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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】車両及びその電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20241128BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/264
H01M50/55
H01M50/591
H01M50/289 101
H01M50/242
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023501383
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2021090550
(87)【国際公開番号】W WO2022007482
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202010659620.1
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王▲歓▼▲歓▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】黄木清
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼▲慶▼
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-10778(JP,A)
【文献】特開2021-114389(JP,A)
【文献】特開2013-157242(JP,A)
【文献】中国実用新案第204577482(CN,U)
【文献】国際公開第2019/216218(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/262
H01M 50/264
H01M 50/289
H01M 50/55
H01M 50/271
H01M 50/588
H01M 50/591
H01M 50/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイと、押圧板と、前記トレイに固定されたプルプレートと、アレイ状に配列された複数のセルとを含み、前記トレイ内に収容空間が形成され、複数の前記セルは、前記収容空間に収容され、前記押圧板は、前記複数のセルより圧力を受け、前記押圧板の反対側に位置する両端は、いずれも前記トレイに固定され
前記押圧板の反対側に位置する両端は、第1端部を含み、前記押圧板の第1端部は、前記プルプレートに接続され、前記プルプレートにより前記トレイに固定される、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記トレイに固定された第1プルロッドをさらに含み、前記押圧板の反対側に位置する両端は、第2端部をさらに含み、前記第2端部は長手方向において前記第1端部と反対側に設置され、前記押圧板の第2端部は、前記第1プルロッドに接続され、前記押圧板の第2端部は、前記第1プルロッドにより前記トレイに固定される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック。
【請求項3】
前記トレイは、底板と、前記底板に設置された側部梁とを含み、前記底板と前記側部梁によって前記収容空間が囲まれ、前記側部梁に開口部が形成され、突部が前記側部梁から前記開口部内に延在し、前記プルプレートは、前記底板に固定され、前記突部は、前記プルプレートに固定接続され、前記第1プルロッドは、前記底板に固定され、前記第1プルロッドは、前記側部梁に固定接続される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック。
【請求項4】
第2プルロッドをさらに含み、前記底板には、間隔を隔てて設置された複数の中間横方向梁が設置され、各前記中間横方向梁に前記第2プルロッドが設置され、前記第2プルロッドは、複数の前記セル間の隙間を貫通して前記押圧板に接続される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック。
【請求項5】
