(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】フロートスイッチ、及び空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
G01F 23/62 20060101AFI20241128BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01F23/62 A
F24F1/0007 401E
(21)【出願番号】P 2023140774
(22)【出願日】2023-08-31
【審査請求日】2023-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 陽介
(72)【発明者】
【氏名】渋沢 遼
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-2580(JP,A)
【文献】特開2023-67309(JP,A)
【文献】特開2018-189505(JP,A)
【文献】特開平7-198455(JP,A)
【文献】実開平4-122326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/30-23/76
F24F 13/20
H01H 35/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状部材と、
内部を貫通する第1の孔を有し、当該第1の孔に前記軸状部材が挿通し、水位によって前記軸状部材の軸方向に上下移動するフロートと、
前記フロートの前記軸状部材の軸方向の位置に応じてオンとオフとが切り替わるリードスイッチと、
水位が低下した際に少なくとも一部が前記第1の孔に入り込んで前記軸状部材と前記フロートとの間に位置する第1突起部と水位が低下した際に前記フロートに接触する第2突起部とを有する支持部材と、
を備え
、
前記第2突起部は、前記第1突起部よりも高さが低いことを特徴とするフロートスイッチ。
【請求項2】
前記第1突起部は、前記軸状部材の軸方向の上側に向かって先細りとなる形状であることを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項3】
前記第1突起部は、前記軸状部材の軸方向の上側に向かって前記フロートとのクリアランスが大きくなることを特徴とする請求項2に記載のフロートスイッチ。
【請求項4】
前記支持部材は前記第1突起部と前記第2突起部をそれぞれ複数有し、
前記第1突起部と前記第2突起部は同じ数であることを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項5】
前記支持部材は前記第1突起部と前記第2突起部をそれぞれ4つ以上有することを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項6】
前記支持部材は、周方向において、前記第1突起部及び前記第2突起部が配置された部分に比べ、前記第1突起部及び前記第2突起部が配置されていない部分のほうが長いことを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項7】
前記第1突起部と前記第2突起部は半径方向において少なくとも一部が重なることを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項8】
前記第1突起部は、前記第1の孔に入り込んだ際には前記軸状部材との間で間隔をとりうるクリアランスを有することを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項9】
前記軸状部材の下部には当該軸状部材の周方向に凹部が形成されていて、
前記支持部材は、内部に第2の孔が形成されていて、
前記第2の孔は、前記凹部と係合することを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項10】
前記軸状部材の軸方向において、前記第1突起部は前記凹部より長く、前記第2突起部は前記凹部より短いことを特徴とする請求項9に記載のフロートスイッチ。
【請求項11】
前記支持部材は、前記第2の孔の内径部と前記凹部との間で間隔をとりうるクリアランスを有することを特徴とする請求項9に記載のフロートスイッチ。
【請求項12】
前記支持部材の外径サイズが前記第1の孔の外径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項13】
前記第2突起部は、前記第1突起部よりも前記支持部材の外径側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチ。
【請求項14】
