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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】自動車用のラジエーターグリル
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/00 20060101AFI20241128BHJP
   B60R 19/52 20060101ALI20241128BHJP
   F16B 37/04 20060101ALI20241128BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20241128BHJP
   F21S 43/19 20180101ALN20241128BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20241128BHJP
【FI】
B60R13/00
B60R19/52 Z
F16B37/04 W
F16B21/08
F21S43/19
F21W104:00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023119667
(22)【出願日】2023-07-24
(65)【公開番号】P2024025678
(43)【公開日】2024-02-26
【審査請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】63/397,652
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514008468
【氏名又は名称】巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呉 柏樺
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05798691(US,A)
【文献】実開平06-085919(JP,U)
【文献】登録実用新案第3198701(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00- 1/56
B60R 13/00
19/52
F16B 21/08
37/04
F21S 43/19
F21W 102/00
103/00
104/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の前端に装設される自動車用のラジエーターグリルにおいて、
中空領域を取り囲むフレーム、
前記中空領域に設けられるグリルネットであって、複数のメッシュを有し、これらのメッシュが前記グリルネットのグリルネット前側とグリルネット後側を連通させるグリルネット、
本体及び光源を有し、前記本体が本体正面と本体裏面を有し、前記光源が前記本体正面に設けられ、且つ、前記本体が、前記グリルネット前側に設けられるとともに、前記本体裏面で前記グリルネット前側に接続する表示ランプ、
前記グリルネット後側に設けられる固定部材、及び
前記メッシュのうちの1つを貫通して前記本体裏面及び前記固定部材に接続されることで、前記グリルネットを前記本体と前記固定部材の間に挟持する固定ロッド、を含み、
前記固定ロッドは前記本体裏面に取り外し可能に接続され、前記本体裏面には複数の挿入孔が設けられており、且つ、前記固定ロッドは選択可能にこれらの挿入孔のうちの1つに挿設される自動車用のラジエーターグリル。
【請求項2】
前記表示ランプは、更に、前記本体裏面から突出して対応する前記メッシュを貫通する位置決めロッドを含む請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項3】
前記表示ランプは、更に、前記本体裏面から突出して対応する形状の前記メッシュに嵌入する位置決め突起を含む請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項4】
前記固定ロッドはボルトであり、且つ前記固定部材はナットである請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項5】
前記固定ロッドはボルトであり、且つ前記固定部材はナットを含む手締め固定部材であり、前記手締め固定部材は、更に、前記ナットに結合されるカップ状の手締め部を有する請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項6】
前記固定部材は前記グリルネット後側に設けられるプレートであり、前記固定ロッドは前記固定部材を貫通して前記本体裏面に係入されるボルトである請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項7】
前記自動車用のラジエーターグリルは複数の前記表示ランプ及び複数の前記固定ロッドを有し、これらの固定ロッドは、前記グリルネットを貫通して対応する本体裏面及び対応する固定部材に接続されることで、前記グリルネットをこれらの表示ランプとこれらの固定部材の間に挟持する請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項8】
