(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】非アクティブ化された2次セルグループ(SCG)のためのビーム障害検出および回復
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20241127BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20241127BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20241127BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20241127BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20241127BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20241127BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20241127BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20241127BHJP
H04W 76/25 20180101ALI20241127BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/0457 110
H04W16/32
H04W24/10
H04W52/02
H04B7/06 956
H04B7/06 960
H04B7/08 810
H04B7/08 804
H04W76/19
H04W76/25
H04W76/15
(21)【出願番号】P 2023519508
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 SE2021050936
(87)【国際公開番号】W WO2022071848
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-06-12
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ, イカロ レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ベリュクイスト, イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ワーガー, ステファン
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,,Framework of SCG deactivation and activation[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2006900,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2006900.zip>,2020年08月17日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,On fast deactivation/activation of one SG and SCells[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007068,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007068.zip>,2020年08月17日
【文献】Ericsson,Efficient SCG (de)activation[online],3GPP TSG RAN WG2 #112-e R2-2010062,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_112-e/Docs/R2-2010062.zip>,2020年11月02日
【文献】Ericsson,UE measurements and reporting in deactivated SCG[online],3GPP TSG RAN WG2 #115-e R2-2108389,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_115-e/Docs/R2-2108389.zip>,2021年08月09日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 7/06
H04B 7/08
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するように設定されたユーザ機器(UE)のための方法であって
前記MCGまたは前記SCGを介して第1のコマンドを受信することに応答して、前記SCGのための低減エネルギーモードに入ること(2810)と、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードに、および前記MCGのためのアクティブ化モードにある間に、前記SCGの少なくとも1次セル(PSCell)のためのビーム障害検出(BFD)を実施し、前記SCGに関連付けられたビームのレイヤ1(L1)測定および報告の実施を控えること(2820)とを含み、前記方法が、
前記SCGの少なくとも前記PSCellに対するビーム障害が検出されたという指示を、前記MCGを提供するように設定された第1のネットワークノードに送ること(2856)
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記SCGに対するBFDを実施すること(2820)が、
前記第1のコマンドを受信する前に実施されていた前記SCGに対するBFDを続けることと、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードに固有のSCG BFD設定と、
前記SCGのサービングセルのサブセットであって、前記無線ネットワークによって設定される、前記サブセットと、
前記第1のコマンドを受信する前に稼働していたSCG BFDに関係のある1つまたは複数のタイマーまたはカウンタをリセットすることと
のうちの1つまたは複数に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記SCGに対するBFDを実施すること(2820)が、前記サブセットに含まれる前記サービングセルに対するBFDを実施し(2821)、前記サブセットに含まれない前記SCGの前記サービングセルに対するBFDの実施を控えることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記SCG内のビーム障害を検出した後、1つまたは複数の動作を実施すること(2850)をさらに含み、前記1つまたは複数の動作が、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードから出て、前記SCGのためのアクティブ化モードに入ること(2851)と、
前記SCGに対してランダムアクセス(RA)プロシージャを実施すること(2852)と、
前記SCG内の前記ビーム障害が前記UEの下位プロトコルレイヤによって検出されたことを、前記UEにおける上位プロトコルレイヤに指示すること(2855)と、
前記SCGのためのモードを指示する第2のコマンドを、前記第1のネットワークノードから受信すること(2857)と
のうちのいずれかを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記SCGに対して前記RAプロシージャを実施すること(2852)が、前記SCGのための前記アクティブ化モードを指示する前記第2のコマンドを受信すること(2857)に応答したものであり、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードから出て、前記SCGのためのアクティブ化モードに入ること(2851)が、前記RAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記SCGに対する前記RAプロシージャが、前記ビーム障害が、前記UEの前記下位プロトコルレイヤによって検出されたという前記指示に基づいて、前記UEの前記上位プロトコルレイヤによって開始される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記SCG内で前記ビーム障害が検出されたという指示が、前記SCGに対する前記RAプロシージャの中で第2のネットワークノードに送られ、
前記RAプロシージャを実施すること(2852)が、前記SCGの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)に関連付けられたTCI状態を、前記SCGを介して受信することを含み、
前記TCI状態が、前記指示に基づく、
請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記SCG内でビーム障害が検出されたという前記指示を前記第1のネットワークノードに送ること(2856)が、前記SCGのための前記アクティブ化モードを指示する前記第2のコマンドを受信すること(2857)に応答したものであり、
前記SCGに対して前記RAプロシージャを実施すること(2852)が、前記指示を送ること(2856)に応答したものであり、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードから出て、前記SCGのためのアクティブ化モードに入ること(2851)が、前記SCGに対する前記RAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである、
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
無線ネットワークにおける、2次セルグループ(SCG)をユーザ機器(UE)に提供するように設定された第2のネットワークノードのための方法であって、前記方法が、
前記SCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドを、前記UEが前記SCGのためのアクティブ化モードにある間に前記UEに、マスタセルグループ(MCG)を介して送ること(2910)であって、前記第1のコマンドが、前記SCG BFD設定、および前記SCG
のサービングセルのサブセットという、前記SCGのための前記低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数を含む、ことと、
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施すること(2940)であって、前記1つまたは複数の動作が、
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記UEが前記SCG内のビーム障害を検出したという指示を、前記UEに前記マスタセルグループ(MCG)を提供するように設定された第1のネットワークノードから受信すること(2942)
を含む、1つまたは複数の動作を実施すること(2940)と
を含む、方法。
【請求項10】
前記SCGのためのアクティブ化モー
ドの再開の要求を前記第1のネットワークノードに送ること(2930)をさらに含み、前記指示が、前記要求に応答して前記第1のネットワークノードから受信される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記SCG BFD設定が前記SCGの前記サービングセルの前記サブセットを含むこと、および
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記サブセットだけがBFDについて監視されるべきであること、
のうちの1つまたは複数が適用される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
無線ネットワークにおけるユーザ機器(UE)にマスタセルグループ(MCG)を提供するように設定された第1のネットワークノードのための方法であって、前記方法が、
SCG BFD設定、および前記SCG
のサービングセルのサブセットという、前記SCGのため
の低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数を前記UEに送ること(3010)であって、前記SCG BFD設定が、前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドと共に送られる、ことと、
前記UEが、前記無線ネットワークにおける前記MCGのためのアクティブ化モード、およ
び2次セルグループ(SCG)のための低減エネルギーモードにある間に、前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにあった間に前記UEが前記SCG内のビーム障害を検出したという指示を、前記UEから受信すること(3041)であって、前記指示が、無線リソース制御(RRC)メッセージ内のSCG故障情報フィールドであり、前記SCG故障情報フィールドが、ビーム障害を指示する特定の値を有する、ことと、
前記SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードに前記指示を転送すること(3050)と
を含む、方法。
【請求項13】
前記SCG BFD設定が前記SCGの前記サービングセルの前記サブセットを含むこと、および
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記サブセットだけがBFDについて監視されるべきであること、
のうちの1つまたは複数が適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)と通信するように設定されたユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3430)であって、前記UEが、
前記MCGまたは前記SCGを介して第1のコマンドを受信することに応答して、前記SCGのための低減エネルギーモードに入ることと、
前記SCGのための前記低減エネルギーモードに、および前記MCGのためのアクティブ化モードにある間に、前記SCGの少なくとも1次セル(PSCell)のためのビーム障害検出(BFD)を実施し、前記SCGに関連付けられたビームのレイヤ1(L1)測定および報告の実施を控えることと、
前記SCGの少なくとも前記PSCellに対するビーム障害が検出されたという指示を、前記MCGを提供するように設定された第1のネットワークノードに送ることと
を行うようにさらに設定される、UE。
【請求項15】
請求項2から8のいずれか一項に記載の方法に対応する動作を実施するようにさらに設定される、請求項14に記載のUE。
【請求項16】
マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)と通信するように設定されたユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3430)の処理回路(3120、3201、3538)によって実行されると、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に対応する動作を実施するようにUEを設定するコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品(3225、3531)。
【請求項17】
無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)におけるユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3530)に2次セルグループ(SCG)を提供するように設定された第2のネットワークノード(105、110、115、1920、300、350、410、420、510、520、1920、3160、3330、3520)であって、前記第2のネットワークノードが、
前記SCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドを、前記UEが前記SCGのためのアクティブ化モードにある間に、前記UEにマスタセルグループ(MCG)を介して送ることであって、前記第1のコマンドが、SCG BFD設定、および前記SCG
のサービングセルのサブセットという、前記SCGのための前記低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数を含む、ことと、
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施することであって、前記1つまたは複数の動作が、
前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにある間に、前記UEが前記SCG内のビーム障害を検出したという指示を、前記UEに前記マスタセルグループ(MCG)を提供するように設定された第1のネットワークノードから受信すること
を含む、1つまたは複数の動作を実施することと
を行うようにさらに設定される、第2のネットワークノード。
【請求項18】
請求項10または11に記載の方法に対応する動作を実施するようにさらに設定される、請求項17に記載の第2のネットワークノード。
【請求項19】
無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)におけるユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3530)に2次セルグループ(SCG)を提供するように設定された第2のネットワークノード(105、110、115、1920、300、350、410、420、510、520、1920、3160、3330、3520)の処理回路(3170、3360、3528)によって実行されると、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法に対応する動作を実施するように前記第2のネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品(3395、3521)。
【請求項20】
無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)におけるユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3530)にマスタセルグループ(MCG)を提供するように設定された第1のネットワークノード(105、110、115、300、350、410、420、510、520、1930、3160、3330、3520)であって、前記第1のネットワークノードが、
SCG BFD設定、および前記SCG
のサービングセルのサブセットという、前記SCGのため
の低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数を前記UEに送ることであって、前記SCG BFD設定が、前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドと共に送られる、ことと、
前記UEが、前記無線ネットワークにおける前記MCGのためのアクティブ化モード、および2次セルグループ(SCG)のための低減エネルギーモードにある間に、前記UEが前記SCGのための前記低減エネルギーモードにあった間に前記UEが前記SCG内のビーム障害を検出したという指示を、前記UEから受信することであって、前記指示が、無線リソース制御(RRC)メッセージ内のSCG故障情報フィールドであり、前記SCG故障情報フィールドが、ビーム障害を指示する特定の値を有する、ことと、
前記SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードに前記指示を転送することと
を行うように設定される、第1のネットワークノード。
【請求項21】
請求項13に記載の方法に対応する動作を実施するようにさらに構成される、請求項20に記載の第1のネットワークノード。
【請求項22】
無線ネットワーク(100、399、499、599、3243)におけるユーザ機器(UE)(120、405、505、1910、3110、3200、3530)にマスタセルグループ(MCG)を提供するように設定された第1のネットワークノード(105、110、115、300、350、410、420、510、520、1930、3160、3330、3520)の処理回路(3170、3360、3528)によって実行されると、請求項12または13に記載の方法に対応する動作を実施するように前記第1のネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム製品(3395、3521)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信ネットワークに関し、より詳細には、特にセルグループのうちの1つが非アクティブ化状態にあるとき、無線ネットワークにおける複数のセルグループに接続されたときにユーザ機器(UE)によって消費されるエネルギーを低減させる技法に関する。
【背景技術】
【0002】
Long-Term Evolution(LTE)は、拡張UTRAN(E-UTRAN)としても知られる、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third-Generation Partnership Project:3GPP)内で開発され、リリース8(Rel-8)およびリリース9(Rel-9)で最初に規格化された、いわゆる第4世代(4G)無線アクセス技術の包括的用語である。LTEは、様々なライセンス済み周波数帯域をターゲットとし、エボルブドパケットコア(Evolved Packet Core:EPC)ネットワークを含む、一般にシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)と呼ばれる非無線態様への改善を伴う。LTEは、その後のリリースを通じて進化し続ける。
【0003】
LTEとSAEとを備えるネットワークの全体的な例示的なアーキテクチャが、
図1に示されている。E-UTRAN100は、eNB105、110、および115など、1つまたは複数のエボルブドノードB(eNB)と、UE120など、1つまたは複数のユーザ機器(UE)とを含む。3GPP規格内で使用される「ユーザ機器」または「UE」は、第3世代(「3G」)および第2世代(「2G」)3GPP RANが通常知られているような、E-UTRANならびにUTRANおよび/またはGERANを含む、3GPP規格準拠ネットワーク機器と通信することが可能である、任意の無線通信デバイス(たとえば、スマートフォンまたはコンピューティングデバイス)を意味する。
【0004】
3GPPによって指定されているように、E-UTRAN100は、無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、無線モビリティ制御、スケジューリング、およびアップリンクおよびダウンリンクにおけるUEへのリソースの動的割り当て、ならびにUEとの通信のセキュリティを含む、ネットワークにおけるすべての無線関係機能の役目を果たす。これらの機能は、eNB105、110、および115など、eNB中に存在する。eNBの各々は、それぞれ、eNB105、110、および115によってサーブされるセル106、111、および115を含む、もう1つのセルを含む地理的カバレッジエリアをサーブすることができる。
【0005】
E-UTRANにおけるeNBは、
図1に示されているように、X2インターフェースを介して互いと通信する。eNBはまた、EPC130へのE-UTRANインターフェースの役目を果たし、詳細には、
図1中で、MME/S-GW134および138としてまとめて示されている、モビリティ管理エンティティ(MME)およびサービングゲートウェイ(SGW)へのS1インターフェースの役目を果たす。概して、MME/S-GWは、UEの全体的制御と、UEとEPCの残りとの間のデータフローの両方をハンドリングする。より詳細には、MMEは、非アクセス階層(NAS)プロトコルとして知られる、UEとEPCとの間のシグナリング(たとえば、制御プレーン)プロトコルを処理する。S-GWは、UEとEPCとの間のすべてのインターネットプロトコル(IP)データパケット(たとえば、データまたはユーザプレーン)をハンドリングし、UEが、eNB105、110、および115など、eNB間を移動するとき、データベアラのためのローカルモビリティアンカーとして働く。
【0006】
EPC130は、ユーザおよび加入者関連情報を管理するホームサブスクライバサーバ(Home Subscriber Server:HSS)131も含むことができる。HSS131はまた、モビリティ管理におけるサポート機能、コールアンドセッションセットアップ、ユーザ認証、およびアクセス権限付与を提供することができる。HSS131の機能は、旧式のホームロケーションレジスタ(HLR)の機能、および認証センタ(Authentication Centre:AuC)機能または動作に関するものであることが可能である。HSS131はまた、それぞれのS6aインターフェースを介してMME134および138と通信することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、HSS131は、Udインターフェースを介して(
図1でEPC-UDR135とラベルを付けられた)ユーザデータリポジトリ(user data repository:UDR)と通信することができる。EPC-UDR135は、ユーザ資格証明書をAuCアルゴリズムによって暗号化した後、ユーザ資格証明書を記憶することができる。これらのアルゴリズムは規格化されておらず(すなわち、ベンダ固有であり)、したがって、EPC-UDR135に記憶された暗号化された資格証明書は、HSS131のベンダ以外のどのベンダによってもアクセス不能である。
【0008】
図2は、UEとeNBとMMEとの間の例示的な制御プレーン(CP)プロトコルスタックのブロック図を示す。例示的なプロトコルスタックは、UEとeNBとの間の物理(PHY)レイヤと、媒体アクセス制御(MAC)レイヤと、無線リンク制御(RLC)レイヤと、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤと、無線リソース制御(RRC)レイヤとを含む。PHYレイヤは、どのように特性が、およびどの特性が、LTE無線インターフェース上のトランスポートチャネル上でデータを転送するために使用されるかに関与している。MACレイヤは、論理チャネル上で、データ転送サービスを提供し、論理チャネルをPHYトランスポートチャネルにマッピングし、これらのサービスをサポートするためにPHYリソースを再割り当てする。RLCレイヤは、上位レイヤにまたは上位レイヤから転送されるデータの、誤り検出および/または訂正と、連結と、セグメンテーションと、リアセンブリと、並べ替えとを提供する。PDCPレイヤは、CPとユーザプレーン(UP)の両方について暗号化/解読と完全性保護とを提供し、ならびに、ヘッダ圧縮など、他のUP機能を提供する。例示的なプロトコルスタックは、UEとMMEとの間の非アクセス階層(NAS)シグナリングをも含む。
【0009】
RRCレイヤは、無線インターフェースにおけるUEとeNBとの間の通信、ならびにE-UTRANにおけるセル間のUEのモビリティを制御する。UEが電源投入された後に、UEは、ネットワークとのRRC接続が確立されるまで、RRC_IDLE状態にあることになり、RRC接続が確立されたときに、UEは、RRC_CONNECTED状態に遷移することになる(たとえば、ここで、データ転送が行われ得る)。UEは、ネットワークとの接続が解放された後に、RRC_IDLEに戻る。RRC_IDLE状態では、UEはどのセルにも属さず、(たとえば、E-UTRANにおいて)UEのためにRRCコンテキストが確立されず、UEはネットワークとUL同期外れである。たとえそうでも、RRC_IDLE状態にあるUEは、EPCにおいて知られており、割り振られたIPアドレスを有する。
【0010】
さらに、RRC_IDLE状態において、UEの無線機は、上位レイヤによって設定された間欠受信(DRX)スケジュール上でアクティブである。(「DRXオン持続時間」とも呼ばれる)DRXアクティブ期間中に、RRC_IDLE UEは、サービングセルによってブロードキャストされたシステム情報(SI)を受信し、セル再選択をサポートするためにネイバーセルの測定を実施し、UEがキャンピングしているセルをサーブするeNBを介したEPCからのページについてページングチャネルを監視する。
【0011】
UEは、RRC_IDLEからRRC_CONNECTED状態に移動するために、ランダムアクセス(RA)プロシージャを実施しなければならない。RRC_CONNECTED状態では、UEをサーブするセルは知られており、サービングeNBにおいてUEのために、UEとeNBとが通信することができるようにRRCコンテキストが確立される。たとえば、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、すなわち、UEとネットワークとの間のシグナリングのために使用されるUE識別情報が、RRC_CONNECTED状態にあるUEのために設定される。
【0012】
3GPP Rel-10は、20MHzより広い帯域幅をサポートする。1つの重要なRel-10要件は、Rel-8とのバックワードコンパチビリティである。したがって、広帯域LTE Rel-10キャリア(たとえば、>20MHz)は、Rel-8(「旧式の」)端末には複数のキャリア(「コンポーネントキャリア」すなわちCC(component carrier))のように見えるはずである。旧式の端末は、広帯域Rel-10キャリアのすべての部分においてスケジューリングされることが可能である。これを達成するための1つの方式は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)によるものであり、Rel-10端末は、それぞれがRel-8キャリアと同じ構造を有するのが好ましい複数のCCを受信することができる。
【0013】
LTEデュアルコネクティビティ(dual connectivity:DC)がRel-12で導入された。DC動作では、RRC_CONNECTED状態にあるUEは、非理想バックホールで互いに接続された少なくとも2つの異なるネットワークポイントによって提供された無線リソースを消費する。LTEでは、これらの2つのネットワークポイントは、「マスタeNB」(Master eNB:MeNB)および「2次eNB」(Secondary eNB:SeNB)と呼ばれてもよい。より一般には、マスタノード(master node:MN)、アンカーノード、およびMeNBという用語は、互換的に使用されることが可能であり、その一方で、2次ノード(secondary node:SN)、ブースタノード、およびSeNBという用語も、互換的に使用されることが可能である。DCは、アグリゲートされたキャリア(またはセル)が、物理的に分離され、堅牢な高容量接続を介して接続されていないネットワークノードによって提供される、CAの特殊なケースと見なされることが可能である。
【0014】
現在、新無線(New Radio:NR)とも呼ばれるセルラシステムの第5世代(「5G」)が、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で規格化されている。NRは、様々な異なる使用事例をサポートするための最大フレキシビリティのために開発される。これらは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)と、マシン型通信(MTC)と、超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)と、サイドリンクD2D(device-to-device)と、いくつかの他の使用事例とを含む。5G/NR技術は、第4世代LTEと多くの類似性を共有する。たとえば、等しい持続時間の複数のスロットを含む1msサブフレームへの、時間ドメイン物理リソースの類似の構成を両方のPHYが利用し、各スロットが、複数のOFDMベースのシンボル時間を含む。別の例として、NR RRCレイヤは、RRC_IDLEおよびRRC_CONNECTED状態を含むが、RRC_INACTIVEとして知られる別の状態を追加する。LTEにおけるように、「セル」を介したカバレッジを提供することに加えて、NRネットワークは、「ビーム」を介したカバレッジも提供する。一般に、DL「ビーム」は、UEによって測定または監視され得るネットワーク送信されるRSのカバレッジエリアである。
【0015】
DCはまた、5G/NRネットワークのための重要な特徴と想定される。いくつかのDC(またはより一般的には、マルチコネクティビティ)シナリオが、NRについて考慮された。これらは、MNと(「gNB」と呼ばれる)SNの両方がUEと通信するためにNRインターフェースを採用することを除いて、上記で説明されたLTE-DCと同様であるNR-DCを含む。さらに、様々なマルチRAT DC(MR-DC)シナリオが考慮され、それにより、UEは、2つの異なるノード、すなわち、E-UTRA/LTEアクセスを提供する1つと、NRアクセスを提供する他の1つとによって提供されるリソースを使用するように設定され得る。1つのノードは、(たとえば、MCGを提供する)MNとして働き、他のノードは、(たとえば、SCGを提供する)SNとして働き、MNおよびSNは、ネットワークインターフェースを介して接続され、少なくともMNは、コアネットワーク(たとえば、EPCまたは5GC)に接続される。
【0016】
CGのそれぞれは、1つのMACエンティティと、1次セル(PCell)と、随意に1つまたは複数の2次セル(SCell)とを含む。「スペシャルセル」(または略して「SpCell」)という用語は、UEのMACエンティティが、それぞれ、MCGに関連付けられるのかSCGに関連付けられるのかに応じて、MCGのPCellまたはSCGのPSCellを指す。非DC動作(たとえば、CA)では、SpCellはPCellを指す。SpCellは、常にアクティブ化され、UEによる物理UL制御チャネル(PUCCH)送信および競合ベースランダムアクセスをサポートする。
【0017】
一般に、NR UEは、PCell、PSCell、および、クロスキャリアスケジューリングが使用されない場合、潜在的に他のすべてのSCell上での、ULグラントおよびDLスケジューリング割り振りのために、物理DL制御チャネル(PDCCH)を継続的に監視する必要がある。クロスキャリアスケジューリングが使用されたとしても、UEは、SCellがMCGに属するのかSCGに属するのかに応じて、SCellのために、PCellまたはPSCell上で追加のPDCCH監視を実施しなければならない。
【0018】
MR-DCにおけるUEのネットワークエネルギー効率およびバッテリライフを改善するために、3GPP Rel-17は、効率的なSCG/SCellアクティブ化/非アクティブ化のためのワークアイテムを含む。これは、いくつかの場合には、NR UEエネルギー消費が、LTEより3から4倍高いので、NR SCGを伴うMR-DC設定にとって特に重要になり得る。
【発明の概要】
【0019】
それでも、UEのSCGが非アクティブ化される(または、より一般には、SCG中断、SCG休止などの低減エネルギーモードにある)場合、UEは、SCGのPSCellおよびSCellのためのPDCCHの監視を止めてもよい。これは、ビーム障害検出および回復を含む、SCG内のUEのビーム管理に関する様々な問題、問題点、および/または困難を引き起こすおそれがある。
【0020】
本開示の実施形態は、上記で概説され、下記でより詳細に説明される例示的な問題を克服するためのソリューションを容易にすることなどによって、無線ネットワークで動作するUEに、ビーム管理に固有の改善をもたらす。
【0021】
本開示の実施形態は、MCGおよびSCGを介して無線ネットワークと通信するように設定されたUEのための方法(たとえば、プロシージャ)を含む。これらの例示的な方法は、MCGまたはSCGを介して第1のコマンドを受信することに応答して、SCGのための低減エネルギーモードに入ることを含むことができる。これらの例示的な方法はまた、SCGのための低減エネルギーモードに、およびMCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGのためのビーム障害検出(BFD)を実施し、SCGのための1つまたは複数のビーム管理動作の実施を控えることを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCGに対するBFDを実施することは、
・ 第1のコマンドを受信する前に実施されていたSCGに対するBFDを続けること、
・ SCGのための低減エネルギーモードに固有のSCG BFD設定、
・ SCGのサービングセルのサブセットであって、無線ネットワークによって設定される、サブセット、および
・ 第1のコマンドを受信する前に稼働していたSCG BFDに関係のある1つまたは複数のタイマーまたはカウンタをリセットすること
のうちの1つまたは複数に基づく。
【0023】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCGに対するBFDを実施することは、サブセットに含まれるサービングセルに対するBFDを実施し、サブセットに含まれないSCGのサービングセルに対するBFDの実施を控えることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、SCGのための1つまたは複数のビーム管理動作(すなわち、UEが実施を控える動作)は、SCGに関連付けられたビームのレイヤ1(layer-1:L1)測定を実施することと、SCGに関連付けられたビームに対して実施されるL1測定を報告することとのうちのいずれかを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後、1つまたは複数の動作を実施することを含むことができ、1つまたは複数の動作は、
・ SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ること、
・ SCGに対してランダムアクセス(RA)プロシージャを実施すること、
・ SCG内のビーム障害がUEの下位プロトコルレイヤによって検出されたことを、UEにおける上位プロトコルレイヤに指示すること、
・ SCG内でビーム障害が検出されたという指示を、第2のネットワークノードに、またはMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードに、送ること、および
・ SCGのためのモードを指示する第2のコマンドを、第1のネットワークノードから受信すること
のうちのいずれかを含む。
【0026】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、RAプロシージャは、ビーム障害回復のために開始され、SCGに関連付けられたビーム障害を検出することに応答したものであり、第2のコマンドは、RAプロシージャが完了した後に受信され、SCGのためのアクティブ化モードを指示し、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、第2のコマンドに応答したものである。
