(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】インタラクティブヘッドギア
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 560
(21)【出願番号】P 2022504692
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(86)【国際出願番号】 US2020044785
(87)【国際公開番号】W WO2021026090
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-07-14
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】キリアン アリッサ ダリス
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ ダンテ ラマー
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン メーガン エリザベス
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3117396(JP,U)
【文献】国際公開第2011/102136(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/153333(WO,A1)
【文献】特開2017-175354(JP,A)
【文献】特開2017-176198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0163271(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドギアに結合され、前記ヘッドギアの向きを検出するように構成された加速度計と、
前記ヘッドギアの延長部分を前記ヘッドギアの本体に結合するアクチュエータであって、前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体から離して伸ばすとともに、前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体に向けて引っ込めるように構成されたアクチュエータと、
前記加速度
計および前記アクチュエータに通信可能に結合され、プロセッサと、機械可読命令を記憶するように構成されたメモリと、を含むコントローラと、
を備え、
前記機械可読命令は、
前記加速度計から前記ヘッドギアの前記向きについての指示を受け取ることと、
前記ヘッドギアの前記向きについての前記指示に基づいて、前記アクチュエータに送信すべき命令であって、前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体から離して伸ばすこと、または前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体に向けて引っ込めること、を前記アクチュエータに行わせるように構成された命令、を決定することと、
前記命令を前記アクチュエータに送信することと、
を前記プロセッサに行わせるように構成される、
ヘッドギア動作システム。
【請求項2】
第2のヘッドギアの無線送信機から信号を受け取るように構成された無線受信機を備える、
請求項1に記載のヘッドギア動作システム。
【請求項3】
前記機械可読命令は、
前記信号に基づいて、前記アクチュエータに送信すべき第2の命令であって、前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体から離して伸ばすこと、または前記延長部分を前記ヘッドギアの前記本体に向けて引っ込めること、を前記アクチュエータに行わせるように構成された第2の命令、を決定することと、
前記第2の命令を前記アクチュエータに送信することと、
を前記プロセッサに行わせるように構成される、
請求項2に記載のヘッドギア動作システム。
【請求項4】
第2の無線送信機を備え、前記機械可読命令は、前記無線受信機において前記信号を受け取ったことに応じて前記第2のヘッドギアの第2の無線受信機に第2の信号を送信することを前記プロセッサに行わせるように構成される、
請求項2に記載のヘッドギア動作システム。
【請求項5】
前記メモリは、前記ヘッドギアの前記向きについての前記指示を前記アクチュエータに送信すべき前記命令に対応付けるテーブルを記憶するように構成され、前記アクチュエータに送信すべき前記命令を決定することを前記プロセッサに行わせるように構成された前記機械可読命令は、前記テーブルに問い合わせを行うことと、前記テーブルから前記命令を受け取ることと、を含む、
請求項1に記載のヘッドギア動作システム。
【請求項6】
前記ヘッドギアは、ヘルメットを含む、
請求項1に記載のヘッドギア動作システム。
【請求項7】
インタラクティブヘルメットであって、
本体と、
前記インタラクティブヘルメットの向きを検出するように構成されたモーションセンサと、
複数の延長部分と、
前記複数の延長部分のそれぞれの延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に結合し、前記それぞれの延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体から離して伸ばし、または前記それぞれの延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に向けて引っ込めるように各アクチュエータが構成された、複数のアクチュエータと、
前記モーションセンサおよび前記複数のアクチュエータに通信可能に結合され、プロセッサと、機械可読命令を記憶するように構成されたメモリと、を含むコントローラと、
を備え、
前記機械可読命令は、前記インタラクティブヘルメットの前記向きについて
の指示を前記モーションセンサから受け取ることを前記プロセッサに行わせるとともに、前記インタラクティブヘルメットの前記向きに基づいて、前記複数の延長部分のうちの延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体から離して伸ばすこと、または前記延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に向けて引っ込めること、を前記複数のアクチュエータのアクチュエータに行わせる、ように構成される、
インタラクティブヘルメット。
【請求項8】
