(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法、操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法、装置、ならびに操舵装置
(51)【国際特許分類】
B62D 6/00 20060101AFI20241127BHJP
F16H 61/435 20100101ALI20241127BHJP
B62D 5/065 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B62D6/00
F16H61/435
B62D5/065 B
(21)【出願番号】P 2023549897
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022051753
(87)【国際公開番号】W WO2022175038
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102021103816.2
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ミラー
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-101937(JP,A)
【文献】特開2013-216232(JP,A)
【文献】特開2013-132961(JP,A)
【文献】特開2007-237952(JP,A)
【文献】実開昭58-092176(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0218965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 6/00
F16H 61/435
B62D 5/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵装置(102)のポンプ装置(104)の電気モータ(118)を駆動制御する方法(400)であって、前記方法(400)が、
前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の現時点での回転角(α)と、前記電気モータ(118)の回転角(α)に依存した、前記ポンプ装置(104)の出力圧力(p1,p2)の関係および/または前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の回転数(n)の関係を表現する補正値(202)とを読み込むステップ(402)と、
前記補正値(202)を使用して前記電気モータ(118)へ駆動制御信号(204)を出力するステップ(404)と
を含
み、
前記読み込むステップ(402)において前記補正値(202)が読み込まれ、前記補正値(202)の算定のために、前記電気モータ(118)の回転角(α)に依存した前記ポンプ装置(104)の出力圧力(p1,p2)が、前記電気モータ(118)の回転角(α)に依存した前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の回転数(n)に結合される、方法(400)。
【請求項2】
前記読み込むステップ(402)において、前記電気モータ(118)および/または前記ポンプ装置(104)のポンプ(112)の回転方向に依存する補正値(202)が読み込まれる、請求項1記載の方法(400)。
【請求項3】
前記出力するステップ(404)において、前記駆動制御信号(204)は、前記電気モータ(118)の現時点での回転数(n)および/または前記電気モータ(118)の目標回転数(209)を使用して出力される、請求項
1または2記載の方法(400)。
【請求項4】
前記読み込むステップ(402)において、さらに、少なくとも前記ポンプ装置(104)からの現時点での出力圧力(p1,p2)および/または少なくとも前記電気モータ(118)の現時点での回転数(n)が読み込まれ、
特に後続の読み込むステップ(402)への供給のために、算定および記憶するステップ(406)において、少なくとも前記ポンプ装置(104)からの現時点での出力圧力(p1,p2)および/または前記電気モータ(118)の現時点での回転数(n)を使用して決定される補正値(202)が算定および記憶される、
請求項
3記載の方法(400)。
【請求項5】
前記読み込むステップ(402)において、前記ポンプ装置(104)からの複数の出力圧力値(208)および/または前記電気モータ(118)の複数の回転数値(207)が読み込まれ、
前記算定するステップ(406)において、前記補正値(202)が、前記
出力圧力値(208)および/または前記電気モータ(118)の複数の回転数値(207)の平均化および/またはローパスフィルタリングを使用して算定される、
請求項
4記載の方法(400)。
【請求項6】
前記読み込むステップ(402)において、少なくとも1つの特性マップ(210)から決定された補正値(202)が読み込まれ、前記特性マップ(210)では、前記電気モータ(118)の複数の回転角(α)に依存した、前記ポンプ装置(104)の出力圧力(p1,p2)の関係および/または前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の回転数(n)の関係がマッピングされている、請求項1から
5までのいずれか1項記載の方法(400)。
