(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】払出システム、端末装置、商品払出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241128BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20241128BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07F7/02 Z
G07F9/00 P
(21)【出願番号】P 2023145180
(22)【出願日】2023-09-07
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】森 新
(72)【発明者】
【氏名】井上 尊之
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/042669(WO,A1)
【文献】特開2017-174320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 7/02
G07F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機と、前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置及び前記自動販売機の少なくとも一方と通信可能な情報処理装置とを含み、前記端末装置を使用するユーザに対する前記自動販売機を用いた商品の払い出し時に用いられる払出システムであって、
前記自動販売機に設けられており、前記自動販売機と前記端末装置との間で、送信元の装置を認証するための認証用情報と送信元の装置を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信することができるように構成された第一通信部と、
前記自動販売機に設けられており、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、前記自動販売機と前記端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信部と、
前記情報処理装置に設けられており、前記第一通信部により前記自動販売機と前記端末装置との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、前記第二通信部を用いた通信結果に基づく第二情報とをそれぞれ取得可能な取得部と、
前記情報処理装置に設けられており、前記取得部により取得された前記第一情報と前記第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、前記自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断部とを備える、払出システム。
【請求項2】
前記第二通信部を用いた通信が正常に行われた場合に、前記判断部が前記第二情報を用いて前記判断を行い、
前記第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、前記判断部が前記第一情報を用いて前記判断を行うように構成されている、請求項1に記載の払出システム。
【請求項3】
前記第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、前記第一通信部が、前記認証用情報と前記送信元識別子との送信を開始するように構成されている、請求項1に記載の払出システム。
【請求項4】
前記第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に前記第一通信部から送信された情報を受信するように構成された受信部を備える、請求項1に記載の払出システム。
【請求項5】
前記端末装置に設けられており当該端末装置を使用するユーザの動作を検知する動作検知部を備え、
前記受信部は、前記第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合において、前記動作検知部による検知結果が所定の動作条件を満たすと特定された場合に、前記第一通信部から送信された情報を受信するように構成されている、請求項4に記載の払出システム。
【請求項6】
前記第一通信部及び前記第二通信部は前記自動販売機に設けられており、
前記自動販売機に対する商品の払い出し準備のための所定の指示が受け付けられた場合に、前記第一通信部が前記認証用情報及び前記送信元識別子の送信を開始するとともに前記第二通信部が前記端末装置との通信を開始するように構成されている、請求項1に記載の払出システム。
【請求項7】
前記第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、前記自動販売機と前記端末装置との間で前記第一通信部を用いた通信を行うことに関する通知を当該端末装置を使用するユーザに対して出力するように構成された通知出力部を備える、請求項6に記載の払出システム。
【請求項8】
前記第一通信部は、さらに前記情報処理装置に対して前記認証用情報と前記送信元識別子とを送信することができるように構成されており、
前記取得部は、前記第一通信部により前記自動販売機と前記端末装置との間で送信された情報の受信結果と、前記第一通信部により前記情報処理装置に送信された情報とに基づいて、前記第一情報を取得可能に構成されている、請求項1に記載の払出システム。
【請求項9】
前記情報処理装置に設けられており、時間符号に関する識別情報を送信する識別情報送信部を備え、
前記第一通信部は、前記情報処理装置から送信された識別情報に基づく前記認証用情報を前記自動販売機と前記端末装置との間で送信可能に構成されており、
前記判断部は、前記識別情報と前記取得部により取得された前記第一情報とを用いて、前記判断を行うように構成されている、請求項1に記載の払出システム。
【請求項10】
商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置を使用するユーザに対して商品を払い出す機能を有する自動販売機であって、
前記端末装置に対して当該自動販売機を認証するための認証用情報と当該自動販売機を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信する第一通信部と、
音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、前記端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信部と、
当該自動販売機に対する商品の払い出し準備のための所定の指示が受け付けられた場合に、前記第一通信部が前記認証用情報及び前記送信元識別子の送信を開始するとともに前記第二通信部が前記端末装置との通信を開始するように制御を行う販売機制御部と、
前記第一通信部又は前記第二通信部を用いた通信結果に応じて他の装置から送信された商品を払い出すことに関する指示を受信する販売機通信部とを備える、自動販売機。
【請求項11】
情報処理装置と通信可能な自動販売機から商品を払い出すために用いられる端末装置であって、
前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納される端末格納部と
、
音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により前記自動販売機との間で通信を行う端末通信部と、
前記端末通信部における前記非接触通信手段による前記通信が正常に完了したか否かを判断する端末処理部と、
前記端末処理部が、前記通信が正常に完了しなかったと判断した場合に、前記自動販売機から音波を用いた通信手段により送信された情報を受信する端末受信部と、前記端末受信部により受信した前記自動販売機から送信された情報に基づく端末受信情報を、前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報と共に前記情報処理装置に送信する端末送信部とを備える、端末装置。
【請求項12】
自動販売機と、前記自動販売機及び前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置の少なくとも一方と通信可能な情報処理装置とを用いて、前記端末装置を使用するユーザに対する前記自動販売機を用いた商品の払い出し時に使用される商品払出方法であって、
前記自動販売機により、前記自動販売機と前記端末装置との間で、送信元の装置を認証するための認証用情報と送信元の装置を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信する第一通信ステップと、
前記自動販売機により、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、前記自動販売機と前記端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信ステップと、
前記情報処理装置により、前記第一通信ステップにより前記自動販売機と前記端末装置との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、前記第二通信ステップによる通信結果に基づく第二情報とのうち少なくとも一方を取得する取得ステップと、
前記情報処理装置により、前記取得ステップにより取得された前記第一情報と前記第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、前記自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断ステップと、
前記情報処理装置により、前記判断ステップの判断結果に応じて商品を払い出すことに関する指示を出力する出力ステップとを含む、商品払出方法。
【請求項13】
情報処理装置と通信可能な自動販売機から商品を払い出すために用いられ、前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納される端末格納部を備える端末装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置に
、
音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により前記自動販売機との間で通信を行う端末通信ステップと、
前記非接触通信手段による前記通信が正常に完了したか否かを判断する端末処理ステップと、
前記端末処理ステップにおいて、前記通信が正常に完了しなかったと判断した場合に、前記自動販売機から音波を用いた通信手段により送信された情報を受信する端末受信ステップと、
前記端末受信ステップにより受信した前記自動販売機から送信された情報に基づく端末受信情報を、前記自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報と共に前記情報処理装置に送信する端末送信ステップとを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザが使用する端末装置を用いて自動販売機から商品を払い出し可能な払出システム、端末装置、商品払出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが使用する端末装置を利用して、自動販売機から商品の払い出しを行うことができるようにした払出システムが用いられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、携帯端末と接続する飲食物払出装置であって、端末に払出装置の識別情報と飲食物の情報を送信し、飲食物の払出指示に基づき払出が可能か否かを判定して払い出しを行うように構成されたものがある。
【0004】
なお、下記特許文献2には、計測機器と情報端末とを有する情報管理システムの構成が記載されている。この構成では、計測機器から超音波により情報を発信し、情報端末がこれを検知して識別情報を取得して端末に表示することができるようになっている。
【0005】
また、下記特許文献3には、レストランで決済を行った結果として受けるべき特典を付与する携帯端末を、時刻情報を超音波に載せて送信した端末のみに限定することができるようにした特典付与システムの構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-174320号公報
【文献】特開2020-160589号公報
【文献】特開2015-148891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、払出システムにおいては、既存の方法とは異なる方法により、自動販売機から商品の払い出しを行うことができるようにすることが望まれている。
【0008】
一例として、例えば、払出システムにおいて、端末装置と自動販売機等とが無線通信を行った結果を用いて商品の払い出しを行うか否かの判断が行われる場合、その通信が適切に行われなければ、適正な払い出しを実行することができない場合があるという問題がある。
【0009】
