(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】密封容器入り発泡性経口錠剤
(51)【国際特許分類】
A61K 47/38 20060101AFI20241128BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20241128BHJP
A61K 9/46 20060101ALI20241128BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20241128BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241128BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20241128BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241128BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61K47/38
A23L5/00 A
A23L5/00 Z
A61K9/46
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/22
A61K47/26
A61P1/00
(21)【出願番号】P 2021021601
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2020085964
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 拓也
【審査官】渡邉 潤也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-135418(JP,A)
【文献】特開平4-327526(JP,A)
【文献】特開2014-129285(JP,A)
【文献】特開2020-195364(JP,A)
【文献】特表2005-519865(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101032472(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)炭酸塩 14~30質量%
(B)有機酸又はその塩
(C)平均粒子径30~70μmのセルロース 0.5~50質量%
を含有し、成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]が0.25以上3.0以下であり、かつ成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]が0.5以上である、密封容器入り発泡性経口錠剤。
【請求項2】
成分(B)がヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する、請求項1記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
【請求項3】
トローチ錠である請求項1又は2に記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
【請求項4】
更に糖アルコールを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
【請求項5】
オリゴ糖の含有量が10質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封容器入り発泡性経口錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
炭酸ガスの発泡によって、唾液分泌促進効果や、のどに作用する成分の増強効果、服用時に口中で発泡することによる良好な使用感が得られることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には糖類、及び発泡成分である有機酸と炭酸塩又は炭酸水素塩との組合せを含有し、糖類中の麦芽糖類の含有率を25重量%以下とした、生産性と保存性の良好なキャンディが開示されている。また、特許文献2にはオリゴ糖、発泡剤成分及び中和剤成分を含有する、食感、安定性の良好な発泡性チュアブル錠形態のオリゴ糖補給製剤が開示されている。
【0004】
一方、結晶セルロースなどの粒径の大きな粉末状のセルロースは、味はなく、化学的に不活性であること、圧縮成形性や打錠性に優れることなどから、錠剤の賦形剤、結合剤、崩壊剤として好適に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-16073号公報
【文献】特開2001-8666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、発泡性経口製剤に、発泡性を高めるために発泡成分である炭酸塩や有機酸を高含有した場合には、炭酸塩の苦味を感じ、また、保存中に炭酸塩と酸の反応が進行してしまい、それが原因となり、発泡性経口製剤を密封容器に封入した場合に容器に膨れが生じる、という保存安定性上の問題があった。しかし、これまで、これらの問題に関しては注目されていなかった。
【0007】
従って、本発明は、高発泡で服用時に心地良い発泡感を有しつつ、良好な風味で、容器封入時の膨れがない、高い保存安定性をも有する密封容器入り発泡性経口錠剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討した結果、所定のセルロースを用い、発泡性を高めるために炭酸塩を高含有した場合でも、セルロースを炭酸塩との比率が一定範囲となるよう組み合わせ、かつ、剤中における炭酸塩のモル数と有機酸の酸基のモル数を一定範囲として製剤することで、口中で心地良い高発泡感を有しつつ、口どけが良好で、炭酸塩の苦味が少なく、かつ容器の膨れのない高い保存安定性をも有する密封容器入り発泡性経口錠剤が得られることを見出した。
