(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ステージ、成膜装置、および膜加工装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/68 20060101AFI20241128BHJP
C23C 14/24 20060101ALI20241128BHJP
C23C 14/34 20060101ALI20241128BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H05B3/68
C23C14/24 K
C23C14/34 K
C23C16/46
H01L21/205
H01L21/302 101D
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
H01L21/31 F
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2019111968
(22)【出願日】2019-06-17
【審査請求日】2022-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2018192365
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】花待 年彦
(72)【発明者】
【氏名】巽 新
(72)【発明者】
【氏名】関谷 健二
(72)【発明者】
【氏名】相川 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼梨 雅也
【合議体】
【審判長】小宮 慎司
【審判官】松永 稔
【審判官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-103325(JP,A)
【文献】特開2002-373933(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159189(WO,A1)
【文献】特開2004-247210(JP,A)
【文献】特開平6-89776(JP,A)
【文献】特開平9-139280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/205, 21/31, 21/683, 21/3065
H05B3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の支持プレート、
前記第1の支持プレート下の第2の支持プレート、
前記第2の支持プレートの下に位置し、
上下方向において前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートと重なるシャフト、および
前記第2の支持プレートを貫通する少なくとも一つのシースヒータを備え、
前記少なくとも一つのシースヒータは、前記第2の支持プレートの上面に平行
な第1の面上
、および前記第1の面よりも下に位置し、前記第1の面と平行な第2の面上を延伸するように配置され、
前記少なくとも一つのシースヒータの前記第2の面を延伸する部分は、前記第2の支持プレートの下面から露出し、かつ、上下方向で前記第2の支持プレートの一部と重なり、
前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートは、チタン、アルミニウム、およびステンレスから選択される金属を含むステージ。
【請求項2】
前記第2の支持プレート
と前記シャフトの間に、前記シースヒータの前記第2の面上を延伸する部分と
前記上下方向において重なるように第3の支持プレートをさらに備える、請求項1に記載のステージ。
【請求項3】
前記シースヒータの前記第1の面上を延伸する部分は、前記第2の支持プレートを介し、前記第2の支持プレートの法線方向において、前記シースヒータの前記第2の面内を延伸する部分と重なる、請求項1に記載のステージ。
【請求項4】
前記第2の支持プレートは、前記上面に第1の溝を有し、
前記シースヒータの前記第1の面上を延伸する前記部分は、前記第1の溝内を延伸する、請求項2に記載のステージ。
【請求項5】
前記第2の支持プレートは、下面に第2の溝を有し、
前記シースヒータの前記第2の面上を延伸する部分は、前記第2の溝内を延伸する、請求項2に記載のステージ。
【請求項6】
前記第1の支持プレートは、前記第1の支持プレートの下面に第3の溝を有し、
前記シースヒータの前記第1の面上を延伸する部分は、前記第3の溝内を延伸する、請求項1に記載のステージ。
【請求項7】
前記第3の支持プレートは、前記第3の支持プレートの上面に第4の溝を有し、
前記シースヒータの前記第2の面上を延伸する部分は、前記第4の溝内を延伸する、請求項2に記載のステージ。
【請求項8】
前記少なくとも一つのシースヒータは、複数のシースヒータを含む、請求項1に記載のステージ。
【請求項9】
前記複数のシースヒータは、第1のシースヒータと第2のシースヒータを含み、
前記第2のシースヒータの前記第2の面上を延伸する部分は、前記第2の支持プレートを介し、前記第1のシースヒータの前記第1の面上を延伸する部分と
前記上下方向において重なる、請求項8に記載のステージ。
【請求項10】
前記少なくとも一つのシースヒータは
ヒータ線、
前記ヒータ線を取り囲む絶縁体、
前記絶縁体を取り囲む金属シース、および
前記ヒータ線と電気的に接続されるリード線を含む、請求項1に記載のステージ。
【請求項11】
前記リード線
の前記金属シースから露出した部分は、前記第2の面上を、前記第2の支持プレートと前記シャフトが重なる領域まで延伸する、請求項10に記載のステージ。
【請求項12】
前記ヒータ線はらせん構造を有する、請求項10に記載のステージ。
【請求項13】
前記ヒータ線は帯状である、請求項10に記載のステージ。
【請求項14】
前記ヒータ線は、前記金属シース内で折りたたまれて二重らせん構造を有する、請求項10に記載のステージ。
【請求項15】
前記金属シースはアルミニウムを含む、請求項10に記載のステージ。
【請求項16】
前記金属シースの外径は3.0mm以上11.0mm以下である、請求項10に記載のステージ。
【請求項17】
前記第1の面上を延伸する部分と前記第2の面上を延伸する部分の間では、前記シースヒータは前記第1の面に対して斜めに延伸する、請求項1に記載のステージ。
【請求項18】
請求項1に記載のステージを備える成膜装置。
【請求項19】
請求項1に記載のステージを備える膜加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板を支持するためのステージ、およびステージを備える成膜装置や膜加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスはほぼ全ての電子機器に搭載されており、電子機器の機能に対して重要な役割を担っている。半導体デバイスはシリコンなどが有する半導体特性を利用したデバイスであり、パターニングされた種々の半導体膜や絶縁膜、導電膜を基板上に積層することによって構成される。これらの膜は、蒸着、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、あるいは基板の化学反応などを利用して形成され、フォトリソグラフィープロセスによってこれらの膜がパターニングされる。フォトリソグラフィープロセスは、パターニングに供される膜上へのレジスト膜の形成、レジスト膜の露光、現像によるレジストマスクの形成、エッチングによる膜の部分的除去、レジストマスクの除去を含む。
【0003】
