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特許7595150透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20241128BHJP
   A61B 8/13 20060101ALI20241128BHJP
   G01N 29/06 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01N29/24
A61B8/13
G01N29/06
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2023514471
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2021000106
(87)【国際公開番号】W WO2022050515
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0110777
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506376458
【氏名又は名称】ポステック アカデミー-インダストリー ファンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】チュル ホン キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン ハム キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウー パク
(72)【発明者】
【氏名】ピョル リー パク
(72)【発明者】
【氏名】ムン-ギュ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンホ アン
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-147940(JP,A)
【文献】特開昭61-225611(JP,A)
【文献】特開2020-034319(JP,A)
【文献】特開2016-007256(JP,A)
【文献】特開2015-116254(JP,A)
【文献】特開昭60-143743(JP,A)
【文献】特開2018-189498(JP,A)
【文献】特開2005-021380(JP,A)
【文献】特開2005-218684(JP,A)
【文献】特開2015-062678(JP,A)
【文献】特開平08-033097(JP,A)
【文献】特開2001-299758(JP,A)
【文献】特開2013-188330(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0190617(US,A1)
【文献】特表2020-530622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-G01N 29/52
A61B 8/00-A61B 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源と、
前記光源から放出される光と同軸整列され、前記光源から放出される光を透過させる透明超音波センサーとを含み、
前記透明超音波センサーは、前記光源と被写体の間に配置され
前記透明超音波センサーは、
光学インピーダンスマッチングを実施し透明な材料でできている整合部と、
前記整合部の後ろに位置し透明な材料でできている圧電層と、
前記圧電層の後面と前面にそれぞれ位置し、それぞれ透明な導電性物質でできている第1電極層及び第2電極層と、
前記第1電極層に連結されている第1ハウジングと、
前記第2電極層に連結されている第2ハウジングとを含み、
前記整合部は音響レンズを備えている透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項2】
前記光源と前記透明超音波センサーの間に光学系をさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項3】
前記透明超音波センサーと前記被写体の間に光学系をさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項4】
前記光源と前記透明超音波センサーを一つのユニットにして運動させることによって、機械的なスキャニングを遂行する機械的なスキャナーとをさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項5】
前記被写体を運動させることによって機械的なスキャニングを遂行する機械的なスキャナーとをさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項6】
前記透明超音波センサーと前記被写体の間に配置される光学的なスキャナーとをさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項7】
前記光源と前記透明超音波センサーの間に配置される光学的なスキャナーとをさらに含んでいる請求項1に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項8】
前記光学的なスキャナーは少なくともガルバノメーター及びMEMSスキャナーを含んでいる光学的スキャナー群から選択される請求項6又は7に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項9】
前記音響レンズは凹レンズと凸レンズのうち、1つの形状を持つ請求項に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項10】
前記整合部は透明な硝子類、透明なエポキシ類またはシリコン類のうち、少なくとも1つを含有する請求項に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項11】
前記透明超音波センサーの前記圧電層は光学的に透明な特性を持つ圧電材料である請求項に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項12】
前記圧電層はLNO、PMN―PT、PVDF及びPVDF―TrFEのうち、少なくとも1つを含有する請求項11に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項13】
前記透明超音波センサーの前記第1電極層と前記第2電極層は光学的に透明な特性を持つ電極である、請求項に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項14】
前記第1電極層と前記第2電極層はそれぞれAgNW、ITO、炭素ナノチューブ及びグラフィンのうち少なくとも1つを含有する、請求項13に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの光源と、
前記光源から放出される光と同軸整列され、前記光源から放出される光を透過させる透明超音波センサーとを含み、
前記透明超音波センサーは、前記光源と被写体の間に配置され、
前記透明超音波センサーは、
光学インピーダンスマッチングを実施し透明な材料でできている整合部と、
前記整合部の後ろに位置し透明な材料でできている圧電層と、
前記圧電層の後面と前面にそれぞれ位置し、それぞれ透明な導電性物質でできている第1電極層及び第2電極層と、
前記第1電極層に連結されている第1ハウジングと、
前記第2電極層に連結されている第2ハウジングとを含み、
前記第1電極層と前記第2電極層の大きさが互いに異なる透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項16】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングはそれぞれ真ん中が空いているリング形状でできている請求項15に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項17】
