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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】DC/DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021144544
(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公開番号】P2023037774
(43)【公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直久
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-114931(JP,A)
【文献】国際公開第2015/079573(WO,A1)
【文献】特開2021-019396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインスイッチおよび直流リアクトルを含むDC/DCコンバータ回路と、
共振用スイッチ、共振用リアクトル、および前記メインスイッチの電流路に並列接続された共振用コンデンサを含むARCP回路と、
前記メインスイッチおよび前記共振用スイッチのスイッチングを制御する制御回路と、
を備えるDC/DCコンバータであって、
前記制御回路は、
前記共振用スイッチをターンオンさせ、前記共振用スイッチのオン期間に前記メインスイッチをターンオンさせる制御部と、
前記メインスイッチをターンオンさせる動作タイミングに関するタイミングテーブルが記憶された記憶部と、
を備え、
前記制御部は、
前記タイミングテーブルの前記動作タイミングに基づいて前記メインスイッチをターンオンさせるスイッチング処理と、
前記共振用リアクトルを流れる共振電流の立下り時の電流波形と前記直流リアクトルを流れるリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングと前記動作タイミングとのずれ量が減少するように、前記動作タイミングを修正して前記タイミングテーブルを更新する更新処理と、
を実行すること特徴とするDC/DCコンバータ。
【請求項2】
前記リアクトル電流を測定する第1電流測定手段と、
前記共振電流を測定する第2電流測定手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1電流測定手段および前記第2電流測定手段の測定結果に基づいて、前記交差タイミングを検出することを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項3】
前記メインスイッチの前記電流路の両端電圧を測定する電圧測定手段を備え、
前記制御部は、
前記電圧測定手段の測定結果に基づいて、前記共振用スイッチの前記オン期間に前記両端電圧が最小値に達したことを検出することで、前記交差タイミングを検出することを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項4】
前記交差タイミングおよび前記動作タイミングは、
前記共振用スイッチのターンオンを起点とした時間であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項5】
前記記憶部には、
前記DC/DCコンバータ回路の入力電圧値、出力電圧値および出力電流値の少なくとも1つからなる動作条件に関する条件テーブルであって、前記動作条件の値が異なる複数の条件テーブルが記憶されており、
前記複数の条件テーブルは、前記条件テーブルごとに前記タイミングテーブルが関連付けされており、
前記制御部は、
前記複数の条件テーブルから一の条件テーブルを選択し、前記一の条件テーブルに関連付けされた前記タイミングテーブルに用いて、前記スイッチング処理および前記更新処理を実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項6】
前記動作条件を測定するための測定手段を備え、
前記制御部は、
前記測定手段の測定結果に基づいて、前記ARCP回路の動作を停止させるか否かの判断を行い、
前記ARCP回路の動作を停止させると判断した場合、前記共振用スイッチを連続オフ状態にして、前記メインスイッチをPWM制御によりオン/オフさせることを特徴とする請求項5に記載のDC/DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ARCP(Auxiliary Resonant Commutated Pole:補助共振転流ポール)回路を備えるDC/DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
ARCP回路を備えるDC/DCコンバータとして、例えば、特許文献1に記載の双方向DC/DCコンバータが知られている。特許文献1に記載の双方向DC/DCコンバータは、図4に示す双方向DC/DCコンバータ1Cと同じ回路構成である。
