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特許7594954カバー、カバー付き機器、および、カバーの取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】カバー、カバー付き機器、および、カバーの取付方法
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/30 20060101AFI20241128BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20241128BHJP
   C09J 7/26 20180101ALI20241128BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20241128BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02B1/30 F
C09J7/38
C09J7/26
C09J133/04
H05K5/03 A
H05K5/03 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021052455
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022150043
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000227722
【氏名又は名称】株式会社日本ネットワークサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】福田 大輔
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3063327(JP,U)
【文献】特開2014-177963(JP,A)
【文献】特開2016-043745(JP,A)
【文献】登録実用新案第3164871(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/30
C09J 7/38
C09J 7/26
C09J 133/04
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の上面に取り付けられるカバーであって、
前記上面に固定される取付部材と、
前記取付部材に固定され、前記上面を覆うカバー本体と、
粘着テープと
を備え、
前記取付部材は、固定部を有し、前記粘着テープによって前記上面に接着され、
前記カバー本体は、
前記カバー本体の側壁よりも内側に位置し、ネジによって前記固定部に固定される被固定部を有する、カバー。
【請求項2】
ステンレス板に対する前記粘着テープの引張せん断接着強さは、150℃において、10N/cm以上であり、-30℃において、300N/cm以上である、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記粘着テープは、
基材層と、
前記基材層の一方面上に位置する第1粘着剤層と、
前記基材層の他方面上に位置する第2粘着剤層と
を有する、請求項1または請求項2に記載のカバー。
【請求項4】
前記基材層は、アクリルフォームからなり、
前記第1粘着剤層および前記第2粘着剤層は、アクリル系粘着剤からなる、請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
前記カバー本体の前記側壁は、前記ネジの通過を許容する貫通穴を有し、
前記カバーは、
前記被固定部が前記ネジによって前記固定部に固定された状態で、前記貫通穴を塞ぐキャップを有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項6】
前記機器は、地中配電用の機器である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項7】
上面を有する機器と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のカバーと
を備える、カバー付き機器。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のカバーを前記上面に取り付ける方法であって、
前記上面に前記粘着テープで前記取付部材を固定する第1工程と、
前記取付部材に前記カバー本体を固定する第2工程と