前記第1ハウジングは前記第1電極層の縁部に接して配置され、前記第2ハウジングは前記第2電極層の縁部に接して配置された請求項16に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項18】
前記第2ハウジングの内部空間の中に前記圧電層、前記第1電極層と前記第1ハウジングが位置する請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項19】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングは導電性物質を含有する請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項20】
前記第1ハウジングに連結されている第1信号線と前記第2ハウジングに連結されている第2信号線をさらに含んでいる請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項21】
前記第1電極層に接して位置し、超音波信号を減衰させる後面層をさらに含んでいる請求項16に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項22】
前記後面層は前記第1ハウジングで覆われている請求項21に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項23】
前記後面層は透明な硝子類か透明なエポキシ類を含有する請求項22に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項24】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に位置し、透明な絶縁物質でできている絶縁部をさらに含んでいる請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項25】
前記整合部の前に位置し音響インピーダンスの整合を実施する保護層をさらに含んでいる請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項26】
前記保護層はパリレンを含有する請求項25に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項27】
前記整合部の後ろに位置していて、前記整合部を通過した光の焦点を調整し、透明な材料でできている補正レンズをさらに含んでいる請求項17に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項28】
前記補正レンズは凸形状をしている請求項27に記載の透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【請求項29】
2つ以上の光源と、
2つ以上の前記光源のうち少なくとも1つの前記光源を選択し出力させる光源選択部と、
前記光源選択部から選択された少なくとも1つの前記光源と同軸整列され、前記光源から放出された光を透過させる透明超音波センサーとを含め、
前記透明超音波センサーは、前記光源と被写体の間に配置され
前記透明超音波センサーは、
光学インピーダンスマッチングを実施し透明な材料でできている整合部と、
前記整合部の後ろに位置し透明な材料でできている圧電層と、
前記圧電層の後面と前面にそれぞれ位置し、それぞれ透明な導電性物質でできている第1電極層及び第2電極層と、
前記第1電極層に連結されている第1ハウジングと、
前記第2電極層に連結されている第2ハウジングとを含み、
前記整合部は音響レンズを備えている透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムに関するもので、詳述すると超音波の経路と光の経路の同軸化を可能にさせる透明超音波センサーを活用しSNRを改善して機器を小型化することができる透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学及び超音波ベースのマルチモード(multi-modal)映像は、広範囲にわたる応用分野があり、例えば医療診断の正確性を向上させることができるメリットがある。
それで、従来の超音波映像システムと光学映像システムを結合したり超音波映像システムと光干渉断層撮影映像システムを結合したり、また超音波映像システムと蛍光イメージングシステムを結合するなどの研究が行われていた。
【0003】
しかし、従来の超音波センサーは不透明だという特徴がある。従って従来の超音波センサー(Ultrasonic SensormatahaUltrasonic Transducer。以下、この明細書で超音波センサー、超音波トランスデューサー及びその略語であるUTは、全て同一な意味で使用される)が光学系を持つマルチモード・イメージングに使用される場合、光学系は不透明な従来のUTを透過することができないため、UTを軸外配置(un-axis insertion)する必要があった。このような軸外配置は、様々な理由で映像撮影において不利な点がある。例えば、システムの整列が不良になったり、複雑度が増加したり、システムの大きさが大きくなったり、信号対騒音比(SNR)が低くなるなどの問題があった。
【0004】
図1は従来の不透明超音波センサーを利用した光音響顕微鏡の原理を示したものである。
【0005】
図1に示したように、従来の不透明超音波センサーを利用した光音響顕微鏡の場合、光源が超音波センサーを透過することができない。従って、光の経路と超音波信号の経路を分離するためプリズム、シリコンオイルなど副次的な要素を必ず配置する必要があった。これによって、システムがかなり大きくなる問題も発生した。またプリズムなど光学系の内部を超音波信号が通るとき、エネルギー損失が発生するため、SNR(Signal Noise Ratio)が不良になる問題もあった。
【0006】
一方、不透明超音波センサーの問題を解決するため、米国特許US8,784,321号では不透明超音波センサーの断面の一部に穴をあけ光の経路を形成することによって、光の経路と超音波の経路を同軸に位置させるようにした。しかし、この場合も超音波センサーの断面中、一部でだけ光が透過できるため、超音波センサーの光不透過性による問題点を十分解決することには至らなかった。
【0007】
一方、不透明な超音波センサーによる映像撮影上の問題を解決するため、ここ数年間、透明超音波センサー(Transparent Ultrasonic SensorまたはTransparent Ultrasonic Transducer。透明超音波センサー、透明超音波トランスデューサー及びその略語であるTUTは、この明細書で同一な意味で使用される)の開発が行われていた。しかし、一部TUTの場合、低い透明度と低い敏感度、または広い集束によって依然として高いSNR及び高解像度の光音響映像を得ることには限界があった。ある研究グループは透明容量性マイクロマシンの超音波センサー(Capacitive micromachined ultrasonic transducer)を開発したが、この場合、超音波の強度が低かったり高かったりするバイアス電圧が求められたりするなどの理由で実用化が困難な問題があった。
【0008】
本発明者は、韓国特許出願第10-2020-0039208号(「透明超音波センサー及びその製造方法」)などで、ニオブ酸リチウム(LNO:Lithium niobate)ベースの単結晶透明超音波センサーの構造やその製造方法を提示したことがある。
【0009】
