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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020156994
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050845
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
【審査官】河村 未奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-130200(JP,A)
【文献】特開2004-016350(JP,A)
【文献】特開2018-102340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たり判定処理で当たりと判定すると、特別遊技を実行する遊技制御手段と、
リーチ演出を実行可能な演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記当たりの種類には、有利当たりと、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たりと、があり、
前記リーチ演出には、第1不利リーチ演出と、第2不利リーチ演出と、があり、
前記演出制御手段は、
演出図柄を前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様にしてから、所定の分岐点を経て、前記第1不利リーチ演出を実行する場合と、前記第2不利リーチ演出を実行する場合と、があり、
前記第1不利リーチ演出の実行中に前記演出図柄を前記不利当たりへの当選を意識させる不利当たり態様で仮停止表示する場合よりも、前記第2不利リーチ演出の実行中に前記演出図柄を前記不利当たりへの当選を意識させる不利当たり態様で仮停止表示する場合の方が、当該演出図柄の不利当たり態様を前記有利当たりへの当選を意識させる有利当たり態様にすることを煽る昇格煽り演出を実行し易いことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、大当たりと判定すると、大当たりであるか否かを報知する前に、リーチ演出を実行することがあるパチンコ遊技機が知られている。この種類のパチンコ遊技機において、例えば、下記特許文献1では、確変大当たり(有利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができて、通常大当たり(不利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-195637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の遊技機では、リーチ演出として、大当たりに当選した場合に有利当たりに当選していることを示す有利リーチ演出が実行されることがある。そのため、有利リーチ演出が実行されることにより、遊技者に高揚感を与えることができる。しかしながら、有利リーチ演出によって遊技者に有利当たりへの当選を意識させることは既にありきたりであって、遊技興趣の向上を図るには、改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、斬新な遊技興趣を提供することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
当たり判定処理で当たりと判定すると、特別遊技を実行する遊技制御手段と、
リーチ演出を実行可能な演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記当たりの種類には、有利当たりと、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たりと、があり、
前記リーチ演出には、第1不利リーチ演出と、第2不利リーチ演出と、があり、
前記演出制御手段は、
演出図柄を前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様にしてから、所定の分岐点を経て、前記第1不利リーチ演出を実行する場合と、前記第2不利リーチ演出を実行する場合と、があり、
前記第1不利リーチ演出の実行中に前記演出図柄を前記不利当たりへの当選を意識させる不利当たり態様で仮停止表示する場合よりも、前記第2不利リーチ演出の実行中に前記演出図柄を前記不利当たりへの当選を意識させる不利当たり態様で仮停止表示する場合の方が、当該演出図柄の不利当たり態様を前記有利当たりへの当選を意識させる有利当たり態様にすることを煽る昇格煽り演出を実行し易いことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機によれば、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
図2】同遊技機が備える第2大入賞装置等を詳細に示す概略正面図である。
図3図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
図4】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図5】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図6】当たりの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
図8】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
図9】変動パターン判定テーブルである。
図10】電チューの開放パターン決定テーブルである。
図11】主制御メイン処理のフローチャートである。
図12】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図13】センサ検出処理のフローチャートである。
図14】ゲート通過処理のフローチャートである。
図15】普通動作処理のフローチャートである。
図16】特別動作処理のフローチャートである。
図17】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図18】大当たり判定処理のフローチャートである。
図19】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図20】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図21】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
図22】特別図柄確定処理のフローチャートである。
図23】遊技状態管理処理のフローチャートである。
図24】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
図25】遊技状態設定処理のフローチャートである。
図26】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
図27】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
図28】振分部材制御処理のフローチャートである。
図29】特定領域センサ検出処理のフローチャートである。
図30】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図31】受信割り込み処理のフローチャートである。
図32】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図33】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図34】小当たりの種別に応じた第2大入賞口の開放パターン及び振分部材の作動パターンを示すタイミングチャートである。
図35】実施形態における遊技状態の遷移等を示す図である。
図36】実施形態に係る演出図柄を示す図である。
図37】金図柄リーチ演出が実行される場合の流れを示す図である。
図38】第1敵キャラバトル演出が実行される場合の流れを示す図である。
図39】第1敵キャラバトル演出でリーチハズレ仮表示がなされた場合の流れを示す図である。
図40】第2敵キャラバトル演出が実行される場合の流れを示す図である。
図41】第2敵キャラバトル演出でリーチハズレ仮表示がなされた場合の流れを示す図である。
図42】銀図柄リーチ演出が実行される場合の流れを示す図である。
図43】図柄破壊演出が実行される場合の流れを示す図である。
図44】図柄破壊演出で残り銀図柄表示がなされた場合の流れを示す図である。
図45】図柄破壊演出で残り金図柄表示がなされた場合の流れを示す図である。
図46】図柄破壊演出で残り覚醒キャラ図柄表示がなされた場合の流れを示す図である。
図47】ミニキャラ演出が実行される場合の流れを示す図である。
図48】ミニキャラ演出で失敗演出が実行された場合の流れを示す図である。
図49】ミニキャラ演出で成功演出が実行された場合の流れを示す図である。
図50】ミニキャラ演出で覚醒カード登場演出が実行された場合の流れを示す図である。
図51】演出例1を示す図である。
図52】演出例1を示す図である。
図53】演出例2を示す図である。
図54】演出例2を示す図である。
図55】(A)は銀図柄リーチ演出が実行される場合の各演出期待度を示す表であり、(B)は金図柄リーチ演出が実行される場合の各演出期待度を示す表である。
図56】特図2変動演出パターン決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の第1形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0010】
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0011】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(図5参照)が複数設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0012】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄(識別図柄)および第2特別図柄(識別図柄)の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0013】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0014】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0015】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
【0016】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、装飾部材13が配されている。
【0017】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0018】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21(特定の入球口)への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0019】
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
【0020】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0021】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0022】
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
【0023】
第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
【0024】
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0025】
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0026】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
【0027】
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0028】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
【0029】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0030】
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
【0031】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
【0032】
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0033】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0034】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0035】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0036】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(第1数値情報記憶手段)85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(第2数値情報記憶手段)85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態において第1特図保留記憶部85aの上限記憶数が4(第1上限数)であり、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が1(第2上限数)となっている。
【0037】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0038】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0039】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0040】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0042】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0043】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0044】
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
【0045】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0046】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0047】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0048】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0049】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0050】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
【0051】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0052】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0053】
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0054】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0055】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0056】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0057】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0058】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0059】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。詳細には、第1特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」があり、第2特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」がある。すなわち、第2特別図柄の抽選で「はずれ」となることはない。なお「当たり」には、「大当たり」と「小当たり」の両方が含まれている。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0060】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(第2特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
【0061】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0062】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0063】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図6に示すように、大当たりの種別として「10R(ラウンド)通常大当たり」と「3R時短大当たり」と「10R時短大当たり」とがある。「10R通常大当たり」は、10Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「3R時短大当たり」は、3Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「10R時短大当たり」は、10Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0064】
また、「10R通常大当たり」及び「3R時短大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「10R時短大当たり」は第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「10R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「3R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「10R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
【0065】
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この2種大当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従ってこのときの総ラウンド数は10Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
【0066】
より詳細には本形態では、図6に示すように、小当たりの種別として「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「10R時短小当たりC」、及び「10R通常小当たり」とがある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「10R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「10R時短小当たりB」、「10R時短小当たりC」、及び「10R通常小当たり」は、右打ちにて遊技をしていればV通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。
【0067】
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には図6に示すように、時短小当たりAではおよそ4.6秒、時短小当たりBでは21秒、時短小当たりCおよび通常小当たりでは0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。なお、通過開放パターンは、第1開放パターンに相当する。また、非通過開放パターンは、第2開放パターンに相当する。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
【0068】
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「10R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「10R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
【0069】
また、「10R時短小当たりB」及び「10R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「10R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から10R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「10R通常小当たり」は、6R目から10R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。すなわち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
【0070】
また、「10R時短小当たりA」及び「10R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「10R時短小当たりC」及び「10R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「10R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。なお、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、及び「10R時短小当たりC」は「特典付き小当たり」に相当し、「10R通常小当たり」は「特典なし小当たり」に相当する。
【0071】
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、10R通常大当たりが50%、3R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て10R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、10R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、10R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、10R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、10R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。
【0072】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0073】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。そして、リーチ態様とは、リーチとなっているときの演出図柄の表示態様のことである。なお、リーチにおいて停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
【0074】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0075】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
【0076】
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0077】
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図10参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
【0078】
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「特典遊技状態」に相当する。
【0079】
なお、高ベース状態(時短状態が作動している状況)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動していないが(図10参照)、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
【0080】
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0081】
本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、「3R時短大当たり」、「10R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、又は「10R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0082】
また、「10R通常大当たり」、又は「10R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(図6参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
【0083】
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0084】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
【0085】
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図11図29に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図11に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0086】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0087】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0088】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図12に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0089】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0090】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図11の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0091】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図11参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0092】
[センサ検出処理]図13に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0093】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が1個(第2上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が1個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が1個未満である場合(つまりない場合)には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0094】
