(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】コードストッパ
(51)【国際特許分類】
A44B 99/00 20100101AFI20241127BHJP
【FI】
A44B99/00 611N
A44B99/00 611C
(21)【出願番号】P 2023549264
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2021035116
(87)【国際公開番号】W WO2023047541
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】南部 円香
(72)【発明者】
【氏名】清水 洋兵
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0265623(US,A1)
【文献】特開平08-173216(JP,A)
【文献】特開平07-303505(JP,A)
【文献】特開昭56-120849(JP,A)
【文献】特表2017-509468(JP,A)
【文献】登録実用新案第3103982(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B99/00
F16G11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材(1
0)と、
前記ベース部材(1
0)に対して第1方向に移動可能に配置されたスライド部材(20,20
A)と、を備え、
前記ベース部材(1
0)は、前記第1方向に交差する第2方向に対向配置された第1壁部(12
A)および第2壁部(12
B)を有し、
前記スライド部材(20,20
A)は、
前記第1壁部(12
A)と前記第2壁部(12
B)との間に配置されたスライド本体部(21,21
A)と、
前記スライド本体部(21,21
A)に接続されたタブ部(22,22A
,)と、を有し、
前記第1壁部(12
A)または前記第2壁部(12
B)の少なくとも一方には、第1紐通し孔(12
6)が形成され、
前記スライド本体部(21,21
A)には、前記スライド部材(20,20
A)の前記第1方向への移動に伴って前記第1紐通し孔(1
2)に対する対向面積が変化する第2紐通し孔(21
1)が形成され、
前記スライド部材(20,20
A)が前記第1方向のうち前記対向面積が小さくなる係合方向に移動すると共に前記タブ部(22,22
A)が前記第1方向に交差する回転軸線を中心にして一方向に回動することで、前記タブ部(22,22
A)は、前記第1壁部(12
A)または前記第2壁部(12
B)の少なくとも一方に係合し、前記係合方向とは反対方向である解除方向への前記スライド部材(20,20
A)の移動を規制
し、
前記スライド本体部(21,21A)および前記タブ部(22,22A)は、前記第2紐通し孔(211)の中心軸である前記回転軸線を中心にして共に回動可能に構成される、コードストッパ。
【請求項2】
ベース部材(10,10B)と、
前記ベース部材(10,10B)に対して第1方向に移動可能に配置されたスライド部材(20,20A,20B)と、を備え、
前記ベース部材(10,10B)は、前記第1方向に交差する第2方向に対向配置された第1壁部(12A,12C)および第2壁部(12B,12D)を有し、
前記スライド部材(20,20A,20B)は、
前記第1壁部(12A,12C)と前記第2壁部(12B,12D)との間に配置されたスライド本体部(21,21A,21B)と、
前記スライド本体部(21,21A,21B)に接続されたタブ部(22,22A,22B)と、を有し、
前記第1壁部(12A,12C)または前記第2壁部(12B,12D)の少なくとも一方には、第1紐通し孔(126,128,129)が形成され、
前記スライド本体部(21,21A,21B)には、前記スライド部材(20,20A,20B)の前記第1方向への移動に伴って前記第1紐通し孔(126,128,129)に対する対向面積が変化する第2紐通し孔(211,213,214)が形成され、
前記スライド部材(20,20A,20B)が前記第1方向のうち前記対向面積が小さくなる係合方向に移動すると共に前記タブ部(22,22A,22B)が前記第1方向に交差する回転軸線を中心にして一方向に回動することで、前記タブ部(22,22A,22B)は、前記第1壁部(12A,12C)または前記第2壁部(12B,12D)の少なくとも一方に係合し、前記係合方向とは反対方向である解除方向への前記スライド部材(20,20A,20B)の移動を規制し、
前記第1壁部(12A,12C)および前記第2壁部(12B,12D)の少なくとも一方は、
前記係合方向に面する第1側面部(123)と、
前記第1方向および前記第2方向のそれぞれに交差する第3方向に面する第2側面部(124)と、
前記第1側面部(123)と前記第2側面部(124)との間を接続する角部(125)と、を備え、
前記タブ部(22,22A)は、前記スライド本体部(21,21A,21B)から延出した延出部(221)と、前記延出部(221)に設けられた係合片部(222)と、を有し、