室内空気と冷媒との間で熱交換する室内熱交換器と、
前記室内空気を機内に取り込む送風ファンと、
前記室内熱交換器及び前記送風ファンを用いて行う空気調和の際に発生する水分が貯留される貯留部と、
前記貯留部に貯留される水分を外部に排出するポンプと、
前記ポンプの近傍に配置されて、前記水分の前記貯留部内における水位を検出することを特徴とする請求項1に記載のフロートスイッチとを備えていることを特徴とする空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートスイッチ、及び空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2000-2580号公報(特許文献1)がある。この公報には、「支柱に昇降自在にフロートを取り付ける。支柱の下端部にフロートストッパを取り付ける。フロートストッパを3個のフロート停止ブロックと、1個の保持リングとから構成する。フロート停止ブロックの上部を三角錐体から構成する。この三角錐体の中央部稜線により、フロートの貫通孔の縁部を支持し、フロートを停止させる。稜線でフロートを支持するから、フロートとの接触が点接触になる。これにより、液切れが良くなり、液溜まりの発生が抑えられる。フロートと支柱との中心が一致するようになり、これらの隙間均一になる。隙間が狭くなることがないので、液溜まりの発生が抑えられる。液溜まりがなくなるので、付着液の乾燥によるフロートの固着が防止される。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の技術は、異音の発生やフロートの固着を抑制するという観点からは改善の余地があった。
そこで、本発明は、異音の発生やフロートの固着を抑制することができるフロートスイッチ、及び空気調和機の室内機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、軸状部材と、内部を貫通する第1の孔を有し、当該第1の孔に前記軸状部材が挿通し、水位によって前記軸状部材の軸方向に上下移動するフロートと、前記フロートの前記軸状部材の軸方向の位置に応じてオンとオフとが切り替わるリードスイッチと、水位が低下した際に少なくとも一部が前記第1の孔に入り込んで前記軸状部材と前記フロートとの間に位置する第1突起部と水位が低下した際に前記フロートに接触する第2突起部とを有する支持部材と、を備え、前記第2突起部は、前記第1突起部よりも高さが低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、異音の発生やフロートの固着を抑制することができるフロートスイッチ、及び空気調和機の室内機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例である空気調和機の概略構成を示す系統図である。
【
図2】本発明の一実施例である空気調和機の室内機の一部を切り欠いてその内部示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るフロートスイッチの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るフロートセンサの下部位置の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るフロートセンサにおける軸状部材の下部部分の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るフロートセンサにおけるCリングの斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るフロートセンサの下部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例(実施形態)について図面を用いて説明する。なお、下記に説明する図面の中には上下方向を示す矢印を記載する場合があるが、これは説明の便宜上のものであって、本発明を限定するものではない。
【0009】
図1は、本発明の一実施例である空気調和機の概略構成を示す系統図である。空気調和機100は、例えばヒートポンプ技術によって室内の空気調和を行う装置である。本実施例の空気調和機100は冷房、暖房を行うことができるが、本発明の空気調和機を冷房専用、暖房専用の空気調和機として構成してもよい。
本実施例の空気調和機100は、室外機51と、室内機52とを備えている。室外機51は、冷媒を圧縮する圧縮機3と、冷媒の流れの向きを切り替える四方弁4と、室外空気と冷媒との間で熱交換する室外熱交換器5と、室外空気を室外機51の内部に取り込むプロペラファン6と、冷媒を膨張させる膨張弁7とを備えている。
【0010】