【0009】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)炭酸塩 14~30質量%
(B)有機酸又はその塩
(C)平均粒子径30~70μmのセルロース 0.5~50質量%
を含有し、成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]が0.25以上3.0以下であり、かつ成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]が0.5以上である、密封容器入り発泡性経口錠剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の密封容器入り発泡性経口錠剤は、口中での心地良い高発泡感と口どけの良さ、良好な風味を有し、かつ容器封入時の膨れがなく、保存安定性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の密封容器入り発泡性経口錠剤は、成分(A)として炭酸塩を含有する。炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(A)は、なかでも、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは炭酸水素ナトリウムである。
【0012】
本発明の発泡性経口錠剤中の成分(A)の含有量は、14~30質量%である。成分(A)を斯かる特定量で含有させることで、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現しつつ、容器の膨れのない高い保存安定性をも有することができる。
本発明の発泡性経口錠剤中の成分(A)の含有量は、口中での心地良い発泡感を実現する観点から、14質量%以上であって、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上であり、また、容器の膨れを抑制する観点から、30質量%以下であって、好ましくは26質量%以下、より好ましくは22質量%以下である。そして、本発明の発泡性経口錠剤中における成分(A)の含有量は、14~30質量%であって、好ましくは15~26質量%、より好ましくは18~26質量%、さらに好ましくは18~22質量%である。本明細書において、成分(A)の含有量は炭酸換算値である。
【0013】
本発明の発泡性経口錠剤中の成分(A)のモル数(mmol/100g)は、成分(A)中の炭酸イオン或いは重炭酸イオンに換算したときのモル数を指す。
本発明の発泡性経口錠剤中における成分(A)のモル数(mmol/100g)は、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは160mmol/100g以上であって、より好ましくは175mmol/100g以上、さらに好ましくは210mmol/100g以上であり、また、容器の膨れを抑制する観点から、好ましくは360mmol/100g以下、より好ましくは300mmol/100g以下、さらに好ましくは265mmol/100g以下である。そして、本発明の発泡性経口錠剤中における成分(A)のモル数(mmol/100g)は、好ましくは160~360mmol/100g、より好ましくは175~300mmol/100g、さらに好ましくは210~300mmol/100g、よりさらに好ましくは210~265mmol/100gである。
【0014】
本発明の密封容器入り発泡性経口錠剤は、成分(B)として有機酸又はその塩を含有する。有機酸又はその塩は、特に制限はないが、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、キナ酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
アスコルビン酸には、立体異性体であるL-アスコルビン酸及びエリソルビン酸が含まれる。
塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、さらにナトリウム塩及びカリウム塩から選ばれる1種が好ましく、さらにナトリウム塩が好ましい。
なかでも、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくはヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはクエン酸である。
【0015】
本発明の発泡性経口錠剤中の成分(B)の含有量は、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、服用時の粘膜の不快感を低減する観点から、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。発泡性経口錠剤中の成分(B)の含有量は、好ましくは5~45質量%、より好ましくは5~40質量%、さらに好ましくは10~25質量%である。本明細書において、成分(B)の含有量は有機酸換算値である。
【0016】