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0095】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
【0096】
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0097】
[ゲート通過処理]図14に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0098】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図15に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0099】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図8(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」~「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0100】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0101】
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0102】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
【0103】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
【0104】
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
【0105】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図16に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4、5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0106】
[特別図柄待機処理]図17に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0107】
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報(大当たり、小当たりの種類の情報も含む)や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0108】
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報(大当たり、小当たりの種類の情報も含む)や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0109】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にはハズレがなく、大当たり当選となる場合を除けば必ず小当たり当選となる上、小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選がなされれば必ず大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)ようになっている。この点については後に詳述する。
【0110】
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図18に基づいてまとめて説明する。図18に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0111】
次に、大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、大当たり判定値である「65300」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0112】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「65299」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「3500」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。
【0113】
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0114】
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。本形態では、特図1の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがある一方、特図2の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがないように、各抽選における小当たり当選確率が設定されている(図8(A)参照)。
【0115】
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図19及び図20に基づいてまとめて説明する。図19に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
【0116】
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0117】
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
【0118】
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「5」であり、非時短状態であれば「0」~「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
【0119】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、特図1保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、第1特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、第1特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0120】
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図20に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302~S1308と同様の流れで処理(S1309~S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
【0121】
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
【0122】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図19に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0123】
[特別図柄変動中処理]図21に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0124】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
【0125】
[特別図柄確定処理]図22に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
【0126】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0127】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
【0128】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
【0129】
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
【0130】
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
【0131】
[遊技状態管理処理]図23に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。その後、ステップS1705では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0132】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図24に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0133】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0134】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0135】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0136】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0137】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
【0138】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
【0139】
[遊技状態設定処理]図25に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち「3R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「10R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、ステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102及びS2103を行うことなく、本処理を終える。
【0140】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図26及び図27に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0141】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0142】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
【0143】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0144】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
【0145】
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図27に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
【0146】
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図29参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
【0147】
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
【0148】
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図12参照)。振分部材制御処理(S107)では図28に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図22参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
【0149】
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
【0150】
図34(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
【0151】
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図34(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
【0152】
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
【0153】
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図34(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
【0154】
ここで図34に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図34(b),(e),及び(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、図34(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
【0155】
図34(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「10R時短小当たりC」又は「10R通常小当たり」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
【0156】
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0157】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図34(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000ms(第2大入賞口35が閉鎖したタイミングから振分部材71の第1V開放が終了するタイミングまでの時間)よりも短い。
【0158】
図34(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「10R時短小当たりB」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
【0159】
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0160】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図34(e)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
【0161】
図34(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「10R時短小当たりA」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
【0162】
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0163】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図34(f)及び(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
【0164】
以上、図34に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図34(b)の特2V通過小当たり及び図34(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図34(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
【0165】
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図12参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図29に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図28参照)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図34(d)に示す期間である。
【0166】
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
【0167】
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図30図33に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0168】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0169】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0170】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0171】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図31に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0172】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0173】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
【0174】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
【0175】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0176】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S4301)。受信コマンド解析処理(S4301)では、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、変動演出パターン選択処理(後述する特図2変動演出パターン決定処理を含む)を実行する。また受信コマンド解析処理(S4301)では、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、特別遊技演出選択処理を実行する。また、遊技制御用マイコン81からエンディングコマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、エンディング演出選択処理を実行する。また、遊技制御用マイコン81からV通過コマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、V通過報知演出開始処理を実行する。
【0177】
また演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)に続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。次に、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
【0178】
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
【0179】
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図35に基づいて説明する。図35に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「10R時短小当たりB」(図6参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。
【0180】
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが「10R通常大当たり」(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「3R時短大当たり」(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが「10R通常大当たり」であった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
【0181】
これに対して、「3R時短大当たり」であった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特図2の抽選にハズレはなく(図8(A)参照)、大当たり当選となる場合を除けば全て小当たり当選となる。しかも、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(「10R時短小当たりC」,「10R通常小当たり」(図6参照)、図34(b),(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選が実行されれば必ず大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特図2の抽選にて当選する大当たり(直撃大当たり)は、必ず「10R時短大当たり」(図6参照)である。
【0182】
また、この時短状態では、第2特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特図2の変動表示中に第2特図保留を1つ貯めることができる。この1つの第2特図保留は、大当たり遊技を経たその後の遊技において消化されることとなる。
【0183】
時短状態で特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「10R通常小当たり」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態(不利遊技状態)に制御される。一方、「10R時短小当たりC」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態(有利遊技状態)に制御される。この振分率は各50%である。時短当たり(「10時短小当たりC」又は「10R時短大当たり」)に当選した場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても大当たり遊技を実行させることができる。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、一度、時短図柄(時短状態に制御されることとなる図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されると、それ以降で2回の大当たり遊技の実行が見込める遊技機となっている。言い換えれば、時短状態に制御されると所謂2回ループの遊技機となっている。
【0184】
これに対して、特図2の抽選にて当選した小当たりが「10R通常小当たり」であった場合には、通常遊技状態(不利遊技状態)に制御される。この場合には、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている。よって、この第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる。つまり、この状況は、通常遊技状態ではあるものの1つ残っている第2特図保留によりまだ大当たり遊技を実行させ易い状況(遊技者に有利な状況)である。この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、第2特図保留を貯めることにより、再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となり、以降2回の大当たりが確定することになる。
【0185】
これに対して、通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、「10R通常小当たり」に当選した場合には、もう第2特図保留も残っておらず、電サポ制御が実行されていないため新たに第2特図保留を発生させることもできない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状況は終了したこととなる。
【0186】
なお図34に示すように、時短状態において第2特図保留を貯めていない状態で「10R通常小当たり」に基づく大当たり遊技を実行させてしまうと、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、第2特図保留に基づいて大当たり遊技を実行させることができないため、遊技者にとって有利な状況が終了したことになる。
【0187】
以上、本パチンコ遊技機1のゲーム性によれば、時短状態に制御されると、通常に遊技している限り(右打ちしている限り)、特図2の抽選で小当たりに当選するチャンスが2回ある。その2回のチャンスのうち、2回とも10R通常小当たりを引くと、遊技者にとって有利な状態(特図2の抽選が実行される状態)が終了する。言い換えれば、2回のチャンスのうち、1回でも10R時短小当たりCを引けば、2種大当たり遊技後に時短状態に制御される。よって、この場合には、再び特図2の抽選で小当たりに当選するチャンスを2回得ることになる。このようにして、時短状態に制御されてから実行される2回の特図2の抽選において、それぞれ約50%の確率で、10R時短小当たりC(有利当たり)又は10R通常小当たり(不利当たり)のどちらを引くのかが重要なゲーム性になっている。
【0188】
8.本形態における演出の特徴
次に、本形態における演出の特徴として、特図2の抽選に基づく変動演出(以下「特図2変動演出」と呼ぶ)を、図36図54に基づいて説明する。本形態では、特図2変動演出において、図36に示す演出図柄が示されることになる。具体的に、図36に示すように、銀色の「1」を示す演出図柄8a、銀色の「2」を示す演出図柄8b、金色の「3」を示す演出図柄8c、銀色の「4」を示す演出図柄8d、銀色の「5」を示す演出図柄8e、銀色の「6」を示す演出図柄8f、金色の「7」を示す演出図柄8g、銀色の「8」を示す演出図柄8h、銀色の「9」を示す演出図柄8i、赤色の覚醒した主人公キャラを示す演出図柄8jの合計10種類の演出図柄が、特図2変動演出で示されるようになっている。なお以下では、赤色の覚醒した主人公キャラを示す演出図柄8jを、「覚醒キャラ図柄8j」と呼ぶことにする。
【0189】
本形態では、上述したように、特図2の抽選において、10R時短小当たりC又は10R通常小当たりのどちらを引くのかが重要なゲーム性である。そこで、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rとして、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示されれば、特図2の抽選で10R通常小当たり(図6参照)に当選したことが報知されるようにしている。一方、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rとして、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示されれば、特図2の抽選で10R時短小当たりC(図6参照)に当選したことが報知されるようにしている。従って、遊技者から見れば、特図2変動演出において、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8i、又は金色の演出図柄8c、8gのうち、どちらが表示されるかが重要になっている。
【0190】
なお、特図2の抽選で10R通常小当たりに当選しているにも拘わらず、特図2変動演出において、金色の演出図柄8c,8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示されることはない。また、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選しているにも拘わらず、特図2変動演出において、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが確定的に停止表示されることはない。
【0191】
