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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基地局、送信方法及び受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/23 20230101AFI20241128BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20241128BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241128BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20241128BHJP
   H04W 84/12 20090101ALN20241128BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W72/0453
H04W72/0446
H04W28/06 110
H04W84/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021536893
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2020027106
(87)【国際公開番号】W WO2021020083
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019139824
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
(72)【発明者】
【氏名】高田 智史
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】中野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】美濃谷 潤
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-503151(JP,A)
【文献】国際公開第2018/128042(WO,A1)
【文献】米国特許第10219271(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、
前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを有する制御信号を送信する送信回路と、
を備え
前記共通情報は、周波数帯域におけるリソースの配置パターンを示す情報を含み、
前記ユーザ個別情報は、前記配置パターンにおいてユーザに割り当てられたリソースの数に応じた数の情報を含み、
前記制御回路は、前記未割当のリソースを含む配置パターンが含まれる複数の配置パターン候補の中から、前記配置パターンを決定し、
前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記未割当のリソースの合計サイズが所定値以上のパターンである、
基地局。
【請求項2】
前記共通情報は、前記配置パターンにおける前記未割当のリソースを示す情報を含み、
前記未割当のリソースを示す情報は、前記配置パターンにおいて前記複数のユーザの何れかに割当てられないリソースの位置を示す、
請求項に記載の基地局。
【請求項3】
前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記周波数帯域において連続する前記未割当のリソースの数が所定値以上のパターンである、
請求項に記載の基地局。
【請求項4】
前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記周波数帯域において連続する前記未割当のリソースのサイズが所定値以上のパターンである、
請求項に記載の基地局。
【請求項5】
前記制御回路は、前記未割当のリソースに関する情報を前記複数のユーザに共通の共通情報に含める第1フォーマットと、前記未割当のリソースに関する情報を前記複数のユーザに前記個別のユーザ個別情報に含める第2フォーマットと、の何れかを選択し、
前記送信回路は、前記第1フォーマット及び前記第2フォーマットのうちの選択されたフォーマットの前記制御信号を送信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
前記制御信号は、前記選択されたフォーマットを示す情報を含む前記共通情報を有する、
請求項に記載の基地局。
【請求項7】
基地局は、
複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成し、
前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを有する制御信号を送信
前記共通情報は、周波数帯域におけるリソースの配置パターンを示す情報を含み、
前記ユーザ個別情報は、前記配置パターンにおいてユーザに割り当てられたリソースの数に応じた数の情報を含み、
前記配置パターンは、前記未割当のリソースを含む配置パターンが含まれる複数の配置パターン候補の中から決定され、
前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記未割当のリソースの合計サイズが所定値以上のパターンである、
送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
The Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11の規格であるIEEE 802.11ax(以下、「11ax」と呼ぶ)の後継規格として、Task Group (TG) においてIEEE 802.11be(以下、「11be」と呼ぶ)の技術仕様策定が進められている。
【0003】
11beでは、スループットを向上する技術として、複数のアクセスポイント(「基地局」とも呼ばれる、以下「AP(Access Point)」と呼ぶ)が協調してデータを送信するMulti-AP coordinationが検討されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】IEEE 802.11-19/927r0, Coordinated Transmission Scheme for 11be, May 16, 2019
【文献】IEEE P802.11ax/D4.0 Draft Standard for Information technology, February 2019
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)等の無線通信におけるMulti-AP coordinationの制御方法については十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、Multi-AP coordinationの制御の効率化を図ることができる基地局、送信方法及び受信方法の提供に資する。
【0007】
本開示の一実施例に係る基地局は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを有する制御信号を送信する送信回路と、を備える。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0009】
本開示の一実施例によれば、Multi-AP coordinationの制御の効率化を図ることができる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】下りリンクの制御信号に含まれるSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
図2】SIG-BのUser fieldの構成例を示す図
図3A】Coordinated OFDMAの協調動作を行う2つのAPの一例を示す図
図3B図3Aに示した2つのAPにおけるリソース割当の一例を示す図
図4】本開示の一実施例に係る下り無線送信装置の一部の構成例を示すブロック図
図5】本開示の一実施例に係る下り無線受信装置の一部の構成例を示すブロック図
図6】実施の形態1に係る下り無線送信装置の構成例を示すブロック図
図7】実施の形態1に係る下り無線受信装置の構成例を示すブロック図
図8】リソースユニット(RU)配置パターンの候補のリストの一例を示す図
図9】実施の形態1におけるダウンリンクマルチユーザ(DL MU)信号のフォーマットの一例を示す図
図10】未割当RU情報の第1の例を示す図
図11】未割当RU情報の第2の例を示す図
図12】Unallocated RU fieldのサイズを可変にする場合のSTA共通情報の一例を示す図
図13】実施の形態2に係る下り無線送信装置の構成例を示すブロック図
図14】実施の形態2に係る下り無線受信装置の構成例を示すブロック図
図15】実施の形態2におけるDL MU信号のフォーマットの一例を示す図
図16】実施の形態2におけるRU配置パターンの候補のリストの第1の例を示す図
図17】実施の形態2におけるRU配置パターンの候補のリストの第2の例を示す図
図18】実施の形態3に係る下り無線送信装置の構成例を示すブロック図
図19】実施の形態3に係る下り無線受信装置の構成例を示すブロック図