【0003】
双方向DC/DCコンバータ1Cは、DC/DCコンバータ回路と、ARCP回路2と、DC/DCコンバータ回路およびARCP回路2を制御する制御回路10Cと、入出力端T1~T4とを備える。
【0004】
入出力端T1,T2には、双方向インバータが接続される。入出力端T3,T4には、蓄電池(例えば、電気自動車のバッテリ)が接続される。
【0005】
DC/DCコンバータ回路は、メインスイッチS1,S2と、直流リアクトルL1と、コンデンサC1,C2とを備える。メインスイッチS1は、MOSFETからなるスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD1とを含む。同様に、メインスイッチS2は、MOSFETからなるスイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD2とを含む。
【0006】
ARCP回路2は、共振用スイッチS3,S4と、主巻線N1および補助巻線N2を含む回生用のトランスTR1と、共振用リアクトルL2と、共振用コンデンサC3,C4と、回生用のダイオードD5,D6とを備える。共振用スイッチS3は、MOSFETからなるスイッチング素子Q3と、スイッチング素子Q3のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD3とを含む。同様に、共振用スイッチS4は、MOSFETからなるスイッチング素子Q4と、スイッチング素子Q4のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD4とを含む。
【0007】
双方向DC/DCコンバータ1Cは、コンデンサC2側からコンデンサC1側への電力変換動作(昇圧動作)と、コンデンサC1側からコンデンサC2側への電力変換動作(降圧動作)とを行う。
【0008】
図5に、昇圧動作においてスイッチング素子Q2をターンオフさせる際の各種波形図を示す。図5(A)は、スイッチング素子Q2,Q4のゲート電圧Vgsの波形図であり、図5(B)は、直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流および共振用リアクトルL2を流れる共振電流の波形図であり、図5(C)は、スイッチング素子Q2のドレイン電流Idおよびドレイン・ソース間電圧Vdsの波形図である。
【0009】
時刻t11において、制御回路10Cがスイッチング素子Q2をターンオフさせると、スイッチング素子Q2を流れていた電流は共振コンデンサC4に転流し、共振コンデンサC4が充電される。スイッチング素子Q2のドレイン電流Idが比較的早く減少する一方、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsは緩やかに増加するため、ドレイン電流Idの立下りとドレイン・ソース間電圧Vdsの立上りとの重なる領域が減少する。その結果、時刻t11~t12において、ゼロ電圧スイッチングが実現され、スイッチング素子Q2のターンオフ時のスイッチングロスが低減される。
【0010】
図6に、昇圧動作においてスイッチング素子Q2をターンオンさせる際の各種波形図を示す。図6(A)は、スイッチング素子Q2,Q4のゲート電圧Vgsの波形図であり、図6(B)は、リアクトル電流および共振電流の波形図であり、図6(C)は、スイッチング素子Q2のドレイン電流Idおよびドレイン・ソース間電圧Vdsの波形図である。
【0011】
時刻t21において、制御回路10Cがスイッチング素子Q4をターンオンさせると、ダイオードD1を流れていた電流が共振用リアクトルL2に転流し、さらに共振用リアクトルL2が共振用コンデンサC4から電荷を引き抜くように作用するため、共振用リアクトルL2、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC4が共振する。これにより、共振用リアクトルL2に共振電流が流れ、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsは減少する。
【0012】
時刻t22において、共振電流の立下り時の電流波形とリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングで、制御回路10Cがスイッチング素子Q2をターンオンさせると、スイッチング素子Q4がオン状態なのでスイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsはほぼ0[V]になり、スイッチング素子Q2のドレイン電流Idは0[A]から立ち上がる。その結果、ゼロ電圧スイッチングおよびゼロ電流スイッチングが実現され、スイッチング素子Q2のターンオン時のスイッチングロスが低減される。
【0013】
共振用コンデンサC4から引き抜かれた電荷が共振電流としてトランスTR1の主巻線N1に流れると、トランスTR1の補助巻線N2に電圧が誘起される。補助巻線N2に誘起された電圧は、ダイオードD5を介してコンデンサC1に回生される。共振電流が流れ終り、主巻線N1の電圧極性が反転すると、補助巻線N2に誘起された電圧も極性が反転する。この極性が反転した反転電圧は、ダイオードD6を介してコンデンサC1に回生される。