隣接する2つのセルが隙間を形成するように、隣接する2つの前記セルの間に設置されたストッパーをさらに含み、前記セルの延在方向に沿って、前記隙間は、中間部分と、前記中間部分の両側に位置するエッジ部分とを含み、前記ストッパーは、前記エッジ部分内に位置し、前記第2プルロッドは、前記中間部分を貫通して前記押圧板に接続される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記プルプレートの横断面積は、前記第1プルロッドの横断面積よりも大きく、前記プルプレートの横断面積は、前記第2プルロッドの横断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記プルプレートは、複数であり、前記第1プルロッドは、複数であり、各前記横方向梁の前記第2プルロッドは、複数である、ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
各前記セルは、上面と、前記上面に間隔を隔てて設置されたプラスポスト及びマイナスポストとを含み、複数の前記セルの上面に取付面が形成され、
前記電池パックは、前記取付面に取り付けられた上面カバープレートと、前記上面カバープレートに取り付けられた絶縁カバーとをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする車両
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年7月9日に提出した、公開名が「車両及びその電池パック」である中国特許公開番号「202010659620.1」の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、電池の技術分野に関し、特に、車両及びその電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池パックにおける複数のセルは、接着剤により固定接続され、電池パックに振動、衝撃が発生したときに、接着剤の故障によるセル間の相対変位を引き起こす場合があるため、これは、電池パックの潜在的な安全上の問題をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、電池パックに振動、衝撃が発生したときに、接着剤の故障によるセル間の相対変位を引き起こす場合があり、電池パックの潜在的な安全上の問題をもたらす可能性があるという技術的課題を解決するために、車両及びその電池パックを提供することである。
【0005】
本開示に係る電池パックは、トレイと、押圧板と、アレイ状に配列された複数のセルとを含み、前記トレイ内に収容空間が形成され、複数の前記セルは、前記収容空間に収容され、前記押圧板は、前記複数のセルより圧力を受け、前記押圧板の反対側に位置する両端は、いずれも前記トレイに固定される。
【0006】
前記電池パックは、前記トレイに固定されたプルプレートをさらに含み、前記押圧板の反対側に位置する両端は、第1端部を含み、前記押圧板の第1端部は、前記プルプレートに接続され、前記プルプレートにより前記トレイに固定される。
【0007】
前記電池パックは、前記トレイに固定された第1プルロッドをさらに含み、前記押圧板の反対側に位置する両端は、前記第1端部と反対側に設置された第2端部をさらに含み、前記押圧板の第2端部は、前記第1プルロッドに接続され、前記第1プルロッドにより前記トレイに固定される。
【0008】
前記トレイは、底板と、前記底板に設置された側部梁とを含み、前記底板と前記側部梁によって前記収容空間が囲まれ、前記側部梁に開口部が形成され、前記側部梁は、前記開口部内に延在する突部を有し、前記プルプレートは、前記底板に固定され、前記突部は、前記プルプレートに固定接続され、前記第1プルロッドは、前記底板に固定され、前記側部梁に固定接続される。
【0009】
前記電池パックは、第2プルロッドをさらに含み、前記底板には、間隔を隔てて設置された複数の中間横方向梁が設置され、各前記中間横方向梁に前記第2プルロッドが設置され、前記第2プルロッドは、複数の前記セル間の隙間を貫通して前記押圧板に接続されたる。
【0010】
前記電池パックは、隣接する2つのセルが隙間を形成するように、隣接する2つの前記セル間に設置されたストッパーをさらに含み、前記セルの延在方向に沿って、前記隙間は、中間部分と、前記中間部分の両側に位置するエッジ部分とを含み、前記ストッパーは、前記エッジ部分内に位置し、前記第2プルロッドは、前記中間部分を貫通して前記押圧板に接続される。
【0011】
前記プルプレートの横断面積は、前記第1プルロッドの横断面積よりも大きく前記プルプレートの横断面積は、前記第2プルロッドの横断面積よりも大きい。
【0012】
前記プルプレートは、複数であり、前記第1プルロッドは、複数であり、各前記横方向梁の前記第2プルロッドは、複数である。
【0013】