を含む、カバーの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー、カバー付き機器、および、カバーの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上機器の上面に取り付けられるルーフ装置が知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3063327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1のルーフ装置では、ルーフ本体を取り付けるためのルーフ取付架台を、地上機器の上面にネジ止めしている。地上機器の上面にネジ穴を開けるには、地上機器の保護、および、作業の安全性の観点から、地上機器について専門的な知識を有する者が実施しなくてはならない。そのため、地上機器に対するルーフ装置の取り付け作業が煩雑である。
【0005】
本発明の目的は、機器に簡単に取り付けることができるカバー、カバー付き機器、および、カバーの取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、機器の上面に取り付けられるカバーであって、前記上面に固定される取付部材と、前記取付部材に固定され、前記上面を覆うカバー本体と、粘着テープとを備え、前記取付部材が、前記粘着テープによって前記上面に接着される、カバーを含む。
【0007】
このような構成によれば、機器の上面にネジ穴を開けることなく、粘着テープで機器の上面に固定された取付部材に、カバー本体を固定できる。
【0008】
そのため、機器について専門的な知識を有する者でなくても、機器を破壊することなく、簡単に、機器にカバーを取り付けることができる。
【0009】
本発明[2]は、ステンレス板に対する前記粘着テープの引張せん断接着強さが、150℃において、15N/cm2以上であり、-30℃において、400N/cm2以上である、上記[1]のカバーを含む。
【0010】
このような構成によれば、機器の温度が上昇した場合、および、機器の温度が低下した場合においても、取付部材を、機器の上面に粘着テープで固定できる。
【0011】
本発明[3]は、前記粘着テープが、基材層と、前記基材層の一方面上に位置する第1粘着剤層と、前記基材層の他方面上に位置する第2粘着剤層とを有する、上記[1]または[2]のカバーを含む。
【0012】
本発明[4]は、前記基材層が、アクリルフォームからなり、前記第1粘着剤層および前記第2粘着剤層が、アクリル系粘着剤からなる、上記[3]のカバーを含む。
【0013】
本発明[5]は、前記取付部材が、固定部を有し、前記カバー本体が、前記カバー本体の側壁よりも内側に位置し、ネジによって前記固定部に固定される被固定部を有する、上記[1]から[4]のいずれか1つのカバーを含む。
【0014】
このような構成によれば、カバー本体の内側で被固定部が固定部にネジ止めされることにより、カバー本体の外側で被固定部が固定部にネジ止めされる場合に比べて、ネジの脱落を抑制できる。
【0015】
本発明[6]は、前記カバー本体の前記側壁が、前記ネジの通過を許容する貫通穴を有し、前記カバーが、前記被固定部が前記ネジによって前記固定部に固定された状態で、前記貫通穴を塞ぐキャップを有する、上記[5]のカバーを含む。
【0016】
このような構成によれば、カバー本体が取付部材に固定されるときに、ネジは、貫通穴を通過する。そして、取付部材に対するカバー本体の固定が完了した状態で、ネジは、カバー本体の内部に位置する。ネジがカバー本体の内部に位置することにより、ネジがカバー本体の外面に露出している場合に比べて、ネジの脱落を抑制できる。
【0017】
さらに、キャップで貫通穴を塞ぐことにより、取付部材に対するカバー本体の固定が完了した状態で、ネジに対するアクセスを抑制できる。
【0018】
本発明[7]は、前記機器が、地中配電用の機器である、上記[1]から[6]のいずれか1つのカバーを含む。
【0019】
本発明[8]は、上面を有する機器と、上記[1]から[7]のいずれか1つのカバーとを備える、カバー付き機器を含む。
【0020】
本発明[9]は、上記[1]から[7]のいずれか1つのカバーを前記上面に取り付ける方法であって、前記上面に前記粘着テープで前記取付部材を固定する第1工程と、前記取付部材に前記カバー本体を固定する第2工程とを含む、カバーの取付方法を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明のカバー、カバー付き機器、および、カバーの取付方法によれば、カバーを機器に簡単に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態としてのカバー付き機器の斜視図である。