【0027】
いくつかの変形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGのための低減エネルギーモードに、およびMCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、MCGを介して受信することと、SCGのためのアクティブ化モードに入ると同時に、受信されたTCI状態に基づいてSCGのPDCCHを監視することとを含むことができる。いくつかのさらなる変形態では、受信されたTCI状態は、SCGのPDCCHに関連付けられた最も新しいTCI状態とは異なり、最も新しいTCI状態は、SCGのための低減エネルギーモードに入る前に受信される。
【0028】
他のこれらの実施形態では、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、SCG内のビーム障害を検出することに応答したものであり、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、SCGのためのアクティブ化モードに入ることに応答したものである。いくつかの変形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGのためのアクティブ化モードから出て、SCGのための低減エネルギーモードに入ること、または第2のコマンドに従って(すなわち、受信されたとき)SCGモードをセットすることのうちの1つを含むことができる。
【0029】
さらなる変形態では、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後に実施される1つまたは複数の動作は、SCGのためのアクティブ化モードに入ること、またはRAプロシージャの成功裏の完了に応答して第1のタイマーを開始することを含む。このような変形態では、SCGのためのアクティブ化モードから出て、SCGのための低減エネルギーモードに入ることは、第2のコマンドを受信せずに第1のタイマーの期限が切れたことに応答したものである。
【0030】
他のこれらの実施形態では、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、ビーム障害回復のためであり、SCGに関連付けられたビーム障害を検出することに応答したものである。また、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後に実施される1つまたは複数の動作は、RAプロシージャの成功裏の完了に応答して第2のタイマーを開始することを含む。このような変形態では、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、第2のコマンドを受信せずに第2のタイマーの期限が切れたことに応答したものである。
【0031】
他のこれらの実施形態では、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを受信することに応答したものである。また、SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、RAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである。
【0032】
これらおよび他の特定の実施形態のいくつかの変形態では、SCGに対するRAプロシージャは、UEの下位プロトコルレイヤによってビーム障害が検出されたという指示に基づいて、UEの上位プロトコルレイヤによって開始される。
【0033】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、SCGに対するRAプロシージャの中で第2のネットワークノードに送られ、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、SCGを介して受信することを含む。このような実施形態では、TCI状態は、SCG内でビーム障害が検出されたという指示に基づく。いくつかの変形態では、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、低減エネルギーモードにあるSCGのためのBFRに関連付けられた論理チャネルを介してMAC CEとして送られる。
【0034】
他のこれらの実施形態では、SCG内でビーム障害が検出されたという指示を第1のネットワークノードに送ることは、SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを受信することに応答したものである。また、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、指示を送ることに応答したものであり、SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、SCGに対するRAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである。いくつかの変形態では、指示は、
・ RRCメッセージ内のSCG故障情報フィールドであって、ビーム障害を指示する特定の値を有する、フィールド、
・ SCGビーム障害報告(BFR)に関連付けられた論理チャネルを介したMAC CE、および
・ BFRに関連付けられ、SCGの識別子を含む、MAC CE
のうちの1つとして第1のネットワークノードに送られる。
【0035】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、BFRのためのSCGに対して実施されるRAプロシージャは、
・ SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出しなかった後にSCGに対して実施される第1のRAプロシージャ、および
・ SCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGに対して実施される第2のRAプロシージャ。
のうちの1つまたは複数とは異なる。
【0036】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出しなかった後に、1つまたは複数の動作を実施することを含むことができ、1つまたは複数の動作は、
・ SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを、第1のネットワークノードから受信すること、
・ SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ること、および
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、無線ネットワークによって設定されたTCI状態に基づいて、MCG内またはSCG内のPDCCHを監視すること。
のうちのいずれかを含む。
【0037】
いくつかの変形態では、SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのための接続モードに入ることは、第2のコマンドを受信することに応答したものであり、MCG内のPDCCHを監視することは、第2のコマンドを受信することに応答したものである。
【0038】
他の実施形態は、無線ネットワークにおけるUEにSCGを提供するように設定された第2のネットワークノードのための方法(たとえば、プロシージャ)を含む。これらの例示的な方法は、SCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドを、UEがSCGのためのアクティブ化モードにある間にUEに送ることを含むことができる。これらの例示的な方法はまた、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施することを含むことができ、1つまたは複数の動作は、
・ SCG内のUEでRAプロシージャを実施すること、および
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、UEがSCG内のビーム障害を検出したという指示を、UEから、またはUEにMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードから受信すること
のうちのいずれかを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、指示は、SCGに対するRAプロシージャの中でUEから受信される。このような実施形態では、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に実施される1つまたは複数の動作は、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、指示に基づいて判定することを含む。このような実施形態では、RAプロシージャを実施することは、TCI状態をUEに送ることを含む。いくつかの変形態では、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、低減エネルギーモードにあるSCGのためのBFRに関連付けられた論理チャネルを介してMAC CEとして受信される。
【0040】
他の実施形態では、指示は、第1のネットワークノードから受信され、例示的な方法はまた、受信された指示に基づいてSCGを解放することを含むことができる。
【0041】
他の実施形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGのためのアクティブ化モードにあるUEの動作の再開の要求を第1のネットワークノードに送ることを含むことができる。指示は、要求に応答して第1のネットワークノードから受信される。
【0042】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法はまた、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、SCG BFD設定、およびSCGのサービングセルのサブセットという、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数をUEに送ることを含むことができる。このような実施形態では、SCG内の指示されたビーム障害検出は、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報(すなわち、SCG BFD設定および/またはサービングセルのサブセット)に基づく。いくつかの変形態では、
・ SCG BFD設定が、SCGのサービングセルのサブセットを含むこと、
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、サブセットだけがBFDについて監視されるべきであること、および
・ SCG BFD設定が、第1のコマンドと共に送られること
のうちの1つまたは複数が適用される。
【0043】
他の実施形態は、無線ネットワークにおけるUEにMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードのための方法(たとえば、プロシージャ)を含む。これらの例示的な方法は、UEがMCGのためのアクティブ化モードに、およびSCGのための低減エネルギーにある間に、SCGのためのアクティブ化モードに入るようにという第2のコマンドをUEに送ることを含むことができる。これらの例示的な方法はまた、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施することを含むことができ、1つまたは複数の動作は、
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにあった間にUEがSCG内のビーム障害を検出したという指示を、UEから受信すること、および
・ UEのために以前に設定されたTCI状態に基づいて、MCG内のUEにPDCCHを送信すること。
のうちのいずれかを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードに指示を転送することを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、指示は、
・ RRCメッセージ内のSCG故障情報フィールドであって、ビーム障害を指示する特定の値を有する、フィールド、
・ SCG BFRに関連付けられた論理チャネルを介したMAC CE、および
・ BFRに関連付けられ、SCGの識別子を含む、MAC CE
のうちの1つとしてUEから受信される。
【0046】
いくつかの実施形態では、TCI状態は、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前、またはUEがSCGのための低減エネルギーモードにある間のうちの1つにおいて、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードによって以前に設定された。
【0047】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法はまた、SCGのためのアクティブ化モードにあるUEの動作の再開の要求を、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードから受信することを含むことができる。第2のコマンドは、要求に応答して送られる。
【0048】
いくつかの実施形態では、これらの例示的な方法はまた、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、SCG BFD設定、およびSCGのサービングセルのサブセットという、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数をUEに送ることを含むことができる。このような実施形態では、SCG内の指示されたビーム障害検出は、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報に基づく。いくつかの変形態では、
・ SCG BFD設定が、SCGのサービングセルのサブセットを含むこと、
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、サブセットだけがBFDについて監視されるべきであること、および
・ SCG BFD設定が、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドと共に送られること
のうちの1つまたは複数が適用される。
【0049】
他の実施形態は、本明細書で説明される例示的な方法のいずれかに対応する動作を実施するように設定された、UE(たとえば、無線デバイス、IoTデバイスなど、もしくはその構成要素)またはネットワークノード(たとえば、基地局、eNB、gNB、ng-eNB、en-gNBなど、もしくはその構成要素)を含む。他の実施形態は、処理回路によって実行されると、本明細書で説明される例示的な方法のいずれかに対応する動作を実施するように、このようなUEまたはネットワークノードを設定するプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0050】
本明細書で説明されるこれらおよび他の実施形態は、SCG再アクティブ化のために、ある程度のビームアラインメントを保ちながら、非アクティブ化されたSCGのためのCSIおよび/またはL1ビーム測定の報告をUEに要求しないことによって、UEのエネルギー消費の低減を容易にすることができる。UEは、BFDに対するビーム監視を実施するので、UEは、SCGが非アクティブ化されていた間にBFDが検出されない限り、再開レイテンシを低減させる、SCG再アクティブ化の際の、必要に応じたランダムアクセスをトリガすることができる。特定の実施形態は、SCG再アクティブ化のためのUEの準備も容易にし、UEは、SCGが非アクティブ化されている間に、確立されたビームアラインメントに対してBFRを実施する。
【0051】
本開示の実施形態のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、以下で手短に説明される図面に鑑みて以下の発明を実施するための形態を読むと明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】例示的なLTEネットワークアーキテクチャの高レベルブロック図である。
【
図2】例示的なLTE制御プレーン(CP)プロトコルレイヤを示す図である。
【
図3】例示的な5G/NRネットワークアーキテクチャの高レベル図である。
【
図4】EPCおよび5GCを使用したマルチRAT DC(MR-DC)をサポートする例示的なネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す図である。
【
図5】EPCおよび5GCを使用したマルチRAT DC(MR-DC)をサポートする例示的なネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す図である。
【
図6】EPCによるEN-DC、および5GCによるMR-DCのための、UEの観点からのユーザプレーン(UP)無線プロトコルアーキテクチャを示す図である。
【
図7】EPCによるEN-DC、および5GCによるMR-DCのための、UEの観点からのユーザプレーン(UP)無線プロトコルアーキテクチャを示す図である。
【
図8】EPCによるEN-DC、および5GCによるMR-DCのための、ネットワーク観点からのUP無線プロトコルアーキテクチャを示す図である。
【
図9】EPCによるEN-DC、および5GCによるMR-DCのための、ネットワーク観点からのUP無線プロトコルアーキテクチャを示す図である。
【
図10】NR UEのための例示的な周波数ドメイン設定を示す図である。
【
図11】NRスロットのための例示的な時間-周波数リソースグリッドを示す図である。
【
図12】CellGroupConfig情報エレメント(IE)の例示的な構造を示す図である。
【
図13A】TCI状態設定のために使用される様々な例示的なIEまたはフィールドのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図13B】TCI状態設定のために使用される様々な例示的なIEまたはフィールドのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図13C】TCI状態設定のために使用される様々な例示的なIEまたはフィールドのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図13D】TCI状態設定のために使用される様々な例示的なIEまたはフィールドのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図14A】TCI状態がどのように設定および/またはアクティブ化されるかについての様々な態様を示す図である。
【
図14B】TCI状態がどのように設定および/またはアクティブ化されるかについての様々な態様を示す図である。
【
図14C】TCI状態がどのように設定および/またはアクティブ化されるかについての様々な態様を示す図である。
【
図15A】例示的なRadioLinkMonitoringConfigおよびSpCellConfig IEのためのASN.1データ構造をそれぞれ示す図である。
【
図15B】例示的なRadioLinkMonitoringConfigおよびSpCellConfig IEのためのASN.1データ構造をそれぞれ示す図である。
【
図16】例示的なBeamFailureRecoveryConfig IEのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図17】NR SCellについての例示的な状態遷移図である。
【
図18】様々な例示的な本開示の実施形態による、異なるRSリソースがUEビーム障害検出のために設定される一方で、UEのSCGがアクティブ化および非アクティブ化される場合を示す図である。
【
図19】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。
【
図20】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。
【
図21】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。
【
図22A】本開示の様々な実施形態による、MACエンティティとRRCエンティティとの間の様々なUE内部のシグナリングを示す図である。
【
図22B】本開示の様々な実施形態による、MACエンティティとRRCエンティティとの間の様々なUE内部のシグナリングを示す図である。
【
図23】本開示の様々な実施形態による、MACエンティティとRRCエンティティとの間の様々なUE内部のシグナリングを示す図である。
【
図24】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。
【
図25】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。
【
図26A】
図26A~
図26Bを含み、本開示の様々な実施形態による、非アクティブ化されたSCG内のビーム障害を報告するために使用可能な例示的なRRC IEのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図26B】
図26A~
図26Bを含み、本開示の様々な実施形態による、非アクティブ化されたSCG内のビーム障害を報告するために使用可能な例示的なRRC IEのためのASN.1データ構造を示す図である。
【
図27】本開示の様々な実施形態による、UEと、UEのMCGおよびSCGに関連付けられたネットワークノードとの間の信号流れ図である。特にBFDのセルグループ間報告の場合のための特定の実施形態を示す信号流れ図である。
【
図28】本開示の様々な実施形態による、UE(たとえば、無線デバイス、IoTデバイスなど、またはその構成要素)のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図29】本開示の様々な実施形態による、無線ネットワーク(たとえば、E-UTRAN、NG-RAN)における第2のネットワークノード(たとえば、基地局、eNB、gNB、ng-eNB、en-gNBなど)のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図30】本開示の様々な実施形態による、無線ネットワーク(たとえば、E-UTRAN、NG-RAN)における第1のネットワークノード(たとえば、基地局、eNB、gNB、ng-eNB、en-gNBなど)のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図31】無線ネットワークの実施形態を示す図である。
【
図33】無線ネットワークにおけるネットワークノードの様々な実施形態の実装形態のために使用可能な例示的な仮想化環境を示すブロック図である。
【
図34】本開示の様々な実施形態による、様々な通信システムおよび/またはネットワークのブロック図である。
【
図35】本開示の様々な実施形態による、様々な通信システムおよび/またはネットワークのブロック図である。
【
図36】本開示の様々な実施形態による、ユーザデータの送信および/または受信のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図37】本開示の様々な実施形態による、ユーザデータの送信および/または受信のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図38】本開示の様々な実施形態による、ユーザデータの送信および/または受信のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【
図39】本開示の様々な実施形態による、ユーザデータの送信および/または受信のための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
次に、添付の図面を参照しながら、上記で概説された実施形態がより十分に説明される。しかしながら、他の実施形態は、本明細書で開示される主題の範囲内に含まれており、開示される主題は、本明細書に記載される実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、当業者に主題の範囲を伝達するために、例として提供される。
【0054】
概して、本明細書で使用されるすべての用語は、異なる意味が、明確に与えられ、および/またはその用語が使用されるコンテキストから暗示されない限り、関連のある技術分野における、それらの用語の通常の意味に従って解釈されるべきである。1つの(a/an)/その(the)エレメント、装置、構成要素、手段、ステップなどへのすべての言及は、別段明示的に述べられていない限り、そのエレメント、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの事例に言及しているものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書で開示されるいずれの方法のステップも、ステップが、別のステップに後続するかまたは先行するものとして明示的に説明されない限り、および/あるいはステップが別のステップに後続するかまたは先行しなければならないことが暗黙的である場合、開示される厳密な順序で実施される必要はない。本明細書で開示される実施形態のいずれかの任意の特徴は、適切であればいかなる場合も、任意の他の実施形態に適用され得る。同様に、実施形態のいずれかの任意の利点は、任意の他の実施形態に適用され得、その逆も同様である。同封の実施形態の他の目的、特徴、および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0055】
さらに、以下の用語が、以下で与えられる説明全体にわたって使用される。
・ 無線ノード:本明細書で使用される「無線ノード」は、「無線アクセスノード」または「無線デバイス」のいずれかであり得る。
・ 無線アクセスノード:本明細書で使用される「無線アクセスノード」(または等価的に、「無線ネットワークノード」、「無線アクセスネットワークノード」、または「RANノード」)は、信号を無線で送信および/または受信するように動作する、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)における任意のノードであり得る。無線アクセスノードのいくつかの例は、限定はしないが、基地局(たとえば、3GPP第5世代(5G)NRネットワークにおける新無線(NR)基地局(gNB/en-gNB)、あるいは3GPP LTEネットワークにおける拡張またはエボルブドノードB(eNB/ng-eNB))と、基地局分散構成要素(たとえば、CUおよびDU)と、基地局制御プレーン構成要素および/またはユーザプレーン構成要素(たとえば、CU-CP、CU-UP)と、高電力またはマクロ基地局と、低電力基地局(たとえば、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、またはホーム基地局など)と、無線アクセスバックホール統合伝送(IAB)ノードと、送信ポイントと、リモートラジオユニット(RRUまたはRRH)と、リレーノードとを含む。
・ コアネットワークノード:本明細書で使用される「コアネットワークノード」は、コアネットワークにおける任意のタイプのノードである。コアネットワークノードのいくつかの例は、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)、サービス能力公開機能(SCEF)などを含む。
・ 無線デバイス:本明細書で使用される「無線デバイス」(または略して「WD」)は、ネットワークノードおよび/または他の無線デバイスと無線で通信することによって、セルラ通信ネットワークへのアクセスを有する(すなわち、セルラ通信ネットワークによってサーブされる)任意のタイプのデバイスである。無線で通信することは、空中で情報を伝達するのに好適な、電磁波、電波、赤外波、および/または他のタイプの信号を使用して無線信号を送信および/または受信することを伴うことができる。無線デバイスのいくつかの例は、限定はしないが、スマートフォン、モバイルフォン、セルフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)フォン、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲーミングコンソールまたはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブルデバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、モバイル型通信(MTC)デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、車載無線端末デバイスなどを含む。別段に記載されていない限り、「無線デバイス」という用語は、本明細書では、「ユーザ機器」(または略して「UE」)という用語と互換的に使用される。
・ ネットワークノード:本明細書で使用される「ネットワークノード」は、無線アクセスネットワーク(たとえば、上記で説明された無線アクセスノードまたは等価な名称)または、セルラ通信ネットワークのコアネットワーク(たとえば、上記で説明されたコアネットワークノード)のいずれかの一部である任意のノードである。機能的に、ネットワークノードは、無線デバイスと、ならびに/あるいは、無線デバイスへの無線アクセスを可能にし、および/または提供するための、および/または、セルラ通信ネットワークにおいて他の機能(たとえば、アドミニストレーション)を実施するための、セルラ通信ネットワーク中の他のネットワークノードまたは機器と、直接または間接的に通信することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能な機器である。
【0056】
本明細書の説明は3GPPセルラ通信システムに焦点を当て、したがって、3GPP専門用語または3GPP専門用語に類似した専門用語がしばしば使用されることに留意されたい。しかしながら、本明細書で開示される概念は、3GPPシステムに限定されない。さらに、「セル」という用語が本明細書で使用されるが、(特に5G NRに関して)セルの代わりにビームが使用され得、したがって、本明細書で説明される概念がセルとビームの両方に等しく適用されることを理解されたい。
【0057】
手短に上述したように、UEのSCGが非アクティブ化される(または、より一般には、SCG中断、SCG休止などの低減エネルギーモードにある)場合、UEは、SCGのPSCellおよびSCellのためのPDCCHの監視を止めてもよい。これは、ビーム障害検出およびビーム障害回復を含む、SCGにおけるUEのビーム管理に関する様々な問題、問題点、および/または困難を引き起こすおそれがある。これは、NRネットワークアーキテクチャおよび様々なデュアルコネクティビティ(DC)構成についての以下の説明の後、下記でより詳細に論じられる。
【0058】
図3は、次世代RAN(NG-RAN)399と5Gコア(5GC)398とからなる5Gネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す。NG-RAN399は、インターフェース302、352を介してそれぞれ接続されたgNB300、350などの、1つまたは複数のNGインターフェースを介して3GCに接続されたgNodeB(gNB)のセットを含むことができる。さらに、gNBは、gNB300とgNB350との間のXnインターフェース340など、1つまたは複数のXnインターフェースを介して互いに接続され得る。UEへのNRインターフェースに関して、gNBの各々は、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、またはそれらの組合せをサポートすることができる。
【0059】
NG-RAN399は、無線ネットワークレイヤ(RNL)とトランスポートネットワークレイヤ(TNL)とに階層化される。NG-RANアーキテクチャ、すなわち、NG-RAN論理ノードと、NG-RAN論理ノード間のインターフェースとは、RNLの一部として規定される。各NG-RANインターフェース(NG、Xn、F1)では、関係するTNLプロトコルと機能とが指定される。TNLは、ユーザプレーントランスポートとシグナリングトランスポートとのためのサービスを提供する。いくつかの例示的な設定では、「AMF領域」内のすべての5GCノードに各gNBが接続され、これは、3GPP TS23.501において規定されている。NG-RANインターフェースのTNL上のCPデータとUPデータとのためのセキュリティ保護がサポートされる場合、NDS/IPが適用されるものとする。
【0060】
図3に示されているNG RAN論理ノードは、中央(または集中型)ユニット(CUまたはgNB-CU)と1つまたは複数の分散(または非集中型)ユニット(DUまたはgNB-DU)とを含む。たとえば、gNB300は、gNB-CU310と、gNB-DU320および330とを含む。CU(たとえば、gNB-CU310)は、上位レイヤプロトコルをホストし、DUの動作を制御することなどの様々なgNB機能を実施する、論理ノードである。各DUは、下位レイヤプロトコルをホストし、機能的スプリットに応じて、gNB機能の様々なサブセットを含むことができる、論理ノードである。したがって、CUおよびDUの各々は、処理回路と、(たとえば、通信のための)トランシーバ回路と、電力供給回路とを含む、それらのそれぞれの機能を実施するために必要とされる様々な回路を含むことができる。その上、「中央ユニット」および「集中型ユニット」という用語は本明細書では互換的に使用され、「分散ユニット」および「非集中型ユニット」という用語も同様である。
【0061】
gNB-CUが、
図3に示されているインターフェース322および332など、それぞれのF1論理インターフェース上で、gNB-DUに接続する。gNB-CUおよび接続されたgNB-DUは、他のgNBおよび5GCにgNBとして見えるにすぎない。言い換えれば、F1インターフェースはgNB-CUを越えて見えない。
図3によって示されているgNBスプリットCU-DUアーキテクチャでは、DCは、UEが同じCUによってサーブされる複数のDUに接続することを可能にすることによって、またはUEが異なるCUによってサーブされる複数のDUに接続することを可能にすることによって、達成され得る。
【0062】
DCはまた、5G/NRネットワークのための重要な特徴であると想定される。3GPP TR38.804(v14.0.0)は、MNおよびSNが、NR RAT、LTE RAT、または両方を適用することができ、EPCまたは5GCに接続することができる、様々な例示的なデュアルコネクティビティ(DC)シナリオまたは設定を説明する。以下の専門用語は、これらの例示的なDCシナリオまたは設定を説明するために使用される。
・ DC:LTE DC(すなわち、上記で論じられたように、MNとSN両方がLTEを採用する)、
・ EN-DC:MN(eNB)がLTEを採用し、SN(gNB)がNRを採用し、両方がEPCに接続される、LTE-NR DC、
・ NGEN-DC:UEが、MNとして働く1つのng-eNB、およびSNとして働く1つのgNBに接続される、LTE-NRデュアルコネクティビティ。ng-eNBは5GCに接続され、gNBが、Xnインターフェースを介してng-eNBに接続される。
・ NE-DC:UEが、MNとして働く1つのgNB、およびSNとして働く1つのng-eNBに接続されるLTE-NRデュアルコネクティビティ。gNBは、5GCに接続され、ng-eNBは、Xnインターフェースを介してgNBに接続される。
・ NR-DC(またはNR-NR DC):MNとSN両方がNRを採用し、NGを介して5GCに接続する。
・ MR-DC(マルチRAT DC):3GPP TS36.300(v16.0.0)で説明されるE-UTRA内デュアルコネクティビティ(DC)の一般化であり、ここでは、1つがE-UTRAアクセスを提供し、他の1つがNRアクセスを提供する、非理想バックホールを介して接続された2つの異なるノードによって提供されたリソースを、複数のRx/Tx UEが利用するように設定されてもよい。一方のノードがMNとして働き、他方のノードがSNとして働き、一方がLTEを使用し、他方がNRを使用する。MNおよびSNは、ネットワークインターフェースを介して接続され、少なくともMNが、コアネットワークに接続される。EN-DC、NE-DC、およびNGEN-DCは、MR-DCの異なる実例のケースである。
【0063】
図4は、E-UTRAN499およびEPC498を含む、EN-DCをサポートする例示的なネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す。図に示されるように、E-UTRAN499は、それぞれのX2(またはX2~U)インターフェースを介して互いに相互接続された、en-gNB410(たとえば、410a、b)およびeNB420(たとえば、420a、b)を含むことができる。eNB420は、
図1に示されたものに似ていることが可能であり、その一方で、ng-eNBは、X2インターフェースを介して5GCに接続するのではなく、S1-Uインターフェースを介してEPC498に接続することを除いて、
図3に示されたgNBに似ていることが可能である。eNBはまた、
図1に示された構成と同様に、S1インターフェースを介してEPC498に接続する。より詳細には、en-gNB410(たとえば、410a、b)およびeNB420(たとえば、420a、b)は、EPC498におけるMME(たとえば、MME430a、b)およびS-GW(たとえば、S-GW440a、b)に接続する。
【0064】
en-gNBとeNBのそれぞれが、
図4に例示として示されたセル411a~bおよび421a~bを含む、もう1つのセルを含む地理的なカバレッジエリアをサーブすることができる。UE405が置かれた特定のセルに応じて、UE405は、NRまたはLTE無線インターフェースを介してこの特定のセルをサーブするen-gNBまたはeNBとそれぞれ通信することができる。追加として、UE405は、
図4に示されたセル420aおよび410aなどの、eNBによってサーブされる第1のセル、およびen-gNBによってサーブされる第2のセルと、EN-DCコネクティビティの状態にあることが可能である。
【0065】
手短に上述したように、NRネットワークは、「ビーム」を介したカバレッジも提供する。一般に、DL「ビーム」は、UEによって測定または監視され得るネットワーク送信されるRSのカバレッジエリアである。NRでは、たとえば、このようなRSは、SS/PBCHブロック(SSB)、CSI-RS、3次参照信号(または他のいずれかの同期信号)、ポジショニングRS(PRS)、DMRS、位相追跡参照信号(PTRS)などのいずれかを単独または組合せで含むことができる。一般に、SSBは、RRC状態に関わらす、すべてのUEに利用可能であり、その一方で、他のRS(たとえば、CSI-RS、DM-RS、PTRS)は、ネットワーク接続を有する、すなわちRRC_CONNECTED状態にある、固有のUEに関連付けられる。
