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特許7595060軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置
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  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図1
  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図2
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  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図8A
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  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図9A
  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図9B
  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図10
  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図11
  • 特許-軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】軽質オレフィン収率の最大化および他の用途のための流動接触分解プロセスおよび装置
(51)【国際特許分類】
   C10G 51/02 20060101AFI20241128BHJP
   C10G 11/18 20060101ALI20241128BHJP
   B01J 8/24 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C10G51/02
C10G11/18
B01J8/24 301
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022502482
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020041148
(87)【国際公開番号】W WO2021011252
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】16/511,645
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519094400
【氏名又は名称】ラマス・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Lummus Technology LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】チェン,リアン
(72)【発明者】
【氏名】ローゾス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マリ,ラマ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】トムスラ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】フッド,ジョン エイ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ハルディク
(72)【発明者】
【氏名】ドーシー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブレッケンリッジ,ジャスティン
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-206483(JP,A)
【文献】特開平03-021695(JP,A)
【文献】米国特許第05059302(US,A)
【文献】特開昭63-084632(JP,A)
【文献】特開昭63-116734(JP,A)
【文献】特表2015-528037(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104583373(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 51/02
C10G 11/18
B01J 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素を変換するためのプロセスであって、流動接触分解において、前記炭化水素を少なくとも軽質オレフィン、芳香族および高オクタン価を有するガソリンに変換するプロセスであり、当該プロセスは、
再生器からライザー反応器に第1粒子および第2粒子の混合物を供給することであって、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子が独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよい、前記供給することと、
反応性および/または非反応性のキャリア流体を前記ライザー反応器に供給することと、
前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物と第2粒子と第1粒子とを含む前記ライザー反応器からオーバーヘッド生成物を回収することと、
前記オーバーヘッド生成物を一体型の離脱容器に供給することと
を含み、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離して、第1粒子ならびに前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2の流れとを提供する固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置され、第1流れを分離して、第1粒子を含む固体画分と、前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む蒸気画分とを回収する1以上のサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と、
前記環状領域に流体的に接続された第1固体出口と、
前記内部容器に流体的に接続された第2固体出口と
を含んで成り、
当該プロセスが、さらに、
第1固体出口を介して、前記環状領域から前記固体画分を回収することと、
第2固体出口を介して、前記分離された第2粒子を回収することと
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記分離された第1粒子を含む前記固体画分を前記環状領域から前記再生器に供給することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記ライザー反応器に供給することをさらに含み、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2固体出口から回収される前記分離された第2粒子を前記ライザー反応器に供給することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
炭化水素を変換するためのプロセスであって、当該プロセスは、
再生器からライザー反応器に第1粒子および第2粒子の混合物を供給することであって、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子が独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよい、前記供給することと、
炭化水素画分を前記ライザー反応器に供給すること、および前記炭化水素画分の少なくとも一部を変換するために前記炭化水素画分を第1粒子および第2粒子の混合物と接触させることと、
前記変換された炭化水素画分と、第2粒子と、第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物を回収することと、
前記オーバーヘッド生成物を一体型の離脱容器に供給することと
を含み、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される固体分離装置であって、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離し、第1粒子ならびに前記変換された炭化水素画分を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2流れとを提供するための固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置される1以上のサイクロンであって、第1流れを分離し、第1粒子を含む固体画分と、前記変換された炭化水素画分を含む蒸気画分とを回収するためのサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と
を含んで成り、
当該プロセスが、さらに、
前記環状領域から前記再生器に前記固体画分を供給することと、
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記ライザー反応器に供給することによって、前記ライザー反応器内で第2粒子の濃度を高めることであって、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させることと
を含む、プロセス。
【請求項6】
第2炭化水素供給原料と、前記第1粒子および前記第2粒子の前記混合物とを第2反応器に供給することと、
前記第1粒子および前記第2粒子の前記混合物を第2炭化水素供給原料と接触させることであって、第2炭化水素供給原料を分解し、より軽い炭化水素ならびに前記第1粒子および前記第2粒子の前記混合物ならびに変換された炭化水素流出物を含む第2反応器流出物を形成するための前記接触させることと、
前記より軽い炭化水素および前記変換された炭化水素流出物から前記第1粒子および前記第2粒子を分離するために、第2反応器流出物を分離器に供給することと、
前記分離器から炭化水素生成物を回収することと
をさらに含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
新鮮な第2粒子を前記ライザー反応器に供給することと、
新鮮な第1粒子を前記再生器に供給することと
をさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記蒸気出口を介して回収される前記蒸気画分を供給することと、前記分離器から回収される前記炭化水素生成物を分留システムに供給することであって、前記分留システムがナフサ画分を含む2以上の炭化水素画分に前記炭化水素生成物を分離するためのものである、前記供給することと、
前記ナフサ画分を前記炭化水素画分として前記ライザー反応器に供給することと
をさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
炭化水素を分解するためのシステムであって、当該システムは、
再生器と、
ライザー反応器と、
オーバーヘッド生成物を受容するように構成された一体型の離脱容器と
を含んで成り、
前記ライザー反応器が、前記再生器から第1粒子および第2粒子の混合物を受容し、第1粒子が、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子は独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよいように前記ライザー反応器が構成されており、
前記ライザー反応器が、炭化水素画分を第1粒子および第2粒子の前記混合物と接触させて、前記炭化水素画分の少なくとも一部を変換するように構成されており、なおかつ
前記ライザー反応器が、前記変換された炭化水素画分と第2粒子と第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物を生成するように構成されており、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される固体分離装置であって、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離して、第1粒子ならびに前記変換された炭化水素画分を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2流れとを提供するための固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置される1以上のサイクロンであって、第1流れを分離して、第1粒子を含む固体画分と、前記変換された炭化水素画分を含む蒸気画分とを回収するためのサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と
を含んで成り、
当該システムは、さらに、
前記環状領域から前記再生器に前記固体画分を供給するための流路と、
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記ライザー反応器に供給することで前記ライザー反応器において第2粒子の濃度を高めるための流路であって、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させる、流路と
を含んで成る、システム。
【請求項10】
第2炭化水素供給原料ならびに前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物を受容するように構成される第2反応器であって、第1粒子および第2粒子の混合物を第2炭化水素供給原料と接触させて第2炭化水素供給原料を分解し、より軽い炭化水素ならびに第1粒子および第2粒子の混合物ならびに変換された炭化水素流出物を含む第2反応器流出物を形成する、第2の反応器と、
第2反応器流出物を受容し、前記より軽い炭化水素および前記変換された炭化水素流出物から第1粒子および第2粒子を分離するように構成される分離器と
をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
新鮮な第2粒子を前記ライザー反応器に供給するための流路と、
新鮮な第1粒子を前記再生器に供給するための流路と
をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記蒸気出口を介して回収される前記蒸気画分ならびに前記分離器から回収される前記炭化水素の両方を受容するため、なおかつナフサ画分を含む2以上の炭化水素画分に前記炭化水素を分離するために構成される分留システムと、
前記ナフサ画分を前記炭化水素画分として前記ライザー反応器に供給するための流路と
をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(開示の分野)
本開示の実施形態は、概して、混合触媒システムの生産性および/または柔軟性を向上させるためのシステムおよびプロセスに関する。本明細書中に開示されるいくつかの実施形態は、流動接触分解(fluid catalytic cracking)の装置およびプロセスに関し、これらは、重質炭化水素供給物(又はヘビー・ハイドロカーボン・フィード)(例えば、減圧ガス油および/または重質油残渣)を軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)(例えば、プロピレンおよびエチレン)、芳香族および高オクタン価を有するガソリンへと非常に高い収率で最大限に変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)するためのものである。
【背景技術】
【0002】
(背景)
近年、流動接触分解(FCC)(fluid catalytic cracking)のプロセスによる軽質オレフィンの製造は、最も魅力的な提案のひとつと考えられている。さらに、プロピレン、エチレン、芳香族(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)などの石油化学的なビルディング・ブロックの需要は増々高まっている。さらに、石油精製と石油化学コンプレックスの統合(又は一体化又はインテグレーション)は、経済的な理由および環境的な理由の両方から好ましい選択肢となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、世界的な傾向として、ガソリン製品の需要よりも中間留分(ディーゼル)の需要が伸びていることが示されている。FCCプロセスから得られる中間留分を最大化するためには、FCCの反応温度を下げ、触媒の配合を変えて操作(又は運転)することが必要である。しかし、このような変更では、FCCユニットがかなり低い反応器温度で操作(又は運転)されることから、軽質オレフィンの収率が低下するという欠点がある。また、アルキル化ユニットへの供給原料(又はフィードストック)も減少する。
【0004】
流動床接触プロセスは、変化する市場の需要に適応しながら、過去20年間にいくつか開発されてきた。例えば、米国(US)特許第7479218号は、軽質オレフィン製造の選択性を向上させるために、ライザー反応器を半径の異なる2つのセクションに分割した流動接触反応器システム(又は流動接触リアクター・システム)を開示する。半径が小さいライザー反応器(又はライザー・リアクタ)の第1部分は、重い供給物分子(又はヘビー・フィード・モレキュラー)をナフサ範囲まで分解するために採用されている。半径の大きい部分、つまりライザー反応器の第2部分は、ナフサ範囲生成物(又はナフサ・レンジ・プロダクト)をさらに分解して軽質オレフィン(例えば、プロピレン、エチレンなど)にするために使用される。反応器システムのコンセプトは、かなり単純であるが、軽質オレフィンへの選択性の程度は、以下の理由(1)~(3)により制限される。
(1)ナフサ範囲供給物流(又はナフサ・レンジ・フィード・ストリーム)が部分的にコークス化または失活した触媒に接触する。
(2)両セクションでの反応の吸熱性のために反応セクションの第2部分の温度が第1ゾーンよりもはるかに低い。
(3)重質炭化水素(又はヘビー・ハイドロカーボン)の活性化エネルギーと比べて、必要な高い活性化エネルギーが、軽質供給物分解(又はライト・フィード・クラッキング)にはない。
【0005】
米国(US)特許第6106697号、米国(US)特許第7128827号、米国(US)特許第7323099号は、重質炭化水素とナフサ範囲の供給物ストリーム(又はフィード・ストリーム)を選択的に分解するための高度な制御を可能にする2段階(又は2ステージ)流動接触分解(FCC)ユニットを採用する。第1段のFCCユニットは、Y型大孔径ゼオライト触媒の存在下でガスオイル/重質炭化水素供給物をナフサ沸点範囲生成物に変換するためのものであり、ライザー反応器と、ストリッパと、再生器(又はリジェネレータ)とから構成される。同様の容器/構成の組み合わせを有する2段目のFCCユニットは、1段目から再利用(又は循環又はリサイクル)されたナフサ流(又はナフサ・ストリーム)を接触分解するために使用される。もちろん、2段目のFCCユニットでは、軽質オレフィンへの選択性を高めるために、ZSM-5型(スモール・ポア・ゼオライト)触媒を使用する。この方式は、広義には、供給物(又はフィード)、触媒、操作ウィンドウ(又はオペレーティング・ウィンドウ)の選択と最適化を高度に制御するものの、ナフサ供給物の2段目の処理ではコークスがほとんど生成されず、熱収支を維持するのに不十分である。このため、良好な燃焼を達成するための再生器内の適切な温度と、供給物(又はフィード)の気化と吸熱の反応のための熱を供給するために、外部(供給源)からの熱を必要とする。通常は、トーチ・オイルが2段目のFCC再生器で燃焼され、触媒粒子温度およびホット・スポットが高くなるため、触媒の過剰な失活につながる。
【0006】
米国(US)特許第7658837号は、従来のストリッパ・ベッドの一部を反応性ストリッパとして利用することによって、FCC生成物の収率を最適化するプロセスおよび装置(又はデバイス)を開示する。このような第2反応器の反応性ストリッパのコンセプトは、ストリッピング効率をある程度まで妥協する(又は損なう)ため、再生器へのコークス負荷(又はコーク・ロード)の増加につながる可能性がある。また、供給物がコークス化した触媒や失活した触媒と接触することによって、生成物の収率や選択性にも影響を与える可能性がある。さらに、反応性ストリッパの温度は、ライザー内の所望のセットの条件を維持するために、ライザートップ温度を直接制御するため、独立して変更することができない。
【0007】
米国(US)特許出願第2007/0205139号は、ガソリン収率を最大化するために、ライザーのボトムセクションに位置する第1の分配器(又はディストリビュータ)を通して、炭化水素供給物(又はハイドロカーボン・フィード)を注入するプロセスを開示する。目的が軽質オレフィンを最大化することである場合、ライザーにおける炭化水素蒸気(又はハイドロカーボン・ベーパー)の滞留時間(又はレジデンス・タイム)を減少させることを意図して、同様の供給物分配システムを通して、ライザーの上部に供給物が注入される。
【0008】
国際公開(WO)第2010/067379号は、Cおよびオレフィン系のナフサ・ストリーム(又はナフサ流)を重質炭化水素供給物の注入ゾーン(又はインジェクション・ゾーン)より下のライザーのリフト・ゾーンに注入することによって、プロピレンおよびエチレンの収率を高めることを目的としている。かかるストリームは、軽質オレフィンの収率を向上させるだけでなく、スチームの代わりに触媒トランスポートの媒体としても機能する。このコンセプトは、触媒の熱失活の度合いを低減させるのに役立つ。しかし、このような軽質供給物スチームの分解に重要な運転条件(例えば、リフト・ゾーンの温度およびWHSV)を柔軟に変更することができない。このため、所望の軽質オレフィンへの選択性が劣ることになる可能性がある。
【0009】
米国(US)特許第6869521号は、FCC生成物(特にナフサ)に由来する供給物を、高速流動化体制(又はファスト流動化レジーム)で作動する第2反応器において触媒と接触させることが、水素転移反応(又は水素トランスファー反応)の促進ならびに接触分解反応の制御にも有用であることを開示する。
【0010】
米国(US)特許第7611622号は、C/Cを含有する供給原料(又はフィードストック)を芳香族に変換するために、デュアル・ライザーを採用するFCCプロセスを開示する。第1および第2の炭化水素供給物は、ガリウム豊富化(又はエンリッチ)触媒の存在下で第1ライザーおよび第2ライザーにそれぞれ供給され、第2ライザーは、第1ライザーよりも高い反応温度で作動する。
