(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】トイレシステム
(51)【国際特許分類】
E03D 11/00 20060101AFI20241128BHJP
A47K 13/30 20060101ALI20241128BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20241128BHJP
E03D 9/08 20060101ALI20241128BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
E03D11/00 Z
A47K13/30 Z
E03D5/10
E03D9/08 Z
H04Q9/00 301C
(21)【出願番号】P 2021067031
(22)【出願日】2021-04-12
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】七野 禎昭
(72)【発明者】
【氏名】小川 祥司
(72)【発明者】
【氏名】並木 剛
(72)【発明者】
【氏名】川村 昌雅
(72)【発明者】
【氏名】寺部 和紀
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-204332(JP,A)
【文献】特開2019-178487(JP,A)
【文献】特開2019-141306(JP,A)
【文献】特開2016-122973(JP,A)
【文献】特開2018-59393(JP,A)
【文献】特開2019-173524(JP,A)
【文献】特開2014-214594(JP,A)
【文献】特開2019-97692(JP,A)
【文献】特開2020-120162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0047327(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 1/00-13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトイレ装置を、操作端末により、通信ネットワークを介して操作可能なトイレシステムであって、
前記トイレ装置は、制御部を備え、
前記制御部は、所定のトリガ信号に応じて特定操作モードを設定するモード設定部と、前記モード設定部により特定操作モードが設定された場合に前記操作端末からの操作を受け付け可能な受付部と、を有
し、
前記操作端末は、表示画面を備えており、
前記操作端末の前記表示画面には、前記複数のトイレ装置が表示され、
前記操作端末により、前記表示画面に表示された前記複数のトイレ装置から特定のトイレ装置を選択して、前記表示画面に表示された前記複数のトイレ装置から選択したトイレ装置の特定操作を行うことが可能である、トイレシステム。
【請求項2】
前記トイレ装置が配置されるトイレ室において特定の操作が行われた場合に、前記トリガ信号が出力される、請求項1に記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記トリガ信号は、
前記トイレ装置の便座を上げた場合、
前記トイレ装置が配置されるトイレ室に備えられたトイレ室端末により前記特定操作モードに設定する操作が実行された場合、
前記トイレ室に備えられたスイッチにより前記特定操作モードに設定する操作が実行された場合、
前記トイレ室に備えられた前記特定操作モードに設定するためのセンサに検知された場合の何れかにおいて、出力される、請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項4】
前記トリガ信号は、前記通信ネットワークを介して前記操作端末により前記特定操作モードに設定する操作が実行された場合に出力される、請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項5】
前記受付部は、前記操作端末を用いてトイレ室内において前記トイレ装置が操作される場合に、前記トイレ室内において人体検知センサにより人体が検知されている場合において、前記操作端末からの操作を受け付け可能である、請求項1~4のいずれかに記載のトイレシステム。
【請求項6】
前記制御部は、一群の公衆トイレに配置される複数のトイレ装置のうちの所定のトイレ装置を前記モード設定部により特定操作モードに設定する場合に、他のトイレ装置が特定操作モードに設定されているときに前記操作端末
