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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/08 20060101AFI20241128BHJP
   F24H 9/00 20220101ALI20241128BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F24H9/00 A
F28D9/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020168811
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061054
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴大
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-205055(JP,A)
【文献】実開昭63-090763(JP,U)
【文献】米国特許第06340054(US,B1)
【文献】特開2019-132449(JP,A)
【文献】特開2018-179332(JP,A)
【文献】特開2005-016851(JP,A)
【文献】国際公開第2019/117312(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/00 - 99/00
F28D 1/00 - 13/00
F24H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の熱交換体を積層して構成されるプレート式熱交換器であって、
各熱交換体は、前記熱交換体の内部空間を流通する第1流体と、前記熱交換体の外部を流通する第2流体との間で熱交換を行うように構成され、
前記複数の熱交換体における隣接する熱交換体は、一方の熱交換体の前記内部空間と他方の熱交換体の前記内部空間とが前記一方の熱交換体に設けられた一方開口と前記他方の熱交換体に設けられた他方開口を介して連通するように積層されており、
前記一方の熱交換体は、前記一方開口の周縁部に、前記一方の熱交換体と前記他方の熱交換体とが積層されたとき、前記他方開口に挿入される挿入壁を有し、
前記挿入壁は、先端部が周方向で不連続な突出高さを有するように形成されており、
前記各熱交換体は、一組の熱交換プレートを接合することによって形成され、
前記一組の熱交換プレートのうち一方の熱交換プレートは、最外周の周縁に前記熱交換体の積層方向の一方側に立設する外周フランジ部を有し、
前記一方の熱交換プレートと、前記一方側に隣接する熱交換体における前記一方の熱交換プレートに近い側の近接熱交換プレートとは、前記外周フランジ部と前記近接熱交換プレートの最外周の周縁とが前記熱交換体の積層方向において所定の重ね代で重なり合うように積層され、
前記他方の熱交換体は、前記他方開口の周縁部に、前記一方開口側に向かって凹となる凹部を有し、
前記挿入壁は、前記挿入壁の先端部の最大突出高さが前記重ね代よりも大きくなるように形成され、
前記挿入壁は、前記挿入壁が前記他方開口に挿入されたとき、前記挿入壁の先端部が前記他方の熱交換体の前記内部空間内に位置し、且つ前記挿入壁の先端部の最大突出高さが前記他方開口の前記周縁部の前記凹部の高さよりも大きくなるように形成されているプレート式熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のプレート式熱交換器において、
前記挿入壁は、前記先端部が基端部よりも前記一方開口の内方に位置するように形成されているプレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の熱交換体を積層して構成されるプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
上熱交換プレートと下熱交換プレートとが接合された複数の熱交換体を備えるプレート式熱交換器が提案されている(例えば、特許文献1)。各熱交換体は、上熱交換プレートと下熱交換プレートとの間に熱媒が流通する内部空間と、内部空間を非連通状態で貫通し、燃焼排気が上下方向に流通する複数の貫通孔とを有する。
【0003】
各熱交換体は、内部空間と連通する少なくとも1つの開口を有する。また、各開口は、隣接する熱交換体の開口と対向するように配置されている。このため、上記プレート式熱交換器における隣接する熱交換体は、熱媒が開口を介して下方から上方に向かって流れるように相互に連通されている。また、燃焼排気のガス流路の最下流に位置する最下流熱交換体の1つの開口に熱媒を供給する流入管が挿通されている。さらに、最下流熱交換体の他の1つの開口から最上流熱交換体の1つの開口まで流出管が挿通されている。従って、このプレート式熱交換器では、流入管から最下流熱交換体へ流入する熱媒は、最下流熱交換体から最上流熱交換体に向かって積層された熱交換体内を流れ、最上流熱交換体の開口から流出管に流出する。