(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 30/10 20060101AFI20241128BHJP
H01F 27/02 20060101ALI20241128BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01F30/10 F
H01F27/02 170
H01F27/29 J
H01F27/29 S
H01F30/10 G
(21)【出願番号】P 2020208598
(22)【出願日】2020-12-16
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】堀川 俊之
(72)【発明者】
【氏名】古市 朋広
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-178040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0197914(US,A1)
【文献】特開2011-233859(JP,A)
【文献】特開2021-077879(JP,A)
【文献】特開2019-067925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 30/10
H01F 27/29
H01F 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周にコイルが配置される巻回部を有するコアと、
前記コイルの端部が接続される端子と、
前記コアが収容されるケースと、
前記端子が取り付けられ、前記ケースに取り付けられる端子台と、を有し、
前記端子が、第1軸方向に対して移動自在に前記端子台に具備してあり、
前記ケースと、前記端子台と、のいずれか一方には、緩嵌合凸部を有し、
前記ケースと、前記端子台と、のいずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹
部が形成されており、
前記端子台が前記ケースに対して第2軸方向に移動自在に取り付けられ、
前記端子は、相互に略垂直な前記第1軸方向と前記第2軸方向の双方に、前記ケースに対
して移動自在であるコイル装置。
【請求項2】
外周にコイルが配置される巻回部を有するコアと、
前記コイルの端部が接続される端子と、
前記コアが収容されるケースと、
前記端子が取り付けられ、前記ケースに取り付けられる端子台と、を有し、
前記ケースと、前記端子台と、のいずれか一方には、緩嵌合凸部を有し、
前記ケースと、前記端子台と、のいずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合
凹部が形成されており、
前記緩嵌合凸部が、前記緩嵌合凹部に、第1軸方向に移動自在に挿入され、
前記緩嵌合凹部の第2軸方向の幅が、前記緩嵌合凸部の前記
第2軸方向の幅より広く、
前記端子台は、相互に略垂直な前記第1軸方向と前記第2軸方向の双方に前記ケースに
対して移動自在であ
り、
前記端子は、前記端子台に、前記第1軸方向および前記第2軸方向に垂直な第3軸方向に移動自在に取り付けられる
コイル装置。
【請求項3】
前記ケースの内部には、ポッティング樹脂が充填される請求項1または2に記載のコイ
ル装置。
【請求項4】
前記端子台は、前記ケースの第3軸方向に移動自在である請求項1~3のいずれかに記
載のコイル装置。
【請求項5】
前記ケースの側壁の上端には、前記ケースの上方に向けて突出する突出部が形成されて
おり、
前記端子台の少なくとも一部は、前記突出部に配置され、
前記コイルの端部は、前記突出部の側方を通って、前記ケースの外側に引き出される請
求項1~
4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項6】
前記コイルは、第1コイルと第2コイルとからなり、
前記第1コイルと前記第2コイルとは、前記ケースの内部において、前記ケースの底面
に平行な方向に関して横並びに配置されている請求項1~
5のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項7】
前記端子台に差し込まれた前記端子がフック部を有し、
前記端子台の取付凹部に、内カバーが取り付けられ、
前記フック部の下端鉤状部分が、内カバーに係合する請求項1~
6のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項8】
外周にコイルが配置される巻回部を有するコアと、
前記コイルの端部が接続される端子と、
前記コアが収容されるケースと、
前記端子が取り付けられ、前記ケースに取り付けられる端子台と、を有し、
前記端子台が、前記ケースに対して固定されており、
前記端子のフック部が、端子溝に差し込まれ、
前記フック部の下端鉤状部分の一部は前記端子溝の内部で、第1軸方向と第2軸方向に
移動自在であり、
前記フック部の下端鉤状部分の第1軸方向の幅は、前記端子溝の第1軸方向の幅より広
く、
前記端子は、相互に略垂直な前記第1軸方向と前記第2軸方向の双方に前記ケースに対
して移動自在であ
り、
前記第1軸方向と前記第2軸方向が互いに垂直である
コイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトランス等として好適に用いることができるコイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトランス等に用いられるコイル装置として、特許文献1に記載のコイル装置が知られている。特許文献1に記載のコイル装置は、ボビンと、その外周に巻回されるワイヤと、ワイヤのリード部が接続される端子とを有する。ボビンには端子台が形成されており、端子台には端子を嵌合して固定することが可能となっている。
【0003】
この種のコイル装置において、回路基板やコネクタ等(以下、接続対象)への接続時に、端子を接続対象に直接接続したいという要求がある。しかしながら、このような態様の接続は、接続対象の接続位置と端子の位置とを高精度で位置合わせする必要性から容易ではなく、またコイル装置を構成する各部品の製造や組立に精度が求められるため、製造コストが増大するという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、接続対象との位置決めが容易であり、しかも各部品の製造と組立が容易なコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るコイル装置は、
外周にコイルが配置される巻回部を有するコアと、
前記コイルの端部が接続される端子と、
前記コアが収容されるケースと、
前記端子が取り付けられ、前記ケースに取り付けられる端子台と、を有し、
前記端子は、前記ケースの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。
【0007】
本発明の第1の観点に係るコイル装置は、外周にコイルが配置される巻回部を有するコアを具備する。すなわち、本発明の第1の観点に係るコイル装置は、従来技術とは異なり、コイルがボビンに配置される構成を採用してはおらず、いわゆるボビンレス構造を有する。そのため、その構成がシンプルであり、全体形状の小型化を図ることができる。また、ボビンレスとすることにより、コイルを配置可能なスペースを十分に確保することが可能となり、コイルの巻数を増やしたり、あるいはコイルを構成するワイヤの線径を太くしたりすること等により、良好な特性を得ることができる。
【0008】
また、本発明の第1の観点に係るコイル装置は、端子が取り付けられ、ケースに取り付けられる端子台を有し、端子は、ケースの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。そのため、接続対象とコイル装置とをラフに位置決めした後、ケースに対して端子を相対移動させるのみで、端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。また、端子の移動時には、これに追随する形で端子に接続されたコイルの端部も移動するが、ボビンレス構造の下では、コイルの端部の移動がボビンによって妨げられるといった不具合が発生することがなく、コイルの端部の可動域を十分に確保する可能である。したがって、端子の可動域も十分に確保され、端子の位置決めの自由度を極めて高い水準で確保し、端子と接続対象との位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
【0009】
また、ケースに端子台を取り付ける構造においては、ケースに対する端子台の取付位置を容易に変更することが可能であり、ユーザによる設計の自由度を高めることができる。
【0010】
また、本発明の第1の観点に係るコイル装置では、前述のとおり、接続対象との接続段階において、接続対象の接続位置に対する端子の位置決めを高精度に行うことが可能であることから、その製造段階において、接続対象の接続位置に対して端子が正確に位置合わせされるよう、各部品の製造と組立を従来技術ほど高精度で行う必要がなく、製造容易化および製造コストの低減に寄与する。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るコイル装置は、
外周にコイルが配置される巻回部を有するコアと、
前記コイルの端部が接続される端子と、
前記コアが収容されるケースと、
前記端子が取り付けられ、前記ケースに取り付けられる端子台と、を有し、
前記端子台は、前記ケースの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。
【0012】
本発明の第2の観点に係るコイル装置は、第1の観点に係るコイル装置と同様にボビンレスであり、この点に関して、前述の第1の観点に係るコイル装置と同様の効果が得られる。特に、本発明の第2の観点に係るコイル装置は、端子が取り付けられ、ケースに取り付けられる端子台を有し、端子台は、ケースの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。そのため、接続対象とコイル装置とをラフに位置決めした後、ケースに対して端子台を相対移動させるのみで、端子台に取り付けられた端子がケースに対して相対移動し、端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。また、ボビンレスである故、コイルの端部の可動域を十分に確保することが可能であり、端子および端子が取り付けられた端子台の可動域も十分に確保され、端子の位置決めの自由度を極めて高い水準で確保し、端子と接続対象との位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