本形態において、特図2の抽選において、小当たり(10R時短小当たりC、10R通常小当たり)に当選した場合に、演出図柄8L、8C、8Rを大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示させるのは、以下の理由に基づく。つまり、特図2の抽選では、10R時短小当たりC又は10R通常小当たりの何れに当選しても、通常に遊技をしている限り(右打ちをしている限り)、V入賞によって2種大当たりを獲得することができる。つまり、特図2の抽選での小当たり当選は、大当たりに当選していることと実質的に同じである。よって本形態では、特図2の抽選で小当たりに当選した場合に、大当たりに当選している場合と同様、演出図柄8L、8C、8Rを大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示させている。
【0192】
なお変形例として、特図2の抽選において、小当たり(10R時短小当たりC、10R通常小当たり)に当選した場合に、演出図柄8L、8C、8Rを小当たり態様(例えば「135」などの特別な数字態様又は専用の図柄を用いた図柄態様、当たり態様)で確定的に停止表示するようにしても良い。そして、10R時短小当たりCに当選した場合には、金色の演出図柄8c、8gを小当たり態様で確定的に停止表示させ、10R通常小当たりに当選した場合には、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iを小当たり態様で停止表示させるようにしても良い。
【0193】
ここで、演出図柄8L、8C、8Rの停止表示には、演出図柄8L、8C、8Rが仮停止表示する場合と、演出図柄8L、8C、8Rが確定的に停止表示する場合と、の2種類がある。演出図柄が仮停止表示する場合とは、演出図柄8L、8C、8Rが僅かに揺れている状態で停止表示していて、完全に停止表示しているわけではない状態を意味する。そして、演出図柄8L、8C、8Rが仮停止表示しているときには、特別図柄は変動表示していて、停止表示していない。一方、演出図柄8L、8C、8Rが確定的に停止表示する場合とは、左演出図柄8L、8C、8Rが、数百msec以上、完全に停止表示している状態を意味する。そして、演出図柄8L、8C、8Rが確定的に停止表示しているときには、特別図柄は変動表示しておらず、停止表示している。
【0194】
なお、演出図柄8L、8C、8Rという表記は、どの図柄表示エリアに示されている演出図柄であるのかを示している。よって、例えば演出図柄8Lという表記は、あくまで左の図柄表示エリアに示されている演出図柄という意味であり、どの図柄態様の演出図柄であるかまでは示していない。また図36に示す演出図柄8a~8jの表記は、どの図柄態様の演出図柄であるのかを示している。よって、例えば演出図柄8cという表記は、金色の「3」を示す図柄態様の演出図柄であることを意味していて、どの図柄表示エリアに示されている演出図柄であるかまでは示していない。ここで本形態では、演出図柄の図柄表示エリアと、演出図柄の図柄態様との両方を示す表記として、「8」の後ろに「L、C、R」の何れかを付すると共に、「a~j」の何れかを付することとする。よって、例えば、演出図柄8Lcは、左の図柄表示エリアに示されていて、金色の「3」を示す図柄態様の演出図柄であることする。
【0195】
本形態では、特図2の抽選では、ハズレになることがなく(図8(A)参照)、大当たりに当選する場合を除き、必ず小当たりに当選することになる。そして上述したように、特図2の抽選で小当たりに当選することは、実質的に2種大当たりに当選していること(2種大当たり遊技が実行されること)を意味する。そのため、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rは、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iの大当たり態様、又は、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様の何れかで、確定的に停止表示するようになっている。銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示した場合には、遊技者は10R通常小当たりへの当選を把握して、落胆することなる。一方、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示した場合には、遊技者は10R時短小当たりCへの当選を把握して、喜ぶことになる。
【0196】
なお、特図2の抽選で、大当たり(10R時短大当たり)に当選することもある。この場合、10R時短大当たりの当選に基づく大当たり遊技後には、時短状態になるため、特図2の抽選で10R時短大当たりに当選することは、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選するのとほぼ同じといえる。従って、特図2の抽選で大当たりに当選した場合、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rは、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様で確定的に停止表示するようになっている。こうして、特図2変動演出では、演出図柄8L、8C、8Rがハズレ態様(リーチハズレ態様も含む)で確定的に停止表示されることはなく、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iの大当たり態様、又は、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様の何れかで、確定的に停止表示することになる。
【0197】
ここで、特図2変動演出において、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様で確定的に停止表示する前には、金色の演出図柄8c、8gが必ずリーチ態様になる。言い換えれば、金色の演出図柄8c、8gがリーチ態様で表示されていれば、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様で確定的に停止表示する可能性があり、10R通常小当たりへの当選が報知されることはない。従って、遊技者にとっては、金色の演出図柄8c、8gがリーチ態様で表示された時点で、10R通常小当たりへの当選よりも、10R時短小当たりCへの当選を意識することになり、チャンスと感じることになる。以下では、金色の演出図柄8c、8gがリーチ態様で表示されることを、「金図柄リーチ表示」と呼ぶことする。そして、特図2変動演出のうち、金色の演出図柄8c、8gがリーチ態様で表示された後の演出を
、「金図柄リーチ演出」と呼ぶことにする。よって、金図柄リーチ表示又は金図柄リーチ演出は、遊技者に対して、10R通常小当たりへの当選よりも、10R時短小当たりCへの当選を意識させるものといえる。こうして、金図柄リーチ演出が、「有利リーチ演出」に相当し、金色の演出図柄8c、8gのリーチ態様が、「有利リーチ態様」に相当する。
【0198】
一方、特図2変動演出において、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様で確定的に停止表示する前には、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが必ずリーチ態様になる。言い換えれば、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iがリーチ態様で表示されていれば、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様で確定的に停止表示する可能性があり、10R時短小当たりCへの当選が報知されることはない。従って、遊技者にとっては、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iがリーチ態様で表示された時点で、10R時短小当たりCへの当選よりも、10R通常小当たりへの当選を意識することになり、ピンチと感じることになる。以下では、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iがリーチ態様で表示されることを、「銀図柄リーチ表示」と呼ぶことする。そして、特図2変動演出のうち、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iで表示された後の演出を、「銀図柄リーチ演出」と呼ぶことにする。よって、銀図柄リーチ表示又は銀図柄リーチ演出は、遊技者に対して、10R時短小当たりCへの当選よりも、10R通常小当たりへの当選を意識させるものといえる。こうして、銀図柄リーチ演出が、「不利リーチ演出」に相当し、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iのリーチ態様が、「不利リーチ態様」に相当する。
【0199】
次に、特図2変動演出において、金図柄リーチ演出が実行される場合の概略を、図37に基づいて説明する。図37に示すように、金図柄リーチ演出が実行される場合には、先ず、表示画面7aにて、金図柄リーチ表示がなされる。その後、第1敵キャラバトル演出が実行される場合と、第2敵キャラバトル演出が実行される場合と、に分岐する。第1敵キャラバトル演出と第2敵キャラバトル演出とについては、後に詳述する。第1敵キャラバトル演出が実行される場合には、主人公キャラが第1敵キャラに敗北するバトル敗北が示される場合と、主人公キャラが第1敵キャラに勝利するバトル勝利が示される場合と、に分岐する。第1敵キャラバトル演出でバトル敗北が示された場合、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。一方、第1敵キャラバトル演出でバトル勝利が示された場合、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する金図柄当たり確定表示がなされる。
【0200】
これに対して、第2敵キャラバトル演出が実行される場合には、主人公キャラが第2敵キャラに敗北するバトル敗北が示される場合と、主人公キャラが第2敵キャラに勝利するバトル勝利が示される場合と、に分岐する。第2敵キャラバトル演出でバトル敗北が示された場合、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。一方、第2敵キャラバトル演出でバトル勝利が示された場合、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する金図柄当たり確定表示がなされる。
【0201】
続いて、第1敵キャラバトル演出が実行される場合の詳細について、図38及び図39に基づいて、説明する。第1敵キャラバトル演出が実行される場合には、表示画面7aにて、先ず金図柄リーチ表示がなされる。例えば、図38(A)に示すように、金図柄リーチ表示として、演出図柄8Lc、8C、8Rcが「3↓3」を示すリーチ態様になる。こうして、金図柄リーチ表示を見た遊技者は、10R時短小当たりCに当選する可能性が高い状況を把握して、チャンスと感じることになる。
【0202】
ここで、特図2変動演出において、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、第2特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、変動表示及び停止表示するようになっている。小演出図柄6L、6C、6Rは、左側に配置された左小演出図柄6Lと、左右中央に配置された中小演出図柄6Cと、右側に配置された右小演出図柄6Rと、で構成されていて、演出図柄8L、8C、8Rよりも小さくて目立ちに難い態様になっている。こうして、小演出図柄6L、6C、6Rの変動表示を見ることで、第2特別図柄が変動表示していることを把握でき、小演出図柄6L、6C、6Rの停止表示を見ることで、第2特別図柄が停止表示したことを把握できるようになっている。
【0203】
第1敵キャラバトル演出では、図38(A)に続いて、図38(B)に示すように、表示画面7aにて、第1敵キャラが現れたことを示す第1敵キャラ登場画像T1が表示される。また、表示画面7aの下部にて、「第1敵キャラを撃破せよ!」の文字(タイトル)を示す第1敵キャラ撃破画像TI1が表示される。こうして、第1敵キャラ登場画像T1と第1敵キャラ撃破画像TI1の表示により、遊技者は、金図柄リーチ表示を経て、第1敵キャラバトル演出が開始されるのを把握することになる。また図38(A)に示すように、第1敵キャラバトル演出が開始されると、表示画面7aの左上隅部にて、金色の「3」を示す左演出図柄8Lcが示されると共に、表示画面7aの右上部にて、金色の「3」を示す右演出図柄8Rcが示されることで、遊技者には、金図柄リーチ演出の実行中であることを把握させている。そして、第1敵キャラバトル演出では、主人公キャラと第1敵キャラとが戦うバトル画像が表示画面7aに表示されるようになっている。
【0204】
そして、主人公キャラが第1敵キャラに敗北するバトル敗北の場合には、図38(C-1)に示すように、表示画面7aにて、主人公キャラが敗北したことを示すバトル敗北画像LOが表示される。このバトル敗北画像LOの表示により、遊技者にとって不利な演出結果になったことを把握させることが可能である。つまり、遊技者に10R時短小当たりCに当選できなかったことを把握させることが可能である。そして、図38(C-1)に示すバトル敗北を経て、図38(D-1)に示すように、リーチハズレ仮表示がなされる。即ち、図38(D-1)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcが「343」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。なお、リーチハズレ態様とは、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ数字を示す演出図柄であるものの、中演出図柄8Cが左演出図柄8L及び右演出図柄8Rと異なる数字を示す演出図柄となっている態様のことである。
【0205】
ところで、図38(D-1)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcがリーチハズレ態様で仮停止表示された後に、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcが確定的に停止表示するように思われる。しかしながら、本形態では、図39(A)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcがリーチハズレ態様で仮停止表示されたままであり、確定的に停止表示されることはない。また、図38(D-1)及び図39(A)に示すように、小演出図柄6L、6C、6Rが変動表示を続けたままになっている。こうして、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcが確定的に停止表示することなく、図39(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが新たに変動表示を開始する。つまり、演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示が実行されることになる。
【0206】
一方、第1敵キャラバトル演出において、主人公キャラが第1敵キャラに勝利するバトル勝利の場合には、図38(C-2)に示すように、表示画面7aにて、主人公キャラが勝利したことを示すバトル勝利画像WIが表示される。このバトル勝利画像WIの表示により、遊技者にとって有利な演出結果になったことを把握させることが可能である。つまり、遊技者に10R時短小当たりCに当選できたことを把握させることが可能である。そして、図38(C-2)に示すバトル勝利を経て、図38(D-2)に示すように、金図柄当たり確定表示として、演出図柄8Lc、8Cc、8Rcが「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。
【0207】
続いて、第2敵キャラバトル演出が実行される場合の詳細について、図39及び図40に基づいて、説明する。第2敵キャラバトル演出が実行される場合には、表示画面7aにて、先ず金図柄リーチ表示がなされる。例えば、図40(A)に示すように、金図柄リーチ表示として、演出図柄8Lg、8C、8Rgが「7↓7」を示すリーチ態様になる。こうして、金図柄リーチ表示を見た遊技者は、10R時短小当たりCに当選する可能性が高い状況を把握して、チャンスと感じることになる。なお、第2敵キャラバトル演出が実行される場合に、銀図柄リーチ表示がなされることはない。
【0208】
第2敵キャラバトル演出では、図40(A)に続いて、図40(B)に示すように、表示画面7aにて、第2敵キャラが現れたことを示す第2敵キャラ登場画像T2が表示される。また、表示画面7aの下部にて、「第2敵キャラを撃破せよ!」の文字(タイトル)を示す第2敵キャラ撃破画像TI2が表示される。こうして、第2敵キャラ登場画像T2と第2敵キャラ撃破画像TI2の表示により、遊技者は、金図柄リーチ表示を経て、第2敵キャラバトル演出が開始されるのを把握することになる。また図40(A)に示すように、第2敵キャラバトル演出が開始されると、表示画面7aの左上隅部にて、金色の「7」を示す左演出図柄8Lcが示されると共に、表示画面7aの右上部にて、金色の「7」を示す右演出図柄8Rcが示される。そして、第2敵キャラバトル演出では、主人公キャラと第2敵キャラとが戦うバトル画像が表示画面7aに表示されるようになっている。
【0209】
そして、主人公キャラが第2敵キャラに敗北するバトル敗北の場合には、図40(C-1)に示すように、表示画面7aにて、主人公キャラが敗北したことを示すバトル敗北画像LOが表示される。このバトル敗北画像LOの表示により、遊技者にとって不利な演出結果になったことを把握させることが可能である。つまり、遊技者に10R時短小当たりCに当選できなかったことを把握させることが可能である。そして、図40(C-1)に示すバトル敗北を経て、図40(D-1)に示すように、リーチハズレ仮表示がなされる。即ち、図40(D-1)に示すように、演出図柄8Lg、8Cf、8Rgが「767」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。
【0210】
その後、第1敵キャラバトル演出でリーチハズレ仮表示がなされたときと同様、図41(A)に示すように、演出図柄8Lg、8Cf、8Rgが確定的に停止表示されることはない。また、図41(A)に示すように、小演出図柄6L、6C、6Rが変動表示を続けたままになっている。そして、図41(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが新たに変動表示を開始する。つまり、演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示が実行される。
【0211】
一方、第2敵キャラバトル演出において、主人公キャラが第2敵キャラに勝利するバトル勝利の場合には、図40(C-2)に示すように、表示画面7aにて、主人公キャラが勝利したことを示すバトル勝利画像WIが表示される。このバトル勝利画像WIの表示により、遊技者に10R時短小当たりCに当選できたことを把握させることが可能である。そして、図40(C-2)に示すバトル勝利を経て、図40(D-2)に示すように、金図柄当たり確定表示として、演出図柄8Lg、8Cg、8Rgが「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。
【0212】
以上により、金図柄リーチ演出では、第1敵キャラバトル演出又は第2敵キャラバトル演出の何れかが実行される。そして、何れが実行された場合でも、リーチハズレ仮表示を経て演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示が実行される、又は、金図柄当たり確定表示がなされる。言い換えると、金図柄リーチ演出において、10R通常小当たりへの当選が報知されることはない。よって、金図柄リーチ演出では、遊技者に対して、10R通常小当たりへの当選が示されることはないという安心感を与えつつ、10R時短小当たりCへの当選を大きく期待させることが可能である。
【0213】
そして、本形態では、図55(B)に示すように、金図柄リーチ演出が実行された場合の各演出期待度が設定されている。つまり、第1敵キャラバトル演出においてバトル敗北(リーチハズレ仮表示)が実行される演出期待度は50%となり、第1敵キャラバトル演出においてバトル勝利(金図柄当たり確定表示)が実行される演出期待度は50%となるように設定されている。そのため、遊技者から見れば、第1敵キャラバトル演出が実行された場合に、10R時短小当たりCへの当選期待度は50%になる。一方、第2敵キャラバトル演出においてバトル敗北(リーチハズレ仮表示)が実行される演出期待度は25%となり、第2敵キャラバトル演出においてバトル勝利(金図柄当たり確定表示)が実行される演出期待度は75%となるように設定されている。そのため、遊技者から見れば、第2敵キャラバトル演出が実行された場合に、10R時短小当たりCへの当選期待度は75%になる。
【0214】
こうして、第2敵キャラバトル演出が実行される場合の方が、第1敵キャラバトル演出が実行される場合よりも、10R時短小当たりCへの当選期待度が高くなるように、各演出の振分が設定されている。つまり、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選した場合には、第1敵キャラバトル演出よりも第2敵キャラバトル演出の方が実行され易い一方、特図2抽選で10R通常小当たりに当選した場合には、第2敵キャラバトル演出よりも第1敵キャラバトル演出の方が実行され易いように設定されている。これにより、第2敵キャラバトル演出の方が、第1敵キャラバトル演出よりも、10R時短小当たりCへの当選期待度を高くしている。よって、遊技者には、金図柄リーチ表示を見た時点で、第1敵キャラバトル演出よりも、第2敵キャラバトル演出が実行されるのを期待させることが可能である。言い換えると、金図柄リーチ表示を見た遊技者には、10R通常小当たりに当選しない安心感を与えつつ、その後にどの金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)が実行されるのかに注目させるという興趣性を提供することが可能である。
【0215】
次に、特図2変動演出において、銀図柄リーチ演出が実行される場合の概略を、図42に基づいて説明する。図42に示すように、銀図柄リーチ演出が実行される場合には、先ず、表示画面7aにて、銀図柄リーチ表示がなされる。その後、図柄破壊演出が実行される場合と、ミニキャラ演出が実行される場合と、に分岐する。図柄破壊演出とミニキャラ演出とについては、後に詳述する。
【0216】
図柄破壊演出が実行される場合には、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iの何れかが残って表示される残り銀図柄表示が実行される場合と、金色の演出図柄8c、8gの何れかが残って表示される残り金図柄表示が実行される場合と、覚醒キャラ図柄8jが残って表示される残り覚醒キャラ図柄表示が実行される場合と、に分岐する。
【0217】
図柄破壊演出で残り銀図柄表示が実行される場合、その後に、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で仮停止表示する銀図柄当たり仮表示がなされる。続いて、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様(ゾロ目)に昇格するか否かを煽る昇格示唆演出が実行される。そして、昇格示唆演出を経て、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する銀図柄当たり確定表示、又は、金色の演出図柄8、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する銀図柄当たり確定表示の何れかが実行される。
【0218】
また、図柄破壊演出で残り金図柄表示が実行される場合、その後に、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。
【0219】
また、図柄破壊演出で残り覚醒キャラ図柄表示が実行される場合、その後に、金図柄リーチ表示を伴う覚醒発展演出が実行される。覚醒発展演出については、後に詳述する。覚醒発展演出において、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに敗北するバトル敗北が示される場合と、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに勝利するバトル勝利が示される場合と、分岐する。覚醒発展演出でバトル敗北が示された場合、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。一方、覚醒発展演出でバトル勝利が示された場合、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する金図柄当たり確定表示がなされる。
【0220】
これらに対して、銀図柄リーチ演出において、ミニキャラ演出が実行される場合には、ミニキャラによるミッションが失敗することを示す失敗演出が実行される場合と、ミニキャラによるミッションが成功することを示す成功演出が実行される場合と、覚醒した主人公キャラのカードが登場したことを示す覚醒カード登場演出が実行される場合と、に分岐する。
【0221】
ミニキャラ演出で失敗演出が実行される場合、その後に、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で仮停止表示する銀図柄当たり仮表示がなされる。続いて、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様(ゾロ目)に昇格するか否かを煽る昇格示唆演出が実行される。そして、昇格示唆演出を経て、銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する銀図柄当たり確定表示、又は、金色の演出図柄8、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する銀図柄当たり確定表示の何れかが実行される。
【0222】
また、ミニキャラ演出で成功演出が実行される場合、その後に、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。
【0223】
また、ミニキャラ演出で覚醒カード登場演出が実行される場合、その後に、金図柄リーチ表示を伴う覚醒発展演出が実行される。ミニキャラ演出から発展して実行される覚醒発展演出は、上述したように、図柄破壊演出から発展して実行される覚醒発展演出と同じであり、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに敗北するバトル敗北が示される場合と、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに勝利するバトル勝利が示される場合と、分岐する。覚醒発展演出でバトル敗北が示された場合、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様で仮停止表示するリーチハズレ仮表示がなされる。一方、覚醒発展演出でバトル勝利が示された場合、金色の演出図柄8c、8gが大当たり態様(ゾロ目)で確定的に停止表示する金図柄当たり確定表示がなされる。
【0224】
続いて、図柄破壊演出が実行される場合の詳細について、図43図46に基づいて、説明する。図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)が実行される場合には、表示画面7aにて、先ず銀図柄リーチ表示がなされる。例えば、図43(A)に示すように、銀図柄リーチ表示として、演出図柄8Ld、8C、8Rdが「4↓4」を示すリーチ態様になる。こうして、銀図柄リーチ表示を見た遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況を把握して、ピンチと感じることになる。
【0225】
図柄破壊演出では、図43(A)に続いて、図43(B)に示すように、表示画面7aにて、リーチ態様で示されている演出図柄(演出図柄8d)と異なる数字(「3」)を示す演出図柄8Lcと、リーチ態様で示されている演出図柄(演出図柄8d)と同じ数字(「4」)を示す演出図柄8Cdと、覚醒キャラ図柄8Rjと、の3つの演出図柄が示される。またこのときには、表示画面7aの下部にて、「剣で破壊せよ!」を示す破壊示唆画像MAが示される。こうして、図柄破壊演出では、表示された3つの演出図柄のうち、どの演出図柄が破壊されるのかに注目させるようになっている。なお、図柄破壊演出の実行中には、表示画面7aの左上部にて「4」を示す左演出図柄8Ldが停止表示されていると共に、表示画面7aの右上部にて「4」を示す右演出図柄8Rdが停止表示されていて、銀色の演出図柄によるリーチ態様(銀図柄リーチ表示)が把握できるようになっている。
【0226】
図43(B)に続いて、図43(C-1)に示すように、残り銀図柄表示が実行される場合、リーチ態様で示されている演出図柄と異なる数字(「3」)を示す演出図柄8Lcは、切り裂かれた切断演出図柄8Lcxに変化して、リーチ態様で示されている演出図柄と同じ数字(「4」)を示す演出図柄8Cdは、そのまま表示され続けて、覚醒キャラ図柄8Rjは、切り裂かれた切断覚醒キャラ図柄8Rjxに変化する。これにより、遊技者には、銀色の「4」を示す演出図柄8Ldが残って表示されたことを把握させる。