更に、前記グリルネット前側に設けられるとともに、前記グリルネット前側と前記本体裏面の間に位置するスペーサーを含む請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項9】
前記スペーサーのパッド裏面は前記グリルネット前側の弧度に適合しており、且つ、前記スペーサーのパッド正面は前記本体裏面の弧度に適合している請求項に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項10】
前記スペーサーは、更に、パッド裏面から突出して対応する前記メッシュを貫通する位置決めロッドを含む請求項に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項11】
前記スペーサーは、更に、パッド裏面から突出して対応する形状の前記メッシュに嵌入する位置決め突起を含む請求項に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項12】
前記固定ロッドは前記本体裏面から延伸しており、且つ、前記固定部材は、前記固定ロッドの末端から突出し、対応する前記メッシュを貫通して前記グリルネット後側に掛合するフックである請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項13】
前記固定部材は中央に掛合孔を有する環状の掛合部材であり、前記掛合孔の辺縁には、前記固定ロッドの表面に掛合する複数の弾性掛合プレートが形成されている請求項1に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【請求項14】
前記固定ロッドの表面には、前記弾性掛合プレートを掛入するために少なくとも1つの環状溝が形成されている請求項13に記載の自動車用のラジエーターグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品に関し、特に、自動車用のラジエーターグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のラジエーターグリルは、ラジエーターを保護するだけでなく、付加的な表示ランプを加えて装飾効果又は表示機能を提供することも可能である。
【0003】
一般的に、上記の表示ランプは、いずれも自動車メーカー又はラジエーターグリルメーカーによって表示すべき文字や図柄が決定されたあと作製される。通常、表示すべき文字や図柄は、ブランド名、エンブレム又は特定モデルを表す文字や図柄である。メーカーは、特定のテーマに応じて表示すべき文字や図柄を設定する場合もある。
【0004】
上記の決まった文字や図柄は、必ずしも消費者/自動車ユーザーに好まれはしない。また、消費者/自動車ユーザーが、その他の文字や図柄を有するラジエーターグリルを市場から購入可能であったとしても、それらの文字や図柄が消費者/自動車ユーザーに好まれるとは限らない。
【0005】
そのほか、ラジエーターグリルの製造工場にとっては、同じ規格であっても文字や図柄が異なるものは別の製品となる。ラジエーターグリルの製造工場は、製品別に在庫を準備しておき、市場のニーズに対応する必要がある。しかし、このような在庫は余計なコストを発生させる。また、製品別に必要な在庫量を決定することは容易でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題に鑑みて、本発明は、表示ランプを容易に交換可能な自動車用のラジエーターグリルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動車の前端に装設される自動車用のラジエーターグリルを提供する。自動車用のラジエーターグリルは、フレーム、グリルネット、表示ランプ、固定部材及び固定ロッドを含む。グリルネットは中空領域に設けられる。グリルネットは複数のメッシュを有する。且つ、これらのメッシュは、グリルネットのグリルネット前側とグリルネット後側を連通させる。表示ランプは本体及び光源を有する。本体は本体正面と本体裏面を有する。光源は本体正面に設けられる。且つ、本体は、グリルネット前側に設けられるとともに、本体裏面でグリルネット前側に接触する。固定部材はグリルネット後側に設けられる。固定ロッドは、前記メッシュのうちの1つを貫通して本体裏面及び固定部材に接続されることで、グリルネットを本体と固定部材の間に挟持する。
【0008】
少なくとも一実施例において、固定ロッドは本体裏面に取り外し可能に接続される。本体裏面には複数の挿入孔が設けられており、且つ、固定ロッドは選択可能にこれらの挿入孔のうちの1つに挿設される。
【0009】
少なくとも一実施例において、表示ランプは、更に、本体裏面から突出して対応するメッシュを貫通する位置決めロッドを含む。
【0010】
少なくとも一実施例において、表示ランプは、更に、本体裏面から突出して対応する形状のメッシュに嵌入する位置決め突起を含む。
【0011】
少なくとも一実施例において、表示ランプは、更に、本体裏面に位置する突出ロッドを含み、且つ、固定ロッドが突出ロッドに接続される。
【0012】
少なくとも一実施例において、固定ロッドはボルトであり、且つ固定部材はナットである。
【0013】
少なくとも一実施例において、固定ロッドはボルトであり、且つ固定部材はナットを含む手締め固定部材である。手締め固定部材は、更に、ナットに結合されるカップ状の手締め部を有する。
【0014】
