(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】カメラ制御装置、カメラ制御方法及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 15/03 20210101AFI20241128BHJP
G03B 7/091 20210101ALI20241128BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20241128BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20241128BHJP
H04N 23/72 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G03B15/03 V
G03B7/091
G03B15/05
H04N23/56
H04N23/72
(21)【出願番号】P 2023516002
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2021016448
(87)【国際公開番号】W WO2022224440
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】國廣 和樹
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267918(JP,A)
【文献】特開2004-96328(JP,A)
【文献】特開2004-304438(JP,A)
【文献】特開2003-84194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0020726(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/00 - 15/05
G03B 7/00 - 7/30
G03B 9/00 - 9/07
H04N 23/56 - 23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を表す画像信号を出力する撮像素子の温度を検出する温度検出器から、前記撮像素子の温度を示す温度検出信号を取得する温度検出信号取得部と、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号に基づいて、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率、前記被写体に光を照射する発光素子の発光量及び前記撮像素子を含むカメラの絞り値のそれぞれを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度が閾値以上であれば、前記温度検出信号が示す温度が前記閾値未満であるときよりも、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率を下げる制御と、前記発光素子の発光量を増やす制御と、前記撮像素子を含むカメラの絞り値を小さくする制御とを行うことを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度が閾値以上であれば、前記温度検出信号が示す温度が前記閾値未満であるときよりも、前記画像信号の増幅率を下げる旨を示す第1の制御信号を設定し、前記発光素子の発光量を増やす旨を示す第2の制御信号を設定し、かつ、前記カメラの絞り値を小さくする旨を示す第3の制御信号を設定する制御信号設定部と、
前記制御信号設定部から出力された第1の制御信号に従って前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率を制御する増幅率制御部と、
前記制御信号設定部から出力された第2の制御信号に従って前記発光素子の発光量を制御する発光量制御部と、
前記制御信号設定部から出力された第3の制御信号に従って前記カメラの絞り値を制御する絞り値制御部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のカメラ制御装置。
【請求項3】
温度検出信号取得部が、被写体を表す画像信号を出力する撮像素子の温度を検出する温度検出器から、前記撮像素子の温度を示す温度検出信号を取得し、
制御部が、前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号に基づいて、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率、前記被写体に光を照射する発光素子の発光量及び前記撮像素子を含むカメラの絞り値のそれぞれを制御し、
前記制御部は、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度が閾値以上であれば、前記温度検出信号が示す温度が前記閾値未満であるときよりも、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率を下げる制御と、前記発光素子の発光量を増やす制御と、前記撮像素子を含むカメラの絞り値を小さくする制御とを行うことを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項4】
被写体に光を照射する発光素子と、
前記被写体を表す画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子の温度を検出し、前記温度を示す温度検出信号を出力する温度検出器と、
前記温度検出器から出力された温度検出信号を取得する温度検出信号取得部と、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号に基づいて、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率、前記発光素子の発光量及び前記撮像素子を含むカメラの絞り値のそれぞれを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度が閾値以上であれば、前記温度検出信号が示す温度が前記閾値未満であるときよりも、前記撮像素子から出力される画像信号の増幅率を下げる制御と、前記発光素子の発光量を増やす制御と、前記撮像素子を含むカメラの絞り値を小さくする制御とを行うことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラ制御装置、カメラ制御方法及び撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像素子として、CCD(Charge Coupled Device)を備える電子カメラがある。CCDから出力される画像信号には、白点ノイズが含まれることがあり、画像信号に含まれる白点ノイズの量は、一般的に、CCDの温度が高くなるほど増加する。