【0013】
また、本発明の第2の観点に係るコイル装置では、前述の通り、その製造段階において、接続対象の接続位置に対して端子が正確に位置合わせされるよう、各部品の製造と組立を従来技術ほど高精度で行う必要がなく、製造容易化および製造コストの低減に寄与する。
【0014】
好ましくは、前記ケースの内部には、ポッティング樹脂が充填される。このような構成とすることにより、ポッティング樹脂を介して、コイルで発生する熱をケースに伝熱させることが可能となり、コイル装置の放熱性能を向上させることができる。また、ケースの内部にポッティング樹脂を充填するときには、ボビンレスである故、ボビンによってケース内におけるポッティング樹脂の流動性が阻害されることがなく、ポッティング樹脂をケース内の隅々にまで回り込ませることが可能である。したがって、ポッティング樹脂の充填率を高い水準で確保し、コイル装置の放熱性能を向上させ、小型化を図りやすくなる。また、放熱性能の向上に伴い、高電流下における用途に適したコイル装置を実現することができる。
【0015】
好ましくは、前記端子は、前記端子台に、前記ケースの第3軸方向に移動自在に取り付けられる。このような構成とすることにより、端子と接続対象の取付位置とを、第3軸方向に微調整することが容易になる。したがって、このようなコイル装置では、接続対象との接続段階において、接続対象の接続位置に対する端子の位置決めを第3軸方向に関して高精度に行うことが可能であり、その製造段階において、接続対象の接続位置に対して端子が第3軸方向に正確に位置合わせされるよう、各部品の製造と組立を高精度で行う必要がなく、製造容易化および製造コストの低減にさらに寄与する。
【0016】
前記端子台は、前記ケースの第3軸方向に移動自在であってもよい。ケースに対して端子台を第3軸方向に移動させると、端子台に取り付けられた端子が同方向に移動するため、端子と接続対象の接続位置とを第3軸方向に自在に調整することが可能となり、第3軸方向に関しても、端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。
【0017】
好ましくは、前記ケースの側壁の上端には、前記ケースの上方に向けて突出する突出部が形成されており、前記端子台の少なくとも一部は、前記突出部に配置され、前記コイルの端部は、前記突出部の側方を通って、前記ケースの外側に引き出される。端子台の少なくとも一部を突出部に配置することにより、端子台の高さ位置をケースの上方に向けてシフトすることが可能となる。また、このように端子台の高さ位置をケースの上方に向けてシフトしておくことにより、コイルの端部を突出部の側方を通るようにケースの外側に向けて引き出したときに、コイルの端部の引出位置と端子台に取り付けられた端子の位置とを合わせることが可能となり、コイルの端部を端子に接続しやすくなる。
【0018】
前記コイルは、第1コイルと第2コイルとからなり、前記第1コイルと前記第2コイルとは、前記ケースの内部において、前記ケースの底面に平行な方向に関して横並びに配置されていてもよい。このような構成とすることにより、第1コイルと第2コイルとを巻回軸方向に重ねて配置する場合に比べて、コイル装置の低背化を図ることができる。
【0019】
好ましくは、前記ケースと前記端子台のいずれか一方には、前記第1軸方向に突出する緩嵌合凸部が形成されており、いずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹部が形成されており、前記緩嵌合凸部は、前記緩嵌合凹部内で、所定範囲内で、前記第1軸方向と前記第2軸方向に移動可能に挿入されている。このような構成とすることにより、端子が取り付けられる端子台を、ケースの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在にケースに取り付けることができる。
【0020】
前記端子台は前記ケースの第3軸方向に移動自在であり、かつ、前記端子は前記端子台に一体成形されていてもよい。このような構成とすることにより、端子台の成形後に端子台に対して端子を嵌め込む工程を省略することが可能となり、コイル装置の製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明の第1実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【
図3】
図3は
図1に示す端子台および端子の拡大斜視図である。
【
図4】
図4は
図3に示す端子台をケースに取り付けたときの状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図6】
図6は本発明の第2実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【
図8】
図8は
図6に示すコイル装置のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】
図9は本発明の第3実施形態に係るコイル装置の要部の斜視図である。
【
図11】
図11は本発明の第4実施形態に係るコイル装置の要部の斜視図である。
【
図14】
図14は本発明の第5実施形態に係るコイル装置の要部の斜視図である。
【
図16】
図16は本発明の第6実施形態に係るコイル装置の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0023】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るコイル装置10は、例えばトランスとして用いられ、回路基板100あるいはコネクタ(図示略)等に取り付けられて使用される。これらの取付対象に対するコイル装置10の取付は、コイル装置10のZ軸方向の上方を設置面として行われる。コイル装置10は、第1コイル20、第2コイル30、2つのコア40、第1端子台50、第2端子台60、端子金具71~74およびケース80等を有する。
【0024】
図2に示すように、2つのコア40の各々は、対称な形状(同一形状)を有し、縦断面(Y軸およびZ軸を含む切断面)が略U字形状あるいは略C字形状のコアからなる。コア40は、第1コイル20および第2コイル30によって発生する磁束を通過させる磁路を形成する。コア40は、例えばフェライトや金属磁性体等の軟磁性体で構成され、Y軸方向に延びる平板状のベース41と、ベース41のY軸方向の両端からZ軸方向に突出する一対の外脚42,42とを有する。
【0025】
一方のコア40と他方のコア40とは、それぞれZ軸方向に上下に配置される。一方のコア40と他方のコア40とは、一方のコア40の外脚42,42の先端と他方のコア40の外脚42,42の先端とをZ軸方向に突き合わせた状態で、Z軸方向に組み合わせて配置される。2つのコア40は、上下に組み合わされた状態において、接着剤を用いて接着されてもよく、あるいは外周をテープ状部材で巻くことによって、固定されてもよい。なお、一方のコア40の外脚42,42の先端と、他方のコア40の外脚42,42の先端とは、接触せずに所定間隔でギャップが形成されていてもよい。
【0026】
各コア40において、一対の外脚42,42のうち、Y軸方向の一方側の外脚42の外周には第1コイル20が配置され(あるいは、巻回され)、Y軸方向の他方側の外脚42の外周には第2コイル30が配置される(あるいは、巻回される)。すなわち、一対の外脚42,42は、巻回部43,43として機能する。本実施形態におけるコイル装置10は、ボビンが具備されていないボビンレス構造を有し、第1コイル20および第2コイル30は、巻回部43,43に直接配置される。第1コイル20および第2コイル30は、2つのコア40が組み合わされた状態において、一方のコア40のベース41と他方のコア40のベース41との間の空間に配置される。なお、第1コイル20および第2コイル30は、これらのコア40のベース41上に載置されていてもよい。
【0027】
一対の外脚42,42は、横断面(X軸およびY軸を含む切断面)において略楕円形状を有するが、その形状は特に限定されるものではなく、例えば円形とする等、適宜変更してもよい。また、一対の外脚42,42のZ軸方向の長さについても、巻回される第1コイル20または第2コイル30のZ軸方向の層数に応じて適宜変更してもよい。
【0028】
第1コイル20は第1ワイヤ22により形成され、第2コイル30は第2ワイヤ32により形成されている。第1コイル20は、空芯コイルで形成されてもよく、あるいはコア40の巻回部43に第1ワイヤ22を巻回することにより形成されてもよい。第2コイル30についても同様である。第1コイル20および第2コイル30は、ケース80の内部において、ケース80の底面81に平行な方向(Y軸方向)に関して横並びに配置される。ワイヤ22,32の巻回方法としては、整列巻きやα巻き等が挙げられる。整列巻とは、巻回軸の一方の端から他方の端に向けてワイヤが巻かれる通常の巻き方である。
【0029】
第1コイル20または第2コイル30として空芯コイルを用いる場合、第1ワイヤ22または第2ワイヤ32として、最外層に融着層が形成された自己融着線を用いてもよい。自己融着線としては、導体の外側に絶縁層が形成され、絶縁層の外側に融着層が形成された導線を用いることができる。自己融着線をコイル状に巻回した状態で融着させることにより、各ターンが融着層を介して一体的に接続され、安定した巻線形状を有する空芯コイルを形成することができる。なお、融着層としては、例えばポリアミド系あるいはポリイミド系等の樹脂を用いることができる。また、融着層が形成されていない一般的なワイヤ、すなわち導体および絶縁層からなるワイヤを用いてもよい。
【0030】