【0066】
図5は、5GCに基づくMR-DC設定をサポートする例示的なネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す。より詳細には、
図5は、NG-RAN599および5GC598を示す。NG-RAN599は、それぞれのXnインターフェースを介して互いに相互接続された、gNB510(たとえば、510a、b)およびng-eNB520(たとえば、520a、b)を含むことができる。gNBおよびng-eNBはまた、NGインターフェースを介して5GC598に、より詳細には、それぞれのNG-Cインターフェースを介してAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能)530(たとえば、AMF530a、b)に、ならびに、それぞれのNG-Uインターフェースを介してUPF(ユーザプレーン機能)540(たとえば、UPF540a、b)に、接続される。その上、AMF530a、bは、1つまたは複数のセッション管理機能(SMF、たとえば、SMF550a、b)およびネットワーク公開機能(NEF、たとえば、NEF560a、b)と通信することができる。
【0067】
gNB510のそれぞれは、
図3に示されたものに似ていることが可能であり、その一方で、ng-eNBのそれぞれは、S1インターフェースを介してEPCに接続するのではなく、NGインターフェースを介して5GC598に接続することを除いて、
図1に示されたeNBに似ていることが可能である。gNBおよびng-eNBのそれぞれは、
図5に例示として示されたセル511a~bおよび521a~bを含む、もう1つのセルを含む地理的なカバレッジエリアをサーブすることができる。gNBおよびng-eNBはまた、それぞれのセルにおいてカバレッジを提供するために様々な指向性ビームを使用することができる。UE505が位置する特定のセルに応じて、UE505は、NRまたはLTE無線インターフェースを介してこの特定のセルをサーブする、gNBまたはng-eNBとそれぞれ通信することができる。追加として、UE505は、
図5に示されたセル520aおよび510aなどの、ng-eNBによってサーブされる第1のセル、およびgNBによってサーブされる第2のセルとのMR-DCコネクティビティの状態にあることが可能である。
【0068】
図6~
図7は、EPC(たとえば、EN-DC)による、ならびに5GC(たとえば、NGEN-DC、NE-DC、およびNR-DC)による、MR-DCのためのUEの観点からのUP無線プロトコルアーキテクチャをそれぞれ示す。両方のケースでは、UEは、上記で論じられたように、MCG、SCG、およびスプリットベアラをサポートする。
図6に示されたEN-DC構成では、MCGベアラは、LTE(たとえば、E-UTRA)またはNR PDCP、ならびにLTE RLCおよびMACレイヤを有し、その一方で、SCGベアラは、NR PDCP、RLC、およびMACレイヤを有する。スプリットベアラは、NR PDCPレイヤ、ならびにLTEとNR両方のRLCおよびMACレイヤを有する。
図7に示された構成では、すべてのベアラが、NR PDCPレイヤ、ならびにMNおよびSNによって使用されるRATに対応する下位レイヤを有する。
図6~
図7のアーキテクチャの間の1つの差は、5GCによるMR-DCのための様々なベアラが、PDCPの上にあるSDAPレイヤで終端されるQoSフローに関連付けられることである。
【0069】
図8~
図9は、EPC(たとえば、EN-DC)による、ならびに5GC(たとえば、NGEN-DC、NE-DC、およびNR-DC)による、MR-DCのためのネットワーク観点からのUP無線プロトコルアーキテクチャをそれぞれ示す。
図8に示されたEN-DC構成では、MNで集結されるMCGベアラは、MNによって使用されるRATのPDCPレイヤを有し、その一方で、すべての他のベアラが、NR PDCPレイヤを有する。すべてのベアラが、ベアラが終端されるノードのRATに関連付けられた下位レイヤを有する。
図9に示された構成では、すべてのベアラが、NR PDCPレイヤ、および、ベアラが終端されるノードのRATに関連付けられた下位レイヤを有する。ネットワーク観点から、各MCG、SCG、またはおよびスプリットベアラが、MNにおいてまたはSNにおいて終端されることが可能である。たとえば、ノードの間のX2またはXnインターフェースは、MN PDCPレイヤで終端されるSCGまたはスプリットベアラのためのトラフィックを、SNにおける下位レイヤに搬送することになる。同じように、X2またはXnが、SN PDCPレイヤで終端されるMCGまたはスプリットベアラのためのトラフィックを、MNにおける下位レイヤに搬送することになる。
図8~
図9のアーキテクチャの間の1つの差は、5GCによるMR-DCのための様々なベアラが、終端されるQoSフローに関連付けられることである。
【0070】
図10は、NR UEのための例示的な周波数ドメイン設定を示す。Rel-15 NRでは、UEには、DLにおいて4つまでのキャリア帯域幅部分(BWP)が設定されることが可能であり、単一のDL BWPは、所与の時間にアクティブである。UEには、ULにおいて4つまでのBWPが設定されることが可能であり、単一のUL BWPは、所与の時間にアクティブである。UEに補足のULが設定される場合、UEには、補足のULにおいて4つまでの追加のBWPが設定されることが可能であり、単一の補足のUL BWPは、所与の時間にアクティブである。
図10の例示的な構成では、UEには、BWP0~2とラベルを付けられた、3つのDL(またはUL)BWPがそれぞれ設定される。
【0071】
共通RB(CRB)は、0からキャリア帯域幅の終わりまで番号を付けられる。UEのために設定された各BWPは、(
図10に示されたような)CRB0の共通参照を有し、したがって、設定されたBWPは、ゼロより大きいCRBにおいてスタートさせることができる。CRB0は、3GPP TS38.211セクション4.4においてさらに規定されたような、ネットワークによって提供される以下のパラメータのうちの1つによって識別されることが可能である。
・ 1次セル(PCell、たとえば、PCellまたはPSCell)におけるDLのためのPRB-index-DL-common、
・ PCellにおけるULのためのPRB-index-UL-common、
・ 2次セル(SCell)におけるDLのためのPRB-index-DL-Dedicated、
・ SCellにおけるULのためのPRB-index-UL-Dedicated、および
・ 補足のULのためのPRB-index-SUL-common。
【0072】
このようにして、UEには、ナローBWP(たとえば、10MHz)およびワイドBWP(たとえば、100MHz)が設定されることが可能であり、それぞれが、特定のCRBにおいてスタートするが、1つのBWPだけが、所与の時点においてUEのためにアクティブであることが可能である。
図10に示された構成では、BWP0~2は、CRB N
0
BWP、N
1
BWP、およびN
2
BWP内でそれぞれスタートする。BWP内では、PRBが規定され、0から
までの周波数ドメイン内で番号を付けられ、ここで、iは、キャリアのための特定のBWPのインデックスである。
図10に示された構成では、BWP0~2は、PRB0から、N1、N2、およびN3までをそれぞれ含む。
【0073】
各NRリソースエレメント(RE)は、1つのOFDMシンボル間隔の中の1つOFDMサブキャリアに対応する。NRは、様々なSCS値Δf=(15×2
μ)kHzをサポートし、ここで、μ∈(0,1,2,3,4)は、「ヌメロロジー」と呼ばれる。ヌメロロジーμ=0(すなわち、Δf=15kHz)は、LTEでも使用される基本(または参照)SCSを提供する。シンボル持続時間、サイクリックプレフィックス(CP)持続時間、およびスロット持続時間は、SCSまたはヌメロロジーに逆に関係がある。たとえば、Δf=15kHzのサブフレームごとに1つの(1ms)スロット、Δf=30kHzのサブフレームごとに2つの0.5msスロットなどがある。追加として、最大キャリア帯域幅は、2
μ*50MHzに応じたヌメロロジーに直接関係がある。下記の表1は、サポートされるNRヌメロロジーおよび関連付けられたパラメータを概説する。異なるDLおよびULヌメロロジーが、ネットワークによって設定されることが可能である。
【0074】
図11は、NRスロットのための例示的な時間-周波数リソースグリッドを示す。
図11に示されたように、リソースブロック(RB)は、14シンボルスロットの持続時間の間の12個の連続したOFDMサブキャリアのグループから成る。LTEのように、リソースエレメント(RE)は、1つのスロット内の1つのサブキャリアから成る。NRスロットは、通常のサイクリックプレフィックスのための14個のOFDMシンボル、および拡張サイクリックプレフィックスのための12個のシンボルを含むことができる。
【0075】
NRでは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、制御リソースセット(CORESET)と呼ばれる、特定の数のシンボルおよび特定の数のサブキャリアを含む領域に限定される。一般に、CORESETは、周波数ドメインに複数のRB(すなわち、12の倍数のRE)、および時間ドメインに1~3つのOFDMシンボルを含む。CORESETを規定するために使用される最小単位は、リソースエレメントグループ(REG)であり、REGは、周波数における1つのPRB、および時間における1つのOFDMシンボルに及ぶ。CORESETリソースは、RRCシグナリングによってUEに指示されることが可能である。
【0076】
PDCCHに加えて、CORESETにおける各REGは、このREGが送信された無線チャネルの推定を支援するための復調用参照信号(DM-RS)を含む。PDCCHを送信するとき、送信の前に無線チャネルのいくつかの知識に基づいて送信アンテナにおける重みを適用するために、プリコーダが使用される。REGのために送信機で使用されるプリコーダが異なる場合、時間および周波数における直近の複数のREG上のチャネルを推定することによって、UEにおけるチャネル推定性能を改善することができる。UEのチャネル推定を支援するために、REGバンドルを形成するように、複数のREGが一緒にグループ化されることが可能であり、CORESETのREGバンドルサイズ(すなわち、2、3、または5個のREG)は、UEに指示されることが可能である。UEは、PDCCHの送信のために使用されるどのプリコーダも、REGバンドル内のREGすべてに対して同じであると想定することができる。
【0077】
LTEと同様に、NRデータスケジューリングは、たとえばスロットごとに、動的に実施されることが可能である。各スロット内で、基地局(たとえば、gNB)は、どのUEがこのスロット内でデータを受信する予定であるか、および、どのRBがこのデータを搬送することになるかを指示する、ダウンリンク制御情報(DCI)をPDCCHで送信する。UEは、DCIを最初に検出して復号し、DCIがUEのためのDLスケジュールリング情報を含む場合、DLスケジュールリング情報に基づいて対応するPDSCHを受信する。PDSCHスケジューリングを伝えるために、DCIフォーマット1_0および1_1が使用される。
【0078】
同じように、PDCCH上のDCIは、どのUEがこのスロット内でPUCCH上のデータを送信する予定であるか、および、どのRBがこのデータを搬送することになるかを指示するULグラントを含むことができる。UEは、DCIを最初に検出して復号し、UEのためのアップリンクグラントをDCIが含む場合、ULグラントによって指示されたリソース上の対応するPUSCHを送信する。PUSCHのためのULグラントを伝えるために、DCIフォーマット0_0および0_1が使用され、その一方で、スロットフォーマット情報、予備のリソース、送信電力制御情報などの送信を含む他の目的のために、他のDCIフォーマット(2_0、2_1、2_2、および2_3)が使用される。
【0079】
NR Rel-15では、DCIフォーマット0_0/1_0は、「フォールバックDCIフォーマット」と呼ばれ、その一方で、DCIフォーマット0_1/1_1は、「非フォールバックDCIフォーマット」と呼ばれる。フォールバックDCIは、DCIサイズが、アクティブBWPのサイズによって決まるリソース割り当てタイプ1をサポートする。したがって、DCIフォーマット0_1/1_1は、限定的なフレキシビリティで単一のトランスポートブロック(TB)送信をスケジュールするためのものである。その一方で、非フォールバックDCIフォーマットは、多層送信による柔軟なTBスケジューリングを提供することができる。
【0080】
DCIは、ペイロードデータの巡回冗長検査(CRC)が補完されたペイロードを含む。複数のUEによって受信されたDCIがPDCCH上で送られるので、ターゲットUEの識別子が含まれる必要がある。NRでは、これは、UEに割り振られた無線ネットワーク一時識別子(RNTI)でCRCにスクランブルをかけることによって行われる。最も一般には、サービングセルによってターゲットUEに割り振られたセルRNTI(C-RNTI)は、このために使用される。
【0081】
DCIペイロードは、識別子でスクランブルをかけられたCRCと一緒にエンコードされ、PDCCH上で送信される。以前に設定された検索空間を考慮して、各UEは、「ブラインド復号」として知られる処理における複数の仮説(「候補」とも呼ばれる)に従って、検索空間にアドレス指定されたPDCCHを検出しようとする。PDCCH候補は、1、2、4、8、または16個のCCEに及び、CCEの数は、PDCCH候補のアグリゲーションレベル(aggregation level:AL)と呼ばれる。2つ以上のCCEが使用される場合、第1のCCEにおける情報は、他のCCEにおいて繰り返される。ALを変化させることによって、PDCCHは、特定のペイロードサイズのために、堅牢性を上げるか下げることが可能である。言い換えれば、ALを調節することによって、PDCCHリンク適合が実施されることが可能である。ALに応じて、CORESET内の様々な時間-周波数ロケーションにPDCCH候補が置かれることが可能である。
【0082】
検索空間セット内でUEが監視しなければならないPDCCH候補に対応するCCEを決定するために、ハッシング関数が使用されることが可能である。ハッシングは、異なるUEのためにそれぞれに行われる。このようにして、UEによって使用されるCCEがランダム化され、CORESETに含まれるメッセージを有する複数のUE間の衝突の確率が低減される。UEがDCIを復号すると、UEは、UEに割り振られた、および/または特定のPDCCH検索空間に関連付けられた、RNTIでCRCのスクランブルを解く。マッチする場合、UEは、検出されたDCIがUEに宛てられたと見なして、DCI内の命令(たとえば、スケジューリング情報)に従う。
【0083】
たとえば、予定されるPDSCH送信のための、変調次数、ターゲット符号レート、およびTBサイズを決定するために、UEは、まず、DCI(たとえば、フォーマット1_0または1_1)内の5ビット変調符号化方式フィールド(IMCS)を読み取り、3GPP TS38.214 V15.0.0節5.1.3.1において規定されているプロシージャに基づいて、変調次数(Qm)およびターゲット符号レート(R)を決定する。その後、UEは、冗長バージョン(RV)を決定するために、DCI内の冗長バージョン(RV)フィールド(rv)を読み取る。レートマッチング(nPRB)の前にレイヤの数(v)および割り当てられたPRBの総数と一緒にこの情報に基づいて、UEは、3GPP TS38.214 V15.0.0節5.1.3.2において規定されているプロシージャに従って、PDSCHのためのトランスポートブロックサイズ(TBS)を決定する。
【0084】
ビーム管理が、Rel-15でNRのために指定された。特徴は、送信および受信に適切なビームを追跡するために使用される。固定されたグリッドオブビーム送信スキームによるアナログビームフォーミングを使用するネットワークノードは、典型的には、たとえば、ビームごとのレイヤ1(L1)参照信号受信電力(RSRP)のUE報告を評価することによって、ビーム候補を継続的に監視する。UEは、それぞれのビームに関連付けられたSSBに対してこのような測定を実施する。
【0085】
一般に、NRビーム管理フレームワークは、ネットワークが、ビーム間の空間的な関係をUEに知らせ、UE側のビーム追跡を容易にすることを可能にする。ネットワークに対するランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャを始める前に、UEは、SSBのセットを測定し、適切なものを選ぶ。UEは、次いで、選択されたSSBに関連付けられたRACHリソース上で送信する。対応するビームは、RRC_CONNECTED状態のビーム管理がアクティブになるまで、通信のためにUEとネットワーク双方で使用されることになる。ネットワークは、どのような明確なシグナリングもなく、UEによってどのSSBビームが選ばれたかを推察する。初期ビームを見つけるためのこのプロシージャは、しばしば、P1と表される。
【0086】
ネットワークは、どの(ナロー)CSI-RSビームを試行すべきかについての指示としてSSBビームを使用することができる。たとえば、ビーム管理のためのナローCSI-RSビームの候補セットは、ベストSSBビームに基づく。CSI-RSが送信されると、UEは、RSRPを測定し、結果をネットワークに報告する。新しいCSI-RSビームが、PDCCH/PDSCHを送信するために使用されるビームより良いことを指示するCSI-RSRP報告をネットワークがUEから受信した場合、ネットワークは、UEのためのサービングビームを適宜アップデートし、場合によっては、CSI-RSビームの候補セットを修正する。
【0087】
ネットワークはまた、SSBに対する測定を実施するようにUEに命令することができる。新しいSSBビームが、以前のベストSSBビームより良いことを指示するUE報告をネットワークが受信した場合、UEのためのCSI-RSビームの候補セットの対応するアップデートが動機づけられてもよい。この改良プロシージャは、しばしば、P2と呼ばれる。
【0088】
RRC_CONNNECTED状態になると、UEには、参照信号のセットが設定される。ビーム管理/L1測定に基づいて、UEは、UEのDLビームのどちらが、セット内の各参照信号を受信するのに適切であるかを判定する。ネットワークは、次いで、PDCCH/PDSCHを送信するために使用されることになるビームに、どちらの参照信号が関連付けられるかを指示し、UEは、この情報を使用して、PDCCH/PDSCHを受信するときのUEのDLビームを調節する。PDCCHおよびPDSCHビームは、同一であることが可能であり、同一でない場合、追加のシグナリングが必要になる。
【0089】
ネットワークが、ネットワークのサービングDL送信ビームをUEのためにアップデートしたとき、UEは、UEの対応するDL受信ビームをアップデートする必要があり得る。これを達成するために、ネットワークは、新しいサービング送信ビームでCSI-RSを繰り返し送信し、その一方で、UEは、その受信ビームを変化させる。UEは、次いで、ベスト受信ビームを選択し、これを、測定された参照信号に関連付けることができる。このプロシージャは、しばしば、P3と呼ばれる。
【0090】
いくつかの信号は、異なるアンテナポートからの同じ基地局(たとえば、gNB)アンテナから送信されることが可能である。これらの信号は、ドップラー偏移/拡散、平均遅延拡散、および/または平均遅延を含むパラメータに関するものなど、同じ大規模なプロパティを有することができる。これらのアンテナポートは、したがって、「準共同サイト式」すなわち「QCL」と言われる。ネットワークは、2つのアンテナポートが、1つまたは複数のパラメータに関するQCLであることを、UEにシグナリングすることができる。2つのアンテナポートが、特定のパラメータ(たとえば、ドップラー拡散)に関するQCLであることをUEが知っていると、UEは、パラメータが、アンテナポートのうちの1つに基づくと推定し、他のアンテナポートを受信したとき、この推定を使用することができる。典型的には、第1のアンテナポートは、CSI-RS(「ソースRS」と呼ばれる)などの、測定参照信号で表され、第2のアンテナポートは、復調用参照信号(DMRS)(「ターゲットRS」と呼ばれる)である。
【0091】
たとえば、アンテナポートAおよびBが、平均遅延に関するQCLである場合、UEは、アンテナポートA(ソースRS)から受信された信号から平均遅延を推定し、アンテナポートB(ターゲットRS)から受信された信号が、同じ平均遅延を有すると想定することができる。これは、UEが、DMRSを利用してチャネルを測定しようとするとき、チャネルのプロパティをあらかじめ知っていることが可能なので、復調に有用になり得る。
【0092】
QCLに関してどの想定が行われ得るかについての情報が、ネットワークからUEにシグナリングされる。NRでは、送信されたソースRSと送信されたターゲットRSとの間の以下の4つのタイプのQCL関係が規定される。
・ タイプA:{ドップラー偏移、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散}
・ タイプB:{ドップラー偏移、ドップラー拡散}
・ タイプC:{平均遅延、ドップラー偏移}
・ タイプD:{空間Rxパラメータ}
QCLタイプDは、アナログビームフォーミングによるビーム管理を容易にするために導入されたものであり、「空間QCL」として知られている。現在、空間QCLの厳格な規定はないが、2つの送信されたアンテナポートが空間的にQCLである場合、UEは、同じRxビーム使用して、これらを受信できることが理解されている。QCL関係がUEにシグナリングされるとき、QCL関係は、特定のQCLタイプ(たとえば、A、B、C、またはD)についての情報だけでなく、サービングセルインデックス、BWPインデックス、およびソース参照信号識別情報(CSI-RS、TRS、またはSSB)も含む。
【0093】
QCLタイプDは、ビーム管理に最も関連のあるものであるが、関連のある大規模なスケーリングパラメータすべてをUEが推定できるように、タイプA QCL RS関係をUEに伝えることも必要である。典型的には、これは、時間/周波数オフセット推定のための追跡参照信号(TRS、たとえば、CSI-RS)をUEに設定することによって行われることが可能である。任意のQCL参照を使用できるように、UEは、十分に良い信号対干渉プラス雑音比(SINR)でQCL参照を受信する必要があるはずである。多くの場合、これは、特定のビームおよび/またはビーム設定で送信されるように、特定のUEのためのTRSを制限する。
【0094】
言い換えれば、これらがQCLタイプDであるとき、同じ方向に、または同じダウンリンクビームを介して、2つの信号が送信される。UEが特定のRXビームで前に受信した他のいくつかの信号で、信号が空間的にQCLであることをUEが知っている場合、UEは、同じRXビームを確実に使用して、この信号を受信することができる。したがって、ネットワークは、復号されることになるチャネル(たとえば、PDCCH/PDSCH)と、CSI-RS、SSBなどのように、UEによって参照として使用され得る、所与の方向に送信されることが知られている信号との間のこの関係を与えることができる。
【0095】
ビームおよびTRP選択にダイナミクスを導入するために、UEには、RRCシグナリングを通じて、N個の送信設定インジケータ(TCI)状態が設定されることが可能であり、ここで、Nは、UEの能力に応じて、周波数範囲2(FR2、たとえば、6GHzより上)で128まで、および、FR1(たとえば、6GHzより下)で8までである。設定された各TCI状態は、ソースRS(たとえば、CSI-RSまたはSS/PBCH)と、ターゲットRS(たとえば、PDSCH/PDCCH DMRSアンテナポート)との間のQCL関連付けについてのパラメータを含む。TCI状態はまた、CSI-RSの受信のためのQCL情報を伝えるために使用されることが可能である。TCI状態のリスト内のN個の状態は、ネットワークによって送信されるN個の可能なビーム、UEと通信するためにネットワークよって使用されるN個の可能なTRP、または、1つもしくは複数のTRPから送信される1つもしくは複数のビームの組合せとして解釈されることが可能である。
【0096】
より詳細には、各TCI状態は、1つまたは2つのソースDL RSのためのQCL情報と共にIDを含むことができ、各ソースRSは、QCLタイプ、サービングセルインデックス、BWPインデックス、およびソース参照信号識別情報(CSI-RS、TRS、またはSSB)に関連付けられる。たとえば、2つの異なるCSI-RS{CSI-RS1,CSI-RS2}が、{qcl-Type1,qcl-Type2}={タイプA,タイプD}としてTCI状態に設定されることが可能である。UEは、UEが、CSI-RS1からドップラー偏移、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散を、およびCSI-RS2から空間Rxパラメータ(たとえば、使用することになるRXビーム)を、導出できることを意味するように、このTCI状態を解釈することができる。QCLタイプDが適用可能でない場合(たとえば、低または中帯域動作)、TCI状態は、ただ1つのソースRSを含む。特に記載がない限り、それでも、ソースRS「ペア」への参照は、単一のソースRSのケースを含む。
【0097】
さらに、利用可能なTCI状態の第1のリストが、PDSCHのために設定されることが可能であり、第2のリストが、PDCCHのために設定されることが可能である。この第2のリストは、PDSCHのために設定されたTCI状態のサブセットへの、TCI状態IDとして知られた、ポインタを含むことができる。FR1で動作するUEのために、ネットワークは、次いで、UEの能力に応じて、PDCCHのために1つのTCI状態を(すなわち、TCIをUEに提供することによって)、および、PDSCHのために8個までのTCI状態をアクティブ化する。
【0098】
例として、UEには、総計64個の設定されたTCI状態のリストから4つのアクティブTCI状態が設定されることが可能である。したがって、他の60個の設定されたTCI状態が非アクティブであり、UEは、これらのための大規模なパラメータを推定するように準備される必要はない。その一方で、UEは、これらの4つのTCI状態のそれぞれのために指示されたソースRSの測定および分析を実施することによって、4つのアクティブTCI状態のための大規模なパラメータを継続的に追跡し、アップデートする。PDSCHスケジューリングのために使用される各DCIは、スケーリングされたUEのための1つのまたは2つのアクティブTCI状態へのポインタ(またはインデックス)を含む。このポインタに基づいて、UEは、PDSCH DMRSチャネル推定およびPDSCH復調を実施するときに、どの大規模パラメータ推定を使用するべきかを知っている。
【0099】
UE TCI状態は現在、上記で論じられたCU-DUスプリットアーキテクチャにおけるDU設定パラメータであるCellGroupConfig情報エレメント(IE)の一部としてRRCを介して設定される。このICは、たとえば、RRC_INACTIVEからRRC_CONNECTED状態への遷移中に、RRCResumeメッセージの中で、または、ハンドオーバ、セル内再設定、もしくはRRC_IDLEからRRC_CONNECTED状態への遷移中に、RRCReconfigurationメッセージの中で、UEに伝えられることが可能である。TCI状態設定は、SpCell(すなわち、PCellまたはPSCell)のDL BWPごとにPDSCH設定の一部としてシグナリングされ、ここで、SpCellは、1つまたは複数のDL BWPを備えることができる。
図12は、TCI状態設定を含むCellGroupConfigの例示的な構造を示す。
【0100】
図13A~
図13Dは、RRCシグナリングを介してUEのTCI状態を設定するために使用される様々な例示的なIEのためのASN.1データ構造を示す。特に、
図13Aは、追加または修正されることになるTCI状態のリストを含むPDSCH設定のための(すなわち、特定のDL BWPのための)ASN.1データ構造を示す。各リストメンバは、
図13Dが例示的なASN.1データ構造を示すTCI状態フィールドによって記述される。
図13Dに示されたように、各TCI状態フィールドは、その設定の中で関連付けられたTCI状態IDを有する。
【0101】
UEも、PDCCHのためのDLビームを監視する必要があり得るので、PDCCH設定とTCI状態との間の関連付けもある。
図13Bは、PDCCH設定のために使用されるPDCCH-Config IEのためのASN.1データ構造を示す。このIEは、CORESETリソースのリストである、controlResoucesSettToAddModListを含む。
図13Cは、単一のCORESETリソースを表す、ControlResouceSetフィールドのためのASN.1データ構造を示す。
【0102】
上記で論じられたように、各CORESETは、1~3つのOFDMシンボル、および、PDCCHの周波数ドメイン割り当てを含み、すなわち、この場合、周波数において、PDCCHはUEによって送信され、監視されることになる。
図13Cに示されたControlResouceSetフィールドは、追加または修正されることになるTCI状態のリストも含み、各メンバは、このCORESETの中で送信されたPDCCH候補を受信するために使用されるべき、(たとえば、
図13Aによる)PDSCHの受信のために設定されたTCI状態のうちの1つを指し示すTCI-StateIDフィールドを含む。各CORESETは、異なるPDCCH候補のための異なる送信ビームの使用を容易にする、設定/アクティブ化された異なるTCI状態を有することができる。
【0103】
図13Dは、QCL-Infoと呼ばれるQCL設定フィールドを含む、例示的なTCI-StateフィールドのためのASN.1データ構造を示す。このフィールドは、cellと呼ばれるオプションのサブフィールドを含み、cellは、QCLソースRSが設定されているUEのサービングセルを示す。このサブフィールドがない場合、これは、TCI状態が設定されたサービングセル(すなわち、インデックス付きのSCellではない、セルグループのSpCell)に適用される。RSは、qcl-TypeがタイプDとして設定された場合のみ、TCI状態が設定されたサービングセル以外のサービングセル上にあることが可能である。言い換えれば、所与のSpCellConfigのために、所与のTCI状態のためのRSは、このセルグループ内のサービングセルに関連付けられ、サービングセルは、PCell/PScellまたは関連付けられたSCellでもよい。これは、TCI状態設定内のcellサブフィールドによって示される。このサブフィールドがない場合、これは、TCI状態が設定されたセルを指す。
【0104】
概説するために、所与のDL BWPにおけるPDSCH設定内に、TCI設定が提供される。PDCCHのために、CORESET設定は、PDSCHにおける設定されたTCI状態へのTCI状態ポインタを含む。各TCI状態は、前述のQCL情報、すなわち、1つまたは2つのソースダウンリンクRSを含み、各ソースRSは、QCLタイプに関連付けられる。
【0105】
PDSCHおよびPDCCHが検出される必要がある異なる送信ダウンリンクビームに、可能なTCI状態が関連付けられた、BWPごとのPDSCHおよびPDCCH設定を有するCellGroupConfigおよびSpCellConfigがUEに設定されると、UEは、ネットワークが時間ドメイン内でいつ送信しているかを知っている必要がある。言い換えれば、設定されるこれらのTCI状態すべてが、いつでも使用されるわけでなく、必要なときだけ使用される。したがって、所与のCORESETのために、どのTCI状態がUEによって監視されるべきか(たとえば、ネットワークによって送信された可能なCORESETを検出するために、どのDLビームをUEが監視する必要があるか)をネットワークが指示する、効率的なアクティブ化/非アクティブ化プロシージャが、NRにおいて規定されている。
【0106】
図14A~
図14Cは、UEのためのTCI状態アクティブ化の様々な態様を示す。特に、
図14Aは、UEとサービングgNBとの間のシグナリング図を示す。gNBは、最初に、CSI-RSをナロービームでUEに送信し、UEは、ベストの1~4個のCSI-RSリソースのためのRSRPをgNBに報告する。gNBは、報告された測定に基づいてCSI-RSリソースを選択する。gNBは、どのビームでgNBが選択リソースを送信したかを知っており、対応するSSBインデックスを含むSSBおよびTCI状態Sにこのビームをマッピングする。gNBは、次いで、TCI状態Sをアクティブ化する媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)をUEに送る。
【0107】
図14Bは、TCI状態をアクティブ化するための例示的なMAC CEを示す。3GPP TS38.321からの以下のテキストは、この例示的なMAC CEの内容および使用目的をさらに記述する。
*** 3PGG TS38.321からのテキストの始まり ***
5.18.5 UE固有のPDCCHのためのTCI状態の指示
ネットワークは、節6.1.3.15に記述されたUE固有PDCCH MAC CEのためのTCI状態指示を送ることによって、simultaneousTCI-UpdateList1-r16またはsimultaneousTCI-UpdateList2-r16において設定されたサービングセルまたはサービングセルのセットのCORESETのためのPDCCH受信のためのTCI状態を指示することができる。
MACエンティティは、以下になる。
1> MACエンティティが、サービングセル上でUE固有PDCCH MAC CEのためのTCI状態指示を受信する場合、
2> UE固有PDCCH MAC CEのためのTCI状態指示に関する情報を下位レイヤに指示する。
...
6.1.3.15 UE固有PDCCH MAC CEのためのTCI状態指示
UE固有PDCCH MAC CEのためのTCI状態指示は、表6.2.1-1において指定されたような、LCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。MACサブヘッダは、以下のフィールドを含む16ビットの固定サイズを有する。
- サービングセルID:このフィールドは、MAC CEが適用されるサービングセルの識別情報を指示する。フィールドの長さは、5ビットである。指示されたサービングセルが、TS38.331[5]で指定されたような、simultaneousTCI-UpdateList1-r16またはsimultaneousTCI-UpdateList2-r16の一部として設定される場合、このMAC CEは、セットされたsimultaneousTCI-UpdateList1-r16またはsimultaneousTCI-UpdateList2-r16におけるサービングセルすべてにそれぞれ適用される。
-CORESET ID:このフィールドは、TCI状態が指示されている、TS38.331[5]で指定されたような、ControlResouceSetIdで識別された制御リソースセットを指示する。フィールドの値が0の場合、フィールドは、TS38.331[5]で指定されたような、ControlResouceSetZeroによって設定された制御リソースセットを指す。フィールドの長さは、4ビットである。
-TCI状態ID:このフィールドは、CORESET IDフィールドによって識別された制御リソースセットに適用可能な、TS38.331[5]で指定されたような、TCI-StateIdによって識別されたTCI状態を指示する。CORESET IDのフィールドが0にセットされる場合、このフィールドは、アクティブBWPにおけるPDSCH-Config内のtci-States-ToAddModListおよびtci-States-ToReleaseListによって設定された最初の64個のTCI状態のうちの1つのTCI状態のためのTCI-StateIdを指示する。CORESET IDのフィールドが0以外の値にセットされる場合、このフィールドは、指示されたCORESET IDによって識別されたcontrolResouceSet内のtci-StatesPDCCH-ToAddListおよびtci-StatesPDCCH-ToReleaseListによって設定されたTCI-StateIdを指示する。フィールドの長さは、7ビットである。
*** 3PGG TS38.321からのテキストの終わり ***
【0108】
一般に、ネットワークは、PDCCHのための1つのTCI状態(すなわち、PDCCHのための提供する)、および、PDSCHのための8個までのアクティブTCI状態を、MAC CEを介して指示/アクティブ化することができる。UEがサポートするアクティブTCI状態の数は、UEの能力である。
【0109】
PDCCH監視のための所与のCORESETのためのTCI状態(たとえば、PDCCHを監視するために使用することになるDLビーム方向)をUEが知っていると、UEは、スケジュールされている所与のデータためにどのTCI状態が考えられるかを知っている必要がある。UEが、MAC CEで指示された所与のTCI状態に従ってCORESET内のPDCCHを監視しているとき、UEは、PDSCH上のデータを復号するために、PDSCHのための設定されたTCI状態のうちのどれが使用される(すなわち、アクティブ化される)べきかを指示するDCIを受信することができる。以下など、これを行うことができる種々の方式がある。
・ DCIが受信されたCORESETと同じTCI状態をUEが使用することをDCIが指示する、
・ PDSCH設定内のリストにおいて設定された1つのTCI状態にマッピングする3ビット指示を有する、PDSCHに関連付けられた別のTCI状態をUEが使用することをDCIが指示する、または
・ 整数0~7の間のビットマップ、およびPDSCH設定内のリストにおいて設定されたTCI状態のうちの1つのための3ビット指示を有する、PDSCHに関連付けられた別のTCI状態をUEが使用することをDCIが指示する。ビットマップは、PDSCHアクティブ化のために別のMAC CEにおいて提供される。このケースは、PDSCHのために設定されたTCI状態のリストが8より大きく、PDCCHと比較して異なるTCI状態でPDSCHがスケジューリングされることになるときに、使用される。
【0110】
要約すると、所与のスケジューリング機会に関連付けられたPDSCHのためのTCI状態をUEが取得するのはDCI内である。PDSCH設定は、1つのRSセット内のDL RSと、PDSCH DMRSポートとの間のQCL関係を含む送信設定を指示する、tci-StatesToAddModListを含む。言い換えれば、PDSCH設定は、PDSCHがスケジュールされ得るビームを指示する。これらの設定されたTCI状態のそれぞれが、DCIによってアクティブ化されることが可能である。
【0111】
8(8)個より多いTCI状態がPDSCHのために規定される場合、DCIベースのMAC CE支援スキーム、すなわち、上記で説明された第3のオプションが存在する。ビットマップで表すことができる種々の値は、「コードポイント」と呼ばれる。たとえば、3ビットフィールドが、8個までのTCIコードポイントを表すことができる。1つまたは2つのTCI状態が、各TCIコードポイントにマッピングされることが可能である。1つのTCI状態がTCIコードポイントにマッピングされるとき、指示されたTCI状態は、シングルTRP送信のために使用されることになる。2つのTCI状態がTCIコードポイントにマッピングされるとき、指示されたTCI状態は、マルチTRP送信のために使用されることになる。