【0003】
画像信号に含まれる白点ノイズを低減する技術として、特許文献1に開示された電子カメラがある。当該電子カメラでは、CCDの温度が所定温度以上であるとき、制御回路が、CCDから出力される画像信号の増幅率を下げる制御と、電子カメラの絞り値を大きくする制御とを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている電子カメラでは、CCDの温度が所定温度以上であるときに、制御回路が、画像信号の増幅率を下げる制御を行うため、画像信号が示す画像の輝度が低下する。また、CCDの温度が所定温度以上であるときに、制御回路が、絞り値を大きくする制御を行うため、画像信号が示す画像の輝度がさらに低下する。したがって、当該電子カメラでは、CCDの温度が所定温度以上であるときに、画像信号が示す画像が不明瞭になってしまうことがあるという課題があった。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、画像信号が示す画像の輝度の低下を抑制し、かつ、画像信号に含まれる白点ノイズを低減することができるカメラ制御装置及びカメラ制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るカメラ制御装置は、被写体を表す画像信号を出力する撮像素子の温度を検出する温度検出器から、撮像素子の温度を示す温度検出信号を取得する温度検出信号取得部と、温度検出信号取得部により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子から出力される画像信号の増幅率、被写体に光を照射する発光素子の発光量及び撮像素子を含むカメラの絞り値のそれぞれを制御する制御部とを備え、制御部は、温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度が閾値以上であれば、温度検出信号が示す温度が閾値未満であるときよりも、撮像素子から出力される画像信号の増幅率を下げる制御と、発光素子の発光量を増やす制御と、撮像素子を含むカメラの絞り値を小さくする制御とを行うものである。
また、本開示に係るカメラ制御装置は、被写体を表す画像信号を出力する撮像素子の温度を検出する温度検出器から、撮像素子の温度を示す温度検出信号を取得する温度検出信号取得部と、温度検出信号取得部により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子から出力される画像信号の増幅率及び被写体に光を照射する発光素子の発光量のそれぞれを制御する制御部とを備え、制御部は、温度検出信号取得部により取得された温度検出信号が示す温度に応じて、画像信号の増幅率を可変に設定し、当該設定した画像信号の増幅率と、発光素子の発光量との積が、予め設定された基準増幅率と予め設定された基準発光量との積となるように、発光素子の発光量を設定するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、画像信号が示す画像の輝度の低下を抑制し、かつ、画像信号に含まれる白点ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図3】カメラ制御装置14が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
【
図4】カメラ制御装置14の処理手順であるカメラ制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
【
図6】実施の形態2に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図7】テーブル部26により記憶されている対応関係を示す説明図である。
【
図8】実施の形態3に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
【
図9】実施の形態3に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
図1に示すドライバモニタリングシステム(DMS:Driver Monitoring System)は、撮像装置1及び画像信号取得部2を備えている。DMSは、被写体である車両の搭乗者に対する画像認識処理を実行し、搭乗者のわき見運転等を検知するシステムである。
【0012】
撮像装置1は、発光素子11と、撮像素子12aを含むカメラ12と、温度検出器13と、カメラ制御装置14とを備えている。
撮像装置1は、被写体を撮像することで、被写体を表す画像信号を画像信号取得部2に出力する。
画像信号取得部2は、撮像装置1から出力された画像信号を取得し、画像認識処理を実行する図示せぬ画像認識処理部に対して、画像信号を出力する。
図1に示す撮像装置1は、車両に設置されており、車両の搭乗者を撮像している。しかし、これは一例に過ぎず、撮像装置1は、建物内の部屋等に設置され、部屋等に存在している被写体を撮像するものであってもよい。
【0013】
発光素子11は、例えば、近赤外線光を発光する赤外線発光ダイオードによって実現される。
発光素子11は、車両のインストルメントパネル、ダッシュボード、又は、ルームミラー等に設置されている。発光素子11は、被写体に近赤外線光を照射する。
図1に示す撮像装置1では、発光素子11が、被写体に近赤外線光を照射している。しかし、これは一例に過ぎず、発光素子11が、被写体に対して、可視光、又は、遠赤外線光等を照射するようにしてもよい。
【0014】
カメラ12は、例えば、近赤外線カメラによって実現される。
カメラ12は、車両のインストルメントパネル、ダッシュボード、又は、ルームミラー等に設置されている。
カメラ12は、撮像素子12aを備えており、発光素子11によって、近赤外線光が照射されている被写体を撮像する。
撮像素子12aは、例えば、イメージセンサによって実現される。