第1コイル20は例えば一次コイルを構成し、第2コイル30は例えば二次コイルを構成する。これらの関係については、逆であってもよい。ワイヤ22,32は、単線で構成されてもよく、あるいは撚り線で構成されてもよい。また、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の材質に関しても同一でも異なっていてもよい。
【0031】
好ましくは、ワイヤ22,32は、絶縁被覆導線で構成される。第1ワイヤ22の外径d1(図示省略)は、特に限定されないが、大電流を流す場合には、例えばφ1.0~φ3.0mmが好ましい。第2ワイヤ32の線径は、第1ワイヤ22の線径よりも大きくなっているが、両者の関係は逆であっても苦、あるいは同じでもよい。
【0032】
ケース80内部には、2つのコア40が、第1コイル20および第2コイル30が巻回された状態で収容(載置)される(
図1)。また、ケース80の内部には、コア40等が収容された状態で、ポッティング樹脂などの高熱伝導性の樹脂90が充填され、これによりコイル20,30等で発生する熱の放熱性を向上させることが可能となっている。樹脂90は、ケース80の内部に、その高さの8割程度まで充填されている。ケース80の内部に樹脂90が充填された状態において、樹脂90の上部からはコア40の上部が露出している。本実施形態では、ボビンレス構造である故、ケース80の内部において、2つのコア40の周囲に比較的広い隙間(2つのコア40の外周面と側壁82の内面との間の隙間)が形成され、この隙間の内部に十分な量の樹脂90を充填することが可能となっている。
【0033】
ケース80は、底面81と、側壁82とを有する。底面81は、長方形状を有するが、その形状は特に限定されるものではなく、正方形状あるいはその他の形状としてもよい。側壁82は、底面81の周縁部から上方に向かって延在しており、底面81の四方を取り囲んでいる。側壁82には、端子台50および60が取り付けられる。
【0034】
側壁82は、X軸負方向側に位置しYZ平面に平行な第1面821と、Y軸正方向側に位置しXZ平面に平行な第2面822と、X軸正方向側に位置しYZ平面に平行な第3面823と、Y軸負方向側に位置しXZ平面に平行な第4面824とを有する。側壁82の第1面821には端子台設置部82a_1が形成され、第3面823には端子台設置部82a_2が形成されている。
【0035】
端子台設置部82a_1および82a_2は、それぞれ第1面821および第3面823の上端に形成されており、ケース80の上方に向けて突出する突出部からなる。端子台設置部82a_1は、第1面821のY軸正方向側の端部に形成され、端子台設置部82a_2は、第3面823のY軸負方向側の端部に形成されている。すなわち、端子台設置部82a_1,82a_2は、ケース80に対して、対角線上に配置されることになる。端子台設置部82a_1には、端子台50の少なくとも一部が配置され、端子台設置部82a_2には、端子台60の少なくとも一部が配置される。
【0036】
図1に示すように、端子台設置部82a_1のY軸方向の側方からは、第1ワイヤ22の一対の第1リード部22a,22aが引き出される。より詳細には、一方の第1リード部22aは、端子台設置部82a_1のY軸方向の一方側から、端子台設置部82a_1の側方を通り、第1面821の外側に引き出される。他方の第1リード部22aは、端子台設置部82a_1のY軸方向の他方側から、端子台設置部82a_2の側方を通り、第1面821の外側に引き出される。これらのリード部22a,22aは、X軸方向に沿って略平行にケース80の外側に引き出さる。
【0037】
端子台設置部82a_2のY軸方向の側方からは、第2ワイヤ32の一対の第2リード部32a,32aが引き出される。より詳細には、一方の第2リード部32aは、端子台設置部82a_2のY軸方向の一方側から、端子台設置部82a_2の側方を通り、第3面823の外側に引き出される。他方の第2リード部32aは、端子台設置部82a_2のY軸方向の他方側から、端子台設置部82a_2の側方を通り、第3面823の外側に引き出される。これらのリード部32a,32aは、X軸方向に沿って略平行にケース80の外側に引き出さる。
【0038】
第1リード部22a,22aおよび第2リード部32a,32aは、側壁82の上端(上縁)よりも上方を通過してケース80の外側に引き出されており、第1リード部22a,22aおよび第2リード部32a,32aと側壁82の上端との間には所定長の隙間が形成されていることが好ましい。後述するように、本実施形態では、端子71~74がZ軸方向に移動可能に構成されており、この移動に伴い、端子71~74に接続された第1リード部22a,22aまたは第2リード部32a,32aがZ軸方向に移動するが、このとき第1リード部22a,22aまたは第2リード部32a,32aが側壁82の上端に接触することを防止するためである。好ましくは、第1リード部22a,22aおよび第2リード部32a,32aは、上方に配置されたコア40(ベース41)の上面よりも下方の位置で、側壁82の上端よりも上方の位置をケース80の外側に向かって通過する。
【0039】
一対の第1リード部22a,22aは、端子台50のY軸方向の側方において、端子台50に取り付けられた一対の端子金具71,72に接続される。また、一対の第2リード部32a,32aは、端子台60のY軸方向の側方において、端子台60に取り付けられた一対の端子金具73,74に接続される。
【0040】
図2に示すように、端子台設置部82a_1には緩嵌合凸部83aが形成され、端子台設置部82a_2にも同様に緩嵌合凸部83aが形成されている。緩嵌合凸部83aは、ケース80に対する端子台50または60の取付に供するものであり、端子台50または60を支持する支持部としての役割を果たす。端子台50または60の緩嵌合凹部52aまたは62aに緩嵌合凸部83aを挿入させることにより、ケース80に対する端子台50または60の取付が行われる。
【0041】
緩嵌合凸部83aは、主凸部83a1と、一対の副凸部83a2,83a2とを有する。主凸部83a1は、XZ平面に平行な面を有し、側壁82の第1面821からX軸方向の外側に向けて突出するとともに、Z軸方向に沿って所定の長さを有する。主凸部83a1および副凸部83a2,83a2によって端子台50または60を支持するにあたって、主凸部83aは、例えば副凸部83a2,83a2による端子台50または60の支持を補強する役割を果たす。主凸部83aの一部は、端子台設置部82a_1または82a_2に形成されており、側壁82の上端(ただし、端子台設置部82a_1または82a_2が形成されていない部分)よりも上方に位置する。
【0042】
一対の副凸部83a2,83a2は、それぞれXY平面に平行な面を有し、側壁82の第1面821からX軸方向の外側に向けて突出するとともに、Y軸方向に沿って所定の長さを有する。副凸部83a2のX軸外側への突出長は、主凸部83a1のX軸外側への突出長よりも大きくなっている。副凸部83a2,83a2は、端子台設置部82a_1または82a_2の下方に形成されている。
【0043】
一対の副凸部83a2,83a2は、主凸部83a1の下端部において、主凸部83a1に一体的に接続されている。一方の副凸部83a2は、主凸部83a1のY軸方向の一方側の側面からY軸方向の一方側に突出しており、他方の副凸部83a2は、主凸部83a1のY軸方向の他方側の側面からY軸方向の他方側に突出している。
【0044】
副凸部83a2,83a2の底面には、それぞれ抜け止め溝84,84が形成されている。抜け止め溝84,84は、Y軸方向に所定の幅を有するとともに、X軸方向に所定の長さを有する。また、抜け止め溝84,84は、副凸部83a2,83a2の底面からZ軸方向に所定の深さを有する。詳細については後述するが、抜け止め孔84,84には、端子台50または60のストッパ凸部が係合する。
【0045】
緩嵌合凸部83aの位置は、図示の位置に限定されるものではなく、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に向けて適宜変更してもよい。例えば緩嵌合凸部83aのY軸方向の位置を変更する場合には、これに伴って端子台設置部82a_1または82a_2のY軸方向の位置を変更することが好ましい。緩嵌合凸部83aのZ軸方向の位置を変更する場合には、主凸部83a1が端子台設置部82a_1または82a_2に跨るように配置されていることが好ましい。
【0046】
端子台50は端子台設置部82a_1の位置で側壁82に取り付けられ、端子台60は端子台設置部82a_2の位置で側壁82に取り付けられる。側壁82に対する端子台50の取付位置は、第1コイル20の第1リード部22a,22aの引出位置に対応しており、側壁82に対する端子台60の取付位置は、第2コイル30の第2リード部32a,32aの引出位置に対応している(
図1)。
【0047】
端子台50には一対の端子金具71および72が取り付けられ、端子台60には一対の端子金具73および74が取り付けられる。
図3に示すように、端子台50は、台本体51、貫通孔52、端子取付部53、端子溝54、嵌合溝55および取付孔56等を有する。端子台60は、台本体61、貫通孔62、端子取付部63、端子溝64、嵌合溝65および取付孔66等を有する。端子台50,60を構成する上記各部の詳細については後述し、以下では端子金具71~74の構成について説明する。
【0048】
端子金具(端子)71~74の各々は、例えば金属板などの導電性板材をプレス加工することより形成される。一対の端子金具71および72は、X軸およびZ軸に相互に線対称な形状を有し、一対の端子金具73および74は、X軸およびZ軸に相互に線対称な形状を有する。
【0049】
端子金具71,72は、それぞれ第1ワイヤ22の第1リード部22a(
図1)を挟み込んで接合するためのワイヤ接続部71a,72aを有する。ワイヤ接続部71a,72aは、端子台50のY軸方向の両端からY軸方向の外側に向かって延在するように形成されている。また、端子金具71,72は、それぞれワイヤ接続部71a,72aとは別の位置に形成されるフック部71b,72bを有する。フック部71b,72bは、それぞれ端子台50に形成されている端子溝54,54にZ軸方向に移動自在に差し込まれる。
【0050】