前記モーションセンサは、前記インタラクティブヘルメットの動きのヨー、ピッチ、ロールまたはこれらの組み合わせを検出するように構成され、前記機械可読命令は、前記インタラクティブヘルメットの前記動きの前記ヨー、ピッチ、ロールまたはこれらの組み合わせに基づいて、前記延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体から離して伸ばすこと、または前記延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に向けて引っ込めること、を前記プロセッサに行わせるように構成される、
請求項
7に記載のインタラクティブヘルメット。
【請求項9】
前記機械可読命令は、前記インタラクティブヘルメットの第1の向きについての第1の指示を前記モーションセンサから受け取ることを前記プロセッサに行わせるとともに、前記インタラクティブヘルメットの前記第1の向きに基づいて、前記複数の延長部分の第1の延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体から離して伸ばすことを前記複数のアクチュエータの第1のアクチュエータに行わせ、前記複数の延長部分の第2の延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に向けて引っ込めることを前記複数のアクチュエータの第2のアクチュエータに行わせる、ように構成される、
請求項
7に記載のインタラクティブヘルメット。
【請求項10】
前記機械可読命令は、前記インタラクティブヘルメットの第2の向きについての第2の指示を前記モーションセンサから受け取ることを前記プロセッサに行わせるとともに、前記インタラクティブヘルメットの前記第2の向きに基づいて、前記第1の延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体に向けて引っ込めることを前記第1のアクチュエータに行わせ、前記第2の延長部分を前記インタラクティブヘルメットの前記本体から離して延ばすことを前記第2のアクチュエータに行わせる、ように構成される、
請求項
9に記載のインタラクティブヘルメット。
【請求項11】
前記
インタラクティブヘルメットに結合された複数の電子ディスプレイを備え、当該複数の電子ディスプレイは、目を表示するように構成され、前記機械可読命令は、前記
インタラクティブヘルメットの前記向きに基づいて前記目の表示を調整することを前記プロセッサに行わせるように構成される、
請求項
7に記載のインタラクティブヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願との相互参照>
本出願は、2019年8月6日に出願された「インタラクティブヘッドギア」という名称の米国仮特許出願第62/883,458号の利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
衣類の中には、装飾要素を含む帽子またはヘッドバンド、および有名な映画キャラクタを特徴とするシャツなどの、娯楽目的で着用されるものまたは娯楽目的に関連付けられたものがある。現在では、このような衣類に、よりインタラクティブな特徴を組み込むことができると認識されている。
【0003】
本節は、以下で説明および/または特許請求するする本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得るまたは異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態では、ヘッドギア動作システムが、ヘッドギアに結合されてヘッドギアの向きを検出する加速度計を含む。ヘッドギア動作システムは、ヘッドギアの延長部分をヘッドギアの本体に結合するアクチュエータも含む。アクチュエータは、延長部分をヘッドギア本体から離して伸ばし、延長部分をヘッドギア本体に向けて引っ込める。ヘッドギア動作システムは、加速度センサおよびアクチュエータに通信可能に結合されたコントローラをさらに含む。コントローラは、プロセッサおよびメモリを含む。メモリは、ヘッドギアの向きについての指示を加速度センサから受け取ることをプロセッサに行わせる機械可読命令を記憶する。機械可読命令は、ヘッドギアの向きについての指示に基づいてアクチュエータに送信すべき命令を決定することもプロセッサに行わせる。命令は、延長部分をヘッドギアの本体から離して伸ばすこと、および延長部分をヘッドギアの本体に向けて引っ込めることをアクチュエータに行わせる。機械可読命令は、アクチュエータに命令を送信することをさらにプロセッサに行わせる。
【0006】
別の実施形態では、ヘッドギア動作システムが、ヘッドギアに結合されてヘッドギアの向きを検出する加速度計を有する。ヘッドギア動作システムは、ヘッドギアに結合された電子ディスプレイも有する。電子ディスプレイは、目を表示して目の動きを模倣する。ヘッドギア動作システムは、加速度センサおよび電子ディスプレイに通信可能に結合されたコントローラをさらに有する。コントローラは、プロセッサおよびメモリを含む。メモリは、ヘッドギアの向きについての指示を加速度センサから受け取ることをプロセッサに行わせる機械可読命令を記憶する。機械可読命令は、電子ディスプレイに送信すべき、ヘッドギアの向きについての指示に基づいて目の表示を調整するための命令を決定することをプロセッサに行わせる。機械可読命令は、電子ディスプレイに命令を送信することをさらにプロセッサに行わせる。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらのおよびその他の特徴、態様および利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態による、ユーザによって装着されるヘルメットの形態のヘッドギア例の図である。
【0009】
【
図2】本開示の実施形態による、ユーザによって装着されるメガネの形態のヘッドギア例の図である。
【0010】
【
図3】本開示の実施形態によるヘッドギア動作システムのブロック図である。
【0011】
【
図4】本開示の実施形態による、感知入力を受け取ったことに基づいてヘッドギアの出力装置に送信すべき命令を決定するプロセスのフロー図である。
【0012】
【
図5】本開示の実施形態による、左に傾けられた
図1のヘッドギア、並びにアクチュエータによって実行される結果としての出力の図である。
【0013】
【
図6】本開示の実施形態による、右に傾けられた
図1のヘッドギア、並びにアクチュエータによって実行される結果としての出力の図である。
【0014】
【
図7】本開示の実施形態による、下向きに傾けられた
図1のヘッドギア、並びにアクチュエータによって実行される結果としての出力の図である。
【0015】
【
図8】本開示の実施形態による、上向きに傾けられた