図2図2は、図1に示すカバー付き機器の分解斜視図である。
図3図3は、図2に示す機器の上面に取付部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図4図4は、図2に示す取付部材の斜視図である。
図5図5は、粘着テープの断面図である。
図6図6は、固定部に対する被固定部の固定を説明する説明図であって、取付部材が取り付けられた機器の上面にカバー本体を載せられ、カバー本体の被固定部が取付部材の固定部と向かい合った状態を示す。
図7図7は、図6に続いて、固定部に対する被固定部の固定を説明する説明図であって、カバー本体の被固定部が取付部材の固定部にネジで固定された状態を示す。
図8図8は、図7に続いて、固定部に対する被固定部の固定を説明する説明図であって、カバー本体の貫通穴がキャップで塞がれた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.カバー
図1に示すように、カバー1は、機器2の上面21(図2参照)に取り付けられる。つまり、カバー付き機器100は、上面21を有する機器2と、カバー1とを備える。カバー1は、屋外に設置される電気機器の上面を保護する用途に好適である。本実施形態では、機器2は、地中配電用の機器である。地中配電用の機器として、例えば、多回路開閉器、地上用変圧器、および、低圧分岐装置が挙げられる。なお、機器2は、地中配電用の機器に限定されない。機器2は、例えば、空調装置の室外機、または、給湯器であってもよい。本実施形態では、機器2は、上下方向に延びる直方体形状を有する。
【0024】
図2に示すように、カバー1は、複数の取付部材11A,11B,11Cと、複数の粘着テープ12A,12B,12Cと、カバー本体13と、複数のキャップ14(図8参照)とを備える。取付部材11、粘着テープ12、および、キャップ14の数は、限定されない。
【0025】
(1)取付部材
図3に示すように、取付部材11Aは、機器2の上面21に固定される。取付部材11Aは、機器2の幅方向において、機器2の一端部に固定される。取付部材11Aは、粘着テープ12Aによって上面21に接着される。幅方向は、上下方向と直交する。本実施形態では、取付部材11Aは、矩形の板形状を有する。取付部材11Aの材質として、例えば、鉄、および、ステンレスが挙げられる。取付部材11Aの形状および材質は、限定されない。
【0026】
図4に示すように、取付部材11Aは、取付部材11Aの厚み方向において、第1面S1と、第2面S2とを有する。取付部材11Aが機器2の上面21(図3参照)に固定された状態で、第2面S2は、第1面S1と上面21との間に位置する。取付部材11Aは、複数の固定部111A,111Bと、リブ112とを有する。固定部111の数は、限定されない。
【0027】
固定部111Aは、取付部材11Aの第1面S1に位置する。固定部111Aは、第1方向に延びる。第1方向は、取付部材11Aの厚み方向と交差する。好ましくは、第1方向は、取付部材11Aの厚み方向と直交する。固定部111Aは、円柱形状を有する。固定部111Aは、ネジ穴Hを有する。ネジ穴Hは、第1方向における固定部111Aの一端部から、第1方向における固定部111Aの他端部に向かって凹む。ネジ穴Hは、第1方向において、固定部111Aを貫通してもよい。
【0028】
固定部111Bは、第2方向において、固定部111Aから離れて位置する。第2方向は、取付部材11Aの厚み方向、および、第1方向と交差する。固定部111Bについての説明は、固定部111Aについての説明と同じである。そのため、固定部111Bについての説明は、省略される。
【0029】
リブ112は、第1方向における取付部材11Aの一端部に位置する。リブ112は、第2方向に延びる。リブ112は、取付部材11Aの厚み方向において、第2面S2に対して、固定部111A,111Bの反対側に位置する。リブ112は、第2面S2から延びる。リブ112は、取付部材11Aの厚み方向に延びる。作業者が取付部材11Aを機器2に固定するときに、リブ112は、機器2(図3参照)に対する取付部材11Aの位置決めに利用される。取付部材11Aが機器2に固定された状態で、リブ112は、機器2の側面に沿う。
【0030】
