可能性を示す確率を算出するステップと、
前記アクセスポイントの前記確率を前記電子機器に送信するステップとをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記屋内の位置は、屋内の手前側の位置と、屋内の奥側の位置とを含み、
特定された前記アクセスポイントに関して演算された確率の組合せに基づいて、前記電子機器の位置が前記屋外の位置である可能性を示すさらなる確率を判定するステップと、
前記さらなる確率が第1のしきい値未満である場合、前記電子機器の位置が前記屋内の奥側の位置であると判定し、
前記さらなる確率が前記第1のしきい値と前記第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値との間である場合、前記電子機器の位置が前記屋内の手前側の位置であると判断し、
前記さらなる確率が前記第2のしきい値よりも大きい場合、前記電子機器の位置が前記屋外の位置であると判断するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アクセスポイントの前記確率を前記電子機器に送信するステップは、前記屋内の奥側の位置、前記屋内の手前側の位置、前記屋外の位置のうち、いずれの位置が前記電子機器の位置に対応するかについての判定に応じた機能を前記電子機器がトリガすることを可能にする、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記屋外の位置は、建物または構造物の外である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記屋内の手前側の位置は、前記GPS信号と干渉する建物または構造物の周辺の近くであり、前記GPS信号の信号強度は低い、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記屋内の奥側の位置は、前記GPS信号と干渉してGPS信号が検出不可能である、建物または構造物の周辺から離れた、前記建物または前記構造物内部のエリアを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
メモリと、
前記メモリにある命令を実行して請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサとを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
多くのユーザは、実際、どこに行くにも電子機器(たとえば、スマートフォン)を携帯する。これらのデバイスは、デバイスの位置に対応する情報に基づいて、様々な機能を実行できる。しかしながら、特定の機能は、必要でない場合であっても信号を連続してまたは頻繁に検索またはスキャンし得、貴重なバッテリー電力を消耗してしまう。たとえば、デバイスが建物内部にある場合、建物自体による干渉のせいでGPS(Global Positioning System)信号が弱い(または検索できない)場合がある。GPS信号が弱いまたは検出できないときに継続してGPS検出を利用すると、特に、位置データのその他のソースのほうが屋内環境でのGPSよりも正確である場合、一部のアプリケーションにとってGPSデータの信頼性がなく、電力を不必要に消費することになる。
【0002】
ユーザが複合現実アプリケーションを使いながら建物に出入りするときに別の問題が生じ得る。たとえば、いくつかのこのようなアプリケーションは、屋外では3D(3次元)モードで動作し、視覚による道案内のためにバーチャルビルディング画像の「ストリートビュー」を表示する場合があるが、ユーザが建物に入ると、これらのアプリケーションは、建物内部に対応するビューではなく、誤ってこのような「ストリートビュー」を表示し続ける場合がある。ユーザが建物を出たときにその逆の現象が起こる場合があり、ユーザとデバイスとが建物の外にいるにもかかわらず複合現実アプリケーションが建物内部のビューを表示し続けてしまう。これらの状況の結果、ユーザエクスペリエンスが悪くなる。
【0003】
したがって、電子機器が屋内にあるか屋外にあるかを判定する際に問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
本明細書は、電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法について説明する。サーバは、複数のアクセスポイントを検出したデバイスからクラウドソーシングされた情報(たとえば、RAW信号)を収集する。ワイヤレスネットワークスキャンを実行する電子機器は、範囲内になるアクセスポイントを検出し、その他のセンサーからの信号を検出する。電子機器は、このような情報をサーバに送信する。サーバは、クラウドソーシングされた信号にアクセスして、スキャンで検出されたアクセスポイントごとに、(i)アクセスポイントを検出したデバイスのGPS信号を伴うアクセスポイントの総検出数の割合と、(ii)下回ると検出がこのようなGPS信号を伴わなくなるRSS(受信信号強度)値とを求める。割合およびRSS値により、電子機器の位置が特定のカテゴリー(屋内または屋外など)である確率の判定が可能になる。たとえば、割合およびRSS値により、電子機器が屋外に位置するのか、屋内に位置するのか、屋内である場合、電子機器が屋内の手前側にあるのか、屋内の奥側にあるのかを示す確率の判定が可能になり得る。確率により、対応する機能を電子機器がトリガすることが可能になり得る。
【0005】
一態様では、サーバによって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法を開示する。この方法は、電子機器の範囲において検出され、要求において特定されているアクセスポイントに対応する位置情報を求める要求を電子機器から受け付けるステップを含む。要求は、電子機器の位置において電子機器が検出したセンサーデータを含む。また、方法は、要求を受け付けたことに応答して、アクセスポイントの検出と、複数のアクセスポイントを観測した複数の電子機器から以前受信した対応するセンサーデータとを含む、格納されているクラウドソーシングされた信号にアクセスするステップを含む。アクセスするステップは、要求において特定されているアクセスポイントに対応する、格納されているクラウドソーシングされた信号のサブセットを探し出すためのステップである。これに加えて、方法は、格納されているクラウドソーシングされた信号に基づいて、要求において特定されたアクセスポイントごとに、アクセスポイントを検出したデバイスのGPS(Global Positioning System)信号を伴うアクセスポイントの検出の割合を求めるステップを含む。さらには、方法は、格納されているクラウドソーシングされた信号に基づいて、要求において特定されたアクセスポイントごとに、受信信号強度であり、RSSである、下回るとアクセスポイントの検出がGPS信号を伴わなくなる値を求めるステップを含む。また、方法は、要求において特定されているアクセスポイントごとに、割合およびRSS値を電子機器に送信し、電子機器が電子機器の位置が屋外の位置にあるか、屋内の位置にあるかを判定することを可能にし、対応する機能をトリガするステップを含む。
【0006】
