(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】コンテナの底蓋開閉機構
(51)【国際特許分類】
B65D 19/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B65D19/02
(21)【出願番号】P 2024128590
(22)【出願日】2024-08-02
【審査請求日】2024-09-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500240999
【氏名又は名称】株式会社アーク・ロット
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 清一
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-049304(JP,A)
【文献】特開平06-191604(JP,A)
【文献】特開平07-076401(JP,A)
【文献】米国特許第05746463(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体の下部に底蓋が上下方向に回転自在に取着され、底蓋の自由端側に固定ピンが設けられた底開閉式のコンテナと、
前記コンテナの箱本体に回転自在に取着された支点部、前記固定ピンを係脱可能なフックを備えた作用点部、前記支点部よりも上に配置された第一力点部を備えたレバーと、
前記レバーの第一力点部に一端が接続されると共に、他端側が前記箱本体に設けられた第一ガイド部材に長さ方向に移動自在に装着され、
前記レバーの第一力点部側から箱本体の第一ガイド部材側にかけて上向きに傾斜し、長さ方向の中間部位にストッパー部が設けられたガイドレールと、
前記ガイドレールのレバー接続部とストッパー部の間にスライド自在に装着されたスライダーと、
前記スライダーに一端が固定された線状体と、を含んで成り、
前記線状体をガイドレールの長さ方向に引っ張ったとき、前記スライダーがガイドレール上を移動してストッパー部に衝突し、その勢いでガイドレールが長さ方向に移動することでレバーが回動して作用点部のフックが固定ピンから外れる、コンテナの底蓋開閉機構。
【請求項2】
箱本体の下部に底蓋が上下方向に回転自在に取着され、底蓋の自由端側に固定ピンが設けられた底開閉式のコンテナと、
前記コンテナの箱本体に回転自在に取着された支点部、前記固定ピンを係脱可能なフックを備えた作用点部、前記支点部よりも上に配置された第一力点部を備えたレバーと、
前記レバーの第一力点部に一端が接続されると共に、他端側が前記箱本体に設けられた第一ガイド部材に長さ方向に移動自在に装着され、長さ方向の中間部位にストッパー部が設けられたガイドレールと、
前記ガイドレールのレバー接続部とストッパー部の間にスライド自在に装着されたスライダーと、
前記コンテナの箱本体におけるレバーの支点部と第一力点部の中間位置に設けられた第二ガイド部材と、
前記スライダーに一端が固定された線状体と、を含んで成り、
前記線状体をガイドレールの長さ方向に引っ張ったとき、前記スライダーがガイドレール上を移動してストッパー部に衝突し、その勢いでガイドレールが長さ方向に移動することでレバーが
第二ガイド部材のガイド孔に沿って回動して作用点部のフックが固定ピンから外れる、コンテナの底蓋開閉機構。
【請求項3】
前記レバーが、支点部から上方向と横方向に二股状に形成されて、支点部の横方向に第二力点部が設けられると共に、この第二力点部とその上側に位置する前記箱本体の第二ガイド部材とが引張バネにより連結されて、当該引張バネの弾性復元力により線状体によって回動させたレバーが元の位置に自動的に戻る、請求項2記載のコンテナの底蓋開閉機構。
【請求項4】
前記レバーが箱本体の一側面に設けられる一方、これと対向する箱本体の反対側の側面に従動レバーが設けられて、前記レバーの支点部と従動レバーの支点部がシャフトを介して連動するように接続されている、請求項1または2に記載のコンテナの底蓋開閉機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物や産業資材等の運搬に使用されるコンテナの底蓋開閉機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物や産業資材等の運搬はコンテナを使用して行われるが、このようなコンテナとして、従来、底蓋が開いて収容した産業廃棄物等を排出できるようにした底蓋開閉式のコンテナが公知となっている(例えば、特許文献1~4参照)。この底蓋開閉式のコンテナは、産業廃棄物等の収容時に底蓋が開かないように底蓋を閉じた状態でロックできる機構を備えている。
