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特許7595144情報照会サービスシステム、及び情報照会サービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報照会サービスシステム、及び情報照会サービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20241128BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20241128BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241128BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02J13/00 301K
H02J13/00 301A
G06Q30/0207 350
H02J3/32
H02J7/00 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023211952
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2022581278の分割
【原出願日】2022-01-19
(65)【公開番号】P2024015425
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2024-07-23
(31)【優先権主張番号】P 2021019525
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大輔
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】北元 健太
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-92281(JP,A)
【文献】特開2020-156194(JP,A)
【文献】特開2011-211880(JP,A)
【文献】特開2020-102026(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0050918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/00- 7/36
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報照会サービスシステムであって、
EVパワーサプライを有してネットワークに接続される、車両用の複数の充放電ステーション又は充電ステーションと、
前記ネットワークを通じて前記複数の充放電ステーション又は充電ステーションと接続されたサーバ装置とを含み、
前記充放電ステーション又は充電ステーションは、前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用者の利用情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記充放電ステーション又は充電ステーションから送信される、車両充電に関する情報を含む前記利用者の利用情報に基づいて、利用者による前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用実績を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、利用者からのログイン情報に基づいて利用者による前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用開始又は利用終了を検知し、前記充放電ステーション又は充電ステーションからの充電量を含む前記利用実績の情報を、利用者による前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用開始から利用終了までの間に、前記充放電ステーション若しくは充電ステーション又は前記ネットワークを介して接続された利用者の前記携帯通信端末に送信し、
前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用に伴う充電電気使用量に応じて従量課金する、情報照会サービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報照会サービスシステムであって、
前記携帯通信端末はスマートフォンであり、
専用の閲覧ソフトウェアにより、前記利用実績を前記スマートフォンに表示させる、情報照会サービスシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報照会サービスシステムであって、
利用者の個人特定認証のために、利用者の前記スマートフォンに表示した情報を前記EVパワーサプライのカメラで読み取って、その情報を前記サーバ装置に照会して認証する、情報照会サービスシステム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の情報照会サービスシステムであって、
前記制御部は、前記利用実績として、自然エネルギー由来の電力での前記充放電ステーション又は充電ステーションからの充電に関する情報を前記携帯通信端末に送信する、情報照会サービスシステム。