撮像素子12aは、被写体を表す画像信号を画像信号取得部2に出力する。撮像素子12aから出力される画像信号には、白点ノイズが含まれることがあり、画像信号に含まれる白点ノイズの量は、一般的に、撮像素子12aの温度が高くなるほど増加する。
図1に示す撮像装置1では、カメラ12が、近赤外線カメラによって実現されている。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、発光素子11が、可視光を照射する発光素子であれば、カメラ12が、可視光カメラによって実現され、発光素子11が、遠赤外線光を照射する発光素子であれば、カメラ12が、遠赤外線カメラによって実現される。
【0015】
温度検出器13は、撮像素子12aの温度Tempを検出し、温度Tempを示す温度検出信号をカメラ制御装置14に出力する。
図1に示す撮像装置1では、温度検出器13が、撮像素子12aの温度Tempとして、撮像素子12a自体の温度を検出している。しかし、これは一例に過ぎず、温度検出器13が、撮像素子12aの温度Tempとして、撮像素子12aの周囲温度を検出するようにしてもよい。即ち、撮像素子12a自体の温度と撮像素子12aの周囲温度との差異が実用上問題のない範囲内であれば、温度検出器13は、撮像素子12aの周囲温度を示す温度検出信号をカメラ制御装置14に出力するようにしてもよい。撮像素子12a自体の温度と撮像素子12aの周囲温度との差異が実用上問題のある範囲を超えていれば、温度検出器13は、周囲温度から撮像素子12a自体の温度を推定し、推定した温度を示す温度検出信号をカメラ制御装置14に出力するようにしてもよい。
【0016】
図2は、実施の形態1に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示すカメラ制御装置14は、温度検出信号取得部21及び制御部22を備えている。
温度検出信号取得部21は、例えば、
図2に示す温度検出信号取得回路31によって実現される。
温度検出信号取得部21は、温度検出器13から出力された温度検出信号を取得する。
温度検出信号取得部21は、温度検出信号を制御部22に出力する。
【0017】
制御部22は、制御信号設定部23、増幅率制御部24及び発光量制御部25を備えている。
制御部22は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率G及び発光素子11の発光量Lのそれぞれを制御する。
即ち、制御部22は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempが閾値Th以上であれば、温度検出信号が示す温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを下げる制御と発光素子11の発光量Lを増やす制御とを行う。閾値Thは、制御部22の内部メモリに格納されていてもよいし、カメラ制御装置14の外部から与えられるものであってもよい。
【0018】
制御信号設定部23は、例えば、
図2に示す制御信号設定回路32によって実現される。
制御信号設定部23は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御するための第1の制御信号C1を設定する。
制御信号設定部23は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号に基づいて、発光素子11の発光量Lを制御するための第2の制御信号C2を設定する。
【0019】
即ち、制御信号設定部23は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempと閾値Thとを比較する。
制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準増幅率Grefを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。基準増幅率Grefは、事前に設定された基準の増幅率であり、制御信号設定部23の内部メモリに格納されていてもよいし、カメラ制御装置14の外部から与えられるものであってもよい。
制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、画像信号の増幅率Gを下げる旨を示す第1の制御信号C1を設定する。つまり、制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば、基準増幅率Grefよりも小さい増幅率を目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。
また、制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準発光量Lrefを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。基準発光量Lrefは、事前に設定された基準の発光量であり、制御信号設定部23の内部メモリに格納されていてもよいし、カメラ制御装置14の外部から与えられるものであってもよい。
制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、発光素子11の発光量Lを増やす旨を示す第2の制御信号C2を設定する。つまり、制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば、基準発光量Lrefよりも多い発光量を目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
制御信号設定部23は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力する。
【0020】
増幅率制御部24は、例えば、
図2に示す増幅率制御回路33によって実現される。
増幅率制御部24は、制御信号設定部23から出力された第1の制御信号C1に従って撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御する。
発光量制御部25は、例えば、
図2に示す発光量制御回路34によって実現される。
発光量制御部25は、制御信号設定部23から出力された第2の制御信号C2に従って発光素子11の発光量Lを制御する。
【0021】
