(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】冷水生成装置およびこれを含む浄水器
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20241127BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20241127BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20241127BHJP
【FI】
F25D11/00 102D
B67D1/08 A
C02F1/00 B
C02F1/00 L
(21)【出願番号】P 2023513190
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2021012306
(87)【国際公開番号】W WO2022055283
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0116169
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, ミンチュル
(72)【発明者】
【氏名】キム, チュンラエ
(72)【発明者】
【氏名】キム, チュルホ
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャンジョン
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0139871(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0099854(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0193834(US,A1)
【文献】特開2012-229912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵水が収容されるケース部材;
前記ケース部材の内部に流入する流入水の流路を提供する入水流路部材;
前記ケース部材の内部から流出する流出水の流路を提供する出水流路部材;および
前記ケース部材の内部に収容された貯蔵水が冷却されるように前記ケース部材の一側に配置される冷却部材;を含み、
前記ケース部材には高さ方向に沿って互いに対向配置される上部壁と下部壁、幅方向に沿って互いに対向配置される一対の側壁、深さ方向に沿って互いに対向配置される熱伝達壁と対向壁、前記ケース部材の内部を複数の区域に区画するように幅方向と平行に配置される隔板、流入水が流入するように前記入水流路部材と連通される入水ポートおよび流出水が流出するように前記出水流路部材と連通される出水ポートが備えられ、
前記上部壁、前記下部壁、および前記一対の側壁は、前記熱伝達壁と一体に延長形成され、
前記熱伝達壁には、前記貯蔵水が前記隔板間を流れる過程で前記熱伝達壁の内側面と直接接触するように前記隔板が一体に延長形成され、
前記対向壁は、前記ケース部材の内部が閉鎖されるように結合され、
前記上部壁の内側面には、前記深さ方向に沿って前記対向壁に向かう方向に上向きに延びる斜面が形成され、
前記下部壁の内側面には、前記深さ方向に沿って前記対向壁に向かう方向に下向きに延びる斜面が形成され、
前記入水ポートと前記出水ポートのうちいずれか一つのポートは前記ケース部材の内部の貯蔵水が前記熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向に沿って前記熱伝達壁と隣接して配置され、他の一つのポートは前記対向壁と隣接して配置され、
前記隔板には、貯蔵水が移動する開口がそれぞれ形成され、
前記開口は、前記ケース部材の内部を流れる貯蔵水が対角線方向に流れるように上向きに連続配置される前記隔板の角と対向の角に交互に形成され、
前記角に形成される前記開口および前記対向の角に形成される前記開口のうちの一方は、前記熱伝達壁に隣接して配置され、他方は、前記対向壁に配置されることを特徴とする、冷水生成装置。
【請求項2】
一対の前記側壁のうちいずれか一つの側壁の下端には前記入水ポートが備えられ、他の一つの側壁の上端には前記出水ポートが備えられ、
前記入水ポートを通じて流入する流入水の方向と前記出水ポートを通じて流出する流出水の方向は幅方向と平行に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の冷水生成装置。
【請求項3】
前記出水ポートは前記斜面に沿って案内された空気が流出する流出水とともに排出されるように前記対向壁と隣接して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の冷水生成装置。
【請求項4】
前記入水ポートの内周面には、前記入水流路部材を通じて供給される流入水の流速が一定流速以下に減少した状態で前記入水ポートを通じて前記ケース部材の内部に流入するように内径が拡張される減速面が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の冷水生成装置。
【請求項5】
前記ケース部材の内部には、前記入水流路部材を通じて供給される流入水の流速が一定流速以下に減少した状態で前記ケース部材の内部に流入するように流入水の流路を一部閉鎖する抵抗バッフルが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の冷水生成装置。
【請求項6】
前記ケース部材の内部の複数の区域に沿って流れる貯蔵水の流速は1.2L/min以下であることを特徴とする、請求項4または請求項5記載の冷水生成装置。
【請求項7】
前記ケース部材の内部の全体の高さがHであるとき、互いに対向配置される前記隔板間の間隔hはH/9以下であることを特徴とする、請求項1に記載の冷水生成装置。
【請求項8】
互いに対向配置される前記隔板間の間隔は18mm以下であることを特徴とする、請求項7に記載の冷水生成装置。
【請求項9】
原水を濾過して浄水を生成する濾過部;および
前記濾過部から浄水の供給を受けて冷水を生成する冷水生成部;を含み、
前記冷水生成部には浄水が収容されるケース部材と、前記ケース部材の内部に浄水が流入するように流路を提供する入水流路部材と、前記ケース部材の内部で冷却された浄水が流出するように流路を提供する出水流路部材と、前記ケース部材の内部に収容された浄水が冷却されるように前記ケース部材の一側に配置される冷却部材が備えられ、
前記ケース部材には高さ方向に沿って互いに対向配置される上部壁と下部壁、幅方向に沿って互いに対向配置される一対の側壁、深さ方向に沿って互いに対向配置される熱伝達壁と対向壁、前記ケース部材の内部を複数の区域に区画するように幅方向と平行に配置される隔板、浄水が流入するように前記入水流路部材と連通される入水ポートおよび浄水が流出するように前記出水流路部材と連通される出水ポートが備えられ、
前記上部壁、前記下部壁、および前記一対の側壁は、前記熱伝達壁と一体に延長形成され、
前記熱伝達壁には、前記浄水が前記隔板間を流れる過程で前記熱伝達壁の内側面と直接接触するように前記隔板が一体に延長形成され、
前記対向壁は、前記ケース部材の内部が閉鎖されるように結合され、
