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特許7595164マルチチャンネル冷凍アブレーションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】マルチチャンネル冷凍アブレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61B18/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023528542
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2022109746
(87)【国際公開番号】W WO2023016299
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202110923061.5
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520393521
【氏名又は名称】上海導向医療系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACCU TARGET MEDIPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 102, Basement Floor 1, 1-3, Building 2, 388 Furonghua Road, Pudong New Area, Shanghai 201318, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】喩為秋
(72)【発明者】
【氏名】徐彬凱
(72)【発明者】
【氏名】常兆華
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109223167(CN,A)
【文献】中国実用新案第209059412(CN,U)
【文献】中国実用新案第209470383(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107951558(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109405327(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105902310(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113197660(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0135864(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0049436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムであって、
ガス源入力口、第一圧力測定装置、及びガス主弁が設置されているガスメイン配管であって、上記ガス源入力口は高圧窒素ガス源に接続するために用いられ、上記第一圧力測定装置は圧窒素ボンベのガス圧力を取得するために用いられ、上記ガス主弁は上記ガスメイン配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であるガスメイン配管と、
上記ガスメイン配管に連通されている再加温配管であって、上記再加温配管には、第一ガス出力圧力調節装置、第二圧力測定装置、及び再加温配管主弁が設置され、上記第一ガス出力圧力調節装置は上記再加温配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第二圧力測定装置は上記第一ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記再加温配管主弁は上記再加温配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、上記再加温配管は上記再加温配管主弁の後にN本の再加温分岐チャンネルに分かれ、各再加温分岐チャンネルには各再加温分岐チャンネルを構成するガス配管の開閉を実現する分岐チャンネル弁が設置されている再加温配管(Nは2以上の正の整数)と、
上記ガスメイン配管にそれぞれ連通されている冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管であって、
上記冷凍高圧配管には、第二ガス出力圧力調節装置、第三圧力測定装置、及び冷凍高圧配管主弁が設置され、上記第二ガス出力圧力調節装置は上記冷凍高圧配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第三圧力測定装置は上記第二ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記冷凍高圧配管主弁は上記冷凍高圧配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、
上記冷凍低圧配管には、第三ガス出力圧力調節装置、第四圧力測定装置、及び冷凍低圧配管主弁が設置され、上記第三ガス出力圧力調節装置は上記冷凍低圧配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第四圧力測定装置は上記第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記冷凍低圧配管主弁は上記冷凍低圧配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、
凍低圧配管主弁の後にある上記冷凍低圧配管の部分と上記冷凍高圧配管主弁の後にある上記冷凍高圧配管の部分とが共同でガス通路を形成し、且つ上記ガス通路はN本の冷凍分岐チャンネルに連通され、各冷凍分岐チャンネルには各冷凍分岐チャンネルを構成するガス配管の開閉を実現する分岐チャンネル弁が設置されている冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管と、
一端がアブレーション針に連結するために用いられ、他端が冷凍分岐チャンネル及び/または再加温分岐チャンネルに接続するために用いられているN本のチャンネル配管であって、各上記チャンネル配管には、第五圧力測定装置、配管排気孔、及び上記配管排気孔の開閉の制御に用いられている弁が更に設置され、各上記アブレーション針は通気孔に接続されるか、通気孔を有しているN本のチャンネル配管と、を備えていることを特徴とするマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム。
【請求項2】
Nは3以上の正の整数であることを特徴とする請求項1に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム。
【請求項3】
上記ガス主弁、再加温配管主弁、冷凍高圧配管主弁、及び冷凍低圧配管主弁は電磁弁であり、上記分岐チャンネル弁は電磁弁であり、上記配管排気孔の開閉の制御に用いられる上記弁は電磁弁であることを特徴とする請求項1に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム。
【請求項4】