【0003】
例えば、特許文献4においては、底蓋の一端に固定ピンを設けて、この固定ピンをレバーの作用点側のフックに係合させてロックし、底蓋を開く際にはレバーの力点側を前後方向に操作してレバーを回動させ、レバーのフックを固定ピンから外すことによりロックを解除して底蓋が開くようにした底蓋開閉機構が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献4の従来技術においては、産業廃棄物等を収容した際に底蓋に下側方向への大きな荷重がかかり、底蓋の固定ピンとフックに大きな摩擦力が生じることによって、固定ピンからフックを外すためにレバーを大きな力で操作する必要があった。そのため、作業者が簡単に底蓋の開閉操作を行うことが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-191603号公報
【文献】特開平11-343005号公報
【文献】実用新案登録第3172827号公報
【文献】特開平6-191604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると底蓋の開閉によって収容物の排出を行うことができ、誰でも簡単に底蓋の開閉操作を行えるコンテナの底蓋開閉機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決する手段として、箱本体11の下部に底蓋12が上下方向に回転自在に取着され、底蓋12の自由端側に固定ピン12aが設けられた底開閉式のコンテナ1と、前記コンテナ1の箱本体11に回転自在に取着された支点部21、前記固定ピン12aを係脱可能なフックFを備えた作用点部22、前記支点部21よりも上に配置された第一力点部23を備えたレバー2と、前記レバー2の第一力点部23に一端が連結されると共に、他端側が前記箱本体11に設けられた第一ガイド部材11aに長さ方向に移動自在に装着され、長さ方向の中間部位にストッパー部31が設けられたガイドレール3と、前記ガイドレール3のレバー接続部とストッパー部31の間にスライド自在に装着されたスライダー4と、前記スライダー4に一端が固定された線状体5と、からコンテナの底蓋開閉機構を構成することにより、前記線状体5をガイドレール3の長さ方向に引っ張ったとき、前記スライダー4がガイドレール3上を移動してストッパー部31に衝突し、その勢いでガイドレール3が長さ方向に移動することでレバー2が回動して作用点部23のフックFが固定ピン12aから外れるように構成した(効果は後述する)。
【0008】
また本発明では、上記ガイドレール3を、レバー2の第一力点部23側から箱本体11の第一ガイド部材11a側にかけて上向きに傾斜させることにより、線状体5を引っ張ってストッパー部31側に移動させたスライダー4の位置を自重によりレバー接続部側に自動的に戻すことができる。
【0009】
また本発明では、上記レバー2を箱本体11の一側面に設ける一方、これと対向する箱本体11の反対側の側面に従動レバー6を設けて、前記レバー2の支点部21と従動レバー6の支点部61をシャフト13を介して連動するように接続することで、線状体5を引っ張ったとき、底蓋12の左右両側に設けられた固定ピン12aからレバー2と従動レバー6のフックFを同時に外すことができる。
【0010】
また本発明では、上記コンテナ1の箱本体11におけるレバー2の支点部21と第一力点部23の中間位置に第二ガイド部材11bを設けて、この第二ガイド部材11bに装着されたレバー2がガイド孔Hに沿って回動するように構成することで、レバー2を支点部21を中心にスムーズに回動させることができる。
【0011】
また本発明では、上記レバー2を、支点部21から上方向と横方向に二股状に形成して、支点部21の横方向に第二力点部24を設けると共に、この第二力点部24とその上側に位置する前記箱本体11の第二ガイド部材11bとを引張バネ7により連結して、当該引張バネ7の弾性復元力により線状体5によって回動させたレバー2が元の位置に自動的に戻るように構成することで、底蓋12を閉じたときのロックも簡単に行える。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、底蓋の固定ピンとレバーのフックを係合させて底蓋を閉じた状態でロックできるだけでなく、底蓋を開く際に、スライダーとガイドレールのストッパー部の衝突のエネルギーを利用してレバーを回動操作できるようにしたことにより、フックを固定ピンから外す際に瞬間的に大きな力を加えることができるため、底蓋に下側方向の荷重がかかっている場合でもロックの解除を簡単に行うことができる。