【0014】
ところで、制御回路10Cは、スイッチング素子Q2をターンオンさせる動作タイミングを予め記憶している。上記動作タイミングは、共振電流の立下りとリアクトル電流とが交差する交差タイミングでスイッチング素子Q2がターンオンするように、共振用リアクトルL2のインダクタンス、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC4の静電容量の設計値(平均値)を使用し、入力電圧および負荷条件を可変させた実験によって算出される。
【0015】
しかしながら、共振用リアクトルL2のインダクタンス、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC4の静電容量は、設計値に対してばらつきが生じる。設計値に対してばらつきが生じると、共振電流が流れる時間(共振時間)にもばらつきが生じ、交差タイミングと動作タイミングとにずれが生じる。
【0016】
図7に、インダクタンスにばらつきが生じた場合の各種波形図を示す。図7(A)は、図6(A)と共通する。図7(B)は、図6(B)に設計値よりもインダクタンスが小の場合およびインダクタンスが大の場合の共振電流の波形を追加したものである。図7(C)は、図6(C)に設計値よりもインダクタンスが小の場合およびインダクタンスが大の場合のスイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsの波形を追加したものである。
【0017】
図7に示すように、設計値よりもインダクタンスが小の場合、スイッチング素子Q2がターンオンする動作タイミング(時刻t22)は、共振電流の立下りとリアクトル電流とが交差する交差タイミング(時刻t221)よりも後になる。その結果、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsがほぼ0[V]になってから、所定時間経過した後にスイッチング素子Q2のドレイン電流Idが0[A]から立ち上がる。
【0018】
一方、設計値よりもインダクタンスが大の場合、スイッチング素子Q2がターンオンする動作タイミング(時刻t22)は、共振電流の立下りとリアクトル電流とが交差する交差タイミング(時刻t222)よりも前になる。その結果、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsがほぼ0[V]になる前に、スイッチング素子Q2のドレイン電流Idが0[A]から立ち上がる。
【0019】
このように、共振時間のばらつきによって交差タイミングと動作タイミングとにずれが生じた場合、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vdsの立下りのタイミングにもずれが生じる。その結果、スイッチング素子Q2のスイッチングは、ゼロ電圧スイッチングおよびゼロ電流スイッチングから外れてしまい、電力変換効率の低下およびスイッチングノイズの増加を招く。また、双方向DC/DCコンバータ1Cでは、昇圧動作と降圧動作とが同じ動作原理であるため、降圧動作時にも同様の問題が生じる。
【0020】
なお、共振時間のばらつきを抑制するために、共振用リアクトルL2のインダクタンス、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC3,C4の静電容量のばらつきを抑えた部品を作製したり、選別したりすることが考えられるが、その場合、コストアップ、歩留まりが低下する等の別の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】特開2021-19396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、共振時間のばらつきによって生じる電力変換効率の低下およびスイッチングノイズの増加を抑制可能なDC/DCコンバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明に係るDC/DCコンバータは、
メインスイッチおよび直流リアクトルを含むDC/DCコンバータ回路と、
共振用スイッチ、共振用リアクトル、および前記メインスイッチの電流路に並列接続された共振用コンデンサを含むARCP回路と、
前記メインスイッチおよび前記共振用スイッチのスイッチングを制御する制御回路と、
を備えるDC/DCコンバータであって、
前記制御回路は、
前記共振用スイッチをターンオンさせ、前記共振用スイッチのオン期間に前記メインスイッチをターンオンさせる制御部と、
前記メインスイッチをターンオンさせる動作タイミングに関するタイミングテーブルが記憶された記憶部と、
を備え、
前記制御部は、
前記タイミングテーブルの前記動作タイミングに基づいて前記メインスイッチをターンオンさせるスイッチング処理と、