【請求項5】
情報処理装置による情報照会サービス提供方法であって、
EVパワーサプライを有して前記情報処理装置にネットワークを介して接続される、車両用の充放電ステーション又は充電ステーションから送信される、車両充電に関する情報を含む前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用者の利用情報を管理し、
利用者からのログイン情報に基づいて利用者による前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用開始又は利用終了を検知し、
前記利用者の利用情報に基づく、前記充放電ステーション又は充電ステーションからの充電量を含む利用実績の情報を、利用者による前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用開始から利用終了までの間に、前記充放電ステーション若しくは充電ステーション又は前記ネットワークを介して接続された利用者の携帯通信端末に送信し、
前記充放電ステーション又は充電ステーションの利用に伴う充電電気使用量に応じて従量課金する、情報照会サービス提供方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報照会サービス提供方法であって、
前記情報処理装置は、前記利用実績として、自然エネルギー由来の電力での前記充放電ステーション又は充電ステーションからの充電に関する情報を、前記携帯通信端末に送信する、情報照会サービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電インフラの利用情報の活用に資する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境規制強化とCO2排出量削減の観点から車両の電動化が進んでおり、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の本格普及に向け、充電インフラの整備が急務とされている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-10442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電インフラの利用情報について、活用を検討する余地がある
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報照会サービスシステムは、充放電器を有してネットワークに接続される、車両用の充放電ステーションと、前記ネットワークを通じて前記充放電ステーションと接続されたサーバ装置とを含み、前記充放電ステーションは、前記充放電ステーションの利用者の利用情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記充放電ステーションから送信される利用者の利用情報に基づいて、前記利用者による前記充放電ステーションの利用実績を記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの要求に応じて、又はイベントとして、前記充放電ステーションの利用実績の情報を送信する。
【0006】
この技術は、充放電ステーションの利用情報を照会する情報照会方法として実施されてもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、充放電ステーションの利用情報の照会を通じて、充放電ステーションの利用情報の活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】充放電ステーションのシステム構成図
図2】充放電ステーションの斜視図
図3】充放電スタンドの斜視図
図4】情報照会サービスシステムのシステム構成図
図5】情報照会サービスシステムのブロック図
図6】データシートの記憶内容
図7】照会処理のフローチャート
図8】ログイン画面
図9】照会画面
【発明を実施するための形態】
【0009】
情報照会サービスシステムの概要を説明する。
情報照会サービスシステムは、充放電器を有してネットワークに接続される、車両用の充放電ステーションと、前記ネットワークを通じて前記充放電ステーションと接続されたサーバ装置とを含み、前記充放電ステーションは、前記充放電ステーションの利用者の利用情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記充放電ステーションから送信される利用者の利用情報に基づいて、前記利用者による前記充放電ステーションの利用実績を記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの要求に応じて、又はイベントとして、前記充放電ステーションの利用実績の情報を送信する。
【0010】
ここで、「イベントとして」情報を送信する例として、一定周期で情報を送信する、利用者による充放電器の利用開始又は利用終了を検知して情報を送信する、などが挙げられる。情報は、クライアント装置に送信されてもよいし、充放電ステーションに送信されてもよい。情報が充放電ステーションに送信される場合、情報は充放電器の表示パネルに表示されてもよい。
【0011】