上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置は減圧弁であることを特徴とする請求項1に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム。
【請求項5】
上記アブレーション針には電気的インターフェースが更に設置され、上記電気的インターフェースは、温度測定装置のコードと、再加温サーミスタのコードと、認識インターフェースのコードと、を含み、
上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは制御モジュールを更に備え、上記制御モジュールは、上記第一乃至第五の各圧力測定装置が測定した圧力データを取得するための圧力測定モジュールと、温度測定モジュールと、スイッチモジュールと、アブレーション針締付固定モジュールと、アブレーション針認識モジュールと、を備え、
上記制御モジュールは上記圧力測定モジュールを利用して全ての圧力測定装置のデータを取得し、
上記温度測定モジュールを利用して全てのアブレーション針の温度を取得し、
上記スイッチモジュールを利用して電磁弁及びアブレーション針再加温電源の開閉を制御し、
上記アブレーション針締付固定モジュールを利用して上記アブレーション針及び上記チャンネル配管のガスインターフェースを締付固定し、
上記アブレーション針認識モジュールを利用してアブレーション針を認識することを特徴とする請求項3に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム。
【請求項6】
請求項に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム制御方法であって、
上記制御モジュールにおいて、アブレーション針の数量に基づいて冷凍高圧配管または冷凍低圧配管のどちらを選択するかを確定する
マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項7】
上記制御方法は、アブレーション針ガスインターフェースのロック解除操作を行う前に、排気を行う排気方法を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項8】
上記制御方法は、アブレーション針の冷凍機能または再加温機能が完了した後、排気操作を実行する排気方法を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項9】
上記制御方法は、上記圧力測定モジュールにより取得される第一圧力測定装置で測定されるボンベの圧力値が所定の下限圧力値より低いことを検知した場合、表示信号を発信する工程を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項10】
第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力を手動調節し、第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の調節完了後、上記制御モジュールの上記圧力測定モジュールで取得される上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の故障状況を更に判断することを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項11】
上記制御方法は、制御モジュールの圧力測定モジュールにより各上記チャンネル配管にある第五圧力測定装置が測定した圧力値に基づいてガスが上記箇所に到達したかどうかを判断する工程を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【請求項12】
上記制御方法は、アブレーション針の排気機能を実行した場合、制御モジュールにより上記チャンネル配管にある第五圧力測定装置が測定した圧力値が0に接近しているという情報を受信すると、上記チャンネル配管にある排気配管内のガスがすでに排出されたと判断する工程を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム、及び上記システム上で実施するマルチチャンネル冷凍アブレーション制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍アブレーション技術は低侵襲ターゲット手術に用いられ、傷口が小さく、中毒性副作用が少なく、治療効果が高いという特徴を有し、クライオバルーンの境界が明確であり、身体の腫瘍免疫機能を活性化し、大血管を傷付けず、明らかな痛みがない等の利点を更に有し、腫瘍の極低温ターゲット冷凍及び温熱療法を実現している。近年、冷凍手術が転移性肝がん、前立肝臓がん、腎臓がん等の治療に広く応用されている。
【0003】
マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは複数のアブレーション針を連携して使用する機能を備えている。1つのアブレーション針により人体の腫瘍組織に形成する冷凍領域には限界があり、腫瘍組織の体積が大きければ、複数のアブレーション針を連携して使用することで冷凍領域を拡大し、大きな腫瘍組織を効果的にカバーする。冷凍アブレーションシステムは複数のチャンネルを含むように設計されており、複数のアブレーション針を連結し、アブレーション針の数量の組み合わせを利用することで、異なる体積の腫瘍組織に対しアブレーションを行えるようにしており、設備の適用性を強化している。
【0004】
現在、市場で主流なマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムとして、以下の2種類を主にある。
まず、アルゴンヘリウム極低温システムであって、従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1には「極低温ガス源として 3000psiアルゴンを使用する凍結手術システム」が開示されている。また、液体窒素凍結アブレーションシステムであって、従来の特許文献では、例えば、下記特許文献2には「凍結源として極低温液体窒素を使用する凍結切除システム」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国登録実用新案第208756146号明細書
【文献】中国登録実用新案第210582629号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在、高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーション装置やシステムは存在しない。
【0007】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは、高圧窒素をガス源として使用する。上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは、
高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムであって、
ガス源入力口、第一圧力測定装置、及びガス主弁が設置されているガスメイン配管であって、上記ガス源入力口は高圧窒素ガス源に接続するために用いられ、上記第一圧力測定装置は上記高圧窒素ボンベのガス圧力を取得するために用いられ、上記ガス主弁は上記メイン配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であるガスメイン配管と、