本発明の発泡性経口錠剤中、成分(B)の酸基のモル数(mmol/100g)は、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは50mmol/100g以上であって、より好ましくは150mmol/100g以上であり、また、服用時の粘膜の不快感を低減する観点から、好ましくは600mmol/100g以下であって、より好ましくは360mmol/100g以下である。そして、発泡性経口錠剤中の成分(B)の酸基のモル数(mmol/100g)は、好ましくは50~600mmol/100gであり、より好ましくは150~360mmol/100gである。なお、成分(B)として、本発明においてアスコルビン酸を用いる場合は1つの酸基を有する有機酸として前記酸基のモル数を計算するものとする。
【0017】
本発明の発泡性経口錠剤は、成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]が0.25以上3.0以下である。炭酸塩のモル数と有機酸又はその塩の酸基のモル数を斯かる特定の比とすることで、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現することができ、また、粘膜の不快感を低減できる。
成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]は、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点、及び服用時の口どけを良くする観点から、0.25以上であって、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上であり、また、容器の膨れを抑制する観点から、3.0以下であって、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下である。そして、成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]は、0.25~3.0であり、好ましくは0.5~1.5、より好ましくは0.8~1.0である。
【0018】
本発明の発泡性経口錠剤は、成分(B)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(B)]が、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点、及び服用時の口どけを良くする観点から、好ましくは0.35以上であり、より好ましくは0.70以上であり、さらに好ましくは1.1以上であり、また、容器の膨れを抑制する観点から、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは2.0以下であり、さらに好ましくは1.4以下である。
【0019】
本発明の密封容器入り発泡性経口錠剤は、成分(C)として平均粒子径が30~70μmのセルロースを含有する。
特に断りのない限り、本発明の「セルロース」との用語は、当業者に通常受け入れられている定義に基づくセルロース、つまりD-グルコピラノースがβ1→4結合で連なった構造を持つ多糖類の総称以外に、後述する結晶セルロース、微細繊維状セルロース、並びにそれらの混合物を意味するものとして用いられる。一般に入手できるセルロースとしては、粉末形態である通常のセルロース(以下、「粉末セルロース」という。)、例えばセルロースフロックや、結晶形態である通常のセルロース(以下、「結晶セルロース」という。)が挙げられる。
【0020】
粉末セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを処理した後、精製し、機械的に粉砕したものである。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の、粉末セルロースに該当するものである。当該粉末セルロースの平均重合度は、440より大きいと規定されている。この値は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。当該粉末セルロースとしては、例えば、日本製紙(株)のKCフロックW-100Gなどが挙げられる。
【0021】
結晶セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したものである。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の、結晶セルロースに該当するものである。結晶セルロースの平均重合度は、350以下であることが好ましい。この値は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の、結晶セルロースの確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。当該結晶セルロースとしては、例えば、旭化成(株)のセオラスSTシリーズなどが挙げられる。
なお、本発明において、粉末セルロースと結晶セルロースはどちらも用いることができ、2種を混合して用いることもできる。また、国別の薬事的な観点から、どちらかのみを使用することもできる。
【0022】
本発明におけるセルロースの平均粒子径は30~70μmである。セルロースの平均粒子径が小さいと成分(A)の苦味低減効果が小さくなり、香料等の他の成分でマスキングする必要があり処方の制限を受ける一方、30μm以上であれば処方の自由度が上がる。
セルロースの平均粒子径は、成分(A)の苦味を低減し、処方の自由度を高める観点から、30μm以上であって、好ましくは35μm以上、より好ましくは40μm以上であり、また、服用時の口どけを良くする観点、及び高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、成分(A)の苦味を低減する観点から、70μm以下であって、好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下である。そして、セルロースの平均粒子径は、30~70μmであって、好ましくは35~60μm、より好ましくは40~55μmである。