そして、当該の先行研究で提示したLNOベースの単結晶透明超音波センサーを有用に活用できるよう光音響映像、光干渉断層撮影映像、蛍光映像及び光を使用する様々な光学映像を超音波映像と一緒に単一な機器で撮影することができる透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムに関する後続研究を行うことになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、超音波の経路と光の経路の同軸化を可能にさせる透明超音波センサーを活用し、SNRを改善、機器を小型化することができる透明超音波センサーベースの超音波光学イメージングシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するため、本発明の一例による透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムは、少なくとも一つの光源と、前記光源から出る光と同軸整列され、前記光源から放出された光を透過させる透明超音波センサーとを含み、前記透明超音波センサーは、前記光源と被写体の間に配置される。
【0012】
この時、前記光源と前記透明超音波センサーの間に光学系がさらに含まれてもよい。
【0013】
また、前記透明超音波センサーと前記被写体の間に光学系がさらに含まれてもよい。
【0014】
また、前記光源と前記透明超音波センサーを一つのユニットにして運動させることによって、機械的なスキャニングを遂行する機械的なスキャナーとがさらに含まれてもよい。
【0015】
また、前記被写体を運動させることによって機械的なスキャニングを遂行する機械的なスキャナーとがさらに含まれてもよい。
【0016】
また、前記透明超音波センサーと前記被写体の間に配置される光学的なスキャナーとがさらに含まれてもよい。
【0017】
また、前記光源と前記透明超音波センサーの間に配置される光学的なスキャナーとがさらに含まれてもよい。
【0018】
さらに、前記光学的なスキャナーはガルバノメーター・スキャナーやMEMSスキャナーと同じく多様な反射板のうち、一つである場合がある。
【0019】
また、前記透明超音波センサーは光学インピーダンスマッチングを実施し、透明な材料でできている整合部と、前記整合部の後ろに位置し透明な材料でできている圧電層と、前記圧電層の後面と前面にそれぞれ位置し、それぞれ透明な導電性物質でできている第1電極層及び第2電極層と、前記第1電極層に連結されている第1ハウジングと、前記第2電極層に連結されている第2ハウジングとを含んでいるのがよい。
【0020】
また、前記透明超音波センサーの前記整合部は音響レンズを備えるのがよい。
【0021】
また、前記透明超音波センサーの前記音響レンズは凹形状レンズ、凸形状レンズ、平面レンズのうち、1つの形状を持つのがよい。
【0022】
また、前記透明超音波センサーの前記整合部は透明な硝子類、透明なエポキシ類、透明なシリコン類のうち、少なくとも一つを含有するのがよい。
【0023】
また、前記透明超音波センサーの前記圧電層は光学的に透明な特性を持つ圧電材料のものが望ましい。
【0024】
この時、前記透明超音波センサーの前記圧電層はLNO、PMN―PT、PVDF及びPVDF―TrFEのうち、少なくとも一つを含有するものがさらに望ましい。
【0025】
また、前記透明超音波センサーの前記第1電極層と前記第2電極層は光学的に透明な特性を持つ電極であるものが望ましい。
【0026】
この時、前記透明超音波センサーの前記第1電極層と前記第2電極層は、それぞれAgNW、ITO、炭素ナノチューブ及びグラフィンのうち、少なくとも一つを含有するものがさらに望ましい。
【0027】
また、前記透明超音波センサーの前記第1電極層と前記第2電極層の大きさは互いに異なるものがよい。
【0028】
さらに、前記透明超音波センサーの前記第1ハウジングと前記第2ハウジングはそれぞれ真ん中に空いている空間をもつリング形状でできているものがよい。
【0029】
また、前記透明超音波センサーの前記第1ハウジングは前記第1電極層の縁部に接して配置され、前記第2ハウジングは前記第2電極層の縁部に接して配置されてもよい。
【0030】
また、前記透明超音波センサーの前記第2ハウジングの内部空間の中に前記圧電層、前記第1電極層及び前記第1ハウジングが位置するのがよい。
【0031】
また、前記透明超音波センサーの前記第1ハウジングと前記第2ハウジングは導電性物質を含有することが望ましい。
【0032】
また、前記透明超音波センサーの前記第1ハウジングに連結されている第1信号線と前記第2ハウジングに連結されている第2信号線はさらに含まれた方がよい。
【0033】
また、前記透明超音波センサーの前記第1電極層に接して位置し超音波信号を減衰させる後面層がさらに含まれた方がよい。
【0034】
また、前記透明超音波センサーの前記後面層は前記第1ハウジングで覆われているのがよい。
【0035】
さらに、前記透明超音波センサーの前記後面層は透明な硝子類か透明なエポキシ類を含有するものがよい。
【0036】
また、前記透明超音波センサーの前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に位置し、透明な絶縁物質でできている絶縁部がさらに含まれているのが望ましい。
【0037】
また、前記透明超音波センサーの前記整合部の前に位置し、音響インピーダンスの整合を実施する保護層がさらに含まれているのがよい。
【0038】
さらに、前記透明超音波センサーの前記保護層はパリレンを含有するのがよい。
【0039】
また、前記透明超音波センサーの前記整合層の後ろに位置し、前記整合層を通過した光の焦点を調整し、透明な材料でできている補正レンズがさらに含まれているのがよい。
【0040】
また、前記超音波センサーの前記補正レンズは凸形状を持つのがよい。
【0041】
一方、本発明の他の例による透明超音波センサーベース超音波光学イメージングシステムは、2つ以上の光源と、2つ以上の前記光源のうち、少なくとも1つの光源を選択し出力させる光源選択部と、前記光源選択部から選ばれた、少なくとも1つの前記光源と同軸整列され、前記光源から放出される光を透過させる透明超音波センサーとを含め、前記透明超音波センサーは前記光源と被写体の間に配置される。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、超音波の経路と光の経路の同軸化を可能にさせる透明超音波センサーを活用、SNRを改善し機器を小型化することができる透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムを具現することができる効果がある。
【0043】
また、透明超音波センサーと光源が結合する時、光源から放出された光が透明超音波センサーを透過しサンプルに照射されるので、光源と超音波センサーを結合する時、光が超音波センサーを迂回するようにシステムを設計する時の不便さを解消する効果がある。
【0044】
また、サンプルの正確に同一の位置で超音波映像・信号と光学映像・信号を同時に獲得できる効果がある。
【0045】
また、様々な光源と同時に結合し、マルチモーダル複合イメージングシステムを具現することができる効果がある。
【0046】
また、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムを、正確な診断をするため総合的な情報を必要とする多様な医療診断分野で活用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は従来の不透明超音波センサーを利用した光音響顕微鏡の原理を示した図面である。
図2図2は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第1実施形態を示したブロック図である。
図3図3は透明超音波センサーの類型を示した図面である。
図4図4は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第2実施形態を示したブロック図である。
図5図5は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第3実施形態を示したブロック図である。
図6図6は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第4実施形態を示したブロック図である。
図7図7は透明超音波センサーベースの光学複合イメージングシステムの第5実施形態を示したブロック図である。