前記共振用リアクトルを流れる共振電流の立下り時の電流波形と前記直流リアクトルを流れるリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングと前記動作タイミングとのずれ量が減少するように、前記動作タイミングを修正して前記タイミングテーブルを更新する更新処理と、
を実行すること特徴とする。
【0024】
この構成によれば、共振時間のばらつきにより交差タイミングと動作タイミングとにずれが生じた場合であっても、更新処理を実行して動作タイミングを修正することにより、交差タイミングと動作タイミングとのずれ量を減少させることができる。したがって、この構成によれば、共振時間のばらつきによって生じる電力変換効率の低下およびスイッチングノイズの増加を抑制できる。
【0025】
前記DC/DCコンバータは、
前記リアクトル電流を測定する第1電流測定手段と、
前記共振電流を測定する第2電流測定手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1電流測定手段および前記第2電流測定手段の測定結果に基づいて、前記交差タイミングを検出するよう構成できる。
【0026】
前記DC/DCコンバータは、
前記メインスイッチの前記電流路の両端電圧を測定する電圧測定手段を備え、
前記制御部は、
前記電圧測定手段の測定結果に基づいて、前記共振用スイッチの前記オン期間に前記両端電圧が最小値に達したことを検出することで、前記交差タイミングを検出するよう構成できる。
【0027】
前記DC/DCコンバータにおいて、
前記交差タイミングおよび前記動作タイミングは、
前記共振用スイッチのターンオンを起点とした時間であってもよい。
【0028】
前記DC/DCコンバータにおいて、
前記記憶部には、
前記DC/DCコンバータ回路の入力電圧値、出力電圧値および出力電流値の少なくとも1つからなる動作条件に関する条件テーブルであって、前記動作条件の値が異なる複数の条件テーブルが記憶されており、
前記複数の条件テーブルは、前記条件テーブルごとに前記タイミングテーブルが関連付けされており、
前記制御部は、
前記複数の条件テーブルから一の条件テーブルを選択し、前記一の条件テーブルに関連付けされた前記タイミングテーブルに用いて、前記スイッチング処理および前記更新処理を実行するよう構成できる。
【0029】
前記DC/DCコンバータは、
前記動作条件を測定するための測定手段を備え、
前記制御部は、
前記測定手段の測定結果に基づいて、前記ARCP回路の動作を停止させるか否かの判断を行い、
前記ARCP回路の動作を停止させると判断した場合、前記共振用スイッチを連続オフ状態にして、前記メインスイッチをPWM制御によりオン/オフさせるよう構成できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、共振時間のばらつきによって生じる電力変換効率の低下およびスイッチングノイズの増加を抑制可能なDC/DCコンバータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1実施形態に係るDC/DCコンバータの回路図である。
図2】第1実施形態に係るDC/DCコンバータの昇圧動作時の各種波形図であって、(A)はスイッチング素子Q2,Q4のゲート電圧Vgs、(B)はリアクトル電流および共振電流、(C)はスイッチング素子Q2のドレイン電流Idおよびドレイン・ソース間電圧Vdsの波形図である。
図3】第2実施形態に係るDC/DCコンバータの回路図である。
図4】従来のDC/DCコンバータの回路図である。
図5】従来のDC/DCコンバータにおいて、昇圧動作時にスイッチング素子Q2をターンオフさせる際の各種波形図である。
図6】従来のDC/DCコンバータにおいて、昇圧動作時にスイッチング素子Q2をターンオンさせる際の各種波形図である。
図7】従来のDC/DCコンバータにおいて、共振時間のばらつきによって生じる問題を説明するための各種波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照し、本発明に係るDC/DCコンバータの実施形態について、双方向DC/DCコンバータを例に挙げて説明する。
【0033】
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態に係る双方向DC/DCコンバータ1Aを示す。双方向DC/DCコンバータ1Aは、DC/DCコンバータ回路と、ARCP回路2と、第1電圧測定手段3と、第2電圧測定手段4と、第1電流測定手段5と、第2電流測定手段6と、DC/DCコンバータ回路およびARCP回路2を制御する制御回路10Aと、入出力端T1~T4とを備える。
【0034】
双方向DC/DCコンバータ1Aは、入出力端T3,T4側から入出力端T1,T2側への電力変換動作(昇圧動作)と、入出力端T1,T2側から入出力端T3,T4側への電力変換動作(降圧動作)とを行う。入出力端T1,T2には、例えば、双方向インバータが接続され、入出力端T3,T4には、例えば、電気自動車のバッテリが接続される。