上述した膜の特性は、膜を形成する際、あるいはパターニングする際の条件によって大きく左右される。そのうちの一つが基板の温度である。多くの場合、基板の温度は、基板を設置するための載置台(以下、ステージと記す)の温度を調節することによって制御される。基板を均一に加熱して基板内での温度分布を抑制するため、ステージを加熱するヒータとしてシースヒータが汎用される。例えば特許文献1には、金属シース内に電熱線(ヒータ線)が配置されたシースヒータが複数備えられたステージが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の課題の一つは、基板の温度を精密に制御するためのステージを提供することである。あるいは、本発明の実施形態の課題の一つは、このステージを有する成膜装置、もしくは膜加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の一つは、ステージである。このステージは、第1の支持プレート、第1の支持プレート下の第2の支持プレート、第2の支持プレートの下に位置し、第1の支持プレートと第2の支持プレートと重なるシャフト、および第2の支持プレートを貫通する少なくとも一つのシースヒータを備える。少なくとも一つのシースヒータは、第2の支持プレートの上面に平行であり、かつ、第1の支持プレートからの距離が異なる第1の面上と第2の面上を延伸するように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るステージの模式的斜視図と上面図。
【
図2】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図4】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図5】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図6】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図7】本発明の実施形態に係るステージの模式的上面図と断面図。
【
図8】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図9】本発明の実施形態に係るステージの模式的断面図。
【
図10】本発明の実施形態に係るステージの模式的上面図。
【
図11】本発明の一実施形態のステージに設けられるシースヒータの断面図。
【
図12】本発明の一実施形態のステージに設けられるシースヒータの断面図。
【
図13】本発明の一実施形態のステージに設けられるシースヒータの断面図。
【
図14】本発明の一実施形態のステージに設けられるシースヒータの断面図。
【
図15】本発明の一実施形態のステージに設けられるシースヒータの断面図。
【
図16】本発明の実施形態に係るステージの模式的上面図と断面図。
【
図17】本発明の実施形態に係るステージを備える膜加工装置の断面模式図。
【
図18】本発明の実施形態に係るステージを備える成膜装置の断面模式図。
【
図19】本発明の実施形態に係るステージを備える成膜装置の断面模式図。
【
図20】本発明の実施形態に係るステージを備える成膜装置の断面模式図。
【
図21】本発明の実施形態に係るステージの模式的上面図と断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、さらに小文字のアルファベットを添えて表記する。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の実施形態の一つであるステージ100に関して説明する。
【0012】
1.全体構造
図1(A)と
図1(B)にステージ100の模式的斜視図と上面図をそれぞれ示す。
図1(B)の鎖線A-A´に沿った断面模式図を
図2(A)、
図2(B)に示す。これらの図に示すように、ステージ100は、第1の支持プレート102、第2の支持プレート104、シャフト108、および少なくとも一つのシースヒータ110を基本的な構成として有する。ステージ100はさらに、第3の支持プレート106を有してもよい。これらの図では、単一のシースヒータ110が設けられた例が示されている。見やすさを考慮し、
図1(A)では第1の支持プレート102は図示されておらず、
図2(B)ではシースヒータ110が図示されていない。
【0013】
2.第1の支持プレート
第1の支持プレート102は、シリコンや化合物半導体を含む半導体基板、あるいは石英やガラスなどの絶縁物を含む絶縁基板などをその上に配置するため、上面が平坦になるように構成される。第1の支持プレートは金属を含み、金属は10W/mK以上430W/mK以下の熱伝導率を有する金属から選択される。高い熱伝導率を有する金属を用いることで、シースヒータ110が発生する熱エネルギーを効率よく受け取ることができる。また、金属は、3×10-6/K以上25×10-6/K以下の熱膨張率を有することが好ましい。このような特性を満たす具体的な金属として、チタンやアルミニウム、ステンレスなどの金属が挙げられる。図示しないが、第1の支持プレート102上には、基板を固定するための静電チャックや、基板とステージ100の間にヘリウムなどの熱伝導率の高いガスを供給するための貫通孔、あるいは液体の媒体を環流するための環流路を設けてもよい。
【0014】
3.第2の支持プレート
第2の支持プレート104は第1の支持プレート102の下に設けられる。第2の支持プレート104も第1の支持プレート102で使用可能な金属を含む。第2の支持プレート104に含まれる金属と第1の支持プレート102に含まれる金属は同一でも良く、異なっていてもよい。異なる場合には、第1の支持プレート102と第2の支持プレート104に含まれる金属の熱膨張率の差が250×10-6/K以下となるように、それぞれの金属を選択することができる。これにより、熱膨張による変形を抑制することができ、信頼性の高いステージ100を提供することができる。
【0015】
第2の支持プレート104は、その上面104-3が第1の支持プレート102と接合される。第1の支持プレート102と第2の支持プレート104の接合は、溶接やねじ止め、ろう付けによって行うことができる。ろう付けにおいて用いられるろうとしては、銀、銅、および亜鉛を含む合金、銅と亜鉛を含む合金、リンを微量含む銅、アルミニウムやその合金、チタン、銅、およびニッケルを含む合金、チタン、ジルコニウム、および銅を含む合金、チタン、ジルコニウム、銅、およびニッケルを含む合金などが挙げられる。
【0016】
4.第3の支持プレート
任意の構成である第3の支持プレート106は、第2の支持プレート104の下に配置される。第3の支持プレート106も第1の支持プレート102や第2の支持プレート104で使用可能な金属を含む。第3の支持プレート106に含まれる金属は、第1の支持プレート102や第2の支持プレート104に含まれる金属と同一でも良く、異なっていてもよい。異なる場合には、第1の支持プレート102や第2の支持プレート104に含まれる金属との熱膨張率の差が10×10-6/K以下である金属を選択することが好ましい。
【0017】
第3の支持プレート106も第2の支持プレート104の下面104-4と接合される。第1の支持プレート102と第2の支持プレート104の接合と同様、第3の支持プレート106と第2の支持プレート104の接合も、溶接やねじ止め、ろう付けなどによって行うことができる。
【0018】
5.シャフト