これにより、熱効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-85362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のプレート式熱交換器を製造する場合、多数の上下熱交換プレートを積層させて、上下熱交換プレートの所定箇所をロウ材等の接合手段により接合する必要がある。そのため、組付け誤差が生じやすく、隣接する熱交換体の開口がずれて配置されやすい。このような開口のずれが生じると、内部空間から熱交換体の外部へ熱媒が漏洩するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、組付け不良の少ない、高熱効率のプレート式熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
複数の熱交換体を積層して構成されるプレート式熱交換器であって、
各熱交換体は、前記熱交換体の内部空間を流通する第1流体と、前記熱交換体の外部を流通する第2流体との間で熱交換を行うように構成され、
前記複数の熱交換体における隣接する熱交換体は、一方の熱交換体の前記内部空間と他方の熱交換体の前記内部空間とが前記一方の熱交換体に設けられた一方開口と前記他方の熱交換体に設けられた他方開口を介して連通するように積層されており、
前記一方の熱交換体は、前記一方開口の周縁部に、前記一方の熱交換体と前記他方の熱交換体とが積層されたとき、前記他方開口に挿入される挿入壁を有し、
前記挿入壁は、先端部が周方向で不連続な突出高さを有するように形成されており、
前記各熱交換体は、一組の熱交換プレートを接合することによって形成され、
前記一組の熱交換プレートのうち一方の熱交換プレートは、最外周の周縁に前記熱交換体の積層方向の一方側に立設する外周フランジ部を有し、
前記一方の熱交換プレートと、前記一方側に隣接する熱交換体における前記一方の熱交換プレートに近い側の近接熱交換プレートとは、前記外周フランジ部と前記近接熱交換プレートの最外周の周縁とが前記熱交換体の積層方向において所定の重ね代で重なり合うように積層され、
前記他方の熱交換体は、前記他方開口の周縁部に、前記一方開口側に向かって凹となる凹部を有し、
前記挿入壁は、前記挿入壁の先端部の最大突出高さが前記重ね代よりも大きくなるように形成され、
前記挿入壁は、前記挿入壁が前記他方開口に挿入されたとき、前記挿入壁の先端部が前記他方の熱交換体の前記内部空間内に位置し、且つ前記挿入壁の先端部の最大突出高さが前記他方開口の前記周縁部の前記凹部の高さよりも大きくなるように形成されているプレート式熱交換器が提供される。
【0008】
上記プレート式熱交換器によれば、一方開口の周縁部には他方開口に挿入される挿入壁が設けられているから、一方の熱交換体と他方の熱交換体とが積層されたとき、組付け誤差により対向する一方開口と他方開口とがずれて配置されると、挿入壁が他方開口の周縁部に乗り上げる。そのため、隣接する熱交換体の間の隙間は適切な積層状態におけるそれよりも大きくなる。これにより、組付け不良を容易に確認することができる。
【0009】
一方、一方開口及び他方開口は各熱交換体の内部空間と連通しており、挿入壁は他方開口に挿入されるため、他方の熱交換体の内部空間に挿入壁が突出する。そのため、挿入壁によって他方開口近傍の内部空間を流れる第1流体の流路抵抗が増加して熱効率が低下する虞がある。
【0010】
しかしながら、上記プレート式熱交換器によれば、挿入壁の先端部は周方向で不連続な突出高さを有するから、挿入壁の先端部には周方向に一定幅の切欠が形成される。このため、挿入壁が他方の熱交換体の内部空間に突出していても、第1流体は切欠を通って流通するから、他方開口近傍の第1流体の流路の減少は小さい。これにより、挿入壁による内部空間を流れる第1流体の流路抵抗の増加を抑制して、熱効率の低下を防止することができる。
【0012】
また、上記プレート式熱交換器によれば、挿入壁は、先端部の最大突出高さが重ね代よりも大きくなるように設定されるから、組付け誤差により挿入壁の先端部が他方開口の周縁部に乗り上げると、隣接する熱交換体の最外周の周縁の間に一定の高さの隙間が生じる。これにより、確実に組付け不良を確認することができる。
また、上記プレート式熱交換器によれば、他方の熱交換体は他方開口の周縁部に一方開口側に向かって凹となる凹部を有するから、挿入壁が他方開口に挿入されたとき、挿入壁の先端部が他方の熱交換体の内部空間に大きく突出するのを防止することができる。これにより、他方開口近傍の内部空間を流れる第1流体の流路抵抗の増加を抑えることができる。
【0013】
好ましくは、上記プレート式熱交換器において、
前記挿入壁は、前記先端部が基端部よりも前記一方開口の内方に位置するように形成される。
【0014】