充放電ステーションには、停電時などの非常時に、道路サービスエリア、病院、避難所といった公共施設において、電力負荷に対し、EVやPHEVの車載バッテリを放電させて電力を供給する機能を担うことが期待されている。そうした非常時には、公共施設に属するEVやPHEVが、負荷への放電のために主に使われると想定される。それに加え、将来的には、公共施設に属さない(例えば、公共施設の利用者が所有する)EVやPHEVからの放電を受け入れる可能性がある。
【0012】
上述した構成では、サーバ装置が各利用者の充放電ステーションの利用実績を記憶する。これにより、公共施設の管理者であって充放電ステーションを利用する者、公共施設の利用者、電力供給を目的として車載バッテリを搭載した車両で訪れた充放電ステーション利用者といった、様々な利用者による、充放電ステーションの利用実績を確認できる。
【0013】
前記利用実績は、利用回ごとの充放電量を含んでもよい。
この構成では、各利用者の利用回ごとの充放電量の確認が可能となるため、利用傾向分析や、コミュニティにおけるエネルギーマネジメント計画策定などに利用情報を活用できる。
【0014】
前記サーバ装置は、前記充放電ステーションの利用実績に応じた特典を付与してもよい。
この構成では、利用者やコミュニティといった受益者に対する特典付与が可能となる。これは、利用意欲を喚起・向上し、充放電ステーションの利用を促進するために効果的である。
【0015】
<実施形態1>
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれら実施形態に限定はされない。
1.充放電ステーション50の説明
図1は充放電ステーション50のシステム構成図である。充放電ステーション50は、複数台の充放電スタンド51(EVパワーサプライ)と、管理装置85とを備えている。
【0016】
充放電スタンド51は「充放電器」の一例である。充放電ステーション50には、充放電スタンド51は少なくとも1台あればよく、充放電スタンド51が複数台設けられる場合に限定はされない。
図示しないが、管理装置85を用いることに代えて、充放電スタンド51の1つを「親機」として、その充放電スタンド51に管理装置85の機能を持たせてもよい。
【0017】
各充放電スタンド51は、分岐線L1、L2を介して、交流の給電線Loに並列に接続されている。給電線Loは、電気事業者の電力系統に接続されてもよいし、地域マイクログリッドに接続されてもよい。
【0018】
充放電ステーション50は、公共駐車場など公共の場所に設置されてもよく、代替的に、企業の敷地内に設置されてもよい。
【0019】
充放電ステーション50は、図2に示すような、駐車スペースS1~S5を隣接配置した集中タイプでもよいし、図示しないが駐車スペースを分散配置した分散タイプでもよい。
この実施形態では、各駐車スペース(S1、S2、・・・)に充放電スタンド51が備えられているが、この形態に限定はされない。
【0020】
充放電スタンド51は、例えば、図3に示すように上下方向に長いボックス型であり、筐体の前面壁52に、表示パネル53と操作部54を有している。操作部54は、入力キー54Aと実行キー54Bを含む。充放電スタンド51は、筐体内に通信基板73(例えば、ネットワークインターフェースカード)を有する。
【0021】
筐体の側面壁55は、充放電コネクタ57と充放電ケーブル58を保持している。
図2に示した自動車3などの車両の接続部(インレット)に対して充放電コネクタ57を挿入し、充放電コネクタ57と自動車3の充放電コネクタとを嵌合させる。
【0022】
コネクタの嵌合により、充放電スタンド51と自動車3の車載バッテリ5を電気的に接続し、充放電スタンド51を介して車載バッテリ5を充電又は放電することができる。
充放電スタンド51と自動車3を接続する充放電コネクタ57には、電力の授受に必要な主回路ケーブルに加え、双方の内部情報を授受する信号線も含まれている。自動車3の内部情報には、車載バッテリ5のSOC(充電状態)の情報が含まれる。充放電スタンド51は、その信号線を介して得た車両内部情報を基に、表示パネル53にSOCを表示する。
【0023】
また、充放電スタンド51は、その内部に設けられた電流検出部、電圧検出部による検出値に基づいて、車載バッテリ5の充電量、放電量を算出する。
【0024】
各充放電スタンド51の通信基板73は、管理装置85(図1参照)と通信する。子機である各充放電スタンド51は、利用者により利用されると、充放電スタンド51の利用
情報を、親機である管理装置85に送信する。
充放電スタンド51の利用情報は、「利用日時」、「利用場所」、「利用時間」、「充放電量(充電量及び/又は放電量)」を含む。
【0025】
図1に示す管理装置85は、制御部86、記憶部87、通信装置88を有する。通信装置88は、各充放電スタンド51及びネットワーク110(図4参照)との通信に用いられる。
【0026】
2.情報照会サービスシステム
充放電ステーション50は、図4に示すように、ネットワーク110(広域ネットワーク)に接続されている。ネットワーク110に接続される充放電ステーション50は、単数でもよいし複数でもよい。図4は、2つの充放電ステーション50がネットワーク110に接続された例を示している。
【0027】
図5に示すように、充放電ステーション50は、通信装置88を介してネットワーク110へ直接接続してもよいし、LAN、ルータを経由して接続してもよい。ネットワーク110への接続方法は、特に限定されない。
【0028】