図1では、カメラ制御装置14の構成要素である温度検出信号取得部21、制御信号設定部23、増幅率制御部24及び発光量制御部25のそれぞれが、
図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、カメラ制御装置14が、温度検出信号取得回路31、制御信号設定回路32、増幅率制御回路33及び発光量制御回路34によって実現されるものを想定している。
温度検出信号取得回路31、制御信号設定回路32、増幅率制御回路33及び発光量制御回路34のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0022】
カメラ制御装置14の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、カメラ制御装置14が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0023】
図3は、カメラ制御装置14が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
カメラ制御装置14が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、温度検出信号取得部21、制御信号設定部23、増幅率制御部24及び発光量制御部25におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ41に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行する。
【0024】
また、
図2では、カメラ制御装置14の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、カメラ制御装置14がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、カメラ制御装置14における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0025】
次に、
図1に示すドライバモニタリングシステムの動作について説明する。
図4は、カメラ制御装置14の処理手順であるカメラ制御方法を示すフローチャートである。
発光素子11は、被写体に近赤外線光を照射する。
カメラ12に含まれている撮像素子12aは、発光素子11によって、近赤外線光が照射されている被写体を表す画像信号を画像信号取得部2に出力する。
画像信号取得部2は、撮像素子12aから画像信号を取得し、画像信号を図示せぬ画像認識処理部に出力する。画像認識処理部は、画像信号を用いて、画像認識処理を実行することで、被写体である搭乗者のわき見運転等を検知する。画像認識処理部による画像認識処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。また、わき見運転等の検知処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
【0026】
温度検出器13は、撮像素子12aの温度Tempを検出する。
温度検出器13は、温度Tempを示す温度検出信号をカメラ制御装置14の温度検出信号取得部21に出力する。
【0027】
温度検出信号取得部21は、温度検出器13から、温度検出信号を取得する(
図4のステップST1)。
温度検出信号取得部21は、温度検出信号を制御部22の制御信号設定部23に出力する。
【0028】
制御信号設定部23は、温度検出信号取得部21から、温度検出信号を取得する。
制御信号設定部23は、温度検出信号が示す温度Tempと閾値Thとを比較する。閾値Thは、画像信号に白点ノイズが現れる温度の下限温度等に設定される。具体的には、閾値Thは、60度、65度、又は、70度等に設定される。
制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th未満であれば(
図4のステップST2:NOの場合)、基準増幅率G
refを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する(
図4のステップST3)。
また、制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th未満であれば(
図4のステップST2:NOの場合)、基準発光量L
refを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する(
図4のステップST4)。
【0029】
制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば(
図4のステップST2:YESの場合)、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、画像信号の増幅率Gを下げる旨を示す第1の制御信号C1を設定する(
図4のステップST5)。
即ち、制御信号設定部23は、基準増幅率G
refよりも小さい増幅率を目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。具体的には、制御信号設定部23は、目標増幅率を基準増幅率G
refの0.8倍の増幅率、又は、基準増幅率G
refの0.7倍の増幅率等に設定する。
【0030】
また、制御信号設定部23は、温度Tempが閾値Th以上であれば(
図4のステップST2:YESの場合)、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、発光素子11の発光量Lを増やす旨を示す第2の制御信号C2を設定する(
図4のステップST6)。
即ち、制御信号設定部23は、基準発光量L
refよりも多い発光量を目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。具体的には、制御信号設定部23は、目標発光量を基準発光量L
refの1.25倍の発光量、又は、基準発光量L
refの1.5倍の発光量等に設定する。
制御信号設定部23は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力する。
【0031】
増幅率制御部24は、制御信号設定部23から第1の制御信号C1を受けると、第1の制御信号C1に従って撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御する(