図20】実施の形態3において選択されるPreambleのフォーマットの一例を示す図
図21】選択されるPreambleのフォーマットの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
[マルチユーザ(MU))伝送]
例えば、11axは、マルチユーザ(Multi-User(MU))伝送をサポートしている。MU伝送には、例えば、Downlink MU-Multiple Input Multiple Output(DL MU-MIMO)及びDL Orthogonal Frequency Division Multiple Access(DL OFDMA)等がある。
【0014】
DL MU-MIMO又はDL OFDMAの場合、アクセスポイント(Access Point(AP)、又は「基地局」とも呼ばれる)は、例えば、DL Multiuser Physical layer convergence procedure Protocol Data Unit(DL MU PPDU)に含まれるPreambleの制御信号(例えば、SIG-B又はSIG-Bフィールドと呼ぶ)を用いて、各STA(「Station(STA)」又は「端末」とも呼ばれる)に制御情報を通知する。
【0015】
図1は、11axにおける下りMU伝送を指示する、High Efficiency MU PPDU(HE MU PPDU)(以下、単に「MU PPDU」と呼ぶ)のHE-SIG-B(以下、単に「SIG-B」と呼ぶ)の構成例を示す。図1には、データに付されるPreambleのフォーマットの一例が示される。そして、図1には、Preambleのフォーマットに含まれる各フィールドの中で、SIG-Bの構成の一例が示される。
【0016】
図1に示すように、SIG-Bは、複数のユーザ(換言すると、STA)に共通の情報(以下、「共通情報」又は「STA共通情報」と呼ぶ)を含む「Common field」、及び、ユーザ毎の情報(以下、「ユーザ情報」、「STA個別情報」、又は「ユーザ個別情報」と呼ぶ)を含む「User Specific field」を含む。
【0017】
Common fieldでは、例えば、Resource Unit (RU) Allocation subfieldにおいて、APのチャネル帯域(Channel Bandwidth)において各ユーザに割当てるRUの配置パターン(以下、「RU配置パターン」と呼ぶ)が通知される。例えば、RU Allocation subfieldは、8bitsのサイズを有する。
【0018】
また、User Specific fieldは、例えば、1つ以上のUser Block fieldを含む。各User Block fieldは、1又は2ユーザのUser fieldをBlock Check Character(BCC)で符号化したfieldである。また、図1に示したUser Specific fieldにおける各ユーザに対応するUser fieldの並び順は、Common fieldのRU Allocation subfieldに基づいて規定されてよい。例えば、User fieldは、RU配置パターンに含まれるRUと対応付けられてよい。また、HE-SIG-Aは、STA共通情報であり、HE-SIG-Bを復調及び復号するための制御情報が含まれる。
【0019】
図2は、SIG-BのUser fieldの構成例を示す図である。図2に示すように、User fieldは、例えば、STA#1およびSTA#2を含むユーザ(STA)毎の情報を通知するフィールドである。User fieldは、STA情報を通知するフィールドと解されてよい。User fieldは、例えば、ユーザ(STA)の識別子を示す「STA ID subfield」、空間ストリームの割当情報を示す「Spatial Configuration subfield」、変調符号化方式を示す「Modulation and channel Coding Scheme(MCS)subfield」、及び、符号化方法を示す「Coding subfield」等の情報を含む。例えば、チャネル帯域が20MHzあるいは40MHzの場合、STA ID subfieldのサイズおよびUser fieldのサイズは、それぞれ、11bitsおよび21bitsとなる。
【0020】
[Multi-AP coordination]
Multi-AP coordinationでは、複数のAP間で協調したスケジューリング、送信タイミングと送信帯域との動的な協調動作が行われる。この協調動作によって、例えば、隣り合うAP間(例えば、セル端)で発生する干渉の影響が低減され、スループットが改善される。
【0021】
例えば、Multi-AP coordinationの一例として、Coordinated OFDMA(Dynamic point selection (DPS)とも呼ばれる)が検討されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0022】
図3Aは、Coordinated OFDMAの協調動作を行う2つのAPの一例を示す図である。図3Bは、図3Aに示した2つのAPにおけるリソース割当の一例を示す図である。図3Aには、2つのAP(AP1およびAP2)と、3つのSTA(STA1、STA2、および、STA3)とが示される。AP1とAP2とは、互いに隣り合うAPの一例である。図3Aにおいて、STA1とSTA2とは、AP1と無線通信を行い、STA3は、AP2と無線通信を行う。また、図3Aにおいて、STA2は、AP1とAP2との間のセル端に位置する。図3Bには、AP1およびAP2のそれぞれにおいて割当てられるリソースの一例が示される。
【0023】
Coordinated OFDMAでは、複数のAPが協調動作するものの、あるユーザ(STA)へのデータ伝送時には、複数のAPから通信品質の良いAPに動的に切り替える。
【0024】
例えば、データ伝送するSTAにとって大きな干渉源となる隣りあうAPは、STAが割当てられたRUを未割当RUとすることによって、与干渉の影響を低減し、STAのスループットを改善させる。図3Aおよび図3Bの例では、セル端に位置するSTA2にとって、STA2の通信相手であるAP1と隣り合うAP2は、干渉源となる。この例では、図3Bに示すように、AP1において、STA2に割当てられ、AP1とのデータ伝送に用いられるRUは、AP2において、どのSTAにも割当てないRU(未割当RU)に設定される。これにより、AP2からの干渉の影響が低減され、STA2のスループットが改善される。
【0025】
ここで、「未割当RU」とは、例えば、AP1において、AP1が収容するSTAのいずれにも割当てないRUを指し、「割当RU」とは、例えば、AP1において、AP1が収容するSTAのいずれかに割当てるRUを指す。例えば、AP1において「未割当RU」に設定されるRUは、別のAP(例えば、AP2)において「割当RU」になり得る。
【0026】
11axのHE MU PPDUを用いた下りMU送信では、SIG-BのUser fieldに含まれるSTA IDに、或るSTA(例えば、STA1)のIDを設定することによって、当該User fieldに対応付けられるRUが、STA1に割当てられたRU(STA1の割当RU)であることを通知できる。そして、SIG-BのUser fieldに含まれるSTA IDに、未使用のAssociated ID (AID)(例えば、「2046」)を設定することで、そのUser fieldに対応づけられるRUが未割当RUであることを通知できる(例えば、非特許文献2を参照)。
【0027】
Coordinated OFDMAおよび/またはDPSにおいてスループットを改善するために、協調送信するAPは、収容する複数のSTAのチャネル品質に応じて、動的に割当RUおよび未割当RUをスケジューリングし、収容する複数STAへ通知する必要がある。
【0028】
しかしながら、11axのHE MU PPDUを用いて未割当RUを通知する場合、未使用AIDを設定したSTA ID fieldを含み、割当RUを通知する場合のUser fieldと同じサイズを有するUser field(図2の例では、21bits)が通知される。未使用AIDを設定したSTA ID fieldを含むUser fieldは、未割当RU、すなわち、どのSTAも使用しないRUに対応付けられるUser fieldにも関わらず、信号送信に関する情報のsubfield(例えば、「Spatial Configuration subfield」等)を含むため、シグナリングが無駄となる。よって、11beでMulti-AP coordinationを適用する場合、APからの動的な未割当RUの通知が増え、HE MU PPDUの制御情報のオーバーヘッドが増加してしまう。
【0029】
また、11beでは最大のチャネル帯域幅を160MHzから320MHzへ拡張することが検討されている。SIG-Bに含まれるRU配置パターン情報(RU Allocation subfield)は、20MHz毎に通知されるため、チャネル帯域幅が大きくなるほど、未割当RUを通知するUser fieldの影響によってシグナリングのオーバーヘッドが増加してしまう。
【0030】