上記ガスメイン配管に連通されている再加温配管であって、上記再加温配管には、第一ガス出力圧力調節装置、第二圧力測定装置、及び再加温配管主弁が設置され、上記第一ガス出力圧力調節装置は上記再加温配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第二圧力測定装置は上記第一ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記再加温配管主弁は上記再加温配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、上記再加温配管は上記再加温配管主弁の後にN本の再加温分岐チャンネルに分かれ、各再加温分岐チャンネルにはガス配管の開閉を実現する分岐チャンネル弁が設置されている再加温配管(Nは2以上の正の整数。Nが2に等しい正の整数である場合、上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは2つのチャンネル冷凍アブレーションシステムであり、以降も同様に類推する。)と、
上記ガスメイン配管にそれぞれ連通されている冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管であって、上記冷凍高圧配管には、第二ガス出力圧力調節装置、第三圧力測定装置、及び冷凍高圧配管主弁が設置され、上記第二ガス出力圧力調節装置は上記冷凍高圧配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第三圧力測定装置は上記第二ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記冷凍高圧配管主弁は上記冷凍高圧配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、上記冷凍低圧配管には、第三ガス出力圧力調節装置、第四圧力測定装置、及び冷凍低圧配管主弁が設置され、上記第三ガス出力圧力調節装置は上記冷凍低圧配管のガス出力圧力を調節可能であり、上記第四圧力測定装置は上記第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するために用いられ、上記冷凍低圧配管主弁は上記冷凍低圧配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、また、冷凍低圧配管主弁の後にある上記冷凍低圧配管の部分と上記冷凍高圧配管主弁の後にある上記冷凍高圧配管の部分とが共同でガス通路を形成し、且つ上記ガス通路はN本の冷凍分岐チャンネルに連通され、各冷凍分岐チャンネルにはガス配管の開閉を実現する分岐チャンネル弁が設置されている冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管と、
一端がアブレーション針に連結するために用いられ、他端が冷凍分岐チャンネル及び/または再加温分岐チャンネルに接続するために用いられているN本のチャンネル配管であって、各上記チャンネル配管には、第五圧力測定装置、配管排気孔、及び上記配管排気孔の開閉の制御に用いられている弁が更に設置され、各上記アブレーション針は通気孔に接続されるか、通気孔を有しているN本のチャンネル配管と、を備えている。
【0010】
本発明の好適例において、Nは3以上の正の整数である。Nが3に等しい正の整数である場合、上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは3つのチャンネル冷凍アブレーションシステムであり、以降も同様に類推する。
【0011】
本発明の好適例において、上記ガス主弁、再加温配管主弁、冷凍高圧配管主弁、及び冷凍低圧配管主弁は電磁弁であり、上記分岐チャンネル弁は電磁弁であり、上記配管排気孔の開閉の制御に用いられる上記弁は電磁弁である。電磁弁を選択することで、制御モジュールを利用して自動制御を行う。
【0012】
本発明の好適例において、上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置は減圧弁である。上記減圧弁可は手動調節可能な減圧弁であるか、制御モジュールを利用して自動制御を行う減圧弁である。
【0013】
本発明の好適例において、上記アブレーション針には電気的インターフェースが更に設置され、上記電気的インターフェースは、温度測定装置のコードと、再加温サーミスタのコードと、認識インターフェースのコードと、を含む。上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは制御モジュールを更に備えている。上記制御モジュールは、圧力測定モジュールと、温度測定モジュールと、スイッチモジュールと、アブレーション針締付固定モジュールと、アブレーション針認識モジュールと、を備えている。上記制御モジュールは上記圧力測定モジュールを利用して全ての圧力測定装置のデータを取得し、上記温度測定モジュールを利用して全てのアブレーション針の温度を取得し、上記スイッチモジュールを利用して電磁弁及びアブレーション針再加温電源の開閉を制御し、上記アブレーション針締付固定モジュールを利用して上記アブレーション針及び上記チャンネル配管のガスインターフェースを締付固定し、上記アブレーション針認識モジュールを利用してアブレーション針を認識する。このような設置によりマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの自動化を高度化する。
【0014】
同様の発明構想に基づくと、本発明は、以上の何れか1つのマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム内で実施するマルチチャンネル冷凍アブレーション制御方法を更に提供する。上記方法は、
制御モジュール中で各アブレーション針を準備完了または未準備と標記し、アブレーション針の準備完了と標記されたものは、アブレーション針締付固定接続口が締付固定されており、アブレーション針の温度が測定され、再加温電源が使用可能であり、アブレーション針認識インターフェースが使用可能であるという条件を満たしており、以上の何れか1つの条件でも満たしていない場合、アブレーション針が未準備と標記されるアブレーション針の準備工程と、
制御モジュールにおいて、アブレーション針の準備段階で準備が完了したアブレーション針の数量に基づいて冷凍高圧配管または冷凍低圧配管のどちらを選択するかを確定し、3個以上のアブレーション針を使用する場合、冷凍高圧配管を選択し、3個未満のアブレーション針を使用する場合、冷凍低圧配管を選択する冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管の選択工程と、
選定した1つまたは複数のアブレーション針の冷凍アブレーション、再加温を行い、各アブレーション針の冷凍アブレーション、再加温過程のある段階においてガス配管の開閉を制御する場合、治療段階において同じ配管を共用する残りのアブレーション針が使用していないガス配管のガス主弁、再加温配管主弁、冷凍高圧配管主弁、及び冷凍低圧配管主弁の開閉を行うアブレーション針の使用工程と、を含む。
【0015】
本発明の好適例において、上記制御方法は、アブレーション針ガスインターフェースのロック解除操作を行う前に、排気を行う排気方法を更に含む。
【0016】
本発明の好適例において、上記制御方法は、アブレーション針の冷凍機能または再加温機能が完了した後、排気操作を実行する排気方法を更に含む。