前記上部壁の内側面には、前記深さ方向に沿って前記対向壁に向かう方向に上向きに延びる斜面が形成され、
前記下部壁の内側面には、前記深さ方向に沿って前記対向壁に向かう方向に下向きに延びる斜面が形成され、
前記入水ポートと前記出水ポートのうちいずれか一つのポートは前記ケース部材の内部の浄水が前記熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向に沿って前記熱伝達壁と隣接して配置され、他の一つのポートは前記対向壁と隣接して配置され、
前記隔板には、貯蔵水が移動する開口がそれぞれ形成され、
前記開口は、前記ケース部材の内部を流れる貯蔵水が対角線方向に流れるように上向きに連続配置される前記隔板の角と対向の角に交互に形成され、
前記角に形成される前記開口および前記対向の角に形成される前記開口のうちの一方は、前記熱伝達壁に隣接して配置され、他方は、前記対向壁に配置されることを特徴とする、浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷水生成装置およびこれを含む浄水器に関し、ケース部材の内部に流入水が流入するように入水流路部材と連通された入水ポートや、流出水が流出するように出水流路部材と連通された出水ポートのうちいずれか一つのポートがケースの熱伝達壁と隣接して配置されて、ケース部材の内部の貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように構成することによって、冷水生成装置の冷却性能が向上するとともに、ケース部材の内部に貯蔵水が残存せずに円滑に流れ得るようになって流出水の清浄度が向上し得る冷水生成装置およびこれを含む浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に冷水生成装置は、水道栓やウォーターサーバーから供給された水を冷却させて使用者に提供する装置である。このような冷水生成装置は浄水器、炭酸水製造機、冷温水器などの低温の飲用水生成のために主に設置されるが、冷水の生成が必要な多様な分野に利用され得る。
【0003】
Coway Co.,Ltd.のヨーロッパ公開特許公報第3674630号は従来の浄水器を開示する。このような浄水器には内部空間が形成されるものの、入水口および出水口が形成されたタンク本体と、このようなタンク本体の内部に収容された水を冷却する熱電モジュールおよび熱電モジュールの冷気をタンク本体に伝達するコールドシンクが備えられる。この時、入水口はタンク本体の上側に形成され、出水口はタンク本体の下側に形成され、タンク本体の上側に流入した水はタンク本体の下側に流れながら冷却されるように構成されるが、このように水がタンク本体の上側に入水された後、冷却されながら下側に出水されるように構成すると、水と共に流入した空気がタンク本体の内部に残存することになり、このような残存空気によってタンク本体の内部に収容された水の冷却性能が低下する問題がある。これを解決するためにタンク本体の上部に残存する空気を排出するための別途のエア排出用チェックバルブが備えられるが、このようなチェックバルブがタンク本体の上部に配置されることにより流入した水がチェックバルブに抜け出ることになるため、タンク本体に収容された水を押し出す力が減少するなど、冷却性能が低下する問題が依然として存在することになる。
【0004】
LG Electronics Inc.のアメリカ公開特許公報第2018-0099854号に開示された冷水生成装置には、入水口と出水口が備えられるタンクと、このようなタンクの内部に入水する浄水を冷却させる冷却モジュールおよび浄水を入水口から出水口にガイドするようにタンクの内部に形成される内部流路部が備えられる。タンクの内部に入水した浄水の一部は冷却モジュールによって氷に相変化されて内部流路部に残留し、浄水の残りの一部は内部流路部を通過しながら氷と接触を通じて冷却されて出水口に出水されるが、このようにタンクの内部に氷が生成されると、浄水が冷却モジュールと直接熱交換することができなくなって浄水の冷却性能が減少することになり、タンクの内部の氷により浄水が流れ得る体積が減少することによって出水される冷水の量が減少することになる問題がある。また、タンクの内部に長期間氷が生成されている場合、このような氷により浄水の清浄度が減少することになる問題もある。さらに、タンクに入水する浄水は冷却モジュールが設置された壁面に向かう方向に入水するが、冷却モジュールが設置された壁面には氷が形成されているので、入水する浄水がこのような氷と衝突しながら渦流が形成されることによって浄水が円滑に流れることができなくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ヨーロッパ公開特許公報第3674630号
【文献】アメリカ公開特許公報第2018-0099854号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の問題を解決するために、本発明に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に流入水が流入するように入水流路部材と連通された入水ポートや、流出水が流出するように出水流路部材と連通された出水ポートのうちいずれか一つのポートがケースの熱伝達壁と隣接して配置されて、ケース部材の内部の貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように構成することによって、冷水生成装置の冷却性能を向上し、ケース部材の内部に貯蔵水が残存せずに円滑に流れ得るようになって流出水の清浄度を向上することを目的とする。
【0007】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、入水ポートを通じて流入する流入水の流れ方向と出水ポートを通じて流出する流出水の流れ方向がケース部材の内部の複数の区域を流れる貯蔵水の流れ方向と同一に形成されるため、渦流の生成が抑制されて流入水が貯蔵水を円滑に押し出せるように構成することによって冷却性能および清浄度を向上することを目的とする。
【0008】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に複数の区域を形成する隔板が熱伝達壁に一体に延長形成されて貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触しながら流れるように構成することによって冷却性能を向上することを目的とする。
【0009】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、熱伝達壁に上部壁、下部壁、一対の側壁が一体に延長形成された状態で、上部壁の内側面にはケース部材の内部を閉鎖する対向壁に向かう方向に上向きに延びる斜面が形成されて、ケース部材の内部の空気が貯蔵水の流れと共に斜面に沿って案内されることによってケース部材の内部に残存できないように構成することによって冷却性能を向上し、金型などを利用して前記の構成を一体に製造する際に金型枠を容易に脱去できるようにすることによって製作性を向上することを目的とする。