上記プレート式熱交換器によれば、組付け時に挿入壁が他方開口内に導かれやすくなる。これにより、さらに組付け不良を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、組付け不良の少ない高熱効率のプレート式熱交換器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る熱交換器を有する熱源機を示す概略部分切欠斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る熱交換器を示す概略部分分解斜視図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における燃焼排気と熱媒の流れを説明する概略模式図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における燃焼排気のガス流路の上流域における2つの熱交換体を示す概略分解斜視図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における熱交換体を構成する一方の熱交換プレートの上面の一例を示す概略平面図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における熱交換体を構成する他方の熱交換プレートの上面の一例を示す概略平面図である。
図7図7は、図6の他方の熱交換プレートの下面の一例を示す概略部分斜視図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る熱交換器を示す概略部分断面図である。
図9図9は、本発明の他の実施の形態に係る熱交換器を示す概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態に係るプレート式熱交換器及びそれを備える熱源機について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係る熱源機は、流入管20から熱交換器1内に流入する第1流体である水(熱媒)を、バーナ31で生成される第2流体である燃焼排気により加熱し、流出管21を通じてカランやシャワーなどの温水利用先(図示せず)に供給する給湯器である。図示しないが、給湯器は、ケーシング内に組み込まれる。なお、熱媒として、他の熱媒(例えば、不凍液)が用いられてもよい。
【0021】
この給湯器では、上方から順に、バーナ31の外郭を構成するバーナボディ3、燃焼室2、熱交換器1、及びドレン受け40が配設される。また、バーナボディ3の一方側方(図1では、右側)には、バーナボディ3内に燃料ガスと空気との混合ガスを送り込む燃焼ファンを備えるファンケース4が配設される。また、バーナボディ3の他方側方(図1では、左側)には、ドレン受け40と連通する排気ダクト41が配設される。排気ダクト41は、ドレン受け40に排出される燃焼排気を給湯器の外部に排出する。
【0022】
なお、本明細書では、ファンケース4及び排気ダクト41がバーナボディ3の側方にそれぞれ配置された状態で給湯器を見たとき、奥行方向が前後方向に対応し、幅方向が左右方向に対応し、高さ方向が上下方向に対応する。
【0023】
バーナボディ3は、平面視略小判形状を有し、例えば、ステンレス系金属で形成される。図示しないが、バーナボディ3は、下方に開放している。
【0024】
ファンケース4と連通するガス導入部は、バーナボディ3の中央部から上方に突出している。バーナボディ3は、下向きの燃焼面30を有する平面状のバーナ31を備える。燃焼ファンを作動させることにより、混合ガスがバーナボディ3内に供給される。
【0025】
バーナ31は、全一次空気燃焼式であり、例えば、下向きに開口する多数の炎孔(図示せず)を有するセラミックス製の燃焼プレート、または金属繊維をネット状に編み込んだ燃焼マットからなる。バーナボディ3内に供給された混合ガスが、燃焼ファンの給気圧によって、下向きの燃焼面30から下方へ向けて噴出される。この混合ガスを着火させることにより、バーナ31の燃焼面30に火炎が形成され、燃焼排気が生成される。従って、バーナ31から噴出される燃焼排気は、燃焼室2を介して熱交換器1に送り込まれる。次いで、熱交換器1を通過した燃焼排気は、ドレン受け40及び排気ダクト41を通って給湯器の外部に排出される。
【0026】
すなわち、この熱交換器1では、バーナ31が設けられている上方側が燃焼排気のガス流路の上流側に対応し、バーナ31が設けられている側と反対側の下方側が燃焼排気のガス流路の下流側に対応する。
【0027】
燃焼室2は、平面視略小判形状を有する。燃焼室2は、例えば、ステンレス系金属で形成される。燃焼室2は、上下に開放するように、一枚の略長方形状の金属板を湾曲させて両端部を接合することにより形成される。
【0028】
図2に示すように、熱交換器1は、平面視略小判形状を有する。熱交換器1は、複数(ここでは、13層)の薄板状の熱交換体10が積層されたプレート式熱交換器である。なお、熱交換器1は、その周囲を覆う筐体を有してもよい。
【0029】