ここで、本発明におけるセルロースの平均粒子径とは、体積中位粒径(D50)を意味する。本発明における体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して、50%になる粒径を意味する。平均粒子径の測定は、デジタル画像解析装置 (マイクロトラック・ベル(株)製 CAMSIZER)を用いて測定することができる。
【0023】
本発明において、セルロースのかさ密度の値は、服用時の口どけを良くする観点、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは0.1~0.8g/cm3、より好ましくは0.11~0.3g/cm3である。一例として、セオラス(登録商標)ST-100(旭化成(株))のかさ密度の値は0.12g/cm3である。
【0024】
本発明におけるセルロースは、微細な粒子形状であってよい。セルロースの粒子形状は、以下に記載するL/Dにより規定することができる。セルロースのL/Dは、粉末状、粒子状または結晶状を有するセルロースの最大直径を直径(L)(長軸の長さ)とし、さらに直径(L)に直行する径で最大径のものを短径(D)(短軸の長さ)とした場合の長径(L)と短径(D)との比であり、走査型電子顕微鏡を用いた顕微鏡観察により、長径(L)と短径(D)を測定することで求めることができる。例えば、対象とするセルロースを、JIS標準篩75μmで篩過し、篩過した粒子について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所、FlexSEM)を用い、加速電圧5KVで拡大倍率3000倍で観察し、得られた画像から、無作為抽出した50個の粒子の長径(L)及び短径(D)を測定し、それらの平均値(平均長径(L)、平均短径(D))からL/Dを算出することができる。
セルロースのL/Dは、成分(A)の苦味を低減する観点から、好ましくは2.4以上、より好ましくは2.7以上、さらに好ましくは3.0以上であり、また、服用時の口どけを良くする観点、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.8以下、さらに好ましくは3.6以下である。そして、セルロースのL/Dは、好ましくは2.4~4.0、より好ましくは2.7~3.8、さらに好ましくは3.0~3.6である。
【0025】
本発明の発泡性経口錠剤中の成分(C)の含有量は、成分(A)の苦味を低減する観点から、0.5質量%以上であって、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上であり、また、服用時の口どけを良くする観点、及び高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、50質量%以下であって、好ましくは45質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。そして、本発明の発泡性経口錠剤中における成分(C)の含有量は、0.5~50質量%であって、好ましくは1.5~45質量%、より好ましくは2.5~25質量%、さらに好ましくは4.0~20質量%である。
【0026】
本発明の発泡性経口錠剤における成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]は、服用時の口どけを良くする観点、及び高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、0.5以上であって、好ましくは0.8以上であり、より好ましくは1.2以上であり、また、成分(A)の苦味を低減する観点、及び容器の膨れを抑制する観点から、好ましくは15以下であり、より好ましくは11以下であり、さらに好ましくは4.5以下である。そして、本発明の発泡性経口錠剤における成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]は、0.5以上であって、好ましくは0.5~15であり、より好ましくは0.8~11であり、さらに好ましくは1.2~4.5である。
【0027】
本発明の発泡性経口錠剤における成分(C)に対する成分(B)の含有質量比[(B)/(C)]は、服用時の口どけを良くする観点、及び高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは0.3以上であって、より好ましくは0.7以上であり、さらに好ましくは0.9以上であり、また、成分(A)の苦味を低減する観点から、好ましくは10以下であって、より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは3.5以下である。そして、本発明の発泡性経口錠剤における成分(C)に対する成分(B)の含有質量比[(B)/(C)]は、好ましくは0.3~10であり、より好ましくは0.7~7であり、さらに好ましくは0.9~3.5である。
【0028】
本発明の発泡性経口錠剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、成分(A)、(B)、(C)以外の添加剤、必要に応じて許容される担体を含有することができる。本発明の発泡性経口錠剤において成分(A)、(B)、(C)以外の成分は、吸湿性が低い成分を用いることが錠剤の不要な吸湿を防止し、容器の膨れを抑制する観点、服用時の口どけの良さを向上させる観点から好ましい。
【0029】
添加剤としては、特に限定されず、例えば、甘味料、ビタミン、ミネラル、エキス類、成分(B)以外の酸味料、香料、着色料、保存料等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0030】