【0010】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、出水ポートが対向壁と隣接して配置されて斜面に沿って案内された空気が流出水とともに排出されるように構成されるため、流入する流入水の量と流出水の量が増加することによって使用者便宜性を向上することを目的とする。
【0011】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、入水ポートの内周面に内径が拡張される減速面が形成されて、ケース部材の内部に流入する流入水の流速が一定以下に減少することになることによって流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上することを目的とする。
【0012】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に流入水の流路を一部閉鎖する抵抗バッフルが備えられてケース部材の内部に流入する流入水の流速が一定以下に減少することになることによって、流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上することを目的とする。
【0013】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に複数の区域を形成する隔板相互間の間隔を一定以下に形成することによって、流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上することを目的とする。
【0014】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に上向きに連続配置される隔板の角と対向の角に貯蔵水が流れる開口を交互に形成してケース部材の内部で貯蔵水が対角線方向に流れるように構成することによって冷却性能を向上することを目的とする。
【0015】
本発明に係る浄水器は、原水を濾過して浄水を生成し、生成された浄水を供給して冷水を生成するものの、冷水生成部はケース部材の内部に流入水が流入するように入水流路部材と連通された入水ポートや、流出水が流出するように出水流路部材と連通された出水ポートのうちいずれか一つのポートがケースの熱伝達壁と隣接して配置されて、ケース部材の内部の貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように構成することによって、冷水生成装置の冷却性能を向上し、ケース部材の内部に貯蔵水が残存せずに円滑に流れ得るようになって流出水の清浄度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明に係る冷水生成装置は、貯蔵水が収容されるケース部材;前記ケース部材の内部に流入する流入水の流路を提供する入水流路部材;前記ケース部材の内部から流出する流出水の流路を提供する出水流路部材;および前記ケース部材の内部に収容された貯蔵水が冷却されるように前記ケース部材の一側に配置される冷却部材;を含み、前記ケース部材には高さ方向に沿って互いに対向配置される上部壁と下部壁、幅方向に沿って互いに対向配置される一対の側壁、深さ方向に沿って互いに対向配置される熱伝達壁と対向壁、前記ケース部材の内部を複数の区域に区画するように幅方向と平行に配置される隔板、流入水が流入するように前記入水流路部材と連通される入水ポートおよび流出水が流出するように前記出水流路部材と連通される出水ポートが備えられ、前記入水ポートと前記出水ポートのうちいずれか一つのポートは前記ケース部材の内部の貯蔵水が前記熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向に沿って前記熱伝達壁と隣接して配置され、他の一つのポートは前記対向壁と隣接して配置されることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、一対の前記側壁のうちいずれか一つの側壁の下端には前記入水ポートが備えられ、他の一つの側壁の上端には前記出水ポートが備えられ、前記入水ポートを通じて流入する流入水の方向と前記出水ポートを通じて流出する流出水の方向は幅方向と平行に形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記熱伝達壁には貯蔵水が前記隔板間を流れる過程で前記熱伝達壁の内側面と直接接触するように前記隔板が一体に延長形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記熱伝達壁には前記上部壁、前記下部壁および一対の前記側壁が一体に延長形成され、前記対向壁は前記ケース部材の内部が閉鎖されるように結合され、前記上部壁の内側面には深さ方向に沿って前記対向壁に向かう方向に上向きに延びる斜面が形成されることを特徴とする。
【0020】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記出水ポートは前記斜面に沿って案内された空気が流出する流出水とともに排出されるように前記対向壁と隣接して配置されることを特徴とする。
【0021】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記入水ポートの内周面には、前記入水流路部材を通じて供給される流入水の流速が一定流速以下に減少した状態で前記入水ポートを通じて前記ケース部材の内部に流入するように内径が拡張される減速面が形成されることを特徴とする。
【0022】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記ケース部材の内部には前記入水流路部材を通じて供給される流入水の流速が一定流速以下に減少した状態で前記ケース部材の内部に流入するように流入水の流路を一部閉鎖する抵抗バッフルが備えられることを特徴とする。
【0023】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記ケース部材の内部の複数の区域に沿って流れる貯蔵水の流速は1.2L/min以下であることを特徴とする。
【0024】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記ケース部材の内部の全体の高さがHであるとき、互いに対向配置される前記隔板間の間隔hはH/9以下であることを特徴とする。
【0025】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、互いに対向配置される前記隔板間の間隔は18mm以下であることを特徴とする。
【0026】
