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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20241128BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H01L21/88 M
H10B12/00 621
H10B12/00 681B
H10B12/00 681A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023534229
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2022070590
(87)【国際公開番号】W WO2023065542
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202111231509.3
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】郭 帥
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-272714(JP,A)
【文献】特表2005-520347(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042707(WO,A1)
【文献】特開2001-320052(JP,A)
【文献】Pin-Chun Shen et.al.,Ultralow contact resistance between semimetal and monolayer semiconductors,Nature,米国,Nature,2121年,Vol.593,pp.211-217
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造の製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板に間隔を空けて設けられた複数の積層構造を形成するステップであって、前記積層構造が順次積層して設けられた第1導電層、絶縁層及び第2導電層を含み、前記第1導電層及び前記第2導電層のうちの少なくとも1つが半金属層であるステップと、
前記積層構造を覆うチャネル層、及び前記チャネル層を覆う誘電体層を形成するステップと、
前記チャネル層及び前記誘電体層によって覆われる前記積層構造の間に第1支持層を充填するステップであって、前記第1支持層の前記基板から離れる表面が前記第1導電層の前記基板から離れる表面よりも高く、且つ前記絶縁層の前記基板から離れる表面よりも低いステップと、
第1方向に沿って延在するワードラインを形成するステップであって、前記ワードラインが複数の接触部と隣接する前記接触部を接続する接続部とを含み、前記接触部が前記誘電体層の側面を取り囲んで前記誘電体層の側面に接触し、前記接触部が前記絶縁層の少なくとも一部に対向するステップと、を含む、半導体構造の製造方法。
【請求項2】
前記チャネル層の材質は硫化モリブデンを含み、及び/又は前記半金属層の材質はビスマスを含む、ことを特徴とする
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項3】
前記積層構造を覆うチャネル層、及び前記チャネル層を覆う誘電体層を形成するステップは、
前記積層構造及び前記基板に前記チャネル層を堆積するステップであって、前記チャネル層で前記積層構造の上面、側面、及び前記基板の上面を覆うステップと、
前記チャネル層に前記誘電体層を堆積するステップと、を含む、ことを特徴とする
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項4】
前記チャネル層及び前記誘電体層によって覆われる前記積層構造の間に第1支持層を充填するステップであって、前記第1支持層の前記基板から離れる表面が前記第1導電層の前記基板から離れる表面よりも高く、且つ前記絶縁層の前記基板から離れる表面よりも低いステップは、
前記誘電体層に第1初期支持層を形成するステップであって、前記第1初期支持層が前記チャネル層及び前記誘電体層によって覆われる前記積層構造の間に充填され、前記第1初期支持層が前記誘電体層の上面を覆うステップと、
前記第1初期支持層の一部を除去し、残りの前記第1初期支持層が前記第1支持層を形成するステップと、を含む、ことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項5】
第1方向に沿って延在するワードラインを形成するステップであって、前記ワードラインが複数の接触部と隣接する前記接触部を接続する接続部とを含み、前記接触部が前記誘電体層の側面を取り囲んで前記誘電体層の側面に接触し、前記接触部が前記絶縁層の少なくとも一部に対向するステップは、
前記第1支持層及び前記誘電体層を覆う初期ワードライン層を形成するステップと、
第1方向に沿って前記第1支持層に位置する前記初期ワードライン層の一部を除去することによって、前記初期ワードライン層が、間隔を空けて設けられた複数の中間ワードライン層として形成されるステップと、
前記誘電体層の上面における前記中間ワードライン層及び前記誘電体層の側面における前記基板から離れる前記中間ワードライン層の一部を除去し、残りの前記中間ワードライン層がワードラインとして形成されるステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項6】
第1方向に沿って前記第1支持層に位置する前記初期ワードライン層の一部を除去することによって、前記初期ワードライン層が、間隔を空けて設けられた複数の中間ワードライン層として形成されるステップは、
前記初期ワードライン層を覆うマスク層を形成するステップであって、前記マスク層が前記チャネル層、前記誘電体層及び前記初期ワードライン層によって覆われる前記積層構造の間に充填され、前記マスク層が前記初期ワードライン層の上面を覆うステップと、
前記マスク層に第1フォトレジスト層を形成するステップであって、前記第1フォトレジスト層が第1方向に沿って延在する溝を有し、前記溝の前記基板での正投影が前記積層構造の側面に位置する初期ワードライン層の前記基板での正投影と重ならないステップと、