シャフト108は第1の支持プレート102、第2の支持プレート104、および第3の支持プレート106を支持するために設けられ、後述するシースヒータ110のヒータ線118へ電力を供給するためのリード線112を格納するため、中空構造となっている。静電チャックを設ける場合には、静電チャックへ電力を供給するための配線もシャフト108内に配置される。図示しないが、シャフト108は回転機構と接続されていてもよく、これにより、ステージ100をシャフト108の長軸を中心として回転させることができる。シャフト108は、溶接やねじ止め、やろう付けなどによって第3の支持プレート106と接合される。なお、第3の支持プレート106を用いない場合、シャフト108は第2の支持プレート104と接合される。
【0019】
6.シースヒータ
シースヒータ110は、通電することで発熱する機能を有し、第2の支持プレート104、および第1の支持プレート102を加熱するために設けられる。これにより、ステージ100上に設置される基板が加熱される。シースヒータ110の構造の詳細は後述する。本実施形態では、ステージ100におけるシースヒータ110の配置について詳述する。
【0020】
図2(A)に示すように、シースヒータ110は、第2の支持プレート104を貫通する。シースヒータ110は、二つの面上を、これら二つの面に平行に延伸するように配置される。すなわちシースヒータ110は、第1の支持プレート102の上面、あるいは第2の支持プレート104の上面104-3に平行であり、かつ、第1の支持プレート102からの距離が異なる第1の面104-1上と第2の面104-2上を延伸するように配置される。第2の面104-2と比較し、第1の面104-1は第1の支持プレート102により近い。以下、シースヒータ110の第1の面104-1上を延伸する部分を上段部110-1、第2の面104-2上を延伸する部分を下段部110-2と記す。
【0021】
上段部110-1は、第2の支持プレート104の上面104-3から露出し、一方、下段部110-2は第2の支持プレート104の下面104-4から露出する。このため、
図1(B)に示すように、ステージ100から第1の支持プレート102を外して上から観察した場合、シースヒータ110はその上段部110-1のみが主に観察され、下段部110-2(
図1(B)における点線部)は殆ど観察されない。第2の支持プレート104は、少なくともその一部が上段部110-1と下段部110-2によって挟まれる、
図2(A)に示すように、上段部110-1と下段部110-2は、第2の支持プレート104を介して互いに重なってもよい。
【0022】
第2の支持プレート104の上面104-3には溝(第1の溝)120が設けられ(
図2(B))、上段部110-1は第1の溝120内に配置される(
図2(A))。したがって、第1の溝120の底面は第1の面104-1内に存在する。
図2(A)、
図2(B)に示した例では、第1の支持プレート102は平坦な下面を有しており、下面には溝は設けらない。したがって、第1の溝120の深さは、シースヒータ110の外径と同一、あるいはほぼ同一である。具体的には、第1の溝120の深さは、シースヒータ110の外径の100%よりも大きく150%以下、100%よりも大きく120%以下、あるいは100%よりも大きく110%以下とすればよい。第1の支持プレート102の面内温度分布を小さくするため、第1の溝120は、上面104-3内に均一な密度で存在するように形成される。
【0023】
第2の支持プレート104の下面104-4にも同様に溝(第2の溝)122が形成され(
図2(B))、下段部110-2は第2の溝122内に配置される。したがって、第2の溝122の底面は第2の面104-2内に存在する。
図2(A)、
図2(B)に示した例では、第3の支持プレート106は、平坦な上面を有しており、上面には溝は設けらない。したがって、第2の溝122の深さは、シースヒータ110の外径や第1の溝120の深さと同一、あるいはほぼ同一である。
【0024】
第1の溝120の両端には、第2の支持プレート104を貫通する貫通孔が設けられる。シースヒータ110は、これらの貫通孔を介して折り曲げられる。したがって、上段部110-1は、シースヒータ110の二つの折り曲げ部分の間の部分である。以下、上段部110-1の両末端をT1、T2とする(
図1(B)、
図2(A)参照)。
【0025】
一方の末端T1は、第1の支持プレート102や第2の支持プレート104がシャフト108と重なる領域(
図1(B)において鎖線の円で示された領域)109内に位置する。末端T1で折り曲げられたシースヒータ110は、第3の支持プレート106に形成される貫通孔130(
図2(B))を通過し、シャフト108内部へ延伸し、さらにリード線112、端子114を介して図示しないヒータ電源と接続される(
図2(A))。
【0026】
一方、
図1(B)、
図2(A)に示すように、他方の末端T2は領域109の外側に位置することができる。末端T2で折り曲げられたシースヒータ110は、再度折り曲げられ、領域109に至るまで第2の面104-2上を延伸する。シースヒータ110は第2の面104-2において領域109で再度折り曲げられ、貫通孔130を通過してシャフト108内部を延伸し、さらにリード線112、端子114を介して図示しないヒータ電源と接続される(
図2(A))。
【0027】
上述した構成を適用することにより、シースヒータのレイアウトの自由度を大幅に向上させるのみならず、より均一な基板加熱を行うことが可能となる。これを従来のステージと比較して説明する。
【0028】
従来の構造を有するステージの模式的上面図を
図3(A)に、
図3(A)の鎖線B-B´に沿った模式的断面図を
図3(B)に示す。ステージ100と異なり、
図3(A)と
図3(B)に示す従来構造のステージでは、第2の支持プレート104の下面104-4に溝は設けられず、シースヒータ110は、第2の面104-2上に延伸する下段部110-2を持たない。このため、シャフト108を介してシースヒータ110に電力を供給するため、シースヒータ110が第2の支持プレート104の上面104-3から露出する部分の両末端T3、T4を領域109内に配置する必要がある。このような配置では、シャフト108の大きさに制約があるため、多数のシースヒータ110を用いる場合には、そのすべてのシースヒータ110の両末端T3、T4を領域109内に配置することが困難となる。その結果、配置可能なシースヒータ110の数が制限される。このため、ステージの上面を複数のセグメントに細分化し、セグメントごとに精密に温度制御を行うことができない。さらに、すべての複数のシースヒータ110の両末端T3、T4が領域109内に局在して設けられるため、領域109の温度はその外側の領域よりも高くなり、基板を均一に加熱することが困難となる。
【0029】
これに対してステージ100では、複数のシースヒータ110を配置しても、それぞれの上段部110-1の一方の末端T1のみを領域109に配置することで、すべてのシースヒータ110に対して電力を供給することができる。あるいは後述するように、一端のみに一対の端子を有する片端子型のシースヒータ110を用いる場合には、必ずしも各シースヒータ110の上段部110-1の両末端を領域109内に配置する必要がない。このため、多数のシースヒータ110を様々なレイアウトで配置することができ、かつ、ステージ中心における過熱を防止することができる。
【0030】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で述べたステージ100の変形例を
図4(A)から
図6(B)を用いて説明する。これらの図は、
図2(A)に対応する断面模式図である。第1実施形態と同一、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。
【0031】
1.変形例1
