(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】全周モップ
(51)【国際特許分類】
A47L 13/256 20060101AFI20241128BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A47L13/256
A47L13/24 A
A47L13/24 B
(21)【出願番号】P 2020219098
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】西村 和竹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 拓未
(72)【発明者】
【氏名】足立 知志
(72)【発明者】
【氏名】長崎 里佳
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0107537(US,A1)
【文献】特開2002-065545(JP,A)
【文献】特開2018-047021(JP,A)
【文献】特開2006-180931(JP,A)
【文献】特開平10-304997(JP,A)
【文献】特開2010-158390(JP,A)
【文献】特開2011-161162(JP,A)
【文献】特開2004-305402(JP,A)
【文献】特開2003-111708(JP,A)
【文献】実公昭36-001073(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L13/24
A47L13/254
A47L13/256
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略筒状の払拭部と、前記払拭部を支持する柄部と、を有しており、
前記払拭部は、全長に渡って延びた第1間隙を有する断面略円弧状の保持体と、前記保持体を覆ったモップ布地と、を有しており、
前記モップ布地は、
前記保持体が挿入される筒状の形態を有しており、前記払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、前記保持体
の外周面を覆っており、
前記柄部は、前記モップ布地で覆われた前記保持体に対して、前記第1間隙を押し開くように通って内嵌し
ており、前記柄部を前記払拭部に取り付けるための、取付体と、前記取付体に回動可能に連結された柄本体と、を有しており、
前記柄本体は、前記第1間隙を通って回動することによって、前記払拭部と共にT字形状態とI字形状態と
、前記T字形状態と前記I字形状態との間の任意状態とを呈するように、前記払拭部に対して180度変位可能であ
り、
前記取付体は、全長に渡って延びた第2間隙を有する断面円弧状の形態を有しており、前記保持体に内嵌した状態において前記第2間隙が前記第1間隙と同一直線上に並ぶようになっており、
前記柄本体は、前記第1間隙及び前記第2間隙を通って回動するようになっており、
前記モップ布地は、前記取付体と前記保持体の内面との間に挟持されている、
ことを特徴とする全周モップ。
【請求項2】
前記保持体は、底部に、平面状の座面を、有しており、
前記取付体は、前記保持体の前記座面に当接可能な平面部を有する形態を、有している、
請求項1に記載の全周モップ。
【請求項3】
前記保持体は、前記座面に、固定用凸部を有しており、
前記取付体は、前記平面部の端辺に、前記保持体の前記固定用凸部に嵌合可能な切欠き部を、有しており、
前記取付体は、前記切欠き部が前記固定用凸部に嵌合すると、前記保持体に対して、長手方向に沿った前後方向に移動不能となるようになっている、
請求項2記載の全周モップ。
【請求項4】
前記取付体は、前記柄本体との連結用凸片を有しており、
前記連結用凸片は、回動軸用貫通孔を有しており、
前記柄本体は、二股構造を有する基端部の先端が前記連結用凸片を挟んだ状態で、前記基端部の先端の内側に対向して形成されている一対の軸用凸部が前記回動軸用貫通孔に両側から回動摺動可能に嵌ることによって、前記取付体に回動可能に連結されている、
請求項1~3のいずれか一つに記載の全周モップ。
【請求項5】
前記モップ布地は、表面にパイルを有するパイル部と、パイルを有していない非パイル部と、を有しており、
前記非パイル部は、前記第1間隙を通って前記保持体の内面に当接しており、
前記パイル部は、前記保持体の外周面を覆っている、
請求項1~4のいずれか一つに記載の全周モップ。
【請求項6】