この発明は、端末装置を用いて、より確実に自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断できる払出システム、端末装置、商品払出方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本第一の発明の払出システムは、自動販売機と、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置及び自動販売機の少なくとも一方と通信可能な情報処理装置とを含み、端末装置を使用するユーザに対する自動販売機を用いた商品の払い出し時に用いられる払出システムであって、自動販売機と端末装置との間で、送信元の装置を認証するための認証用情報と送信元の装置を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信することができるように構成された第一通信部と、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、自動販売機と端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信部と、情報処理装置に設けられており、第一通信部により自動販売機と端末装置との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、第二通信部を用いた通信結果に基づく第二情報とをそれぞれ取得可能な取得部と、情報処理装置に設けられており、取得部により取得された第一情報と第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断部とを備える、払出システムである。
【0011】
かかる構成により、より確実に自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断することができる。
【0012】
また、本第二の発明の払出システムは、第一の発明に対して、第二通信部を用いた通信が正常に行われた場合に、判断部が第二情報を用いて判断を行い、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、判断部が第一情報を用いて判断を行うように構成されている、払出システムである。
【0013】
かかる構成により、より確実に自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断することができる。
【0014】
また、本第三の発明の払出システムは、第一又は二の発明に対して、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、第一通信部が、認証用情報と送信元識別子との送信を開始するように構成されている、払出システムである。
【0015】
かかる構成により、必要な場合に音波を用いた情報の送信を開始することができる。
【0016】
また、本第四の発明の払出システムは、第一から三のいずれか1つの発明に対して、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に第一通信部から送信された情報を受信するように構成された受信部を備える、払出システムである。
【0017】
かかる構成により、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に第一情報を用いた判断を行うことができる。
【0018】
また、本第五の発明の払出システムは、第四の発明に対して、端末装置に設けられており端末装置を使用するユーザの動作を検知する動作検知部を備え、受信部は、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合において、動作検知部による検知結果が所定の動作条件を満たすと特定された場合に、第一通信部から送信された情報を受信するように構成されている、払出システムである。
【0019】
かかる構成により、ユーザの動作の検知結果に応じて第一通信部から送信された情報を受信し、第一情報を用いた判断を行うことができる。
【0020】
また、本第六の発明の払出システムは、第一から五のいずれか1つの発明に対して、第一通信部及び第二通信部は自動販売機に設けられており、自動販売機に対する商品の払い出し準備のための所定の指示が受け付けられた場合に、第一通信部が認証用情報及び送信元識別子の送信を開始するとともに第二通信部が端末装置との通信を開始するように構成されている、払出システムである。
【0021】
かかる構成により、自動販売機に対する商品の払い出し準備のための所定の指示が受け付けられた場合に第一通信部及び第二通信部による通信を開始することができる。
【0022】
また、本第七の発明の払出システムは、第六の発明に対して、第二通信部を用いた通信が正常に行われない場合に、自動販売機と端末装置との間で第一通信部を用いた通信を行うことに関する通知を端末装置を使用するユーザに対して出力するように構成された通知出力部を備える、払出システムである。
【0023】
かかる構成により、第二通信部による通信を行う場合に、ユーザにそれに関する情報を出力することができる。
【0024】
また、本第八の発明の払出システムは、第一から七のいずれか1つの発明に対して、第一通信部は、さらに情報処理装置に対して認証用情報と送信元識別子とを送信することができるように構成されており、取得部は、第一通信部により自動販売機と端末装置との間で送信された情報の受信結果と、第一通信部により情報処理装置に送信された情報とに基づいて、第一情報を取得可能に構成されている、払出システムである。
【0025】
かかる構成により、より確実に商品の払い出しに関係する自動販売機と端末装置の対応関係を特定することができる。
【0026】
また、本第九の発明の払出システムは、第一から八のいずれか1つの発明に対して、情報処理装置に設けられており、時間符号に関する識別情報を送信する識別情報送信部を備え、第一通信部は、情報処理装置から送信された識別情報に基づく認証用情報を自動販売機と端末装置との間で送信可能に構成されており、判断部は、識別情報と取得部により取得された第一情報とを用いて、判断を行うように構成されている、払出システムである。
【0027】
かかる構成により、時間符号に関する識別情報を用いて、より確実に商品の払い出しに関係する自動販売機と端末装置の対応関係を特定することができる。
【0028】
また、本第十の発明の自動販売機は、商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置を使用するユーザに対して商品を払い出す機能を有する自動販売機であって、端末装置に対して自動販売機を認証するための認証用情報と自動販売機を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信する第一通信部と、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信部と、自動販売機に対する商品の払い出し準備のための所定の指示が受け付けられた場合に、第一通信部が認証用情報及び送信元識別子の送信を開始するとともに第二通信部が端末装置との通信を開始するように制御を行う販売機制御部と、第一通信部又は第二通信部を用いた通信結果に応じて他の装置から送信された商品を払い出すことに関する指示を受信する販売機通信部とを備える、自動販売機である。
【0029】
かかる構成により、端末装置を利用した自動販売機を用いた商品の払い出しをより確実に行うことができる。
【0030】
また、本第十一の発明の端末装置は、情報処理装置と通信可能な自動販売機から商品を払い出すために用いられる端末装置であって、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納される端末格納部と、自動販売機から音波を用いた通信手段により送信された情報を受信する端末受信部と、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により自動販売機との間で通信を行う端末通信部と、端末受信部により受信した自動販売機から送信された情報に基づく端末受信情報を、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報と共に情報処理装置に送信する端末送信部とを備える、端末装置である。
【0031】
かかる構成により、端末装置を利用した自動販売機を用いた商品の払い出しをより確実に行うことができる。
【0032】
また、本第十二の発明の商品払出方法は、自動販売機と、自動販売機及び自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置の少なくとも一方と通信可能な情報処理装置とを用いて、端末装置を使用するユーザに対する自動販売機を用いた商品の払い出し時に使用される商品払出方法であって、自動販売機と端末装置との間で、送信元の装置を認証するための認証用情報と送信元の装置を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信する第一通信ステップと、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、自動販売機と端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信ステップと、情報処理装置により、第一通信ステップにより自動販売機と端末装置との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、第二通信ステップによる通信結果に基づく第二情報とのうち少なくとも一方を取得する取得ステップと、情報処理装置により、取得ステップにより取得された第一情報と第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断ステップと、情報処理装置により、判断ステップの判断結果に応じて商品を払い出すことに関する指示を出力する出力ステップとを含む、商品払出方法である。
【0033】
かかる構成により、より確実に端末装置及び自動販売機を用いた商品の払い出しを行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、端末装置を用いて、より確実に自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施の形態の1つに係る払出システムの概要を示す図
【
図5】同情報処理装置で用いられる商品情報の一例を示す図
【
図6】同情報処理装置で用いられるユーザ情報の一例を示す図
【
図7】同自動販売機の動作の一例を示すフローチャート
【
図8】同端末装置の動作の一例を示すフローチャート
【
図9】同情報処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【
図10】同払出システムを利用して行われる処理・動作の具体例を示すシーケンス図
【
図12】本実施の形態に係る払出システムを利用して行われる処理・動作の一変形例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、払出システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0037】
なお、以下において用いる用語は、本実施の形態において、一般的には次のように定義される。なお、これらの用語の語義は常にここに示されるように解釈されるべきではなく、例えば以下において個別に説明されている場合にはその説明も踏まえて解釈されるべきである。
【0038】
ユーザとは、商品を購入したり使用・消費したりする消費者である。
【0039】
商品とは、価値を有する物である。商品とは、自動販売機により販売可能な缶詰飲料やびん詰め飲料などあるが、これに限られない。自動販売機において販売される商品は、食品や飲料などの飲食物又はその他の有体物そのものであってもよいし、所定の飲食物やその他の有体物と等価値に扱われる物であってもよい。自動販売機において販売される商品は、ユーザに対するサービスや、電子コンテンツ(例えば、音楽や画像、書籍等を鑑賞等することができるようにする情報などであるが、これに限られない)や、金銭的価値を有するポイントなどを示すデータなどの無体物と等価値に扱われる物であってもよい。なお、商品の販売とは、有償で販売する場合に限られず、無償で商品を配布することも含まれると解釈してもよい。すなわち、自動販売機から商品を払い出すとは、自動販売機により商品を販売すると言ってもよい。
【0040】
ある事項について識別子とは、当該事項を一意に示す文字又は符号等である。識別子は、例えば、IDであるが、対応する事項を識別しうる情報であれば種類は問わない。すなわち、識別子は、それが示すものそのものの名前であってもよいし、一意に対応するように符号を組み合わせたものであってもよい。
【0041】
取得とは、ユーザ等により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、自装置又は他の装置に記憶されている情報(予め記憶されている情報であってもよいし当該装置において情報処理が行われることにより生成された情報であってもよい)を取得することを含んでいてもよい。他の装置に記憶されている情報を取得するとは、他の装置に記憶されている情報をAPI経由などで取得することを含んでいてもよいし、他の装置により提供されている文書ファイルの内容(ウェブページの内容なども含む)を取得することを含んでいてもよい。また、画像について光学式文字読み取りを行うことにより情報を取得することなど、元の情報に基づいてそれとは異なるフォーマットの情報を取得することを含んでいてもよい。例えば、1次元コードや多次元コード等の画像の読取りにより、それにより表されている情報を取得することを含んでいてもよい。
【0042】