フック部71b,72bは、それぞれ平面状の取付部71c,72cのY軸方向の端部からZ軸方向の下側に突出するように形成されており、フック部71b,72bの下端先端は鈎状に成形されている。取付部71c,72cの中央部には、それぞれ挿通孔71d,72dが形成されている。端子金具71,72が端子台50に取り付けられた状態では、挿通孔71d,72の位置と、端子台50の取付孔56,56に装着されるナット57,57(
図2)のボルト孔の位置とは、ラフに位置合わせされている。取付孔56の内径は、ナット57のボルト孔の内径よりも、十分に大きくてよい。挿通孔71d,72dには、
図1に示すビス104等の締結具が取り付けられ、締結具を介して、端子金具71,72を位置決めして回路基板100に取り付けることができる。
【0051】
取付部71c,72cとワイヤ接続部71a,72aとは、それぞれ連結部71e,72eを介して一体的に連結されている。連結部71e,72eには、段差状折曲部が形成されており、取付部71c,72cの平面よりもワイヤ接続部71a,72aのZ軸方向の高さが低くなるように構成されている。連結部71e,72eのX軸方向幅は、取付部71c,72cのX軸方向幅よりも狭くなっている。
【0052】
フック部71b,72bとはY軸方向の反対側に位置する取付部71c,72cの端部には、差込凸部71f,72fが形成されている。差込凸部71f,72fは、取付部71c,72cの平面からZ軸方向の下方に向けて突出している。差込凸部71f,72fは、それぞれ端子台50のY軸方向の両端部の上面に形成されている嵌合溝55,55に差し込まれる。
【0053】
端子金具73,74は、ワイヤ接続部73a,74aと、フック部73b,74bと、取付部73c,74cと、挿通孔73d,74dと、連結部73e,74eと、差込凸部73f,74fとを有する。端子金具73の構成は、端子金具71の構成と同様であり、端子金具74の構成は、端子金具72の構成と同様である。したがって、端子金具73,74の上記各部の構成については、端子金具71,72の対応する各部の構成について説明したことがそのまま当てはまるため、その説明を省略する。なお、ワイヤ接続部73a,74aの接続対象は第2ワイヤ32の第2リード部32a,32aであり、端子金具73,74の取付対象は端子台60となる。
【0054】
次に、端子台50,60の構成について説明する。端子台50と端子台60とは、同一の構成を有する。そのため、以下において、端子台50,60を構成する各部の説明については、重複説明を防止するために、端子台50および端子台60のいずれか一方を例にとって行う場合がある。
【0055】
端子台50,60を構成する材料としては、成形性が良好な樹脂、あるいは放熱性が良好な樹脂を選択することができる。このような樹脂として、例えばPET、PBKあるいはPPS等の樹脂材料が挙げられる。
【0056】
端子台50は、台本体51を有する。台本体51には、X軸方向に貫通する貫通孔52が形成されている。台本体51のY軸方向の両側には、端子取付部53,53が一体的に形成されている。なお、以下では、端子取付部53,53も含めて台本体51と呼ぶ場合がある。端子取付部53,53の上面略中央部には、それぞれ取付孔56,56が形成されており、取付孔56,56にはナット57,57(
図2)が装着可能となっている。
【0057】
端子取付部53,53と台本体51との境界には、それぞれ端子溝54,54が形成されており、各端子溝54,54には、それぞれ端子金具71,72のフック部71b,72bがZ軸方向に移動自在に差し込まれる。各端子溝54は、XZ平面に平行な板面を有する一対の挟持部540,540の各々の間に形成されている。端子取付部53,53のY軸方向の端部の上面には、嵌合溝55,55が形成されており、嵌合溝55,55には端子金具71,72の差込凸部71f,72fが差し込まれる。その結果、端子台50に対して、端子金具71,72のX軸およびY軸方向の移動が制限され、端子台50に対して、端子金具71,72のZ軸方向の移動のみが許容される。
【0058】
台本体51に形成された貫通孔52の内側(ケース40と向き合う側)には、ケース80の緩嵌合凸部83aが入り込む緩嵌合凹部52aが形成されている。また、貫通孔52の外側には、取付凹部52bが形成されている。取付凹部52bには、
図2に示す内カバー58が取り付けられる。
【0059】
内カバー58は、端子金具71,72のフック部71b,72bが端子溝54,54にそれぞれ挿入された状態において、取付凹部52bに取り付けられる。その結果、端子金具71,72の先端鈎状のフック部71b,72bが、内カバー58に係合し、端子金具71,72を端子台50から抜け出すことを抑制すると共に、端子金具71,72の端子台50に対するZ軸移動範囲を制限することが可能となっている。
【0060】
貫通孔52の一方の開口部である緩嵌合凹部52aは、Y軸方向の中央に位置する主凹部52a1と、そのY軸方向の両側に位置する一対の副凹部52a2,52a2とを有する。副凹部52a2のZ軸方向の幅は、主凹部52a1のZ軸方向の幅よりも狭くなっている。
【0061】
副凹部52a2,52a2には、
図2に示すケース80の副凸部83a2,83a2が、X軸およびY軸方向に移動自在に嵌合し、主凹部52a1には、
図2に示す主凸部83a1がX軸およびY軸方向に移動自在に挿入されるようになっている。副凹部52a2のX軸およびY軸と略平行な内面が、副凸部83a2との案内面(摺動面)となる。副凸部83a2と副凹部52a2とが接触する案内面に沿って、端子台50は、ケース80に対してX軸方向とY軸方向に移動自在に保持される。
【0062】
端子台60において、緩嵌合凹部62aを構成する内壁の一部は、緩嵌合凹部62aの開口入口のZ軸方向の幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片62a3で構成されている。支持片62a3の先端側には、一対のストッパ凸部62a4,62a4が形成されており、緩嵌合凸部83aの一対の抜け止め孔84,84(
図2)に係合して抜け止めとなる。支持片62a3を片持ち梁状に弾性変形させるために、支持片62a3のY軸方向の両側には、それぞれスリットが形成されている。なお、一対のストッパ凸部62a4,62a4と一対の抜け止め孔84,84との係合は、端子台60のケース80に対する抜け止めとなっているが、ケース80に対する端子台60のX軸およびY軸方向の自由なスライド移動を許容するようになっている。
【0063】
なお、
図3では、端子台50に関して、支持片およびストッパ凸部の図示を省略しているが、端子台50におけるこれらの構成は、端子台60における支持片62a3およびストッパ凸部62a4,62a4の構成と同様である。
【0064】
本実施形態では、端子台50,60が、ケース80のX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在となるように構成されており、以下、
図2~
図4を参照しつつ、これを可能とする端子台50,60の詳細構成について説明する。
【0065】
図2および
図3に示すように、本実施形態では、緩嵌合凸部83aの主凸部83a1のY軸方向幅が、緩嵌合凹部52aの主凹部52a1のY軸方向幅よりも小さくなっている。そのため、緩嵌合凸部83aに緩嵌合凹部52aを嵌合させた状態では、主凸部83a1と主凹部52a1との間には
図4に示すような隙間G1が形成される。より詳細には、主凸部83a1が主凹部52a1のY軸方向の中心部に配置された状態において、隙間G1は、主凸部83a1のY軸方向の一方側の側面と主凹部52a1のY軸方向の一方側の内壁との間に形成されるとともに、主凸部83a1のY軸方向の他方側の側面と主凹部52a1のY軸方向の他方側の内壁との間に形成される。
【0066】
また、本実施形態では、緩嵌合凸部83aの副凸部83a2,83a2のY軸方向幅(一方の副凸部83a2のY軸方向端部から他方の副凸部83a2のY軸方向端部までの長さ)が、緩嵌合凹部52aの副凹部52a2,52a2のY軸方向幅(一方の副凹部52a2のY軸方向端部から他方の副凹部52a2のY軸方向端部までの長さ)よりも小さくなっている。そのため、緩嵌合凸部83aに緩嵌合凹部52aを嵌合させた状態では、副凸部83a2と副凹部52a2との間には
図5に示すような隙間G2が形成される。より詳細には、隙間G2は、一対の副凸部82a2,82a2のうち、Y軸方向の一方側に位置する副凸部82a2とY軸方向の一方側に位置する副凹部52a2の内壁との間に形成されるとともに、Y軸方向の他方側に位置する副凸部82a2とY軸方向の他方側に位置する副凹部52a2の内壁との間に形成されている。
【0067】
したがって、主凸部83a1は、主凹部52a1の内部において、隙間G1の範囲内で軸方向に自在に移動することが可能となっている。また、副凸部83a2は、副凹部52a2の内部において、隙間G2の範囲内でY軸方向に自在に移動することが可能となっている。上述した構成は、端子台60にも備わっており、端子台50,60は、ケース80のY軸方向に移動自在となっている。
【0068】
また、上述したように、端子台60のストッパ凸部62a4,62a4は、副凸部83a2,83a2の底面に形成された抜け止め溝84,84(
図2)に係合するが、その係合状態において、抜け止め溝84,84の内部をX軸方向に移動自在になっている。すなわち、ストッパ凸部62a4,62a4のX軸方向幅は、抜け止め溝84,84のX軸方向幅よりも小さくなっており、これらが係合した状態において、ストッパ凸部62a4,62a4と抜け止め溝84,84の内壁との間にはX軸方向に沿って隙間が形成されている。したがって、ストッパ凸部62a4,62a4は、抜け止め溝84,84の内部において、この隙間の範囲内で、X軸方向に自在に移動することができ、端子台50,60によるケース80のX軸方向への自在な移動が可能となっている。
【0069】
以上より、本実施形態では、端子台50,60は、ケース80のX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在になっている。なお、ストッパ凸部62a4,62a4と抜け止め溝84,84とが係合した状態において、ストッパ凸部62a4,62a4と抜け止め溝84,84の内壁との間にはY軸方向に沿う方向にも隙間が形成されており、ストッパ凸部62a4,62a4(端子台60)は、抜け止め溝84,84の内部において、この隙間の範囲内でケース80のY軸方向にも移動自在となっている。