【0011】
米国(US)特許第5944982号は、低硫黄・高オクタン価のガソリンを製造するためのデュアル・ライザーを備えた触媒プロセスを開示する。ヒドロ処理後の重質ナフサと軽油(又はライト・サイクル・オイル)を処理リサイクルするために第2ライザーを使用して、ガソリンの収率とオクタン価を最大にする。
【0012】
米国(US)特許出願第2006/0231461号は、軽油(又はライト・サイクル・オイル)(LCO)または中間留分生成物および軽質オレフィンの製造を最大化するプロセスを開示する。このプロセスは、2つの反応器システムを採用し、第1反応器(ライザー)がガス・オイル供給物を主にLCOに分解するために使用され、第2反応器(共流濃厚床反応器又はコンカレント・デンス・ベッド・リアクタ)が第1反応器から再利用(又は循環又はリサイクル)されたナフサの分解に使用される。このプロセスは、触媒の選択性によって制限され、第1反応器を実質的により低い反応温度で運転することから、ナフサ中のオレフィンの所望のレベルが不足する。
【0013】
米国(US)特許第6149875号は、供給物の汚染物質(又はコンタミナント)(例えば、コンカーボン、金属)を吸着材で除去することに関する。FCC触媒および吸着材のトランスポート速度/ターミナル速度の差を用いてFCC触媒を吸着材から分離する。
【0014】
米国(US)特許第7381322号は、ストリッパ兼セパレータにおいて、吸着材に付着した汚染金属の悪影響を除去するための再生工程(又はリジェネレーション・ステップ)の前に、金属吸着材から触媒を分離する装置およびプロセスを開示した。この特許は、ミニマム速度の差/バブリング速度の差を用いており、主にFCC触媒の吸着材からの分離に適用される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(要旨)
軽質オレフィンの製造のために、C、より軽いC画分(又はCフラクション)、ナフサ画分(又はナフサ・フラクション)、メタノールなどの分解を含む炭化水素の分解に二反応器方式(又はツー・リアクタ・スキーム)を使用することが可能であり、この二反応器方式は、選択性(又はセレクティビティ)および操作性(又はオペラビリティ)に制限がなく、熱収支(又はヒート・バランス)の要件を満たし、また少ない部品数を維持することが判明している。本明細書中に開示される選択的な実施形態は、従来のライザー反応器を、軽質オレフィンの製造を最大化するために設計された混合フロー(例えば、向流(又はカウンターカレント)および共流(又はコカレント)の触媒フローの両方を含む)の流動床反応器と組み合わせて使用する。ライザー反応器および混合フロー反応器からの流出物は、共通の触媒離脱容器(又はキャタリスト・ディスエンゲージメント・ベッセル(catalyst disengagement vessel))で処理され、ライザー反応器(又はライザー・リアクタ)および混合フロー反応器(又はミックス・フロー・リアクタ)の各々で使用される触媒は、共通の触媒再生容器で再生され得る。このフロー・スキーム(又はフロー方式)は、高いクラッキング活性を維持するのに有効であり、熱収支の問題を克服し、また、様々な炭化水素流からの軽質オレフィンの収率および選択性を向上させ、しかも、以下により詳細に説明するように、生成物のクエンチ(又は急冷)とユニットのハードウェアを簡素化する。
【0016】
一態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素(又はハイドロカーボン)の変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)または接触分解(又は接触クラッキング)のためのプロセスに関する。このプロセスは、炭化水素、第1粒子および第2粒子を反応器に供給すること(又は工程)を含んでよい。このプロセスにおいて、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径(又は平均粒径)を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さい。第1粒子および第2粒子は、触媒的であっても、非触媒的であってもよい(又は触媒的でなくてもよい)。第2粒子の第1部分は、反応器からボトム生成物(又は底部生成物)として回収されてよい。そして、分解された炭化水素流出物、第2粒子の第2部分、および第1粒子は、反応器からオーバーヘッド生成物として回収されてよい。第2粒子の第2部分は、オーバーヘッド生成物から分離されてよく、第1粒子および炭化水素流出物を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、分離された第2粒子を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを提供し、それにより、第2流れにおける上記で分離された第2粒子を反応器に戻すこと(又はリターン)が可能となる。
【0017】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の接触分解のためのシステムに関する。このシステムは、炭化水素供給原料(又は炭化水素フィードストック)の少なくとも一部を軽質(又はより軽い)炭化水素に変換するために、第1分解触媒および第2分解触媒を炭化水素供給原料と接触させるための第1反応器を含んでよい。オーバーヘッド生成物ラインが設けられており、このオーバーヘッド生成物ラインは、第1反応器から、第1分解触媒、第2分解触媒の第1部分および炭化水素を含む第1流れ(又は第1ストリーム)を回収するためのものである。ボトム生成物ラインが設けられており、このボトム生成物ラインは、第1反応器から、第2分解触媒の第2部分を含む第2流れ(又は第2ストリーム)を回収するためのものである。分離器(又はセパレータ)は、第1流れから第2分解触媒を分離するために使用されてよく、それにより、炭化水素および第1分解触媒を含む炭化水素流出物を生成する。分離された第2分解触媒を分離器から第1反応器に戻すための供給物ライン(又はフィード・ライン)が提供される。
【0018】
また、炭化水素の接触分解のためのシステムは、ライザー反応器を含んでいてよく、このライザー反応器は、第1分解触媒と第2分解触媒の混合物を第2炭化水素供給原料と接触させて、第2炭化水素供給原料の少なくとも一部を軽質(又はより軽い)炭化水素に変換し、軽質炭化水素ならびに第1分解触媒と第2分解触媒との混合物を含むライザー反応器流出物を回収するためのものである。第2分離器が提供されていてよく、この第2分離器は、炭化水素流出物から第2分解触媒を分離するため、なおかつライザー反応器流出物から第1分解触媒および第2分解触媒の混合物を分離するためのものである。また、第2分離器に回収される第1分解触媒および第2分解触媒と、ボトム生成物ラインに回収される第1分解触媒の第2部分とを再生するための触媒再生器を用いてよい。
【0019】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、第1触媒を反応器に供給すること(又は工程)と、第2触媒を反応器に供給すること(又は工程)とを含み得る。ここで、第1触媒は、第1触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第1触媒よりも密度が小さい。このプロセスは、炭化水素供給原料を反応器に供給することを含み得る。反応器からオーバーヘッド流出物が回収されてよく、この流出物は、分解された炭化水素と、第1触媒と、第2触媒とを含む。第2触媒をオーバーヘッド生成物から分離してよく、そうすることで、第1触媒と炭化水素流出物を含む第1流れと、上記で分離した第2触媒を含む第2流れとを提供し、第2流れにおける上記で分離した第2触媒を反応器に戻すことができる。
【0020】
別の態様において、本明細書中の実施形態は、サイズ(又は寸法)および/または密度の差に基づいて触媒または他の粒子を分離するための分離器(又はセパレータ)に関する。分離器は、キャリアガス(又は担体ガス)から粒子を分離するために、少なくとも1つの入口(又はインレット)を有してよく、また、少なくとも2つの出口(又はアウトレット)を有してよい。キャリアガスは、粒子とともに分離器に入り、このとき、粒子の一部とキャリアガスが第1出口に集められ、キャリアガスとともに粒子の一部が第2出口に集められるように、慣性力、遠心力および/または重力が粒子に作用してよい。分離器における力の組み合わせは、入口濃度に対して出口流の粒子サイズおよび/または密度を高める効果を有してよい。セパレータは、容器/チャンバの内部にキャリアガスの分配または流動化を追加してよく、粒子に追加の力を作用させて、分級(またはクラス分け又はクラシフィケーション)の強化を促進することができる。
【0021】
別の態様において、本明細書中の実施形態は、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、触媒または他の粒子を分離するための慣性分離器(又はイナーシャル・セパレータ)に関する。慣性分離器は、キャリアガスと、第1粒子タイプ(又は第1粒子)と、第2粒子タイプ(又は第2粒子)とを含む混合物を受容するための入口を含んでいてよい。各粒子タイプ(又は各粒子)は、平均粒子径および粒子径の分布(これらは異なっていても、重複していてもよい)ならびに平均密度を有してよい。第2粒子タイプは、第1粒子タイプよりも大きい平均粒子径および/または平均密度を有してよい。慣性分離器は、U字形の導管(第1垂直脚(又は第1バーチカル・レッグ)、U字形の基部(又はベース)、第2垂直脚(又は第2バーチカル・レッグ)を含む)を含んでよい。U字形の導管は、第1垂直脚を介する入口を第1出口および第2出口に流体的に接続させてよい。第1出口は、U字形の導管の基部に近接して接続されており、第2出口は、第2垂直脚に接続されている。U字形の慣性分離器は、以下のように構成されてよい。キャリアガスおよび第1粒子タイプから第2粒子タイプの少なくとも一部を分離し、第1出口を介して第2粒子タイプを回収し、第2出口を介してキャリアガスおよび第1粒子タイプを回収する。また、分離器は、流動化ガスを導入するために第2出口の内部または第2出口に近接して配置された分配器(又はディストリビュータ)を含んでいてよく、第2粒子タイプからの第1粒子タイプのさらなる分離(又は追加の分離)を促進する。いくつかの実施形態において、分離器は、U字形の導管またはその一部の断面積が調整可能であるように構成されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、分離器は、U字形の導管の1以上のセクションの内部に配置された可動バッフルを含んでよい。
【0022】
別の態様において、本明細書中の実施形態は、上記のようにサイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、触媒または他の粒子を分離するための慣性分離器に関する。慣性分離器は、バッフルによって向きが変えられる(又は偏向される)前にチャンバを横断する入口水平導管を含んでよい。チャンバは、第1垂直出口および第1水平出口に接続されている。バッフルは、チャンバの中央、入口の近傍、または出口の近傍に配置されてよい。バッフルは、触媒粒子をより多くまたはより少なく偏向させるような角度であってよく、または可動式であってよい。バッフル・チャンバ・セパレータは、キャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)から第2粒子タイプ(又は第2粒子)の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口を介して第2粒子タイプ(又は第2粒子)を回収し、第1水平出口を介してキャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)を回収するように構成されてよい。また、分離器は、分配器を含んでいてもよく、この分離器は、流動化ガスを導入するために第1垂直出口の内部または第1垂直出口に近接して配置され、第1粒子タイプ(又は第1粒子)の第2粒子タイプ(又は第2粒子)からのさらなる分離(又は追加の分離)を促進する。
【0023】
別の態様において、本明細書中の実施形態は、上記のように、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、触媒または他の粒子を分離するための慣性分離器に関する。慣性分離器は、垂直入口(又は垂直インレット)を含んでよく、この垂直入口は、チャンバに接続されている。ここで、チャンバの1以上の垂直側面(又は垂直サイド)が狭いスロット出口(又はスロット・アウトレット)を備える。これは、ルーバーと記載されてよい。ルーバーの数は用途に応じて異なっていてよく、ルーバーの角度は、ルーバー出口(又はルーバー・アウトレット)から出る蒸気の量を制御するために調節可能であってよい。また、チャンバは、チャンバの底部において、第1垂直出口に接続されている。ルーバー分離器(又はルーバー・セパレータ)は、以下のように構成されてよい:キャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)から第2粒子タイプ(第2粒子)の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口を介して第2粒子タイプ(第2粒子)を回収し、ルーバー出口を介してキャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)を回収する。また、分離器は、分配器(又はディストリビュータ)を含んでいてよく、分配器は、流動化ガスを導入するために第1垂直出口の内部または第1垂直出口に近接して配置され、第1粒子タイプ(又は第1粒子)の第2粒子タイプ(又は第2粒子)からのさらなる分離(又は追加の分離)を促進する。
【0024】
また、上記の分離器は、反応器(又はリアクタ)、再生器(又はリジェネレータ)、触媒供給システム(又は触媒フィードシステム)と組み合わされて、システムの性能(又はパフォーマンス)と柔軟性(又はフレキシビリティ)を高めるために使用することができる。
【0025】
一態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、再生器において、第1触媒および第2粒子を含む触媒混合物を再生すること(又は工程)を含んでよい。ここで、第1触媒は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が低い。ここで、第2粒子は、触媒であっても非触媒であってもよい(又は触媒でなくてもよい)。触媒混合物および炭化水素は、炭化水素の少なくとも一部を変換し、触媒混合物および変換された炭化水素を含む第1流出物を回収するために、ライザー反応器に供給されてよい。触媒混合物は、第2反応器に供給することもできる。炭化水素供給原料を第2反応器に供給し、触媒混合物を流動化することは、炭化水素供給原料を触媒混合物と接触させることで炭化水素を変換してよく、第2粒子、第1触媒および反応した炭化水素生成物を含む第2反応器からオーバーヘッド生成物を回収すること(又は工程)を提供してよい。次いで、第2粒子をオーバーヘッド生成物から分離してよく、第1触媒および反応した炭化水素生成物を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、上記で分離した第2粒子を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを提供し、第2の流れ中の上記で分離した第2粒子を反応器に戻してよい。
【0026】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、触媒再生器(又は触媒リジェネレータ)から第1触媒および第2触媒を含む混合物を取り出すこと(又は工程)と、混合物および炭化水素をライザー反応器に供給すること(又は工程)であって、それによって、炭化水素の少なくとも一部を変換して、触媒混合物および変換された炭化水素を含む第1流出物を回収することとを含んでよい。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2触媒よりも密度が小さい。また、このプロセスは、触媒再生器から第1触媒および第2触媒を含む混合物を引き出すこと(又は工程)、その混合物を触媒分離システムに供給すること(又は工程)、第1触媒および第2触媒を含む混合物を流動化媒体で流動化すること(又は工程)、触媒分離システムにおいて第1触媒を第2触媒から分離すること(又は工程)であって、それにより、第1触媒および流動化媒体を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを回復することを含んでよい。次いで、炭化水素供給原料と第1流れまたは第2の流れのいずれか一方を反応器に供給してよく、炭化水素の少なくとも一部を反応させて、変換された炭化水素を生成(又は形成)してよい。
【0027】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、炭化水素供給原料と、第1触媒および第2触媒を含む触媒混合物とをライザー反応器に供給すること(又は工程)を含んでよい。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2触媒よりも密度が小さい。次いで、ライザー反応器からの流出物を分離してよく、それにより、第1触媒および変換された炭化水素供給原料を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを回収し、第2流れは、ライザー反応器に供給されてよい。
【0028】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、第1触媒および第2触媒を含む混合物を触媒再生器から引き出すこと(又は工程)と、混合物を触媒の供給/分離システムに供給すること(又は工程)を含んでよい。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2触媒よりも密度が小さい。第1触媒は、触媒の供給/分離システムにおいて、第2触媒から分離されてよく、それにより、第1触媒を含む第1流れ(又は第1ストリーム)および第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)を生成(又は形成)する。次いで、炭化水素供給原料と、第1流れまたは第2流れのいずれか一方とをライザー反応器に供給してよく、それにより、炭化水素の少なくとも一部を反応させて、変換された炭化水素を生成(又は形成)してよい。
【0029】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのシステムに関する。このシステムは、触媒再生器と、第1触媒供給ラインとを含んでよい。第1触媒供給ラインは、第1触媒および第2の触媒を含む混合物を触媒再生器から引き出すため、なおかつ混合物をライザー反応器に供給するためのものである。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2の触媒よりも密度が小さい。また、このシステムは、第2触媒供給ラインと、流動化媒体供給ラインとを含んでよい。第2触媒供給ラインは、触媒再生器から第1触媒および第2触媒を含む混合物を引き出するため、なおかつ、この混合物を触媒分離システムに供給するためのものである。流動化媒体供給ラインは、第2触媒供給ラインを介して引き出した混合物を流動化媒体で流動化するため、なおかつ、触媒分離システムにおいて第1触媒を第2触媒から分離して、第1触媒および流動化媒体を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを回収するためのものである。炭化水素供給原料、および第1流れまたは第2流れのいずれか一方を接触させて、炭化水素の少なくとも一部を反応させて、変換された炭化水素を生成(又は形成)するための反応器が提供されてよい。
【0030】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのシステムに関する。このシステムは、ライザー反応器を含んでよい。ライザー反応器は、第1触媒および第2触媒を含む触媒混合物と炭化水素供給原料を接触させるためのものである。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2触媒よりも密度が小さい。触媒分離システムは、ライザー反応器流出物を分離して、第1触媒と変換された炭化水素供給原料とを含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを回収するために提供される。流路(又はフロー・ライン)は、第2流れをライザー反応器に供給する。
【0031】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのシステムに関する。このシステムは、触媒取り出しラインを含んでよい。この触媒取り出しラインは、触媒再生器から第1触媒および第2触媒を含む混合物を取り出すため、なおかつ、この混合物を触媒の供給/分離システムに供給するためのものである。ここで、第1触媒は、第2触媒よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2の触媒よりも密度が小さい。この触媒の供給/分離システムは、この触媒の供給/分離システムにおいて、第2触媒から第1触媒を分離し、第1触媒を含む第1流れ(又は第1ストリーム)と、第2触媒を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを生成(又は形成)する。ライザー反応器は、炭化水素供給原料を第1流れまたは第2流れのいずれか一方と接触させて、炭化水素の少なくとも一部を反応させることで、変換された炭化水素を生成(又は形成)させる。
【0032】
本明細書中に開示される装置およびプロセスは、粒子混合物を分離するために、上記の特許(米国(US)特許第6149875号および米国(US)特許第7381322号など)に開示される技術とは顕著に異なる技術を使用する。本開示の目的も異なっている。先行技術の開示は、吸着材を導入することによって、触媒から汚染物質(又はコンタミナント)を除去することに焦点を当てている。しかし、本発明は、選択された触媒を反応器に濃縮(又は集中)させること、例えば、ZSM-5/11を第2反応器に濃縮(又は集中)させることによって、変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)、選択性(又はセレクティビティ)および熱収支(又はヒート・バランス)を改善することを目的とする。
【0033】
