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特許7594748緑内障治療用組成物、緑内障治療用組成物の生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】緑内障治療用組成物、緑内障治療用組成物の生産方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/365 20060101AFI20241128BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 36/19 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61K31/365
A61P27/06
A61K36/19
A61K31/353
A61K9/14
A61K9/16
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022080291
(22)【出願日】2022-05-16
(65)【公開番号】P2022176422
(43)【公開日】2022-11-29
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2021082853
(32)【優先日】2021-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521210771
【氏名又は名称】株式会社PLUM
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【弁理士】
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】勝田 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一春
(72)【発明者】
【氏名】井上 明男
(72)【発明者】
【氏名】山崎 継代
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】Jun Li, et al.,Andrographolide Protects Retinal Ganglion Cells in Rats with Glaucoma by Regulating the Bcl-2/Bax/caspase-3 Signaling Pathway,World Journal of Traditional Chinese Medicine,2022年01月03日,Volume 8, Issue 2,p.241-246
【文献】Wen-Wan Chao, et al.,Isolation and identification of bioactive compounds in Andrographis paniculata (Chuanxinlian),Chinese Medicine,2010年,Vol.5,Article No.17, p.1-15,http://www.cmjournal.org/content/5/1/17
【文献】Md. Salahuddin Ansari, et al.,Evaluation of Antihypertensive and Antiglaucoma Activity of Andrographis Paniculata and Acacia Arabica Using Rat Animal Model,Journal Of Harmonized Research in Pharmacy,2017年,Vol.6, No.2,p.24-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)を含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項2】
14-デオキシアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項3】
ネオアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項4】
14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項5】
14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項6】
アンドログラパニンを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項7】
イソアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項8】
14-アセチルアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項9】
3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項10】
5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項11】
5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボンを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項12】
5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンを含有することを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。
【請求項13】
センシンレンを粉末状、粉状または粒状にしたことを特徴とする請求項1記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑内障治療用組成物、緑内障治療用組成物の生産方法に関し、特に高眼圧緑内障のほか正常眼圧緑内障、その他の緑内障を治療できる緑内障治療用組成物、緑内障治療用組成物の生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、通常、眼球の圧力(眼圧)が異常に亢進した状態をいい、種々の原因があるが、過労・睡眠不足なども誘因となり、霧視・虹輪視(灯火の周囲に虹のような輪を見る)・眼痛・頭痛があり、重症では失明する。視力を失った瞳孔の色がみどり色に見えるのでこの名がある。「あおそこひ」ともいわれる。
【0003】
緑内障には、このような眼圧が21~22mmHg以上の高眼圧緑内障のほか、眼圧が10mmHg~20/21mmHgの正常の範囲にあるまま視野障害を起こす正常眼圧緑内障があり、これら高眼圧緑内障及び正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障のほか、閉塞隅角緑内障があり、さらにこれら開放隅角緑内障及び閉塞隅角緑内障を含む原発緑内障のほか、続発緑内障、先天緑内障がある。
【0004】
上記高眼圧緑内障及び正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障は、慢性緑内障がほとんどで、視野障害の進行は緩やかである。上記閉塞隅角緑内障は、角膜の内側の房水の出口である隅角が閉塞するために急激に眼圧が上昇する急性緑内障で、治療が遅れると失明することがあり、緊急の治療が必要となる。
【0005】
上記続発緑内障は、外傷、角膜の病気、網膜剥離、脳疾患、糖尿病、ぶどう膜炎、目の炎症、目の疾患による眼圧上昇、ステロイドホルモン剤などの薬剤などによる眼圧の上昇によっておこる緑内障である。
【0006】
先天緑内障は、生後1才までに発症する早期型発達緑内障、10~20才代で発症する遅発型発達緑内障、その他無虹彩症、スタージ・ウェーバー症候群、またはペータース異常などがあり、涙の量が多く、まぶたが痙攣し、黒目が大きくなり、黒目が白っぽく濁り、または光を異常に嫌がるなどの症状がみられる。
【0007】
なお、上記眼圧の異常は21~22mmHg以上としたが、これは診断の指標とはなるが、個人差があり、21~22mmHg以上でも視野に異常のない人もいれば、21~22mmHg以下でも視野に異常のある人もいて、個人差が大きく、一概には言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2020-121959号公報
【文献】特開2019-081741号公報
【文献】特開平10-029927号公報
【文献】特開2010-013400号公報
【文献】中国特許出願公開第102058502号明細書
【文献】特開2000-143437号公報
【文献】Journal of Ethnopharmacology, 2004, vol.92, p.281-289
【文献】特許第6245786号公報
【文献】特許第6225113号公報
【文献】特許第6537147号公報
【文献】特許第5765687号公報
【文献】WO2004/091630号公報
【文献】特許第5357027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、上記のような緑内障を治療できる緑内障治療用組成物、緑内障治療用組成物の生産方法を提供することにある。本願でいう「治療」には緑内障の病巣を治癒するほか、緑内障の疾病を改善する、緑内障を治療・改善する、緑内障の進行を止める、緑内障の進行を遅らせることを含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため本発明の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物及びその生産方法は、 アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)と、水、アルコールまたは常温で液体の油脂とを、ほぼ均一に混合した。
【発明の効果】
【0011】
これにより、緑内障による視力障害を改善して、緑内障を治療できる。アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)は、経口服用されるほか、眼球の瞳付近など眼球に添加される。上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)は、血液網膜関門または血液脳関門を通過して、眼球の網膜まで届くし、視神経などの脳まで届くし、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分を治療するし、眼球の眼圧を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(M)。