その他の態様では、電子機器によって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法を開示する。この方法は、電子機器の範囲内でワイヤレスネットワークのスキャンを実行するステップと、電子機器のセンサーを用いて複数の位置関連信号を検出するステップと、複数の位置関連信号と、特定したアクセスポイントの一覧とをサーバに送信するステップとを含む。また、方法は、特定されたアクセスポイントの各々に対応する情報をサーバから受信するステップを含む。この受信情報は、特定されたアクセスポイントを観測した複数の電子機器からサーバにおいて収集されたクラウドソーシングされた信号に対応する。また、受信情報は、クラウドソーシングされた信号にある、GPS信号を伴う特定されているアクセスポイントの検出の割合の表示と、受信信号強度であり、RSS(受信信号強度)値である、下回ると特定されたアクセスポイントの検出がGPS信号を伴わなくなる値とを含む。
【0007】
電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式についての簡単な概念を紹介するためにこの概要を設けた。電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式について、詳細な説明および図面においてさらに説明する。この概要は、クレームされる主題の本質的な特徴を断定するためのものではなく、クレームされる主題の範囲を決定するために用いられることもない。
【0008】
電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法の1つ以上の態様の詳細について、添付の図面を参照しながら本明細書において説明する。図面全体を通して、同一の特徴および構成要素には同一の番号が付される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法の例示的な環境を示す。
【
図3】
図1の電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式の例示的な実施態様を示す。
【
図4】サーバによって実行される、電子機器の屋内屋外検出を可能にするための方法を示す。
【
図5】電子機器によって実行される、電子機器の屋内屋外検出を可能にするための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
概要
電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法の態様について説明する。クライアントは電子機器上で動作し、サーバはバックエンドで動作する。サーバは、電子機器が屋内の奥にあるかどうかを示すために用いられ得るいくつかの表示または信号を演算し得る。いくつかの態様では、サーバは、複数の電子機器のセンサー(たとえば、GPS、Wi-Fi、慣性センサー)から信号が収集されるクラウドソーシングされた方式を利用し得る。収集された信号を用いて、特定のアクセスポイントが特定のカテゴリー(屋外または屋内など)に該当する位置にあることを示す情報が取得できる。場合によっては、屋内カテゴリーを、屋内の奥側であるか屋内の手前側であるかさらに区別できる。このような判定は、電子機器自体の位置がこれらのカテゴリー(屋外または屋内など)のうちの1つに該当するかどうかを当該電子機器が区別するために利用され得る。屋内である場合、電子機器は、その場所が屋内の奥側であるか屋内の手前側であるかをさらに区別し得る。この判断に応じて、電子機器は、1つ以上の対応する機能をトリガして、性能を改善するおよび/または電力消費を抑えることができる。
【0011】
概して、「屋内の手前側」または「屋内の手前側の位置」という用語は、GPS信号の信号強度が低くなるようなGPS信号と干渉する建物周辺近くの場所を指し得、「屋内の奥側」または「屋内の奥側の位置」という用語は、建物または構造物の周辺から離れた、建物内部の奥にあるエリアを指し得る。屋内の奥側は、窓、バルコニー、およびガラスカーテンウォールから遠く離れた建物または構造物内のエリアを含み得、屋内の手前側は、窓、バルコニー、およびガラスカーテンウォール近くのエリアを含み得る。場合によっては、建物がGPS信号またはGNSS信号と干渉してGPS信号またはGNSS信号が検出不可能になる場合がある(たとえば、GPS衛星またはGNSS衛星が見えるところにない)。屋内の手前側は、ワイヤレスネットワークのアクセスポイントの観測時に電子機器102のGPS信号が弱い(たとえば、測位用の衛星の数が十分でない)ことによって特徴付けられ得、屋内の奥側は、ワイヤレスネットワークのアクセスポイントの観測時にGPS信号がない(GPS信号が検出されない)ことによって特徴付けられ得る。この態様およびその他の態様は、以下により詳細にさらに説明する。
【0012】
一実施態様では、これらの信号をRAW形式で電子機器に送信することができ、電子機器はRAW信号を処理できる。このようにすれば、各クライアント(たとえば、アプリケーション固有のクライアント、システム固有のクライアント)は、電子機器が屋外、屋内の手前側、または屋内の奥側などのカテゴリー内にあるかどうかを判断するためにこのRAWデータをどのように使用するかについて独自の方式を構築できるようになる。
【0013】
別の実施態様では、サーバは、電子機器が観測したアクセスポイントごとに、アクセスポイントが、たとえば、屋内の奥側であるかどうかの確率を提供してもよい。その後、サーバは、電子機器が観測したアクセスポイントごとに、この確率を、電子機器のクライアントに送信してもよい。クライアントは、その後、これらの確率をコンパイルして(たとえば、電子機器の範囲にあるアクセスポイントの確率を結合して)、電子機器の位置(および、電子機器のユーザ)が所与のカテゴリー(すなわち、屋内の奥側、屋内の手前側、または屋外)に該当する可能性を示す確率を推定または演算してもよい。さらに別の実施態様では、クライアントデバイスではなくサーバが、電子機器の位置が所与のカテゴリーに該当する可能性を示す確率を、クライアントデバイスから受信した信号から判定してもよい。
【0014】
いくつかの態様では、電子機器は、その位置が屋内の奥側、屋内の手前側、または屋外などのカテゴリー内の位置であるという判定(「屋内屋外判定)を用いて、1つ以上のセンサーを自動的にオフにすることによって電力消費を抑えることができる。たとえば、電子機器が(建物または構造物による干渉のせいでGPS信号が概して弱い)屋内にある場合、GPSスキャンがオフにされ得る。GPSスキャンは電力消費の観点で高価なセンサーであると知られているため、GPSスキャンを無効化することで電力消費を抑えることができるようになる。
【0015】
いくつかの態様では、電子機器は、リソースを割り当てるためにも屋内屋外判定を利用できる。たとえば、電子機器は、屋内屋外判定を利用して、それぞれ異なる位置センサー(たとえば、GPS信号ではなくWi-Fi信号を使用する)を利用する、または、それぞれ異なる相対位置信号に重みを割り当てる(たとえば、GPS信号には小さい重みを割り当て、Wi-Fi信号には大きな重みを割り当てる)ことによって、屋内にある場合の位置の精度を改善できる。
【0016】