図4(A)に示すように、変形例1では、第2の支持プレート104の上面104-3に溝(第1の溝120)は形成されず、第1の支持プレート102の下面に溝(第3の溝124)が形成される。この変形例では、上段部110-1は第3の溝124内に収納される。したがって、第1の面104-1は第2の支持プレート104の上面104-3内に存在する。第3の溝124の深さは、シースヒータ110の外径と同一、あるいはほぼ同一である。具体的には、第3の溝124の深さは、シースヒータ110の外径の100%よりも大きく150%以下、100%よりも大きく120%以下、あるいは100%よりも大きく110%以下とすればよい。
【0032】
2.変形例2
あるいは
図4(B)に示すように、第2の支持プレート104の上面104-3に第1の溝120を形成するとともに、第1の支持プレート102の下面に第3の溝124を形成してもよい。この変形例では、上段部110-1は、第1の溝120と第3の溝124の内部に収納される。したがって、第1の溝120の深さと第3の溝124の深さの和は、シースヒータ110の外径と同一、あるいはほぼ同一である。具体的には、第1の溝120の深さと第3の溝124の深さの和は、シースヒータ110の外径の100%よりも大きく150%以下、100%よりも大きく120%以下、あるいは100%よりも大きく110%以下とすればよい。
【0033】
3.変形例3
図5(A)に示す変形例3は、第2の支持プレート104の下面104-4にも溝(第2の溝122)は形成されず、第3の支持プレート106の上面に溝(第4の溝)126が形成される点で変形例1(
図4(A))と異なる。この変形例3では、下段部110-2は第4の溝126内に収納される。したがって、第2の面104-2は第2の支持プレート104の下面104-4内に存在する。第4の溝126の深さは、シースヒータ110の外径と同一、あるいはほぼ同一である。具体的には、第4の溝126の深さは、シースヒータ110の外径の100%よりも大きく150%以下、100%よりも大きく120%以下、あるいは100%よりも大きく110%以下とすればよい。
【0034】
4.変形例4
図5(B)に示す変形例4は、第3の支持プレート106の上面にも溝(第4の溝)126が形成される点で変形例2(
図4(B))と異なる。この変形例4では、下段部110-2は、第2の溝122と第4の溝126の内部に収納される。したがって、第2の溝122の深さと第4の溝126の深さの和は、シースヒータ110の外径と同一、あるいはほぼ同一である。具体的には、第2の溝122の深さと第4の溝126の深さの和は、シースヒータ110の外径の100%よりも大きく150%以下、100%よりも大きく120%以下、あるいは100%よりも大きく110%以下とすればよい。
【0035】
5.変形例5
図5(C)に示す変形例5は、第3の支持プレート106を持たない点で変形例1(
図4(A))と異なる。この場合も、下段部110-2は領域109に至るまで第2の面104-2上を延伸する。
【0036】
6.変形例6
あるいは
図6(A)に示すように、リード線112(後述)が下段部110-2に含まれてもよい。この場合、リード線112は、第2の面104-2上を第2の溝122内に沿って延伸する。あるいは
図6(B)に示すように、下段部110-2はヒータ線118(後述)を含まず、リード線112のみ、あるいはリード線112、およびリード線112とヒータ線118を連結するための連結部(図示せず)のみによって構成されてもよい。このような構成を用いることで、第2の支持プレート104の下部を加熱せず、上部を選択的に加熱することができる。また、領域109において下段部110-2がヒータ線118を持たないので、ステージ100の中心部の局所的な過熱をより効果的に防止することができる。
【0037】
(第3実施形態)
本実施形態では、独立に駆動される複数のシースヒータ110が配置されたステージ140、142について説明する。以下に示す態様は本実施形態の一例であり、ステージ100に設けられるシースヒータ110の数に制約はない。第1、第2実施形態と同一、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。
【0038】
図7(A)、
図7(B)にそれぞれ、ステージ140の模式的上面図と断面図を示す。
図7(A)では、第1の支持プレート102は図示されていない。これらの図に示すように、ステージ140には四つのシースヒータ(第1のシースヒータ110a、第2のシースヒータ110b、第3のシースヒータ110c、第4のシースヒータ110d)がほぼ同心円を描くように配置される。これらのシースヒータ110は、第1の面104-1上において円弧を形成し、第1のシースヒータ110aから順にその半径が大きくなっている。ここで示した例では、第1のシースヒータ110aは、その全体が領域109内に位置するが、他のシースヒータ110の上段部110-1は領域109の外に位置する。ただし、他のシースヒータ110の上段部110-1の一部が領域109内に存在してもよい。
【0039】
ここで、複数のシースヒータ110のうち少なくとも一つは、二つの下段部110-2と、これらの間に位置する一つの上段部110-1を有する。具体的には、
図7(A)と
図7(B)に示されるように、第4のシースヒータ110dは、第1の面104-1上を延伸する上段部110-1、および第2の面104-2上を延伸し、互いに分離された二つの下段部110-2を有する。二つの下段部110-2は、領域109まで第2の面104-2上を延伸する。第2のシースヒータ110bと第3のシースヒータ110cも同様である。
【0040】
これらの図から理解されるように、複数のシースヒータ110から選択される一つのシースヒータ110の下段部110-2は、他のシースヒータ110の上段部110-1と重なってもよく、交差してもよい。例えば
図7(B)に示される例では、第4のシースヒータ110dの下段部110-2は、第2のシースヒータ110bと第3のシースヒータ110cの上段部110-1と重なり、交差する。同様に、第3のシースヒータ110cの下段部110-2は、第2のシースヒータ110bの上段部110-1と重なり、交差する。
【0041】
複数のシースヒータ110の上段部110-1は、異なる層に配置してもよい。具体的には、
図7(A)の鎖線D-D´に沿った模式的断面図である
図8(A)に示すように、複数のシースヒータ110のすべての上段部110-1を同一の層内に存在する溝(ここでは第2の支持プレート104に形成される第1の溝120)内に配置してもよく、
図8(B)や
図8(C)に示すように、異なる溝に配置してもよい。
図8(B)の例では、第1のシースヒータ110aの上段部110-1は第1の溝120内に配置されるが、他のシースヒータ110の上段部は、第1の支持プレート102に形成される第3の溝124内に設けられる。一方、
図8(C)に示す例では、第2のシースヒータ110bの上段部は、第1の溝120と第3の溝124にわたって設けられる。
【0042】
同様に、複数のシースヒータ110の下段部110-2も、異なる層(溝)に配置してもよい。例えば
図9に示す模式的断面図のように、一部のシースヒータ110(ここでは第4のシースヒータ110d)の下段部110-2を第2の支持プレート104の下面104-4に設けられる第2の溝122内に配置し、他のシースヒータ110(ここでは第3のシースヒータ110c)の下段部110-2を第3の支持プレート106の上面に形成される第4の溝126内に配置してもよい。
【0043】