図4に示すように、ネットワーク110は、いわゆるインターネットである公衆通信網110Aと、キャリアネットワーク110Bと、を含んでもよい。キャリアネットワーク110Bは、所定の移動通信規格による無線通信を実現し、基地局BSを含む。
【0029】
ネットワーク110には、図4図5に示すように、サーバ装置130が接続されている。
【0030】
充放電ステーション50及びサーバ装置130は、充放電ステーション50の利用者が利用実績を照会できる、情報照会サービスシステムUを構成する。
【0031】
図5に示すように、サーバ装置130は、サーバコンピュータを用い、制御部131、記憶部133、及び通信部135を備える。サーバ装置130は、1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させた構成としてもよい。
【0032】
記憶部133には、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリが用いられる。記憶部133には、サーバプログラム1Pが記憶されている。サーバプログラム1Pには、Webサーバプログラム、利用実績の管理プログラムが含まれる。
【0033】
制御部131は、サーバプログラム1Pの実行により、以下の処理を行う。
【0034】
(A)Webベースの情報照会サービスへのログイン受け付け
(B)利用者の利用実績に基づくWebページの作成
(C)作成したWebページのクライアント装置への送信
(D)利用実績の管理と特典の付与
【0035】
通信部135は、ネットワーク110を介した通信接続及びデータの送受信を実現する。通信部135はネットワーク110に対応したネットワークインターフェースカードであってもよい。
【0036】
サーバ装置130は、利用者による充放電スタンド51の利用前に、個人特定認証を行うことができる。
【0037】
個人特定認証の手法は、特に限定されない。例えば、充放電スタンド51の入力キー54Aを用いて入力された識別番号を、管理装置85からサーバ装置130に照会して認証してもよい。つまり、サーバ装置130に予め登録されている識別番号の中から、利用者の識別番号を特定することにより、個人認証を行ってもよい。
【0038】
代替的に、利用者の携帯通信端末に表示した2次元バーコードを、充放電スタンド51のカメラで読み取って、その情報を管理装置85からサーバ装置130に照会して認証してもよい。
【0039】
個人特定認証により利用者が特定された場合、サーバ装置130は、各充放電ステーション50の管理装置85から送信される充放電スタンド51の利用情報を、利用者と紐づけて、利用実績として管理する。
【0040】
サーバ装置130により管理される充放電ステーション50の利用実績には、以下の情報が含まれる。
【0041】
(1)利用回数
(2)利用日時
(3)利用場所
(4)利用時間
(5)充放電量
(6)特典
【0042】
「利用回数」は、利用者が充放電ステーション50を利用した回数である。利用回数は、同一ステーションの利用回数に限らず、ネットワーク110に複数の充放電ステーション50が接続されている場合、各ステーションの合計利用回数でもよい。「利用日時」は、利用者が充放電ステーション50を利用した年月日である。
【0043】
「利用場所」は、利用した充放電ステーション50の設置場所、「利用時間」は、充放電ステーション50の利用時間である。
【0044】
「充放電量」は、「充電量」、「放電量」、「累積値」を含む。「充電量」は、充放電スタンド51を介して自動車3の車載バッテリ5に充電された電気量である。「放電量」は、充放電スタンド51を介して自動車3の車載バッテリ5から放電された電気量である。「累積値」は、各利用回の充放電量を積算したトータルの充放電電気量である。
【0045】
「特典」は、利用実績に応じて付与される。この実施形態では、特典の一例として、充放電スタンド51の利用回数に応じた、第1特典を付与する。図6の例では、利用回数5回ごとに、利用ポイントとして、50P(ポイント)を付与している。利用回数に応じた特典を付与することで、利用者による充放電ステーション50の利用を促進できる。EVやPHEVを、例えばコミュニティにおけるエネルギーマネジメント実現のために活用することに向けた、利用者のモチベーションを高めることができる。
【0046】
特典として付与される利用ポイントは、電子クーポンやノベルティと交換可能でもよいし、電子マネーと交換可能でもよい。
【0047】
サーバ装置130は、記憶部133に複数のデータシート(データファイル)Dを有しており、各利用者の利用実績を1つのデータシートDに記憶して管理する。
【0048】
データシートDには、利用者の識別情報に関連付けて利用実績が記憶されており、識別情報に基づいて、各利用者の利用実績のデータを読み出すことができる。
【0049】
図4図5に示すクライアント装置150は、充放電ステーション50の利用者が使用するコンピュータである。クライアント装置150は、いわゆるスマートフォンでもよいし、タブレット型の携帯通信端末でもよい。
【0050】
クライアント装置150は、基地局BSからネットワーク110を介したサーバ装置130との通信が可能であり、アクセスポイントAP経由でもネットワーク110を介してサーバ装置130と通信可能である。
【0051】
クライアント装置150は、図5に示すように、制御部151、記憶部152、通信部153、表示部155、操作部156及びカメラ157を備える。