図1のヘッドギア、並びにアクチュエータによって実行される結果としての出力の図である。
【0016】
【
図9】本開示の実施形態による、下向きに傾けられた
図2のヘッドギア、並びに電子ディスプレイによって実行される結果としての出力の図である。
【0017】
【
図10】本開示の実施形態による、上向きに傾けられた
図2のヘッドギア、並びに電子ディスプレイによって実行される結果としての出力の図である。
【0018】
【
図11】本開示の実施形態による、左向きに傾けられた
図2のヘッドギア、並びに電子ディスプレイによって実行される結果としての出力の図である。
【0019】
【
図12】本開示の実施形態による、別のヘッドギアの存在範囲内の
図1のヘッドギア、並びに出力装置によって実行される結果としての出力の図である。
【0020】
【
図13】本開示の実施形態による、位置信号を受け取る
図2のヘッドギア、並びに電子ディスプレイによって実行される結果としての出力の図である。
【0021】
【
図14】本開示の実施形態による、画像を受け取る
図2のヘッドギア、並びに電子ディスプレイによって実行される結果としての出力の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の1以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明しているわけではない。いずれかの工学または設計プロジェクトにおいて見られるようないずれかのこのような実施の開発では、実施によって異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作および製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0023】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」および「the」といった冠詞は、これらの要素が1つまたは2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」または「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0024】
本開示は、一般にインタラクティブヘッドギアに関し、具体的には、感知入力を受け取り、感知入力に基づいて動作を実行するヘッドギアに関する。本明細書に開示する「ヘッドギア」は、ヘルメット、帽子、ヘッドバンド、メガネおよびゴーグルなどの、人間の頭部に装着されるいずれかの衣類を含むことができる。さらに、開示する実施形態では人間の頭部に装着される衣類について説明するが、開示するシステムまたは方法のいずれかは、シャツ、ベスト、ジャケット、ベルト、パンツ、ショーツ、靴、ソックス、手袋およびスカーフなどの他のいずれかの好適な衣類に適用することもできる。また、開示する実施形態では、一般に娯楽目的で使用されるヘッドギアについて説明するが、開示する実施形態は、安全上、医療上または健康上の理由、視力向上のため、および陰を提供するためなどの、他のいずれかの好適な目的で使用されるヘッドギアに適用することもできる。
【0025】
現在では、娯楽目的で着用される衣服にインタラクティブな特徴を組み込むことができると認識されている。たとえば、ヘッドギアは、入力を使用して本実施形態による動作を実行するヘッドギアのコントローラに入力情報を提供する1以上のセンサを含むことができる。センサは、加速度計、位置センサ(たとえば、全地球測位システム(GPS)センサ)、無線センサ(たとえば、赤外線、無線、近接、衛星、マイクロ波、WiFi、移動体通信および/またはBluetooth技術を使用して動作するセンサ)、およびカメラなどを含むことができる。従って、コントローラは、ヘッドギアの向き、ヘッドギアの位置、通信信号、および/または画像またはビデオの形態の入力情報を受け取ることができる。ヘッドギアは、コントローラによって制御できる1以上の出力装置(たとえば、アクチュエータ、電子ディスプレイ、ライト、スピーカ、および/または通信インターフェイス)を含むこともできる。従って、ヘッドギアは、アクチュエータを作動させ、電子ディスプレイ上に画像を表示し、ライトを作動させ、スピーカを使用して音を発し、通信インターフェイスを使用して通信信号を送信するための命令を出力することができる。とりわけ、ヘッドギアは、入力情報を受け取ったことに応じて出力装置に送信すべき命令を決定し、この命令を出力装置に送信することができる。他の実施形態では、ヘッドギアの代わりに他のウェアラブル物品(たとえば、作動するように構成された翼を有するベストまたは靴)を採用することができる。
【0026】
たとえば、ヘッドギアは、最初はヘッドギアに沿って平らに向けられた左右の装飾的延長部(たとえば、ウサギの耳に似せて作成されたプラスチック製の耳、またはタコの触手に似せて作成されたゴム製の延長部)を含むことができる。ユーザは、ヘッドギアを装着して頭部を左に傾けることができる。この傾きをヘッドギアに取り付けられた加速度計によって検出し、傾きに関連する情報(たとえば、ヨー、ピッチおよび/またはロールの量)をコントローラに送信することができる。コントローラは、傾きに関連する情報を受け取り、ユーザの頭部の傾きに基づいて、右側の装飾的なプラスチック製の耳をヘッドギアに結合しているアクチュエータを作動させるべきであると判定して、右側の装飾的なプラスチック製の耳を持ち上げる命令をアクチュエータに送信することができる。いくつかの実施形態では、検出された動きの度合いが異なる作動レベルを決定することができる。
【0027】
序文として、
図1は、本開示の実施形態による、ユーザ12によって装着されているヘルメットの形態のヘッドギア例10の図である。ヘッドギア10は、1以上のセンサ14を含むことができる。とりわけ、ヘッドギア10は、無線受信機またはセンサ16(たとえば、近接センサまたは赤外線センサ)を有するものとして示す。無線受信機16は、無線、Bluetooth、WiFi、赤外線、イーサネット、Thread、ZigBee、Z-Wave、KNX、モバイルおよび/またはマイクロ波などの無線通信プロトコルまたは技術を使用して通信ネットワークを介して情報または信号を受け取ることができる。具体的には、無線受信機16は、これらの無線通信プロトコルまたは技術を使用して通信ネットワークを介して、別のユーザによって装着されている別のヘッドギアの無線送信機から、無線受信機16の近くに別のヘッドギアが存在することを示す信号を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、無線受信機16が、他のヘッドギアの無線送信機から(たとえば、他のヘッドギアまでの距離を示す)近接情報を受け取ることができる。さらに、無線受信機16は、スマートフォン、ウェアラブル装置、タブレット、パーソナルコンピュータ、ラップトップおよび/またはその他のコンピュータ装置などの他のいずれかの好適な通信装置から信号を受け取ることができる。これに加えてまたはこれに代えて、無線受信機16は、信号の受信および送信の両方を行うことができる無線トランシーバとすることもできる。