【0227】
そして、図43(C-1)に示す残り銀図柄表示を経て、図44(A)に示すように、銀図柄当たり仮表示として、演出図柄8Ld、8Cd、8Rcdが「444」を示す大当たり態様(ゾロ目)で仮停止表示する。なおこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rは変動表示し続けている。この銀図柄当たり仮表示により、10R通常小当たりに当選していることが示唆されるため、遊技者は落胆する。しかしながら、図44(A)に示す銀図柄当たり仮表示の後には、図44(B)に示す昇格示唆演出が必ず実行されるようになっている。
【0228】
図44(B)に示すように、昇格示唆演出では、表示画面7aの下部にて、銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rcdが「444」を示す大当たり態様で仮停止表示したまま、表示画面7aの上部にて、演出ボタン63を模したボタン画像BAが表示されると共に、「ボタンを押して金図柄へ!」の文字を示すボタン操作文字画像PUが表示される。これらボタン画像BAとボタン操作文字画像PUの表示により、遊技者には、演出ボタン63への操作を促している。そして、銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdの大当たり態様が、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様に変化(昇格)するのを期待させるようになっている。
【0229】
図44(B)に示す昇格示唆演出において、遊技者が演出ボタン63を操作すると、又は演出ボタン63への操作有効期間が経過すると、図44(C-1)に示す銀図柄当たり確定表示がなされる場合と、図44(C-2)に示す金図柄当たり確定表示がなされる場合と、に分岐する。
【0230】
図44(C-1)に示すように、銀図柄当たり確定表示では、昇格示唆演出で示されていた銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdが、同じ表示態様である「444」の大当たり態様で、確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「444」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。更に、表示画面7aの上部では、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様に昇格できなかったことを示す昇格失敗画像FAが表示される。こうして、銀図柄当たり確定表示により、遊技者は、10R通常小当たりに当選したことを把握して、大きく落胆する。その後、10R通常小当たりへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に非時短状態(通常遊技状態)に制御される。
【0231】
これに対して、図44(C-2)に示すように、金図柄当たり確定表示では、昇格示唆演出で示されていた銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdの大当たり態様(「444」)が、金色の演出図柄8Lc、8Cc、8Rcの大当たり態様(「333」)に昇格する。そして、昇格した金色の演出図柄8Lc、8Cc、8Rcが、大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。更に、表示画面7aの上部では、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様に昇格できたことを示す昇格成功画像SUが表示される。こうして、金図柄当たり確定表示により、遊技者は、10R時短小当たりCに当選したことを把握して、復活による大きな高揚感を感じることになる。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。なお、図44(B)に示す昇格示唆演出から図44(C-2)に示す金図柄当たり確定表示がなされるまでの演出が、「昇格演出」に相当する。
【0232】
一方、図43(B)に続いて、図43(C-2)に示すように、残り金図柄表示が実行される場合、リーチ態様で示されている演出図柄と異なる数字(「3」)を示す演出図柄8Lcは、そのまま表示され続けて、リーチ態様で示されている演出図柄と同じ数字(「4」)を示す演出図柄8Cdは、切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化して、覚醒キャラ図柄8Rjは、切り裂かれた切断覚醒キャラ図柄8Rjxに変化する。これにより、遊技者には、金色の「3」を示す演出図柄8Ccが残って表示されたことを把握させる。
【0233】
そして、図43(C-2)に示す残り金図柄表示を経て、図45(A)に示すように、リーチハズレ仮表示として、演出図柄8Ld、8Cc、8Rdが「434」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。なおこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rは変動表示し続けている。このリーチハズレ仮表示により、10R通常小当たりに当選していないことが示唆されるため、遊技者は安堵感を覚える。つまり、遊技者には、10R通常小当たりへの当選を回避できたという安心感を与える。その後、演出図柄8Ld、8Cc、8Rdが「434」を示すリーチハズレ態様で確定的に停止表示することなく、図45(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示が実行される。なお、図43(C-2)に示す残り金図柄表示から、図45(A)に示すリーチハズレ仮表示までの演出が、「第2否定演出」に相当する。
【0234】
これに対して、図43(B)に続いて、図43(C-2)に示すように、残り覚醒キャラ図柄表示が実行される場合、リーチ態様で示されている演出図柄と異なる数(「3」)を示す演出図柄8Lcは、切り裂かれた切断演出図柄8Lcxに変化して、リーチ態様で示されている演出図柄と同じ数字(「4」)を示す演出図柄8Cdは、切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化して、覚醒キャラ図柄8Rjは、そのまま表示され続ける。これにより、遊技者には、覚醒キャラ図柄8Rjが残って表示されたことを把握させる。
【0235】
図43(C-3)に示す残り覚醒キャラ図柄表示を経て、図46(A)に示すように、覚醒発展演出が実行される。覚醒発展演出(有利発展演出)では、覚醒した主人公キャラと特別な敵キャラとが戦うことを示す特別バトル画像KHが、表示画面7aに表示される。ここで、覚醒発展演出が実行される場合には、図46(A)に示すように、表示画面7aの左上部にて、金色の「3」を示す左演出図柄8Lcが停止表示されている共に、表示画面7aの右上部にて、金色の「3」を示す右演出図柄8Rcが停止表示されていて、金色の演出図柄8Lc、8Rcのリーチ態様になっている。つまり、覚醒発展演出が実行される前には、図43(C-3)に示すように、銀色の演出図柄8Ld、8Rdのリーチ態様であったが、覚醒発展演出が実行されると、図46(A)に示すように、金色の演出図柄8Lc、8Rcのリーチ態様に変わっている。こうして、覚醒発展演出が実行されることで、遊技者には、銀図柄リーチ演出から金図柄リーチ演出に発展したことを把握させて、10R通常小当たりに当選し得るピンチから、10R時短小当たりCに当選し得るチャンスに切替わったことを把握させることが可能である。なお、図43(C-3)に示す残り覚醒キャラ図柄表示から、図46(A)に示す覚醒発展演出までの演出が、「第1否定演出」に相当する。
【0236】
そして、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに敗北するバトル敗北の場合には、図46(B-1)に示すように、表示画面7aにて、覚醒した主人公キャラが敗北したことを示すバトル敗北画像LOxが表示される。このバトル敗北画像LOxの表示により、遊技者にとって不利な演出結果になったことを把握させることが可能である。つまり、遊技者に10R時短小当たりCに当選できなかったことを把握させることが可能である。そして、図46(B-1)に示すバトル敗北を経て、図46(C-1)に示すように、リーチハズレ仮表示がなされる。即ち、図46(C-1)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcが「343」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。その後、図39(A)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcが、「343」を示すリーチハズレ態様で所定時間(数百msec)だけ仮停止表示して、確定的な停止表示をしない。そして、図39(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示を実行することになる。
【0237】
一方、覚醒した主人公キャラが特別な敵キャラに勝利するバトル勝利の場合には、図46(B-2)に示すように、表示画面7aにて、覚醒した主人公キャラが勝利したことを示すバトル勝利画像WIxが表示される。このバトル勝利画像WIxの表示により、遊技者にとって有利な演出結果になったことを把握させることが可能である。つまり、遊技者に10R時短小当たりCに当選できたことを把握させることが可能である。そして、図46(B-2)に示すバトル勝利を経て、図46(C-2)に示すように、金図柄当たり確定表示として、演出図柄8Lc、8Cc、8Rcが「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。こうして、遊技者には、ピンチである銀図柄リーチ演出から、チャンスである覚醒発展演出を経て、10R時短小当たりCへの当選を獲得させるという大きな高揚感を与えることが可能である。
【0238】
本形態では、図55(A)に示すように、図柄破壊演出が実行される場合の各演出期待度が設定されている。つまり、図柄破壊演出において、銀図柄当たり仮表示が実行される演出期待度が70%であり、リーチハズレ仮表示が実行される演出期待度が20%であり、覚醒発展演出が実行される演出期待度が10%になるように設定されている。言い換えると、上記各演出期待度となるように、銀図柄当たり仮表示とリーチハズレ仮表示と覚醒発展演出のうち、銀図柄当たり仮表示が最も実行頻度が高くなるように振り分けられていて、覚醒発展演出が最も実行頻度が低くなるように振り分けられている。よって、図柄破壊演出が実行された場合、ほとんど(70%の振分率で)銀図柄当たり仮表示がなされるものの、稀に(20%の振分率で)リーチハズレ仮表示がなされる。よって、リーチハズレ仮表示がなされたときに、遊技者は、10R通常小当たりへの当選が回避できたことによる安堵感を与えることが可能である。
【0239】
また、図柄破壊演出で銀図柄当たり仮表示となった場合には、その後に、銀図柄当たり確定表示(昇格失敗演出)が実行される演出期待度が65%である一方、金図柄当たり確定表示(昇格成功成功)が実行される演出期待度が5%になるように設定されている。こうして、遊技者から見れば、図柄破壊演出で銀図柄当たり仮表示が実行された後、極稀に、昇格示唆演出を経て、金図柄当たり確定表示(昇格成功演出)を獲得することができる。また、図柄破壊演出で覚醒発展演出が実行された場合には、バトル敗北(銀図柄当たり仮表示)が実行される演出期待度が5%である一方、バトル勝利(金図柄当たり確定表示)が実行される演出期待度が5%になるように設定されている。こうして、図柄破壊演出から覚醒発展演出が実行される頻度は少ないものの、覚醒発展演出が実行されれば、半分(50%)の確率で金図柄当たり確定表示(10R時短小当たりC)を獲得できることになる。こうして、遊技者から見れば、図柄破壊演出から覚醒発展演出が実行されれば、金図柄当たり確定表示を獲得できるチャンスを大きくしている。
【0240】
なお、図柄破壊演出から銀図柄当たり仮表示を経て金図柄確定表示となる演出パターンは、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選した場合にのみ選択されるようになっている。また、図柄破壊演出から覚醒発展演出を経て金図柄確定表示となる演出パターンも、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選した場合にのみ選択されるようになっている。
【0241】
続いて、ミニキャラ演出が実行される場合の詳細について、図47図50に基づいて、説明する。ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)が実行される場合には、先ず銀図柄リーチ表示がなされる。例えば、図47(A)に示すように、銀図柄リーチ表示として、演出図柄8Lf、8C、8Rfが「6↓6」を示すリーチ態様になる。こうして、銀図柄リーチ表示を見た遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況を把握して、ピンチと感じることになる。
【0242】
ミニキャラ演出では、図47(A)に続いて、図47(B)に示すように、表示画面7aにて、ミニキャラがカードを裏返す前の状態を示すミニキャラ画像MKが表示される。またこのときには、表示画面7aの下部にて、「6(リーチ態様で示されている演出図柄の数字)よりも大きいカードを引け!」を示すカード示唆画像KOが示される。こうして、ミニキャラ演出では、ミニキャラがどのカードを見せるかに注目させるようになっている。なお、ミニキャラ演出の実行中には、表示画面7aの左上部にて「6」を示す左演出図柄8Lfが停止表示されていると共に、表示画面7aの右上部にて「6」を示す右演出図柄8Rfが停止表示されていて、銀色の演出図柄によるリーチ態様が把握できるようになっている。
【0243】
図47(B)に続いて、図47(C-1)に示すように、失敗演出が実行される場合、ミニキャラにより「6」を示すカードが裏返されたことを示すミッション失敗画像MKFが表示される。これにより、遊技者には、「6」よりも大きいカードを引くことができなかったことを把握させる。
【0244】
そして、図47(C-1)に示す失敗演出を経て、図48(A)に示すように、銀図柄当たり仮表示として、演出図柄8Lf、8Cf、8Rcfが「666」を示す大当たり態様(ゾロ目)で仮停止表示する。なおこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rは変動表示し続けている。この銀図柄当たり仮表示により、10R通常小当たりに当選していることが示唆されるため、遊技者は落胆する。しかしながら、図48(A)に示す銀図柄当たり仮表示の後には、図48(B)に示す昇格示唆演出が必ず実行されるようになっている。
【0245】
図48(B)に示すように、ミニキャラ演出を経て実行される昇格示唆演出は、上述した図柄破壊演出を経て実行される昇格示唆演出(図44参照)と同様である。つまり、図48(B)に示すように、表示画面7aの下部にて、銀色の演出図柄8Lf、8Cf、8Rcfが「666」を示す大当たり態様で仮停止表示したまま、表示画面7aの上部にて、演出ボタン63を模したボタン画像BAが示されると共に、「ボタンを押して金図柄へ!」の文字を示すボタン操作文字画像PUが表示される。そして、遊技者が演出ボタン63を操作すると、又は演出ボタン63への操作有効期間が経過すると、図48(C-1)に示す銀図柄当たり確定表示がなされる場合と、図48(C-2)に示す金図柄当たり確定表示がなされる場合と、に分岐する。
【0246】
図48(C-1)に示すように、銀図柄当たり確定表示では、昇格示唆演出で示されていた銀色の演出図柄8Lf、8Cf、8Rfが、同じ表示態様である「666」の大当たり態様で、確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「666」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。更に、表示画面7aの上部では、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様に昇格できなかったことを示す昇格失敗画像FAが表示される。こうして、銀図柄当たり確定表示により、遊技者は、10R通常小当たりに当選したことを把握して、大きく落胆する。その後、10R通常小当たりへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に非時短状態(通常遊技状態)に制御される。
【0247】
これに対して、図48(C-2)に示すように、金図柄当たり確定表示では、昇格示唆演出で示されていた銀色の演出図柄8Lf、8Cf、8Rfの大当たり態様(「666」)が、金色の演出図柄8Lg、8Cg、8Rgの大当たり態様(「777」)に昇格する。そして、昇格した金色の演出図柄8Lg、8Cg、8Rgが、大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。更に、表示画面7aの上部では、金色の演出図柄8c、8gの大当たり態様に昇格できたことを示す昇格成功画像SUが表示される。こうして、金図柄当たり確定表示により、遊技者は、10R時短小当たりCに当選したことを把握して、復活による大きな高揚感を感じることになる。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。なお、図48(B)に示す昇格示唆演出から図48(C-2)に示す金図柄当たり確定表示がなされるまでの演出が、「昇格演出」に相当する。
【0248】
一方、図47(B)に続いて、図47(C-2)に示すように、成功演出が実行される場合、ミニキャラにより「7」を示すカードが裏返されたことを示すミッション成功画像MKSが表示される。これにより、遊技者には、「6」よりも大きいカードを引くことができたことを把握させる。
【0249】
そして、図47(C-2)を示す失敗演出を経て、図49(A)に示すように、リーチハズレ仮表示として、演出図柄8Lf、8Cg、8Rfが「676」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。このリーチハズレ仮表示により、10R通常小当たりに当選していないことが示唆されるため、遊技者は安堵感を覚える。その後、演出図柄8Lf、8Cg、8Rfが「676」を示すリーチハズレ態様で確定的に停止表示することなく、図49(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示が実行される。
【0250】
これに対して、図47(B)に続いて、図47(C-2)に示すように、覚醒カード登場演出が実行される場合、ミニキャラにより「覚醒した主人公キャラ」を示すカードが裏返されたことを示す覚醒カード登場画像MKKが表示される。これにより、遊技者には、失敗演出及び成功演出とは異なる演出が実行されるのを把握させる。
【0251】
図47(C-3)に示す覚醒カード登場演出を経て、図50(A)に示すように、覚醒発展演出が実行される。なお、ミニキャラ演出を経て実行される覚醒発展演出(有利発展演出)は、上述した図柄破壊演出を経て実行される覚醒発展演出(図46参照)と同様である。つまり、図50(A)では、覚醒した主人公キャラと特別な敵キャラとが戦うことを示す特別バトル画像KHが、表示画面7aに表示される。そして、ミニキャラ演出を経て実行される覚醒発展演出でも、表示画面7aの左上部にて、金色の「7」を示す左演出図柄8Lgが停止表示されている共に、表示画面7aの右上部にて、金色の「7」を示す右演出図柄8Rgが停止表示されていて、金色の演出図柄8Lg、8Rgのリーチ態様になる。こうして、ミニキャラ演出を経て覚醒発展演出が実行された場合でも、遊技者には、10R通常小当たりに当選し得るピンチから、10R時短小当たりCに当選し得るチャンスに切替わったことを把握させることが可能である。
【0252】
そして、バトル敗北の場合には、図50(B-1)に示すように、表示画面7aにて、覚醒した主人公キャラが敗北したことを示すバトル敗北画像LOxが表示される。このバトル敗北画像LOxの表示により、遊技者に10R時短小当たりCに当選できなかったことを把握させることが可能である。その後、図50(C-1)に示すように、リーチハズレ仮表示として、演出図柄8Lg、8Cf、8Rgが「767」を示すリーチハズレ態様で仮停止表示する。続いて、図41(A)に示すように、演出図柄8Lg、8Cf、8Rgが、「767」を示すリーチハズレ態様で所定時間(数百msec)だけ仮停止表示した後、図41(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示を実行することになる。
【0253】
一方、バトル勝利の場合には、図50(B-2)に示すように、表示画面7aにて、覚醒した主人公キャラが勝利したことを示すバトル勝利画像WIxが表示される。このバトル勝利画像WIxの表示により、遊技者に10R時短小当たりCに当選できたことを把握させることが可能である。その後、図50(C-2)に示すように、金図柄当たり確定表示として、演出図柄8Lg、8Cg、8Rgが「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示すると共に、特図2が停止表示することになる。こうして、遊技者には、ピンチである銀図柄リーチ演出から、チャンスである覚醒発展演出を経て、10R時短小当たりCへの当選を獲得させるという大きな高揚感を与えることが可能である。
【0254】
本形態では、図55(A)に示すように、ミニキャラ演出が実行される場合の各演出期待度が設定されている。つまり、ミニキャラ演出において、銀図柄当たり仮表示が実行される演出期待度が50%であり、リーチハズレ仮表示が実行される演出期待度が30%であり、覚醒発展演出が実行される演出期待度が20%になるように設定されている。言い換えると、上記各演出期待度となるように、銀図柄当たり仮表示とリーチハズレ仮表示と覚醒発展演出のうち、銀図柄当たり仮表示が最も実行頻度が高くなるように振り分けられていて、覚醒発展演出が最も実行頻度が低くなるように振り分けられている。よって、ミニキャラ演出が実行された場合、半分の確率で(50%の振分率で)銀図柄当たり仮表示がなされるものの、稀に(30%の振分率で)リーチハズレ仮表示がなされる。よって、リーチハズレ仮表示がなされたときに、遊技者は、10R通常小当たりへの当選が回避できたことによる安堵感を与えることが可能である。
【0255】
また、ミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示となった場合には、銀図柄当たり確定表示(昇格失敗演出)が実行される演出期待度が40%である一方、金図柄当たり確定表示(昇格成功)が実行される演出期待度が10%になるように設定されている。こうして、遊技者から見れば、ミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示が実行された後、稀に、昇格示唆演出を経て、金図柄当たり確定表示(昇格成功演出)を獲得することができる。また、ミニキャラ演出で覚醒発展演出が実行された場合には、バトル敗北(銀図柄当たり仮表示)が実行される演出期待度が5%である一方、バトル勝利(金図柄当たり確定表示)が実行される演出期待度が15%になるように設定されている。こうして、ミニキャラ演出から覚醒発展演出が実行される頻度は少ないものの、覚醒発展演出が実行されれば、非常に高い確率(15%÷(5%+15%)×100=75%)で金図柄当たり確定表示(10R時短小当たりC)を獲得できることになる。こうして、遊技者から見れば、ミニキャラ演出から覚醒発展演出が実行されれば、金図柄当たり確定表示を獲得できるチャンスを非常に大きくしている。
【0256】
なお、ミニキャラ演出から銀図柄当たり仮表示を経て金図柄確定表示となる演出パターンは、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選した場合にのみ選択されるようになっている。また、ミニキャラ演出から覚醒発展演出を経て金図柄確定表示となる演出パターンも、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選した場合にのみ選択されるようになっている。
【0257】
ここで、図柄破壊演出とミニキャラ演出とを比較をする。図42に示すように、図柄破壊演出とミニキャラ演出とは、銀図柄リーチ表示を経て実行される銀図柄リーチ演出という点で共通している。また、銀図柄当たり仮表示がなされる場合と、リーチハズレ仮表示がなされる場合と、覚醒発展演出が実行される場合と、に分岐する点でも共通である。しかしながら、図55(A)に示すように、図柄破壊演出でリーチハズレ仮表示となる演出期待度が20%であるのに対して、ミニキャラ演出でリーチハズレ仮表示となる演出期待度が30%である。従って、図柄破壊演出とミニキャラ演出とでは共に、10R通常大当たりに当選するという点でピンチであるものの、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、リーチハズレ仮表示が実行され易くて、10R通常大当たりへの当選が回避され易い。
【0258】
また、図55(A)に示すように、図柄破壊演出で銀図柄当たり仮表示となる演出期待度が70%であるのに対して、ミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示となる演出期待度が50%である。言い換えれば、図柄破壊演出では、70%の確率で、銀図柄当たり仮表示により、10R通常大当たりへの当選が示唆される一方、ミニキャラ演出では、50%の確率で、銀図柄当たり仮表示により、10R通常大当たりへの当選が示唆される。従って、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、10R通常大当たりへの当選が示唆され難いという点で、遊技者にとって好ましい。
【0259】
また本形態では、銀図柄当たり仮表示がなされた後に、必ず昇格示唆演出が実行されることになる。ここで、図55(A)に示すように、図柄破壊演出で銀図柄当たり仮表示がなされた場合、その後の昇格示唆演出から金図柄当たり確定表示になる確率(昇格成功になる確率)は、約7%(5%÷(65%+5%)×100)しかない。一方、ミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示がなされた場合、その後の昇格示唆演出から金図柄当たり確定表示になる確率になる確率は、20%(10%÷(40%+10%)×100)もある。従って、ミニキャラ演出を経て昇格示唆演出が実行された場合には、図柄破壊演出を経て昇格示唆演出が実行された場合よりも、金図柄当たり確定表示により、10R時短小当たりCへの当選を獲得し易い。よって、ミニキャラ演出を経て銀図柄当たり仮表示(昇格示唆演出)が実行された場合でも、遊技者には、復活による10R時短小当たりCへの当選に大きな期待感を抱かせることが可能である。
【0260】
また本形態では、図55(A)に示すように、図柄破壊演出から覚醒発展演出に発展する演出期待度が10%であるのに対して、ミニキャラ演出から覚醒発展演出に発展する演出期待度が20%である。言い換えれば、図柄破壊演出では、10%の確率で、銀図柄リーチ表示から金図柄リーチ表示に発展する一方、ミニキャラ演出では、20%の確率で、銀図柄リーチ表示から金図柄リーチ表示に発展する。従って、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、10R通常小当たりに当選し得るピンチから、10R時短小当たりCに当選し得るチャンスに発展し易いという点で、遊技者にとって好ましい。
【0261】
また本形態では、図55(A)に示すように、図柄破壊演出から覚醒発展演出に発展した場合、バトル勝利によって金図柄当たり確定表示になる確率は、50%(5%÷(5%+5%)×100)ある。一方、ミニキャラ演出から覚醒発展演出に発展した場合、バトル勝利によって金図柄当たり確定表示になる確率は、75%(15%÷(5%+15%)×100)もある。従って、ミニキャラ演出を経て覚醒発展演出が実行された場合には、図柄破壊演出を経て覚醒発展演出が実行された場合よりも、金図柄当たり確定表示により、10R時短小当たりCへの当選を獲得し易い。よって、ミニキャラ演出を経て覚醒発展演出が実行された場合において、遊技者には、極めて高い確率で10R時短小当たりを獲得させることが可能である。言い換えれば、ミニキャラ演出が実行された場合に、覚醒演出に発展することができれば、極めて高い確率で10R時短小当たりを獲得できるという期待を抱かせることが可能である。
【0262】
次に、演出例1について、図51及び図52に基づいて説明する。先ず、前提条件として、大当たり遊技後の時短状態にて、特図2の変動表示が開始されることとする。この場合、図51(A)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rの変動表示が開始される。続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図51(B)に示すように、演出図柄8Lc、8Ch、8Reが、「385」を示スドハズレ態様(バラケ目)で仮停止表示する。そして、演出図柄8Lc、8Ch、8Reが確定的に停止表示することなく、図51(C)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。