図7(A)に例示されるステージ140においては、複数のシースヒータ110のうち、上段部110-1の両末端がともに領域109内に存在するのは第1のシースヒータ110aだけであり、第2のシースヒータ110bから第4のシースヒータ110dの上段部110-1の両末端は領域109の外側に位置する。このため、複数のシースヒータ110の上段部110-1の両末端が、第2の支持プレート104上においてその中心部に集中することを防ぐことができる。換言すると、シースヒータ110の両末端が第2の支持プレート104上において領域109に位置するよう、すべてのシースヒータ110を折り返す必要がない。このため、ステージ140の中心部の局所的過熱が防止されるのみならず、シースヒータ110のレイアウトに対する制約が大幅に低減される。その結果、より効率よく、かつ、均一に基板を加熱するためのレイアウトを構築することが可能となる。例えば、第2の支持プレート104において上段部110-1がより高い対称性を持つように、複数のシースヒータ110を配置することができる。
【0044】
例えば
図10(A)に示すステージ142のように、半円弧状の上段部110-1を有する複数のシースヒータ110を対称性良く配置することができる。より具体的には、ステージ142は第1のシースヒータ110aから第7のシースヒータ110gを有する。第1のシースヒータ110aはほぼ円に近い円弧状の上段部110-1を有している。一方、第2のシースヒータ110bから第7のシースヒータ110gは、半径の異なる二つの円弧が端部同士で接続された形状を備える上段部110-1を有している。
【0045】
第2のシースヒータ110bと第3のシースヒータ110cの上段部110-1は同一の形状を有し、第1のシースヒータ110aを取り囲むように、かつ、第2のシースヒータ110bと第3のシースヒータ110cの一方を第2の支持プレート104の中心を通る軸で180°回転させると他方に重なるように配置することができる。すなわち、第2のシースヒータ110bと第3のシースヒータ110cの上段部110-1を一体化された一つの構造として認識すると、この構造はC2回転軸を有する。
【0046】
同様に、第4のシースヒータ110dと第5のシースヒータ110eの上段部110-1は同一の形状を有しており、第1のシースヒータ110a、第2のシースヒータ110b、および第3のシースヒータ110cを取り囲むように、かつ、第4のシースヒータ110dと第5のシースヒータ110eの一方を第2の支持プレート104の中心を通る軸で180°回転させると他方に重なるように配置される。すなわち、第4のシースヒータ110dと第5のシースヒータ110eの上段部110-1を一体化された一つの構造として認識すると、この構造はC2回転軸を有する。第6のシースヒータ110fと第7のシースヒータ110gの上段部110-1についても同様である。
【0047】
あるいは
図10(B)に示すステージ144のように、九つのシースヒータ(第1のシースヒータ110aから第9のシースヒータ110i)を対称性良く配置することも可能である。ここで示した例では、ほぼ円に近い円弧状の上段部110-1を有する第1のシースヒータ110aとともに、半径の異なる二つの円弧が端部同士で接続された形状を有する上段部110-1を備える第2のシースヒータ110bから第9のシースヒータ110iが配置されている。
【0048】
第2のシースヒータ110bから第5のシースヒータ110eの上段部110-1は同一の形状を有し、第1のシースヒータ110aを取り囲むように、かつ、第2のシースヒータ110bから第5のシースヒータ110eの一つを第2の支持プレート104の中心を通る軸で90°回転させると他の一つと重なるように配置することができる。すなわち、第2のシースヒータ110bから第5のシースヒータ110eの上段部110-1を一体化された一つの構造として認識すると、この構造はC4回転軸を有する。
【0049】
同様に、第6のシースヒータ110fから第9のシースヒータ110iの上段部110-1は同一の形状を有しており、第1のシースヒータ110aから第5のシースヒータ110eを取り囲むように、かつ、第6のシースヒータ110fから第9のシースヒータ110iの一つを第2の支持プレート104の中心を通る軸で90°回転させると他の一つに重なるように配置される。すなわち、第6のシースヒータ110fから第9のシースヒータ110iの上段部110-1を一体化された一つの構造として認識すると、この構造はC4回転軸を有する。
【0050】
さらに、ステージ144では、形状の異なる上段部110-1を有する一対のシースヒータが一つの四分円内に配置される。例えば第2のシースヒータ110bと第6のシースヒータ110fは一つの四分円内に配置される。また、第2のシースヒータ110bから第9のシースヒータ110iの上段部110-1を一体化された一つの構造として認識すると、この構造はC4回転軸を有する。
【0051】
上述したようなレイアウトを採用しても、複数のシースヒータ110のうち、上段部110-1の両末端がともに領域109内に存在するのは第1のシースヒータ110aだけであり、他のシースヒータ110の上段部110-1の両末端は領域109の外側に位置する。このため、ステージ140の中心部の局所的過熱が防止される。また、高い対称性で複数のシースヒータ110の上段部110-1を第2の支持プレート104上に配置することができるため、より均一に、かつ、精密に基板の温度を制御すことが可能である。
【0052】
(第4実施形態)
本実施形態では、シースヒータ110の構造を説明する。
【0053】
1.両端子型シースヒータ
本実施形態に係るステージ100に使用可能なシースヒータ110に制約はなく、様々な構造を有するシースヒータ110を使用することができる。その一例として、両端子型のシースヒータ110の断面模式図を
図11(A)から
図13(C)に示す。
図11(A)はシースヒータ110の長軸を含む断面の模式図であり、
図11(B)と
図11(C)は長軸に垂直な鎖線E-E´を含む断面模式図である。
【0054】
図11(A)に示したシースヒータ110は、長軸方向に延伸するヒータ線118、ヒータ線118を囲む絶縁体116、絶縁体116を囲む金属シース115、ヒータ線118と電気的に接続される一対のリード線112、およびリード線112と電気的に接続される一対の端子114を含む。金属シース115とヒータ線118は絶縁体116によって電気的に絶縁される。
図11(A)に示すように、リード線112の一部は絶縁体116に囲まれてもよく、図示しないが、ヒータ線118の一部が絶縁体116から露出してもよい。
【0055】
ヒータ線118には、通電することでジュール熱を発生する導電体を用いることができる。具体的には、タングステン、タンタル、モリブデン、白金、ニッケル、クロム、およびコバルトから選択される金属、あるいはこれらの金属を含む合金などを使用することができる。合金としては、ニッケルとクロムの合金、ニッケル、クロム、およびコバルトを含む合金などが挙げられる。
【0056】
絶縁体116はヒータ線118が金属シース115と接触してショートすることを防ぐために設けられる。絶縁体116に使用される材料は、熱伝導率が10W/mK以上300W/mKの絶縁材料から選択することができる。このような材料を使用することで、ヒータ線118が発生する熱エネルギーを効率よく金属シース115へ伝えることができる。絶縁体116としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどが例示される。
【0057】
金属シース115は金属を含み、金属は10W/mK以上430W/mK以下の熱伝導率を有する金属から選択することができる。このような金属を選択することで、ヒータ線118が発生する熱エネルギーを効率よく第1の支持プレート102や第2の支持プレート104へ伝えることができる。金属は、3×10-6/K以上25×10-6/K以下の熱膨張率を有することが好ましい。また、金属シース115、第1の支持プレート102、および第2の支持プレート104に使用される金属は同一でも良く、異なっていてもよい。異なる場合、これらに含まれる金属の熱膨張率の差が250×10-6/K以下となるように金属シース115、第1の支持プレート102、および第2の支持プレート104を構成することが好ましい。これにより、熱膨張による変形を抑制することができ、信頼性の高いステージを提供することができる。具体的には、アルミニウム、チタン、ステンレスなどの金属や合金を金属シース115に用いることができる。