【0070】
図5において、隙間G1と隙間G2とのY軸方向幅は、異なっていてもよいし、同一であってもよい。隙間G1,G2のY軸方向幅については、ケース80に対する端子金具71~74のY軸方向への移動予定量に応じて適宜決定すればよい。ストッパ凸部62a4,62a4と抜け止め溝84,84の内壁との間に形成されるX軸方向に沿う隙間についても同様であり、ケース80に対する端子金具71~74のX軸方向への移動予定量に応じて適宜決定すればよい。
【0071】
次に、
図1~
図3を参照しつつ、コイル装置10の製造方法について説明する。まず、
図2に示す各部材を準備する。次いで、端子台50,60をケース80に取り付ける。ケース80への端子台50の取付は、ケース80の緩嵌合凸部83a(主凸部83a1および副凸部83a2)に端子台50の緩嵌合凹部52a(主凹部52a1および副凹部52a2)を嵌合させることにより行う。ケース80に端子台60を取り付けるときも同様にして行う。緩嵌合凹部62aに緩嵌合凸部83aを嵌合させた状態では、ストッパ凸部62a4,62a4(
図3)を抜け止め溝84,84(
図2)に係合させておく。
【0072】
次に、端子台50に端子金具71,72を取り付け、端子台60に端子金具73,74を取り付ける。端子金具71,72の端子台50への取付は、
図3に示すフック部71b,72bを端子溝54,54に挿入するとともに、差込凸部71f,72fを嵌合溝55,55に挿入することにより行われる。端子金具73,74を端子台60に取り付けるときも同様にして行う。なお、端子台50,60への端子金具71~74の取付は、端子台50,60をケース80に取り付ける前に行ってもよい。
【0073】
端子金具71,72を端子台50に取り付けた後、内カバー58(
図2)を取付凹部52bに取り付ける。また、端子金具73,74を端子台60に取り付けた後、内カバー68を取付凹部62bに取り付ける。内カバー58,68を取り付けることにより、端子台50,60に対する端子金具71~74の抜け止めを行うことができる。また、端子台50,60に対する端子金具71~74のZ軸方向の移動も制限することができる。
【0074】
次に、
図2に示すように、一方のコア40の一対の外脚42,42(巻回部43,43)のうち、一方の外脚42に第1コイル20を配置し、他方の外脚42に第2コイル30を配置する。本実施形態では、第1コイル20および第2コイル30として空芯コイルを用いる。
【0075】
次に、コイル20,30が巻回部43,43に配置された一方のコア40に、他方のコア40を組み合わせる。より詳細には、一方のコア40の外脚42,42の先端を他方のコア40の外脚42,42の先端に組み合わせることにより、第1コイル20と第2コイル30とが具備された状態で、一方のコア40と他方コア40とを上下に組み合わせることができる。
【0076】
なお、2つのコア40の各々の外脚42,42(巻回部43,43)にコイル20,30(空芯コイル)配置する代わりに、一方のコア40と他方のコア40とを組み合わせた状態において、各々の巻回部43,43にワイヤ22,32を巻回することにより、コイル20,30を形成してもよい。
【0077】
次に、コイル20,30が具備された2つのコア40の組立体をケース80の内部に収容する。このとき、第1ワイヤ22の第1リード部22a,22aについては、端子台設置部82a_1のY軸方向の側方から、ケース80の側壁82の外側に引き出しておく。また、第2ワイヤ32の第2リード部32a,32aについては、端子台設置部82a_2のY軸方向の側方から、ケース80の側壁82の外側に引き出しておく。
【0078】
次に、一方の第1リード部22aを端子金具71のワイヤ接続部71aに接続し、他方の第1リード部22aを端子金具72のワイヤ接続部72aに接続する。また、一方の第2リード部32aを端子金具73のワイヤ接続部73aに接続し、他方の第2リード部32aを端子金具74のワイヤ接続部74aに接続する。ワイヤ接続部71a~74aに、リード部22a,22aおよびリード部32a,32aを接続するための方法としては、特に限定されず、はんだ付け、溶接、抵抗溶接、超音波溶接、レーザ溶接、カシメ止め、熱圧着、熱融着などが例示される。
【0079】
なお、端子金具71,72のワイヤ接続部71a,72aには、予め一対のリード部22a,22aがそれぞれ接続されていてもよい。また、端子金具73,74のワイヤ接続部73a,74aについても同様であり、予め一対のリード部32a,32aがそれぞれ接続されていてもよい。
【0080】
次に、ケース80の内部に樹脂90を充填する。樹脂90の充填は、コア40等をケース80の内部に収容した後に行うことが好ましいが、コア40等をケース80の内部に収容する前に行ってもよい。以上の工程を実行することにより、コイル装置10を得ることができる。
【0081】
本実施形態におけるコイル装置10は、
図1に示すように、外周に第1コイル20または第2コイル30が配置される巻回部43を有するコア40を具備する。すなわち、コイル装置10は、従来技術とは異なり、コイル20,30がボビンに配置される構成を採用してはおらず、いわゆるボビンレス構造を有する。そのため、その構成がシンプルであり、全体形状の小型化を図ることができる。また、ボビンレスとすることにより、コイル20,30を配置可能なスペースを十分に確保することが可能となり、コイル20,30の巻数を増やしたり、あるいはコイル20,30を構成するワイヤ22,32の線径を太くしたりすること等により、良好な特性を得ることができる。
【0082】
また、本実施形態におけるコイル装置10では、端子台50,60がケース80のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在である。そのため、回路基板100とコイル装置10とをラフに位置決めした後、ケース80に対して端子台50,60をX軸方向および/またはY軸方向に相対移動させるのみで、端子台50,60に取り付けられた端子金具71~74がケース80に対して同方向に相対移動し、端子金具71~74と回路基板100とを正確に位置決めして接続することができる。
【0083】
また、端子金具71~74の移動時には、これに追随する形で端子金具71~74に接続されたコイル20,30の端部(リード部22a,32a)も移動するが、ボビンレス構造の下では、リード部22a,32aの移動がボビンによって妨げられるといった不具合が発生することがなく、リード部22a,32aの可動域を十分に確保する可能である。したがって、端子金具71~74の可動域も十分に確保され、端子71~74の位置決めの自由度を極めて高い水準で確保し、端子金具71~74と回路基板100との位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
【0084】
また、ケース80に端子台50,60を取り付ける構造においては、ケース80に対する端子台50,60の取付位置(端子台設置部82a_1,82a_2の位置)を容易に変更することが可能であり、ユーザによる設計の自由度を高めることができる。
【0085】
また、本実施形態におけるコイル装置10では、前述のとおり、回路基板100との接続段階において、回路基板100の接続位置あるいは取付位置(取付孔102)に対する端子金具71~74の位置決めを高精度に行うことが可能であることから、その製造段階において、回路基板100の接続位置に対して端子金具71~74が正確に位置合わせされるよう、各部品の製造と組立を従来技術ほど高精度で行う必要がなく、製造容易化および製造コストの低減に寄与する。
【0086】
また、ケース80の内部には、樹脂(ポッティング樹脂)90が充填される。そのため、樹脂90を介して、コイル20,30で発生する熱をケース80に伝熱させることが可能となり、コイル装置10の放熱性能を向上させることができる。また、ケース80の内部に樹脂90を充填するときには、ボビンレスである故、ボビンによってケース80内における樹脂90の流動性が阻害されることがなく、樹脂90をケース80内の隅々にまで回り込ませることが可能である。したがって、樹脂90の充填率を高い水準で確保し、コイル装置10の放熱性能を向上させ、小型化を図りやすくなる。また、放熱性能の向上に伴い、高電流下における用途に適したコイル装置10を実現することができる。
【0087】
また、端子金具71~74は、端子台50,60に、ケース80のZ軸方向に移動自在に取り付けられる。そのため、端子金具71~74と回路基板100の取付位置とを、Z軸方向に微調整することが容易になる。
【0088】
また、端子台50,60の少なくとも一部は、端子台設置部82a1_1,82a_2に配置され、リード部22a,32aは、端子台設置部82a1_1,82a_2の側方を通って、ケース80の外側に引き出される。端子台50,60の少なくとも一部を端子台設置部82a1_1,82a_2に配置することにより、端子台50,60の高さ位置をケース80の上方に向けてシフトすることが可能となる。
【0089】
また、このように端子台50,60の高さ位置をケース80の上方に向けてシフトしておくことにより、リード部22a,32aを端子台設置部82a1_1,82a_2の側方を通るようにケース80の外側に向けて引き出したときに、リード部22a,32aの引出位置と端子台50,60に取り付けられた端子金具71~74の位置とを合わせることが可能となり、リード部22a,32aを端子金具71~74に接続しやすくなる。
【0090】
また、第1コイル20と第2コイルと30は、ケース80の内部において、ケース80の底面81(
図2)に平行な方向(Y軸方向)に関して横並びに配置されている。そのため、第1コイル20と第2コイル30とをZ軸方向に重ねて配置する場合に比べて、コイル装置10の低背化を図ることができる。
【0091】
第2実施形態
図6~
図8に示す第2実施形態に係るコイル装置10Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明については一部省略する。
【0092】