前記タブ部(22,22A,22B)が前記回転軸線を中心にして前記一方向に回動する際、前記係合片部(222)は、前記第2側面部(124)に当接した状態から前記角部(125)を乗り越えて前記第1側面部(123)に当接した状態となる、コードストッパ。
【請求項3】
前記第2紐通し孔(211,213,214)は、前記スライド本体部(21,21A,21B)を前記第2方向に貫通することで、前記第1壁部(12A,12C)および前記第2壁部(12B,12D)のそれぞれの前記第1紐通し孔(126,128,129)に対向可能である、請求項1
または請求項2に記載のコードストッパ。
【請求項4】
前記第1壁部(12
A)および前記第2壁部(12
B)の少なくとも一方は、前記係合方向に面する第1側面部(123)を備え、
前記タブ部(22,22A)は、前記スライド本体部(21,21
A)から延出した延出部(221)と、前記延出部(221)に設けられた係合片部(222)と、を有し、
前記スライド部材(20,20
A)が前記係合方向に移動すると共に前記タブ部(22,22
A)が前記回転軸線を中心にして前記一方向に回動することで、前記係合片部(222)は、前記第1側面部(123)に対して前記第1方向に当接する、請求項
1に記載のコードストッパ。
【請求項5】
前記タブ部(22,22A,22B)には、前記第2紐通し孔(211)と外部とを連通する引出穴(25)が形成されている、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のコードストッパ。
【請求項6】
前記タブ部(22B)は、前記スライド本体部(21B)に回転可能に軸支されている、請求項
2に記載のコードストッパ。
【請求項7】
前記第1壁部(12C)または前記第2壁部(12D)の少なくとも一方には、前記第1紐通し孔(128,129)が複数設けられており、
前記スライド本体部(21B)には、複数の前記第1紐通し孔(128,129)に対向可能な複数の前記第2紐通し孔(211,213,214)が設けられている、請求項
6に記載のコードストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紐体に対する取付位置を調整可能であるコードストッパが知られている。
例えば、特許文献1に開示されているコードストッパは、筒体と、筒体の内側に挿入されたピストンと、ピストンを筒体の一方側に付勢するバネと、を備えている。紐体は、筒体の貫通孔およびピストンの挿通孔のそれぞれを挿通する。このコードストッパでは、ピストンがバネに付勢されることで、ピストンの貫通孔が筒体の貫通孔に対して一方向にずれた状態が維持され、紐体は、ピストンにおける貫通孔の縁と筒体における貫通孔の縁との間に挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたコードストッパでは、バネがピストンに対して付勢力を加え続ける必要があり、経年劣化等によりバネの付勢力が弱まると、紐体を保持する力が低下してしまう。
【0005】
本発明は、紐体を保持する力の低下を抑制することができるコードストッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコードストッパは、ベース部材と、前記ベース部材に対して第1方向に移動可能に配置されたスライド部材と、を備え、前記ベース部材は、前記第1方向に交差する第2方向に対向配置された第1壁部および第2壁部を有し、前記スライド部材は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配置されたスライド本体部と、前記スライド本体部に接続されたタブ部と、を有し、前記第1壁部または前記第2壁部の少なくとも一方には、第1紐通し孔が形成され、前記スライド本体部には、前記スライド部材の前記第1方向への移動に伴って前記第1紐通し孔に対する対向面積が変化する第2紐通し孔が形成され、前記スライド部材が前記第1方向のうち前記対向面積が小さくなる係合方向に移動すると共に前記タブ部が前記第1方向に交差する回転軸線を中心にして一方向に回動することで、前記タブ部は、前記第1壁部または前記第2壁部の少なくとも一方に係合し、前記係合方向とは反対方向である解除方向への前記スライド部材の移動を規制する。
【0007】
本発明のコードストッパでは、ベース部材(第1壁部または第2壁部の少なくとも一方)の第1紐通し孔およびスライド本体部の第2紐通し孔のそれぞれに紐体が挿通された場合、第1紐通し孔と第2紐通し孔との対向面積が小さくなるようにスライド部材が係合方向に移動することで、ベース部材とスライド本体部との間に紐体が挟持され、紐体を保持することができる。
ここで、本発明のコードストッパが紐体を保持する際、スライド部材が係合方向へ移動すると共にタブ部が一方向へ回動することで、タブ部がベース部材に係合し、スライド部材の解除方向への移動が規制される。これにより、紐体を保持した状態を維持することができる。
このような本発明のコードストッパは、バネを使用せずに構成されるため、紐体を保持する力の低下を抑制することができる。
【0008】
本発明のコードストッパにおいて、前記第2紐通し孔は、前記スライド本体部を前記第2方向に貫通することで、前記第1壁部および前記第2壁部のそれぞれの前記第1紐通し孔に対向可能であることが好ましい。