炭化水素を変換するためのプロセス
このプロセスは、第1粒子および第2粒子の混合物を再生器(又はリジェネレータ)からトランスポート容器(又は輸送容器)またはライザー反応器(又はライザー・リアクタ)に供給すること(又は工程)を含んでよい。第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有してよく、かつ/または第2粒子よりも密度が小さい。第1粒子および第2粒子は、独立して、触媒粒子であっても非触媒粒子であってもよい(又は触媒粒子でなくてもよい)。また、このプロセスは、反応性および/または非反応性のキャリア流体をトランスポート容器またはライザー反応器に供給すること(又は工程)と、キャリア流体および/またはキャリア流体と第2粒子と第1粒子との反応生成物を含むトランスポート容器/ライザー反応器からオーバーヘッド生成物を回収すること(又は工程)とを含んでよい。
【0034】
オーバーヘッド生成物は、一体型(又は一体化された又は統合型又は統合された(integrated))の離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル(disengagement vessel))に供給されてよい。一体型の離脱容器は、ハウジングを含んでよい。固体分離装置(又はソリッド・セパレーション・デバイス)が、ハウジング内に配置されてよい。この固体分離装置は、オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離し、第1流れ(又は第1ストリーム)(第1粒子ならびにキャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む)と、第2流れ(又は第2ストリーム)(分離された第2粒子を含む)とを提供するためのものである。また、1以上のサイクロンがハウジング内に配置されてよい。このサイクロンは、第1流れを分離して、固体画分(又は固体フラクション)(第1粒子を含む)と、蒸気画分(又は蒸気フラクション)(キャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む)とを回収するために提供される。さらに、内部容器(又は内側容器)がハウジング内に配置されてよく、この内部容器は、分離された第2粒子を含む第2流れを受容するためのものである。環状領域(又は輪状領域又はアニュラー領域)が、ハウジングと内部容器との間に形成されてよく、この環状領域は、第1粒子を含む固体画分を受容するためのものである。また、離脱容器は、蒸気画分を回収するための蒸気出口(又はベーパー・アウトレット)と、固体画分を環状領域から回収するための第1固体出口(又は第1ソリッド・アウトレット)と、分離した第2粒子を内部容器から回収するための第2固体出口(又は第2ソリッド・アウトレット)とを含んでよい。
【0035】
また、このプロセスは、第1固体出口を介して、環状領域から固体画分を回収することを含んでよい。さらに、上記で分離された第2粒子は、第2固体出口を介して回収されてよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記で分離された第1粒子を含む固体画分は、環状領域から再生器に供給されてよい。内部容器に由来する上記で分離された第2粒子は、トランスポート容器またはライザー反応器に供給されてよい。ここで、再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と、上記で分離された第2粒子を混合する。
【0037】
いくつかの実施形態において、上記で分離された第2の粒子は、内部容器から再生器に供給されてよい。上記で分離された第1粒子を含む固体画分は、環状領域からトランスポート容器またはライザー反応器に供給されてよく、再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と、上記で分離された第2粒子を混合する。
【0038】
さらに他の実施形態では、上記で分離された第2粒子は、内部容器から追加の反応器に供給されてよい。上記で分離された第2粒子は、追加の反応器において、炭化水素供給原料と接触させてよく、それにより、炭化水素供給原料を分解する。
【0039】
別の態様において、本明細書中に開示される実施形態は、炭化水素の変換のためのプロセスに関する。このプロセスは、再生器からライザー反応器に第1粒子および第2粒子の混合物を供給すること(又は工程)を含んでよい。ここで、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さい。ここで、第1粒子および第2粒子は、独立して、触媒粒子であっても非触媒粒子であってもよい(又は触媒粒子でなくてもよい)。炭化水素画分(又は炭化水素フラクション)をライザー反応器に供給してよい。このプロセスは、第1粒子および第2粒子の混合物と炭化水素画分を接触させること(又は工程)を含み、それにより、炭化水素画分の少なくとも一部を変換する。上記で変換された炭化水素画分と、第2粒子と、第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物が回収されてよい。次いで、オーバーヘッド生成物は、一体型(又は一体化された又は統合型又は統合された)の離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)に供給されてよい。一体型の離脱容器は、以下を含んで成る。
ハウジング;
固体分離装置;かかる固体分離装置は、ハウジング内に配置され、オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離するためのものであり、それにより、第1粒子とキャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む第1の流れ(又は第1ストリーム)と、上記で分離された第2粒子を含む第2流れ(又は第2ストリーム)とを提供する。
1以上のサイクロン;かかるサイクロンは、ハウジング内に配置され、第1流れを分離するためのものであり、それにより、第1粒子を含む固体画分と、キャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む蒸気画分とを回収する。
内部容器;かかる内部容器は、ハウジング内に配置され、上記で分離された第2粒子を含む第2流れを受容するためのものである。
環状領域(又は輪状領域又はアニュラー領域);かかる環状領域は、ハウジングと内部容器との間にあり、第1粒子を含む固体画分を受容するためのものである。
蒸気出口;かかる蒸気出口は、蒸気画分を回収するためのものである。
固体画分は、環状領域から再生器に供給されてよい。
さらに、このプロセスは、上記で分離された第2粒子を内部容器からライザー反応器に供給することによって、ライザー反応器内で第2粒子の濃度を高めること(又は工程)を含んでよい。ここで、再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と、上記で分離された第2粒子を混合させる。
【0040】
このプロセスは、第2炭化水素供給原料と、第1粒子および第2粒子の混合物とを第2反応器に供給すること(又は工程)をさらに含んでよい。第2反応器において、第1粒子および第2粒子の混合物を第2炭化水素供給原料と接触させてよく、第2炭化水素供給原料を分解し、軽質(又はより軽い)炭化水素と、第1粒子および第2粒子の混合物を含む第2反応器流出物とを形成してよい。第2反応器流出物は、分離器に供給されてよく、それにより、第1粒子および第2粒子を軽質炭化水素および変換された炭化水素流出物から分離してよく、炭化水素生成物が分離器から回収されてよい。
【0041】
このプロセスは、他の実施形態において、蒸気出口を介して回収された蒸気画分を供給すること(又は工程)と、分離器から回収された炭化水素生成物を分留システムに供給すること(又は工程)とをさらに含んでよい。この分留システムは、その中の炭化水素生成物を分離して、ナフサ画分を含む2以上の炭化水素画分にするためのものである。ナフサ画分を炭化水素供給原料としてライザー反応器に供給してよい。
【0042】
他の実施形態では、プロセスは、第1流れにおける第2触媒の一部をキャリーオーバーする(又は持ち越す又は繰り越す)ために、固体分離装置におけるベーパー・スプリット・レシオ(又は蒸気スプリット比)(vapor split ratio)を調整すること(又は工程)を含んでよい。
【0043】
別の態様において、本開示の実施形態は、炭化水素を分解するためのシステムに関する。このシステムは、再生器と、ライザー反応器と、一体型(又は一体化された又は統合型又は統合された)の離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)とを含んでよい。ライザー反応器は、再生器から第1粒子および第2粒子の混合物を受容するように構成されてよい。ここで、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さい。ここで、第1粒子および第2粒子は、独立して、触媒粒子であても非触媒粒子であってもよい(又は触媒粒子でなくてもよい)。また、ライザー反応器は、第1粒子および第2粒子の混合物と炭化水素画分を接触させるように構成されてよく、それにより、炭化水素画分の少なくとも一部を変換(又は転化または転換又はコンバージョン)し、なおかつ、この変換された炭化水素画分と、第2粒子と、第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物を生成(又は形成)する。
【0044】
オーバーヘッド生成物を受容するように構成される一体型(又は一体化された又は統合型又は統合された)の離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)であって、この一体型の離脱容器は、ハウジングを含んでいてよい。固体分離装置(又は固体分離デバイス)は、ハウジング内に配置されてよく、オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離するために構成されてよく、そうすることで、第1粒子ならびにキャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む第1流れ(又は第1ストリーム)を提供し、なおかつ、この分離された第2粒子を含む第2流れ(又は第2ストリーム)を提供する。また、1以上のサイクロンがハウジング内に配置されてよく、かかるサイクロンは、第1流れを分離するために設けられており、そうすることで、固体画分(第1粒子を含む)と、蒸気画分(キャリア流体および/またはキャリア流体の反応生成物を含む)とを提供する。また、内部容器がハウジング内に配置されてよく、かかる内部容器は、分離された第2粒子を含む第2流れを受容するように構成されている。ハウジングと内部容器との間に環状領域が形成されてよい。かかる環状領域は、第1粒子を含む固体画分を受容するように構成される。また、この一体型の離脱容器は、以下を含んでよい。
蒸気画分を回収するための蒸気出口;
環状領域から再生器に固体画分を供給するための流路(又はフロー・ライン);および
上記で分離した第2粒子を内部容器からライザー反応器に供給することによって、ライザー反応器において第2粒子の濃度を高めるための流路(又はフロー・ライン)であって、再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と上記で分離した第2粒子を混合させる。
また、いくつかの実施形態において、このシステムは、コントローラ(又は制御器)を含んでよく、このコントローラは、固体分離装置にてベーパー・スプリット・レシオ(又は蒸気スプリット比)を調整するように構成されて、第1流れにおいて、第2触媒の一部をキャリーオーバーする(又は持ち越す又は繰り越す)。
【0045】
要約すると、当該分野の現状のほとんどが、デュアル・ライザー/リアクタの構成または二段式の流動接触分解プロセスの方式(又はスキーム)/装置を含んでいた。軽質供給物(又はライト・フィード)(ナフサまたは/およびCストリーム)の処理に使用されるセカンド/パラレル・リアクタは、コンカレント・ニューマチック・フロー・ライザー・タイプのリアクタ(concurrent pneumatic flow riser type reactor)またはデンス・ベッド・リアクタ(dense bed reactor)のいずれかである。ナフサ/Cストリームをプロピレンおよびエチレンに変換するための触媒/添加材として、ZSM-5が好ましいことが当該分野ではよく知られている。しかし、2つのリアクタを用いるプロセスでは、セカンド・リアクタもY-ゼオライト触媒を受容し、ZSM-5添加材の少量の画分を伴う。他のプロセス・スキームでは、FCCタイプの反応器-再生器のコンセプトが、ナフサ/Cストリームから軽質オレフィンを最大化するために採用されている。このような方式(又はスキーム)では、コークスの生成(又は形成)が不十分であるため、熱収支(又はヒート・バランス)の問題が発生する。本明細書中に開示されるプロセスおよびシステムは、触媒(例えば、ZSM-5またはZSM-11添加材)をY-ゼオライトならびにZSM-5/ZSM-11から混合物として分離することを考えており、そうすることで、軽質供給物を処理する第2反応器においてZSM-5またはZSM-11の最適濃度が得られるようになる。さらに、上記の追加リアクタ/第2リアクタを従来のFCCユニットと統合することは、本質的に先行部分(又は先行技術)のこれらの欠点(特に生成物の選択性と熱収支の欠点)を克服するのに役立ち、全体的な変換率と軽質オレフィンの収率を実質的に高め、より重い(又は重質の)供給原料を処理する能力を増大させる。
【0046】
他の局面および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図2図2は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、システムにおいて有用な分離器の簡略化されたプロセス・フローの図である。
図3図3は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、システムにおいて有用な分離器の簡略化されたプロセス・フローの図である。
図4図4は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、システムにおいて有用な分離器の簡略化されたプロセス・フローの図である。
図5図5は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、システムにおいて有用な分離器の簡略化されたプロセス・フローの図である。
図6図6は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図7図7は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図8A図8Aは、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図8B図8Bは、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図8C図8Cは、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図9A図9Aは、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図9B図9Bは、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図10図10は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図11図11は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
図12図12は、本明細書中に開示される1以上の実施形態に従って、炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(詳細な説明)
本明細書中で使用される通り、用語「触媒」および「粒子」などの用語は、互いに交換可能に使用されてよい。上記に要約され、以下にてさらに説明するように、本開示の実施形態は、反応器システムにおいて有利な効果を達成するために、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、混合された粒子材料を分離する。触媒反応または熱反応を促進させるために使用される粒子または粒子材料として、例えば、触媒、吸着材(又はアブソーベント(absorbent))および/または触媒活性を有していない熱伝導材料(又は電熱材料)が挙げられ得る。
【0049】
一態様において、本開示の実施形態は、減圧ガス油および/または重油残渣などの重質炭化水素供給物(又は重質炭化水素フィード)を非常に高い収率でプロピレンおよびエチレンなどの軽質オレフィン、芳香族および高オクタン価のガソリンまたは中間留分へと最大限に変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)し、その一方で、より重いボトム生成物(又は底部生成物)の収率を同時に最小限にする流動接触分解の装置およびプロセスに関する。この目標を達成するために、混合フロー反応器(蒸気フロー(又は蒸気流)に関する粒子の共流(コカレント)および向流(カウンターカレント)の両方のフローを含む)または触媒濃縮反応器であってよい第2反応器(又はセカンダリー・リアクタ)を、ライザー反応器などの従来の流動接触分解反応器に統合することができる。重質炭化水素供給物は、空気流共流タイプ(又はニューマチック・フロー・コカレント・タイプ)の反応器であるライザー反応器において、ナフサ、中間留分、軽質オレフィンへと接触分解される。軽質オレフィン(エチレンおよびプロピレン)の収率および選択性を高めるために、ライザー反応器からの分解炭化水素生成物(Cおよびナフサ範囲の炭化水素(オレフィンおよびパラフィン)など)は、第2反応器(混合フロー反応器または触媒濃縮反応器)で再利用(又は循環又はリサイクル)および処理することができる。代替的には、または追加的には、他の炭化水素供給原料のなかでも、外部からの供給物流(又はフィード・ストリーム)(例えば、C、ナフサ)、または他のプロセス(例えば、スチーム・クラッカー、メタセシス・リアクタまたはディレード・コーキング・ユニット)に由来する他の炭化水素留分およびナフサ範囲の流れ(又はストリーム)(例えば、直留ナフサ)、またはディレード・コーキング、ビスブレーキングまたは天然ガス濃縮物に由来する流れ(又はストリーム)が第2反応器において処理されてよく、それにより、エチレンおよびプロピレンなどの軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)を生成(又は形成)する。本明細書中に開示される実施形態に従う第2反応器と従来のFCCライザー反応器との統合は、従来のプロセスの欠点を克服することができ、全体の変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)および軽質オレフィン収率を実質的に増加させることができ、そして/または、重質(又はより重い)供給原料を処理する能力を増大させることができる。
【0050】
本明細書中に開示される実施形態に従うと、第2反応器と従来のFCCライザー反応器との統合は、以下の(a)~(c)によって促進することができる。
(a)共通の触媒再生容器を使用すること
(b)2種類の触媒を使用し、一方は重質(又はより重い)炭化水素の分解に選択的であり、他方は軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)を製造するためにCおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的であること
(c)2種類の触媒を部分的に分離するフロー体制(又はフロー・レジーム)において、混合フロー反応器または触媒濃縮反応器を使用すること、好ましくは、C4Sまたはナフサの供給物を触媒(これらを分解して軽質オレフィンを製造するための選択的な触媒)と接触させること
【0051】
第2反応器の操作ウィンドウ(又はオペレーション・ウィンドウ)を強化し、プロセスのより大きな柔軟性(又はフレキシビリティ)を提供するために、第2反応器は、重質(又はより重い)炭化水素の分解に選択的な触媒を同伴(又はエントレイン)させ、Cおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な触媒の少なくとも一部分を同伴させるためのフロー体制で運転させてよい。この分解された炭化水素生成物および同伴の触媒は、次いで、分離器に供給され、分解された炭化水素生成物ならびに重質(又はより重い)炭化水素の分解に選択的な触媒からCとナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な触媒が分離される。この固体分離容器は、反応器の外部容器であり、粒子のサイズ(又は寸法)および/または密度などの物理的な特性に基づいて、2種類の触媒の分離を促進する流体力学的な特性で運転させる。Cおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な上記の分離された触媒は、その後、反応を継続させるために反応器に戻されてよく、反応器内のCおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な触媒の濃度を高め、全体的なプロセスの選択性(又はセレクティビティ)を改善し、さらに操作ウィンドウ(又はオペレーティング・ウィンドウ)が強化されてプロセスの柔軟性を全体的に改善させることも可能である。
【0052】
上述のように、分解システムは、2種類の触媒を利用することができ、それぞれが異なる種類の炭化水素供給物を好む。第1分解触媒は、Y型ゼオライト触媒、FCC触媒、または重質(又はより重い)炭化水素供給物の分解に有用な他の類似の触媒であってよい。第2分解触媒は、C4Sまたはナフサ範囲の炭化水素を分解するのに有用なZSM-5またはZSM-11タイプの触媒または類似の触媒であってよく、軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)を生成(又は形成)するのに選択的で有用な類似の触媒であってよい。本明細書中に開示される2つの反応器のスキームを容易にするために、第1分解触媒は、第1の平均粒子径および密度を有してよく、これは、第2分解触媒の平均粒子径および密度よりも小さく、かつ/または軽くてよい。そうすることで、このような密度および/またはサイズ(又は寸法)に基づいて(例えば、触媒粒子のターミナル速度または他の特性に基づいて)、触媒が分離され得るようになる。