【0013】
また本発明では、ワイヤー等の線状体によってガイドレールに装着されたスライダーを引っ張るだけでレバーの操作を行うことができるため、腕力に乏しい作業者であっても底蓋のロック解除を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明における第一実施形態のコンテナの底蓋開閉機構を示す側方から見た全体斜視図である。
【
図2】本発明における第一実施形態のコンテナの底蓋開閉機構を示す前方から見た全体斜視図である。
【
図3】本発明における第一実施形態のコンテナの底蓋開閉機構を示す(a)ロック時の状態、(b)スライダー移動時の概略図である。
【
図4】本発明における第一実施形態のコンテナの底蓋開閉機構の機能を示す(a)レバー回動時、(b)ロック解除時の概略図である。
【
図5】本発明における第一実施形態のコンテナの底蓋開閉機構を示す前方から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
『第一実施形態』
本発明の第一実施形態を
図1~
図5に基づいて説明する。なお図中、符号1で指示するものは、コンテナであり、符号2で指示するものは、レバーである。また符号3で指示するものは、ガイドレールであり、符号4で指示するものは、スライダーである。また符号5で指示するものは、線状体であり、符号6で指示するものは、従動レバーである。また符号7で指示するものは、引張バネである。本明細書中における前後方向は底蓋が開く側を前側、底蓋のヒンジ連結部を後側とした方向である。
【0016】
「コンテナの底蓋開閉機構」
[1]基本構成について
本実施形態においては、
図1~
図3(a)に示すように、箱本体11の下部に底蓋12を上下方向に回転自在に取着し、底蓋12の自由端側に固定ピン12aを設けて底開閉式のコンテナ1を構成している。更にこのコンテナ1の箱本体11の固定ピン12aの近傍に対し、レバー2の支点部21を回転自在に取着すると共に、フックFを備えたレバー2の作用点部22を底蓋12の固定ピン12aを係脱可能に配置し、更にレバー2の第一力点部23を支点部21よりも上側に配置して構成している。
【0017】
更に上記レバー2の第一力点部23には、ガイドレール3の一端を連結すると共に、ガイドレール3の他端側を、箱本体11に設けた第一ガイド部材11aにガイドレール3の長さ方向(コンテナ1の前後方向)に移動自在に装着している。またこのガイドレール3の長さ方向の中間部位にはストッパー部31を設け、ガイドレール3のレバー接続部とストッパー部31の間に、スライダー4をスライド自在に装着している。そして、スライダー4に対して線状体3の一端を固定してコンテナ1の底蓋開閉機構を構成している。
【0018】
[2]底蓋の開閉方法
上記のようにコンテナ1の底蓋開閉機構を構成したことにより、
図3(a)に示す状態から上記線状体5をガイドレール3の長さ方向に引っ張れば、
図3(b)に示すようにガイドレール3上でスライダー4を移動させて、スライダー4をストッパー部31に衝突させることができる。そして、スライダー4とストッパー部31の衝突の衝撃を利用して、その勢いで
図4(a)に示すようにガイドレール3を長さ方向に移動させることができる。更にガイドレール3の移動によってレバー2を回動させて、
図4(b)に示すように作用点部23のフックFを固定ピン12aから外して底蓋12を開くことができる。
【0019】
上記のようにコンテナ1の底蓋12のロックを外せるようにすることで、作業者がフォークリフトに乗った状態でより小さな力で底蓋12の開閉作業を行うことができる。また底蓋12を閉じる際には、線状体5を緩め、ガイドレール3及びレバー2を元の位置に戻し、作用点部23のフックFを固定ピン12aに係合させることで、再度、底蓋12を閉じた状態でロックすることができる。
【0020】
[3]コンテナについて
[3-1]箱本体
次に各構成要素について説明する。上記コンテナ1の箱本体11の材料・形状に関しては、本実施形態では、
図1及び