前記第1フォトレジスト層をマスクとし、前記マスク層をエッチングするステップと、
エッチング後の前記マスク層をマスクとし、前記初期ワードライン層をエッチングし、前記中間ワードライン層を形成するステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項7】
第1方向に沿って延在するワードラインを形成するステップであって、前記ワードラインが複数の接触部と隣接する前記接触部を接続する接続部とを含み、前記接触部が前記誘電体層の側面を取り囲んで前記誘電体層の側面に接触し、前記接触部が前記絶縁層の少なくとも一部に対向するステップの後に、
前記ワードライン、前記第1支持層及び前記誘電体層を覆う第2支持層を形成するステップであって、前記第2支持層の前記基板から離れる面が平らであるステップと、
前記第2支持層に第2フォトレジスト層を形成するステップであって、前記第2フォトレジスト層が複数の開口を有し、前記開口が前記積層構造に正対するステップと、
前記第2フォトレジスト層をマスクとし、前記第2支持層、前記誘電体層及び前記チャネル層をエッチングし、接触孔を形成し、前記接触孔によって前記第2導電層を露出するステップと、
前記接触孔内に第3導電層を形成するステップであって、前記第3導電層が前記第2導電層に電気的に接続されるステップと、をさらに含む、ことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項8】
前記接触孔の開口の面積が前記接触孔の底部の面積よりも大きい、
ことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項9】
前記基板に垂直する平面を断面とし、前記接触孔の断面形状が互いに接続された矩形及び台形を含み、前記矩形が前記台形の前記基板に近い側に設けられ、前記矩形の底辺が前記台形の上底と重なる、ことを特徴とする
請求項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項10】
前記基板内に間隔を空けて設けられた複数のビットラインが設けられ、前記ビットラインが第2方向に沿って延在し、
前記第2方向に沿って、各前記ビットラインに少なくとも1つの前記積層構造が設けられ、前記第1導電層が前記ビットラインに電気的に接続される、ことを特徴とする
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項11】
前記基板内にさらにシャロートレンチアイソレーションが設けられ、前記シャロートレンチアイソレーションが隣接する前記ビットラインの間に設けられる、ことを特徴とする
請求項10に記載の半導体構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年10月22日に中国特許庁に提出され、出願番号が202111231509.3であり、出願名称が「半導体構造及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、半導体技術分野に関し、特に半導体構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体構造は、メモリセルを含むことができ、メモリセルは通常、トランジスタと、トランジスタに電気的に接続されるコンデンサとを含む。コンデンサは、データ情報を記憶し、トランジスタはコンデンサにおけるデータ情報の読み書きを制御する。ここで、トランジスタのゲートはワードライン(Word Line:WLと略称する)に電気的に接続され、ワードライン上の電圧によってトランジスタのオンとオフを制御し、トランジスタのソース及びドレインのうちの1つがビットライン(Bit Line:BLと略称する)に電気的に接続され、ソース及びドレインのうちのもう1つがコンデンサに電気的に接続され、ビットラインによってデータ情報を記憶又は出力する。
【0004】
半導体構造の寸法の小型化に伴い、トランジスタは通常、ゲートオールアラウンド(Gate all Around:GAAと略称する)トランジスタを採用する。関連技術では、ゲートオールアラウンドトランジスタは、順次積層して設けられた第1導電層、チャネル領域及び第2導電層を含み、第1導電層及び第2導電層のうちの1つがソースであり、もう1つがドレインであり、チャネル領域の側面が誘電体層に取り囲まれ、誘電体層にゲートが設けられる。しかし、上記のトランジスタと他の構造(例えばビットライン又はコンデンサ)との接触抵抗が大きく、トランジスタにおいて大きい電流が必要とされ、半導体構造の性能が悪い。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題に鑑み、本出願の実施例は、半導体構造の性能を向上させるために、半導体構造及びその製造方法を提供する。
【0006】
本出願の実施例の第1態様は、半導体構造の製造方法を提供し、該製造方法は、基板を提供するステップと、前記基板に間隔を空けて設けられた複数の積層構造を形成するステップであって、前記積層構造が順次積層して設けられた第1導電層、絶縁層及び第2導電層を含み、前記第1導電層及び前記第2導電層のうちの少なくとも1つが半金属層であるステップと、前記積層構造を覆うチャネル層、及び前記チャネル層を覆う誘電体層を形成するステップと、第1方向に沿って延在するワードラインを形成するステップであって、前記ワードラインが複数の接触部と隣接する前記接触部を接続する接続部とを含み、前記接触部が前記誘電体層の側面を取り囲んで前記誘電体層の側面に接触し、前記接触部が前記絶縁層の少なくとも一部に対向するステップと、を含む。
【0007】
本出願の実施例によって提供される半導体構造の製造方法は少なくとも以下の利点を有する。
【0008】
本出願の実施例によって提供される半導体構造の製造方法では、第1導電層、絶縁層及び第2導電層が順次積層して設けられて積層構造を形成し、第1導電層及び第2導電層のうちの少なくとも1つが半金属層であり、積層構造と他の構造との接触抵抗を低減させることができる一方、第1導電層及び/又は第2導電層とチャネル層との間の接触抵抗も低減させることができ、それによって半導体構造の性能を向上させる。また、第1導電層、絶縁層、第2導電層、チャネル層、誘電体層及び接触部は垂直トランジスタを形成し、積層構造の高さを調整することによりチャネル層の長さを増加させることができ、トランジスタの短チャネル効果を改善し、半導体構造の性能を向上させるのに便利である。