少なくとも一実施例において、固定部材はグリルネット後側に設けられるプレートであり、固定ロッドは固定部材を貫通して本体裏面に係入されるボルトである。
【0015】
少なくとも一実施例において、自動車用のラジエーターグリルは複数の表示ランプ及び複数の固定ロッドを有する。これらの固定ロッドは、グリルネットを貫通して対応する本体裏面及び対応する固定部材に接続されることで、グリルネットをこれらの表示ランプとこれらの固定部材の間に挟持する。
【0016】
少なくとも一実施例において、自動車用のラジエーターグリルは、更に、グリルネット前側に設けられるとともに、グリルネット前側と本体裏面の間に位置するスペーサーを含む。
【0017】
少なくとも一実施例において、スペーサーのパッド裏面はグリルネット前側の弧度に適合しており、且つ、スペーサーのパッド正面は本体裏面の弧度に適合している。
【0018】
少なくとも一実施例において、スペーサーは、更に、パッド裏面から突出して対応するメッシュを貫通する位置決めロッドを含む。
【0019】
少なくとも一実施例において、スペーサーは、更に、パッド裏面から突出して対応する形状のメッシュに嵌入する位置決め突起を含む。
【0020】
少なくとも一実施例において、固定ロッドは本体裏面から延伸している。且つ、固定部材は、固定ロッドの末端から突出し、対応するメッシュを貫通してグリルネット後側に掛合するフックである。
【0021】
少なくとも一実施例において、固定部材は中央に掛合孔を有する環状の掛合部材であり、掛合孔の辺縁には、固定ロッドの表面に掛合する複数の弾性掛合プレートが形成されている。
【0022】
少なくとも一実施例において、固定ロッドの表面には、弾性掛合プレートを掛入するために少なくとも1つの環状溝が形成されている。
【発明の効果】
【0023】
上記のように組み合わせることで、ユーザーは、ラジエーターグリルの工場出荷時の構成に制限されることなく、取り外し可能な表示ランプを迅速に自身で交換して、自身が必要とする文字又は図柄の組み合わせにアレンジすることが可能となる。同様に、製造工場は、文字や図柄の組み合わせが異なるラジエーターグリルについて個別にストックする必要がなくなり、注文に対する出荷及び組み立て時に対応する文字及び図柄の組み合わせを装着するだけでよいため、在庫圧力が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の第1実施例の斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施例における一部部材の分解斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施例における一部部材の分解斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施例における一部部材の概略断面図である。
図5図5は、本発明の第1実施例における一部部材の概略断面図である。
図6図6は、本発明の第1実施例における一部部材の別の概略断面図である。
図7図7は、本発明の第2実施例における一部部材の分解図である。
図8図8は、本発明の第2実施例における一部部材の別の分解図である。
図9図9は、本発明の第3実施例における一部部材の分解図である。
図10図10は、本発明の第3実施例における一部部材の概略断面図である。
図11図11は、本発明の第4実施例における一部部材の分解図である。
図12図12は、本発明の第4実施例における一部部材の概略断面図である。
図13図13は、本発明の第4実施例における一部部材の別の分解図である。
図14図14は、本発明の具体的実施例における一部部材の分解図である。
図15図15は、本発明の具体的実施例における一部部材の概略断面図である。
図16図16は、本発明の別の具体的実施例における固定部材の平面図である。
図17図17は、上記具体的実施例における一部部材の断面の概略分解図である。
図18図18は、上記具体的実施例における一部部材の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図2及び図3を参照する。これらは、本発明の第1実施例で提供する自動車用のラジエーターグリル100であり、自動車の前端に装設される。自動車用のラジエーターグリル100は、フレーム110、グリルネット120、表示ランプ130、固定ロッド140及び固定部材150を含む。
【0026】
図1及び図2に示すように、フレーム110は中空領域110aを取り囲む。グリルネット120は中空領域110a内に設けられる。グリルネット120は、複数のメッシュ121を有する。且つ、これらのメッシュ121は、グリルネット120のグリルネット前側120aとグリルネット後側120bを連通させる。これらのメッシュ121は、同じ形態を有していてもよいし、専用の接続部材と連携するために一部のメッシュ121が特定の形態を有していてもよい。
【0027】
図1図2図4及び図5に示すように、表示ランプ130は本体131及び光源132をそれぞれ有する。光源132は本体131の本体正面131aに設けられる。本体131は、グリルネット前側120aに設けられるとともに、本体裏面131bでグリルネット前側120aに接触する。具体的に、本体裏面131bの弧度は、本体131がグリルネット前側120aに密接に付着し得るよう、グリルネット前側120aの弧度に適合させてもよい。
【0028】