各前記セルは、上面を含み、前記上面には、間隔を隔てて設置されたプラスポスト及びマイナスポストが設置され、複数の前記セルの上面に取付面が形成され、
前記電池パックは、前記取付面に取り付けられた上面カバープレートと、前記上面カバープレートに取り付けられた絶縁カバーとをさらに含む。
【0014】
本開示に係る車両は、上述した電池パックを含む。
【0015】
以上より、本願は、押圧板が複数のセルより圧力を受け、押圧板の反対側に位置する両端がいずれもトレイに固定され、押圧板が複数のセルをトレイ内に固定することように押圧板を設置することにより、電池パックに振動、衝撃が発生しても、セル間に相対変位が生じず、電池パックの潜在的な安全上の問題を引き起こさない。また、押圧板が複数のセルより圧力を受けると、セルの動作時に発生した膨れを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の実施例又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0017】
図1】本開示の実施例に係る電池パックの概略構成図である。
図2図1における電池パックの概略分解図である。
図3図1における電池パックの別の概略分解図である。
図4】前面カバーと密封カバーが覆われている図1における電池パックの概略構成図である。
図5】本開示の実施例に係る電池パックと車両との関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、全てではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0019】
本開示に係る車両1000は、電池パック100を含む。以下、電池パック100について説明する。
【0020】
電池パック100は、トレイ10と、押圧板20と、アレイ状に配列された複数のセル30とを含み、トレイ10内に収容空間40が形成され、複数のセル30は、収容空間40に収容され、押圧板20は、複数のセル30より圧力を受け、押圧板20の反対側に位置する両端は、いずれもトレイ10に固定される。
【0021】
本開示において、押圧板20が複数のセル30より圧力を受け、押圧板20の反対側に位置する両端がいずれもトレイ10に固定され、押圧板20が複数のセル30をトレイ10内に固定するように押圧板20を設置することにより、電池パック100に振動、衝撃が発生しても、セル30間に相対変位が生じず、電池パック100の潜在的な安全上の問題を引き起こさない。また、押圧板20が複数のセル30より圧力を受けると、セル30の動作時に発生した膨れを回避することができる。
【0022】
理解できるように、各セル30は、面積の大きい2つの第1側面301と、面積の小さい2つの第2側面302と、上面303と、底面とを含み、第1側面301の面積は、第2側面302の面積よりも大きく、2つの第1側面301は、反対側に設置され、2つの第2側面302は、反対側に設置され、上面303と底面は、反対側に設置され、2つの第1側面301と2つの第2側面302は、交互に接続されてセル30の側面を形成し、セル30の側面は、上面303と底面に接続される。各セル30の上面303には、間隔を隔てて設置されたプラスポスト304及びマイナスポスト305が設置される。
【0023】
本開示において、押圧板20は、セル30の第1側面301より圧力を受け、押圧板20によるセル30の第1側面301への圧力によりセル30の第1側面301の膨張が回避される。
【0024】
電池パック100は、トレイ10に固定されたプルプレート50をさらに含み、押圧板20の反対側に位置する両端は、第1端部201を含み、押圧板20の第1端部201は、プルプレート50に接続され、プルプレート50によりトレイ10に固定される。一実施例において、プルプレート50は、反対側に設置された第3端部501及び第4端部502を含み、第3端部501は、第1端部201に接続され、第4端部502は、トレイ10に固定接続される。理解できるように、押圧板20の第1端部201は、プルプレート50の第3端部501に取り外し可能に接続されるか又は固定接続され、プルプレート50の第4端部502は、トレイ10に固定接続される。これにより、本開示は、プルプレート50を設置することにより押圧板20の第1端部201をトレイ10に固定し、押圧板20はセル30へ押し付けられる。
【0025】
一実施例において、プルプレート50は、セル30に当接するように配置されセル30に押し付けられる。一実施例において、プルプレート50は、セル30の押圧板20の第1端部201に近接する第2側面302に当接するように配置され第2側面302に押し付けられる。これにより、プルプレート50がセル30に当接され押し付けられると、セル30間の相対変位をさらに回避することができるだけでなく、セル30の第2側面302の膨張を回避することができる。