【0035】
DC/DCコンバータ回路は、メインスイッチS1,S2と、直流リアクトルL1と、コンデンサC1,C2とを備える。
【0036】
メインスイッチS1,S2は、互いに直列接続され、直列接続された電流路の一端が入出力端T1に接続され、他端が入出力端T2,T4に接続される。メインスイッチS1とメインスイッチS2との接続点X1は、直流リアクトルL1を介して入出力端T3に接続される。コンデンサC1は、メインスイッチS1,S2よりも入出力端T1,T2側において、入出力端T1,T2間に接続される。コンデンサC2は、直流リアクトルL1よりも入出力端T3,T4側において、入出力端T3,T4間に接続される。
【0037】
メインスイッチS1は、MOSFETからなるスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD1とを含む。同様に、メインスイッチS2は、MOSFETからなるスイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD2とを含む。ダイオードD1は、スイッチング素子Q1の寄生ダイオードでもよいし、スイッチング素子Q1とは独立した個別ダイオードでもよい。ダイオードD2についても同様である。
【0038】
ARCP回路2は、共振用スイッチS3,S4と、主巻線N1および補助巻線N2を含む回生用のトランスTR1と、共振用リアクトルL2と、共振用コンデンサC3,C4と、回生用のダイオードD5,D6とを備える。
【0039】
共振用スイッチS3,S4は、メインスイッチS1,S2とコンデンサC1との間に設けられ、互いに直列接続され、かつメインスイッチS1,S2に対して並列接続される。共振用スイッチS3と共振用スイッチS4との接続点X2は、トランスTR1の主巻線N1および共振用リアクトルL2を介して、接続点X1に接続される。共振用コンデンサC3は、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間に並列接続され、共振用コンデンサC4は、スイッチング素子Q2のドレイン・ソース間に並列接続される。トランスTR1の補助巻線N2の一端および他端は、それぞれダイオードD5,D6を介して入出力端T1に接続される。また、補助巻線N2はセンタータップを有し、当該センタータップは入出力端T2に接続される。
【0040】
共振用スイッチS3は、MOSFETからなるスイッチング素子Q3と、スイッチング素子Q3のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD3とを含む。同様に、共振用スイッチS4は、MOSFETからなるスイッチング素子Q4と、スイッチング素子Q4のドレイン・ソース間に並列接続されたダイオードD4とを含む。ダイオードD3は、スイッチング素子Q3の寄生ダイオードでもよいし、スイッチング素子Q3とは独立した個別ダイオードでもよい。ダイオードD4についても同様である。
【0041】
第1電圧測定手段3は、コンデンサC1の両端電圧を測定する。第2電圧測定手段4は、コンデンサC2の両端電圧を測定する。第1電流測定手段5は、直流リアクトルL1と入出力端T3との間に設けられ、直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流を測定する。第2電流測定手段6は、共振用リアクトルL2と接続点X1との間に設けられ、共振用リアクトルL2を流れる共振電流を測定する。第1電圧測定手段3、第2電圧測定手段4、第1電流測定手段5および第2電流測定手段6は、測定結果(測定した電圧値または電流値に応じたセンサ信号)を制御回路10Aに出力する。
【0042】
制御回路10Aは、制御部11Aおよび記憶部12Aを備える。制御回路10Aは、例えば、マイコンで構成される。
【0043】
制御部11Aは、メインスイッチS1,S2のスイッチング素子Q1,Q2および共振用スイッチS3,S4のスイッチング素子Q3,Q4を制御する。例えば、昇圧動作時の制御部11Aは、共振電流が流れていない期間(例えば、図2のPWM制御可能期間:時刻t~t)に、スイッチング素子Q2のPWM制御を行い、共振電流が流れている期間(例えば、図2のPWM制御不可期間:時刻t~t)に、スイッチング素子Q2を記憶部12Aに記憶された動作タイミングでターンオンさせる。同様に、降圧動作時の制御部11Aは、PWM制御可能期間にスイッチング素子Q1のPWM制御を行い、PWM制御不可期間にスイッチング素子Q1を記憶部12Aに記憶された動作タイミングでターンオンさせる。
【0044】
記憶部12Aには、昇圧動作時の動作条件に関する複数の第1条件テーブルと、複数の第1条件テーブルのそれぞれに1対1で関連付けされた複数の第1タイミングテーブルと、降圧動作時の動作条件に関する複数の第2条件テーブルと、複数の第2条件テーブルのそれぞれに1対1で関連付けされた複数の第2タイミングテーブルと、ARCP回路2の動作停止となる動作条件に関する複数の第3条件テーブルとが記憶されている。
【0045】