【0112】
図14Cは、NR-Rel-15におけるDCI送信設定指示フィールド内のコードポイントにTCI状態がどのようにマッピングされるかを示す。この例では、UE固有PDSCHのためのTCI状態のアクティブ化/非アクティブ化のためのMAC CEは、3オクテットのサイズを有し、所与のBWPのためにUEにおいて設定された16個の異なるTCI状態IDに対応する16個のT
iフィールド(i=0、1、2、・・・、15)を含む。この例では、ID i=2、4、5、7、8、9、11、および13を有するTCI状態が、
図14Cに示されたMAC CEで(値「1」によって)アクティブ化されている。特に、TCI状態IDは、以下のような、DCI送信設定指示フィールドのコードポイント値にマッピングされる。
・ TCI状態ID i=2が、コードポイント値0に対応する、
・ TCI状態ID i=4が、コードポイント値1に対応する、
・ TCI状態ID i=5が、コードポイント値2に対応する、
・ TCI状態ID i=7が、コードポイント値3に対応する、
・ TCI状態ID i=8が、コードポイント値4に対応する、
・ TCI状態ID i=9が、コードポイント値5に対応する、
・ TCI状態ID i=11が、コードポイント値6に対応する、および
・ TCI状態ID i=13が、コードポイント値7に対応する。
【0113】
NR Rel-15では、RRC_CONNECTED UEは、CSI-RSまたはSSB上の、4つまでのビームの1つ1つに関するL1-RSRPを報告するように設定されることが可能である。UE測定報告は、PUCCHまたはPUSCHを介して送られることが可能である。以下の特性も、ビーム管理のための測定および報告に適用される。
・ 周期的および半永続的CSI-RSリソースは、特定の周期および特定のスロットオフセットが設定されたRRCである。
・ 非周期的CSI-RSは、測定報告のためのULリソースがスケジューリングされる同じDCIにおけるDCIによってスケジューリングされる。
・ 半永続的CSI-RSは、RRCを使用して設定され、MAC CEを使用してアクティブ化される。周期的CSI-RSは、RRCを使用して設定される。
・ UEが何を/どのように報告するかについてのオプションは、ServingCellConfigの一部である(すなわち、spCellのためのCellGroupConfig内にある)CSI-MeasConfigの一部である、CSI-RS報告セッティング(CSIReportConfig)において規定されている。
・ 報告セッティングはまた、報告セッティングが使用されるべきリソースを規定する、CSI-ResourceConfigを指す。
・ UEは、CSI-RSに基づいてCSIを報告するように設定されることが可能である。
・ 第1の(ベスト)CSI/SSBに対応する報告されたRSRP値は、7ビット(絶対値)を必要とし、その他は、第1に対するエンコーディングを使用して4ビットで報告される。
下記の表2は、L1測定のUE報告を概説する。
【0114】
ビーム障害検出(BFD)およびビーム障害回復(BFR)が、NR Rel-15でも導入された。ネットワークは、たとえば(SSBまたはCSI-RS)といった、BFD参照信号をUEに設定し、UEは、L1からのビーム障害インスタンス指示の数が、設定されたタイマーが期限切れになる前に、設定済み閾値に達したとき、ビーム障害を宣言する。SSBベースのBFDは、初期のDL BWPに関連付けられたSSBに基づき、初期のDL BWPのため、および、初期のDL BWPに関連付けられたSSBを含むDL BWPのためだけに、設定されることが可能である。他のDL BWPに対して、BFDは、CSI-RSだけに基づいて実施されることが可能である。
【0115】
図15Aは、BFDのためのリソースを設定するために使用されることが可能な、例示的なRRC RadioLinkMonitoringConfig IEのためのASN.1データ構造を示す。注目すべきは、値「BeamFailure」もしくは「rlf」のいずれか、または「両方」をとることが可能な目的フィールドである。
【0116】
(上述された)BFDのための設定済み閾値は、Q
out,LRおよびQ
in,LRである。前者は、RRC IE SpCellConfigにおいて設定され、3GPP TS38.133においてさらに記述されるような、rlmInSyncOutOfSyncThresholdのデフォルト値に対応する。後者は、フィールドrsrp-ThresholdSSBまたはrsrp-ThresholdBFR-r16によって提供された値に対応する。
図15Bは、rlmInSyncOutOfSyncThresholdを含む、例示的なSpCellConfig IEのためのASN.1データ構造を示す。このフィールドは、3GPP TS38.133、表8.1.1-1による、同期あり(in-sync:IS)/同期なし(out-of-sync:OOS)指示生成のためのブロック誤り率(BLER)閾値ペアインデックスとして規定される。リスト化された「n1」は、値1に対応する。このフィールドがない場合、UEは、値0を適用する。これが再設定されたときはいつでも、UEは、カウンタN310およびN311をリセットし、動いていれば、タイマーT310を止める。
【0117】
UE L1は、閾値Q
out,LRに対するリソース設定のセット
に従って、無線リンク品質を評価する。より詳細には、UEは、UEによって監視されるPDCCHのDM-RSの受信を伴うQCLである、周期的CSI-RSリソース設定、またはPCellもしくはPSCell上のSSBに基づいて、無線リンク品質を評価する。UEは、SSBのためのL1-RSRP測定にQ
in,LR閾値を適用する。UEは、powerControlOffsetSSによって提供された値でそれぞれのCSI-RS受信電力をスケーリングした後、CSI-RSリソースのためのL1-RSRP測定にQ
in,LR閾値を適用する。
【0118】
非DRX動作では、UE L1は、UEが無線リンク品質を評価するために使用するセット
におけるすべての対応するリソース設定のための無線リンク品質が閾値Q
out,LRより悪いとき、上位レイヤに指示を提供する。言い換えれば、少なくとも1つのリソースが閾値Q
out,LRを上回る場合、L1は、上位レイヤにBFDを指示しない。L1は、UEが無線リンク品質を評価するために使用するセット
における、周期的CSI-RS設定、および/またはPCellもしくはPSCell上のSSBの最短周期と2msecとの間の最大値によって決定された周期で、無線リンク品質が閾値Q
out,LRより悪くなったときに、知らせる。DRX動作では、L!は、3GPP TS38.133で指定されたような、決定された周期で、無線リンク品質が閾値Q
out,LRより悪くなったときに、上位レイヤに指示を提供する。
【0119】
RRC_CONNECTED UEに、MR-DCが設定されたとき、各SpCell設定は、独自のBFD設定を有することができる。PCellまたはPSCellに対して、上位レイヤからの要求に応じて、UEは、セット
からの周期的CSI-RS設定インデックスおよび/またはSSBインデックス、ならびにQ
in,LR閾値以上の対応するL1-RSRP測定を、上位レイヤに提供する。SCellに対して、上位レイヤからの要求に応じて、UEは、Q
in,LR閾値以上の対応するL1-RSRP測定値と共に、セット
からの少なくとも1つの周期的CSI-RS設定インデックスおよび/またはSSBインデックスがあるかどうかを指示し、もしあれば、セット
からの周期的CSI-RS設定インデックスおよび/またはSSBインデックス、ならびに、Q
in,LR閾値以上の対応するL1-RSRP測定値を提供する。
【0120】
サービングセルの各BWPに対して、UEは、failureDetectionResourcesによって周期的CSI-RSリソース設定インデックスのセット
を、および、candidateBeamRSListまたはcandidate-BeamRSListExt-r16またはcandidateBeamRSSCellList-r16によって周期的CSI-RSリソース設定インデックスおよび/またはSSBインデックスのセット
を提供されることが可能である。これらは、サービングセルのBWP上の無線リンク品質測定のために使用されることが可能である。
【0121】
サービングセルのBWPのためのfailureDetectionResourcesまたはBeamFailureDetection-ResourceListによって、UEに
が提供されない場合、UEは、UEがPDCCHを監視するために使用するそれぞれのCORESETのためのTCI状態によって指示されたRSセットにおける値と同じ値を有する周期的CSI-RSリソース設定インデックスを含めるように、セット
を決定する。TCI状態において2つのRSインデックスがある場合、セット
は、対応するTCI状態のためのQCL-TypeD設定を有するRSインデックスを含む。上記で論じられた
図13Dは、TCI状態IEが、この情報(たとえば、referenceSignalおよびqcl-Typeフィールド)をどのように含むかを示す。たとえば、上記で論じられた
図13Aに示されたように、これは、DL BWP設定におけるPDSCH設定(たとえば、PDSCH-Config)内のTCI状態設定の一部として指示されることが可能である。
【0122】
追加として、
図13Bに示されたように、各PDCCH設定(これは、DL BWP設定の一部であり、セルごとのBWPごとに3つまで)は、UEが監視するべき1つまたは複数のCORESETを含むことができる。各CORESET設定は、このCORESETがどのビームでUEによって送信および監視され得るかを指示する1つまたは複数のTCI状態を含む。これは、
図13Cに示されたControlResouceSetのためのASN.1データ構造によって示される。
【0123】
ビーム障害が検出された後、UEは、PCell上でランダムアクセス(RA)プロシージャを開始することによってBFRをトリガする。UEは、BFRを実施するのに適切なビームを選択し、gNBが、専用のランダムアクセスリソースを特定のビームに提供した場合、これらは、UEによって優先されることになる。BFRのためのパラメータは、CellGroupConfigの一部として、専用のUL BWPのためのBeamFailureRecoveryConfig IEにRRCを介して設定される。
図16は、例示的なBeamFailureRecoveryConfig IEのためのASN.1データ構造を示す。RAプロシージャが完了すると、ビーム障害回復が完了したと考えられる。BFDおよびBFR中のUEのアクションは、3GPP TS38.321(NR MAC仕様)において、より詳細に記載される。
【0124】
3GPPは以前、NR SCellの休眠中のLTE SCellおよび休眠中のような挙動についての概念を指定した。LTEでは、SCellが休眠状態にあるとき、UEは、対応するPDCCHまたはPDSCHを監視する必要はなく、対応するULにおいて送信することができない。この挙動は、非アクティブ化状態における挙動に似ているが、UEは、非アクティブ化状態の挙動とは異なるCQI測定を実施および報告することも要求される。PUCCH SCell(PUCCHが設定されたSCell)は、休眠状態になることができない。
【0125】
NRでは、SCellのための休眠中のような挙動は、休眠中のBWPの概念に基づく。RRCシグナリングを介して設定されたUEの専用BWPのうちの1つが、SCellのための休眠中として設定されることが可能である。アクティブ化されたSCellのアクティブBWPが、休眠中のBWPであるとき、UEは、SCell上のPDCCHの監視を止めるが、CSI測定、AGC、およびビーム管理を(そうするように設定された場合)、実施し続ける。DCIは、SCellまたはSCGのための休眠中のBWPへの出入りを制御するために使用され、休眠中のSCellを含むセルグループのSpCellに(すなわち、SCellがMCGに属する場合、PCellに、SCellがSCGに属する場合、PSCellに)送られる。SpCell(すなわち、PCellまたはPSCell)およびPUCCH SCellに、休眠中のBWPを設定することはできない。
【0126】
図17は、NR SCellの例示的な状態遷移図である。高レベルでは、UEのSCellは、ネットワークからの明確なコマンド(たとえば、MAC CE)、または非アクティブ化タイマーの期限切れに基づいて、非アクティブ化状態とアクティブ化状態との間で遷移することができる。アクティブ化状態の中で、特定のBWPは、ネットワークから受信されたDCIに基づいて、アクティブ状態と休眠状態との間で遷移することができる。
【0127】
それでも、UEにMR-DCが設定された場合、UEは、PSCellを休眠中になるように設定できないので、休眠状態または休眠中のような挙動のエネルギー低減から完全に利益を得ることができない。その代わりに、既存のソリューションは、必要に応じてSCGを(節電のために)解放すること、および、(トラフィック需要が要求するとき)追加することであることが可能である。トラフィックは、バースト送信である可能性が高いが、それでも、必要に応じてSCGをそのように追加および解放することは、MNとSNとの間の著しい量のRRCシグナリングおよびノード間メッセージングを伴うおそれがある。これは、相当な遅延に遭遇するおそれがある。
【0128】
3GPP Rel-16の文脈では、PSCellを、SCG中断とも呼ばれる休眠中にすることについてのいくつかの議論があった。このソリューションのいくつかの同意された原理は、以下を含む。
・ UEは、RRC_CONNECTEDにあるSCGのネットワーク制御の中断をサポートする。
・ 中断されたSCGのためのUE挙動は、さらなる研究のため(FFS)のものである。
・ UEは、Rel16において、中断されるまたは中断されない、最大1つのSCG設定をサポートする。
・ RRC_CONNECTEDでSCGを追加すると、SCGは、設定によって中断されること、または中断されないことが可能である。
より詳細なソリューションが、Rel-16のために提案されたが、これらには、様々な問題がある。たとえば、データトラフィックがSCGにおいて送られることが予想されないとき、gNBは、UEがSCG送信を中断するように指示することができ、その結果、UEは、SCG設定を維持するが、SCG設定を節電のために使用しないという1つのソリューションが提案された。SCGを中断するためのシグナリングは、DCI/MAC-CE/RRCに基づくことが可能であるが、gNBからUEへの特定の設定の詳細は上記で論じられなかった。そうだとしても、SCellのためのこのソリューションは、異なるネットワークノード(たとえば、SNとして動作するgNB)に関連付けられ得るPSCellに適用可能でなくてもよい。
【0129】
固有のSCGエネルギー低減技法が、3GPP Rel-17のために論じられたことはない。それでも、このような技法が、以下のうちの1つまたは複数を伴うことが予想される。
・ UEが、(たとえば、PSCellを休眠中のBWPにスイッチして)PSCellを休眠中で動作させ始めること。ネットワークは、PSCellが休眠中であると考え、PSCell内のこのUEのためのPDCCHの送信を少なくとも止める。
・ UEが、SCellの非アクティブ化と同様に、PSCellを非アクティブ化すること。ネットワークは、PSCellが非アクティブ化されたと考え、PSCell内のこのUEのためのPDCCHの送信を少なくとも止める。
・ UEがPSCellを長いDRXで動作させること。SCG DRXは、SN終端SCGベアラのためのDLデータ到着など、必要性が生じたとき、(たとえば、MCG MAC CEまたはDCIを介して)MNからスイッチを切られることが可能である。
・ UEが、SCGによるUEの動作を中断する(たとえば、MNおよびSN終端ベアラを含むSCGに関連付けられたベアラを中断する)が、SCG設定を記憶すること(「記憶されたSCG)。ネットワーク側で、SNは、UEのようにSCGを記憶することができるか、SNは、UEのSCGコンテキストを解放し、再開時にUEのSCGコンテキストを再生成することができる。後者のオプションは、SCGが中断されたUEのためのSCGコンテキストを記憶するMNからのサポートを必要とする。
これらの技法は、SCGに焦点を合わせているが、同様のアプローチがMCGに対して使用され得る可能性がある。たとえば、MCGは、データ通信がSCGだけを介して起こっている間、中断されるか、長いDRXになる。
【0130】
最近、SCG非アクティブ化のために以下の課題が研究されるべきであることが、3GPP RAN2 WGの中で同意された。
・ アクティブ化非アクティブ化において、シグナリングおよびノード間対話がどのように機能するか(たとえば、MNがトリガされる、SNがトリガされる、UEがトリガされる、シグナリングメカニズム、どのノードが制御中であるかなど)
・ 非アクティブ化されたSCGのために、UEが、SCGのPSCellおよびSCellのためのPDCCHの監視を止める場合。
・ 非アクティブ化されたSCGにおけるPSCellのために、UEが、CSI/RRM測定および報告、AGC、ビーム管理、RLMなどを実施する場合。
【0131】
非アクティブ化されたSCGにおける適切な挙動は、SCGのPSCellおよびSCellのためのPDCCHの監視をUEが止めることである。Rel-16までは、MR-DCが設定されたUEは、少なくとも各SpCell、すなわち、PCell、PSCellによる、および、設定された場合、SCGのSCellによる、ビーム管理動作を実施してもよい。Rel-17におけるSCG非アクティブ化の導入に伴い、UEは、PDCCH監視などのSCG動作を最小化することによって、エネルギー消費を低減させるべきである。同時に、UEは、非アクティブ化されたSCGを素早く再開する準備ができていなければならない。これらの要件は、矛盾および/または衝突になり得る。
【0132】
旧式のRRC_CONNECTED動作で高速PDCCH監視を可能にするための1つの方式は、ビーム管理プロシージャを介したものである。たとえば、非アクティブ化されたSCGの高速再開を容易にするために、UEは、非アクティブ化動作モードにあるSCGによるRRC_CONNECTEDのために規定された同じビーム管理動作を続けることができる。それでも、これらの動作は、UEがL1測定を実施すること、SCGのULチャネル(たとえば、PUCCH、PUSCH)上でL1測定を報告すること、MAC CEを処理することなどによって、エネルギーを消費する。このアプローチはまた、非アクティブ化されたSCGに関連付けられたSNが、SCGのULチャネル(たとえば、PUCCH)を監視し続けることを必要とする。同時に、ビーム管理動作を止めることは、ビームのずれにつながることがあり、その結果、再開時に新しい再アラインメントが必要になり、SCGのアクティブ化のために必要な時間を増加させる。
【0133】
したがって、本開示の実施形態は、無線ネットワーク(たとえば、NG-RAN)における第1のセルグループ(たとえば、MCG)および第2のセルグループ(たとえば、SCG)がMR-DCのために設定されたUEのための技法を提供する。これらの技法は、第2のセルグループが、(たとえば、アクティブ化または通常エネルギー動作モードから)非アクティブ化または低減エネルギー動作モードに入るようにという指示を、UEが(ネットワークノードから)受信することを含むことができる。加えて、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間、特定のビーム管理動作の実施を止めることおよび/または控えることができる。これらのビーム管理動作は、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる。
・ PUSCH上および/またはPUCCH上のL1ビーム測定を報告すること、ならびに
・ L1ビーム測定を実施すること。
【0134】
加えて、UEは、以下の方式のうちの少なくとも1つで、第2のセルグループが第2の動作モードにある間に、第2のセルグループに関連付けられたBFDを実施することができる。
・ 第2のセルグループのセルが通常動作モードにあったときにUEが実施していたように、UEが、第2のセルグループに対するBFD(たとえば、SCGのSpCellに対するBFD)の実施を続ける、
・ 第2のセルグループのセルが通常動作モードにあったときにUEが実施していたようにではなく、少なくとも1つの異なるBFD設定に従って、UEが、第2のセルグループに対するBFD(たとえば、SCGのSpCellに対するBFD)を実施する、ならびに
・ UEが、第2のセルグループ(たとえば、SCG)を非アクティブ化動作モードに遷移させると同時に、第2のセルグループに対するBFDに関するカウンタおよびタイマーリセットする。
【0135】
加えて、UEは、第2のセルグループが第2の動作モードにある間に(たとえば、非アクティブ化されたSCG)、第2のセルグループに関連付けられたビーム障害が宣言されるべきかどうかを判定し、BFDが宣言されたかどうかに基づいて、以下のアクションのうちの少なくとも1つを実施することができる。
・ BFDが宣言された場合、(たとえば、第2のセルグループのSpCellによる)第2のセルグループ上のBFRのためのランダムアクセスをトリガすること。
・ BFDが宣言されたとき、UEは、ビーム障害が検出されたと考えるが、第2のセルグループによるBFRのためのランダムアクセスをトリガしない、すなわち、UEは、BFD時にPSCellに対してランダムアクセスを実施しない。たとえば、BFRをトリガする際にランダムアクセスは実施されないが、場合によっては、第2のセルグループがアクティブ化された(再開された)ときに、後で実施される。この場合、非アクティブ化された第2のセルグループ内のセルに対してBFDが宣言されたとき、UEは、たとえば、第2のセルグループが、アクティブ/通常/アクティブ化された通常動作モードに遷移するときまで、ランダムアクセスの開始を遅らせる。
・ BFDが宣言されたとき、UEは、これを、MAC CEまたはRRCメッセージの中で、第1のセルグループを介してネットワークに指示する。このように、ネットワークは、ビーム障害の知識を即時に得ることになり、適切なアクション(たとえば、BFDが検出されなかった場合、UEがランダムアクセスを行わずに第2のセルグループを再開できると判定すること、BFDが検出された場合、UEがランダムアクセスを行わずに第2のセルグループを再開できないと判定すること)をとることができる。
【0136】
本開示の実施形態はまた、第1のセルグループ(たとえば、MCG)を介して無線ネットワークと通信するようにさらに設定された、UEのための第2のセルグループ(たとえば、SCG)に関連付けられた、無線ネットワークのネットワークノードのための技法を含む。ネットワークノードは、第2のセルグループが(たとえば、通常動作モードから)非アクティブ化動作モードに入るようにという指示を、UEに送信することができる。指示は、以下の方式のいずれかで送信されることが可能である。
・ 第1のセルグループを介して、たとえば、UEは、SCGが非アクティブ化されることになる場合のために、MCGを介してRRCメッセージまたはMAC CEを受信する、
・ 第2のセルグループを介して、たとえば、UEは、SCGが非アクティブ化されることになる場合のために、SCGを介してRRCメッセージまたはMAC CEを受信する、
・ 第2のセルグループを介して、たとえば、UEは、MCGが非アクティブ化されることになる場合のために、SCGを介してRRCメッセージまたはMAC CEを受信する、
・ 第1のセルグループを介して、たとえば、UEは、MCGが非アクティブ化されることになる場合のために、MCGを介してRRCメッセージまたはMAC CEを受信する。
【0137】
追加として、ネットワークノードは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあることに基づいて、第2のセルグループのサービングセルのうちの少なくとも1つに対して1つまたは複数のアクションを実施することができる。たとえば、ネットワークノードは、PDCCHによるUEのスケジューリングを止めること、DCIの送信を止めること、ULチャネル(たとえば、PUSCH、PUCCH)の監視を止めることなどを行うことができる。
【0138】
追加として、ネットワークノードは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあることに基づいて、ビーム管理動作の実施を止めることができる。これは、以下のうちのいずれかを含むことができる。
・ 第2のセルグループが通常動作モードにあった間にL1ビーム測定の報告のために設定された、このUEのためのアップリンクにおける制御チャネル(たとえば、PUSCH、PUCCH)の監視を止めること。
・ たとえば、CSI\、および/またはビーム管理のためといった、L1報告のためのCSI-RSの送信を止めること。
・ PRACHの監視を続けること。
追加として、ネットワークノードは、以下のアクションのうちの少なくとも1つを実施することができる。
・ 第2のセルグループが(たとえば、第2のセルグループのSpCellにより)非アクティブ化されたUEから、BFRに関連付けられたランダムアクセスプリアンブルを受信すること。
・ 再開動作に、すなわち、第2のセルグループが再開されることになるときに、関連付けられたランダムアクセスプリアンブルを受信すること。
・ 第1のセルグループ(たとえば、マスタセルグループ-MCG)に関連付けられたネットワークノード(たとえば、gNodeB)からの指示を受信することであって、指示は、第2のセルグループ上で宣言されたBFDについての情報を含む。受信された情報に基づいて、ネットワークノードは、対応するアクションをとることができ、たとえば、ネットワークノードは、BFDのためにUEによって使用される参照信号の送信を控えてもよい。
【0139】
本開示の実施形態はまた、第2のセルグループ(たとえば、SCG)を介して無線ネットワークと通信するようにさらに設定されたUEのための第1のセルグループ(たとえば、MCG)に関連付けられた、無線ネットワークのネットワークノードのための技法を含む。ネットワークノードは、第2のセルグループ上で宣言されたBFDについての指示を、第1のセルグループを介してUEから受信し、対応するアクションをとることができる。指示は、MAC CEまたはRRCメッセージでもよい。対応するアクションは、第2のセルグループのための新しいビーム関係を確立するためにSCGをアクティブ化すること、および、ノード間通信を介して、宣言されたBFDを、第2のセルグループに関連付けられたネットワークノードに知らせることを含むことができる。
【0140】
追加として、ネットワークノードは、この報告の中で受信された情報に基づいて、SCGをどのように再開/アクティブ化するべきかを判定することができる。たとえば、ネットワークは、BFDが検出されなかった場合、ランダムアクセスを行わずに第2のセルグループを再開できると判定することができる。このような場合、ネットワークノードは、ランダムアクセスを行わずに第2のセルグループにアクセスするようにUEをトリガする明確な/暗黙的なTCI状態指示(たとえば、第2のセルグループ上のPDCCHを監視するようにMAC CEがUEに指示すること)と共に、第2のセルグループ再開指示を送ることができる。代替として、ネットワークは、BFDが検出された場合、ランダムアクセスを行わずに第2のセルグループを再開できないと判定することができる。このような場合、ネットワークノードは、第2のセルグループによるランダムアクセスプロシージャを実施するようにUEをトリガする第2のセルグループ再開指示(たとえば、RACH設定を含むRRCメッセージ)を送ることができる。代替として、ネットワークノードは、非アクティブ化された第2のセルグループを解放するか、第2のセルグループに関連付けられたノードに同じことを要求するメッセージを送ることができる。
【0141】
実施形態は、本明細書で説明される問題に対する様々な利益、利点、および/またはソリューションを提供することができる。たとえば、実施形態は、ビームアラインメントの観点からある程度の準備を維持しつつ、CSIおよび/またはL1ビーム測定の報告をUEに要求しないことによってエネルギー低減を容易にする。UEは、BFDのためのビーム監視を実施するので、UEは、第2のセルグループの再開始時にランダムアクセスが必要なときにランダムアクセスをトリガすることだけが可能であり、これは、第2のセルグループが非アクティブ化されていた間にBFDが検出されない限り再開レイテンシを低減させる。第2のセルグループが非アクティブ化されている間でもビームアラインメントが確立されるように、非アクティブ化状態にある間にUEがBFRを実施することによって、この準備の課題にも、特定の実施形態が対処する。
【0142】
以下の議論では、「中断される」、「非アクティブ化される」、「非アクティブな」、および「低減エネルギーモード」という用語は、UEのセルグループ(たとえば、SCG)に対して互換的に使用される。それでも、UEの観点から、SCGのための「低減エネルギーモード」は、SCGに対してUEが低減エネルギーモードで動作していることを意味する。同じように、「再開される」、「アクティブ化される」、「アクティブな」、「通常エネルギーモード」、「通常動作」、および「旧式の動作」という用語は、UEのセルグループ(たとえば、SCG)に対して互換的に使用される。UEの観点から、SCGのための「通常エネルギーモード」は、SCGに対して、UEが通常(すなわち、非低減)エネルギーモードで動作していることを意味する。動作の例は、たとえば、RRM測定、信号の受信、信号の送信、測定設定、測定報告、トリガされたイベント測定報告の評価といった、UE信号受信/送信プロシージャである。
【0143】
以下の議論では、「SCG上での測定」または「SCGに関連付けられた測定」という句は、SCGのセル(たとえば、SpCell)上での測定を実施すること、および/またはSCG測定設定に従って測定を実施することに対応する。
【0144】
以下では、DCが設定されたUEのための中断されたSCGの観点で実施形態が説明される。それでも、DCが設定されたUEのための中断されたMCGに、同様の原理が適用されることが可能である。
【0145】
以下では、第2のセルグループが非アクティブ化されている間の「ビーム障害検出」(または略して「BFD」)は、一般に、BFDのために設定されたRSのセットの監視をUEが実施することを伴い、L1は、MACレイヤへの指示(たとえば、IS/OOS)を生成する。監視は、たとえば、第2のセルグループのSpCellに対するBFDのコンテキストで、第2のセルグループのサービングセル上で実施されることが可能である。
【0146】
上記で概説されたように、UEは、UEの第2のセルグループが(たとえば、通常動作モードから)非アクティブ化動作モードに入るようにという指示を(ネットワークノードから)受信することができる。いくつかの実施形態では、UEには、UEがコマンドを受信したときに、通常動作モードで動作するMCGとSCG両方によるMR-DCが設定されてもよい。他の実施形態では、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入るようにという指示を含むMR-DC設定(たとえば、SCG設定)を受信することができる。いずれかのケースにおいて、指示は、RRCメッセージ(たとえば、IEまたはフィールドとして)、MAC制御エレメント(CE)などに含まれてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、第2のセルグループは、MR-DCにあるUEのために設定されたSCGであることが可能である。このような場合、第2のセルグループのサービングセルは、SpCell(PSCell)、およびSCellのいずれかであることが可能である。他の実施形態では、第2のセルグループは、MR-DCにあるUEのために設定されたMCGであることが可能である。このような場合、第2のセルグループのサービングセルは、MCGのSpCell(PCell)、およびSCellのいずれかであることが可能である。
【0148】
上記で概説されたように、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間、特定のビーム管理動作の実施を止めることおよび/または控えることができる。これらのビーム管理動作は、様々な実施形態における以下のうちの少なくとも1つを含むことができる。
・ (PUSCH上および/またはPUCCH上での)L1ビーム測定の報告を止めること。
○ これらは、SS/PBCHブロック(SSB)に基づくL1 RSRP測定であることが可能である。
○ これらは、CSI-RSに基づくL1 RSRP測定であることが可能である。
○ UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、第2のセルグループに関連付けられた(たとえば、第2のセルグループのSpCellに関連付けられた)以下のL1測定および報告のうちの少なくとも1つを中断する。
・ 周期的、非周期的、および半永続的報告
・ PUCCH上での報告
・ PUSCH上での報告
・ 他のいずれかのアップリンク制御チャネル上での報告
・ L1報告のためのL1ビーム測定の実施を止めること。他の目的(たとえば、BFD)のための他の測定値は続けてもよい。これらは、SSBまたはCSI-RSに基づくL1 RSRP測定であることが可能である。
・ (以下の設定に従って動作を中断することと同等であると考えられることが可能な)以下の設定のうちの少なくとも1つに関連付けられたL1報告およびL1測定の実施を止めること。
○ 第2のセルグループのセルに関連付けられたCSI-MeasConfig IEによる設定(サービングセル設定の一部であり、IE CellGroupConfig内で送信される)。設定は、CSI-MeasConfigが含まれるサービングセルに属するCSI-RS(参照信号)と、CSI-MeasConfigが含まれるサービングセル上のPUCCH上で送信されることになるチャネル状態情報報告と、CSI-MeasConfigが含まれるサービングセル上でDCIが受信されたことによってトリガされたPUSCH上のチャネル状態情報報告とを設定するために使用される。方法によれば、以下のうちの少なくとも1つなど、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入るときに、CSI-MeasConfig内の少なくとも1つの設定(すなわち、フィールドまたはIE)が中断されてもよい(すなわち、測定および報告が止まる)。
- nzp-CSI-RS-ResourceToAddModListが、NZP-CSI-RS-Resourceのリストである。
- CSI-ResourceConfigからまたはMAC CEから参照されることが可能な、NZP-CSI-RS-ResourceSetのプール。
- csi-SSB-ResourceSetToAddModListが、CSI-SSB-ResourceSetのリストである。
- CSI-ResourceConfigから言及されることが可能なCSI-SSB-ResourceSetのプール
- csi-ResourceConfigToAddModListが、CSI-ResourceConfigのリストである。
- 3GPP TS38.214セクション5.2.1.2において指定されているような設定されたCSIリソースセッティング。
- csi-ReportConfigToAddModListが、CSI-ReportConfigのリストである。
- 3GPP TS38.214セクション5.2.1.1において指定されているような設定されたCSI報告セッティング。
・ 第2のセルグループのセルに関連付けられたCSI-ReportConfig(CSI-MeasConfigの一部)による設定。設定は使用される。設定を中断すること、および/または設定に従って実施されたアクションを止めることは、CSI-ReportConfigが含まれるセル(たとえば、セルグループに関連付けられた第2のセルグループのSpCell、またはSCell)上のPUCCH上で送られた周期的または半永続的報告を止めることまたは中断することに対応する。設定を中断することおよび/または設定に従って実施されたアクションを止めることは、CSI-ReportConfigが含まれるセル上でDCIが受信されたことによってトリガされたPUSCH上で送られた半永続的または非周期的報告を止めることまたは中断することに対応する(この場合、報告が送られるセルは、受信されたDCIによって決定される)。方法によれば、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、CSI-ReportConfig内の少なくとも1つの設定(すなわち、フィールドまたはIE)が中断されてもよい(すなわち、測定および報告が止まる)。
【0149】
上記で概説されたように、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにある間に、第2のセルグループに関連付けられたBFDを実施することができる。これは、第2のセルグループの少なくとも1つのサービングセル上でBFDを実施することを伴うことが可能である。第2のセルグループがSCGである場合、これは、SCGのSpCell(PSCell)、および/またはSCGのいずれかのSCellを含むことができる。第2のセルグループがMCGである場合、これは、MCGのSpCell(PCell)、および/またはMCGのいずれかのSCellを含むことができる。
【0150】
様々な実施形態では、UEは、様々な方式で、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにある間にBFDを実施することができる。いくつかの実施形態では、UEは、第2のセルグループが通常動作モードにあったときと同じ様式で、第2のセルグループに対するBFDの実施を続ける。たとえば、UEは、第2のセルグループのためのCellGroupConfig内のBFD設定に従って、第2のセルグループのSpCellのための、3GPP TS38.213セクション6(「リンク回復プロシージャ」)において説明されているような、少なくともアクションを実施する。別の言い方をすると、L1は、(たとえば、ビームで送信された)参照信号の監視を続け、場合によっては、BFIの数をカウントすることに基づいて、ビーム障害がないか監視するビーム障害指示(上位レイヤ(たとえば、MAC)へのBFI)を生成する。
【0151】
1つの変形態では、UEは、BFDが設定された第2のセルグループのSpCellおよび第2のセルグループのすべてのSCellに対するBFDを実施する。言い換えれば、SpCellは、BFDが実施されるサービングセルのうちの1つであり、他のSCellは、BFDが実施される他のサービングセルである。別の変形態では、UEは、BFDが設定された第2のセルグループのSCellのサブセットに対するBFDを実施する。
【0152】
別の変形態では、UEは、第2のセルグループのSpCellに対してだけBFDを実施する。したがって、第2のセルグループのSCellのためにBFDが設定されたとしても、第2のセルグループが非アクティブ化されているとき、UEは、SCellに対するBFDを止め、PSCellに対するBFDだけを続ける。UEが、休眠中のSCGをアクティブ化するとき(たとえば、SCG動作を再開するようにという指示を受信したとき)、UEは、SCellに対してもBFDを再び実施する。