【0053】
触媒再生容器では、ライザー反応器と第2反応器の両方から回収される使用済みの触媒を再生させる。再生後、混合触媒の第1部分は、再生容器からライザー反応器(共流フロー反応器(又はコカレント・フロー・リアクタ))に供給され得る。混合触媒の第2部分は、再生容器から第2反応器に供給されてよい。
【0054】
共流フロー反応器において、再生された触媒の第1部分と第1炭化水素供給物を接触させて、炭化水素の少なくとも一部を分解して軽質(又はより軽い)炭化水素を形成させる。その後、流出物が共流フロー反応器から回収されてよく、その流出物は、分解された第1炭化水素生成物と、使用済みの混合触媒画分とを含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第2反応器は、第1分解触媒および第2分解触媒を、第2反応器のオーバーヘッドの出口から流出物として回収される炭化水素生成物と共に同伴させるのに十分な流動化体制(又は流動化レジーム)で運転させる。次いで、流出物は、分解された炭化水素生成物および第1分解触媒を第2分解触媒から分離するために分離器に供給される。
【0056】
分離器から回収された蒸気(又はベーパー)/第1分解触媒の流れ(又はストリーム)は、次いで、分離のために進めることができる。分離器から回収された第2分解触媒は、上述のように、反応を継続させるために第2反応器に再利用(又は循環又はリサイクル)して戻してよい。
【0057】
第1流出物(ライザー反応器に由来する分解された炭化水素および使用済みの混合触媒)および第2流出物(第2反応器に由来する分解された炭化水素および分離された第1分解触媒)は、両方ともが離脱容器に供給されてよく、この離脱容器は、第1分解炭化水素生成物および第2分解炭化水素生成物から、使用済みの混合触媒画分および分離された第1分解触媒を分離するためのものである。軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)、C炭化水素、ナフサ範囲炭化水素、および重質(又はより重い)炭化水素を含む分解炭化水素生成物は、次いで、所望の生成物または生成物画分を回収するために分離されてよい。
【0058】
したがって、本明細書中に開示されるプロセスは、共通の生成物の分離および触媒の再生とともに、第2混合フロー反応器または触媒濃縮反応器、外部固体分離器およびライザー反応器を統合する。ここで、第2反応器で用いられる触媒は、高い選択性を有し、Cおよびナフサ範囲の炭化水素を分解して軽質オレフィンを生成(又は形成)する。共通の触媒を再生させることによって、熱収支が得られ、生成物の分離(離脱容器および/または生成物の分留システムなど)が共通であることによって、操作が単純になり、部品数が削減されるなどの利点がある。
【0059】
ここで図1を参照すると、簡略化されたシステムのプロセス・フローの図が示されている。このシステムは、本明細書中に開示される実施形態に従って炭化水素を分解し、軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)を製造するためのものである。このシステムは、石油残渣供給原料(又は石油残渣フィードストック)または他の炭化水素流(又は炭化水素ストリーム)からプロピレンおよびエチレンの収率を最大化するための2つの反応器の構成(又はツー・リアクタ・コンフィギュレーション)を含む。第1反応器3は、例えば、重質(又はより重い)炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)を分解するためのライザー反応器であってよい。第2反応器32は、流動床反応器であり、これはバッフルまたは内部(又は内部構造物又はインターナル)を備えてよい。第1反応器3からのCオレフィンおよび/または軽質ナフサ生成物、または外部供給源(又は外部ソース)からの同様の供給物流(又は供給物ストリーム又はフィード・ストリーム)は、第2反応器32で処理されてよく、プロピレンおよびエチレンを含む軽質オレフィンならびに芳香族/高オクタン価ガソリンの収率を高めてよい。
【0060】
重質石油残渣供給物(又は重質石油残渣フィード)は、第1反応器3の底部付近に設置された1以上の供給物インジェクタ(又はフィード・インジェクタ)2を通して注入される。重質石油供給物(又は重質石油フィード)は、Jベンド1を通して導入される高温の再生触媒と接触する。第1反応器3に供給される触媒は、触媒混合物である。これは、第1触媒(Y型ゼオライト系の触媒など、重質(又はより重い)炭化水素の分解に選択的な触媒)と、第2触媒(ZSM-5またはZSM-11など、軽質オレフィン製造のためのCおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な触媒)とを含む。これらは、他の触媒と組み合わせて使用されてもよい。第1触媒および第2触媒は、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および密度の一方または両方が異なってよい。第1触媒(例えば、Y型系のゼオライト)は、20~200ミクロン(μm)の範囲の粒子径および0.60~1.0g/mlの範囲の見かけ嵩密度を有してよい。第2触媒(例えば、ZSM-5またはZSM-11)は、20~350ミクロン(μm)の範囲の粒子径および0.7~1.2g/mlの範囲の見かけ嵩密度を有していてよい。
【0061】
供給物(又はフィード)の気化および/または供給物(又はフィード)の温度を所望の反応器の温度(例えば500℃~約700℃の範囲)に上昇させるために必要な熱、および吸熱(反応熱)に必要な熱は、再生器(又はリジェネレータ)17に由来する高温の再生触媒によって提供されてよい。第1反応器3の圧力は、典型的には、約1barg~約5bargの範囲内である。
【0062】
分解反応の大部分が完了した後、生成物と、未変換の供給物の蒸気と、使用済みの触媒との混合物は、サイクロン格納容器(又はサイクロン・コンテインメント・ベッセル)8に収容された2段(又はツー・ステージ)サイクロン・システムに流入する。この2段サイクロン・システムには、使用済み触媒を蒸気から分離するための第1サイクロン4が含まれる。使用済み触媒は、第1サイクロン・ディプレグ5を通してストリッパ9に排出される。触媒微粒子(第1サイクロン4に由来する分離された蒸気と、流路(又はフロー・ライン)36aおよび第1段(又はシングル・ステージ)サイクロン36cを介して導入された第2反応器32からの生成物の蒸気とに同伴されている)は、第2段(セカンド・ステージ)サイクロン6において分離される。回収された触媒混合物は、ディプレグ7を介してストリッパ9に排出される。第2段サイクロン6からの蒸気は、プレナム11に接続されてよい第2サイクロン出口12bを通して排気され、この蒸気は、その後、所望のオレフィンを含む生成物を回収するためにメインの分留器(又はフラクショネータ)/ガスプラント(図示せず)に送られる。必要に応じて、生成物の蒸気は、クエンチ媒体として分配器ライン12aを介して軽質サイクル油(又はライト・サイクル・オイル)(LCO)またはスチームを導入することにより、さらに冷却される。
【0063】
ディプレグ5,7を介して回収される使用済みの触媒は、ストリッパ・ベッド9において、スチーム分配器10を通してストリッパ9の底部に導入されたスチームの向流接触によって、すきま蒸気(触媒粒子間に捕捉(又はトラップ)された炭化水素の蒸気)を除去するストリッピングが行われる。その後、使用済みの触媒は、使用済み触媒のスタンドパイプ13aおよびリフト・ライン15を介して、再生器(又はリジェネレータ)17に移送される。使用済み触媒のスタンドパイプ13aに設置された使用済み触媒のスライド・バルブl3bは、ストリッパ9から再生器17への触媒フローを制御するために使用される。使用済み触媒の円滑な移送を助けるために、少量の燃焼空気または窒素が分配器14を介して導入されてよい。
【0064】
コークス化した触媒または使用済みの触媒は、高い密度の再生器の床(又はデンス・リジェネレータ・ベッド)24の中央にある使用済み触媒の分配器16を通して放出される。燃焼空気は、再生器の床24の底部に位置する空気分配器(又はエア・ディストリビュータ)18によって導入される。次いで、触媒上に堆積したコークスは、燃焼空気との反応によって、再生器17で燃焼除去される。再生器17は、例えば、約640℃~約750℃の範囲の温度および約1barg~約5bargの範囲の圧力で操作されてよい。排ガス(又はフリュー・ガス)とともに同伴される触媒微粉は、ファースト・ステージ・サイクロン19およびセカンド・ステージ・サイクロン21に集められ、それぞれのディプ・レッグ20,22を通して再生器の触媒床に排出される。セカンド・ステージ・サイクロン21の出口から回収される排ガスは、再生器プレナム23を介して排ガスライン50に導かれ、下流の廃熱回収および/または電力回収に向けられる。
【0065】
再生された触媒混合物の第1部分(又は最初の部分)は、再生触媒のスタンドパイプ27を介して取り出され、この再生触媒のスタンドパイプ27は、Jベンド1とフロー連通している。再生器17から反応器3への触媒フローは、再生触媒スタンドパイプ27に配置されたスライド・バルブ28によって調節できる。スライド・バルブ28の開度を調整して触媒フローを制御することで反応器3内の所望のトップ温度(又は頂部温度)を維持する。
【0066】
また、Jベンド1から反応器3への再生触媒のスムーズな移送を可能にするために、リフト・スチームに加えて、リフト媒体として供給物流(例えば、Cオレフィンやナフサ、または同様の外部からの流れ)をY部(又はYセクション)に配置されるガス分配器1aを通してJベンド1に注入させることも規定されている。また、Jベンド1は、密度が高い床(又は濃厚床(又はデンスベッド))反応器として機能させることもでき、これは、Cオレフィンおよびナフサ流(又はナフサ・ストリーム)の軽質オレフィンへの分解を、そのような反応に好ましい条件(例えば、0.5~50h-1のWHSV、640℃~750℃の温度、および3~10秒の滞留時間(又はレジデンス・タイム))で行うためのものである。
【0067】
再生される触媒混合物の第2部分は、スタンドパイプ30を通して、第2反応器32に取り出される。スライド・バルブ31を使用してよく、蒸気出口温度の設定点(又はセット・ポイント)に基づいて、再生器17から第2反応器32への触媒フローを制御してよい。Cオレフィンおよびナフサ流は、液相または気相のいずれかで、1以上の供給物分配器34(34a,34b)を通して、触媒床の底部セクションに注入される。第2反応器32は混合フロー方式で作動させる。ここで、再生された触媒の一部は下方に(反応器床の上部から下部に)流れ、再生された触媒混合物の一部および供給物炭化水素流は上方に(反応器床の下部から上部に)流れる。
【0068】
第2反応器32は、触媒と供給物分子との密接な接触および混合を助けるバッフルまたは構造化された内部(又は内部構造物又はインターナル)(図示せず)を備えてよい。また、これらの内部は、チャネリング、気泡(又はバブル)の成長および/または合体(又はコアレセンス)を最小化するのに役立ててよい。また、第2反応器32は、セクション内で一定または所望のガス空塔速度を維持するために、その長さに沿って、異なるセクションで拡大されてよい。
【0069】
反応が完了した後、第2反応器32の最下部で触媒を除去(又はストリップ)し、そして、分配器35を通して導入されるスチームを剥離媒体(又はストリッピング媒体)として使用して、同伴された炭化水素の供給物/生成物を分離する。反応器32の底部に回収される使用済みの触媒は、次いで、スタンドパイプ37およびリフト・ライン40を介して、使用済み触媒の分配器41を経由して再生器17に移送される。触媒の再生器17への円滑な移送を可能にするために、分配器39を通して燃焼空気または窒素を導入してよい。スライド・バルブ38は、第2反応器32から再生器17への触媒フローを制御するために使用されてよい。2つの反応器3,32からの使用済み触媒は、次いで、完全燃焼モードで作動する共通の再生器17で再生される。
【0070】
上記のように、第2反応器32は、2つの異なる触媒(粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および密度の一方または両方が異なってよい)、例えば、より軽くてより小さいY型ゼオライトまたはFCC触媒と、より大きいおよび/またはより高い密度のZSM-5/ZSM-11形状の選択性でペンタシル型の小孔ゼオライトとを利用する。第2反応器32内のガス空塔速度を維持する。そうすることで、より軽くてより小さい触媒(例えば、Y型ゼオライト/FCC触媒)の本質的に全てまたは大部分と、より重くて、より大きい触媒(例えば、ZSM-5/ZSM-11)の一部が、流路(又はフロー・ライン)45を介して回収される分解炭化水素およびスチームと共に、反応器から運び出されるようになる。より大きいおよび/またはより高い密度の触媒の一部は、反応器32内に保持されてよく、上述のように、反応器の下部に向かって、濃厚床(又は高い密度の床又はデンス・ベッド)を形成してよい。
【0071】
したがって、流路(又はフロー・ライン)45を介して回収される反応器32からの流出物は、分解された炭化水素生成物と、未反応の炭化水素供給原料と、スチーム(ストリッピング媒体)と、触媒の混合物(反応器に導入される本質的にすべての軽質(又はより軽い)触媒および/または小型(又はより小さい)触媒ならびに一部の大型(又はより大きい)触媒および/または高密度(又は高い密度の)触媒を含む触媒の混合物)とを含んでいてよい。次いで、流出物は、流路(又はフロー・ライン)45を介して、固体分離器47に輸送されてよい。分離器47は、2種類の触媒をそれらの物理的な特性に基づいて、すなわち、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度に基づいて分離するように構成される分離器(又はセパレータ)であってよい。例えば、分離器47は、慣性力または遠心力の差を使用してよく、ZSM-5からFCC触媒を分離することができる。固体分離容器47は、第2反応器32に対する外部容器であり、2種類の触媒をそれらの物理的な性質に基づいて分離することを強化する流体力学的な特性で作動させる。
【0072】
分離器47での分離後、より小さいおよび/またはより軽い触媒(Y型ゼオライト/FCC触媒)は、次いで、分離器47から、出口ライン36aを介して、ライザー反応器のサイクロンおよび/または反応終了システム(又はリアクション・ターミネーション・システム)を収容する共通の離脱器(又はディスエンゲージャー)または格納容器(又はコンテインメント・ベッセル)8へと輸送される。より大きなおよび/またはより高い密度の触媒(ZSM-5/ZSM-11)は、分配器34を通して導入される炭化水素供給物との反応を継続させるために、流路(又はフロー・ライン)49を介して、混合フロー反応器32に戻されてよい。
【0073】
軽量/小型の触媒の本質的に全てと、大型および/または高密度の触媒の一部との同伴(又はエントレインメント)、その後の分離、ならびに、大型および/または高密度の触媒の反応器32への再利用(又は循環又はリサイクル)によって、反応器32に大型および/または高密度の触媒を顕著に蓄積(又は堆積)させることを可能にしてよい。この触媒は、Cおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に対してより選択的であるため、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒の蓄積(又は堆積)は、選択性および収率の利点を提供してよい。さらに、両方のタイプの触媒を同伴させるために、流動化フロー体制で反応器を操作することは、上述したように、反応器の操作性(又はオペラビリティ)の改善または操作における柔軟性(又はフレキシビリティ)を提供してよい。
【0074】
炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)(例えば、重質減圧ガス油(又はヘビー・バキューム・ガス・オイル)または重質残渣供給物(又は重質残渣フィード))、軽質サイクル油(ライト・サイクル・オイル)(LCO)またはスチームが分配器36bを通して出口ライン36aにクエンチ媒体として注入されてよい。このようなクエンチ媒体の流量(又は流速又はフロー・レート)は、格納容器8に入る流れ(又はストリーム)の温度を設定することによって制御されてよい。第2反応器32からの全ての蒸気(分配器36bを通して供給されるものを含む)は、第1段(シングル・ステージ)サイクロン36cを通して、格納容器8の希薄相に放出される。クエンチ媒体として炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)を採用することは、第2反応器32からの生成物を冷却するという二重の目的を果たすとともに、中間留分の生成(又は形成)を促進することから好ましい。
【0075】
第1段反応器3(例えば、ライザー反応器)は、高速流動化体制(又はファスト流動化レジーム)(例えば、底部(又はボトム・セクション)では約3~約10m/sの範囲のガス空塔速度)、上部(又はトップ・セクション)では空気輸送体制(又はニューマチック・トランスポート・レジーム)(例えば、約10~約20m/sの範囲のガス空塔速度)で作動させてよい。
【0076】
第2反応器32のWHSVは、典型的には、約0.5h-1~約50h-1の範囲であり、蒸気および触媒の滞留時間(又はレジデンス・タイム)は、約2秒~約20秒まで変化してよい。異なる供給物を導入する場合、好ましくは、C供給物は、ナフサ供給物の注入よりも低い高さ(又はエレベーション)で注入される。しかし、供給物の注入位置の入れ替えは可能である。
【0077】
必要に応じて、追加(又はメークアップ)の触媒を1以上の流路42,43を介して導入することができる。例えば、新鮮(又はフレッシュ)または追加(又はメークアップ)のFCCまたはY型ゼオライト触媒またはこれら2つの混合物を、流路42を介して、再生器17に導入してよく、新鮮(又はフレッシュ)または追加(又はメークアップ)のZSM-5/ZSM-11触媒を第2反応器32に流路43を介して導入してよい。全体的なシステムの触媒の在庫(又はインベントリ)は、例えば、再生器24から混合触媒を引き出すことによって維持することができる。反応器32内の触媒在庫および好ましい触媒の蓄積(又は堆積)は、後述するように、反応器および分離器47の操作の制御によって制御されてよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、再生される触媒の第1部分は、再生器17および再生触媒スタンドパイプ27とフロー連通(又はフロー・コミュニケーション)している取り出しライン25を介して、再生器17から、再生触媒(RCSP)ホッパー26に取り出される。RCSPホッパー26内の触媒床は、再生器17のベッド・レベルでフロートする。再生された触媒は、次に、RCSPホッパー26から、Jベンド1とフロー連通している再生触媒スタンドパイプ27を介して、反応器3に移送される。再生器17から反応器3への触媒フローは、再生触媒スタンドパイプ27に配置されたRCSPスライド・バルブ28によって調節され得る。また、圧力均一化ライン(又は圧力等化ライン)29を設けてよい。
【0079】
また、図1に例示されるような、反応器32の上部(又はトップ)から容器8への粒子の移送を促進するために、分離器バイパス・ライン60を使用してよい。上記の図1に関連して説明したように、第2反応器32は、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および密度の一方または両方が異なってよい2つの異なる触媒(例えば、より軽いおよび/またはより小さいY型ゼオライトまたはFCC触媒、ならびに、より大きいおよび/またはより高い密度のZSM-5/ZSM-11形状の選択的なペンタシル型の小孔ゼオライト)を利用する。第2反応器32内のガス空塔速度は、より軽くてより小さい触媒(例えば、Y型ゼオライト/FCC触媒)の本質的に全てと、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒(例えば、ZSM-5/ZSM-11)の一部とが、流路(又はフロー・ライン)45を介して、分解された炭化水素および回収されたスチームとともに反応器から運び出されるように維持されてよい。
【0080】
したがって、流路(又はフロー・ライン)45を介して回収される反応器32からの流出物は、分解された炭化水素生成物と、未反応の炭化水素供給原料と、スチーム(ストリッピング媒体)と、触媒混合物(反応器に導入されるより軽くてよい小さい触媒の本質的に全て、ならびに、より大きい触媒および/またはより高い密度の触媒の一部を含む触媒混合物)とを含むことができる。次いで、流出物は、流路45を介して、固体分離器47に輸送されてよい。分離器47は、2種類の触媒をそれらの物理的な特性に基づいて、すなわち粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度に基づいて分離するように構成される分離器(又はセパレータ)であってよい。分離器47は、2種類の触媒のそれらの物理的な性質に基づく分離を促進する流体力学的な特性で作動させる。
【0081】
分離器47での分離後、より小さい/より軽い触媒(Y型ゼオライト/FCC触媒)は、次いで、分離器47から、出口ライン36aを介して、ライザー反応器サイクロンおよび/または反応ターミネーション・システムを収納する共通の離脱器(又はディスエンゲージャー)または格納容器(又はコンテインメント・ベッセル)8へと輸送される。より大きなおよび/またはより高い密度の触媒(ZSM-5/ZSM-11)は、分配器34を通して導入される炭化水素供給物との反応を継続させるために混合フロー反応器32に戻されてよい。
【0082】
連続的または断続的に、流路45を介して輸送される2つのタイプの触媒を含む流出物の一部をバイパス分離器47に迂回させてよい。流出物の迂回部分は、流路(又はフロー・ライン)60(分流器(又はダイバータ)またはフロー・コントロール・バルブ62を含んでいてよい)を介して、分離器47の周囲を流れてよい。次いで、流出物は、炭化水素生成物を触媒から分離するために、流路64を通って、離脱器(又はディスエンゲージャー)8へと戻して連続させることができる。流路64は、流路36aを介して、分離器47から回収される流出物およびより小さな触媒と組み合わされてよく、クエンチ36bの上流または下流のいずれかに導入されてよい。あるいは、ライン60の分流された流出物は、離脱器/格納容器8に直接的に供給されてよい。
【0083】