また、情報の取得には、いわゆる機械学習の手法を利用するようにしてもよい。機械学習の手法の利用については、例えば次のようにすることができる。すなわち、特定の種類の入力情報を入力とし、取得したい種類の出力情報を出力とする学習器(学習情報)を、機械学習の手法を用いて構成する。例えば、予め、入力情報と出力情報との組を2以上用意し、当該2組以上の情報を機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与えて学習器を構成し、構成した学習器を格納部に蓄積する。なお、学習器は分類器ということもできる。なお、機械学習の手法としては、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、fastText、tinySVM、random forest、TensorFlow等の各種の機械学習フレームワークにおける関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。このような学習器を用いて情報を取得することを、機械学習による取得ということがある。
【0043】
また、学習器は、機械学習により得られるものに限られない。学習器は、例えば、入力情報等に基づく入力ベクトルと、出力情報との対応関係を示すテーブルであってもよい。この場合、入力情報に基づく特徴ベクトルに対応する出力情報をテーブル中から取得するようにしてもよいし、テーブル中の2以上の入力ベクトルと各入力ベクトルの重み付けなどを行うパラメータとを用いて入力情報に基づく特徴ベクトルに近似するベクトルを生成し、生成に用いた各入力ベクトルに対応する出力情報とパラメータとを用いて、最終的な出力情報を取得するようにしてもよい。このような学習器を用いて情報を取得することを、対応関係を用いた取得ということがある。また、学習器は、例えば、入力情報等に基づく入力ベクトルと、出力情報を生成するための情報との関係を表す関数などであってもよい。この場合、例えば、入力情報に基づく特徴ベクトルに対応する情報を関数により求めて、求めた情報を用いて出力情報を取得するなどしてもよい。このような学習器を用いて情報を取得することを、関数を用いた取得ということがある。
【0044】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。具体的には、例えば、情報のウェブページへの表示を可能とすることや、電子メール等として送信することや、印刷するための情報を出力することなどを含む。
【0045】
情報の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、他の装置等から有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0046】
情報処理装置等に格納されている各種の情報について、更新とは、格納されている情報の変更のほか、格納されている情報に新たな情報が追加されることや、格納されている情報の一部又は全部が消去されることなどを含む概念である。
【0047】
(実施の形態)
【0048】
本実施の形態の概要は、以下のとおりである。本実施の形態において、払出システムは、自動販売機と情報処理装置とを含む。自動販売機は、情報処理装置と通信可能である。払出システムは、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置と共に用いられ、端末装置を使用するユーザに対する自動販売機を用いた商品の払い出し時に用いられる。すなわち、払出システムは、ユーザが、自身が使用する端末装置を用いて利用可能に構成されている。
【0049】
本実施の形態において、自動販売機は、端末装置との間で、音波を用いた通信手段により情報を送信可能に構成された第一通信部701と、音波を用いる方法とは異なる非接触通信手段により端末装置と通信可能に構成された第二通信部702とを有している。情報処理装置は、第一通信部701により送信された情報と第二通信部702を用いる通信結果に基づく情報とを端末装置から取得可能であり、取得した情報に基づいて、自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断するように構成されている。この判断結果に応じて、自動販売機により商品の払出等が行われるようになっている。
【0050】
本実施の形態において、情報処理装置において、判断は、第二通信部702を用いた通信が正常に行われた場合にはその通信結果を用いて行われ、そうでない場合には、第一通信部701により送信された情報を用いて行われるようになっている。
【0051】
なお、第一通信部701は、端末装置に設けられていてもよい。この場合、情報処理装置は、第一通信部701により送信されて自動販売機により受信された情報を自動販売機から取得可能であってもよい。また、第二通信部702による通信結果を自動販売機から取得可能であってもよい。
【0052】
以下、このように構成された払出システムについて説明する。
【0053】
図1は、本発明の実施の形態の1つに係る払出システム1の概要を示す図である。
【0054】
本実施の形態において、払出システム1は、情報処理装置100と、それぞれロケーションに設置して用いられる複数の自動販売機700とを備える。払出システム1は、それを利用するユーザが使用する端末装置600と共に用いられる。なお、払出システム1は、情報処理装置100と、自動販売機700と、端末装置600とで構成されると解釈してもよい。
【0055】
情報処理装置100と、端末装置600とは、例えばローカルエリアネットワークやインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能である。情報処理装置100と自動販売機700とも、種々のネットワークを介して通信可能である。自動販売機700は、例えば、情報処理装置100や、端末装置600などと同一のネットワークに接続されていることにより情報処理装置100と通信可能であってもよいし、当該ネットワークとは異なるネットワークを介して、情報処理装置100と通信可能に接続されていてもよい。自動販売機700の情報が情報処理装置100に送信されることにより、当該情報が情報処理装置100によって管理されるように構成されている。なお、情報処理装置100が、各自動販売機700を含む販売システムにおいて販売時点情報管理(POS)を実現可能に構成されていてもよい。販売時点情報管理を実現可能に構成された情報処理装置100は、各自動販売機700と通信可能に接続される。例えば複数の店舗等のロケーションにそれぞれ配置された、販売時点情報管理を実現可能に構成された自動販売機700は、販売に関する情報や商品の在庫等に関する情報を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100では、これらの情報に基づいた集計、分析、発注等、種々の処理を行うことができるようになっている。このようなことは、周知の構成を用いて実現可能である。
【0056】
なお、自動販売機700は、情報処理装置100に接続されていなくてもよい。この場合、以下において情報処理装置100から送信され自動販売機700により受信されるものとして説明される情報は、例えば、自動販売機700と通信可能である状態の端末装置600やその他の外部装置を介して自動販売機700により取得可能になっていてもよい。
【0057】
払出システム1の構成はこれに限られるものではない。払出システム1に含まれるそれぞれの装置の数は問わないし、他の装置が払出システム1に含まれていてもよい。
【0058】
なお、
図1においては、例えばいわゆるスマートフォンなどの携帯情報端末装置が端末装置600として示されているが、端末装置600として用いられるのはこれに限られない。例えば、タブレット型の情報端末装置、及びラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ(PC)などであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。払出システム1のユーザは、端末装置600を利用して、払出システム1を利用することができる。以下の例においては、端末装置600として、スマートフォンなどの携帯情報端末装置が用いられることを想定して説明するが、これに限られるものではない。
【0059】
図2は、同払出システム1のブロック図である。
図3は、同自動販売機700のブロック図である。
図4は、同情報処理装置100のブロック図である。
【0060】
まず、端末装置600の構成について説明する。
図2に示されるように、端末装置600は、端末格納部610、端末受信部620、端末受付部630、端末処理部640、端末出力部660、端末送信部670、動作検知部680及び端末取得部690を備える。
【0061】
端末格納部610には、端末装置600を識別可能なユーザ識別子が格納される。ユーザ識別子は、その端末装置600を使用するユーザを識別可能な情報である。ユーザ識別子としては、端末装置600毎に固有の端末識別子や、端末装置600で動作する一のソフトウェア毎に固有の識別子(例えば、ソフトウェアにより実現される機能についてログインしたアカウントを識別する識別子)や、端末装置600を用いて利用することができるウェブサービス等におけるアカウントを識別する識別子など、種々の識別子を使用することができる。より具体的には、ユーザ識別子としては、端末装置600を機能させるオペレーションシステムのユーザのアカウント情報や、端末装置600で実現されるウェブブラウズ機能によりアクセス可能なウェブサービスにログインしているアカウント情報や、ウェブブラウズ機能によりアクセスしたウェブページから与えられたクッキーなど、種々の情報を用いることができる。
【0062】
端末受信部620は、情報処理装置100や、その他の装置から送信された情報を、ネットワークを介して受信する。端末受信部620は、受信した情報を、例えば端末格納部610に蓄積し、端末処理部640などが取得できるようにする。
【0063】
端末受付部630は、端末装置600を使用するユーザによる、端末装置600に対する種々の入力操作を受け付ける。操作は、例えば、図示しない入力装置を用いて行われるが、これに限られない。端末受付部630は、例えば、端末取得部690により取得された音声による入力操作を受け付けるようにしてもよい。
【0064】
端末処理部640は、端末装置600の各部を用いて、種々の情報処理動作を行う。
【0065】
本実施の形態において、端末処理部640は、通知出力部642を有している。通知出力部642は、後述のような第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合において、自動販売機700と端末装置600との間で第一通信部701を用いた通信を行うことに関する通知を端末装置600を使用するユーザに対して出力するように構成されている。ここで通知とは、例えば、端末出力部660を用いて通知する事項に関する情報を出力することをいう。第一通信部701を用いた通信を行うことに関する通知とは、例えば、音波通信を行う旨の情報の出力や、音波通信を行うためにユーザに求める操作や行動等に関するユーザへの指示の出力などである。なお、これ以外の内容の通知が行われるようにしてもよい。
【0066】
端末出力部660は、例えばディスプレイデバイスに表示することなどにより、情報の出力を行う。なお、情報の出力方法はこれに限られず、音声等をスピーカなどから出力することなどにより行われるようにしてもよい。
【0067】
端末送信部670は、例えば端末処理部640等により取得した情報をネットワークを介して送信する。
【0068】
本実施の形態において、端末装置600は、例えば、自動販売機700との間で、非接触通信手段により通信を行うことができるように構成されている。非接触通信手段による通信とは、例えば、RFIDを用いたNFCによる通信や、Bluetooth(登録商標)を用いた通信などであるが、例えば赤外線通信などであってもよい。すなわち、端末装置600において、端末受信部620と端末送信部670とは、非接触通信手段による通信を行うことができるように構成されている。
【0069】
動作検知部680は、例えば、加速度センサを有している。加速度センサの種類は問わない。動作検知部680は、端末装置600の移動や姿勢の変化をユーザの動作として検出可能に構成されている。例えばユーザが端末装置600を持って端末装置600を所定の態様で変位させると、動作検知部680がその態様に応じた検知結果を取得するように構成されている。得られた情報は、例えば、端末格納部610等に蓄積される。なお、動作検知部680は、カメラ等を用いて端末装置600のユーザの動作を検知可能に構成されていてもよい。また、動作検知部680は、端末受付部630によって受け付けられた入力操作を検知するものとして捉えるようにしてもよい。例えば、端末装置600に設けられたタッチパネルにおいて検知されたユーザによるスワイプ操作が、動作検知部680により検知可能なユーザの動作であってもよい。
【0070】
端末取得部690は、例えば、マイク691を有している。端末取得部690は、マイク691により検知した音波の検知結果を取得する。なお、端末取得部690は、カメラや、GPSなどにより位置を特定可能な位置情報センサなどを含んでいてもよいし、これらとは異なる読み取り装置や計測装置が端末取得部690として用いられていてもよい。端末取得部690により得られた情報は、例えば、端末格納部610等に蓄積される。
【0071】
本実施の形態において、端末装置600は、端末受信部620において非接触通信手段による通信により受信した情報に基づく情報や、端末取得部690においてマイク691を用いて取得した音波の検知結果に基づく情報を、端末送信部670により情報処理装置100に送信可能である。受信した情報に基づく情報は受信した情報そのものであってもよいし、受信した情報を用いて取得した情報であってもよい。マイク691を用いて取得した音波の検知結果に基づく情報は、音波の検知結果そのものであってもよいし、音波の検知結果を用いて取得した情報であってもよい。端末受信部620において非接触通信手段による通信により受信した情報に基づく情報や、端末取得部690においてマイク691を用いて取得した音波の検知結果に基づく情報を、端末受信情報と言ってもよい。また、端末装置600は、端末受付部630により受け付けたユーザの操作に基づく情報や、動作検知部680により検知された検知結果を、端末送信部670により情報処理装置100に送信可能である。