図2及び図3に示すように、熱交換器1は、1または複数の熱交換体10を有する複数(ここでは、4段)のブロック5を上下方向に積み重ねて構成されている(以下、これらのブロック5を総称する場合、単に「ブロック5」という。また、燃焼排気のガス流路に従って、最上段のブロック5を、「最上流ブロック5a」、中段のブロック5を、上流側から順に「第1下流側ブロック5b」、「第2下流側ブロック5c」、最下段のブロック5を、「最下流ブロック5d」という)。最上流ブロック5a及び第1下流側ブロック5bはそれぞれ、1つの熱交換体10から構成されている。また、第2下流側ブロック5cは、5つの熱交換体10が積層されて構成されており、最下流ブロック5dは、6つの熱交換体10が積層されて構成されている。なお、熱交換器1は、3つ以下または5つ以上のブロック5から構成されてもよい。後述するように、1つのブロック5が複数の熱交換体10から構成される場合、水は、その1つのブロック5を構成する各熱交換体10の内部を同一方向に並列に流れる。また、各ブロック5における隣接する熱交換体10は、水が下方から上方に向かって流れるように相互に連通されている。また、隣接するブロック5は、水が下方から上方に向かって流れるように相互に連通されている。また、隣接するブロック5は、一方のブロック5における各熱交換体10の内部を流れる水の流路方向が、他方のブロック5における各熱交換体10の内部を流れる水の流路方向と逆方向となるように構成されている。従って、この熱交換器1は、ブロック5の段数に応じて4つの流路(4パス)を有するように、各ブロック5の水の流路は隣接するブロック5間で折り返されている。これにより、熱交換器1内に長い水の流路が形成され、熱効率を向上させることができる。
【0030】
次に、熱交換体10の構成について説明する。各熱交換体10は、上下貫通孔の位置やコーナ部の通水孔の有無などの一部の構成が相違する以外は、共通の構成を有する一組の上熱交換プレート11と下熱交換プレート12とを上下方向に重ね合わせて、後述する所定箇所をロウ材等の接合手段で接合することにより形成される。このため、以下では、1つの熱交換体10の構成を主に説明する。なお、各図面は、必ずしも実際の寸法を示したものでなく、実施形態を限定するものではない。
【0031】
図2及び図4図6に示すように、上下熱交換プレート11,12は、平面視略小判形状を有する。上下熱交換プレート11,12は、例えば、所定の厚さを有するステンレス製の金属板から形成される。上下熱交換プレート11,12はそれぞれ、コーナ部を除くプレートの略全面に形成された多数の上貫通孔11a,下貫通孔12aと、上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上貫通孔フランジ部11c,下貫通孔フランジ部12cとを有する。
【0032】
上下熱交換プレート11,12の周縁にはそれぞれ、外周フランジ部として上方に向かって突出する上周縁接合部W1,下周縁接合部W2が形成されている。上下周縁接合部W1,W2はそれぞれ、上端部が基端部よりも斜め上外方に位置するように上方に向かって所定角度で広がる傾斜壁で形成されている。このため、上下熱交換プレート11,12を積層させると、1つの熱交換体10において、上熱交換プレート11が下熱交換プレート12に内嵌する。また、上方の熱交換体10の下熱交換プレート12が下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11に内嵌する。従って、複数の上下熱交換プレート11,12を積層させると、上下熱交換プレート11,12は、熱交換体10の積層方向において、これらの周縁接合部W1,W2が所定の重ね代Hpで重なり合うように配置される(図8参照)。
【0033】
上下熱交換プレート11,12は、1つの熱交換体10において、下周縁接合部W2と上熱交換プレート11の下面周縁とを接合させたときに、上下熱交換プレート11,12が所定高さの間隙を存して離間するように設定されている。また、上下熱交換プレート11,12は、上周縁接合部W1と上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12の下面周縁とを接合させたときに、下方の熱交換体10の上熱交換プレート11と、上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12とが所定高さの間隙を存して離間するように設定されている。
【0034】
従って、上下熱交換プレート11,12を接合させることにより、所定の高さの内部空間14が形成される(図3参照)。また、複数の熱交換体10を接合させることにより、上下に隣接する熱交換体10の間には、所定の高さの排気空間15が形成される(図3参照)。
【0035】
上下熱交換プレート11,12の周縁領域を除いた領域には、平面視略正方形状の上下貫通孔11a,12aが前後及び左右方向に所定の間隔で千鳥状に開設されている。平面視略正方形状の上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上下貫通孔フランジ部11c,12cは、上下貫通孔11a,12aの開口縁から周方向外方に略水平に広がり、平面視略正方形状の外形を有する。また、上下熱交換プレート11,12の周縁領域には、平面視略五角形状の上下貫通孔11a,12aが前後または左右方向に所定の間隔で開設されている。平面視略五角形状の上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上下貫通孔フランジ部11c,12cは、上下貫通孔11a,12aの開口縁から周方向外方に略水平に広がり、平面視略五角形状の外形を有する。上下貫通孔11a,12aは、略円形状や略楕円形状などの他の形状を有してもよい。なお、全ての上下貫通孔11a,12aは同一の大きさ及び形状を有してもよいし、全ての上下貫通孔フランジ部11c,12cは同一の大きさ及び形状を有してもよい。