さらに別の態様では、電子機器上で実行中の一部のアプリケーションが屋内屋外判定を利用してモードを切り替えることができる。たとえば、拡張現実アプリケーションは、屋外で3Dモードを使用して、電子機器のカメラの視野にオブジェクトの3D画像を表示してもよい。ユーザが電子機器を建物または構造物に持ち込む場合、拡張現実アプリケーションは、電子機器が屋外にあることに対応する3Dモードから、電子機器が屋内にあることに対応する2D(2次元)モードに自動的に切り替わって、屋外に関連する3D画像を表示しないようにする。ユーザが建物または構造物を出たときにはその逆の現象が起こり得、拡張現実アプリケーションが2Dモードから3Dモードにシームレスに切り替わることが可能になる。このようにすれば、拡張現実アプリケーションは、電子機器の現在地が以前判定された電子機器の場所とは異なることに基づいて第1モードから第2モードに切り替わることができる。したがって、アプリケーションは、電子機器が屋外にあるか屋内にあるかに基づいて異なるユーザエクスペリエンスを提供できるようになる。
【0017】
これらは、説明する技術およびデバイスをどのように利用して電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法を可能にできるかについてのいくつかの例である。その他の例および実施態様について、本明細書全体を通して説明する。本明細書は、これから例示的なシステムについて説明し、その後、例示的な方法について説明する。
【0018】
例示的なシステム
図1は、電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法の例示的な環境100を示す図である。クライアントサーバ方式は、セルラーネットワークまたはその他のワイヤレスネットワークなどのネットワーク106を経由して互いに通信する電子機器102(たとえば、携帯電子機器)とサーバ104とを含む。電子機器102は、ユーザ108によって屋外110または屋内112(たとえば、建物114もしくは構造物内、トンネル内、洞窟内、地下鉄内)など様々な環境に持ち込まれる。
【0019】
電子機器102は、クライアントアプリケーション116を含み得る。クライアントアプリケーション116は、サーバ104から受信情報に基づいて、電子機器102が屋外110にあるか屋内112にあるかの可能性(たとえば、確率)を判断するための屋内検出モジュール118を実装する。以下にさらに説明するが、電子機器102が屋内の手前側にあるか屋内の奥側にあるかを区別することによって(すなわち、「屋内」というカテゴリー内のサブカテゴリーを区別することによって)屋内112の判定を強化し得る。
【0020】
電子機器102は、ネットワークスキャナ120を備え得る。ネットワークスキャナ120は、1つ以上のアクセスポイント122が提供する近くのワイヤレスネットワークをスキャンするために使用できる。これに加えて、電子機器102は、デバイスの位置を判定するのを支援するために使用できるセンサーデータ126を検出する様々なセンサー124を備え得る。任意の適切なセンサー(複数可)124を用いることができる。例として、GPSセンサー、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサー、気圧センサー、慣性センサー、温度センサー、湿度センサー、光センサー、または、それらの任意の組合せなどが挙げられる。センサーデータ126は、デバイスの位置を判定するのを支援するために使用できる任意の適切なセンサーデータを含み得る。例として、GPSデータ、GNSSデータ、気圧、慣性データ、デバイスの周辺環境の周囲温度、湿度、光の強度、または、それらの任意の組合せなどが挙げられる。
【0021】
また、電子機器102は、サーバ104と通信するための通信モジュール128を備え得る。いくつかの態様では、クライアントアプリケーション116は、通信モジュール128を利用して、サーバ104に、観測されたアクセスポイント122の表示とともにセンサーデータ126を送信し得る。
【0022】
サーバ104はバックエンドで動作し、AP(アクセスポイント)測位API(アプリケーションプログラミングインタフェース)130(AP測位API130)と、クラウドソーシングモジュール132と、通信モジュール134と、ストレージ136とを備える。また、いくつかの態様では、サーバ104は、屋内確率モジュール138を備える。クラウドソーシングモジュール132は、ワイヤレスネットワークスキャン(たとえば、Wi-Fiスキャン)によってアクセスポイント122を観測した複数の電子機器から情報(たとえば、センサーデータ126、アクセスポイントのID、ワイヤレスネットワークのID)を一定期間収集するように構成される。サーバ104は、収集された情報(たとえば、クラウドソーシングされた情報140)をストレージ136に格納する。ストレージ136は、クラウドストレージまたはその他のバックエンドストレージを含み得る。クラウドソーシングされた情報140は、モデル形式、たとえば、サーバ104が電子機器からクラウドソーシングされた信号を受信したアクセスポイントごとに異なるモデル形式で格納され得る。
【0023】
AP測位API130は、電子機器102が観測した各アクセスポイント122に対応する信号またはデータに関するクラウドソーシングされた情報140にアクセスするために、電子機器102によって呼び出し可能である。AP測位API130は、アクセスポイント122が屋外であるか、屋内の手前側であるか、屋内の奥側であるかの可能性を判断するために使用できる、電子機器102が観測したアクセスポイント122ごとの情報を返し得る。いくつかの態様では、返された情報は、クラウドソーシングされた情報140の一部をRAWデータ形式またはRAW信号形式で含む。電子機器102の屋内検出モジュール118は、これらのRAWデータまたはRAW信号を結合して、電子機器102が実行した最近のワイヤレスネットワークスキャンが屋外の位置から収集されたのか、屋内の手前側の位置から収集されたのか、屋内の奥側の位置から収集されたのかの確率を演算し得る。これに代えて、サーバ104にある屋内確率モジュール138は、電子機器102についてのこのような確率を演算し得、通信モジュール134は、当該確率を電子機器102に送信し得る。
【0024】
図2は、1つ以上の態様に係る
図1の電子機器102の例示的な実施態様200をさらに詳細に示す図である。電子機器102は、スマートフォン102-1、タブレット端末102-2、ラップトップ102-3、デスクトップ102-4、ウェアラブルコンピューティングデバイス102-5(たとえば、スマートウォッチ)、デジタルカメラ102-6、コンピューティング眼鏡102-7(たとえば、スマートグラス)、およびポータブルメディアプレーヤ102-8と、様々な非限定的なデバイス例で図示されている。電子機器102は、コンピュータプロセッサ(複数可)202と、コンピュータ読み取り可能な媒体204とを含む。コンピュータ読み取り可能な媒体204は、メモリ媒体206と、記憶媒体208とを含む。コンピュータ読み取り可能な媒体204上にコンピュータ読み取り可能な命令として組み入れられたアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステム(図示せず)をプロセッサ(複数可)202によって実行して、本明細書において説明する機能の一部を提供できる。また、コンピュータ読み取り可能な媒体204は、クライアントアプリケーション116を含む。クライアントアプリケーション116は、通信モジュール128を利用して
図1のサーバ104と通信できる。また、クライアントアプリケーション116は、屋内検出モジュール118を利用して、電子機器102が屋外の位置にあるのか、屋内の手前側の位置にあるのか、屋内の奥側の位置にあるのかの確率を検出し得る。