の前記表示画面に報知情報を出力する報知部を備える、請求項1~5のいずれかに記載のトイレシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介して、トイレ装置を遠隔操作できるトイレシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のトイレシステムは、トイレ室で人体の存在が検知されているときに、トイレ装置の遠隔操作を禁止し、遠隔操作の禁止が解除されたときに、トイレ装置の遠隔操作を実行可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレシステムにおいて、トイレ装置の清掃を行う清掃者が、通信ネットワークを介して、携帯端末を使用して公衆トイレを遠隔操作することが考えられる。清掃者は、トイレ装置を清掃する特定の操作を行う。そのため、特定の操作を行う者の目的に沿ってトイレ装置の操作を行うことができることが望まれている。
【0005】
本開示は、特定の操作を行う者の目的に沿ったトイレ装置の操作を行うことができるトイレシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、複数のトイレ装置を、操作端末により、通信ネットワークを介して操作可能なトイレシステムであって、前記トイレ装置は、制御部を備え、前記制御部は、所定のトリガ信号に応じて特定操作モードを設定するモード設定部と、前記モード設定部により特定操作モードが設定された場合に前記操作端末からの操作を受け付け可能な受付部と、を有する、トイレシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る公衆トイレシステムを示す図である。
【
図2】公衆トイレシステムの機能ブロック図である。
【
図3A】管理者用端末の操作画面の一例を示す図である。
【
図3B】清掃者用端末の操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本実施形態に係る公衆トイレシステム1は、公衆トイレ10を構成する公衆の複数のトイレ装置11と、管理者用端末30と、清掃者用端末40(操作端末)と、を備える。複数のトイレ装置11、管理者用端末30及び清掃者用端末40は、通信ネットワークNWの環境下に配置される。管理者用端末30及び清掃者用端末40としては、例えば、スマートフォンなどの携帯端末が用いられる。
【0009】
本実施形態の公衆トイレシステム1においては、公衆の複数のトイレ装置11を、管理者用端末30及び清掃者用端末40を用いて、無線の通信ネットワークNWを介して、管理者用端末30及び清掃者用端末40のユーザーが操作可能である。管理者は、管理者用端末30を用いて、トイレ装置11の遠隔操作が可能である。管理者用端末30は、複数のトイレ装置11を管理するために用いられる。清掃者は、清掃者用端末40を用いて、トイレ装置11の遠隔操作が可能であると共に、トイレ室110内においてトイレ装置11を操作可能である。清掃者用端末40は、複数のトイレ装置11の清掃操作(特定操作)を行うために用いられる。
【0010】
複数のトイレ装置11は、
図1に示すように、それぞれ、トイレ室110に配置される。複数のトイレ装置11は、通信ネットワークNWを介して、管理者用端末30及び清掃者用端末40に接続されている。トイレ装置11の各種の設定値は、管理者用端末30及び清掃者用端末40において確認したり変更したりすることが可能である。トイレ装置11は、管理者用端末30及び清掃者用端末40により各種の操作が実行される。
【0011】
トイレ装置11は、
図1及び
図2に示すように、便器12と、便座13と、便器12の後部の上部に配置される機能部14と、トイレ室110に人が存在していることを検知可能な人体検知センサ15と、便座13の開閉状態を検知可能な便座開閉センサ16と、ノズル洗浄装置17と、使用者がトイレ装置11を動作させるために使用するリモコン装置19と、を有する。
【0012】
機能部14には、洗浄ノズル141が設けられる。洗浄ノズル141は、人体の局部を洗浄する肛門洗浄やビデ洗浄に用いられる。洗浄ノズル141は、清掃者が清掃者用端末40を操作することで、清掃時において、ノズル洗浄装置17により洗浄される。洗浄ノズル141は、清掃時において、清掃者が清掃者用端末40により洗浄ノズル141を外側に延出させる操作を行うことで、清掃者により清掃されることもできる。
【0013】
管理者用端末30は、管理者により使用される端末である。管理者は、管理者用端末30を用いて、通信ネットワークNWを介して、遠隔操作により、複数のトイレ装置11を管理する。
【0014】
管理者用端末30は、通信ネットワークNWを介した遠隔操作により、公衆トイレ10の複数のトイレ装置11の異常情報を受け取ることや、公衆トイレ10の複数のトイレ装置11の各種の設定値を一括した操作で変更することができる。管理者用端末30は、トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されている場合には、トイレ装置11を使用する使用者が存在しているとして、遠隔操作により、トイレ装置11を操作できない。