図3に示すように、取付部材11Bは、機器2の幅方向において、取付部材11Aから離れて位置する。取付部材11Bは、機器2の幅方向において、機器2の他端部に固定される。取付部材11Bは、粘着テープ12Bによって上面21に接着される。取付部材11Cは、機器2の幅方向において、取付部材11Aと取付部材11Bとの間に位置する。取付部材11Cは、機器2の奥行方向において、機器2の一端部に固定される。取付部材11Cは、粘着テープ12Cによって上面21に接着される。奥行方向は、上下方向および幅方向と直交する。取付部材11Bおよび取付部材11Cについての説明は、取付部材11Aについての説明と同様である。そのため、取付部材11Bおよび取付部材11Cについての説明は、省略される。
【0031】
(2)粘着テープ
粘着テープ12A,12B,12Cのそれぞれは、両面テープである。以下の説明では、粘着テープ12Aを説明し、粘着テープ12B,12Cのそれぞれの説明を省略する。
【0032】
図5に示すように、粘着テープ12Aは、好ましくは、基材層121と、第1粘着剤層122Aと、第2粘着剤層122Bとを有する。
【0033】
基材層121は、好ましくは、発泡体からなる。つまり、粘着テープ12Aは、好ましくは、フォームテープである。発泡体として、例えば、アクリルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、シリコーンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム(PVCフォーム)、および、エチレン・プロピレン・ジエンゴムフォーム(EPDMフォーム)が挙げられる。基材層121は、より好ましくは、アクリルフォームからなる。
【0034】
第1粘着剤層122Aは、基材層121の一方面S11上に位置する。第1粘着剤層122Aは、粘着剤からなる。粘着剤として、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、および、ウレタン系粘着剤が挙げられる。第1粘着剤層122Aは、好ましくは、アクリル系粘着剤からなる。
【0035】
第2粘着剤層122Bは、基材層121の他方面S12上に位置する。第2粘着剤層122Bは、粘着剤からなる。粘着剤として、例えば、上記した粘着剤が挙げられる。第2粘着剤層122Bは、第1粘着剤層122Aと同じ粘着剤からなってもよく、第1粘着剤層122Aと異なる粘着剤からなってもよい。第2粘着剤層122Bは、好ましくは、アクリル系粘着剤からなる。
【0036】
粘着テープ12Aの厚みは、例えば、0.4mm以上、好ましくは、0.6mm以上であり、例えば、2.0mm以下、好ましくは、1.2mm以下である。
【0037】
粘着テープ12Aは、第1粘着剤層122Aで、取付部材11Aの第2面S2(図4参照)に貼り付けられる。粘着テープ12Aは、第2粘着剤層122Bで、機器2の上面21(図3参照)に貼り付けられる。これにより、粘着テープ12Aは、取付部材11Aを機器2の上面21に固定する。
【0038】
ステンレス板に対する粘着テープ12Aの引張せん断接着強さは、150℃において、例えば、10N/cm2以上、好ましくは、15N/cm2以上である。ステンレス板に対する粘着テープ12Aの引張せん断接着強さの上限値は、限定されない。ステンレス板に対する粘着テープ12Aの引張せん断接着強さは、150℃において、例えば、30N/cm2以下である。
【0039】
ステンレス板に対する粘着テープ12の引張せん断接着強さは、-30℃において、例えば、300N/cm2以上、好ましくは、400N/cm2以上である。ステンレス板に対する粘着テープ12Aの引張せん断接着強さの上限値は、限定されない。ステンレス板に対する粘着テープ12Aの引張せん断接着強さは、-30℃において、例えば、500N/cm2以下である。
【0040】
(3) カバー本体
図1に示すように、カバー本体13は、機器2の上面21(図2参照)を覆う。カバー本体13は、機器2の幅方向に延びる。カバー本体13は、切妻屋根形状を有する。
【0041】
詳しくは、カバー本体13は、幅方向における一方の側壁13Aと、幅方向における他方の側壁13Bと、奥行方向における一方の側壁13Cと、奥行方向における他方の側壁13Dとを有する。側壁13Aおよび側壁13Bは、上下方向に延びる。側壁13Cは、幅方向において、側壁13Aと側壁13Bとの間に位置する。側壁13Cは、幅方向に延びる。幅方向における側壁13Cの一端部は、側壁13Aと接続する。幅方向における側壁13Cの他端部は、側壁13Bと接続する。側壁13Cは、上方へ向かうにつれて側壁13Dに向かって傾斜する。側壁13Cは、上方へ向かうにつれて側壁13Dに近づく。側壁13Dは、幅方向において、側壁13Aと側壁13Bとの間に位置する。側壁13Dは、幅方向に延びる。幅方向における側壁13Dの一端部は、側壁13Aと接続する。幅方向における側壁13Dの他端部は、側壁13Bと接続する。側壁13Dは、上方へ向かうにつれて側壁13Cに向かって傾斜する。側壁13Dは、上方へ向かうにつれて側壁13Cに近づく。側壁13Dの上端部は、側壁13Cの上端部と接続する。側壁13Dには、案内板や広告表示が取り付けられてもよい。