図2】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(N)。
図3】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(O)。
図4】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(P)。
図5】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(Q)。
図6】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(R)。
図7】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(S)。
図8】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(T)。
図9】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(U)。
図10】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(V)。
図11】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(W)。
図12】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(X)。
図13】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(Y)。
図14】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(Z)。
図15】治療前と治療後の視野異常の範囲の改善を示す(a)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(1)アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの抽出(生産方法)
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライドともいう)は、主にセンシンレン(穿心蓮/アンドログラフィスパニクラタ)から抽出され、センシンレン由来である。センシンレンは、キツネノマゴ科の一年生植物であり、インド、スリランカ原生のハーブであり、サンビロートと呼ばれることもある。
【0014】
センシンレンは高さ20cm~1mくらいまでの中型の1年草で、東南アジアから中国にかけて広く分布する。茎の先端に円錐状のセンシンレン花序を付けてたくさんの花を咲かせ、花の直径は約1cmで、白色に赤紫色の斑点がつき、果実は長さ2cmくらいの朔果で、中には10個ほどの橙色の種子が入っている。
【0015】
センシンレンは、主に葉や茎や根が本発明の薬用として用いられ、場合によってセンシンレンの植物全体が用いられる。湿った日陰の場所で育ち、30~110cmまで成長し、根、葉、すべての部分において非常に苦く、インドではking of bitter「苦味の王様」といわれており、アーユルヴェーダのハーブとしてはkarmeg(カルメグやカラメガ)として知られており、「地球の胆汁」と呼ばれることもある。
【0016】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの抽出では、常温で、センシンレンの葉、根、茎、花、特に葉を洗浄して消毒殺菌して、次いで細かく切断し、さらに粉砕機、クラッシャー、粉末機などで、磨り潰して粉砕し、ほぼ数mm乃至0.0001mm、例えば1mm乃至0.01mmの大きさの粒径の粉末、粉状または粒状にされる。場合によって、ゼラチンなどのカプセルなどに封入される。上記磨り潰し後または粉砕後、水分が所定割合以上ある場合には、乾燥がなされてもよい。
【0017】
この粉末、粉状または粒状のセンシンレンには、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン(5-hydroxy-7,8-dimethoxyflavanone)、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン(5-hydroxy-7,8,2’,5’-tetramethoxyflavanone)、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボン(5-hydroxy-7,8、2’,3’-tetramethoxyflavanone)が含有される。
【0018】
これらの15(16)種類の物質を個別に分離抽出するには、例えばクロマトグラフィーを使用する。このクロマトグラフィーは、適当な固定相と移動相とを用い、その中で気体または液体の複数の物質が混合した試料を移動させて、各物質・各成分の吸着性・分配係数・質量・電荷の差異による移動速度に差があることを利用して、混合している複数の物質を時間差などで1つずつ分離抽出するものである。移動相が液体か気体かによって液体クロマトグラフィーとガス‐クロマトグラフィーとに分けられる。
【0019】
上記センシンレンの生または乾燥物を細かく裁断または粉末状としたものを精製水、アルコール、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルなどの溶媒でセンシンレンの上記15(16)種類の成分を抽出する。これらの溶媒を切り替えることによって、15(16)種類の各成分の各量は微妙に変化する。
【0020】
この15(16)種類の成分が溶け出した溶媒を、クロマトグラフィーの装置に送り込むと、15(16)種類の各成分が順次、所定の時間差で順次分離されて単離されてくる。この単離された成分が液体で、これを固体にするには、加熱するなどで乾燥させればよい。このクロマトグラフィーには、高速液体クロマトグラフィー、高速分画液体クロマトグラフィー、高速薄層クロマトグラフィー、マイクロエマルジョン動電キャピラリークロマトグラフィー、ミセル動電キャピラリークロマトグラフィー、高速向流クロマトグラフィーなどがある。
【0021】
上記の化合物のうち、上記数mm乃至0.0001mm、例えば1mm乃至0.01mmの大きさの粒径の粉末、粉状または粒状は、または上記センシンレンの葉などは、そのまま、5℃~100℃の水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに浸され、アンドログラフォリドの成分が析出される。
【0022】
この油は、加熱状態または常温状態で液体であればよい。また、センシンレンの葉、根、茎、花、特に葉が、細かく切断されて、または磨り潰されて、常温または加熱された水、アルコール、液体、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルの油に投入され、アンドログラフォリドなどの各成分が析出、溶け出され、精製される。
【0023】
この水は0℃~30℃の常温のままでもよい。この水に浸すことにより、センシンレン(穿心蓮)が含有するアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などがこの水に溶け出されて、抽出されて、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などが精製される。
【0024】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などが含まれるまたは抽出されたセンシンレン(穿心蓮)は、通常水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルからろ過されて廃棄されるが、水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに残されてもよい。この場合、水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチル0.001重量%乃至99.999重量%%に対し、アンドログラフォリドなどが0.0001重量%乃至99.9999重量%混合されるように、水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルの量が調整される。
【0025】
この場合、水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルの割合を減らすには、蒸発などが実行され、水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルの割合を増やすには、当該水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルが添加される。水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルは、これらの2つ以上が混合されていてもよい。この場合、水がいちばん多くてもよいし、アルコールがいちばん多くてもよいし、油がいちばん多くてもよいし、アセトンがいちばん多くてもよいし、石油エーテルがいちばん多くてもよいし、酢酸エチルがいちばん多くてもよい。
【0026】
また、水がいちばん少なくてもよいし、アルコールがいちばん少なくてもよいし、油がいちばん少なくてもよいし、アセトンがいちばん少なくてもよいし、石油エーテルがいちばん少なくてもよいし、酢酸エチルがいちばん少なくてもよい。多い順番は、水→アルコール→油→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、水→油→アルコール→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、アルコール→油→水→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、アルコール→水→油→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、油→水→アルコール→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、油→アルコール→水→アセトン→石油エーテル→酢酸エチル、その他の順番で、任意である。