このような構成では、第1壁部とスライド本体部との間、および、第2壁部とスライド本体部との間のそれぞれに、紐体を挟持することができる。
【0009】
本発明のコードストッパにおいて、前記第1壁部または前記第2壁部の少なくとも一方は、前記係合方向に面する第1側面部を備え、前記タブ部は、前記スライド本体部から延出した延出部と、前記延出部に設けられた係合片部と、を有し、前記スライド部材が前記係合方向に移動すると共に前記タブ部が前記回転軸線を中心にして前記一方向に回動することで、前記係合片部は、前記第1側面部に対して前記第1方向に当接することが好ましい。
このような構成によれば、タブ部とベース部材(第1壁部または第2壁部の少なくとも一方)との係合のための構成が簡易である。
【0010】
本発明のコードストッパにおいて、前記第1壁部および前記第2壁部の少なくとも一方は、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれに交差する第3方向に面する第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部との間を接続する角部と、をさらに備え、前記タブ部が前記回転軸線を中心にして前記一方向に回動する際、前記係合片部は、前記第2側面部に当接した状態から前記角部を乗り越えて前記第1側面部に当接した状態となることが好ましい。
このような構成によれば、タブ部の姿勢の切替には使用者の操作力を必要とするため、紐体の保持が使用者の意図なしに解除されることを抑制できる。
【0011】
本発明のコードストッパにおいて、前記スライド本体部および前記タブ部は、前記第2紐通し孔の中心軸である前記回転軸線を中心にして共に回動可能に構成されてもよい。
このような構成では、スライド本体部およびタブ部を一体に形成することができ、スライド部材の形成が容易である。
【0012】
本発明のコードストッパにおいて、前記タブ部には、前記第2紐通し孔と外部とを連通する引出穴が形成されていてもよい。
このような構成では、紐体を第2通し孔から引出穴に通す使用形態が可能である。
【0013】
本発明のコードストッパにおいて、前記タブ部は、前記スライド本体部に回転可能に軸支されていてもよい。
このような構成では、スライド本体部およびタブ部を別体として形成することができ、第1紐通し孔と第2紐通し孔との組み合わせを複数設ける場合に好適である。
【0014】
本発明のコードストッパにおいて、前記第1壁部または前記第2壁部の少なくとも一方には、前記第1紐通し孔が複数設けられており、前記スライド本体部には、複数の前記第1紐通し孔に対向可能な複数の前記第2紐通し孔が設けられていてもよい。
このような構成では、複数の紐体をそれぞれ保持したり、1本の紐体の複数部位を保持したりすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、紐体を保持する力の低下が抑制されたコードストッパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかるコードストッパを示す斜視図。
【
図2】前記第1実施形態のベース部材を示す斜視図。
【
図3】前記第1実施形態のスライド部材を示す斜視図。
【
図4】前記第1実施形態のコードストッパを示す側面図。
【
図6】前記第1実施形態のコードストッパの動作を示す模式図。
【
図7】前記第1実施形態のコードストッパの動作を示す模式図。
【
図8】本発明の第2実施形態にかかるコードストッパを示す
【
図9】前記第2実施形態にかかるコードストッパを示す斜視図。
【
図10】前記第2実施形態にかかるコードストッパを示す斜視図。
【
図11】本発明の第3実施形態にかかるコードストッパを示す斜視図。
【
図12】前記第3実施形態のコードストッパの動作を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について
図1~
図7を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のコードストッパ1は、ベース部材10(
図2参照)と、ベース部材10に対して組み付けられたスライド部材20(
図3参照)とを備える。このコードストッパ1は、ベース部材10とスライド部材20との間に紐体9(
図5参照)を挟持することで紐体9を保持するものである。すなわち、コードストッパ1は、紐体9の長さ方向の任意の位置に取り付けられる留め具として機能する。
【0018】
以下、ベース部材10に対するスライド部材20の移動方向をX方向(第1方向)とし、X方向に直交する方向であって、スライド部材20の後述する第1壁部12Aおよび第2壁部12Bの対向方向をY方向(第2方向)とする。また、X方向およびY方向のそれぞれに直交する方向をZ方向(第3方向)とする。
【0019】
(ベース部材10の構成)
図2に示すように、ベース部材10は、ベース本体部11と、ベース本体部11から延びるように形成された一対の舌部15とを備える。このベース部材10は、例えば合成樹脂によって一体成形されている。
【0020】
ベース本体部11は、第1壁部12A、第2壁部12B、後壁部13および底壁部14を有しており、これらに囲われる空間である収容空間Sを形成する。この収容空間Sには、スライド部材20の後述するスライド本体部21がX方向に移動可能に収容される(