図2に示すように直方体型の金属製コンテナ1を使用しているが、産業廃棄物用または運搬用コンテナ1として一般的に使用されている形状であれば問題ない。またコンテナ1のサイズ(容量)に関しても、本実施形態では産業廃棄物用コンテナ1として使用される一般的なサイズとしているが、フォークリフトのフォークに載せられる範囲で適宜変更できる。
【0021】
[3-2]第一ガイド部材
上記コンテナ1の箱本体11に設けるガイドレール3の他端側を装着するための第一ガイド部材11aに関しては、本実施形態では、
図1~
図3(a)に示すように、箱本体11の側面の上側後部に配置している。この第一ガイド部材11aは、ガイドレール3を挿通するためのガイド孔Hを有する形状であれば、形状(孔形状を含む)や数は特に限定されない。ガイドレール3が移動する際、このガイド孔Hに挿通されたガイドレール3は、
図4(a)(b)に示すように角度を変えながらコンテナ1の前後方向に移動する。
【0022】
[3-3]第二ガイド部材
本実施形態では、
図1~
図3(a)に示すように、上記コンテナ1の箱本体11におけるレバー2の支点部21と第一力点部23の中間位置に第二ガイド部材11bを設けている、この第二ガイド部材11bのガイド孔Hには、レバー2の支点部21と第一力点部23の中間部を装着して、
図4(a)(b)に示すようにレバー2の中間部を第二ガイド部材11bのガイド孔Hに沿って前後に回動させることができる。これにより、レバー2を支点部21を中心にガタツキなくスムーズに回動させることができる。なお第二ガイド部材11bの形状に関しても、本実施形態では二枚の金属板間にガイド孔H(細孔)を形成しているが、形状(孔形状を含む)や数は特に限定されない。
【0023】
[3-4]底蓋
上記コンテナ1の底蓋12については、本実施形態では、
図1~
図3(a)に示すようにコンテナ1の底面全体に底蓋12を形成しているが、コンテナ1の形状によっては底面の一部に底蓋12を形成することもできる。その際、底蓋12と箱本体11のヒンジ連結部12bも移動させることができ、底蓋12の自由端側よりもコンテナ1の後側にヒンジ連結部12bが配置されていればよい。
【0024】
また本実施形態では、コンテナ1と地面の間にフォークを差し込み易くするため、また底蓋12の剛性を高めるため、またレバー2の作用点部22が地面に干渉しないようにするために、底蓋12下面に、矩形断面の筒パイプを左右方向に取り付けて脚部12bとしている。本実施形態では、
図1~
図5に示すように脚部12bをコンテナ1の前後に設けているが、脚部12bの形状や配置、数は適宜変更することができる。
【0025】
[3-4]シャフト
本実施形態では、上記レバー2を箱本体11の一側面に設ける一方、
図2及び
図5に示すようにこれと対向する箱本体11の反対側の側面に従動レバー6を設けて、レバー2の支点部21と従動レバー6の支点部61をシャフト13を介して連動するように接続している。これにより、
図4(a)(b)に示すように線状体5を引っ張ったとき、レバー2と従動レバー6を同時に回動させて、底蓋12の左右両側に設けられた固定ピン12aからレバー2の作用点部23(フックF)と従動レバー6の作用点部62(フックF)を同時に外して底蓋12を開くことができる。なおシャフト13は、
図2及び
図5に示すように箱本体11の両側面に設けられた軸受部11cにそれぞれ装着している。
【0026】
[4]レバーについて
[4-1]形状・材質
上記レバー2に関しては、本実施形態では、屈曲した金属板状の部材からレバー2を構成し、
図1~
図3(a)に示す底蓋12を閉じた状態で支点部21の下側近傍に作用点部22(フックF)、支点部21から上側に第一力点部23をそれぞれ配置している。またコンテナ1の箱本体11にレバー2を取り付けた際には、箱本体11の底部側に支点部21と作用点部22(フックF)が配置され、箱本体11の上側に第一力点部23が配置される。
【0027】
上記レバー2の支点部21と作用点部22(フックF)を構成する板状部分は、
図1及び
図2に示すように軸受11cに干渉しないように、支点部21と第一力点部23を繋ぐ板状部分よりも外側に配置している。またレバー2の支点部21と第一力点部23を繋ぐ板状部分(棒状部分)は、上記箱本体11の第二ガイド部材11bのガイド孔Hに挿通し、このガイド孔Hの中で前後に回動する。
【0028】
[4-2]第二力点部
また本実施形態では、
図1~