【0017】
本発明の好適例において、上記制御方法は、第一圧力測定装置によりボンベの圧力値が所定の下限圧力値より低いことを検知した場合、表示信号を発信する工程を更に含む。
【0018】
本発明の好適例において、第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力を手動調節し、第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の調節完了後、制御モジュールがこの圧力値に基づいて上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の出力圧力が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、上記第一/第二/第三ガス出力圧力調節装置の故障状況を更に判断する。
【0019】
本発明の好適例において、上記制御方法は、制御モジュールにより各上記チャンネル配管にある第五圧力測定装置が測定した圧力値に基づいてガスが上記箇所に到達したかどうかを判断する工程を更に含む。
【0020】
本発明の好適例において、上記制御方法は、アブレーション針の排気機能を実行した場合、制御モジュールにより上記チャンネル配管にある第五圧力測定装置が測定した圧力値が0に接近しているという情報を受信すると、上記チャンネル配管にある排気配管内のガスがすでに排出されたと判断する工程を更に含む。
【0021】
同様の発明構想に基づくと、本発明は高圧窒素作をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムを更に提供する。上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは、
高圧窒素ガス源に接続するためのガス源入力口が設けられている上記ガスメイン配管であって、上記ガスメイン配管は少なくとも1本の再加温配管及び少なくとも1本の冷凍配管にそれぞれ連結されていると共に連通されているガスメイン配管であって、
各上記再加温配管には第一ガス出力圧力調節装置が設置され、上記第一ガス出力圧力調節装置は上記再加温配管に対応するガス出力圧力を調節可能であり、各上記再加温配管は上記第一ガス出力圧力調節装置の後にN本(Nは2以上の正の整数)の再加温分岐チャンネルに分かれ、各上記再加温分岐チャンネルには分岐チャンネル弁が設置され、上記分岐チャンネル弁は上記再加温分岐チャンネル内の高圧窒素の開閉を実現可能であり、
各上記冷凍配管には第二ガス出力圧力調節装置が設置され、上記第二ガス出力圧力調節装置は上記冷凍配管のガス出力圧力を調節可能であり、各上記冷凍配管は上記第二ガス出力圧力調節装置の後にN本の冷凍分岐チャンネルに分かれ、各上記冷凍分岐チャンネルには分岐チャンネル弁が設置され、上記分岐チャンネル弁は上記冷凍分岐チャンネル内の高圧窒素の開閉を実現可能であるガスメイン配管と、
一端がアブレーション針に連結するために用いられ、他端が冷凍分岐チャンネル及び/または再加温分岐チャンネルに接続するために用いられているN本のチャンネル配管と、を備えている。
【0022】
本発明の上述マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムについて、冷凍配管の数量は、1本、2本、3本、或いはそれ以上でもよい。1本を採用する場合でも複数本の冷凍配管は、システムに設計されたチャンネルの数量及び実際に使用するチャンネルの数量に基づいて決定し、例えば、マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムには3つのチャンネルが設置され、高圧/低圧配管に区分される。マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムに2つのチャンネルのみが設計された場合、配管は低圧配管のみとなり、高圧配管がなくなる。3つのチャンネルが設計された場合、実際の使用時にはそのうちの2つのチャンネルのみを使用し、即ち、低圧配管のみ使用する。実際に3つのチャンネルを使用する場合、高圧配管を使用する必要がある。チャンネルの数量が十分であれば、例えば、3つ以上のチャンネルがあれば、冷凍高圧/中圧/低圧配管を設置してもよい。
【0023】
本発明の好適例において、上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは2本以上の冷凍配管を備え、各冷凍配管内の圧力は相違する。2本の冷凍配管構造において、各冷凍配管内のガス圧力値が異なるため、冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管と称する。3本の冷凍配管構造において、各冷凍配管内のガス圧力値が異なるため、冷凍高圧配管、冷凍中圧配管、及び冷凍低圧配管と称する。
【0024】
2本以上の冷凍配管が存在するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムについて、各冷凍配管には冷凍分岐チャンネルをそれぞれ設置してもよく、より好ましくは、2本以上の冷凍配管は多重構造として設計してもよく、少なくとも2本の冷凍配管は各自の第二ガス出力圧力調節装置の後で一部分の配管を共用し、上記一部分の共用する配管は各冷凍分岐チャンネルに連通可能である。2本以上の冷凍配管を多重構造として設計することで、冷凍分岐チャンネルの数量を大幅に節約し、コストを削減し、設備の組み立ての複雑さを緩和している。
【0025】
本発明の好適例において、各上記再加温配管には上記再加温配管内の高圧窒素の開閉を実現可能である再加温配管主弁が設置され、各上記冷凍配管には上記冷凍配管内の高圧窒素の開閉を実現可能である冷凍配管主弁が設置されている。上述の各配管に主弁を設置することで、各配管にあるガス配管の制御の信頼性を高めている。
【0026】
本発明の好適例において、上記ガスメイン配管には、上記メイン配管内の高圧窒素の開閉を実現可能であるガス主弁が設置されている。ガス主弁を設置することで、ガスメイン配管にあるガス配管の制御の信頼性を高めている。
【0027】
本発明の好適例において、上記ガスメイン配管に設置されている上記第一圧力測定装置を更に備え、上記第一圧力測定装置は上記高圧窒素ボンベのガス圧力を測定するために用いられている。第一圧力測定装置を設置することで、その圧力測定結果及び予め設定された下限値に基づいてガス源が使用可能かどうかを判断する。
【0028】
本発明の好適例において、各上記再加温配管には上記第一ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するための第二圧力測定装置が設置され、各上記冷凍配管には上記第二ガス出力圧力調節装置の出力圧力を取得するための第三圧力測定装置が設置されている。以上の各圧力測定装置を設置することで、各自が測定した圧力値に基づいて対応する減圧弁の出力圧力が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、減圧弁に故障が存在するかどうかを更に判断する。
【0029】
本発明の好適例において、各上記チャンネル配管には圧力測定装置が更に設置されている。こうすることで、アブレーション針の冷凍、再加温機能を実行した場合、圧力測定装置が測定した圧力値に基づいて対応するチャンネル配管にあるガスがその箇所に到達したかどうかを判断し、例えば、チャンネル配管とガス源との間の配管が塞がれて、ガスがその箇所に到達しない状況などを判断する。また、排気機能を実行した場合、この圧力測定装置が測定した圧力値が0に接近しているならば、排気配管内のガスがすでに排出されたことが分かる。