【0027】
この水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルが多ければ、本件緑内障治療用組成物は、通常は液体となる。水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルの割合が減れば、本件緑内障治療用組成物は、ゾル状、ゲル状となる。水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルがほとんどなくなれば、本件緑内障治療用組成物は、粉末、粉状または粒状の粉体となり、場合によって顆粒状、カプセル状、錠剤状などにされる。
【0028】
上記水は、動物または動物の眼に無害な、軟水、硬水いずれでもよく、0.001重量%乃至99.999重量%、緑内障治療用組成物などの薬にほぼ均一に混合し、場合によって乳化される。上記アルコールは、動物または動物の眼に無害な、エタノールまたはセタノールなどであり、0.001重量%乃至99.999重量%、緑内障治療用組成物などの薬にほぼ均一に混合し、場合によって乳化される。
【0029】
上記油は、動物または動物の眼に無害な油、例えば大豆油、とうもろこし油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油などであり、0.001重量%乃至99.999重量%、緑内障治療用組成物などの薬にほぼ均一に混合し、場合によって乳化される。
【0030】
上記抽出工程に用いる抽出溶媒としては、他に、水、動物または動物の眼に無害な親水性有機溶媒、または水と親水性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノールやエタノール等の低級アルコール類、アセトン、及び酢酸エチルが挙げられる。抽出方法としては、公知の抽出方法、例えば冷水抽出、温水抽出、熱水抽出、及び蒸気抽出のいずれの方法を用いてもよい。
【0031】
この抽出操作としては、抽出溶媒中にアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)を所定時間浸漬させる。抽出操作においては、抽出効率を高めるべく、必要に応じて攪拌処理、加圧処理、及び超音波処理等の処理をさらに行ってもよいし、動物または動物の眼に無害な界面活性剤が添加されてもよい。抽出操作後、例えばろ過や遠心分離等の公知の分離法を用いて固液分離操作を行うことにより、抽出液と原料の残渣とを分離してもよいし、これらが混合したままでもよい。このとき、必要に応じて得られた抽出液(抽出物)の濃縮を行ってもよい。
【0032】
このようなアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)は、経口用組成物とされ、経口服用される。他に、10倍~10000倍まで薄められ、眼用の外用組成物とされ、眼球の瞳付近など眼球に添加される点眼薬として使用される。経口用組成物のアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)の濃度は、眼用の外用組成物のアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)の濃度より高くされるが、同じでも、低くてもよい。
【0033】
(2) アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの生産方法
センシンレンから抽出される、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などは、インド、パキスタン、スリランカ、インドネシアなどの東南アジアの国々で豊富に育成する枝葉のついた高さ0.5~1mの1年生植物である。センシンレンの葉、茎、根、種は、上記有効成分を抽出するために使用され、葉には2.39%という高いレベルのアンドログラフォリド(Andrographolide)(ジテルペンラクトン)が含まれている。
【0034】
センシンレンは種子から栽培され、常緑樹、松林や落葉樹の森林、また耕作道沿いの森林にも生育するが、人工栽培もされている。あらゆる土質でも生育するが、アルミニウム、銅、錫および亜鉛を含む“サーペンタイン土壌”と呼ばれる土質で育つ唯一の植物がセンシンレンである。センシンレンはこのような土壌環境でも育つ性質があるので、中国とタイ、東西インド諸島およびモーリシャスなどの広い地域にその生育が認められる。
【0035】
アンドログラフォリドなどの含有量の測定は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が使われる。HPLCは非常に小さなビーズで満たされたチューブ形のカラムを使用し、液状の混合試料から特定成分を分離・回収することができ、この技術を利用してセンシンレンの葉と茎から得た抽出液に含まれるアンドログラフォリドなどが得られる。このような技術が使われてアンドログラフォリドなどの量を常に一定に含んだ規格品が生産できる。
【0036】
次述する、「化1」~「化13」の化合物は、すべて、センシンレン(穿心蓮/アンドログラフィスパニクラタ)から、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)と全く同様にして、上述の(1)で述べたのと同様にしてそのまま上記粉末、粉状または粒状の状態で含有、または抽出・分離されるもので、それぞれ以下に示す効能・効果を有するほか、緑内障の治療・改善に用いられ、経口用組成物または眼用の外用組成物とされる。
【0037】
「化1」~「化13」の化合物は、それぞれアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンである。
【0038】
本願では、センシンレンが含有、または抽出されるこれらアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの化合物を、「アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など」と総称し、これらの化合物からアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)のみを除外した化合物を「14-デオキシアンドログラフォリドなど」と総称する。
【0039】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを含有する植物を上述のように洗浄して消毒殺菌して、次いで細かく切断し、さらに磨り潰して粉砕し、場合によって乾燥して、ほぼ数mm乃至0.0001mm、例えば1mm乃至0.01mmの大きさの粒径の粉末、粉状または粒状にされる。この粉末、粉状または粒状の物には上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など15(16)種類の成分が含有されている。これが緑内障治療用組成物の生産方法である。
【0040】
または、上記クロマトグラフィーの装置を使用して、上記15(16)種類の各成分を分離して個別に生産できる。これも緑内障治療用組成物の生産方法である。上記植物を上述のように水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに浸し、これによりこの植物が含有するアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに抽出させる。このような含有または抽出されたアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを0.0001重量%乃至99.9999重量%、水、アルコール、常温で液体の油脂、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルを0.001重量%乃至99.999重量%、これらを総合計で100重量%を超えない範囲で、撹拌機などで十分にほぼ均一に混合する。これも緑内障治療用組成物の生産方法である。
【0041】
この緑内障治療用組成物には、さらに「14-デオキシアンドログラフォリドなど」、つまり14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボン」が含有または混合される。
【0042】
これら「14-デオキシアンドログラフォリドなど」も上記「センシンレン」に含有され、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)の生産方法と同様の生産方法によって生産され含有されまたは抽出され、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)の生産と並行して生産され含有されまたは抽出される。
【0043】
14-デオキシアンドログラフォリドなどを含有する植物、特にセンシンレンを、同様にそのまま、または水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに浸し、これによりこの植物が含有する「14-デオキシアンドログラフォリドなど」をそのまま、または水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルに抽出させ、この含有または抽出された「14-デオキシアンドログラフォリドなど」を0.0001重量%乃至99.9999重量%、水、アルコール、常温で液体の油脂、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルを0.001重量%乃至99.999重量%、これらを総合計で100重量%を超えない範囲で、撹拌機などで十分にほぼ均一に混合する。これも緑内障治療用組成物の生産方法である。
【0044】
なお、上記センシンレンを水、アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルなどで洗浄して裁断機、粉砕機、クラッシャー、粉末機などで、細かく裁断状、粉末状にされて、上記「アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など」または「14-デオキシアンドログラフォリドなど」の含有物を得てもよい。この含有物には、水などが0.001重量%乃至99.999重量%含まれる。この含有物を総合計で100重量%を超えない範囲で、さらに撹拌機などで十分にほぼ均一に混合されてもよいし、撹拌されなくてもよい。このような含有物の生産方法も、緑内障治療用組成物の生産方法である。