【請求項7】
操舵装置(102)のポンプ装置(104)の回転数(n)の変動および/または出力圧力(p1,p2)の変動を補正するための補正値(202)を提供する方法(500)であって、前記方法(500)が、
前記ポンプ装置(104)
の電気モータ(118)の回転角(α)と、前記回転角(α)に対応付けられた、前記ポンプ装置(104)からの少なくとも1つの出力圧力(p1,p2)および/または前記回転角(α)に対応付けられた前記電気モータ(118)の少なくとも1つの回転数(n)とを読み込むステップ(502)と、
少なくとも前記回転角(α)に対応付けられた圧力(p1,p2)および/または前記回転角(α)に対応付けられた前記電気モータ(18)の回転数(n)を使用して決定される補正値(202)を算定および記憶するステップ(504)と
を含
み、
前記算定するステップ(504)において、前記電気モータ(118)の回転角(α)に依存した前記ポンプ装置(104)の出力圧力(p1,p2)が、前記電気モータ(118)の回転角(α)に依存した前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の回転数(n)に結合される、方法(500)。
【請求項8】
前記読み込むステップ(502)において、それぞれ1つの回転角(α)に対応付けられた前記電気モータ(118)の複数の圧力値および/またはそれぞれ1つの回転角(α)に対応付けられた前記電気モータ(118)の複数の回転数値が読み込まれ、
前記算定するステップ(504)において、前記補正値(202)が、それぞれの回転角(α)に対応付けられた圧力値および/またはそれぞれの回転角(α)に対応付けられた前記電気モータ(118)の回転数値の平均化および/またはローパスフィルタリングを使用して算定される、
請求項
7記載の方法(500)。
【請求項9】
前記算定するステップ(504)において、少なくとも1つの特性マップ(210)が決定され、前記特性マップ(210)では、前記補正値(202)が、前記電気モータ(118)のそれぞれ1つの回転角(α)に依存した、前記ポンプ装置(104)の出力圧力(p1,p2)の関係および/または前記ポンプ装置(104)の前記電気モータ(118)の回転数(n)の関係としてマッピングされている、
請求項
7または8記載の方法(500)。
【請求項10】
装置(200)であって、請求項1から
6まで
のいずれか1項記載の方法(400)または
7から9まで
のいずれか1項記載の方法
(500)のうちの1つの方法のステップ(402,404,406;502,504)を対応するユニットにおいて実行するかつ/または駆動制御するように構成されている、装置(200)。
【請求項11】
請求項1から
6まで
のいずれか1項記載の方法(400)または
7から9まで
のいずれか1項記載の方法
(500)のうちの1つの方法を実行するためにかつ/または制御するために構成されたコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項
11記載のコンピュータプログラムを記憶した機械可読記憶媒体。
【請求項13】
車両(100)用の操舵装置(102)であって、以下の特徴、すなわち、
作業媒体を第1の出力ポート(114)または代替的に第2の出力ポート(116)へ圧送するポンプ(112)と、前記ポンプ(112)を駆動する電気モータ(118)と、前記第1の出力ポート(114)および前記第2の出力ポート(116)が貫通案内されかつ前記ポンプ(112)および前記電気モータ(118)の周囲に配置されたハウジングとを有する、ポンプ装置(104)と、
ステアリングホイールに結合可能な入力軸(120)と、ピットマンアーム(122)に結合可能な出力軸(124)と、前記入力軸(120)から前記出力軸(124)へトルクを伝達するために第1の方向(126)および第2の方向(128)で運動可能な伝動装置要素(130)と、第1の作業媒体ポート(132)および第2の作業媒体ポート(134)とを備えた、伝動装置(106)であって、ここで、前記第1の作業媒体ポート(132)は、作業媒体を使用して前記伝動装置要素(130)を前記第1の方向(126)へ運動させるために前記第1の出力ポート(114)に接続されており、前記第2の作業媒体ポート(134)は、作業媒体を使用して前記伝動装置要素(130)を前記第2の方向(128)へ運動させるために前記第2の出力ポート(116)に接続されている、伝動装置(106)と、
前記操舵装置(102)の前記電気モータ(118)を動作させるために、前記電気モータ(118)にモータ信号(140)を供給するように、請求項
10記載の装置(200)として構成された制御装置(110)と
を備える、操舵装置(102)。
【請求項14】
前記操舵装置(102)が、前記第1の出力ポート(114)と前記第2の出力ポート(116)との間に接続された弁(108)を備えている、請求項
13記載の操舵装置(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アプローチは、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法、操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法、装置、ならびに操舵装置に関する。
【0002】