【0030】
以上の圧力測定装置は圧力センサーである。
【0031】
本発明の好適例において、各上記チャンネル配管には配管排気孔及び上記配管排気孔の開閉を制御するための弁が更に設置され、各上記アブレーション針は通気孔に接続されるか、通気孔を有している。このような設置により、チャンネル配管及びアブレーション針の排気を実現している。
【0032】
本発明の好適例において、配管に使用する開閉機能を実行する全ての弁は電磁弁である。電磁弁を選択することで、制御モジュールを利用して自動制御を行う。
【0033】
本発明の好適例において、上記第一/第二ガス出力圧力調節装置は減圧弁である。上記減圧弁は手動調節する減圧弁であるか、制御モジュールを利用して自動制御を行う減圧弁であってもよい。
【0034】
本発明の好適例において、上記アブレーション針には、温度測定装置のコードと、再加温サーミスタのコードと、認識インターフェースのコードと、を含む電気的インターフェースが設置され、上記マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは制御モジュールを更に備えている。上記制御モジュールは、圧力測定モジュールと、温度測定モジュールと、スイッチモジュールと、アブレーション針締付固定モジュールと、アブレーション針認識モジュールと、を備えている。上記制御モジュールは上記圧力測定モジュールを利用して全ての圧力測定装置のデータを取得し、上記温度測定モジュールを利用して全てのアブレーション針の温度を取得し、上記スイッチモジュールを利用して電磁弁及びアブレーション針再加温電源の開閉を制御し、上記アブレーション針締付固定モジュールを利用して上記アブレーション針及び上記チャンネル配管のガスインターフェースを締付固定し、上記アブレーション針認識モジュールを利用してアブレーション針を認識する。
【0035】
以上、「/」という符号は、「及び/または」、「及び」、或いは「または」を意味する。
【発明の効果】
【0036】
このように、本発明によれば、次のような効果がある。
本発明はまず高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム及び制御方法を提供し、高圧窒素をマルチチャンネルシステム中で使用可能にすることで、高圧窒素の冷凍能力の高さ、ガス源がより廉価で入手しやすくなる等の利点を実現している。当然ながら、本発明を実施する製品は上記の全ての利点を同時に達成する必要はない。
【0037】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムのガス流路配管を示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムのチャネル流路とアブレーション針の電気インターフェースを示す概略構成図である。
図3】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの制御モジュールを示すハードウェア構成図である。
図4】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーション制御方法において、アブレーション針の準備を説明するフローチャートである。
図5】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーション制御方法において、アブレーション針41を説明する使用参考図である。
図6】本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーション制御方法において、電磁弁制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
従来技術においてアルゴンガスまたは低温の液体窒素を低熱源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムがすでに存在しているが、但し、低熱源の変更により装置またはシステム全体の設計において考慮すべき要素が変化する。このため、高圧窒素をガス源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーション装置やシステムを設計する場合、従来のアルゴンガスまたは低温液体窒素を低熱源として使用するマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムを直接的に借用することは容易ではなく、高圧窒素の特徴に基づいて全体的な設計理論を再度構築し、技術方法の設計及び開発を行う必要がある。
【0040】
本発明に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは高圧窒素をガス源として使用し、ホストを予め冷凍した後にナイフスロットルに達する低温冷凍治療システムは、冷凍能力が高く、ガス源が廉価で入手しやすい。本発明に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムにおいて、高圧窒素をガス源として使用し、多めのチャンネル及び少なめのチャンネルを使用して手術を完遂するために、必要なガス源の使用可能な圧力範囲が異なる場合に、窒素ガス源の使用問題を解決する。複数のアブレーション針チャンネルが存在し、且つ各々が冷凍、再加温、排気等の機能を有する場合、各チャンネルが独自の装置を有し、共用する構造も有し、チャンネル間が隔離され、単一の資源に対し排他的にアクセスする問題を更に解決する。複数のチャンネルが存在し、各チャンネルにアブレーション針が挿入されている場合、複数のチャンネルのアブレーション針を認識し、状態を判断する問題を解決する。
【0041】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0042】
ここで、本明細書において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の方位または位置関係を指示する用語は、添付図面に示す方位または位置関係に基づいており、本発明を描写し、描写を簡略化するために用いているに過ぎず、指示する装置または部材が特定の方位、特定の方位の構造及び操作を有する必要があることを指示または暗示しておらず、本発明に対する制限と解釈してはならない。また、「第一」、「第二」、「第三」という用語は、描写する目的で用いているに過ぎず、相対的な重要性を指示または暗示すると解釈してはならない。
【0043】
なお、ここで、本明細書において、明確な規定及び限定がない限り、「組み立て」、「連通」、「連結」という用語 は広義に理解すべきであり、例えば、固定連結、取り外し可能な連結、或いは一体に連結でもよい。機械的連結、電気的接続でもよい。直接的連通、中間媒体を介した間接的連通でもよく、2つの部材の内部の連通でもよい。本分野の普通の技術者ならば、具体的な状況に基づいて本発明における上述の用語の具体的な意味を理解できる。
【実施例
【0044】