室内機52は、室内空気と冷媒との間で熱交換する室内熱交換器8と、室内空気を室内機52の内部に取り込む送風ファン(貫流ファン)9とを備えている。
また、室外機51において、圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器5、膨張弁7、および、室内熱交換器8は、配管10で接続されており、配管10を介して冷媒が各機器を循環することができる。冷媒としては、R410AやR32等の様々な冷媒が使用することができる。
【0011】
空気調和機100の冷房運転時において、四方弁4は、
図1の実線で示すような接続状態とされる。この場合、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器5、膨張弁7、室内熱交換器8の順に流れ、再び圧縮機3に循環するようになっている(
図1の実線矢印参照)。一方、空気調和機100の暖房運転時において、四方弁4は、
図1の破線で示すような接続状態とされる。この場合、圧縮機3から吐出された冷媒は、室内熱交換器8、膨張弁7、室外熱交換器5の順に流れ、再び圧縮機3に循環する(
図1の破線矢印参照)。
【0012】
室外機51の内部では、室外空気がプロペラファン6によって吸引されて室外熱交換器5を通過することによって、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。また、室内機52の内部では、室内空気が送風ファン9によって吸引されて室内熱交換器8を通過することによって、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。そして、空気調和機100は、冷媒と熱交換することによって加熱または冷却された室内空気である調和空気を吹出して、室内の空調を行う。
【0013】
図2は、室内機の一部を切り欠いてその内部を示した斜視図である。室内機52内には空気調和機100の室内熱交換器8及び送風ファン9を用いて行う空気調和、具体的は、冷房運転の際に発生するドレン水(水分)を貯留するドレンパン11(貯留部)が設けられている。ドレンパン11内には、ドレン水を排出する排水用ドレンポンプ12(ポンプ)が設けられていて、排水用ドレンポンプ12は、ドレンパン11内のドレン水を外部に排出する。ドレンパン11内の排水用ドレンポンプ12内の近傍には、ドレンパン11内のドレン水の水位を検出する検出装置であるフロートスイッチ1が設けられている。
【0014】
ところで、後記するように、フロートスイッチ1は、軸状部材22と、内部、本実施例で中央部を貫通する孔23を有し、当該孔23に軸状部材22が挿通していて、水に浮くフロート24と、を備える構成である。
【0015】
フロート24は、ドレンパン11内でドレン水に浮き、ドレン水の水位によって軸状部材22の軸方向に上下移動する。そして、フロートスイッチ1の近傍には排水用ドレンポンプ12が存在している。そのため、排水用ドレンポンプ12を駆動する際に発生する振動はフロートスイッチ1にも伝わる。これによって、当該振動によりフロート24が頻繁に軸状部材22に当接し、もって、耳障りな異音が発生するという不具合がある。フロートスイッチ1は室内機52内に配置されている。つまり、フロートスイッチ1は室内に配置されているので、この異音の発生は軽視することができない。ドレンパン11内の水位が高い際には、フロート24が軸状部材22に当接しても、それによって発生する音は大量のドレン水に吸収されて、大きな問題にはなりにくいかもしれない。しかしながら、ドレンパン11内の水位が低い際には、ドレンパン11内のドレン水が少なく、フロート24が軸状部材22に当接して発生する異音はドレン水にあまり吸収されないので、外部に響きやすく、大きな問題になりやすい。
【0016】
これに対して、前記特許文献1の技術では、フロートスイッチが発生する異音の問題に対して何の対策も提示されておらず、改善の余地があった。
【0017】
また、後記するように、フロート24が軸状部材22から脱落するのを防止する部材が設けられている(Cリング32)。しかし、ドレンパン11内の水位が長期にわたって低下していると、フロート24がCリング32に固着してしまう恐れがあるという不具合もある。
【0018】
以下では、これらの課題を改善したフロートスイッチ1の構成及び作用効果について詳細に説明する。
【0019】
図3は、本実施例に係るフロートスイッチの斜視図である。同フロートスイッチ1における下部部分の詳細な構造については、
図3においては省略されている。
このフロートスイッチ1は、例えば円柱状の軸状部材22と、内部、本実施例では中央部を貫通する第1の孔23(例えば丸孔)を有し、当該第1の孔23に軸状部材22が挿通していて、水(ドレン水)に浮く浮きであるフロート24と、を備えている。
【0020】