車両の操舵システム、特に中型商用車および大型商用車での操舵支援装置とも称される前車軸操舵システムにおいては、例えばボール循環式操舵伝動装置が、外部の一方向液圧ポンプによって動作可能である。ポンプと操舵伝動装置との間の接続は例えば外部の配管によって行うことができる。付加的に、外部のオイルリザーバが補償容器として要求されることもある。したがって、このような操舵システムの個々のコンポーネントを車両内に分散配置することができる。
【0003】
独国実用新案第202019101522号明細書には、車両用、特に商用車用の対応する操舵支援装置が開示されている。
【0004】
このような背景から、本アプローチの課題は、改善された操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法、改善された操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法、改善された装置、ならびに改善された操舵装置を提供することである。
【0005】
この課題は、方法請求項1または8のうちの1つの特徴を有する方法、請求項11記載の装置、請求項12記載のコンピュータプログラム、および請求項14記載の操舵装置により解決される。
【0006】
本アプローチによって達成することのできる利点とは、操舵装置における残留トルクが阻止されるまたは少なくとも最小化されることである。
【0007】
この目的のために、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法であって、読み込むステップと出力するステップとを含む方法が提示される。読み込むステップでは、ポンプ装置の電気モータの現時点での回転角と、電気モータの回転角に依存した、ポンプ装置の出力圧力の関係および付加的にもしくは代替的にポンプ装置の電気モータの回転数の関係を表現する補正値とが読み込まれる。出力するステップでは、補正値を使用して駆動制御信号が電気モータへ出力される。
【0008】
当該方法は、例えば商用車において使用可能な操舵装置のポンプ装置において使用可能である。ここで、操舵装置は、車両の運転者の操舵運動を支援するように構成されている。出力圧力は、例えばポンプ装置のポンプによって圧送される流体または作業媒体の圧力値、例えば液圧オイルの圧力値を表すことができる。回転角は、例えば、電気モータが回転する角度を表すことができる。電気モータは、例えば、ポンプ装置のポンプを駆動するように構成可能である。補正値によって、偏差がある場合に、例えば電気モータの回転数を、有利には電気モータの均一な動作が可能となるように適応化することができる。
【0009】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて、電気モータおよび付加的にもしくは代替的にポンプの回転方向に依存する補正値を読み込むことができる。回転方向は例えば時計回りまたは反時計回りに延在可能であり、これにより、ポンプも例えば流体を相応に圧送することができる。
【0010】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて補正値を読み込むことができ、当該補正値の算定のために、電気モータの回転角に依存したポンプ装置の圧力が、電気モータの回転角に依存したポンプ装置の電気モータの回転数に結合される。有利には、これにより、回転数の変動が回避されるかまたは少なくとも低減されるように、電気モータを駆動制御することができる。
【0011】
一実施形態によれば、出力するステップにおいて、駆動制御信号を、電気モータの現時点での回転数および付加的にもしくは代替的に電気モータの目標回転数を使用して出力することができる。有利には、目標回転数への到達のため、例えば均一な動作のために、電気モータが例えばより強くまたは代替的により弱く通電されるよう、電気モータを駆動制御することができる。
【0012】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて、さらに、少なくともポンプ装置からの現時点での出力圧力および付加的にもしくは代替的に少なくとも電気モータの現時点での回転数を読み込むことができる。特に後続の読み込むステップへの供給のために、算定および記憶するステップにおいて、少なくともポンプ装置からの現時点での出力圧力および付加的にもしくは代替的に電気モータの現時点での回転数を使用して決定される補正値を算定および記憶することができる。これにより、有利には、モータの回転数の閉ループ制御または開ループ制御を、使用環境に合わせて動的に適応化することができる。
【0013】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて、ポンプ装置からの複数の出力圧力値および付加的にもしくは代替的に電気モータの複数の回転数値を読み込むことができる。算定するステップにおいて、補正値が、圧力値および付加的にもしくは代替的に電気モータの複数の回転数値の平均化および付加的にもしくは代替的にローパスフィルタリングを使用して算定可能である。有利には、これにより、ポンプ装置のポンプの、回転角に依存する摩擦を低減することができる。
【0014】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて、少なくとも1つの特性マップから決定された補正値を読み込むことができ、当該特性マップでは、電気モータの複数の回転角に依存した、ポンプ装置の出力圧力の関係および付加的にもしくは代替的にポンプ装置の電気モータの回転数の関係がマッピングされている。このことは、有利には、ポンプ装置の出力圧力間の有利な関係および/またはモータもしくは電気モータの回転数間の有利な関係をマッピングした少なくとも1つの特性マップが格納されていることを意味している。