【0028】
また、ヘッドギア10は、磁力計、加速度計18および/またはジャイロスコープなどの1以上のモーションセンサを有しているようにも示す。加速度計18は、ユーザの頭部20の動きに起因するヘッドギア10の向きまたは位置を検出することができる。とりわけ、ヘッドギア10には、ヘッドギア10のピッチ、ヨーおよび/またはロールを検出する加速度計18を取り付けることができる。
【0029】
ヘッドギア10は、無線受信機16および/または加速度計18から感知情報を受け取り、感知情報に基づいて出力装置に命令を出力するコントローラを含むことができる。図示のように、ヘッドギアは、延長部分または作動可能特徴22、23と呼ぶことができるものを含む。具体的には、
図1の例示的な実施形態では、これらの作動可能特徴が、(たとえば、ヘッドギア10の上面24に沿っておよび/または上面24と同一平面上で)平らに向けられた装飾的なウサギの耳22、23を含む。耳22、23は、感知情報に基づいて耳22、23を(たとえば、本体26に向けて、および本体26から離して)上げ下げすることができるアクチュエータを介してヘッドギア10の本体26に結合することができる。なお、耳22、23は一例であり、ヘッドギア10の本体26との間で作動できるいずれかの好適な装置または特徴が想定されると理解されたい。たとえば、1つの実施形態では、象の鼻に似せて作成された特徴を耳22、23と同様に作動させることもできる。別の例として、ヘッドバンド上の義眼を、耳22、23と同様に作動するように構成することもできる。
【0030】
同様に、
図2は、本開示の実施形態による、ユーザ12によって装着されるメガネの形態のヘッドギア例10の図である。このヘッドギア10も、無線受信機16および加速度計18の形態のセンサ14を含むように示す。ヘッドギア10は、電子ディスプレイ42の形態の出力装置40を含む。具体的には、ヘッドギア10の各レンズ44は、ヘッドギア10を装着するユーザ12に対して透明または半透明とすることができ、ユーザ12がレンズ44を通じて見ることを可能にする一方で、電子ディスプレイ42上に表示されているものがユーザの周囲または正面の人々に見えるようにすることができる。ディスプレイ42は、エレクトロルミネセント(ELD)ディスプレイ、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクスOLEDディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)および量子ドットLED(QLED)ディスプレイなどを含むいずれかの好適なディスプレイ技術を含むことができる。
【0031】
この事例では、ヘッドギア10のコントローラが、無線受信機16および/または加速度計18から感知情報を受け取り、目46の画像を表示して目の動きを模倣する命令を電子ディスプレイ42に出力する。たとえば、コントローラは、(ユーザの頭部20の動きを示す)ヘッドギア10の感知された動きに基づいて、ユーザの異なる注視方向および異なる気分(たとえば、楽しい、悲しい、怒っている、物思いにふけっている、疲れているおよび/または興奮している)などを示すように目46の画像を変更することができる。いくつかの実施形態では、たとえばユーザの目の注視、瞳、虹彩およびレンズなどを取り込みまたは感知する内向きカメラによって感知情報を提供することができ、ヘッドギア10のコントローラは、内向きカメラからの取り込まれた画像に基づいて目46の画像の表示および調整を行うことができる。なお、目46は一例であり、電子ディスプレイ42上に表示できるいずれかの好適な画像またはビデオが想定されると理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、ヘッドギア10が、
図1のユーザ12が装着しているヘルメットおよび
図2のユーザ12が装着しているメガネの両方を組み合わせたものを含むことができる。
【0032】
これらを踏まえて、
図3は、本開示の実施形態によるヘッドギア動作システム60のブロック図である。ヘッドギア動作システム60の一部は、ヘッドギア10内またはヘッドギア10上に配置することができる。図示のように、ヘッドギア動作システム60は、1以上のセンサ14を含むことができる。センサ14は、加速度計18、無線受信機16、位置センサ62、カメラ63、マイク64および/または光センサ65を含むことができる。位置センサ62は、ヘッドギア10の位置を特定するいずれかの好適なセンサとすることができる。たとえば、位置センサ62は、GPS衛星との間で信号を送受信し、これらの信号に基づいて(たとえば、三角測量法またはその他の位置特定法を介して)ヘッドギア10の位置を特定することができる。カメラ63は、画像および/またはビデオを取り込むいずれかの好適な装置を含むことができる。マイク64は、サウンドまたはオーディオデータを取り込むいずれかの好適な装置を含むことができる。光センサ65は、光の検出および/または輝度レベルの決定を行ういずれかの好適な装置を含むことができる。さらに、センサ14は、心拍数モニタ、パルスセンサ、眼球運動センサ、モーションセンサおよび顔認識センサなどの、出力を生成できるいずれかの好適な感知装置を含むことができる。
【0033】
センサ14は、(単一のプロセッサ68として示す)1以上のプロセッサおよび(単一のメモリデバイス70として示す)1以上のメモリまたは記憶装置を有するコントローラ66に通信可能に結合することができる。プロセッサ68は、メモリデバイス70に記憶された、センサ14から感知入力を受け取ったことに基づいて出力装置に送信すべき命令を決定することを容易にするソフトウェアプログラムおよび/または命令を実行することができる。さらに、プロセッサ68は、複数のマイクロプロセッサ、1以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1以上の専用マイクロプロセッサ、および/または1以上の特定用途向け集積回路(ASICS)を含むことができる。たとえば、プロセッサ68は、1以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことができる。メモリデバイス70は、制御ソフトウェア、ルックアップテーブルおよび構成データなどの情報を記憶することができる。メモリデバイス70は、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(たとえば、リードオンリメモリ(ROM))、フラッシュメモリ、1以上のハードドライブ、および/または他のいずれかの好適な光学、磁気または固体記憶媒体などの、有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。メモリデバイス70は、感知入力を受け取ったことに基づいて出力装置に送信すべき命令を決定することを容易にする命令などの様々な情報を記憶することができ、様々な目的で使用することができる。