図3に示すように上記レバー2を、支点部21から上方向と横方向に二股状に分岐して形成して、支点部21の横方向に第二力点部24を設けている。更にこの第二力点部24とその上側に位置する上記箱本体11の第二ガイド部材11bとを引張バネ7により連結している。これにより、引張バネ7の弾性復元力によって線状体5によって回動させた
図4(b)に示すレバー2を、
図3(a)に示す元の位置に自動的に戻るようにすることができる。これにより底蓋12を閉じた後、レバー2を引張バネ7で元に戻すだけで底蓋12を簡単にロックすることができる。
【0029】
[5]ガイドレールについて
[5-1]ガイドレール本体
上記ガイドレール3の本体については、本実施形態では
図1~
図3に示すように細長い金属板状の部材から構成しているが、形状や材質は特に限定されない。ガイドレール3の一端は、レバー2の第一力点部23にピン連結されて回転自在に接続している。ガイドレール2の他端側は自由端として、上記箱本体11の第一ガイド部材11aのガイド孔Hに挿通しているが、他端の位置やガイドレール3本体の長さは特に限定されない。
【0030】
[5-2]ストッパー部
上記ガイドレール3のストッパー部31に関しては、本実施形態では、
図1~
図3に示すようにガイドレール3の本体に別体の板材を取り付けて本体よりも厚みを大きくすることで、スライダー4を衝止できるようにしている。このストッパー部31の形状は、スライダー4が衝止できれば特に限定されず、ガイドレール3の中間部の厚みや幅を部分的に大きくする形状を適宜採用できる。
【0031】
[5-3]ガイドレールの傾斜
本実施形態では、
図1~
図3に示すように上記レバー2の第一力点部23側から箱本体11の第一ガイド部材11a側にかけてガイドレール3の本体を上向きに傾斜させることによって、線状体5を引っ張ってストッパー部31側に移動させた
図4(b)に示すスライダー4の位置を自重により
図3(a)に示すレバー接続部側に自動的に戻すことができる。これによりスライダー4を元に戻す操作が不要となる。
【0032】
[6]スライダーについて
[6-1]形状・材質
上記スライダー4に関しては、本実施形態では
図1及び
図2に示すように細孔が形成された金属製のウェイト部材を使用し、このウェイト部材の細孔にガイドレール3の本体を挿通して装着している。スライダー4の材質や形状はガイドレール3の形状に合わせて適宜変更できるが、ストッパー部31に衝突させた際のエネルギーが大きくなるように一定以上の重量を有する部材を使用するのが好ましい。
【0033】
[6-2]リング部
本実施形態では、
図1~
図3に示すようにスライダー4の一部にリング部41を形成して、このリング部41に線状体5の一端を連結できるようにしている。このリング部41に関しては、線状体5を固定するこができれば特に形状は限定されず、フックリングなどを採用することもできる。またスライダー4に留め孔を設けて、この留め孔に線状体5を通して固定することもできる。
【0034】
[7]線状体について
上記線状体5に関しては、本実施形態では金属製のワイヤーを使用しているが、一定の引張強度を有するものであれば合成樹脂繊維や天然繊維の紐を使用することもできる。また本実施形態では、
図1に示すように線状体5のスライダー4に固定されていない側の端部にハンドル部51を設けることにより、作業者がハンドル部51を握って線状体5を引っ張り操作し易くしている。
【符号の説明】
【0035】
1 コンテナ
11 箱本体
11a 第一ガイド部材
11b 第二ガイド部材
11c 軸受部
12 底蓋
12a 固定ピン
12b ヒンジ連結部
12c 脚部
13 シャフト
2 レバー
21 支点部
22 作用点部
23 第一力点部
24 第二力点部
3 ガイドレール
31 ストッパー部
4 スライダー
41 リング部
5 線状体
51 ハンドル部
6 従動レバー
61 支点部
62 作用点部
7 引張バネ
H ガイド孔
【要約】
【課題】 底蓋の開閉によって収容物の排出を行うことができ、誰でも簡単に底蓋の開閉操作を行えるコンテナの底蓋開閉機構を提供すること。
【解決手段】 底開閉式のコンテナ1と、レバー2と、ガイドレール3と、スライダー4と、線状体5と、からコンテナの底蓋開閉機構を構成し、前記線状体5をガイドレール3の長さ方向に引っ張ったとき、前記スライダー4がガイドレール3上を移動してストッパー部31に衝突し、その勢いでガイドレール3が長さ方向に移動することでレバー2が回動して作用点部23のフックFが固定ピン12aから外れるように構成した。
【選択図】
図1