【0015】
管理者用端末30が受け取ることができる異常情報は、例えば、トイレ装置11から水があふれた場合の異常を知らせる異常情報などである。管理者用端末30が変更できる複数のトイレ装置11の各種の設定値としては、複数のトイレ装置11それぞれについて、便座13の設定温度や、洗浄ノズル141から吐水される洗浄水の設定温度などがある。管理者は、例えば、
図3Aに示す管理者用端末30の操作画面を操作することで、便座13の設定温度や、洗浄ノズル141から吐水される洗浄水の設定温度などを変更する操作を行うことができる。
【0016】
清掃者用端末40は、清掃者により使用される端末である。清掃者は、清掃者用端末40を用いて、通信ネットワークNWを介して、トイレ室110の空き状況を確認可能であり、トイレ装置11の清掃を実行させるための各操作を行うことができる。清掃者用端末40は、トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されている場合には、トイレ装置11を使用する使用者が存在しているとして、遠隔操作により、トイレ装置11を操作できない。
【0017】
清掃者用端末40により行われるトイレ装置11の清掃を実行させるための各操作としては、例えば、次のような操作がある。(i)ノズル洗浄装置17(
図2参照)により洗浄ノズル141を清掃するノズル洗浄動作を実行させる操作。(ii)清掃者が洗浄ノズル141を清掃するために、洗浄ノズル141を外側に延出させる操作。(iii)リフトアップ機構14a(
図2参照)により便器12の上面を清掃するために便器12に対して機能部14を電動で上昇させる動作を実行させる操作。(iv)便器12内を清掃するために便器12内に貯留される水の水位を下げる動作を実行させる操作。(v)便器12内を泡により洗浄する動作を実行させる操作。(vi)清掃者が便器12内を清掃するために、便器12内に泡を出す操作。
【0018】
清掃者は、例えば、
図3Bに示す清掃者用端末40の操作画面を操作することで、便器12に対して機能部14を上昇させるリフトアップ動作やノズル洗浄動作などを実行させることができる。
【0019】
清掃者用端末40により、複数のトイレ装置11から特定のトイレ装置を選択して、選択したトイレ装置11の清掃操作(特定操作)を行うことが可能である。例えば、清掃者用端末40により、全てのトイレ装置11が表示された表示画面から特定のトイレ装置11を選択して、選択したトイレ装置11の特定操作を行うことができる。他のトイレ装置11について掃除モードが解除されていないことが報知された場合に、清掃者用端末40により、選択したトイレ装置11の特定操作を行うことができる。
【0020】
トイレ装置11は、
図2に示すように、制御部20を備える。制御部20は、モード設定部21と、受付部22と、各清掃動作の実行を指示する指示部23と、報知部24と、モード解除部25と、を有する。
【0021】
モード設定部21は、所定のトリガ信号に応じて、掃除モード(特定操作モード)を設定する。トリガ信号は、トイレ装置11が配置されるトイレ室110において特定の操作が行われた場合に出力される。掃除モードが設定されることで、トイレ装置11を清掃するための操作が許可され、トイレ装置11を清掃するための操作が実行可能な状態となる。モード設定部21により掃除モードが設定される前の通常時は、掃除モードは設定されておらず、トイレ装置11を清掃するための操作は許可されていない。トリガ信号は、次のような場合の何れかにおいて出力される。
【0022】
(a)トイレ装置11の便座13を上げた場合(例えば、便座13を上げている間、便座13を上げてから所定時間(例えば1分間)など)。(b)トイレ装置11が配置されるトイレ室110に備えられたリモコン装置19(トイレ室端末)により掃除モードに設定する操作が実行された場合(例えば、リモコン装置19の停止ボタンが長く押された場合など)。(c)トイレ室110に備えられたスイッチにより掃除モードに設定する操作が実行された場合。(d)トイレ室110に備えられた掃除モードに設定するためのセンサ(図示せず)に検知された場合。(e)通信ネットワークNWを介して清掃者用端末40により掃除モードに設定する操作が実行された場合。このように出力されたトリガ信号に応じて、モード設定部21は、掃除モードを設定する。
【0023】