【0072】
なお、送信される情報は、端末格納部610に格納されているユーザ識別子に対応付けて送信されることが好ましい。すなわち、端末装置600は、端末装置600を使用するユーザを識別可能なユーザ識別子を情報処理装置100に送信することが好ましい。すなわち、端末送信部670は、端末受信部620により受信した自動販売機700から送信された情報に基づく端末受信情報を、自動販売機700から商品を払い出すために用いられる情報と共に情報処理装置100に送信するように構成されている。
【0073】
なお、本実施の形態において、端末装置600は、バーコードや二次元コード、多次元コードなどを読み取り可能なコードリーダーとして機能するように構成されていてもよい。このような機能は、周知の構成により実現されるものであり、例えば、端末取得部690により取得された情報(画像や読み取り結果を示す信号など)に基づいて端末処理部640が読み取り結果を取得可能に構成されていればよい。このような機能を利用して、端末装置600は、バーコードや二次元コード、多次元コードなどとして表示されているアクセス情報を読み取って、アクセス情報を用いて種々の処理を実行することが可能になっている。例えば、ウェブページ等やその他の資源へのURIなどのアクセス先の情報(所定のウェブサービスにおいて使用可能なアクセス先情報も含む)がアクセス情報として用いられている場合において、当該情報を用いてアクセス先にアクセスすることが可能である。また、電子メールアドレスや種々のテキストメッセージ(SNS等のメッセージングサービスで送信可能なものも含む)等のあて先がアクセス情報として用いられている場合において、当該あて先に情報を送信することが可能である。また、所定のウェブサービスや端末装置600において機能する所定のソフトウェアに対応する、キーワードやパスワード等の登録コードがアクセス情報として用いられている場合において、当該ウェブサービスやソフトウェア等に登録コードを入力することが可能である。
【0074】
次に、自動販売機700の構成について説明する。
【0075】
自動販売機700は、所定の払出条件が満たされた場合において、2以上の商品のうちユーザにより選択された一の商品をユーザに販売可能である。所定の払出条件とは、例えば、ユーザによる商品の選択操作が行われたこと、当該商品が販売可能であること、かつ、所定の決済条件が満たされたことであるが、これに限られない。所定の決済条件が満たされたこととは、当該商品の代金が支払われたこと(決済が行われたこと)であるが、自動販売機700を用いて商品を販売する販売者が代金を得られることが確認されたことであってもよい。また、所定の決済条件が満たされたこととは、ユーザが商品の払い出しを受ける権利を有することが確認されたことであってもよく、例えば商品と引替可能なクーポンの情報が確認されたことなどであってもよい。なお、自動販売機700は、所定の払出条件が満たされた場合に、自動販売機700により選択された一の商品をユーザに販売可能であってもよい。この場合、所定の払出条件は、例えば、所定の代金が支払われたことなどとすればよく、商品の選択は、適宜設定可能な所定の方法に従って、販売機処理部740等により行われればよい。また、自動販売機700は、特定の一の商品のみをユーザに販売可能に構成されていてもよい。払出条件は、販売条件と言ってもよい。
【0076】
図3に示されるように、本実施の形態において、自動販売機700は、販売機通信部720、商品払出部705、出納部707、表示装置708、及び販売機制御部709を備える。販売機制御部709は、例えば、販売機格納部710、販売機受付部730及び販売機処理部740を備える。
【0077】
商品払出部705は、商品収容部706を有する。商品払出部705は、販売される商品を商品収容部706から取り出して、取り出した商品を商品取出口に払い出す機構である。
【0078】
商品収容部706は、販売可能な商品を収容する部位である。保冷機能、保温機能等が設けられていてもよい。商品収容部706には、自動販売機700に設けられた複数のカラムのそれぞれに対応して、商品が収容される。ここで、カラムとは、自動販売機700における商品棚をいい、一のカラムに対応して、同じ商品が一以上収容可能となっている。ここで商品棚とは、自動販売機700内に実際に設けられているものであるか仮想的に設けられているものかを問わない表現である。自動販売機700において商品を選択するとは、選択する商品に対応するカラムを選択するといってもよい。
【0079】
出納部707は、自動販売機700に対する金銭の投入を受け付ける。出納部707は、投入された硬貨を判別やカウントを行うコインカウンタや、紙幣を判別しカウントする紙幣カウンタなどにより構成されている。
【0080】
表示装置708は、文字列である情報を表示可能なディスプレイである。表示装置708は、例えば、数を示す文字のみを表示可能であってもよい。また、例えば、文字列である情報に加えて、自動販売機の状態を示す情報やその他の情報をも表示可能に構成されていてもよい。本実施の形態において、表示装置708は、販売する商品の価格、自動販売機700に投入された金額、及びお釣りの金額など、商品の販売に関してユーザに提供する情報を表示可能である。表示装置708は、販売する商品の価格、自動販売機700に投入された金額、及びお釣りの金額のうち少なくとも1つを表示可能に構成されていてもよい。表示装置708としては、例えば、セグメント型のディスプレイや、ドットマトリクス型のディスプレイを用いることができる。
【0081】
このような表示装置708、商品払出部705、及び出納部707は、周知の構成により実現可能である。
【0082】
販売機通信部720は、情報処理装置100から送信された情報を、ネットワークを介して受信する。販売機通信部720は、受信した情報を、例えば販売機格納部710に蓄積し、販売機処理部740などが取得できるようにする。また、販売機通信部720は、例えば販売機処理部740等により取得した情報をネットワークを介して送信する。
【0083】
また、本実施の形態において、販売機通信部720は、端末装置600等と通信を行うための、第一通信部701及び第二通信部702を有している。
【0084】
第一通信部701は、音波を出力可能に構成されている音波出力部703を有している。音波とは、可聴域の音波であるが、非可聴域の音波等や、いわゆる超音波と呼ばれる音波であってもよい。
【0085】
本実施の形態において、音波出力部703は、例えば、ユーザへの案内用の音声など可聴域の音声を出力するためのスピーカである。音波出力部703は、音波を出力することにより出力先の装置と通信を行うための通信手段であると言ってもよい。音波出力部703は、スピーカに限られず、その他の音波を出力可能な装置を用いて構成されていてもよい。また、音波出力部703は、通信専用に設けられたものであってもよい。
【0086】
本実施の形態において、第一通信部701は、自動販売機700と端末装置600との間で、音波出力部703を用いて、認証用情報と、送信元識別子とを送信することができるように構成されている。すなわち、第一通信部701は、自動販売機700から端末装置600に対して、認証用情報と送信元識別子とを送信することができる。第一通信部701は、音波送信部、音波通信部、又は音声通信部などと言ってもよい。
【0087】
ここで、認証用情報は、送信元の装置を認証するための情報である。本実施の形態において、認証用情報は、例えば、特定の条件を満たした日時を示すタイミング情報に基づく情報である。認証用情報は、例えば、タイミング情報と所定の定数等を用いて取得される符号化情報である。認証用情報は、例えば、時間符号と言ってもよい。認証用情報は、例えば、自動販売機700毎に日時に応じてユニークとなる情報であってもよい。なお、認証用情報は、このような日時を示すタイミング情報に応じたものに限られず、特定の条件を満たしたタイミングにおいて一の自動販売機により特定されるユニークな値などであってもよい。
【0088】
本実施の形態において、認証用情報は、例えば、タイミング情報と、情報処理装置100から送信された識別情報とを用いて取得される情報である。識別情報は、例えば、販売機通信部720により受信され、後述の販売機格納部710に蓄積される。第一通信部701は、例えば、音波出力部703を用いた情報の送信を行う場合に、タイミング情報及び販売機格納部710に格納されている識別情報を取得して、認証用情報を特定する。すなわち、第一通信部701は、情報処理装置100から送信された識別情報に基づく認証用情報を自動販売機700と端末装置600との間で送信可能に構成されている。なお、認証用情報は、情報処理装置100から送信された識別情報であって、タイミング情報に基づく識別情報そのものであってもよい。この場合、情報処理装置100から自動販売機700に認証用情報が送信されると表現してもよい。
【0089】
また、送信元識別子は、送信元の装置を識別可能な情報である。送信元識別子としては、例えば、送信元である自動販売機700を識別可能な販売機識別子が用いられる。すなわち、第一通信部701は、送信元識別子を音波を用いて送信することができるように構成されている。
【0090】
また、本実施の形態において、第一通信部701すなわち販売機通信部720は、さらに、情報処理装置100に対して、認証用情報と送信元識別子とを送信することができるように構成されている。認証用情報は、音波出力部703を用いて送信した認証用情報と同一の情報である。送信タイミングは、例えば音波出力部703を用いた送信を開始したタイミングや、送信中のタイミングであるが、これに限られない。なお、第一通信部701は、商品選択操作が受け付けられている場合に、選択された商品を特定可能な情報、例えばカラムを特定する情報などを、認証用情報等と同様に情報処理装置100に送信するように構成されていてもよい。
【0091】
第二通信部702は、音波を用いた方法とは異なる方法により出力先の装置と通信を行うための非接触通信部704を有している。非接触通信部704は、例えば端末装置600等と非接触通信手段により通信を行うことができるように構成されている。自動販売機700は、例えば、種々の決済手段のいずれかを利用可能に構成された端末装置600との間で、いわゆるキャッシュレス決済を実現可能に構成されている。なお、非接触通信部704は、さらに、クレジットカード又はプリペイドカード等との間で非接触通信を行うことができるように構成されていてもよい。
【0092】
このような非接触通信部704は、周知の構成により実現可能である。例えば、近距離無線通信を行うためのモジュールや、NFCによりICタグを読み取るための読み取りモジュールなどで構成されればよい。
【0093】
第二通信部702は、例えば、端末装置600との間で通信を行うことにより、端末装置600から決済手段に関する情報を得ることができるように構成されている。これにより、販売機処理部740は、必要に応じて決済を実行するための他の装置との通信を行い、その決済手段を用いて商品代金の決済を行うことができるように構成されている。また、第二通信部702は、例えば、端末装置600との間で通信を行い、端末装置600において決済手段による決済が行われるように情報を送信したり決済が完了したことに関する情報を受信したりするように構成されていてもよい。
【0094】
販売機格納部710には、例えば、当該自動販売機700を識別可能な販売機識別子又は当該自動販売機700を含んで構成される販売体を識別可能な販売機識別子が格納されている。
【0095】
販売機受付部730は、自動販売機700を利用するユーザによる、自動販売機700に対する種々の入力操作を受け付ける。入力操作としては、例えば、商品選択操作がある。商品選択操作は、それぞれ一又は複数のカラムに対応するように設定された商品選択ボタン(図示せず)を用いて行われるが、これに限られない。カーソルキーや選択確定キーなどを用いたカラムの選択操作を商品選択操作として受け付けるようにしてもよい。
【0096】
販売機処理部740は、販売機受付部730により受け付けられた入力操作や、実行するプログラム等に基づいて、自動販売機700の動作を制御する。例えば、商品の選択操作と、十分な代金の支払が行われた場合に、販売機処理部740は、対応する商品を販売し、商品払出部705により商品をユーザに払い出す。
【0097】
次に、情報処理装置100の構成について説明する。
【0098】
図4に示されるように、情報処理装置100は、格納部110、受信部120、受付部130、処理部140、及び送信部170を備える。情報処理装置100は、例えば、サーバ装置である。
【0099】
格納部110は、販売機情報格納部111、商品情報格納部113、及びユーザ情報格納部115を備える。
【0100】
販売機情報格納部111には、販売機識別子と、当該販売機識別子に対応する自動販売機700に関する販売機情報とが対応付けて格納される。販売機識別子と、当該販売機識別子に対応する販売体に含まれる複数の自動販売機700群の販売機情報とが対応付けて格納されていてもよい。
【0101】
販売機情報としては、例えば、自動販売機700に関する種々の情報が該当しうる。本実施の形態において、販売機情報は、例えば、自動販売機700を設置している組織や自動販売機700が設置されているエリアなどに関する設置情報や、自動販売機700の型式等に関する情報や、自動販売機700の売り上げ等に関する情報などが、それぞれ含まれうる。販売機情報に、販売機識別子が含まれると解釈してもよい。すなわち、販売機情報は、販売機識別子と、販売機識別子以外の販売機情報とが対応付けられた情報であると言ってもよい。
【0102】