なお、STAは、User Block field単位で復号処理を行いUser fieldを抽出する。例えば、オーバーヘッドを低減するために、APが、未割当RUに対応付けられるUser fieldを、未使用AIDを設定したSTA ID fieldを含み、信号送信に関する他の情報のsubfield(例えば、「Spatial Configuration subfield」等)を含まないUser fieldに設定した場合、User Block fieldのサイズが変わってしまう。STAは、User Block fieldのサイズを復号前に把握できないため、STAは、User Block fieldを正しく復号できない可能性がある。あるいは、正しく復号するために、STAが、サイズが変わるUser Block fieldに対して、想定されるUser Block fieldサイズの全パターンでの復号処理を試みる場合、STAの処理負荷が増加してしまう。
【0031】
よって、未割当RUに対応付けられるUser fieldであっても、割当RUに対応付けられるUser fieldのサイズと同様に、サイズが固定されるため、シグナリングのオーバーヘッドが増加してしまう。
【0032】
そこで、本開示の一実施例では、MU伝送においてMulti-AP coordination処理を適切に制御し、シグナリングのオーバーヘッドを低減する方法について説明する。
【0033】
[無線通信システムの構成]
本開示の実施の形態1に係る無線通信システムは、少なくとも1つのAP、及び、複数のSTAを含む。
【0034】
例えば、DL通信(例えば、DLデータの送受信)では、AP(「下り無線送信装置」とも呼ぶ)は、複数のSTA(「下り無線受信装置」とも呼ぶ)に対するDL信号を、下りMU送信する。各STAは、下りMU送信された信号から、当該STA向けのDL信号を受信する。
【0035】
[DL通信に関する無線通信システムの構成例]
まず、DL通信に関する無線通信システムの構成例について説明する。DL通信に関する無線通信システムは、例えば、下り無線送信装置10(例えば、AP)と、下り無線受信装置20(例えば、STA)とを含む。
【0036】
下り無線送信装置10は、例えば、共通情報及びユーザ情報を含むPreambleの制御信号(例えば、SIG-B)、及び、制御信号に基づいて設定されるDLデータ信号を、下り無線受信装置200へ送信する。下り無線受信装置20は、下り無線送信装置10から送信された制御信号及びDLデータ信号を受信する。なお、Preambleは、例えば、MU伝送用の物理データチャネル(例えば、MU PPDU)に含まれてよい。
【0037】
図4は、本開示の一実施例に係る下り無線送信装置10の一部の構成例を示すブロック図である。図4に示す下り無線送信装置10において、制御部は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報(例えば、Common fieldの情報)と、複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Specific fieldの情報)と、を生成する。無線送信部は、共通情報とユーザ個別情報とを有する制御信号(例えば、SIG-B)を送信する。
【0038】
図5は、本開示の一実施例に係る下り無線受信装置20の一部の構成例を示すブロック図である。図5に示す下り無線受信装置20において、無線受信部は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報(例えば、Common fieldの情報)と、複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Specific fieldの情報)と、を有する制御信号を受信する。制御部は、未割当のリソースに関する情報に基づいて、下り無線受信装置20(例えば、端末またはSTA)に割当てられたリソースを決定する。
【0039】
<下り無線送信装置100の構成例>
図6は、本実施の形態1に係る下り無線送信装置100(以下、AP100と記載する)の構成例を示すブロック図である。図6に示すAP100は、例えば、無線送受信部101と、受信信号復調部102と、品質情報復号部103と、スケジューリング部104と、データ符号化部105と、データ変調部106と、周波数割当部107と、Preamble生成部108と、時間多重部109とを含む。
【0040】
例えば、図6に示すAP100は、図4に示した下り無線送信装置10の一例である。図4に示す制御部は、図6において制御信号の生成に関する処理部(例えば、スケジューリング部104、及び、Preamble生成部108等)に対応してよい。また、図4に示す無線送信部は、例えば、図6に示す無線送受信部101に対応してよい。
【0041】
無線送受信部101は、アンテナを介して下り無線受信装置200(図7参照、例えば、STA200)から送信された信号を受信し、受信信号に対してダウンコンバート、A/D(Analog/Digital)変換等の無線受信処理を行う。例えば、無線送受信部101は、無線受信処理後の受信信号から、品質情報が含まれる受信データを抽出し、受信信号復調部102へ出力する。また、無線送受信部101は、時間多重部109から入力されるPreambleとデータとを時間多重した信号(例えば、MU PPDU)に対して、D/A(Digital/Analog)変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行う。そして、無線送受信部101は、無線送信処理後の信号をアンテナを介して、STA200へ送信する。STA200から送信された信号には、例えば、Preamble(Preamble信号、または、Preamble部とも呼ぶ)及びデータ(データ信号、または、データ部とも呼ぶ)が含まれてよい。
【0042】
受信信号復調部102は、無線送受信部101から入力される信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))等の処理を行い、受信信号のPreamble(PPDUヘッダとも呼ばれる)に含まれる制御情報およびチャネル推定結果に基づいてデータを復調する。受信信号復調部102は、復調後のデータ信号を品質情報復号部103へ出力する。
【0043】
品質情報復号部103は、受信信号復調部102から入力される受信信号からSTA200の無線品質情報を復号する。無線品質情報は、例えば、所定の周波数リソース単位のチャネル情報(例えば、周波数応答)でもよいし、Signal-to-Noise Ratio(SNR)でもよいし、受信レベルでもよい。品質情報復号部103は、復号した無線品質情報をスケジューリング部104へ出力する。
【0044】
スケジューリング部104は、例えば、品質情報復号部103から入力される、STA200毎の無線品質情報に基づいて、STA200に対するスケジューリングを行う。また、スケジューリング部104は、MU多重するSTAの数(端末数又はユーザ多重数)、各STAのDLデータのMCS、符号化方法、割当RU、周波数帯域幅を決定する。また、Multi-AP coordination等を用いる場合、スケジューリング部104は、他のSTAへの干渉の影響が大きいと想定されるRUを未割当RUに決定する。ここで、他のSTAとは、例えば、隣り合うAPと無線接続するSTAであってよい。また、未割当RUとは、例えば、自身と無線接続するSTAに割当てないRUに相当する。
【0045】
スケジューリング部104は、スケジューリング結果を示すスケジューリング情報を、データ符号化部105、データ変調部106、周波数割当部107及びPreamble生成部108へ出力する。
【0046】
データ符号化部105は、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(例えば、符号化方法又はMCS)に基づいて、STA200宛てのデータ系列(DLデータ)を符号化する。データ符号化部105は、符号化データをデータ変調部106へ出力する。
【0047】
データ変調部106は、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(例えば、周波数リソース又はMCS)に基づいて、データ符号化部105から入力される符号化データを変調する。データ変調部106は、変調データを周波数割当部107へ出力する。
【0048】
周波数割当部107は、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(例えば、周波数割当情報)に基づいて、データ変調部106から入力される変調データをSTA200に割当てられたRUにマッピングする。そして、周波数割当部107は、逆高速フーリエ変換(例えば、Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理を行い、OFDM信号を生成する。周波数割当部107は、OFDM信号を時間多重部109へ出力する。
【0049】
Preamble生成部108は、STA共通情報生成部108aとSTA個別情報生成部108bとを有する。Preamble生成部108は、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(例えば、送信端末数、符号化方法、MCS、周波数割当(未割当RUを含む))に基づいて、STA共通情報とSTA個別情報とを含むPreambleを生成する。Preamble生成部108は、生成したPreambleを時間多重部109へ出力する。STA共通情報には、未割当RUに関する情報(未割当RU情報)が含まれてよい。未割当RUに関する情報とは、未割当RUを明示的に又は暗示的に示す(特定する)情報であってよい。