図4のステップST7)。即ち、増幅率制御部24は、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gが、第1の制御信号C1が示す目標増幅率と一致するように、画像信号の増幅率Gを制御する。
温度Tempが閾値Th以上であるときは、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、増幅率制御部24によって、画像信号の増幅率Gが下げられるため、撮像素子12aの温度Tempが高温になっても、画像信号に含まれる白点ノイズが低減される。
図1に示すカメラ制御装置14では、増幅率制御部24が、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御し、カメラ12の絞り値についての制御を行っていない。
特許文献1に開示された電子カメラでは、CCDの温度が所定温度以上であるとき、制御回路が、画像信号の増幅率を下げるだけでなく、絞り値を大きくする制御を行っている。制御回路が、絞り値を大きくする制御を行うことで、画像信号に含まれる白点ノイズが低減される。ただし、絞り値を大きくする制御は、増幅率を下げる制御の補助的な制御であり、増幅率を下げる制御を行うだけでも、画像信号に含まれる白点ノイズを十分に低減することが可能である。したがって、絞り値を大きくする制御を行わなくても、白点ノイズを十分に低減することが可能である。
【0032】
発光量制御部25は、制御信号設定部23から第2の制御信号C2を受けると、第2の制御信号C2に従って発光素子11の発光量Lを制御する(
図4のステップST8)。即ち、発光量制御部25は、発光素子11の発光量Lが、第2の制御信号C2が示す目標発光量と一致するように、発光素子11の発光量Lを制御する。
温度Tempが閾値Th以上であるときは、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、発光量制御部25によって、発光素子11の発光量Lが増やされるため、撮像素子12aの温度Tempが高温のときに、増幅率Gが下げられても、画像信号が示す画像の輝度の低下が抑えられる。
【0033】
以上の実施の形態1では、被写体を表す画像信号を出力する撮像素子12aの温度を検出する温度検出器13から、撮像素子12aの温度を示す温度検出信号を取得する温度検出信号取得部21と、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率及び被写体に光を照射する発光素子11の発光量のそれぞれを制御する制御部22とを備えるように、カメラ制御装置14を構成した。したがって、カメラ制御装置14は、画像信号が示す画像の輝度の低下を抑制し、かつ、画像信号に含まれる白点ノイズを低減することができる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態2では、撮像素子12aの温度と、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率と、発光素子11の発光量との対応関係を記録しているテーブル部26を備えているカメラ制御装置14について説明する。
【0035】
図5は、実施の形態2に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
図5において、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図6は、実施の形態2に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図6において、
図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図5に示すカメラ制御装置14は、温度検出信号取得部21、テーブル部26及び制御部27を備えている。
【0036】
テーブル部26は、例えば、
図6に示す記憶回路35によって実現される。
テーブル部26は、撮像素子12aの温度と、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率と、発光素子11の発光量との対応関係を記録している。
【0037】
図7は、テーブル部26により記憶されている対応関係を示す説明図である。
図7の例では、撮像素子12aの温度が60度未満、撮像素子12aの温度が60度以上70度未満、撮像素子12aの温度が70度以上80度未満及び撮像素子12aの温度が80度以上であるときの、画像信号の増幅率と発光素子11の発光量とがテーブル部26に記録されている。
【0038】
制御部27は、制御信号設定部28、増幅率制御部24及び発光量制御部25を備えている。
制御信号設定部28は、例えば、
図6に示す制御信号設定回路36によって実現される。
制御信号設定部28は、テーブル部26から、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempに対応する、増幅率G
Temp及び発光量L
Tempのそれぞれを取得する。
制御信号設定部28は、取得した増幅率G
Tempを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定し、取得した発光量L
Tempを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
制御信号設定部28は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力する。
【0039】
図5では、カメラ制御装置14の構成要素である温度検出信号取得部21、テーブル部26、制御信号設定部28、増幅率制御部24及び発光量制御部25のそれぞれが、
図6に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、カメラ制御装置14が、温度検出信号取得回路31、記憶回路35、制御信号設定回路36、増幅率制御回路33及び発光量制御回路34によって実現されるものを想定している。
ここで、記憶回路35は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