【0025】
また、電子機器102は、センサー(複数可)124と、ネットワークスキャナ120と、I/Oポート210と、ネットワークインタフェース212とを備え得る。I/Oポート210は、一例として、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、DVI(Digital Video Interface)、ディスプレイポート、光ファイバーもしくは光ベースのオーディオポート(たとえば、アナログ、光、もしくはデジタル)、USB(Universal Serial Bus)ポート、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)ポート、PCI(Peripheral Component Interconnect)Expressベースのポートもしくはカードスロット、シリアルポート、パラレルポート、またはその他のレガシーポートなど、様々なポートを含み得るが、これらに限定されない。また、電子機器102は、有線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、または光ネットワークでデータを通信するためのネットワークインタフェース(複数可)212を備え得る。一例として、ネットワークインタフェース212は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)、PAN(パーソナルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)、イントラネット、インターネット、ピアツーピアネットワーク、ポイントツーポイントネットワーク、メッシュネットワークなどを介してデータを通信し得るが、これらに限定されない。
【0026】
図3は、
図1の電子機器102の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式の例示的な実施態様300を示す図である。図示した例では、電子機器102は、Wi-Fiスキャンを実行して、電子機器102の範囲内にある第1アクセスポイント(AP-1 302)と、第2アクセスポイント(AP-2 304)と、第3アクセスポイント(AP-3 306)とを検出する。これに加えて、電子機器102は、任意の適切な位置関連信号を含む、センサーデータ126を収集する。センサーデータ126のいくつかの例として、電子機器102の現在のGPS位置308、電子機器102周囲の空気の気圧310、電子機器102に対応する慣性信号312、周辺光314、周囲温度316、およびWi-Fi信号318などが挙げられる。
【0027】
センサーデータ126(それぞれ異なる組合せを含む)は、電子機器102が屋内にあると示し得る。たとえば、電子機器102が気圧計を利用し、電子機器102の高度が変わった(たとえば、階が変わった)ことを気圧310が示した場合、電子機器102が屋内にある可能性が高くなり得る。電子機器102が、高度が変化している間に特定のアクセスポイントでWi-Fi信号318を検出した場合、このような信号の組合せは、当該特定のアクセスポイントが屋外ではなく屋内にあることを示し得る。別の例では、電子機器102がそのGPSの位置308を強い信号強度で測定した場合、観測されたアクセスポイントが屋外であるか近くの屋外である可能性が高い。なぜならば、GPS信号は、一般に、屋内では信号強度が弱いためである。
【0028】
電子機器102は、電子機器102が現在屋外の位置、屋内の手前側の位置、屋内の奥側の位置、のうちいずれに位置するのかを推定するために使用できる情報を求める要求320をサーバ104に送信する。電子機器102は、各観測されたアクセスポイント(たとえば、AP-1ID322、AP-2ID324、およびAP-3ID326)のIDを要求320に含める。
【0029】
サーバ104は、クラウドソーシングされた情報140にアクセスし、要求に含まれる観測されたアクセスポイントのIDを用いて、これらの観測されたアクセスポイント(たとえば、AP-1 302、AP-2 304、およびAP-3 306)を以前検出したその他の電子機器から収集したデータまたは信号を探し出す。クラウドソーシングされた情報140は、センサーデータ126と同様の、観測されたアクセスポイントを検出した各電子機器のとの検出時刻および検出場所におけるRAW形式または処理されたセンサー情報(たとえば、GPS位置308、周囲気圧310、慣性信号312、周辺光314、周囲温度316、およびWi-Fi信号318)を含み得る。行動認識、移動速度および移動方向、デバイス上で実行中のアクティブなアプリケーション(たとえば、エクササイズアプリケーション、拡張現実アプリケーション、ナビアプリケーション)の種類を含む、電子機器102が屋内にあるか屋外にあるかを示すために利用できるその他のRAW形式または処理されたセンサー情報も使用できる。
【0030】
サーバ104は、要求320において特定されているアクセスポイント(AP-1 302、AP-2 304、およびAP-3 306)毎のセンサーデータ126を、クラウドソーシングされた情報140に追加し得る。クラウドソーシングされた情報140を用いて、サーバは、アクセスポイントごとに、検出デバイスのGPS信号を伴ったアクセスポイントの検出の割合Pを求めることができる。いくつかの態様では、割合Pは、クラウドソーシングされた情報140にあるアクセスポイントの総検出数に対する、アクセスポイントを観測する際にその他のデバイスがGPS信号を検出した回数を示す。割合Pは、集合または全体のうち一部または分数を表し得、x÷100で定められる値を含む。また、サーバ104は、クラウドソーシングされた情報140を用いて、下回ると検出が検出デバイスのGPS信号を伴わなくなるRSS値Sを求めることができる(たとえば、クラウドソーシングされた情報140にある、対応するRSS値を有するアクセスポイントの総検出数に対する、アクセスポイントを検出した電子機器のGPS信号を伴う最小RSS値)。
【0031】
サーバ104は、要求320にあるアクセスポイントごとの割合PおよびRSS値Sを含んだ応答328を送信し得る。たとえば、応答328は、(P,S)AP-1330と、(P,S)AP-2332と、(P,S)AP-3334とを含む。また、サーバ104は、アクセスポイントのGPS位置、および/または、クラウドソーシングされた情報140から算出される、各アクセスポイントが屋内にある確率、(または、各アクセスポイントが屋外に位置する確率)など、アクセスポイントごとのその他の情報を送信できる。
【0032】
その後、電子機器102は、応答328にあるこの情報を用いて、アクセスポイント(AP-1 302、AP-2 304、およびAP-3 306)ごとに、アクセスポイントが屋内の奥側(または、屋外もしくは屋内の手前側)に位置する確率を推定できる。観測されたアクセスポイント(AP-1 302、AP-2 304、およびAP-3 306)の確率を結合することによって、電子機器102は、電子機器102自体の位置が屋内の奥側(または、屋外もしくは屋内の手前側)である可能性を推定できる。この特徴およびその他の特徴の詳細については、例示的な方法で後述する。
【0033】
例示的な方法
図4および