図1には分流器バルブ(又はダイバータ・バルブ)62が図示されているが、本開示の実施形態では、Y字形のフロー導管または同様の装置を意図して使用して、2つの触媒粒子タイプを含む流出物の一部を離脱器8に連続的に送り、その一方で流出物の一部を分離器47に連続的に送る。したがって、反応器32内により大きいおよび/またはより高い密度の触媒粒子の望ましい蓄積(又は堆積)が可能となっている。図1に示されるように、第2反応器からの触媒は、ライン37、スライド・バルブ38および移送ライン40を介して再生器17に輸送することもできる。触媒を再生器17に移送するためのキャリアガス39として、ブロワエアが使用される。このような触媒移送設備は、反応器32の触媒床レベルを制御するのに役立つだけでなく、より頻繁に触媒を再生するのにも役立つ。
【0084】
上述したように、キャリア流体の増加したフローの使用および/またはフロー・ダイバータの使用は、第2反応器である反応器32におけるナフサ範囲炭化水素の分解に選択的な触媒の蓄積(又は堆積)を有益に提供してよい。いくつかの実施形態において、反応器32は、再生された触媒を提供し、反応器32の触媒床での十分な活性を維持する様式で操作されてよいことが見出されている。そうすることで、触媒移送ライン(流路37,40)およびその関連装置を、反応器の選択性および処理能力を損なうことなく、かつ機械的な複雑さの低減ならびに資本および運転コストの低減という付加的な利点を伴って、フロー方式から省略できるようになる(図6に示す通り)。
【0085】
ここで図6を参照すると、本明細書中に開示される実施形態に従う炭化水素を分解して軽質オレフィンを製造するシステムの簡略化されたプロセス・フローの図が示されている。ここで、同様の数字は同様の部品を表す。上記の通り、図1に図示されるプロセス・スキームと同様に、図6に図示されるようなシステムは、2つの反応器スキームを有し、2種類の粒子(例えば、より軽いおよび/またはより小さいY型またはFCC触媒と、より大きいおよび/またはより高い密度のZSM-5またはZSM-11触媒)を第2次反応器32に導入する。より大きなおよび/またはより高い密度の触媒添加材(例えば、ZSM-5またはZSM-11)は、流路43を介して、第2反応(器)容器32に直接的に添加されてよい。再生された触媒混合物は、再生器17からパイプ30を通って反応(器)容器32に移送される。
【0086】
第2反応(器)容器32内の触媒床(又は触媒ベッド)は、タービュラント・ベッド、バブリング・ベッドまたは高速流動化体制(又はファスト流動化レジーム)で操作することが期待される。図示されるように、軽質ナフサ供給物34a(例えば、第1反応器またはライザー反応器3からの軽質ナフサ生成物)は、第2反応器32に供給されてよく、混合触媒の存在下で軽質オレフィンに変換されてよい。容器32内の生成物ガスと共にリフティング・ガスは、パイプ45を通して、両方の触媒を含む固体を固体分離容器47に持ち上げ、次いで、再生器17に戻される。2つの触媒粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度の違いに起因して、ZSM-5またはZSM-11触媒粒子の大部分は、固体分離容器47内でY型触媒またはFCC触媒から分離され、リターン・ライン49を介して反応器32に戻るように移送される。Y型触媒粒子またはFCC触媒粒子の大部分は、気体-固体の分離のためにストリッパ8に戻して移送される。
【0087】
上記の他の実施形態と比較した場合、主な相違点は、二次反応(器)容器32の底部から再生(器)容器17に戻る触媒リターン・ラインならびに関連する制御バルブおよび機器がないことである。上記で簡単に述べたように、このようなプロセスの構成は、依然として、効率的な触媒再生、ならびに、反応器32内の所望のより大きいおよび/またはより高い密度のZSM-5またはZSM-11触媒の蓄積(又は堆積)および濃縮を提供し得る。より大きいおよび/またはより高い密度の触媒のより高い濃度は、リターン・ライン37が除去された場合でさえも、第2反応(器)容器32において、より良い性能をもたらし得ることが期待される。また、このリターン・ライン37を除去した設計は、機械的な複雑さを軽減し、資本コストおよび操作コストを低減する。
【0088】
また、リターン・ライン37のない実施形態(図6)では、リフティング・ガスとして、スチームを含む。反応器32の底部には触媒出口(又は触媒アウトレット)がないため、触媒は反応器32を充填する。ある実施形態では、触媒床のレベルが観察できない。容器32内の生成物ガスと共にリフティング・ガスは、両方の触媒を含む固体を、パイプ45を通して、固体分離容器47に持ち上げる。2つの触媒粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度の違いに起因して、ZSM-5またはZSM-11の触媒粒子の大部分は、固体分離容器47において、Y型またはFCC触媒から分離され、リターン・ライン49を介して反応器32に戻して移送される。Y型触媒粒子またはFCC触媒粒子の大部分は、気体-固体の分離のためにストリッパ8に戻して移送される。図1と比較して、このリターン・ライン37のない設計によって、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒の濃度がはるかに高くなってよい。その結果、反応器32における反応の性能(又はパフォーマンス)がより良くなる。図示されていないが、容器32は、容器の触媒の脱在庫(又はデインベントリ)を可能にする底部フランジまたは出口(又はアウトレット)を含んでよい。また、このような出口は、必要に応じて、容器32に蓄積(又は蓄積)し得るより大きいおよび/またはより重い触媒粒子を定期的に除去するために使用されてよい。
【0089】
上述したように、本開示の実施形態に従うシステムは、2種類の触媒をそれらの物理的な性質(例えば、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度)に基づいて分離するように構成される分離器47を含んでよい。分離器47は、サイクロン分離器、スクリーン分離器、メカニカル・シフター、重力チャンバ、遠心分離器、バッフル・チャンバ、ルーバー分離器、インライン分級器またはニューマチック分級器、あるいはサイズ(又は寸法)および/または流体力学的な特性に基づいて粒子を効率的に分離するのに有用な他の種類の分離器であってよい。
【0090】
本開示の実施形態において有用な分離器または分級器の例を図2図5に示す。いくつかの実施形態では、分離器47は、図2に例示されるように、異なる粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または粒子の密度を有する2種類の固体粒子または触媒を分離するためのU字形の慣性分離器であってよい。分離器は、U字形に構築されてよく、上部に入口(又はインレット)70を有し、U字の他方の端部にガス出口(又はガス・アウトレット)84を有し、U字形分離器の基部(又はベース)にメイン固体出口(又はメイン・ソリッド・アウトレット)80を有する。
【0091】
異なるサイズの固体粒子または触媒の混合物72は、入口70を通して、キャリアガス流(又はキャリア・ガス・ストリーム)と共に導入され、異なるサイズの固体粒子を分離するために1回転以上させないことによって、慣性分離力が固体に適用される。より大きなおよび/またはより高い密度の固体粒子78は、セクション74/76で優先的にU字形の基部に接続されたスタンドパイプまたはディプレグ80に降下する。その一方で、より軽いまたはより小さな固体粒子は優先的にガス流と共に出口82に運ばれる。ここで、小さな粒子とガスの混合物84が回収され得る。U字形の分離器の基部にある固体出口80(より大きなおよび/またはより高い密度の触媒粒子を第2反応器32に戻して流すために使用されるスタンドパイプまたはディプレグの入口)は、通常の固体/触媒のフローを収容するのに十分な大きさであるべきである。
【0092】
下向きスタンドパイプに入り、メイン・ガス・ストリーム・アウトレットから出るガスの流量(又は流速又はフロー・レート)を制御することによって、U字形の慣性分離器の全体的な分離効率と、より大きな粒子および/またはより高い密度の粒子と、より小さな粒子および/またはより低い密度の粒子とを分離する選択性を操縦(又は操作)することができる。これは、完全に密閉(又はシール)されたディプレグに拡大(又は適用)される。ここでは、ガス流のみがディプレグから出て、これらは、固体/触媒の排出フローによって同伴されるものである。U字形の慣性分離器が分離効率を操縦(又は操作)する能力を提供することから、上述のようにシステム内に蓄積(又は堆積)する可能性を有する中間サイズの粒子が、容器8での分離および再生器24での再生のために、分離器47から回収される炭化水素生成物と定期的または連続的に同伴されてよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、ガス・スパージャー75または余分なスチーム/不活性ガスが、出口部80の頂部(又はトップ)(例えば、スタンドパイプ入口の頂部付近)に近接して提供されてよい。分離器内に提供される追加のリフト・ガスは、余分なガスがより軽い固体粒子を優先的にガス出口84にリフトしてよく、それにより、より良い固体の分級をもたらすので、より低い密度および/またはより小さい固体の粒子から、より大きいおよび/またはより密度の高い固体粒子の分離をさらに促進し得る。
【0094】
入口70、出口82およびU字形の分離器の全体(領域74,76を含む)におけるU字形の分離器の断面積は、装置内のガス空塔速度を操縦(又は操作)して分離の効率および選択性を制御するために調整されてよい。いくつかの実施形態では、分離器の1以上の壁部の位置が調整可能であってよく、あるいは可動バッフルが分離器の1以上のセクション内に配置されてよく、これを使用して分離の効率および選択性を制御してよい。いくつかの実施形態では、このシステムは、出口82の下流に粒度分布計(又は粒子径の分析器)を含んでよく、所望の分離を行うためにU字形の分離器を通る流れの構成をリアルタイムで調整することが可能になる。
【0095】
直列に接続されたU字形の慣性分離器、またはU字形の慣性分離器と、サイクロンとの組み合わせの利用は、目標の全体の分離効率、ならびに、目標のより大きいおよび/またはより高い密度の粒子の選択性(より小さいおよび/またはより低い密度の粒子と比べて)の両方を同時に達成することを可能にする柔軟性(又はフレキシビリティ)を提供してよい。
【0096】
また、第2反応器32は、バッフルまたは構造化された内部(又は内部構造物又はインターナル)(例えば、米国(US)特許第7,179,427号に記載されているようなモジュラー・グリッド)を備えてよい。また、接触効率および生成物の選択性/収率を向上させる他のタイプの内部(又は内部構造物又はインターナル)を使用してよい。内部(又は内部構造物又はインターナル)は、反応器にわたる触媒の分布を高めてよく、供給物蒸気の触媒との接触を改善してよく、それにより、平均反応速度の増加をもたらし、触媒の全体的な活性を高め、なおかつ、軽質オレフィンの製造を増加させるために運転条件を最適化してよい。
【0097】
本明細書中に開示される実施形態は、Y型ゼオライトまたは従来のFCC触媒を使用し、それにより、重質炭化水素供給物の変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)を最大化する。Y型ゼオライトまたはFCC触媒は、ZSM-5または同様の触媒(交流フロー反応器(又はカウンターカレント・フロー・リアクタ)における軽質オレフィンの製造を強化するために使用されるもの)よりも小さいおよび/または軽い粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)を有する。ZSM-5または同様の触媒は、Y型ゼオライトまたはFCC触媒(混合フロー反応器および固体分離器のそれぞれにおける触媒タイプの分離を強化するために使用されるもの)よりも大きな粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/またはより高い密度を有する。第2反応器における蒸気(又はベーパー)のガス空塔速度は、Y型ゼオライトまたはFCC触媒ならびにZSM-5またはZSM-11触媒の一部を混合フロー反応器から同伴することができるように維持される。そして、固体分離器は、シングル粒子のターミナル速度の差または最小流動速度/最小バブリング速度の差を利用してよく、それにより、ZSM-5/ZSM-11を分離して混合フロー反応器に戻してよい。コンセプトにより、2段(又はツー・ステージ)FCCシステムを排除することができ、それ故、プロセスが簡素化されて効率的となる。このプロセスで採用する触媒は、Y型ゼオライト/FCC触媒と、ZSM-5との組み合わせ、あるいは他の同様の触媒(例えば、米国(US)特許第5043522号および米国(US)特許第5846402号に記載されているもの)のいずれであってもよい。
【0098】
混合フロー反応器から両方(又は2種類)の触媒を同伴し、その後、分離し、ZSM-5/ZSM-11触媒を混合フロー反応器に再利用(又は循環又はリサイクル)して蓄積(又は堆積)させることによって、第2反応器のガス空塔速度に制約を与える可能性を排除する。従って、固体分離容器を使用することによって、第2反応器におけるプロセスの柔軟性が得られ、それにより、第2反応器をバブリング・ベッド、タービュラント・ベッドまたは高速流動化体制(又はファスト流動化レジーム)で操作することができ、このような操作がバブリング床体制(又はバブリング・ベッド・レジーム)のみに制限されることがない。固体分離容器は、サイクロンまたは他の容器であってよい。ここで、固体およびガスが共通の入口で導入される。そして、脱気、慣性力および遠心力によって、粒子が、サイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度に基づいて分離され、このとき、より小さいFCCタイプの粒子の大部分が蒸気出口に同伴され、より大きいおよび/またはより高い密度のZSM-5またはZSM-11タイプの粒子が、デンス・フェーズ(又は濃厚相又は密相)・スタンドパイプまたはディプレグを介して、第2反応(器)容器32に戻される。
【0099】
図2に関連して説明するU字形の粒子分離器に加えて、図3図5は、本開示の実施形態で使用するための様々な追加の粒子分離装置(又は粒子分離デバイス又はパーティクル・セパレーション・デバイス)を示す。図3を参照すると、バッフル・チャンバ分離器900は、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、触媒または他の粒子を分離するためのものであり、このバッフル・チャンバ分離器900は、入口910(例えば、水平導管)を含むことができる。水平導管に含まれる蒸気および粒子は、次いで、チャンバ912に入り、その後、バッフル914によって偏向される。チャンバ912は、第1垂直出口916および第1水平出口918に接続されている。バッフル914は、チャンバ912の中央、入口910の近傍、またはチャンバの水平出口918の近傍に配置されてよい。バッフルは、一定の角度であってよく、あるいは移動可能であってもよい。そうすることで、より多くの触媒粒子またはより少ない触媒粒子を偏向させるためにバッフルを使用してよい。そして、粒子の特定の混合物のために構成されてよい。
【0100】
本開示におけるプロセスは、バッフル・チャンバ分離器900を利用してよく、キャリアガス(例えば、炭化水素反応流出物)に含まれるより小さいおよび/またはより低い密度の粒子から、より大きいおよび/またはより高い密度の粒子を分離することができる。バッフル・チャンバ分離器900は、以下のように構成されてよい。
キャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)から第2粒子タイプ(又は第2粒子)の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口916を介して、第2粒子タイプを回収し、第1水平出口918を介して、キャリアガスおよび第1粒子タイプを含む混合物を回収する。
また、分離器は、流動化ガスを導入するために第1垂直出口の内部または第1垂直出口に近接して配置された分配器(図示せず)を含むことができ、第2粒子タイプ(又は第2粒子)からの第1粒子タイプ(又は第1粒子)のさらなる分離を促進する。
【0101】
ここで、図4を参照すると、本開示の実施形態に従って使用するルーバー分離器が示されている。図示されて説明される他の分離器と同様に、ルーバー分離器1000は、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて触媒または他の粒子の分離に使用されてよい。ルーバー分離器1000は、垂直入口1010を含んでよく、この垂直入口1010は、チャンバ1012に接続されている。ここで、このチャンバ1012の1以上の垂直側面1014は、狭いスロット出口1016を備えており、このスロット出口1016は、ルーバーと記載されてよい。ルーバーの数は、分離されるべき所望の粒子混合物などの用途に応じて変化してよい。ルーバーの角度は、ルーバー出口を通過して出て行く蒸気の量を制御するために調節可能であってよい。また、チャンバ1012は、チャンバの底部にある第1垂直出口1014に接続される。
【0102】
本開示におけるプロセスは、ルーバー分離器1000を利用してよく、炭化水素反応流出物などのキャリアガスに含まれるより小さいおよび/またはより低い密度の粒子から、より大きいおよび/またはより高い密度の粒子を分離することができる。ルーバー分離器1000は、以下のように構成されてよい。
キャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)から第2粒子タイプ(又は第2粒子)の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口1014を介して、第2粒子タイプ(又は第2粒子)を回収し、ルーバー出口1016を介して、キャリアガスおよび第1粒子タイプ(又は第1粒子)を回収する。
また、この分離器は、流動化ガスを導入するために第1垂直出口の内部または第1垂直出口に近接して配置された分配器(図示せず)を含むこともでき、第2粒子タイプ(又は第2粒子)から、第1粒子タイプ(又は第1粒子)のさらなる分離を促進する。
【0103】
ここで、図5を参照すると、本開示の実施形態に従って使用する慣性分離器1100が示されている。図示および説明される他の分離器と同様に、慣性分離器1100は、サイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて、触媒または他の粒子を分離するために使用されてよい。この分離器は、入口1110を含んでよく、この入口1110は、チャンバ1112の上部にあり、チャンバ1112の中に延びている。いくつかの実施形態では、チャンバ1112における入口1110の高さまたは配置は、調整可能であってよい。また、この分離器は、1以上の側面出口(又はサイド・アウトレット)1114、1116(例えば、1個~8個の側面出口)と、垂直出口(又はバーチカル・アウトレット)1118とを含んでよい。また、この分離器は、流動化ガスを導入するために垂直出口1118の内部または垂直出口1118に近接して配置された分配器(図示せず)を含んでいてよい。
【0104】
大きさの異なる固体の粒子または触媒の混合物1172は、入口1110を通して、キャリアガス流(又はキャリアガス・ストリーム)とともに、導入される。混合物1172中のガスは、圧力差に基づいて、出口1114、1116に優先的に向けられ、粒子とキャリアガスがチャンバ1112内の延長された入口1110から出口1114,1116に向けて流れるように旋回(又はターン)させることによって、固体に慣性分離力が加えられ、この慣性力によって、異なるサイズ(又は寸法)/密度の粒子を分離させる。より大きいおよび/またはより重い固体粒子1174は、セクション1118において、分離器の基部(又はベース)に接続されるスタンドパイプまたはディプレグ(図示せず)に優先的に降下する。その一方で、より軽いまたはより小さい固体の粒子1176は、優先的にガス流と共に出口1114,1116へと運ばれる。ここで、小さな粒子とガスの混合物を回収することができる。
【0105】
本明細書中に記載された各分離器において、下方のスタンドパイプ/分離チャンバに入り、主ガス流出口(又はメイン・ガス・ストリーム・アウトレット)を出るガスの流量(又はフロー・レート)を制御することによって、分離器の全体的な分離効率と、より軽いまたはより小さい粒子から、より重いおよび/またはより大きい粒子を分離するための選択性と、を操縦(又は操作)することができる。これは、完全に密閉(又はシール)されたディプレグにも拡大(または適用)される。ここでは、ガス流のみがディプレグを出て、これらは、固体/触媒の排出フローによって同伴されるものである。
【0106】
いくつかの実施形態では、ガス・スパージャーまたは余分なスチーム/不活性ガスが、重質粒子(又は重い粒子又はヘビー粒子)/濃厚粒子(又は高い密度の粒子又はデンス粒子)の出口セクションの上部(例えば、スタンドパイプ入口の上部付近)に近接して提供されてよい。分離器内に提供される追加のリフト・ガスによって、より軽いまたはより小さい固体の粒子から、より重いおよび/またはより大きい固体の粒子の分離をさらに促進してよい。それは、余分なガスが、より軽い固体粒子をガス出口に優先的に持ち上げる(又はリフトしてよい)からである。その結果、より良い固体の分級がもたらされる。
【0107】
本明細書に記載された粒子分離器は、容器の外部または内部に配置されてよい。さらに、いくつかの実施形態では、大きい粒子/高い密度の粒子の粒子分離器の出口(又はアウトレット)は、外部容器に流体的に接続されてよい。それにより、分離された粒子の所望の反応器への選択的な再利用(又は循環又はリサイクル)または供給物(又はフィード)を提供する。その結果、例えば、所望の触媒バランスを維持する。
【0108】
本明細書中に開示される実施形態は、上記の方法によって、第2反応器(容器32)内の所望の触媒の濃度を顕著に高める。その結果として、軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)の収率を向上させる。さらに、このプロセスは、ZSM-5およびZSM5-11の取り出しおよび添加を、FCC触媒の取り出し、および添加から切り離す(又は分ける又は隔離する)方法としても役立つ。要約すると、本開示で提供されるFCCプロセスは、第2反応器32内に所望のZSM-5またはZSM-11触媒添加材の豊富(又はリッチ)な環境を作り出す。これは、軽質ナフサ生成物(例えば、第1反応器から得られるもの)を優先的に変換することができ、軽質オレフィンの収率を向上させることができる。その一方で、第1反応器またはライザーに最適な運転条件を適用することによって、中間留分の収率を同時に最大化するものである。
【0109】