温度検出信号取得回路31、制御信号設定回路36、増幅率制御回路33及び発光量制御回路34のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0040】
カメラ制御装置14の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、カメラ制御装置14が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
カメラ制御装置14が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、テーブル部26が
図3に示すメモリ41上に構成される。温度検出信号取得部21、制御信号設定部28、増幅率制御部24及び発光量制御部25におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図3に示すメモリ41に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行する。
【0041】
また、
図6では、カメラ制御装置14の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、カメラ制御装置14がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、カメラ制御装置14における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0042】
次に、
図5に示すドライバモニタリングシステムの動作について説明する。ただし、テーブル部26及び制御部27以外は、
図1に示すドライバモニタリングシステムと同様であるため、ここでは、主に、テーブル部26及び制御部27の動作について説明する。
制御部27の制御信号設定部28は、テーブル部26から、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempに対応する、増幅率G
Temp及び発光量L
Tempのそれぞれを取得する。
テーブル部26により記憶されている対応関係が
図7に示す対応関係であるとき、制御信号設定部28は、温度検出信号が示す温度Tempが、例えば、50度であれば、温度Tempに対応する増幅率G
Tempとして、基準増幅率G
refを取得し、温度Tempに対応する発光量L
Tempとして、基準発光量L
refを取得する。
制御信号設定部28は、温度検出信号が示す温度Tempが、例えば、67度であれば、温度Tempに対応する増幅率G
Tempとして、基準増幅率G
ref×0.8を取得し、温度Tempに対応する発光量L
Tempとして、基準発光量L
ref×1.25を取得する。
【0043】
制御信号設定部28は、増幅率GTempと発光量LTempとを取得すると、取得した増幅率GTempを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定し、取得した発光量LTempを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
制御信号設定部28は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力する。
【0044】
増幅率制御部24は、制御信号設定部28から第1の制御信号C1を受けると、第1の制御信号C1に従って撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御する。
温度Tempが上昇するほど、増幅率制御部24によって、画像信号の増幅率Gが下げられるため、撮像素子12aの温度Tempが高温になっても、画像信号に含まれる白点ノイズが低減される。
【0045】
発光量制御部25は、制御信号設定部28から第2の制御信号C2を受けると、第2の制御信号C2に従って発光素子11の発光量Lを制御する。
温度Tempが上昇するほど、発光量制御部25によって、発光素子11の発光量が増やされるため、撮像素子12aの温度Tempが高温のときに、増幅率Gが下げられても、画像信号が示す画像の輝度の低下が抑えられる。
【0046】
以上の実施の形態2では、撮像素子12aの温度と、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率と、発光素子11の発光量との対応関係を記録しているテーブル部26を備えるように、
図5に示すカメラ制御装置14を構成した。また、
図5に示すカメラ制御装置14の制御部27は、テーブル部26から、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度に対応する増幅率を取得して、取得した増幅率を目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号を設定し、テーブル部26から、温度検出信号が示す温度に対応する発光量を取得して、取得した発光量を目標発光量とする旨を示す第2の制御信号を設定する制御信号設定部28と、制御信号設定部28から出力された第1の制御信号に従って撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率を制御する増幅率制御部24と、制御信号設定部28から出力された第2の制御信号に従って発光素子11の発光量を制御する発光量制御部25とを備えている。したがって、
図5に示すカメラ制御装置14は、
図1に示すカメラ制御装置14と同様に、画像信号が示す画像の輝度の低下を抑制し、かつ、画像信号に含まれる白点ノイズを低減することができる。
【0047】
図5に示すカメラ制御装置14では、制御部27が、テーブル部26から、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempに対応する、増幅率G
Temp及び発光量L
Tempのそれぞれを取得している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、制御部27が、温度Tempが高いほど、小さな増幅率G
Tempを設定する。そして、制御部27が、以下の式(1)に示すように、温度Tempの変化に伴って増幅率G
Tempが変化しても、G
Temp×L
Tempが、G
ref×L
refとなる発光量L
Tempを設定するようにしてもよい。
G
Temp×L
Temp=G
ref×L
ref (1)
【0048】
実施の形態3.