【0009】
本出願の実施例の第2態様は、半導体構造を提供し、該半導体構造は、積層構造、前記積層構造の側面を覆うチャネル層、前記チャネル層の側面を覆う誘電体層及び前記誘電体層に周設されるゲートを含み、前記積層構造が順次積層して設けられた第1導電層、絶縁層及び第2導電層を含み、前記第1導電層及び前記第2導電層のうちの一方がソースであり、前記第1導電層及び前記第2導電層のうちの他方がドレインであり、前記ソース及び前記ドレインのうちの少なくとも1つが半金属層である。
【0010】
本出願の実施例によって提供される半導体構造は少なくとも以下の利点を有する。
【0011】
本出願の実施例の半導体構造では、第1導電層、絶縁層及び第2導電層が順次積層して設けられて積層構造を形成し、第1導電層及び第2導電層のうちの1つがソースであり、もう1つがドレインであり、第1導電層及び第2導電層のうちの少なくとも1つが半金属層であり、積層構造と他の構造との接触抵抗を低減させることができる一方、第1導電層及び/又は第2導電層とチャネル層との間の接触抵抗も低減させることができ、それによって半導体構造の性能を向上させる。また、積層構造の側面がチャネル層によって覆われ、チャネル層の側面が誘電体層によって覆われ、誘電体層にゲートを周設し、積層構造、チャネル層、誘電体層及びゲートは垂直トランジスタを形成し、積層構造の高さを調整することによりチャネル層の長さを増加させることができ、トランジスタの短チャネル効果を改善し、半導体構造の性能を向上させるのに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本出願の実施例における半導体構造の製造方法のフローチャートである。
図2】本出願の実施例における第2導電層を形成した後の第1断面の概略図である。
図3】本出願の実施例における第2導電層を形成した後の第2断面の概略図である。
図4】本出願の実施例における積層構造を形成した後の第1断面の概略図である。
図5】本出願の実施例における積層構造を形成した後の第2断面の概略図である。
図6】本出願の実施例におけるチャネル層を形成した後の第1断面の概略図である。
図7】本出願の実施例におけるチャネル層を形成した後の第2断面の概略図である。
図8】本出願の実施例における誘電体層を形成した後の第1断面の概略図である。
図9】本出願の実施例における誘電体層を形成した後の第2断面の概略図である。
図10】本出願の実施例におけるワードラインを形成した後の第1断面の概略図である。
図11】本出願の実施例におけるワードラインを形成した後の第2断面の概略図である。
図12】本出願の実施例における第1初期支持層を形成した後の第1断面の概略図である。
図13】本出願の実施例における第1初期支持層を形成した後の第2断面の概略図である。
図14】本出願の実施例における第1支持層を形成した後の第1断面の概略図である。
図15】本出願の実施例における第1支持層を形成した後の第2断面の概略図である。
図16】本出願の実施例における初期ワードライン層を形成した後の第1断面の概略図である。
図17】本出願の実施例における初期ワードライン層を形成した後の第2断面の概略図である。
図18】本出願の実施例における第1フォトレジスト層を形成した後の第1断面の概略図である。
図19】本出願の実施例における第1フォトレジスト層を形成した後の第2断面の概略図である。
図20】本出願の実施例におけるマスク層をエッチングした後の第1断面の概略図である。
図21】本出願の実施例におけるマスク層をエッチングした後の第2断面の概略図である。
図22】本出願の実施例における中間ワードライン層を形成した後の第1断面の概略図である。
図23】本出願の実施例における中間ワードライン層を形成した後の第2断面の概略図である。
図24】本出願の実施例における第2フォトレジスト層を形成した後の第1断面の概略図である。
図25】本出願の実施例における第2フォトレジスト層を形成した後の第2断面の概略図である。
図26】本出願の実施例における接触孔を形成した後の第1断面の概略図である。
図27】本出願の実施例における接触孔を形成した後の第2断面の概略図である。
図28】本出願の実施例における第2フォトレジスト層を除去した後の第1断面の概略図である。
図29】本出願の実施例における第2フォトレジスト層を除去した後の第2断面の概略図である。
図30】本出願の実施例における接触孔を形成した後の第1断面の別の概略図である。
図31】本出願の実施例における接触孔を形成した後の第2断面の別の概略図である。
図32】本出願の実施例における第3導電層を形成した後の第1断面の概略図である。
図33】本出願の実施例における第3導電層を形成した後の第2断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
半導体構造の性能を向上させるために、本出願の実施例によって提供される半導体構造の製造方法では、垂直トランジスタを形成し、しかも垂直トランジスタのソース及びドレインのうちの少なくとも1つが半金属層であることにより、垂直トランジスタと他の構造との接触抵抗、及び垂直トランジスタ内部の接触抵抗を低減させ、それによって半導体構造の性能を向上させる。
【0014】
本出願の実施例の上述の目的、特徴及び利点をより明確且つ分かりやすくするために、以下に本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術案を明確且つ完全に記載する。明らかに、記載された図面は、全ての実施例ではなく、本出願のいくつかの実施例だけである。本出願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0015】
図1を参照すると、本出願の実施例は、半導体構造の製造方法を提供し、該製造方法は、以下のステップを含む。
【0016】
ステップS101において、基板を提供する。
【0017】