【0034】
コントローラ66は、アクチュエータ72、電子ディスプレイ42、ライト74、スピーカ76、触覚装置78、無線送信機80および/または拡張現実装置81を含む1以上の出力装置40に通信可能に結合することもできる。とりわけ、出力装置40は、ヘッドギア10に結合されて、コントローラ66によって送信された命令または信号を受け取ったことに基づいて出力を生成することができる。たとえば、1以上のアクチュエータ72は、ヘッドギア10の本体26と、
図1に示す装飾的なウサギの耳22、23などのヘッドギア10の1以上の延長部分とに結合された出力装置40とすることができる。
図2のレンズ44内に配置された電子ディスプレイ42などの電子ディスプレイ42も、画像またはビデオを表示するように動作する出力装置40とすることができる。さらに、
図2に示すディスプレイ42は外側を(たとえば、ユーザ12から離れて)向いているが、いくつかの実施形態では、ユーザ12がディスプレイ42によって表示された画像/ビデオを見ることができるように、ディスプレイ42を内側に(たとえば、ユーザ12に向かって)向けることもできる。
【0035】
ライト74は、ユーザ12を見ている人々にライト74の点灯および消灯が見えるように配置された装飾的なライトを含むことができるが、いずれかの好適な発光装置が想定される。スピーカ76は、ユーザ12の近くの人々に音が聞こえるように音を発することができるが、ユーザ12に向けて音を発するヘッドフォンまたはイヤホンを含むいずれかの好適なオーディオ出力装置が想定される。触覚装置78は、偏心回転質量アクチュエータ、線形共振アクチュエータ、圧電アクチュエータ、空気渦リング、超音波、または他のいずれかの好適な触覚装置を含むことができ、ヘッドギア10を動かし、振動させ、突然の空気を発することなどができる。無線送信機80は、無線、Bluetooth、WiFi、赤外線、イーサネット、Thread、ZigBee、Z-Wave、KNX、モバイルおよび/またはマイクロ波などの無線通信プロトコルまたは技術を使用して、通信ネットワークを介して情報または信号を送信することができる。拡張現実装置81は、現実世界の物体または環境に仮想画像を重ね合わせ、および/またはこれらの物体または環境を仮想的に強化することができる。拡張現実装置81は、メガネ、ゴーグル、スマートフォン、タブレットおよび/またはカメラを含む他のいずれかの好適な装置を含むことができる。さらに、出力装置40は、拡張装置、補助装置および仮想現実装置などの、感知入力に応じて出力を生成するいずれかの好適な装置を含むことができる。
【0036】
メモリデバイス70は、感知入力を出力に対応付ける入力/出力関係テーブル82またはその他の関係定義データ構造を記憶することができる。すなわち、ヘッドギア動作システム60のコントローラ66は、1以上のセンサ14から入力情報または信号を受け取り、入力情報に対応する、出力装置40によって実行される出力を決定し、決定された出力を実行するための命令を出力装置40に送信することができる。
【0037】
これらを踏まえて、
図4は、本開示の実施形態による、感知入力を受け取ったことに基づいて出力装置40に送信すべき命令を決定するプロセス90のフロー図である。プロセス90は、感知入力を受け取ったことに基づいて出力装置40に送信すべき命令を決定できる、プロセッサ68などのいずれかの好適な装置によって実行することができる。プロセス90については、特定の順序のステップを使用して説明するが、本開示は、説明するステップを図示の順序とは異なる順序で実行することも、いくつかの説明するステップを省略することも、または完全に実行しないことも想定すると理解されたい。いくつかの実施形態では、プロセッサ68などのプロセッサを使用して、メモリデバイス70などの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行することによって、プロセス90を実施することができる。
【0038】
図示のように、プロセスブロック92において、プロセッサ68が、ヘッドギアの向きまたは動き、ヘッドギア10の位置、別のヘッドギアの存在、画像または音についての指示を受け取る。とりわけ、プロセッサ68は、加速度計18からヘッドギアの向きまたは動き(たとえば、ピッチ、ヨーおよび/またはロール)についての指示を受け取ることができる。プロセッサ68は、位置センサ62からヘッドギア10の位置についての指示を受け取ることができる。これに加えてまたはこれに代えて、プロセッサ68は、(たとえば、他のヘッドギアの無線送信機から送信された信号に基づいて)他のユーザによって装着されている別のヘッドギアについての指示を無線受信機16から受け取ることもできる。プロセッサ68は、カメラ63から画像(たとえば、ユーザの顔の表情の画像)についての指示を受け取ることができる。プロセッサ68は、マイク64から音についての指示を受け取ることができる。プロセッサ68は、光センサ65から、光の存在または閾値輝度レベルを上回る光の輝度レベルについての指示を受け取ることができる。
【0039】
判定ブロック94において、プロセッサ68は、プロセスブロック92からの指示に基づいて、出力装置40に送信すべき命令が存在するかどうかを判定する。具体的には、プロセッサ68は、メモリデバイス70に記憶された、指示を出力装置40に送信すべき命令に対応付ける入力/出力関係テーブル82または他の関係定義データ構造に問い合わせを行うことができる。いくつかの事例では、指示に基づいて出力装置40に送信すべき命令が存在しないこともある。たとえば、ヘッドギアの向きについての指示が、ヘッドギア10が水平でありおよび/または動いていないことを示すこともある。プロセッサ68がテーブル82に問い合わせを行っても、テーブル82は、ヘッドギア10の出力装置40に送信すべき命令を与えない(たとえば、ヘッドギア10が水平でありおよび/または動いていないことに対応するエントリがテーブル82内に存在しない)ことがある。従って、プロセッサ68はプロセス90を繰り返し、プロセスブロック92に戻って、ヘッドギアの向きまたは動き、ヘッドギア10の位置、別のヘッドギアの存在、画像または音についての指示を受け取ることができる。