実施の形態3では、制御部51が、絞り値制御部53を備えているカメラ制御装置14について説明する。
【0049】
図8は、実施の形態3に係る撮像装置1を含むドライバモニタリングシステムの一部を示す構成図である。
図8において、
図1及び
図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図9は、実施の形態3に係るカメラ制御装置14のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図9において、
図2及び
図6と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図8に示すカメラ制御装置14は、温度検出信号取得部21及び制御部51を備えている。
【0050】
制御部51は、制御信号設定部52、増幅率制御部24、発光量制御部25及び絞り値制御部53を備えている。
制御部51は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号に基づいて、撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率G、発光素子11の発光量L及びカメラ12の絞り値Fのそれぞれを制御する。
【0051】
制御信号設定部52は、例えば、
図9に示す制御信号設定回路61によって実現される。
制御信号設定部52は、温度検出信号取得部21により取得された温度検出信号が示す温度Tempと閾値Thとを比較する。
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準増幅率G
refを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、画像信号の増幅率Gを下げる旨を示す第1の制御信号C1を設定する。つまり、制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、基準増幅率G
refよりも小さい増幅率を目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準発光量L
refを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、発光素子11の発光量Lを増やす旨を示す第2の制御信号C2を設定する。つまり、制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、基準発光量L
refよりも多い発光量を目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
【0052】
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準絞り値Frefを目標絞り値とする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、カメラ12の絞り値Fを小さくする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。つまり、制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、基準絞り値Frefよりも小さい絞り値を目標絞り値とする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。基準絞り値Frefは、事前に設定された基準の絞り値であり、制御信号設定部52の内部メモリに格納されていてもよいし、カメラ制御装置14の外部から与えられるものであってもよい。
制御信号設定部52は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力し、第3の制御信号C3を絞り値制御部53に出力する。
【0053】
絞り値制御部53は、例えば、
図9に示す絞り値制御回路62によって実現される。
絞り値制御部53は、制御信号設定部52から出力された第3の制御信号C3に従ってカメラ12の絞り値Fを制御する。
【0054】
図8では、カメラ制御装置14の構成要素である温度検出信号取得部21、制御信号設定部52、増幅率制御部24、発光量制御部25及び絞り値制御部53のそれぞれが、
図9に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、カメラ制御装置14が、温度検出信号取得回路31、制御信号設定回路61、増幅率制御回路33、発光量制御回路34及び絞り値制御回路62によって実現されるものを想定している。
温度検出信号取得回路31、制御信号設定回路61、増幅率制御回路33、発光量制御回路34及び絞り値制御回路62のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0055】
カメラ制御装置14の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、カメラ制御装置14が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
カメラ制御装置14が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、温度検出信号取得部21、制御信号設定部52、増幅率制御部24、発光量制御部25及び絞り値制御部53におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図3に示すメモリ41に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行する。
【0056】
また、