本発明の実施例に係る冷水生成装置において、前記隔板には貯蔵水が移動する開口がそれぞれ形成されるものの、前記開口は前記ケース部材の内部を流れる貯蔵水が対角線方向に流れるように上向きに連続配置される前記隔板の角と対向の角に交互に形成されることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る浄水器は、原水を濾過して浄水を生成する濾過部;および前記濾過部から浄水の供給を受けて冷水を生成する冷水生成部;を含み、前記冷水生成部には浄水が収容されるケース部材と、前記ケース部材の内部に浄水が流入するように流路を提供する入水流路部材と、前記ケース部材の内部で冷却された浄水が流出するように流路を提供する出水流路部材と、前記ケース部材の内部に収容された浄水が冷却されるように前記ケース部材の一側に配置される冷却部材が備えられ、前記ケース部材には高さ方向に沿って互いに対向配置される上部壁と下部壁、幅方向に沿って互いに対向配置される一対の側壁、深さ方向に沿って互いに対向配置される熱伝達壁と対向壁、前記ケース部材の内部を複数の区域に区画するように幅方向と平行に配置される隔板、浄水が流入するように前記入水流路部材と連通される入水ポートおよび浄水が流出するように前記出水流路部材と連通される出水ポートが備えられ、前記入水ポートと前記出水ポートのうちいずれか一つのポートは前記ケース部材の内部の浄水が前記熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向に沿って前記熱伝達壁と隣接して配置され、他の一つのポートは前記対向壁と隣接して配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
前記の構成により、本発明に係る冷水生成装置はケース部材の内部に流入水が流入するように入水流路部材と連通された入水ポートや、流出水が流出するように出水流路部材と連通された出水ポートのうちいずれか一つのポートがケース部材の熱伝達壁と隣接して配置されて、ケース部材の内部の貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように構成することによって、冷水生成装置の冷却性能を向上し、ケース部材の内部に貯蔵水が残存せずに円滑に流れ得るようになって流出水の清浄度を向上する効果を提供する。
【0029】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、入水ポートを通じて流入する流入水の流れ方向と出水ポートを通じて流出する流出水の流れ方向がケース部材の内部の複数の区域を流れる貯蔵水の流れ方向と同一に形成されるため、渦流の生成が抑制されて流入水が貯蔵水を円滑に押し出せるように構成することによって冷却性能および清浄度を向上する効果を提供する。
【0030】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に複数の区域を形成する隔板が熱伝達壁に一体に延長形成されて貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触しながら流れるように構成することによって冷却性能を向上する効果を提供する。
【0031】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、熱伝達壁に上部壁、下部壁、一対の側壁が一体に延長形成された状態で、上部壁の内側面にはケース部材の内部を閉鎖する対向壁に向かう方向に上向きに延びる斜面が形成されて、ケース部材の内部の空気が貯蔵水の流れと共に斜面に沿って案内されることによってケース部材の内部に残存できないように構成することによって冷却性能を向上し、金型などを利用して前記の構成を一体に製造する際に金型枠を容易に脱去できるようにすることによって製作性を向上する効果を提供する。
【0032】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、出水ポートが対向壁と隣接して配置されて斜面に沿って案内された空気が流出水とともに排出されるように構成されるため、流入する流入水の量と流出水の量が増加することによって使用者便宜性を向上する効果を提供する。
【0033】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、入水ポートの内周面に内径が拡張される減速面が形成されて、ケース部材の内部に流入する流入水の流速が一定以下に減少することになることによって流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上する効果を提供する。
【0034】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に流入水の流路を一部閉鎖する抵抗バッフルが備えられてケース部材の内部に流入する流入水の流速が一定以下に減少することになることによって流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上する効果を提供する。
【0035】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に複数の区域を形成する隔板相互間の間隔を一定以下に形成することによって、流入水が貯蔵水を押し出す選入選出構造を通じて冷却性能を向上する効果を提供する。
【0036】
本発明の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材の内部に上向きに連続配置される隔板の角と対向の角に貯蔵水が流れる開口を交互に形成してケース部材の内部で貯蔵水が対角線方向に流れるように構成することによって冷却性能を向上する効果を提供する。
【0037】
本発明に係る浄水器は、原水を濾過して浄水を生成し、生成された浄水を供給して冷水を生成するものの、冷水生成部はケース部材の内部に流入水が流入するように入水流路部材と連通された入水ポートや、流出水が流出するように出水流路部材と連通された出水ポートのうちいずれか一つのポートがケースの熱伝達壁と隣接して配置されて、ケース部材の内部の貯蔵水が熱伝達壁の内側面と直接接触した状態で流れるように構成することによって、冷水生成装置の冷却性能を向上し、ケース部材の内部に貯蔵水が残存せずに円滑に流れ得るようになって流出水の清浄度を向上する効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施例に係る冷水生成装置を図示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る冷水生成装置を深さ方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る冷水生成装置を幅方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を図示した斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を深さ方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。
【
図6】本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を幅方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた入水ポートを図示した断面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた抵抗バッフルを図示した断面図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた隔板を図示した平面図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る冷水生成装置と従来技術の浄水器の冷却効果の対比のために、流出水の杯の数による温度変化を示したグラフである。