基板10は、半導体基板であってもよく、例示的に、基板10は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板、窒化ガリウム基板、ヒ化ガリウム基板、絶縁体上のシリコン(Silicon on Insulator:SOIと略称する)基板、又は絶縁体上のゲルマニウム(Germanium on Insulator:GOIと略称する)基板などであってもよい。ここで、基板10はドーピングされたものであってもよく、ドーピングされていないものであってもよく、例えば、基板10はN型基板又はP型基板であってもよい。
【0018】
いくつかの可能な例では、図2及び図3を参照すると、図2に示す第1断面は第2方向に垂直する平面であり、図3に示す第2断面は第2方向に平行する平面である。基板10内に複数のビットライン11が設けられてもよく、複数のビットライン11は、互いに間隔を空け、第2方向に沿って延在する。図3に示すように、複数のビットライン11は、水平方向(図3に示すX方向)に沿って延在する。ビットライン11は、基板10の表面に露出することができ、図2及び図3に示すように、ビットライン11は、基板10の上面に露出し、これにより、基板10に位置する他の構造に電気的に接続されるのに便利である。
【0019】
引き続き図2及び図3を参照すると、基板10内にシャロートレンチアイソレーション12(Shallow Trench Isolation:STIと略称する)がさらに設けられる。シャロートレンチアイソレーション12は、隣接するビットライン11の間に設けられて各ビットライン11を隔離する。シャロートレンチアイソレーション12内の充填材料は、窒化シリコン又は酸化シリコンなどの絶縁材料であってもよい。
【0020】
ステップS102において、基板に間隔を空けて設けられた複数の積層構造を形成し、積層構造が順次積層して設けられた第1導電層、絶縁層及び第2導電層を含み、第1導電層及び第2導電層のうちの少なくとも1つが半金属層である。
【0021】
図4及び図5を参照すると、基板10に複数の積層構造20を形成し、各積層構造20は間隔を空けて設けられる。積層構造20は、第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23を含む。第1導電層21及び第2導電層23のうちの一方がコンデンサに電気的に接続され、第1導電層21及び第2導電層23のうちの他方がビットライン11(Bit Line:BLと略称する)に電気的に接続される。例えば、第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23は、垂直方向(図5に示すZ方向)に沿って順次積層して設けられ、第1導電層21がビットライン11に電気的に接続され、第2導電層23がコンデンサに電気的に接続される。
【0022】
ここで、絶縁層22は酸化物層であってもよく、例示的に、絶縁層22の材質は酸化シリコンであってもよい。第1導電層21及び第2導電層23のうちの少なくとも1つが半金属層であり、例示的に、第1導電層21が半金属層であり、第2導電層23も半金属層である。ここで、半金属層の材質はビスマスであってもよい。第1導電層21及び/又は第2導電層23を半金属層として設けることにより、積層構造20とビットライン11及び/又はコンデンサとの間の接触抵抗を低減させ、それによって半導体構造の性能を向上させることができる。
【0023】
引き続き図4及び図5を参照すると、第2方向(図5に示すX方向)に沿って、各ビットライン11に少なくとも1つの積層構造20が設けられ、第1導電層21がビットライン11に接触し、それによって第1導電層21とビットライン11との電気的接続が実現される。積層構造20は、円柱、楕円柱、角柱又は直方柱などの柱状であってもよく、積層構造20はアレイ状に配列されてもよい。
【0024】
図2図5を参照すると、いくつかの可能な例では、基板10に間隔を空けて設けられた複数の積層構造20を形成し、積層構造20が順次積層して設けられた第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23を含み、第1導電層21及び第2導電層23のうちの少なくとも1つが半金属層であることは、
基板10に積層して設けられた第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23が堆積形成されることを含むことができる。図2及び図3に示すように、基板10に第1導電層21を堆積し、第1導電層21に絶縁層22を堆積し、絶縁層22に第2導電層23を堆積する。ここで、堆積は化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVDと略称する)、物理気相堆積(Physical Vapor Deposition:PVDと略称する)又は原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALDと略称する)であってもよい。
【0025】
さらに第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23をエッチングし、間隔を空けて設けられた複数の積層構造20を形成する。図4及び図5に示すように、ドライエッチング又はウェットエッチングにより、一部の第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層22を除去し、これにより、残りの第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23が隔離されて互いに間隔を空けた複数の積層構造20を形成する。
【0026】
ステップS103において、積層構造を覆うチャネル層、及びチャネル層を覆う誘電体層を形成する。
【0027】
図6図9を参照すると、チャネル層30は積層構造20を覆い、誘電体層40はチャネル層30を覆う。具体的に、チャネル層30は積層構造20の側面と上面を覆い、誘電体層40はチャネル層30の側面と上面を覆う。ここで、上面は、基板10から離れる表面を指す。図6及び図7に示すように、チャネル層30は、第1導電層21の外周面、絶縁層22の外周面、及び第2導電層23の外周面を覆い、チャネル層30も第2導電層の上面24を覆う。
【0028】
ここで、第1導電層21及び第2導電層23のうちの一方はソースとして形成され、他方はドレインとして形成され、積層構造20の側面を取り囲むチャネル層30はチャネル領域として形成されてソースとドレインとの間に導電通路を提供し、これにより、キャリアはソースからドレインに移動し、又はドレインからソースに移動することができる。誘電体層40は酸化物層であってもよく、チャネル層30の側面に位置する誘電体層40はゲート酸化層として形成される。