【0026】
電池パック100は、トレイ10に固定された第1プルロッド60をさらに含み、押圧板20の反対側に位置する両端は、第1端部201と反対側に設置された第2端部202をさらに含み、押圧板20の第2端部202は、第1プルロッド60に接続され、第1プルロッド60によりトレイ10に固定される。一実施例において、第1プルロッド60は、反対側に設置された第5端部601及び第6端部602を含み、第5端部601は、第2端部202に接続され、第6端部602は、トレイ10に固定接続される。これにより、本開示は、第1プルロッド60を設置することにより押圧板20の第2端部202をトレイ10に固定し、押圧板20はセル30より圧力を受ける。理解できるように、押圧板20の第2端部202は、第1プルロッド60の第5端部601に取り外し可能に接続されるか又は固定接続される。
【0027】
一実施例において、第1プルロッド60は、セル30に当接され押し付けられる。一実施例において、第1プルロッド60は、セル30の押圧板20の第2端部202に近接する第2側面302に当接され押し付けられる。第1プルロッド60がセル30に当接され押し付けられると、セル30間の相対変位をさらに回避することができるだけでなく、セル30の第2側面302の膨張を回避することができる。
【0028】
トレイ10は、底板101と、底板101に設置された側部梁102とを含み、底板101と側部梁102によって収容空間40が囲まれ、側部梁102に開口部103が形成され、側部梁102は、開口部103内に延在する突部104を有し、プルプレート50は、底板101に固定され、突部104は、プルプレート50に固定接続され、第1プルロッド60は、底板101に固定され、側部梁102に固定接続される。これにより、プルプレート50は、底板101に固定接続されるだけでなく、側部梁102の突部104に固定接続され、プルプレート50とトレイ10との接続安定性が高く、第1プルロッド60は、底板101に固定接続されるだけでなく、側部梁102に固定接続され、第1プルロッド60とトレイ10との接続安定性が高い。これにより、押圧板20がプルプレート50と第1プルロッド60によりトレイ10に固定接続される場合、押圧板20は、トレイ10に確実に固定接続され、さらにセル30をトレイ10内に確実に圧着することができ、セル30間の変位を回避し、セル30の膨れを回避することができる。理解できるように、プルプレート50は、開口部103に近接する箇所に設置された中間横方向梁80により、底板101に固定されてもよく、第1プルロッド60は、側部梁102に近接する箇所に設置された中間横方向梁80により、底板101に固定されてもよい。
【0029】
一実施例において、プルプレート50の横断面積は、第1プルロッド60の横断面積よりも大きく、プルプレート50の横断面積は、第2プルロッド70の横断面積よりも大きい。一実施例において、セル30と、開口部103が形成された側部梁102との間の空間が大きく、大きい空間は、面積の大きいプルプレート50を収容することができ、セル30と残りの側部梁102との間の空間が小さく、小さい空間は、面積の小さい第1プルロッド60を収容する。これにより、面積の大きいプルプレート50は、プルプレート50とトレイ10との接続安定性を向上させ、面積の小さい第1プルロッド60は、小さい空間に適用されるだけでなく、押圧板20がセル30に圧着されるように押圧板20をトレイ10に固定するのに十分である。理解できるように、突部104の面積が大きく、面積の大きい突部104と面積の大きいプルプレート50との接続は、プルプレート50とトレイ10との接続をより確実にすることができる。一実施例において、突部104は、プルプレート50に向かう第1接続面104aを含み、プルプレート50は、突部104に向かう第2接続面50aを含み、第1接続面104aの面積は、第2接続面50aの面積よりも大きい。
【0030】