【0263】
続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図51(D)に示すように、演出図柄8Ld、8Cb、8Raが、「421」を示すドハズレ態様で仮停止表示する。そして、演出図柄8Ld、8Cb、8Raが確定的に停止表示することなく、図51(E)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。このように本形態では、1回の特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)必ず実行されるようになっている。言い換えると、1回の特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rが1回だけ変動表示を行って確定的に停止表示することはない。これにより、遊技者には、1回の特図2変動演出であるにも拘わらず、特図2の抽選のチャンスが何回も実行されているように思わせることが可能である。
【0264】
時短状態に制御されてから演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が3回目になって、図51(F)に示すように、演出図柄8Lc、8C、8Rdが、「4↓4」を示すリーチ態様になる。つまり、銀図柄リーチ表示がなされる。これにより、遊技者は、10R通常小当たりに当選し得る状況を把握して、ピンチと感じることになる。また、銀図柄リーチ演出として、図柄破壊演出又はミニキャラ演出のうちどちらの銀図柄リーチ演出が実行されるのかに注目することになる。
【0265】
そして、図51(G)に示すように、図柄破壊演出が開始される。このとき、遊技者は、「3」を示す演出図柄8Lc、「4」を示す演出図柄8Cd、「覚醒した主人公キャラ」を示す覚醒キャラ図柄8Rjのうち、どの演出図柄が破壊されるのかに注目する。言い換えると、銀図柄リーチ表示によって、10R通常小当たりに当選し得るピンチであるため、遊技者にとっては、「4」を示す演出図柄8Cdが破壊されるのを期待する。
【0266】
その後、図51(H)に示すように、「4」を示す演出図柄8Cdが切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化すると共に、「覚醒した主人公キャラ」を示す覚醒キャラ図柄8Rjが、切り裂かれた切断覚醒キャラ図柄8Rjxに変化する。これにより、リーチ態様で示されている演出図柄(「4」)と異なる数字(「3」)を示す演出図柄8Lcが、そのまま表示され続けて、銀図柄リーチ表示から大当たり態様(ゾロ目)になるのが否定(阻止)される。つまり、銀図柄リーチ表示から大当たり態様(ゾロ目)にならないことが示される。これにより、遊技者は10R通常小当たりへの当選が回避されたことを把握して、安堵することになる。
【0267】
ここで、図柄破壊演出(否定演出)の意味について説明する。図柄破壊演出では、図51(G)に示すように、表示画面7aの左上部で「4」を示す演出図柄8Ldが表示されていると共に、表示画面の右上部で「4」を示す演出図柄8Rdが表示されているため、銀図柄リーチ表示がなされている。そして、銀図柄リーチ表示がなされている状態で、表示画面7aの下部に「4」を示す演出図柄8Cdが示されているため、銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdの大当たり態様(ゾロ目)になりそうな状況である。このとき、図51(H)に示すように、「4」を示す演出図柄8Cdが切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化することで、銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdの大当たり態様(ゾロ目)になるのが否定(阻止)される。こうして、図柄破壊演出(否定演出)では、銀図柄リーチ表示から大当たり態様になるのが否定されることで、遊技者に10R通常小当たり(不利当たり)に当選しないのを把握させて、安堵感を与えるという興趣性がある。
【0268】
なお、図47(B)に示すミニキャラ演出では、銀図柄リーチ表示から銀色の演出図柄8Ld、8Cd、8Rdの大当たり態様(ゾロ目)になりそうな状況が示されていない。そして、図47(C-2)では、ミッション成功画像MKSが表示されていて、銀図柄リーチ表示から大当たり態様(ゾロ目)になるのが否定(阻止)されているわけではない。従って、ミッション演出は、「否定演出」に相当するものではない。
【0269】
演出例1の説明に戻る。図51(H)において、「3」を示す演出図柄8Lcが破壊されずにそのまま表示されると、図52(A)に示すように、演出図柄8Ld、8Cc、8Rdがリーチハズレ態様で仮停止表示する。続いて、演出図柄8Ld、8Cc、8Rdが確定的に停止表示することなく、図52(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。こうして、特図2の抽選では、小当たりへの当選又は大当たりへの当選の何れかであるにも拘わらず、1回の特図2変動演出において、銀図柄リーチ表示から大当たり態様になることなく(リーチハズレ態様になって)、演出図柄8L、8C、8Rが再び変動表示を行うという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0270】
続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図52(C)に示すように、演出図柄8Lf、8Cc、8Reが、「635」を示すドハズレ態様で仮停止表示する。そして、演出図柄8Lc、8Ch、8Reが確定的に停止表示することなく、図52(D)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。このように本形態では、1回の特図2変動演出において、銀図柄リーチ演出が終了した後であっても、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)実行されることがある。
【0271】
そして、銀図柄リーチ演出が終了してから演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が2回目において、図51(E)に示すように、演出図柄8Lg、8C、8Rgが、「7↓7」を示すリーチ態様になる。つまり、金図柄リーチ表示がなされる。これにより、遊技者は、10R時短小当たりCに当選し得る状況を把握して、チャンスと感じることになる。また、金図柄リーチ演出として、第1敵キャラバトル演出又は第2敵キャラバトル演出のうちどちらの金図柄リーチ演出が実行されるのかに注目することになる。
【0272】
そして、図51(F)に示すように、第2敵キャラバトル演出が開始される。つまり、表示画面7aにて、第2敵キャラ登場画像T2と第2敵キャラ撃破画像TI2とが表示される。これにより、遊技者には、第1敵キャラバトル演出よりも、金図柄当たり確定表示が実行され易い第2敵キャラバトル演出が実行されたことを把握して、10R時短小当たりCへの当選の期待感を非常に大きくする。その後、図52(G)に示すように、主人公キャラが勝利したことを示すバトル勝利画像WIが表示される。これにより、遊技者には、10R時短小当たりCに当選できたことを把握させることが可能である。
【0273】
続いて、図52(H)に示すように、金図柄当たり確定表示として、演出図柄8Lg、8Cg、8Rgが「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「777」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。こうして、金図柄当たり確定表示がなされた場合、遊技者には、通常に遊技をしている限り、その後に少なくとも2回の大当たり遊技を獲得できるという大きな特典を付与することになる。
【0274】
以上、第1演出例では、1回の特図2変動演出であるにも拘わらず、演出時間が長い図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出という2つのリーチ演出が実行されている。その上で、図柄破壊演出が演出図柄8Ld、8Cc、8Rdのリーチハズレ態様(図52(A)参照)によって終了した後で、第2敵キャラバトル演出が開始される前に、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行されている(図52(B)~(D)参照)。よって、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出とが、それぞれ異なる特図2の変動表示によって行われているように思わせることが可能である。従って、遊技者には、1回の特図2変動演出にも拘わらず、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出という2回の大きなチャンス(特図2の抽選)が実行されたかのように思わせて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0275】
更に、本形態では、図柄破壊演出が開始される前でも、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行されている(図51(A)~(F)参照)。従って、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行された後に実行される図柄破壊演出と、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行された後に実行される第2敵キャラバトル演出と、が分離した演出であるかのように見せることが可能である。つまり、従来から、1回の変動演出において演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行される擬似連演出が実行されることがあるが、この演出例1では、擬似連演出を伴う図柄破壊演出と、擬似連演出を伴う第2敵キャラバトル演出とが、異なる特別図柄(第2特別図柄)の変動表示で実行されているように見せることが可能である。よって、遊技者には、1回の特図2変動演出にも拘わらず、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出という2つのリーチ演出を堪能させることが可能である。
【0276】
次に、演出例2について、図53及び図54に基づいて説明する。先ず、前提条件として、時短状態にて第2特図保留を1個貯めた状態で、特図2の抽選で10R通常小当たりに当選したこととする。そして、大当たり遊技後に通常遊技状態に移行したこととする。この場合、図53(A)に示すように、大当たり遊技後の通常遊技状態にて、残っている1個の第2特図保留によって、特図2の変動表示が開始されると、図53(C)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。またこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rの変動表示が開始される。続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図53(B)に示すように、演出図柄8Li、8Cb、8Reが、「925」を示すドハズレ態様で仮停止表示する。そして、演出図柄8Lc、8Ch、8Reが確定的に停止表示することなく、図53(C)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。
【0277】
続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図53(D)に示すように、演出図柄8Lc、8C、8Rcが、「3↓3」を示すリーチ態様になる。つまり、金図柄リーチ表示がなされる。これにより、遊技者は、10R時短小当たりCに当選し得る状況を把握して、チャンスと感じることになる。そして、図53(E)に示すように、第1敵キャラバトル演出が開始される。つまり、表示画面7aにて、第1敵キャラ登場画像T1と第1敵キャラ撃破画像TI1とが表示される。これにより、遊技者は、金図柄当たり確定表示が実行され易い第2敵キャラバトル演出が開始されなかったという点で少し落胆する。
【0278】
その後、図53(F)に示すように、主人公キャラが敗北したことを示すバトル敗北画像LOが表示される。これにより、遊技者は、10R時短小当たりCに当選できなかったことを把握して、次回の演出結果に期待することなる。そして、図53(G)に示すように、演出図柄8Lc、8Cd、8Rcがリーチハズレ態様で仮停止表示する。続いて、演出図柄8Ld、8Cc、8Rdが確定的に停止表示することなく、図53(H)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。こうして、特図2の抽選では、小当たりへの当選又は大当たりへの当選の何れかであるにも拘わらず、1回の特図2変動演出において、金図柄リーチ表示から大当たり態様になることなく(リーチハズレ態様になって)、演出図柄8L、8C、8Rが再び変動表示を行うことがある。こうして、遊技者には、10R時短小当たりCへの当選を意識させる金図柄リーチ演出が終了した後で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様から再変動表示を行うという意外性のある演出を見せることが可能である。
【0279】
続いて、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、図54(A)に示すように、演出図柄8Le、8Ch、8Rbが、「582」を示すドハズレ態様で仮停止表示する。そして、演出図柄8Le、8Ch、8Rbが確定的に停止表示することなく、図54(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが再変動表示する。このように本形態では、1回の特図2変動演出において、金図柄リーチ演出が終了した後であっても、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)実行されることがある。
【0280】
そして、金図柄リーチ演出が終了してから演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が2回目において、図54(C)に示すように、演出図柄8Lf、8C、8Rfが、「6↓6」を示すリーチ態様になる。つまり、銀図柄リーチ表示がなされる。これにより、遊技者は、10R通常小当たりに当選し得る状況を把握して、ピンチと感じることになる。また、銀図柄リーチ演出として、図柄破壊演出又はミニキャラ演出のうちどちらの銀図柄リーチ演出が実行されるのかに注目することになる。
【0281】
そして、図54(D)に示すように、ミニキャラ演出が開始される。これにより、遊技者は、10R通常小当たりに当選し得る点でピンチであるものの、図柄破壊演出よりも、覚醒発展演出が実行され易いと共に、昇格示唆演出が実行された場合の金図柄当たり確定表示が実行され易いという点で少し期待することなる。このミニキャラ演出では、遊技者は、リーチ態様と同じ数字である「6」を示すカードが現れないことを期待する。続いて、図54(E)に示すように、ミニキャラにより「6」を示すカードが裏返されたことを示すミッション失敗画像MKFが表示される。これにより、遊技者は、10R通常小当たりに当選している可能性が非常に大きいことを把握して、落胆する。
【0282】
次に、図54(F)に示すように、銀図柄当たり仮表示として、演出図柄8Lf、8Cf、8Rfが「666」を示す大当たり態様(ゾロ目)で仮停止表示する。但しこのときには、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rは変動表示し続けている。その後、図54(G)に示すように、昇格示唆演出が実行されて、表示画面7aには、演出ボタン63を模したボタン画像BAと、「ボタンを押して金図柄へ!」の文字を示すボタン操作文字画像PUと、が表示される。これにより、遊技者は、10R時短小当たりCへの復活当選を期待して、演出ボタン63を押下操作する。
【0283】
そして、図54(H)に示すように、金図柄当たり確定表示がなされる。つまり、銀色の演出図柄8Lf、8Cf、8Rfの大当たり態様(「666」)が、金色の演出図柄8Lg、8Cg、8Rgの大当たり態様(「777」)に昇格して、金色の演出図柄8Lg、8Cg、8Rgが、大当たり態様で確定的に停止表示する。またこのときには、表示画面7aの上部では、昇格成功画像SUが表示されると共に、表示画面7aの左上部にて、小演出図柄6L、6C、6Rが、「333」を示す大当たり態様で確定的に停止表示する。こうして、遊技者には、10R通常小当たりに当選する可能性が大きい状況から、復活して10R時短小当たりCへの当選を獲得できたという大きな高揚感を与えることになる。その後、10R時短小当たりCへの当選に基づく大当たり遊技が開始されて、大当たり遊技後に時短状態に制御される。
【0284】
以上、演出例2では、通常遊技状態に移行した直後の1回の特図2変動演出であるにも拘わらず、演出時間が長い第1敵キャラバトル演出とミニキャラ演出という2つのリーチ演出が実行されている。そして、これら第1敵キャラバトル演出及びミニキャラ演出がそれぞれ開始される前であっても、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行されている。よって、通常遊技状態に移行した直後の1回の特図2変動演出であっても、第1敵キャラバトル演出とミニキャラ演出とが、別々の特図2の変動表示で実行されているように思わせることが可能である。従って、通常遊技状態に移行した直後において、1回の特図2変動演出であるにも拘わらず、遊技者には、特図2の抽選のチャンスが複数回あるように思わせることができて、通常遊技状態に移行した直後の演出の遊技興趣を高めることが可能である。
【0285】
また演出例2では、銀図柄リーチ演出として、ミニキャラ演出が実行されて、図54(F)に示すように、銀図柄当たり仮表示がなされている。このとき、10R通常小当たりへの当選が示唆されているため、遊技者は落胆する。しかしながら、その後に図54(G)に示す昇格示唆演出が実行されて、遊技者は、金色の演出図柄8Lg、8Cg、8Rgの大当たり態様(「777」)に昇格すること(金図柄当たり確定表示)を期待することができる。特に、銀図柄リーチ演出において、ミニキャラ演出で昇格示唆演出が実行される場合には、図柄破壊演出で昇格示唆演出が実行される場合よりも、金図柄当たり確定表示が実行され易いように設定されている(図55(A)参照)。従って、図54(F)に示すように、銀図柄リーチ仮表示によって、10R通常小当たりへの当選をかなり意識させつつ、図54(H)に示すように、復活して10R時短小当たりCへの当選のチャンスも十分にあるというドキドキ感を遊技者に与えることが可能である。
【0286】
ここで、本パチンコ遊技機1では、特図2保留球数の上限数が1個であって、特図2の抽選ではハズレになることがなく、大当たりへの当選又は小当たりへの当選の何れかになる(図8(A)参照)。従って、時短状態では、特図2の抽選が1回だけしか実行されずに、基本的には直ぐに小当たりに当選する。また時短状態から通常遊技状態に移行した後でも、残っている1個の第2特図保留によって、特図2の抽選が1回だけしか実行されずに、基本的には直ぐに小当たりに当選する。よって、遊技者には、時短状態での遊技、及び、時短状態から通常遊技状態に移行した直後の遊技において、淡泊であるという印象を抱かれるおそれがある。
【0287】
そこで、本形態では、演出例1及び演出例2で示すように、時短状態での特図2変動演出、及び通常遊技状態に移行した直後の特図2変動演出の何れであっても、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回必ず実行されるようになっている。そのため、それぞれ1回の特図2の変動表示にも拘わらず、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が連続的に実行されて(途切れることなく実行されて)、特図2の抽選が複数回実行されているように思わせることが可能である。こうして、遊技者には、時短状態での遊技、及び、時短状態から通常遊技状態に移行した直後の遊技において、淡泊であるという印象を抱かれるのを防ぐことが可能である。
【0288】
更に本形態では、時短状態での特図2変動演出、及び通常遊技状態に移行した直後の特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行された後、10R時短小当たりCへの当選を意識させる金図柄リーチ表示、又は、10R通常小当たりへの当選を意識させる銀図柄リーチ表示の何れかが必ず示される。こうして、遊技者には、複数回の演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を経て、銀図柄リーチ演出又は金図柄リーチ演出のどちらに分岐するのかに注目させることになり、時短状態での特図2変動演出、及び通常遊技状態に移行した直後の特図2変動演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0289】
なお、演出例1及び演出例2では、1回の特図2変動演出において、2つのリーチ演出(演出例1では図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出、演出例2では第1敵キャラバトル演出とミニキャラ演出)が実行された。しかしながら、1回の特図2変動演出であっても、最大で3つのリーチ演出がされることがあるようになっている。つまり、演出例1では、図52(G)において、バトル勝利演出が実行されたが、替わりにバトル敗北演出が実行されて、その後に、銀図柄リーチハズレ仮表示がなされる場合もある。この場合には、その後の演出図柄8L、8C、8Rの再変動表示を経て、銀図柄リーチ演出又は金図柄リーチ演出が実行されることなる。
【0290】
こうして、本形態では、1回の特図2変動演出において、最大で3回のリーチ演出(銀図柄リーチ演出、金図柄リーチ演出)が実行される。そして、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)が連続して実行されることもあり、金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)が連続して実行されることもある。そして、たとえ10R時短小当たりCへの当選を意識させる金図柄リーチ演出(特に第2敵キャラバトル演出)が実行されても、その後リーチハズレ仮表示を経て、最終的に、銀図柄当たり確定表示がなされることもある。よって、1回の特図2変動演出であっても、様々な演出(複数回の演出図柄8L、8C、8Rの変動表示、銀図柄リーチ演出、金図柄リーチ演出)が実行され得ることで、できだけ1回の特図2変動演出であることを遊技者に意識させないようにしている。
【0291】
[特図2変動演出パターン決定処理]次に、図56に基づいて、特図2変動演出パターン決定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、上述した受信コマンド解析処理(S4301)において、特図2変動開始コマンドを受信していると判定すると、図56に示す特図2変動演出パターン決定処理により、特図2変動演出パターンを決定する。特図2変動演出パターンは、特図2変動演出を実行するための変動演出パターンであり、変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、演出展開構成、演出図柄の表示態様など、変動演出の演出内容の詳細が決まることなる。なお、決定された特図2変動演出パターンを含む変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されることで、表示画面7aにて、特図2変動演出パターンに基づく特図2変動演出が実行されることになる。
【0292】
図56に示すように、特図2変動演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91はまず、特図2変動開始コマンドに含まれている特図停止図柄データの情報に基づいて、当たりの種類を把握する(S5001)。つまり、特図2の抽選で、10R時短大当たり、10R時短小当たりC、10R通常小当たり(図6参照)の何れに当選しているのかを把握する。続いて、演出制御用マイコン91は、特図2変動開始コマンドに含まれている変動パターン(図9参照)の情報に基づいて、変動時間を把握する(S5002)。ここで、図9に示すように、第2特別図柄の変動パターンでは、何れであっても変動時間が32500msec以上になっている。これにより、特図2変動演出では、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)行うことができるようになっている。
【0293】
続いて、演出制御用マイコン91は、当たりの種類(10R時短大当たり、10R時短小当たりC、10R通常小当たり(図6参照))に応じて、図柄確定時(第2特別図柄が停止表示するとき)のリーチ演出を決定する(S5003)。例えば、10R時短小当たりCの場合には、最終的に金図柄当たり確定表示を行う演出が決定される。つまり、第1敵キャラバトル演出から金図柄確定表示を行う演出、第2敵キャラバトル演出から金図柄確定表示を行う演出が決定され得る(図37参照)。また、図柄破壊演出の銀図柄当たり仮表示から昇格示唆演出を経て金図柄当たり確定表示を行う演出、図柄破壊演出の残り覚醒キャラ図柄表示から覚醒発展演出を経て金図柄当たり確定表示を行う演出、ミニキャラ演出の銀図柄当たり仮表示から昇格示唆演出を経て金図柄当たり確定表示を行う演出、ミニキャラ演出の覚醒カード登場演出から覚醒発展演出を経て金図柄当たり確定表示を行う演出が決定され得る(図42参照)。
【0294】
また、10R通常小当たりの場合には、最終的に銀図柄当たり確定表示を行う演出が決定される。つまり、図柄破壊演出の銀図柄当たり仮表示から昇格示唆演出を経て銀図柄当たり確定表示を行う演出、ミニキャラ演出の銀図柄当たり仮表示から昇格示唆演出を経て銀図柄当たり確定表示を行う演出が決定され得る(図42参照)。なお、10R時短大当たりの場合には、金図柄リーチ演出及び銀図柄リーチ演出の何れも実行されることはなく、専用の特別演出が決定される。
【0295】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動時間と、図柄確定時のリーチ演出と、に基づいて残り演出時間を算出する(S5004)。ここで、特図2変動演出で実行される各演出には、演出時間がそれぞれ予め定められている。そのため、残り演出時間は、変動時間から、ステップS5003で決定した演出の演出時間を差し引くことで、算出されることになる。
【0296】
続いて、演出制御用マイコン91は、残り演出時間に基づいて、図柄確定時のリーチ演出よりも前に実行するリーチ演出を決定する(S5005)。但しこのときに決定するリーチ演出は、最終的にリーチハズレ仮表示になるリーチ演出である。つまり、第1敵キャラバトル演出からリーチハズレ仮表示を行う演出、第2敵キャラバトル演出からリーチハズレ仮表示を行う演出が決定され得る(図37参照)。又は、図柄破壊演出から残り金図柄表示を経てリーチ仮表示を行う演出、図柄破壊演出の残り覚醒キャラ図柄表示から覚醒発展演出を経てリーチハズレ仮表示を行う演出、ミニキャラ演出から成功演出を経てリーチハズレ仮表示を行う演出、ミニキャラ演出の覚醒カード登場演出から覚醒発展演出を経てリーチハズレ仮表示を行う演出が決定され得る(図42参照)。なお、ステップS5005において、演出制御用マイコン91は、リーチ演出を実行するための演出時間がないと判断すれば、図柄確定時のリーチ演出よりも前に実行するリーチ演出を決定しない。その一方で、演出制御用マイコン91は、2つのリーチ演出を実行するための演出時間があると判断すれば、図柄確定時のリーチ演出よりも前に実行するリーチ演出を2つ決定する。
【0297】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動時間と、これまでに決定したリーチ演出の演出時間の合計と、に基づいて残り演出時間を算出する(S5006)。続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS5006で算出した残り演出時間が、5000ms以上であるか否かを判定する(S5007)。残り演出時間が5000ms以上でなければ(S5007でNO)、ステップS5005の処理に戻って、再び、残り演出時間に基づいて、図柄確定時のリーチ演出よりも前に実行するリーチ演出を決定する。一方、残り演出時間が5000ms以上であれば(S5007でYES)、残り演出時間に基づいて、演出図柄8L、8C、8Rの変動回数を決定する(S5008)。
【0298】