【0045】
このような混合物は、そのまま経口で服用されたり、ゼラチンなどのカプセルに収納されて服用されたり、蒸留水などで希釈化されて点眼され目薬としても使用されたりする。この点眼される場合には、上記アルコール、油、アセトン、石油エーテル、酢酸エチルは完全に除去される。
【0046】
(3)センシンレン(穿心蓮/アンドログラフィスパニクラタ)からの抽出物(生産方法)
上記センシンレン(穿心蓮/アンドログラフィスパニクラタ)から上述のように抽出・分離されるアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)は、以下に示す「化1」に示す化学式を有し、オートファジーを伴う細胞死(タイプII細胞死)を誘導するオートファジー誘導剤として用いられるほか、緑内障の治療・改善に用いられる。
【0047】
なお、上記及び下記の化学式中の数字は、本来は各化学記号の右下に小さく表示するが、本願では見やすくするため便宜上半角の通常の大きさで大きく表記する。実線矢印、破線矢印、点線矢印は、求核置換を起こす原子・原子団と求核置換される原子・原子団とを示し、通常は太い線から細い線になっていく細長い三角形の線で表すが、本願では便宜上実線矢印、破線矢印/点線矢印で表記する。
【0048】
化学式の中の数字は、化学反応における化学的当量を示す。化学式の中の実線と破線/点線の違いは、イオン結合と共有結合の違いを示す。
【化1】
この「化1」の化学式は、上述のアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライドともいう)である。緑内障の治療・改善に効能・効果が認められた。
【化2】
【0049】
この「化2」の化学式は、14-デオキシアンドログラフォリドである。免疫調節性、抗アテローム性、抗動脈硬化性を有する。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、この14-デオキシアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリドに混合されてもよい。
【0050】
上記免疫調節性は、免疫が強くなりすぎたり弱くなりすぎたりすることを防いで、免疫を正常に保つ性質である。上記抗アテローム性は、毛嚢または皮脂腺の貯留嚢胞であって、皮下に生じ、嚢胞の内容は脂肪・角化表皮より成る粥状物質で、時に炎症を伴い自潰することがある粉瘤(ふんりゅう)を防ぐ性質である。上記抗動脈硬化性は、動脈壁にコレステロールなどが沈着して組織が壊され、壁が肥厚・硬化して弾力性を失い脆もろくなる疾患を防ぐ性質である。
【化3】
【0051】
この「化3」の化学式は、ネオアンドログラフォリドである。抗炎症性、抗感染性、抗肝毒性を有する。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、このネオアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリドまたは14-デオキシアンドログラフォリドに混合されてもよい。この「化3」の化学式の中の「O」につながる「Glc」は種々の単糖類を示す。
【0052】
上記抗炎症性は、細菌感染・化学的作用・物理的作用などによる組織の傷害に反応して、身体の一部に発赤・腫脹・灼熱・疼痛などを起こすこと及びそれに伴う症状を抑え、異物の侵入または異物化した組織を排除しようとする生体の防御反応が含まれる。
【0053】
上記抗感染性は、細菌・ウイルス・真菌・寄生虫・原虫などの感染によっておきる病気や、伝染病を防ぐ性質である。上記抗肝毒性は、肝臓の機能不全のため、肝臓の働きである、グリコーゲンの合成・貯蔵・分解、血糖分泌、血漿蛋白などの合成、解毒、胆汁の生成と分泌に支障をきたすことを防ぐ性質である。
【化4】
【0054】
この「化4」の化学式は、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドである。抗免疫刺激性、抗感染性、抗アテローム性、抗動脈硬化性を有する。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、この14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリドまたはネオアンドログラフォリドに混合されてもよい。
【0055】
上記抗免疫刺激性は、何らかの刺激によって免疫が強く反応したり弱く反応したりすることを防いで、免疫反応を正常範囲に保つ性質である。抗感染性、抗アテローム性、抗動脈硬化性は上述したとおりである。
【化5】
【0056】
この「化5」の化学式は、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドである。抗炎症性を有する。この抗炎症性は上述したとおりである。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、この14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリドまたは14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドに混合されてもよい。
【化6】
【0057】
この「化6」の化学式は、アンドログラパニンである。抗炎症性、抗感染性を有する。この抗炎症性、抗感染性は上述したとおりである。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、このアンドログラパニンが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリドに混合されてもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドまたは14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドに混合されてもよい。
【化7】
【0058】
この「化7」の化学式は、イソアンドログラフォリドである。抗腫瘍効果を有する。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、このイソアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドまたはアンドログラパニンに混合されてもよい。
【0059】
この抗腫瘍効果は、体細胞が過剰に増殖する病変であって、多くは臓器や組織中に腫物はれもの・瘤こぶとして限局性の結節をつくることを防ぐ性質である。腫瘍の発生母細胞により上皮性と非上皮性、また腫瘍の増殖の性質から良性(腺腫・脂肪腫・線維腫・骨腫など)と悪性(肉腫・癌腫など)に分けられる。
【化8】
【0060】
この「化8」の化学式は、14-アセチルアンドログラフォリドである。抗腫瘍効果を有する。この抗腫瘍効果は上述したとおりである。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、この14-アセチルアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニンまたはイソアンドログラフォリドに混合されてもよい。
【化9】
【0061】
この「化9」の化学式は、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドである。抗腫瘍効果を有する。この抗腫瘍効果は上述したとおりである。また、緑内障の治療・改善に効果が認められた。上記緑内障治療用組成物には、単独で、この3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよいし、上記アンドログラフォリド、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリドまたは14-アセチルアンドログラフォリドに混合されてもよい。上記「化8」「化9」の化学式の中の「O」に繋がる「Ac」は種々の糖鎖を示す。
【0062】
【化10】
この「化10」の化学式は、上述の5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンである。緑内障の治療・改善に効能・効果が認められた。
【0063】
【化11】
この「化11」の化学式は、上述の5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンである。緑内障の治療・改善に効能・効果が認められた。この「化11」の化学式の物質は、上記「化10」に比べて一箇所のみ単結合が二重結合になっているのみで、化学的性質は近似しており、緑内障の治療・改善の効能・効果も近似している。
【0064】
【化12】
この「化12」の化学式は、上述の5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボンである。緑内障の治療・改善に効能・効果が認められた。
【0065】
【化13】
この「化13」の化学式は、上述の5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンである。緑内障の治療・改善に効能・効果が認められた。
【0066】
(4)アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの緑内障への効能例・効果例
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライド)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンを人体への経口による投与・服用によって、さらに眼用の外用組成物によって、以下のような効能・効果が認められた。
【0067】
(A) 広島市の女性に対し、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライド)を300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧26」から「眼圧17」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0068】
(B) 高齢の男性に対し、上記14-デオキシアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧30」から「眼圧17」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0069】