電池パック100は、第2プルロッド70をさらに含み、底板101には、間隔を隔てて設置された複数の中間横方向梁80が設置され、各中間横方向梁80に第2プルロッド70が設置され、第2プルロッド70は、複数のセル30間の隙間110を貫通して押圧板20に接続される。一実施例において、複数の中間横方向梁80と第2プルロッド70の設置により、収容空間40を複数のサブ空間に分け、各サブ空間内に少ないセル30を収容すればよく、サブ空間内のセル30間に相対変位が生じにくく、かつ各中間横方向梁80の第2プルロッド70は、いずれも押圧板20に接続されるため、押圧板20は、各サブ空間内のセル30によく圧着される。これにより、複数の中間横方向梁80の設置及び各中間横方向梁80の第2プルロッド70の設置は、セル30の膨張及びセル30間の相対変位をさらに回避することができる。理解できるように、第2プルロッド70は、押圧板20に取り外し可能に接続されるか又は固定接続される。トレイ10と、プルプレート50、第1プルロッド60及び第2プルロッド70との固定方式は、溶接方式を用いることができ、例えば、プルプレート50と、突部104及び底板101のいずれもとは、溶接により固定されてもよく、第1プルロッド60と、側部梁102及び底板101のいずれもとは、溶接により固定されてもよく、第2プルロッド70と中間横方向梁80は、溶接により固定されてもよい。
【0031】
電池パック100は、隣接する2つのセル30が隙間110を形成するように、隣接する2つのセル30の間に設置されたストッパー90をさらに含み、セル30の延在方向に沿って、隙間110は、中間部分120と、中間部分120の両側に位置するエッジ部分130とを含み、ストッパー90は、エッジ部分130内に位置し、第2プルロッド70は、中間部分120を貫通して押圧板20に接続される。一実施例において、セル30の延在方向において、ストッパー90の長さは、セル30の長さよりも小さく、ストッパー90が隣接するセル30の間の隙間110内に設置される場合、ストッパー90は、エッジ部分130内に設置されてもよいため、隙間110の中間部分120は、第2プルロッド70が貫通するために用いられ、さらに第2プルロッド70は、隙間110の中間部分120を貫通して押圧板20に接続される。これにより、本開示は、ストッパー90の設置により、隣接するセル30の間に隙間110が形成され、第2プルロッド70が容易に隙間110を貫通して押圧板20に接続される。理解できるように、隣接する2つのセル30の間にいずれも隙間110が設置されるか、又は複数のセル30間に1つの隙間110が設置されるか、又は複数のセル30が接続されて電池パックを形成し、電池パック間に1つの隙間110が設置される。各隙間110のエッジ部分130は、2つであり、2つのエッジ部分130内にいずれもストッパー90が設置される。
【0032】
プルプレート50は、複数であり、第1プルロッド60は、複数であり、各中間横方向梁80の第2プルロッド70は、複数である。一実施例において、押圧板20には、間隔を隔てて設置された複数の凹部203が設置され、凹部203は、接続板204により接続され、凹部203は、プルプレート50及び第1プルロッド60に接続され、1つの凹部203の底部の両端において、一端は、プルプレート50に接続され、他端は、第1プルロッド60に接続される。凹部203の底部の中間部位は、第2プルロッド70に接続される。これにより、複数のプルプレート50、複数の第1プルロッド60及び複数の第2プルロッド70の設置により、押圧板20とプルプレート50との接続面積が大きく、押圧板20と第1プルロッド60との接続面積が大きく、押圧板20と第2プルロッド70との接続面積が大きく、押圧板20は、セル30に確実に圧着することができる。理解できるように、複数のプルプレート50は、底板101の一端に接続されるか、或いは、複数のプルプレート50の底板101に向かう一端は、接続部260により接続され、接続部260は、突部104に固定されてもよく、底板101に固定されてもよい。接続部260は、各プルプレート50の端部に接続されるため、接続部260の面積が大きく、接続部260の設置は、さらに、プルプレート50とトレイ10との間の接続安定性を向上させる。一実施例において、突部104の第1接続面104aの面積は、接続部260の面積よりも小さい。
【0033】
1つの具体的な実施例において、凹部203は、3つであり、プルプレート50は、3つであり、第1プルロッド60は、3つであり、各中間横方向梁80の第2プルロッド70も3つである。
【0034】