図1参照)。
以下、第1壁部12Aおよび第2壁部12Bを単に壁部12A,12Bと称する場合がある。なお、本実施形態において、壁部12A,12Bは、XZ平面に対して対称となる構成を有する。以下の説明では、壁部12A,12Bの互いに対応する構成について、同様の符号を利用する。
【0021】
壁部12A,12Bは、略板形状に形成され、Y方向に収容空間Sを挟んで互いに対向配置される。また、壁部12A,12Bのそれぞれは、Y方向内側に面する内面部121と、Y方向外側に面する外面部122と、+X方向に面する第1側面部123と、+Z方向に面する第2側面部124と、第1側面部123と第2側面部124との間を接続する角部125とを有する。角部125は、例えば丸みを帯びたR形状を有する。
なお、壁部12A,12Bの各第1側面部123は、Y方向外側に向かうほど+X方向に向かうように、Y方向に対して傾斜している。
【0022】
壁部12A,12Bのそれぞれには、第1紐通し孔126が設けられている。第1壁部12Aの第1紐通し孔126と、第2壁部12Bの第1紐通し孔126とは、Y方向に対向配置されている。また、各第1紐通し孔126は、壁部12A,12Bの各内面部121に開口する開口部126Aを形成している。
【0023】
図4に示すように、第1紐通し孔126の孔断面の形状(例えば開口部126Aの形状)は、少なくとも+X方向側に縁部126Eを形成するものであれよい。例えば、本実施形態の第1紐通し孔126は、壁部12A,12Bの-Z方向側の端部から切り込まれたスリット形状を有する。このスリット形状は、例えば成形用の抜き孔を含む。
壁部12A,12Bの各第1紐通し孔126には、紐体9がY方向に挿通可能である(例えば
図5参照)。
【0024】
また、
図2に示すように、壁部12A,12Bの各内面部121には、Y方向内側に突出した形状の凸部127が設けられている。この凸部127は、第1側面部123および第2側面部124のそれぞれに沿って形成されており、後述するスライド本体部21が収容空間Sから脱落することを防止する。
【0025】
後壁部13は、壁部12A,12Bの-X方向側の各端部に接続されており、収容空間Sに対してX方向に面している。後壁部13は、壁部12A,12Bを連結することで、ベース部材10の強度を補強している。
底壁部14は、壁部12A,12Bおよび後壁部13の-Z方向側の各端部に接続されており、収容空間Sに対してZ方向に面している。なお、底壁部14には、成形のための抜き孔が形成されていてもよい。
【0026】
一対の舌部15は、ベース本体部11の-Z方向側の端部からX方向の両側に延びるように形成されている。各舌部15は、例えば縫製によって、他の部品(例えば布製品など)に固定可能である。
【0027】
(スライド部材20の構成)
図3に示すように、スライド部材20は、スライド本体部21と、スライド本体部21に接続されたタブ部22とを備える。このスライド部材20は、例えば合成樹脂によって一体成形されている。
【0028】
スライド本体部21は、Y方向に沿って配置される略円筒形状を有している。すなわち、スライド本体部21は、中心軸に沿った貫通孔である第2紐通し孔211が形成された円柱形状を有しており、当該中心軸はY方向に沿って配置される。ここで、第2紐通し孔211は、スライド本体部21においてY方向の互いに反対側に開口する一対の開口部211Aを形成している。
第2紐通し孔211の孔断面の形状は、例えば円形である。また、第2紐通し孔211には、紐体9がY方向に挿通可能である(例えば
図5参照)。
【0029】
スライド本体部21は、ベース本体部11の収容空間Sに配置され、収容空間S内をX方向に移動可能である。
ここで、スライド本体部21の一対の開口部211Aは、第1壁部12Aの開口部126Aと、第2壁部12Bの開口部126Aとにそれぞれ対向する。これにより、スライド本体部21の第2紐通し孔211は、第1壁部12Aの第1紐通し孔126と、第2壁部12Bの第1紐通し孔126とにそれぞれY方向に対向し、互いに連通する。
また、スライド本体部21の開口部211Aと第1壁部12A(または第2壁部12B)の開口部126Aとの対向面積、すなわち、第1紐通し孔126と第2紐通し孔211との対向面積は、スライド部材20のX方向の移動に伴って変化する。
本実施形態では、
図4、
図5および
図6下段に示すように、スライド本体部21が収容空間Sの+X方向側端部に位置するとき(すなわち、スライド部材20が保持位置に位置するとき)、第1紐通し孔126と第2紐通し孔211との対向面積が所定の第1面積となる。また、
図6上段に示すように、スライド本体部21が収容空間Sの-X方向側端部に位置するとき(すなわち、スライド部材20が保持解除位置に位置するとき)、当該対向面積が第1面積よりも大きい所定の第2面積となる。
なお、所定の第1面積は、紐体9の断面積よりも小さいことが好ましく、所定の第2面積は、紐体9の断面積と同等または当該断面積よりも大きいことが好ましい。例えば、スライド本体部21が保持位置に位置するときの対向面積(第2面積)は、第2紐通し孔211の孔断面積に等しく、スライド本体部21が保持位置に位置するときの対向面積(第1面積)は、第2面積の5~20%の割合になる(