図9では、カメラ制御装置14の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、カメラ制御装置14がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、カメラ制御装置14における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0057】
次に、
図8に示すドライバモニタリングシステムの動作について説明する。ただし、制御部51以外は、
図1に示すドライバモニタリングシステムと同様であるため、ここでは、主に、制御部51の動作について説明する。
【0058】
制御部51の制御信号設定部52は、温度検出信号取得部21から、温度検出信号を取得する。
制御信号設定部52は、温度検出信号が示す温度Tempと閾値Thとを比較する。
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準増幅率Grefを目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準発光量Lrefを目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
また、制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th未満であれば、基準絞り値Frefを目標絞り値とする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。
【0059】
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、画像信号の増幅率Gを下げる旨を示す第1の制御信号C1を設定する。
即ち、制御信号設定部52は、基準増幅率Grefよりも小さい増幅率を目標増幅率とする旨を示す第1の制御信号C1を設定する。
【0060】
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、発光素子11の発光量Lを増やす旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
即ち、制御信号設定部52は、基準発光量Lrefよりも多い発光量を目標発光量とする旨を示す第2の制御信号C2を設定する。
【0061】
制御信号設定部52は、温度Tempが閾値Th以上であれば、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、カメラ12の絞り値Fを小さくする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。
即ち、制御信号設定部52は、基準絞り値Frefよりも小さい絞り値を目標絞り値とする旨を示す第3の制御信号C3を設定する。
制御信号設定部52は、第1の制御信号C1を増幅率制御部24に出力し、第2の制御信号C2を発光量制御部25に出力し、第3の制御信号C3を絞り値制御部53に出力する。
【0062】
増幅率制御部24は、制御信号設定部52から第1の制御信号C1を受けると、第1の制御信号C1に従って撮像素子12aから出力される画像信号の増幅率Gを制御する。
温度Tempが上昇するほど、増幅率制御部24によって、画像信号の増幅率Gが下げられるため、撮像素子12aの温度Tempが高温になっても、画像信号に含まれる白点ノイズが低減される。
【0063】
発光量制御部25は、制御信号設定部52から第2の制御信号C2を受けると、第2の制御信号C2に従って発光素子11の発光量Lを制御する。
温度Tempが上昇するほど、発光量制御部25によって、発光素子11の発光量が増やされるため、撮像素子12aの温度Tempが高温のときに、増幅率Gが下げられても、画像信号が示す画像の輝度の低下が抑えられる。
【0064】
絞り値制御部53は、制御信号設定部52から第3の制御信号C3を受けると、第3の制御信号C3に従ってカメラ12の絞り値Fを制御する。即ち、絞り値制御部53は、カメラ12の絞り値Fが、第3の制御信号C3が示す目標絞り値と一致するように、カメラ12の絞り値Fを制御する。
温度Tempが閾値Th以上であるときは、温度Tempが閾値Th未満であるときよりも、絞り値制御部53によって、カメラ12の絞り値Fが小さくされるため、撮像素子12aの温度Tempが高温のときに、増幅率Gが下げられても、画像信号が示す画像の輝度の低下が抑えられる。ただし、カメラ12の絞り値Fが小さくなり過ぎると、画像信号に含まれる白点ノイズが増えてしまう。このため、絞り値Fが小さくなることに伴う白点ノイズの増加量が、増幅率Gの小さくなることに伴う白点ノイズの低減量を上回らないように、絞り値Fを小さくする必要がある。
【0065】
図8に示すカメラ制御装置14では、温度Tempが閾値Th以上であるとき、発光素子11の発光量Lが増やされるだけでなく、カメラ12の絞り値Fが小さくされる。したがって、
図8に示すカメラ制御装置14は、
図1に示すカメラ制御装置14と比べて、発光素子11の発光量Lの増加量を抑えても、画像の輝度の低下を抑えることができる。
【0066】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示は、カメラ制御装置、カメラ制御方法及び撮像装置に適している。
【符号の説明】
【0068】
1 撮像装置、2 画像信号取得部、11 発光素子、12 カメラ、12a 撮像素子、13 温度検出器、14 カメラ制御装置、21 温度検出信号取得部、22 制御部、23 制御信号設定部、24 増幅率制御部、25 発光量制御部、26 テーブル部、27 制御部、28 制御信号設定部、31 温度検出信号取得回路、32 制御信号設定回路、33 増幅率制御回路、34 発光量制御回路、35 記憶回路、36 制御信号設定回路、41 メモリ、42 プロセッサ、51 制御部、52 制御信号設定部、53 絞り値制御部、61 制御信号設定回路、62 絞り値制御回路。