【0042】
カバー本体13の材質として、例えば、鉄、および、ステンレスが挙げられる。カバー本体13の形状および材質は、限定されない。
【0043】
幅方向におけるカバー本体13の一端部は、取付部材11A(図3参照)に固定される。幅方向におけるカバー本体13の他端部は、取付部材11B(図3参照)に固定される。奥行方向におけるカバー本体13の一端部は、取付部材11C(図3参照)に固定される。
【0044】
図2に示すように、カバー本体13は、複数の被固定部131A,131Bと、複数の貫通穴132A,132Bとを有する。詳しくは、カバー本体13の側壁13A,13B,13Cのそれぞれは、複数の被固定部131A,131Bと、複数の貫通穴132A,132Bとを有する。以下の説明では、側壁13Aの被固定部131A,131Bと、貫通穴132A,132Bとを説明し、側壁13B,13Cのそれぞれの被固定部131A,131Bと、貫通穴132A,132Bとの説明を省略する。
【0045】
(3-1)被固定部
図6に示すように、被固定部131Aは、幅方向において、カバー本体13の側壁13Aよりも内側に位置する。言い換えると、被固定部131Aは、幅方向において、カバー本体13の側壁13Aと、カバー本体13の側壁13Bとの間に位置する。本実施形態では、被固定部131Aは、側壁13Aの内面に固定された金具である。詳しくは、被固定部131Aは、本体部1311と、2つの脚部1312,1313とを有する。
【0046】
本体部1311は、側壁13Aと直交する方向において、側壁13Aから離れて位置する。本体部1311は、側壁13Aが延びる方向に延びる。脚部1312は、貫通穴1311Aから離れて位置する。本体部1311は、貫通穴1311Aを有する。図7に示すように、ネジSの軸SSは、貫通穴1311Aを通って、固定部111Aのネジ穴Hに嵌まる。一方、ネジSの頭SHは、貫通穴1311Aを通らず、貫通穴1311Aの縁に接触する。これにより、被固定部131Aは、ネジSによって固定部111Aに固定される。
【0047】
脚部1312は、貫通穴1311Aから離れて位置する。脚部1312は、本体部1311から側壁13Aに向かって延びる。脚部1312は、好ましくは、側壁13Aと直交する方向に延びる。脚部1312は、溶接などの方法により、側壁13Aの内面に固定される。
【0048】
脚部1313は、貫通穴1311Aから離れて位置する。脚部1313は、貫通穴1311Aに対して、脚部1312の反対側に位置する。言い換えると、貫通穴1311Aは、脚部1312と脚部1313との間に位置する。脚部1313は、本体部1311から側壁13Aに向かって延びる。脚部1313は、好ましくは、側壁13Aと直交する方向に延びる。脚部1313は、溶接などの方法により、側壁13Aの内面に固定される。
【0049】
図2に示すように、被固定部131Bは、奥行方向において、被固定部131Aから離れて位置する。被固定部131Bは、図示しないネジによって、取付部材11Aの固定部111Bに固定される。被固定部131Bについての説明は、被固定部131Aについての説明と同様である。そのため、被固定部131Bについての説明は、省略される。
【0050】
(3-2)貫通穴
図6および図7に示すように、貫通穴132Aは、被固定部131Aの脚部1312と脚部1313との間に位置する。貫通穴132Aは、被固定部131Aの貫通穴1311Aよりも大きい。貫通穴132Aを通して被固定部131Aの本体部1311を見た場合、被固定部131Aの貫通穴1311Aは、貫通穴132A内に位置する。貫通穴132Aは、ネジS(図7参照)の頭の通過を許容する。これにより、カバー本体13が取付部材11Aに固定されるときに、ネジSの頭は、貫通穴132Aを通過する。そして、取付部材11Aに対するカバー本体13の固定が完了した状態で、ネジSの頭SHは、カバー本体13の内部に位置する。ネジSの頭SHがカバー本体13の内部に位置することにより、ネジSの頭SHがカバー本体13の外面に露出している場合に比べて、ネジSの脱落を抑制できる。
【0051】