図8図8は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第6実施形態を示したブロック図である。
図9図9は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第7実施形態を示したブロック図である。
図10図10は一つの実施形態による透明超音波センサーの構造を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照し本発明による透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの多様な実施形態を詳細に説明する。
【0049】
超音波センサー、超音波トランスデューサー、超音波プローブは全て同一の対象を指す用語として使用される。これは明細書全体を通じて同一である。
【0050】
図2は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第1実施形態を示したブロック図である。
【0051】
図2に示したように、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1は光源10及び透明超音波センサー(TUT:Transparent Ultrasound Transducer)20を含めてできている。
【0052】
光源10には用途によって適合な波長を持つ多様な種類の光源を用いることができる。
【0053】
例えば、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1が光音響顕微鏡として使用される場合、光源10は例えば532nmの波長を持つパルスレーザー光源になっても良い。
【0054】
または、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1が蛍光位エージング映像撮影装置として使用される場合、光源10は例えば488nmの波長を持つ連続波(CW)のレーザー光源になってもよい。
【0055】
また、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1が光干渉断層映像(OCT:Optical Coherence Tomography)の撮影装置として使用される場合、光源10は、例えば中央波長860nmを持つSLED(Superluminescent LED)になってもよい。
【0056】
どういう場合でも、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1の光源10から出る光はTUT20と同軸整列される。
【0057】
図2の実施形態が光音響顕微鏡になる場合、光源10から放出されたレーザー光はサンプルAに吸収されながら熱弾性膨張した結果、サンプルから発生した超音波の経路と同軸に整列される。その結果、図2の実施形態による光音響顕微鏡を具現する場合、光音響映像と超音波映像を融合した複合映像を生成すれば、正確に同一の地点で撮影された複合映像を獲得できるようになる。
【0058】
図3は透明超音波センサーの類型を示した図面である。
【0059】
透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1のTUT20に使用される透明超音波センサーは単一素子になってもよいが、複数の単一素子を配列したアレイ型の透明超音波センサーを構成し活用することもできる。
【0060】
図3(a)では四角単一素子型の透明超音波センサーを、図3(b)は円盤単一素子型の透明超音波センサーをそれぞれの例として提示した。
【0061】
図3(c)には複数の四角透明超音波センサーをm×n個配列した四角透明超音波センサーアレイを例示した。
【0062】
図3(d)では複数の円盤型透明超音波センサーをk個同心円方向に配列した円形透明超音波センサーアレイを例示した。
【0063】
さらに、図3(a)乃至図3(d)のうち、どの透明超音波センサーも、用途によってFocused typeにも、Unfocused typeにも自由に構成することができる。
【0064】
図4は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第2実施形態を示したブロック図である。
【0065】
図4に示した実施形態は、図2の実施形態による透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムに光学系が加えられた実施形態に関するものである。
【0066】
図4に示したように、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1の光源10とTUT20の間、及びTUT20とサンプルAの間のうち、少なくとも1箇所に光学系30,32を追加することができる。
【0067】
光学系30,32には透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1の用途や機能に適合するよう、レンズ、ミラー、フィルター、スプリッター、コンバイナ、及び少なくともこれらの一部の組合が、必要によって多様に活用されてもよい。
【0068】
図5は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第3実施形態を示したブロック図である。
【0069】
図5に示したように、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1は光源10とTUT20に加え機械的なスキャナー40をさらに含んでいるように構成することができる。
【0070】
透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1は、用途によりサンプルAの撮像面をスキャニングしなければならない場合がある。
【0071】
このため、図5の実施形態による透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1で、機械的なスキャナー40は同軸整列された光源10とTUT20を一つの単位にして移動させることによってスキャニングを遂行することができる。
【0072】
機械的なスキャナー40を構成するアクチュエーターには、リニアモーター、ステッピングモーター、ロータリーモーターなど、従来知られていた多様な方式のアクチュエーターが透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1の用途に適合するように使用されることができる。
【0073】
図6は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第4実施形態を示したブロック図である。
【0074】
図6の実施形態は図5の実施形態と同様に、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1に機械的なスキャナー42が加えられた場合である。ただ、図5の機械的なスキャナー40が光源10とTUT20を動かすことでスキャニングを遂行する反面、図6の機械的なスキャナー42はサンプルAを動かすことでスキャニングを遂行させることができる。
【0075】
図6の機械的なスキャナー42も図5の機械的なスキャナー40と同様にリニアモーター、ステッピングモーター、ロータリーモーターなど、従来知られていた多様な方式のアクチュエーターが透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム(1)の用途に適合するように使用されることができる。
【0076】
図7は透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第5実施形態を示したブロック図である。
【0077】
図7に示したように透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1は、光源10とTUT20に加え光学的なスキャナー50をさらに含んでいるように構成することができる。