ここで、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示の時間について、説明する。本形態では、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示をしている時間を2000msに固定していて、演出図柄8L、8C、8Rの仮停止表示の時間を500msに固定している。従って、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示してからドハズレ態様で仮停止表示するまでの1サイクル時間を2500msにしている。そして、本形態では、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が必ず複数回実行されるようにしている。こうして、5000msという時間は、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示(2000ms)⇒演出図柄8L、8C、8Rの仮停止表示(500ms)⇒演出図柄8L、8C、8Rの変動表示(2000ms)⇒リーチ表示(500ms)を確保する時間になっている。以上により、ステップS5007において、残り演出時間が5000ms未満であれば、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が2回以上実行できないことになり、ステップS5005の処理に戻るようになっている。
【0299】
ステップS5008に進んだ場合、残り演出時間に基づいて、演出図柄8L、8C、8Rの変動回数が2回以上になるように決定される。ここで、図9に示すように、第2特別図柄の変動時間は、2500msの倍数になっているため、演出図柄8L、8C、8Rの変動回数が2以上の自然数として決定される。なお、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が最初のリーチ演出が開始される前に何回実行されるか、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が2回目のリーチ演出が開始される前に何回実行されるか、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が3回目のリーチ演出が開始される前に何回実行されるかについては、予め定められたテーブル(図示省略)を用いて抽選によって決定される。以上により、特図2変動演出において実行する演出内容の情報(リーチ演出の内容と順番、リーチ演出が開始される前に実行される演出図柄8L、8C、8Rの変動回数など)を含む特図2変動演出パターンを決定して(S5009)、本処理を終える。
【0300】
本形態では、上記のようにして決定された特図2変動演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、特図2変動演出では、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が必ず複数回行われる。そして、1回の特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動回数(変動表示の回数)は5回以上の場合もあり、擬似連演出における演出図柄8L、8C、8Rの変動回数(4回以内)よりも、多いことがある。そして本形態の特図2変動演出は、擬似連演出と異なり、演出図柄8L、8C、8Rの変動回数が多くなっても、当たりへの当選期待度が大きくなることを示唆していない。つまり、特図2変動演出における演出図柄8L、8C、8Rの変動回数と、当たり(例えば10R時短小当たりC)への当選期待度の高さとは、全く無関係である。
【0301】
また本形態では、1回の特図2変動演出でも、最大で3回のリーチ演出(銀図柄リーチ演出、金図柄リーチ演出)が実行され得る。そして、各リーチ演出が開始される前に、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回実行されることがある。このようにして、本形態では、1回の特図2変動演出でも、特図2の抽選が何回も実行されているように遊技者に見せることができて、時短状態での1回の特図2変動演出と、通常遊技状態に移行直後の1回の特図2変動演出との遊技興趣を高めることが可能である。
【0302】
9.本形態の作用効果
以上、詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様で表示されるときに、そのリーチ態様には、10R時短小当たりCへの当選を意識させる銀図柄リーチ表示(図51(F)参照)と、10R通常小当たりへの当選を意識させる金図柄リーチ表示(図52(E)参照)と、がある。そのため、遊技者には、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様で表示されている時点から、10R時短小当たりC又は10R通常小当たりのどちらに当選しているのかを明確に意識させることができて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0303】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図51(F)に示すように、銀図柄リーチ表示がなされると、遊技者は10R通常小当たりに当選し得ると思って落胆する。つまり、演出図柄8Ld、8C、8Rdが「4↓4」を示すリーチ態様になることで、10R通常小当たりに当選する可能性が高いことなる。しかしながら、この場合であっても、図51(H)に示すように、図柄破壊演出によって、リーチ態様で示されている演出図柄と同じ数字(「4」)を示す演出図柄8Ldが、切り裂かれた切断演出図柄8Ldxに変化することがある。つまり、演出図柄8Ld、8C、8Rdの銀図柄リーチ表示から、演出図柄の大当たり態様(ゾロ目)になるのが否定される。よって、この図柄破壊演出により、遊技者には、10R通常小当たりに当選する状況が回避されたことを認識させて、安堵感による遊技興趣を提供することが可能である。
【0304】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図柄破壊演出において、図43(C-3)に示すように、残り覚醒キャラ図柄表示がなされた場合には、図46(A)に示すように、金図柄リーチ表示に変化する。これにより、遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況から、10R時短小当たりCに当選する可能性が高い状況に変化したことを把握して、高揚感を覚えることになる。また、図柄破壊演出において、図43(C-2)に示すように、残り金図柄表示がなされた場合には、図45(A)に示すように、リーチハズレ仮表示がなされる。これにより、遊技者は、特図2の抽選結果がハズレであると認識して、次回以降の特図2の抽選で時短小当たりCへの当選を狙うことになる。こうして、図柄破壊演出にバリエーションがあることで、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0305】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、金図柄リーチ表示を経て、10R時短小当たりCへの当選が示された場合(金図柄当たり確定表示がなされた場合)には、大当たり遊技後に時短状態に制御される。一方、銀図柄リーチ表示を経て、10R通常小当たりへの当選が示された場合(銀図柄当たり確定表示がなされた場合)には、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。そのため、銀図柄リーチ表示がなされたときに、遊技者は、10R通常小当たりへの当選によって、通常遊技状態に制御されると思って大きく落胆する。よって、この場合に、図柄破壊演出において、図51(H)に示すように、銀図柄リーチ表示から大当たり態様になるのが否定(阻止)されることで、遊技者は通常遊技状態に制御される可能性が高い状況が回避されたことを認識させて、大きな安堵感を与えることが可能である。
【0306】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)が実行されると、遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況であると把握することなる。そのため、遊技者には、銀図柄リーチ演出により、ハズレでも、10R時短小当たりCへの当選でもなく、10R通常小当たりへの当選を明確に意識させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0307】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図43(B)に示す図柄破壊演出(銀図柄リーチ演出)から図46(A)に示す覚醒発展演出に発展すると、遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況から、10R時短小当たりCに当選する可能性が高い状況に変化したことを把握する。同様に、図47(B)に示すミニキャラ演出(銀図柄リーチ演出)から図50(A)に示す覚醒発展演出に発展すると、遊技者は、10R通常小当たりに当選する可能性が高い状況から、10R時短小当たりCに当選する可能性が高い状況に変化したことを把握する。そのため、遊技者には、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)が実行されても、覚醒発展演出への発展により、10R時短小当たりCへの当選に急に近づくという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0308】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図55(A)に示すように、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、覚醒発展演出が実行され易い。そのため、遊技者には、ミニキャラ演出が実行されたときに、覚醒発展演出への発展に大きく期待させることができて、ミニキャラ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0309】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図55(A)に示すように、図柄破壊演出とミニキャラ演出とでは、覚醒発展演出に発展する可能性(演出期待度)が異なるだけでなく、銀図柄当たり確定表示がなされる可能性(10R通常小当たりに当選する可能性)も異なる。具体的に本形態では、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、銀図柄当たり確定表示が実行され難い。従って、遊技者には、図柄破壊演出又はミニキャラ演出が実行された場合において、全く異なる期待感を抱かせることができて、銀図柄リーチ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0310】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、上述したように、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選すれば、大当たり遊技後に時短状態に制御される一方、特図2の抽選で10R通常小当たりに当選すれば、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。そのため、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)が実行されたときに、遊技者は、10R通常小当たりへの当選によって通常遊技状態に制御されると思って大きく落胆する。よってこの場合に、覚醒発展演出が実行されると、遊技者は時短状態に制御される可能性が高い状況に変化したことを認識させて、大きな安堵感及び高揚感を与えることが可能である。
【0311】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図柄破壊演出又はミニキャラ演出である銀図柄リーチ演出から、銀図柄当たり仮表示によって(図44(A)又は図48(A)参照)、10R通常当たりへの当選が示唆されると、遊技者は10R時短小当たりCへの当選を獲得できないことを把握して落胆する。しかしながらこの場合であっても、昇格示唆演出からの金図柄当たり確定表示によって(図44(C-2)又は図48(C-2)参照)、遊技者は10R時短小当たりCへの当選を獲得できることがある。こうして、遊技者には、銀図柄リーチ演出から10R通常小当たりへの当選を認識させた後でも、10R時短小当たりCへの当選を昇格によって獲得できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0312】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図55(A)に示すように、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、銀図柄当たり仮表示がなされた後に、昇格示唆演出からの金図柄当たり確定表示が実行され易い。そのため、遊技者には、ミニキャラ演出を経て10R通常小当たりへの当選が示唆されたときに(図48(A)参照)、昇格示唆演出からの金図柄当たり確定表示に大きく期待させることができる。よって、ミニキャラ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0313】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図55(A)に示すように、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、銀図柄当たり仮表示が実行され難い。つまり、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、10R通常小当たりへの当選が示唆され難い。更に上述したように、仮にミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示がなされても、図柄破壊演出で銀図柄当たり仮表示がなされる場合よりも、昇格示唆演出からの金図柄当たり確定表示が実行され易い。こうして、ミニキャラ演出が実行された場合では、図柄破壊演出が実行された場合よりも、10R通常小当たりに当選し難いという期待感を遊技者に抱かせることが可能である。
【0314】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、上述したように、特図2の抽選で10R時短小当たりCに当選すれば、大当たり遊技後に時短状態に制御される一方、特図2の抽選で10R通常小当たりに当選すれば、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。そのため、遊技者は、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)から、10通常小当たりへの当選が示唆されたときには、通常遊技状態に制御されると思って大きく落胆する。よってこの場合に、昇格示唆演出からの金図柄当たり確定表示がなされると、遊技者には、時短状態に制御されることを把握させて、復活による大きな安堵感及び高揚感を与えることが可能である。
【0315】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態において、第2始動口21(電チュー22)への遊技球の入球によって特図2変動演出が実行されると、図51(A)~(E)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われる。つまり、1球の遊技球が第2始動口21に入球することで、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が1回だけ行われるわけではない。従って、第2始動口21への入球に基づく特図2変動演出の遊技興趣を高めることが可能である。
【0316】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21への入球に基づく大当たり判定処理が1個までしか保留されない。つまり特図2保留球数の上限数は1である。しかしながら、その1個だけ保留された大当たり判定処理により特図2変動演出が実行されると、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われる(図51(A)~(E)参照)。よって、特図2保留球数の上限数が1であっても、遊技者には、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が途切れることなく複数回連続して実行されているように見せることが可能である。
【0317】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態では、第2始動口21への入球に基づいて、特図2の抽選ですぐに小当たりと判定されるため、遊技者には時短状態での特図2変動演出が1回しか行われないという印象を与えるおそれがある。更に、特図2保留球数の上限数が1であるため、時短状態から通常遊技状態への移行直後に、第2特図保留に基づく特図2変動演出が1回しか行われないという印象を与えるおそれがある。しかしながら、本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2変動演出では、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われるため、時短状態及び通常遊技状態への移行直後の両方において(図51及び図52に示す演出例1、図53及び図54に示す演出例2参照)、遊技者には、特図2変動演出が複数回実行されているように見せることが可能である。よって、時短状態での演出、及び通常遊技状態への移行直後の演出において、単調な演出と思わせないことが可能である。
【0318】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rのリーチ態様が示される場合、10R時短小当たりCへの当選を意識させる金図柄リーチ表示、又は、10R通常小当たりへの当選を意識させる銀図柄リーチ表示が示される。従って、遊技者には、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を複数回見せつつ、金図柄リーチ表示又は銀図柄リーチ表示の何れが示されるのかに注目させることになり、特図2変動演出の遊技興趣を高めることが可能である。
【0319】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図51及び図52で示すように、1回の特図2の変動表示であるにも拘わらず、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出とが実行される場合がある。更に、この場合において、図52(A)に示すように、図柄破壊演出(第1特定演出、第1リーチ演出)が終了した後で、図52(F)に示す第2敵キャラバトル演出(第2特定演出、第2リーチ演出)が開始される前に、図52(B)~(D)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われることがある。この複数回の演出図柄8L、8C、8Rの変動表示により、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出とが、分離している印象を与えて、1回の特図2の変動表示によって行われていることに気付き難くすることが可能である。よって、1回の特図2の変動表示であっても、遊技者に対して、複数回の大当たり判定処理(特図2の抽選)が実行されているように思わせることが可能であり、遊技興趣を向上させることが可能である。
【0320】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、1回の特図2の変動表示において、図51(A)~(E)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(3回)行われた後に、図51(G)(H)に示すように、図柄破壊演出が実行されることがある。そして、図52(A)に示すように、リーチハズレ仮表示によって、ハズレであることが示唆される。続けて、図52(B)~(D)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回)行われた後に、図52(F)(G)に示すように、第2敵キャラバトル演出が実行されることがある。こうして、1回の特図2の変動表示であるにも拘わらず、擬似連演出と図柄破壊演出とが実行され、その後、擬似連演出と第2敵キャラバトル演出とが実行されているように見せることが可能である。よって、擬似連演出に慣れている遊技者でも、擬似連演出と第2敵キャラバトル演出とが、1回の特図2の変動表示によって行われていることに気付き難くすることが可能である。
【0321】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図柄破壊演出(銀図柄リーチ演出)と第2敵キャラバトル演出(金図柄リーチ演出)という異なる2つのリーチ演出の間に、図52(B)~(D)に示すように、複数回の演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が実行されることがある。そのため、遊技者には、図柄破壊演出を伴う特図2の変動表示と、第2敵キャラバトル演出を伴う特図2の変動表示と、が別々に実行されているように思わせることが可能である。よって、1回の特図2の変動表示にも拘わらず、2回のドキドキ感を伴うリーチ演出(図柄破壊演出、第2敵キャラバトル演出)を堪能させることが可能である。
【0322】
10.変更例
次に、上記形態(本形態)のパチンコ遊技機1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、本形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0323】
上記形態では、金図柄リーチ表示(図38(A)参照)という有利リーチ態様では、10R通常小当たり(不利当たり)への当選よりも、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選を意識させるものであった。しかしながら、有利リーチ態様で意識させるものは、10R時短小当たりCへの当選に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、有利リーチ態様は、ラウンド数が多い当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、V入賞可能な当たり(大当たり、小当たり(2種当たり))への当選を意識させるもの、大当たり遊技後に高確率状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に時短回数が多い時短状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後にリミッタ回数(特典遊技状態に制御される連続上限回数)が多く設定される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に制御される大当たりへの当選を意識させるものなどであっても良い。
【0324】
上記形態では、銀図柄リーチ表示(図43(A)参照)という不利リーチ態様では、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選よりも、10R通常小当たり(不利当たり)への当選を意識させるものであった。しかしながら、不利リーチ態様で意識させるものは、10R通常小当たりへの当選に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、有利リーチ態様は、ラウンド数が少ない当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、V入賞不可能な当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、大当たり遊技後に通常確率状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に時短回数が少ない時短状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後にリミッタ回数(特典遊技状態に制御される連続上限回数)が少なく設定される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に制御されない大当たりへの当選を意識させるものなどであっても良い。
【0325】
上記形態では、有利当たりへの当選を意識させる有利リーチ態様は、金色の「3」又は「7」を示す演出図柄8c、8gがリーチ態様になる表示態様であった。しかしながら、有利リーチ態様は、金色の「3」又は「7」を示す演出図柄8c、8gのリーチ態様に限られるものではなく、例えば、数字ではない特別な演出図柄(例えば覚醒キャラ図柄8j)がリーチ態様になる表示態様であっても良く、適宜変更可能である。
【0326】
上記形態では、不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様は、銀色の「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」を示す演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iがリーチ態様になる表示態様であった。しかしながら、有利リーチ態様は、銀色の「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」を示す演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iのリーチ態様に限られるものではなく、例えば、数字ではない特殊な演出図柄(例えばドクロを示す図柄)がリーチ態様になる表示態様であっても良く、適宜変更可能である。
【0327】
上記形態では、銀図柄リーチ表示から大当たり態様(ゾロ目)になるのを否定する否定演出として、銀図柄リーチ表示がなされている状態で、「4」を示す演出図柄8Cdが切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化した(図43(C-2)、図43(C-3)参照)。しかしながら、否定演出は、上記した演出に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、銀図柄リーチ表示がなされている状態で、「4」を示す演出図柄8d(リーチ態様と同じ数字を示す演出図柄)が表示画面7aから消えるように移動する演出、又は、「4」を示す演出図柄8d(リーチ態様と同じ数字を示す演出図柄)が、「4」以外の演出図柄(例えば「3」を示す演出図柄8c)に徐々に又は一瞬で変化する演出などであっても良い。
【0328】
上記形態では、図柄破壊演出で図43(C-3)に示す残り覚醒キャラ図柄表示がなされてから、図46(A)に示す覚醒発展演出までの演出が、「第1否定演出」に相当するものであった。しかしながら、第1否定演出の演出態様は、上記したものに限られず、銀図柄リーチ表示(不利リーチ態様での表示)が金図柄リーチ表示(有利リーチ態様での表示)に変化するものであれば、適宜変更可能である。従って、例えば、銀図柄リーチ表示を構成する演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iが、1つずつ金色の演出図柄8c、8gが変化していき、金図柄リーチ表示に変化する演出であっても良い。
【0329】
上記形態では、図柄破壊演出で図43(C-2)に示す残り金図柄表示から、図45(A)に示すリーチハズレ仮表示までの演出が、「第2否定演出」に相当するものであった。しかしながら、第2否定演出の演出態様は、上記したものに限られず、銀図柄リーチ表示(不利リーチ態様での表示)がハズレ態様に変化するものであれば、適宜変更可能である。従って、例えば、銀図柄リーチ表示からバラケ目であるドハズレ態様に変化する演出であっても良い。
【0330】
上記形態では、10R時短小当たりC(有利当たり)に当選した場合には、2種大当たり遊技後(特別遊技の後)に、時短状態(有利遊技状態)に制御される一方、10R通常小当たり(不利当たり)に当選した場合には、2種大当たり遊技後(特別遊技の後)に、通常遊技状態(不利遊技状態)に制御された。しかしながら、有利当たりに当選した場合の特別遊技の後の有利遊技状態と、不利当たりに当選した場合の特別遊技の後の不利遊技状態との関係は、時短状態と通常遊技状態に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、有利遊技状態と不利遊技状態とは、高確率状態(通常確率状態よりも特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率が高い遊技状態)と通常確率状態、高確率時短状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ状態)と小当たりラッシュ状態以外の遊技状態などであっても良い。なお、有利当たり又は不利当たりの何れであっても、特別遊技の後(1種大当たり遊技後、2種大当たり遊技後)に同じ遊技状態に制御されるようにしても良い。この場合、大当たり遊技後に付与される遊技状態以外によって、有利当たりへの当選が、不利当たりへの当選よりも、遊技者に付与される特典が多いようにすれば良い。例えば、大当たり遊技でのラウンド数の多さ、V入賞可能であるか否か、時短回数の多さ、リミッタ回数の多さなどによって、有利当たりへの当選が、不利当たりへの当選よりも、遊技者に付与される特典が多いようにすれば良い。