本明細書中に開示される実施形態の別の利点は、統合された2つの反応器のスキームが、単独(スタンドアローン)のC/ナフサ接触分解プロセスにおける熱収支の制限を克服することである。第2(混合フロー)反応器は、触媒再生器との統合によって、ヒートシンクとして機能し、残留物供給原料(又は残留物フィードストック)の処理の間における触媒冷却器(又は触媒クーラー)の要件を最小化する。
【0110】
第2反応器に由来する生成物の蒸気は、第1段(又はファースト・ステージ)の反応器/離脱容器または反応終了デバイス(又はリアクション・ターミネーション・デバイス)に輸送される。ここで、かかる蒸気は、第1段に由来する生成物および/または外部クエンチ媒体(例えば、LCOまたはスチーム)と混合され、クエンチされて、不要な熱分解反応を最小化する。あるいは、第2反応器/固体分離器の生成物出口ラインは、また、追加量の重質供給物を導入するため、あるいは第1段(又はファースト・ステージ)の反応器(ライザー反応器)からの供給物の一部を再送(又はリルート)するためにも使用することができる。これには以下の2つの目的がある。
(1)固体分離器蒸気出口ラインの触媒は、主としてY型ゼオライト/従来のFCC触媒であり、これら重いフィード分子を中間留分に分解するのに好ましいこと、および
(2)このような分解反応は吸熱性であり、それにより、出て行く生成物蒸気の温度ならびに滞留時間(又はレジデンス・タイム)を下げるのに役立つこと。
【0111】
本明細書中に開示されるいくつかの実施形態において、既存のFCCユニットは、上記のような第2反応器とともに改造(又はレトロフィット)され得る。例えば、適切なサイズの反応器を既存の触媒再生容器に流体的に接続してよく、混合フロー容器から触媒のフィード(又は供給)およびリターン(又は戻り)を提供し、既存の離脱容器に流体的に接続されて、炭化水素生成物および触媒を分離させてよい。他の実施形態では、混合フロー反応器は、ガソリンモード、軽質オレフィンモード、またはディーゼルモードでの操作(又は運転)を目的とするグラスルーツFCCユニットに追加されてよい。
【0112】
図1および図6に関して、上記で説明した反応器システムは、主として軽質オレフィンの製造ならびにシステムの反応性および選択性を高めるための混合触媒システムにおける触媒の有利な濃縮に関連するものである。また、このような反応器システムは、他の混合触媒システムに使用してよい。そこでは触媒のうち1つの触媒を濃縮することに有利であってよい。
【0113】
例えば、いくつかの実施形態において、この反応システムは、ガソリンの脱硫に使用されてよい。ここで、触媒混合物は、より小さいおよび/またはより低い密度のFCC触媒(例えば、ゼオライトY)、ならびにより大きいおよび/またはより高い密度の触媒(例えば、ガソリン脱硫添加材)を含んでよい。このようなプロセスを図7に関連して説明する。
【0114】
ここで、図7を参照すると、本明細書中に開示される実施形態に従う炭化水素の分解および脱硫のためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図が示されている。このシステムは、2つの反応器の構成(又はコンフィギュレーション)を含む。これは、石油供給原料(又は石油フィードストック)または他の炭化水素流(又は炭化水素ストリーム)から、プロピレンおよびエチレンなどのオレフィン類を製造するためのものである。第1反応器3は、例えば、重質(又はより重い)炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)を分解するためのライザー反応器であってよい。第2反応器32は、流動床反応器である。これは、バッフルまたは内部(又は内部構造物又はインターナル)を備えてよい。分解された炭化水素生成物(第1反応器3からのオレフィンおよび/または軽質ナフサ生成物、または外部供給源からの同様の供給物流(又は供給物ストリーム又はフィード・ストリーム)を含む)は、第2反応器32で処理されてよく、第2反応器で処理される炭化水素の全硫黄含有量を減少させるなど、生成物の品質を高める。
【0115】
重質石油残渣供給物(又は重質石油残渣フィード)は、第1反応器3の底部付近に設置される1以上の供給物インジェクタ(又はフィード・インジェクタ)2を通して注入される。重質石油供給物(又は重質石油フィード)は、Jベンド1を通して導入された高温の再生触媒に接触する。第1反応器3に供給される触媒は、Y型ゼオライト系触媒などの重質(またはより重い)炭化水素の分解に選択的な第1触媒と、ナフサ範囲炭化水素の脱硫に選択的な第2触媒とを含む触媒混合物である。これは、他の触媒と組み合わされて使用されてもよい。第1触媒および第2触媒は、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および密度の一方または両方が異なってよい。
【0116】
供給物(又はフィード)の気化および/または供給物(又はフィード)の温度を所望の反応器の温度(例えば500℃~約700℃の範囲)に上昇させるために必要な熱、および吸熱(反応の熱)に必要な熱は、再生器(又はリジェネレータ)17に由来する高温の再生触媒によって提供されてよい。
【0117】
分解反応の大部分が完了した後、生成物と、未変換の供給物の蒸気と、使用済みの触媒との混合物は、サイクロン格納容器(又はサイクロン・コンテインメント・ベッセル)8に収容された2段(又はツー・ステージ)サイクロン・システムに流入する。この2段サイクロン・システムには、使用済み触媒を蒸気から分離するための第1サイクロン4が含まれる。使用済み触媒は、第1サイクロン・ディプレグ5を通して、ストリッパ9に排出される。第1サイクロン4に由来する分離された蒸気と、流路(又はフロー・ライン)36aおよび第1段(又はシングル・ステージ)サイクロン36cを介して導入される第2反応器32からの生成物の蒸気とによって同伴される微細な触媒粒子は、第2段(又はセカンド・ステージ)サイクロン6において分離される。回収された触媒混合物は、ディプレグ7を介して、ストリッパ9に排出される。第2段サイクロン6からの蒸気は、プレナム11に接続されてよい第2段サイクロン出口12bを通して排気され、これは、その後、所望のオレフィンを含む生成物を回収するために分留器/ガス・プラント410に送られる。必要に応じて、生成物の蒸気は、クエンチ媒体として、分配器ライン12aを介して、軽質サイクル油(又はライト・サイクル・オイル)(LCO)またはスチームを導入することにより、さらに冷却される。
【0118】
分留器410は、例えば、FCCプラントのメイン分留器であってよく、様々な炭化水素画分(軽質オレフィン含有画分(又はライト・オレフィン含有フラクション)412、ナフサ画分(又はナフサ・フラクション)414、重質画分(又はヘビー・フラクション)416、その他、様々な炭化水素カットを含む)を生成してよい。分留器/ガス・プラント410に送られる生成物は、脱硫中に生成され得る硫化水素などの他の軽質ガス(又はライト・ガス)を含み得る。このような不純物がメイン分留器/ガス・プラントの上流で分離されることが望まれる場合、分離器(又はセパレータ)、吸収器(又はアブソーバ)、または他のユニットの操作が含まれてよい。
【0119】
ディプレグ5,7を介して回収される使用済み触媒は、ストリッパ・ベッド9において、スチーム分配器(又はスチーム・ディストリビュータ)10を通してストリッパ9の底部に導入されるスチームの向流接触(又はカウンターカレント・コンタクト)により、すきま蒸気(触媒粒子間に捕捉(又はトラップ)された炭化水素の蒸気)を除去するストリッピングが行われる。次いで、使用済み触媒は、使用済み触媒のスタンドパイプ13aおよびリフト・ライン15を介して、再生器(又はリジェネレータ)17に移送される。使用済み触媒のスタンドパイプ13aに設置された使用済み触媒のスライド・バルブl3bは、ストリッパ9から再生器17への触媒フローを制御するために使用される。使用済み触媒の円滑な移送を助けるために、少量の燃焼空気または窒素が分配器14を通して導入されてよい。
【0120】
コークス化した触媒または使用済み触媒は、高い密度の再生器の床(又はデンス・リジェネレータ・ベッド)24の中央にある使用済み触媒の分配器16を通して放出される。燃焼空気は、再生器の床24の底部に位置する空気分配器18によって導入される。触媒上に堆積(又は蓄積)したコークスは、次いで、燃焼空気との反応によって再生器17で燃焼除去される。排ガスとともに同伴される触媒微粉は、第1段(又はファースト・ステージ)サイクロン19および第2段(又はセカンド・ステージ)サイクロン21で回収され、それぞれのディプレグ20,22を通って、再生器触媒床(又はリジェネレータ触媒ベッド)に放出される。第2段サイクロン21の出口から回収される排ガスは、下流の廃熱回収および/または電力回収のために、再生器プレナム23を介して、排ガスライン50に配向される。
【0121】
再生された触媒混合物の最初の部分は、再生触媒のスタンドパイプ27を介して取り出され、この再生触媒のスタンドパイプ27は、Jベンド1とフロー連通(又はフロー・コミュニケーション)している。再生器17から反応器3への触媒フローは、再生触媒スタンドパイプ27に配置されるスライド・バルブ28によって調節できる。スライド・バルブ28の開度を調整して触媒フローを制御することで反応器3の所望のトップ温度(又は頂部温度)を維持する。
【0122】
また、再生触媒のJベンド1から反応器3へのスムーズな移送を可能にするために、Y部に設けられるガス分配器1aを通して、リフト・スチームに加えて、Cオレフィンやナフサなどの供給物流(又はフィード・ストリーム)または同様の外部からの流れ(又はストリーム)をリフト媒体としてJベンド1に注入させるように規定されている。また、Jベンド1は、高い密度の床反応器(又はデンス・ベッド・リアクタ)として作用させてよく、それにより、そのような反応に好ましい条件でCオレフィンおよびナフサ流(又はナフサ・ストリーム)を軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)に分解する。
【0123】
再生された触媒混合物の第2部分は、スタンドパイプ30を通して、第2反応器32に取り出される。バルブ31を使用してよく、それにより、蒸気出口温度の設定点(又はセット・ポイント)に基づいて、再生器17から第2反応器32への触媒フローを制御してよい。ナフサ流などの1以上の炭化水素画分は、液相または気相のいずれかで、1以上の供給物分配器(又はフィード・ディストリビュータ)34(34a,34b)を通して、触媒床の底部セクションに注入されてよい。いくつかの実施形態では、ナフサ供給物は、分留器410に由来するナフサ414の一部または全部を含んでよい。第2反応器32は、混合フロー方式で作動する。ここで、再生された触媒の一部は、下方(反応器床の上部から下部)に流れ、そして/または容器32内で循環し、再生された触媒混合物の一部ならびに供給物炭化水素流(又はフィード炭化水素ストリーム)は、上方に流れる(反応器床の下部から上部に流れ、より小さい/低い密度の粒子は、流出物炭化水素と共に反応器の上部から運び出される)。
【0124】
第2反応器32は、触媒と供給物分子との密接な接触および混合を助けるバッフルまたは構造化された内部(又は内部構造物又はインターナル)(図示せず)を備えてよい。また、これらの内部は、チャネリング、気泡(又はバブル)の成長および/または合体(又はコアレセンス)を最小化するのに役立ってよい。また、第2反応器32は、セクション内で一定または所望のガス空塔速度を維持するために、その長さに沿って、異なるセクションで拡大されてよい。
【0125】
反応が完了した後、第2反応器32の最下部で触媒を除去(又はストリップ)し、そして、分配器35を通して導入されるスチームを剥離媒体(又はストリッピング媒体又はストリッピング・メディア)として使用し、同伴された炭化水素の供給物/生成物を分離する。反応器32の下部に回収される使用済みの触媒は、次いで、触媒取り出しライン418を通して取り出されてよい。あるいは、反応器32の底部に回収される使用済み触媒は、図1に関して上記で説明するように、再生器17に移送されてよい(スタンドパイプ37およびリフト・ライン40を介して、使用済み触媒分配器41を通して移送されてよい。ここで、触媒を再生器17にスムーズに移送できるように、燃焼空気または窒素が分配器39を通して導入されてよい)。第2反応器32からの触媒フローを制御するためにバルブ(図示せず)を使用してよい。
【0126】
上記のように、第2反応器32は、2つの異なる触媒(粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度の一方または両方が異なってよい)、例えば、低い密度および/またはより小さいY型ゼオライトまたはFCC触媒と、より大きいおよび/またはより高い密度の脱硫触媒とを利用する。第2反応器32内のガス空塔速度を維持する。そうすることで、より軽くて、より小さい触媒の本質的に全てまたは大部分と、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒の一部が、流出物流路(又は流出物フローライン)45を介して回収される炭化水素生成物およびスチームと共に、反応器から運び出されるようになる。より大きいおよび/またはより高い密度の触媒の一部は、反応器32内に保持されてよく、上記のように、反応器の下部に向かって、濃厚床(又は高い密度の床又はデンス・ベッド)を形成する。
【0127】
したがって、流路(又はフロー・ライン)45を介して回収される反応器32からの流出物は、脱硫炭化水素生成物と、未反応炭化水素供給原料と、スチーム(ストリッピング媒体又はストリッピング・メディア)と、触媒の混合物(より軽いおよび/またはより小さい触媒の本質的に全てと、反応器32に導入されるより重いおよび/またはより大きい触媒の一部を含む)とを含んでよい。次いで、流出物は、流路(又はフロー・ライン)45を介して、固体分離器47に輸送されてよい。分離器47は、2種類の触媒をそれらの物理的な特性、すなわち粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度に基づいて分離するように構成される分離器(又はセパレータ)であってよい。例えば、分離器47は、慣性力または遠心力の差を使用してよく、より小さいおよび/またはより軽い触媒を、より大きいおよび/またはより重い触媒から分離することができる。固体分離容器47は、第2反応器32に対する外部容器であり、2種類の触媒をその物理的な性質に基づいて分離することを強化する流体力学的な特性で作動させる。
【0128】
分離器47での分離後、より小さいおよび/またはより軽い触媒(Y型ゼオライト/FCC触媒)は、次いで、分離器47から、出口ライン36aを介して、ライザー反応器のサイクロンおよび/または反応終了システム(又はリアクション・ターミネーション・システム)を収容する共通の離脱器(又はディスエンゲージャー)または格納容器(又はコンテインメント・ベッセル)8へと輸送される。より大きいおよび/またはより重い脱硫触媒は、分配器34a/bを通して導入される炭化水素供給物との反応を継続させるために、流路(又はフロー・ライン)49を介して、混合フロー反応器32に戻されてよい。
【0129】
より軽い/より小さい触媒の本質的に全てと、より重いおよび/またはより大きい触媒の一部との同伴(又はエントレインメント)、その後の分離、ならびに、より重いおよび/またはより大きい触媒の反応器32への再利用(又は循環又はリサイクル)によって、反応器32におけるより大きいおよび/またはより重い脱硫触媒の顕著な蓄積(又は堆積)を可能にしてよい。この触媒は、ナフサ範囲の炭化水素の脱硫に対して、より選択的であるため、より大きいおよび/またはより重い触媒の蓄積は、選択性および収率の利点を提供してよい。さらに、両方のタイプ(又は2種類)の触媒を同伴させるために反応器を流動化フロー体制(又は流動化フロー・レジーム)で操作することによって、上記で説明するように、反応器の向上した操作性(又はオペラビリティ)または操作における柔軟性(又はフレキシビリティ)を提供することができる。
【0130】
炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)(例えば、重質減圧ガス油(又はヘビー・バキューム・ガス・オイル)または重質残渣供給物(又は重質残渣フィード))、軽質サイクル油(又はライト・サイクル・オイル)(LCO)またはスチームが、分配器36bを通って、出口ライン36aにクエンチ媒体として注入されてよい。このようなクエンチ媒体の流量(又は流速又は又はフロー・レート)は、格納容器8に入る流れ(又はストリーム)の温度を設定することによって制御されてよい。第2反応器32からの全ての蒸気(分配器36bを通して供給されるものを含む)は、第1段(又はシングル・ステージ)サイクロン36cを通して、格納容器8の希薄相に排出される。クエンチ媒体として炭化水素供給物(又は炭化水素フィード)を採用することは、第2反応器32からの生成物を冷却するという二重の目的を果たすとともに、中間留分の生成(又は形成)を促進することから好ましい。
【0131】
第1段反応器3(例えば、ライザー反応器)は、高速流動化体制(又はファスト流動化レジーム)(例えば、底部(又はボトム・セクション)では約3~約10m/sの範囲のガス空塔速度)、上部(又はトップ・セクション)では空気輸送体制(又はニューマチック・トランスポート・レジーム)(例えば、約10~約20m/sの範囲のガス空塔速度)で動作させてよい。
【0132】
第2反応器32のWHSVは、典型的には、約0.5h-1~約50h-1の範囲であり、蒸気および触媒の滞留時間(又はレジデンス・タイム)は、約2秒~約20秒で変動してよい。必要に応じて、1以上の流路(又はフロー・ライン)42,43を介して、追加(又はメークアップ)の触媒を導入してよい。例えば、流路42を介して、新鮮(又はフレッシュ)または追加(又はメークアップ)のFCCまたはY型ゼオライト触媒あるいはこれら2つの混合物を再生器17に導入してよい。流路43を介して、新鮮(又はフレッシュ)または追加のガソリン脱硫添加材を第2反応器32に導入してよい。全体的なシステムの触媒の在庫(又はインベントリ)は、例えば、再生器24および/または反応器32から混合触媒を引き出すことによって維持してよい。触媒の在庫および反応器32内の好ましい触媒の蓄積(又は堆積)は、上記で説明するように制御されてよい。さらに、いくつかの実施形態では、触媒ホッパー26が、上記で説明するように、触媒取り出しライン25、圧力均一化ライン(又は圧力等化ライン)29、およびスタンドパイプ27と組み合わせて使用されてよい。
【0133】
同様に、図7の反応器システムを重質炭化水素供給原料(又は重質炭化水素フィードストック)(重質原油(又はヘビー・クルード)またはバージン原油(又はバージン・クルード)を含む)の有利な処理に使用してよい。このような実施形態では、混合触媒システムは、例えば、より小さいおよび/または低い密度のFCC触媒(例えば、ゼオライト-Y)と、より大きいおよび/またはより高い密度の重油処理添加材とを含んでよい。例えば、重油処理添加材は、活性マトリクス触媒、金属捕捉添加材(又は金属トラッピング添加材)、粗い(又はコース)および/または高い密度(又はデンス)のEcat(平衡触媒)、マトリクスまたはバインダータイプの触媒(例えば、カオリンまたはサンド)、あるいは高いマトリクス/ゼオライト比のFCC触媒、その他の触媒のいずれであってもよい。重質油処理添加材は、より重い炭化水素の分解に対して最小限の触媒活性を有してよく、単に熱分解反応が進行するのに必要な表面積を供給してよい。重質炭化水素供給物は、分配器43a/bを介して、反応器32に導入されてよい。そして、このシステムを、重質炭化水素供給原料の処理を強化するために、上記のように操作されてよい。
【0134】
重質炭化水素処理条件下で操作(又は運転)する場合の第2反応器32のWHSVは、典型的には0.1~100hr-1の範囲である。蒸気および粒子の滞留時間(又はレジデンス・タイム)は、1~400秒で変動してよい。必要に応じて、1以上のライン42,43を介して、追加の粒子を導入してよい。ライン42を介して、再生器17にFCCまたはY型の触媒を添加すること、およびライン43を介して第2反応器32に重油処理添加材(又はヘビー・オイル・トリートメント・アディティブ)を添加することが有利であってよい。全体的なシステムの活性は、第2反応器32からライン418を介して粒子を引き出すこと、および再生器24から粒子を引き出すことによって維持される。固体の在庫(又はインベントリ)および第2反応器32における好ましい重油処理添加材の蓄積(又は堆積)は、ライン43を通した添加およびライン418を通した取り出しによって制御されてよい。第2反応器32の操作温度は、バルブ31を介して、再生器17のライン30からの触媒を用いて制御され、この操作温度は400~700℃の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、第2反応器32の生成物は、本質的に第1ライザー反応器3のための供給物(又はフィード)であってよい。さらに、いくつかの実施形態では、触媒ホッパー26は、触媒取り出しライン25、圧力均一化ライン29およびスタンドパイプ27と組み合わせて、上記で説明するように使用されてよい。
【0135】
概して、図1図6図7に示すプロセス・フローの図では、触媒/粒子の分離技術を使用して、第2容器において、追加または再利用(又は循環又はリサイクル)の炭化水素供給原料(又は炭化水素フィードストック)を処理する。システムを通して循環する触媒混合物は、特定の反応(例えば、分解(又はクラッキング)、脱硫、脱金属、脱窒素など)に選択的な触媒を含んでよい。ここでは、混合物の触媒が、上記で説明するように、異なる物理的な特性を有するように選択される。そうすることで、所望の触媒が第2反応器で濃縮され得るようになる。再生される触媒は、高速流動化、バブリングまたはタービュラント・ベッドの操作(用途による)で運転され得る第2反応器/容器に供給される。第2反応器/容器の流出物は、分離器47に入る。ここで、第1触媒および第2触媒が、そのサイズ(又は寸法)および/または密度に基づいて分離され、第2触媒が濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)された分離器ボトムが第2反応器/容器に再利用(又は循環又はリサイクル)されて戻される。第2反応器/容器は、用途に応じて有利となり得る任意の触媒の回収物(withdrawal)ならびに用途に応じた様々な炭化水素供給物を有する。第2触媒の濃度は、全体的な反応システムの操作性(又はオペラビリティ)、柔軟性(又はフレキシビリティ)および選択性(又はセレクティビティ)を向上させてよい。
【0136】