【0029】
図6及び図7に示すように、チャネル領域が層状であり、チャネル層30の材質は二硫化モリブデンなどの硫化モリブデンを含むことができ、チャネル層30の材質は遷移金属硫化合物(TMDs)などであってもよい。層状の硫化モリブデンにバンドギャップが存在し、それで形成される電界効果トランジスタのオン/オフ電流比が高い。また、層状の硫化モリブデンは比較的高い比表面積を有し、短チャネル効果の克服に有利である。ここで、オン/オフ電流比とは、デバイスのオン状態電流とオフ状態電流の比であり、具体的に、トランジスタにおいて、ソース電圧、ドレイン電圧が変化しない場合、ゲート電圧を印加する時と印加しない時に測定されるソースドレイン電流の比はオン/オフ電流比である。
【0030】
いくつかの可能な実施例では、チャネル層30の材質は硫化モリブデンであり、半金属層の材質はビスマスである。好ましくは、チャネル層30の材質は硫化モリブデンであり、第1導電層21と第2導電層23の材質はいずれもビスマスであり、このように設けることによって、硫化モリブデンとビスマスとの界面におけるエネルギー障壁が低減し、チャネル層30と第1導電層21との間のギャップ状態(MIGS)、チャネル層30と第2導電層23との間のギャップ状態を低減させることができ、それによってチャネル層30と第1導電層21との間の接触抵抗、チャネル層30と第2導電層23との間の接触抵抗を低減させる。
【0031】
本出願の実施例では、積層構造20を覆うチャネル層30、及びチャネル層30を覆う誘電体層40を形成することは、
積層構造20及び基板10にチャネル層30を堆積し、チャネル層30で積層構造20の上面、側面、及び基板10の上面を覆うことを含むことができる。図6及び図7を参照すると、チャネル層30が堆積プロセスによって形成され、チャネル層30で積層構造20の上面、側面、及び基板10の上面を覆う。さらにチャネル層30に誘電体層40を堆積する。図8及び図9を参照すると、誘電体層40が堆積プロセスによって形成され、誘電体層40はチャネル層30の表面全体を覆う。
【0032】
ステップS104において、第1方向に沿って延在するワードラインを形成し、ワードラインが複数の接触部と隣接する接触部を接続する接続部とを含み、接触部が誘電体層の側面を取り囲んで誘電体層の側面に接触し、接触部が絶縁層の少なくとも一部に対向する。
【0033】
図10及び図11を参照すると、チャネル層30と誘電体層40を形成した後の積層構造20の間にワードライン63が形成され、ワードライン63の数は複数であり、複数のワードライン63は、間隔を空けて設けられ、且つ第1方向(図10に示すY方向)に沿って延在する。図10及び図11に示すように、ワードライン63は、複数の接触部64と隣接する接触部64を接続する接続部65とを含み、ここで、接触部64は誘電体層40の側面を取り囲んで誘電体層40の側面に接触する。
【0034】
図10及び図11に示すように、接触部64は、絶縁層22の少なくとも一部に対向し、接触部64はトランジスタのゲートとして用いられ、即ち、ワードライン63の一部はゲートである。基板10に垂直する方向(図10に示すZ方向)に沿って、絶縁層22の該方向での正投影と接触部64の該方向での正投影とが少なくとも部分的に重なり、例示的に、接触部64の上面は絶縁層22の上面よりも低く、接触部64の底面は絶縁層22の底面よりも高い。
【0035】
第1方向に沿って、接続部65は隣接する2つの接触部64を接続し、接続部65の高さは接触部64の高さと同じでも異なってもよく、接続部65の具体的な構造は実際の動作状況に応じて決定され得る。
【0036】
上記に記載されるように、本出願の実施例では、第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23は、順次積層して設けられて積層構造20を形成し、第1導電層21及び第2導電層23のうちの少なくとも1つが半金属層であり、積層構造20と他の構造との接触抵抗を低減させることができる一方、第1導電層21及び/又は第2導電層23とチャネル層30との間の接触抵抗も低減させることができ、それによって半導体構造の性能を向上させる。また、第1導電層21、絶縁層22、第2導電層23、チャネル層30、誘電体層40及び接触部64によって垂直トランジスタを形成し、積層構造20の高さを調整することによりチャネル層30の長さを増加させることができ、トランジスタの短チャネル効果を改善し、半導体構造の性能を向上させるのに便利である。
【0037】
本出願の可能な実施例では、図12図15を参照すると、第1方向に沿って延在するワードライン63を形成し、ワードライン63が複数の接触部64と隣接する接触部64を接続する接続部65とを含み、接触部64が誘電体層40の側面を取り囲んで誘電体層40の側面に接触し、接触部64が絶縁層22の少なくとも一部に対向するステップの前に、チャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間に第1支持層50を充填するステップをさらに含み、第1支持層50の基板10から離れる表面は、第1導電層21の基板10から離れる表面よりも高く、且つ絶縁層22の基板10から離れる表面よりも低い。
【0038】
図12図15に示すように、第1支持層50は、下敷き層として、後続で形成されるワードライン63と基板10との間の間隔を増加させることができ、ワードライン63の底面を第1導電層21の上面よりも高くさせ、即ち、ワードライン63の基板10に向かう表面が第1導電層21の基板10から離れる表面よりも高くなる。同時に、第1支持層50の基板10から離れる表面を絶縁層22の基板10から離れる表面よりも低くすることによって、ワードライン63の底面を第1導電層21の上面よりも低くさせ、それによってワードライン63が絶縁層22に対向することが保証される。ここで、第1支持層50の材質は窒化シリコン又はオキシ窒化シリコンであってもよく、第1支持層50と誘電体層40は大きい選択比を有し、例えば、第1支持層50と誘電体層40との選択比は5より大きく、第1支持層50をエッチングするときに誘電体層40を損傷することを回避し、それによってトランジスタのゲート酸化層の損傷を低減させる。