本発明に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムのガス配管は、窒素ボンベを連結するためのガス源入力口と、複数の圧力センサーと、複数の電磁弁と、複数の減圧弁と、複数の配管排気孔と、複数のアブレーション針通気孔と、アブレーション針に連結されている複数のチャンネル配管と、を含んで構成されている。以下、図1を結合し、3つのチャンネル冷凍アブレーションシステムを例に挙げて、ガス配管について説明する。本発明は3つのチャンネル冷凍アブレーションシステムを開示する前提において、本分野の技術者ならば2つのチャンネル、4つのチャンネル等の他のチャンネル数量の冷凍アブレーションシステムの具体的な構造を容易に獲得でき、これらの変形実施例も本発明の保護範囲内に含まれる。
【0045】
図1は本発明の一実施例に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムのガス流路を示す概略構成図である。窒素ボンベ20はガス源入力口を利用してガスメイン配管に連結されている。圧力センサー11は窒素ボンベ20のガス圧力を取得するために用いられている。電磁弁21はガス主弁であり、制御することでガスメイン配管中の高圧窒素の開閉を実現している。
【0046】
その後、ガスメイン配管は再加温配管、冷凍高圧配管、及び冷凍低圧配管に連通される。再加温配管において、減圧弁31は再加温配管のガス出力圧力の制御に用いられ、圧力センサー12は減圧弁31の出力圧力を取得するために用いられている。電磁弁22は再加温配管主弁であり、再加温配管内の高圧窒素の開閉の制御を実現する。再加温配管は電磁弁22の後に3本の再加温分岐チャンネルに分かれ、電磁弁25/26/27はそれぞれ再加温配管の3本の再加温分岐チャンネルにある分岐チャンネル弁である。他の実施例において、数本のチャンネルを有し、幾つかの分岐チャンネル弁が対応するように設置されている。
【0047】
冷凍高圧配管において、減圧弁32は冷凍高圧配管の出力圧力の制御に用いられ、圧力センサー13は減圧弁32の出力圧力を取得するために用いられている。電磁弁23は冷凍高圧配管主弁であり、制御することで冷凍高圧配管内の高圧窒素の開閉を実現している。
【0048】
冷凍低圧配管において、減圧弁33は冷凍低圧配管の出力圧力の制御に用いられ、圧力センサー14は減圧弁33の出力圧力を取得するために用いられている。電磁弁24は冷凍低圧配管主弁であり、制御することで冷凍低圧配管内の高圧窒素の開閉を実現している。
【0049】
図1の例では、冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管は多重化しており、即ち、冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管は電磁弁23、24の後に一部分の配管を共用し、上記配管は3本の冷凍分岐チャンネルに連通され、電磁弁28/29/210はそれぞれ3本の冷凍分岐チャンネルにある分岐チャンネル弁である。
【0050】
図1に示すマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムのガス配管は3本のチャンネル配管を更に備え、3本のチャンネル配管は連結された3本のアブレーション針の配管である。3本のチャンネル配管は構造の配置は同じであり、各チャンネル配管の一端は2本に分かれ、再加温配管の再加温分岐チャンネルの1本のチャンネル弁及び冷凍配管(冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管が多重化している)の冷凍分岐チャンネルの1本のチャンネル弁にそれぞれ連結されている。各チャンネル配管が分岐配管排気電磁弁及び配管排気孔に更に連結され、各チャンネル配管は圧力センサーに更に接続され、各チャンネル配管の他端はアブレーション針に連結され、アブレーション針は通気孔に接続されるか、通気孔を有している。具体的には、第一チャンネル配管の左側は電磁弁27/28に連結され、右側はアブレーション針41に連結され、アブレーション針41は通気孔51に接続されるか、通気孔51を有している。また、第一チャンネル配管には分岐配管が更に連結され、上記分岐配管には配管の排気に用いられる電磁弁211及び配管排気孔61が設置され、第一チャンネル配管には圧力センサー15が更に接続されている。第二チャンネル配管の左側は電磁弁26/29に連結され、右側はアブレーション針42に連結され、アブレーション針42は通気孔52に接続されるか、通気孔52を有している。また、第二チャンネル配管には分岐配管が更に連結され、上記分岐配管には配管の排気に用いられる電磁弁212及び配管排気孔62が設置され、第二チャンネル配管には圧力センサー16が更に接続されている。第三チャンネル配管の左側は電磁弁25/210に連結され、右側はアブレーション針43に連結され、アブレーション針43は通気孔53に接続されるか、通気孔53を有している。また、第三チャンネル配管には分岐配管が更に連結され、上記分岐配管には配管の排気に用いられる電磁弁213及び配管排気孔63が設置され、第三チャンネル配管には圧力センサー17が更に接続されている。
【0051】
第一チャンネル配管(アブレーション針41が挿入される)の高圧冷凍を行う場合、窒素を窒素ボンベ20から電磁弁21、減圧弁32、電磁弁23、電磁弁28に流し入れてアブレーション針41に到達させ、アブレーション針の通気管を経て通気孔51から排出する。
【0052】
第一チャンネル配管(アブレーション針41が挿入される)の再加温を行う場合、窒素を窒素ボンベ20から電磁弁21、減圧弁31、電磁弁22、電磁弁27に流し入れてアブレーション針41に到達させ、アブレーション針の通気管を経て通気孔51から排出する。
【0053】
第二/三チャンネル配管の高圧/低圧冷凍及び再加温を行う場合、図1を参照し、上述のものと類似する窒素流動経路を獲得する。
【0054】
以上の全ての圧力センサーは圧力センサー1と称し、全ての電磁弁は電磁弁2と称する。
【0055】
図2はそのうちの1本のチャンネル配管をアブレーション針に連結する構成図を示し、上記チャンネル配管は締付固定機構を利用してアブレーション針内の配管(通気管及び給気管)に連通されている。アブレーション針は電気的インターフェースを更に備え、上記電気的インターフェースとして具体的に温度センサーのコード、再加温サーミスタのコード、認識インターフェースのコード等を含む。
【0056】
本実施例において、マルチチャンネル冷凍アブレーションシステムは制御回路基板を更に備え(図3参照)、且つ、図1に示す如く、3つのチャンネル冷凍アブレーションを例とすると、制御回路基板7は圧力測定モジュール71を利用して全ての圧力センサー1が測定した全ての圧力データを取得し、温度測定モジュール72を利用して全ての温度センサー8が測定したアブレーション針の温度データを取得し、スイッチモジュール73を利用して電磁弁2及びアブレーション針再加温電源9の開閉を制御し、アブレーション針締付固定モジュール74を利用してアブレーション針及びチャンネル配管に対応するガスインターフェースを締付固定し、アブレーション針認識モジュール75を利用して各アブレーション針を認識する。本実施例では、図1に示す全ての減圧弁は手動調節され、また、全ての配管排気孔及び通気孔は制御モジュールを使用して制御する必要がない。
【0057】
以下、例を挙げて上述のマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムを使用して冷凍アブレーション治療を行う制御方法を説明する。主に以下の複数の工程に分かれる。
<第一、アブレーション針の準備>