【0153】
別の変形態では、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、UEのために明示的に設定されたサービングセルに対してだけBFDを実施する。この設定は、第2のセルグループを非アクティブ化する指示を、または、第2のセルグループが設定されたときのCellGroupConfigの一部として、提供されてもよい。
【0154】
他の実施形態では、UEは、第2のセルグループに対するBFDを実施するが、第2のセルグループのセルが通常動作モードにあったときにUEが実施していた様式とは異なる様式で実施する。たとえば、UEは、1つまたは複数の新しいパラメータを含む異なるBFD設定に従って、第2のセルグループのSpCellに対する、3GPP TS38.213セクション6(「リンク回復プロシージャ」)において説明されているような、少なくともアクションを実施する。これらは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間に使用するためだけに設定されてもよい。
【0155】
たとえば、異なるBFDパラメータは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあるときに、これらのBFD関連パラメータが第2のセルグループのためにUEによって使用されることになるといういくつかの指示と共に、第2のセルグループのためのCellGroupConfigの中で(たとえば、RRC再設定のようなメッセージの中で)設定されてもよい。いくつかの変形態では、異なるBFDパラメータは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードになることを示す同じメッセージの中で設定されてもよい。
【0156】
いくつかの変形態では、非アクティブ化動作モードで使用するための固有のBFD設定がない場合、第2のセルグループのために通常動作モードで使用されるBFD設定に基づいて、UEにBFDを実施させてもよい。他の変形態では、非アクティブ化動作モードで使用するための固有のBFD設定がない場合、UEが非アクティブ化動作モードにあるとき、第2のセルグループ上でのBFDの実施をUEに控えさせてもよい。他の変形態では、UEには、第2のセルグループが非アクティブ化され、この場合のための他のBFD設定が利用可能でないときのために、デフォルトのBFD設定があらかじめ設定されることが可能である。
【0157】
一般に、新しいBFD設定(すなわち、第2のセルグループが非アクティブ化されている間に使用するためのBFD設定)は、第2のセルグループが通常動作モードにある間に使用するための、
図15Aに示されたRadioLink-MonitoringConfig IEでみつかるものと類似および/または同等のパラメータを含んでもよい。たとえば、これらのパラメータは、たとえばRadioLink-MonitoringConfig IE内の、新しいradioLinkMonitoringConfig-SCG-deactivated IEまたはフィールドにおいて提供されることが可能である。下記は、新しいBFD設定における異なっていることが可能なパラメータのいくつかの例である。
・ failureDetectionResourcesToAddModList;たとえば、すべてのリソースがQout閾値を下回るときにBFIを生成するために監視されることになる、SSB、CSI-RS、またはSSBとCSI-RSとの混在のリストといった、BFDのために監視されることになるRSリソースのリスト。
○ 新しいBFD設定は、たとえば、BFDのために監視されることになるより多くのビーム/SSB/CSI-RSリソースといった、第2のセルグループがアクティブ化される場合と比較して、監視されることになるより多くのリソースを含んでもよい。UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されているとき、PDCCHを監視しておらず、測定を報告していないので、UEは、より堅牢なBFDスキームのために、BFDがないか、より多くのリソースを監視することが可能な場合がある。
図18は、K=3個のRSリソースが、SCGがアクティブ化されている間にUE BFDのために設定され、(少なくとも1つの違いを含む)M=4個のRSリソースが、SCGが非アクティブ化されている間にUE BFDのために設定される場合を示す。
○ 別の可能な方策は、たとえば、より多くのSSB/CSI-RSリソースといった、たとえば、BFDについて監視されることになるより少ないビームといった、第2のセルグループがアクティブ化された場合と比較して、監視されることになるより少ないリソースを、新しいBFD設定が含んでもよいことである。推論は、BFDが、ある程度まで、L1ビーム測定の報告を含むビーム管理動作を置き換えているので、UEが第2のセルグループを再開/アクティブ化する前に、少ない数のビームからの何らかの偏差が考慮されるべきであるということである。
○ いくつかの変形態では、非アクティブ化された第2のセルグループのためのBFDリソースに関するこの新しい設定は、SSBが、いずれにしても、このためにCSI-RSを送信する必要がないように、第2のセルグループ(たとえば、PSCell)によって送信され得るので、SSBにだけ基づくことが可能である。1つのオプションは、設定されたCSI-RSの監視をUEが自律的に止め、設定されたSSBに基づいてBFDを実施するだけであることが可能である。セット
のために、UEは、SCGが通常動作モードにあったときにUEによって監視されていたPDCCHのDM-RS受信と共同サイト式のPSCell上のSSBだけに従って、無線リンク品質を評価する。UEは、SSBから取得されたL1-RSRP測定にQ
in,LR閾値を適用する。
・ beamFailureInstanceMaxCount:このフィールドは、どれだけ多くのビーム障害イベントがUE BFRをトリガしたかに従って決定し、UE BFRは、ネットワーク方策に応じて、第2のセルグループが非アクティブ化されているとき、BFDに対して、UEが、多かれ少なかれ耐性があることを可能にすることができる。1つのオプションは、これが非常に重大なときに、UEにBFDを宣言させることだけを行わせるために、このフィールドを増加させることであってもよく、これは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間に、UEがPDCCHを監視していないと考えることが道理にかなうはずである。別のオプションは、UEをSCGによる動作の再開の準備が可能な限りできた状態にするために、このフィールドを減少させ、PDCCHの監視を始めることであってもよい。
・ beamFailureDetectionTimer:これは、(3GPP TS38.213節6において規定されているような)「ビーム障害検出のQout,LR報告周期」の数の値であることが可能な、BFDのためのタイマーであり、これは、ネットワーク方策に応じて、第2のセルグループが非アクティブ化されているときに、UEが、BFDに対して、多かれ少なかれ耐性があることを可能にすることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、新しいBFD設定は、(
図15Bに関して上記で論じられたような)rlmInSyncOutOfSyncThresholdの新しい値を含むことができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、新しいBFD設定は、BFDを実施するための方法の変更であってもよい。通常/アクティブ化動作モードでは、UEは、(たとえば、RadioLinkMonitoringConfigによって)BFDのために設定されたRSリソースのセットを監視することによってBFDを実施する。3GPP TS38.213セクション6によれば、RSがBFDのために提供されない場合、UEは、PDCCHのためのアクティブ化TCI状態に基づいて、ビーム監視を実施する。これらの実施形態によれば、UEが第2のセルグループを非アクティブ化したとき、RSリソースがBFDのために設定されたとしても、UEは、たとえば、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに遷移する前に、アクティブ化された最新のPDCCH TCI状態に基づいてBFDに対するビーム監視を実施するようにRSリソースを設定しなかったかのように、BFD監視方法を変更する。第2のセルグループが再開されたとき、BFDは、BFDのために設定されたRSリソースに返す。
【0160】
上記で概説されたように、UEは、第2のセルグループが第2の動作モード(たとえば、非アクティブ化されたSCG)にある間、第2のセルグループに関連付けられたBFDが宣言されるべきかどうかを判定し、BFDが宣言されたかどうか(たとえば、発生したと判定されたかどうか)に基づいて少なくとも1つのアクションを実施することができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、判定は、第2のセルグループのサービングセル(たとえば、SpCell)のためのMACエンティティにおいて行われることが可能である。第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあったとしても、サービングセルのMACエンティティは、L1からのBFIの可能な受信を監視する。MACエンティティは、BFRタイマーをスタートまたはリスタートさせ、L1から受信された各BFIのために、1つだけBFI_COUNTERを増やす。
【0162】
いくつかの実施形態では、判定は、所定の時間内に発生することが可能な、上記で説明されたカウンタと、BFIインスタンスの設定された最大数(たとえば、beamFailureInstanceMaxCount)との間の比較に基づくことが可能である。たとえば、BFRタイマーが動いている間、BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountである場合、BFDが宣言され、UEは、非アクティブ化された第2のセルグループのためのアクションを実施する。BFRタイマーが期限切れになった場合、BFI_COUNTERは0にセットされる。
【0163】
いくつかの変形態では、タイマーは、BFRが通常動作モードほど容易にトリガされないように、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあるとき、小さい方の値にセットされることが可能である。いくつかの変形態では、BFI_COUNTERは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、および/または第2のセルグループが通常動作モードに入ったとき、リセットされることが可能である。
【0164】
様々な実施形態では、UEは、BFDが宣言されたかどうかに基づいて様々なアクションを実施することができる。いくつかの実施形態では、UEは、BFDが宣言された場合、(たとえば、第2のセルグループのSpCellで)第2のセルグループ上のBFRのためのランダムアクセスをトリガすることができる。BFRは、UL BWPごとに設定されることが可能である。アクティブUL BWPのために、少なくとも以下のオプションがあり得る。
・ UEは、UEが通常動作モードにあったときのアクティブUL BWPを、第2のセルグループ(たとえば、PSCell)が非アクティブ化動作モードに入ったときの選択されたキャリアのこのアクティブUL BWPとして考える。
・ 第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、アクティブUL BWPは、たとえば、場合によっては、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったときに使用されるように設定されたUL BWPに変更する。
・ 第2のセルグループが非アクティブ化動作モードに入ったとき、アクティブUL BWPは、(たとえば、initialUplinkBWPを使用して)初期アップリンクBWPとして設定されたUL BWP、(たとえば、firstActiveUplinkBWP-Idを使用して)第1のアクティブアップリンクBWPとして設定されたUL BWP、またはデフォルトのDL BWPと同じBWPのペアに属するUL BWPに変更する。
【0165】
UEは、通常動作モードにある第2のセルグループのために使用されるように設定されたパラメータに基づいて、(たとえば、第2のセルグループのサービングセルによる)BFRのためのランダムアクセス(RA)を開始することができる。いくつかの実施形態では、UEは、4ステップのRAプロシージャを開始することができる。これは、競合フリーRA(CFRA)プロシージャまたは競合ベースのRA(CBRA)プロシージャであることが可能である。1つの変形態では、UEは、BFRのためだけに4ステップRAを実施することができる。これは、BFRが非常に高速である必要がなくてもよく、ネットワークが、ULリソースがこのプロシージャのための使用に限定することを望み得るからである(たとえば、RACHリソースだけが割り当てられる、MSG.Aの送信のためのPUSCHリソースの割り当てがない)。
【0166】
他の実施形態では、UEは、2ステップRAプロシージャを開始することができる。これは、CFRAプロシージャまたはCBRAプロシージャであることが可能である。これは、特定の条件が満たされた場合、および/または第2のセルグループが非アクティブ化されたときに使用されるように設定された場合のみ、開始されることが可能である。2ステップRAを開始するようにUEを設定する動機は、第2のセルグループ(たとえば、BFRが検出されたセル)が再開される準備ができており、UEがPDCCHを監視するアクティブ化動作モードに入るように、BFRを可能な限り高速に実施できることである。
【0167】
いくつかの実施形態では、UEは、第2のセルグループがアクティブ化されている間にBFRを開始するために使用されるものとは異なる設定および/またはパラメータのセットに基づいて、第2のセルグループが非アクティブ化されている間にBFRのためのRAプロシージャ(たとえば、2ステップまたは4ステップ)を開始することができる。
【0168】
異なるBFR/RAパラメータは、新しいBeamFailureRecoveryConfig-deactivated-SCG IEまたはフィールド内に、第2のセルグループのサービングセルのために設定されてもよく、このIEまたはフィールドは、場合によっては、
図16に示されたBeamFailureRecoveryConfig IEに含まれることが可能である。以下は、このようなIEまたはフィールドに含まれることが可能な、いくつかの例示的なパラメータである(3GPP TS38.331または38.321における規定を参照)。
・ rootSequenceIndex-BFR
・ RACH-ConfigGenericのrach-ConfigBFR
・ RSRP-Rangeのrsrp-ThresholdSSB
・ candidateBeamRSList
○ 1つの可能な方策は、UEがL1報告(たとえば、ビーム報告/CSI報告)を実施しておらず、イベントの発生が、それほど多くないはずのとき、非アクティブ化された第2のセルグループのために、より多くのSSBを設定することである。
○ 別の可能な方策は、ネットワークが、非アクティブ化動作モードにある間に、より少ない候補を監視することを望む場合、より少ないSSBを設定することである。これらのSSBは、通常動作モードのために設定されたものとは異なることが可能である。
○ 1つの可能な方策は、BFRの候補としてSSBだけを設定することである。非アクティブ化動作モードでは、第2のセルグループに関連付けられたノードは、(RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVEにあるUEによって使用されない)CSI-RSを送信する必要がないはずであるが、SSBを送信する必要があり得る。これは、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループをUEが有する場合、いくらかのエネルギーを節約することができる。
○ 1つの可能な方策は、BFRの実施が容易であるように、より長い周期性で、またはより広いビームで送信される、CSI-RSだけを設定することである。
○ 1つの可能な方策は、アクティブ化された第2のセルグループより多いまたは少ないCSI-RSを非アクティブ化された第2のセルグループのために設定することである。
・ ssb-perRACH-Occasion、
・ ra-ssb-OccasionMaskIndex、
・ IE SearchSpaceIdのrecoverySearchSpaceId、
・ ra-Prioritization、
・ beamFailureRecoveryTimer、
・ IE SubcarrierSpacingのmsg1-SubcarrierSpacing、
・ IE RA-Prioritizationのra-PrioritizationTwoStep-r16、
・ candidateBeamRSListExt-v1610。
【0169】
異なるBFR/RAパラメータは、これらのBFR関係パラメータが、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあるときに、第2のセルグループのためにUEによって使用されることになるといういくつかの指示と共に、(たとえば、RRCReconfigurationのようなメッセージ内の)第2のセルグループのためのCellGroupConfigにおいて設定されてもよい。いくつかの変形態では、異なるBFR/RAパラメータは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードになることを示す同じメッセージにおいて設定されてもよい。
【0170】
いくつかの変形態では、非アクティブ化動作モードで使用するための固有のBFR設定がない場合、第2のセルグループのための通常動作モードで使用されるBFR設定に基づいてBFRをUEに実施させてもよい。他の変形態では、非アクティブ化動作モードで使用するための固有のBFR設定がない場合、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあるときの第2のセルグループ上でのBFRの実施をUEに控えさせてもよい。他の変形態では、UEには、第2のセルグループが非アクティブ化され、このケースのための他のBFR設定が利用可能でないときのための、デフォルトのBFR設定があらかじめ設定されることが可能である。
【0171】
いくつかの実施形態では、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループのための(たとえば、PSCellに対する)BFRのためにRAプロシージャを開始/実施することは、UEが以下の動作のいずれかを実施することを伴うことがある。
・ RACHリソース選択:BFRの候補として設定された少なくとも1つのSSBまたはCSI-RSの選択、
・ プリアンブル送信:これは、通常動作モードと同じ方式で実施されてもよい、
・ ランダムアクセスレスポンス(RAR)の受信:非アクティブ化された第2のセルグループのセルにおいてRAプリアンブルを送信する際、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードにあるときに使用されることになるBFR設定に従って、プリアンブルに応答したRARの受信のためにPDCCHを(例外的に)監視する。いくつかの変形態では、これは、第2のセルグループ(たとえば、SCG)が非アクティブ化されている間、UEが、PDCCHを監視することになっていないので、「例外的に」行われてもよい。UEは、UEがプリアンブル送信のために選択したDLビームでRARの受信を実施する。いくつかの変形態では、BFR要求のためのCFRAプリアンブルが、MACエンティティによって送信された場合、UEは、以下のアクションのうちの少なくとも1つを実施する。
○ ランダムアクセスプリアンブル送信の終わりから(TS38.213において指定されているような)第1のPDCCHオケージョンにおいて、BeamFailureRecoveryConfig(または第2のセルグループが非アクティブ化されているときに使用されることになる同等の設定)において設定された(たとえば、ra-ResponseWindowに従う)RARウィンドウをスタートさせる。
○ たとえば、RARウィンドウ(たとえば、ra-ResponseWindow)が動いている間にC-RNTIによって識別されたSpCellのrecoverySearchSpaceIdに従って、BFRのために設定された検索空間によって指示された検索空間上にPDCCH送信がないか監視する。たとえば、監視は、リソース選択中に選択されたSSBに関連付けられたビームにおいて発生する(すなわち、RARのために監視されることになるPDCCHのためのQCLソースとして、選択されたSSBを想定する)。
・ CFRAがBFRのために使用されるとき、UEは、1)(たとえば、recoverySearchSpaceIdによって指示された検索空間上での)PDCCH送信の受信の通知が、プリアンブルが送信されたサービングセル(たとえば、第2のセルグループのSpCell)のためのL1から受信されたとき、および、2)PDCCH送信がUEのC-RNTIに宛てられたときに、RAプロシージャが成功裏に完了したと考える。
・ CBRAがBFRのために使用されるとき、UEは、1)有効なDL割り振りが、RA-RNTIのためのPDCCH上で受信されたとき、2)受信されたトランスポートブロック(TB)が成功裏に復号されたとき、および、3)RARが、送信されたCBRAプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を有するMACサブPDUを含む場合、RAR受信が成功したと考える。この場合、UEは、MSG3を送信し、競合解消を実施し、非アクティブ化動作モードにあった第2のセルグループのサービングセルのための以下のアクションのうちの少なくとも1つを実施する。
○ 受信されたタイミングアドバンスコマンドを処理する。BFRは、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループに関連付けられたネットワークノードが、タイミングアドバンスを調節するための機会である。
○ パワーランピングパラメータを調節する。
○ 競合ベースランダムアクセスプリアンブルの中からMACエンティティによってランダムアクセスプリアンブルが選択されなかった場合、ランダムアクセスプロシージャが成功裏に完了したと考え、そうでない場合、以下のアクションを実施する。
- TEMPORARY_C-RNTIをRARにおいて受信された値にセットする。
- その後のアップリンク送信においてBFR MAC CE(たとえば、第2のセルグループが通常動作モードにある場合のようなBFR MAC CE、非アクティブ化動作モードのための新しいBFR MAC CE、またはトランケーテッドBFR MAC CE)を含めるように多重化およびアセンブリエンティティに指示する。
- 多重化およびアセンブリエンティティから送信することになるMAC PDUを取得し、これをMsg3バッファに記憶する。MAC PDUは、競合解消のためのMAC CE(すなわち、競合解消識別情報を含む)、ならびに/または、BFDおよびBFRに関する追加の情報を含むことができる。
- Msg3を送信する。
- TS38.321の従属節5.1.5に従って競合解消を実施し、競合解消が成功したと考えられる場合、ランダムアクセスプロシージャが成功したと考える。
以下の提案された仕様テキストは、非アクティブ化されたセルグループ内のサービングセルのためのBFRをUEがトリガするケースのために含む例示的なBFR MAC CEを規定する。これは、BFR MAC CEまたはトランケーテッドBFR MAC CEであることが可能である。
*** 提案される3GPP仕様テキストの始まり ***
6.1.3.23 BFR MAC CE
BFRのためのMAC CEは、以下のいずれかから成る。
- BFR MAC CE、または
- 非アクティブ化動作モードにあるセルグループのサービングセルのためのBFR MAC CE、または
- トランケーテッドBFR MAC CE。
BFR MAC CEおよびトランケーテッドBFR MAC CEは、表6.2.1-2および表6.2.1-2bに指定されているような、LCID/eLCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。
*** 提案される3GPP仕様テキストの終わり ***
【0172】
様々な実施形態では、たとえばBFRが第2のセルグループに対するRAをトリガするときといった、BFR時に、PDCCH TCI状態をアップデートするための異なるオプションがあってもよい。いくつかのオプションが下記に記載される。
・ UEは、第2のセルグループが非アクティブ化状態から出て、通常動作モードに入ることになるという(たとえば、MNからの)指示をUEが受信したとき、PDCCHのための監視されることになるSSB/DLビームとして、RAリソース選択中にSSBが選択されたと考える。言い換えれば、第2のセルグループをアクティブ化/通常動作モードに遷移させるようにというコマンドをUEが受信したとき、UEは、PDCCHの監視を始める必要があり、BFRのためのランダムアクセス中に選択されたSSBとのQCL関係に基づいてPDCCH監視のためのソースを選択する。
・ BFRのためのRA中に、UEは、PDCCH TCI状態指示を含む、第2のセルグループのサービングセルからのMAC CEを受信する。受信すると、UEは、第2のセルグループをアクティブ化/アクティブ/通常動作モードに遷移させると同時に、UEが、PDCCH監視のためのアップデートされたTCI状態を使用するように、UEのPDCCH TCI状態をアップデートする。
・ 一般に、TCI状態のアップデートは、UEがBFDを実施する方式を変更することになり得る。したがって、1つのオプションでは、TCI状態がPDCCH監視のためにアップデートされた場合、UEは、(たとえば、RSがBFDのために設定されない場合)BFD監視のためのUEのQCLソースを適宜アップデートする。
・ 上記のオプションとは別にまたは一緒に使用され得る別のオプションでは、UEは、TCI状態、BFD、および/またはBFRの設定を含むRRCReconfigurationメッセージを受信する。
【0173】
図19は、特に、第2のセルグループが非アクティブ化されているときのBFR時のPDCCH TCI状態のアップデートのケースについての、特定の実施形態を示す信号流れ図を示す。
図19に示された例示的なシグナリングは、UE(1910)と、第2のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、SN1920)と、第1のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、MN1930)との間のものである。
図19に示されたように、第2のセルグループに対するBFRのための成功したRAプロシージャを実施した後、UEは、アップデートされたPDCCH TCI状態(「Y」)を含むMAC CEを受信する。UEは、第1のセルグループノードによって第2のセルグループがアクティブ化された後、このアップデートされたTCI状態を後で使用する。
【0174】
UEが、RAプロシージャが成功裏に完了したと考えると、第2のセルグループの動作モードに関する異なる代替形態があることが可能である。いくつかの実施形態では、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化動作モードのままであると考え、第2のセルグループのための(たとえば、PSCellのための)PDCCH監視の実施を止めること、L1ビーム測定およびL1ビーム報告の実施を止めることなどを行う。
【0175】
他の実施形態では、UEは、第2のセルグループを非アクティブ化動作モードから通常モードに遷移させる。したがって、BFRのトリガは、第2のセルグループのUEが開始した再開始(もしくはアクティブ化)、および/またはビームアラインメントを確立するための方式と見なされることが可能である。第2のセルグループに関連付けられたネットワークノード(たとえば、SN)において、(CFRAのための)BFRのためのプリアンブルを受信時、またはBFRプロシージャのためのCBRA時、ノードは、どの動作モードに第2のセルグループがあるべきかを判定する。たとえば、ノードは、第2のセルグループが非アクティブ化されたままであるべき、またはアクティブ化/通常動作モードに戻るべきであるということを、(たとえば、MAC CEまたはRRCメッセージを介して)UEに指示することができる。
【0176】
他の実施形態では、UEは、RAプロシージャの中で第2のセルグループの動作モードの指示をMAC CEが含むことを予想する。たとえば、BFRがトリガされ、第2のセルグループが非アクティブ化されたとき、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されたままであるべきということを指示するMAC CEをRA中に受信することができる。別の例として、BFRがトリガされ、第2のセルグループがアクティブ化されたとき、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されるべきであることを指示するMAC CEをRA中に受信することができる。いずれの場合でも、UEは、受信されたMAC CEに従って働く。
【0177】
他の実施形態では、UEは、BFRのためのRAが成功裏に完了すると同時に開始されることが可能なタイマーを採用することができる。タイマーが動いている間、UEは、第2のセルグループがアクティブ化されるか、通常動作モードで動作していると考え、PDCCHを監視する。これは、MAC CE、DCIなどを介してUEを再設定および/またはアップデートする機会をネットワークに提供する。タイマーは、第2のセルグループのための動作モードを指示するネットワークからのメッセージを受信すると、止めることができる。タイマーが満了すると、UEは、第2のセルグループをアクティブ化動作モードから非アクティブ化モードに遷移させ、適切な動作を再開する。
【0178】
図20~
図21は、特に上記で説明されたタイマーの動作に関する、特定の実施形態を示す信号流れ図を示す。
図20~
図21に示された例示的なシグナリングは、UE(1910)と、第2のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、SN1920)と、第1のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、MN1930)との間のものである。
図20に示されたように、UEは、RAのためのリソース選択の前、およびUEが第2のセルグループを通常動作モードに遷移させた後、タイマー(「第1のタイマー」)をスタートさせる。タイマーは、RAプロシージャが完了した後、期限切れになり、この時、UEは、第2のセルグループを非アクティブ化動作モードに戻す。代替として、
図21に示されたように、UEは、UEがRAプロシージャを成功裏に完了した後、タイマー(「第1のタイマー」)をスタートさせる。タイマーの満了時に、UEは、第2のセルグループを非アクティブ化動作モードに戻す。
【0179】
いくつかの実施形態では、UEは、BFRのためのRAに関して第2のタイマーを利用することができる。第2のタイマーは、BFRのためのRAが成功裏に完了されるとスタートされることが可能である。第2のタイマーが動いている間、UEは、第2のセルグループが非アクティブ化されていると考え、第2のタイマーが動いている間のPDCCHの監視を控える。UEは、第2のセルグループのための動作モードを指示するネットワークからのメッセージを受信すると、第2のタイマーを止める。第2のタイマーが満了すると、UEは、第2のセルグループを非アクティブ化からアクティブ化に遷移させ、この時、ネットワークは、MAC CE、DCIなどを介して、UEのためのデータを再設定、アップデート、および/またはスケジュールすることができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、BFDが宣言されたかどうかに基づいて様々なアクションを実施することは、第2のセルグループ(たとえば、SCG)を非アクティブ化動作モードに遷移させると同時に、第2のセルグループのためのBFDおよびBFRに関するカウンタおよびタイマーをUEがリセットすることを含むことができる。これは、以下のいずれかを含むことができる。
・ サービングセルごとのBFI_COUNTER、これは、第2のセルグループ(たとえば、SCG)を非アクティブ化動作モードに遷移させると同時に、0にセットされることが可能である。
・ サービングセルごとのBFI_COUNTER、これは、第2のセルグループ(たとえば、SCG)を通常/アクティブ化動作モードに遷移させると同時に、0にセットされることが可能である。
・ サービングセル(たとえば、PSCell)が非アクティブ化動作モードに遷移したとき、BFDタイマー(たとえば、BeamFailureDetectionTimer)が、動いていれば、止められる。
・ サービングセル(たとえば、PSCell)が通常/アクティブ化動作モードに遷移したとき、BFDタイマー(たとえば、BeamFailureDetectionTimer)が、動いていれば、止められる。
【0181】
以下は、特に、第2のセルグループが非アクティブ化されている間、BFD時にUEがBFRをトリガするケースのために、特定の実施形態が、場合によっては、3GPP TS38.321においてどのように指定され得るかを示す。それでも、これらの引用は、網羅的であることを意図するものではなく、例示的な実施形態に実質的に関係のない特定のテキストを省略することがある。
*** 提案される3GPP仕様テキストの始まり ***
5.17 ビーム障害検出および回復プロシージャ
(...)
RRCは、ビーム障害検出および回復プロシージャのためのBeamFailureRecoveryConfigおよびRadioLinkMonitoringConfigにおける以下のパラメータを設定する。
(...)
サービングセルが、非アクティブ化動作モードにあるセルグループに関連付けられる(たとえば、SCGのSpCellが非アクティブ化される)場合、ビーム障害検出および回復プロシージャのためのRadioLinkMonitoringConfig-SCG-deactivatedおよびbeamFailureRecoveryConfig-deactivated-SCGの異なる値が適用され、これらの設定がない場合、UEは、RadioLinkMonitoringConfigおよびbeamFailureRecoveryConfigにおいて設定されたものを想定する。
以下のUE変数は、ビーム障害検出プロシージャのために使用される。
- (サービングセルごとの)BFI_COUNTER:最初に0にセットされるビーム障害インスタンス指示のためのカウンタ。これは、サービングセル(たとえば、PSCell)が非アクティブ化動作モードに遷移するときも、0にセットされる。
- サービングセル(たとえば、PSCell)が非アクティブ化動作モードに遷移したとき、beamFailureDetectionTimerが、動いていれば、止められる。
MACエンティティは、ビーム障害検出のために設定された各サービングセルのためのものである。
1> ビーム障害インスタンス指示が下位レイヤから受信された場合、
2> beamFailureDetectionTimerをスタートまたはリスタートさせる。
2> BFI_COUNTERを1だけ増やす。
2> BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountの場合、
3>サービングセルがSCellの場合、
4>このサービングセルのためのBFRをトリガする。
3>その他の場合、
4>SpCell上でランダムアクセスプロシージャを開始する(節5.1参照)。
1> beamFailureDetectionTimerが期限切れになった場合、または
1> サービングセルが、非アクティブ化動作モードに入った場合(たとえば、PSCell)、または
1> beamFailureDetectionTimer、beamFailureInstanceMaxCount、もしくはビーム障害検出のために使用される参照信号のいずれかが、このサービングセルに関連付けられた上位レイヤによって再設定された場合、
2> BFI_COUNTERを0にセットする。
1> サービングセルがSpCellであり、SpCellビーム障害回復のために開始されたランダムアクセスプロシージャが成功裏に完了した場合(節5.1参照)、
2> BFI_COUNTERを0にセットする。
2> beamFailureRecoveryTimerを、設定されていれば、止める。
2> ビーム障害回復プロシージャが成功裏に完了されたと考える。
1> その他の場合、サービングセルがSCellであり、新しい送信のためのアップリンクグラントを指示するC-RNTIに宛てられたPDCCHが、このサービングセルのビーム障害回復情報を含むBFR MAC CEもしくはトランケーテッドBFR MAC CEの送信のために使用されるHARQ処理のために受信された場合、または
1> 節5.9において指定されているように、SCellが非アクティブ化された場合、
2> BFI_COUNTERを0にセットする。
2> ビーム障害回復プロシージャが成功裏に完了されたと考え、このサービングセルのためのすべてのトリガされたBFRをキャンセルする。
(...)
5.1 ランダムアクセスプロシージャ
5.1.1 ランダムアクセスプロシージャの初期化
...
RRCは、ランダムアクセスプロシージャのための以下のパラメータを設定する。
(...)
- rsrp-ThresholdSSB:4ステップRAタイプのためのSSBの選択のRSRP閾値。ランダムアクセスプロシージャがビーム障害回復のために開始された場合、candidateBeamRSList内のSSBの選択のために使用されるrsrp-ThresholdSSBは、BeamFailureRecoveryConfig IE内のrsrp-ThresholdSSBを指す。
- rsrp-ThresholdCSI-RS:4ステップRAタイプのためのCSI-RSの選択のRSRP閾値。ランダムアクセスプロシージャがビーム障害回復のために開始された場合、rsrp-ThresholdCSI-RSは、BeamFailureRecoveryConfig IE内のrsrp-ThresholdSSBに等しい。
(...)
- candidateBeamRSList:回復のための候補ビームを識別する参照信号(CSI-RSおよび/またはSSB)、ならびに関連付けられたランダムアクセスパラメータのリスト。
- recoverySearchSpaceId:ビーム障害回復要求のレスポンスを監視するための検索空間識別情報。
(...)
- もしあれば、ビーム障害回復要求のためのランダムアクセスプリアンブルおよび/またはPRACHオケージョンのセット。
(...)
ランダムアクセスプロシージャがサービングセル上で開始されたとき、MACエンティティは、以下を行う。
(...)