また、担体としては、例えば、賦形剤(スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、パラチノース等の二糖類、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、還元パラチノース等の糖アルコール);結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等);崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素等);嬌味剤(例えば、ステビア、メントール、アスパルテーム等);寒天、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。担体の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0031】
なかでも、本発明の発泡性経口錠剤は、容器の膨れを抑制する観点から、糖アルコールを含有することが好ましい。糖アルコールは、マルチトールが好ましい。糖アルコールは、無水物、水和物のいずれでもよい。
【0032】
本発明の発泡性経口錠剤中における糖アルコールの含有量は、容器の膨れを抑制する観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、また、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。そして、発泡性経口錠剤中における糖アルコールの含有量は、好ましくは10~85質量%、より好ましくは20~80質量%、さらに好ましくは30~65質量%である。
【0033】
糖アルコールの定量にはHPLCを用いることができる。例えば、アミノ系カラムを用いて示差屈折検出法により分析することができる(「食物繊維基礎と応用」,監修:日本食物繊維学会,編集:日本食物繊維学会編集委員会ほか,著:青木誠一郎,出版社:第一出版株式会社,発売日:2008年10月)。
【0034】
本発明の発泡性経口錠剤は、錠剤の不要な吸湿を防止し、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点、及び容器の膨れを抑制する観点からオリゴ糖の含有を制限することが好ましい。
【0035】
ここで、オリゴ糖の含有を制限するとは、オリゴ糖含有量が、本発明の発泡性経口錠剤中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは実質的に含有しないことを意味する。
【0036】
本発明において発泡性経口錠剤を封入するための密封容器としては、空気非透過性の容器、なかでも二酸化炭素非透過性の容器が好ましく、各種プラスティックにアルミ等の金属のラミネート包装容器や、アルミ、シリカ等を蒸着した包装容器、また金属、ガラス等を利用した容器を使用することができる。ここでいう二酸化炭素非透過性とは、二酸化炭素透過度が50cc/m2・day・atm(ASTD-1434)以下であるものをいう。このような素材を使用した容器をシールするなどして密閉することで、炭酸ガスが漏れないように密封することができる。
【0037】
本発明の発泡性経口錠剤の形態としては、高発泡で服用時に心地良い発泡感を実現する観点、容器の膨れを抑制する観点から、口中の唾液等の水分の存在下で炭酸ガスを発生する形態である、トローチ錠が好ましい。
【0038】
本発明の発泡性経口錠剤を製造するには、成分(A)~(C)の他、必要に応じて添加される添加剤を混合し、その混合物を原料粉末として直接打錠成形機で圧縮して成形しても、乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから、造粒物を打錠成形機で圧縮して成形してもよい。打錠成形機としてはロータリー式打錠機や単発式打錠機等通常使用されるものを用いることができる。打錠時の圧縮成形圧は、成形物の硬度維持の点から、10~30MPa程度が好ましい。より低い圧縮成形圧で本発明の発泡性経口錠剤を製造するには結晶セルロースを用いることが好ましい。また、錠剤硬度は、運搬や保存等に耐え得る硬度であることが好ましく、具体的には10N~200N程度が好ましい。上記の硬度を少量の結着剤で達成するには結晶セルロースを用いることが好ましい。
錠剤の形状は、円形又は楕円形、長円形、四角形等の面形を有する各種異形錠であってもよいが、服用性の観点から円形であることが好ましい。円形錠の場合、服用性の観点から、直径3~30mmが好ましく、10~20mmがより好ましい。また、錠剤は、一製剤当たり0.1~6g、さらに0.3~3gの重さとするのが、簡便性及び有効性の点で好ましい。
【0039】
そしてこのようにして得られた発泡性経口錠剤を前記密封容器に封入することで、本発明の密封容器入り発泡性経口錠剤を得ることができる。
【0040】
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)炭酸塩 14~30質量%
(B)有機酸又はその塩
(C)平均粒子径30~70μmのセルロース 0.5~50質量%
を含有し、成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]が0.25以上3.0以下であり、かつ成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]が0.5以上である、密封容器入り発泡性経口錠剤。
【0041】