(C) 初老の女性に対し、上記ネオアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で85日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、85日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧27」から「眼圧18」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0070】
(D) 高齢の女性に対し、上記14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で90日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、90日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧26」から「眼圧15」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0071】
(E) 岡山県の男性に対し、上記14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日2回服用、計10粒/日で、経口で100日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、100日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧35」から「眼圧18」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、頭痛も消え、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0072】
(F) 初老の女性に対し、上記アンドログラパニンを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で85日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、85日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧26」から「眼圧15」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0073】
(G) 高齢の男性に対し、上記イソアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で90日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、90日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧33」から「眼圧17」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、頭痛も消え、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0074】
(H) 初老の男性に対し、上記14-アセチルアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回4粒、一日3回服用、計12粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧30」から「眼圧15」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0075】
(I) 香川県の男性に対し、上記3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で80日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、80日、眼球に点眼したところ、緑内障による「眼圧35」から「眼圧18」まで下がって、眼圧が高い異常状態から、ほぼ正常の眼圧まで下がり、眼圧異常が改善され、視野が見えにくいと言っていたのが、目が楽になり、頭痛も消え、視野がはっきりとしっかり見えるようになったという感想をもらった。
【0076】
網膜の障害の改善または視野の障害の改善
(M) 初老の男性に対し、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライド)を300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、図1(M1)に示すように、緑内障で、視野の左方に視野異常が見られたが、図1(M2)の異常範囲の上側に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0077】
(N) 東京都の男性に対し、上記14-デオキシアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で105日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、105日、眼球に点眼したところ、図2(N1)に示すように、緑内障で、視野の上方に視野異常が見られたが、図2(N2)の異常範囲の左側などに示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0078】
(O) 高齢の女性に対し、上記ネオアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で100日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、100日、眼球に点眼したところ、図3(O1)に示すように、緑内障で、視野の右方に視野異常が見られたが、図3(O2)の異常範囲の左端、上縁及び下縁に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0079】
(P) 初老の男性に対し、上記14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で80日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、80日、眼球に点眼したところ、図4(P1)に示すように、緑内障で、視野の中央右上に視野異常が見られたが、図4(P2)の異常範囲の上方と右方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0080】
(Q) 神奈川県の女性に対し、上記14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、図5(Q1)に示すように、緑内障で、視野の中央やや右に視野異常が見られたが、図5(Q2)の異常範囲の右上に示すように示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0081】
(R) 高齢の女性に対し、上記アンドログラパニンを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で110日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、110日、眼球に点眼したところ、図6(R1)に示すように、緑内障で、視野の下方に視野異常が見られたが、図6(R2)の異常範囲の下縁両端に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0082】
(S) 静岡県の男性に対し、上記イソアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で100日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、100日、眼球に点眼したところ、図7(S1)に示すように、緑内障で、視野のほぼ中央に視野異常が見られたが、図7(S2)の異常範囲の右下付近に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0083】
(T) 初老の男性に対し、上記14-アセチルアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、図8(T1)に示すように、緑内障で、視野の中央付近に視野異常が見られたが、図8(T2)の異常範囲の右上付近に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0084】
(U) 初老の女性に対し、上記3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で110日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、110日、眼球に点眼したところ、図9(U1)に示すように、緑内障で、視野の中央やや上方に視野異常が見られたが、図9(U2)の異常範囲の右側付近に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0085】
以下の図10図15は、緑内障患者の黄斑網膜の厚さを計測したもので、黄斑網膜が厚ければ視力に異常は無く、黄斑網膜の厚さが薄くなれば緑内障の症状があると判断でき視力に異常が生じる。図10図15では、黄斑網膜を上下左右で放射方向に四等分に分割し、さらに中心部とその外側を同心円状に2分割して、合計9領域で、黄斑網膜の厚さを計測した。
【0086】
なお、黄斑とは瞳孔と相対する網膜上にあるやや黄色の斑点で、径3mmの楕円形をなし、その中央に中心窩ちゅうしんかがあり、網膜中もっとも視力鋭敏な部分で、黄点ともいう。図10図15では、視力鋭敏な黄斑網膜の厚さを計測しているが、この視力鋭敏な箇所の計測でも緑内障の症状を十分把握できる。
【0087】
図10図15では、各領域で、この黄斑網膜が厚く、例えば厚さ50μm以上であり、異常が無ければ「白色」とし、黄斑網膜の厚さが薄くなり、例えば厚さ50μm~25μmになり、視力に異常があれば「灰色」とし、黄斑網膜の厚さがかなり薄くなり、例えば厚さ25μm以下になり、視力にかなり異常があれば「黒色」としている。この異常とする黄斑網膜の厚さは、一例であり、個人差、年齢差、性別差、持病の有無などによって変更される。