図2に示す貫通穴132Bは、被固定部131Bの脚部1312と脚部1313との間に位置する。貫通穴132Bについての説明は、貫通穴132Aについての説明と同様である。そのため、貫通穴132Bについての説明は、省略される。
【0052】
(4)キャップ
図8に示すように、キャップ14は、被固定部131AがネジSによって固定部111Aに固定された状態で、貫通穴132Aを塞ぐ。キャップ14で貫通穴132Aを塞ぐことにより、取付部材11Aに対するカバー本体13の固定が完了した状態で、ネジSに対するアクセスを抑制できる。
【0053】
なお、他の貫通穴132A,132Bのそれぞれも、キャップ14によって塞がれる。
【0054】
2.カバーの取付方法
カバー1を上面21に取り付ける方法(カバー1の取付方法)は、第1工程(図3参照)と第2工程(図1参照)とを含む。
【0055】
図3に示すように、第1工程において、作業者は、幅方向における上面21の一端部に取付部材11Aを粘着テープ12Aで固定する。また、作業者は、幅方向における上面21の他端部に取付部材11Bを粘着テープ12Bで固定し、奥行方向における上面21の一端部に取付部材11Cを粘着テープ12Cで固定する。
【0056】
次に、図1に示すように、第2工程において、作業者は、取付部材11A,11B,11Cにカバー本体13を固定する。
【0057】
詳しくは、作業者は、取付部材11A,11B,11Cが固定された上面21にカバー本体13を載せる。
【0058】
次に、側壁13A,13B,13Cのそれぞれの被固定部131A,131Bを、取付部材11A,11B,11Cのそれぞれの固定部111A,111BにネジSで固定する。
【0059】
次に、側壁13A,13B,13Cのそれぞれの貫通穴132A,132Bを、キャップ14で塞ぐ。
【0060】
以上により、機器2に対するカバー1の取り付けが完了する。
【0061】
3.作用効果
(1)カバー1によれば、図3に示すように、機器2の上面21にネジ穴を開けることなく、粘着テープ12Aで機器2の上面21に固定された取付部材11A、粘着テープ12Bで機器2の上面21に固定された取付部材11B、および、粘着テープ12Cで機器2の上面21に固定された取付部材11Cに、カバー本体13(図1参照)を固定できる。
【0062】
そのため、機器2について専門的な知識を有する者でなくても、機器2を破壊することなく、簡単に、カバー1を機器2取り付けることができる。
【0063】
(2)カバー1によれば、ステンレス板に対する粘着テープ12A,12B,12Cの引張せん断接着強さが、150℃において、15N/cm2以上であり、-30℃において、400N/cm2以上である。
【0064】
そのため、機器2の温度が上昇した場合、および、機器2の温度が低下した場合においても、取付部材11A,11B,11Cを、機器2の上面21に粘着テープ12A,12B,12Cで固定できる。
【0065】
(3)カバー1によれば、図7に示すように、カバー本体13の被固定部131Aは、カバー本体13の側壁13Aよりも内側に位置し、ネジSによって固定部111Aに固定される。
【0066】
そのため、カバー本体13の内側で被固定部131Aが固定部111Aにネジ止めされることにより、カバー本体13の外側で被固定部131Aが固定部111Aにネジ止めされる場合に比べて、ネジSの脱落を抑制できる。
【0067】
(4)カバー1によれば、図7に示すように、カバー本体13の側壁13Aは、ネジSの通過を許容する貫通穴132Aを有する。図8に示すように、キャップ14は、被固定部131AがネジSによって固定部111Aに固定された状態で、貫通穴132Aを塞ぐ。
【0068】
これにより、カバー本体13が取付部材11Aに固定されるときに、ネジSは、貫通穴132Aを通過する。そして、取付部材11Aに対するカバー本体13の固定が完了した状態で、ネジSは、カバー本体13の内部に位置する。ネジSがカバー本体13の内部に位置することにより、ネジSがカバー本体13の外面に露出している場合に比べて、ネジSの脱落を抑制できる。
【0069】
さらに、キャップ14で貫通穴132Aを塞ぐことにより、取付部材11Aに対するカバー本体13の固定が完了した状態で、ネジSに対するアクセスを抑制できる。
【符号の説明】
【0070】
1 カバー
2 機器
11A 取付部材
12A 粘着テープ
13 カバー本体
13A 側壁
14 キャップ
21 上面
100 カバー付き機器
111A 固定部
121 基材層
122A 第1粘着剤層
122B 第2粘着剤層
131A 被固定部
132A 貫通穴
S ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8