図4及び図5に示すように、固定ロッド140は、一端が本体裏面131bに接続され、他端がメッシュ121からグリルネット120を貫通する。固定部材150は、グリルネット120のグリルネット後側120bに設けられる。また、固定部材150は、固定ロッド140に結合されることで、グリルネット120を表示ランプ130と固定部材150の間に挟持する。これにより、表示ランプ130がグリルネット前側120aに固定される。
【0029】
図1図4及び図5に示すように、自動車用のラジエーターグリル100は、複数の表示ランプ130及び複数の固定ロッド140を同時に有してもよい。これらの固定ロッド140は、グリルネット120を貫通して対応する本体裏面131b及び対応する固定部材150に接続されることで、グリルネット120を複数の表示ランプ130と複数の固定部材150の間に挟持する。つまり、複数の表示ランプ130は、取り外し可能にグリルネット前側120aに固定される。
【0030】
図4及び図5に示すように、具体的に、固定ロッド140がボルトであり、固定部材150がナットであってもよい。或いは、固定部材150はナット154を含む手締め固定部材であり、ユーザーが固定部材150を回動させられるよう、ナット154に結合されるカップ状の手締め部151を有していてもよい。ボルトは、一端が本体131の本体裏面131b内に埋設され、他端の表面に雄ネジが設けられる。また、固定ロッド140を挿入するために、固定部材150には対応する固定孔152が備わっている。且つ、固定孔152は、固定部材150を螺着方式でボルトに結合し得るようネジ孔となっている。
【0031】
図2図3図4及び図5に示すように、表示ランプ130の位置決め及び装着に有利となるよう、表示ランプ130は更に位置決め構造を含む。位置決め構造は、本体裏面131bから突出する位置決めロッド133又は位置決め突起134としてもよい。位置決め構造は、表示ランプ130の装着及び位置決めを補助し、表示ランプ130を一時的にグリルネット120に固定するよう、適合するメッシュ121を貫通可能である。
【0032】
図2及び図3に示すように、位置決め構造が位置決めロッド133の場合、位置決めロッド133は本体裏面131bから突出する。位置決めロッド133は、対応するメッシュ121を貫通することで、表示ランプ130の装着及び位置決めを補助し、固定部材150が固定ロッド140に接続されるまで、表示ランプ130を一時的にグリルネット120に掛けるために用いられる。
【0033】
図2図3図4及び図5に示すように、位置決め構造が位置決め突起134の場合、位置決め突起134は、本体裏面131bから突出して対応する形状のメッシュ121に嵌入する。位置決め突起134は、対応するメッシュ121に嵌入して表示ランプ130の位置決めを補助することで、グリルネット120上の所定位置に一時的に固定可能とする。位置決め突起134は、特に、グリルネット120と表示ランプ130がセットで設置される組み合わせに適用される。位置決め突起134が特定形態のメッシュ121と連携することで、表示ランプ130を正しい装着位置に位置決め可能となる。説明すべき点として、位置決めロッド133と位置決め突起134は、択一的に1つの表示ランプ130に設けてもよいし、同一の表示ランプ130に位置決めロッド133と位置決め突起134を同時に配置してもよい。
【0034】
また、図6に示すように、具体的実施例において、表示ランプ130が本体裏面131bに位置する突出ロッド135を更に含み、固定ロッド140が突出ロッド135に接続されてもよい。固定部材150がナットの場合、突出ロッド135はグリルネット120のグリルネット後側120bから突出しない。また、固定部材150が手締め固定部材の場合には、突出する突出ロッド135をカップ状の手締め部151が覆う。
【0035】
図7及び図8に示すように、本発明の第2実施例において、固定ロッド140は本体裏面131bに取り外し可能に接続される。且つ、本体裏面131bには複数の挿入孔131cが設けられている。固定的に設置される固定ロッド140の場合には、表示ランプ130をグリルネット120の所定位置に固定する際に、固定的に設置される固定ロッド140がグリルネット120の実体部分に邪魔されてメッシュ121を貫通できないことがある。この場合には、表示ランプ130をグリルネット120の所定位置に固定することができない。これに対し、図6及び図7の第2実施例では、本体裏面131bに複数の挿入孔131cが設けられている。そのため、グリルネット120に遮蔽されない挿入孔131cを選択し、遮蔽されない挿入孔131cに固定ロッド140を選択的に挿設可能となる。
【0036】
図9及び図10に示すように、本発明の第3実施例において、固定部材150はグリルネット後側120bに設けられるプレートである。複数の固定ロッド140は、メッシュ121を経由してグリルネット120を貫通し、複数の本体131の本体裏面131b及び固定部材150に接続されることで、グリルネット120を表示ランプ130と固定部材150の間に挟持する。具体的実施例において、各固定ロッド140は固定部材150を貫通して本体裏面131bに係入されるボルトである。即ち、第3実施例では、1つの固定部材150が複数の表示ランプ130に同時に対応し、1つの固定部材150と複数の固定ロッド140(ボルト)との組み合わせによって複数の表示ランプ130を同時に固定する。