図7に示すように、コイル装置10Aは、4つのコア40Aと、ケース80Aとを有する。コア40Aは、略E字形状からなるいわゆるE型コアであり、一対の外脚42,42に加えて中脚44を有する。中脚44は、ベース41のY軸方向の中間位置からZ軸方向に突出している。4つのコア40Aは、X軸方向およびZ軸方向に組み合わせ可能に構成されている。4つコア40AのZ軸方向への組み合わせは、上下に配置されたコア40Aの中脚44,44の先端同士、外脚42,42の先端同士を突き合わせることにより行うことができる。なお、中脚44,44の先端同士の間には、ギャップを持たせてもよい。
【0093】
本実施形態では、4つのコア40Aを組み合わせた状態において、Z軸方向に接続された各コア40Aの中脚44に第1コイル20および第2コイル30が上下に配置または巻回される。すなわち、各コア40Aの中脚44は、コイル20,30を配置または巻回するための巻回部43となる。
【0094】
図8に示すように、第1コイル20および第2コイル30は、各コア40Aの中脚44の周囲に、Z軸方向に所定の間隔で配置される。図示の例では、4つのコア40Aのうち、上方に配置された2つのコア40Aの中脚44,44の外周に、第1コイル20が配置され、下方に配置された2つのコア40Aの中脚44,44の外周に、第2コイル30が配置されている。ただし、コイル20,30の位置は図示の例に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、第2コイル30が下方に配置された下方に配置された2つのコア40Aのベース41に載置されていてもよい。
【0095】
4つのコア40Aは、各々の巻回部43に第1コイル20および第2コイル30が配置された状態で、ケース80Aの内部に配置される。第1コイル20および第2コイル30は、ケース80Aの内部に収容され、ケース80Aの内部に充填された樹脂90によって全体が覆われる。なお、上方に配置された2つのコア40Aについては、樹脂90の上方から一部露出している。
【0096】
図7に示すように、ケース80Aは、端子台設置部82a_1,82a_2が、側壁82の第2面822および第4面824に形成されているという点において、第1実施形態におけるケース80とは異なる。端子台設置部82a_1と端子台設置部82a_2とはX軸方向に対向して配置されており、
図6に示すように、これらの位置に配置される端子台50および端子台60についても、X軸方向に対向して配置される。
【0097】
第1ワイヤ22の一対の第1リード部22a,22aは、ケース80のX軸方向の一方側から引き出されて、端子台50に取り付けられた端子金具71,72のワイヤ接続部71a,72aに接続される。第2ワイヤ32の一対の第2リード部32a,32aは、ケース80のX軸方向の他方側から引き出されて、端子台60に取り付けられた端子金具73,74のワイヤ接続部73a,74aに接続される。
【0098】
本実施形態においても、端子台50,60はケース80のX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在になっており、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、第1コイル20および第2コイル30が上下に配置されているため、第1実施形態におけるコイル装置10に比べて、コイル装置10AのX軸方向幅を小さくすることが可能となり、コイル装置10Aの小型化を図ることができる。
【0099】
第3実施形態
図9および
図10に示す第3実施形態に係るコイル装置10Bは、以下に示す点を除いて、第2実施形態に係るコイル装置10Aと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第2実施形態のコイル装置10Aにおける各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明については一部省略する。また、ケース80Bの内部に収容される各種部材については図示を省略している。
【0100】
図9に示すように、コイル装置10Bは、ケース80Bを有する。ケース80Bは、端子台50B,60Bを有するという点において、第2実施形態におけるケース80Aとは異なる。すなわち、第2実施形態では、端子台50,60がケース80Aとは別体で構成されていたのに対して、本実施形態では、ケース80Bに端子台50B,60Bが一体的に形成されている。以下に示すように、本実施形態では、端子台50B,60Bの位置が固定されている代わりに、端子台50B,60Bに取り付けられた端子金具71~74がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在になっている。
【0101】
端子台50Bは側壁82のX軸方向の一方側(第2面822)に形成されており、端子台60Bは側壁82のX軸方向の他方側(第4面824)に形成されている。図示の例では、端子台50B,60Bは、側壁82の上端に形成されているが、端子台50B,60Bの形成位置(高さ)は適宜変更してもよい。
【0102】
端子台50B,60Bは、X軸方向の外側に向かって所定長で突出しており、Y軸方向に所定幅を有する。端子台50Bは、台本体51Bと、端子取付部53,53と、端子溝54B,54Bと、嵌合溝55B,55Bと、取付孔56,56とを有し、貫通孔52に相当する構成については具備していない。また、端子台60Bは、台本体61Bと、端子取付部63,63と、端子溝64B,64Bと、嵌合溝65B,65Bと、取付孔66,66とを有し、貫通孔62に相当する構成については具備していない。端子台50Bと端子台60Bとは同一の構成を有するため、以下では、重複説明を防止するため、端子台50Bの構成についてのみ説明する。
【0103】
また、以下では、端子金具71~74のフック部71b~74bのうち、Z軸方向の下方に向かって延びておりX軸方向に関して幅狭となっている部分を幅狭部71b1~74b1と呼び、X軸方向の外側に向かって延びておりX軸方向に関して幅広となっている部分を幅広部71b2~74b2と呼ぶ。
【0104】
端子溝54B,54Bは、第1実施形態における端子溝54,54(
図3)とは異なり、X軸方向およびY軸方向の双方に関して内壁により閉塞された(囲まれた)溝となっている。端子溝54B,54Bは、第1実施形態における端子溝54,54(
図3)に比べて、そのX軸方向およびY軸方向の各方向の溝幅が大きくなるように形成されている。端子溝54B,54BのX軸方向幅は、端子金具71,72のフック部71b,72b(幅狭部71b1,72b1)のX軸方向幅よりも大きくなっており、端子溝54B,54BのY軸方向幅は、端子金具71,72のフック部71b,72b(幅狭部71b1,72b1)のY軸方向幅(端子金具71,72の板厚)よりも大きくなっている。そのため、端子溝54B,54Bにフック部71b,72bが差し込まれた状態では、
図10に示すように、フック部71b,72bと端子溝54B,54Bの内壁との間に隙間G3が形成される。
【0105】
また、嵌合溝55B,55Bは、第1実施形態における嵌合溝55,55(
図3)に比べて、そのX軸方向およびY軸方向の各方向の溝幅が大きくなるように形成されている。
図9に示すように、嵌合溝55B,55BのX軸方向幅は、端子金具71,72の差込凸部71f,72fのX軸方向幅よりも大きくなっており、嵌合溝55B,55BのY軸方向幅は、端子金具71,72の差込凸部71f,72fのY軸方向幅(端子金具71,72の板厚)よりも大きくなっている。そのため、嵌合溝55B,55Bに差込凸部71f,72fが差し込まれた状態では、
図10に示すように、差込凸部71f,72fと嵌合溝55B,55Bの内壁との間に隙間G4が形成される。
【0106】
端子溝54B,54Bの内部において、フック部71b,72bは隙間G3の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。また、嵌合溝55B,55Bの内部において、差込凸部71f,72fは隙間G4の範囲内で、X軸方向およびY軸方向に自在に移動することができる。結果として、本実施形態では、端子金具71,72が、ケース80BのX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在となっている。また、第1実施形態と同様に、端子金具71,72は、ケース80BのZ軸方向にも移動自在となっている。
【0107】
なお、フック部71b,72bの幅広部71b2,72b2のX軸方向幅は、端子溝54B,54BのX軸方向幅よりも大きくなっており、これによりフック部71b,72bが端子溝54B,54Bから抜けることを防止することが可能となっている。幅広部71b2,72b2の一部は、端子台50Bの内部に形成された溝(図示略)の内部に配置されており、当該溝の内部をXYZの各軸に沿って自在に移動することができる。なお、端子台50Bに対する端子金具71,72の抜け止めは、差込凸部71f,72fに具備されていてもよく、あるいはフック部71b,72bおよび差込凸部71f,72fの両方に具備されていてもよい。
【0108】
図示の例では、隙間G3,G4の各々のX軸方向幅は同一となっているが、異なっていてもよい。また、隙間G3,G4の各々のY軸方向幅は同一となっているが、異なっていてもよい。隙間G3,G4のX軸方向幅およびY軸方向幅については、ケース80Bに対する端子金具71,72のX軸方向およびY軸方向への移動予定量に応じて適宜決定すればよい。
【0109】
以上で示した構成は端子台60Bにも同様に備わっており、端子溝64B,64Bの内部において、フック部73b,74bは隙間G3の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。また、嵌合溝65B,65Bの内部において、差込凸部73f,74fは隙間G4の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。結果として、本実施形態では、端子金具73,74についても、ケース80BのX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在となっている。また、第1実施形態と同様に、端子金具73,74は、ケース80BのZ軸方向にも移動自在となっている。
【0110】