【0078】
図7で、光学的なスキャナー50はTUT20とサンプルAの間に配置されスキャニングを遂行できる。
【0079】
光学的なスキャナー50ではガルバノメーター(Galvanometer)スキャナーや微細機械電子システム(MEMS)を活用したスキャナーなど従来知られていた多様な方式の光学スキャナーが透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1の用途に適合するよう使用されることができる。
【0080】
一方、必要に応じて光学系30および/または光学系32は省略されてもよいし、少なくとも一つは含まれてもよい。
【0081】
図8は、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第6実施形態を示したブロック図である。
【0082】
図8の実施形態と図7の実施形態の差異は、図7の実施形態では光学的なスキャナー50がTUT20とサンプルAの間に配置されスキャニングを遂行する反面、図8の実施形態では光学的なスキャナー52が光源10とTUT20の間に配置される点である。
【0083】
その他、光学的なスキャナー50と光学的なスキャナー52の差異はない。
【0084】
また、図8の実施形態でも必要によって光学系30および/または光学系32は省略されてもよいし、少なくとも一つは含まれてもよい。
【0085】
図9は、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステムの第7実施形態を示したブロック図である。
【0086】
光音響映像(または信号)を獲得した場合、同時にまたは時間差をおいてこれを透明超音波センサーで獲得した超音波映像(またはセンサーデータ)と融合することができる。
【0087】
また、多様な光学映像(OCT映像、蛍光映像、赤外線映像など)も光音響映像と一緒に、または光音響映像を代替して、超音波映像と融合することができる。
【0088】
このため、透明超音波センサーベースの超音波光学複合イメージングシステム1は、時によって多様な種類の光源(多様な波長のレーザー光源を含む)と多様な種類の光学系32を選択的に使用することができる。
【0089】
例えば、結合する光学モジュールの数によりDual-modal(例えば、超音波映像+第1光源による光音響映像)複合イメージングシステムを具現することができる。
【0090】
または、Triple-modal(超音波映像+第1光源による光音響映像+第2光源による蛍光映像)複合イメージングシステムとしても具現することができる。
【0091】
また、Quad-modal(超音波映像+第1光源による光音響映像+第2光源による蛍光映像+第3光源による赤外線映像)複合イメージングシステムにも具現することができる。
【0092】
または、それ以上の光源を結合した複合イメージングシステムとして具現することもできる。
【0093】
このため、光源選択部12は複数の光源10から、必要な光源を選択しTUT20側に伝達する役割を遂行する。
【0094】
光源選択部12にはミラー、ダイクロイックミラー、凸形状レンズ、凹形状レンズ、光学ウィンドウ、またはこれらを任意に組合したものなど、光学系が用途に適合するよう含まれてもよい。
【0095】
また、光源10も光学モジュールや目的によって多様な波長及びビームの形態(集束ビーム、発散ビーム、並行ビームなど)を含んでいてもよい。
【0096】
図10は一実施形態による透明超音波センサーの構造を示した図面である。
【0097】
図10に例示した透明超音波センサー20は丸い平面の形状を持っているが、これに限らない。
【0098】
透明超音波センサー20は右の方から保護層211、保護層211の後ろに位置する
整合部213、整合部213の後ろに位置する圧電部215、圧電部215と連結されている第1ハウジング2171及び第2ハウジング2173、圧電部215の後に位置する後面層216、第1ハウジング2171及び第2ハウジング2173の間に位置する絶縁部218、そして第2ハウジング2173の後ろに位置する補正レンズ部219を備えてもよい。
【0099】
保護層211は透明超音波センサー220を物理的及び電気的に保護し、超音波信号を照射しようとする媒質、即ちサンプルAとの音響インピーダンス(acoustic impedance)の差を縮めるためのものである。従って、保護層211は保護機能を備え、液体(例えば、水)と生体の間の音響インピーダンスマッチングを実施する整合層として動作することができる。
【0100】
このような保護層211は透明な物質でできていてもよい。一例として、保護層211は透明なポリマーpolymerであるパリレンparyleneを含有することができる。
【0101】
本例において、保護層211の音響インピーダンスは約2.84Mraylであっても良い。
このような保護層211は圧電部215の前面または側面と透明超音波センサー20の縁に位置している第2ハウジング2173の側面に位置することができる。
【0102】
従って保護層211は結局、透明超音波センサー20の前面と側面を構成することができる。
【0103】
保護層211の後ろに位置する整合部213は圧電部215から発生される超音波信号を照射しようとする媒質、即ちサンプルAとの音響インピーダンス(acoustic impedance)の差異を縮めるためのものである。
【0104】
即ち、圧電部215の動作のため超音波信号が生成される時、空気ではない水、生体組織または他の媒質内で効率的に超音波信号を伝達するためには、当該媒質の音響インピーダンスを最大限調整することで、超音波エネルギーの損失を最小化することができる。
【0105】
本例の整合部213のそれぞれの音響レンズは光と超音波信号の焦点調整が可能な音響レンズを利用したフォーカシング・タイプ(focused type)でもよい。
【0106】
このように、整合部213が焦点調整機能を備えているため、サンプルAにより反射され透明超音波センサー20に入射される超音波信号は、正確に圧電部215の意図した位置につくようになる。
【0107】
従ってこのような整合部213の焦点調整機能によって、圧電部215から出力される超音波信号によって獲得される超音波映像の焦点調整が行われ、鮮明な超音波映像を獲得することができる。
【0108】
これにより、透明超音波センサー20の動作によって獲得される映像の鮮明度が向上し、超音波信号が照射されたサンプルAの、意図していた部位に対する鮮明な映像を獲得がなされる。
【0109】
また、整合部213で音響レンズを利用するので、表面の屈曲が一定で表面の透明度が上がり、サンプルAに照射されたり、サンプルAから反射される超音波信号の送受信時の超音波信号の損失量を削減できる。
【0110】
また、必要によって整合部213に追加的な透過膜や遮断膜を形成し、意図した波長帯の信号のみを透過させたり遮断することができる。
【0111】
整合部213に備えられた音響レンズは透明な硝子類、透明なエポキシ類および透明なシリコン類のうち、少なくとも一つでできていてもよい。
このような音響レンズは、音響レンズの機能によって選択することができる。
【0112】
例えば、音響レンズが音響インピーダンスの整合機能を実施する整合層として機能する場合、圧電部215に備えられた圧電物質がPVDFやPVDF-TrFEなどのポリマー(polymer)形態ではない場合は、音響レンズを硝子類で製作することがより望ましい。
【0113】
即ち、圧電物質がLNO(lithium niobite)やPMN-PTでできている場合、音響インピーダンスが30~40Mraylsと高いが、ガラス類の場合10~15Mraylsと低く、音響インピーダンスマッチングに容易な音響インピーダンス数値を持つだけでなく、透明度がとても優れているので、圧電物質がポリマー形態ではない場合は、音響レンズを硝子類で製作することができる。
【0114】
しかし、音響インピーダンスの整合機能を担う整合層が既に製作されている場合、音響レンズは透明なエポキシ類や透明なシリコン類で製作することができる。