【0039】
本出願の可能な実施形態では、図12図15を参照すると、チャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間に第1支持層50を充填し、第1支持層50の基板10から離れる表面は、第1導電層21の基板10から離れる表面よりも高く、且つ絶縁層22の基板10から離れる表面よりも低いことは、以下のプロセスを含むことができる。
【0040】
誘電体層40に第1初期支持層51を形成し、第1初期支持層51がチャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間に充填され、第1初期支持層51が誘電体層40の上面を覆う。図12及び図13に示すように、第1初期支持層51が堆積形成され、第1初期支持層51がチャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間に充填され、第1初期支持層51が誘電体層40の上面も覆う。具体的に、第1初期支持層51の上面は、誘電体層40の上面よりも高い。
【0041】
第1初期支持層51を形成した後、第1初期支持層51の一部を除去し、残りの第1初期支持層51は第1支持層50を形成する。図14及び図15に示すように、基板10に垂直する方向に沿って、ドライエッチング又はウェットエッチングにより、第1初期支持層51の一部を除去し、チャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間に位置する第1初期支持層51の一部を残し、残りの第1初期支持層51は第1支持層50を形成する。
【0042】
上記の実施例に基づいて、即ち第1支持層50を形成した後、1つの可能な例では、図16図23を参照すると、第1方向に沿って延在するワードライン63を形成し、ワードライン63が複数の接触部64と隣接する接触部64を接続する接続部65とを含み、接触部64が誘電体層40の側面を取り囲んで誘電体層40の側面に接触し、接触部64が絶縁層22の少なくとも一部に対向するステップは、以下のステップを含むことができる。
【0043】
ステップS1041において、第1支持層及び誘電体層を覆う初期ワードライン層を形成する。
【0044】
図16及び図17を参照すると、堆積プロセスによって初期ワードライン層61を形成し、初期ワードライン層61は第1支持層50及び誘電体層40を覆う。図16及び図17に示すように、初期ワードライン層61は、第1支持層50の上面を覆いながら、誘電体層40の側面及び上面を覆う。各誘電体層40の側面を覆う初期ワードライン層61の間にさらに隙間があり、つまり、初期ワードライン層61は、チャネル層30及び誘電体層40によって覆われる積層構造20の間の空間に満杯に充填されない。
【0045】
ステップS1042において、第1方向に沿って第1支持層に位置する初期ワードライン層の一部を除去することによって、初期ワードライン層が、間隔を空けて設けられた複数の中間ワードライン層として形成される。
【0046】
図18図23を参照すると、第1支持層50に位置する初期ワードライン層61の一部を除去して、初期ワードライン層61が、間隔を空けて設けられた複数の中間ワードライン層62として形成され、各中間ワードライン層62はいずれも第1方向に沿って延在し、即ち第1方向に沿って第1支持層50上の初期ワードライン層61の一部を除去し、残りの初期ワードライン層61で中間ワードライン層62を形成する。
【0047】
具体的に、図18図23に示すように、第1方向に沿って第1支持層50に位置する一部の初期ワードライン層61を除去することによって、初期ワードライン層61が、間隔を空けて設けられた複数の中間ワードライン層62として形成されるステップは、以下のプロセスを含むことができる。
【0048】
初期ワードライン層61を覆うマスク層71を形成し、マスク層71は、チャネル層30、誘電体層40及び初期ワードライン層61によって覆われる積層構造20の間に充填され、マスク層71は初期ワードライン層61の上面を覆う。図18及び図19に示すように、初期ワードライン層61にマスク層71を堆積し、マスク層71は、チャネル層30、誘電体層40及び初期ワードライン層61によって覆われる積層構造20の間に充填され、マスク層71も初期ワードライン層61の上面を覆う。マスク層71の上面は、初期ワードライン層61の上面よりも高い。
【0049】
マスク層71を形成した後、マスク層71に第1フォトレジスト層72を形成し、第1フォトレジスト層72が第1方向に沿って延在する溝73を有し、溝73の基板10での正投影が積層構造20の側面に位置する初期ワードライン層61の基板10での正投影と重ならない。図18及び図19に示すように、マスク層71に第1フォトレジスト層72をスピンコーティングし、第1フォトレジスト層72は第1フォトレジスト層72を貫通する溝73を有し、該溝73は誘電体層40の側面及び上面に位置する初期ワードライン層61からずれ、第1支持層50上の初期ワードライン層61の一部に対向する。
【0050】
第1フォトレジスト層72を形成した後、第1フォトレジスト層72をマスクとし、マスク層71をエッチングする。第1フォトレジスト層72をマスクとしてマスク層71をエッチングすることにより、第1フォトレジスト層72上のパターンがマスク層71に転写し、図20及び図21に示すように、マスク層71に形成されたパターンに初期ワードライン層61が露出する。
【0051】
マスク層71をエッチングした後、エッチング後のマスク層71をマスクとし、初期ワードライン層61をエッチングし、中間ワードライン層62を形成する。異方性エッチングにより、第1支持層50上の初期ワードライン層61の一部を除去し、図22及び図23に示すように、残りの初期ワードライン層61が中間ワードライン層62を形成する。複数の中間ワードライン層62の間の隙間によって第1支持層50が露出する。
【0052】
ステップS1043において、誘電体層の上面における中間ワードライン層及び誘電体層の側面における基板から離れる中間ワードライン層の一部を除去し、残りの中間ワードライン層がワードラインとして形成される。
【0053】
エッチングにより誘電体層40の上面における中間ワードライン層62、及び誘電体層40の側面における上部の中間ワードライン層62を除去し、残りの中間ワードライン層62がワードライン63として形成される。図10及び図11に示すように、ワードライン63の上面は絶縁層22の上面よりも低く、ワードライン63は絶縁層22に対向する。