前記柄本体は、前記払拭部の近傍の一部分が弾性的に構成されており、該部分によって、前記第1間隙の延在方向に対する直交方向に沿って屈曲可能となっている、
請求項1~5のいずれか一つに記載の全周モップ。
【請求項7】
前記モップ布地の前記パイル部は、前記保持体との間に遊びを有する状態で、前記保持体を覆うように、構成されている、
請求項5記載の全周モップ。
【請求項8】
前記モップ布地は、前記パイル部と前記非パイル部との境界に、前記パイル部の一部が前記パイル側にループ状に突出してなるパイルループ部を、有している、
請求項5又は7に記載の全周モップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように構成された所謂「全周モップ」に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモップは、一般に、次のような構成を有している。
(1)払拭部の下面側にパイルが設けられている。
(2)払拭部の上面側の中央に、柄と連結するための連結部が突出して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4643819号公報
【文献】特許第5552372号公報
【文献】特開平10-328108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記(1)の構成では、払拭部の上面が活用されていないため、清掃効率の向上に限界があった。
【0005】
上記(2)の構成では、上下又は左右が狭い隙間を清掃しようとすると、次のような不具合があった。
(a)連結部が邪魔になって、払拭部を隙間に挿入できず、それ故、隙間を清掃できない。
(b)連結部が隙間を構成している家具等に当たり、家具等が傷付いてしまう。
【0006】
本発明は、全周のパイルを使用することによって、清掃効率の向上を図ることができるとともに、狭い隙間でも効果的に清掃できる、モップを、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の全周モップは、略筒状の払拭部と、前記払拭部を支持する柄部と、を有しており、
前記払拭部は、全長に渡って延びた第1間隙を有する断面略円弧状の保持体と、前記保持体を覆ったモップ布地と、を有しており、
前記モップ布地は、前記保持体が挿入される筒状の形態であって、前記払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、前記保持体の外周面を覆っており、
前記柄部は、前記モップ布地で覆われた前記保持体に対して、前記第1間隙を押し開くように通って内嵌しており、前記柄部を前記払拭部に取り付けるための、取付体と、前記取付体に回動可能に連結された柄本体と、を有しており、
前記柄本体は、前記第1間隙を通って回動することによって、前記払拭部と共にT字形状態とI字形状態と、前記T字形状態と前記I字形状態との間の任意状態とを呈するように、前記払拭部に対して180度変位可能であり、
前記取付体は、全長に渡って延びた第2間隙を有する断面円弧状の形態を有しており、前記保持体に内嵌した状態において前記第2間隙が前記第1間隙と同一直線上に並ぶようになっており、
前記柄本体は、前記第1間隙及び前記第2間隙を通って回動するようになっており、
前記モップ布地は、前記取付体と前記保持体の内周面との間に挟持されている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、略筒状の払拭部の略全周面をパイルが覆っているので、略全周面を清掃に使用できる。したがって、清掃効率を向上できる。特に、I字形状態によれば、払拭部の上面側を容易に清掃に使用できるので、清掃効率を向上でき、また、狭い隙間でも効果的に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態の全周モップの全体を示す斜視図である。
【
図6】モップ布地が取り外された全周モップの全体を示す斜視図である。
【
図9】
図7で示された部分の更なる分解斜視図である。
【
図12】取付体の切欠き部が保持体の突起部に嵌合した状態を示す平面部分図である。
【0010】
【
図18】I字形状態の全周モップの部分側面図である。
【
図19】本発明の第2実施形態であって第1実施形態の
図7に対応する図である。
【
図20】第2実施形態において第1実施形態の
図15に対応する図である。
【