受付部22は、モード設定部21により掃除モードが設定された場合に、清掃者用端末40からのトイレ装置11を清掃する動作を実行させる操作を受け付け可能である。受付部22は、清掃者用端末40を用いてトイレ室110内においてトイレ装置11が操作される場合に、トイレ装置11を清掃する動作を実行させる操作を受け付け可能である。受付部22は、トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されている場合においても検知されていない場合においても、清掃者用端末40からの操作を受け付け可能である。これによって、人体検知センサ15により清掃者が検知されているがために、清掃者用端末40からの操作が拒絶されることを回避できる。トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されていない場合においても、清掃者用端末40からの操作を受け付け可能である。
【0024】
指示部23は、受付部22に受け付けられたトイレ装置11を清掃する動作を実行させる操作に基づいて、トイレ装置11に各種の清掃動作を指示する。例えば、指示部23は、洗浄ノズル141を伸縮させて洗浄ノズル141を洗浄するようにノズル洗浄装置17を制御する動作や、機能部14の上面を清掃するために機能部14を電動で上昇させるようにリフトアップ機構14aを駆動させる動作や、便器12内を清掃するために便器12内に貯留される水の水位を下げる動作や、便器12内を泡により洗浄する場合に便器12の内部に泡を出す動作などの清掃動作を指示する。これにより、トイレ装置11は、各種の清掃動作を実行する。
【0025】
報知部24は、一群の公衆トイレ10に配置される複数のトイレ装置11のうちの所定のトイレ装置11をモード設定部21により掃除モードに設定する場合に、他のトイレ装置11が掃除モードに設定されているときには、清掃者用端末40に報知情報を出力する。例えば、所定のトイレ装置11をモード設定部21により掃除モードに設定する場合に、他のトイレ装置11が掃除モードに設定されている場合には、複数のトイレ装置11の清掃動作の実行の操作を同時に行う可能性がある。そのため、報知部24は、清掃者用端末40に報知情報を出力する。この場合、清掃者用端末40の表示画面には、例えば、「操作できるトイレが複数あります。操作を実行しますか?」などのアナウンス表示を表示させることが可能である。清掃者用端末40の表示画面に出力された報知情報に基づいて、複数のトイレ装置11から1つのトイレ装置11を選択する操作を行うことも可能である。
【0026】
モード解除部25は、所定解除条件を満たした場合に、掃除モードを解除する。清掃が終了したトイレ装置11の掃除モードを解除することで、複数のトイレ装置11を同時に掃除モードとすることがなく、複数のトイレ装置11の清掃動作の実行の操作を同時に行うことがない。
【0027】
所定解除条件を満たした場合とは、例えば、掃除モードに設定されてから一定時間経過した場合や、リモコン装置19を用いて掃除モードの設定操作と同じ操作及び逆の操作の何れかを行った場合などである。所定解除条件を満たした場合を、清掃者が清掃者用端末40を用いて掃除モードの終了の操作を実行した場合としてもよい。所定解除条件を満たすために、清掃者用端末40を用いなくてもよい。
【0028】
公衆トイレシステム1の制御例について説明する。本実施形態の公衆トイレシステム1においては、管理者による通信ネットワークNWを介した遠隔操作により、公衆トイレ10の管理が行われている。清掃者は、公衆トイレ10の複数のトイレ装置11のうち、清掃対象のトイレ装置11の清掃を、通信ネットワークNWを介して行う。
【0029】
清掃者がトイレ室110に入ってトイレ装置11の清掃を行う場合には、清掃者は、複数のトイレ装置11のうち清掃対象のトイレ装置11のトイレ室110に入室する。そして、例えば、清掃者が便座13を開ける操作を行うことで、トリガ信号が出力される。モード設定部21は、トリガ信号に応じて、掃除モードに設定する。
【0030】
受付部22は、トイレ室110内において清掃者用端末40によりトイレ装置11を操作する場合において、トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されている場合においても、清掃者用端末40からの操作を受け付け可能である。人体検知センサ15により清掃者が検知されていても、清掃者用端末40からの操作が拒絶されることを回避できる。
【0031】
次に、清掃者は、清掃対象のトイレ装置11の清掃動作を実行するために、清掃者用端末40を用いて、操作画面において、トイレ装置11の清掃を実行させるための各操作を選択する。例えば、清掃者は、
図3Bに示す清掃者用端末40の操作画面を操作することで、便器12に対して機能部14を上昇させるリフトアップ動作を実行させる操作や、ノズル洗浄動作を実行させる操作を選択する。これにより、トイレ装置11の清掃動作が実行される。
【0032】
トイレ装置11の清掃動作の終了後、所定の解除条件を満たした場合に、モード解除部25により、掃除モードが解除される。
【0033】