商品情報格納部113は、各自動販売機700における、商品収容部706に収容されている商品に関する商品情報とカラムを特定する情報(本実施の形態において、商品識別子)との対応関係を示す情報である。これらの情報は、例えば、各自動販売機700を識別する販売機識別子に対応付けられている。すなわち、商品情報格納部113に格納されている情報を用いることにより、カラムを特定する情報すなわち購入される商品に対応する商品識別子と、商品が購入される販売機識別子とに基づいて、購入される商品に関する商品情報を取得可能となっている。
【0103】
なお、本実施の形態において、商品識別子とは、カラムを識別する識別子(例えば、カラムに与えられた番号)である。なお、カラムの概念の有無にかかわらず、自動販売機700において商品に割り当てられている商品番号や、商品そのものを識別可能な識別子等が商品識別子として用いられるように構成されていてもよい。
【0104】
また、商品情報とは、例えば、一の商品を特定可能な識別子や、当該商品の商品名や、商品の価格等に関する情報など、一の商品に関する種々の属性値である。
【0105】
図5は、同情報処理装置100で用いられる商品情報の一例を示す図である。
【0106】
図5に示されるように、例えば、商品情報は、いずれの自動販売機700において、どのカラムにどの商品がどの価格で販売可能に収容されているかを示す情報である。すなわち、商品情報は、一の商品を特定可能な識別子や、当該商品の価格などについての属性値を含む。これらの情報は、一の販売機識別子と、収容されているカラムのカラム番号(賞品識別子)に対応付けられている。これにより、販売機識別子と、カラム番号とに基づいて、当該カラムに収容されている商品情報を特定することができる。例えば、販売機識別子が「234569」である自動販売機700において、カラム番号が「4」のカラムには、識別子「AB02」で識別される商品が収容されていることが見て取れる。また、当該商品は、当該自動販売機700において、130円で販売されていることが見て取れる。このような商品情報を用いて、情報処理装置100において、各自動販売機700で払出対象として指定された商品の価格を特定することができる。
【0107】
図4に戻って、ユーザ情報格納部115には、ユーザを識別可能なユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザに関する種々のユーザ情報が格納されている。ユーザ情報として、例えば、ユーザ毎の商品の販売に関する履歴情報や、ユーザの連絡先や、ユーザに関するその他の種々の属性値が格納されていてもよい。
【0108】
本実施の形態において、ユーザ情報には、例えば、ユーザの払出手段に関する払出手段情報が含まれうる。払出手段情報は、例えば、クレジットカードを利用した決済に用いられる情報や、事前に入金されたウォレット等を用いた決済やいわゆるコード決済等の電子決済に用いられる情報や、銀行口座等の情報であるが、これらに限られない。例えば、商品を払い出すことができる権利を有することを示す情報、例えばクーポン情報などであってもよい。クーポン情報は、例えば、払い出し可能な商品の別や、商品の金額等を特定可能な情報や、有効期限に関する情報や、その他クーポンを利用可能な条件等の情報を含みうる。このような払出手段情報は、ユーザ識別子により特定可能である。すなわち、ユーザ識別子やそれに対応する払出手段情報等の情報は、自動販売機700から商品を払い出すために用いられる情報であるといえる。
【0109】
なお、本実施の形態において、後述するように、自動販売機700と通信を行う端末装置600から送信される情報に基づいて特定可能なユーザ識別子が、自動販売機700から商品を払い出すために用いられる情報として用いられうる。ただし、これに限られず、端末装置600から払出手段情報そのものが自動販売機700に送信されてユーザ情報格納部115に蓄積され、その情報が自動販売機700から商品を払い出すために用いられる情報として用いられてもよい。
【0110】
図6は、同情報処理装置100で用いられるユーザ情報の一例を示す図である。
【0111】
図6に示されるように、例えば、ユーザ情報は、一のユーザの連絡先や、使用する端末装置600の機種を識別可能な端末機種情報や、払出手段情報を特定可能な払出手段識別子が、ユーザ識別子に対応付けられて記録されたものである。これら以外の情報が含まれていたり、連絡先や端末機種情報が含まれていなかったりしてもよい。払出手段識別子により特定される払出手段情報は、例えば別のテーブル等において記録されているが、
図6に示されるテーブルに記録されていてもよい。このようなユーザ情報により、ユーザ識別子に対応する払出手段情報を特定することができるようになっている。なお、端末機種情報を用いて、ユーザが使用する端末装置600においてどのような通信手段により自動販売機700等の装置と非接触通信を行うことができるか否かを特定することができるようになっていてもよい。
【0112】
図4に戻って、受信部120は、他の装置から送信された情報を受信する。受信部120は、受信した情報を、例えば、格納部110に保存する。受信部120は、端末装置600からこれらの情報を受信する場合に、送信されたユーザ識別子に基づいて、送信に係るユーザのユーザ識別子を特定可能である。
【0113】
受付部130は、情報処理装置100に接続された図示しない入力手段を用いて入力された情報を受け付ける。受付部130は、受け付けた情報を、例えば、格納部110に保存する。なお、入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でもよい。受付部130は、情報処理装置100に接続された読み取り装置(例えば、コードリーダなど)を用いて行われた入力操作(例えば、装置により読み取られた情報も含む)により入力された情報を受け付けてもよい。
【0114】
なお、受付部130は、受信部120が受信した情報を、情報処理装置100に入力された情報として受け付けると捉えてもよい。すなわち、情報処理装置100への情報の入力とは、これらの情報が端末装置600等を介してユーザによって間接的に情報処理装置100に入力されることを意味すると解釈してもよいし、ユーザによって、入力手段を用いて直接的に情報処理装置100に入力されることを意味すると解釈してもよい。また、ユーザが、情報を自動的に生成するプログラムを実行させたり種々の情報をプログラムに与えて機能させたりすることなどによって情報処理装置100に情報が与えられるようにすることを、情報処理装置100への情報の入力と捉えてもよい。
【0115】
処理部140は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、以下のように処理部140の各部が行う処理である。
【0116】
処理部140は、識別情報送信部141、取得部145、判断部151及び出力部160を備える。
【0117】
本実施の形態において、処理部140は、商品を購入しようと するユーザの端末装置600が自動販売機700と通信を行った結果を端末装置600から取得し、それに応じて商品の払い出しに関する条件を満たすか否かを判断するように構成されている。
【0118】
すなわち、識別情報送信部141は、時間符号に関する識別情報を、送信部170により自動販売機700に送信する。これにより、各自動販売機700において、認証用情報を送信することができるようになる。
【0119】
取得部145は、第一通信部701により自動販売機700と端末装置600との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報を取得可能に構成されている。第一情報は、端末装置600から受信した情報そのものであってもよいし、受信した情報に基づいて所定の情報処理等を行って取得した情報であってもよい。本実施の形態において、例えば、第一通信部701により、自動販売機700から端末装置600に、認証用情報と送信元識別子とが送信されると、端末装置600がそれを受信する。端末装置600は、受信した情報を情報処理装置100に送信し、取得部145が、当該認証用情報と送信元識別子とを含む情報に基づいて、第一情報を取得するように構成されている。
【0120】
また、取得部145は、第二通信部702を用いた通信結果に基づく第二情報を取得可能に構成されている。第二情報は、端末装置600から受信した情報そのものであってもよいし、受信した情報に基づいて所定の情報処理等を行って取得した情報であってもよい。第二情報は、例えば、第二通信部702を用いた通信が正常に確立されたこと、又は第二通信部702を用いた通信が正常に完了したことなどを示す情報を含んでいてもよい。また、第二情報として、例えば、商品の払い出しに用いられる情報や端末装置600と自動販売機700との通信により商品の代金が支払われたことを示す情報などの、商品の払い出しに関する情報が取得されるようにしてもよい。第二情報は、第二通信部702を用いて端末装置600が取得した自動販売機700を識別可能な販売機識別子や、それに基づいて取得された情報などであってもよい。
【0121】
なお、取得部145は、購入される商品を特定する情報が端末装置600又は自動販売機700から送信された場合に、その商品の価格を取得するようにしてもよい。価格は、例えば、商品情報格納部113に格納されている商品情報に基づいて取得可能である。例えば、購入される商品を特定する情報として、送信元識別子又は販売機識別子と、カラムを特定する情報とを用いることができる。
【0122】
判断部151は、取得部145により取得された第一情報と第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、自動販売機700を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する。所定の条件は、指示条件であると言ってもよい。
【0123】
指示条件とは、例えば、商品の代金が支払われたことや、支払可能であると判断できたことを含んでいてもよい。例えば、第一情報により特定されるユーザの払出手段情報を用いて商品の代金が支払われた場合に、商品の代金が支払われたと判断することができる。また、例えば、第一情報や第二情報により特定されるユーザの払出手段情報を用いて、所定の金額の決済が可能である場合に、商品の代金が支払可能であると判断することができる。所定の金額の決済が可能であるとは、例えば、所定の残高(支払余力)があることや、クレジット決済が可能であることなどである。なお、このような判断は、取得部145により商品の価格が取得された場合に、その金額に基づいて行うようにしてもよい。また、例えば、第二情報により、商品の代金が支払われたことを示す情報が取得された場合に、商品の代金が支払われたと判断することができる。
【0124】
指示条件とは、上述のような払出条件が満たされたことを含んでいてもよい。例えば、ユーザによる商品の選択操作が行われており、当該商品が販売可能であると判断した場合において、上述のように、第一情報又は第二情報を用いて、商品の代金が支払われたと判断できるか、代金を支払可能であると判断できた場合に、払出条件が満たされると判断することができる。
【0125】
指示条件とは、販売機識別子又は送信元識別子により識別される自動販売機700とユーザ識別子に対応する端末装置600との間で、第一通信部701又は第二通信部702により通信可能になった(ペアリングされた)ことを含んでいてもよい。例えば、第二情報として、ペアリングされた場合に得られる情報が取得されていれば、指示条件が満たされると判断することができる。また、第一情報として送信された認証用情報と、送信元識別子により識別される自動販売機700から出力されたと認められる認証用情報、例えば情報処理装置100に対して当該自動販売機700から送信された認証用情報とが対応する場合、当該自動販売機700と端末装置600とが通信可能になったと判断することができる。第一通信部701により通信可能になったことについての判断は、以下のように行われると解釈してもよい。すなわち、判断部151は、識別情報送信部141により自動販売機700に送信された識別情報と、取得部145により取得された第一情報とを用いて、判断を行うように構成されていると言ってもよい。この場合、判断部151は、自動販売機700に送信された識別情報と、第一情報に基づく認証用情報とが対応するものであるか否か(例えば、当該認証用情報が当該識別情報に基づくものであるか否か)を判断し、その結果を用いて、指示条件が満たされるか否かを判断するようにすればよい。
【0126】
ここで、認証用情報を利用した連携関係の特定は、取得部145により行われると言ってもよい。例えば、取得部145は、端末装置600から送信された認証用情報と送信元識別子とを含む情報と、第一通信部701により情報処理装置100に送信された認証用情報と送信元識別子とを用いて、所定の特定条件が満たされたか否かを判断するように構成されていてもよい。そして、特定条件が満たされたと判断した場合に、端末装置600から送信された認証用情報と送信元識別子とを含む情報を第一情報として取得するように構成されていてもよい。すなわち、特定条件が満たされたと判断した場合の送信元識別子を含む情報を第一情報として取得するように構成されていてもよい。この場合、取得部145は、第一通信部701により自動販売機700と端末装置600との間で送信された情報の受信結果と、第一通信部701により情報処理装置100に送信された情報とに基づいて、第一情報を取得可能に構成されているといえる。このような構成により、端末装置600と自動販売機700との連携関係を、情報処理装置100において確実に特定することができる。
【0127】
いずれの場合においても、認証用情報について、第一通信部701による通信結果に基づく情報と、自動販売機700と情報処理装置100との通信に基づく情報との突合が実質的には処理部140において行われるようにすることで、端末装置600と自動販売機700との連携関係を、情報処理装置100において確実に特定することができる。