【0050】
STA共通情報生成部108aは、スケジューリング情報に基づいて、MU多重するSTAに共通の制御情報を生成する。MU多重するSTAに共通の制御情報は、STA共通情報に相当する。STA共通情報は、例えば、チャネル帯域に多重するSTA200に対するRU配置パターン及び未割当RU情報を含む。
【0051】
RU配置パターンは、例えば、チャネル帯域に規定される1以上のRUのそれぞれのサイズと、チャネル帯域における1以上のRUの配置(例えば、並び順)とを示す。例えば、RU配置パターンは、複数のRU配置パターンの候補の中から選択される。
【0052】
なお、未割当RU情報の生成方法に関する説明は後述する。
【0053】
STA個別情報生成部108bは、スケジューリング情報に基づいて、周波数リソースを割当てるSTA個別の制御情報を生成する。STA個別の制御情報は、STA個別情報に相当する。STA個別情報は、例えば、STA ID、MCS等を含む。なお、MU多重する各STA200についてのSTA個別情報は、User fieldを用いて通知される。Preamble(例えば、HE MU PPDU)における各STA200についてのUser fieldの配置順(並び順)は、RU配置パターンに従って規定されてよい。例えば、User fieldは、RU配置パターンのRUのうち、未割当RUを除くRU(すなわち、割当RU)の順に従って、並べられる。
【0054】
STA個別情報生成部108bは、STA共通情報生成部108aから出力されるSTA共通情報にSTA個別情報を追加することによって、Preambleを生成し、生成したPreambleを時間多重部109へ出力する。
【0055】
時間多重部109は、Preamble生成部108から出力されるPreambleと周波数割当部107から出力されるデータ信号とを時間多重して送信信号(例えば、MU PPDU信号)を生成する。例えば、時間多重では、データ信号は、時間方向においてPreambleの後に多重される。時間多重部109は、送信信号を無線送受信部101へ出力する。
【0056】
無線送受信部101は、時間多重部109から入力される送信信号に対して、D/A変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介してSTA200へ送信する。
【0057】
<下り無線受信装置200の構成例>
図7は、本実施の形態1に係る下り無線受信装置200(例えば、STA200)の構成例を示すブロック図である。図7に示すSTA200は、例えば、無線送受信部201と、分離部202と、周波数抽出部203と、Preamble復号部204と、データ復調部205と、データ復号部206と、品質推定部207と、変調部208と、を含む。
【0058】
例えば、図7に示すSTA200は、図5に示した下り無線受信装置20の一例である。図5に示す制御部は、図7において制御信号の復号および制御信号に基づく割当RUの決定に関する処理部(例えば、Preamble復号部204等)に対応してよい。また、図5に示す無線受信部は、例えば、図7に示す無線送受信部201に対応してよい。
【0059】
無線送受信部201は、変調部208から入力される送信信号に対して、D/A変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介してAP100へ送信する。また、無線送受信部201は、アンテナを介して受信した信号のダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を分離部202へ出力する。
【0060】
分離部202は、無線受信処理後の信号からデータとPreambleとを時間領域で分離する。分離部202は、データを周波数抽出部203へ出力し、PreambleをPreamble復号部204および品質推定部207へ出力する。
【0061】
Preamble復号部204は、STA共通情報復号部204aとSTA個別情報復号部204bとを有する。
【0062】
STA共通情報復号部204aは、分離部202から入力されたPreambleからSTA共通情報を復調および復号し、STA共通情報を抽出する。STA共通情報復号部204aは、抽出したSTA共通情報に含まれるRU配置パターン及び未割当RU情報から、チャネル帯域(例えば20MHz帯域)において、STA200に割当てられた割当RUを決定する。そして、STA共通情報復号部204aは、決定した割当RUの情報をSTA個別情報復号部204bへ出力する。また、STA共通情報復号部204aは、分離部202から入力されたPreambleからSTA個別情報が含まれる信号を取り出し、STA個別情報復号部204bへ出力する。なお、RU配置パターン及び未割当RU情報から割当RUを判定する方法は後述する。
【0063】
STA個別情報復号部204bは、STA共通情報復号部204aから入力されたSTA個別情報を復調および復号し、STA個別情報を抽出する。STA個別情報復号部204bは、割当RUの順に並べられたSTA個別情報に含まれるUser fieldを復号し、STA IDが自端末に予め設定されたIDと一致するか否かを判定する。STA個別情報復号部204bは、予め設定された自端末のIDと一致するIDがSTA IDに設定されているUser fieldが、自端末宛ての制御情報である、と判定する。STA個別情報復号部204bは、自端末宛てのUser fieldに含まれるSTA個別制御情報をデータ復調部205およびデータ復号部206へ出力する。また、STA個別情報復号部204bは、自端末宛ての制御情報の並び順と、STA共通情報復号部204aから入力される割当RUの情報とから、自端末に割当てられた割当RUを決定する。STA個別情報復号部204bは、自端末に割当てられた割当RUを周波数抽出部203へ出力する。
【0064】
周波数抽出部203は、1以上のRUを用いて送信され、1以上のSTA宛ての信号が含まれる受信信号から、Preamble復号部204から入力される割当RUに含まれる自端末宛ての受信データ信号を抽出(デマッピング)し、抽出したデータ信号をデータ復調部205へ出力する。
【0065】
データ復調部205は、Preamble復号部204から入力される制御情報(例えば、MCS、符号化方法等)に基づいて、周波数抽出部203から入力されるデータ信号に対して、チャネル等化および復調等の処理を行い、自端末宛ての復調データを抽出する。データ復調部205は、抽出した復調データをデータ復号部206へ出力する。
【0066】
データ復号部206は、Preamble復号部204から入力される制御情報(例えば、MCS、符号化方法等)に基づいて、データ復調部205から入力される復調データから所望データを復号する。
【0067】
品質推定部207は、分離部202から入力されるPreambleに含まれる参照信号(例えば、STF、LTF)に基づいてチャネル推定を実施し、所定の周波数リソース毎で推定した無線品質(例えば、周波数応答およびSNR)の少なくとも一つを示す無線品質情報を生成する。品質推定部207は、無線品質情報を含む上り信号を変調部208に出力する。
【0068】
変調部208は、品質推定部207から入力される信号に対してIFFT処理および変調等の処理を行い、変調後の上り信号(例えば、データ信号又はOFDM信号と呼ぶ)を生成する。変調部208は、変調後の上り信号を、無線送受信部201へ出力する。なお、変調部208は、データ、制御情報等を含む上り信号に対して、IFFT処理および変調等の処理を行ってもよい。
【0069】
[AP及びSTAの動作例]
次に、本実施の形態のAP100及びSTA200の動作例について説明する。
【0070】
例えば、AP100は、MU-MIMO又はOFDMAによって多重された複数のSTA200に対するSTA共通情報およびSTA個別情報を含む1つのPPDUヘッダ(Preambleとも呼ばれる)において、未割当RU情報をSTA共通情報に含める。未割当RU情報は、例えば、未割当RUを示すビットマップ情報および/または未割当RUの連続帯域情報である。また、AP100は、割当RUに対応付けられるUser fieldを含むSTA個別情報を送信する。なお、本実施の形態1におけるSTA個別情報には、未割当RUに対応付けられるUser field(例えば、未使用IDがUsed ID fieldに含まれるUser field)が含まれなくてよい。
【0071】
以下では、一例として、11axにおけるMU伝送用の制御情報(例えば、DL MU伝送の場合はSIG-B)のフォーマットにおいて、未割当RU情報を送信する方法について説明する。
【0072】
図8は、RU配置パターンの候補のリストの一例を示す図である。図8に示すリストは、最小割当粒度(11axの場合、26 tone)に対するRUの配置パターンの候補を示している。図8に示すリストは、チャネル帯域において、RU#1からRU#9の9つの最小割当粒度のRUに対する、1RU当りのサイズと各RUの配置(並び順)との少なくとも一方が異なる複数のパターンを含む。
【0073】