【
図11】本発明の一実施例に係る浄水器の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書および請求の範囲に使われた単語と用語は通常的または辞書的な意味に限定解釈されず、自身の発明を最善の方法で説明するために発明者が用語と概念を定義できる原則に則って本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0040】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の好ましい一実施例に該当し、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、該当構成は本発明の出願時点でこれを代替する多様な均等物と変形例が存在し得る。
【0041】
本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを説明しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0042】
或る構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあるとは、特別な事情がない限り、他の構成要素とすぐに接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されることだけでなく、その中間にさらに他の構成要素が配置される場合も含む。また、或る構成要素が他の構成要素と「連結」されているとは、特別な事情がない限り、互いに直接連結されることだけでなく間接的に互いに連結される場合も含む。
【0043】
以下では、図面を参照して本発明に係る冷水生成装置を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る冷水生成装置を図示した斜視図であり、
図2は本発明の一実施例に係る冷水生成装置を深さ方向に沿って切断した状態を図示した断面図であり、
図3は本発明の一実施例に係る冷水生成装置を幅方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。ここで、X方向は冷水生成装置の幅方向、Y方向は冷水生成装置の深さ方向、Z方向は冷水生成装置の高さ方向を意味する。本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は図面で省略する。
【0044】
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置は、貯蔵水WSが収容されるケース部材100と、このようなケース部材100の内部に流入する流入水WIの流路を提供する入水流路部材200と、ケース部材100の内部から流出する流出水WOの流路を提供する出水流路部材300およびケース部材100の内部に収容された貯蔵水WSが冷却されるようにケース部材100の一側に配置される冷却部材400を含む。
【0045】
このようなケース部材100は貯蔵水WSを収容するための空間を提供し、六面体の形状で形成され得るが、貯蔵水WSを収容できる空間が形成されるのであれば必ずしもこのような形状に限定されるものではない。また、ケース部材100の各辺は直角で折り曲げられた形状だけでなく一定の曲率が形成されるように湾曲した形状でも形成され得る。入水流路部材200は浄水だけでなく多様な形態の流入水がケース部材100の内部に流入するように流路を提供することになり、一定の直径を有するパイプが使われ得る。出水流路部材300はケース部材100の内部から流出する冷却された流出水WOの流路を提供することになり、入水流路部材200と同一に一定の直径を有するパイプが使われ得る。このような入水流路部材200と出水流路部材300は別途のパイプをケース部材100に連結して使用できるが、またはケース部材100の製造の際に入水流路部材200と出水流路部材300が一体に形成されるように構成することも可能である。
図2および
図3に図示された通り、下部壁120には入水流路部材200と連通される入水ポート180が形成され、上部壁110には出水流路部材300と連通される出水ポート190が形成される。すなわち、入水ポート180を通じて流入する流入水WIはケース部材100の内部の貯蔵水WSの流れに沿って方向が切り替えられながら貯蔵水WSを押して移動させることになり、ケース部材100に収容されて冷却された貯蔵水WSは流入水WIにより押し出されることになり、出水ポート190に隣接した貯蔵水WSは出水ポート190に向かって方向が切り替えられた後に流出水WOとして流出される。
【0046】
ケース部材100の一側に配置される冷却部材400は、ケース部材100と熱交換してケース部材100の内部の貯蔵水WSを冷却させることになる。冷却部材400にはケース部材100の内部の貯蔵水WSを冷却させるために熱電素子410と冷却ブロック420が備えられ得る。熱電素子410は閉じた回路に電位差が形成されると、互いに異なる材質の導線の連結点で発熱または吸熱が起きるペルティエ効果(Peltier Effect)を利用して冷却または発熱を遂行する装置である。一例として、薄膜形態で製作された熱電素子410が適用され得、電気信号の入力時、一側では吸熱が発生し、他側では発熱が発生するようになされる。
図2を基準として、熱電素子410の一側(左側)が吸熱が発生して温度が下がる側であり、他側(右側)が発熱が発生して温度が上がる側となり得る。前述した冷却ブロック420は熱電素子410の一側で起きる吸熱作用によって冷却されてケース部材100を冷却させることになる。冷却ブロック420は
図2に図示された通り、多段の形態のブロックで形成され得る。1段ブロックはケース部材100の一側を覆うことができるように形成され、2段ブロックは熱電素子410の一側を覆うことができるように形成され得る。これによって、冷却ブロック420はケース部材100と熱電素子410を熱的および物理的に連結することができる。1段ブロックと2段ブロックの大きさはそれぞれ接触することになるケース部材100と熱電素子410の大きさと一致するように形成され得、このような構造によってケース部材100から均一に熱を吸収できるようになる。一方、このような熱電素子410の他側には放熱ブロックが装着され得る。これは、熱電素子410の一側で吸熱作用が起きることになると他側では放熱作用が起きることになるので、これに対する熱放出を遂行するためである。一例として、このような放熱ブロックには熱電素子410と結合される反対側の面から突出するように複数個の放熱フィンが備えられ得、このように放熱フィンが備えられると、外部空気との接触面積が増加することになって対流熱伝達を通じての放熱効果が増大し得る。前述した通り、熱電素子410を利用してケース部材100の内部の貯蔵水WSを冷却することになると、騒音や振動の発生を最小化することができ、冷却部材400の軽量化および小型化が可能となる。
【0047】
図2および