図21】第2実施形態の全周モップの一使用状態を示す図である。
【
図22】本発明の第3実施形態であって第1実施形態の
図4に対応する図である。
【
図23】第3実施形態の全周モップの使用状態を示す図である。
【
図24】本発明の第4実施形態であって第1実施形態の
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態の全周モップの全体を示す斜視図である。この全周モップ10は、略筒状の払拭部2と、払拭部2を支持する柄部3と、を有している。
図2は、
図1の一部拡大図である。
図3は、払拭部2の平面図である。
図4は、
図3のIV-IV断面図である。
図5は、
図2で示された部分の分解斜視図である。払拭部2は、保持体5とモップ布地6とを有している。モップ布地6は、払拭部2の外周面略全体に渡ってパイルが存在するように、保持体5を覆っている。それ故、
図1のモップは「全周モップ」と称している。柄部3は、取付体7と柄本体8とを有している。柄本体8は、基端部80にて取付体7に連結している。
【0012】
モップ布地6は保持体5に対して着脱自在となっている。取付体7は、保持体5に対して着脱自在となっている。
図6は、モップ布地6が取り外された全周モップ10の全体を示す斜視図である。
図7は、
図6の一部拡大図である。
図8及び
図9は、
図7で示された部分の分解斜視図である。
【0013】
保持体5は、
図5に示されるように、略筒状の形態を有する部材であり、長手方向Yの全長に渡って直線状に延びた第1間隙51を有しており、断面略円弧状の形態を有しており、底部に平面状の座面55を有している。座面55は、長手方向Yの全長に渡って延びている。なお、長手方向Yに対して直交する方向は、幅方向X(
図3)とする。
図10は、
図8のX矢視部分拡大図である。保持体5は、端部近傍の座面55に、固定用凸部53を、有している。凸部53は、座面55から切り起こされた舌部531と、舌部531の先端上に形成された突起部532と、からなっており、突起部532が座面55表面より低い位置から、舌部531の先端面5311が座面55表面から露出する位置まで、舌部531の基端部5312を支点として上下動可能となっている。
【0014】
取付体7は、
図9に示されるように、略筒状の形態を有する部材であり、長手方向Yの全長に渡って直線状に延びた第2間隙71を有しており、断面略円弧状の形態を有しており、底部に平面部75を有している。平面部75は、長手方向Yの全長に渡って延びている。取付体7の全長は、保持体5の全長よりも少しだけ短く設定されている。
図11は、
図8のXI矢視部分拡大図である。取付体7は、端部に、切欠き部73を、有している。切欠き部73は、端部に開口している小幅部731と、小幅部731に続く大幅部732と、からなっている。取付体7は、第1間隙51を押し開くように通して保持体5の内部に内嵌させた後、(a)平面部75を座面55に当接させた状態で長手方向Yに沿ってスライドさせ、
図12に示されるように、切欠き部73を長手方向Yに沿ってスライドさせながら凸部53に嵌合させることによって、又は、(b)平面部75を上方から座面55に当接させるとともに切欠き部73を上方から凸部53に嵌合させることによって、保持体5に取り付けられる。取付体7は、保持体5に内嵌した状態において第2間隙71が第1間隙51と同一直線上に並ぶようになっている。この直線は、長手方向Yに沿っている。
【0015】
図13は、
図12のXIII-XIII断面図である。切欠き部73が凸部53に嵌合すると、大幅部732の後縁7321が突起部532の後面5321に後方から略当接するので、取付体7は、保持体5に対して前方への移動が阻止される。一方、切欠き部73が凸部53に嵌合すると、小幅部731の両側の張出部7311が舌部531の先端面5311に前方から略当接するので、取付体7は、保持体5に対して後方への移動が阻止される。すなわち、切欠き部73を凸部53に嵌合すると、取付体7は、保持体5に対して、スライド方向(Y方向)に沿った前後方向に移動不能となるようになっている。また、切欠き部73が凸部53に嵌合すると、小幅部731が突起部532を幅方向両側から挟持した状態となるので、取付体7は、保持体5に対して幅方向への移動が阻止される。また、取付体7が保持体5に取り付けられると、平面部75が座面55に重なるので、これによっても、取付体7が保持体5に対して幅方向へ移動するのが阻止される。すなわち、切欠き部73を凸部53に嵌合すると、取付体7は、保持体5に対して、幅方向(X方向)に移動不能となるようになっている。なお、保持体5に取り付けられた取付体7は、第1間隙51を押し開くように通して保持体5の内部に内嵌されているので、保持体5に対して、上方向に移動不能となっている。