冷凍アブレーションを正式に実行する前に、アブレーション針を準備する。アブレーション針の準備とは、アブレーション針が制御回路基板により使用可能と認識されることを指す。アブレーション針を準備する前に、まず腫瘍組織の体積に基づいて使用するアブレーション針の数量を決定する。
【0058】
この工程では、各アブレーション針は各自独立するように準備し、複数のチャンネルのアブレーション針が準備工程において相互に干渉しないようにしている。
【0059】
この工程には以下の対応するハードウェアが必要である。3つのアブレーション針の場合、各自独立した3つのアブレーション針認識インターフェース、各自独立した3つのアブレーション針締付固定接続口、各自独立した3つのアブレーション針再加温電源インターフェース、各自独立した3つの温度測定インターフェースを用意する。アブレーション針認識インターフェースは、その周辺機器を利用してアブレーション針のID等の情報を読み取り、制御回路基板のソフトウェアはID情報を利用して対応するアブレーション針を認識する。アブレーション針締付固定接続口は、アブレーション針及びマルチチャンネル冷凍アブレーションシステム中の対応する設備のガスインターフェースであり、アブレーション針を流れるガスの圧力が高いため、締付固定構造を使用してインターフェースを締付固定し、通気時にアブレーション針が飛び出すのを防止する必要がある。再加温電源インターフェースはアブレーション針内でサーミスタのコードを再加温し、設備内で電源出力コードのインターフェースを再加温する。温度測定インターフェースはアブレーション針内の温度センサー及び設備内の温度測定モジュールのインターフェースである。
【0060】
図4に示す如く、アブレーション針の準備工程の後に、各アブレーション針はソフトウェア内で準備完了または未準備と標記される。アブレーション針の準備フローチャートとして、ガスインターフェースが締付固定されたかどうかの判断、アブレーション針の温度が測定されたかどうかの判断、再加温電源が通電したかどうかの判断、ID認識が使用可能かどうかの判断を含み、制御回路基板は以上の判断後にアブレーション針を準備完了または未準備と標記する。アブレーション針が準備完了と標記された場合、ガスインターフェースがすでに締付固定され、アブレーション針の温度が測定され、再加温電源が通電し、ID認識が使用可能である。以上の条件を1つでも満たしていなければ、アブレーション針は未準備であると標記される。図4の例では、以上の各条件の判断順序は説明するための例に過ぎず、本発明を実現するには必ずしも図4の判断フローチャートに示す順序通りである必要はなく、上述の4つの条件の判断を完了できれば、アブレーション針の標記結果を取得でき、4つの条件の判断の順序は本発明では限定されない。
【0061】
手術段階において、アブレーション針の温度に基づいて冷凍及び再加温の制御を完了するため、アブレーション針を準備する場合、その温度が測定される。アブレーション針内の温度センサーが故障した場合、制御回路基板の温度測定モジュールが温度測定インターフェースを利用してアブレーション針の温度を測定することができなくなり、或いは測定する温度値に異常が生じる。この場合、アブレーション針を未準備であると標記し、後続の操作のリスクを効果的に回避する。
【0062】
再加温段階において、制御回路基板内のソフトウェアがアブレーション針の再加温電源を起動し、アブレーション針の再加温を行う。アブレーション針は再加温サーミスタのコードを使用して加熱して再加温を行い、上記サーミスタのコードが断線していないことがこの機能が完遂される前提である。アブレーション針の準備において、制御回路基板のスイッチモジュールがアブレーション針のサーミスタのコードの開閉を検知することで、可能性のあるリスクを事前に排除する。
【0063】
各アブレーション針の準備は上述の方法の工程を参照して実行し、但し、毎回全てのアブレーション針の準備を行う必要はなく、準備するアブレーション針の数量は腫瘍組織の体積に基づいて使用するアブレーション針の数量を決定する。
【0064】
<第二、冷凍高圧配管及び冷凍低圧配管の選択>
ガス源の気圧はマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムにとって非常に重要である。理想的な状況において、窒素ガス源の圧力は大きいほどよく、但し、配管の支圧能力の制限を受け、通常の購入可能な工業用窒素の圧力の制限を受け、実際に使用するガス源の圧力は一定の範囲内となる。
【0065】
15MPa(約2200psi)の工業用窒素を例とすると、窒素ボンベ20をマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムの給気口(ガス源入力口ともいう)に挿入した後、圧力センサー11がボンベ圧力を検知可能になる。手術において窒素を使用すると、ボンベの圧力が徐々に低下し、下限圧力値以下となると、アブレーション針が手術温度に達しなくなり、手術を継続できなくなり、ボンベの圧力が低すぎるため手術不可能と表示する。
【0066】
本発明に係るマルチチャンネル冷凍アブレーションシステムについて、異なる数量のアブレーション針を同時に使用する場合、下限圧力値も異なる。同時に使用するアブレーション針の数量が多くなるほど、下限圧力値が高くなる。
【0067】
冷凍高圧配管は減圧弁32を使用してその配管内のガス圧力を制御し、減圧弁32を調節することで出力するガス圧力を下限圧力値1とする。
【0068】
冷凍低圧配管は減圧弁33を使用してその配管内のガス圧力を制御し、減圧弁33を調節してその出力するガス圧力を下限圧力値2とする。
【0069】
前述から分かるように、冷凍低圧配管の下限圧力値2<冷凍高圧配管的下限圧力値1<ボンベ圧力となる。
【0070】
そこで、本実施例では、3つのアブレーション針を同時に使用する場合、冷凍高圧配管を使用する。3つより少ないアブレーション針を同時に使用する場合、冷凍低圧配管を使用する。
【0071】
よって、前回の工程でアブレーション針の準備が完了した後、腫瘍組織の体積に基づいて使用するアブレーション針の数量を決定し、制御回路基板のソフトウェアがアブレーション針の準備段階で準備が完了したアブレーション針の数量を判断すると共に、冷凍高圧配管か冷凍低圧配管かを選択する。
【0072】
再加温配管について、減圧弁31を使用してその配管内のガス圧力を制御し、減圧弁31を調節してその出力するガス圧力を下限圧力値3とする。上記下限圧力値3は下限圧力値2よりずっと低い。通常、手術段階では再加温のガス圧力が不足することはなく、ボンベの圧力が冷凍の要求を満たし、即ち、再加温の要求を満たし、再加温圧力を選択しなくともよくなる。
【0073】
<第三、アブレーション針の使用>
3つのアブレーション針を同時に使用する場合、制御の複雑さは1つのアブレーション針を単独で使用する状況をカバーする。以下、3つのアブレーション針を同時に使用する例について説明する。
【0074】
3つのアブレーション針を同時に使用する状況において、各アブレーション針が対応するチャンネルの機能は独立しており、各チャンネルは共に冷凍、再加温、排気工程を含む。前回の工程のように、3つのアブレーション針を同時に使用する場合、冷凍時には冷凍高圧配管を使用する。
【0075】
以下、アブレーション針41を例に挙げて図1及び図5を参照してその冷凍、再加温、排気過程について詳細に説明する。
【0076】
<アブレーション針41の冷凍>
電磁弁21/23/28を開き、窒素を窒素ボンベ20から排出し、電磁弁21から減圧弁32(高圧配管)に流し、電磁弁23、電磁弁28を経てアブレーション針41に流し、アブレーション針通気管を経て通気孔51から排出する。