即ち、おおよそ30~40Mraylsの音響インピーダンスを持つ圧電物質とおおよそ1~2Mraylsの音響インピーダンスを持つ生体組織や水(即ち、超音波を照射しようとする媒質)の間に整合機能を遂行する整合層(おおよそ7~20Mrayls)が既に存在していると、別途の音響インピーダンスマッチング動作が要らないので、生体組織や水と似ている音響インピーダンスを持っているエポキシ類やシリコン類(おおよそ1~3Mrayls)が適切である。即ち、エポキシ類とシリコン類の音響インピーダンスは生体組織や水とほぼ同じ音響インピーダンスを持っているため、別途の音響インピーダンスマッチングが不要なためである。
【0115】
また、音速(speed of sound)と音響レンズの材料に対する音速を考慮し、音響レンズの曲面に対する曲率と凹か凸か決めることができる。
【0116】
例えば、音響レンズをガラス類で製作する場合、光学レンズを使用することができる。ここで、ガラス類は水より光速が速いので平凹(plano-concave)のような凹形状の音響レンズを設計することがある。
【0117】
音響レンズが透明なエポキシ類で製作される場合、1次的に製作された音響レンズに研磨工程を実施し、最大限透明度を引き上げ最終的な音響レンズを完成すべきである。このように、音響レンズがエポキシ類でできている場合も、エポキシ類が水より光速が早いので、音響レンズもやはり平凹形状で製作されることができる。
【0118】
音響レンズが透明なシリコン類で製作される場合も、エポキシ類の場合と同様に別途の研磨工程を実施し完成された音響レンズを最大限向上させるべきである。この場合、シリコン類は水より光速が遅いので硝子類とエポキシ類の場合とは異なり、音響レンズは平凸(plano-convex)形態のように凸形状で製作することができる。このように、音響レンズが平凸形状で製作される場合、音響レンズは光を集める機能を持つことができる。
【0119】
圧電部215は、圧電層2151、圧電層2151の後面と前面にそれぞれ位置する第1電極層2153や第2電極層2155を備えることができる。
【0120】
圧電層2151は圧電効果及び逆圧電効果が発生する層であって、前述したように、LNO(lithium niobite)、PMN―PT、PVDF及びPVDF―TrFEのうち、少なくとも一つの圧電物質を含有することができる。
【0121】
LNOの電気機械結合係数(electromechanical coupling coefficient)は約0.49で、極めて高いため、その分、電気-機械のエネルギー変換効率にとても優れている。
【0122】
また、LNOは誘電率(dielectric permittivity)が低いため、圧電層2151がLNOでできている場合、大きな開口部を持つ単一素子トランスデューサー(large aperture single element transducer)に透明超音波センサーの使用することが望ましい。
【0123】
また、LNOはキュリー温度(Curie temperature)が高いため高温でよく耐えるので、耐熱性の良好な透明超音波センサー20の開発が可能になる。
【0124】
これに加え、圧電層2151をLNOで形成する場合、10乃至400MHzの中心周波数を持つ単一素子の超音波センサーの開発も容易になる場合がある。
【0125】
圧電層2151がPMN-PTを含有する場合、PMN-PTの圧電性能(piezoelectric performance)(d33~1500-2800 pC/N)及び電気機械結合係数(k>0.9)が極めて高いので、透明超音波センサー20の性能を向上する。
【0126】
このようなPMN-PTはLNOとは異なり誘電率が高いので、小口経の単一またはアレイ超音波センサー(small aperture single or array ultrasound transducer)に適合する透明超音波センサー20の開発が用意になる。
【0127】
また、圧電層2151がPVDF及びPVDF-TrFEのうち、少なくとも一つを含有する場合、次のような特徴を持つことができる。
【0128】
PVDF及びPVDF-TrFEはポリマー膜(Polymer film)の形態を持ち、可撓性(flexible)を持っていて伸長可能(stretchable)な圧電層2151の製作が可能になり、これによって圧電層2151の厚みを削減することができるので、薄くなった厚みの分、約100MHz帯の高い周波数帯域の信号のため透明超音波センサー20の製作が可能である。
【0129】
またPVDF及びPVDF―TrFEは比較的に低い電気機械結合係数と高い受信常数(receiving constant)を持ち、他の圧電物質に比べ広い帯域幅を持っていて、単一素子やアレイ形態の素子、両方の製作が容易になる。
【0130】
ここで単一素子(例えば、単一超音波センサー)は圧電物質を含むすべての構成要素の数が1個の超音波センサーを意味することができる。また、アレイ形態の素子(例えば、アレイ超音波センサー)は圧電物質を含むすべての構成要素の数が複数個(n個)である超音波センサーである場合があり、一般的に病院でよく使用される形で構成されることができる。この時の形状はリニア(linear)形状、凸(convex)形状、2Dマトリックス(matrix)などであることが望ましい。
【0131】
本例の場合、PMN-PTと同様に小口径の単一またはアレイ超音波センサー、両方の製作が可能である。
このような圧電層2151の物質特徴は次の[表1]のように要約することができる。
【0132】
【表1】
【0133】
圧電層2151の前面と後面にそれぞれ位置する第1電極層2153及び第2電極層2155は図面に表示していない駆動信号の発生器から(+)駆動信号と(-)駆動信号をそれぞれ受信し、圧電層2151に逆圧電効果を発揮して、超音波信号がサンプルAの方に伝達されるようにし、逆にサンプルAによって反射され受信される超音波信号による圧電層2151の圧電効果によって生成される電気信号を受信し、外部に出力できるようにする。このような第1電極層2153及び第2電極層2155は前述したように透明な導電性物質で構成されることができて、例えばAgNW(銀ナノワイヤ)、ITO、炭素ナノチューブ及びグラフィン(graphene)のうち、少なくとも一つを含有することができる。
【0134】
第1ハウジング2171及び第2ハウジング2173との容易な結合のため、第1電極層2153の大きさと第2電極層2155の大きさは互いに異なってもよい。
【0135】
従って、円形の平面形状を持つ第1電極層2153及び第2電極層2155で、第2電極層2155の直径は第1電極層2153の直径と異なり、第2電極層2155の一部(例えば、縁部)は、第1電極層2153の縁部から外部に導出されてもよい。
【0136】
圧電物質に電気的信号(例えば、パルス信号)を加えると圧電物質(即ち、圧電層2151)が前後に振動し超音波信号を発生するが、サンプルAに向かっている圧電層2151の前面だけではなく、その反対側の後面からも超音波信号が発生する。
【0137】
ここで、後面から発生した超音波信号は、サンプルAに向かっていないので、このように後面から発生する超音波信号はノイズ信号として作用する。また、サンプルAに反射されて戻ってくる超音波信号の一部は圧電部215を通過し補正レンズ部219の方から出力されることが望ましい。
【0138】
従って、後面層216は圧電部215の後面に位置し、圧電部215の後面から発生する超音波信号を減衰させ、サンプルAによって反射される超音波信号を減衰させる役割を遂行できる。
【0139】
このように、後面層216が圧電部215の後面(即ち、反射される超音波信号が入射される圧電部215の前面の反対側に位置している面)に位置するので、入射される超音波信号は圧電部の後面を通過しなくなる。
【0140】
これによって、圧電部215の後面を通過する超音波信号による、不要な信号の干渉を防止し、圧電部215に反射される超音波信号の損失を防止し、リングダウン信号(ring down signal)を削減してリングダウン現象を減らすことができる。
【0141】
リングダウンとは、不要な信号が時間軸に長く垂れている現象で、映像生成に悪影響を与える要因である。