【0036】
上下貫通孔11a,12a及び上下貫通孔フランジ部11c,12cはそれぞれ、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたときに相互に対応する位置に形成されている。また、上下貫通孔11a,12a及び上下貫通孔フランジ部11c,12cは、絞り加工により、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたときに対向する上下貫通孔フランジ部11c,12cが面接触するように、内方に突出する段差部の底面に形成されている。
【0037】
従って、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされた状態で、上下貫通孔フランジ部11c,12cがロウ材等の接合手段により接合されると、上下貫通孔フランジ部11c,12cによって内部空間14を閉塞するフランジ部16が形成される(図8参照)。また、上下貫通孔11a,12aによって内部空間14を非連通状態で貫通する貫通孔13が形成される。
【0038】
最上層の熱交換体10(以下、「最上流熱交換体10a」という)の上熱交換プレート11を除いて、上下熱交換プレート11,12はそれぞれ、少なくとも1つのコーナ部に、上通水孔11e,下通水孔12eを有する。1つの熱交換体10を形成する上下熱交換プレート11,12の少なくとも1つのコーナ部に設けられた上下通水孔11e,12eは、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたとき、上下熱交換プレート11,12の間に形成される内部空間14と連通するように開口している。
【0039】
上下通水孔11e,12eの周縁部にはそれぞれ、上下通水孔11e,12eの開口縁11h,12hから周方向外方に略水平に広がる上通水孔フランジ部11f,下通水孔フランジ部12fが形成されている。上通水孔11e及び上通水孔フランジ部11fはそれぞれ、隣接する熱交換体10が重ね合わされたときに隣接する熱交換体10の下通水孔12e及び下通水孔フランジ部12fと相互に対応する位置に形成されている。また、上通水孔11e及び上通水孔フランジ部11fは、絞り加工により、上熱交換プレート11と上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12とが重ね合わされたときに対向する上下通水孔フランジ部11f,12fが面接触するように、外方に向かって突出する段差部の上面に形成されている。同様に、下通水孔12e及び下通水孔フランジ部12fは、絞り加工により、下熱交換プレート12と下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11とが重ね合わされたときに対向する上下通水孔フランジ部11f,12fが面接触するように、外方に向かって突出する段差部の底面に形成されている。
【0040】
従って、隣接する熱交換体10の上下熱交換プレート11,12が重ね合わされた状態で、上下通水孔フランジ部11f,12fがロウ材等の接合手段により接合されると、上下通水孔フランジ部11f,12fによって隣接する熱交換体10の間の排気空間15を閉塞する通水孔フランジ部64が形成される(図8参照)。また、隣接する熱交換体10における上下に対向する上下通水孔11e,12eによって、内部空間14と連通する通水孔63が形成される。また、上下通水孔11e,12eの周縁部における内部空間14は、他の内部空間14よりも上下方向で広くなっている。このため、上通水孔11eの周縁部には、上方に凹の上凹部65が形成され、下通水孔12eの周縁部には、下方に凹の下凹部66が形成される。
【0041】
下通水孔12eはバーリング加工によって開設されている。このため、図7及び図8に示すように、下通水孔12eは、開口縁12hから下方(燃焼排気のガス流路の下流側)に突出する挿入壁12jを有する。また、燃焼排気のガス流路の最下流に位置する熱交換体10(以下、「最下流熱交換体10s」という)の下熱交換プレート12の下通水孔12e及び他の熱交換体10の下熱交換プレート12の右側後方の下通水孔12eを除く下通水孔12eの挿入壁12jは、下通水孔12eの開口縁12hから下方に延びる筒状部12mと、筒状部12mの下端から周方向に所定の角度(例えば、120度)離間して下方に突出する複数の爪部12nとを有する。このため、挿入壁12jの先端部は、周方向で不連続な突出高さを有し、爪部12n間に一定幅の切欠12pを有する。
【0042】