【0058】
シースヒータ110の長軸に垂直な断面の形状に制約はなく、
図11(B)、
図11(C)に示すように円形や四角形でもよく、あるいは、図示しないが楕円形状でも良い。断面形状が円形の場合、変形に必要な力は曲げる方向に依存しないため、容易に任意の方向にシースヒータ110を曲げることができる。このため、第1の支持プレート102や第2の支持プレート104などに形成される溝にシースヒータ110を容易に配置することが可能となる。
【0059】
ヒータ線118の、シースヒータ110の長軸に垂直な断面の形状にも制約はなく、円でも良く(
図11(B))、多角形(
図11(B))でも良い。断面形状が四角形の場合、帯状のヒータ線118を与える。
図12(A)に示すように、ヒータ線118は金属シース115内で捻じれ、らせん構造を形成してもよい。この場合、長軸に垂直な鎖線F-F´、G-G´、H-H´を含む断面模式図(
図12(B)から
図12(D))に示すように、長軸に垂直な平面においてヒータ線118の配置が連続的に変化する。帯状のヒータ線118がらせん構造を有する場合、らせんのピッチL1は1.0mm以上3.0mm以下、1.0mm以上2.5mm以下、あるいは1.0mm以上2.0mm以下となるよう、らせん構造が調整される。このようならせん構造を適用することにより、金属シース115の単位当たりのヒータ線118の長さが増大し、シースヒータ110の抵抗値を増大させることができる。さらに、ヒータ線118にばね性を付与することができるため、ヒータ線118の変形や熱膨張時の断線が抑制される。このため、例えば金属シース115とヒータ線118との熱膨張率の差が大きくても、信頼性が向上したシースヒータ110を提供することが可能となる。
【0060】
シースヒータ110は複数のヒータ線118を金属シース115内に有していてもよい。例えば
図13(A)、
図13(B)に示すように、シースヒータ110は、分岐構造を有するリード線112を備え、一つのリード線112から二つのヒータ線118a、118bが接続され、他方のリード線112へ延伸するように構成することができる。この場合においても、各ヒータ線118a、118bの断面形状は任意に設定することができ、円形、四角形、楕円形などから選択することができる。断面形状が四角形の場合には、
図11(B)に示すようにそれぞれのヒータ線118がらせん構造を形成してもよい。図示しないが、シースヒータ110は、断面形状が異なる複数のヒータ線118を有してもよい。また、
図13(C)に示すように、リード線112が分岐構造を持たず、ヒータ線118が金属シース115内で分岐(点線円内の構造参照)することで複数のヒータ線118を形成してもよい。複数のヒータ線118を設けることで、シースヒータ110内におけるヒータ線118の密度を増大させることができるため、第2の支持プレート104や第1の支持プレート102をより効率よく加熱することができる。
【0061】
2.片端子型シースヒータ
図4(A)に示すように、片端子型のシースヒータ110を適用することもできる。片端子型シースヒータ110は、金属シース115が一端が閉じられた円筒形を有し、ヒータ線118が金属シース115内で折りたたまれ、その両端が金属シース115の一端から取り出される点で両端子型シースヒータ110と異なる。したがって片端子型シースヒータ110では、1つのヒータ線118が金属シース115内で2軸(2芯)となるよう配置される。金属シース115内でヒータ線118のショートを防ぐため、一方の端部から折り返し部分と、他方の端部から折り返し部分、すなわち、ヒータ線118の互いに対向する二つの部分が絶縁体116によって互いに絶縁される。
【0062】
片端子型のシースヒータ110の場合でも、帯状のヒータ線118を用いることができ、また、一方の端部から折り返し部分と、他方の端部から折り返し部分は、それぞれ独立してらせん構造を有してもよい(
図14(B))。鎖線I-I´を含む断面模式図(
図14(C))に示すように、ヒータ線118の法線は、金属シース115が延伸する方向に対してほぼ垂直である。さらに、ヒータ線118の互いに対向する二つの部分において、ヒータ線118の面はほぼ平行である。また、らせん構造の巻方向を同一とし、そのピッチL1もほぼ同一とすることで、ヒータ線118の互いに対向する二つの部分の間の距離g2を一定に維持することができ、その結果、ヒータ線118のショートを防ぐことができる。ただし、ヒータ線118の互いに対向する二つの部分は、らせんの巻方向やピッチL1は、互いに異なっていてもよい。
【0063】
図14(C)を参照すると、ヒータ線118の幅d1は0.1mm以上9.0mm以下の範囲から選択でき、厚みd2は0.1mm以上3.0mm以下の範囲から選択することができる。金属シース115の内径d3は3.0mm以上9.0mm以下の範囲から、厚みd4は0.5mm以上2.0mm以下の範囲から、外径d5は3.0mm以上11.0mm以下の範囲から選択することができる。ヒータ線118と金属シース115との最短距離g1は0.3mm以上1.0mm以下、あるいは0.4mm以上1.0mm以下の範囲から選択することができる。ヒータ線118の一方の端部から折り返し部分と、他方の端部から折り返し部分との距離g2は0.3mm以上2.0mm以下、あるいはは0.4mm以上1.0mm以下の範囲から選択される。これにより、シースヒータ110を細く形成することができ、その結果、微細なレイアウトでシースヒータ110を配置することができ、基板の温度分布をさらに低減することができる。また、金属シース115とヒータ線118との絶縁を確保するとともに、ヒータ線118のショートを防ぐことができる。
【0064】
あるいは
図15(A)に示すように、ヒータ線118の互いに対向する二つの部分は、二重らせん構造を有するよう、ヒータ線118を構成してもよい。この場合、ヒータ線118のらせん構造のピッチL2は1.0mm以上6.0mm以下、1.0mm以上2.5mm以下、あるいは1.0mm以上2.0mm以下となるよう、ヒータ線118を構成することができる。
【0065】
両端子型と同様、片端子型のシースヒータ110も金属シース115内に複数のヒータ線118を備えてもよい。例えば
図15(B)に示すように、ヒータ線118が金属シース115内にリード線112に接続される二つの分岐構造(点線円の構造を参照)を有し、一方の分岐構造から他方の分岐構造へ延伸する二つのヒータ線118a、118bを有するよう、シースヒータ110を構成してもよい。
【0066】
片端子型のシースヒータ110を用いることで、シースヒータ110のレイアウトの自由度をさらに向上させることができる。例えば
図16(A)の模式的上面図、
図16(A)の鎖線J-J´に沿った模式的断面図(
図16(B))に示すステージ146は、両端子型のシースヒータ110に替えて片端子型のシースヒータ110が用いられている点でステージ140(
図7(A)、