【0088】
(V) 初老の女性に対し、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など、上記全化合物を300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回6粒、一日3回服用、計18粒/日で、経口で102日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、102日、眼球に点眼したところ、図10(V1)に示すように、緑内障で、視野の右方から下方に視野異常が見られたが、図10(V2)の異常範囲の中央下方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0089】
(W) 中年の女性に対し、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など、上記全化合物を300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で211日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、211日、眼球に点眼したところ、図11(W1)に示すように、緑内障で、視野のほぼ全体に視野異常が見られたが、図11(W2)の異常範囲の下方及び中央右方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに正常値の「13~14」であった。なお、視野の中央左方には視野異常の範囲の増加が認められるが、一時的なものと考えられ、全体として、視野異常の増加範囲より、視野異常の範囲の減少範囲の方が大きい。
【0090】
(X) 中年の女性に対し、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)など、上記全化合物を300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回4粒、一日3回服用、計12粒/日で、経口で103日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、103日、眼球に点眼したところ、図12(X1)に示すように、緑内障で、視野の右方から下方に視野異常が見られたが、図12(X2)の異常範囲の中央下方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0091】
(Y) 初老の男性に対し、上記5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で95日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、95日、眼球に点眼したところ、図13(Y1)に示すように、緑内障で、視野の上方から右方を経て下方に視野異常が見られたが、図13(Y2)の異常範囲の中央下方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0092】
(Z) 初老の女性に対し、上記5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボンを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回5粒、一日3回服用、計15粒/日で、経口で152日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、152日、眼球に点眼したところ、図14(Z1)に示すように、緑内障で、視野の右方から下方を経て左方に視野異常が見られたが、図14(Z2)の異常範囲の左方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0093】
(a) 中年の女性に対し、上記5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンを300μM(マイクロモル)をゼラチンのカプセルに収納した状態で、これを1粒とし、1回4粒、一日3回服用、計12粒/日で、経口で121日服用し、さらにこの成分を100倍~1000倍に蒸留水で薄めたものを一日3回で、121日、眼球に点眼したところ、図15(a1)に示すように、緑内障で、視野の左方から下方に視野異常が見られたが、図15(a2)の異常範囲の中央左方に示すように、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。当該治療前及び当該治療後の眼圧はともに「正常値の範囲内」であった。
【0094】
以上のように効能・効果は、上述のアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)(アンドログラフォライド)のほか、上述の14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、または/及び、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンをさらに混合調合すれば、より効能・効果が上がる。
【0095】
緑内障治療用組成物としては、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、及び、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンのうち1種類のほか、2種類、3種類、4種類、5種類以上、全てを混合調合してもよい。
【0096】
ここで使用された緑内障治療用組成物は、1つのカプセルにつき、300μM(マイクロモル)であったが、1つのカプセルにつき、300μM以上でも、300μM以下でもよい。一回の摂取量、一日の摂取量、一週間の摂取量、一月の摂取量、半年の摂取量、一年の摂取量は、緑内障の症状の重度、中度、軽度、摂取者の年齢、体重、性別に応じて増減される。
【0097】
このような一回の摂取量、一日の摂取量、一週間の摂取量、一月の摂取量、半年の摂取量、一年の摂取量の総量は、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを0.0001重量%乃至99.9999重量%を粉末状にしてそのまま、または水、アルコールまたは常温で液体の油脂を0.001重量%乃至99.999重量%、これらを総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合してもよい。
【0098】
0.0001重量%乃至99.9999重量%の範囲の内、例えば緑内障の症状の重度であれば99.9999重量%、中度であれば50重量%、軽度であれば0.0001重量%というように、症状の程度によって0.0001重量%~99.9999重量%の中で変動する。さらに同様に摂取者の年齢、体重、性別に応じて、0.0001重量%~99.9999重量%の中で変動する。しかし、濃度を一定として、摂取する緑内障治療用組成物の量、カプセル数、錠剤数を増減しても同様の変動の効果が得られる。
【0099】
また水、アルコールまたは油が多ければ、本件緑内障治療用組成物は、通常は液体となる。水、アルコールまたは油の割合が減れば、本件緑内障治療用組成物は、ゾル状、ゲル状となる。水、アルコールまたは油がほとんどなくなれば、または全くなくなれば、本件緑内障治療用組成物は、粉末、粉状または粒状の粉体となる。本件緑内障治療用組成物は薬学的組成物の1つである。上記図1図9の左右中央付近の黒い部分は眼球内の盲点であって、網膜または視野の異常ではない。
【0100】
上記緑内障治療用組成物には、ナタネ硬化油、ゼラチン、卵殻カルシウム、マリアアザミエキス末、シリマリン、田七人参、イチョウ葉、牡蠣肉エキス、ショ糖脂肪酸エステル、ナトリウム、炭水化物、脂質、たんぱく質などが添加されてもよい。
【0101】
眼球に添加される場合には、上記0.0001重量%乃至99.9999重量%の濃度が、水などで10倍~10000倍まで薄められる。そして、場合によって、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ブドウ糖、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンE、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩L-アスパラギン酸カリウム、塩酸テトラヒドロゾリン、イプシロン-アミノカプロン酸などが添加され、生体内の体液の塩分濃度、血液の塩分濃度と一致/近似させてもよい。
【0102】
(5)血液脳関門及び血液網膜関門を通り抜けて網膜及び脳に到達する
脳の代謝が正常におこなわれるには、動脈が血液によってはこぶ酸素とブドウ糖の量が安定していなければならない。脳室の脈絡叢と脳内の毛細血管床は、分子フィルターやイオンフィルターの働きをして、小さい分子やイオンは脳内にはいれないため、血液中の物質の多くは脳内にはいることができない。このようなフィルターの機能を「血液脳関門」という。
【0103】
副腎ホルモンやアミノ酸のような生体化合物の多くは分子量が大きいので、この血液脳関門をすぐにとおりぬけることはできないし、分子量の小さい分子やイオンは極性がある、つまり帯電しているので、血液脳関門をまったくとおることができない。こうして、脳の化学的平衡がたもたれている。また、飲食によって異常な化学物質が体の中に入ってきても、血液脳関門によって脳が影響をうけないようになっている。
【0104】
この血液脳関門と同様の働きをもつ「血液網膜関門」が、眼球の瞳と網膜との間にあり、毛細血管から網膜には、また眼球の脈絡膜や強膜から網膜には、通常の物質は通り抜けることができない。したがって、通常の薬では、脳や網膜まで到達できない。
【0105】
しかし、上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、または/及び、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンは、これら「血液網膜関門」または「血液脳関門」を通過できるので、網膜に到達して網膜を治療できたり、視神経をはじめとする脳に到達して視神経をはじめとする脳を治療できたりする。
【0106】