【0016】
図14は、
図7のXIV矢視図である。
図15は、
図14のXV矢視図である。
図16は、
図14のXVI-XVI断面図である。
図17は、
図15のXVII-XVII断面図である。取付体7は、柄本体8の基端部80との連結用凸片74を有している。凸片74は、取付体7の底面の長手方向Yの中央且つ幅方向Xの中央から、上向きに突出している。基端部80は、
図16に示されるように、先端801が二股構造を有しており、先端801の内側に、対向して形成されている一対の軸用凸部803を有している。一方、連結用凸片74は、回動軸用貫通孔741を有している。そして、基端部80は、軸用凸部803が回動軸用貫通孔741に両側から回動摺動可能に嵌ることによって、取付体7に回動可能に連結されている。これにより、基端部80すなわち柄本体8は、
図14において矢印R1で示されるように、保持体5に対して180度変位可能である。すなわち、柄本体8は、第1間隙51及び第2間隙71を通って回動することによって、保持体5と共に、
図6に示されるT字形状態と、
図18に示されるI字形状態と、その間の任意状態と、を呈するようになっている。なお、連結用凸片74の突出高さH2(
図18)は、取付体7が保持体5に取り付けられた際に保持体5の第1間隙51から外に露出しない高さに、設定されており、柄本体8の基端部80の太さT(
図18)は、
図18のI字形状態になった際に、保持体5の第1間隙51から外に露出しない太さに、設定されている。すなわち、
図18のI字形状態において、連結用凸片74及び基端部80は、払拭部2の外に露出していない。
【0017】
モップ布地6は、
図5に示されるように、保持体5が挿入される筒状の形態を有している。モップ布地6の全長は、保持体5の全長より少し長い。モップ布地6は、表面にパイル611を有するパイル部61と、パイルを有していない非パイル部62と、を有している。非パイル部62は、モップ布地6の円周方向の一部に、長手方向Yの全長に渡って、設けられている。非パイル部62の長手方向Yの両端の近傍には、開口621が設けられている。開口621は、モップ布地6に挿入された保持体5の固定用凸部53が非パイル部62から露出する位置に、形成されている。保持体5がモップ布地6に挿入されて、取付体7が保持体5に取り付けられると、
図1~4に示されるように、非パイル部62は、取付体7に押されて第1間隙51を通って保持体5の内面に当接し、パイル部61は、保持体5の外周面を覆う。よって、取付体7が取り付けられた払拭部2は、保持体5の第1間隙51をそのまま有しており、第1間隙51は、取付体7の第2間隙71と同一直線上に並んでいる。
【0018】
(作用効果)
(1)略筒状の払拭部2の略全周面、正確には第1間隙51の部分を除いた外周面を、パイル611が覆っているので、略全周面を清掃に使用できる。したがって、清掃効率を向上できる。特に、
図18のI字形状態によれば、払拭部2の上面側を容易に清掃に使用できるので、清掃効率を向上でき、また、狭い隙間でも効果的に清掃できる。
【0019】
(2)
図18のI字形状態においては、連結用凸片74及び基端部80が払拭部2の外に露出していないので、払拭部2の上面側を清掃に使用する際に、連結用凸片74及び基端部80が周囲の家具を傷つけたり清掃作業の邪魔になったりすることはない。したがって、狭い隙間であっても、周囲の家具等を傷付けることなく、効果的に清掃できる。
【0020】
(3)保持体5に取り付けられた取付体7は、保持体5に内嵌しているだけでなく、切欠き部73を凸部53に嵌合しているので、長手方向Yにも幅方向Xにも移動不能となっている。よって、清掃作業中に払拭部2に対して柄部3が不安定になることはない。したがって、清掃作業を安定して行うことができる。
【0021】
(4)モップ布地6に保持体5を挿入し、取付体7を取り付けるだけで、モップ10を組み立てることができるので、組み立て作業が容易である。
【0022】
(5)取付体7を取り外すだけで、モップ布地6を保持体5から容易に取り外すことができる。よって、モップ布地6を容易に交換できる。
【0023】
(6)取付体7の連結用凸片74と、基端部80の二股構造の先端801の一対の軸用凸部803と、によって、取付体7と柄本体8との回動連結構造を実現しているので、構造が簡素である。