以上説明した本実施形態の公衆トイレシステム1によれば、以下のような効果を奏する。公衆トイレシステム1は、複数のトイレ装置11を、清掃者用端末40により、通信ネットワークNWを介して操作可能であり、トイレ装置11は、制御部20を備え、制御部20は、所定のトリガ信号に応じて特定操作モードを設定するモード設定部21と、モード設定部21により特定操作モードが設定された場合に清掃者用端末40からの操作を受け付け可能な受付部22と、を有する。これにより、清掃者の目的に沿ったトイレ装置11の操作を行うことができる。
【0034】
本実施形態においては、トイレ装置11が配置されるトイレ室110において特定の操作が行われた場合に、トリガ信号が出力される。これにより、トイレ室110において行われた特定の操作により出力されたトリガ信号に応じて、モード設定部21は、掃除モードを設定できる。よって、出力されたトリガ信号に応じて、清掃者の目的に沿ったトイレ装置11の操作を容易に行うことができる。
【0035】
本実施形態においては、トリガ信号は、トイレ装置11の便座13を上げた場合、トイレ装置11が配置されるトイレ室110に備えられたリモコン装置19により掃除モードに設定する操作が実行された場合、トイレ室110に備えられたスイッチにより掃除モードに設定する操作が実行された場合、トイレ室110に備えられた掃除モードに設定するためのセンサに検知された場合に出力される。トリガ信号は、トイレ室110内の簡単な操作により出力される。よって、簡単な操作により出力されたトリガ信号に応じて、清掃者の目的に沿ったトイレ装置11の操作を容易に行うことができる。
【0036】
本実施形態においては、通信ネットワークNWを介して清掃者用端末40により掃除モードに設定する操作が実行された場合に出力される。トリガ信号は、清掃者用端末40からの簡単な操作により出力される。よって、簡単な操作により出力されたトリガ信号に応じて、清掃者の目的に沿ったトイレ装置11の操作を容易に行うことができる。
【0037】
本実施形態においては、受付部22は、清掃者用端末40を用いてトイレ室110内においてトイレ装置11が操作される場合に、トイレ室110内において人体検知センサ15により人体が検知されている場合において、清掃者用端末40からの操作を受け付け可能である。これにより、清掃者用端末40を用いてトイレ室110内においてトイレ装置11を操作する場合に、人体検知センサ15により清掃者が検知されていても、清掃者用端末40からの操作が拒絶されることを回避できる。
【0038】
本実施形態においては、制御部20は、一群の公衆トイレ10に配置される複数のトイレ装置11のうちの所定のトイレ装置11をモード設定部21により掃除モードに設定する場合に、他のトイレ装置11が掃除モードに設定されているときに清掃者用端末40に報知情報を出力する報知部24を備える。これにより、清掃者は、他のトイレ装置11について掃除モードが解除されていないことを認識でき、他のトイレ装置11の掃除モードを解除できる。清掃が終了したトイレ装置11の掃除モードが解除されることで、複数のトイレ装置11の清掃を同時に行うことなく、新たに掃除モードを設定したトイレ装置11のみの清掃を行うことができる。
【0039】
本実施形態においては、清掃者用端末40により、複数のトイレ装置11から特定のトイレ装置11を選択して、選択したトイレ装置11の特定操作を行うことが可能である。これにより、選択したトイレ装置11の特定操作を行うことで、清掃者の目的に沿ったトイレ装置11の操作を行うことができる。
【0040】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0041】
例えば、前記実施形態においては、特定操作モードとして、例えば、トイレ装置11を清掃する際の掃除モードについて説明した。しかし、これに限定されない。特定操作モードとしては、例えば、トイレ装置11をメンテナンスする際のメンテナンスモードや、トイレ装置11を施工する際に便器に溜める水量の調整などを行う施工モードなどでもよい。
【0042】
前記実施形態において、所定のトイレ装置11をモード設定部21により掃除モードに設定する場合に、他のトイレ装置11が掃除モードに設定されているときに清掃者用端末40に報知情報を出力するように構成した。しかし、これに限定されない。他のトイレ装置11が掃除モードに設定されて清掃動作が実行されていた場合に、最後に掃除モードに設定したトイレ装置11のみの清掃動作を実行する操作を行うことができるように構成してもよい。
【0043】
前記実施形態では、複数の公衆のトイレ装置11を備える公衆トイレシステム1について説明した。しかし、「公衆」には限定されない。
【符号の説明】
【0044】
1 公衆トイレシステム、10 公衆トイレ、11 トイレ装置、15 人体検知センサ、30 管理者用端末、40 清掃者用端末(操作端末)、20 制御部、21 モード設定部、22 受付部、24 報知部、110 トイレ室、NW 通信ネットワーク