第1条件テーブルの動作条件は、昇圧動作時におけるDC/DCコンバータ回路の入力電圧値(コンデンサC2の電圧値)と、出力電圧値(コンデンサC1の電圧値)と、出力電流値(直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流の電流値)とを含む。複数の第1条件テーブルは、それぞれ動作条件の値が異なる。
【0046】
第1タイミングテーブルは、メインスイッチS2のスイッチング素子Q2をターンオンさせる動作タイミングに関するものである。動作タイミングは、共振用スイッチS4のスイッチング素子Q4のターンオンを起点とした時間、すなわち制御回路10Aがスイッチング素子Q4のゲート信号(ゲート電圧Vgs)をハイレベルに切り替えてからスイッチング素子Q2のゲート信号(ゲート電圧Vgs)をハイレベルに切り替えるまでの時間である。
【0047】
第1タイミングテーブルの動作タイミングは、共振電流の立下りとリアクトル電流とが交差する交差タイミングでスイッチング素子Q2がターンオンするように、例えば、共振用リアクトルL2のインダクタンス、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC4の静電容量の設計値(平均値)を使用し、第1条件テーブルの各動作条件下で実験を行うことによって算出される。
【0048】
第2条件テーブルの動作条件は、降圧動作時におけるDC/DCコンバータ回路の入力電圧値(コンデンサC1の電圧値)と、出力電圧値(コンデンサC2の電圧値)と、出力電流値(直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流の電流値)とを含む。複数の第2条件テーブルは、それぞれ動作条件の値が異なる。
【0049】
第2タイミングテーブルは、メインスイッチS1のスイッチング素子Q1をターンオンさせる動作タイミングに関するものである。動作タイミングは、共振用スイッチS3のスイッチング素子Q3のターンオンを起点とした時間、すなわち制御回路10Aがスイッチング素子Q3のゲート信号(ゲート電圧Vgs)をハイレベルに切り替えてからスイッチング素子Q1のゲート信号(ゲート電圧Vgs)をハイレベルに切り替えるまでの時間である。
【0050】
第2タイミングテーブルの動作タイミングは、共振電流の立下りとリアクトル電流とが交差する交差タイミングでスイッチング素子Q1がターンオンするように、例えば、共振用リアクトルL2のインダクタンス、トランスTR1のリーケージインダクタンスおよび共振用コンデンサC3の静電容量の設計値(平均値)を使用し、第2条件テーブルの各動作条件下で実験を行うことによって算出される。
【0051】
第3条件テーブルの動作条件は、昇圧動作時にARCP回路2の動作を停止させる場合のDC/DCコンバータ回路の入力電圧値、出力電圧値および出力電流値からなる動作条件と、降圧動作時にARCP回路2の動作を停止させる場合のDC/DCコンバータ回路の入力電圧値、出力電圧値および出力電流値からなる動作条件とを含む。
【0052】
例えば、昇圧動作時の制御部11Aは、PWM制御可能期間内でスイッチング素子Q2のデューティを可変させてPWM制御を行うが、軽負荷になるにつれてスイッチング素子Q2のオフ期間を増加させる必要がある。軽負荷がさらに進行すると、共振電流が流れているPWM制御不可期間にもPWM制御を行う(スイッチング素子Q2をオフさせる)必要が生じる。その場合、制御部11Aは、ARCP回路2の動作を停止させて共振電流が流れないようにし、PWM制御不可期間をPWM制御可能期間とする。
【0053】
次に、昇圧動作時の制御部11Aの制御について説明する。
【0054】
制御部11Aは、まず停止判定処理を行う。停止判定処理時の制御部11Aは、取得した動作条件と、記憶部12Aに記憶されている第3条件テーブルの動作条件とを比較して、ARCP回路2の動作を停止させるか否かの停止判定を行う。動作条件には、第2電圧測定手段4により取得した入力電圧値(コンデンサC2の電圧値)、第1電圧測定手段3により取得した出力電圧値(コンデンサC1の電圧値)、第1電流測定手段5により取得した出力電流値(リアクトル電流の電流値)が含まれる。
【0055】
停止判定においてARCP回路2の動作を停止させると判定した場合、制御部11Aは、ARCP回路2の動作を停止させて(共振用スイッチS4のスイッチング素子Q4を連続オフ状態にして)共振電流が流れないようにし、PWM制御不可期間(図2の時刻t~tの期間)をPWM制御可能期間とする。制御部11Aは、所定時間経過後に再び停止判定を行う。
【0056】
停止判定においてARCP回路2の動作を停止させないと判定した場合、制御部11Aは、記憶部12Aに記憶された複数の第1条件テーブルの中から、取得した動作条件に最も近い第1条件テーブルを選択する。
【0057】