<2>成分(A)の含有量が、14質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上であり、また、30質量%以下、好ましくは26質量%以下、より好ましくは22質量%以下であり、また、14~30質量%、好ましくは15~26質量%、より好ましくは18~26質量%、さらに好ましくは18~22質量%である<1>に記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<3>成分(B)が、好ましくはヒドロキシカルボン酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含有し、より好ましくはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含有し、さらに好ましくはクエン酸を含有する<1>又は<2>に記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<4>成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比[(A)のモル数(mol)/(B)の酸基のモル数(mol)]が、0.25以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上であり、また、3.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下であり、また、0.25~3.0、好ましくは0.5~1.5、より好ましくは0.8~1.0である<1>~<3>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<5>セルロースの平均粒子径が、30μm以上、好ましくは35μm以上、より好ましくは40μm以上であり、また、70μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下であり、また、30~70μm、好ましくは35~60μm、より好ましくは40~55μmである<1>~<4>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<6>セルロースのL/Dが、好ましくは2.4以上、より好ましくは2.7以上、さらに好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.8以下、さらに好ましくは3.6以下であり、また、好ましくは2.4~4.0、より好ましくは2.7~3.8、さらに好ましくは3.0~3.6である<1>~<5>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<7>(C)の含有量が、0.5質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上であり、また、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、また、0.5~50質量%、好ましくは1.5~45質量%、より好ましくは2.5~25質量%、さらに好ましくは4.0~20質量%である<1>~<6>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<8>成分(C)に対する成分(A)の含有質量比[(A)/(C)]が、0.5以上、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.2以上であり、また、好ましくは15以下、より好ましくは11以下、さらに好ましくは4.5以下であり、また、好ましくは0.5~15であり、より好ましくは0.8~11であり、さらに好ましくは1.2~4.5である<1>~<7>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<9>成分(C)に対する成分(B)の含有質量比[(B)/(C)]が、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.9以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、さらに好ましくは3.5以下であり、また、好ましくは0.3~10、より好ましくは0.7~7、さらに好ましくは0.9~3.5である<1>~<8>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<10>更に、好ましくは糖アルコールを含有し、より好ましくはマルチトールを含有する<1>~<9>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<11>オリゴ糖の含有量が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは実質的に含有しない<1>~<10>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
<12>好ましくはトローチ錠である<1>~<11>のいずれかに記載の密封容器入り発泡性経口錠剤。
【実施例】
【0042】
[炭酸塩の分析]
発泡性経口錠剤中の炭酸塩の含有量の分析方法は以下の通りである。
発泡性経口錠剤を0.1~0.2g採取し、水10mLと50%りん酸2mLを加え密栓した。10分間超音波処理を行った後、1時間放置しヘッドスペースガスをガスクロマトグラフに供してCO2量を求め、発生したCO2量から算出した。
<ガスクロマトグラフ操作条件>
機種:GC-14B、(株)島津製作所
検出器:TCD
カラム:Chromosorb101,80~100mesh
ガラス管,φ3.2mm×2m
温度:カラム50℃,注入口及び検出器100℃
セル電流75mA
ガス圧力:ヘリウム(キャリヤーガス)100kPa
注入量:ヘッドスペースガス0.2mL
【0043】