光の情報はグルタミン酸を介して眼球の網膜から脳に伝えられるので、「血液網膜関門」だけでなく「血液脳関門」を通過できる意義は大きい。このような治療結果は上記(4)に説明したとおりであり、網膜・視神経・脳まで到達できるので、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善される。
【0107】
(6)他の実施の形態・実施例
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で一部省略可能である。例えば、上記水は、アルコールまたは油に置き替えてもよいし、上記水にアルコールまたは油を混合してもよいし、水は、アルコールまたは油は無くてもよい。
【0108】
この場合、水0.001重量%乃至99.999重量%、望ましくは10重量%乃至80重量%、に対して、アルコール0.001重量%乃至99.999重量%、望ましくは10重量%乃至80重量%、または、油0.001重量%乃至99.999重量%、望ましくは10重量%乃至80重量%、混合される。
【0109】
上記アンドログラフォリドなどは、デンプン、乳糖、アラビアゴム、その他の充填剤と混合調合され、錠剤とされてもよいし、液体に混合調合され液剤とされてもよい。
【0110】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、アンドログラパニン、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド及び3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンのうち、1種類または複数種類が緑内障治療用組成物から省略され混合されなくてもよい。
【0111】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)には、センシンレンの葉の、デオキシアンドログラフォリド 、ネオアンドログラフォリド 、ホモアンドログラフォリド、バニコリドを含んでもよいし、含まなくてもよい。さらにアンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)には、アンドログラフォステリン、β-シトステロール-D-グルコシドなどを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0112】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)には、アンドログラフォリドのほか、センシンレンの根の、モノ-O-メチルワイチン(5-ヒドロキシ-7,8,2,3-テトラメトキシフラボン)、アンドログラフィン(5-ヒドロキンシン-7,8,2- トリメトキシフラボン)、パニコリン(5,2-ジヒドロキシン-7,8-ジメトキシフラボン)、アピゲニン-7,4-ジメチルエーテル、α1-シトステロール、KH2PO4などを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0113】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)には、アンドログラフォリドのほか、センシンレンの全草の、14-デオキシ-11-オキソアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドを含んでもよいし、含まなくてもよいし、ステロイドサポニン、糖類、縮合タンニンなどのフェノール系物質を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0114】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)としては、14-デオキシ-アンドログラフォリド、14-デオキシー11、12-デヒドロゲンアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリドなど種々のものがある。
【0115】
上記緑内障治療用組成物としては、練り緑内障治療用組成物、粉体緑内障治療用組成物、液体緑内障治療用組成物、固体緑内障治療用組成物、クリーム状緑内障治療用組成物、ゾル状緑内障治療用組成物、ゲル状緑内障治療用組成物、ジェル状緑内障治療用組成物、ペースト状緑内障治療用組成物、フォーム状緑内障治療用組成物、シロップ状緑内障治療用組成物など、種々のものがある。
【0116】
上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などの化学式は上述のとおりであり、特開平10-120510明細書などにも示される。アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを含有する植物としては、センシンレン(穿心蓮)のほか、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを含有するものならば、なんでもよい。
【0117】
抗炎症剤は、炎症を抑える医薬品・薬剤の総称である。炎症そのものは異物の侵入や組織の障害といった生体組織にとって好ましくない刺激が発生した時に免疫系が引き起こす局所的な防御反応であるが、生体にとっての非自己の排除を助ける一方で自己である生体そのものにも一定の損傷や苦痛を引き起こす性質も持つ。
【0118】
医療に際して、生体の引き起こした炎症が過剰に人体を傷つけているアレルギー疾患や、外部から炎症を引き起こす生理活性物質が注入されることによって起こるスズメバチ刺傷、ドクガ刺傷などの治療に際してはこの炎症のデメリットを抑制する必要があり、そうした目的で用いられる医薬品が抗炎症薬・薬剤である。主にステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬の2種類に分類される。
【0119】
ステロイド系の抗炎症薬は副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイド、合成糖質コルチコイドのことである。 ステロイドは非常に優れた抗炎症作用を持つ。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs:Non Steroidal Antilnflammatory Drugs)には抗炎症作用のほか、鎮痛作用、解熱作用を併せ持つものが多い。
【0120】
非ステロイド系抗炎症薬はさらに酸性抗炎症薬と塩基性抗炎症薬に分けることができる。酸性抗炎症薬は一般に広く使用されておりアスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなどがこれに分類される。酸性抗炎症薬はアラキドン酸からプロスタグランジンを合成する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによってケミカルメディエーターの一種であるロイコトリエンやプロスタグランジンの合成を阻害し、炎症が起きるのを抑える。
【0121】
このような抗炎症剤としては、後述するユーカリ葉油、アラントインのほか、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなどがある。上記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、低級アルコール、高級アルコールなどがある。上記油は、綿実、米ぬか、菜種、やし、パーム、大豆、とうもろこし、ごま、ヘキサン等の植物種子や果実などの植物性由来でもよいが、動物性のものもふくまれてもよい。
【0122】
上記液体の油脂は、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヒマシ油、ハッカ油、アーモンド油、大豆油、椿油、ゴマ油、ベニ花油、ココナツ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、米油、米ぬか油、落花生油、綿実油などの液体の油脂でもよい。オリーブ、ホホバ、ヤシ、パーム、ヒマシ、ハッカ、アーモンド、大豆、椿、ゴマ、ベニ花、ココナツ、ヒマワリ、トウモロコシ、米、米ぬか、落花生、綿実は、通常油脂からろ過されて廃棄されてもよいし、油脂、水またはアルコールに残されてもよい。
【0123】
本発明の緑内障治療用組成物は、人間のほか、犬、猫、牛、馬などの動物の緑内障治療用組成物としても有効で、異常な眼圧が正常範囲まで低下し、または、視野異常の範囲が減少され、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善される。
【0124】
上記緑内障治療用組成物には、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボン、または/及び、5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンが0.0001重量%乃至99.9999重量%、混合されるが、0.0001重量%未満、例えば0.00001重量%、0.000001重量%、0.0000001重量%でもよいし、99.9999重量%を越えてもよいし、100重量%でもよい。
【0125】
(7)他の発明の効果
[1]アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)を含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[2]14-デオキシアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[3]ネオアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[4]14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[5]14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[6]アンドログラパニンを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
[7]イソアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。
【0126】