【0054】
本出願の別の可能な実施例では、第1方向に沿って延在するワードライン63を形成し、ワードライン63が複数の接触部64と隣接する接触部64を接続する接続部65とを含み、接触部64が積層構造20に接続され、接触部64が誘電体層40の側面を取り囲むステップの後、図24図33を参照すると、半導体構造の製造方法はさらに、
ワードライン63、第1支持層50及び誘電体層40を覆う第2支持層81を形成することを含む。図24及び図25に示すように、第2支持層81を堆積し、第2支持層81はワードライン63、第1支持層50及び誘電体層40を覆い、第2支持層81の上面は誘電体層40の上面よりも高い。第2支持層81の基板10から離れる面は平らであってもよく、例示的に、第2支持層81に対して化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMPと略称する)などの平坦化処理を行って、第2支持層81の上面を平らにする。第2支持層81の材質は、第2支持層81と第1支持層50とが一体になるために、第1支持層50の材質と同じであってもよく、いずれも絶縁材料であり、第2支持層81と第1支持層50は、各ワードライン63を絶縁するために、各ワードライン63を覆い及び隔離する。
【0055】
第2支持層81を形成した後、第2支持層81に第2フォトレジスト層82を形成し、第2フォトレジスト層82は複数の開口83を有し、開口83は積層構造20に正対する。図24及び図25に示すように、第2支持層81に第2フォトレジスト層82を形成し、第2フォトレジスト層82は複数の開口83を有し、複数の開口83は複数の積層構造20にそれぞれ対応し、開口83は対応する積層構造20に正対する。各開口83の基板10での正投影は、それに対応する積層構造20の基板10での正投影内に位置し、又は、各開口83の基板10での正投影は、それに対応する積層構造20の基板10での正投影と重なる。
【0056】
第2フォトレジスト層82を形成した後、第2フォトレジスト層82をマスクとし、第2支持層81、誘電体層40及びチャネル層30をエッチングし、接触孔84を形成し、接触孔84によって第2導電層23を露出する。図26及び図27に示すように、接触孔84は、第2支持層81、誘電体層40及びチャネル層30を貫通して、第2導電層23を露出する。接触孔84を形成すると同時に、第2フォトレジスト層82も除去され、又は、接触孔84を形成してから、第2フォトレジスト層82を除去する。図28及び図29に示すように、第2フォトレジスト層82を除去した後、第2支持層81の上面が露出する。
【0057】
説明すべきこととして、接触孔84の開口83の面積は接触孔84の底部の面積よりも大きく、即ち接触孔84は上部の幅が大きく、下部の幅が小さい。このように設けることによって、接触孔84内に第3導電層90を形成した後、第3導電層90の上部の幅が大きく、操作ウィンドウの幅を増加させることにより、コンデンサとの位置合わせを容易にする。また、第3導電層90の下部の幅が小さく、トランジスタの臨界寸法を低減させることができる。
【0058】
例示的に、基板10に垂直な平面を断面とし、接触孔84の断面形状は上から下に小さくなる逆台形であってもよい。図30及び図31に示すように、接触孔84の断面形状は、互いに接続された矩形及び台形であってもよく、矩形が台形の基板10に近い側に設けられ、矩形の底辺が台形の上底と重なる。
【0059】
接触孔84を形成した後、接触孔84内に第3導電層90を形成し、第3導電層90は第2導電層に電気的に接続される。図32及び図33に示すように、接触孔84内に第3導電層90を堆積し、第3導電層90が第2導電層23と接触し、これにより第3導電層90と第2導電層23との電気的接続を実現する。第3導電層90は、コンデンサ接触パッドであってもよく、第3導電層90にコンデンサが形成される。
【0060】
図10及び図11を参照すると、本出願の実施例は、半導体構造をさらに提供し、該半導体構造は、積層構造20、チャネル層30、誘電体層40及びゲートを含む。ここで、積層構造20は、基板10に設けられ、基板10は積層構造20を支持するために用いられ、基板10は、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。
【0061】
基板10内に複数のビットライン11が設けられてもよく、複数のビットライン11は、互いに間隔を空け、複数のビットライン11は、第2方向(図11に示すX方向)に沿って延在する。ビットライン11は、基板10の表面に露出することができ、これにより、基板10に位置する他の構造に電気的に接続されるのに便利である。隣接するビットライン11の間にシャロートレンチアイソレーション12がさらに設けられてもよく、シャロートレンチアイソレーション12によって各ビットライン11を隔離する。
【0062】
基板10に複数の積層構造20が設けられ、各積層構造20は間隔を空けて設けられる。積層構造20は、積層して設けられた第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23を含む。図10及び図11に示すように、基板10から離れる方向に沿って、第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23が順次設けられる。第1導電層21及び第2導電層23のうちの一方がソースであり、第1導電層21及び第2導電層23のうちの他方がドレインであり、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つが半金属層であり、半金属層の材質はビスマスであってもよく、絶縁層22の材質は酸化シリコンであってもよい。ソース又はドレインのうちの少なくとも1つを半金属層として設けることにより、積層構造20と他の構造(例えば、ビットライン11及び/又はコンデンサ)との間の接触抵抗を低減させ、それによって半導体構造の性能を向上させることができる。
【0063】