図3に図示された通り、ケース部材100には高さ方向Zに沿って互いに対向配置される上部壁110と下部壁120、幅方向Xに沿って互いに対向配置される一対の側壁130、140、深さ方向Yに沿って互いに対向配置される熱伝達壁150と対向壁160、ケース部材100の内部を複数の区域101に区画するように幅方向Xと平行に配置される隔板170、流入水WIが流入するように入水流路部材200と連通される入水ポート180および流出水WOが流出するように出水流路部材300と連通される出水ポート190が備えられる。このようなケース部材100の内部は
図2に図示された通り、上部壁110と、下部壁120、一対の側壁130、140および熱伝達壁150で囲まれた空間が形成され、このような空間は対向壁160を装着する方式で密閉される。
【0048】
この時、入水ポート180と出水ポート190のうちいずれか一つのポートはケース部材100の内部の貯蔵水WSが熱伝達壁150の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向Yに沿って熱伝達壁150と隣接して配置され、他の一つのポートは対向壁160と隣接して配置され得る。すなわち、入水ポート180や出水ポート190のうちいずれか一つのポートがケース部材100の熱伝達壁150と隣接して配置されるため、貯蔵水WSが熱伝達壁150の内側面と熱交換しながら流れることができるので貯蔵水WSの冷却性能が向上し得る。また、いずれか一つのポートが熱伝達壁150と隣接して配置されるとともに、他の一つのポートはこれに対向する対向壁160と隣接して配置されるため、貯蔵水WSがケース部材100の対角線方向に流れることになることによって貯蔵水WSが流れる流路の長さが増加することになり、貯蔵水WSの冷却性能が向上し得るようになる。
【0049】
図4は本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を図示した斜視図であり、
図5は本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を深さ方向に沿って切断した状態を図示した断面図であり、
図6は本発明の他の実施例に係る冷水生成装置を幅方向に沿って切断した状態を図示した断面図である。
【0050】
図4に図示された通り、本発明の他の実施例に係る冷水生成装置は、ケース部材100の内部に流入する流入水WIの流路を提供する入水流路部材200と、ケース部材100の内部から流出する流出水WOの流路を提供する出水流路部材300およびケース部材100の内部に収容された貯蔵水WSが冷却されるようにケース部材100の一側に配置される冷却部材400を含む。
図5および
図6に図示された通り、ケース部材100には高さ方向Zに沿って互いに対向配置される上部壁110と下部壁120、幅方向Xに沿って互いに対向配置される一対の側壁130、140、深さ方向Yに沿って互いに対向配置される熱伝達壁150と対向壁160、ケース部材100の内部を複数の区域101に区画するように幅方向Xと平行に配置される隔板170、流入水WIが流入するように入水流路部材200と連通される入水ポート180および流出水WOが流出するように出水流路部材300と連通される出水ポート190が備えられる。このようなケース部材100の内部は
図5に図示された通り、上部壁110と、下部壁120、一対の側壁130、140および対向壁160で囲まれた空間が形成され、このような空間は熱伝達壁150を装着する方式で密閉される。
【0051】
この時、前述した通り、入水ポート180と出水ポート190のうちいずれか一つのポートはケース部材100の内部の貯蔵水WSが熱伝達壁150の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向Yに沿って熱伝達壁150と隣接して配置され、他の一つのポートは対向壁160と隣接して配置され得る。すなわち、入水ポート180や出水ポート190のうちいずれか一つのポートがケース部材100の熱伝達壁150と隣接して配置されるため、貯蔵水WSが熱伝達壁150の内側面と熱交換しながら流れることができるようになって貯蔵水WSの冷却性能が向上し得る。また、いずれか一つのポートが熱伝達壁150と隣接して配置されるとともに、他の一つのポートはこれに対向する対向壁160と隣接して配置されるため、貯蔵水WSがケース部材100の対角線方向に流れることになることによって貯蔵水WSが流れる流路の長さが増加することになり、貯蔵水WSの冷却性能が向上し得るようになる。このような一対の側壁130、140のうちいずれか一つの側壁の下端には入水ポート180が備えられ、他の一つの側壁の上端には出水ポート190が備えられる。すなわち、入水ポート180を通じて流入する流入水WIの方向と出水ポート190を通じて流出する流出水WOの方向が、ケース部材100の内部の複数の区域101を流れる貯蔵水WSの流れ方向と同一であるように幅方向Xと平行に形成されるため渦流の生成が抑制され、これを通じて流入水WIが貯蔵水WSを円滑に押し出すことができるようになって冷却性能および清浄度が向上し得るようになる。
【0052】
図2に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、熱伝達壁150には貯蔵水WSが隔板170の間を流れる過程で熱伝達壁150の内側面と直接接触するように隔板170が一体に延長形成され得、これを通じて貯蔵水WSの冷却性能が向上し得るようになる。
図5に図示された通り、本発明の他の実施例に係る冷水生成装置の場合、対向壁160と隔板170が一体に形成され、熱伝達壁150は別個に装着するように構成され、このような場合にも熱伝達壁150と隔板170が熱的および物理的に円滑に連結されるように熱伝達壁150を堅固に装着することが好ましい。
【0053】
図2に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、熱伝達壁150には上部壁110、下部壁120および一対の側壁130、140が一体に延長形成され、対向壁160はケース部材100の内部が閉鎖されるように結合され、上部壁110の内側面には深さ方向Yに沿って対向壁160に向かう方向に上向きに延びる斜面111が形成され得る。すなわち、ケース部材100の内部の空気は貯蔵水の流れと共に前述した斜面111に形成された傾斜θに沿って案内されることによりケース部材100の内部に残存できなくなり、ケース部材100の内部には残存空気なしに貯蔵水WSのみ収容されるので冷却性能が向上し、流入水WIが貯蔵水WSを円滑に押して移動させることができるようになるので、先に流入しながら冷却された貯蔵水WSが先に流出する選入選出構造が可能となることによって使用者便宜性が向上し得るようになる。また、熱伝達壁150に上部壁110、下部壁120および一対の側壁130、140が一体に延長形成されるように金型などを利用して製造が可能であり、このように金型を利用して製造する場合、金型枠を容易に脱去できるように構成することが重要であるが、前述した通り、上部壁110の内側面に対向壁160に向かって上向きに延びる斜面111が形成されると金型枠が脱去される方向に空間が広く形成されるので、金型枠を容易に脱去できるようになって製作性が向上し得るようになる。この時、
図2に図示された通り、下部壁120の内側面にも対向壁160に向かって下向きに延びる斜面を形成すれば金型枠をさらに容易に脱去できるようになる。