また、挿入壁12jは、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたときに上通水孔11eから下方に突出する先端部の最大突出高さ(すなわち、爪部12nの下端の突出高さ)Hsが、挿入壁12jが設けられている下熱交換プレート12の下周縁接合部W2と、挿入壁12jが挿入される上通水孔11eを有する下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11の上周縁接合部W1との間の重ね代Hpよりも大きくなるように設定されている。なお、挿入壁12jは、2以下または4以上の爪部12nを有してもよい。また、複数の爪部12nが設けられる場合、爪部12nの高さは異なってもよい。さらに、挿入壁12jは、筒状部12mのない爪部12nのみから構成されてもよい。
【0043】
挿入壁12jの筒状部12mは、対向する上通水孔11eの内径よりも若干小さい外径を有し、爪部12nの先端部は筒状部12mよりも若干小さな外径を有する。このため、挿入壁12jは、先端部が基端部よりも内方に位置するように形成されている。
【0044】
従って、上下熱交換プレート11.12が適切に積層されている状態では、下熱交換プレート12の下通水孔12eに形成された挿入壁12jは下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11の上通水孔11eに挿入し、挿入壁12jの先端部は上通水孔フランジ部11fよりも下方に突出する。すなわち、本実施の形態では、下通水孔12eが一方開口に対応し、上通水孔11eが他方開口に対応する。なお、上熱交換プレート11の上通水孔11eもバーリング加工により形成してもよい。
【0045】
図3に示すように、熱交換体10の貫通孔13はいずれも、隣接する熱交換体10における一方の熱交換体10の貫通孔13が他方の熱交換体10の貫通孔13と、燃焼排気のガス流路方向に対して垂直に交差する左右方向にずれるように配置されている。すなわち、上下で隣接する熱交換体10は、一方の熱交換体10の貫通孔13の投影面が他方の熱交換体10の貫通孔13と重ならないように配置されている。従って、上流側から流れてきた燃焼排気は、1つの熱交換体10の貫通孔13を通過した後、その熱交換体10と下流側に隣接する熱交換体10との間の排気空間15に流れ出る。そして、排気空間15に流れ出た燃焼排気は、下流側に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11に衝突し、下流側に隣接する熱交換体10の貫通孔13からさらに下流側に流れる。すなわち、燃焼排気が熱交換器1内を上流側から下流側に向かって流れるとき、熱交換器1内にはジグザグ状のガス流路が形成される。これにより、熱交換器1内における燃焼排気と上下熱交換プレート11,12との接触時間が増加する。
【0046】
次に、図3を参照して、熱交換器1における燃焼排気及び水の流れを説明する。各ブロック5は、水をブロック5内部に導入する導入口71と、水をブロック5外部に導出する導出口72とを有する。導入口71はそれぞれ、各ブロック5の燃焼排気のガス流路の最下流に位置する熱交換体10の所定の下通水孔12eによって構成される。また、導出口72は、最上流ブロック5a以外の各ブロック5b,5c,5dにおける燃焼排気のガス流路の最上流に位置する熱交換体10の所定の上通水孔11e、及び最上流ブロック5aにおける熱交換体10の所定の下通水孔12eによって構成される。なお、煩雑化を避けるため、図3中、フランジ部16や挿入壁12jなどの一部の構成は省略されている。
【0047】
最下流熱交換体10sを形成する下熱交換プレート12の右側前方のコーナ部の下通水孔12eには、流入管20が接続されている。また、最下流熱交換体10sを形成する下熱交換プレート12の右側後方のコーナ部の下通水孔12eには、熱交換器1の一部を貫通するように最下流熱交換体10sから最上流熱交換体10aまで上方に向かって延びる流出管21が挿通されている。流出管21の上端部は、最上流熱交換体10aを形成する下熱交換プレート12の右側後方のコーナ部の下通水孔12eに挿通されている。
【0048】
流出管21の上端開口部は、最上流熱交換体10aの内部空間14と連通している。また、流出管21が最下流熱交換体10sから最上流熱交換体10aまで挿通されると、流出管21は最上流熱交換体10a以外の熱交換体10の内部空間14及び隣接する熱交換体10間の全ての排気空間15を非連通状態で貫通する。
【0049】
従って、右側前方のコーナ部の下通水孔12e(導入口71)から最下流ブロック5dの各熱交換体10の内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(図3中、右側から左側)に流れる。また、左側前後両方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して第2下流側ブロック5cの各熱交換体10の内部空間14に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(図3中、左側から右側)に流れる。この第2下流側ブロック5cの熱交換体10の内部空間14を流通する水の流路方向は、最下流ブロック5dのそれと反対になる。