【0077】
<アブレーション針41の再加温>
電磁弁21/22/27を開き、窒素を窒素ボンベ20から排出し、電磁弁21から減圧弁31に流し、電磁弁22、電磁弁27を経てアブレーション針41に流し、アブレーション針通気管を経て通気孔51から排出する。
【0078】
<アブレーション針41の排気>
排気はチャンネル配管内に残留する高圧ガスを排出し、冷凍及び再加温時にガスがアブレーション針通気管を経て排出されるが、但し、チャンネル配管内のガスを全て排出することはできない。ここでは、チャンネル配管とは、電磁弁27/28及びアブレーション針41内の給気管から取得した配管を指し、この部分の配管には配管排気孔61、電磁弁211、及び圧力センサー15が設けられている(図5参照)。チャンネル配管の排気を行う場合、電磁弁27/28を閉じ、電磁弁211を開き、チャンネル配管内のガスを配管排気孔61から排出する。排気は支援ツールであり、各節で使用可能である。例えば、アブレーション針ガスインターフェースのロック解除操作前に、排気を行ってもよい。また、冷凍機能または再加温機能の完了後、排気操作を即実行してもよい。
【0079】
前述から分かるように、3つのアブレーション針を使用する状況において、3つのアブレーション針ガスチャンネルの異なる機能について、ボンベ20、電磁弁21、電磁弁22、電磁弁23は共用であり、同時に同じアブレーション針ガスチャンネルに対し、冷凍、再加温、排気機能を同時に使用することはできない。以上の制限により、システム中の各電磁弁の制御の複雑さが増し、各電磁弁の制御方法により設備が予期する機能を利便且つ高速に完遂することを保証する必要がある。
【0080】
図6は本発明の電磁弁制御を説明するフローチャートである。図6の例では、チャンネル1はアブレーション針41のチャンネルを指し、チャンネル2はアブレーション針42のチャンネルを指し、チャンネル3はアブレーション針43のチャンネルを指す。図6の「/」は「及び」を意味する。
【0081】
図6に示す如く、チャンネル1の冷凍を停止する場合、電磁弁21/23/28を直接閉じることはできない。まず、チャンネル2/3が冷凍中かどうか確認し、チャンネル2/3が冷凍中であれば、電磁弁21/23を開く。この際、チャンネル1の冷凍を停止するには電磁弁28を閉じるのみでよい。チャンネル2/3が冷凍されていない場合、チャンネル2/3が再加温中かどうか確認する必要があり、チャンネル2/3が再加温中であれば、電磁弁21を開く。この際、チャンネル1の冷凍を停止するには電磁弁23/28を閉じるのみでよい。チャンネル2/3が冷凍されず再加温もされなければ、チャンネル1の冷凍を停止するには電磁弁21/23/28を閉じればよい。
【0082】
図5に示す如く、チャンネル1の再加温を停止する場合、電磁弁21/22/27を直接閉じることはできない。まず、チャンネル2/3が再加温中かどうか確認し、チャンネル2/3が再加温中であれば、電磁弁21/22を開く。この際、チャンネル1の再加温を停止するには電磁弁27を閉じるのみでよい。チャンネル2/3が再加温されていない場合、チャンネル2/3が冷凍中であるかどうか確認する必要があり、チャンネル2/3が冷凍中であれば、電磁弁21を開く。この際、チャンネル1の再加温を停止するには電磁弁22/27を閉じるのみでよい。チャンネル2/3がすでに冷凍されておらず、再加温もされていなければ、チャンネル1の再加温を停止するには電磁弁21/22/27を閉じればよい。
【0083】
以下、アブレーション針の排気機能の使用について詳細に説明する。
冷凍、再加温機能は、低温冷凍アブレーション手術の基本機能であり、上述のアブレーション針の使用工程において、排気機能を更に描写する。排気は支援ツールであり、各節で使用可能である。
【0084】
図5に示す如く、排気機能はガスを排出しきるチャンネル配管が3本必要であり、チャンネル1の冷凍配管、再加温配管、及びアブレーション針41の給気配管に同時に連結される。チャンネル配管のメモリに高圧ガスが残留している場合、ロック解除後にアブレーション針が飛び出す可能性があるため、アブレーション針及び設備のガスインターフェースがロック解除されない。よって、アブレーション針ガスインターフェースのロック解除操作を行う前に、排気する必要がある。
【0085】
また、冷凍機能及び再加温機能について、対応する減圧弁の下限圧力値が異なる場合、チャンネル配管内に残留するガス圧力も異なることを意味し、冷凍機能の終了後に残留するガス圧力が、再加温終了後に残留するガス圧力よりも高くなる。冷凍機能の終了後に再加温機能を即起動すると、チャンネル配管内に残留するガスにより減圧弁31の出力口の圧力が一時的に実際の出力圧力よりも高くなり、故障が生じる。このため、冷凍機能または再加温機能の完了後に、排気操作を即実行する。
【0086】
本実施例の制御方法は圧力センサーの使用を更に含む。
【0087】
具体的には、圧力センサー11は窒素ボンベの圧力を検知するために用いられている。窒素ボンベの圧力値が下限圧力値1または下限圧力値2より低い場合、本発明の制御方法は制御回路基板を利用して手術継続不可と表示する。
【0088】
圧力センサー12/13/14は対応する減圧弁の出力圧力を検知するために用いられている。減圧弁の出力圧力を手動で調節する場合、上記出力圧力値が調節者にフィードバックされ、減圧弁の出力圧力の調節が便利になる。また、減圧弁の調節完了後に、制御回路基板により圧力センサーが検知した減圧弁の出力圧力値が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、対応する減圧弁が故障しているかどうかを更に判断する。
【0089】
圧力センサー15/16/17は対応するチャンネル配管の圧力値を検知するために用いられている。冷凍、再加温機能を実行する場合、検知された圧力値に基づいてガスがその箇所に到達したかどうかを判断する。配管が塞がれている場合、ガスがその箇所に到達できなくなる。また、圧力センサー15/16/17により検知された圧力値に基づいて排気過程を更に判断する、排気機能を実行する場合、圧力センサーが検知した圧力値が0に接近していると、対応する排気配管内のガスがすでに排出されたことが分かる。
【0090】
以上の上記制御方法は、制御回路基板にインストールされたソフトウェアを利用して実現している。
【0091】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0092】
1 チャンネル
2 チャンネル
3 チャンネル
6 配管排気孔
7 制御回路基板
9 アブレーション針再加温電源
11 圧力センサー
12 圧力センサー
13 圧力センサー
14 圧力センサー
15 圧力センサー
16 圧力センサー
17 圧力センサー
20 窒素ボンベ
22 電磁弁
23 電磁弁
24 電磁弁
25 電磁弁
26 電磁弁
27 減圧弁
28 電磁弁
29 電磁弁
31 減圧弁
32 減圧弁
33 減圧弁
41 アブレーション針
42 アブレーション針
51 通気孔
52 通気孔
62 配管排気孔
63 配管排気孔
71 圧力測定モジュール
72 温度測定モジュール
73 スイッチモジュール
74 アブレーション針締付固定モジュール
75 アブレーション針認識モジュール
210 電磁弁
211 電磁弁
212 電磁弁
213 電磁弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6