【0128】
出力部160は、判断部151により行われた、商品の払い出しに関する指示条件が満たされた否かの判断結果に応じて、商品を払い出すことに関する指示を出力する。商品を払い出すことに関する指示とは、例えば、商品の払い出しを行う旨の指示であってもよいし、商品の払い出しを行ってはならない旨の指示であってもよいし、そのほか、自動販売機700において払出条件の判断を行うために用いられる指示であってもよい。出力部160は、例えば、送信部170により指示を送信することにより、指示の出力を行う。
【0129】
本実施の形態において、出力部160は、例えば、指示条件が満たされたと判断された場合に、商品を払い出すことに関する指示を自動販売機700に出力する。例えば、指示条件に関する判断結果そのものを、商品を払い出すことに関する指示として自動販売機700に出力してもよい。また、例えば、払出条件が満たされるとする判断結果に基づいて、商品の払い出しを行う旨の指示が自動販売機700に出力されるようにしてもよい。また、指示条件が満たされないと判断された場合に、その結果を自動販売機700に出力してもよい。
【0130】
なお、このように出力部160により商品を払い出すことに関する指示が出力された場合、自動販売機700において、販売機通信部720は、その指示を受信する。そうすると、販売機制御部709は、受信した指示に応じて、例えば商品の払い出し動作や、商品を払い出さない場合の所定の動作等を行うように、自動販売機700の動作を制御することができる。
【0131】
送信部170は、情報を、ネットワークを介して払出システム1を構成する他の装置に送信する。送信部170は、例えば、自動販売機700や、端末装置600や、その他の装置に対して出力される情報の送信を行う。
【0132】
なお、上述の格納部110や、端末格納部610や、販売機格納部710は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。これらには、それぞれの装置において取得された情報などがそれぞれ格納されるが、情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が記憶されるようになってもよい。
【0133】
また、上述の処理部140や、端末処理部640や、販売機処理部740は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。処理部140や、端末処理部640や、販売機処理部740の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0134】
また、受付部130や、端末受付部630や、販売機受付部730により受付可能な情報の入力に用いられうる入力手段は、操作ボタンや、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるものなど、何でもよい。受付部130や、端末受付部630や、販売機受付部730は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されうる。
【0135】
また、受信部120や、端末受信部620は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0136】
また、送信部170や、端末送信部670は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0137】
なお、本実施の形態において、払出システム1は、以下のように構成されている。すなわち、第二通信部702を用いた通信が正常に行われた場合に、判断部151が、第二情報を用いて所定の条件に関する判断を行い、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合に、判断部151が、第一情報を用いて所定の条件に関する判断を行う。例えば、判断部151は、取得部145により第二情報が取得されなかったり、第二通信部702を用いた通信が正常に行われなかったことを示す情報が端末装置600から送信された場合に、第一情報を用いた判断を行う。
【0138】
このように、音波を用いた通信結果に基づく第一情報よりも第二情報を優先して所定の条件に関する判断を行うようにすることにより、以下の利点がある。すなわち、比較的速やかに端末装置600と自動販売機700とを連携させた処理を行うことができる可能性がある第二通信部702を用いた通信を行うことができる場合においては、スムーズに商品の払い出しに関する判断が行われる。他方、第二通信部702を用いた通信を行うことができなかった場合においても、第一通信部701を用いた音波を利用した通信を行うことによって端末装置600と自動販売機700とを連携させた処理を行うことができ、商品の払い出しに関する判断が行われる。第二通信部702とは異なる通信手段を採用するために特別なハードウェア等を設けることは必ずしも必要ではなく、比較的容易に、より確実な判断を行うことができるようになる。
【0139】
なお、このような動作は、例えば、第一通信部701を用いた通信及びその通信結果の情報処理装置100への送信や、第二通信部702を用いた通信及びその通信結果の情報処理装置100への送信がそれぞれ随時に行われて、情報処理装置100において第二情報を優先した判断が行われることにより実現されればよいが、これに限られない。
【0140】
例えば、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合に、端末装置600において、第一通信部701から送信されている情報を受信することが行われるように構成されていてもよい。すなわち、この場合、端末装置600は、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合に第一通信部701から送信された情報を受信するように構成された受信部である端末受信部620を備えているということができる。このような動作は、以下のようにして行われるようにしてもよい。例えば、先に行われた第二通信部702による通信結果に基づく情報が端末装置600から情報処理装置100に送信され、その結果に基づいて情報処理装置100から端末装置600に、第一通信部701からの情報の受信を開始するための指示が送信されるようにしてもよい。また、第二通信部702を用いた通信を試みた端末装置600が、第二通信部702を用いた通信の結果に応じて、第一通信部701を用いて送信される情報の受信を開始するように動作してもよい。例えば、第二通信部702を用いた通信の試行開始から所定時間が経過しても正常に通信が完了しなかった場合や、第二通信部702を用いた通信の試行開始から所定の情報の受信又は操作の受付があった場合などに、第一通信部701を用いて送信される情報の受信を開始するように構成されていてもよい。
【0141】
また、例えば、自動販売機700と端末装置600との間における第二通信部702による通信が先に試みられ、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合に、自動販売機700において、第一通信部701が、音波を用いて認証用情報と送信元識別子との送信を開始するように構成されていてもよい。このような動作は、以下のようにして行われるようにしてもよい。例えば、先に行われた第二通信部702による通信結果に基づく情報が端末装置600から情報処理装置100に送信され、その送信された情報に基づいて情報処理装置100から自動販売機700に第一通信部701を用いた送信を開始するための指示が送信されるようにしてもよい。また、第二通信部702を用いた通信を試みた自動販売機700が、第二通信部702を用いた通信の結果に応じて、第一通信部701を用いた送信を開始するように動作してもよい。
【0142】
なお、上述のように、通知出力部642が自動販売機700と端末装置600との間で第一通信部701を用いた通信を行うことに関する通知を端末装置600を使用するユーザに対して出力することは、これらの場合に行われるようにすればよい。例えば、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合において、端末装置600が、第一通信部701からの情報の受信を開始したり、自動販売機700に第一通信部701を用いた送信を開始するための指示を送信したりする場合に、通知出力部642が通知を行うようにすればよい。これにより、ユーザは音波による通信が行われることを知り、適切に対応することができるようになる。
【0143】
本実施の形態において、自動販売機700に設けられている第一通信部701及び第二通信部702は、自動販売機700に対する商品の払い出し準備のための所定の指示(以下において、準備指示ということがある)が受け付けられた場合に、それぞれ通信するための動作を開始する。すなわち、第一通信部701は、自動販売機700に対する準備指示が受け付けられた場合に、認証用情報及び送信元識別子の送信を開始するように構成されている。また、第二通信部702は、自動販売機700に対する準備指示が受け付けられた場合に、端末装置600との通信を開始するように構成されている。このような動作は、販売機制御部709が制御を行うことにより行われるといえる。なお、自動販売機700に対する準備指示が受け付けられた場合に、まず、第二通信部702が動作を開始し、その後、所定の状況になった場合(例えば、上述のように第二通信部702を用いた通信が行えなかった場合など)に、第一通信部701が動作を開始するように構成されていてもよい。
【0144】
ここで、準備指示が受け付けられるとは、例えば、コラム(商品)の選択ボタンが押下されることであるが、これに限られない。商品の払い出しに関する処理を開始するようなその他の操作が自動販売機700において受け付けられることや、例えば情報処理装置100などから処理を開始する指示が直接的に又は間接的に自動販売機700に対して送信されたことや、自動販売機700に設けられた人感センサ等によりユーザ(ユーザである可能性がある物)が自動販売機700に対して近づいたことを検知されたこと、などであってもよい。
【0145】
また、通信を開始するとは、実際に情報を送信するための通信を開始することや音波の出力を開始することを意味するが、これに限られない。例えば、通信を開始したり音波の出力を開始したりするためのスタンバイ状態になることを、ここでは通信を開始することと言ってもよい。
【0146】
以下に、本実施の形態に係る払出システム1により行われる動作の一例について説明する。端末装置600を利用するユーザは、端末装置600と自動販売機700とを第一通信部701及び第二通信部702の少なくとも一方を用いた通信を行うことができるように連携させる。この場合、端末装置600から自動販売機700の販売機識別子を含む情報が情報処理装置100に送信され、情報処理装置100は、送信された情報を用いて、商品の払い出しに関する指示条件が満たされるか否かを判断する。端末装置600を利用するユーザは、例えば、端末装置600において動作する所定のアプリケーションを動作させた状態で端末装置600を利用することができるが、これに限られない。例えば、所定のウェブページ等に端末装置600を用いてアクセスすることにより利用可能となるウェブアプリケーションを用いることで、端末装置600を利用することができるようにしてもよい。
【0147】
図7は、同自動販売機700の動作の一例を示すフローチャートである。
【0148】
以下の処理は、販売機処理部740が自動販売機700の各部を制御することなどによって定期的に又は繰り返し実行される。
【0149】
(ステップS111)販売機処理部740は、商品の払い出し準備のための準備指示が受け付けられたか否かを判断する。本実施の形態においては、例えば、販売機処理部740は、コラムの選択ボタンを押下する操作が自動販売機700により受け付けられたか否かを判断する。準備指示が受け付けられたと判断した場合はステップS112に進み、そうでない場合は同じ処理を繰り返し行う。
【0150】
(ステップS112)販売機処理部740は、情報処理装置100から送信された識別情報を取得し、識別情報に基づいて認証用情報を取得する。販売機処理部740は、例えば、この機会に情報処理装置100から送信された識別情報を取得してもよいし、予め受信されて格納部110に格納されている識別情報を取得してもよい。
【0151】
(ステップS113)販売機処理部740は、第一通信部701により、認証用情報等を音波によって出力することを開始する。また、販売機処理部740は、情報処理装置100に、認証用情報等を送信する。
【0152】
(ステップS114)販売機処理部740は、第二通信部702を用いた非接触通信を行う。自動販売機700と端末装置600との間で通信が行われるか、通信を行う試みがなされる。
【0153】
(ステップS115)販売機処理部740は、第二通信部702を用いた端末装置600との間の通信が確立し、かつ、決済条件が満足されたか否かを判断する。通信が確立し決済条件が満たされたと判断した場合はステップS119に進み、そうでない場合はステップS116に進む。
【0154】
(ステップS116)販売機処理部740は、情報処理装置100から、商品の払い出しに関する指示を取得したか否かを判断する。指示を取得したと判断した場合はステップS119に進み、そうでない場合はステップS117に進む。
【0155】