図2に関して上記で説明するような分離器47は、混合触媒炭化水素処理システムの生産性および柔軟性を高めるために使用されてよい。ここでは、分離器47が、システム内の他の有利な位置に配置されてよい。このようなプロセスおよびシステムについて、図8図11に関して、以下にてさらに説明する。ここで、同様の数字は同様の部品を表す。
【0137】
ここで、図8Aを参照すると、本明細書中に開示される実施形態に従う炭化水素を変換してオレフィン類を製造するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図が示されている。ここで、同様の数字は同様の部品を表している。図8Aのプロセス・スキームでは、触媒保持容器(又は触媒ホールディング容器)510を追加しており、この触媒保持容器510は、触媒取り出しライン30およびバルブ31を介して、再生された触媒がFCC再生器から供給される。この保持容器510は、流路516を介して導入される流動化媒体(例えば、空気、窒素またはスチームなど)で流動化されてよい。保持容器流出物45は、分離器47に送られる。ここで、触媒の混合物が分離される。より大きいおよび/またはより重い触媒が濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)された分離器の底部(又は分離器ボトム)49は、触媒保持容器510に再利用(又は循環又はリサイクル)されて戻される。ここでは、より大きいおよび/またはより重い触媒の濃度を高める。この実施形態において、分離器510からの残りの流れ514は、離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)8に戻される。保持容器の底部512は、スライド・バルブ(図示せず)に結合されてよい。このスライド・バルブによって、第2反応器/容器32への触媒の供給物(又はフィード)を制御してよい。これらは、図1図6および図7に関して上記で説明したものと同様の様式で操作することができる。有利には、容器510内で濃縮された触媒は、炭化水素で飽和されず、第2反応器/容器32内の触媒とのより短い接触時間が可能になってよい。
【0138】
図8Bは、図8Aのシステムと同様のシステムを示す。ただし、流路(又はフロー・ライン)514を介して、分離器47から回収される触媒は、離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)8に送られるのではなく、触媒再生器17に戻される。この容器(ここに流路514の触媒が送られる)は、流路516を介して導入される流動化ガスの種類に依存してよく、なおかつ、流路50および12bを介して、再生器17または容器8のいずれかから、それぞれ、フローを受け取るシステムの能力に依存してよい。例えば、流動化ガスがスチームである場合、流路514の触媒は、好ましくは、容器8に送られる。ここで、例えば、流動化ガスが空気または窒素である場合、流路514の触媒は、好ましくは再生器17に送られる。
【0139】
図8Aおよび図8Bは、より小さい粒子(流路514を介して回収される粒子)が再生器17または離脱容器8に送られ、より大きいおよび/またはより重い粒子(流路512を介して回収される粒子)が二次反応器32に送られる様子を示している。また、本開示の実施形態は、より小さいおよび/またはより軽い粒子(分離器47および流路514を介して回収される粒子)を二次反応器32に送ることを意図する。その一方で、より大きいおよび/またはより重い粒子を再生器17またはストリッパ9に再利用(又は循環又はリサイクル)させることを意図する。
【0140】
図8Aおよび図8Bは、さらに、第2反応器で使用する大きな粒子を蓄積(又は堆積)/濃縮する容器510を備えたシステムを示す。ここで、単一経路(又はシングル・パス)の分離で十分であってよく、図9Aおよび図9Bに示されるように、格納容器510は、システムから除外されてよい。ここで、同様の数字は同類の部品を表す。これらの実施形態では、触媒混合物は、触媒再生器17から、ディプレグ30を介して、分離器47に直接供給される。空気または他の流動化ガスは、流路610を介して、供給されてよく、流路610によって、慣性分離のために十分な流量(又は流速又はフロー・レート)が提供される。より小さい/より軽い粒子は、流路612を介して回収されてよい。そして、より大きい/より重い粒子は、流路614を介して回収されてよい。図9Aは、より大きいおよび/またはより重い粒子が第2反応器32に送られることを示す。一方、図9Bは、より小さいおよび/またはより軽い粒子が第2反応器32に送られることを示す。
【0141】
図9Aおよび図9Bは、再生器17への粒子部分の戻り(又はリターン)を示す。図8Aおよび図8Bに関する上記の説明と同様に、反応器32に供給されない粒子は、再生器17または離脱容器8のいずれかに戻されてよい。このようにすることは、流動化媒体および/または下流の処理能力に依存してよい。
【0142】
図9Aおよび図9Bに示されるプロセス・スキームでは、濃度を上げるために再利用(又は循環又はリサイクル)を含むバージョンのものとは対照的であり、分離器の単一経路(又はシングル・パス)のバージョンを使用する。この方式では、再生された触媒は、分離器に向けられる。ここで、分離器のボトムまたはオーバーヘッドのいずれかが第2反応器に向けられ得る。底部(又はボトム)に向けられる場合、触媒は、より大きなおよび/またはより高い密度の粒子に基づいて濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)される。分離器のオーバーヘッドが第2反応器に向けられる場合、触媒は、より小さいおよび/または低い密度の粒子に濃縮される。また、このスキームは、第2反応器が存在せず、分離器が再生器と第1ライザー反応器との間にあり、以下の図11のプロセスについて説明するのと同様の触媒を濃縮するように配置することができた。
【0143】
図8A/Bの実施形態は、リサイクル触媒を第2反応器から分離し、第2反応器における所望の触媒のより高い濃度を達成する。しかし、追加の資本コストを必要とする。また、図6A/Bの実施形態は、リサイクル触媒を第2反応器から分離する。それにより、例えば、図7のフロー・スキームと比較して、所望の触媒の濃度の適度な増加を達成する。しかし、図9A/Bの実施形態よりも資本コストは低い。
【0144】
ここで、図10を参照すると、本明細書中に開示される実施形態に従う炭化水素を処理するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図が示されている。ここで、同様の数字は同様の部品を表している。このプロセス・スキームは、第2反応器を除去し、分離器47を有し、この分離器47が第1ライザー3に由来する流出物を受けるようになっている。混合触媒を含むライザー流出物は、分離器47に向けることができる。ここで、触媒の一部が分離器の底部(又はボトム)710からライザー3に再利用(又は循環又はリサイクル)される。それによって、ライザー反応器3において、より大きいおよび/またはより重い触媒の濃度を濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)させる。分離器47のオーバーヘッド712は、ストリッパ容器8に連続し得る。ここで、炭化水素生成物が残りの触媒から分離され得る。また、この構成は、使用済み触媒をライザー3に再利用(又は循環又はリサイクル)する方法として、分級度を有していない触媒混合物にも使用することができた。
【0145】
濃縮された触媒画分710は、スタンドパイプ27からの再生触媒供給入口(又は再生触媒フィード・インレット)の上流または下流(図示する通り)において、ライザー3に導入されてよい。いくつかの実施形態では、ライザー反応器3の長さに沿った1以上のポイントで導入されてよい。入口点(又はインレット・ポイント)は、第2炭化水素供給物、再生触媒710の温度および他の変数(ライザー反応器3において炭化水素を有利に処理するために使用され得るもの)に基づいてよい。
【0146】
離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)8/ストリッパ9から回収される炭化水素生成物(又はハイドロカーボン・プロダクト)は、上記で説明する通り、1以上の炭化水素画分(又はハイドロカーボン・フラクション)722,724,726,728,730を分離および回収するための分留器(又はフラクショネータ)/ガス・プラント720に送ってよい。本開示の実施形態における分留器/ガス・プラントから回収される炭化水素画分の1以上は、さらなる処理のためにライザー反応器3または第2反応器32に再循環させてよい。
【0147】
本明細書中に開示される実施形態に従う炭化水素を処理するためのシステムの簡略化されたプロセス・フローの図が示されている。ここで、同様の数字は同様の部品を表す。このプロセス・スキームにおいて、再生触媒ホッパー26は、ライザー反応器3に流体的に接続される。より小さいおよび/または低い密度の触媒と、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒とを含む再生された混合触媒は、再生器17から再生(又はリジェネ)触媒ホッパー26に流れる。ホッパー26は、分配器810によって提供されるスチームおよび/または空気(又はエアー)で流動化される。ホッパーのオーバーヘッド流出物816は、分離器47に流れる。分離器47(これは上記で説明するような分離装置(又は分離デバイス)である)において、触媒が分離され、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒が濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)された底部(又はボトム)814は、再生(又はリジェネ)触媒ホッパー26(例えば、空気で流動化した場合)または離脱容器8(例えば、スチームで流動化した場合)に戻して供給してよい。これにより、再生(又はリジェネ)触媒ホッパー26のより大きいおよび/またはより高い密度の触媒の濃度を増加させる。分離器47のオーバーヘッド812は、再生器またはストリッパ容器のいずれに向けられてよい。再生器触媒ホッパーの底部(又はボトム)27には、スライド・バルブ28とともに取り出し口(withdrawal)を有する。このスライド・バルブ28は、ライザー3への触媒のフロー(より大きいおよび/またはより高い密度の触媒が濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)されているもの)を制御する。このようにして、ライザー3は、システム内の在庫(又はインベントリ)よりも効果的に高い濃度の触媒で作動し、触媒の特性に基づいて好ましい生成物を作り出す。
【0148】
図11に関して上記で説明するような再生(又はリジェネ)触媒ホッパーにおける触媒の濃縮は、断続的に行われてよい。このシステムは、ライザー、ストリッパ、再生器を通して、触媒混合物を循環させてよい。このとき、分離器47に触媒を同伴させるのにホッパー26内の流動化は十分でない。所望の生成物混合物、炭化水素供給物または他の要因に変化がある場合(ここで、触媒混合物中の特定の触媒の濃度をより高くして操作することが有利であってよい)、再生ホッパー26内の触媒を流動化してよく、分離器47を用いて分離することができる。要因が再び変化する場合には、触媒ホッパーの流動化を中断してよい。このようにして、生成物および供給物に関するシステムの柔軟性(又はフレキシビリティ)を向上させてよい。
【0149】
図10および図11は、単一のライザー(又はシングル・ライザー)で示しているが、固体分離装置(又は固体分離デバイス)は、複数のライザーシステムの性能を向上させるために使用されてよい。例えば、2つのライザーのシステムは、1つのライザーにおける1つの触媒の濃縮から利益を得てよい。これは第2ライザーとは異なる供給物を処理してよい。
【0150】
本開示の実施形態は、所望の反応を行うために様々なタイプの触媒または粒子を利用してよい。ここで、触媒の混合物を再生するために共通の再生器が使用されてよい。分離器は、触媒の混合物に含まれる特定の触媒で1以上の反応器を濃縮するために有利に配置される。本開示の実施形態は、軽質オレフィンの製造、ガソリンの脱硫、および重油の処理を含む用途などについて、ユニットの操作を改善し、反応系の選択性および柔軟性を高めるために使用されてよい。
【0151】
軽質オレフィンの製造は、上記で説明する通り、ライザーへの様々な軽質(又はライト)炭化水素供給物、中質(又はミディアム)炭化水素供給物および重質(又はヘビー)炭化水素供給物を含んでよい。第2反応器32への供給物(又はフィード)は、他の供給物のなかでも、ナフサ(例えば、直留ナフサ(又はストレート・ラン・ナフサ)またはリサイクル・キャット・ナフサ(recycle cat naphtha))を含んでよい。軽質オレフィン製造のための触媒混合物は、より小さいおよび/または低い密度の触媒(例えば、FCC触媒(例えば、ゼオライトY))、ならびに、より重い/より高い密度の触媒(例えば、ZSM-5またはZSM-11)、他の組み合わせなどを含んでよい。また、他の分解触媒を使用してよい。炭化水素の分解のための種々の触媒は、とりわけ、米国(US)特許第7,375,257号、同第7,314,963号、同第7,268,265号、同第7,087,155号、同第6,358,486号、同第6,930,219号、同第6,809,055号、同第5,972,205号、同第5,702,589号、同第5,637,207号、同第5,534,135号、および同第5,314,610号に開示されている。
【0152】
ガソリンの脱硫に関する実施形態は、上記で記載する通り、ライザーへの様々な軽質(又はライト)炭化水素供給物、中質(又はミディアム)炭化水素供給物および重質(又はヘビー)炭化水素供給物を含んでよい。また、第2反応器32への供給物(又はフィード)は、ナフサ(例えば、直留ナフサ(又はストレート・ラン・ナフサ)またはリサイクル・キャット・ナフサ(recycle cat naphtha))、他の供給物などを含んでよい。軽質オレフィン製造のための触媒混合物は、より小さいおよび/または低い密度の触媒(例えば、FCC触媒(例えば、ゼオライトY))と、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒(脱硫機能(又は脱硫官能性)を有する触媒、例えば、MgO/Al(様々な金属の促進(又はプロモーション)を伴う))とを含んでよい。他の脱硫触媒として、とりわけ、米国(US)特許第5,482,617号、同第6,482,315号、同第6,852,214号、同第7,347,929号に開示されているものを使用してよい。いくつかの実施形態において、触媒混合物は、脱硫活性を有する分解触媒組成物、なかでも、米国(US)特許第5376608号に開示されているものなどを含んでよい。
【0153】
重油処理に関する実施形態は、上記で説明する通り、ライザーへの様々な軽質(又はライト)炭化水素供給物、中質(又はミディアム)炭化水素供給物および重質(又はヘビー)炭化水素供給物を含んでよい。第2反応器32への供給物(又はフィード)は、約340℃を超える沸点または沸点範囲を有する炭化水素または炭化水素混合物を含んでよい。本明細書中に開示されるプロセスと共に使用され得る炭化水素供給原料(又は炭化水素フィードストック)は、様々な精製および他の炭化水素流(又は炭化水素ストリーム)を含んでよい。例えば、常圧石油残渣または減圧石油残渣、脱硫油、脱硫ピッチ、水素化分解された常圧塔または減圧塔のボトム、直留減圧ガス油、水素化分解された減圧ガス油、流動接触分解(FCC)のスラリー油、沸騰床式水素化分解プロセスからの減圧ガス油、シェール由来の油、コール由来の油、タール・サンド・ビチューメン、トール油、バイオ由来クルード油、黒油、ならびに、他の同様の炭化水素流、またはこれらの組み合わせが挙げられる。これらの各々が、直留、プロセス由来、水素化分解、部分脱硫および/または部分脱金属の流れ(又はストリーム)であってもよい。いくつかの実施形態では、残渣の炭化水素画分(又はハイドロカーボン・フラクション)は、少なくとも480℃、少なくとも524℃、または少なくとも565℃の通常の沸点を有する炭化水素を含んでよい。重質炭化水素処理のための触媒混合物は、より小さいおよび/または低い密度の触媒(例えば、FCC触媒(例えば、ゼオライトY))と、より大きいおよび/またはより高い密度の触媒(例えば、アクティブ・マトリクス触媒、金属捕捉(又はメタル・トラッピング)触媒、粗い(又はコース)/高い密度(又はデンス)のEcat(平衡触媒)、マトリクスまたはバインダータイプの触媒(例えば、カオリンまたはサンド)あるいは高いマトリクス/ゼオライトのFCC触媒)とを含んでもよい。また、他の分解触媒、例えば、米国(US)特許第5160601号、米国(US)特許第5071806号、米国(US)特許第5001097号、米国(US)特許第4624773号、米国(US)特許第4536281号、米国(US)特許第4431749号、米国(US)特許第6656347号、米国(US)特許第6916757号、米国(US)特許第6943132号および米国(US)特許第7591939号などに開示されるものを1以上で使用してよい。
【0154】
また、本開示におけるシステムは、重質クルード(又は重質原油又はヘビー・クルード)またはバージン・クルード(例えば、タール・サンドから回収されるクルード・オイルまたはビチューメン)の前処理に利用されてよい。例えば、反応器32(なかでも、図1または図9における反応器など)は、ビチューメンの前処理に使用されてよく、その後、下流の操作における処理済みの重質クルードのさらなる処理に使用されてよい。これは、下流の分離システムにおける分離ならびに反応器3におけるさらなる変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)のための1以上の画分(又はフラクション)の再利用(又は循環又はリサイクル)を含み得る。粒子または触媒混合物内の好ましい粒子で重質クルードを前処理する能力によって、重質クルード処理の統合を有利に可能にしてよい。そうでなければ、触媒および全体的なシステムの性能(又はパフォーマンス)に弊害をもたらす。
【0155】
本開示の実施形態では、分離器によって分離される触媒混合物と、反応器における混合物内の触媒の効果的な優先的な濃縮とについて説明する。図面に示されるように、反応器内で濃縮される触媒は、反応器または容器の上部(又はトップ)に近接して分離器から戻されるように示されている。また、本開示の実施形態は、分離器から、反応器の中間部または下部に触媒を戻すことも意図されている。ここで、触媒をどこに戻すかは、処理中の炭化水素供給物、混合物中の触媒のタイプ(又は種類)、および反応(器)容器内の所望の触媒の勾配(又はグラジエント)に依存し得る。また、本開示の実施形態は、反応器内の複数の位置(又はロケーション)に触媒を戻すことが意図されている。所定の反応器の混合物内の特定の触媒または粒子の濃度を高める能力を提供する。また、その一方で、本開示の実施形態は、1つの触媒システムのために使用してよい。本開示に記載される粒子の分離器およびシステムは、触媒/オイルの比を高めることができ、これにより触媒の接触時間を高める。
【0156】
上記で説明するように、本明細書の様々な実施形態は、第1分解触媒および第2分解触媒を同伴(又はエントレイン)するのに十分な流動化体制(又は流動化レジーム)で作動する第2反応器を利用する。このとき、炭化水素生成物は、第2反応器のオーバーヘッド出口から流出物として回収される。いくつかの実施形態では、図12に示されるように、第2反応器は、第2ライザー反応器であってよく、第1分解触媒および第2分解触媒を同伴(又はエントレイン)するのに十分な流動化体制(又は流動化レジーム)で操作される。このとき、炭化水素生成物は、第2反応器オーバーヘッド出口から流出物として回収される。他の実施形態では、図12に示されるように、第2反応器は、バブリングまたは流動床反応器であってよく、第1分解触媒、第2分解触媒の一部および炭化水素生成物を同伴(又はエントレイン)するのに十分な流動化体制(又は流動化レジーム)で操作される。流出物は、次いで、固体分離容器に供給されてよく、それにより、分解された炭化水素生成物および第1分解触媒を第2分解触媒から分離する。この固体分離容器は、この反応器に対する外部容器であってよく、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度などの物理的な性質に基づいて、2種類の触媒の分離を促進する流体力学的な特性で操作(又は運転)されてよい。分離された触媒は、Cおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的であり、これは、その後、反応を継続させるために反応器に戻されてよく、反応器内のCおよびナフサ範囲の炭化水素の分解に選択的な触媒の濃度を向上させて、全体的なプロセスの選択性を改善する。また、それと同時に、強化した操作ウィンドウ(又はオペレーティング・ウィンドウ)によって、全体的なプロセスの柔軟性を改善する。
【0157】
ここで、図12を参照すると、図12は、本明細書の実施形態に従う別のプロセス・スキームを示す。ここで、同様の数字は同様の部品を表す。他のプロセス・スキーム(例えば、図1および図6に示されるスキーム)と同様に、2つの触媒/固体粒子が使用される。このとき、例えば、第1触媒は、より小さいおよび/またはより軽い従来のFCC触媒であり、第2の触媒は、より大きいおよび/またはより重いZSM-5またはZSM-11触媒である。
【0158】
混合された第1触媒および第2触媒は、制御バルブ31を通して、流路(又はフロー・ライン)30を介して、共通の再生器17から第2ライザー反応器171の底部(又はボトム)に供給されてよい。第2ライザー反応器171の底部において、触媒は、制御バルブ174によって、そのフローが調節されてよい流路(又はフロー・ライン)174aを介して供給される触媒と混合される。流路174aの触媒は、より大きいおよび/またはより重い第2分解触媒(例えば、ZSM-5)の濃度がより高くてよい。これによって、プロピレンなどの軽質オレフィン生成物へのナフサ分解反応が優先される。
【0159】
次いで、混合触媒(これは、再生器17からの混合物中に供給されるものと比べて、より大きいおよび/またはより重い第2分解触媒を有し、その濃度は、より高い濃度である)は、次いで、第2ライザー反応器171において炭化水素と接触させてよい。例えば、ナフサ供給物が流路(又はフローライン)143を介して導入されてよい。そして、リフティング・スチームが、流路(又はフロー・ライン)135を介して、供給されてよい。ナフサ供給物は、上記で説明する通り、下流の生成物分留器からのナフサであってよい。あるいは、例えばコーカー・ナフサなどの他のユニットからのナフサ供給物であってよい。また、ナフサ供給物は、所望の場合、図12に示されていない別の位置に供給されてよく、あるいは図12に示されていない別の位置から供給されてよい。
【0160】