[8]14-アセチルアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。[9]3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。[10]5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。[11]5-ヒドロキシ-7,8,2’,5’-テトラメソクシフラボンを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。[12]5-ヒドロキシ-7,8、2’,3’-テトラメソクシフラボンを含有することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。これにより、緑内障を治療、改善できる。[13]センシンレンを粉末状、粉状または粒状にしたことを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物の生産方法。これにより、緑内障を治療、改善できる。
【0127】
[21]アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)と、水、アルコールまたは常温で液体の油脂とを、ほぼ均一に混合したことを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。 これにより、緑内障を治療、改善できる。
【0128】
[22]上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)は、血液網膜関門または血液脳関門を通過して、眼球の網膜または脳の視神経まで届くことを特徴とする請求項21記載の緑内障治療用組成物。 これにより、眼球の網膜または脳の視神経まで、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)が、到達して、緑内障を治療、改善できる。
【0129】
[23]上記緑内障治療用組成物には、さらに、14-デオキシアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21または22記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)のほか、14-デオキシアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0130】
[24]上記緑内障治療用組成物には、さらに、ネオアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22または23記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリドのほか、ネオアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0131】
[25]上記緑内障治療用組成物には、さらに、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23または24記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリドのほか、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0132】
[26]上記緑内障治療用組成物には、さらに、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23、24または25記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリドのほか、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0133】
[27]上記緑内障治療用組成物には、さらに、アンドログラパニンが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23、24、25または26記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライドのほか、アンドログラパニンの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0134】
[28]上記緑内障治療用組成物には、さらに、イソアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23、24、25、26または27記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニンのほか、イソアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0135】
[29]上記緑内障治療用組成物には、さらに、14-アセチルアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23、24、25、26、27または28記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリドのほか、14-アセチルアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0136】
[30]上記緑内障治療用組成物には、さらに、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドが、ほぼ均一に混合されたことを特徴とする緑内障を治療するための請求項21、22、23、24、25、26、27、28または29記載の緑内障治療用組成物。 これにより、アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリドのほか、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドの相乗効果によって、緑内障を治療、改善できる。
【0137】
[31]上記アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、または/及び、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリドが、0.0001重量%乃至99.9999重量%、水、アルコールまたは常温で液体の油脂が0.001重量%乃至99.999重量%、これらを総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合されることを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29または30記載の緑内障を治療するための緑内障治療用組成物。 これにより、これら各成分によって緑内障を治療、改善できる。
【0138】
[32]アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)と、水、アルコールまたは常温で液体の油脂とを、ほぼ均一に混合することを特徴とする緑内障を治療するための緑内障治療用組成物の生産方法。 これにより、緑内障を治療、改善できるし、緑内障治療用組成物を生産できる。
【0139】
[33]上記緑内障治療用組成物は、経口服用されることを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31記載の緑内障治療用組成物。 これにより、経口服用によって、緑内障を治療、改善できる。
【0140】
[34]上記緑内障治療用組成物は、眼球に添加されることを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31記載の緑内障治療用組成物。 これにより、眼球への添加によって、緑内障を治療、改善できる。
【0141】
[35]上記緑内障治療用組成物は、眼球の眼圧を低下させることを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31記載の緑内障治療用組成物。 これにより、異常な眼圧が正常範囲まで低下して、緑内障を治療、改善できる。
【0142】
[36]上記緑内障治療用組成物は、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分を改善することを特徴とする請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31記載の緑内障治療用組成物。 これにより、視野異常の範囲が減少し、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善され、緑内障を治療、改善できる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンなどを、粉末にする。これを服用等することにより、眼圧が正常範囲まで低下し、また眼圧が正常の範囲内であっても、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。
【0144】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)、14-デオキシアンドログラフォリド、ネオアンドログラフォリド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、14-デオキシ-14,15-デヒドロアンドログラフォライド、14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォリド、アンドログラパニン、イソアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、または、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、14-アセチルアンドログラフォリド、3,19-イソプロピリデンアンドログラフォリド、5-ヒドロキシ-7,8-ジメトキシフラボンを0.0001重量%乃至99.9999重量%、水、アルコールまたは常温で液体の油脂を0.001重量%乃至99.999重量%、これらをほぼ均一に混合した。

【0145】
アンドログラフォリド(ジテルペンラクトン)などを含有する緑内障治療用組成物によって緑内障を治療、改善する。これにより、アンドログラフォリドなどによって、眼圧が正常範囲まで低下し、また眼圧が正常の範囲内であっても、視野異常の範囲の減少が認められ、眼球の網膜の視神経の障害または視野の障害を起こしている部分が改善された。
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