また、右側前方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して第1下流側ブロック5bの熱交換体10(以下、「第2熱交換体10b」という)の内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(図3中、右側から左側)に流れる。この第2熱交換体10bの内部空間14を流通する水の流路方向は、第2下流側ブロック5cのそれと反対になる。また、左側前後両方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して最上流熱交換体10aの内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(図3中、左側から右側)に流れる。この最上流熱交換体10aの内部空間14を流通する水の流路方向は、第2熱交換体10bのそれと反対になる。そして、最上流熱交換体10aの内部空間14内を流通する水は、最上流熱交換体10aの右側後方のコーナ部の下通水孔12e(導出口72)に挿通された流出管21に流出する。流出管21に流出する水は、流出管21を流下し、熱交換器1の外部に流出する。このように、燃焼排気のガス流路の上流域における最上流熱交換体10a及び第2熱交換体10bは、第2熱交換体10bの内部に流入する全ての水が最上流熱交換体10aに流入するように、直列に接続されている。また、最下流ブロック5dの複数の熱交換体10は、複数の平行流路が形成されるように並列に接続されている。第2下流側ブロック5cも最下流ブロック5dと同様の構成を有する。
【0050】
次に、本実施の形態の熱交換器1の製造方法について説明する。1枚の下枠プレート101、所定枚数の上下熱交換プレート11,12、及び1枚の上枠プレート102の所定箇所にロウ材等の接合手段を供給しながらこれらのプレートを積層させる。図示しないが、最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eの筒状部12mの外径は、対応する下枠プレート101の開口の内径よりも若干小さく設定されている。
【0051】
次いで、下枠プレート101の開口を介して最下流熱交換体10sの右側前方の下通水孔12eに流入管20の上端部を挿通させる。また、下枠プレート101の他の開口を介して最下流熱交換体10sの右側後方の下通水孔12eから流出管21を上方に向かって挿通させる。そして、最下流熱交換体10sの右側前方の下通水孔12eに挿通されている流入管20の外周面と、最下流熱交換体10sの右側後方の下通水孔12eに挿通されている流出管21の外周面とにロウ材等の接合手段を供給してサブアセンブリを調製する。このサブアセンブリを炉中に投入してロウ付け処理を行うことにより、熱交換器1を製造することができる。
【0052】
上記したように、隣接する熱交換体10における上下に対向する上下通水孔11e,12eによって、隣接する熱交換体10の内部空間14を連通させる連通路となる通水孔63が形成される。一方、多数の上下熱交換プレート11,12を積層させて構成されるプレート式熱交換器1では、組付け誤差により対向する上下通水孔11e,12eがずれて配置されやすい。そのため、通水孔63の周縁部の通水孔フランジ部64で上下熱交換プレート11,12が適切に接合されない組付け不良が生じる虞がある。このような組付け不良が生じると、内部空間14と排気空間15とが連通して、通水孔63の周縁部から排気空間15に水が漏洩する。
【0053】
しかしながら、本実施の形態によれば、通水孔63を形成する下通水孔12eの周縁部に下方に向かって延びる挿入壁12jが設けられているから、適切に熱交換体10が積層されていない場合、下通水孔12eの周縁部から下方に突出する挿入壁12jが、上通水孔11eの周縁部の上熱交換プレート11の上面に乗り上げ、上方に隣接する下熱交換プレート12に傾きが生じる。これにより、組付け不良を容易に確認することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、挿入壁12jの先端部には、周方向で突出高さが不連続となるように爪部12nが形成されているから、1つの爪部12nが下方の上通水孔11e内に配置されても、組付け誤差により他の爪部12nが上通水孔11eの周縁部に乗り上げると、同様に上方に隣接する下熱交換プレート12に傾きが生じる。これにより、確実に組付け不良を確認することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、挿入壁12jが上通水孔11eを介して隣接する熱交換体10の内部空間14内に突出するから、水が上通水孔11e近傍を流通するとき、挿入壁12jによって水の流路抵抗が増加しやすい。しかしながら、本実施の形態によれば、挿入壁12jの先端部は不連続な突出高さを有するから、挿入壁12jの先端部には切欠12pが形成される。このため、挿入壁12jが隣接する熱交換体10の内部空間14内に突出していても、水は切欠12pを通って流通するから、上通水孔11e近傍の水の流路の減少は小さい。従って、挿入壁12jによる内部空間14内を流通する水の流路抵抗の増加を抑えることができる。