図7(B)参照)と異なる。片端子型のシースヒータ110では、金属シース115の一端(閉鎖端)は閉じられており、一対のリード線112は共に金属シース115の他端(開放端)側に接続される。このため、上段部110-1が配置される第1の溝120には貫通孔が一つだけ形成され、この貫通孔を通過するようにシースヒータ110が折り曲げられる。この折り曲げられた部分から先が下段部110-2であり、下段部110-2は第2の面104-2上を領域109まで延伸する。したがって、各シースヒータ110は単一の下段部110-2を有しており、領域109へ延伸する下段部110-2の数はシースヒータ110と同数、あるいはそれよりも小さくなる。よって、領域109まで延伸する第2の溝122の数も低減することができ、より多くのシースヒータ110を高い自由度で配置することが可能となる。
【0067】
(第5実施形態)
本実施形態では、上述したステージ100、140、142、144、または146を備える成膜装置と膜加工装置について説明する。本実施形態ではステージとして100が備えられた成膜装置と膜加工装置を例として説明する。第1から第4実施形態と同一、類似する構成に関しては説明を割愛することがある。
【0068】
1.エッチング装置
図17には、膜加工装置として、種々の膜に対してドライエッチングを行うためのエッチング装置200の断面模式図が示されている。エッチング装置200は、チャンバー202を有している。チャンバー202は、基板上に形成された導電体、絶縁体、半導体などの膜に対してエッチングを行う空間を提供する。
【0069】
チャンバー202には排気装置204が接続され、これにより、チャンバー202内を減圧雰囲気に設定することができる。チャンバー202にはさらに反応ガスを導入するための導入管206が設けられ、バルブ208を介してチャンバー内にエッチング用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、例えば四フッ化炭素(CF4)、オクタフルオロシクロブタン(c-C4F8)、デカフルオロシクロペンタン(c-C5F10)、ヘキサフルオロブタジエン(C4F6)などの含フッ素有機化合物が挙げられる。
【0070】
チャンバー202上部には導波管210を介してマイクロ波源212を設けることができる。マイクロ波源212はマイクロ波を供給するためのアンテナなどを有しており、例えば2.45GHzのマイクロ波や、13.56MHzのラジオ波(RF)といった高周波数のマイクロ波を出力する。マイクロ波源212で発生したマイクロ波は導波管210によってチャンバー202の上部へ伝播し、石英やセラミックなどを含む窓214を介してチャンバー202内部へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる電子やイオン、ラジカルによって膜のエッチングが進行する。
【0071】
チャンバー202下部には基板を設置するため、本発明の実施形態に係るステージ100が設けられる。基板はステージ100上に設置される。ステージ100には電源224が接続され、高周波電力がステージ100に与えられ、マイクロ波による電界がステージ100の表面、基板表面に対して垂直な方向に形成される。チャンバー202の上部や側面にはさらに磁石216、218、220を設けることができる。磁石216、218、220としては永久磁石でもよく、電磁コイルを有する電磁石でもよい。磁石216、218、220によってステージ100、および基板表面に平行な磁界成分が作り出され、マイクロ波による電界との連携により、プラズマ中の電子はローレンツ力を受けて共鳴し、ステージ100、および基板表面に束縛される。その結果、高い密度のプラズマを基板表面に発生させることができる。
【0072】
ステージ100にはさらに、ステージ100に設けられるシースヒータ110を制御するヒータ電源230が接続される。ステージ100にはさらに、任意の構成として、基板をステージ100に固定するための静電チャック用の電源226や、ステージ100内部に環流される媒体の温度制御を行う温度コントローラ228、ステージ100を回転させるための回転制御装置(図示せず)が接続されてもよい。
【0073】
上述したように、エッチング装置200には本発明の実施形態に係るステージ100が用いられる。このステージ100を用いることで、基板を均一に加熱し、かつ、加熱温度を精密に制御することができる。したがって、エッチング装置200により、基板上に設けられる種々の膜に対し精密なパターニングを行うことが可能となる。
【0074】
2.CVD装置
図18は、成膜装置の一つであるCVD装置300の模式図である。CVD装置300はチャンバー302を有し、反応ガスを化学的に反応させる場を提供する。
【0075】
チャンバー302には排気装置304が接続され、チャンバー302内の圧力を低減することができる。チャンバー302にはさらに反応ガスを導入するための導入管306が設けられ、バルブ308を介してチャンバー302内に成膜用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、作成する膜に依存して種々のガスを用いることができる。ガスは、常温で液体でもよい。例えばシランやジクロロシラン、テトラエトキシシランなどを用いることでシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの薄膜を形成することができる。あるいはフッ化タングステンやトリメチルアルミニウムなどを用いることで、タングステンやアルミニウムなどの金属薄膜を形成することができる。
【0076】
エッチング装置200と同様、チャンバー302上部には導波管310を介してマイクロ波源312を設けてもよい。マイクロ波源312で発生したマイクロ波は導波管310によってチャンバー302内部へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる種々の活性種によってガスの化学反応が促進され、化学反応によって得られる生成物が基板上に堆積し、薄膜が形成される。任意の構成として、プラズマの密度を増大させるための磁石344をチャンバー302内に設けることができる。チャンバー302下部には、第1実施形態で述べたステージ100が設けられ、基板がステージ100上に設置された状態で薄膜の堆積を行うことができる。エッチング装置200と同様、チャンバー302の側面にはさらに磁石316、318を設けてもよい。
【0077】
ステージ100にはさらに、ステージ100に設けられるシースヒータ110を制御するヒータ電源330が接続される。ステージ100にはさらに、任意の構成として、高周波電力をステージ100に供給するための電源324、静電チャック用の電源326、ステージ100内部に環流される媒体の温度制御を行う温度コントローラ328、ステージ100を回転させるための回転制御装置(図示せず)などが接続されてもよい。
【0078】
3.スパッタ装置
図19は、成膜装置の一つであるスパッタ装置400の模式図である。スパッタ装置400はチャンバー402を有し、高速のイオンとターゲットの衝突、およびその際に発生するターゲット原子の堆積のための場を提供する。
【0079】
チャンバー402にはチャンバー402内を減圧にするための排気装置404が接続される。チャンバー402にはアルゴンなどのスパッタガスをチャンバー402へ導入するための導入管406、およびバルブ408が設けられる。
【0080】
チャンバー402下部には、成膜する材料を含むターゲットを保持し、かつ陰極として機能するターゲットステージ410が設けられ、その上にターゲット412が設置される。ターゲットステージ410には高周波電源414が接続され、高周波電源414によってチャンバー402内にプラズマを発生することができる。
【0081】
チャンバー402上部には、第1実施形態で述べたステージ100を設けることができる。この場合、基板がステージ100下に設置された状態で薄膜の形成が進行する。エッチング装置200やCVD装置300と同様、ステージ100にはヒータ電源430が接続される。ステージ100にはさらに、高周波電力をステージ100に供給するための電源424、静電チャック用の電源426、温度コントローラ428、ステージ100を回転させるための回転制御装置(図示せず)が接続されてもよい。