(ステップS117)販売機処理部740は、所定の始期から所定のタイムアウト期間が経過したか否か(タイムアウトしたか否か)を判断する。所定の始期とは、例えば、準備指示を受け付けたタイミングとすることができるが、これにかぎられない。例えば、音波の出力を開始したタイミングであったり、第二通信部702を用いた非接触通信処理を開始したタイミングであったりしてもよい。タイムアウトしたと判断した場合はステップS118に進み、そうでない場合はステップS114に戻る。すなわち、第二通信部702を用いた通信が確立等せず、かつ、情報処理装置100から、第一情報等に基づく払い出しに関する指示が行われない状態でタイムアウトした場合には、ステップS118に進む。
【0156】
(ステップS118)販売機処理部740は、エラー時動作を行う。エラー時動作は、例えば、一連の通信動作を中止することを含みうる。また、エラー時動作は、払い出しが結果として行われないことを、情報処理装置100、端末装置600又は他の装置に出力することを含んでいてもよい。また、エラー時動作は、自動販売機700の表示部等にエラーが発生したことを表示するなどして、自動販売機700前のユーザに知らせる動作を含んでいてもよい。
【0157】
(ステップS119)販売機処理部740は、払出条件が満たされたか否かを判断する。払出条件が満たされたと判断した場合はステップS120に進み、そうでない場合はステップS118に進む。
【0158】
(ステップS120)販売機処理部740は、選択された商品を販売する。すなわち、販売機処理部740は、商品収容部706に収容されている商品を、商品払出部705により払い出す。
【0159】
ステップS120又はステップS118の処理が行われると、一連の動作が終了する。
【0160】
図8は、同端末装置600の動作の一例を示すフローチャートである。
【0161】
以下の処理は、例えば、端末処理部640が端末装置600の各部を制御することなどによって実行される。以下の処理は、例えば、端末装置600を使用するユーザが自動販売機700に商品の払い出しをさせようとする場合に開始される。より具体的には、例えば、端末装置600において、払出システム1を用いるために実行するアプリケーションを起動した場合や、当該アプリケーションにおいてユーザによる所定の操作が検知された場合に、以下の処理が開始されるようにしてもよい。なお、これとは異なるタイミングで開始されるようにしてもよい。
【0162】
(ステップS131)端末処理部640は、自動販売機700との間の非接触通信処理を行う。すなわち、自動販売機700と端末装置600との間で、第二通信部702を用いた通信が行われるか、通信を行うことが試みられる。
【0163】
(ステップS132)端末処理部640は、非接触通信処理において通信が正常に完了したか否かを判断する。通信が正常に完了したと判断した場合はステップS137に進み、そうでない場合はステップS133に進む。例えば、所定のタイムアウト期間が経過する前に通信が完了した場合は、端末処理部640は、通信が正常に完了したと判断することができるが、判断方法はこれに限られない。
【0164】
(ステップS133)端末処理部640は、自動販売機700との間で、端末受信部620により、第一通信部701から送信されている情報の受信が開始される。また、本実施の形態においては、端末処理部640は、第一通信部701から送信されている情報の受信が開始されたこと、すなわち音波の受信が行われていることを、ユーザに対して通知する。
【0165】
(ステップS134)端末処理部640は、所定の始期から所定時間が経過するまでの間に、第一通信部701から送信されている情報の取得が完了したか否かを判断する。所定の始期とは、例えば、音波の受信を開始したタイミングとすることができるが、これにかぎられない。例えば、非接触通信処理を開始したタイミングであってもよい。情報の取得が完了したと判断した場合はステップS136に進み、そうでない場合はステップS135に進む。
【0166】
(ステップS135)端末処理部640は、自動販売機700との通信を正常に行うことができなかった旨をユーザに対して通知する。すなわち、通信エラーが発生したことを通知する。通知は、例えば端末装置600の表示部に情報を表示することなどにより行うことができるが、これに限られない。
【0167】
(ステップS136)端末処理部640は、音波により受信した送信元識別子(すなわち、販売機識別子)と、認証用情報とを、情報処理装置100に送信する。
【0168】
(ステップS137)端末処理部640は、結果情報を取得する。結果情報は、例えば、端末装置600と自動販売機700とが通信を行った結果に関する情報である。結果情報には、より具体的には、例えば、通信が正常に完了した旨、商品が払い出される旨、代金が支払われた旨又はその他の情報などが含まれうる。端末処理部640は、例えば、情報処理装置100から送信された情報に基づいて、結果情報を取得可能である。情報処理装置100から送信された情報が結果情報そのものであってもよいし、送信された情報を用いて結果情報を取得してもよい。また、端末処理部640は、自動販売機700から送信された情報を用いて結果情報を取得してもよい。
【0169】
(ステップS138)端末処理部640は、結果情報に基づいて、ユーザに対して情報を出力する。これにより、ユーザは、例えば、通信が正常に完了したことや、商品が払い出されることや、代金が支払われたことなど、結果情報に基づく情報を認識することができる。情報は、例えば、端末装置600の表示部に情報を表示することなどにより行うことができるが、これに限られない。
【0170】
ステップS135又はステップS138の処理が終了すると、一連の処理が終了する。
【0171】
なお、第一通信部701から送信されている情報の受信は、自動販売機700と端末装置600との間での第二通信部702を用いる通信と並行して行われるようにしてもよい。
【0172】
図9は、同情報処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0173】
以下の処理は、例えば、処理部140が情報処理装置100の各部を制御することなどによって定期的に又は繰り返し実行される。
【0174】
(ステップS151)処理部140は、識別情報を情報処理装置100に送信するタイミングが到来したか否かを判断する。当該タイミングが到来したと判断した場合はステップS152に進み、そうでない場合はステップS153に進む。
【0175】
(ステップS152)処理部140は、識別情報を情報処理装置100に送信する。
【0176】
(ステップS153)処理部140は、端末装置600から非接触通信に基づく情報を取得したか否かを判断する。情報を取得したと判断した場合はステップS154に進み、そうでない場合はステップS155に進む。
【0177】
(ステップS154)処理部140は、第二情報を取得する。例えば、処理部140は、第二通信部702を用いた通信により、決済が行われることを示す情報を取得)
【0178】
(ステップS155)処理部140は、自動販売機700から認証用情報などを受信したか否かを判断する。自動販売機700により送信された認証用情報などを受信したと判断した場合はステップS156に進み、そうでない場合はステップS159に進む。
【0179】
(ステップS156)処理部140は、端末装置600から第一通信部701を用いた通信の結果を受信したか否かを判断する。第一通信部701を用いた通信の結果を受信したと判断した場合はステップS157に進み、そうでない場合はステップS159に進む。
【0180】
(ステップS157)処理部140は、端末装置600から送信された認証用情報と送信元識別子とを含む情報と、第一通信部701により情報処理装置100に送信された認証用情報と送信元識別子とを用いて、特定条件が満たされたか否かを判断する。特定条件が満たされたと判断した場合はステップS158に進み、そうでない場合はステップS159に進む。
【0181】
(ステップS158)処理部140は、第一情報を取得する。例えば、処理部140は、送信元識別子を含む第一情報、すなわち払出手段情報を特定可能な第一情報を取得する。
【0182】
(ステップS159)処理部140は、指示条件が満たされるか否かを判断する。例えば、処理部140は、ステップS154において取得した第二情報や、ステップS158で取得した第一情報を用いて、指示条件が満たされるか否かを判断する。指示条件が満たされると判断した場合はステップS160に進み、そうでない場合はステップS161に進む。
【0183】
(ステップS160)処理部140は、商品の払い出しを行う旨の指示を、自動販売機700に出力する。本実施の形態においては、例えば、このような指示が出力されることにより、自動販売機700において払出条件が満たされると判断され、商品の払い出しが行われる。
【0184】
(ステップS161)他方、処理部140は、商品の払い出しを行ってはならない旨の指示を、自動販売機700に出力する。本実施の形態においては、例えば、このような指示が出力されることにより、自動販売機700においては、払出条件が満たされると判断されず商品の払い出しが行われない。
【0185】
ステップS160又はステップS161の処理が終了すると、一連の処理が終了する。
【0186】
なお、ステップS154において第二情報が取得された場合に、ステップS159に進むように構成されていてもよい。
【0187】
以下、本実施の形態にかかる払出システム1を利用して行われる処理・動作の流れの具体例について説明する。
【0188】
図10は、同払出システム1を利用して行われる処理・動作の具体例を示すシーケンス図である。
【0189】
(ステップS11)ユーザは、端末装置600においてアプリケーションを起動させる。
【0190】
(ステップS12)ユーザは、自動販売機700に対して、払い出しを求める商品を選択する商品選択操作を行う。商品(カラム)を選択する操作が行われる。
【0191】
(ステップS13)自動販売機700は、選択された商品(カラム)を識別する商品識別子を情報処理装置100に送信する。なお、この場合、商品の価格を示す情報も合わせて送信されてもよい。また、商品の価格は、情報処理装置100において商品識別子に基づいて取得されるようにしてもよい。
【0192】
(ステップS14)自動販売機700は、情報処理装置100に対して、識別情報を送信する。
【0193】
次に、本具体例では、ステップS15から、第二通信部702を用いた非接触通信が行われる。
【0194】
(ステップS15)自動販売機700は、第二通信部702を用いた非接触通信を開始する。これにより、非接触通信部704に近づけられている端末装置600との間で非接触通信が行われる。
【0195】
(ステップS16)自動販売機700は、端末装置600と非接触通信を試みた結果、通信が確立して決済可能であると判断する。すなわち、第二通信部702を用いた通信が正常に完了したと判断する。
【0196】
(ステップS17)自動販売機700は、払出条件が満たされたと判断し、選択された商品を払い出す。
【0197】
(ステップS18)自動販売機700は、商品を払い出したことに関する販売情報を、情報処理装置100に送信する。これにより、情報処理装置100において、商品が販売されたことが記録可能となる。
【0198】
他方、非接触通信が試みられた結果として、当該通信が正常に完了しなかった場合には、ステップS19以降の動作が行われる。本具体例において、ステップS19からステップS27までの動作は、ステップS15からステップS18までの処理が行われた場合には行われない。
【0199】
(ステップS19)自動販売機700は、第一通信部701を用いた通信を開始する。
【0200】
(ステップS20)また、この場合、端末装置600において、音波による通信が実行されることが通知される。これにより、ユーザは、非接触通信ではなく音波の受信が行われるようにすればよいことを認識して、通信が完了するまで待機することができる。
【0201】
(ステップS21)自動販売機700は、第一通信部701を用いて、識別情報を用いて取得した認証用情報と、販売機識別子とを音波により送信する。端末装置600は、音波を受信することにより、これらの情報を取得する。
【0202】
(ステップS22)また、自動販売機700は、情報処理装置100に対して、認証用情報と販売機識別子とを送信する。
【0203】
(ステップS23)端末装置600は、第一通信部701を用いて送信された情報の受信が完了すると、受信した情報と、ユーザ識別子とを対応付けて、情報処理装置100に送信する。
【0204】
(ステップS24)情報処理装置100は、ステップS22で受信した情報と、ステップS23で受信した情報とに基づいて、自動販売機700と連携する端末装置600を特定する。
【0205】
(ステップS25)情報処理装置100は、第一通信部701を用いて送信されて端末装置600が受信した情報に基づく第一情報を用いて、指示条件が満たされることを判断する。
【0206】
(ステップS26)情報処理装置100から自動販売機700に、商品の払い出しを行うための指示が送信される。
【0207】
(ステップS27)自動販売機700は、払出条件が満たされたと判断し、選択された商品を払い出す。
【0208】
このように、ステップS17又はステップS27において商品が払い出されると、本具体例では、以下の動作が行われる。
【0209】
(ステップS26)情報処理装置100から端末装置600に、結果情報が送信される。
【0210】
(ステップS27)端末装置600は、結果情報に基づいて、商品が払い出される旨や代金が支払われた旨の、動作の結果を示す情報を出力する。これにより、ユーザは、動作が終了したことを知ることができる。
【0211】
このような処理・動作が行われる場合、例えば、端末装置600で動作するクライアントアプリケーションにより端末装置600の表示部に表示される画面は、次のようになる。
【0212】
図11は、同端末装置600に表示される画面例を示す図である。
【0213】
図11においては、端末装置600においてアプリケーションが起動されてから、商品の払出が行われるまでの表示部の表示画面例が示されている。