図5は、方法400および方法500を示す図である。方法400および方法500は、実行される動作を詳細に記した一連のブロックとして示されているが、それぞれのブロックによる動作を実行するための順序や組合せは、図示されている順序や組合せに必ずしも限定されない。さらには、これらの動作のうちの1つ以上の動作のいずれかを繰り返したり、組み合わせたり、再編成したり、または関連付けたりして様々な追加の方法および/または別の方法を提供してもよい。下記の説明の一部では、
図1の例示的な環境100や
図2および
図3で詳細を示したエンティティまたは処理を参照する場合があるが、これらへの参照は一例にすぎない。技術は、1つのデバイス上で動作する1つのエンティティまたは複数のエンティティによる動作に限定されない。
【0034】
図4は、サーバによって実行される、電子機器の屋内屋外検出を可能にするための方法を示す図である。サーバは、
図1のサーバ104であり得、電子機器は、
図1の電子機器102であり得る。サーバ104は、ネットワーク106を経由して電子機器102と通信し得る。
【0035】
402では、サーバは、アクセスポイントを観測する複数の携帯電子機器からクラウドソーシングされた信号を受信する。たとえば、サーバは、GPS信号、Wi-Fi信号、気圧信号、慣性センサー信号、および、アクセスポイントを検出するときに複数の携帯電子機器が検出したその他の位置関連信号を含む、クラウドソーシングされた信号を受信して処理する。
【0036】
404では、サーバは、クラウドソーシングされた信号をRAW形式でストレージに格納する。いくつかの態様では、サーバは、クラウドソーシングされた信号をアクセスポイントごとに集約できる。RAW形式のクラウドソーシングされた信号を格納することにより、サーバがRAW信号を要求元クライアントアプリケーションに提供することが可能になり、これにより、クライアントアプリケーションがクライアントアプリケーション自体のアプリケーション固有またはシステム固有のモデル、アルゴリズム、パラメータ、設定、および要件をRAW信号に対して用いて、クライアントアプリケーションが実行中の電子機器が屋外にあるか屋内にあるかの可能性を判断することが可能になる。
【0037】
406では、サーバは、電子機器の範囲で検出されたアクセスポイント(複数可)に対応する位置情報を求める要求を電子機器から受信する。たとえば、サーバは、
図3の要求320など、電子機器102が実行したワイヤレスネットワークスキャン(たとえば、Wi-Fiスキャン)に関連する情報を受信する。スキャンは、電子機器102が検出した1つ以上のアクセスポイントの特定を含む。また、要求は、電子機器102がスキャンを実行した時間および位置における電子機器102のGPS位置(たとえば、経度の位置、緯度の位置)に対応するGPS信号など、電子機器102が検出したその他の位置関連信号を含み得る。当該その他の位置関連信号は、電子機器102の周囲の周辺光の量またはレベル、電子機器102の周りの周囲環境の気圧、電子機器102を基準としたアクセスポイントに対応するRSS値、周囲温度などを示す信号を含み得る。
【0038】
408では、サーバは、要求に応答して、格納されているクラウドソーシングされた信号にアクセスし、電子機器が特定したアクセスポイントに対応する、格納されているクラウドソーシングされた信号のサブセットを探し出す。これに加えて、サーバは、電子機器102から受信した信号を、スキャンで特定されたアクセスポイントに対応する、格納されているクラウドソーシングされた信号と合成し得る。
【0039】
410では、サーバは、電子機器が特定したアクセスポイントごとに、GPS信号を伴う検出の割合を求める。検出は、格納されているクラウドソーシングされた信号から求められ、複数の携帯電子機器のサブセットによるアクセスポイントの検出を含む。これにより、(i)アクセスポイントを観測する各電子機器の対応するGPS信号のないアクセスポイントの検出(たとえば、Wi-Fi観測)と、(ii)各電子機器のGPS信号を伴うアクセスポイントの検出とが区別される。たとえば、GPS信号を伴うアクセスポイントの検出の割合が高い場合(たとえば、約75%以上)、アクセスポイントが屋外にある可能性が高い。GPS信号を伴うアクセスポイントの検出の割合が低い(たとえば、約25%以下)、逆に言うと、GPS信号を伴わないアクセスポイントの検出の割合が高い場合(たとえば、約75%以上)、アクセスポイントが屋内の奥側にある可能性が高い。割合が中程度であり(たとえば、約25%~75%の間)、アクセスポイントを検出する電子機器のうちいくつかの電子機器がGPS信号も検出し、かつ、アクセスポイントを検出する電子機器のうちいくつかの電子機器がGPS信号を検出しないことを示す場合、アクセスポイントが屋内の手前側にある(たとえば、建物の外周近く(内部または外)に位置する)可能性がある。
【0040】
412では、サーバは、電子機器が特定したアクセスポイントごとに、下回るとアクセスポイントに関してGPS信号が受信されなくなるRSS値を求める。たとえば、格納されているクラウドソーシングされた信号を用いて、サーバは、RSS値を求めるおよび/または記録することができる。GPS位置が観測されないアクセスポイントには、一意のRSS値を割り当てて、アクセスポイントが屋内の奥側にあることを示すことができる。同様に、GPS位置が観測されるアクセスポイントには、低いRSS値が割り当てられ得る。例では、低いRSS値は、-105dBm(デシベルミリワット)~約-80dBmの範囲内であり得、中間のRSS値は、約-80dBm~約-65dBmの範囲内であり得、強いRSS値は、約-65dBm~約-50dBmの範囲内であり得、非常に強いRSS値は、約-50dBmよりも大きい値であり得る。
【0041】
RSS値に加えて、CN0(信号対雑音密度)値を用いて屋内の奥側、屋内の手前側、または屋外を示し得る。たとえば、約15dBHz(デシベルヘルツ)未満のCN0信号は、屋内の奥側を示し得、約15dBHz~約23dBHzの範囲内のCN0信号は、屋内の手前側を示し得、約23dBHzよりも大きいCN0信号は、屋外を示し得る。RSS値およびCN0値の範囲は、あくまで例示として説明しており、本明細書に記載の技術はこのような例によって限定されない。
【0042】
以下の表1は、アクセスポイントが屋内の奥側に位置するか、屋内の手前側に位置するか、屋外に位置するかを示し得る信号強度とGPS信号との組合せの例を記載している。
【0043】
表1:アクセスポイントの屋内屋外検出に関する信号強度とGPS信号との組合せの例
【0044】
【0045】
一例において、(i)信号強度が強くGPS信号を伴わないアクセスポイントの検出と、(ii)信号強度が弱くGPS信号を伴わないアクセスポイントの検出との組合せに基づいて、アクセスポイントは屋内の奥側にあると判断され得る。表1に示す別の例では、アクセスポイントが屋内の手前側に位置する場合、建物周辺近くでGPSを検出できることが時々あるので、電子機器は強い信号強度のGPSを検出し得る。しかしながら、電子機器102がアクセスポイントから離れるように(たとえば、さらに屋内に)移動された場合、電子機器102はGPSを検出しなくなるであろう。このような場合、表1に示すように、(i)信号強度が強くGPS信号を伴うアクセスポイントの検出と、(ii)信号強度が弱くGPS信号を伴わないアクセスポイントの検出との組合せに基づいて、アクセスポイントは屋内の手前側にあると判断され得る。
【0046】