軸状部材22の上部には、フロート24の軸状部材22の軸方向における上下位置を検出するセンサ25が設けられている。本例では、このセンサ25は、フロート24に埋め込まれた、例えば内径サイズがフロート24の内径サイズとほぼ同等である円環形状のマグネット24a(
図7)に感応して、フロート24の軸状部材22の軸方向の位置に応じてオンとオフが切り替わる非接触式のリードスイッチが用いられている。センサ25としては、この他にも、フロート24の位置(高さ)を検出して電気信号に変換することができるものであれば、様々な種類のセンシング技術を用いることができる。
【0021】
図4は、本実施例に係るフロートセンサの下部位置の斜視図である。
図5は、本実施例に係るフロートセンサにおける軸状部材の下部部分の斜視図である。
図6は、本実施例に係るフロートセンサにおけるCリングの斜視図である。
軸状部材22の下端側部分には、軸状部材22の周方向に一周して凹部31が形成されている(
図5)。そして、この凹部31にCリング32(支持部材)が嵌め込まれている(
図4)。
【0022】
Cリング32は、例えば樹脂材などのある程度の弾性を有する材料で形成された、例えば円環状の板材である。その円環状の一か所は切り欠き部33をなしていて円環形状が切れている。Cリング32を軸状部材22の凹部31に嵌め込む際には、この切り欠き部33を軸状部材22に押し当てて、Cリング32を弾性的に撓ませて、切り欠き部33の開口部を広げることにより行う。
これにより、Cリング32は、中央部に第2の孔(内径部)41が形成されていて当該第2の孔41で凹部31と係合して軸状部材22の軸方向への抜け止めがされている(
図4、
図8)。そして、Cリング32は、その外径サイズがフロート24の孔23の径より大きく、フロート24が軸状部材22から脱落するのを規制することができる部材である(
図7)。
【0023】
また、Cリング32の上面34には、第1突起部35、第2突起部36がそれぞれ複数個形成されている。第1突起部35、第2突起部36は、Cリング32以外の部材に形成されて支持されていてもよい。
【0024】
図6に示すように、第1突起部35は、Cリング32の上面34の周方向に例えば略等間隔を空けて例えば4個設けられている。第1突起部35は、軸状部材22の軸方向の上側に向かって先細りとなる比較的長い突起である。第1突起部35は、ドレンパン11の水位が低下した際に少なくとも一部が第1の孔23に入り込んで軸状部材22とフロート24との間に位置し、軸状部材22とフロート24との接触を抑制する(後記)。
【0025】
図6に示すように、第2突起部36は、Cリング32の上面34の周方向に例えば略等間隔を空けて例えば4個設けられている。第2突起部36は、Cリング32の上面34の外径側に向かって漸次高さが高くなる比較的低い突起である。
図6の例では、第2突起部36は、Cリング32の上面34の周方向の第1突起部35と対応する位置に設けられている。しかし、Cリング32の上面34の周方向における第1突起部35と第2突起部36との位置は互いにずれていてもよい。第1突起部35と第2突起部36はCリング32の半径方向において少なくとも一部が重なるものとしてもよい。第2突起部36は、ドレンパン11の水位が低下した際にフロート24に接触して、Cリング32とフロート24との固着を抑制する部材である(後記)。
【0026】
図6に示すように、第2突起部36は、第1突起部35よりもCリング32の外径側に配置されている。また、第2突起部36は、第1突起部35よりも高さが低い。Cリング32は第1突起部35と第2突起部36をそれぞれ複数有し、第1突起部35と第2突起部36は同じ数としてもよい。Cリング32は、第1突起部35と第2突起部36をそれぞれ4つ以上有するようにしてもよい。Cリング32は、周方向において、第1突起部35及び第2突起部36が配置された部分に比べ、第1突起部35及び第2突起部36が配置されていない部分のほうが長い構成としてもよい。軸状部材22の軸方向において、第1突起35は凹部31より長く、第2突起36は凹部31より短い構成としてもよい。
【0027】
次に、フロートセンサ1の作用効果について説明する。
図7は、フロートセンサの下部の縦断面図である。
図8は、
図7のA部分の拡大図である。
図7に示すように、前記したドレン水の水位が高いときは、フロート24は破線で示すように高い位置にある。逆にドレン水の水位が低いときは、フロート24は実線で示すように低い位置にある。このようにフロート24の高さはドレンパン11内のドレン水の水位を示すものとしてセンサ25により検出される。
この場合に、フロート24が高い位置にあるときには、ドレン水がドレンパン11内に多いため、排水用ドレンポンプ12がフロートスイッチ1の近傍に存在していても、前記の異音は水に吸収されて、外部に伝わりにくい。