例えば、図8のパターン0では、9つの最小割当粒度のRUが、サイズの変更無しに9つのRUに規定される。また、図8のパターン1では、RU#1~RU#7は、サイズの変更の無いRUに規定され、RU#8とRU#9とは、52 toneのサイズを有する1つのRUに規定される。図8のパターン3では、RU#1~RU#5は、サイズの変更の無いRUに規定され、RU#6とRU#7とは、52 toneのサイズを有する1つのRUに規定され、RU#8とRU#9とは52 toneのサイズを有する1つのRUに規定される。別言すると、図8のパターン3では、7つのRUが規定される。
【0074】
AP100は、例えば、図8に示すRU配置パターンの候補の中から、1つのRU配置パターンを選択する。そして、AP100は、選択したRU配置パターンを示す情報(図8におけるN bits indices)を、STA共通情報のRU allocation fieldによって通知する。また、AP100は、選択したRU配置パターンに含まれるRUをSTAに割当てる。そして、AP100は、STA個別情報を、選択したRU配置パターンに含まれるRUの中でSTAに割当てた順に従って並べる。また、AP100は、選択したRU配置パターンに含まれるRUの中で、どのSTAにも割当てないRU(未割当RU)に関する情報を、STA共通情報によって通知する。
【0075】
以下では、AP100が図8のパターン2を選択し、パターン2のRUを4つのSTA(STA#1~STA#4)に割当てる場合の、STA共通情報の例と、STA個別情報の例とについて説明する。
【0076】
図9は、本実施の形態1におけるDL MU信号のフォーマットの一例を示す図である。図9には、STA共通情報(Common field)と、STA個別情報(User specific field)とが示される。なお、図9において、図1に示したSTA共通情報とSTA個別情報と同様のフィールドおよびサブフィールドについては、説明を省略する。
【0077】
図9に示すSTA共通情報には、未割当RUに関する情報を通知するサブフィールド(Unallocated RU subfield)が設けられている。また、図9に示すSTA個別情報は、割当RU(Allocated RU)の数のUser fieldを含む。
【0078】
Unallocated RU fieldは、RU配置パターンの最小割当粒度(11axの場合、26 tone)毎に未割当RUか否かを示すビットパターン情報であってよい。
【0079】
図10は、未割当RU情報の第1の例を示す図である。例えば、図10の例のように、Unallocated RU fieldは、9bitsのビットパターン情報によって未割当RUか否かを示してよい。
【0080】
図10では、RU allocation fieldにより、RU配置パターンが、図8に示したパターン2(RU#1~RU#5およびRU#8~RU#9の周波数帯域に、26toneのRUが配置され、RU#6~RU#7の周波数帯域に52 toneのRUが配置されるパターン)であることが示される。また、図10では、パターン2のRU配置パターンにおいて、RU#1がSTA#1に割当てられ、RU#3がSTA#2に割当てられ、RU#6~RU#7がSTA#3に割当てられ、RU#9がSTA#4に割当てられている。
【0081】
STA共通情報に含まれるUnallocated RU fieldにより、RU#1~RU#9が未割当RUか否かが示される。図10の例の場合、RU#2、RU#4、RU#5、RU#8が未割当RUであり、残りのRUが割当RUであるので、未割当RUに「1」が対応付けられ、割当RUに「0」が対応付けられる場合、Unallocated RU fieldは、図10に示すように、「010110010」の9ビットのビットパターン情報を示す。なお、この場合、RU配置パターンにおいて、STAに割当てられたRUが、STA#1、STA#2、STA#3、STA#4の順に並んでいる。そのため、各STAのUser fieldは、STA個別情報(User specific field)において、STA#1、STA#2、STA#3、STA#4の順に並べられる。
【0082】
なお、Unallocated RU fieldに示される情報は、上述したビットパターンに限定されない。例えば、未割当RUが、RU配置パターンにおいて連続するRUに限定され、未割当RU情報が、「未割当RUの開始RUと連続する未割当RU数」を示す情報であってもよい。以下、この例について説明する。
【0083】
図11は、未割当RU情報の第2の例を示す図である。
【0084】
図11では、図10と同様に、RU allocation fieldにより、RU配置パターンが、図8に示したパターン2であることが示される。また、図11では、パターン2のRU配置パターンにおいて、RU#1がSTA#1に割当てられ、RU#2がSTA#3に割当てられ、RU#8がSTA#2に割当てられ、RU#9がSTA#4に割当てられている。この場合、RU#3~RU#7が、未割当RUである。図11の例では、未割当RUは、RU配置パターンにおいて、連続して配置されている。
【0085】
STA共通情報に含まれるUnallocated RU fieldにより、未割当RUの開始RU(図11では、RU#3)と、連続する未割当RUの数(図11では、5)が示される。この場合、Unallocated RU fieldは、6ビットのサイズであってよい。なお、図11の例では、RU配置パターンにおいて、STAに割当てられたRUが、STA#1、STA#3、STA#2、STA#4の順に並んでいる。そのため、各STAのUser fieldは、STA個別情報(User specific field)において、STA#1、STA#3、STA#2、STA#4の順に並べられる。
【0086】
図10および図11に例示したように、STA共通情報に未割当RU情報を含めることによって、未割当RUに対応付けられるUser fieldがSTA個別情報に含まれないため、STA個別情報のシグナリングを低減できる。よって、Multi-AP coordinationを適用する場合にも、少ないオーバーヘッドで、動的に未割当RUを通知でき、スループットが向上する。
【0087】
なお、Unallocated RU fieldのサイズは、通知するRU配置パターンのRU数に応じて変えられてもよい。Unallocated RU fieldのサイズを可変にする場合、STA共通情報の全体サイズが変わらないように、別の情報がSTA共通情報に追加されてよい。
【0088】
図12は、Unallocated RU fieldのサイズを可変にする場合のSTA共通情報の一例を示す図である。図12には、それぞれが52toneのサイズを有する4つのRUを規定するRU配置パターン(以下、RU配置パターンX)の例と、それぞれが26toneのサイズを有する9つのRUを規定するRU配置パターン(以下、RU配置パターンY)の例とが示される。
【0089】
例えば、図12に示すように、Unallocated RU fieldのサイズの最大値が9bitsと定義し、Unallocated RU fieldのサイズが最大値より小さい分、別の情報(例えば、送信電力制御情報など)を含めてもよい。図12では、例えば、RU配置パターンXの場合、STA共通情報において、Unallocated RU fieldのサイズを4 bitsとし、5bitsは送信電力制御情報(Power control)を含める。また、図12では、RU配置パターンYの場合、Unallocated RU fieldのサイズは9 bits(最大サイズ)とする。このようなサイズの調整によって、STA共通情報のトータルサイズを固定としてもよい。
【0090】
また、未割当RUサイズを所定値以上に限定することによって、ビットマップ情報としたUnallocated RU fieldサイズを制限してもよい。例えば、未割当RUサイズを52 tone以上に限定し、ビットマップのサイズを4 bits(52 toneのチャネル帯域当たりの最大RU数と同じビット数)に抑えてもよい。
【0091】
以上、本実施の形態1では、未割当RUに関する情報がSTA共通情報によって通知される。この通知によって、通知にかかるシグナリングのオーバーヘッドを低減できるため、Multi-AP coordinationの制御の効率化を図ることができる。
【0092】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、未割当RUに関する情報がSTA共通情報によって通知される。ただし、本実施の形態2では、実施の形態1と異なる形式によって未割当RUに関する情報が通知される。
【0093】
<下り無線送信装置300の構成例>
図13は、本実施の形態2に係る下り無線送信装置300(以下、AP300と記載する)の構成例を示すブロック図である。なお、図13において、図6と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
【0094】
図13に示すAP300は、図6に示したAP100のスケジューリング部104およびPreamble生成部108が、それぞれ、スケジューリング部304およびPreamble生成部308に置き換わった構成を有する。
【0095】
例えば、図13に示すAP300は、図4に示した下り無線送信装置10の別の一例である。図4に示す制御部は、図13において制御信号の生成に関する処理部(例えば、スケジューリング部304、及び、Preamble生成部308等)に対応してよい。また、図4に示す無線送信部は、例えば、図13に示す無線送受信部101に対応してよい。
【0096】