【0015】
さらに、操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および付加的にもしくは代替的に出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法が提示され、ここで、当該方法は、読み込むステップと算定するステップとを含む。読み込むステップでは、ポンプ装置の電気モータの回転角と、回転角に対応付けられたポンプ装置からの少なくとも1つの出力圧力および付加的にもしくは代替的に回転角に対応付けられた電気モータの少なくとも1つの回転数とが読み込まれる。算定および記憶するステップでは、少なくとも回転角に対応付けられた圧力および付加的にもしくは代替的に回転角に対応付けられた電気モータの回転数を使用して決定される補正値が算定される。
【0016】
当該方法は、例えば、有利には上述した変形形態のうちの1つの電気モータを駆動制御する方法において基礎として用いることのできる必要なデータを商用車において使用可能な操舵装置のポンプ装置に供給するために実行することができる。
【0017】
一実施形態によれば、読み込むステップにおいて、電気モータの、それぞれ1つの回転角に対応付けられた複数の圧力値および付加的にもしくは代替的にそれぞれ1つの回転角に対応付けられた複数の回転数値を読み込むことができる。この場合、算定するステップにおいて、補正値が、それぞれの回転角に対応付けられた圧力値および付加的にもしくは代替的にそれぞれの回転角に対応付けられた電気モータの回転数値の平均化および付加的にもしくは代替的にローパスフィルタリングを使用して算定可能となる。平均化は、例えば、電気モータの動作中に補正値を動的に適応化するための開始値として使用することができる。有利には、これにより、相応の補正値を対応付けて特性マップに格納することができる。
【0018】
一実施形態によれば、算定するステップにおいて、少なくとも1つの特性マップを決定することができ、当該特性マップでは、補正値が、電気モータのそれぞれ1つの回転角に依存した、ポンプ装置の出力圧力の関係および付加的にもしくは代替的にポンプ装置の電気モータの回転数の関係としてマッピングされている。このようにすれば、有利には、出力圧力に対応してかつ付加的にもしくは代替的に回転数に対応して適用可能な複数の特性マップを決定することもできる。
【0019】
当該方法は、例えばソフトウェアもしくはハードウェアとしてまたはソフトウェアおよびハードウェアの混合形態として、例えば制御装置内に実現可能である。
【0020】
ここに提示しているアプローチはさらに、ここに提示している方法の変形形態のステップを対応する装置において実行し、制御しまたは使用するように構成された装置を提供する。装置の形態での当該アプローチの変形形態によっても、当該アプローチの基礎を成す課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
【0021】
このために、装置は、信号もしくはデータを処理する少なくとも1つの計算ユニットと、信号もしくはデータを記憶する少なくとも1つのメモリユニットと、センサからセンサ信号を読み込むためまたはアクチュエータにデータ信号もしくは制御信号を出力するためのセンサまたはアクチュエータへの少なくとも1つのインタフェースおよび/または通信プロトコル内に埋め込まれたデータを読み込むもしくは出力するための少なくとも1つの通信インタフェースとを有することができる。計算ユニットは、例えば、信号プロセッサ、マイクロコントローラなどであってよく、この場合、メモリユニットは、フラッシュメモリ、EPROM、または磁気メモリユニットであってよい。通信インタフェースは、データをワイヤレスでかつ/または有線接続にて読み込むようにまたは出力するように構成可能であり、ここで、通信インタフェースは、有線接続されたデータを読み込むことができまたは出力することができ、これらのデータは例えば電気的にもしくは光学的に、対応するデータ伝送線から読み込むことができまたは対応するデータ伝送線へ出力することができる。
【0022】
装置とは、本明細書において、センサ信号を処理し、これに応じて制御信号および/またはデータ信号を出力する電気装置または制御装置であると理解することができる。当該装置は、ハードウェアベースでかつ/またはソフトウェアベースで構成されていてよいインタフェースを有することができる。ハードウェアベースの構成では、インタフェースは、例えば、当該装置の様々な機能を含むいわゆるシステムASICの一部であってよい。なお、インタフェースを、固有の集積回路とすること、または少なくとも部分的に個別の部品から構成することも可能である。ソフトウェアベースの構成では、インタフェースは、例えば別のソフトウェアモジュールに隣接してマイクロコントローラ上に存在するソフトウェアモジュールであってよい。
【0023】
有利な構成では、当該装置により、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法の制御が行われる。このために、当該装置は、例えば、ポンプ装置の電気モータの現時点での回転角と補正値とを表現する読み込み信号などのセンサ信号と、電気モータを駆動制御するための駆動制御信号とにアクセスすることができる。駆動制御は、読み込み信号を読み込むように構成された読み込みユニットなどのアクチュエータと、駆動制御信号を出力するように構成された駆動制御ユニットとを介して行われる。