図7の領域A参照)。
【0030】
図3に示すように、タブ部22は、スライド本体部21から一方向に延出した延出部221と、延出部221に設けられた係合片部222と、係合片部222に設けられた操作片部223と、を備える。
【0031】
延出部221は、スライド本体部21からスライド本体部21の外周の接線方向に延びており、収容空間S内に配置されるスライド本体部21と、収容空間S外に配置される係合片部222との間を接続する(
図4参照)。
係合片部222は、略板形状に形成され、延出部221の延出方向に交差するように配置される。また、係合片部222は、スライド本体部21側に面した係合面224を有する。
【0032】
図5に示すように、係合面224のY方向寸法は、スライド本体部21のY方向寸法よりも大きく、延出部221は、係合面224のY方向の中央部に接続されている。また、係合面224は、Y方向外側に向かうほど+X方向に向かうように湾曲して形成されており、壁部12A,12Bの第1側面部123による凹形状に嵌合可能である。
【0033】
図3に示すように、操作片部223は、係合片部222に設けられ、延出部221の延出方向と同方向に突出した形状を有する。この操作片部223は、コードストッパ1に対する使用者の操作を受ける部位として機能する。
【0034】
本実施形態において、スライド部材20は、第2紐通し孔211の中心軸を回転軸線Lとして一体的に回動可能である。具体的には、スライド本体部21は、保持解除位置と保持位置との間を移動すると共に回動可能であり、タブ部22は、スライド本体部21と一体に回動し、ベース部材10に対する姿勢を変化させる。また、スライド部材20は、スライド本体部21が保持解除位置に位置した状態のまま回動することも可能である。
ここで、タブ部22は、ベース部材10に対してX方向に当接して係合する係合姿勢(
図6下段参照)と、ベース部材10に対するX方向の係合を解除する係合解除姿勢(
図6上段参照)と間で回動可能である。タブ部22が係合姿勢に配置された状態では、係合片部222の係合面224が壁部12A,12Bの各第1側面部123に対してX方向に当接する。タブ部22が係合解除姿勢に配置された状態では、係合片部222の係合面224が壁部12A,12Bの各第2側面部124に対してZ方向に当接する。
【0035】
(コードストッパ1の使用方法)
次に、コードストッパ1の使用方法について、
図5~
図7を参照して説明する。
なお、紐体9は、壁部12A,12Bの各第1紐通し孔126と、スライド本体部21の第2紐通し孔211とをそれぞれY方向に挿通しているものとする。
【0036】
図6上段は、スライド本体部21が保持解除位置に配置され、コードストッパ1が紐体9の保持を解除した状態を示している。このとき、紐体9は、第1紐通し孔126内および第2紐通し孔211内をY方向に自由に移動可能である。また、このとき、タブ部22は、係合解除姿勢に配置され、係合面224は、第2側面部124に対してZ方向に当接する。これにより、スライド部材20の姿勢が維持されている。
【0037】
図6の上段に示す状態において、使用者は、紐体9を引っ張る片手操作などにより、紐体9におけるコードストッパ1の相対位置を調整することができる。そして、使用者は、紐体9におけるコードストッパ1の相対位置を決定した後、操作片部223を片手操作などによって操作し、スライド部材20を+X方向に移動させつつ一方向に回動させることができる。これにより、スライド本体部21は保持解除位置から保持位置へ移動し、タブ部22は、係合解除姿勢から係合姿勢へ向かって回動する。
なお、本実施形態では、X方向のうちの+X方向が「係合方向」に相当し、-X方向が「解除方向」に相当する。
【0038】
図6の中段は、スライド部材20の回動途中の様子を示している。具体的には、
図7に示すように、スライド本体部21が保持位置に位置した状態で、タブ部22は、係合片部222が角部125を乗り越えるように回動し、係合姿勢に配置される。このとき、係合片部222は、使用者からの力を受けて若干の弾性変形を生じさせることで、角部125を乗り越えることができる。
【0039】
図6の下段は、スライド部材20が保持位置に配置され、コードストッパ1が紐体9を保持した状態を示している。このとき、紐体9は、スライド本体部21と各壁部12A,12Bとの間に挟まれ、剪断力を受ける。具体的には、
図5に示すように、紐体9は、スライド本体部21と第1壁部12Aとの間に挟まれ、かつ、スライド本体部21と第2壁部12Bとの間に挟まれる。すなわち、コードストッパ1は、紐体9の2か所を挟むことで、紐体9を保持する。また、このとき、タブ部22は、係合姿勢に配置され、係合面224は、壁部12A,12Bの各第1側面部123に対してX方向に当接して係合する。これにより、スライド部材20の姿勢が維持されると共に、スライド部材20のX方向の移動が規制される。
【0040】
その後、コードストッパ1による紐体9の保持を解除させる場合、使用者は、操作片部223を操作することで、スライド部材20を他方向に回動させつつ、-X方向に移動させればよい。これにより、タブ部22は、係合姿勢から係合解除姿勢へ回動し、スライド本体部21は、保持位置から保持解除位置へ移動する。
【0041】
(第1実施形態の効果)