Preamble生成部308は、STA共通情報生成部308aとSTA個別情報生成部308bとRU配置パターン保持部308cとを有する。Preamble生成部308は、スケジューリング部304から入力されるスケジューリング情報(例えば、送信端末数、符号化方法、MCS、周波数割当(未割当RUを含む))に基づいて、STA共通情報とSTA個別情報とを含むPreambleを生成する。Preamble生成部308は、生成したPreambleを時間多重部109へ出力する。
【0097】
RU配置パターン保持部308cは、STA共通情報に含めるRU配置パターンの候補を保持する。RU配置パターンの候補の中には、未割当RUを含むRU配置パターンが含まれる。RU配置パターン保持部308cは、保持しているRU配置パターンの候補を、スケジューリング部304及びSTA共通情報生成部308aへ出力する。
【0098】
スケジューリング部304は、RU配置パターンで定義される未割当RUを含むRU配置パターンの候補の中から、未割当RUと、STAに割当てる割当RUとを決定し、決定した未割当RU及び割当RUに関する情報(周波数割当情報を含むスケジューリング情報)を、Preamble生成部308および周波数割当部107へ出力する。なお、スケジューリング部304は、チャネル帯域に規定されるRUの全てを何れかのSTAに割当てる場合、未割当RUを決定しなくてもよい。
【0099】
STA共通情報生成部308aは、スケジューリング部304からの周波数割当情報と、RU配置パターン保持部308cに保持されたRU配置パターンに基づいて、STA共通情報に含めるRU配置パターン情報(RU allocation field)を決定する。
【0100】
STA個別情報生成部308bは、スケジューリング情報に基づいて、周波数リソースを割当てるSTAのSTA個別情報(例えば、STA ID、MCS等)を生成する。なお、MU多重する各STAについてのSTA個別制御情報は、User fieldを用いて通知される。Preamble(例えば、HE MU PPDU)における各STAについてのUser fieldの配置順(並び順)は、RU配置パターンに従って規定されてよい。例えば、User fieldは、未割当RUを除くRU配置パターンの順に従って、並べられる。
【0101】
STA個別情報生成部308bは、STA共通情報生成部308aから出力されるSTA共通情報にSTA個別情報を追加することによって、Preambleを生成し、時間多重部109へ出力する。
【0102】
<下り無線受信装置400の構成例>
図14は、本実施の形態2に係る下り無線受信装置400(例えば、STA400)の構成例を示すブロック図である。なお、図14において、図7と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
【0103】
図14に示すSTA400は、図7に示したSTA200のPreamble復号部204が、Preamble復号部404に置き換わった構成を有する。
【0104】
例えば、図14に示すSTA400は、図5に示した下り無線受信装置20の一例である。図5に示す制御部は、図14において制御信号の復号および制御信号に基づく割当RUの決定に関する処理部(例えば、Preamble復号部404等)に対応してよい。また、図5に示す無線受信部は、例えば、図14に示す無線送受信部201に対応してよい。
【0105】
Preamble復号部404は、STA共通情報復号部404aとSTA個別情報復号部404bとRU配置パターン保持部404cとを有する。
【0106】
RU配置パターン保持部404cは、上述した下り無線送信装置300のRU配置パターン保持部308cと同様に、未割当RUを含むRU配置パターンが含まれるRU配置パターンの候補を保持する。
【0107】
STA共通情報復号部404aは、分離部202から入力されたPreambleからSTA共通情報を復調および復号し、STA共通情報を抽出する。STA共通情報復号部404aは、抽出したSTA共通情報に含まれるRU配置パターンと、RU配置パターン保持部404cに保持されたRU配置パターンの候補とに基づいて、チャネル帯域(例えば20MHz帯域)において、STA400に割当てられた割当RUと未割当RUとを決定する。そして、STA共通情報復号部404aは、決定した割当RUと未割当RUとの情報をSTA個別情報復号部404bへ出力する。また、STA共通情報復号部404aは、分離部202から入力されたPreambleからSTA個別情報が含まれる信号を取り出し、STA個別情報復号部404bへ出力する。
【0108】
STA個別情報復号部404bは、STA共通情報復号部404aから入力されたSTA個別情報を復調および復号し、STA個別情報を抽出する。STA個別情報復号部404bは、割当RUの順に並べられたSTA個別情報に含まれるUser fieldを復号し、STA IDが自端末に予め設定されたIDと一致するか否かを判定する。STA個別情報復号部404bは、予め設定された自端末のIDと一致するIDがSTA IDに設定されているUser fieldが、自端末宛ての制御情報である、と判定する。STA個別情報復号部404bは、自端末宛てのUser fieldに含まれるSTA個別制御情報をデータ復調部205およびデータ復号部206へ出力する。また、STA個別情報復号部404bは、自端末に割当てられた割当RUを周波数抽出部203へ出力する。
【0109】
上述したように、実施の形態1では、RU配置パターン情報(RU allocation field)とは別に設けられるUnallocated RU fieldが、未割当RU情報を示した。本実施の形態2では、RU配置パターンの候補の中に、未割当RUを含むRU配置パターンが含まれるため、RU配置パターン情報が示すRU配置パターンによって、未割当RUが示される(特定される)。
【0110】
[AP及びSTAの動作例]
次に、本実施の形態のAP300及びSTA400の動作例について説明する。
【0111】
以下では、一例として、11axにおけるMU伝送用の制御情報(例えば、DL MU伝送の場合はSIG-B)のフォーマットにおいて未割当RU情報を送信する方法について説明する。
【0112】
図15は、本実施の形態2におけるDL MU信号のフォーマットの一例を示す図である。図15には、STA共通情報(Common field)と、STA個別情報(User specific field)とが示される。なお、図15において、図1に示したSTA共通情報とSTA個別情報と同様のフィールドおよびサブフィールドについては、説明を省略する。
【0113】
図15に示すSTA共通情報は、図1に示したSTA共通情報と同様のフィールドおよびサブフィールドを有するが、STA共通情報に含まれる配置RUパターン情報(例えば、RU Allocation subfield)によって、未割当RUを含むRU配置パターンをSTA400へ通知する。
【0114】
図16は、本実施の形態2におけるRU配置パターンの候補のリストの第1の例を示す図である。図16には、図8と同様に、最小割当粒度(11axの場合、26 tone)に対するRUの配置パターンの候補を示している。ただし、図16に示すRU配置パターンの候補には、未割当RUを含むRU配置パターンが含まれる。
【0115】
例えば、図16の一例のように、未割当RUを含むRU配置パターンは、未割当RUのトータルサイズが所定値以上(例えば、26 × 4 tone以上)となる全パターン、あるいは、その一部のパターンに限定してRU配置パターンの候補の中に含める。
【0116】
図17は、本実施の形態2におけるRU配置パターンの候補のリストの第2の例を示す図である。図17には、図8と同様に、最小割当粒度(11axの場合、26 tone)に対するRUの配置パターンの候補を示している。ただし、図17に示すRU配置パターンの候補には、未割当RUを含むRU配置パターンが含まれる。
【0117】
例えば、図17の一例のように、未割当RUを含むRU配置パターンは、1つの連続する未割当RUのサイズが所定値以上(例えば、106 tone以上)となる全パターン、あるいは、その一部のパターンに限定してRU配置パターンの候補の中に含める。
【0118】
なお、未割当RUを含むRU配置パターンは、1つの連続する未割当RUの個数が所定値以上(例えば、3個以上)となる全パターン、あるいは、その一部のパターンに限定してよい。
【0119】
なお、未割当RUを含むRU配置パターンは、未割当RUのサイズ、数、位置等に制限が設けられなくてもよい。
【0120】
図16図17に示すように、RU配置パターンの候補の中に、未割当RUを含むRU配置パターンが規定されることによって、STA共通情報のRU allocation fieldによって、未割当RU情報を通知できる。また、図16図17に示すように、未割当RUの数、サイズ、位置等に基づいて、RU配置パターンの候補の中に含まれる、未割当RUを含むRU配置パターンを制限することによって、RU配置パターンの候補の数を制限できるため、シグナリングのオーバーヘッドが低減できる。
【0121】
例えば、未割当RUの数が多いRU配置パターンを優先してRU配置パターンの候補の中に含めることによって、未割当RUに対応付けられるUser fieldを通知する方法に対して、オーバーヘッド低減効果を大きくできる。また、図17のように、未割当RUのサイズが大きいRU配置パターンを優先してRU配置パターンの候補の中に含めることで、大まかな周波数割当粒度での協調送信を優先的に実施でき、スケジューラやフィードバック制御が単純化できる。スケジューラやフィードバック制御が単純化できることで、実装の複雑性が低減できる。