本実施形態においても第2実施形態と同様の効果が得らえる。特に、本実施形態では、端子台50B,60Bは、ケース80Bに一体的に形成されているため、ケース80Bに対してX軸方向およびY軸方向の双方に相対移動することはないが、端子金具71~74自体がケース80Bに対してX軸方向およびY軸方向の双方に自在に相対移動する。そのため、
図1に示す回路基板100などの基板とコイル装置10Bとをラフに位置決めした後、ケース80Bに対して端子金具71~74を相対移動させるのみで、端子金具71~74の挿通孔71d~74dと回路基板100の取付孔102とを正確に位置決めすることができる。したがって、ビス104などの締結具を用いて、回路基板100の回路パターンと各端子金具71~74とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
【0111】
第4実施形態
図11~
図13Bに示す第4実施形態に係るコイル装置10Cは、以下に示す点を除いて、第2実施形態に係るコイル装置10Aと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第2実施形態のコイル装置10Aにおける各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明については一部省略する。
【0112】
図11に示すように、コイル装置10Cは、ケース80Cと、端子台50C,60Cとを有する。ケース80Cは、緩嵌合凸部83aCを有するという点において、第2実施形態におけるケース80Aとは異なる。緩嵌合凸部83aCは、略角柱形状からなる凸形状を有し、端子台設置部82a_1,82a_2から、X軸方向の外側に向かって突出している。本実施形態における緩嵌合凸部83aCは、第2実施形態における緩嵌合凸部83aとは異なり、主凸部83a1および副凸部83a2の2つの部分で構成されてはおらず、単一の突出体からなる。
【0113】
端子金具71~74は、端子台50C,60Cに圧入またはインサート成形されている。端子金具71~74のフック部71b~74bおよび差込凸部71f~74fは端子台50C,60Cの内部に埋め込まれており、端子金具71~74は端子台50C,60Cに対して一体となっている。
【0114】
端子台50C,60Cは、緩嵌合凹部52aC,62aCを有する貫通孔52C,62Cを具備するという点において、第2実施形態における端子台50,60とは異なる。
図12に示すように、緩嵌合凹部52aCのY軸方向幅は、緩嵌合凸部83aCのY軸方向幅よりも大きくなっている。また、緩嵌合凹部52aCのZ軸方向幅は、緩嵌合凸部83aCのZ軸方向幅よりも大きくなっている。そのため、緩嵌合凹部52aCに緩嵌合凸部83aCが取り付けられた状態では、緩嵌合凸部83aCと緩嵌合凹部52aCの内壁との間に、緩嵌合凸部83aCの周囲を取り囲むように隙間G5が形成される。そのため、緩嵌合凹部52aCの内部において、緩嵌合凸部83aCは隙間G5の範囲内でY軸方向およびZ軸方向の双方に移動可能に挿入され、端子台50Cはケース80CのY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在となっている。この点は、端子台60Cについても同様である。
【0115】
また、詳細な図示は省略するが、第1実施形態と同様に、緩嵌合凸部83aCの底面には単一の抜け止め溝(
図2の抜け止め溝84を参照)が形成されており、この抜け止め溝に
図11に示す端子台60のストッパ凸部62a4が係合する。抜け止め溝のX軸方向幅はストッパ凸部62a4のX軸方向幅よりも大きくなっており、これらが係合した状態において、抜け止め溝の内壁とストッパ凸部62a4との間には、X軸方向に沿った隙間が形成される。したがって、ストッパ凸部62a4が抜け止め溝に係合した状態において、ストッパ凸部62a4(端子台60)は、この隙間の範囲内で、ケース80CのX軸方向にも移動自在になっている。この点は、端子台50Cについても同様である。
【0116】
なお、
図12に示す例では、緩嵌合凸部83aCは緩嵌合凹部52aCの内部空間においてその内壁に接触することなく浮いた状態で固定されているが、緩嵌合凸部83aCは緩嵌合凹部52aCの内壁(上側の内壁または下側の内壁)に接触した状態で固定されていてもよい。
【0117】
本実施形態においても第2実施形態と同様の効果が得られる。特に、本実施形態では、端子台50C,60Cがケース80CのZ軸方向に移動自在である。そのため、ケース80Cに対して端子台50C,60CをZ軸方向に相対移動させると、端子台50C,60Cに取り付けられた端子金具71~74が同方向に移動し、端子金具71~74(挿通孔71d~74d)と
図1に示す回路基板100の接続位置(取付孔102)とをZ軸方向に自在に調整することが可能となる。したがって、端子金具71~74と回路基板100とをZ軸方向に関しても正確に位置決めして接続することができる。
【0118】
また、本実施形態では、端子金具71~74が端子台50C,60Cに一体成形されている。そのため、端子台50C,60Cの成形後に端子台50C,60Cに対して端子金具71~74を嵌め込む工程を省略することが可能となり、コイル装置10Cの製造が容易になる。
【0119】
なお、
図11に示す例では、緩嵌合凸部83aCはX軸方向の外方に向かって突出しているが、緩嵌合凸部83aCの突出方向はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、
図13Aに示すケース80C’には、Z軸方向の外方に向かって突出する緩嵌合凸部83aC’が形成されている。緩嵌合凸部83aC’と端子台設置部82a_1または82a_2とは延長部82a1によって接続されており、緩嵌合凸部83aC’は延長部82a1の上面からZ軸方向に沿って延びている。端子台50Cの緩嵌合凹部52aCに緩嵌合凸部83aC’を入り込ませたときに、延長部82a1に端子台50Cを載置することが可能となっている。
【0120】
詳細な図示は省略するが、端子台50C(60C)にZ軸方向に延びる緩嵌合凹部52aC(62aC)を形成し、当該緩嵌合凹部52aC(62aC)の内部に緩嵌合凸部83aC’を入り込ませることにより、端子台50C(60C)をZ軸方向に沿って移動自在にケース80C’に取り付けることができる。また、当該緩嵌合凹部52aC(62aC)のX軸方向幅およびY軸方向幅を緩嵌合凸部83aC’のX軸方向幅およびY軸方向幅よりも大きくしておくことにより、端子台50C(60C)をX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在にケース80C’に取り付けることができる。
【0121】
また、
図13Bに示すケース80C’’には、Y軸方向の外方に向かって突出する緩嵌合凸部83aC’’が形成されている。緩嵌合凸部83aC’’は、X軸方向に所定長だけ延在する部分と、同部分に対して略垂直方向に延びる部分とを有する。
【0122】
詳細な図示は省略するが、端子台50C(60C)にY軸方向に延びる緩嵌合凹部52a(62a)を形成し、当該緩嵌合凹部52a(62a)の内部に緩嵌合凸部83aC’’を入り込ませることにより、端子台50C(60C)をY軸方向に沿って移動自在にケース80C’’に取り付けることができる。また、当該緩嵌合凹部52a(62a)のX軸方向幅およびZ軸方向幅を緩嵌合凸部83aC’’のX軸方向幅およびZ軸方向幅よりも大きくしておくことにより、端子台50C(60C)をX軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在にケース80C’’に取り付けることができる。
【0123】
第5実施形態
図14および
図15に示す第5実施形態に係るコイル装置10Dは、以下に示す点を除いて、第4実施形態に係るコイル装置10Cと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第4実施形態のコイル装置10Cにおける各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明については一部省略する。
【0124】
図14に示すように、コイル装置10Dは、ケース80Dとストッパ壁部90とを有する。本実施形態におけるコイル装置10Dでは、ストッパ壁部90によって、ケース80Dに対する端子台50C,60Cの抜け止めが行われる。
【0125】
ケース80Dは、緩嵌合凸部83aDを有するという点において、第4実施形態におけるケース80Cとは異なる。緩嵌合凸部83aDの内部には、挿通孔85が形成されている。挿通孔85は緩嵌合凸部83aDの長手方向(X軸方向)に沿って延びており、挿通孔85のX軸方向の長さは後述するストッパ壁部90の嵌合部92の長さよりも長くなっている。挿通孔85の内部には、ストッパ壁部90の嵌合部92を挿入させることが可能となっている。
【0126】
ストッパ壁部90は、緩嵌合凹部52Cの内部に入り込んだ緩嵌合凸部83aDに取り付けられ、ケース80Dに対する端子台50Cの抜け止めとして機能する。ストッパ壁部90は、壁部91と嵌合部92とを有する。壁部91は略平板形状を有し、壁部91のX軸方向の各面の面積は緩嵌合凹部52aDの取付凹部52bの開口面積よりも大きくなっている。
【0127】
嵌合部92は、壁部91のX軸方向の内側の面に形成されており、X軸方向の内側に向かって突出している。嵌合部92は、中実形状を有し、緩嵌合凹部52aCの内部に緩嵌合凸部83aDが配置された状態において、挿通孔85の内部に挿入され、緩嵌合凸部83aDと嵌合する。
【0128】
嵌合部92が緩嵌合凸部83aDと嵌合した状態では、端子台50Cは端子台設置部82a_1と壁部91によって挟まれるように配置される。端子台50Cは、この端子台設置部82a_1と壁部91との間の範囲内において、X軸方向に移動自在となっている。端子台50CがX軸方向の外側に向けて所定量だけ移動すると、端子台50Cの取付凹部52bの周辺部が壁部91に接触し、その接触位置よりもX軸方向の外側への端子台50Cの移動が阻止される。これにより、壁部91によって、ケース80Dに対して端子台50CがX軸方向の外側に抜けることを防止することが可能となっている。
【0129】