以上の第1実施形態のコードストッパ1によれば、バネを使用せずに紐体9を保持できるため、保持力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のコードストッパ1において、使用者は、紐体9の保持を解除させる操作を一度行えば、継続的な力を加えずとも、紐体9の保持を解除した状態を維持させることができる。このため、使用者の操作負担を低減することができる。
また、本実施形態のコードストッパ1では、紐体9が2か所で挟まれるため、紐体9を強固に保持することができる。
また、本実施形態のコードストッパ1では、タブ部22がベース部材10に対してX方向に当接して係合するため、タブ部22とベース部材10との係合のための構成が簡易である。
また、本実施形態のコードストッパ1では、タブ部22の姿勢を切り替える際、タブ部22が角部125を乗り越えるための使用者の操作力が必要であるため、紐体9の保持が使用者の意図なしに解除されることを抑制できる。
また、本実施形態のコードストッパ1では、スライド本体部21およびタブ部22が一体に形成されるため、スライド部材20の形成が容易である。
【0042】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について
図8~
図10を参照して説明する。
本実施形態のコードストッパ1Aは、2本の紐体(
図9,
図10の第1紐体9A,第2紐体9B)を挟持可能に構成されており、主に、スライド部材20Aの構成が第1実施形態と異なる。なお、以降の説明にあたり、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
【0043】
本実施形態のスライド部材20Aは、第1実施形態と同様、スライド本体部21Aと、スライド本体部21Aに接続されたタブ部22Aと、を備える。
ここで、
図8に示すように、スライド部材20Aにおける第2紐通し孔211は、スライド本体部21AをY方向に貫通するだけでなく、スライド本体部21Aの側面を貫通する方向にも延びている。換言すると、第2紐通し孔211は、スライド本体部21Aの側面を貫通する横穴212を含む。
また、タブ部22Aには、第2紐通し孔211の横穴212と外部とを連通する引出穴25がさらに設けられている。この引出穴25は、具体的には、延出部221および係合片部222に形成されている。
なお、タブ部22Aが係合姿勢に配置された状態において、引出穴25はX方向に沿って配置され(
図9参照)、タブ部22Aが係合解除姿勢に配置された状態において、引出穴25はZ方向に沿って配置される(
図10参照)。
【0044】
本実施形態のコードストッパ1Aは、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bのそれぞれに対して、
図9,
図10に示すように取り付けられる。具体的には、第1紐体9Aは、壁部12Aの第1紐通し孔126を挿通しつつ、スライド本体部21Aの第2紐通し孔211の一方の開口から引出穴25を挿通する。同様に、第2紐体9Bは、壁部12Bの第1紐通し孔126を挿通しつつ、スライド本体部21Aの第2紐通し孔211の他方の開口から引出穴25を挿通する。
【0045】
本実施形態のコードストッパ1Aは、第1壁部12Aとスライド本体部21Aとの間に第1紐体9Aを挟持し、第2壁部12Bとスライド本体部21Aとの間に第2紐体9Bを挟持することができる。
本実施形態のコードストッパ1Aは、第1実施形態と同様の動作により、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bの保持および保持解除を行うことができ、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0046】
また、本実施形態では、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bのそれぞれを、コードストッパ1Aによって90°曲げて引き出す使用形態が可能である。
また、使用者は、操作片部223ではなく、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bを把持して引く動作により、スライド部材20Aを90°回転させることができる。
なお、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bは、別体ではなく、一本の紐の互いに異なる部位であってもよい。
【0047】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について
図11および
図12を参照して説明する。
図11および
図12に示すように、本実施形態のコードストッパ1Bは、2本の紐体(
図12中の第1紐体9Aおよび第2紐体9B)を挟持可能に構成されており、ベース部材10Bおよびスライド部材20Bの各構成が第1実施形態と異なる。なお、以降の説明にあたり、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
【0048】
本実施形態のベース部材10Bにおいて、ベース本体部11Bは、第1壁部12C、第2壁部12Dおよび底壁部14を有しており、これらに囲われる空間である収容空間Sを形成する。