複数のセル30の上面303に取付面160が形成され、電池パック100は、取付面160に取り付けられた上面カバープレート140と、上面カバープレート140に取り付けられた絶縁カバー150とをさらに含む。一実施例において、セル30の側面の上面303に近接する位置には、被覆紙170が被覆され、被覆紙170の幅が広く、被覆紙170は、上面303の方向に向かってセル30の側面から延出し、本開示において、取付面160に上面カバープレート140が装着され、セル30の側面から延出する被覆紙170は、上面カバープレート140に密着されてもよく、絶縁カバー150が上面カバープレート140に取り付けられる場合、被覆紙170は、絶縁カバー150に延在せず、被覆紙170のエッジは、絶縁カバー150を押し上げず、容易に取り付けられ、後期使用時に絶縁カバー150が脱落しない。これにより、本開示において、取付面160に上面カバープレート140が設置され、上面カバープレート140がセル30に被覆される場合、被覆紙170は、上面カバープレート140に延在することができ、被覆紙170が浮き上がることがなく、絶縁カバー150に影響を与えず、被覆紙170がセル30の上面303で折り曲げる必要があり、被覆紙170のエッジが浮き上がり、被覆紙170のエッジは、絶縁カバー150を押し上げ、絶縁カバー150とセル30の上面303との接着面積が不足であり、絶縁カバー150が脱落するリスクがあるという技術的課題を解決する。理解できるように、上面カバープレート140にスナップフィットが設置され、絶縁カバー150は、スナップフィットにより上面カバープレート140に固定され、上面カバープレート140と絶縁カバー150は、より確実に接続される。セル30のプラスポスト304及びマイナスポスト305が設置された表面は、セルの上面303である。
【0035】
電池パック100は、複数の接続シート180と、フレキシブル回路基板(FPC)190とをさらに含む。一実施例において、絶縁カバー150には、各セル30のプラスポスト304及びマイナスポスト305のそれぞれに正対する貫通孔270が形成され、各セル30のプラスポスト304及びマイナスポスト305は、貫通孔270内に挿入され、各接続シート180は、絶縁カバー150の上面カバープレート140に背向する表面に設置され、各接続シート180の接続は、貫通孔270内の隣接する2つのセル30のプラスポスト304及びマイナスポスト305に位置する。フレキシブル回路基板(FPC)190は、絶縁カバー150の複数の接続シート180の間の隙間110内に設置され、各接続シート180に接続される。一実施例において、各接続シート180は、アダプタ210によりフレキシブル回路基板(FPC)190に接続されてもよい。これにより、本開示の押圧板20が複数のセル30に圧着される場合、押圧板20は、セル30を固定し、セル30間の相対変位を回避し、セル30の動作時に発生した膨れを回避し、さらにセル30によるフレキシブル回路基板(FPC)190の引き裂きを回避し、セル30によるハウジングの引き裂きを回避し、例えば、トレイ10の引き裂きを回避する。理解できるように、上面カバープレート140にも貫通孔270が形成され、上面カバープレート140の貫通孔270は、絶縁カバー150の貫通孔270に対応して連通し、セル30のプラスポスト304及びマイナスポスト305は、上面カバープレート140の貫通孔270を貫通した後、絶縁カバー150の貫通孔270内に位置する。
【0036】
電池パック100は、前面カバー220、密封カバー230及び液体冷却チューブ280をさらに含む。前面カバー220は、トレイ10の開口部103が形成された側に取り付けられる。密封カバー230は、トレイ10に覆われて、複数のセル30を密封する。液体冷却チューブ280は、セル30の外面に設置され、セル30に対して放熱を行い、液体冷却チューブ280の液体注入口と液体流出口は、電池パック100の外部に延出する。
【0037】
取付時、トレイ10とプルプレート50、第1プルロッド60及び第2プルロッド70とを、溶接などにより接続し、トレイ10の底部及び周囲に絶縁シートを貼り付け、絶縁シートの空隙部位に接着剤を塗布して、セル30をトレイ10内に固定する。セル30間にストッパー90を設置し、電池と液体冷却チューブ及び一体化ワイヤハーネス(絶縁カバー150、FPC、接続シート180を含む)とを組み立てて治具によりトレイ10に入れる。接続シート180を、電池のプラスポスト304及びマイナスポスト305に溶接した後、押圧板20を取り付け、押圧板20と第1プルロッド60、第2プルロッド70及びプルプレート50とを、それぞれねじにより固定する。前面カバー220を取り付け、密封カバー230を覆い、密封カバー230とトレイ10は、接着と密封により密封される。
【0038】
以上に開示された内容は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示の特許請求の範囲を限定するものではなく、当業者であれば、上記実施例を実現する全て又は一部のフローを理解することができ、本開示の請求項に基づいて行われた等価な変更は、依然として本開示の範囲に属する。
図1
図2
図3
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図5