【0024】
さらに、ポンプ装置と伝動装置と制御装置とを備えた、車両用の操舵装置が提案される。ポンプ装置は、この場合、作業媒体を第1の出力ポートもしくは代替的に第2の出力ポートへ圧送するポンプと、ポンプを駆動する電気モータと、第1の出力ポートおよび第2の出力ポートが貫通案内されかつポンプおよび電気モータの周囲に配置されたハウジングとを有する。伝動装置は、ステアリングホイールに結合可能な入力軸と、ピットマンアームに結合可能な出力軸と、入力軸から出力軸へトルクを伝達するために第1の方向および第2の方向で運動可能な伝動装置要素と、第1の作業媒体ポートおよび第2の作業媒体ポートを備えており、ここで、第1の作業媒体ポートは、作業媒体を使用して伝動装置要素を第1の方向へ運動させるために第1の出力ポートに接続されており、第2の作業媒体ポートは、作業媒体を使用して伝動装置要素を第2の方向へ運動させるために第2の出力ポートに接続されている。制御装置は、操舵装置の電気モータを動作させるために、電気モータにモータ信号を提供するように構成されている。例えば、制御装置は、本明細書に提示している装置の変形形態として構成されていてよい。
【0025】
操舵装置は、例えば商用車に対して、車両の運転者の操舵運動を支援するために使用可能である。ポンプ装置は、例えば、上述した変形形態のうちの1つにおいて上記の方法のうちの1つが実行可能であるように構成可能である。さらに、ポンプ装置のポンプは、例えば歯車ポンプとして実現可能である。
【0026】
一実施形態によれば、操舵装置は、上述した変形形態において、第1の出力ポートと第2の出力ポートとの間に接続された弁を有することができる。弁は、例えば緊急状況での開放のために構成されうるバックアップ弁として実現可能である。
【0027】
本明細書に提示しているアプローチの各実施例につき、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施例による、操舵装置を備えた車両を示す概略図である。
【
図2】一実施例による、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法を実行する装置を示すブロック図である。
【
図3】一実施例による、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法を実行する装置を示すブロック図である。
【
図4】一実施例による、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施例による、操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法を示すフローチャートである。
【0029】
本アプローチの好適な実施例についての以下の説明では、複数の異なる図面に示されている同様の作用を有する要素に対して同一のもしくは同様の参照符号を使用しており、これらの要素についての繰り返しの説明は省略する。
【0030】
図1には、一実施例による、操舵装置102を備えた車両100の概略図が示されている。車両100は、例えば、主として物品を搬送するように構成された商用車として実現可能である。車両100は、数トンの重量を有することがあり、このため操舵装置102を有する。当該操舵装置102は、車両100の乗員の操舵過程、例えば車両100の運転者の操舵過程を支援するように構成されている。このために、操舵装置102は、ポンプ装置104、伝動装置106、弁108および制御装置110を有する。この場合、ポンプ装置104は、作業媒体を第1の出力ポート114または第2の出力ポート116へ圧送するポンプ112と、ポンプ112を駆動するようにここでは電気モータ118として構成されたモータと、第1の出力ポート114および第2の出力ポート116が貫通案内されかつポンプ112および電気モータ118の周囲に配置されたハウジングとを備えている。当該実施例によれば、ポンプ112は、電気モータ118と共に、1つの共通の軸上に配置されている。電気モータ118は、当該実施例によればディスクモータとして実現可能である。ポンプ112は、例えば歯車ポンプとして実現可能である。
【0031】
伝動装置106は、ステアリングホイールに結合可能な入力軸120と、ピットマンアーム122に結合可能な出力軸124とを有している。さらに、伝動装置106は、トルクを入力軸120から出力軸124へ伝達するために第1の方向126および第2の方向128で運動可能な伝動装置要素130を有している。さらに、伝動装置106は、第1の作業媒体ポート132および第2の作業媒体ポート134を含み、この場合、第1の作業媒体ポート132は、作業媒体を使用して伝動装置要素130を第1の方向126へ運動させるために第1の出力ポート114に接続されており、第2の作業媒体ポート134は、作業媒体を使用して伝動装置要素130を第2の方向128へ運動させるために第2の出力ポート116に接続されている。操舵装置102の弁108は、第1の出力ポート114と第2の出力ポート116との間に接続されている。このことは、弁108が、当該実施例により、第1の弁ポート136と第2の弁ポート138とを有していることを意味している。当該実施例によれば、第1の弁ポート136は、第1の出力ポート114と第1の作業媒体ポート132との間に配置されている。