【0040】
他の事例では、プロセッサ68が、指示に基づいて出力装置40に送信すべき命令が存在すると判定することができる。たとえば、ヘッドギアの向きについての指示が、ヘッドギア10が左に傾いていることを示すことがある。具体的には、ヘッドギアの向きについての指示が、加速度計18によって提供された、ヘッドギア10が左に傾いていることを示すロール測定値を含むことがある。プロセッサ68がテーブル82に問い合わせを行うと、テーブル82は、ヘッドギア10の右側のアクチュエータ(たとえば、ヘッドギア10の右側の装飾的なウサギの耳22に結合されたアクチュエータ)に伸長の命令を送信すべきである旨を示すことができる。これに加えてまたはこれに代えて、テーブル82は、(たとえば、ヘッドギア10の傾きまたはカメラ63によって提供されるユーザの顔の表情の変化に対する反応として)目46の画像を調整する命令をディスプレイ42に送信すべきである旨を示すこともできる。
【0041】
別の例として、ヘッドギア10の位置についての指示が、テーブル82によって提供される特定の出力に対応する特定のエリア(たとえば、部屋、フードコート、テーマパークの区分、円形劇場、またはテーマパークアトラクション)内にヘッドギア10が存在する旨を示すこともある。従って、テーブル82は、特定の出力を実行する(たとえば、一定パターンでライト74を発光させる)ために適切な出力装置40に送信すべき命令を与えることができる。具体例として、ヘッドギア10の位置についての指示が、ヘッドギア10がレストランまたは食べ物店(food vendor)の近くに位置する旨を示す場合には、鼻に似た延長部分に取り付けられたアクチュエータを作動させて匂いを嗅ぐ動作を模倣することができる。
【0042】
さらに別の例として、指示が別のヘッドギアの存在および/またはヘッドギア10の閾値近接範囲内に別のヘッドギアが存在することを示す場合、テーブル82は、適切な出力装置40が(たとえば、外向きのディスプレイ42を介して)認識を示す画像を表示するかまたは(たとえば、触覚装置78を使用してヘッドギア10を振動させることによって)ユーザ12に警告すべきである旨の命令を与えることができる。このような例では、プロセッサ68が、ヘッドギア10から他のヘッドギアまでの近接性(たとえば、距離)を受け取り、その近接性が閾値近接範囲(たとえば、1インチ~500フィート、6インチ~100フィート、または1フィート~10フィート)内であるかどうかを判定することができる。
【0043】
いくつかの事例では、カメラ63が、特定の出力に対応するまたは特定の出力をトリガする画像を取り込むことができる。たとえば、この画像は、バーコードまたはクイックレスポンス(QR)コード情報などの画像認識情報、キャラクタまたは漫画、および/または映画、テレビまたは漫画本などに関連するテキストを含むことができる。いくつかの事例では、プロセッサ68が、コード情報、キャラクタおよび/またはテキストを認識するために画像に画像認識プロセスを適用することができる。この画像がテーブル82内の(たとえば、映画、テレビまたは漫画に関連する)エントリに対応する場合、テーブル82は、適切な出力装置40が(たとえば、スピーカ76を使用して)音または(たとえば、アクチュエータ72を使用して)動作を生成すべきである旨の命令を与えることができる。
【0044】
これに加えてまたはこれに代えて、マイク64は、特定の出力に対応するまたは特定の出力をトリガする音を取り込むことができる。たとえば、この音は、映画、テレビまたは漫画本に関連するキーワード、発声、音響効果および/または音楽を含むことができる。いくつかの事例では、プロセッサ68が、キーワード、発声、音響効果および/または音楽を認識するために音にオーディオ認識プロセスを適用することができる。この音がテーブル82内の(たとえば、映画、テレビまたは漫画本に関連する)エントリに対応する場合、テーブル82は、適切な出力装置40が(たとえば、外向きのディスプレイ42または拡張現実装置81を介して)画像または(たとえば、アクチュエータ72を使用して)動作を表示すべきである旨の命令を与えることができる。たとえば、(たとえば、ユーザ12が発声した)「ハロー(hello)」という単語を取り込んだことに応じて、拡張現実装置81によって表示された仮想キャラクタが独自の挨拶(たとえば、手を振ること)で反応することができる。
【0045】
別の例として、光センサ65は、光の存在、または閾値輝度を上回る光の輝度レベルを検出することができる。たとえば、光の輝度レベルは、光がユーザの目にとって不快であるようなまたはユーザ12が目を細めるような過剰なものに対応することができる。光の輝度レベルが閾値輝度レベルを上回る場合、テーブル82は、適切な出力装置40が(たとえば、アクチュエータ72を使用して遮光方向に作動する遮光装置を介して)ユーザの目を遮るべきである旨の命令を与えることができる。これに加えてまたはこれに代えて、光の輝度レベルが閾値輝度レベルを上回る場合、テーブル82は、電子ディスプレイ42に細めた目を表示させる命令などの、適切な出力装置40が光のまぶしさについての指示を表示する旨の命令を与えることもできる。
【0046】
プロセスブロック96において、プロセッサ68は出力装置40に命令を送信する。ヘッドギア10が左に傾いているとの指示を受け取ったことに応じて右側のアクチュエータ72を伸ばすことを命令とする例では、プロセッサ68が、伸長または作動するための命令を右側のアクチュエータ72に送信することができる。他のヘッドギアの存在を示す指示を受け取ったことに応じてディスプレイ42上に(たとえば、映画のキャラクタの)画像を表示することを命令とする場合、プロセッサ68は、画像を表示するための命令をディスプレイ42に送信することができる。このように、プロセス90は、感知入力を受け取ったことに基づいて、出力装置40(たとえば、右側のアクチュエータ72またはディスプレイ42)に送信すべき命令を決定することができる。
【0047】
図5~
図8は、本開示の実施形態による、異なる方向に傾いたヘルメットの形態のヘッドギア10、並びにアクチュエータ110、112によって実行される結果としての出力の図である。具体的には、
図5では、ユーザ12が自身の頭部20を左に傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、z軸に平行な軸を中心とする)ロールの変化を検出する。コントローラ66は、ロールの変化についての指示またはロールの変化を示す測定値を受け取り、(テーブル82によって示されるように)右耳22に結合された右側のアクチュエータ110を作動させて右耳22をヘッドギア10の本体26から離して伸ばすべきであると判定することができる。その後、コントローラ66は、右耳22を作動させて伸ばすための命令を右側のアクチュエータ110に送信することができる。