【0122】
なお、RU配置パターンに含まれない未割当RUを通知する場合、従来と同様に、STA ID fieldに未使用AIDを設定したUser fieldを用いて通知することができため、スケジューリングの自由度の低下を抑制できる。
【0123】
なお、未割当RUを含むRU配置パターンを含むRU配置パターンの候補は、ビーコン等でAPが収容する複数STAに報知することによって、BSS(AP)毎に定義してもよい。また、仕様(スペック)によってRU配置パターンの候補(例えば、図16図17に示したリスト)を複数定義し、通信状況に応じてビーコン等でAPが収容する複数STAに使用するRU配置パターンの候補の番号を通知することで動的に切り替えてもよい。例えば、協調BSS内の収容STA数等の通信状況に応じて適したRU配置パターンを設定できる。
【0124】
また、未割当RUを含むRU配置パターンを含むRU配置パターンの候補は、従来の11axで定義されたRU配置パターンの候補(例えば、図8)とは別に定義されてもよいし、未割当RUを含むRU配置パターンが、従来の11axで定義されたRU配置パターンに置き換えられてもよい。
【0125】
以上、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、未割当RU情報がSTA共通情報によって通知される。ただし、本実施の形態2では、未割当RU情報は、STA共通情報のRU allocation fieldによって通知される。この通知によって、通知にかかるシグナリングのオーバーヘッドを低減できるため、Multi-AP coordinationの制御の効率化を図ることができる。
【0126】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、未割当RU情報がSTA共通情報によって通知される場合と、STA個別情報によって通知される場合とが選択される。
【0127】
<下り無線送信装置500の構成例>
図18は、本実施の形態3に係る下り無線送信装置500(例えば、AP500)の構成例を示すブロック図である。なお、図13において、図6と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
【0128】
図18に示す下り無線送信装置500は、図6に示した下り無線送信装置100のPreamble生成部108が、Preamble生成部508に置き換わり、フォーマット制御部510が追加された構成を有する。
【0129】
フォーマット制御部510は、スケジューリング部104からの割当RUおよび未割当RU情報に基づいて、割当RUおよび未割当RU情報をSTA共通情報に含めるか、STA個別情報に含めるかを決定する。そして、フォーマット制御部510は、当該決定に基づいて、Preambleのフォーマットを切り替える制御を行う。フォーマット制御部510は、PreambleのフォーマットをPreamble生成部508へ指示する。なお、フォーマット制御部510におけるフォーマット切り替え制御方法については後述する。
【0130】
Preamble生成部508は、フォーマット制御部510の指示に基づいて、割当RUおよび未割当RUを含むRU配置情報を通知するフォーマットを適用したPreambleを生成する。Preamble生成部508は、適用したフォーマットをSTA600へ指示するための情報(例えば、RU allocation formatと呼ぶ)をSTA共通情報に含める。例えば、RU allocation formatは、HE-SIG-A(図1参照)のようなSTA共通情報に含める。なお、HE-SIG-Aは、HE-SIG-Bを復調するための制御情報が含まれる。なお、RU配置情報は、上述したRU配置パターン情報と同様であってもよいし、異なってもよい。
【0131】
<下り無線受信装置600の構成例>
図19は、本実施の形態3に係る下り無線受信装置600(例えば、STA)の構成例を示すブロック図である。なお、図19において、図7と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
【0132】
図19に示す下り無線受信装置600は、図7に示した下り無線受信装置200のPreamble復号部204が、Preamble復号部604に置き換わった構成を有する。
【0133】
Preamble復号部604は、受信したPreambleのSTA共通情報(例えば、HE-SIG-A)に含まれるフォーマット情報(RU allocation format)から、例えば、割当RUおよび未割当RU情報を含む制御情報(例えば、HE-SIG-B)のフォーマットを決定する。そして、Preamble復号部604は、決定したフォーマットに従って、自端末宛ての制御情報(割当RUおよびMCS等)を復号する。
【0134】
[AP及びSTAの動作例]
次に、本実施の形態のAP500及びSTA600の動作例について説明する。
【0135】
以下では、一例として、11axにおけるMU伝送用の制御情報(例えば、DL MU伝送の場合はSIG-B)のフォーマットにおいて割当RUを含むフォーマットの切り替え方法について説明する。
【0136】
例えば、AP500のフォーマット制御部510は、スケジューリング部104からの割当RU数および未割当RU数に応じて、よりオーバーヘッドが少ないフォーマットを選択する。
【0137】
図20は、本実施の形態3において選択されるPreambleのフォーマットの一例を示す図である。図20は、フォーマットAとフォーマットBとの2つのフォーマットが示される。
【0138】
フォーマットAのRU allocation fieldによって通知されるRU配置パターンは、例えば、図8に示したRU配置パターンの候補の中から決定される。そして、フォーマットAのSTA個別情報は、RU配置パターンに含まれるRUの数のUser fieldを含む。この場合、未割当RUは、User fieldのSTA ID fieldにおいて未使用AIDを設定することによって、示される(特定される)。
【0139】
例えば、未割当RUの数が多い場合(割当RUの数が少ない場合)、フォーマット制御部510は、フォーマットBを選択する。フォーマットBでは、割当RUの数のUer fieldが、STA個別情報に含まれる。そして、RU配置情報(RU allocation field)は、STA共通情報ではなく、STA個別情報のUser fieldに含まれる。なお、STA個別情報に含まれるRU配置情報は、チャネル帯域全体のRU配置パターンではなく、User fieldに該当するSTAのRU配置を示す情報(例えば、11axのTrigger frameで用いられる端末個別のRU配置情報と同様でもよい)とする。
【0140】
端末個別のRU配置情報は、最小割当RUサイズ毎に割当RUか未割当RUを示すビットマップ情報であってもよい。あるいは、STAへの割当は、連続帯域割当に限定し、先頭RU番号と連続する割当RU数を通知する方法でもよい。
【0141】
未割当RUの数が多い場合、User fieldの数が少ないため、フォーマットBに示すように、STA個別情報にRU配置情報が含まれても、オーバーヘッドの増加は抑えられる。
【0142】
一方、未割当RUの数が少ない場合(割当RUの数が多い場合)、フォーマット制御部510は、フォーマットAを選択する。フォーマットAでは、11axと同様に、RU配置情報が、STA共通情報に含まれ、RU配置情報によって規定されるRUの数のUser fieldが、STA個別情報に含まれる。また、フォーマットAでは、11axと同様に、未使用AIDをSTA ID fieldに設定することによって、未割当RUが示される。
【0143】
割当RUの数が多い場合、User fieldの数が多いため、フォーマットAに示すように、STA共通情報にRU配置情報を含めることによって、オーバーヘッドの増加は抑えられる。
【0144】
以上、実施の形態3では、割当RUおよび未割当RUに応じて、フォーマットを制御することによって、シグナリングのオーバーヘッドが低減できる。
【0145】
なお、上述した各実施の形態は、組み合わせて用いられてよい。
【0146】
例えば、実施の形態1と実施の形態2とが組み合わせられてよい。この組み合わせの場合、所定値以上のサイズを有するRUによって構成されるRU配置パターンに含まれる未割当RUは、実施の形態1に示したように、Unallocated RU fieldのビットマップ情報によって通知されてよい。一方で、所定値未満のサイズを有するRUによって構成されるRU配置パターンに含まれる未割当RUは、実施の形態2に示したように、未割当RUを含むRU配置パターンによって通知されてよい。
【0147】
また、例えば、実施の形態1と実施の形態3とが組み合わせられてよい。この組み合わせの例について、図21を用いて説明する。
【0148】
図21は、選択されるPreambleのフォーマットの一例を示す図である。図21には、フォーマットCとフォーマットDとの2つのフォーマットが示される。フォーマットCは、11axと同様のフォーマットである。フォーマットDは、実施の形態1と同様に、未割当RUを特定するための情報が含まれるUnallocated RU fieldがSTA共通情報に含まれ、割当RUの数のUser fieldが、STA個別情報に含まれる。