特に、本実施の形態では、挿入壁12jが挿入される上通水孔11eの周縁部に上方に凹の上凹部65が形成されているから、挿入壁12jが他方の熱交換体10の内部空間14に大きく突出するのを防止することができ、さらに水の流路抵抗の増加を抑えることができる。従って、円滑に水を一方の熱交換体10の内部空間14から他方の熱交換体10の内部空間14に流通させることができる。これにより、熱効率の低下を抑制することができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、複数の熱交換体10は、上熱交換プレート11の周縁に設けられた外周フランジ部である上周縁接合部W1に、下熱交換プレート12の底面周縁が内嵌し、下熱交換プレート12の周縁に設けられた外周フランジ部である下周縁接合部W2に、上熱交換プレート11の底面周縁が内嵌する。そして、挿入壁12jが上通水孔11e内に適切に挿入されていれば、上下熱交換プレート11,12は所定の重ね代Hpで重なり合うように積層される。一方、挿入壁12jの先端部の最大突出高さHsは、上記重ね代Hpよりも大きい。このため、組付け誤差により挿入壁12jが上通水孔11eの周縁部に乗り上げると、隣接する熱交換体10の周縁の間に隙間が生じる。すなわち、本実施の形態では、1つの熱交換体10の上熱交換プレート11が一方の熱交換プレートに対応し、上方に隣接する熱交換体10における上記上熱交換プレート11に近い側の下熱交換プレート12が近接熱交換プレートに対応する。特に、本実施の形態では、通水孔63は熱交換体10の周縁のコーナ部に設けられるため、上記隙間は外観上、容易に確認される。これにより、確実に組付け不良を確認することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態によれば、挿入壁12jは先端部が基端部よりも上通水孔11eの内方に位置するように形成されているから、複数の熱交換プレート11,12を積層させるとき、挿入壁12jが上通水孔11e内にガイドされやすくなる。これにより、さらに組付け不良を低減することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、下通水孔の周縁部に設けられた挿入壁が対向する上通水孔に挿入される。しかしながら、上通水孔の周縁部に設けられた挿入壁を対向する下通水孔に挿入させてもよい。この場合、上通水孔が一方開口に対応し、下通水孔が他方開口に対応する。
【0059】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、上下熱交換プレートはそれぞれ、外周フランジ部である上下周縁接合部を有する。しかしながら、図9に示すように、上下熱交換プレート11,12のいずれか一方のプレートのみが熱交換体10の積層方向の一方側に立設する外周フランジ部を有してもよい。この場合、上記実施の形態と同様に、挿入壁12jは、先端部の最大突出高さHsが、一方の上熱交換プレート11の外周フランジ部W1と、一方側に隣接する熱交換体10における下熱交換プレート12(すなわち、一方側に隣接する熱交換体10において、下方の熱交換体10の上熱交換プレート11に近い側の下熱交換プレート12)の周縁との間の重ね代Hpよりも大きくなるように設定される。
【0060】
(2)上記実施の形態では、熱交換器は第1流体の流路方向が異なる複数のブロックを有する。しかしながら、熱交換器は1つのブロックから構成されてもよい。この場合、第1流体は全ての熱交換体内を同一の方向に流通する。
【0061】
(3)上記実施の形態では、下向きの燃焼面を有するバーナが熱交換器の上方に配設されている。しかしながら、上向きの燃焼面を有するバーナが熱交換器の下方に配設されてもよい。この場合、燃焼排気の流路は上下逆転するため、最上層熱交換体が最下流熱交換体に、最下層熱交換体が最上流熱交換体に対応する。また、燃焼排気はプレート式熱交換器を左右方向に流通してもよい。
【0062】
(4)上記実施の形態では、挿入壁は一方開口の開口縁から他方開口に向かって延びている。しかしながら、挿入壁を他方開口に挿入させることができれば、挿入壁は一方開口の開口縁よりも周方向外方の所定位置から他方開口に向かって延びてもよい。
【0063】
(5)上記実施の形態では、熱交換体の内部空間を流通する第1流体として熱媒が、熱交換体の外部を流通する第2流体として燃焼排気が使用される。しかしながら、第1流体として燃焼排気が、第2流体として熱媒が用いられてもよい。
【0064】
(6)上記実施の形態では、複数の熱交換体が上下に積層されている。しかしながら、複数の熱交換体は左右に積層させてもよい。
【0065】
(7)上記実施の形態では、給湯器が用いられているが、ボイラなどの熱源機が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 プレート式熱交換器
10 熱交換体
11e 上通水孔
12e 下通水孔
12j 挿入壁
14 内部空間
65 上凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9