【0142】
従って、後面層216はこのようなリングダウン現象を削減するため音響インピーダンスと厚みのうち、少なくとも一つを調整し適切な後面層216を製作することができる。
【0143】
高い音響インピーダンスを持つ物質で後面層216を製作するとリングダウン現象が減り、時間軸でリングダウン現象が減少されることは、周波数領域で帯域幅が広くなるという意味と似ている。しかし、そのかわり超音波信号の送受信時、全体超音波信号の大きさもまた後面層216によって減衰される。
【0144】
逆に、相対的に低い音響インピーダンスを持つ物質で後面層216を製造するとリングダウン現象は大きく減少せず、帯域幅が減少するのだが、超音波信号の送受信量を増やすことができる。
【0145】
後面層216もやはり透明な非導電性物質でできているが、例えば透明なエポキシ類(例えば、Epotek301)または透明な硝子類でできている。
【0146】
後面層216がEpotek301でできている場合、音響インピーダンスが3.1Mraylの低い音響インピーダンスを持つと、低い信号減衰(damping)が行われ、透明超音波センサー20は比較的に高い信号の獲得が可能になる。
【0147】
また、Epotek301は380nm~2000nmの波長で約95%以上の極めて高い透明度を持っており、常温で硬化するため、後面層216の製造が容易である。
【0148】
後面層216が硝子でできている場合、透明度と平坦度が高く別途の硬化工程が不要である。
【0149】
硝子が約13Mraylの音響インピーダンスを持つ場合、後面層216から高い信号減衰作用でパルス長(pulse length)が縮み、リングダウン効果が減少するが透明超音波センサー20の周波数帯域幅を増加させる効果を発揮することがある。
【0150】
このような後面層216は必要により省略できる。
【0151】
第1ハウジング2171と第2ハウジング2173は、前述したように、それぞれ第1電極層2153と第2電極層2155に連結されている。従って、このような第1ハウジング2171と第2ハウジング2173は電気信号の伝達が行われる導電性物質(例えば、銅)を含有する透明な導電性物質でできていてもよい。
【0152】
従って、第1ハウジング2171は第1信号線(L1:図面に示してない)を通じて当該信号を受信し第1電極層2153に伝達し、逆に第1電極層2153から印加された信号を第1信号線L1から出力できる。
【0153】
第2ハウジング2173も第1信号線L1とは別の信号線である第2信号線(L2:図面に示してない)を通じて当該信号を受信し第2電極層2155に伝達して、それとは逆に第2電極層2155から印加される信号を第2信号線(L2)から出力できる。
【0154】
本例で、第1信号線L1に入力される信号はパルス信号である場合もあり、第2信号線L2に流入される信号が接地信号かシールド信号(-)である場合もあり、第1ハウジング2171はパルス信号を第1電極層2153に伝達し、第2ハウジング2173は接地信号を第2電極層2155に伝達することができる。
【0155】
このような第1ハウジング2171と第2ハウジング2173は、リング(ring)の形状を持っていて、それぞれが接している当該電極層2153,2155の縁部、即ち円形の側面と接するように位置することができる。
【0156】
即ち、第1ハウジング2171と第2ハウジング2173の内部の空いている空間の中に、第1電極層2153と第2電極層2155が挿入され装着されることが望ましい。
【0157】
従って、図2に示したように第1ハウジング2171と第2ハウジング2173は透明超音波センサー20が実際アクティブ領域AR1に周りから囲むように位置し、第1ハウジング2171と第2ハウジング2173、実質的には第1ハウジング2171によるアクティブ領域AR1の減少を最小化することができる。
【0158】
このように第1ハウジング2171と第2ハウジング2173は、電気信号を当該電極層2153,2155に伝達する役割を遂行するので、伝導性が良好な物質を含有できる。
【0159】
第1ハウジング2171は光の受信が行われる圧電層2151の後面全体に位置している第1電極層2153の縁部(即ち、へり部)に位置するので、最大限薄い幅(W11)を持つものがよく、配線抵抗などによる信号の損失率を最小化するため最大限厚い厚みを持つものが望ましい。
【0160】
第2ハウジング2173は図3図4に示したように第1電極層2153より大きな直径を持つ第2電極層2155と結合するので、第1ハウジング2171より大きな直径を持っている。
【0161】
また、第2ハウジング2173は第1ハウジング2171より外郭に位置し、透明超音波センサー20を保護する役割を遂行するので、第1ハウジング2171の幅と厚みより大きな幅と厚みを持つことができる。
【0162】
従って、第2ハウジング2173内に第1電極層2153と第1ハウジング2171が位置することができる。
【0163】
また、前述したように、外部に露出する第2ハウジング2173の外側面は保護層211で覆われていて、ノイズ信号が第2ハウジング2173を通じて透明超音波センサー20に流入できないようにする。
【0164】
第2ハウジング2173は圧電層2151の光受信面積に影響を及ぼさないので、大きさは必要によって増加させることができる。
【0165】
また、第2ハウジング2173にネジ線かコネクターなどを形成し、第2ハウジング2173に、意図した光学部品を結合することができる。この場合、第2ハウジング2173は他の部品との結合するための結合部として機能することができる。
【0166】
絶縁部218はそれぞれ該当する電気信号を該当の電極層(2153,2155)に伝達する第1ハウジング2171と第2ハウジング2173の間に当該ハウジング(2171,2173)と接して位置し、第1ハウジング2171と第2ハウジング2173を絶縁し、電気的な短絡やショート(short)を防止できるようにし、第1ハウジング2171と第2ハウジング2173の位置を固定する役割をすることができる。
【0167】
このような絶縁部218は非伝導性のエポキシのように透明な絶縁物質で構成できる。整合部213が一つの例として、平凹(plano-concave)な形状の音響レンズを使用する場合、サンプルAから反射され入射される光と超音波信号は整合部213の音響レンズによって焦点が調整されるが、整合部213を通過した後は光拡散現象が発生する場合がある。
【0168】
従って、整合部213に使用された音響レンズの形状と反対の平凸(plano-convex)な形状の補正レンズ部219を後面層(217)の前に位置させ、このような光の屈折現象を補償し光拡散現象を防止することができる。
【0169】
この時、補正レンズ部219の曲率は最終的に光をどの位置に位置させるのかによって選択的に使用することができる。
【0170】
このように、補正レンズ部219は超音波信号の焦点に関係なく光の焦点にだけ影響するが、整合部213の音響レンズは超音波信号の焦点と光の焦点、両方に影響を及ぼすことができる。
【0171】
このような補正レンズ部219は必要に応じて省略でき、また、補正レンズ部219を変形し光の焦点距離を調整することができる。
【0172】
また、補正レンズ部219は反射され受信される超音波信号の焦点と光の焦点を同時に調整する共焦点機能を持つことができる。しかし、補正レンズ部219が共焦点機能を持つ場合、透明超音波センサー20を通過する前の光の形状を考慮し補正レンズ部219を設計すべきである。
【0173】
本例で、補正レンズ部219は1枚のレンズを備えるが、これに限らず、平凸レンズと同じ一枚のレンズ以外にも数次補正のためレンズを追加的に備え、複数枚のレンズを備えることができる。
【0174】
このような構造を持つ透明超音波センサー20のアクティブ領域(AR1)に位置する全ての構成要素が光の透過が行われる透明な材料でできている場合、透明超音波センサー20の特徴は次のようである。
【0175】
まず、整合部213の動作によって光学インピーダンスマッチング、即ち整合が行われるので、透明超音波センサー20から出力される信号の信頼性が向上する。