表1に示すその他の例では、(iii)信号強度が強くGPS信号を伴わないアクセスポイントの検出と、(iv)信号強度が弱くGPS信号を伴うアクセスポイントの検出との組合せに基づいて、アクセスポイントは屋内の手前側にあると判断され得る(たとえば、アクセスポイントから離れて屋外の位置まで移動されたデバイス)。場合によっては、アクセスポイントが屋内の手前側にあるという判定は、(iii)および(iv)を、(v)信号強度が弱くGPS信号を伴わないアクセスポイントの検出と組み合わせた判断である(たとえば、アクセスポイントから離れてさらに屋内まで移動されたデバイス)。表1に示すさらに別の例では、(vi)信号強度が強くGPS信号を伴うアクセスポイントの検出と、(vii)信号強度が弱くGPS信号を伴うアクセスポイントの検出との組合せに基づいて、アクセスポイントは屋外にあると判断され得る。
【0047】
414では、サーバは、アクセスポイントごとの割合およびRSS値を電子機器に送信する。電子機器102が観測したアクセスポイントごとの割合およびRSS値は、アクセスポイントが屋内の奥側にあるか、屋内の手前側にあるか、屋外にあるかの確率(「屋内確率」)を電子機器102上のクライアントアプリケーションがアクセスポイントごとに判断することを可能にできる。これらの確率は、電子機器102が屋内の奥側にある、屋内の手前側にある、または屋外にある確率をクライアントアプリケーションが推定することを可能にし得る。
【0048】
これに代えて、416では、サーバは、スキャンで特定されたアクセスポイントの各々の屋内確率を推定する。任意の適切な集約関数を実装してアクセスポイントが屋内の奥側にある確率を推定できる。
【0049】
418では、サーバは、屋内確率を電子機器に送信する。電子機器102が観測した各アクセスポイントの屋内確率を送信することで、観測されたアクセスポイントの確率を結合して、電子機器102が屋内の奥側に位置するか、屋内の手前側に位置するか、屋外に位置するかを電子機器102が判定することが可能になり得る。これに代えて、屋内確率を電子機器102に送信するのではなく、サーバ104自体が観測されたアクセスポイントの確率を結合して、電子機器102が屋内の奥側に位置するか、屋内の手前側に位置するか、屋外に位置するかを判定してもよく、続いて、サーバ104は、この処理の結果を電子機器102に送信し得る。
【0050】
図5は、電子機器によって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法を示す図である。電子機器は、電子機器102であり得、ネットワーク106を経由してサーバ104と通信する。
【0051】
502では、電子機器は、電子機器の範囲内のワイヤレスネットワークのスキャンを実行する。このスキャンは、たとえば2.4GHz帯および/または5GHz帯の802.11規格などを用いた、アクセスポイントが提供するワイヤレスネットワークを対象とする任意の適切なWi-Fiスキャンを含み得る。
【0052】
504では、電子機器は、電子機器のセンサーを用いて複数の位置関連信号を検出する。たとえば、電子機器102は、GPS位置308と、周囲気圧310と、慣性信号312と、周辺光314と、周囲温度316と、Wi-Fi信号318とを検出し得る。
【0053】
506では、電子機器は、スキャン結果に基づいて、ワイヤレスネットワークアクセスを提供している複数のアクセスポイントを特定する。たとえば、電子機器102は、少なくとも、
図3のAP-1 302と、AP-2 304と、AP-3 306とを検出し得る。この時点で、検出されたアクセスポイントの位置が屋内の奥側、屋内の手前側、または屋外であるかについて、電子機器102はわからない。
【0054】
508では、電子機器は、複数の位置関連信号と、特定したアクセスポイントの一覧とをサーバに送信する。たとえば、電子機器102は、サーバ104にあるAPI(たとえば、
図1のAP測位API130)の呼び出しを含み得る要求(たとえば、
図3の要求320)を送信する。
【0055】
510では、電子機器は、特定したアクセスポイントの各々に対応する情報をサーバから受信する。この受信情報は、特定したアクセスポイントを観測した複数の電子機器からサーバにおいて収集されたクラウドソーシングされた信号に対応する。受信情報は、要求において特定されているアクセスポイントごとに、(i)クラウドソーシングされた情報にある、GPS信号を伴うアクセスポイントの検出の割合Pと、(ii)下回るとアクセスポイントの検出がGPS信号を伴わなくなるRSS値Sとを含み得る。また、いくつかの態様では、受信情報は、特定されたアクセスポイントの各々のGPS位置を3D(x,y,z)で含み得る。一例において、受信情報は、モデル形式であり得、たとえば、要求において特定されているアクセスポイントごとに異なるモデルである(または、サーバ104が格納したアクセスポイントごとのモデル)。
【0056】
512では、電子機器は、受信情報に基づいて、電子機器がスキャンを行った時に、屋外の位置、屋内の手前側の位置、または屋内の奥側の位置のうち、どの位置に電子機器が位置していた可能性が最も高かったのを判定する。たとえば、電子機器102は、サーバ104からの応答328に基づいて、アルゴリズムを適用し、Wi-Fiスキャンで観測されたアクセスポイントごとに利用可能な情報を結合し、現在のWi-Fiスキャンが屋内の位置(または屋外の位置)から収集された確率を演算し得る。例示的なアルゴリズムは、Wi-Fiスキャンにおいて(i)GPS信号の存在に関連性のないアクセスポイントが多いほどおよび/または(ii)下回るとGPS信号が受信されなくなる高いRSSに関連性があるアクセスポイントが多いほど、電子機器102が屋内にある確率が高いという仮説に依拠し得る。
【0057】
屋外と、屋内の手前側と、屋内の奥側とを区別するために、電子機器102(または、
図1に示す電子機器102上で実行中のクライアントアプリケーション116)は、アクセスポイントごとに、しきい値を受信情報に設定することによって、上述したアルゴリズムを強化させることができる。たとえば、関連するGPSのない観測されたアクセスポイントの数および/または下回るとGPSが受信されなくなる高いRSS値を有するアクセスポイントの数にしきい値を設定できる。電子機器102が、たとえば、Wi-Fiスキャンにおいて6つのアクセスポイントを観測したとき、電子機器102は、しきい値(たとえば、5)を用いて、たとえばこれらのアクセスポイントのうち、関連するGPSがないアクセスポイントが5つ以上である場合、Wi-Fiスキャンの位置が屋内の奥側の位置である確率が高いと判断し得る。同様に、しきい値数のアクセスポイント(たとえば、10のうち7)が、下回ると検出デバイスのGPSが受信されなくなる高いRSS値を有する場合、Wi-Fiスキャンの位置が屋内の奥側である可能性が高い。
【0058】
これに代えてまたはこれに加えて、電子機器102は、しきい値(複数可)を演算された確率に設定することによって、屋外と、屋内の手前側と、屋内の奥側とを区別できるようになる。例示的な実施態様では、電子機器102は、受信情報を用いて、電子機器102が屋内の奥側にある可能性を示す確率を算出できる。確率が第1のしきい値T1未満である場合、電子機器102が屋内にある可能性は低く、屋外にある可能性が高い。確率が第1のしきい値T1と第1のしきい値T1よりも高い第2のしきい値T2との間である場合、電子機器102が、建物周辺近くなど、屋内の手前側の位置にある可能性がある。より高い第2のしきい値T2よりも確率が大きい場合、電子機器102は屋内の奥側にある可能性がある。
【0059】