【0028】
しかし、フロート24が低い位置にあるときには、ドレン水がドレンパン11内に少ないため、前記の異音は水に吸収されにくく、外部に伝わりやすい。
そこで、この場合は、下がってきたフロート24の孔23内に比較的長い第1突起部35が入り込んで、軸状部材22とフロート24との接触を抑制する。そのため、前記した排水用ドレンポンプ12の近傍にフロートスイッチ1が存在していても、フロート24が軸状部材22に当接しにくく、異音の発生を抑制することができる。
【0029】
また、
図8に示すように、第2突起部36が存在することにより、フロート24が最も降下しても、フロート24の底部は第2突起部36に支持される。そのため、フロート24の底面は、Cリング32の上面34にベタ当たりすることがない。よって、第2突起部36は、フロート24とCリング32との固着を抑制することができる。
【0030】
また、第1突起部35が、軸状部材22の軸方向の上側に向かって先細りとなる形状で、軸状部材22の軸方向の上側に向かってフロート24とのクリアランスが大きくなる構成の場合は、第1突起が第1の孔23に入り込みやすくなる。
【0031】
また、
図8に示すように、第1突起部35は、孔23に入り込んだ際には軸状部材22との間で間隔Bをとりうるクリアランスを有する。これにより、第1突起部35が軸状部材22と当接して、異音が発生することを抑制することができる。
【0032】
さらに、軸状部材22にCリング32が装着されていることから、前記の振動がCリング32に伝わって異音がする可能性もある。そこで、Cリング32は、その第2の孔41と凹部31の底部31aとの間で間隔Cをとりうるクリアランスを有する。これにより、前記の振動の力によって、Cリング32は、異音が発生しない位置まで勝手に移動し、もって異音の発生を抑制することができる。
【0033】
Cリング32には、第1突起部35および第2突起部36が形成されている。第1突起部35を支持する部材と、第2突起部36を支持する部材とは、別部材であってもよい。しかし、本実施形態では、第1突起部35および第2突起部36がともに単一の部材であるCリング32に形成されている。よって、このようなCリング32を一体成形により製造すれば、第1突起部35とその支持部材、第2突起部36とその支持部材を別部材として製造する場合よりも、部品点数も削減できて、製造コストも低減することができる。
【0034】
Cリング32は、その外径サイズが孔23の径より大きく、フロート24が軸状部材22から脱落するのを規制するための部材でもある。このような規制部材を、第1突起部35とその支持部材、第2突起部36とその支持部材と別部材として構成してもよい。しかし、本実施例のように、これらの部品を単一の部品としてまとめ、それを一体成形により製造することで、部品点数を削減できて、これら部品の製造コストも低減することができる。
【0035】
また、
図6に示すように、第2突起部36は、第1突起部35よりもCリング32の外径側に配置されている。これにより、第1突起部35は孔23に容易に入り込める一方、第2突起部36はフロート24の底部を支持しやすい。
【0036】
図6に示すように、第2突起部36は、第1突起部35よりも高さが低い。よって、第1突起部35は相当程度高い上向きの突起であるため、前記のドレン水が少なくなって降下してきたフロート24の孔23に速やかに入り込むことができる。
【0037】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 フロートスイッチ
3 圧縮機
5 室外熱交換器
8 室内熱交換器
9 送風ファン(貫流ファン)
11 貯留部(ドレンパン)
12 排水用ドレンポンプ(ポンプ)
22 軸状部材
23 第1の孔
24 フロート
25 センサ(リードスイッチ)
31 凹部
31 底部
32 Cリング(支持部材)
35 第1突起部
36 第2突起部
41 第2の孔(内径部)
52 (空気調和機の)室内機
100 空気調和機
B 間隔
C 間隔
【要約】
【課題】異音の発生等を抑制することができるフロートスイッチ、空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】フロートスイッチ1は、軸状部材22と、内部を貫通する第1の孔23を有し、当該第1の孔23に軸状部材22が挿通し、水位によって軸状部材22の軸方向に上下移動するフロート24と、フロート24の軸状部材22の軸方向の位置に応じてオンとオフとが切り替わるリードスイッチ(センサ)25と、水位が低下した際に少なくとも一部が第1の孔23に入り込んで軸状部材22とフロート24との間に位置する第1突起部35と水位が低下した際記フロート24に接触する第2突起部36とを有するCリング32と、を備えている。
【選択図】
図7