【0176】
また、整合部213に使われた焦点調整機能を備えた音響レンズの使用により、サンプルAによって反射される光と超音波信号の焦点調整ができ、圧電部の正確に意図した位置に光と超音波信号がつくようになる。これによって、透明超音波センサー20から出力される信号により獲得される超音波映像の鮮明度が大きく向上し、当該サンプルAの存在可否だけではなく、感知されたサンプルAの正確な形状も把握できるようになる。
【0177】
また、前述したように、透明超音波センサー(20)を構成する構成要素(例えば、211-216,219)が透明なガラス類、透明なエポキシ類、透明なシリコン類のように全て透明な材料でできているので、光源10から出力される光は直ちに透明超音波センサー20を通過して当該サンプルAの方へ照射することができる。
【0178】
これによって、透明超音波センサー20を備えた光学システムの配置が自由になり、光学システムが設置される空間の活用度が向上する。
【0179】
また、使用者の必要に応じて補正レンズ部219を選択的に使用することができ、補正レンズ部219を変更し光の焦点距離を調整することができる。
【0180】
また、使用者の必要に応じて音響レンズとして400-1000nm用コーティングをした平凹形状の光学レンズが使用される場合、400-1000nmで光の透過がよく行われ、超音波映像の鮮明度が向上する。具体的なコーティング技法及び厚みなどは必要に応じる範囲で従来の知られていたコーティング技法を広く適用することができ、光学レンズ表面のコーティングは省略することができる。
【0181】
平凹形状の光学レンズを利用した整合部213(音響レンズ)で使用される場合、音響レンズによる光拡散現象は発生するが、補正レンズ部219による光拡散現象が補完され、意図する地点に光の焦点を調整できる。このように、補償レンズの使用によって音響レンズの選択の幅を広げることができる。
【0182】
このような整合部213(音響レンズ)と補正レンズ部219による焦点調整によって、光の形状(shape)が維持され、これにより微細なフォーカスが維持されるので高解像度の光学映像(例えば、光音響映像や光干渉断層撮影映像)が獲得できる。
【0183】
また、透明超音波センサー20のハウジングを構成する第1ハウジング2171や第2ハウジング2173にそれぞれ第1信号線L1と第2信号線L2を連結し、透明超音波センサー20の第1電極層2153と第2電極層2155への電気信号を印加するので、信号線L1,L2の連結を用意に実施することができる。
【0184】
さらに、外側ハウジングである第2ハウジング2173にネジ線などを形成し、他の光学素子との連結や結合を用意にすることができる。このように、光源から出射される光の経路と全然無関係な部分に位置している第2ハウジング2173に必要な光学素子の結合が行われるので、光は正常に損失なく透明超音波センサー20の圧電部215に入射され、また透明超音波センサー20の中心を法線方向に通過するので、光と超音波信号との整列が用意に行われる。
【0185】
ここで垂直の意味は、光が透明超音波センサー(例えば、透明超音波センサー)の入射面と垂直になる方向に直進するという意味でもよい。
【0186】
このように、垂直に光を超音波センサーに入射させる場合、光と超音波信号の焦点位置が正確に一致する場合があり、透明超音波センサーから得られる映像の鮮明度はさらに向上する。
【0187】
前述したように、空気と媒質間の音響インピーダンスの差異による媒質内での超音波エネルギーを最小化するための整合層が存在することが望ましい。このような整合層は1つ以上あってもよい。
【0188】
比較例として、このような整合層の形成は下記のように行われるのが望ましい。
【0189】
超音波信号の媒質が水か生体組織(1.5Mrayl)で、圧電層がLNO(34.5Mrayl)またはPMN―PT(37.1 Mrayl)の場合、超音波エネルギーの送受信効率を最大化するため音響インピーダンスのマッチングが必要である。この場合、37.1Mrayl~1.5Mraylの間にある物質で、1つ以上の整合層が必要な場合がある。
【0190】
ここで、KLM simulation tool(PiezoCAD, PZFLEXなど)を利用して特定マッチング層を生成した場合、水や生体組織から伝達される超音波信号の波形をシミュレーションを通じて確認して、適切な整合層の物質を探す必要があり、生成された整合層の厚みも超音波の波形に影響するので、整合層の厚みを調整し適切な厚みを探すべきである。理論的に波動エネルギーの損失を最小にする厚みは、波動の方程式によって意図したλ/4の厚みで最小損失になる(c=λ*f、c:speed of sound 約1480m/s、λ:波長、f:意図した中心周波数)。
【0191】
通常の超音波センサーでは、よくシルバーパウダー(silver powder)とエポキシ(epoxy)の混合物(7.9Mrayl)で最初の整合層を生成する。この時、シルバーパウダーとエポキシの混合比率によって音響インピーダンスの調整が可能で、その一例としてシルバーパウダー:エポキシ=3:1.25がある。
【0192】
その後、パリレン(2.8Mrayl)コーティングを通じて第2整合層を生成することができる。
【0193】
圧電層がPVDF及びPVDF―TrFEである場合(約4Mrayl)は、パリレンコーティングだけを使って、1つの整合層を生成することができる。ここでパリレンコーティングによって形成された整合層は、整合層の役割だけでなく外部からの保護及び絶縁の役割も遂行できる。
【0194】
しかし、本例による透明超音波センサー20の場合は、アクティブ領域AR1に位置する構成要素(例えば、211-216,219)が透明であるので、圧電層を構成するLNOやPMN-PTの場合、硝子を利用して整合部213を生成することができる。この時、硝子の原材料(例:borosilicate glass = 13 Mrayl、Crown glass = 14.2 Mrayl、Quartz = 14.5 Mrayl、plate glass = 10.7 Mrayl、 sodalime glass = 13 Mrayl)によって少しずつ異なるため、意図にあう硝子を適切に選択し使用することができる。
【0195】
その後、第2整合層(例:2~6Mraly)は透明なエポキシ類かシリコン類(例えば、PDMS)を使用して生成することができ、第3整合層はパリレンコーティング利用し生成することができる。ここで、第2整合層の生成は省き、パリレンコーティングを利用して第1整合層(例えば、213)の上に直接第2整合層(例えば、211)を形成することができる。この場合も、KLMシミュレーションの結果、シミュレーションの波形を利用し意図する整合層生成することができる。
【0196】
本例による透明超音波センサー20では、一例としてborosilicateで制作された光学レンズを第1整合層として使用し、パリレンコーティングを利用して第1整合層の上に第2整合層を形成、音響インピーダンスマッチングと外部からの保護や信号絶縁ができる。
【0197】
前述したように、この光学レンズは音響インピーダンスのマッチング機能だけではなく、圧電層から発生した超音波信号を集束、即ちフォーカシングする役割も遂行できる。
【0198】
透明超音波センサー(20)は主に映像を獲得する用途で使用されていたので、超音波の集束は高い解像度や高い敏感度(sensitivity)大きな影響を及ぼす要素である。
【符号の説明】
【0199】
1 透明超音波センサーベース 超音波光学複合イメージングシステム
10 光源
12 光源選択部
20 TUT
30,32,34 光学系
40,42 機械的なスキャナー
50,52 光学的なスキャナー
211 保護層
213 整合部
215 圧電部
2151 圧電層
2153 第1電極層
2155 第2電極層
216 後面層
2171 第1ハウジング
2173 第2ハウジング
218 絶縁部
219 補正レンズ部
A サンプル
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