【0082】
チャンバー402内で発生したプラズマによって加速されたアルゴンイオンは、ターゲット412に衝突し、ターゲット412の原子が弾き出される。弾き出された原子は、シャッター416が開放されている間、ステージ100下に設置される基板へ飛翔し、堆積する。
【0083】
本実施形態では、ステージ100がチャンバー402の上部に、ターゲットステージ410がチャンバー402の下部に設置される構成が例示されるが、本実施形態はこの構成に限られず、ターゲット412がステージ100の上に位置するようにスパッタ装置400を構成してもよい。あるいは、基板の主面が水平面に対して垂直に配置されるようにステージ100を設置し、それに対向するようにターゲットステージ410を設けてもよい。
【0084】
4.蒸着装置
図20は、成膜装置の一つである蒸着装置500の模式図である。蒸着装置500はチャンバー502を有し、蒸着源510における材料の蒸発、ならびに蒸発した材料の基板上への堆積のための空間が提供される。
【0085】
チャンバー502にはチャンバー502内を高真空にするための排気装置504が接続される。チャンバー502にはチャンバー502を大気圧に戻すための導入管506が設けられ、バルブ508を介して窒素やアルゴンなどの不活性ガスがチャンバー502内に導入される。
【0086】
チャンバー502上部には、ステージ100を設けることができる。基板がステージ100下に設置された状態で材料の堆積が進行する。エッチング装置200、CVD装置300、スパッタ装置400と同様、ステージ100にはさらにヒータ電源528が接続される。ステージ100にはさらに、任意の構成として、静電チャック用の電源524、温度コントローラ526、ステージ100を回転させるための回転制御装置530が接続されてもよい。ステージ100はさらに、基板と蒸着源510の間にメタルマスクを固定するためのマスクホルダ516を有してもよい。これにより、材料を堆積する領域にメタルマスクの開口部が重なるように、基板近傍にメタルマスクを配置することができる。
【0087】
蒸着源510がチャンバーの下側に設けられ、蒸着する材料が蒸着源510に充填される。蒸着源510には材料を加熱するためのヒータが設けられており、ヒータは制御装置512によって制御される。排気装置504を用いてチャンバー502内を高真空にし、蒸着源510を加熱して材料を気化させることで蒸着が開始される。蒸着の速度が一定になった時にシャッター514を開放することで、基板上において材料の堆積が開始される。
【0088】
上述したように、本実施形態のCVD装置300、スパッタ装置400、蒸着装置500などの成膜装置には、本発明の実施形態に係るステージが用いられる。このステージを用いることで、基板を均一に加熱し、かつ、加熱温度を精密に制御することができる。したがって、これらの成膜装置を用いることで、特性が制御された種々の膜を基板上に均一に形成することが可能となる。
【0089】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1、第2、第3実施形態で述べたステージ100、140、142とは異なる構造を有するステージ148を説明する。第1から第4実施形態で述べた構造と同一、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。本実施形態では複数の片端子型シースヒータを用いたステージ148を例として説明するが、単一のシースヒータを用いてもよく、あるいは単一または複数の両端子型シースヒータを適用しても構わない。
【0090】
図21(A)にステージ148の上面模式図を、
図21(B)に
図21(A)の鎖線K-K´に沿った断面の模式図を示す。他のステージ100、140、142と同様、シースヒータ110は第2の支持プレート104を貫通し、少なくとも一つのシースヒータ110は上段部110-1と下段部110-2を構成するように配置される。ただしステージ148では、少なくとも一つのシースヒータ110は、上段部110-1と下段部110-2の間では第1の面104-1と第2の面104-2に対して斜めに延伸する。例えば
図21(B)に示すように、第3のシースヒータ110cの上段部110-1と下段部110-2の間の部分が第1の面104-1と第2の面104-2に対して斜めに配置される(鎖線楕円で囲まれた領域を参照)。したがって、第1の溝120の端部と第2の溝122の端部の間も、第1の面104-1と第2の面104-2に対して斜めに配置される。シースヒータ110が斜めに配置される部分は、上段部110-1から下段部110-2に向かう方向が、ステージ148の外周から中心方向に向かうように配置することが好ましい。他のシースヒータ110においても、上段部110-1と下段部110-2の間の部分を斜めに配置してもよい。
【0091】
このような配置を採用することで、シースヒータ110を折り曲げる角度を小さくすることができるため、折り曲げられる部分に掛かる歪みを軽減することができるだけでなく、シースヒータ110の配置の自由度を向上させることができる。また、外径の大きなシースヒータ110を採用することもでき、さらには第2の支持プレート104の厚さを低減することも可能である。
【0092】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0093】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0094】
100:ステージ、102:第1の支持プレート、104:第2の支持プレート、104-1:第1の面、104-2:第2の面、104-3:上面、104-4:下面、106:第3の支持プレート、108:シャフト、109:領域、110:シースヒータ、110-1:上段部、110-2:下段部、110a:第1のシースヒータ、110b:第2のシースヒータ、110c:第3のシースヒータ、110d:第4のシースヒータ、110e:第5のシースヒータ、110f:第6のシースヒータ、110g:第7のシースヒータ、110i:第9のシースヒータ、112:リード線、114:端子、115:金属シース、116:絶縁体、118:ヒータ線、120:第1の溝、122:第2の溝、124:第3の溝、126:第4の溝、130:貫通孔、140:ステージ、142:ステージ、144:ステージ、146:ステージ、148:ステージ、200:エッチング装置、202:チャンバー、204:排気装置、206:導入管、208:バルブ、210:導波管、212:マイクロ波源、214:窓、216:磁石、218:磁石、220:磁石、224:電源、226:電源、228:温度コントローラ、230:ヒータ電源、300:装置、302:チャンバー、304:排気装置、306:導入管、308:バルブ、310:導波管、312:マイクロ波源、316:磁石、318:磁石、324:電源、326:電源、328:温度コントローラ、330:ヒータ電源、344:磁石、400:スパッタ装置、402:チャンバー、404:排気装置、406:導入管、408:バルブ、410:ターゲットステージ、412:ターゲット、414:高周波電源、416:シャッター、424:電源、426:電源、428:温度コントローラ、430:ヒータ電源、500:蒸着装置、502:チャンバー、504:排気装置、506:導入管、508:バルブ、510:蒸着源、512:制御装置、514:シャッター、516:マスクホルダ、524:電源、526:温度コントローラ、528:ヒータ電源、530:回転制御装置