【0024】
(7)非パイル部62が第1間隙51を通って保持体5の内面を覆うようになっているので、取付体7は、保持体5に内嵌した際に、非パイル部62を保持体5の内面との間で強固に挟持できる。よって、保持体5を覆うモップ布地6の安定性を向上できる。
【0025】
[第2実施形態]
図19は、第1実施形態の
図7に対応する図である。本実施形態では、
図19に示されるように、基端部80の一部分81が弾性的に構成されている。部分81は、払拭部2の近傍、具体的には、二股構造の先端801の直上近傍に、位置している。部分80は、具体的には、基端部80が幅方向Xにおいて薄い板状に形成された部分である。
図20は、本実施形態において
図15に対応する図である。本実施形態では、
図20に示されるように、部分81によって、基端部80ひいては柄本体8が幅方向Xに沿って矢印R2に示されるように屈曲可能となっている。なお、本実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0026】
本実施形態によれば、
図21に示されるように、払拭部2を、容易に、周方向Rに寝かせて使用できる。よって、払拭部2の周方向Rの下面側領域S1だけでなく、側面側領域S2、S3を、清掃に使用できる。したがって、清掃効率を向上できる。
【0027】
[第3実施形態]
図22は、第1実施形態の
図4に対応する図である。本実施形態では、モップ布地6のパイル部61が、保持体5との間に遊び200を有する状態で、保持体5を覆うように、構成されている。すなわち、パイル部61の幅方向長さが、保持体5の円弧部の円周長さよりも、大きく設定されている。
【0028】
本実施形態によれば、払拭部2によって床面を清掃する際に、パイル部61が、
図23に示されるように、変位するので、次のような作用効果を発揮できる。
(a)パイル部61は、保持体5と床面との間で干渉材として機能できる。よって、保持体5が床面に直接当たるような「固い感覚」を抑制できる。
(b)パイル部61と床面との接触を、線接触ではなく面接触にできる。よって、清掃効率を向上できる。
【0029】
[第4実施形態]
図24は、第1実施形態の
図4に対応する図である。
図25は、本実施形態の払拭部2の平面図である。本実施形態では、モップ布地6が、パイル部61と非パイル部62との境界に、パイル部61の一部がパイル611側にループ状に突出してなるパイルループ部63を、有している。
【0030】
本実施形態によれば、モップ布地6を取付体7によって保持体5に固定すると、
図24及び
図25に示されるように、第1間隙51をパイルループ部63によって幅方向両側から覆うことができる。よって、パイル611が払拭部2の全周面に存在することとなる。したがって、清掃効率をより向上できる。
【0031】
なお、パイルループ部63は、
図26に示されるように、第3実施形態で採用したモップ布地6に設けてもよい。
【0032】
[別の実施形態]
(1)上記実施形態では、保持体5は座面55を有しており、取付体7は平面部75を有しているが、保持体5及び取付体7は、それらを有さない円弧状の形態を有していてもよい。
【0033】
(2)取付体7は、上記実施形態では略筒状の形態を有しているが、保持体5に内嵌できる形態を有していれば、「略筒状の形態」に限るものではなく、他の形態を有してもよい。
【0034】
(3)取付体7の全長は、上記実施形態では保持体5の全長の8割程度に設定されているが、それより長くても短くてもよい。
【0035】
(4)取付体7と柄本体8との回動連結構造は、
図14の矢印R1に示される回動が可能であるならば、上記実施形態が採用している構造に限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の全周モップは、清掃効率を向上できるとともに狭い隙間でも効果的に清掃できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0037】
2 払拭部
200 遊び
3 柄部
5 保持体
51 第1間隙
53 固定用凸部
55 座面
6 モップ布地
61 パイル部
611 パイル
62 非パイル部
63 パイルループ部
7 取付体
71 第2間隙
73 切欠き部
74 連結用凸片
741 回動軸用貫通孔
75 平面部
8 柄本体
80 基端部
801 先端
803 軸用凸部
81 部分