【0054】
また、
図5に図示された通り、本発明の他の実施例に係る冷水生成装置において、対向壁160には上部壁110、下部壁120および一対の側壁130、140が一体に延長形成され、熱伝達壁150はケース部材100の内部が閉鎖されるように結合され、上部壁110の内側面には深さ方向Yに沿って熱伝達壁150に向かう方向に上向きに延びる斜面111が形成されてもよい。すなわち、このような場合にもケース部材100の内部の空気は貯蔵水の流れと共に、前述した斜面111に形成された傾斜θに沿って案内されることによりケース部材100の内部に残存できなくなり、ケース部材100の内部に残存空気なしに貯蔵水WSのみ収容されるので冷却性能が向上し、流入水WIが貯蔵水WSを円滑に押して移動させることができるようになるので、先に流入して冷却された貯蔵水WSが先に流出する選入選出構造が可能となることによって使用者便宜性が向上し得るようになる。また、対向壁160に上部壁110、下部壁120および一対の側壁130、140が一体に延長形成されるように金型などを利用して製造が可能であり、前述した通り、上部壁110の内側面に熱伝達壁150に向かって上向きに延びる斜面111が形成されると金型枠が脱去される方向に空間が広く形成されるので、金型枠を容易に脱去できるようになって製作性が向上し得るようになる。この時、
図5に図示された通り、下部壁120の内側面にも熱伝達壁150に向かって下向きに延びる斜面を形成すれば金型枠をさらに容易に脱去できるようになる。
【0055】
図2に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、出水ポート190は斜面111に沿って案内された空気が流出する流出水WOとともに排出されるように対向壁160と隣接して配置され得、このように構成すると、ケース部材100の内部の空気が出水ポート190を通じて完全に排出されるのでケース部材100の内部の貯蔵水WSの冷却性能が向上し、ケース部材100に流入する流入水WIの量と流出水WOの量が増加することによって使用者便宜性が向上し得る。また、
図5に図示された通り、本発明の他の実施例に係る冷水生成装置において、出水ポート190は斜面111に沿って案内された空気が流出する流出水WOとともに排出されるように熱伝達壁150と隣接して配置され得、前述した通り、このように構成すうと、ケース部材100の内部の空気が出水ポート190を通じて完全に排出されるのでケース部材100の内部の貯蔵水WSの冷却性能が向上し、ケース部材100に流入する流入水WIの量と流出水WOの量が増加することによって使用者便宜性が向上し得る。
【0056】
図7は、本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた入水ポートを図示した断面図である。
【0057】
図7に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、入水ポート180の内周面には、入水流路部材200を通じて供給される流入水WIの流速が一定流速以下に減少した状態で入水ポート180を通じてケース部材100の内部に流入するように内径が拡張される減速面181が形成されることを特徴とする。すなわち、入水流路部材200の内径d1より入水ポート180の内径d2が大きく形成されるように入水ポート180に減速面181を形成し、このような減速面181は入水ポート180の内径d2が徐々に増加する斜面の形状で形成され得る。また、このような減速面181は入水ポート180の内径d2が増加する段差面の形状で形成されてもよい。ただし、減速面181が段差面の形状で形成される場合、段差面の折り曲げられた部分で流入水WIの流れに渦流が形成されないように構成することが重要である。また、このような減速面181は
図7の(a)に図示された通り、入水ポート180のいずれか一側にのみ形成されたり、または
図7の(b)に図示された通り、入水ポート180の両側にすべて形成されてもよい。このように、入水ポート180の内周面に内径が拡張される減速面181が形成されると、ケース部材100の内部に流入する流入水WIの流速が一定以下に減少することになるので、流入水WIが貯蔵水WSを押し出す選入選出構造が可能となって冷却性能が向上するようになる。
【0058】
図8は、本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた抵抗バッフルを図示した断面図である。
【0059】
図8に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、ケース部材100の内部には、入水流路部材200を通じて供給される流入水WIの流速が一定流速以下に減少した状態でケース部材100の内部に流入するように流入水WIの流路を一部閉鎖する抵抗バッフル182が備えられ得る。このような抵抗バッフル182は、入水ポート180を通じて流入する流入水WIが流れる流路を一部閉鎖できるように構成されて、ケース部材100の内部に流入する流入水WIの流速を一定以下に減少させることになり、これを通じて流入水WIが貯蔵水WSを押し出す選入選出構造が可能となる。この時、このような抵抗バッフル182が流入水WIの流路を閉鎖する面積が可変され得るように構成してもよい。一例として、抵抗バッフル182はケース部材100の内部にヒンジ方式で固定されて、抵抗バッフル182の回動角度により流入水WIの流路を閉鎖する面積が可変されるように構成するものである。すなわち、冷水生成装置が適用される製品に応じて流入水WIの流速が変わり得るが、このように構成すると、流入水WIの流速が変わる場合にも、抵抗バッフル182の回動動作を通じて流入水WIの流路を閉鎖する面積を可変することによって、ケース部材100の内部に流入する流入水WIの流速を調節して選入選出構造が可能に構成することができる。
【0060】
この時、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、ケース部材100の内部の複数の区域101に沿って流れる貯蔵水WSの流速は1.2L/min以下で形成され得、これを通じて流入水WIが貯蔵水WSを押し出す選入選出構造が可能となって冷却性能が向上する。
【0061】
また、
図3に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、ケース部材100の内部の全体の高さがHであるとき、互いに対向配置される隔板170間の間隔hはH/9以下で形成され得、一例として、互いに対向配置される隔板170間の間隔は18mm以下で形成され得る。または
図6に図示された通り、本発明の他の実施例に係る冷水生成装置の場合にも、ケース部材100の内部の全体の高さがHであるとき、互いに対向配置される隔板170間の間隔hはH/9以下で形成され得、一例として、互いに対向配置される隔板170間の間隔は18mm以下で形成され得る。このように構成すると、流入水WIが貯蔵水WSを押し出す選入選出構造が可能となって冷却性能が向上する。
【0062】
図9は本発明の一実施例に係る冷水生成装置に備えられた隔板を図示した平面図であり、