【0037】
図11及び図12を参照する。本発明の第4実施例において、自動車用のラジエーターグリル100は、更に、グリルネット前側120aに設けられるとともに、グリルネット前側120aと本体裏面131bの間に位置するスペーサー160を含む。
【0038】
図11及び図12に示すように、スペーサー160のパッド裏面162はグリルネット前側120aの弧度に適合しており、且つ、スペーサー160のパッド正面161は本体裏面131bの弧度に適合している。スペーサー160のパッド正面161とパッド裏面162は、ラジエーターグリル100の型番及び表示ランプ130に応じて弧度を変更してもよい。これにより、異なる型番のラジエーターグリル100のグリルネット前側120aに表示ランプ130が適合し得ないとの問題が回避される。よって、本体裏面131bの弧度がグリルネット前側120aの弧度に適合している必要はなく、スペーサー160を交換すれば、異なる弧度を有するグリルネット120に表示ランプ130を固定可能となる。表示ランプ130の固定方式には、前述した各実施例の固定方式を使用可能である。そのほか、スペーサー160は、表示ランプ130ごとにそれぞれ設けてもよいし、スペーサー160を長尺のプレートとして、1つのスペーサー160が同時に複数の表示ランプ130と連携してもよい。
【0039】
図11図12及び図13に示すように、スペーサー160の位置決め及び装着に有利となるよう、スペーサー160に位置決め構造を配置してもよい。位置決め構造は、パッド裏面162から突出する位置決めロッド133又は位置決め突起134としてもよい。位置決め構造は、スペーサー160の装着及び位置決めを補助し、スペーサー160を一時的にグリルネット120に固定するよう、適合するメッシュ121を貫通可能である。
【0040】
図11及び図12に示すように、位置決め構造が位置決め突起134の場合、位置決め突起134は、パッド裏面162から突出して対応する形状のメッシュ121に嵌入する。説明すべき点として、位置決めロッド133と位置決め突起134は、択一的に1つのスペーサー160に設けてもよいし、同一のスペーサー160に位置決めロッド133と位置決め突起134を同時に配置してもよい。
【0041】
図13に示すように、同様に、位置決め構造が位置決めロッド133の場合、位置決めロッド133はパッド裏面162から突出する。位置決めロッド133は、対応するメッシュ121を貫通することで、表示ランプ130の装着及び位置決めを補助し、固定部材150が固定ロッド140に接続されるまで、表示ランプ130を一時的にグリルネット120に掛けるために用いられる。
【0042】
図14及び図15を参照する。具体的実施例において、固定ロッド140は本体裏面131b又はスペーサーのパッド裏面から延伸している。且つ、固定部材150は、固定ロッド140の末端から突出し、対応するメッシュ121を貫通してグリルネット後側120bに掛合するフックである。実際には、固定ロッド140と固定部材150は、本体131の本体裏面131b又はスペーサー160のパッド裏面162に一体的に成形されて、本体131又はスペーサー160自体に備わる掛合部材となり、本体131又はスペーサー160をグリルネット120に直接掛合可能とする。つまり、表示ランプ130(及び本体131)を埋め込みランプとすることで、固定のための追加の部材を不要とする。
【0043】
図16図17及び図18を参照する。具体的実施例において、固定部材150は、中央に掛合孔153を有する環状の掛合部材である。且つ、掛合孔153の辺縁には、固定ロッド140の表面に掛合する複数の弾性掛合プレート153aが形成されている。固定ロッド140の表面には、これらの弾性掛合プレート153aを掛入するために少なくとも1つの環状溝141が形成されている。弾性掛合プレート153aはナットの代わりとなるため、例えば単純に手で押圧するというように、工具を必要とせずに迅速に固定可能である。手動での操作に有利となるよう、弾性掛合プレート153aの外部には、手に馴染む把持部をオーバーモールドにより形成してもよい。
【0044】
上記のように組み合わせることで、ユーザーは、ラジエーターグリル100の工場出荷時の構成に制限されることなく、取り外し可能な表示ランプ130を迅速に自身で交換して、自身が必要とする文字又は図柄の組み合わせにアレンジすることが可能となる。同様に、製造工場は、文字や図柄の組み合わせが異なるラジエーターグリル100について個別にストックする必要がなくなり、注文に対する出荷及び組み立て時に対応する文字及び図柄の組み合わせを装着するだけでよいため、在庫圧力が低下する。
【符号の説明】
【0045】
100 自動車用のラジエーターグリル
110 フレーム
110a 中空領域
120 グリルネット
121 メッシュ
120a グリルネット前側
120b グリルネット後側
130 表示ランプ
131 本体
131a 本体正面
131b 本体裏面
131c 挿入孔
132 光源
133 位置決めロッド
134 位置決め突起
140 固定ロッド
141 環状溝
150 固定部材
151 手締め部
152 固定孔
153 掛合孔
153a 弾性掛合プレート
154 ナット
160 スペーサー
161 パッド正面
162 パッド裏面
図1
図2
図3
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