[有機酸の分析]
発泡性経口錠剤中の有機酸の含有量の分析方法は以下の通りである。
発泡性経口錠剤を1g採取し5%過塩素酸20mLを加え、10分間振とうすることで抽出した。これを水で200mLに定容し10分間超音波処理を行った。ろ過後高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した。
<HPLC操作条件>
機種:LC-20AD、(株)島津製作所
検出器:紫外可視吸光光度計SPD-20AV、(株)島津製作所
カラム:Shim-pack SCR-102H 300×80(長さ×内径(mm))
(株)島津製作所
カラム温度:40℃
移動相:3mmоl/L過塩素酸
反応液:0.2mmоl/Lブロムチモールブルー含有
15mmоl/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相1.0mL/min、反応液1.4mL/min
測定波長:445nm
【0044】
[セルロースの分析]
250mL遠沈管に0.5~10gの発泡性経口錠剤を採取した後、0.05%の塩化ナトリウム水溶液を85mL加えた。混合液を沸騰水浴中で30分間加熱処理を行い、その後、すばやく冷却した。冷却液に、パンクレアチン溶液を5mL添加した後、pH6.5、40℃の環境下で16時間インキュベートした。インキュベート液を遠心分離し、固形物をろ紙(ADVANTEC101)を用いて回収した。回収した残さに5%硫酸水溶液50mLを加えて沸騰水浴中にて、2.5時間放置した。その後、ガラスフィルター(1G3)を用いて、本液を吸引濾過した後、残渣をアセトン、及びジエチルエーテルを用いて洗浄した。さらに、本洗浄済固形物に72%硫酸30mLを加え、5℃、冷蔵庫にて24時間以上放置した後、吸引濾過を行い、ろ液中のグルコース量を、フェノール硫酸法を用いて測定することにより、セルロース量を定量した。
【0045】
表1~表4に記載の配合組成で各成分を混合した。次に単発式打錠機(RIKEN)を用いて、穴径15mmのリング状杵で、18MPaの打錠圧で打錠し、錠剤重量1g/1錠、直径15mmの円形の錠剤を得た。
錠剤について、以下の方法に従って口どけの良さ、炭酸塩由来の苦味、発泡感、容器の膨れについて評価を行った。
【0046】
〔口どけの良さ〕
専門パネラー3名により、各例で得られた錠剤1錠を口に入れた際の口どけについて評価した。評価基準は下記の通りとし、専門パネラーの評点の平均値を求め、小数点以下2桁目を四捨五入して評点を決定した。なお、服用時に錠剤がゆっくりと溶けて口どけが最も良いと感じる実施例3を評価基準の4とし、服用時に口どけが悪いと感じる比較例3を評価基準の1として評価した。
4:口どけがとても良い
3:口どけが良い
2:口どけがやや良い
1:口どけが悪い
【0047】
〔苦味〕
専門パネラー3名により、各例で得られた錠剤1錠を口に入れた際の炭酸塩由来の苦味について評価した。評価基準は下記の通りとし、専門パネラーの評点の平均値を求め、小数点以下2桁目を四捨五入して評点を決定した。なお、専門パネル3名が、服用時にまったく苦味を感じない実施例3を評価基準の4として評価し、服用時に強い苦味を感じる比較例1を評価基準の1として評価した。
4:まったく苦味を感じない
3:わずかに苦味を感じる
2:苦味を感じる
1:強い苦味を感じる
【0048】
〔発泡感〕
専門パネラー3名により、各例で得られた錠剤1錠を口に入れた際の発泡感について評価した。評価結果は、専門パネラーの評点の平均値を求め、小数点以下2桁目を四捨五入して評点を決定した。なお、高発泡で服用時に心地良い発泡感をかなり強く感じる実施例2を評価基準の4とし、服用時に心地良い発泡感をあまり感じない比較例2を1として評価した。
4:心地良い発泡感をかなり強く感じる
3:心地良い発泡感を強く感じる
2:心地良い発泡感をやや感じる
1:心地良い発泡感をあまり感じない
【0049】
〔容器の膨れ〕
各錠剤をアルミピロー(60mm×60mm)に入れて密封後、60℃の恒温槽で1週間保存した。保存前後のピローの体積をアルキメデス法によって測定し、保存前後のピローの体積変化量を計算した。評価基準は下記の通りとし、評点を決定した。
4:膨れ体積が7mL未満
3:膨れ体積が7mL以上9mL未満
2:膨れ体積が9mL以上10mL未満
1:膨れ体積が10mL以上
【0050】
〔原料〕
炭酸水素ナトリウム:重曹(食添C)(東ソー(株))
クエン酸:クエン酸フソウ(無水)(扶桑化学工業(株))
アスコルビン酸:ビタミンC type SS(扶桑化学工業(株))
リンゴ酸:リンゴ酸フソウ(扶桑化学工業(株))
酒石酸:L-酒石酸 type SS(扶桑化学工業(株))
粉末セルロース:KC-フロックW-100G(日本製紙(株))、平均粒子径37μm、L/D=2.8
結晶セルロース:セオラスST-100(旭化成(株))、平均粒子径50μm、L/D=3.5
粉末セルロース:KC-フロックW-400G(日本製紙(株))、平均粒子径24μm、L/D=2.1
結晶セルロース:セオラスUF-F702(旭化成(株))、平均粒子径90μm、L/D=4.8
マルチトール:アマルティMR-50(三菱商事フードテック(株))
ステアリン酸カルシウム:ステアリン酸カルシウム(太平化学(株))
二酸化ケイ素:カープレックス FPS-500(EVONIK社)
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【表4】
表1~表4から、成分(C)を成分(A)との比率が特定範囲内となるようにし、且つ成分(A)のモル数(mol)と成分(B)の酸基のモル数(mol)の比が特定範囲内になるようにすることで、口中での心地良い高発泡感と口どけの良さ、良好な風味を有し、かつ容器封入時の膨れも抑制できることが確認された。