【0048】
図6では、ユーザ12が自身の頭部20を右に傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、z軸に平行な軸を中心とする)ロールの変化を検出する。コントローラ66は、ロールの変化についての指示またはロールの変化を示す測定値を受け取り、(テーブル82によって示されるように)左耳23に結合された左側のアクチュエータ112を作動させて左耳23をヘッドギア10の本体26から離して伸ばすべきであると判定することができる。その後、コントローラ66は、左耳23を作動させて伸ばすための命令を左側のアクチュエータ112に送信することができる。この事例では、コントローラ66が、(テーブル82によって示されるように)右側のアクチュエータ110を作動させて右耳22をヘッドギア10の本体26に向けて引っ込めるべきであると判定することもできる。従って、コントローラ66は、右耳22を作動させて引っ込めるための命令を右側のアクチュエータ110に送信することもできる。
【0049】
いくつかの実施形態では、センサ14が一連の指示を感知して、これらの指示を特定の出力に関連付けることができる。たとえば、
図7および
図8には、本開示の実施形態による、ヘッドギア10が下に傾けられた後に上に傾けられたことに応じて両アクチュエータ110、112を作動させることを示す。具体的には、
図7では、ユーザ12が自身の頭部20を下に傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、x軸に平行な軸を中心とする)ピッチの変化を検出する。コントローラ66は、ピッチの変化についての指示またはピッチの変化を示す測定値を受け取ることができる。しかしながら、コントローラ66は、(たとえば、このピッチの変化のみに対応するエントリがテーブル82内に存在しないので)ヘッドギア10が下向きに傾けられたことに起因するピッチの変化のみに基づいてアクチュエータ110、112に命令を送信すべきではないと判定することができる。
【0050】
その後、
図8では、ユーザ12が、
図7で頭部20を下向きに傾けた後で上向きに傾けている。いくつかの実施形態では、ユーザ12が、自身の頭部20を下向きに傾けた後で閾値時間内に上向きに傾ける。従って、加速度計18は、指定された時間枠内での(たとえば、y軸に平行な軸を中心とする)ピッチの変化を検出する。コントローラ66は、ロールの変化についての指示またはロールの変化を示す測定値を受け取り、(テーブル82によって示されるように)耳22、23に結合されたアクチュエータ110、112を作動させて耳22、23をヘッドギア10の本体26から離して伸ばすべきであると判定することができる。すなわち、ユーザが自身の頭部20を下向きに傾けた後に閾値期間内に上向きに傾けた第1の指示が存在する場合、テーブル82は、両耳22、23を伸ばすべきである旨を示すことができる。この結果、コントローラ66は、耳22、23を作動させて伸ばすための命令をアクチュエータ110、112に送信することができる。
【0051】
図9~
図11は、本開示の実施形態による、異なる方向に傾けられたゴーグルまたはメガネの形態のヘッドギア10、並びにディスプレイ120、122によって実行される結果としての出力の図である。具体的には、
図9では、ユーザ12が自身の頭部20を下向きに傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、y軸に平行な軸を中心とする)ピッチの変化を検出する。コントローラ66は、ピッチの変化についての指示またはピッチの変化を示す測定値を受け取り、(たとえば、テーブル82によって示されるように)眠気をシミュレートするために、ディスプレイ120、122が(たとえば、
図2に示すような)目46の表示に代えてまぶた付きの目、或いは閉じようとしているようにまたは閉じているように見える目を表示するように調整すべきであると判定することができる。その後、コントローラ66は、まぶた付きの目、或いは閉じようとしているようにまたは閉じているように見える目を表示する命令をディスプレイ120、122に送信することができる。
【0052】
図10では、ユーザ12が自身の頭部20を上向きに傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、y軸に平行な軸を中心とする)ピッチの変化を検出する。コントローラ66は、ピッチの変化についての指示またはピッチの変化を示す測定値を受け取り、ディスプレイ120、122が(たとえば、
図2に示すような)目46の表示に代えて(たとえば、テーブル82によって示されるように)見上げているように見える目を表示するように調整すべきであると判定することができる。その後、コントローラ66は、見上げているように見える目を表示する命令をディスプレイ120、122に送信することができる。
【0053】
図11では、ユーザ12が自身の頭部20を左に傾けている。従って、加速度計18は(たとえば、z軸またはヘッドギア10の軸方向に平行な軸を中心とする)ロールの変化を検出する。コントローラ66は、ロールの変化についての指示またはロールの変化を示す測定値を受け取り、左側のディスプレイ122が(たとえば、
図2に示すような)目46の表示に代えて閉じたまたはウインクしている目126を表示するように調整し、右側のディスプレイ120が(たとえば、テーブル82によって示されるように)開いた目124を表示すべきであると判定することができる。その後、コントローラ66は、閉じたまたはウインクしている目126を表示する命令を左側のディスプレイ122に送信し、開いた目124を表示する命令を右側のディスプレイ120に送信することができる。同様に、ユーザが自身の頭部20を右に傾けた場合、コントローラ66は、開いた目124を表示する命令を左側のディスプレイ122に送信し、(たとえば、
図2に示すような)目46の表示に代えて閉じた目またはウインクしている目126を表示するように調整する命令を右側のディスプレイ120に送信することができる。
【0054】
図12は、本開示の実施形態による、別のヘッドギア140の存在範囲内のヘルメットの形態のヘッドギア10、並びにアクチュエータ110、112によって実行される結果としての出力の図である。具体的には、ヘッドギア10の無線受信機16が、他のヘッドギア140の無線送信機142から信号141を受け取ることができる。たとえば、無線送信機142は、他のヘッドギア140の識別情報および/またはタイミング情報を含む赤外線信号または無線信号を定期的または連続的に送信することができる。ヘッドギア10の無線受信機16は、この識別情報を受け取ることができ、コントローラ66は、識別情報に基づいて出力装置40に送信すべき命令を決定することができる。いくつかの実施形態では、異なる識別情報に基づいて出力装置40に異なる命令を送信し、他のヘッドギア(たとえば、ヘッドギア140)を装着している異なるユーザのためにユーザ12が異なる出力をカスタマイズすることを可能にすることができる。