【0149】
未割当RUの数が所定値未満の場合、フォーマットCのように、11axと同様なフォーマット(HE-SIG-B)が選択されてよい。この場合、STA共通情報にUnallocated RU fieldを設けずに、User fieldのSTA ID fieldに未使用AIDを設定することによって、未割当RUが通知されてよい。ここで、所定値は1であってもよいし、1より大きい値であってもよい。
【0150】
未割当RUの数が所定値以上の場合、フォーマットDのように、Unallocated RU fieldを含むフォーマットを適用する。フォーマットDは、例えば、実施の形態1に示したように、STA共通情報に含まれるUnallocated RU fieldによって、未割当RUが通知されてよい。
【0151】
これらのフォーマットを指示する情報は、実施の形態3のように、例えば、STA共通情報(例えば、HE-SIG-A)に含まれて通知される。
【0152】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0153】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、一例として、11axのMU伝送用制御信号のフォーマットをベースにした構成例について説明したが、本開示の一実施例を適用するフォーマットは、11axのフォーマットに限定されない。本開示の一実施例は、例えば、STA共通情報とSTA個別情報とを用いて制御するMU伝送に適用できる。
【0154】
例えば、MU伝送を指示する制御信号のフォーマットは11axに規定されたフォーマット(例えば、SIG-B又はTrigger frame)に限定されない。
【0155】
また、上記各実施の形態において示したフォーマットは、一例であり、本開示はこれに限定されない。例えば、上記各実施の形態において示したフォーマットに含まれるフィールドおよびサブフィールドの一部が省略されてもよいし、別の情報を通知するフィールドおよびサブフィールドが追加されてもよいし、フィールドおよびサブフィールドの並び順が変更されてもよい。また、「フィールド」と「サブフィールド」という用語は、互いに読み替えられてもよい。
【0156】
また、上記各実施の形態において示した情報およびフィールドの呼称は、一例であり、本開示はこれに限定されない。
【0157】
また、上記各実施の形態における、「RU配置(RU allocation)」は、例えば、周波数帯域(チャネル帯域)における、RUの配置(サイズ、位置、および/または、並び順)を指す。「割当RU(Allocated RU)」は、例えば、ユーザ(例えば、STA)に割り当てられたRUを指す。「未割当RU(Unallocated RU)」は、例えば、ユーザ(例えば、STA)に割り当てられていないRUを指す。
【0158】
また、上記各実施の形態では、STA共通情報が、SIG-Bの「Common field」であり、及び、ユーザ個別情報が、SIG-Bの「User Specific field」である例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、STA共通情報が、Preambleの別のフィールド(例えば、SIG-Aに含まれるフィールド)に含まれてもよい。
【0159】
上記各実施の形態では、下り無線送信装置がAPであり、下り無線受信装置がSTAである場合について説明した。しかし、これに限られない。
【0160】
また、上記実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0161】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0162】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0163】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0164】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0165】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0166】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0167】
本開示の一実施例に係る基地局は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを有する制御信号を送信する送信回路と、を備える。
【0168】
本開示の一実施例において、前記共通情報は、周波数帯域におけるリソースの配置パターンを示す情報を含み、前記ユーザ個別情報は、前記配置パターンにおいてユーザに割り当てられたリソースの数に応じた数の情報を含む。
【0169】
本開示の一実施例において、前記共通情報は、前記配置パターンにおける前記未割当のリソースを示す情報を含み、前記未割当のリソースを示す情報は、前記配置パターンにおいて前記複数のユーザの何れかに割当てられないリソースの位置を示す。
【0170】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記未割当のリソースを含む配置パターンが含まれる複数の配置パターン候補の中から、前記配置パターンを決定する。
【0171】
本開示の一実施例において、前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記未割当のリソースの合計サイズが所定値以上のパターンである。
【0172】
本開示の一実施例において、前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記周波数帯域において連続する前記未割当のリソースの数が所定値以上のパターンである。
【0173】
本開示の一実施例において、前記未割当のリソースを含む配置パターンは、前記周波数帯域において連続する前記未割当のリソースのサイズが所定値以上のパターンである。
【0174】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記未割当のリソースに関する情報を前記複数のユーザに共通の共通情報に含める第1フォーマットと、前記未割当のリソースに関する情報を前記複数のユーザに前記個別のユーザ個別情報に含める第2フォーマットと、の何れかを選択し、前記送信回路は、前記第1フォーマット及び前記第2フォーマットのうちの選択されたフォーマットの前記制御信号を送信する。
【0175】
本開示の一実施例に係る基地局は、未割当のリソースに関する情報を複数のユーザに共通の共通情報に含める第1フォーマットと、前記未割当のリソースに関する情報を前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報に含める第2フォーマットと、の何れかを選択する制御回路と、前記第1フォーマット及び前記第2フォーマットのうちの選択されたフォーマットの制御信号を送信する送信回路と、を備える。
【0176】
本開示の一実施例において、前記制御信号は、前記選択されたフォーマットを示す情報を含む前記共通情報を有する。
【0177】
本開示の一実施例に係る送信方法は、基地局は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成し、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを有する制御信号を送信する。
【0178】
本開示の一実施例に係る受信方法は、端末は、複数のユーザに共通の情報であって未割当のリソースに関する情報を含む共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を有する制御信号を受信し、前記未割当のリソースに関する情報に基づいて、前記端末に割り当てられたリソースを決定する。
【0179】
2019年7月30日出願の特願2019-139824の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本開示の一実施例は、無線通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0181】
10,100,300,500 下り無線送信装置(AP)
20,200,400,600 下り無線受信装置(STA)
101,201 無線送受信部
102 受信信号復調部
103 品質情報復号部
104,304 スケジューリング部
105 データ符号化部
106 データ変調部
107 周波数割当部
108,308,508 Preamble生成部
108a,308a STA共通情報生成部
108b,308b STA個別情報生成部
109 時間多重部
202 分離部
203 周波数抽出部
204,404,604 Preamble復号部
204a,404a STA共通情報復号部
204b,404b STA個別情報復号部
205 データ復調部
206 データ復号部
207 品質推定部
208 変調部
308c,404c RU配置パターン保持部
510 フォーマット制御部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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