【0331】
上記形態では、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様になるとき、銀図柄リーチ表示又は金図柄リーチ表示の何れかが示された。しかしながら、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様になるとき、銀図柄リーチ表示又は金図柄リーチ表示の他、有利当たり(10R時短小当たりC)又は不利当たり(10R通常小当たり)の何れかに当選するのかが分からない通常リーチ態様が示されるようにしても良い。
【0332】
上記形態では、不利リーチ演出として、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選よりも、10R通常小当たり(不利当たり)への当選を意識させる銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)を実行した。しかしながら、不利リーチ演出は、銀図柄リーチ演出に限られるものではなく、有利当たりへの当選よりも、不利当たりへの当選を意識させるものであれば、演出態様は適宜変更可能である。例えば、不利リーチ演出は、バトル演出や、レース演出などであっても良い。
【0333】
上記形態では、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)という不利リーチ演出は、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選よりも、10R通常小当たり(不利当たり)への当選を意識させるものであった。しかしながら、不利リーチ演出で意識させるものは、10R通常小当たりへの当選に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、不利リーチ演出は、ラウンド数が少ない当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり)への当選を意識させるもの、V入賞不可能な当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、大当たり遊技後に通常確率状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に時短回数が少ない時短状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後にリミッタ回数(特典遊技状態に制御される連続上限回数)が少なく設定される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に制御されない大当たりへの当選を意識させるものなどであっても良い。
【0334】
上記形態では、有利リーチ演出として、10R通常小当たり(不利当たり)への当選よりも、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選を意識させる金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)を実行した。しかしながら、有利リーチ演出は、金図柄リーチ演出に限られるものではなく、不利当たりへの当選よりも、有利当たりへの当選を意識させるものであれば、演出態様は適宜変更可能である。例えば、不利リーチ演出は、ミニキャラ演出や、ストーリ演出などであっても良い。
【0335】
上記形態では、金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)という有利リーチ演出では、10R通常小当たり(不利当たり)への当選よりも、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選を意識させるものであった。しかしながら、有利リーチ演出で意識させるものは、10R時短小当たりCへの当選に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、有利リーチ演出は、ラウンド数が多い当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、V入賞可能な当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、大当たり遊技後に高確率状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に時短回数が多い時短状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後にリミッタ回数(特典遊技状態に制御される連続上限回数)が多く設定される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に制御される大当たりへの当選を意識させるものなどであっても良い。
【0336】
上記形態では、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)から、不利当たり(10R通常小当たり)よりも有利当たり(10R時短小当たりC)への当選を意識させる覚醒発展演出(有利発展演出)に発展することがあるようにした(図42参照)。しかしながら、有利発展演出は、覚醒した主人公キャラと特別な敵キャラとが戦う覚醒発展演出(図46参照)に限られるものではなく、不利当たりへの当選よりも有利当たりへの当選を意識させるものであれば、適宜変更可能である。例えば、有利発展演出は、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目の状態で回転する全回転リーチ演出や、金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)であっても良い。
【0337】
上記形態では、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)から発展する覚醒発展演出(有利発展演出)では、10R通常小当たり(不利当たり)への当選よりも、10R時短小当たりC(有利当たり)への当選を意識させるものであった。しかしながら、有利発展演出で意識させるものは、10R時短小当たりCへの当選に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、有利発展演出は、ラウンド数が多い当たり(大当たり、小当たり)への当選を意識させるもの、V入賞可能な当たり(大当たり、小当たり(2種大当たり))への当選を意識させるもの、大当たり遊技後に高確率状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に時短回数が多い時短状態に制御される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後にリミッタ回数(特典遊技状態に制御される連続上限回数)が多く設定される大当たりへの当選を意識させるもの、大当たり遊技後に小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に制御される大当たりへの当選を意識させるものなどであっても良い。
【0338】
上記形態では、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)から覚醒発展演出(有利発展演出)に発展した場合に、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選が確定しているわけではなかった(図55(A)参照)。しかしながら、不利リーチ演出(銀図柄リーチ演出)から有利発展演出(覚醒発展演出)に発展した場合に、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選が確定しているようにしても良い。この場合、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)から発展する第1有利発展演出では、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選が確定しているわけではないものの、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)から発展する第2有利発展演出では、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選が確定しているようにしても良い。
【0339】
上記形態では、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)及びミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)の何れであっても、覚醒発展演出(有利発展演出)に発展することがあるようにした(図42参照)。しかしながら、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)から有利発展演出(覚醒発展演出)に発展することがない一方、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)から有利発展演出(覚醒発展演出)に発展することがあるようにしても良い。
【0340】
上記形態では、第1不利リーチ演出として図柄破壊演出が実行され、第2不利リーチ演出としてミニキャラ演出が実行された。しかしながら、第1不利リーチ演出は、図柄破壊演出に限られるものではなく、有利当たり(10R時短小当たりC)よりも不利当たり(10R通常小当たり)への当選を意識させるものであれば、適宜変更可能であり、例えばバトル演出やミニキャラ演出であっても良い。また、第2不利リーチ演出は、ミニキャラ演出に限られるものではなく、有利当たり(10R時短小当たりC)よりも不利当たり(10R通常小当たり)への当選を意識させるものであれば、適宜変更可能であり、例えばバトル演出やストーリ演出であっても良い。
【0341】
上記形態では、有利発展演出に発展することがある不利リーチ演出には、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)と第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)との2種類があった。しかしながら、第3不利リーチ演出があるようにしても良い。この場合、例えば、第3不利リーチ演出から有利発展演出(覚醒発展演出)に発展すると、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選が確定しているようにしても良い。
【0342】
上記形態では、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)から覚醒発展演出(有利発展演出)よりも、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)から覚醒発展演出の方が、発展し易いように設定されていた(図55(A)参照)。そして、図柄破壊演出から覚醒発展演出に発展した場合よりも、ミニキャラ演出から覚醒発展演出に発展した場合の方が、10R時短小当たりC(有利当たり)へ当選が報知(金図柄当たり確定表示)され易いように設定されていた(図55(A)参照)。しかしながら、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)から有利発展演出(覚醒発展演出)よりも、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)から有利発展演出の方が、発展し易いものの、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)から有利発展演出(覚醒発展演出)に発展した場合の方が、第2不利リーチ演出(ミニキャラ発展演出)から有利発展演出に発展する場合よりも、有利当たり(10R時短小当たりC)へ当選が報知(金図柄当たり確定表示)され易いようにしても良い。
【0343】
上記形態では、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)が実行された場合に10R通常小当たり(不利当たり)に当選している可能性の方が、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)が実行された場合に10R通常小当たりに当選している可能性よりも、高いように設定されていた(図55(A)参照)。しかしながら、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)が実行された場合に不利当たりに当選している可能性の方が、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)が実行された場合に不利当たりに当選している可能性よりも、高いように設定しても良い。又は、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)が実行された場合に不利当たりに当選している可能性と、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)が実行された場合に不利当たりに当選している可能性と、が同じになるように設定しても良い。
【0344】
上記形態では、銀図柄当たり仮表示がなされた後に(不利当たりへの当選が示唆された後に)、昇格示唆演出から金図柄当たり確定表示がなされるまでの演出が、昇格演出であった(図44及び図48参照)。しかしながら、昇格演出は、上記した演出に限られず、不利当たり(10R通常小当たり)への当選が示唆された後に、有利当たり(10R時短小当たりC)への当選を示唆するものであれば、適宜変更可能である。従って、例えば、銀図柄当たり仮表示がなされた後に、装飾可動体15(盤可動体、枠可動体)が移動することで、金図柄当たり確定表示がなされる演出であっても良い。
【0345】
上記形態では、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)が実行される場合よりも、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)が実行される場合の方が、銀図柄当たり仮表示が実行され難いようにした(図55(A)参照)。つまり、ミニキャラ演出の方が、図柄破壊演出よりも、銀図柄当たり仮表示によって、10R通常小当たりに当選していることが示唆され難いようにした。しかしながら、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)が実行される場合よりも、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)が実行される場合の方が、銀図柄当たり仮表示が実行され易いようにしても良い。又は、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)と、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)とにおいて、同じ頻度(演出期待度)で銀図柄当たり仮表示を実行するようにしても良い。
【0346】
上記形態では、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示(図44(A)参照)がなされると、その後、昇格示唆演出(図44(B)参照)が必ず実行された。しかしながら、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示がなされても、その後、昇格示唆演出が必ず実行されることなく、銀図柄当たり確定表示がされるようにしても良い。同様に、上記形態では、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示(図48(A)参照)がなされると、その後、昇格示唆演出(図48(B)参照)が必ず実行された。しかしながら、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示がなされても、その後、昇格示唆演出が必ず実行されることなく、銀図柄当たり確定表示がされるようにしても良い。また上記した場合において、図柄破壊演出(第1不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示がなされる場合よりも、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)を経て銀図柄当たり仮表示がなされる場合の方が、昇格示唆演出(昇格煽り演出)が実行され易いようにしても良い。このようにすれば、ミニキャラ演出で銀図柄当たり仮表示がなされても、まだ昇格示唆演出(昇格煽り演出)が実行されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせ易くして、ミニキャラ演出(第2不利リーチ演出)での遊技興趣を高めることが可能である。
【0347】
上記形態では、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)必ず実行されるようになっていた。しかしながら、第1特別図柄の変動表示中に実行される変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)必ず実行されるようにしても良い。
【0348】
上記形態では、特図2保留球数の上限数は1個であった。しかしながら、特図2保留球数の上限数は2個以上であっても良く、適宜変更可能である。また、特図2保留球数の上限数が2個以上である場合に、第2特図保留の各々に対する特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を複数回実行するようにすると良い。これにより、より長い間、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を連続的に、途切れることなく実行することが可能である。
【0349】
上記形態では、遊技球の入球のし易さが変化可能な第2始動口21(電チュー22)に遊技球が入球すると、その第2始動口21(特定の入球口)への入球に基づく変動演出(特図2変動演出)において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)必ず実行されるようになっていた。しかしながら、遊技球の入球のし易さが変化不能な特定の入球口(例えば第3始動口)に遊技球が入球すると、その特定の入球口への入球に基づく変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回(2回以上)必ず実行されるようにしても良い。
【0350】
上記形態では、特図2の抽選において、ハズレと判定されることがなく、大当たりへの当選又は小当たりへの当選の何れかであった(図8(A)参照)。しかしながら、特図2の抽選において、ハズレと判定されることがあるようにしても良い。
【0351】
上記形態では、特図2変動演出において、図柄破壊演出(第1特定演出)が終了した後で、図52(F)に示す第2敵キャラバトル演出(第2特定演出)が開始される前に、図52(B)~(D)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われることがあった。しかしながら、第1特定演出と第2特定演出とは、図柄破壊演出と第2敵キャラバトル演出とに限られるものではなく、適宜変更可能である。つまり、第1特定演出と第2特定演出とは、銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)及び金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)の中の何れの演出であっても良い。よって例えば、第1特定演出と第2特定演出とは、同じ演出(例えば図柄破壊演出と図柄破壊演出)であっても良い。
【0352】
上記形態では、特図2変動演出において、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われる前の第1特定演出は、リーチ演出である図柄破壊演出であり、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われた後の第2特定演出は、リーチ演出である第2敵キャラバトル演出であった。しかしながら、第1特定演出と第2特定演出とは、リーチ演出に限られるものではなく、第1特定演出の演出態様(例えば第1背景画像)と、第1特定演出と第2特定演出との間で演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が複数回行われるときの演出態様(例えば第2背景画像)と、第2特定演出の演出態様(例えば第3背景画像)とがそれぞれ異なっていれば、適宜変更可能である。よって、例えば、第1特定演出と第2特定演出は、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、リーチ態様にならずに、ドハズレ態様(バラケ目)になるドハズレ演出(リーチ前演出)であっても良い。また、第1特定演出又は第2特定演出は、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、リーチ態様にならずに、ストーリが展開していくストーリ演出(リーチ前演出)であっても良い。なお、第1特定演出と第2特定演出とは、何れか一方がリーチ演出であって、何れか他方がリーチ前演出であっても良い。
【0353】
上記形態では、特図2変動演出において、図柄破壊演出、昇格示唆演出、覚醒発展演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出が実行され得るようにした。しかしながら、第1特別図柄の変動表示中に実行される変動演出(特図1変動演出)において、図柄破壊演出、昇格示唆演出、覚醒発展演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出が実行され得るようにしても良い。また図柄破壊演出、昇格示唆演出、覚醒発展演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出は、特定の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確率状態且つ時短状態、通常確率状態且つ非時短状態、高確率状態且つ非時短状態)に限って、実行され得るようにしても良い。
【0354】
また上記形態では、不利リーチ演出である銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出)の種類が2種類であり、有利リーチ演出である金図柄リーチ演出(第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出)の種類が、2種類であった。しかしながら、不利リーチ演出の種類は2種類に限られず、適宜変更可能であり、有利リーチ演出の種類は2種類に限られず、適宜変更可能である。よって、不利リーチ演出の種類は、1種類だけ、又は3種類以上としても良い。また、有利リーチ演出の種類は、1種類だけ、又は3種類以上としても良い。
【0355】
また上記形態では、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに関わらず特定領域39を通過するように開放パターンを設定したが(図34(b),(c)参照)、第2大入賞口35へ入賞した遊技球の入賞タイミングによっては、特定領域39を通過しないことがあり得るような開放パターンを設定しても良い。つまり、特図2の抽選で小当たりに当選しても、V入賞できない場合(2種大当たりを獲得できない場合)があるようにしても良い。
【0356】
また上記形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能であり、例えば1回であっても良い。
【0357】
上記形態では、特別図柄の抽選において通常確率状態よりも大当たりに当選し易い高確率状態に制御されることがない遊技機であった。しかしながら、高確率状態に制御されることがある遊技機にしても良い。この場合、第2大入賞口35内への特定領域39への通過に基づいて、高確率状態に制御する遊技機(所謂V確機)として構成しても良い。又は、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類でのみ高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したり、当選した大当たりの種類と当選時の遊技状態とに基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成しても良い。
【0358】
上記形態では、所謂1種2種混合機として構成されていたが、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に限り、大当たり遊技が実行される1種遊技機として構成したり、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)として構成しても良い。また抽選によって高確率状態から通常確率状態に転落する転落機等、他の種類の遊技機として構成しても良い。
【0359】
上記形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選することがある遊技機として構成されていたが、小当たりに当選することがない遊技機として構成されていても良い。
【0360】
なお、図55に示す各リーチ演出に対する演出期待度は、あくまで一例であって、本発明の作用効果を奏する範囲で、各演出期待度は適宜変更可能である。
【0361】
11.上記の実施形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0362】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり、小当たり)と判定すると、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
演出図柄(8L、8C,8R)の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記変動演出の実行中に前記演出図柄をリーチ態様で表示することがある遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記当たりの種類には、有利当たり(10R時短小当たりC)と、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たり(10R通常小当たり)と、があり、
前記リーチ態様には、前記不利当たりへの当選よりも前記有利当たりへの当選を意識させる有利リーチ態様(金色の演出図柄8c、8gのリーチ態様)と、前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様(銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iのリーチ態様)と、があることを特徴とする遊技機である。
【0363】
この構成の遊技機によれば、演出図柄がリーチ態様で表示されるときに、そのリーチ態様には、有利当たりへの当選を意識させる有利リーチ態様と、不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様と、がある。そのため、遊技者には、演出図柄がリーチ態様で表示さている時点から、有利当たり又は不利当たりのどちらに当選しているのかを明確に意識させることができて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0364】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記演出図柄を前記不利リーチ態様で表示した場合に、当該演出図柄の不利リーチ態様(銀図柄リーチ表示)から前記演出図柄の当たり態様(大当たり態様(ゾロ目))になるのを否定する否定演出(図柄破壊演出において「4」を示す演出図柄8Cdが切り裂かれた切断演出図柄8Cdxに変化する演出(図43(C-2)、図43(C-3)参照)を実行することがあることを特徴とする遊技機である。
【0365】
この構成の遊技機によれば、演出図柄が不利リーチ態様で表示されると、遊技者は不利当たりに当選し得ると思って落胆する。しかしながら、この場合でも、演出図柄の不利リーチ態様から演出図柄の当たり態様になるのを否定する否定演出が実行されることがある。よって、この否定演出により、遊技者には、不利当たりに当選する状況が回避されたことを認識させて、安堵感による遊技興趣を提供することが可能である。
【0366】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記否定演出には、