ナフサ分解反応は、第2ライザー反応器171で起こり、ナフサ供給物およびスチーム供給物は、分解された炭化水素の生成物とともに、第1分解触媒および第2分解触媒の両方を同伴(又はエントレイン)するのに十分である。生成物流(又は生成物ストリーム)は、次いで、触媒混合物と一緒になって、固体分離装置(又はソリッド・セパレーション・デバイス)(SSD)47に入る。SSD47は、より高い密度および/またはより大きな第2分解触媒の濃縮を促進するために使用されてよい。SSD47は、第2ライザー反応器171からの流出物を、蒸気(又はベーパー)/第1分解触媒流(又は第1分解触媒ストリーム)147aと第2分解触媒流(又は第2分解触媒ストリーム)147bとに分離してよい。この分離器から回収される第2分解触媒は、上記の通り、反応を継続させるために第2反応器に再利用(又は循環又はリサイクル)して戻してよい。
【0161】
次いで、二次ライザー反応器に由来する分解された炭化水素および分離された第1分解触媒(分解された炭化水素生成物からの第1分解触媒)は、離脱容器(又はディスエンゲージメント・ベッセル)170に供給されてよい。軽質オレフィン、C炭化水素、ナフサ範囲の炭化水素、およびより重い炭化水素を含む分解された炭化水素生成物は、以下にてさらに説明する通り、流路(又はフロー・ライン)180を介して、回収されてよい。次いで、所望の生成物または生成物画分(又は生成物フラクション)を回収するために分離されてよい。いくつかの実施形態において、流路(又はフロー・ライン)180を介して回収される分解炭化水素生成物は、流路(又はフロー・ライン)12内の炭化水素と組み合わされてよく、そして、共通の分離システムに供給されてよい。この共通の分離システムは、所望の生成物または生成物画分の配合(又はコンバイン)処理および回収(又はリカバリ)のためのものである。
【0162】
いくつかの実施形態では、図12に示されるように、SSD47は、離脱容器170内に配置されてよい。離脱容器170は、内部容器173を収容してよく、SSD47に由来するより大きなおよび/またはより高い密度の第2分解触媒を受容する。離脱容器170の内壁と内部容器173の外壁との間の環状領域(又は輪状領域又はアニュラー領域)178は、より小さいおよび/または密度の第1分解触媒を受容してよい。
【0163】
SSD47では、上記で説明するように、第2ライザー反応器の流出物が、蒸気(又はベーパー)/第1分解触媒流(又は第1分解触媒ストリーム)147aと、第2分解触媒流(又は第2分解触媒ストリーム)147bとに分離されてよい。密度および/または粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)に基づいて、より大きいおよび/またはより重いZSM-5の第2触媒で濃縮された触媒流(又は触媒ストリーム)147bは、スタンドパイプ172に供給されてよく、次いで、内部容器173に入り、最終的には制御バルブ174を通して、第2ライザー反応器171に戻して供給される。内部容器173は、解放(オープン・エンド)であってよい。そうすることで、任意の同伴ガス(触媒流147bと共に回収され得るもの)が、内部解放容器(又は内部オープン・エンド容器)173内の触媒から分離されてよく、この解放容器(オープン・エンド容器)173の上部(又はトップ)を出てよく、容器170内の蒸気と混合されてよく、フローライン180を介して、生成物と共に回収されてよい。
【0164】
内部容器173内の触媒のレベルは、制御バルブ174および関連するコントローラ(又は制御器)または制御システムによって制御されてよい。また、レベル表示を使用してよく、そうすることで、SSD47のベーパー・スプリット・レシオ(又は蒸気スプリット比)(vapor split ratio)を調整して、より大きなおよび/またはより高い密度の第2分解触媒粒子の分離効率(又はセパレーション効率又はセパレーション・エフィシェンシー)を操縦(又は操作又はマニュピレート)してよい。このようにして、条件を調整してよく、そうすることで、第2分解触媒粒子の一部が、サイクロンにキャリーオーバーしてよく(又は持ち越し又は繰り越してよく)、なおかつ環状領域で回収されてよい。これは、再生用の再生器に戻すことを目的とするものである。
【0165】
蒸気(又はベーパー)/第1分解触媒流147aは、サイクロン176に入る。このサイクロンは、第1分解触媒を生成物ガスから分離し得る。分離された粒子は、より小さいおよび/またはより軽いFCC触媒とともに濃縮される。次いで、ディプレグ177を介して、環状部分178に供給されてよい。環状部分178内の触媒は、流路175aを介して、再生器17に供給されてよい。このフローは、制御バルブ175によって制御されてよい。環状領域178内の触媒のレベルは、制御バルブ175によって制御されてよい。離脱容器8における第1および第2サイクロン4,6と同様にして、容器170は、容器170内の触媒から生成物ガスを完全に分離または回収するために追加のサイクロン(図示せず)を収容してもよい。内部容器173および環状領域178から放出される同伴ガス(又はエントレイン・ガス(entrained gases))ならびにサイクロン176から回収されるガスを含む生成物ガスは、プレナム179を介して回収されてよく、生成物の分留に流路180を介して供給されてよい。
【0166】
リフト・スチーム135に加えて、ガス分配器171aを通して、Cオレフィンおよびナフサなどの供給物流または同様の外部流(又は外部ストリーム)をリフト媒体として第2ライザー反応器171に注入させてもよいことが規定される。これは、再生触媒を流路174aおよび流路30から第2ライザー反応器171にスムーズに移送できるようY部(又はYセクション)に配置されてよい。また、第2ライザー反応器171の最下部は、そのような反応に好ましい条件(例えば、0.5~50h-1のWHSV、640℃~750℃の温度および3~10秒の滞留時間(又はレジデンス・タイム))でCオレフィンおよびナフサ流(又はナフサ・ストリーム)を軽質オレフィン(又はライト・オレフィン)に分解する濃厚床反応器(又はデンス・ベッド・リアクタ)として作動させてもよい。
【0167】
輸送ゾーン(又はトランスポート・ゾーン)171と離脱容器170との統合は、本明細書中に記載される他の実施形態においても同様に使用してよい。例えば、図8Aおよび図8Bを参照すると、第2容器510およびSSD47は、上記の輸送ゾーン171および離脱容器170と同様に配置されてよく、それによって、蒸気生成物ストリーム(又はベーパー・プロダクト・ストリーム)180(514)および濃縮された第2分解触媒フロー174a(512)を提供する。第2分解触媒フロー174a(512)は、第2反応器32に提供されてよい。このような実施形態は、例えば図8Cに示されている。同様に、輸送ゾーン171および離脱容器170の統合は、同様に、別の例として、図11の実施形態で使用されてよい。
【0168】
さらに、図9Aおよび図9Bの実施形態のように、出口(又はアウトレット)75a,74aは、より軽い/より小さい粒子が第2ライザー反応器71で濃縮されるように構成されてよい。例えば、内部容器73内のより重い/より大きな粒子は、再生器24に戻されてよく、環状領域78において、より軽い/より小さな粒子は、第2ライザー反応器71に供給されてよい。このようにして、第2ライザー反応器71への供給物(又はフィード)の変換(又は転化又は転換又はコンバージョン)に最も適した粒子を反応器内に濃縮させてよい。
【0169】
上記の実施形態について説明したように、第2反応器は、FCCライザー反応器および分離システムと統合(又は一体化)される。この反応器は、他の容器とフロー連通(又はフロー・コミュニケーション)している。それにより、選択的な触媒処理と、統合される炭化水素生成物のクエンチ、分離および触媒再生が可能となる。このような統合された反応器システムによって、上記の利点の1つ以上が提供され、本明細書中に開示されるプロセスの実施形態の特徴は、軽質オレフィン製造のための炭化水素の接触分解のための改良されたプロセスまたは最適なプロセスを提供し得る。
【0170】
本明細書中の実施形態では、2種類の触媒粒子、例えば、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)が小さくおよび/または小さい密度のY-ゼオライト/FCC触媒と、前者よりも粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)が大きくおよび/または大きい密度のZSM-5粒子とを用いてよい。選択的な再利用(又は循環又はリサイクル)を伴う分離器を利用してよく、ZSM-5触媒からY-ゼオライトを優先的に分離する。このような触媒システムの使用によって、より軽くて、より小さい粒子の同伴が可能になる。それによって、ZSM-5タイプの粒子が追加の新しい反応器床(又はリアクション・ベッド)内に保持される。反応物は、Cおよびナフサ供給物流(又はナフサ・フィード・ストリーム)から軽質オレフィンの収率を最大化するために好ましいZSM-5タイプの触媒の存在下で選択的な接触分解を受ける。分離器(又はセパレータ)は、粒子のサイズ(又は寸法又は粒子径)および/または密度の違いに起因して、2タイプ(又は2種類)の触媒の分離を促進することができるデバイス(又は装置)である。選択的な再利用(又は循環又はリサイクル)をともなう分離器(又はセパレータ)の例としては、サイクロン分離器、スクリーン分離器、メカニカル・シフター、重力チャンバ、遠心分離器、インライン分級器またはニューマチック分級器、あるいは他のタイプの分離器(サイズ(又は寸法)および/または流体力学的な特性に基づいて粒子を効率的に分離するために有用なもの)であってよい。分離器は、第2反応器ならびに再生器(又はリジェネレータ)および第1反応器/ストリッパとフロー連通している第2反応器の上部(又はトップ)に接続される。
【0171】
反応器は、いくつかの実施形態において、バッフルまたはモジュール・グリッドの内部(又は内部構造物又はインターナル)を備えてよい。これにより、触媒の炭化水素供給物分子(又は炭化水素フィード分子)との密接な接触が得られ、気泡の破壊に役立ち、触媒または供給物のいずれかの合体(又はコアレセンス)、チャネリングまたはバイパスに起因する気泡の成長を回避する。
【0172】
従来、触媒活性を維持するための新鮮(又はフレッシュ)な触媒の追加(又はメークアップ)は、プラント・エアーを用いて再生器床(又はリジェネレータ・ベッド)に導入される。これに対し、スチーム(又は水蒸気又は蒸気)または窒素を輸送媒体として用いて、所望の高濃度の触媒/添加材を第2反応器の床(又はベッド)に直接注入することが提案されている。これは、段階的な濃度上昇および良好な選択性を与えるのに役立つ。
【0173】
本明細書に記載の反応器の構成は、操作条件(例えば、重量空間速度(weight hourly space velocity)(WHSV)、触媒および炭化水素蒸気の滞留時間(又はレジデンス・タイム)、反応温度、触媒/オイルの比など)を調整するのに十分な柔軟性(又はフレキシビリティ)および操作ウィンドウ(オペレーティング・ウィンドウ)を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、第2反応器の上部(又はトップ)/床(又はベッド)の温度は、再生器からの触媒フローを調整することによって制御される。これは、間接的に触媒/オイルの比を制御する。一方、反応器床レベル(又はリアクタ・ベッド・レベル)は、反応器から再生器への使用済み触媒のフローを操縦(又は操作又はマニュピレート)することによって制御されてよい。それによりWHSVおよび触媒滞留時間を制御する。
【0174】
本開示は、限定された数の実施形態を含むが、本開示の利益を享受する当業者は、本開示の範囲から逸脱しない他の実施形態が考えられ得ることを理解するものと思われる。したがって、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
炭化水素を変換するためのプロセスであって、当該プロセスは、
再生器からトランスポート容器またはライザー反応器に第1粒子および第2粒子の混合物を供給することであって、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子が独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよい、前記供給することと、
反応性および/または非反応性のキャリア流体を前記トランスポート容器または前記ライザー反応器に供給することと、
前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物と第2粒子と第1粒子とを含む前記トランスポート容器/前記ライザー反応器からオーバーヘッド生成物を回収することと、
前記オーバーヘッド生成物を一体型の離脱容器に供給することと
を含み、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離して、第1粒子ならびに前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2の流れとを提供する固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置され、第1流れを分離して、第1粒子を含む固体画分と、前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む蒸気画分とを回収する1以上のサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と、
前記環状領域に流体的に接続された第1固体出口と、
前記内部容器に流体的に接続された第2固体出口と
を含んで成り、
当該プロセスが、さらに、
第1固体出口を介して、前記環状領域から前記固体画分を回収することと、
第2固体出口を介して、前記分離された第2粒子を回収することと
を含む、プロセス。
(態様2)
前記分離された第1粒子を含む前記固体画分を前記環状領域から前記再生器に供給することをさらに含む、態様1に記載のプロセス。
(態様3)
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記トランスポート容器または前記ライザー反応器に供給することをさらに含み、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させる、態様2に記載のプロセス。
(態様4)
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記再生器に供給することをさらに含む、態様1に記載のプロセス。
(態様5)
前記分離された第1粒子を含む前記固体画分を前記環状領域から前記トランスポート容器または前記ライザー反応器に供給することをさらに含み、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させる、態様4に記載のプロセス。
(態様6)
前記分離された第2粒子を前記内部容器から反応器に供給することと、
炭化水素供給原料を分解するために前記分離された第2粒子を炭化水素供給原料と接触させることと
をさらに含む、態様1に記載のプロセス。
(態様7)
炭化水素を変換するためのプロセスであって、当該プロセスは、
再生器からライザー反応器に第1粒子および第2粒子の混合物を供給することであって、第1粒子は、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子が独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよい、前記供給することと、
炭化水素画分を前記ライザー反応器に供給すること、および前記炭化水素画分の少なくとも一部を変換するために前記炭化水素画分を第1粒子および第2粒子の混合物と接触させることと、
前記変換された炭化水素画分と、第2粒子と、第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物を回収することと、
前記オーバーヘッド生成物を一体型の離脱容器に供給することと
を含み、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される固体分離装置であって、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離し、第1粒子ならびに前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2流れとを提供するための固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置される1以上のサイクロンであって、第1流れを分離し、第1粒子を含む固体画分と、前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む蒸気画分とを回収するためのサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と
を含んで成り、
当該プロセスが、さらに、
前記環状領域から前記再生器に前記固体画分を供給することと、
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記ライザー反応器に供給することによって、前記ライザー反応器内で第2粒子の濃度を高めることであって、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させることと
を含む、プロセス。
(態様8)
第2炭化水素供給原料と、第1粒子および第2粒子の混合物とを第2反応器に供給することと、
第1粒子および第2粒子の混合物を第2炭化水素供給原料と接触させることであって、第2炭化水素供給原料を分解し、より軽い炭化水素ならびに第1粒子および第2粒子の混合物を含む第2反応器流出物を形成するための前記接触させることと、
前記より軽い炭化水素および前記変換された炭化水素流出物から第1粒子および第2粒子を分離するために、第2反応器流出物を分離器に供給することと、
前記分離器から炭化水素生成物を回収することと
をさらに含む、態様7に記載のプロセス。
(態様9)
新鮮な第2粒子を前記ライザー反応器に供給することと、
新鮮な第1粒子を前記再生器に供給することと
をさらに含む、態様8に記載のプロセス。
(態様10)
前記蒸気出口を介して回収される前記蒸気画分を供給することと、前記分離器から回収される前記炭化水素生成物を分留システムに供給することであって、前記分留システムがナフサ画分を含む2以上の炭化水素画分に前記炭化水素生成物を分離するためのものである、前記供給することと、
前記ナフサ画分を前記炭化水素供給原料として前記ライザー反応器に供給することと
をさらに含む、態様8に記載のプロセス。
(態様11)
前記固体分離装置におけるベーパー・スプリット・レシオを調節して、第1流れ中の第2触媒の一部をキャリーオーバーすることをさらに含む、態様7に記載のプロセス。
(態様12)
炭化水素を分解するためのシステムであって、当該システムは、
再生器と、
ライザー反応器と、
オーバーヘッド生成物を受容するように構成された一体型の離脱容器と
を含んで成り、
前記ライザー反応器が、前記再生器から第1粒子および第2粒子の混合物を受容し、第1粒子が、第2粒子よりも小さい平均粒子径を有し、かつ/または第2粒子よりも密度が小さく、第1粒子および第2粒子は独立して触媒粒子または非触媒粒子であってよいように前記ライザー反応器が構成されており、
前記ライザー反応器が、炭化水素画分を第1粒子および第2粒子の前記混合物と接触させて、前記炭化水素画分の少なくとも一部を変換するように構成されており、なおかつ
前記ライザー反応器が、前記変換された炭化水素画分と第2粒子と第1粒子とを含むライザー反応器からオーバーヘッド生成物を生成するように構成されており、
前記一体型の離脱容器が、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される固体分離装置であって、前記オーバーヘッド生成物から第2粒子を分離して、第1粒子ならびに前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む第1流れと、前記分離された第2粒子を含む第2流れとを提供するための固体分離装置と、
前記ハウジング内に配置される1以上のサイクロンであって、第1流れを分離して、第1粒子を含む固体画分と、前記キャリア流体および/または前記キャリア流体の反応生成物を含む蒸気画分とを回収するためのサイクロンと、
前記ハウジング内に配置される内部容器であって、前記分離された第2粒子を含む第2流れを受容するための内部容器と、
前記ハウジングと前記内部容器との間の環状領域であって、第1粒子を含む前記固体画分を受容するための環状領域と、
前記蒸気画分を回収するための蒸気出口と
を含んで成り、
当該システムは、さらに、
前記環状領域から前記再生器に前記固体画分を供給するための流路と、
前記分離された第2粒子を前記内部容器から前記ライザー反応器に供給することで前記ライザー反応器において第2粒子の濃度を高めるための流路であって、前記分離された第2粒子を前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物と混合させる、流路と
を含んで成る、システム。
(態様13)
第2炭化水素供給原料ならびに前記再生器に由来する第1粒子および第2粒子の混合物を受容するように構成される第2反応器であって、第1粒子および第2粒子の混合物を第2炭化水素供給原料と接触させて第2炭化水素供給原料を分解し、より軽い炭化水素ならびに第1粒子および第2粒子の混合物を含む第2反応器流出物を形成する、第2の反応器と、
第2反応器流出物を受容し、前記より軽い炭化水素および前記変換された炭化水素流出物から第1粒子および第2粒子を分離するように構成される分離器と
をさらに含む、態様12に記載のシステム。
(態様14)
新鮮な第2粒子を前記ライザー反応器に供給するための流路と、
新鮮な第1粒子を前記再生器に供給するための流路と
をさらに含む、態様12に記載のシステム。
(態様15)
前記蒸気出口を介して回収される前記蒸気画分ならびに前記分離器から回収される前記炭化水素生成物の両方を受容するため、なおかつナフサ画分を含む2以上の炭化水素画分に前記炭化水素生成物を分離するために構成される分留システムと、
前記ナフサ画分を前記炭化水素供給原料として前記ライザー反応器に供給するための流路と
をさらに含む、態様12に記載のシステム。
(態様16)
前記固体分離装置におけるベーパー・スプリット・レシオを調節して、第1流れ中の第2触媒の一部をキャリーオーバーするように構成されるコントローラをさらに含む、態様12に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12