【0052】
記憶部152には、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが用いられる。記憶部152には、ブラウザプログラム2Pを含む各種プログラムが記憶されている。ブラウザプログラム2Pには、Webブラウザプログラムが含まれる。
【0053】
制御部151は、通信部153によりネットワーク110を介してサーバ装置130と通信接続する。
【0054】
制御部151は、Webブラウザプログラムの実行により、サーバ装置130により提供されるWebページを表示部155に表示させる。
【0055】
操作部156は、表示部155のタッチパネルでもよいし、筐体に設けられた物理ボタンでもよい。操作部156は、利用者による操作情報を制御部151へ通知する。
【0056】
図7は、利用実績の照会処理のフローチャートである。
照会処理は、サーバ装置130により実行され、S10~S80の8つのステップを含む。
【0057】
サーバ装置130は、照会処理の開始後、クライアント装置150からの接続要求を待つ待機状態に移行する(S10)。
【0058】
充放電ステーション50の利用者は、照会サービスを受ける場合、クライアント装置150の表示部155に表示されるWebページ上で、リンク(接続情報)をクリックするなどしてサーバ装置130のURL(Uniform Resource Locator)を入力する。
【0059】
URLの入力により、クライアント装置150からネットワーク110を介してサーバ装置130に接続要求(ログイン画面へのアクセス要求)が送信され、サーバ装置130は接続要求を受信する。これにより、S10にてYES判定され、S20に移行する。
【0060】
S20に移行すると、サーバ装置130は、利用者からの接続要求に応答して、クライアント装置150にログイン画面のWebページのデータを送信する。送信されたログイン画面は、利用者のクライアント装置150に表示される(図8参照)。
【0061】
利用者が、ログイン画面上でログイン情報、つまり、「ユーザID」と「パスワード」を入力すると、クライアント装置150からサーバ装置130にログイン情報が送信される。送信されたログイン情報は、サーバ装置130により、受信される(S30)。
【0062】
「ユーザID」は、先に説明した利用者の識別情報と同一でもよいし、異なってもよい。サーバ装置130は、ログイン情報を受信すると、受信したログイン情報が正しいか否かを判定する(S40)。
【0063】
サーバ装置130は、記憶部133に予め登録されたログイン情報と一致している場合(入力されたユーザIDとパスワードの双方が登録されているユーザID、パスワードと一致している場合)、ログイン情報は正しいと判断する。
【0064】
ログイン情報は正しいと判断した場合、サーバ装置130は、クライアント装置150に対してアクセス許可を送る。これにより、図8に示すログイン画面の「照会ボタン」が有効化される。
【0065】
その後、利用者がログイン画面上で「照会ボタン」を操作すると、クライアント装置150からサーバ装置130に照会要求が送信され、サーバ装置130は照会要求を受信する(S50)。
【0066】
照会要求を受信すると、サーバ装置130は、記憶部133にアクセスし、利用者の識別情報に基づき、利用者の利用実績の情報を読み出す(S60)。
【0067】
サーバ装置130は、利用者の利用実績を表示するWebページのデータを作成する(S70)。
【0068】
サーバ装置130は、作成したWebページのデータを、クライアント装置150に送信する(S80)。
【0069】
Webページの送信後、処理の流れは、S10に戻り、サーバ装置130は、次の接続要求を待つ待機状態になる。
【0070】
サーバ装置130から送信されたWebページは、クライアント装置150により受信される。
【0071】
受信したWebページをWebブラウザでデータ処理することにより、クライアント装置150の表示部155に、利用実績のデータが表示される。
【0072】
図9は、利用実績の表示例である。この例では、利用実績として、データシートDに記憶した上記6つの項目を、利用年月日の順(古い順)に表示する。
【0073】
3.効果説明
各利用者の充放電ステーション50の利用実績をサーバ装置130が記憶するため、サーバ装置130に照会することにより、充放電ステーション50の利用実績を確認することができる。
充放電ステーション50が設置されている公共施設に属さない(例えば、公共施設の利用者が所有する、或いは電力供給を目的として充放電ステーションを訪れた利用者が所有する)EVやPHEVからの放電を受け入れた場合も、その実績がサーバ装置に記憶される。これは特に、電力需要者(公共施設など)と、電力供給者(電力供給を目的として充放電ステーションを訪れた利用者など)が異なる場合に、利用情報を活用するために有用な仕組みである。
【0074】
情報照会サービスシステムUは、広域ネットワーク110を利用していることから、クライアント装置150を広域ネットワーク110に接続することができれば、どこからでも、利用実績を確認できる。そのため、利用者の多くが、場所を選ばず、利用実績を確認可能となる。
【0075】
クライアント装置150として、普及率の高い携帯通信端末を使用することで、手軽に照会を行うことができる。
【0076】