反対に、電子機器102は、受信情報を用いて、電子機器102が屋外にある可能性が高いことを示す確率を算出できる。たとえば、確率が第1のしきい値T1未満である場合、電子機器102が屋外にある可能性は低く、屋内の奥側にある可能性が高い。確率が第1のしきい値T1と第1のしきい値T1よりも高い第2のしきい値T2との間である場合、電子機器102が、建物周辺近くなど、屋内の手前側の位置にある可能性がある。より高い第2のしきい値T2よりも確率が大きい場合、電子機器102は、屋外である可能性がある。
【0060】
第1のしきい値および第2のしきい値は、アプリケーション固有のしきい値であり得、異なるアプリケーションが異なるしきい値を用いて電子機器102が屋外にある可能性、屋内の手前側にある可能性、または屋内の奥側にある可能性を判断し得る。アプリケーション固有のしきい値は、性能を改善する、電力消費を抑える、またはリソースを割り当てる位置に基づいた機能または動作を特定のアプリケーションがトリガすることを可能にし得る。これに代えて、第1のしきい値および第2のしきい値は、システム固有のしきい値であってもよく、しきい値は電子機器102のオペレーティングシステムに固有であり、オペレーティングシステムのメーカーによって規定される。システム固有のしきい値には、どのアプリケーションが実行中であるかに関係なく、システムレベルで性能を改善する、電力消費を抑える、またはリソースを割り当てる位置に基づいた機能を電子機器102がトリガすることを可能にし得る。いくつかの態様では、しきい値は、電子機器102のユーザによって規定されてもよい。
【0061】
いくつかの態様では、サーバ104は、アクセスポイントのモデルに追加の浮動小数点を割り当てて、アクセスポイントが屋内の奥側にあることを示すことができる。一例において、電子機器102のWi-Fiスキャンにバウンディングボックス(Bounding Box)を適用してフィルタリングを増やし、屋外の位置、屋内の手前側の位置、屋内の奥側の位置のうち、どの位置が電子機器102の位置である可能性が最も高いかについての判定の精度を高めることができる。別の方式では、サーバ104は、電子機器102に関して上述した方式の次にステップ512を実行でき、続いて、その結果を電子機器102に送信してもよい。
【0062】
514では、この判定に応じて、電子機器は、判定された位置に対応する機能をトリガする。この機能は、アプリケーション固有の機能であってもよく(たとえば、モード切替え、音量調節、明るさ調節)、システム固有の機能であってもよい(たとえば、GPS検出のオン/オフ、Wi-Fiスキャンのオン/オフ、Bluetooth(登録商標)のオン/オフ、スクリーンの明るさ調節、またはその他のシステム設定)。
【0063】
いくつかの実施例について、以下に説明する。
例1:サーバによって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法であって、
電子機器の範囲において検出され、要求において特定されているアクセスポイントに対応する位置情報を求める要求を電子機器から受け付けるステップを含み、要求は、電子機器の位置において電子機器が検出したセンサーデータを含み、方法は、さらに、
要求を受け付けたことに応答して、アクセスポイントの検出と、複数のアクセスポイントを観測した複数の電子機器から以前受信した対応するセンサーデータとを含む、格納されているクラウドソーシングされた信号にアクセスするステップを含み、アクセスするステップは、要求において特定されているアクセスポイントに対応する、格納されているクラウドソーシングされた信号のサブセットを探し出すためのステップであり、方法は、さらに、
格納されているクラウドソーシングされた信号に基づいて、要求において特定されたアクセスポイントごとに、アクセスポイントを検出したデバイスのGPS(Global Positioning System)信号を伴うアクセスポイントの検出の割合を求めるステップと、
格納されているクラウドソーシングされた信号に基づいて、要求において特定されたアクセスポイントごとに、受信信号強度であり、RSSである、下回るとアクセスポイントの検出がGPS信号を伴わなくなる値を求めるステップと、
要求において特定されているアクセスポイントごとに、割合およびRSS値を電子機器に送信し、電子機器が電子機器の位置が屋外の位置にあるか、屋内の位置にあるかを判定することを可能にし、対応する機能をトリガするステップとを含む、方法。
【0064】
例2:送信するステップは、クラウドソーシングされた信号のサブセットをRAW形式で電子機器に送信して、電子機器の位置が屋外の位置にあるか屋内の位置にあるかを区別するためのアプリケーション固有のパラメータまたはシステム固有のパラメータを電子機器が利用することを可能にするステップを含む、例1に記載の方法。
【0065】
例3:センサーデータは、電子機器の位置に対応するGPS位置、気圧、電子機器に対応する慣性信号、周辺光、周囲温度、またはWi-Fi信号のうち、少なくとも1つを含む、例1または2に記載の方法。
【0066】
例4:センサーデータと格納されているクラウドソーシングされた信号と集約するステップをさらに含む、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
例5:割合は、格納されているクラウドソーシングされた信号にあるアクセスポイントの総検出数に対する、アクセスポイントを観測するときにその他のデバイスがGPS信号を検出した回数を示し、
割合が高い場合は、アクセスポイントが屋外にある可能性があることを示し、
割合が低い場合は、アクセスポイントが屋内の奥側にある可能性があることを示し、
割合が中程度である場合は、アクセスポイントが屋内の手前側にある可能性があることを示す、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
例6:RSS値は、アクセスポイントを検出したデバイスのGPS信号を伴う最小RSS値を表し、最小RSS値は、格納されているクラウドソーシングされた信号にある、対応するRSS値を有するアクセスポイントの総検出数に対する最小RSS値である、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
例7:要求において特定されているアクセスポイントごとに、アクセスポイントが屋内の奥側にある可能性を示す確率を算出するステップと、
アクセスポイントの確率を電子機器に送信するステップとをさらに含む、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
例8:屋内の位置は、屋内の手前側の位置と、屋内の奥側の位置とを含み、
特定されたアクセスポイントに関して演算された確率の組合せに基づいて、電子機器の位置が屋内の奥側の位置である可能性を示すさらなる確率を判定するステップと、
さらなる確率が第1のしきい値未満である場合、電子機器の位置が屋外の位置であると判定し、
さらなる確率が第1のしきい値と第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値との間である場合、電子機器の位置が屋内の手前側の位置であると判断し、
さらなる確率が第2のしきい値よりも大きい場合、電子機器の位置が屋内の奥側の位置であると判断するステップとをさらに含む、例7に記載の方法。
【0071】
例9:要求において特定されているアクセスポイントごとに、アクセスポイントが屋外である可能性を示す確率を算出するステップと、