これと同様に、当該実施例によれば、第2の弁ポート138は、第2の出力ポート116と第2の作業媒体ポート134との間に配置されている。また、操舵装置102は、自身の電気モータ118を動作させるために、電気モータ118にモータ信号140を供給するように構成された制御装置110を有する。任意選択手段として、制御装置110は、操舵装置102の弁108を開放するための弁開放信号142を弁108へ供給するように、かつ/または任意選択手段として、弁108を閉鎖するための弁閉鎖信号144を弁108へ供給するように構成されている。これは、弁108が開放されているとき、電気モータ118がピットマンアーム122を運動させないことを意味する。逆に、これは、弁108が閉鎖されているとき、弁108が自身を通る作業媒体の通流を阻止し、これにより、当該実施例によれば伝動装置106により作業媒体が圧送されて、車両100の運転者が設定した操舵方向146をステアリングロッド148を介して車輪150へ伝達することを意味する。
【0032】
当該実施例によれば、入力軸120は、例えばこの入力軸120に接続可能であるかまたは接続されている、車両100のここでは図示されていないステアリングコラムから操舵装置102へトルクを導入するように形成されている。入力軸120を介して導入されるトルクは、入力トルクとも称されうる。入力軸120は、当該実施例によれば、ステアリングシステムのステアリングコラムを介して車両100のここでは図示されていないステアリングホイールに接続されているかまたは機械的に結合されている。出力軸124は、当該実施例によれば、操舵装置102からトルクを導出するように、またはトルクをピットマンアーム122へ出力するように構成されている。出力軸124を介して導出されるトルクは、出力トルクまたは出力とも称されうる。伝動装置要素130は、当該実施例によれば、トルクを入力軸120から機械的に出力軸124へ伝達するように、かつ/または入力トルクを出力トルクへ変換するように構成されている。
【0033】
制御装置110は、当該実施例によれば、任意選択手段として、閾値を下回る温度を示す温度信号152に応答して電気モータ118を駆動することができる。温度信号152は、当該実施例によれば、温度センサ154、例えば温度計から制御装置110へ供給される。温度センサ154は、当該実施例によれば、ポンプ装置104の一部として実現されているかまたは実現可能である。代替的に、温度センサ154は、車両100内の別の場所に配置することもできる。任意選択手段として、ポンプ装置104はさらに入力ポート156を有し、当該実施例によれば、ポンプ装置104は入力ポート156を介して作業媒体を貯蔵するリザーバタンク158に接続されている。
【0034】
換言すれば、車両100の操舵用途のために、操舵伝動装置とも称される操舵装置102が、双方向作業型のポンプ112、例えば液圧ポンプまたは歯車ポンプを介して駆動制御される。ポンプ112の2つのポートは従来公知の操舵伝動装置のシリンダに接続されている。電気モータ118はポンプ112に固定に接続されており、これにより電気モータ118は車両100の操舵を直接に制御する。より高い速度で車両100を正確に操舵するには、ポンプ112から流出する作業媒体が圧力の変動なくまたはオイル量の変動なく出力されることが望ましい。この場合、電気モータ118の残留トルクによる回転数変動と、回転角に依存するポンプ112の摩擦とが、当該実施例により最小化されるべきである。
【0035】
電気モータ118の残留トルクを最小化するために、これまで、例えば自然残留トルクを低減する永久磁石の形態またはモータ巻線の特別な巻線技術または特別なソフトウェアに関連した様々な方法が知られている。しかし、これらの方法によって、回転角に依存したポンプ112の摩擦を補償することはできない。
【0036】
図2には、一実施例による、操舵装置のポンプ装置104の電気モータ118を駆動制御する方法を実行する装置200のブロック図が示されている。ここに図示されているポンプ装置104は、
図1に即して説明したポンプ装置104に対応するものであってよい。この場合も、ポンプ装置104は、流体とも称される作業媒体を操舵装置を通して圧送するように構成されたポンプ112を有する。装置200は、電気モータ118の現時点での回転角αと、当該電気モータ118の回転角αに依存した、ポンプ装置104の出力圧力p1,p2の関係および/またはポンプ装置104の電気モータ118の回転数nの関係を表現する補正値202とを読み込むように構成されている。出力圧力p1,p2は、ポンプ装置104から出力される作業媒体の圧力を記述している。さらに、装置200は、補正値202を使用して、駆動制御信号204を電気モータ118へ出力するように構成されている。当該実施例によれば、出力圧力p1はポンプ112の右回転を表現しており、出力圧力p2はポンプ112の左回転を表現している。当該実施例によれば、補正値202は、電気モータ118および/またはポンプ112の回転方向に依存している。このことは、補正値202が左回転および右回転に対して可変であることを意味する。当該実施例によれば、装置200は補正値202を読み込むように構成されており、当該補正値202の算定のために、例えば結合素子206において、電気モータ118の回転角αに依存するポンプ装置104の出力圧力p1,p2が、電気モータ118の回転角αに依存する電気モータ118の回転数nに結合される。任意選択手段として、例えば回転数値207と圧力値208とが結合素子206において相互に結合され、これにより補正値202が算定される。このように駆動制御することで、電気モータ118によるトルクの増大または低減を制御することができ、これにより、モータの設計または製造によって生じる自然残留トルクを補償することができる。