本実施形態においても第4実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、嵌合部92を緩嵌合凸部83aD(挿通孔85)に嵌合させることにより、緩嵌合凸部83aDを緩嵌合凹部52aCに対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部90によりケース80Dに対する端子台50C,60Cの抜け止めを行うことができる。
【0130】
なお、ストッパ壁部90と緩嵌合凸部83aDとを嵌合部92を介して接続する代わりに、ストッパ壁部90と緩嵌合凸部83aDとを樹脂(例えば、ペースト状の充填剤あるいは接着剤)で接続してもよい。この場合、ストッパ壁部90の形状は、緩嵌合凹部52aCの内部に入り込んだ緩嵌合凸部83aDに樹脂を介して取り付けることができるのであれば、特に限定されるものではない。ストッパ壁部90を緩嵌合凸部83aDに樹脂で接続することにより、緩嵌合凸部83aDを緩嵌合凹部52aCに対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部90によりケース80Dに対する端子台50C,60Cの抜け止めを行うことができる。
【0131】
第6実施形態
図16および
図17に示す第6実施形態に係るコイル装置10Eは、以下に示す点を除いて、第4実施形態に係るコイル装置10Cと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図面において、第4実施形態のコイル装置10Cにおける各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明については一部省略する。
【0132】
図16に示すように、コイル装置10Eは、ケース80Eと、端子台50E,50Eと、端子台60E,60Eとを有する。本実施形態では、4つの端子台50E,50E,60E,60Eの各々に対して、4つの端子金具71~74の各々が取り付けられており、端子金具毎に端子台が具備されている。
【0133】
ケース80Eは、端子台設置部82a_1に2つの緩嵌合凸部83aC,83aCが形成され、端子台設置部82a_2に2つの緩嵌合凸部83aC,83aCが形成されているという点において、第4実施形態におけるケース80Cとは異なる。2つの緩嵌合凸部83aC,83aCは、それぞれY軸方向に所定の間隔で配置されており、互いに略平行となるように、端子台設置部82a_1または82a_2からX軸方向の外側に向かって延びている。
【0134】
2つの端子台50E,50Eの各々には、台本体51E、貫通孔52Cおよび取付孔56が形成されている。一方の端子台50Eには端子金具71が一体成形されており、他方の端子台50Eには端子金具72が一体成形されている。
【0135】
2つの端子台60E,60Eの各々には、台本体61E、貫通孔62Cおよび取付孔66が形成されている。一方の端子台60Eには端子金具73が一体成形されており、他方の端子台60Eには端子金具74が一体成形されている。
【0136】
図17に示すように、Y軸方向の一方側に配置された端子台50Eの緩嵌合凹部52aCの内部には、端子台設置部82a_1のY軸方向の一方側に形成された緩嵌合凸部83aCが入り込む。Y軸方向の他方側に配置された端子台50Eの緩嵌合凹部52aCの内部には、端子台設置部82a_1のY軸方向の他方側に形成された緩嵌合凸部83aCが入り込む。この状態において、緩嵌合凹部52aCの内部において、緩嵌合凸部83aCは隙間G5の範囲内でY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在となっており、またX軸方向にも移動自在となっている。したがって、本実施形態においても、2つの端子台50E,50Eの各々は、ケース80EのX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在となっている。また、2つの端子台60E,60Eの各々についても同様に、ケース80EのX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在となっている。
【0137】
本実施形態においても、第4実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、4つの端子台50E,50E,60E,60Eの各々に対して、4つの端子金具71~74の各々が取り付けられている。そのため、端子台50E(60E)毎に独立して、ケース80Eに対して端子金具71~74を相対移動させることが可能となり、端子金具71~74の挿通孔71d~74dと回路基板100の取付孔102とを端子金具71~74毎に正確に位置決めできる。したがって、ビス104などの締結具を用いて、回路基板100の回路パターンと端子金具71~74とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
【0138】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0139】
上記各実施形態では、本発明に係るコイル装置のトランスへの適用例について示したが、例えばリアクトル等、他の電子部品に本発明を適用してもよい。
【0140】
上記第1実施形態では、
図2に示すように、2つのコア40は、それぞれ略U字形状からなるコア(U型コア)で構成されていたが、コア40の形状はこれに限定されるものではなく、略E字形状あるいはその他の形状からなるコアで構成されていてもよい。また、一方のコア40をU型コアで構成し、他方のコア40をI字形状からなるコア(I型コア)で構成し、これらを組み合わせてEI型のコアを構成してもよい。上記第2実施形態についても同様であり、コア40Aの形状については適宜変更してもよい。
【0141】
上記第1実施形態において、端子台設置部82a_1,82a_2は側壁82の第1面821および第3面823に形成されていたが、端子台設置部82a_1,82a_2の配置位置については適宜変更してもよい。例えば、端子台設置部82a_1,82a_2は、それぞれ側壁82の同一の面(例えば、第1面821のみ)に配置されていてもよく、あるいは隣接する面に(例えば、第1面821と第2面822)配置されていてもよい。
【0142】
上記第1実施形態では、ケース80に緩嵌合凸部83aが形成され、端子台50,60に緩嵌合凹部52a,62aが形成されていたが、ケース80に緩嵌合凹部を形成し、端子台50,60に緩嵌合凸部を形成してもよい。この場合も同様の効果を得ることができる。上記第2実施形態および第4実施形態~第6実施形態についても同様である。
【0143】
上記第2実施形態において、第1コイル部20および第2コイル部30は、径方向に沿って、それぞれ内側および外側に配置されていてもよい。
【0144】
上記第1実施形態において、ケース80には、2つの端子台50,60が取り付けられていたが、ケース80に取り付けられる端子台の数はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、ケース80には端子台が1つだけ取り付けられてもよい。上記第2実施形態~第6実施形態についても同様である。
【0145】
上記第3実施形態に示す技術を上記第1実施形態、第2実施形態および第4~6実施形態に適用し、端子台50,60に加えて、端子金具71~74についてもケース80のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在としてもよい。
【0146】
上記第4実施形態に示す技術を上記第1実施形態および第2実施形態に適用し、端子台50,60をケース80のXYZの各軸方向に移動自在に構成してもよい。
【0147】
上記第5実施形態に示す技術を上記第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態および第6実施形態に適用し、ストッパ壁部90によってケース80に対する端子台50,60の抜け止めを行ってもよい。
【0148】
上記第6実施形態に示す技術を上記第1実施形態~第5実施形態に適用し、端子71~端子74毎に端子台を具備させてもよい。
【0149】
上記各実施形態において、ワイヤ22,32については、丸線あるいは平角線等の種々のワイヤで構成されてもよい。平角線ワイヤを用いる場合には、エッジワイズあるいはフラットワイズのいずれタイプのワイヤを用いることができる。また、ワイヤ22,32に代えて、例えば銅板等からなる板状導体を用いてもよい。
【0150】
上記各実施形態では、
図1に示すコイル装置10の接続対象(取付対象)として回路基板100を例示したが、例えばコネクタ等にコイル装置10を取り付けてもよい。
【0151】
上記第各実施形態において、挿通孔71d~74dを
図1に示すビス104と螺合するねじ穴で形成してもよい。
【符号の説明】
【0152】
10,10A~10E…コイル装置
20…第1コイル
22…第1ワイヤ
22a…第1リード部
30…第2コイル
32…第2ワイヤ
32a…第2リード部
40,40A…コア
41…ベース
42…外脚
43…巻回部
44…中脚
50,50B,50C,50E,60,60B,60C,60E…端子台
51,51B,51C,51E,61,61B,61C,61E…台本体
52,52C,62,62C…貫通孔
52a,52aC,62a,62aC…緩嵌合凹部
52a1,62a1…主凹部
52a2,62a2…副凹部
62a3…支持片
62a4…ストッパ凸部
52b,62b…取付凹部
53,63…端子取付部
54,54B,64,64B…端子溝
540…挟持部
55,55B,65,65B…嵌合溝
56,66…取付孔
57,67…ナット
58,68…内カバー
71~74…端子金具(端子)
71a~74a…ワイヤ接続部
71b~74b…フック部
71c~74c…取付部
71d~74d…挿通孔
71e~74e…連結部
71f~74f…差込凸部
80,80B,80C,80C’,80C’’,80D,80E…ケース
81…底面
82…側壁
82a_1,82a_2…端子台設置部
82a1…延長部
83a,83aC,83aC’,83aC’’,83aD…緩嵌合凸部
83a1…主凸部
83a2…副凸部
84…抜け止め溝
85…挿通孔
90…ストッパ壁部
91…壁部
92…嵌合部
100…回路基板
102…取付孔
104…ビス
110…樹脂