1> (節5.17において指定されているように)ランダムアクセスプロシージャが、SpCellビーム障害回復のために開始された場合、および、4ステップRAタイプのためのビーム障害回復要求のための競合フリーランダムアクセスリソースが、ランダムアクセスプロシージャのために選択されたBWPのためのRRCによって明示的に提供された場合、または
1> ランダムアクセスプロシージャが再設定のために同期して開始された場合、および、4ステップRAタイプのための競合フリーランダムアクセスリソースが、ランダムアクセスプロシージャのために選択されたBWPのためのrach-ConfigDedicatedにおいて明示的に提供された場合、
2> RA_TYPEを4ステップRAにセットする。
1> その他の場合、ランダムアクセスプロシージャのために選択されたBWPに、2ステップと4ステップ両方のRAタイプランダムアクセスリソースが設定され、ダウンリンクパスロス参照のRSRPが、msgA-RSRP-Thresholdを上回る場合、または
1> ランダムアクセスプロシージャのために選択されたBWPに、2ステップRAタイプランダムアクセスリソースだけが設定された場合(すなわち、4ステップRACH RAタイプリソースが設定されない)、または
1> ランダムアクセスプロシージャが再設定のために同期して開始された場合、および2ステップRAタイプのための競合フリーランダムアクセスリソースが、ランダムアクセスプロシージャのために選択されたBWPのためのrach-ConfigDedicatedにおいて明示的に提供された場合、
2> RA_TYPEを2ステップRAにセットする。
1> その他の場合、
2> RA_TYPEを4ステップRAにセットする。
1> 節5.1.1aにおいて指定されているように、ランダムアクセスタイプに固有の変数の初期化を実施する。
1> RA_TYPEが、2ステップRAにセットされた場合、
2> 2ステップRAタイプのためのランダムアクセスリソース選択プロシージャを実施する(節5.1.2a参照)。
1> その他の場合、
2> ランダムアクセスリソース選択プロシージャを実施する(節5.1.2参照)。
*** 提案される3GPP仕様テキストの終わり ***
【0182】
他の実施形態では、UEは、第2のセルグループに対するビーム障害の発生の検出に応答してBFRのためのRAをトリガしない。様々な実施形態では、これは、UEが、BFD時にPSCellに対するRAの実施を控えること、または、UEが、第2のセルグループがアクティブ化された(再開された)ときにRAを後で実施するが、BFRのトリガ時には実施しないこと、を伴うことが可能である。後者のケースでは、非アクティブ化された第2のセルグループ内のセルに対してBFDが宣言された場合、UEは、第2のセルグループが通常動作モードに遷移するときまで、ランダムアクセスの開始を遅らせる。
【0183】
これらの実施形態は、UEにおけるプロトコルレイヤおよび/またはプロトコルエンティティIEの様々な動作を伴うことが可能であり、これらは、別途指定がない限り、同義語として使用されることが可能である。たとえば、MACレイヤは、MACエンティティまたはMACレイヤエンティティと呼ばれることが可能であり、MACプロトコルに関連付けられたパラメータ、設定、および状態情報のセットを含む。
【0184】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間にBFDの発生を検出すると、UEは、(たとえば、第2のセルグループのSpCell、または少なくとも1つのSCellのための)BFDが検出されたことを指示する変数をセットする。たとえば、UEは、状態変数(たとえば、BFD_DETECTED)を「真」にセットすることができる。
【0185】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間にBFDの発生を検出すると、UEは、カウンタ(たとえば、BFD_COUNTER)を増やす。1より大きい値を有するカウンタは、第2のセルグループが非アクティブ化されていた間にUE BFDが検出されたことを示す。
【0186】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間にBFDの発生を検出すると、UEは、BFDのために設定されたRSリソースに対するビーム監視および/または測定を止める。
【0187】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2のセルグループが非アクティブ化されている間にBFDの発生を検出すると、UEは、ビーム監視を続けることができる。(継続したビーム監視に基づくあらかじめ規定された尺度に従って)リンクが回復されたと考えられる場合、UEは、BFDプロシージャをリスタートさせること、タイマーをリスタートさせること、およびカウンタを0にリセットすることを行うことができる。
【0188】
ビーム障害が検出されたとき、MACレイヤ(または、ビーム障害が検出されたいずれかのプロトコルレイヤ)は、上位レイヤによって制御されるさらなるUEアクション(たとえば、第2のセルグループの再開時にRAを実施するべきかどうかの判定)のための尺度として情報を後で使用できるように、これを上位レイヤ(たとえば、RRC)に指示する。いくつかの実施形態では、上位レイヤ(たとえば、RRC)は、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループのセルに対するビーム障害が検出されたかどうかについての指示を下位レイヤ(たとえば、MAC)からいつでも要求することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループに対してビーム障害が検出されたか否かに応じて、さらなるアクションが後で行われてもよい。いくつかの変形態では、UEが、第2のセルグループを再開するようにというネットワークからの指示(第1のセルグループ内のセルを介して受信された、たとえばRRCメッセージまたはMAC CE)を受信した場合、UEは、ビーム障害が検出されたかどうかを判定する。
【0190】
1つの代替形態では、(たとえば、再開するようにというRRCメッセージに基づいて)第2のセルグループの再開がRRCレイヤでハンドリングされると想定して、RRCレイヤは、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループのセルに対するビーム障害が検出されたかどうかについての指示(たとえば、BFD_DETECTED)を、第2のセルグループのMACレイヤ(たとえば、SCGのMACエンティティ)にRRCが要求することによってBFDを認識していることが可能である。代替として、RRCレイヤは、(たとえば、内部UE処理を介して)BFDが発生したことをMACレイヤがRRCに通知した場合、この情報をすでに認識していてもよい。この情報に基づいて、RRCレイヤは、さらなるアクション(たとえば、再開/アクティブ化時の第2のセルグループに対するRA)をトリガしてもよい。
【0191】
図22A~
図22Bは、BFD指示に関するUEレイヤ間の通信のための2つの例示的なモデルを示す。特に、通信は、第2のセルグループのRRCエンティティ(またはレイヤ)とMACエンティティとの間のものである。
図22Aの例示的なモデルは、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループのセルに対するビーム障害が検出されたかどうかについての指示を、RRCエンティティがMACエンティティから要求することに基づく。これは、第2のセルグループを再開するようにUEに要求する、ネットワークからのRRCメッセージに応答して行われることが可能である。対照的に、
図22Bの例示的なモデルは、非アクティブ化動作モードにある第2のセルグループのセルに対するビーム障害が検出されたかどうかについての自発的な指示を、MACエンティティがRRCエンティティに送ることに基づく。RRCエンティティは、第2のセルグループを再開するようにというネットワーク要求に応答して、この情報を後で使用することができる。
【0192】
以下は、特定の実施形態のためのUE MACおよびRRCレイヤの動作が、3GPP TS38.321および38.331でどのように指定され得るかをそれぞれ示す。それでも、これらの引用は、網羅的であることを意図するものではなく、例示的な実施形態に実質的に関係のない特定のテキストを省略することがある。
*** 提案される3GPP 38.321のテキストの始まり ***
5.17 ビーム障害検出および回復プロシージャ
(...)
MACエンティティは、ビーム障害検出のために設定された各サービングセルのためのものである。
1> ビーム障害インスタンス指示が下位レイヤから受信された場合、
2> beamFailureDetectionTimerをスタートまたはリスタートさせる
2> BFI_COUNTERを1だけ増やす
2> BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountの場合、
3>サービングセルがSCellの場合、
4>このサービングセルのためのBFRをトリガする
3>サービングセルが非アクティブ化動作モードの場合、
4>ビーム障害が検出されたことを上位レイヤに指示する、
3>その他の場合、
4>SpCell上でのランダムアクセスプロシージャを開始する(節5.1参照)。
1> beamFailureDetectionTimerが期限切れになった場合、または
(..)
*** 提案される3GPP 38.321のテキストの終わり ***
*** 提案される3GPP 38.331のテキストの始まり ***
5.3.5.3 UEによるRRCReconfigurationの受信
UEは、RRCReconfigurationの受信時、または条件付き再設定(CHOまたはCPC)の実行時に、以下のアクションを実施する。
(...)
1> RRCReconfigurationが、resumeDeactivatedSCGを含む場合、
(...)
2> ビーム障害が検出されたことをSCGの下位レイヤが指示した場合、
3>TS38.321[3]において指定されているような、SCGのSpCell上でのランダムアクセスプロシージャを開始する。
*** 提案される3GPP 38.331のテキストの終わり ***
【0193】
別の代替形態では、UE RRCレイヤは、この趣旨で、ネットワークからRRCメッセージをUEが受信したことに基づいて、非アクティブ化状態にある第2のセルグループを再開するようにMACレイヤに要求することができる。第2のセルグループのMACエンティティは、BFD_DETECTEDの値を認識しており、RRC要求に応答して適宜働く。たとえば、BFD_DETECTEDが「真」の場合、第2のセルグループのMACレイヤはRAを開始することができるが、そうでなければ、UEは、最新の指示されたTCI状態に基づいてPDCCHを監視することができる。
【0194】
別の代替形態では、UE RRCレイヤは、第2のセルグループでの送信のために下位レイヤに投入されるRRCメッセージ(たとえば、RRCReconfigurationComplete)を生成する。第2のセルグループのMACエンティティは、BFD_DETECTEDの値を認識しており、RRCメッセージに応答して適宜働く。たとえば、BFD_DETECTEDが「真」の場合、第2のセルグループのMACレイヤは、初期ビームアラインメントのために、およびRRCメッセージを送信するためのスケジューリンググラントを取得するために、RAを開始することができる。
【0195】
図23は、BFD指示に関する、UEレイヤ間の通信のための例示的なモデルを示す。特に、通信は、第2のセルグループのRRCエンティティ(またはレイヤ)とMACエンティティとの間のものである。
図23の例示的なモデルは、たとえばネットワークからの要求に基づいて、第2のセルグループがアクティブ化されることになることを、RRCエンティティがMACエンティティに知らせることに基づく。MACレイヤは、アクティブ化されている第2のセルグループのセルに対してビーム障害が検出されたかどうかを認識している。その場合、MACレイヤは、RAを開始する。
【0196】
他の実施形態では、第2のセルグループの再開始は、たとえば、第2のセルグループを再開/アクティブ化するためにUEがMAC CEを受信することに基づいて、MCGのMACレイヤにおいてハンドリングされることが可能である。これらの実施形態の少なくとも以下の変形態があることが可能である。
・ いくつかの変形態では、MCG MACエンティティは、ビーム障害が検出されたかどうかを、SCG MACエンティティに要求する。ビーム障害が検出されたとSCG MACレイヤが応答した場合、MCG MACエンティティは、たとえば、SCG上でRAを開始することといった、さらなるアクションをとるようにSCG MACレイヤに要求する。ビーム障害が検出されなかった場合、SCG MACレイヤは、PDCCHのための最新の指示されたTCI状態を想定して、PDCCHを監視する。
・ いくつかの変形態では、MCG MACエンティティは、動作を再開するようにSCG MACエンティティに要求する。ビーム障害が検出された場合、SCG MACエンティティは、たとえば、SCG上でランダムアクセスを開始することといった、さらなるアクションをとる。ビーム障害が検出されなかった場合、SCG MACレイヤは、PDCCHのための最新の指示されたTCI状態を想定して、PDCCHを監視する。
【0197】
いくつかの実施形態では、第2のセルグループ内でビーム障害が検出されなかった場合、UEは、第2のセルグループを再開させるとき、第2のセルグループのSpCellに対するRAを実施することができる。いくつかの変形態では、これは、随意に、このシナリオにおいて再開のために排他的に使用され得る、4ステップRAプロシージャである。他の変形態では、これは、2ステップRAプロシージャであることが可能である。これは、CFRAプロシージャまたはCBRAプロシージャであることが可能である。これは、特定の条件が果たされる場合、および/または第2のセルグループが非アクティブ化されたときに使用されるように設定された場合のみ、開始されることが可能である。
【0198】
いくつかの実施形態では、第2のセルグループ内でビーム障害が検出されなかった場合、UEは、初期ビームアラインメントのためのRAを実施する必要なく、第2のセルグループのSpCellの再開始/アクティブ化時にPDCCHの監視をスタートさせることができる。そうだとしても、時間アラインメントなど他の理由のために、依然としてRAが要求されることがある。PDCCHの監視は、(たとえば、BFRプロシージャの中でMAC CEにおいて)最新の指示されたTCIとしてUEが想定できる、PDCCH TCI状態についての知識を要求することがある。
【0199】
いくつかの実施形態では、第2のセルグループ内でビーム障害が検出された場合に実施されるRAプロシージャは、ビーム障害が検出されなかった場合に実施されるRAプロシージャとは異なることが可能である。追加として、これらのうちのいずれかまたは両方が、別の理由(たとえば、UL時間アラインメント)のために実施されるRAプロシージャとは異なっていてもよい。例として、新しいベストビームに関係のあるリソース上で再開/アクティブ化時のRAプロシージャが実施されるように、または、異なる固有の専用PRACHプリアンブルが使用されるように、異なるRAリソースが使用されてもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、UEは、非アクティブ化された第2のセルグループのSpCellによるBFRしか実施しない。言い換えれば、UEは、設定された場合、第2のセルグループのSCellのためのBFRを止める。
【0201】
図24は、特にUEがBFD時にRAを開始しないケースのための、特定の実施形態を示す信号流れ図を示す。
図24に示された例示的なシグナリングは、UE(1910)と、第2のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、SN1920)と、第1のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、MN1930)との間のものである。
図24に示されたように、UEは、現在非アクティブ化されている第2のセルグループを再開/アクティブ化するようにという指示を、(たとえば、たとえばMNといった、第1のセルグループに関連付けられたノードから)受信するまで、第2のセルグループに対するRAを遅らせる。
【0202】
図25は、特にUEが第2のセルグループ内でビーム障害を検出しないケースのための、他の特定の実施形態を示す信号流れ図を示す。
図25に示された例示的なシグナリングは、UE(1910)と、第2のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、SN1920)と、第1のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、MN1930)との間のものである。第2のセルグループ内でビーム障害が宣言されないので、第2のセルグループを再開/アクティブ化するようにという指示を受信すると、UEは、以前に設定されたPDCCH TCI状態を使用して、第2のセルグループ内のPDCCHの監視を始める。
【0203】
いくつかの実施形態では、非アクティブ化された第2のセルグループ内でビーム障害が宣言されたとき、UEは、この状態を第1のセルグループを介してネットワークに指示することができる。たとえば、UEは、アクティブ化された第1のセルグループの通常動作モードのために使用されることになる設定されたパラメータに基づいて、第1のセルグループのサービングセル(たとえば、MR-DCが設定されたUEのMCGのためのPCell)を介して送信を開始することができる。いくつかの実施形態では、この指示は、RRCメッセージとして送信されることが可能である。
【0204】
図26A~
図26Bは、非アクティブ化されたSCG内でのBFDを指示するために使用される2つの例示的なIEのためのASN.1データ構造を示す。特に、
図26Aは、特にMCGおよびSCGがNRであるケースのための、3GPP TS38.331において規定されているような、SCGFailureInformationメッセージのためのASN.1データ構造を示す。メッセージは、「BFD」の新しいfailureType値を含めるようにアップデートされてきた。
図26Bは、特にMCGがEUTRA/LTEであり、SCGがNRであるケースのための、3GPP TS36.331において規定されているような、SCGFailureInformationNRメッセージのためのASN.1データ構造を示す。メッセージはまた、「BFD」の新しいfailureType値を含めるようにアップデートされてきた。代替として、3GPP TS38.331において規定されているULInformationTransferMRDC RRCメッセージは、たとえば、MeasurementReport、FailureInformation、または新しいフィールドもしくはIEの中で、指示を搬送するために使用されることが可能である。
【0205】
他の実施形態では、非アクティブ化された第2のセルグループ内のBFDの指示は、MAC CEによるものであることが可能である。いくつかの変形態では、新しいMAC CEが、このために導入されることが可能である。最も単純な形で、MAC CEにおけるペイロードの必要はなく、これは、3GPP TS38.321において(たとえば、既存の表6.2.1-1内の)新しいMAC CEを識別する新しい論理チャネルID(LCID)を確保しておくのに十分である。以下は、これらの実施形態による、3GPP TS38.321のための例示的なテキストを提供する。
*** 3GPP TS38.321のための提案されるテキストの始まり ***
6.1.3 MAC制御エレメント(CE)[...]
6.1.3.5 2次セルグループBFR MAC CE
2次セルグループBFR MAC CEは、表6.2.1-1において指定されているようなLCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。これは、固定サイズのゼロビットを有する。
[...]
6.1.3.23 BFR MAC CE
BFRのためのMAC CEは、以下から成る。
- BFR MAC CE、または
- 2次セルグループのサービングセルのためのBFR MAC CE、または
- トランケーテッドBFR MAC CE。
BFR MAC CEおよびトランケーテッドBFR MAC CEは、表6.2.1-2および表6.2.1-2bにおいて指定されているようなLCID/eLCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。
*** 3GPP TS38.321のための提案されるテキストの終わり ***
【0206】
他の実施形態では、現在のBFR MAC CEは、第2のセルグループのためにもBFRを指示することができるように拡張されることが可能である。ネットワーク側では、BFR MAC CEを受信するMNは、BFR MAC CEが、第1のセルグループのサービングセルのためのものであるか、第2のセルグループのサービングセルのためのものであるかを判定し、BFR MAC CEが、第2のセルグループのサービングセルのためのものであるとき、MNは、BFR MAC CEを、第2のセルグループに関連付けられたSNに転送する。2つの指示オプションが可能である。1つのオプションでは、UEは、BFDが検出されたサービングセルに関連付けられたサービングセルインデックスをBFR MAC CEに含める。別のオプションでは、UEは、報告されたBFR MACが、第1のセルグループのためのものであるか、第2のセルグループのためのものであるかを指示するために、セルグループの新しい識別情報をBFR MAC CEに含める。
【0207】
以下は、これらの実施形態による、3GPP TS38.321のための例示的なテキスト提供する。
*** 3GPP TS38.321のための提案されるテキストの始まり ***
6.1.3.23 BFR MAC CE
BFRのためのMAC CEは、以下から成る。
- BFR MAC CE、または
- トランケーテッドBFR MAC CE。
BFR MAC CEおよびトランケーテッドBFR MAC CEは、表6.2.1-2および表6.2.1-2bにおいて指定されているようなLCID/eLCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。
*** 3GPP TS38.321のための提案されるテキストの終わり ***
【0208】
いくつかの実施形態では、新しいBFR MAC CEが導入されることが可能であり、セルグループに関わらず、任意の設定されたサービングセルのためのBFR情報を含むことが可能である。2つの指示オプションが可能である。1つのオプションでは、UEは、第1のセルグループ、第2のセルグループ、第nのセルグループなどにおけるサービングセルに対するBFDが検出されかどうかに応じて、異なる値にセットされたセルグループIDを含む。別のオプションでは、第1のセルグループ内でBFRが報告されたとしても、第2のセルグループのサービングセルを指すことが可能なように、より多くのサービングセルインデックスが使用されることが可能である。
【0209】
図27は、特にBFDのセルグループ間報告のケースのための、特定の実施形態を示す信号流れ図を示す。
図27に示された例示的なシグナリングは、UE(1910)と、第2のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、SN1920)と、第1のセルグループのサービングセルに関連付けられたノード(たとえば、MN1930)との間のものである。このシナリオでは、UEは、非アクティブ化された第2のセルグループ内のビーム障害の指示を、第1のセルグループに関連付けられたノードに報告する。このノード(たとえば、MN)は、この指示が第2のセルグループに関するものであると判定し、第2のセルグループに関連付けられたノードにこの指示を転送する。このノードは、第2のセルグループの解放など、指示に基づくさらなるアクションをとることができる。
【0210】
上記で説明された実施形態は、
図28~
図30を参照しながらさらに示されることが可能であり、
図28~
図30は、UE、第2のネットワークノード、および第1のネットワークノードによって実施される例示的な方法(たとえば、プロシージャ)をそれぞれ示す。言い換えれば、下記で説明される動作の様々な特徴は、上記で説明された様々な実施形態に対応する。これらの例示的な方法は、様々な例示的な利益および/または利点を提供するために協働して使用されることが可能である。
図28~
図30は、固有のブロックを特定の順序で示すが、それぞれの方法の動作は、示された順序とは異なる順序で実施されることが可能であり、示された機能とは異なる機能を有するブロックに組み合わされることおよび/または分割されることが可能である。オプションのブロックまたは動作は、断続線で示されている。
【0211】
特に、
図28は、本開示の様々な実施形態による、MCGおよびSCGを介して無線ネットワークと通信するように設定されたUEのための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図を示す。例示的な方法は、本明細書の他の場所に記載されたような、UE(たとえば、無線デバイス、IoTデバイス、モデムなど、またはその構成要素)によって実施されることが可能である。
【0212】
例示的な方法は、ブロック2810の動作を含むことができ、ブロック2810では、UEは、MCGまたはSCGを介して第1のコマンドを受信することに応答して、SCGのための低減エネルギーモードに入ることができる。例示的な方法はまた、ブロック2820の動作を含むことができ、ブロック2820では、UEは、SCGのための低減エネルギーモードに、およびMCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGのためのビーム障害検出(BFD)を実施し、SCGのための1つまたは複数のビーム管理動作の実施を控えることができる。
【0213】
いくつかの実施形態では、(たとえば、ブロック2820において)SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCGに対するBFDを実施することは、
・ 第1のコマンドを受信する前に実施されていたSCGに対するBFDを続けること、
・ SCGのための低減エネルギーモードに固有のSCG BFD設定、
・ SCGのサービングセルのサブセットであって、無線ネットワークによって設定される、サブセット、および
・ 第1のコマンドを受信する前に稼働していたSCG BFDに関係のある1つまたは複数のタイマーまたはカウンタをリセットすること
のうちの1つまたは複数に基づく。
【0214】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCGに対するBFDを実施することは、サブブロック2821の動作を含み、サブブロック2821では、UEは、サブセットに含まれるサービングセルに対するBFDを実施し、サブセットに含まれないSCGのサービングセルに対するBFDの実施を控えることができる。特に、サブセットは、n個のサービングセルを含むことができ、n=0・・・N-1であり、ここで、Nは、SCGのサービングセルの数である。
【0215】
いくつかの実施形態では、SCGのための1つまたは複数のビーム管理動作(すなわち、UEが実施を控える動作)は、SCGに関連付けられたビームのレイヤ1(L1)測定を実施することと、SCGに関連付けられたビームに対して実施されるL1測定を報告することとのうちのいずれかを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック2850の動作を含むことができ、ブロック2850では、UEは、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後、1つまたは複数の動作を実施することができ、1つまたは複数の動作は、(それぞれのサブブロック番号で識別された)
・ (2851)SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ること、
・ (2852)SCGに対してランダムアクセス(RA)プロシージャを実施すること、
・ (2855)SCG内のビーム障害がUEの下位プロトコルレイヤによって検出されたことを、UEにおける上位プロトコルレイヤに指示すること、
・ (2856)SCG内でビーム障害が検出されたという指示を、第2のネットワークノードに、またはMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードに、送ること、および
・ (2857)SCGのためのモードを指示する第2のコマンドを、第1のネットワークノードから受信すること
のうちのいずれかを含む。
【0217】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、RAプロシージャは、ビーム障害回復のために開始され、SCGに関連付けられたビーム障害を検出することに応答したものであり、第2のコマンドは、RAプロシージャが完了した後に受信され、SCGのためのアクティブ化モードを指示し、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、第2のコマンドに応答したものである。
図19が、これらの実施形態の例を示す。
【0218】
いくつかの変形態では、例示的な方法はまた、ブロック2830および2860の動作を含むことができる。ブロック2830では、UEは、SCGのための低減エネルギーモードに、およびMCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、MCGを介して受信することができる。ブロック2860では、UEは、SCGのためのアクティブ化モードに入ると同時に、受信されたTCI状態に基づいてSCGのPDCCHを監視することができる。いくつかのさらなる変形態では、受信されたTCI状態は、SCGのPDCCHに関連付けられた最も新しいTCI状態とは異なり、最も新しいTCI状態は、(たとえば、ブロック2810における)SCGのための低減エネルギーモードに入る前に受信される。
【0219】
他のこれらの実施形態では、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、SCG内のビーム障害を検出することに応答したものであり、(たとえば、サブブロック2852における)SCGに対してRAプロシージャを実施することは、SCGのためのアクティブ化モードに入ることに応答したものである。
図20~
図21が、これらの実施形態の例を示す。
【0220】
いくつかの変形態では、例示的な方法はまた、ブロック2870またはブロック2880の動作を含むことができる。ブロック2870では、UEは、SCGのためのアクティブ化モードから出て、SCGのための低減エネルギーモードに入ることができる。ブロック2880では、UEは、第2のコマンドに従って(すなわち、受信されたとき)SCGモードをセットすることができる。
【0221】
さらなる変形態では、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後、ブロック2850で実施される1つまたは複数の動作は、サブブロック2853の動作を含み、サブブロック2853では、UEは、SCGのためのアクティブ化モードに入ること(たとえば、サブブロック2851)、またはRAプロシージャの成功裏の完了(たとえば、サブブロック2852)のうちの1つに応答して、第1のタイマーを開始することができる。このような変形態では、SCGのためのアクティブ化モードから出て、SCGのための低減エネルギーモードに入ることは、第2のコマンドを受信せずに第1のタイマーの期限が切れたことに応答したものである。
【0222】
他のこれらの実施形態では、SCGに対してRAプロシージャを実施することは、ビーム障害回復のためであり、SCGに関連付けられたビーム障害を検出することに応答したものである。また、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出した後、ブロック2850で実施される1つまたは複数の動作は、サブブロック2854の動作を含み、サブブロック2854では、UEは、(たとえば、サブブロック2852における)RAプロシージャの成功裏の完了に応答して、第2のタイマーを開始することができる。このような変形態では、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、第2のコマンドを受信せずに第2のタイマーの期限が切れたことに応答したものである。
【0223】
他のこれらの実施形態では、(たとえば、サブブロック2852における)SCGに対してRAプロシージャを実施することは、(たとえば、サブブロック2857における)SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを受信することに応答したものである。また、(たとえば、サブブロック2851における)SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、RAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである。
図24が、これらの実施形態の例を示す。
【0224】
これらおよび他の特定の実施形態のいくつかの変形態では、SCGに対するRAプロシージャは、ビーム障害が、UEの下位プロトコルレイヤによって検出されたという指示に基づいて、UEの上位プロトコルレイヤによって開始される。
【0225】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、SCGに対するRAプロシージャの中で第2のネットワークノードに送られ、(たとえば、サブブロック2852における)SCGに対してRAプロシージャを実施することは、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、SCGを介して受信することを含む。このような実施形態では、TCI状態は、SCG内でビーム障害が検出されたという指示に基づく。
図20~
図21および
図24が、これらの実施形態の例を示す。いくつかの変形態では、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、低減エネルギーモードにあるSCGのためのBFRに関連付けられた論理チャネルを介してMAC CEとして送られる。
【0226】
他のこれらの実施形態では、(たとえば、サブブロック2856における)SCG内でビーム障害が検出されたという指示を第1のネットワークノードに送ることは、(たとえば、サブブロック2857における)SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを受信することに応答したものである。また、(たとえば、サブブロック2852における)SCGに対してRAプロシージャを実施することは、指示を送ることに応答したものであり、(たとえば、サブブロック2851における)SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ることは、SCGに対するRAプロシージャの成功裏の完了に応答したものである。
図27が、これらの実施形態の例を示す。
【0227】
いくつかの変形態では、指示は、
・ RRCメッセージ内のSCG故障情報フィールドであって、ビーム障害を指示する特定の値を有する、フィールド、
・ SCGビーム障害報告(BFR)に関連付けられた論理チャネルを介したMAC CE、および
・ BFRに関連付けられ、SCGの識別子を含む、MAC CE
のうちの1つとして第1のネットワークノードに送られる。
【0228】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、(たとえば、2852における)SCGに対して実施されるRAプロシージャは、
・ SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出しなかった後にSCGに対して実施される第1のRAプロシージャ、および
・ SCGのためのアクティブ化モードにある間に、SCGに対して実施される第2のRAプロシージャ
のうちの1つまたは複数とは異なる。
【0229】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック2840の動作を含むことができ、ブロック2840では、UEは、SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCG内のビーム障害を検出しなかった後に、1つまたは複数の動作を実施することができ、1つまたは複数の動作は、(それぞれのサブブロック番号で識別された)
・ (2841)SCGのためのアクティブ化モードを指示する第2のコマンドを、第1のネットワークノードから受信すること、
・ (2842)SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのためのアクティブ化モードに入ること、および
・ (2843)UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、無線ネットワークによって設定されたTCI状態に基づいて、MCG内またはSCG内のPDCCHを監視すること
のうちのいずれかを含む。
いくつかの変形態では、(たとえば、サブブロック2842における)SCGのための低減エネルギーモードから出て、SCGのための接続モードに入ることは、(たとえば、サブブロック2841における)第2のコマンドを受信することに応答したものであり、(たとえば、サブブロック2843における)MCG内のPDCCHを監視することは、第2のコマンドを受信することに応答したものである。
【0230】
加えて、
図29は、本開示の様々な実施形態による、無線ネットワークにおけるUEにSCGを提供するように設定された第2のネットワークノードのための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図を示す。例示的な方法は、本明細書の他の場所に記載されたような、ネットワークノード(たとえば、基地局、eNB、gNB、ng-eNB、en-gNBなど、またはその構成要素)によって実施されることが可能である。
【0231】
例示的な方法は、ブロック2910の動作を含むことができ、ブロック2910では、第2のネットワークノードは、SCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドを、UEがSCGのためのアクティブ化モードにある間にUEに送ることができる。例示的な方法はまた、ブロック2940の動作を含むことができ、ブロック2940では、第2のノードは、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施することができ、1つまたは複数の動作は、(それぞれのサブブロック番号で識別された)
・ (2941)SCG内のUEでRAプロシージャを実施すること、および
・ (2942)UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、UEがSCG内のビーム障害を検出したという指示を、UEから、またはUEにMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードから受信すること
のうちのいずれかを含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、指示は、SCGに対するRAプロシージャの中でUEから受信される。このような実施形態では、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に実施される1つまたは複数の動作は、サブブロック2943の動作を含み、サブブロック2943では、第2のネットワークノードは、SCGのPDCCHに関連付けられたTCI状態を、指示に基づいて判定することができる。このような実施形態では、(たとえば、サブブロック2941における)RAプロシージャを実施することは、TCI状態をUEに送ることを含む。
図19~
図21および
図24が、これらの実施形態の例を示す。いくつかの変形態では、SCG内でビーム障害が検出されたという指示は、低減エネルギーモードにあるSCGのためのBFRに関連付けられた論理チャネルを介してMAC CEとして受信される。
【0233】
他の実施形態では、指示は、第1のネットワークノードから受信され、例示的な方法はまた、ブロック2950の動作を含むことができ、ブロック2950では、第2のネットワークノードは、受信された指示に基づいてSCGを解放することができる。
図27が、これらの実施形態の例を示す。
【0234】
他の実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック2930の動作を含むことができ、ブロック2930では、第2のネットワークノードは、SCGのためのアクティブ化モードにあるUEの動作の再開の要求を第1のネットワークノードに送ることができる。指示は、要求に応答して第1のネットワークノードから受信される。
【0235】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック2920の動作を含むことができ、ブロック2920では、第2のネットワークノードは、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、SCG BFD設定、およびSCGのサービングセルのサブセットという、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数をUEに送ることができる。特に、サブセットは、n個のサービングセルを含むことができ、n=0・・・N-1であり、ここで、Nは、SCGのサービングセルの数である。
【0236】
このような実施形態では、SCG内の指示されたビーム障害検出は、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報(すなわち、SCG BFD設定および/またはサービングセルのサブセット)に基づく。いくつかの変形態では、
・ SCG BFD設定が、SCGのサービングセルのサブセットを含む、
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、サブセットだけがBFDについて監視されるべきである、および
・ (たとえば、ブロック2910において)SCG BFD設定が、第1のコマンドと共に送られる、
のうちの1つまたは複数が適用される。
【0237】
加えて、
図30は、本開示の様々な実施形態による、無線ネットワークにおけるUEにMCGを提供するように設定された第1のネットワークノードのための例示的な方法(たとえば、プロシージャ)の流れ図を示す。例示的な方法は、本明細書の他の場所に記載されたような、ネットワークノード(たとえば、基地局、eNB、gNB、ng-eNB、en-gNBなど、またはその構成要素)によって実施されることが可能である。
【0238】
例示的な方法は、ブロック3030の動作を含むことができ、ブロック3030では、第1のネットワークノードは、UEがMCGのためのアクティブ化モードに、およびSCGのための低減エネルギーにある間に、SCGのためのアクティブ化モードに入るようにという第2のコマンドをUEに送ることができる。例示的な方法はまた、ブロック3040の動作を含むことができ、ブロック3040では、第1のネットワークノードは、UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に1つまたは複数の動作を実施することができ、1つまたは複数の動作は、(それぞれのサブブロック番号で識別された)
・ (3041)UEがSCGのための低減エネルギーモードにあった間にUEがSCG内のビーム障害を検出したという指示を、UEから受信すること、および
・ (3042)UEのために以前に設定されたTCI状態に基づいて、MCG内のUEにPDCCHを送信すること
のうちのいずれかを含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック3050の動作を含むことができ、ブロック3050では、第1のネットワークノードは、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードに指示を転送することができる。
【0240】
いくつかの実施形態では、指示は、
・ RRCメッセージ内のSCG故障情報フィールドであって、ビーム障害を指示する特定の値を有する、フィールド、
・ SCGビーム障害報告(BFR)に関連付けられた論理チャネルを介したMAC CE、および
・ BFRに関連付けられ、SCGの識別子を含む、MAC CE
のうちの1つとしてUEから受信される。
【0241】
いくつかの実施形態では、TCI状態は、(たとえば、
図25に示されているように)UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前、または(たとえば、
図10に示されているように)UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間、のうちの1つの中で、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードによって以前に設定された。
【0242】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック3020の動作を含むことができ、ブロック3020では、第1のネットワークノードは、SCGのためのアクティブ化モードにあるUEの動作の再開の要求を、SCGを提供するように設定された第2のネットワークノードから受信することができる。(たとえば、ブロック3030において)第2のコマンドは、要求に応答して送られる。
【0243】