第1条件テーブルを選択した制御部11Aは、スイッチング処理を行う。スイッチング処理時の制御部11Aは、所定のタイミングで共振用スイッチS4のスイッチング素子Q4をターンオンさせ(時刻t)、選択した第1条件テーブルに関連付けされた第1タイミングテーブルの動作タイミングでメインスイッチS2のスイッチング素子Q2をターンオンさせる(時刻t)。制御部11Aは、スイッチング素子Q2をターンオンさせた時(時刻t)の動作条件(入力電圧値、出力電圧値、出力電流値)および共振電流の電流値を記憶する。
【0058】
制御部11Aは、時刻tにおいて共振電流がゼロになった後に共振用スイッチS4のスイッチング素子Q4をターンオフさせ(時刻t)、PWM制御のデューティに応じてメインスイッチS2のスイッチング素子Q2をターンオフさせる(時刻t)。
【0059】
制御部11Aは、スイッチング処理と並行して、更新処理を行う。更新処理時の制御部11Aは、共振用リアクトルL2を流れる共振電流の立下り時の電流波形と直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングと、記憶部12Aに記憶された動作タイミング(時刻t)とのずれ量が減少するように、記憶された動作タイミングを修正して第1タイミングテーブルを更新する。
【0060】
具体的には、制御部11Aは、スイッチング素子Q2のターンオン時(時刻t)に記憶した動作条件(入力電圧値、出力電圧値、出力電流値)および共振電流の電流値に基づいて、出力電流値(リアクトル電流の電流値)と共振電流の電流値との比較を行う。比較の結果、両者が一致する場合、制御部11Aは、第1タイミングテーブルを更新することなく、更新処理を終了する。
【0061】
両者が不一致の場合、制御部11Aは、記憶部12Aに記憶された複数の第1条件テーブルの中から、時刻tにおける動作条件に最も近い第1条件テーブルを選択するとともに、制御部11Aは、選択した第1条件テーブルの動作タイミングを修正し、更新処理を終了する。
【0062】
動作タイミングの修正について、制御部11Aが、スイッチング素子Q4のゲート信号をハイレベルに切り替えてから、第1電流測定手段5により取得したリアクトル電流の電流値と第2電流測定手段6により取得した共振電流の電流値とが一致するまでの時間を測定している場合、制御部11Aは、第1条件テーブルの動作タイミングを取得した時間(タイミング)に修正してもよい。
【0063】
あるいは、制御部11Aは、時刻tにおけるリアクトル電流の電流値と共振電流の電流値との差分を算出し、当該差分がゼロに近づくような動作タイミングを所定の演算により算出して、第1条件テーブルの動作タイミングを算出した動作タイミングに修正してもよい。
【0064】
更新処理を終了した制御部11Aは、所定時間経過後に再び停止判定を行う。このように、昇圧動作時の制御部11Aは、停止判定処理、スイッチング処理および更新処理を含む一連の制御を繰り返し行う。なお、降圧動作時の制御部11Aも、同様の制御を行う。
【0065】
第1実施形態に係る双方向DC/DCコンバータ1Aは、第1電流測定手段5により取得したリアクトル電流の電流値と第2電流測定手段6により取得した共振電流の電流値とが一致したタイミングでメインスイッチS2のスイッチング素子Q2(降圧動作時はメインスイッチS1のスイッチング素子Q1)をターンオンさせるリアルタイム制御方式を採用することなく、記憶部12Aに記憶された動作タイミングでスイッチング素子Q2(降圧動作時はスイッチング素子Q1)をターンオンさせる方式を採用している。このため、双方向DC/DCコンバータ1Aは、リアルタイム制御方式による制御の遅延を回避できる。
【0066】
また、双方向DC/DCコンバータ1Aでは、共振時間のばらつきにより交差タイミングと記憶部12Aに記憶された動作タイミングとにずれが生じた場合であっても、制御部11Aが更新処理を実行して動作タイミングを修正することにより、交差タイミングと動作タイミングとのずれ量を減少させることができる。したがって、双方向DC/DCコンバータ1Aによれば、共振時間のばらつきによって生じる電力変換効率の低下およびスイッチングノイズの増加を抑制できる。
【0067】
[第2実施形態]
図3に、第2実施形態に係る双方向DC/DCコンバータ1Bを示す。双方向DC/DCコンバータ1Bは、第2電流測定手段6の代わりに第3電圧測定手段7および第4電圧測定手段8を備える点、制御回路10Aの代わりに制御回路10Bを備える点において第1実施形態と相違し、その他の点において第1実施形態と共通する。
【0068】
第3電圧測定手段7は、共振用コンデンサC3の両端電圧、換言すればスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧を測定する。第4電圧測定手段8は、共振用コンデンサC4の両端電圧、換言すればスイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧を測定する。第3電圧測定手段7および第4電圧測定手段8は、測定結果(測定した電圧値に応じたセンサ信号)を制御回路10Bに出力する。
【0069】
制御回路10Bは、制御部11Bおよび記憶部12Bを備える。制御回路10Bは、例えば、マイコンで構成される。記憶部12Bは、第1実施形態の記憶部12Aと同じ構成である。