【0055】
いくつかの事例では、ヘッドギア10の無線受信機16がタイミング情報(たとえば、無線送信機142からいつ信号141が送信されたかについてのタイムスタンプに関連する情報)を受け取ることができ、コントローラ66が、無線受信機16によるタイミング情報の受信時刻と、信号141がいつ送信されたかについてのタイムスタンプとに基づいて、無線送信機142までの距離を決定することができる。その後、コントローラ66は、無線送信機142までの距離に基づいて(たとえば、距離が閾値以内であるかどうかに応じて)、出力装置40に送信すべき命令を決定することができる。
【0056】
図示の例では、コントローラ66が、信号141を受け取ると、アクチュエータ110、112に耳22、23を「小刻みに動かす」命令を送信する(たとえば、耳22、23をヘッドギア10の本体26から離して伸ばすことと、本体26に向けて引っ込めることをアクチュエータ110、112に交互に行わせる)。具体的には、
図12には、(たとえば、テーブル82が信号141内の識別情報と耳22、23を小刻みに動かす命令とを対応付けていることに基づいて)コントローラ66が左側のアクチュエータ112に左耳23を作動させて伸ばすようにする様子を示す。従って、左側のアクチュエータ112は左耳23を作動させて伸ばす。また、コントローラ66は、他のヘッドギア140の存在を示す信号を受け取ったことに応じて、対応する信号146を他のヘッドギア140の無線受信機148に送信するようにヘッドギア10の無線送信機144に命令することができる。対応する信号146は、他のヘッドギア140のアクチュエータ110、112を作動させて耳を小刻みに動かすことができる。具体的には、
図12は、他のヘッドギア140の左側のアクチュエータ150が他のヘッドギア140の左耳152を作動させて伸ばす様子を示す。なお、アクチュエータ110、112、150に小刻みに動かすように命令すること、およびそれ以前に示したその他の作動は一例であり、出力装置40が生成できるいずれかの好適な出力または作動が想定されると理解されたい。
【0057】
図13は、本開示の実施形態による、位置信号を受け取るメガネの形態のヘッドギア10、並びに電子ディスプレイ42によって実行される結果としての出力の図である。具体的には、ヘッドギア10の位置センサ62は、位置特定システム162(たとえば、GPSシステムおよび/またはGPS衛星)から1以上の位置信号160(たとえば、1以上のGPS信号)を受け取ることができる。従って、コントローラ66は、位置信号160に基づいてヘッドギア10の位置についての指示を受け取り、この位置に基づいて出力装置40に送信すべき命令を決定することができる。たとえば、ユーザ12は、頻繁に訪れているまたはユーザ12のお気に入りとして示されたエリア(たとえば、ユーザの好みの映画ジャンルに関連するテーマパークのエリア)に入ることができる。図示の例では、コントローラ66が、位置信号160を受け取ると、(たとえば、テーブル82が位置信号160内で示される場所とハートを表示する命令とを対応付けていることに基づいて)ハートの画像164を表示する命令をヘッドギア10のディスプレイ42に送信する。従って、ディスプレイ42はハート164を表示する。なお、ディスプレイ42にハート164を表示するように命令することは一例であり、出力装置40が生成できるいずれかの好適な出力または画像が想定されると理解されたい。
【0058】
図14は、本開示の実施形態による、画像を受け取るメガネの形態のヘッドギア10、並びに電子ディスプレイ42によって実行される結果としての出力の図である。具体的には、ヘッドギア10を装着したユーザ12が、グラフィック、文字、テキスト、標識、ポスター、構造物(たとえば、窓枠または建物)、コード(たとえば、バーコードまたはQRコード)などの対象物180を見詰めまたは観察することができる。
図14では、対象物180を星として示す。ヘッドギア10のカメラ63は、ユーザの視界または視点とほぼ整列しており、対象物180の1以上の画像を取り込むことができる。その後、コントローラ66は、対象物180の画像を受け取り、画像に基づいて出力装置40に送信すべき命令を決定することができる。いくつかの事例では、プロセッサ68が、対象物180(たとえば、顔)を認識するために画像に画像認識処理を適用することができる。図示の例では、コントローラ66が、対象物180の画像を受け取ると、(たとえば、テーブル82が対象物180と対象物180を表示する命令とを対応付けていることに基づいて)対象物180の画像を表示する命令をヘッドギア10のディスプレイ42に送信する。従って、ディスプレイ42は星を表示し、これは対象物180の観察後に一定期間にわたって維持することも、或いは基本的に対象物180を観察している間だけ維持することもできる。なお、対象物180を表示するようにディスプレイ42に命令することは一例であり、出力装置40が生成できるいずれかの好適な出力または画像が想定されると理解されたい。
【0059】
本開示で説明した実施形態は様々な修正および代替形態が可能であるが、図面には特定の実施形態を一例として示し、本明細書ではこれらについて詳細に説明した。しかしながら、本開示は、開示した特定の形態に限定されるように意図したものではないと理解されたい。本開示は、以下の添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の趣旨および範囲内にある全ての修正物、同等物および代替物を対象とする。
【0060】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のものまたは純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物および具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」または「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法第112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むいずれかの請求項については、このような要素を米国特許法第112条(f)に従って解釈すべきではない。