引き続き図10及び図11を参照すると、第2方向に沿って、各ビットライン11に少なくとも1つの積層構造20が設けられ、積層構造20におけるソース及びドレインのうちの1つがビットライン11に接触し、それによって該ソース又はドレインとビットライン11との電気的接続が実現される。積層構造20は、円柱、楕円柱、角柱又は直方柱などの柱状であってもよく、積層構造20はアレイ状に配列されてもよい。
【0064】
積層構造20の側面がチャネル層30によって覆われ、積層構造20の側面を取り囲むチャネル層30はチャネル領域を形成してソースとドレインとの間に導電通路を提供し、これにより、キャリアはソースからドレインに移動し、又はドレインからソースに移動することができる。チャネル領域は層状であり、チャネル層30の材質は二硫化モリブデンなどの硫化モリブデンを含むことができる。層状の硫化モリブデンにバンドギャップが存在し、それで形成される電界効果トランジスタのオン/オフ電流比が高い。好ましくは、チャネル層30の材質は硫化モリブデンであり、ソース及びドレインの材質はいずれもビスマスであり、チャネル層30とソースとの間のギャップ状態及びエネルギー障壁、チャネル層30とドレインとの間のギャップ状態及びエネルギー障壁を低減させ、それによってチャネル層30とソースとの間の接触抵抗、チャネル層30とドレインとの間の接触抵抗を低減させる。
【0065】
チャネル層30の側面が誘電体層40によって覆われ、誘電体層40は酸化物層であってもよく、チャネル層30の側面に位置する誘電体層40によってゲート酸化層を形成する。例示的に、誘電体層40の材質は酸化シリコンである。
【0066】
引き続き図10及び図11を参照すると、誘電体層40の側面にゲートが周設され、ゲートは、誘電体層40の側面を取り囲んで誘電体層40の側面に接触する。ゲートは、絶縁層22の少なくとも一部に対向し、基板10に垂直する方向(図10に示すZ方向)に沿って、誘電体層40の該方向での正投影とゲートの該方向での正投影とが少なくとも部分的に重なる。例示的に、ゲートの上面は誘電体層40の上面よりも低く、ゲートの底面は誘電体層40の底面よりも高い。
【0067】
本出願の実施例における半導体構造は、ワードライン63をさらに含み、ワードライン63は第1方向に沿って延在し、ワードライン63は接触部64と隣接する2つの接触部64を接続する接続部65とを含み、ここで、接触部64は、誘電体層40に周設されたゲートであり、即ちワードライン63の一部はゲートである。理解可能なこととして、第1方向に沿って、接続部65とゲートは間隔を空けて設けられ、接続部65によって、第1方向における複数のゲートを一体になるように接続してワードライン63を形成する。
【0068】
1つの可能な例では、図32及び図33を参照すると、ワードライン63が第1支持層50に設けられ、第1支持層50はワードライン63の下方に位置し、誘電体層40及びチャネル層30によって覆われる積層構造20の間に充填されることによって、ワードライン63の高度を高める。ワードライン63に第2支持層81を覆うこともでき、第2支持層81と第1支持層50とはワードライン63を電気的に隔離する。第2支持層81の材質は、第2支持層81と第1支持層50とが一体になるために、第1支持層50の材質と同じであってもよい。
【0069】
引き続き図32及び図33を参照すると、第2支持層81は誘電体層40をさらに覆い、第2支持層81は接触孔を有し、接触孔は、誘電体層40及びチャネル層30を貫通して積層構造20の第2導電層23を露出する。接触孔84内に第3導電層90を充填し、第3導電層90の一端は第2導電層23と接触し、これにより第3導電層90と第2導電層23との電気的接続を実現し、第3導電層90の他端はコンデンサに接続されてもよい。
【0070】
本出願の実施例の半導体構造では、第1導電層21、絶縁層22及び第2導電層23が順次積層して設けられて積層構造20を形成し、第1導電層21及び第2導電層23のうちの一方がソースであり、他方がドレインであり、第1導電層21及び第2導電層23のうちの少なくとも1つが半金属層であり、積層構造20と他の構造との接触抵抗を低減させることができる一方、第1導電層21及び/又は第2導電層23とチャネル層30との間の接触抵抗を低減させることもでき、それによって半導体構造の性能を向上させる。また、積層構造20の側面がチャネル層30によって覆われ、チャネル層30の側面が誘電体層40によって覆われ、誘電体層40にゲートが周設され、積層構造20、チャネル層30、誘電体層40及びゲートは垂直トランジスタを形成し、積層構造20の高さを調整することによりチャネル層30の長さを増加させることができ、トランジスタの短チャネル効果を改善し、半導体構造の性能を向上させるのに便利である。
【0071】
本明細書における各実施例又は実施形態は段階的な方式で説明され、各実施例は他の実施例と異なる点を重点的に説明し、各実施例間の同様と類似の部分は互いに参照すればよい。
【0072】
本明細書の説明において、参照用語「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの説明は、実施形態又は例を参照して説明される具体的な特徴、構造、材料又は特色が本出願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語に対する概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を意味するものではない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特色は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方式で結合され得る。
【0073】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本出願の技術案を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本出願を詳細に説明するが、当業者は、依然として前述の各実施例に記載された技術案を修正し、又はその中の一部又は全部の技術特徴に対して同等の入れ替えを行うことができ、これらの修正、又は入れ替えが対応する技術案の本質を、本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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