いくつかの実施形態では、例示的な方法はまた、ブロック3010の動作を含むことができ、ブロック3010では、第1のネットワークノードは、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入る前に、SCG BFD設定、およびSCGのサービングセルのサブセットという、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報のうちの1つまたは複数をUEに送ることができる。特に、サブセットは、n個のサービングセルを含むことができ、n=0・・・N-1であり、ここで、Nは、SCGのサービングセルの数である。
【0244】
このような実施形態では、(たとえば、サブブロック3041における)SCG内の指示されたビーム障害検出は、SCGのための低減エネルギーモードに固有の情報に基づく。いくつかの変形態では、
・ SCG BFD設定がSCGのサービングセルのサブセットを含むこと、
・ UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、サブセットだけがBFDがないか監視されるべきであること、および
・ SCG BFD設定が、UEがSCGのための低減エネルギーモードに入るようにという第1のコマンドと共に送られること
のうちの1つまたは複数が適用される。
【0245】
本明細書で説明される主題は、任意の好適な構成要素を使用する任意の適切なタイプのシステムにおいて実装され得るが、本明細書で開示される実施形態は、
図31に示されている例示的な無線ネットワークなどの無線ネットワークに関して説明される。簡単のために、
図31の無線ネットワークは、ネットワーク3106、ネットワークノード3160および3160b、ならびにWD3110、3110b、および3110cのみを図示する。実際には、無線ネットワークは、無線デバイス間の通信、あるいは無線デバイスと、固定電話、サービスプロバイダ、または任意の他のネットワークノードもしくはエンドデバイスなどの別の通信デバイスとの間の通信をサポートするのに好適な任意の追加のエレメントをさらに含むことができる。示されている構成要素のうち、ネットワークノード3160および無線デバイス(WD)3110は、追加の詳細と共に図示される。無線ネットワークは、1つまたは複数の無線デバイスに通信および他のタイプのサービスを提供して、無線デバイスの、無線ネットワークへのアクセス、および/あるいは、無線ネットワークによってまたは無線ネットワークを介して提供されるサービスの使用を容易にすることができる。
【0246】
無線ネットワークは、任意のタイプの通信(communication)、通信(telecommunication)、データ、セルラ、および/または無線ネットワーク、あるいは他の同様のタイプのシステムを備え、および/またはそれらとインターフェースすることができる。いくつかの実施形態では、無線ネットワークは、特定の規格あるいは他のタイプのあらかじめ規定されたルールまたはプロシージャに従って動作するように設定され得る。したがって、無線ネットワークの特定の実施形態は、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Long Term Evolution(LTE)、ならびに/あるいは他の好適な2G、3G、4G、または5G規格などの通信規格、IEEE802.11規格などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、ならびに/あるいは、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax)、Bluetooth、Z-Waveおよび/またはZigBee規格など、任意の他の適切な無線通信規格を実装することができる。
【0247】
ネットワーク3106は、1つまたは複数のバックホールネットワーク、コアネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、パケットデータネットワーク、光ネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、およびデバイス間の通信を可能にするための他のネットワークを備えることができる。
【0248】
ネットワークノード3160およびWD3110は、以下でより詳細に説明される様々な構成要素を備える。これらの構成要素は、無線ネットワークにおいて無線接続を提供することなど、ネットワークノードおよび/または無線デバイス機能を提供するために協働する。異なる実施形態では、無線ネットワークは、任意の数の有線または無線ネットワーク、ネットワークノード、基地局、コントローラ、無線デバイス、中継局、ならびに/あるいは有線接続を介してかまたは無線接続を介してかに関わらず、データおよび/または信号の通信を容易にするかまたはその通信に参加することができる、任意の他の構成要素またはシステムを備えることができる。
【0249】
ネットワークノードの例は、限定はしないが、アクセスポイント(AP)(たとえば、無線アクセスポイント)、基地局(BS)(たとえば、無線基地局、ノードB、エボルブドノードB(eNB)およびNRノードB(gNB))を含む。基地局は、基地局が提供するカバレッジの量(または、言い方を変えれば、基地局の送信電力レベル)に基づいてカテゴリー分類され得、その場合、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、またはマクロ基地局と呼ばれることもある。基地局は、リレーを制御する、リレーノードまたはリレードナーノードであり得る。ネットワークノードは、リモート無線ヘッド(RRH)と呼ばれることがある、集中型デジタルユニットおよび/またはリモートラジオユニット(RRU)など、分散無線基地局の1つまたは複数(またはすべて)の部分をも含むことができる。そのようなリモートラジオユニットは、アンテナ統合無線機としてアンテナと統合されることも統合されないこともある。分散無線基地局の部分は、分散アンテナシステム(DAS)において、ノードと呼ばれることもある。
【0250】
ネットワークノードのさらなる例は、マルチ規格無線(MSR)BSなどのMSR機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、基地トランシーバ局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、コアネットワークノード(たとえば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(たとえば、E-SMLC)、および/あるいはMDTを含む。別の例として、ネットワークノードは、以下でより詳細に説明されるように、仮想ネットワークノードであり得る。しかしながら、より一般的には、ネットワークノードは、無線ネットワークへのアクセスを可能にし、および/または無線デバイスに提供し、あるいは、無線ネットワークにアクセスした無線デバイスに何らかのサービスを提供することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能な任意の好適なデバイス(またはデバイスのグループ)を表すことができる。
【0251】
図31では、ネットワークノード3160は、処理回路3170と、デバイス可読媒体3180と、インターフェース3190と、補助機器3184と、電源3186と、電力回路3187と、アンテナ3162とを含む。
図31の例示的な無線ネットワーク中に示されているネットワークノード3160は、ハードウェア構成要素の示されている組合せを含むデバイスを表すことができるが、他の実施形態は、構成要素の異なる組合せをもつネットワークノードを備えることができる。ネットワークノードが、本明細書で開示されるタスク、特徴、機能および方法および/またはプロシージャを実施するために必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せを備えることを理解されたい。その上、ネットワークノード3160の構成要素が、より大きいボックス内に位置する単一のボックスとして、または複数のボックス内で入れ子にされている単一のボックスとして図示されているが、実際には、ネットワークノードは、単一の示されている構成要素を組成する複数の異なる物理構成要素を備えることができる(たとえば、デバイス可読媒体3180は、複数の別個のハードドライブならびに複数のRAMモジュールを備えることができる)。
【0252】
同様に、ネットワークノード3160は、複数の物理的に別個の構成要素(たとえば、ノードB構成要素およびRNC構成要素、またはBTS構成要素およびBSC構成要素など)から組み立てられ得、これらは各々、それら自体のそれぞれの構成要素を有することができる。ネットワークノード3160が複数の別個の構成要素(たとえば、BTS構成要素およびBSC構成要素)を備えるいくつかのシナリオでは、別個の構成要素のうちの1つまたは複数が、いくつかのネットワークノードの間で共有され得る。たとえば、単一のRNCが、複数のノードBを制御することができる。そのようなシナリオでは、各一意のノードBとRNCとのペアは、いくつかの事例では、単一の別個のネットワークノードと見なされ得る。いくつかの実施形態では、ネットワークノード3160は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように設定され得る。そのような実施形態では、いくつかの構成要素は複製され得(たとえば、異なるRATのための別個のデバイス可読媒体3180)、いくつかの構成要素は再使用され得る(たとえば、同じアンテナ3162がRATによって共有され得る)。ネットワークノード3160は、ネットワークノード3160に統合された、たとえば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、またはBluetooth無線技術など、異なる無線技術のための様々な示されている構成要素の複数のセットをも含むことができる。これらの無線技術は、同じまたは異なるチップまたはチップのセット、およびネットワークノード3160内の他の構成要素に統合され得る。
【0253】
処理回路3170は、ネットワークノードによって提供されるものとして本明細書で説明される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(たとえば、いくつかの取得動作)を実施するように設定され得る。処理回路3170によって実施されるこれらの動作は、処理回路3170によって取得された情報を、たとえば、取得された情報を他の情報に変換することによって、処理すること、取得された情報または変換された情報をネットワークノードに記憶された情報と比較すること、ならびに/あるいは、取得された情報または変換された情報に基づいて、および前記処理が決定を行ったことの結果として、1つまたは複数の動作を実施することを含むことができる。
【0254】
処理回路3170は、単体で、または他のネットワークノード3160構成要素(たとえば、デバイス可読媒体3180)と併せてのいずれかで、ネットワークノード3160の様々な機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/または符号化された論理の組合せを備えることができる。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴、機能、または利益のうちのいずれかを含むことができる。
【0255】
たとえば、処理回路3170は、デバイス可読媒体3180に記憶された命令、または処理回路3170内のメモリに記憶された命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、処理回路3170は、システムオンチップ(SOC)を含むことができる。より具体的な例として、媒体3180に記憶された(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)命令は、処理回路3170によって実行されたとき、ネットワークノード3160を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる命令を含むことができる。
【0256】
いくつかの実施形態では、処理回路3170は、無線周波数(RF)トランシーバ回路3172とベースバンド処理回路3174とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)トランシーバ回路3172とベースバンド処理回路3174とは、別個のチップ(またはチップのセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあり得る。代替実施形態では、RFトランシーバ回路3172とベースバンド処理回路3174との一部または全部は、同じチップまたはチップのセット、ボード、あるいはユニット上にあり得る。
【0257】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード、基地局、eNBまたは他のそのようなネットワークデバイスによって提供されるものとして本明細書で説明される機能の一部または全部は、デバイス可読媒体3180、または処理回路3170内のメモリに記憶された、命令を実行する処理回路3170によって実施され得る。代替実施形態では、機能の一部または全部は、ハードワイヤード様式などで、別個のまたは個別のデバイス可読媒体に記憶された命令を実行することなしに、処理回路3170によって提供され得る。それらの実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かに関わらず、処理回路3170は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路3170単独に、またはネットワークノード3160の他の構成要素に限定されないが、全体としてネットワークノード3160によって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0258】
デバイス可読媒体3180は、限定はしないが、永続記憶域、固体メモリ、リモートマウントメモリ、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))を含む、任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリ、ならびに/あるいは、処理回路3170によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを備えることができる。デバイス可読媒体3180は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、論理、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路3170によって実行されることが可能であり、ネットワークノード3160によって利用される、他の命令を含む、任意の好適な命令、データまたは情報を記憶することができる。デバイス可読媒体3180は、処理回路3170によって行われた計算および/またはインターフェース3190を介して受信されたデータを記憶するために使用され得る。いくつかの実施形態では、処理回路3170およびデバイス可読媒体3180は、統合されていると見なされ得る。
【0259】
インターフェース3190は、ネットワークノード3160、ネットワーク3106、および/またはWD3110の間のシグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信において使用される。示されているように、インターフェース3190は、たとえば有線接続上でネットワーク3106との間でデータを送るおよび受信するための(1つまたは複数の)ポート/(1つまたは複数の)端末3194を備える。インターフェース3190は、アンテナ3162に結合されるか、またはいくつかの実施形態では、アンテナ3162の一部であり得る、無線フロントエンド回路3192をも含む。無線フロントエンド回路3192は、フィルタ3198と増幅器3196とを備える。無線フロントエンド回路3192は、アンテナ3162および処理回路3170に接続され得る。無線フロントエンド回路は、アンテナ3162と処理回路3170との間で通信される信号を調整するように設定され得る。無線フロントエンド回路3192は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるべきであるデジタルデータを受信することができる。無線フロントエンド回路3192は、デジタルデータを、フィルタ3198および/または増幅器3196の組合せを使用して適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換することができる。無線信号は、次いで、アンテナ3162を介して送信され得る。同様に、データを受信するとき、アンテナ3162は無線信号を収集することができ、次いで、無線信号は無線フロントエンド回路3192によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路3170に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えることができる。
【0260】
いくつかの代替実施形態では、ネットワークノード3160は別個の無線フロントエンド回路3192を含まないことがあり、代わりに、処理回路3170は、無線フロントエンド回路を備えることができ、別個の無線フロントエンド回路3192なしでアンテナ3162に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路3172の全部または一部が、インターフェース3190の一部と見なされ得る。さらに他の実施形態では、インターフェース3190は、無線ユニット(図示せず)の一部として、1つまたは複数のポートまたは端末3194と、無線フロントエンド回路3192と、RFトランシーバ回路3172とを含むことができ、インターフェース3190は、デジタルユニット(図示せず)の一部であるベースバンド処理回路3174と通信することができる。
【0261】
アンテナ3162は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができる。アンテナ3162は、無線フロントエンド回路3190に結合され得、データおよび/または信号を無線で送信および受信することが可能な任意のタイプのアンテナであり得る。いくつかの実施形態では、アンテナ3162は、たとえば2GHzから66GHzの間の無線信号を送信/受信するように動作可能な1つまたは複数の全指向性、セクタまたはパネルアンテナを備えることができる。全指向性アンテナは、任意の方向に無線信号を送信/受信するために使用され得、セクタアンテナは、特定のエリア内のデバイスから無線信号を送信/受信するために使用され得、パネルアンテナは、比較的直線ラインで無線信号を送信/受信するために使用される見通し線アンテナであり得る。いくつかの事例では、2つ以上のアンテナの使用は、MIMOと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、アンテナ3162は、ネットワークノード3160とは別個であり得、インターフェースまたはポートを通してネットワークノード3160に接続可能であり得る。
【0262】
アンテナ3162、インターフェース3190、および/または処理回路3170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作および/またはいくつかの取得動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、無線デバイス、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器から受信され得る。同様に、アンテナ3162、インターフェース3190、および/または処理回路3170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の送信動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、無線デバイス、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器に送信され得る。
【0263】
電力回路3187は、電力管理回路を備えるか、または電力管理回路に結合され得、本明細書で説明される機能を実施するための電力を、ネットワークノード3160の構成要素に供給するように設定され得る。電力回路3187は、電源3186から電力を受信することができる。電源3186および/または電力回路3187は、それぞれの構成要素に好適な形態で(たとえば、各それぞれの構成要素のために必要とされる電圧および電流レベルにおいて)、ネットワークノード3160の様々な構成要素に電力を提供するように設定され得る。電源3186は、電力回路3187および/またはネットワークノード3160中に含まれるか、あるいは電力回路3187および/またはネットワークノード3160の外部にあるかのいずれかであり得る。たとえば、ネットワークノード3160は、電気ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して外部電源(たとえば、電気コンセント)に接続可能であり得、それにより、外部電源は電力回路3187に電力を供給する。さらなる例として、電源3186は、電力回路3187に接続された、または電力回路3187中で統合された、バッテリまたはバッテリパックの形態の電力源を備えることができる。バッテリは、外部電源が落ちた場合、バックアップ電力を提供することができる。光起電力デバイスなどの他のタイプの電源も使用され得る。
【0264】
ネットワークノード3160の代替実施形態は、本明細書で説明される機能、および/または本明細書で説明される主題をサポートするために必要な機能のうちのいずれかを含む、ネットワークノードの機能のいくつかの態様を提供することを担当することができる、
図31に示されている構成要素以外の追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ネットワークノード3160は、ネットワークノード3160への情報の入力を可能および/または容易にするための、ならびにネットワークノード3160からの情報の出力を可能および/または容易にするための、ユーザインターフェース機器を含むことができる。これは、ユーザが、ネットワークノード3160のための診断、メンテナンス、修復、および他のアドミニストレーティブ機能を実施することを可能および/または容易にすることができる。
【0265】
いくつかの実施形態では、無線デバイス(WD、たとえば、WD3110)は、直接人間対話なしに情報を送信および/または受信するように設定され得る。たとえば、WDは、内部または外部イベントによってトリガされたとき、あるいはネットワークからの要求に応答して、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計され得る。WDの例は、限定はしないが、スマートフォン、モバイルフォン、セルフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)フォン、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲーミングコンソールまたはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブルデバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、モバイル型通信(MTC)デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、車載無線端末デバイスなどを含む。
【0266】
WDは、たとえばサイドリンク通信、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2X(Vehicle-to-Everything)のための3GPP規格を実装することによって、D2D(device-to-device)通信をサポートすることができ、この場合、D2D通信デバイスと呼ばれることがある。また別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオでは、WDは、監視および/または測定を実施し、そのような監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信する、マシンまたは他のデバイスを表すことができる。WDは、この場合、マシンツーマシン(M2M)デバイスであり得、M2Mデバイスは、3GPPコンテキストではMTCデバイスと呼ばれることがある。1つの特定の例として、WDは、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)規格を実装するUEであり得る。そのようなマシンまたはデバイスの特定の例は、センサー、電力計などの計量デバイス、産業用機械類、あるいは家庭用または個人用電気器具(たとえば、冷蔵庫、テレビジョンなど)、個人用ウェアラブル(たとえば、時計、フィットネストラッカーなど)である。他のシナリオでは、WDは車両または他の機器を表すことができ、車両または他の機器は、その動作ステータスを監視することおよび/またはその動作ステータスに関して報告すること、あるいはその動作に関連付けられた他の機能が可能である。上記で説明されたWDは無線接続のエンドポイントを表すことができ、その場合、デバイスは無線端末と呼ばれることがある。さらに、上記で説明されたWDはモバイルであり得、その場合、デバイスはモバイルデバイスまたはモバイル端末と呼ばれることもある。
【0267】
示されているように、無線デバイス3110は、アンテナ3111と、インターフェース3114と、処理回路3120と、デバイス可読媒体3130と、ユーザインターフェース機器3132と、補助機器3134と、電源3136と、電力回路3137とを含む。WD3110は、WD3110によってサポートされる、たとえば、ほんの数個を挙げると、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、またはBluetooth無線技術など、異なる無線技術のための示されている構成要素のうちの1つまたは複数の複数のセットを含むことができる。これらの無線技術は、WD3110内の他の構成要素と同じまたは異なるチップまたはチップのセットに統合され得る。
【0268】
アンテナ3111は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができ、インターフェース3114に接続される。いくつかの代替実施形態では、アンテナ3111は、WD3110とは別個であり、インターフェースまたはポートを通してWD3110に接続可能であり得る。アンテナ3111、インターフェース3114、および/または処理回路3120は、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作または送信動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信され得る。いくつかの実施形態では、無線フロントエンド回路および/またはアンテナ3111は、インターフェースと見なされ得る。
【0269】
示されているように、インターフェース3114は、無線フロントエンド回路3112とアンテナ3111とを備える。無線フロントエンド回路3112は、1つまたは複数のフィルタ3118と増幅器3116とを備える。無線フロントエンド回路3114は、アンテナ3111および処理回路3120に接続され、アンテナ3111と処理回路3120との間で通信される信号を調整するように設定され得る。無線フロントエンド回路3112は、アンテナ3111に結合されるか、またはアンテナ3111の一部であり得る。いくつかの実施形態では、WD3110は別個の無線フロントエンド回路3112を含まないことがあり、むしろ、処理回路3120は、無線フロントエンド回路を備えることができ、アンテナ3111に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路3122の一部または全部が、インターフェース3114の一部と見なされ得る。無線フロントエンド回路3112は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるべきであるデジタルデータを受信することができる。無線フロントエンド回路3112は、デジタルデータを、フィルタ3118および/または増幅器3116の組合せを使用して適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換することができる。無線信号は、次いで、アンテナ3111を介して送信され得る。同様に、データを受信するとき、アンテナ3111は無線信号を収集することができ、次いで、無線信号は無線フロントエンド回路3112によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路3120に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えることができる。
【0270】
処理回路3120は、単体で、またはデバイス可読媒体3130などの他のWD3110構成要素と組み合わせてのいずれかで、WD3110機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/または符号化された論理の組合せを備えることができる。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴または利益のうちのいずれかを含むことができる。
【0271】
たとえば、処理回路3120は、本明細書で開示される機能を提供するために、デバイス可読媒体3130に記憶された命令、または処理回路3120内のメモリに記憶された命令を実行することができる。より詳細には、媒体3130に記憶された(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)命令は、プロセッサ3120によって実行されたとき、無線デバイス3110を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる命令を含むことができる。
【0272】
示されているように、処理回路3120は、RFトランシーバ回路3122、ベースバンド処理回路3124、およびアプリケーション処理回路3126のうちの1つまたは複数を含む。他の実施形態では、処理回路は、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えることができる。いくつかの実施形態では、WD3110の処理回路3120は、SOCを備えることができる。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路3122、ベースバンド処理回路3124、およびアプリケーション処理回路3126は、別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。代替実施形態では、ベースバンド処理回路3124およびアプリケーション処理回路3126の一部または全部は1つのチップまたはチップのセットになるように組み合わせられ得、RFトランシーバ回路3122は別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。さらに代替の実施形態では、RFトランシーバ回路3122およびベースバンド処理回路3124の一部または全部は同じチップまたはチップのセット上にあり得、アプリケーション処理回路3126は別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。また他の代替実施形態では、RFトランシーバ回路3122、ベースバンド処理回路3124、およびアプリケーション処理回路3126の一部または全部は、同じチップまたはチップのセット中で組み合わせられ得る。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路3122は、インターフェース3114の一部であり得る。RFトランシーバ回路3122は、処理回路3120のためのRF信号を調整することができる。
【0273】
いくつかの実施形態では、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される機能の一部または全部は、デバイス可読媒体3130に記憶された命令を実行する処理回路3120によって提供され得、デバイス可読媒体3130は、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体であり得る。代替実施形態では、機能の一部または全部は、ハードワイヤード様式などで、別個のまたは個別のデバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行することなしに、処理回路3120によって提供され得る。それらの特定の実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かに関わらず、処理回路3120は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路3120単独に、またはWD3110の他の構成要素に限定されないが、全体としてWD3110によって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0274】
処理回路3120は、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(たとえば、いくつかの取得動作)を実施するように設定され得る。処理回路3120によって実施されるようなこれらの動作は、処理回路3120によって取得された情報を、たとえば、取得された情報を他の情報に変換することによって、処理すること、取得された情報または変換された情報をWD3110によって記憶された情報と比較すること、ならびに/あるいは、取得された情報または変換された情報に基づいて、および前記処理が決定を行ったことの結果として、1つまたは複数の動作を実施することを含むことができる。
【0275】
デバイス可読媒体3130は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、論理、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路3120によって実行されることが可能な他の命令を記憶するように動作可能であり得る。デバイス可読媒体3130は、コンピュータメモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/あるいは、処理回路3120によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理回路3120およびデバイス可読媒体3130は、統合されていると見なされ得る。
【0276】
ユーザインターフェース機器3132は、人間のユーザがWD3110と対話することを可能および/または容易にする構成要素を含むことができる。そのような対話は、視覚、聴覚、触覚など、多くの形態のものであり得る。ユーザインターフェース機器3132は、ユーザへの出力を作り出すように、ならびにユーザがWD3110への入力を提供することを可能および/または容易にするように動作可能であり得る。対話のタイプは、WD3110にインストールされるユーザインターフェース機器3132のタイプに応じて変動することがある。たとえば、WD3110がスマートフォンである場合、対話はタッチスクリーンを介したものであり得、WD3110がスマートメーターである場合、対話は、使用量(たとえば、使用されたガロンの数)を提供するスクリーン、または(たとえば、煙が検出された場合)可聴警報を提供するスピーカーを通したものであり得る。ユーザインターフェース機器3132は、入力インターフェース、デバイスおよび回路、ならびに、出力インターフェース、デバイスおよび回路を含むことができる。ユーザインターフェース機器3132は、WD3110への情報の入力を可能および/または容易にするように設定され得、処理回路3120が入力情報を処理することを可能および/または容易にするために、処理回路3120に接続される。ユーザインターフェース機器3132は、たとえば、マイクロフォン、近接度または他のセンサー、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つまたは複数のカメラ、USBポート、あるいは他の入力回路を含むことができる。ユーザインターフェース機器3132はまた、WD3110からの情報の出力を可能および/または容易にするように、ならびに処理回路3120がWD3110からの情報を出力することを可能および/または容易にするように設定される。ユーザインターフェース機器3132は、たとえば、スピーカー、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドフォンインターフェース、または他の出力回路を含むことができる。ユーザインターフェース機器3132の1つまたは複数の入力および出力インターフェース、デバイス、および回路を使用して、WD3110は、エンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信し、エンドユーザおよび/または無線ネットワークが本明細書で説明される機能から恩恵を受けることを可能および/または容易にすることができる。
【0277】
補助機器3134は、概してWDによって実施されないことがある、より固有の機能を提供するように動作可能である。これは、様々な目的のために測定を行うための特殊なセンサー、有線通信などの追加のタイプの通信のためのインターフェースなどを備えることができる。補助機器3134の構成要素の包含、および補助機器3134の構成要素のタイプは、実施形態および/またはシナリオに応じて変動することがある。
【0278】
電源3136は、いくつかの実施形態では、バッテリまたはバッテリパックの形態のものであり得る。外部電源(たとえば、電気コンセント)、光起電力デバイスまたは電池など、他のタイプの電源も使用され得る。WD3110は、電源3136から、本明細書で説明または指示される任意の機能を行うために電源3136からの電力を必要とする、WD3110の様々な部分に電力を配信するための、電力回路3137をさらに備えることができる。電力回路3137は、いくつかの実施形態では、電力管理回路を備えることができる。電力回路3137は、追加または代替として、外部電源から電力を受信するように動作可能であり得、その場合、WD3110は、電力ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して(電気コンセントなどの)外部電源に接続可能であり得る。電力回路3137はまた、いくつかの実施形態では、外部電源から電源3136に電力を配信するように動作可能であり得る。これは、たとえば、電源3136の充電のためのものであり得る。電力回路3137は、電源3136からの電力に対して、その電力を、WD3110のそれぞれの構成要素への供給に好適であるようにするために、任意の変換、または他の修正を実施することができる。
【0279】
図32は、本明細書で説明される様々な態様による、UEの一実施形態を示す。本明細書で使用されるユーザ機器またはUEは、必ずしも、関連のあるデバイスを所有し、および/または動作させる人間のユーザという意味におけるユーザを有するとは限らない。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売、または人間のユーザによる動作を意図されるが、特定の人間のユーザに関連付けられないことがあるか、または特定の人間のユーザに初めに関連付けられないことがある、デバイス(たとえば、スマートスプリンクラーコントローラ)を表すことができる。代替的に、UEは、エンドユーザへの販売、またはエンドユーザによる動作を意図されないが、ユーザに関連付けられるか、またはユーザの利益のために動作され得る、デバイス(たとえば、スマート電力計)を表すことができる。UE3200は、NB-IoT UE、マシン型通信(MTC)UE、および/または拡張MTC(eMTC)UEを含む、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって識別される任意のUEであり得る。
図32に示されているUE3200は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のGSM、UMTS、LTE、および/または5G規格など、3GPPによって公表された1つまたは複数の通信規格による通信のために設定されたWDの一例である。前述のように、WDおよびUEという用語は、互換的に使用され得る。したがって、
図32はUEであるが、本明細書で説明される構成要素は、WDに等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【0280】
図32では、UE3200は、入出力インターフェース3205、無線周波数(RF)インターフェース3209、ネットワーク接続インターフェース3211、ランダムアクセスメモリ(RAM)3217と読取り専用メモリ(ROM)3219と記憶媒体3221などとを含むメモリ3215、通信サブシステム3231、電源3233、および/または他の構成要素、あるいはそれらの任意の組合せに動作可能に結合された、処理回路3201を含む。記憶媒体3221は、オペレーティングシステム3223と、アプリケーションプログラム3225と、データ3227とを含む。他の実施形態では、記憶媒体3221は、他の同様のタイプの情報を含むことができる。いくつかのUEは、
図32に示されている構成要素のすべてを利用するか、またはそれらの構成要素のサブセットのみを利用することができる。構成要素間の統合のレベルは、UEごとに変動することがある。さらに、いくつかのUEは、複数のプロセッサ、メモリ、トランシーバ、送信機、受信機など、構成要素の複数のインスタンスを含んでいることがある。
【0281】
図32では、処理回路3201は、コンピュータ命令およびデータを処理するように設定され得る。処理回路3201は、(たとえば、ディスクリート論理、FPGA、ASICなどにおける)1つまたは複数のハードウェア実装状態マシンなど、マシン可読コンピュータプログラムとしてメモリに記憶されたマシン命令を実行するように動作可能な任意の逐次状態マシン、適切なファームウェアと一緒のプログラマブル論理、適切なソフトウェアと一緒のマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)など、1つまたは複数のプログラム内蔵、汎用プロセッサ、あるいは上記の任意の組合せを実装するように設定され得る。たとえば、処理回路3201は、2つの中央処理ユニット(CPU)を含むことができる。データは、コンピュータによる使用に好適な形態での情報であり得る。
【0282】
図示された実施形態では、入出力インターフェース3205は、入力デバイス、出力デバイス、または入出力デバイスに通信インターフェースを提供するように設定され得る。UE3200は、入出力インターフェース3205を介して出力デバイスを使用するように設定され得る。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのインターフェースポートを使用することができる。たとえば、UE3200への入力およびUE3200からの出力を提供するために、USBポートが使用され得る。出力デバイスは、スピーカー、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力デバイス、またはそれらの任意の組合せであり得る。UE3200は、ユーザがUE3200に情報をキャプチャすることを可能および/または容易にするために、入出力インターフェース3205を介して入力デバイスを使用するように設定され得る。入力デバイスは、タッチセンシティブまたはプレゼンスセンシティブディスプレイ、カメラ(たとえば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなど)、マイクロフォン、センサー、マウス、トラックボール、方向パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカードなどを含むことができる。プレゼンスセンシティブディスプレイは、ユーザからの入力を検知するための容量性または抵抗性タッチセンサーを含むことができる。センサーは、たとえば、加速度計、ジャイロスコープ、チルトセンサー、力センサー、磁力計、光センサー、近接度センサー、別の同様のセンサー、またはそれらの任意の組合せであり得る。たとえば、入力デバイスは、加速度計、磁力計、デジタルカメラ、マイクロフォン、および光センサーであり得る。
【0283】
図32では、RFインターフェース3209は、送信機、受信機、およびアンテナなど、RF構成要素に通信インターフェースを提供するように設定され得る。ネットワーク接続インターフェース3211は、ネットワーク3243aに通信インターフェースを提供するように設定され得る。ネットワーク3243aは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、通信ネットワーク、別の同様のネットワークまたはそれらの任意の組合せなど、有線および/または無線ネットワークを包含することができる。たとえば、ネットワーク3243aは、Wi-Fiネットワークを備えることができる。ネットワーク接続インターフェース3211は、イーサネット、TCP/IP、SONET、ATMなど、1つまたは複数の通信プロトコルに従って通信ネットワーク上で1つまたは複数の他のデバイスと通信するために使用される、受信機および送信機インターフェースを含むように設定され得る。ネットワーク接続インターフェース3211は、通信ネットワークリンク(たとえば、光学的、電気的など)に適した受信機および送信機機能を実装することができる。送信機および受信機機能は、回路構成要素、ソフトウェアまたはファームウェアを共有することができるか、あるいは、代替的に、別個に実装され得る。
【0284】