アクセスポイントの確率を電子機器に送信するステップとをさらに含む、例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
例10:屋内の位置は、屋内の手前側の位置と、屋内の奥側の位置とを含み、
特定されたアクセスポイントに関して演算された確率の組合せに基づいて、電子機器の位置が屋外の位置である可能性を示すさらなる確率を判定するステップと、
さらなる確率が第1のしきい値未満である場合、電子機器の位置が屋内の奥側の位置であると判定し、
さらなる確率が第1のしきい値と第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値との間である場合、電子機器の位置が屋内の手前側の位置であると判断し、
さらなる確率が第2のしきい値よりも大きい場合、電子機器の位置が屋外の位置であると判定するステップとをさらに含む、例9に記載の方法。
【0073】
例11:アクセスポイントの確率を電子機器に送信するステップは、屋内の奥側の位置、屋内の手前側の位置、屋外の位置のうち、いずれの位置が電子機器の位置に対応するかについての判定に応じた機能を電子機器がトリガすることを可能にする、例7~10のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
例12:屋外の位置は、建物または構造物の外である、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
例13:屋内の手前側の位置は、GPS信号と干渉する建物または構造物の周辺の近くであり、GPS信号の信号強度は低い、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
例14:屋内の奥側の位置は、GPS信号と干渉してGPS信号が検出不可能である、建物または構造物の周辺から離れた、建物または構造物内部のエリアを含む、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
例15:メモリと、
メモリにある命令を実行して先行する例のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成されたプロセッサとを備える、システム。
【0078】
例16:電子機器によって実行される、電子機器の屋内屋外検出のための方法であって、
電子機器の範囲内でワイヤレスネットワークのスキャンを実行するステップと、
電子機器のセンサーを用いて複数の位置関連信号を検出するステップと、
スキャン結果に基づいて、ワイヤレスネットワークアクセスを提供している複数のアクセスポイントを特定するステップと、
複数の位置関連信号と、特定したアクセスポイントの一覧とをサーバに送信するステップと、
特定されたアクセスポイントの各々に対応する情報をサーバから受信するステップとを含み、この受信情報は、特定されたアクセスポイントを観測した複数の電子機器からサーバにおいて収集されたクラウドソーシングされた信号に対応し、受信情報は、
クラウドソーシングされた信号にある、GPS信号を伴う特定されているアクセスポイントの検出の割合の表示と、
受信信号強度であり、RSSである、下回ると特定されたアクセスポイントの検出がGPS信号を伴わなくなる値とを含み、
受信情報に基づいて、電子機器がスキャンを行った時に、屋外の位置、屋内の手前側の位置、または屋内の奥側の位置のうち、どの位置に電子機器が位置していた可能性が最も高かったのを判定するステップをさらに含む、方法。
【0079】
例17:受信情報に基づいて、特定されたアクセスポイントについて、特定されたアクセスポイントが屋内の奥側に位置することを示す確率を求めるステップをさらに含む、例16に記載の方法。
【0080】
例18:電子機器がスキャンを行った時にどの位置に電子機器が位置していた可能性が最も高かったのを判定するステップは、特定されたアクセスポイントの確率の組合せに基づいて、電子機器がスキャンを行った時に電子機器が屋内の奥側に位置していた可能性を示すさらなる確率を算出するステップを含む、例17に記載の方法。
【0081】
例19:当該さらなる確率に複数のしきい値を適用して、屋外の位置、屋内の手前側の位置、および屋内の奥側の位置にそれぞれ対応する範囲を定めるステップをさらに含む、例18に記載の方法。
【0082】
例20:特定されたアクセスポイントごとに割合とRSS値とを結合するステップと、
屋内の奥側の位置においてスキャンが実行された確率を演算するステップとをさらに含む、例17に記載の方法。
【0083】
例21:位置関連信号は、電子機器のGPS位置、気圧、慣性信号、周辺光、周囲温度、またはWi-Fi信号のうち、少なくとも1つを含む、例16に記載の方法。
【0084】
例22:サーバから情報を受信するステップは、クラウドソーシングされた信号のサブセットをRAW形式で受信するステップを含む、例16に記載の方法。
【0085】
例23:判定するステップに応答して、判定された位置に対応する機能をトリガするステップをさらに含む、例16に記載の方法。
【0086】
例24:判定された位置は、屋内の手前側の位置または屋内の奥側の位置を含み、
トリガされる機能は、位置検出のためのGPSをオフにすることを含む、例23に記載の方法。
【0087】
例25:トリガされる機能は、判定された位置が以前判定された電子機器の位置とは異なることに基づいて、拡張現実アプリケーションを第1モードから第2モード切り替えることを含む、例23に記載の方法。
【0088】
例26:判定された位置は、屋内の手前側の位置であり、以前判定された位置は、屋外の位置であり、
第1モードは、3次元モードを含み、第2モードは、2次元モードを含む、例25に記載の方法。
【0089】
例27:受信情報は、クラウドソーシングされた情報に基づいてサーバが演算した、特定されたアクセスポイントが屋内の奥側に位置する確率を含み、
判定は、特定されたアクセスポイントについての受信した確率と、1つ以上の確率しきい値との組合せに基づく、例16に記載の方法。
【0090】
例28:1つ以上の確率しきい値は、アプリケーション固有の値を含む、例27に記載の方法。
【0091】
例29:1つ以上の確率しきい値は、電子機器のオペレーティングシステムに固有の確率しきい値である、例27に記載の方法。
【0092】
例30:1つ以上の確率しきい値は、電子機器のユーザによって定義可能である、例27に記載の方法。
【0093】
例31:メモリと、
メモリにある命令を実行して例16~30のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成されたプロセッサとを備える、電子機器。
【0094】
まとめ
電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法について、特徴および/または方法に特有の言葉で説明したが、請求の範囲の主題は、記載した具体的な特徴または方法によって必ずしも限定されるわけではない。むしろ、これらの具体的な特徴および方法は、電子機器の屋内屋外検出のためのクライアントサーバ方式ならびに関連するシステムおよび方法の例示的な実施態様として開示されており、その他の同等の特徴および方法は、添付の特許請求の範囲に含まれる。さらには、様々な異なる態様を記載した。記載した態様の各々を単独で実装してもよく、1つ以上のその他の記載の態様と関連付けて実装してもよいことが分かるであろう。