【0037】
さらに、任意選択手段として、装置200は、駆動制御信号204を、例えば電気モータ118の現時点での回転数nを表現する回転数nを使用して、かつ/または電気モータ118の目標回転数209を使用して、出力するように構成されている。当該実施例によれば、装置200は、ポンプ装置104からの少なくとも1つの現時点での出力圧力p1,p2および/または電気モータ118の少なくとも1つの現時点での回転数nを読み込むように構成されている。さらに、装置200は、少なくともポンプ装置104からの現時点での出力圧力p1,p2および/または電気モータ118の現時点での回転数nを使用して決定される補正値202を算定および記憶するように構成されている。当該実施例によれば、装置200はさらに、ポンプ装置104からの複数の出力圧力値p1,p2および/または電気モータ118の複数の回転数値nを読み込み、圧力値p1,p2および/または電気モータ118の複数の回転数値nの平均化および/またはローパスフィルタリングを使用して補正値202を算定するように構成されている。補正値202は、この場合、例えば、電気モータ118の複数の回転角αに依存した、ポンプ装置104の出力圧力p1,p2の関係および/またはポンプ装置104の電気モータ118の回転数nの関係をマッピングした少なくとも1つの特性マップ210から決定される。特性マップ210は、一実施例によれば、例えば、例えば結合素子206を有しかつ補正値202を例えば補正信号によって装置200へ供給するメモリ装置内に格納されている。
【0038】
換言すれば、例えば電気モータ118が他の条件を一定として駆動制御される場合に回転数nに関する変動、および電気モータ118の右回転の場合に圧力p1に関する変動もしくは電気モータ118の左回転の場合に圧力p2に関する変動が生じるので、操舵伝動装置とも称される操舵装置における残留トルクを除去するかもしくは少なくとも最小化する手段が得られる。このような回転角αに関する変動は、例えば電気モータ118の残留トルクにより、また回転角に依存したポンプ112の摩擦の変動により生じる。ここで、当該実施例によれば、回転角に依存する複数の特性マップ210には、圧力および回転数に依存した、モータ出力段の出力に関する補正値202を出力するための値が格納されている。
【0039】
特に、回転数に依存したポンプ112の摩擦は回転方向に依存しても変化しうるので、回転方向に依存した別個の特性マップ210が設けられている。ここでは、回転数nおよびその回転方向に応じて、特性マップ210において遅延時間が既に考慮される。当該遅延時間は、電気モータ118が例えば対応する回転数nへの到達に必要とする時間を意味する。例えば0rpmの回転数を有する特性マップアドレスには、代替的な実施例により、ポンプ112もしくはポンプ始動機構の比較的大きな静止値および摩擦値が記憶される。
【0040】
図3には、一実施例による、操舵装置のポンプ装置108の電気モータ118を駆動制御する方法を実行する装置200のブロック図が示されている。当該装置は、
図2に即して説明した装置200の一実施例であってよい。ただし、当該実施例によれば、ブロック図が拡張されて示されており、したがって、装置200は、当該実施例によれば、ポンプ装置104からの複数の出力圧力値208および/または電気モータ118の複数の回転数値207を読み込み、圧力値p1,p2および/または電気モータ118の複数の回転数値nの平均化および/またはローパスフィルタリング300を使用して補正値202を算定するように構成されている。
【0041】
装置200はさらに、ポンプ装置104の回転数nの変動および/または出力圧力p1,p2の変動を補正するための補正値202を提供する方法を実行するように構成されている。このことに関して、装置200は、ポンプ装置104の電気モータ118の回転角αと、当該回転角αに対応付けられた、ポンプ装置104からの少なくとも1つの出力圧力p1,p2および/または当該回転角αに対応付けられた電気モータ118の少なくとも1つの回転数nとを読み込むように構成されている。さらに、装置200は、圧力p1,p2に対応付けられている回転角αを使用して対応する圧力p1,p2を算定および記憶するように、かつ/または回転角αに対応付けられている電気モータ118の回転数nを使用して決定される補正値202を算定および記憶するように構成されている。当該実施例によれば、装置200は、それぞれ1つの回転角αに対応付けられている1つもしくは複数の圧力値および/またはそれぞれの1つの回転角αに対応付けられている電気モータ118の複数の回転数値を読み込み、さらにそれぞれの回転角αに対応付けられている圧力値および/またはそれぞれの回転角αに対応付けられている電気モータの回転数値の平均化を使用して補正値202を算定するように構成されている。この場合、装置200は例えば特性マップ210を決定するが、この特性マップ210では、電気モータ118のそれぞれ1つの回転角αに依存した、ポンプ装置104の出力圧力p1,p2の関係および/またはポンプ装置104の電気モータ118の回転数nの関係として、補正値202がマッピングされる。当該実施例によれば、このことは例えば学習モード302において実行可能であり、この学習モード302では、本実施例により、動作状態において、補正値202が特性マップ210内で動的に適応化される。これは、例えばポンプ112の摩擦値が例えば経時劣化によって変化しうるからである。