RAM3217は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデバイスドライバなど、ソフトウェアプログラムの実行中に、データまたはコンピュータ命令の記憶またはキャッシングを提供するために、バス3202を介して処理回路3201にインターフェースするように設定され得る。ROM3219は、処理回路3201にコンピュータ命令またはデータを提供するように設定され得る。たとえば、ROM3219は、不揮発性メモリに記憶される、基本入出力(I/O)、起動、またはキーボードからのキーストロークの受信など、基本システム機能のための、不変低レベルシステムコードまたはデータを記憶するように設定され得る。記憶媒体3221は、RAM、ROM、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスク、光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、リムーバブルカートリッジ、またはフラッシュドライブなど、メモリを含むように設定され得る。
【0285】
一例では、記憶媒体3221は、オペレーティングシステム3223と、ウェブブラウザアプリケーション、ウィジェットまたはガジェットエンジン、あるいは別のアプリケーションなどのアプリケーションプログラム3225と、データファイル3227とを含むように設定され得る。記憶媒体3221は、UE3200による使用のために、多様な様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せのうちのいずれかを記憶することができる。たとえば、アプリケーションプログラム3225は、プロセッサ3201によって実行されたとき、UE3200を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる、(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)実行可能プログラム命令を含むことができる。
【0286】
記憶媒体3221は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光ディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブ、Blu-Ray光ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータ記憶(HDDS)光ディスクドライブ、外部ミニデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、加入者識別モジュールまたはリムーバブルユーザ識別情報(SIM/RUIM)モジュールなどのスマートカードメモリ、他のメモリ、あるいはそれらの任意の組合せなど、いくつかの物理ドライブユニットを含むように設定され得る。記憶媒体3221は、UE3200が、一時的または非一時的メモリ媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令、アプリケーションプログラムなどにアクセスすること、データをオフロードすること、あるいはデータをアップロードすることを可能および/または容易にすることができる。通信システムを利用する製造品などの製造品は、記憶媒体3221中に有形に具現され得、記憶媒体3221はデバイス可読媒体を備えることができる。
【0287】
図32では、処理回路3201は、通信サブシステム3231を使用してネットワーク3243bと通信するように設定され得る。ネットワーク3243aとネットワーク3243bとは、同じ1つまたは複数のネットワークまたは異なる1つまたは複数のネットワークであり得る。通信サブシステム3231は、ネットワーク3243bと通信するために使用される1つまたは複数のトランシーバを含むように設定され得る。たとえば、通信サブシステム3231は、IEEE802.32、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMaxなど、1つまたは複数の通信プロトコルに従って、無線アクセスネットワーク(RAN)の別のWD、UE、または基地局など、無線通信が可能な別のデバイスの1つまたは複数のリモートトランシーバと通信するために使用される、1つまたは複数のトランシーバを含むように設定され得る。各トランシーバは、RANリンク(たとえば、周波数割り当てなど)に適した送信機機能または受信機機能をそれぞれ実装するための、送信機3233および/または受信機3235を含むことができる。さらに、各トランシーバの送信機3233および受信機3235は、回路構成要素、ソフトウェアまたはファームウェアを共有することができるか、あるいは、代替的に、別個に実装され得る。
【0288】
示されている実施形態では、通信サブシステム3231の通信機能は、データ通信、ボイス通信、マルチメディア通信、Bluetoothなどの短距離通信、ニアフィールド通信、ロケーションを決定するための全地球測位システム(GPS)の使用などのロケーションベース通信、別の同様の通信機能、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。たとえば、通信サブシステム3231は、セルラ通信と、Wi-Fi通信と、Bluetooth通信と、GPS通信とを含むことができる。ネットワーク3243bは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、通信ネットワーク、別の同様のネットワークまたはそれらの任意の組合せなど、有線および/または無線ネットワークを包含することができる。たとえば、ネットワーク3243bは、セルラネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはニアフィールドネットワークであり得る。電源3213は、UE3200の構成要素に交流(AC)または直流(DC)電力を提供するように設定され得る。
【0289】
本明細書で説明される特徴、利益および/または機能は、UE3200の構成要素のうちの1つにおいて実装されるか、またはUE3200の複数の構成要素にわたって区分され得る。さらに、本明細書で説明される特徴、利益、および/または機能は、ハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアの任意の組合せで実装され得る。一例では、通信サブシステム3231は、本明細書で説明される構成要素のうちのいずれかを含むように設定され得る。さらに、処理回路3201は、バス3202上でそのような構成要素のうちのいずれかと通信するように設定され得る。別の例では、そのような構成要素のうちのいずれかは、処理回路3201によって実行されたとき、本明細書で説明される対応する機能を実施する、メモリに記憶されたプログラム命令によって表され得る。別の例では、そのような構成要素のうちのいずれかの機能は、処理回路3201と通信サブシステム3231との間で区分され得る。別の例では、そのような構成要素のうちのいずれかの非計算集約的機能が、ソフトウェアまたはファームウェアで実装され得、計算集約的機能がハードウェアで実装され得る。
【0290】
図33は、いくつかの実施形態によって実装される機能が仮想化され得る、仮想化環境3300を示す概略ブロック図である。本コンテキストでは、仮想化することは、ハードウェアプラットフォーム、記憶デバイスおよびネットワーキングリソースを仮想化することを含むことができる、装置またはデバイスの仮想バージョンを作成することを意味する。本明細書で使用される仮想化は、ノード(たとえば、仮想化された基地局または仮想化された無線アクセスノード)に、あるいはデバイス(たとえば、UE、無線デバイスまたは任意の他のタイプの通信デバイス)またはそのデバイスの構成要素に適用され得、機能の少なくとも一部分が、(たとえば、1つまたは複数のネットワークにおいて1つまたは複数の物理処理ノード上で実行する、1つまたは複数のアプリケーション、構成要素、機能、仮想マシンまたはコンテナを介して)1つまたは複数の仮想構成要素として実装される、実装形態に関する。
【0291】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される機能の一部または全部は、ハードウェアノード3330のうちの1つまたは複数によってホストされる1つまたは複数の仮想環境3300において実装される1つまたは複数の仮想マシンによって実行される、仮想構成要素として実装され得る。さらに、仮想ノードが、無線アクセスノードではないか、または無線コネクティビティ(たとえば、コアネットワークノード)を必要としない実施形態では、ネットワークノードは完全に仮想化され得る。
【0292】
機能は、本明細書で開示される実施形態のうちのいくつかの特徴、機能、および/または利益のうちのいくつかを実装するように動作可能な、(代替的に、ソフトウェアインスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などと呼ばれることがある)1つまたは複数のアプリケーション3320によって実装され得る。アプリケーション3320は、処理回路3360とメモリ3390とを備えるハードウェア3330を提供する、仮想化環境3300において稼働される。メモリ3390は、処理回路3360によって実行可能な命令3395を含んでおり、それにより、アプリケーション3320は、本明細書で開示される特徴、利益、および/または機能のうちの1つまたは複数を提供するように動作可能である。
【0293】
仮想化環境3300は、1つまたは複数のプロセッサのセットまたは処理回路3360を備える、汎用または専用のネットワークハードウェアデバイス(またはノード)3330を含むことができ、1つまたは複数のプロセッサのセットまたは処理回路3360は、商用オフザシェルフ(COTS)プロセッサ、専用の特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいは、デジタルもしくはアナログハードウェア構成要素または専用プロセッサを含む任意の他のタイプの処理回路であり得る。各ハードウェアデバイスはメモリ3390-1を備えることができ、メモリ3390-1は、処理回路3360によって実行される命令3395またはソフトウェアを一時的に記憶するための非永続的メモリであり得る。たとえば、命令3395は、処理回路3360によって実行されたとき、ハードウェアノード3320を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる、(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)プログラム命令を含むことができる。そのような動作は、同じく、ハードウェアノード3330によってホストされた(1つまたは複数の)仮想ノード3320によるものであり得る。
【0294】
各ハードウェアデバイスは、ネットワークインターフェースカードとしても知られる、1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)3370を備えることができ、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)3370は物理ネットワークインターフェース3380を含む。各ハードウェアデバイスは、処理回路3360によって実行可能なソフトウェア3395および/または命令を記憶した、非一時的、永続的、マシン可読記憶媒体3390-2をも含むことができる。ソフトウェア3395は、1つまたは複数の(ハイパーバイザとも呼ばれる)仮想化レイヤ3350をインスタンス化するためのソフトウェア、仮想マシン3340を実行するためのソフトウェア、ならびに、それが、本明細書で説明されるいくつかの実施形態との関係において説明される機能、特徴および/または利益を実行することを可能にする、ソフトウェアを含む、任意のタイプのソフトウェアを含むことができる。
【0295】
仮想マシン3340は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワーキングまたはインターフェース、および仮想記憶域を備え、対応する仮想化レイヤ3350またはハイパーバイザによって稼働され得る。仮想アプライアンス3320の事例の異なる実施形態が、仮想マシン3340のうちの1つまたは複数上で実装され得、実装は異なるやり方で行われ得る。
【0296】
動作中に、処理回路3360は、ソフトウェア3395を実行してハイパーバイザまたは仮想化レイヤ3350をインスタンス化し、ハイパーバイザまたは仮想化レイヤ3350は、時々、仮想マシンモニタ(VMM)と呼ばれることがある。仮想化レイヤ3350は、仮想マシン3340に、ネットワーキングハードウェアのように見える仮想動作プラットフォームを提示することができる。
【0297】
図33に示されているように、ハードウェア3330は、一般的なまたは特定の構成要素をもつスタンドアロンネットワークノードであり得る。ハードウェア3330は、アンテナ33225を備えることができ、仮想化を介していくつかの機能を実装することができる。代替的に、ハードウェア3330は、多くのハードウェアノードが協働し、特に、アプリケーション3320のライフサイクル管理を監督する、管理およびオーケストレーション(MANO)33100を介して管理される、(たとえば、データセンタまたは顧客構内機器(CPE)の場合のような)ハードウェアのより大きいクラスタの一部であり得る。
【0298】
ハードウェアの仮想化は、いくつかのコンテキストにおいて、ネットワーク機能仮想化(NFV)と呼ばれる。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、データセンタおよび顧客構内機器中に位置し得る、業界標準高ボリュームサーバハードウェア、物理スイッチ、および物理記憶域上にコンソリデートするために使用され得る。
【0299】
NFVのコンテキストでは、仮想マシン3340は、プログラムを、それらのプログラムが、物理的な仮想化されていないマシン上で実行しているかのように稼働する、物理マシンのソフトウェア実装形態であり得る。仮想マシン3340の各々と、その仮想マシンに専用のハードウェアであろうと、および/またはその仮想マシンによって仮想マシン3340のうちの他の仮想マシンと共有されるハードウェアであろうと、その仮想マシンを実行するハードウェア3330のその一部とは、別個の仮想ネットワークエレメント(VNE)を形成する。
【0300】
さらにNFVのコンテキストでは、仮想ネットワーク機能(VNF)は、ハードウェアネットワーキングインフラストラクチャ3330の上の1つまたは複数の仮想マシン3340において稼働する特定のネットワーク機能をハンドリングすることを担当し、
図33中のアプリケーション3320に対応する。
【0301】
いくつかの実施形態では、各々、1つまたは複数の送信機33220と1つまたは複数の受信機33210とを含む、1つまたは複数の無線ユニット33200は、1つまたは複数のアンテナ33225に結合され得る。無線ユニット33200は、1つまたは複数の適切なネットワークインターフェースを介してハードウェアノード3330と直接通信することができ、無線アクセスノードまたは基地局など、無線能力をもつ仮想ノードを提供するために仮想構成要素と組み合わせて使用され得る。このようにして構成されたノードは、本明細書の他の場所で説明されたような、1つまたは複数のUEとも通信することができる。
【0302】
いくつかの実施形態では、何らかのシグナリングが、ハードウェアノード3330と無線ユニット33200との間の通信のために代替的に使用され得る制御システム33230を介して実施され得る。
【0303】
図34を参照すると、一実施形態によれば、通信システムが、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク3411とコアネットワーク3414とを備える、3GPPタイプセルラネットワークなどの通信ネットワーク3410を含む。アクセスネットワーク3411は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局3412a、3412b、3412cを備え、各々が、対応するカバレッジエリア3413a、3413b、3413cを規定する。各基地局3412a、3412b、3412cは、有線接続または無線接続3415上でコアネットワーク3414に接続可能である。カバレッジエリア3413c中に位置する第1のUE3491が、対応する基地局3412cに無線で接続するか、または対応する基地局3412cによってページングされるように設定され得る。カバレッジエリア3413a中の第2のUE3492が、対応する基地局3412aに無線で接続可能である。この例では複数のUE3491、3492が示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジエリア中にある状況、または唯一のUEが、カバレッジエリア中の基地局に接続している状況に等しく適用可能である。
【0304】
通信ネットワーク3410は、それ自体、ホストコンピュータ3430に接続され、ホストコンピュータ3430は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、あるいはサーバファーム中の処理リソースとして具現され得る。ホストコンピュータ3430は、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得、あるいはサービスプロバイダによってまたはサービスプロバイダに代わって動作され得る。通信ネットワーク3410とホストコンピュータ3430との間の接続3421および3422は、コアネットワーク3414からホストコンピュータ3430に直接延びることができるか、または随意の中間ネットワーク3420を介して進むことができる。中間ネットワーク3420は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、またはホストされたネットワークのうちの1つ、またはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得、中間ネットワーク3420は、もしあれば、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク3420は、2つまたはそれ以上のサブネットワーク(図示せず)を備えることができる。
【0305】
図34の通信システムは全体として、接続されたUE3491、3492とホストコンピュータ3430との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)接続3450として説明され得る。ホストコンピュータ3430および接続されたUE3491、3492は、アクセスネットワーク3411、コアネットワーク3414、任意の中間ネットワーク3420、および考えられるさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続3450を介して、データおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続3450は、OTT接続3450が通過する、参加する通信デバイスが、アップリンクおよびダウンリンク通信のルーティングに気づいていないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局3412は、接続されたUE3491にフォワーディング(たとえば、ハンドオーバ)されるべき、ホストコンピュータ3430から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、知らされないことがあるかまたは知らされる必要がない。同様に、基地局3412は、UE3491から発生してホストコンピュータ3430に向かう発信アップリンク通信の将来のルーティングに気づいている必要がない。
【0306】
次に、一実施形態による、前の段落において説明されたUE、基地局およびホストコンピュータの例示的な実装形態が、
図35を参照しながら説明される。通信システム3500では、ホストコンピュータ3510が、通信システム3500の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース3516を含む、ハードウェア3515を備える。ホストコンピュータ3510は、記憶能力および/または処理能力を有することができる、処理回路3518をさらに備える。特に、処理回路3518は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる。ホストコンピュータ3510は、ホストコンピュータ3510に記憶されるかまたはホストコンピュータ3510によってアクセス可能であり、処理回路3518によって実行可能である、ソフトウェア3511をさらに備える。ソフトウェア3511はホストアプリケーション3512を含む。ホストアプリケーション3512は、UE3530およびホストコンピュータ3510において終端するOTT接続3550を介して接続するUE3530など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション3512は、OTT接続3550を使用して送信されるユーザデータを提供することができる。
【0307】
通信システム3500は、通信システム中に提供される基地局3520をも含むことができ、基地局3520は、基地局3520がホストコンピュータ3510およびUE3530と通信することを可能にするハードウェア3525を備える。ハードウェア3525は、通信システム3500の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース3526、ならびに基地局3520によってサーブされるカバレッジエリア(
図35に図示せず)中に位置するUE3530との少なくとも無線接続3570をセットアップおよび維持するための無線インターフェース3527を含むことができる。通信インターフェース3526は、ホストコンピュータ3510への接続3560を容易にするように設定され得る。接続3560は直接であり得るか、あるいは、接続3560は、通信システムのコアネットワーク(
図35に図示せず)を、および/または通信システムの外部の1つまたは複数の中間ネットワークを通過することができる。図示の実施形態では、基地局3520のハードウェア3525は、処理回路3528をも含むことができ、処理回路3528は、命令を実行するように適応された、1つもしくは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる。
【0308】
基地局3520は、内部的に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア3521をも含む。たとえば、ソフトウェア3521は、処理回路3528によって実行されたとき、基地局3520を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる、(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)プログラム命令を含むことができる。
【0309】
通信システム3500は、すでに言及されたUE3530をも含むことができ、UE3530のハードウェア3535は、UE3530が現在位置するカバレッジエリアをサーブする基地局との無線接続3570をセットアップおよび維持するように設定された、無線インターフェース3537を含むことができる。UE3530のハードウェア3535は、処理回路3538をも含むことができ、処理回路3538は、命令を実行するように適応された、1つもしくは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる。
【0310】
UE3530は、UE3530に記憶されるかまたはUE3530によってアクセス可能であり、処理回路3538によって実行可能である、ソフトウェア3531をも含む。ソフトウェア3531はクライアントアプリケーション3532を含む。クライアントアプリケーション3532は、ホストコンピュータ3510のサポートのもとに、UE3530を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ3510では、実行しているホストアプリケーション3512は、UE3530およびホストコンピュータ3510において終端するOTT接続3550を介して、実行しているクライアントアプリケーション3532と通信することができる。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション3532は、ホストアプリケーション3512から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供することができる。OTT接続3550は、要求データとユーザデータの両方を転送することができる。クライアントアプリケーション3532は、クライアントアプリケーション3532が提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話することができる。ソフトウェア3531は、処理回路3538によって実行されたとき、UE3530を本明細書で説明される様々な例示的な方法(たとえば、プロシージャ)に対応する動作を実施するように設定することができる、(コンピュータプログラム製品とも呼ばれる)プログラム命令をも含むことができる。
【0311】
図35に示されているホストコンピュータ3510、基地局3520およびUE3530は、それぞれ、
図33のホストコンピュータ1230、基地局3312a、3312b、3312cのうちの1つ、およびUE3391、3392のうちの1つと同様または同等であり得ることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部の働きは、
図35に示されているようなものであり得、別個に、周囲のネットワークトポロジーは、
図33のものであり得る。
【0312】
図35では、OTT接続3550は、仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局3520を介したホストコンピュータ3510とUE3530との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャが、ルーティングを決定することができ、ネットワークインフラストラクチャは、UE3530からまたはホストコンピュータ3510を動作させるサービスプロバイダから、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続3550がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは、さらに、ネットワークインフラストラクチャが(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する判断を行うことができる。
【0313】
UE3530と基地局3520との間の無線接続3570は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続3570が最後のセグメントを形成するOTT接続3550を使用して、UE3530に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、本明細書で開示される例示的な実施形態は、ネットワークが、データフローのエンドツーエンドサービス品質(QoS)を監視するためのフレキシビリティを改善することができ、それには、ユーザ機器(UE)と、5Gネットワークの外部のOTTデータアプリケーションまたはサービスなどの別のエンティティとの間のデータセッションに関連付けられた、データフローの対応する無線ベアラが含まれる。これらおよび他の利点は、5G/NRソリューションのより適時の設計、実装、および展開を容易にすることができる。さらに、そのような実施形態は、データセッションQoSのフレキシブルおよび適時の制御を容易にすることができ、これは、5G/NRによって想定される、およびOTTサービスの成長のために重要である、容量、スループット、レイテンシなどの改善につながることができる。
【0314】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のネットワーク動作態様を監視する目的での、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ3510とUE3530との間のOTT接続3550を再設定するための随意のネットワーク機能がさらにあり得る。測定プロシージャおよび/またはOTT接続3550を再設定するためのネットワーク機能は、ホストコンピュータ3510のソフトウェア3511およびハードウェア3515でまたはUE3530のソフトウェア3531およびハードウェア3535で、またはその両方で実装され得る。実施形態では、OTT接続3550が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を供給すること、あるいはソフトウェア3511、3531が監視された量を算出または推定することができる他の物理量の値を供給することによって、測定プロシージャに参加することができる。OTT接続3550の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含むことができ、再設定は、基地局3520に影響を及ぼす必要がなく、再設定は、基地局3520に知られていないかまたは知覚不可能であり得る。そのようなプロシージャおよび機能は、当技術分野において知られ、実践され得る。いくつかの実施形態では、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータ3510の測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴うことができる。測定は、ソフトウェア3511および3531が、ソフトウェア3511および3531が伝搬時間、エラーなどを監視する間にOTT接続3550を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されることを引き起こすことにおいて、実装され得る。
【0315】
図36は、いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される例示的な方法および/またはプロシージャを示すフローチャートである。通信システムは、いくつかの例示的な実施形態では、本明細書の他の図を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図36への図面参照のみがこのセクションに含まれる。ステップ3610において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。ステップ3610の(随意であり得る)サブステップ3611において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ3620において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。(随意であり得る)ステップ3630において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが始動した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。(また、随意であり得る)ステップ3640において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0316】
図37は、いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される例示的な方法および/またはプロシージャを示すフローチャートである。通信システムは、本明細書の他の図を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図37への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法のステップ3710において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。随意のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ3720において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して通ることができる。(随意であり得る)ステップ3730において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0317】
図38は、いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される例示的な方法および/またはプロシージャを示すフローチャートである。通信システムは、本明細書の他の図を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図38への図面参照のみがこのセクションに含まれる。(随意であり得る)ステップ3810において、UEは、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加または代替として、ステップ3820において、UEはユーザデータを提供する。ステップ3820の(随意であり得る)サブステップ3821において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。ステップ3810の(随意であり得る)サブステップ3811において、UEは、ホストコンピュータによって提供された受信された入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信されたユーザ入力をさらに考慮することができる。ユーザデータがどのように提供されたかに関わらず、UEは、(随意であり得る)サブステップ3830において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を始動する。方法のステップ3840において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0318】
図39は、いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される例示的な方法および/またはプロシージャを示すフローチャートである。通信システムは、本明細書の他の図を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図39への図面参照のみがこのセクションに含まれる。(随意であり得る)ステップ3910において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。(随意であり得る)ステップ3920において、基地局は、ホストコンピュータへの、受信されたユーザデータの送信を始動する。(随意であり得る)ステップ3930において、ホストコンピュータは、基地局によって始動された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0319】
上記は、本開示の原理を示すにすぎない。本明細書の教示に鑑みて、説明される実施形態の様々な変更および改変が当業者に明らかになろう。したがって、本明細書で明示的に示されず、または説明されないが、本開示の原理を具現し、したがって、本開示の趣旨および範囲内にあり得る、多数のシステム、構成、およびプロシージャを、当業者は考案することができることが諒解されよう。当業者によって理解されるべきであるように、様々な例示的な実施形態が、互いに一緒に、ならびに互いに互換的に使用され得る。
【0320】
本明細書で使用されるような、ユニットという用語は、電子機器、電気デバイス、および/または電子デバイスの分野における従来の意味を有することができ、たとえば、電気および/もしくは電子回路機器、デバイス、モジュール、プロセッサ、メモリ、ロジックソリッドステートおよび/もしくは個別デバイス、本明細書で説明されるものなどのようなそれぞれのタスク、プロシージャ、計算、出力、ならびに/または表示機能などを実行するためのコンピュータプログラムもしくは命令を含むことができる。
【0321】
本明細書で開示された任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利益は、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能ユニットまたはモジュールを通じて実施されてもよい。各仮想装置は、いくつかのこれらの機能ユニットを備えてもよい。これらの機能ユニットは、処理回路を介して実行されてもよく、処理回路は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、および他のデジタルハードウェアを含んでもよく、他のデジタルハードウェアは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途のデジタルロジック、および同様のものを含んでもよい。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように設定されてもよく、メモリは、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光ストレージデバイスなどの、1つまたはいくつかタイプのメモリを含んでもよい。メモリに記憶されたプログラムコードは、1つまたは複数の通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに、本明細書で説明される技法のうちの1つまたは複数を実行するための命令を含む。いくつかの実装形態では、処理回路は、それぞれの機能ユニットに、本開示の1つまたは複数の実施形態による対応する機能を実施させるために使用されてもよい。
【0322】
本明細書で説明されるように、デバイスおよび/または装置が、半導体チップ、チップセット、あるいはそのようなチップまたはチップセットを備える(ハードウェア)モジュールによって表され得るが、これは、デバイスまたは装置の機能が、ハードウェア実装される代わりに、プロセッサ上での実行のためのまたはプロセッサ上で稼働されている実行可能ソフトウェアコード部分を備えるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品などのソフトウェアモジュールとして実装される可能性を、除外しない。さらに、デバイスまたは装置の機能は、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せによって実装され得る。デバイスまたは装置はまた、機能的に互いと協働するのか互いとは無関係であるのかに関わらず、複数のデバイスおよび/または装置のアセンブリと見なされ得る。その上、デバイスおよび装置は、デバイスまたは装置の機能が保持される限り、システム全体にわたって分散して実装され得る。そのようなおよび同様の原理は当業者に知られていると見なされる。
【0323】
別段に規定されていない限り、本明細書で使用される(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、本開示が属する技術の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの用語の意味に従う意味を有するものとして解釈されるべきであり、明確にそのように本明細書で規定されていない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味において解釈されないことをさらに理解されよう。
【0324】
加えて、本明細書および図面を含む本開示で使用される特定の用語は、特定のインスタンスにおいて同義語として使用されることが可能である(たとえば、「データ」と「情報」)。これらの用語(および/または、互いに同義であることが可能な他の用語)は、本明細書では同義語として使用されることが可能であるが、このような単語が同義語として使用されないことが意図され得るインスタンスがあり得ることを理解されたい。さらに、従来技術の知識が上記で参照により本明細書に明示的に組み込まれていない限り、従来技術の知識は、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。参照されるすべての刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0325】
本明細書で説明される技法および装置は、限定はしないが、以下の列挙された例を含む。
A1. マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するように設定されたユーザ機器(UE)のための方法であって、方法が、
SCGのための通常動作モードにある間に、SCGのための低減エネルギーモードに入るようにというコマンドを、SCGに関連付けられた第2のノードから受信することと、
SCGのための低減エネルギーモードにある間に、SCGに関連付けられたビーム障害検出(BFD)を実施し、SCGのための1つまたは複数のビーム管理動作の実施を控えることと、
SCGのための低減エネルギーモードにある間に、ビーム障害が検出されたかどうかに基づいて、
ビーム障害回復(BFR)のための第2のセルグループに対するランダムアクセス(RA)プロシージャを実施すること、
UEが、低減エネルギーモードに入る前に、第2のノードによって設定されたPDCCH送信設定インジケータ(TCI)状態に基づいて、SCG内の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視すること、および
SCG内でビーム障害が検出されたという指示を、MCGに関連付けられた第1のノードに送ること
のうちの1つまたは複数を実施することと
を含む、方法。
B1. マスタセルグループ(MCG)を介して無線ネットワークと通信するようにさらに設定されたユーザ機器(UE)のための2次セルグループ(SCG)に関連付けられた、無線ネットワークの第2のノードのための方法であって、方法が、
UEが、SCGのための通常動作モードにある間に、SCGのための低減エネルギーモードに入るようにというコマンドをUEに送ることと、
UEがSCGのための低減エネルギーモードにある間に、
SCG内のビーム障害回復(BFR)のための、UEによるランダムアクセス(RA)プロシージャを実施すること、
UEがSCG内のビーム障害を検出したという指示を、MCGに関連付けられた第1のノードから受信すること、
UEがビーム障害を検出したという指示に基づいて、SCGを解放すること、および
SCGのためのUEの通常動作モードの再開の要求を第1のノードに送ること
という動作のうちの1つまたは複数を実施することと
を含む、方法。
B2. UEが、SCGのための低減エネルギーモードから出た後、UEが、SCGのための低減エネルギーモードに入る前に第2のノードによって設定されたPDCCH送信設定インジケータ(TCI)状態に基づいて、SCG内の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信することをさらに含む、実施形態B1に記載の方法。
C1. マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するように設定されたユーザ機器(UE)であって、UEが、
SCGおよびMCGを介して無線ネットワークと通信するように設定された無線トランシーバ回路と、
無線トランシーバ回路に動作可能なように連結された処理回路であって、処理回路および無線トランシーバ回路が、実施形態A1に記載の方法に対応する動作を実施するように設定された、処理回路と
を備える、UE。
C2. マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するためのユーザ機器(UE)であって、実施形態A1に記載の方法に対応する動作を実施するようにさらに構成される、UE。
C3. マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するように構成されたユーザ機器(UE)の処理回路によって実行されると、実施形態A1に記載の方法に対応する動作を実施するようにUEを設定するコンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
C4. マスタセルグループ(MCG)および2次セルグループ(SCG)を介して無線ネットワークと通信するように構成されたユーザ機器(UE)の処理回路によって実行されると、実施形態A1に記載の方法に対応する動作を実施するようにUEを設定するコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品。
D1. 2次セルグループ(SCG)を介してユーザ機器(UE)と通信するように構成された無線ネットワークのネットワークノードであって、ネットワークノードが、
SCGを介してUEと、およびマスタセルグループ(MCG)を介してUEと通信するように設定されたさらなるネットワークノードと、通信するように設定された通信インターフェース回路と、
通信インターフェース回路に動作可能なように連結された処理回路であって、処理回路および通信インターフェース回路が、実施形態B1~B2に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように設定される、処理回路と
を備える、ネットワークノード。
D2. 2次セルグループ(SCG)を介してユーザ機器(UE)と通信するように構成された無線ネットワークのネットワークノードであって、実施形態B1~B2に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するようにさらに構成される、ネットワークノード。
D3. 2次セルグループ(SCG)を介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードの処理回路によって実行されると、実施形態B1~B2に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するようにネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
D4. 2次セルグループ(SCG)を介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードの処理回路によって実行されると、実施形態B1~B2に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するようにネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品。