【0214】
すなわち、アプリケーションが起動されると、まず、画面S1101において、非接触通信が行われる旨がユーザに示される。ユーザは、端末装置600を、販売機通信部720の近くに位置させるなどして、非接触通信が行われるようにする。
【0215】
非接触通信が正常に完了し、払出条件が満たされると判断される場合、自動販売機700により商品が払い出される。この場合、端末装置600には、例えば、決済されて商品が販売された旨を示す結果情報を含む画面S1102が表示される。
【0216】
他方、非接触通信が正常に完了しなかった場合には、音波による通信が行われる。この場合、端末装置600には、例えば、音波による通信を実行している旨を表示する通知画面S1103が表示される。
【0217】
音波による通信が完了し、その結果を用いて情報処理装置100により商品を払い出す旨の指示が行われると、自動販売機700により商品が払い出される。この場合、端末装置600には、例えば、上述と同様に、結果情報を含む画面S1102が表示される。
【0218】
なお、払出システム1を利用して行われる処理や動作は、
図10において示されるものに限られない。例えば、第二通信部702を用いた通信結果である第二情報を用いて、情報処理装置100において処理が行われるようにしてもよい。
【0219】
図12は、本実施の形態に係る払出システム1を利用して行われる処理・動作の一変形例を示すシーケンス図である。
【0220】
図12においては、
図10に示される動作のうち、非接触通信に関する動作の流れが変更されているものである。すなわち、
図10におけるステップS16からステップS18に替えて、ステップS41及びステップS42と、これに応じたステップS25以降の処理が行われるものである。
【0221】
すなわち、ステップS15において非接触通信が開始されて、自動販売機700と端末装置600との間の通信が確立されると、ステップS41において、非接触通信によって、自動販売機700から端末装置600に販売機識別子が送信される。そうすると、ステップS42において、端末装置600は、受信した販売機識別子を、ユーザ識別子に対応付けて、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、第二通信部702による通信結果に基づく販売機識別子とユーザ情報とを受信することで、自動販売機700と端末装置600とが連携していることを特定することができる。そうすると、ステップS25以降の処理が上述と同様に行われることにより、商品の払出等が行われる。
【0222】
他方、非接触通信が確立されなかった場合には、
図10において説明したのと同様に、ステップS19以降に示されるような音波による通信が行われうる。
【0223】
以上説明したように、本実施の形態によれば、自動販売機700と端末装置600とが、第一通信部701を用いた通信又は第二通信部702を用いた通信を行い、その結果に応じて、情報処理装置100において確実に自動販売機700を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断することができる。一方の通信が正常に行えない場合においても他方による通信を行うことができる可能性があり、自動販売機700を用いた商品の払い出しを実行させることができる可能性が高くなる。払出システム1は、比較的簡素なハードウェア構成により実現可能である。
【0224】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアを光ディスクなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、本実施の形態における、払出システム1の端末装置600を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、情報処理装置と通信可能な自動販売機から商品を払い出すために用いられ、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納される端末格納部を備える端末装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、端末装置に、自動販売機から音波を用いた通信手段により送信された情報を受信する端末受信ステップと、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により自動販売機との間で通信を行う端末通信ステップと、端末受信ステップにより受信した自動販売機から送信された情報に基づく端末受信情報を、自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報と共に情報処理装置に送信する端末送信ステップとを実行させる、プログラムである。
【0225】
本実施の形態においては、自動販売機と、自動販売機及び自動販売機から商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置の少なくとも一方と通信可能な情報処理装置とを用いて、端末装置を使用するユーザに対する自動販売機を用いた商品の払い出し時に以下のような商品払出方法が使用されると言うことができる。この商品払出方法は、自動販売機と前記端末装置との間で、送信元の装置を認証するための認証用情報と送信元の装置を識別可能な送信元識別子とを音波を用いた通信手段により送信する第一通信ステップと、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により、前記自動販売機と前記端末装置との間で通信を行うように構成された第二通信ステップと、前記情報処理装置により、前記第一通信ステップにより前記自動販売機と前記端末装置との間で送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、前記第二通信ステップによる通信結果に基づく第二情報とのうち少なくとも一方を取得する取得ステップと、前記情報処理装置により、前記取得ステップにより取得された前記第一情報と前記第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、前記自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断ステップと、前記情報処理装置により、前記判断ステップの判断結果に応じて商品を払い出すことに関する指示を出力する出力ステップとを含むものであるといえる。
【0226】
(変形例の説明)
【0227】
なお、上述の実施の形態においては、以下のように変形することも可能である。以下の変形例においても、簡素なシステム構成により、端末装置600を利用した自動販売機700による商品の払い出しを実行させることができる可能性を高くすることができる。
【0228】
例えば、音波による通信が行われる場合において、端末装置600において所定の操作が検知されたことに基づいて、端末装置600が送信された情報を受信するように構成されていてもよい。
【0229】
例えば、端末受信部620は、第二通信部702を用いた通信が正常に行われない場合において、動作検知部680によるユーザの動作の検知結果が所定の動作条件を満たすと特定された場合に、第一通信部701から送信されている情報を受信するように構成されていてもよい。所定の動作条件として、例えば、端末装置600が所定の態様で移動されたことが検知されたことや、所定の態様のスワイプ操作が行われたことなどを設定することができる。このようにすることにより、音波を受信可能な装置が、端末装置600の他にも存在する場合において、ユーザが自動販売機700に連携させようとする端末装置600をより確実に特定することができる。
【0230】
なお、このような動作検知部680によるユーザの動作の検知結果が所定の動作条件を満たすか否かの判断は、情報処理装置100において行われるようにしてもよい。例えば、先に行われた第二通信部702による通信結果に基づく情報が端末装置600から情報処理装置100に送信されるとともに、動作検知部680による検知結果が端末装置600から情報処理装置100に送信される。そうすると、情報処理装置100において、第二通信部702を用いた通信が正常に行われず、かつ、動作検知部680によるユーザの動作の検知結果が所定の動作条件を満たすか否かが判断される。情報処理装置100は、この判断結果に基づいて、端末装置600に第一通信部701からの情報の受信を開始するための指示を送信してもよい。
【0231】
(その他)
【0232】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0233】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0234】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の構成要素は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0235】
上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、又は、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現されうる。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0236】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
【0237】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、又は、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0238】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、又は長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、又は、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、又は、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0239】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、又は、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0240】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0241】
上述の実施の形態や変形例の構成要素を適宜組み合わせた実施の形態を構成してもよい。例えば、上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態や変形例のそれぞれの構成要素について、適宜、他の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態や変形例のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【0242】
上述の実施の形態において、第一通信部や第二通信部は自動販売機に設けられているが、これらの一方又は両方が、端末装置に設けられていてもよい。例えば第一通信部が端末装置に設けられている場合、音波を受信する受信部が、自動販売機に設けられていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0243】
以上のように、本発明にかかる払出システムは、より確実に自動販売機を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断できるようにするという効果を有し、払出システム等として有用である。
【符号の説明】
【0244】
1 払出システム
100 情報処理装置
110 格納部
111 販売機情報格納部
113 商品情報格納部
115 ユーザ情報格納部
120 受信部
130 受付部
140 処理部
141 識別情報送信部
145 取得部
151 判断部
160 出力部
170 送信部
600 端末装置
610 端末格納部
620 端末受信部
630 端末受付部
640 端末処理部
642 通知出力部
660 端末出力部
670 端末送信部
680 動作検知部
690 端末取得部
691 マイク
700 自動販売機
701 第一通信部
702 第二通信部
703 音波出力部
704 非接触通信部
705 商品払出部
706 商品収容部
707 出納部
708 表示装置
709 販売機制御部
710 販売機格納部
720 販売機通信部
730 販売機受付部
740 販売機処理部
【要約】
【課題】既存の方法とは異なる方法により、自動販売機から商品の払い出しを行うことができるようにすることが望まれている。
【解決手段】払出システム1は、商品を払い出すために用いられる情報が格納された端末装置600を使用するユーザに対する自動販売機700を用いた商品の払い出し時に用いられる。払出システム1は、自動販売機700と端末装置600との間で音波を用いて情報を送信する第一通信部と、音波を用いた方法とは異なる非接触通信手段により自動販売機700と端末装置600との間で通信を行う第二通信部と、情報処理装置100に設けられており、第一通信部により送信された情報の受信結果に基づく第一情報と、第二通信部を用いた通信結果に基づく第二情報とのうち少なくとも一方を用いて、自動販売機700を用いた商品の払い出しに関する所定の条件が満たされるか否かを判断する判断部とを備える。
【選択図】
図1