前記演出図柄の不利リーチ態様での表示(銀図柄リーチ表示)が、前記演出図柄の有利リーチ態様での表示に変化する第1否定演出(図柄破壊演出で図43(C-3)に示す残り覚醒キャラ図柄表示がなされてから、図46(A)に示す覚醒発展演出までの演出)と、
前記演出図柄の不利リーチ態様での表示(銀図柄リーチ表示)が、前記演出図柄のハズレ態様での表示に変化する第2否定演出(図柄破壊演出で図43(C-2)に示す残り金図柄表示から、図45(A)に示すリーチハズレ仮表示までの演出)と、があることを特徴とする遊技機である。
【0367】
この構成の遊技機によれば、第1否定演出が実行された場合には、遊技者は、不利当たりに当選する可能性が高い状況から、有利当たりに当選する可能性が高い状況に変化したことを把握して、高揚感を覚えることになる。また、第2否定演出が実行された場合には、遊技者は、ハズレであると認識して、次回以降の当たり判定で有利当たりへの当選を狙うことになる。こうして、否定演出にバリエーションがあることで、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0368】
手段A4に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記有利当たり(10R時短小当たりC)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に有利遊技状態(時短状態)に制御する一方、
前記不利当たり(10R通常小当たり)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な不利遊技状態(通常遊技状態、非時短状態)に制御することを特徴とする遊技機である。
【0369】
この構成の遊技機によれば、有利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に有利遊技状態に制御される一方、不利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に不利遊技状態に制御される。そのため、演出図柄が不利リーチ態様で表示されたときに、遊技者は、不利当たりへの当選によって不利遊技状態に制御されると思って大きく落胆する。よって、この場合に否定演出が実行されると、遊技者には、不利遊技状態に制御される可能性が高い状況が回避されたことを認識させて、大きな安堵感を与えることが可能である。
【0370】
ところで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、当たり判定処理により確変大当たり(有利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に制御されるようになっている。また、変動演出の実行中に、演出図柄がリーチ態様で表示された場合には、当該リーチ態様が、確変大当たりへの当選を意識させる確変リーチ態様(有利リーチ態様)になることがある。ここで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、演出図柄のリーチ態様が、有利リーチ態様になることにより、遊技者に高揚感を与えることができる。しかしながら、遊技者に注目させる演出図柄のリーチ態様には、有利リーチ態様があるだけであり、リーチ態様の種類として、バリエーションに欠ける。従って、演出図柄のリーチ態様によって、遊技興趣の向上を図るには、改善の余地があった。そこで手段A1~A4に係る発明は、特開2010-099312号公報に記載の遊技機に対して、リーチ態様には、有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様がある点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0371】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり、小当たり)と判定すると、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
リーチ演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記当たりの種類には、有利当たり(10R時短小当たりC)と、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たり(10R通常小当たり)と、があり、
前記リーチ演出には、前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ演出(銀図柄リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出))があることを特徴とする遊技機である。
【0372】
この構成の遊技機によれば、不利リーチ演出が実行されると、遊技者は、不利当たりに当選する可能性が高い状況であると把握することになる。そのため、遊技者には、ハズレでも、有利当たりへの当選でもなく、不利当たりへの当選を明確に意識させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0373】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記不利リーチ演出から、前記不利当たりへの当選よりも前記有利当たりへの当選を意識させる有利発展演出(覚醒発展演出)に発展させることがある(図46(A)、図50(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0374】
この構成の遊技機によれば、不利リーチ演出から有利発展演出に発展すると、遊技者は、不利当たりに当選する可能性が高い状況から、有利当たりに当選する可能性が高い状況に変化したことを把握する。そのため、遊技者には、不利リーチ演出が実行されても、有利発展演出への発展により、有利当たりへの当選に急に近づくという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0375】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記不利リーチ演出には、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)と、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)と、があり、
前記演出制御手段は、
前記第1不利リーチ演出から前記有利発展演出(図柄破壊演出から覚醒発展演出(図46(A)参照))よりも、前記第2不利リーチ演出から前記有利発展演出(ミニキャラ演出から覚醒発展演出(図50(A)参照))の方が、発展させ易い(図55(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0376】
この構成の遊技機によれば、第2不利リーチ演出の方が、第1不利リーチ演出よりも、有利発展演出が実行され易い。そのため、遊技者には、第2不利リーチ演出が実行されたときに、有利発展演出への発展に大きく期待させることができて、第2不利リーチ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0377】
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機において、
前記第1不利リーチ演出が実行された場合に前記不利当たりに当選している可能性(図柄破壊演出が実行された場合に銀図柄当たり確定表示になる可能性)と、前記第2不利リーチ演出が実行された場合に前記不利当たりに当選している可能性(ミニキャラ演出が実行された場合に銀図柄当たり確定表示になる可能性)と、が異なる(図55(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0378】
この構成の遊技機によれば、第1不利リーチ演出と第2不利リーチ演出とでは、有利発展演出に発展する可能性が異なるだけでなく、不利当たりに当選する可能性も異なる。従って、遊技者には、第1不利リーチ演出が実行された場合、又は第2不利リーチ演出が実行された場合において、全く異なる期待感を抱かせることができて、不利リーチ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0379】
手段B5に係る発明は、
手段B2乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記有利当たり(10R時短小当たりC)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に有利遊技状態(時短状態)に制御する一方、
前記不利当たり(10R通常小当たり)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な不利遊技状態(通常遊技状態、非時短状態)に制御することを特徴とする遊技機である。
【0380】
この構成の遊技機によれば、有利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に有利遊技状態に制御される一方、不利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に不利遊技状態に制御される。そのため、不利リーチ演出が実行されたときに、遊技者は、不利当たりへの当選によって不利遊技状態に制御され得ると思って大きく落胆する。よってこの場合に有利発展演出が実行されると、遊技者には、有利制御状態に制御される可能性が高い状況に変化したことを認識させて、大きな安堵感及び高揚感を与えることが可能である。
【0381】
ところで、特開2016-195637号公報に記載の遊技機では、確変大当たり(有利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができて、通常大当たり(不利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができないようになっている。ここで、特開2016-195637号公報に記載の遊技機では、リーチ演出として、大当たりに当選した場合に有利当たりに当選していることを示す有利リーチ演出が実行されることがある。そのため、有利リーチ演出が実行されることにより、遊技者に高揚感を与えることができる。しかしながら、有利リーチ演出によって遊技者に有利当たりへの当選を意識させることは既にありきたりであって、遊技興趣の向上を図るには、改善の余地があった。そこで手段B1~B5に係る発明は、特開2016-195637号公報に記載の遊技機に対して、リーチ演出には、有利当たりへの当選よりも不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ演出がある点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0382】
<手段C>
手段C1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり、小当たり)と判定すると、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
リーチ演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記当たりの種類には、有利当たり(10R時短小当たりC)と、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たり(10R通常小当たり)と、があり、
前記リーチ演出には、前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ演出(銀図柄リーチ演出)があり、
前記演出制御手段は、
前記不利リーチ演出を経て前記不利当たりへの当選が示唆された後に、前記有利当たりへの当選を示唆する昇格演出(昇格示唆演出から金図柄当たり確定表示がなされるまでの演出)を実行することがある(図44図48参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0383】
この構成の遊技機によれば、不利リーチ演出を経て、不利当たりへの当選が示唆されると、遊技者は有利当たりへの当選を獲得できなかったことを把握して落胆する。しかしながらこの場合でも、昇格演出の実行により、遊技者は有利当たりへの当選を獲得できることがある。こうして、遊技者には、不利リーチ演出から不利当たりへの当選を認識させた後でも、有利当たりへの当選を獲得できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0384】
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記不利リーチ演出には、第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)と、第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)と、があり、
前記演出制御手段は、
前記第1不利リーチ演出を経て前記不利当たりへの当選が示唆される(図柄破壊演出を経て銀図柄当たり仮表示がなされる)ことよりも、前記第2不利リーチ演出を経て前記不利当たりへの当選が示唆される(ミニキャラ演出を経て銀図柄当たり仮表示がなされる)方が、前記昇格演出を実行し易い(図55(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0385】
この構成の遊技機によれば、第2不利リーチ演出の方が、第1不利リーチ演出よりも、不利当たりへの当選が示唆された後に、昇格演出が実行され易い。そのため、遊技者には、第2不利リーチ演出を経て不利当たりへの当選が示唆されたときに、昇格演出への実行に大きく期待させることができて、第2不利リーチ演出での遊技興趣を高めることが可能である。
【0386】
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1不利リーチ演出(図柄破壊演出)を実行する場合よりも、前記第2不利リーチ演出(ミニキャラ演出)を実行する場合の方が、前記不利当たりへの当選を示唆し難い(銀図柄当たり仮表示が実行され難い、図55(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0387】
この構成の遊技機によれば、第2不利リーチ演出では、第1不利リーチ演出よりも、不利当たりへの当選が示唆され難い。更に上述したように、第2不利リーチ演出で不利当たりへの当選が示唆されても、第1不利リーチ演出で不利当たりへの当選が示唆される場合よりも、昇格演出が実行され易い。こうして、第2不利リーチ演出が実行された場合では、第1不利リーチ演出が実行された場合よりも、不利当たりに当選し難いという期待感を遊技者に抱かせることが可能である。
【0388】
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記有利当たり(10R時短小当たりC)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に有利遊技状態(時短状態)に制御する一方、
前記不利当たり(10R通常小当たり)に当選した場合には、前記特別遊技(2種大当たり遊技)の後に前記有利遊技状態よりも遊技者に不利な不利遊技状態(通常遊技状態、非時短状態)に制御することを特徴とする遊技機である。
【0389】
この構成の遊技機によれば、有利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に有利遊技状態に制御される一方、不利当たりに当選した場合には、特別遊技の後に不利遊技状態に制御される。そのため、遊技者は、不利リーチ演出を経て不利当たりへの当選が示唆されたときには、不利遊技状態に制御されると思って大きく落胆する。よってこの場合に昇格演出が実行されると、遊技者には、有利制御状態に制御されることを把握させて、復活による大きな安堵感及び高揚感を与えることが可能である。
【0390】
ところで、特開2016-195637号公報に記載の遊技機では、確変大当たり(有利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができて、通常大当たり(不利当たり)と判定されると、大当たり遊技の実行後に、高確率状態に移行することができないようになっている。ここで、特開2016-195637号公報に記載の遊技機では、リーチ演出として、大当たりに当選した場合に有利当たりに当選していることを示す有利リーチ演出が実行されることがある。そのため、有利リーチ演出が実行されることにより、遊技者に高揚感を与えることができる。しかしながら、有利リーチ演出によって遊技者に有利当たりへの当選を意識させることは既にありきたりであって、遊技興趣の向上を図るには、改善の余地があった。そこで手段C1~C4に係る発明は、特開2016-195637号公報に記載の遊技機に対して、リーチ演出には、有利当たりへの当選よりも不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ演出があり、演出制御手段は、不利リーチ演出を経て不利当たりへの当選が示唆された後に、有利当たりへの当選を示唆する昇格演出を実行することがある点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0391】
<手段D>
手段D1に係る発明は、
入球口(第1始動口20、第2始動口21)への入球に基づいて当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり、小当たり)と判定すると、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
演出図柄(8L、8C、8R)の変動表示と停止表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
通常遊技状態よりも特定の入球口(第2始動口21)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に制御可能であり、
前記演出制御手段は、
前記特定の入球口への入球に基づく前記当たり判定処理により前記変動演出(特図2変動演出)を実行する場合には、前記演出図柄の変動表示を複数回行う(図51(A)~図51(F)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0392】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態において、特定の入球口への入球によって変動演出が実行されると、演出図柄の変動表示が複数回行われる。つまり、1球の遊技球が特定始動口に入球することで、演出図柄の変動表示が1回だけ行われるわけではない。従って、特定の入球口への入球に基づく変動演出の遊技興趣を高めることが可能である。
【0393】
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定の入球口への入球に基づく前記当たり判定処理を1個まで保留可能(特図2保留球数の上限数が1個)であることを特徴とする遊技機である。
【0394】
この構成の遊技機によれば、特定の入球口への入球に基づく当たり判定処理が1個までしか保留されない。しかしながら、その1個だけ保留された当たり判定処理により変動演出が実行されると、演出図柄の変動表示が複数回行われる。よって、特定の入球口に基づく当たり判定処理が1個までしか保留されない状況であっても、遊技者には、演出図柄の変動表示が途切れることなく複数回連続して実行されているように見せることが可能である。
【0395】
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定の入球口への入球に基づく前記当たり判定処理により、当たり(小当たり又は大当たり)と判定する一方、ハズレと判定することがない(図8(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0396】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態では、特定の入球口への入球に基づいてすぐに当たりと判定されるため、遊技者には特典遊技状態での変動演出が1回しか行われないという印象を与えるおそれがある。更に、特定の入球口への入球に基づく当たり判定処理が1個しか保留されないため、通常遊技状態への移行直後に、特定の入球口への入球に基づく変動演出では、演出図柄の変動表示が1回しか行われないという印象を与えるおそれがある。しかしながら、この構成の遊技機によれば、特定の入球口への入球に基づく変動演出では、演出図柄の変動表示が複数回行われるため、特典遊技状態及び通常遊技状態への移行直後の両方において、遊技者には、変動演出が複数回連続して実行されているように見せて、単調な演出と思わせないことが可能である。
【0397】
手段D4に係る発明は、
手段D2又は手段D3に記載の遊技機において、
前記特定の入球口への入球に基づいて前記当たり判定処理で判定される当たりには、有利当たり(10R時短小当たりC)と、前記有利当たりよりも遊技者に不利な不利当たり(10R通常小当たり)と、があり、
前記演出制御手段は、
前記特定の入球口への入球に基づいて実行する前記変動演出(特図2変動演出)において、前記演出図柄のリーチ態様を示す場合に、前記不利当たりへの当選よりも前記有利当たりへの当選を意識させる有利リーチ態様(金色の演出図柄8c、8gのリーチ態様)、又は、前記有利当たりへの当選よりも前記不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様(銀色の演出図柄8a、8b、8d、8e、8f、8h、8iのリーチ態様)を示すことを特徴とする遊技機である。
【0398】
この構成の遊技機によれば、特定の入球口への入球に基づく変動演出において、演出図柄のリーチ態様が示される場合、有利当たりへの当選を意識させる有利リーチ態様、又は、不利当たりへの当選を意識させる不利リーチ態様が示される。従って、遊技者には、特定の入球口への入球に基づく変動演出において、演出図柄の変動表示を複数回見せつつ、有利リーチ態様又は不利リーチ態様の何れが示されるのかに注目させることになり、特定の入球口への入球に基づく変動演出の遊技興趣を高めることが可能である。
【0399】
ところで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、通常遊技状態よりも第2始動口(特定の入球口)に遊技球が入球し易い時短状態(特典遊技状態)に制御可能であり、第2始動口への入球に基づいて、演出図柄の変動表示と停止表示を伴う変動演出を実行するようになっている。ここで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、特定の入球口への入球に基づいて変動演出が実行される場合、演出図柄の変動表示が1回行われる。つまり、1球の遊技球が特定の入球口に入球すると、演出図柄の変動表示が1回だけ行われる。従って、演出図柄の変動表示が連続的に実行されずに、途切れてしまうことがあり、変動演出の遊技興趣には、改善の余地があった。そこで手段D1~D4に係る発明は、特開2010-099312号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、特定の入球口への入球に基づく当たり判定処理により変動演出を実行する場合には、演出図柄の変動表示を複数回行う点で相違している。これにより、特定の入球口への入球に基づく変動演出の遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0400】
<手段E>
手段E1に係る発明は、
入球口(第1始動口20、第2始動口21)への入球に基づいて、当たり判定処理(大当たり判定処理)の結果を示す識別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
演出図柄(8L、8C、8R)の変動表示を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記当たり判定処理で当たり(大当たり、小当たり)であるかを示唆する特定演出(銀図柄リーチ演出、金図柄リーチ演出)として、第1特定演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出のうちの何れか)と、前記第1特定演出と異なる第2特定演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出のうちの何れか)と、を実行可能であり、
1回の前記識別図柄の変動表示において、前記第1特定演出(例えば図51(G)(H)に示す図柄破壊演出)が終了した後で、前記第2特定演出(例えば図52(F)(G)に示す第2敵キャラバトル演出)が開始される前に、前記演出図柄の変動表示を複数回行うことがある(図52(A)~(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0401】
この構成の遊技機によれば、1回の識別図柄の変動表示に拘わらず、当たりであるかを示唆する第1特定演出と第2特定演出とが実行される場合がある。更に、この場合において、第1特定演出が終了した後で、第2特定演出が開始される前に、演出図柄の変動表示が複数回行われることがある。この複数回の演出図柄の変動表示により、第1特定演出と第2特定演出とが、分離している印象を与えて、1回の識別図柄の変動表示によって行われていることに気付き難くすることが可能である。よって、遊技者に対して、1回の識別図柄の変動表示でも、複数回の当たり判定処理が実行されているように思わせることが可能であり、遊技興趣を向上させることが可能である。
【0402】
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
1回の前記識別図柄の変動表示において、前記第1特定演出(例えば図51(G)(H)に示す図柄破壊演出)が開始される前に、前記演出図柄の変動表示を複数回行うことがある(図51(A)~(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0403】
この構成の遊技機によれば、1回の識別図柄の変動表示において、演出図柄の変動表示が複数回行われた後に、第1特定演出が実行される。続けて、演出図柄の変動表示が複数回行われた後に、第2特定演出が実行されることがある。こうして、1回の識別図柄の変動表示にも拘わらず、擬似連演出と第1特定演出とが実行され、その後、擬似連演出と第2特定演出とが実行されているように見せることが可能である。よって、擬似連演出に慣れている遊技者でも、第1特定演出と第2特定演出とが、1回の識別図柄の変動表示によって行われていることに気付き難くすることが可能である。
【0404】
手段E3に係る発明は、
手段E1又は手段E2に記載の遊技機において、
前記第1特定演出は、前記演出図柄がリーチ態様で表示される第1リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出のうちの何れか)であり、
前記第2特定演出は、前記演出図柄がリーチ態様で表示される第2リーチ演出(図柄破壊演出、ミニキャラ演出、第1敵キャラバトル演出、第2敵キャラバトル演出のうちの何れか)であることを特徴とする遊技機である。
【0405】
この構成の遊技機によれば、第1リーチ演出と第2リーチ演出という異なる2つのリーチ演出の間に、複数回の演出図柄の変動表示が実行されることがある。そのため、遊技者には、第1リーチ演出を伴う識別図柄の変動表示と、第2リーチ演出を伴う識別図柄の変動表示と、が別々に実行されていると思わせることが可能である。よって、1回の識別図柄の変動表示にも拘わらず、2回のドキドキ感を伴うリーチ演出を堪能させることが可能である。
【0406】
ところで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄の変動表示と停止表示を伴う変動演出を実行するようになっている。ここで、特開2010-099312号公報に記載の遊技機では、1回の識別図柄の変動表示において、演出図柄の変動表示が1回行われるだけである。そして、遊技者には、停止表示された演出図柄によって、当たり判定処理の結果を把握させている。しかしながら、1回の識別図柄の変動表示に対して、1回の当たり判定処理の結果を見せるという演出はありきたりであって、遊技興趣には改善の余地があった。そこで手段C1~C3に係る発明は、特開2010-099312号公報に記載の遊技機に対して、1回の識別図柄の変動表示において、第1特定演出が終了した後で、第2特定演出が開始される前に、演出図柄の変動表示を複数回行うことがある点で相違している。これにより、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0407】
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
20…第1始動口
21…第2始動口
22…電チュー
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
8L、8C、8R…演出図柄
8a、8b、8d、8e、8f、8h、8i…銀色の演出図柄
8c、8g…金色の演出図柄
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