図10は本発明の一実施例に係る冷水生成装置と従来技術の浄水器の冷却効果の対比のために、流出水の杯の数による温度変化を示したグラフである。
【0063】
図9に図示された通り、本発明の一実施例に係る冷水生成装置において、隔板170には貯蔵水WSが移動する開口171がそれぞれ形成されるものの、このような開口171はケース部材100の内部を流れる貯蔵水WSが対角線方向に流れるように上向きに連続配置される隔板170の角と対向の角に交互に形成されることを特徴とする。すなわち、流入水WIが熱伝達壁150に隣接した位置に流入する場合、このような流入水WIによって貯蔵水WSは
図2に図示された通り、熱伝達壁150から遠ざかるように深さ方向Yに沿って移動するとともに、
図3に図示された通り、一側の側壁130から他側の側壁140に向かって幅方向Xに沿って移動することになるので、貯蔵水WSの対角線方向の流れが可能となる。または流入水WIが対向壁160に隣接した位置に流入する場合、このような流入水WIによって貯蔵水WSは
図5に図示された通り、対向壁160から遠ざかるように深さ方向Yに沿って移動するとともに、
図6に図示された通り、一側の側壁130から他側の側壁140に向かって幅方向Xに沿って移動することになるので、貯蔵水WSの対角線方向の流れが可能となる。このように貯蔵水WSが対角線方向に流れるように構成すると、貯蔵水WSが流れる流路の長さが増加することになって貯蔵水WSの冷却性能が向上し得るようになる。
【0064】
図10は本発明の一実施例に係る冷水生成装置と従来技術の浄水器の冷却効果の対比のために、流出水の杯の数による温度変化を示したグラフであって、1番仕様(case 1)の場合、従来技術のように、水がタンク本体の上側に入水した後、冷却されながら下側に出水されるものの、タンク本体の上部に空気排出のためのエア排出用チェックバルブが備えられる構成であり、2番仕様(case 2)の場合、流入水WIがケース部材100の下側から入水した後、冷却されながら上側に出水されるものの、上向きに連続配置される隔板170の一側辺と他側辺に開口が形成されて貯蔵水WSが幅方向Xに沿って移動する構成であり、3番仕様(case 3)の場合、流入水WIがケース部材100の下側から入水した後、冷却されながら上側に出水されるものの、上向きに連続配置される隔板170の角と対向の角に開口171が形成されて貯蔵水WSが対角線方向に移動する構成である。このようなそれぞれの仕様に対して冷水を連続出水する場合、10℃以下の冷水は略5杯程度出水が可能なものと確認される。最初の杯の温度は略4℃程度であってすべての仕様が類似しているが、二回目の杯と三回目の杯からは2番仕様と3番仕様が従来技術の仕様である1番仕様より冷却性能が優秀であることを確認することができる。ひいては、四回目の杯と五回目の杯の場合には、3番仕様が2番仕様よりも冷却性能が優秀であることを確認することができる。したがって、3番仕様のように、流入水WIが下側から入水し、冷却された流出水WOは上側に出水され、上向きに連続配置される隔板170の角と対向の角に開口171が形成されて貯蔵水WSが対角線方向に移動するように構成すると、優秀な冷却性能を確保できるようになる。
【0065】
図11は、本発明の一実施例に係る浄水器の構成図である。
【0066】
図11に図示された通り、本発明に係る浄水器は原水W1を濾過して浄水W2を生成する濾過部10と、このような濾過部10から浄水W2の供給を受けて冷水W3を生成する冷水生成部20を含むことができる。濾過部10は外部から原水W1の供給を受けた後、原水W1を濾過して浄水W2を生成する。濾過部10は多様なフィルタを含むことができる。例えば、濾過部10はプレカーボンフィルタ、メンブレンフィルタ、ポストカーボンフィルタを含むことができる。また、濾過部10は電気脱イオン方式のフィルタを含むことができる。電気脱イオン方式はEDI(Electro Deionization)、CEDI(Continuous Electro Deionization)、CDI(Capacitive Deionization)等をいう。濾過部10で生成された浄水W2は直接冷水生成部20に供給され得るが、または浄水W2を貯蔵する別途の貯蔵部に供給され、冷水生成部20はこのような別途の貯蔵部を通じて浄水W2の供給を受けることができるように構成することも可能である。
【0067】
冷水生成部20には浄水W2が収容されるケース部材100と、このようなケース部材100の内部に浄水W2が流入するように流路を提供する入水流路部材200と、ケース部材100の内部で冷却された浄水W2が流出するように流路を提供する出水流路部材300と、ケース部材100の内部に収容された浄水W2が冷却されるようにケース部材100の一側に配置される冷却部材400が備えられ得る。前述した通り、ケース部材100は浄水W2を収容するための空間を提供し、入水流路部材200や出水流路部材300は浄水W2が流入または流出するように一定の直径を有するパイプが使われ得る。このような入水流路部材200と出水流路部材300は別途のパイプをケース部材100に連結して使用できるが、またはケース部材100の製造時に入水流路部材200と出水流路部材300が一体に形成されるように構成することも可能である。ケース部材100の一側には浄水W2を冷却するための冷却部材400が備えられ、このような冷却部材400には前述した通り、熱電素子410と冷却ブロック420が備えられ得る。
【0068】
ケース部材100には高さ方向Zに沿って互いに対向配置される上部壁110と下部壁120、幅方向Xに沿って互いに対向配置される一対の側壁130、140、深さ方向Yに沿って互いに対向配置される熱伝達壁150と対向壁160、ケース部材100の内部を複数の区域101に区画するように幅方向Xと平行に配置される隔板170、浄水W2が流入するように入水流路部材200と連通される入水ポート180および浄水W2が流出するように出水流路部材300と連通される出水ポート190が備えられ、入水ポート180と出水ポート190のうちいずれか一つのポートはケース部材100の内部の浄水W2が熱伝達壁150の内側面と直接接触した状態で流れるように深さ方向Yに沿って熱伝達壁150と隣接して配置され、他の一つのポートは対向壁160と隣接して配置され得る。
【0069】
すなわち、入水ポート180や出水ポート190のうちいずれか一つのポートがケース部材100の熱伝達壁150と隣接して配置されるため、浄水W2が熱伝達壁150の内側面と熱交換しながら流れることができるようになって浄水W2の冷却性能が向上し得、ケース部材100の内部に浄水W2が残存せずに円滑に流れることができるようになるため浄水W2の清浄度が向上する。また、いずれか一つのポートが熱伝達壁150と隣接して配置されるとともに、他の一つのポートはこれに対向される対向壁160と隣接して配置されるため、浄水W2がケース部材100の対角線方向に流れることになることにより、浄水W2が流れる流路の長さが増加することになって浄水W2の冷却性能が向上し得るようになる。
【0070】
本発明の実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例によって制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本発明の思想範囲内に入ると言える。