【0042】
当該実施例によれば、任意選択手段として工場内でライン最終試験304が識別された際に行われる学習フェーズにおいて、回転数nおよび圧力値p1,p2が供給される。任意選択手段として、例えば作業媒体の温度306が供給される。続く補正値202の算定では、例えば、学習モード302において供給されたデータが基礎として使用される。
【0043】
ライン最終試験における学習モード302での機能は、任意選択手段として例えば工場内での機能検査中に、作成された全ての補正特性マップを記憶して平均値を算定することにより形成される。このような平均値は、当該実施例によれば、特性マップ210のための開始値として利用される。当該実施例によれば、機能検査台上で、電気モータ118を含む既に組み付けられたポンプ112が測定され、全ての特性マップ点につき順次に始動が行われる。ここで、ローパスフィルタリング300によるローパスにより、圧力p1,p2のそれぞれの平均値が形成され、それぞれの現時点での圧力値が現時点での特性マップ点の補正のための特性量として使用される。動作中、ポンプ112の摩擦値は、例えば経時劣化により変化しうる。したがって、当該実施例により、動作中にも特性マップ値308を特性マップ210において適応化することが有用である。このために、学習識別部が、任意選択手段として、電気モータ18が複数回の回転にわたって一定の動作点に留まるか否かを監視する。このことが満たされている場合、当該実施例により、学習モード302において、現時点での圧力差がその平均値に関して評価され、相応に現時点での特性マップ値が補正される。
【0044】
図4には、一実施例による、操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法400のフローチャートが示されている。方法400は、例えば、
図2または
図3に即して説明した装置によって駆動制御可能であるかまたは実行可能である。
【0045】
方法400は、ここでは、ポンプ装置の電気モータの現時点での回転角と、電気モータの回転角に依存した、ポンプ装置の出力圧力の関係および/またはポンプ装置の電気モータの回転数の関係を表現する補正値とを読み込むステップ402を含む。さらに、方法400は、補正値を使用して駆動制御信号を電気モータへ出力するステップ404を含む。任意選択手段として、方法400は、少なくともポンプ装置からの現時点での出力圧力および/または電気モータの現時点での回転数を使用して決定される補正値を算定および記憶するステップ406を含む。
【0046】
図5には、一実施例による、操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法500のフローチャートが示されている。方法500は、例えば、
図2または
図3に即して説明した装置によって実行可能であるかまたは駆動制御可能である。方法500は、ここでは、読み込むステップ502と、算定および記憶するステップ504とを含む。読み込むステップ502では、ポンプ装置の電気モータの回転角と、回転角に対応付けられたポンプ装置からの少なくとも1つの出力圧力および/または回転角に対応付けられた電気モータの少なくとも1つの回転数とが読み込まれる。算定および記憶するステップ504では、少なくとも回転角に対応付けられた圧力および/または回転角に対応付けられた電気モータの回転数を使用して決定される補正値が算定および記憶される。
【0047】
本明細書で提示した方法ステップは繰り返して実行することができ、また、記載の順序とは異なる順序で実行することもできる。
【0048】
1つの実施例が第1の特徴と第2の特徴との「および/または」接続を有している場合、これは、当該実施例がある実施形態によれば第1の特徴および第2の特徴の双方を有し、別の実施例によれば第1の特徴のみまたは第2の特徴のみを有することを意味する。
【符号の説明】
【0049】
100 車両
102 操舵装置
104 ポンプ装置
106 伝動装置
108 弁
110 制御装置
112 ポンプ
114 第1の出力ポート
116 第2の出力ポート
118 電気モータ
120 入力軸
122 ピットマンアーム
124 出力軸
126 第1の方向
128 第2の方向
130 伝動装置要素
132 第1の作業媒体ポート
134 第2の作業媒体ポート
136 第1の弁ポート
138 第2の弁ポート
140 モータ信号
142 弁開放信号
144 弁閉鎖信号
146 操舵方向
148 ステアリングロッド
150 車輪
152 温度信号
154 温度センサ
156 入力ポート
158 リザーバタンク
200 装置
202 補正値
204 駆動制御信号
206 結合素子
207 回転数値
208 圧力値
210 特性マップ
p1,p2 出力圧力
n 回転数
α 回転角
300 ローパスフィルタリング
302 学習モード
304 ライン最終試験
306 温度
308 特性マップ値
400 操舵装置のポンプ装置の電気モータを駆動制御する方法
402 読み込むステップ
404 出力するステップ
406 算定および記憶するステップ
500 操舵装置のポンプ装置の回転数の変動および/または出力圧力の変動を補正するための補正値を提供する方法
502 読み込むステップ
504 算定および記憶するステップ