なお、本実施形態では、第1実施形態の後壁部が省略されている。第1壁部12Cおよび第2壁部12Dの各内面部121に設けられた凸部127Bは、各内面部121の-X方向側の縁部に沿って配置され、スライド本体部21Bの脱落を防止する。
以下、第1壁部12Cおよび第2壁部12Dを単に壁部12C,12Dと称する場合がある。本実施形態では、壁部12C,12Dは、XZ平面に対して対称となる構成を有する。以下の説明では、壁部12C,12Dの互いに対応する構成について、同様の符号を利用する。
【0049】
壁部12Cには、2つの第1紐通し孔128,129がX方向に異なる位置に設けられている。同様に、壁部12Dには、2つの第1紐通し孔128,129がX方向に異なる位置に設けられている。
第1壁部12Cの第1紐通し孔128と、第2壁部12Dの第1紐通し孔128とは、Y方向に対向配置される。また、第1壁部12Cの第1紐通し孔129と、第2壁部12Dの第1紐通し孔129とは、Y方向に対向配置されている。
ここで、第1紐通し孔128は、壁部12A,12Bの内面部121に開口する開口部128Aを形成しており、第1紐通し孔129は、壁部12A,12Bの内面部121に開口する開口部129Aを形成している。
【0050】
本実施形態のスライド部材20Bは、スライド本体部21Bと、スライド本体部21Bに回転可能に軸支されるタブ部22Bとを備える。スライド本体部21Bおよびタブ部22Bは、互いに別体として形成されている。
【0051】
スライド本体部21Bの形状は、第1実施形態とは異なる。具体的には、スライド本体部21Bは、2つの第2紐通し孔213,214がX方向に異なる位置に設けられたブロック形状を有する。
ここで、第2紐通し孔213は、スライド本体部21BをY方向に貫通しており、スライド本体部21BのY方向両側に開口する一対の開口部(図示省略)を形成している。同様に、第2紐通し孔214は、スライド本体部21BをY方向に貫通しており、スライド本体部21BのY方向両側に開口する一対の開口部(図示省略)を形成している。
なお、スライド本体部21Bにおける第2紐通し孔213,214は、壁部12A,12Bの各第1紐通し孔128,129に対応して設けられる。
【0052】
スライド本体部21Bは、ベース本体部11Bの収容空間Sに配置され、収容空間S内をX方向に移動可能である。
ここで、スライド本体部21Bの第2紐通し孔213の一対の開口部は、第1壁部12Cの開口部128Aと、第2壁部12Dの開口部128Aとにそれぞれ対向する。これにより、スライド本体部21Bの第2紐通し孔213は、第1壁部12Cの第1紐通し孔128と第2壁部12Dの第1紐通し孔128とにそれぞれにY方向に対向し、互いに連通する。
同様に、スライド本体部21Bの第2紐通し孔213の一対の開口部は、第1壁部12Cの開口部129Aと、第2壁部12Dの開口部129Aとにそれぞれ対向する。これにより、スライド本体部21Bの第2紐通し孔214は、第1壁部12Cの第1紐通し孔129と第2壁部12Dの第1紐通し孔129とにそれぞれにY方向に対向し、互いに連通する。
また、第1実施形態と同様、第1紐通し孔128と第2紐通し孔213との対向面積、および、第1紐通し孔129と第2紐通し孔214との対向面積は、スライド本体部21BのX方向の移動に伴って変化する。
本実施形態では、スライド本体部21Bが収容空間Sの+X方向側端部に位置するとき(スライド部材20Bが保持位置に位置するとき)、第1紐通し孔128と第2紐通し孔213との対向面積、および、第1紐通し孔129と第2紐通し孔214との対向面積が、それぞれ、所定の第1面積となる(
図12上段参照)。また、スライド本体部21が収容空間Sの-X方向側端部に位置するとき(スライド部材20Bが保持解除位置に位置するとき)、各対向面積が第1面積よりも大きい所定の第2面積となる(
図12下段参照)。
なお、上述の第1面積および第2面積は、第1実施形態と同様に設定できる。
【0053】
タブ部22Bは、スライド本体部21Bにより回転可能に支持される延出部221Bと、延出部221Bを介してスライド本体部21Bに接続された係合片部222と、係合片部222に設けられた操作片部223と、を備える。延出部221B、係合片部222および操作片部223は、一体的に形成されている。
【0054】
スライド本体部21Bによる延出部221Bの回転支持構造は、特に限定されない。例えば、
図12において、スライド本体部21Bは、軸受部215を有し、延出部221Bは、軸受部215に回転可能に支持される軸部225を有する。あるいは、スライド本体部21Bは、軸部を有し、延出部221Bは、当該軸部を回転可能に支持する軸受部を有してもよい。
【0055】
本実施形態のコードストッパ1Bは、第1実施形態とほぼ同様の動作を行う。
例えば、
図12に示すように、本実施形態のコードストッパ1Bでは、第1紐体9Aが、壁部12C,12Dの各第1紐通し孔128、および、スライド本体部21Bの第2紐通し孔213をそれぞれY方向に挿通し、第2紐体9Bが、壁部12C,12Dの各第1紐通し孔129、および、スライド本体部21Bの第2紐通し孔214をそれぞれY方向に挿通する。そして、スライド部材20Bが+X方向に移動することで保持解除位置から保持位置に移動すると共に、タブ部22Bは、回転軸線を規定する軸部225を中心として係合解除姿勢から係合姿勢に回動する。これにより、コードストッパ1Bは、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bをそれぞれ保持する。