サーバ装置130は、利用実績に応じて特典を付与する。これにより、利用意欲を喚起・向上して、充放電ステーション50の利用を促進できる。
【0077】
また、情報照会サービスシステムUは、利用実績の照会に限らず、充放電ステーション50の利用に伴う従量制の商取引に活用可能である。
【0078】
例えば、充電時において電気使用量(充電量)を従量課金するシステムや、放電時において電気供給量(放電量)を従量買取するシステムに活用できる。
【0079】
<他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
(1)実施形態では、充放電スタンド51を用いて、自動車3の車載バッテリ5を充電又は放電した。充放電スタンド51は、バッテリ5を搭載した車両であれば、自動車3以外の車両にも適宜利用することができる。例えば、充放電スタンド51を用いて、電動バイクを充電又は放電してもよい。
【0081】
(2)実施形態では、クライアント装置150は、サーバ装置130から提供される利用実績のWebページのデータを、Webブラウザにより表示した。代替的に、クライアント装置150は、サーバ装置130から提供される専用の閲覧ソフトウエア(スマートフォンのアプリケーションなど)により、利用実績を表示してもよい。クライアント装置150は、携帯通信端末に限定はされない。
【0082】
(3)実施形態では、利用実績に応じて付与される特典の一例として、利用回数に応じて付与される第1特典を例示した。利用実績に応じて付与される特典は、第1特典に限定されない。
例えば、第1特典に代えて又は第1特典と併用して、利用回ごとの充電量や放電量に応じた第2特典が付与されてもよい。第2特典は、利用回ごとの充電量や放電量以外に、累積値(トータル充放電量)に応じて付与されてもよい。第2特典は、充電量、放電量、累積値のいずれか、又はそれらの組み合わせに応じて付与されてもよい。特典は、利用ポイントに限らず、利用実績に応じた恩恵を得られるものであれば、別の形態でもよい。電力需要が高い時(例えば、下げデマンドレスポンス実施の時)の車両からの放電、及び/又は、電力が余剰の時(例えば、上げデマンドレスポンス実施の時や、電気代の安い夜間など)の車両への充電に対して特典が付与されてもよい。
車両の所有者に対して車両からの放電についての要請がなされた際に(例えば、蓄電システムを備えた充放電ステーション50で停電や電力不足が発生して放電要請がなされた際に)、要請発令時点から早いタイミングでの車両からの放電ほど、多くの特典が付与されてもよい。利用実績として、利用日時や利用時間といった時刻情報を管理しておくことで、このような特典の付与が可能となる。
二酸化炭素を排出しない自然エネルギー由来の電力で充電された車両(例えば、太陽光発電や風力発電を併設する充電ステーションで充電された車両)から放電された場合に、多くの特典が付与されてもよい。利用実績として、利用場所といった位置情報を管理しておくことで、このような特典の付与が可能となる。
【0083】
(4)実施形態では、子機である充放電スタンド51から親機である管理装置85に対して利用情報のデータを送信した。代替的に、専用の管理装置85を用いずに、複数台ある充放電スタンド51のうち1つを親機としてもよい。この場合、親機である充放電スタンド51を、ネットワーク110を介してサーバ装置130に接続し、各充放電スタンド51の利用情報を、親機を介してサーバ装置130に送信してもよい。ネットワーク110は、広域ネットワークに限定されず、ローカルエリアネットワークでもよい。
【0084】
(5)実施形態では、充放電ステーション50の利用情報として、「利用日時」、「利用場所」、「利用時間」、「充放電量(充電量放電量、累積値)」を示したが、利用情報は、これら4つの情報のうちの一部の情報でもよい。利用実績も、実施形態で例示した6つの情報を全て管理する必要はなく、一部の情報のみが管理されてもよい。利用情報、利用実績として管理する情報は、実施形態で例示したものに限らず、充放電ステーション50の利用に関する情報であればよい。
【0085】
(6)実施形態では、充放電ステーション50の利用実績の情報を、サーバ装置130からクライアント装置150に送信した。代替的に、利用実績の情報を、利用者による充放電スタンド51の利用開始から利用終了までの間に、サーバ装置130から充放電ステーション50に送信してもよい。また、利用者による充放電スタンド51の利用開始から利用終了までの間の少なくとも一定期間、利用実績の情報が、充放電スタンド51の表示パネル53に表示されてもよい。表示パネル53を通じて、利用実績に応じた特典を、この機会に使用するか否かを利用者に尋ねてもよい。
充放電スタンド51に、利用実績の情報を表示させるので、利用者がクライアント装置を所持している必要がない。充電開始時、放電開始時に、利用者は車両から降りて、車両の接続部(インレット)に充放電コネクタ57を接続し、充放電スタンド51を操作する。そのため、充放電スタンド51に表示される利用実績の情報を、利用者が確実に視認する。
【符号の説明】
【0086】
50 充放電ステーション
51 充放電スタンド(充放電器)
85 管理装置
110 ネットワーク
130 サーバ装置(情報処理装置)
150 クライアント装置(通信端末)
U 情報照会サービスシステム
図1
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