【0070】
制御部11Bは、第2電流測定手段6の測定結果の代わりに第3電圧測定手段7および第4電圧測定手段8の測定結果を用いる点を除いて、第1実施形態の制御部11Aと同じ構成である。
【0071】
制御部11Bは、共振用リアクトルL2を流れる共振電流の立下り時の電流波形と直流リアクトルL1を流れるリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングを、昇圧動作時は第4電圧測定手段8で測定した電圧値が最小値(例えば、0[V]または0[V]近傍の値)に達したことを検出することで特定し、降圧動作時は第3電圧測定手段7で測定した電圧値が最小値(例えば、0[V]または0[V]近傍の値)に達したことを検出することで特定する。
【0072】
制御部11Bは、更新処理において、スイッチング素子Q2(降圧動作時はスイッチング素子Q1)をターンオンさせた時に第4電圧測定手段8(降圧動作時は第3電圧測定手段7)で測定した電圧値と上記最小値との比較を行う。比較の結果、上記電圧値が上記最小値である場合、制御部11Bは、記憶部12Bに記憶された動作タイミングを修正することなく、更新処理を終了する。
【0073】
上記電圧値が上記最小値とは異なる場合、制御部11Bは、記憶部12Bに記憶された複数の第1条件テーブル(降圧動作時は第2条件テーブル)の中から、スイッチング素子Q2(降圧動作時はスイッチング素子Q1)をターンオンさせた時において記憶した動作条件に最も近い条件テーブルを選択するとともに、制御部11Bは、選択した条件テーブルの動作タイミングを修正し、更新処理を終了する。
【0074】
動作タイミングの修正について、制御部11Bが、スイッチング素子Q4(降圧動作時はスイッチング素子Q3)のゲート信号をハイレベルに切り替えてから、上記電圧値が上記最小値に達するまでの時間を測定している場合、制御部11Bは、記憶部12Bに記憶された動作タイミングを取得した時間(タイミング)に修正してもよい。
【0075】
あるいは、制御部11Bは、スイッチング素子Q2(降圧動作時はスイッチング素子Q1)をターンオンさせた時における上記電圧値と上記最小値との差分を算出し、当該差分がゼロに近づくような動作タイミングを算出して、記憶部12Bに記憶された動作タイミングを算出した動作タイミングに修正してもよい。
【0076】
第2実施形態に係る双方向DC/DCコンバータ1Bによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
[変形例]
以上、本発明に係るDC/DCコンバータの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0078】
本発明に係るDC/DCコンバータは、メインスイッチおよび直流リアクトルを含むDC/DCコンバータ回路と、共振用スイッチ、共振用リアクトル、およびメインスイッチの電流路に並列接続された共振用コンデンサを含むARCP回路と、メインスイッチおよび共振用スイッチのスイッチングを制御する制御回路と、を備えていれば適宜構成を変更できる。
【0079】
本発明の制御回路は、共振用スイッチをターンオンさせ、共振用スイッチのオン期間にメインスイッチをターンオンさせる制御部と、メインスイッチをターンオンさせる動作タイミングに関するタイミングテーブルが記憶された記憶部とを備え、制御部は、タイミングテーブルの動作タイミングに基づいてメインスイッチをターンオンさせるスイッチング処理と、共振用リアクトルを流れる共振電流の立下り時の電流波形と直流リアクトルを流れるリアクトル電流の電流波形とが交差する交差タイミングと動作タイミングとのずれ量が減少するように、動作タイミングを修正してタイミングテーブルを更新する更新処理と、を実行するのであれば適宜構成を変更できる。
【0080】
上記実施形態では双方向の電力変換動作(昇圧動作および降圧動作)を行う双方向DC/DCコンバータ1A,1Bについて説明したが、本発明は、片方向の電力変換を行うDC/DCコンバータにも適用可能である。
【0081】
第1~第3条件テーブルの動作条件は、DC/DCコンバータ回路の入力電圧値、出力電圧値および出力電流値の少なくとも1つを含めばよい。また、DC/DCコンバータ回路の出力電力値は出力電流値の情報を含むので、出力電流値の代わりに出力電力値を用いてもよい。
【0082】
メインスイッチおよび/または共振用スイッチのスイッチング素子として、MOSFET以外のスイッチング素子(例えば、IGBT)を用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
1A,1B 双方向DC/DCコンバータ
2 ARCP回路
3 第1電圧測定手段
4 第2電圧測定手段
5 第1電流測定手段
6 第2電流測定手段
7 第3電圧測定手段
8 第4電圧測定手段
10A,10B 制御回路
11A,11B 制御部
12A,12B 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7