なお、タブ部22Bが係合解除姿勢に配置された状態において、係合面224は、ベース本体部11の第2側面部124に当接せずともよい。
【0056】
以上の本実施形態のコードストッパ1Bは、第1実施形態と同様、バネを使用しない動作が可能であり、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態では、紐体9Aおよび第2紐体9Bをそれぞれ保持することができる。
なお、第1紐体9Aおよび第2紐体9Bは、別体ではなく、一本の紐のうちの異なる部位であってもよい。
また、上記第3実施形態では、ベース本体部11Bの各壁部12A,12Bにおいて、第1紐通し孔128,129がX方向に異なる位置に設けられているが、Y方向に異なる位置に設けられてもよい。この場合、スライド本体部21Bにおける第2紐通し孔213,214は、第1紐通し孔128,129に対応するように、Y方向に異なる位置に設けられてもよい。
【0057】
[変形例]
前記各実施形態において、ベース部材10およびスライド部材20の各構成は、任意に変更可能である。なお、以下では、主に、第1実施形態の変形例を説明するが、同様の変形例は、第2,第3実施形態においても適用可能である。
【0058】
前記第1実施形態において、ベース部材10における一対の舌部15は省略されてもよい。この場合、コードストッパ1は、他の部品(例えば布製品など)に固定されずともよい。
【0059】
前記第1実施形態では、スライド本体部21が保持解除位置に配置された状態において、第2紐通し孔211の開口部211Aの全部が第1紐通し孔126の開口部126Aに対向配置されるが、第2紐通し孔211の開口部211Aの一部が第1紐通し孔126の開口部126Aに対向配置されてもよい。この場合の対向面積は、少なくとも紐体9が移動可能な程度であることが好ましい。
【0060】
前記第1実施形態では、タブ部22が係合解除姿勢に配置された状態において、係合面224がベース部材10の第2側面部124に当接するが、本発明はこれに限られない。
例えば、係合面224が単に第1側面部123から離間した状態を係合解除姿勢としてもよい。この場合、タブ部22が係合姿勢と係合解除姿勢との間で回動する角度は90°未満であってもよい。
あるいは、後壁部13が省略されたベース部材10において、係合面224は、壁部12A,12Bの-X方向に面する側面部に当接してもよい。この場合、タブ部22は、壁部12Aに係合姿勢と係合解除姿勢との間で180°回動してもよい。
【0061】
前記第1実施形態において、タブ部22は、壁部12A,12Bの両方に対してX方向に係合可能に構成されているが、壁部12A,12Bのいずれか一方に対してX方向に係合可能に構成されてもよい。
【0062】
前記第1実施形態において、コードストッパ1は、紐体9がスライド本体部21と壁部12Aとの間、および、スライド本体部21と壁部12Bとの間のそれぞれで挟持されるように構成されているが、いずれか一方で挟持されるように構成されてもよい。例えば、壁部12A,12Bのいずいれか一方の第1紐通し孔126は、X方向に長さを有する長孔として形成されてもよい。
また、第2実施形態の変形例として、壁部12Aまたは壁部12Bのいずれか一方には、第1紐通し孔126が形成されていなくてもよい。
【0063】
前記第1実施形態において、壁部12Aの第1紐通し孔126は、壁部12AをY方向に貫通しており、壁部12Bの第1紐通し孔126は、壁部12BをY方向に貫通しているが、本発明はこれに限られない。また、前記第1実施形態において、第2紐通し孔211は、スライド本体部21をY方向に貫通しているが、本発明はこれに限られない。
すなわち、前記第1実施形態では、第1紐通し孔126の開口部126Aと、第2紐通し孔211とが対向可能であれば、第1紐通し孔126と第2紐通し孔211とがY方向に対向可能である。このため、第1紐通し孔126および第2紐通し孔211のそれぞれの延伸方向は、Y方向であることに限定されず、任意の方向に延びていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B…コードストッパ、10,10B…ベース部材、11,11B…ベース本体部、12A,12C…第1壁部、12B,12D…第2壁部、121…内面部、122…外面部、123…第1側面部、124…第2側面部、125…角部、126,128,129…第1紐通し孔、126A,128A,129A…開口部、126E…縁部、127,127B…凸部、13…後壁部、14…底壁部、15…舌部、20,20A,20B…スライド部材、21,21A,21B…スライド本体部、211,213,214…第2紐通し孔、211A…開口部、215…軸受部、22,22A,22B…タブ部、221,221B…延出部、222…係合片部、223…操作片部、224…係合面、225…軸部、25…引出穴、9…紐体、9A…第1紐体、9B…第2紐体、S…収容空間。